(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056301
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】あがり症対策用の食品
(51)【国際特許分類】
A23L 33/105 20160101AFI20240416BHJP
A23L 33/15 20160101ALI20240416BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20240416BHJP
A23L 33/175 20160101ALI20240416BHJP
A23L 33/14 20160101ALI20240416BHJP
【FI】
A23L33/105
A23L33/15
A23L33/10
A23L33/175
A23L33/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163087
(22)【出願日】2022-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】518068899
【氏名又は名称】ふるさと和漢堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】新竹 政宏
【テーマコード(参考)】
4B018
【Fターム(参考)】
4B018LE01
4B018LE02
4B018LE03
4B018MD19
4B018MD23
4B018MD34
4B018MD48
4B018MD49
4B018MD52
4B018MD57
4B018MD58
4B018MD59
4B018MD81
4B018ME14
4B018MF07
4B018MF13
(57)【要約】
【課題】あがり症の対策として使用者が任意のときに摂取することができ、特に、日常の食習慣に取り入れることもできる食品を提供する。
【解決手段】ムクナ豆の粉末と、バコパの粉末と、フェヌグリークの粉末と、シークワーサーの粉末と、抹茶の粉末と、米ぬかの粉末および/または米ぬか発酵物の粉末と、を含むあがり症対策用の食品。さらに、ビール酵母の粉末や、大豆の粉末を含むものとしてもよい。また、ノビレチン、テアニン、GABA、トリプトファン、L-ドーパミン、セロトニン様作用物質、およびオキシトシン様作用物質を含む、あがり症対策用の食品。さらに、ビタミンB群を含むものとすることができる。本発明の食品は、カプセル剤や錠剤等とすることができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ムクナ豆の粉末と、バコパの粉末と、フェヌグリークの粉末と、シークワーサーの粉末と、抹茶の粉末と、米ぬかの粉末および/または米ぬか発酵物の粉末と、を含むあがり症対策用の食品。
【請求項2】
さらに、ビール酵母の粉末、および/または、大豆の粉末を含む、請求項1に記載の食品。
【請求項3】
ノビレチン、テアニン、GABA、トリプトファン、L-ドーパ、セロトニン様作用物質、およびオキシトシン様作用物質を含む、あがり症対策用の食品。
【請求項4】
さらに、ビタミンB群を含む、請求項3に記載の食品。
【請求項5】
カプセル剤、錠剤、または散剤である請求項1~4のいずれかに記載の食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、あがり症対策用の食品に関する。
【背景技術】
【0002】
あがり症は、人前が苦手で、例えばうまく話せなくなるような問題がある。一方で、社会生活を行うにあたって、様々な立場で、スピーチやプレゼンテーションなどが必要な場面はあり、あがり症の自覚がある人などは、自らのあがり症に悩んでいる場合もある。
【0003】
特許文献1は、薬を人の口内から体内循環系に投与する所定の方法であって、前記薬はあがり症を治療するプロパノロルルで、本方法で投与された薬の効果は2~8分以内に現れるものである薬投与方法を開示している。
【0004】
特許文献2は、長期間投与でき、安全性が高い抗ストレス用組成物を提供することを目的とするものであり、ラクトバチルス・ヘルベティカスを有効成分とする抗ストレス用組成物を提供するものであり、当該ストレスは精神ストレスであってもよく、また、当該組成物は不安障害、対人恐怖症、社会性の低下、適応障害の治療又は予防のために用いられてもよく、そして、当該ラクトバチルス・ヘルベティカスはラクトバチルス・ヘルベティカス NITE BP-01671であってもよく、さらに、当該組成物が医薬組成物又は飲食品組成物であってもよいものを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2002-542186号公報
【特許文献2】特開2021-153446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
あがり症の自覚がある者などから、スピーチやプレゼンテーションなどの、人前で恥をかきたくないときに、あがり症の対策として、任意のときに苦手意識を克服することが求められている。あがり症は、人前で話すレッスンなどを通して解決しようとすることもあるが、レッスン自体も苦手意識の対象となることや、自粛が求められる社会情勢などでレッスンの機会が限られること、レッスンの場が少ないことなども問題となる場合もある。このようなあがり症の対策用として特許文献1、2のような技術以外にも多様な選択肢が求められている。
本発明は、あがり症の対策として使用者が任意のときに摂取することができ、健康食品やサプリメント等として日常の食習慣に取り入れて根本的な解決を目指すこともできる食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
【0008】
<1> ムクナ豆の粉末と、バコパの粉末と、フェヌグリークの粉末と、シークワーサーの粉末と、抹茶の粉末と、米ぬかの粉末および/または米ぬか発酵物の粉末と、を含むあがり症対策用の食品。
<2> さらに、ビール酵母の粉末、および/または、大豆の粉末を含む、前記<1>に記載の食品。
<3> ノビレチン、テアニン、GABA、トリプトファン、L-ドーパ、セロトニン様作用物質、およびオキシトシン様作用物質を含む、あがり症対策用の食品。
<4> さらに、ビタミンB群を含む、前記<3>に記載の食品。
<5> カプセル剤、錠剤、または散剤である前記<1>~<4>のいずれかに記載の食品。
【発明の効果】
【0009】
本発明の食品は、あがり症の対策として使用者が任意のときに摂取することができ、特に、日常の食習慣に取り入れて継続的な効果も期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。なお、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値を含む表現として用いる。
【0011】
[本発明の第一の食品]
本発明の第一の食品は、ムクナ豆の粉末と、バコパの粉末と、フェヌグリークの粉末と、シークワーサーの粉末と、抹茶の粉末と、米ぬかの粉末および/または米ぬか発酵物の粉末と、を含むあがり症対策用の食品である。
【0012】
[本発明の第二の食品]
本発明の第二の食品は、ノビレチン、テアニン、GABA、トリプトファン、L-ドーパ、セロトニン様作用物質、およびオキシトシン様作用物質を含む、あがり症対策用の食品である。
【0013】
本願において、本発明の第一の食品と、本発明の第二の食品とは、いずれもあがり症対策用の食品であり、共通する原料や成分などを含むものとすることもできるため、本願においてそれぞれに対応する構成は相互に利用することができる。また、本願において、本発明の第一の食品と、本発明の第二の食品とを合わせて、本発明の食品と記載する場合がある。
【0014】
[ムクナ豆]
本発明の第一の食品は、ムクナ豆の粉末を含む。ムクナ豆は、ヒマラヤやインドなどが主な原産地とされる豆であり、ハッショウマメ(和名)とも呼ばれる。ムクナ豆は、L-ドーパを多量に含む植物である。このL-ドーパは、ドーパミンの原料となる物質である。ムクナ豆の粉末は、豆や種子、種子の鞘のヒゲなどを用いて、これらを乾燥粉末や、これらを原料として水や、アルコール、水とアルコールの混合物のいずれかなどで抽出・精製・濃縮し、適宜、噴霧乾燥や真空乾燥などで乾燥したエキス粉末などを用いることができる。ムクナ豆の粉末は、L-ドーパ30%程度含むものなどを用いることができる。ムクナ豆の粉末は、例えば、1日当たり200~500mg摂取できるものとすることが好ましい。これはL-ドーパとして、1日当たり50~200mg摂取できるものとすることが好ましい。
【0015】
[バコパ]
本発明の第一の食品は、バコパの粉末の粉末を含む。バコパは、地上部の乾燥品を原料として、水やアルコール、水とアルコールの混合物のいずれかなどで抽出・精製・濃縮し、適宜、噴霧乾燥や真空乾燥などで乾燥したエキス粉末(バコパエキス末)などを用いることができる。バコパは、セロトニン様作用物質を含む。本発明の第一の食品における、その食品の目安摂取量により、バコパの粉末は、例えば、1日当たり5~30mg摂取できるものとすることが好ましい。
【0016】
[フェヌグリーク]
本発明の第一の食品は、フェヌグリークの粉末を含む。フェヌグリークは、ハーブやスパイスとしても古来から利用されているマメ亜科の植物であり、別名コロハなどともよばれる。フェヌグリークは、種子を用いた粉末や、これらを原料として水や、アルコール、水とアルコールの混合物のいずれかなどで抽出・精製・濃縮し、適宜、噴霧乾燥や真空乾燥などで乾燥したエキス粉末などを用いることができる。フェヌグリークは、オキシトシン様作用物質を含む。本発明の第一の食品における、その食品の目安摂取量により、フェヌグリークの粉末は、例えば、1日当たり5~30mg摂取できるものとすることが好ましい。
【0017】
[シークワーサー]
本発明の第一の食品は、シークワーサーの粉末を含む。シークワーサー粉末は、ノビレチンを含む。シークワーサーの粉末は、特に、シークワーサーの果皮を含む乾燥粉末を用いることが好ましい。本発明の第一の食品における、その食品の目安摂取量により、シークワーサー粉末は、例えば、1日当たり5~30mg摂取できるものとすることが好ましい。
【0018】
[抹茶]
本発明の第一の食品は、抹茶の粉末を含む。抹茶は、テアニンを含む。本発明の第一の食品における、その食品の目安摂取量により、抹茶の粉末は、例えば、1日当たり5~30mg摂取できるものとすることが好ましい。
【0019】
[米ぬか]
本発明の第一の食品は、米ぬかの粉末および/または米ぬか発酵物の粉末を含む。米ぬかの粉末と米ぬか発酵物とを合わせて、本願では米ぬかに係る粉末とよぶ場合がある。米ぬかに係る粉末は、GABAを含むように調整することができる。本発明の第一の食品に用いる米ぬかに係る粉末は、2~5%程度(2000mg/100g~5000mg/100g)のGABA含有量のものなどを用いることができる。本発明の第一の食品における、その食品の目安摂取量により、米ぬかの粉末および米ぬか発酵物の粉末は、GABA4%規格品相当として、例えば、1日当たり5~30mg摂取できるものとすることが好ましい。
【0020】
[ビール酵母の粉末]
本発明の第一の食品は、さらに、ビール酵母の粉末を含むものとすることができる。ビール酵母の粉末は、ビタミンB群を含む。ビール酵母の粉末は、ビール醸造後にろ過された酵母を粉末としたものなどを用いることができる。ビール酵母の粉末は、アミノ酸やタンパク質、ビタミンなどを含むが、本発明の食品においては、特にそのビタミンB群があがり症の対策に寄与すると考えられる。ビタミンB群は、神経伝達物質の合成に関わっており、特にビタミンB6はドーパミンや、アドレナリン、ノルアドレナリン、GABA、アセチルコリンなどの主要な脳内物質の生成に重要である。また、ビタミンB12も神経機能の維持に重要である。また、ビタミンB群はうつ病に関わるホモシステイン濃度を改善させる。本発明の第一の食品における、その食品の目安摂取量により、ビール酵母の粉末は、例えば、1日当たり50~300mg摂取できるものとすることが好ましい。
【0021】
[大豆の粉末]
本発明の食品は、さらに、大豆の粉末を含むものとすることができる。大豆の粉末は、セロトニンの原料となるトリプトファンを含有する。大豆の粉末は、熱処理加工で失活させて、ひきわり、粉砕を行いったものなどを用いることができる。本発明の第一の食品における、その食品の目安摂取量により、大豆の粉末は、例えば、1日当たり5~30mg摂取できるものとすることが好ましい。
【0022】
本発明の第一の食品は、これらの粉末のいずれも自然由来で食品として用いられてきた原料である。
【0023】
[ノビレチン]
本発明の第二の食品は、ノビレチンを含む。ノビレチンは、かんきつ類の果皮に含まれるフラボノイドであり、シークワーサーなどに多く含まれている。ノビレチンは、神経細胞の突起伸長に寄与する。
【0024】
[テアニン]
本発明の第二の食品は、テアニンを含む。テアニンは、興奮をしずめたり緊張を和らげるなどのリラックス効果などを有する。テアニンは抹茶などに多く含まれている。
【0025】
[GABA(γ-アミノ酪酸:Gamma-Amino Butyric Acid))]
本発明の第二の食品は、GABAを含む。GABAは、リラックス効果が期待される。GABAは米ぬかに由来する粉末などに多く含まれている。GABAは、脳やせき髄で精神を安定させる抑制性の神経伝達物質で、交感神経の働きを抑制して、興奮した神経を落ち着かせたり、ストレスを緩和したり、睡眠の質を整える。GABAは、ドーパミンなど興奮系の神経伝達物質の過剰分泌を抑える。
【0026】
[トリプトファン]
本発明の第二の食品は、トリプトファンを含む。トリプトファンは、必須アミノ酸の一つで、乳製品や大豆製品、ナッツ類などに含まれている。トリプトファンは植物由来のものを用いることが好ましい。トリプトファンはリラックス効果などを有する。トリプトファンは大豆などに多く含まれている。トリプトファンは、体内で合成されないため、食品等から摂取する必要がある。トリプトファンは、不安障害や、感情障害、睡眠障害に大切なセロトニンの生成に必要である。セロトニンは、感情や精神面、睡眠など人間の大切な機能に深く関係する三大神経伝達物質の1つである。
【0027】
[L-ドーパ(L-DOPA)(L-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン:L-3,4-dihydroxyphenylalanine)]
本発明の第二の食品は、L-ドーパを含む。L-ドーパは、ドーパミンの原料となる物質である。L-ドーパはムクナ豆などに多く含まれている。ドーパミンは、脳内の報酬系の神経系の活性化に関与する。ドーパミンは、意欲の向上や、集中力の向上に有用である。
【0028】
[セロトニン様作用物質]
本発明の第二の食品は、セロトニン様作用物質を含む。セロトニンは、脳内の神経伝達物質のひとつで、ドパミン・ノルアドレナリンを制御し精神を安定させる働きをする。セロトニン様作用物質は、このセロトニンのような作用を奏する物質である。セロトニン様作用物質はバコパなどに多く含まれている。
【0029】
[オキシトシン様作用物質]
本発明の第二の食品は、オキシトシン様作用物質を含む。オキシトシンは、視床下部の室傍核と視索上核の神経分泌細胞で合成され、下垂体後葉から分泌されるホルモンである。オキシトシンは幸せホルモンなどとよばれることもある。オキシトシン様作用物質は、このオキシトシンのような作用を奏する物質である。オキシトシン様作用物質はフェヌグリークなどに多く含まれている。
【0030】
[ビタミンB群]
本発明の食品は、さらに、ビタミンB群を含むものとすることができる。ビタミンB群の中でも、特にビタミンB12やビタミンB6を含むものとすることが好ましい。ビタミンB群は、神経伝達物質の合成に関わっており、特にビタミンB6はドーパミンや、アドレナリン、ノルアドレナリン、GABA、アセチルコリンなどの主要な脳内物質の生成に重要である。また、ビタミンB12も神経機能の維持に重要である。また、ビタミンB群はうつ病に関わるホモシステイン濃度を改善させる。ビタミンB群はビール酵母などに多く含まれている。
【0031】
本発明の食品は、賦形剤などを含むものとすることができる。賦形剤としては、例えば、でんぷんやデキストリンなどを含むものとすることができる。でんぷんは、馬鈴薯などのジャガイモ由来のものなどを用いることができる。デキストリンは、キャッサバ由来のものなどを用いることができる。
【0032】
賦形剤は、各カプセル剤等の大きさなどに合わせて適宜用いられ、例えば、1粒のカプセルにおいて、50mg~200mg程度含むものとすることができる。本発明の用いるムクナ豆の粉末や、バコパの粉末などは吸湿性が高い特徴がある。このため、カプセルなどに収容するために混合したとき、ダマになりやすくなる場合があり、賦形剤も吸湿性の高い澱粉だけだと、安定しない可能性がある。そこで、吸湿性の異なる賦形剤であるでんぷんと、デキストリンとを組み合わせることで、ダマとなることを防止して、製剤を安定化することもできる。デキストリンは、各種粉末、特にエキス末などの原料として含まれているものに由来するものを利用してもよい。
【0033】
本発明の食品は、前述した有効成分以外の甘味料や、着色料、保存料、安定剤、漂白剤、香料、乳化剤、代替添加物を含まないものとしてもよい。特に、化学合成された甘味料や、着色料、保存料、安定剤、漂白剤、香料、乳化剤、代替添加物を含まないことが好ましい。また、重金属などの有害物質を含まず安全性が高いものとすることができる。
【0034】
本発明の食品は、カプセル剤や、錠剤、散剤などの摂取しやすい各種の剤形とすることができる。特に、カプセル剤、錠剤、または散剤のいずれかとすることが好ましい。これらとすることで、継続して容易に摂取しやすいものとなる。散剤は容器に収容したものを適量を秤量しながら摂取してもよいし、1日の摂取量などを個包装して摂取しやすいものとしてもよい。特に、各成分を事前に流動性が高い状態となるように混合して収容させた、カプセル剤とすることが好ましい。カプセル剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)のカプセルなどを用いて、その内部に本発明の食品を構成する各主成分を収容したものとすることができる。
【0035】
本発明の食品は、カプセル剤などとして、1粒あたりの収容量を約100~500mgや、250mg~350mg程度とすることができる。また、1日当たりの摂取量として、カプセル剤の収容量の総量として、500mg/日~2000mg/日や、800~1200mg/日とすることができる。
【0036】
本発明の食品は、精神保健福祉士の監修の下からも、次のようなメカニズムが期待されることであがり症の対策を行うものと考えられる。あがり症の要因の1つとして自己肯定感の低さがあるためストレスホルモンであるコルチゾールを減らして自己肯定感を高める必要がある。そのため、ムクナ豆由来のドーパミンやフェヌグリーク由来のオキシトシン、バコパ由来のセロトニンといった幸せホルモンを補給して相対的にコルチゾールを減らす。さらに興奮を沈めるGABAや、テアニンによって、リラックス効果および、緊張によってぎこちなくなる体の動きをスムーズにコントロールできると考えられる。また神経細胞に働きかけるノビレチンや上記の各ホルモンの伝達に重要な役割となるビタミンB類やタンパク質などが本食品の各成分を繋ぐバイパスとなる役割を果たすと考えられる。
【実施例0037】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0038】
[カプセル剤(1)]
本発明の食品に係るカプセル剤(1)を表1の比率で混合して作成した。総量約300mgの成分を、HPMCのハードカプセルに収容させた。このカプセル剤(1)は、1日当たり、3粒程度を摂取することを目安として設計されたものである。
【0039】
・ムクナ豆エキス末:バイオドーパ(商標)(バイオアクティブズジャパン株式会社)
・シークワーサー粉末:沖縄県産シークワーサーパウダー(オキナワパウダーフーズ株式会社)
・フェヌグリークエキス末:フェヌグリーク(コロハ)エキス40%(FENUSULIN(商標)(バイオアクティブズジャパン株式会社)
・バコパエキス末:バコパエキスパウダー(日本新薬株式会社)
・抹茶(粉末):抹茶TM-30(佐々木製茶株式会社)
・米糠発酵物:爛漫ギャバ粉末(食品(米糠加工品)(秋田銘醸株式会社)
・ビール酵母:乾燥ビール酵母(セティ株式会社)
・大豆粉末:KS大豆ミクロンパウダー(有限会社オフコ)
・でんぷん:松谷かめ(馬鈴しょ精製でん粉)(小清水町農業協同組合)
・HPMC:QUALI-V-N透明(サイズ0~3号)(硬HPMCカプセル)(クオリカプス株式会社)
【0040】
なお、各原料について、表内に特記事項をかっこ書きで併記した。
ムクナ豆エキス末は、L-ドーパ30%規格で含み、デキストリンを含有するものを用いた。ムクナ豆エキス末全体におけるデキストリン含有量をかっこ書きで併記している。
また、同様に、フェヌグリークエキス末(別名コロハエキス末)もデキストリンを含有するものを用いた。フェヌグリークエキス末全体におけるデキストリン含有量をかっこ書きで併記している。
米糠発酵物は、GABA4%規格品である。
ビール酵母は、ビタミンB12等を含むため、その略号であるVB12をかっこ書きで記載している。
【0041】
【0042】
[摂取例]
大勢の人前で話すことに抵抗がある者が、緊急事態宣言下等で、自粛生活を行っている期間中に、カプセル剤(1)を1日当たり3粒、1か月間継続して摂取した。リモートワーク等の制限が少なくなり、対面での打合せ・接客などで人と話す機会が増えてからも、過度にあがり症に悩むことなく、落ち着いた状態で話すことができるようになった。