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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056307
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】工作機械
(51)【国際特許分類】
   B23Q 11/08 20060101AFI20240416BHJP
   B23F 5/04 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
B23Q11/08 Z
B23F5/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163097
(22)【出願日】2022-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】000150604
【氏名又は名称】株式会社ナガセインテグレックス
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 幸泰
(72)【発明者】
【氏名】新藤 良太
【テーマコード(参考)】
3C011
【Fターム(参考)】
3C011DD02
(57)【要約】
【課題】工作機械内の加工部を、工作機械の外部の2つのスペースの一方に対して選択的に開放することのできる工作機械を提供する。
【解決手段】開閉カバー23は、装置本体13の外縁に沿って閉位置と開位置との間で移動する。開閉カバー23は、第1扉30と第2扉40とに分割されている。第1扉30は、装置本体13の外縁に沿う態様で上下方向に延在する第1側壁部31を有する。第1側壁部31は、閉位置では装置本体13内の加工部と第1スペースS1との間を仕切り、且つ、開位置では加工部とスペースS1,S2との間を仕切らない形状をなす。第2扉40は、装置本体13の外縁に沿う態様で上下方向に延在する第2側壁部41を有する。第2側壁部41は、閉位置では加工部と第2スペースS2との間を仕切り、且つ、開位置では加工部と第1スペースS1との間を仕切る形状をなす。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工部を有する装置本体と、前記加工部と前記装置本体の外部との間を仕切るためのカバー部材と、を備える工作機械において、
前記装置本体の外縁に沿う部分に当該外縁に沿って並ぶように定められた第1スペースと第2スペースとからなる2つのスペースを有し、
前記カバー部材は、前記外縁に沿って閉位置と開位置との間で移動可能な構造をなすとともに、前記外縁に沿って並ぶ態様で第1扉と第2扉とに分割された分割構造をなし、
前記第1扉は、前記外縁に沿う態様で上下方向に延在する第1側壁部を有し、
前記第1側壁部は、前記閉位置では前記加工部と前記第1スペースとの間を仕切る部分をなし、且つ、前記開位置では前記加工部と前記2つのスペースとの間を仕切らない部分をなすものであり、
前記第2扉は、前記外縁に沿う態様で上下方向に延在する第2側壁部を有し、
前記第2側壁部は、前記閉位置では前記加工部と前記第2スペースとの間を仕切る部分をなし、且つ、前記開位置では前記加工部と前記第1スペースとの間を仕切る部分をなすものである、工作機械。
【請求項2】
前記第1扉は、前記加工部の上方で延びる態様で前記第1側壁部に設けられる第1天壁部を有し、
前記第1天壁部は、前記閉位置では前記加工部の上方を覆う部分をなし、且つ、前記開位置では前記加工部の上方を覆わない部分をなすものであり、
前記第2扉は、前記加工部の上方で延びる態様で前記第2側壁部に設けられる第2天壁部を有し、
前記第2天壁部は、前記閉位置および前記開位置のいずれにおいても、前記加工部の上方を覆わない部分をなすものである、
請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
前記第1天壁部は、前記第2天壁部の側に延出する形状の延出部を有し、
前記第2天壁部は、前記第1扉および前記第2扉が前記閉位置である状態において前記延出部にあたる部分が切り欠かれた形状の第1切り欠き部を有する
請求項2に記載の工作機械。
【請求項4】
前記第2天壁部は、前記第1天壁部から遠い側の端部が切り欠かれた形状の第2切り欠き部を有する
請求項2または3に記載の工作機械。
【請求項5】
前記第1扉および前記第2扉を連結した連結状態と同連結を解除した解除状態とを切り替える切替部を有する
請求項1に記載の工作機械。
【請求項6】
前記第1扉および前記第2扉の一方のみに駆動連結されて、前記第1扉および前記第2扉を開閉駆動する駆動部を有する
請求項5に記載の工作機械。
【請求項7】
前記第1側壁部と前記第2側壁部とは、中心が同一の断面円弧状をなしている
請求項1に記載の工作機械。
【請求項8】
前記工作機械は、歯車ワークを研削工具によって加工する歯車研削盤である
請求項7に記載の工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工部を開閉可能にしたカバー部材を有する工作機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
前記のようなカバー部材を有する工作機械は、特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の工作機械は、工具によるワークの加工を行う部分である加工部を有している。そして、この工作機械のカバー部材は、上記加工部を同工作機械の外部に開放する開口を開閉可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-188797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
工作機械においては、加工部における工具の交換やワークの着脱を行うための作業スペースとして、例えば人間(作業者)用の作業スペースとロボット用の作業スペースとを設定するなど、2つのスペースが設定される場合がある。この場合には、2つのスペースが同一部分(詳しくは、加工部)に対して作業を行うための作業スペースであるため、作業の都合上、2つのスペースの一方のみが開放された状態になることが好ましい。上記工作機械のカバー部材は、2つのスペースの一方のみを開放することが可能になる構造にはなっていない。上記工作機械は、この点において課題を残すものになっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための工作機械は、加工部を有する装置本体と、前記加工部と前記装置本体の外部との間を仕切るためのカバー部材と、を備える工作機械において、前記装置本体の外縁に沿う部分に当該外縁に沿って並ぶように定められた第1スペースと第2スペースとからなる2つのスペースを有し、前記カバー部材は、前記外縁に沿って閉位置と開位置との間で移動可能な構造をなすとともに、前記外縁に沿って並ぶ態様で第1扉と第2扉とに分割された分割構造をなし、前記第1扉は、前記外縁に沿う態様で上下方向に延在する第1側壁部を有し、前記第1側壁部は、前記閉位置では前記加工部と前記第1スペースとの間を仕切る部分をなし、且つ、前記開位置では前記加工部と前記2つのスペースとの間を仕切らない部分をなすものであり、前記第2扉は、前記外縁に沿う態様で上下方向に延在する第2側壁部を有し、前記第2側壁部は、前記閉位置では前記加工部と前記第2スペースとの間を仕切る部分をなし、且つ、前記開位置では前記加工部と前記第1スペースとの間を仕切る部分をなすものである。
【0006】
上記構成によれば、第1扉および第2扉の両方を閉位置にすることで、加工部の側方を工作機械の外部(2つのスペース)に対して開放しない状態にすることができる。これにより、加工部に対する作業を、2つのスペースのいずれにおいても実行不能な状態にすることができる。一方、第2扉を閉位置にしたままで第1扉を開位置にすることで、加工部の側方を、2つのスペースのうちの一方(第1スペース)のみに対して開放することができる。これにより、加工部に対する作業を、2つのスペースのうちの一方(第1スペース)に限って実行可能な状態にすることができる。他方、第1扉および第2扉の両方を開位置にすることで、加工部の側方を、2つのスペースのうちの他方(第2スペース)のみに対して開放することができる。これにより、加工部に対する作業を、2つのスペースのうちの他方(第2スペース)に限って実行可能な状態にすることができる。
【0007】
このように上記構成によれば、工作機械内の加工部を、工作機械の外部側方の第1スペースおよび第2スペースの一方に対して選択的に開放することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、工作機械内の加工部を、工作機械の外部の2つのスペースの一方に対して選択的に開放することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態の工作機械としての歯車研削盤の斜視図である。
図2】第1扉および第2扉が閉位置である状態の歯車研削盤の斜視図である。
図3】第1扉の斜視図である。
図4】第2扉の斜視図である。
図5】第1扉が開位置であり第2扉が閉位置である状態の開閉カバーおよびその周辺の平面図である。
図6】第1扉が開位置であり第2扉が閉位置である状態の歯車研削盤の斜視図である。
図7】第1扉および第2扉が開位置である状態の開閉カバーおよびその周辺の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、工作機械の一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の工作機械10は、ねじ状砥石11を用いて歯車ワーク12の歯面を研削する歯車研削盤である。工作機械10は、装置本体13と、カバー20とを備えている。
【0011】
<装置本体>
装置本体13は、機台13Aと、コラム13Bと、支持部13Cとを備えている。
<機台>
機台13Aは、工作機械10の各種の機能を実現するための構成として、コラム13Bおよび支持部13Cを含む各種の構成を組み付けるためのベースとなる部分である。
【0012】
<コラム>
コラム13Bは、機台13Aの上に設置されている。コラム13Bは、機台13Aに対してX軸方向に移動可能になっている。コラム13Bには、ねじ状砥石11が設けられている。ねじ状砥石11は、Y軸方向の軸線を中心に回転可能になっている。また、ねじ状砥石11は、コラム13Bに対して、Y軸方向と、Z軸方向と、X軸方向の軸線を中心とする回転方向とに相対移動可能になっている。
【0013】
<支持部>
支持部13Cは、機台13Aに設けられている。支持部13Cには歯車ワーク12が支持される。歯車ワーク12を支持部13Cに取り付けることで、同歯車ワーク12はねじ状砥石11による研削を行う研削加工位置で支持される。本実施形態では、この研削加工位置およびその周辺が、工具としてのねじ状砥石11による歯車ワーク12の加工を行う部分である加工部14に相当する。
【0014】
工作機械10による研削加工に際しては、歯車ワーク12は、図示しないモータによってZ軸方向の軸線を中心に回転駆動される。詳しくは、ねじ状砥石11が歯車ワーク12に噛合する位置まで移動されるとともに、その状態でねじ状砥石11および歯車ワーク12が高速回転される。これにより、ねじ状砥石11の外面のねじ面によって、歯車ワーク12の歯面が創成的に研削される。
【0015】
<2つのスペース>
図1および図2に示すように、本実施形態の工作機械10では、装置本体13の外縁に沿う部分に、第1スペースS1と第2スペースS2とからなる2つのスペースが定められている。第1スペースS1および第2スペースS2は、加工部14におけるねじ状砥石11の交換や歯車ワーク12の着脱を行うための作業スペースである。本実施形態では、装置本体13の外縁における加工部14から見て2つのスペースS1,S2側の部分(以下、外縁部15)は、外方に向けて突出する凸状をなす平面視円弧状で延びている。第1スペースS1および第2スペースS2は、この外縁部15に沿って並ぶように定められている。第1スペースS1と第2スペースS2との間には、それらスペースS1,S2を仕切る柵16が設置されている。
【0016】
第1スペースS1には、ロボットRB(図示略)が設けられる。このロボットRBを利用して、歯車ワーク12の交換やねじ状砥石11の交換を行うことが可能になっている。本実施形態では、第1スペースS1は、ロボットRB用の作業スペースになっている。
【0017】
また本実施形態では、第2スペースS2は、作業者H(図示略)用の作業スペースになっている。作業者Hは、第2スペースS2において、歯車ワーク12の交換やねじ状砥石11の交換を行うことが可能になっている。
【0018】
<カバー>
カバー20は、工作機械10の内部と外部との間を仕切るための部材である。カバー20は、ベースカバー21と、固定カバー22と、開閉カバー23とを備えている。
【0019】
<ベースカバー>
ベースカバー21は、カバー20の下部を構成している。ベースカバー21は、機台13A(図1)の外面に固定される。ベースカバー21は、機台13Aの外縁に沿って同機台13Aの周囲全周にわたって延びている。ベースカバー21における加工部14から見て2つのスペースS1,S2側の部分(以下、スペース部21A)は、外方に向けて突出する凸状をなす平面視円弧状で延びている。ベースカバー21のスペース部21Aには、同スペース部21Aに沿って延びるガイドレール21Bが設けられている。ガイドレール21Bは、外方に向けて突出する凸状をなす平面視円弧状で延びている。本実施形態では、このガイドレール21Bによって、後述する開閉カバー23の下端部分が案内される。
【0020】
<固定カバー>
固定カバー22は、周壁22Aと天壁22Bとを有している。周壁22Aは、装置本体13の外縁に沿う態様でZ軸方向に延在している。周壁22Aの下部はベースカバー21に固定されている。天壁22Bは、上記周壁22Aの上部開口を塞ぐ態様で、X軸方向およびY軸方向に延在している。
【0021】
固定カバー22は、開口部22Cを有している。開口部22Cは、固定カバー22が設けられていない部分によって構成されている。開口部22Cは、具体的には、加工部14と2つのスペースS1,S2との間に挟まれる部分、および加工部14の上方にあたる部分によって構成されている。
【0022】
<開閉カバー>
開閉カバー23は、固定カバー22の開口部22Cを開閉するためのカバー部材である。本実施形態では、開閉カバー23が、加工部14と装置本体13の外部との間を仕切るためのカバー部材に相当する。本実施形態では、開閉カバー23の下端部分がベースカバー21のガイドレール21Bに係合する態様で、開閉カバー23はベースカバー21に取り付けられている。開閉カバー23は、上記ガイドレール21Bによって案内されることで、往復移動、詳しくは開閉動作するようになっている。
【0023】
開閉カバー23は、第1扉30と第2扉40とに分割された分割構造をなしている。開閉カバー23は、第1扉30と第2扉40とが装置本体13の外縁部15に沿って並ぶ態様で分割されている。本実施形態では、第1扉30および第2扉40は、固定カバー22の開口部22Cを閉じる閉位置(図2に示す位置)と同開口部22Cを開放する開位置(図1に示す位置)との間で、外縁部15に沿って各別に移動可能になっている。
【0024】
<切替部>
図2に示すように、第1扉30と第2扉40との間には、第1扉30および第2扉40を連結した連結状態と、同連結を解除した解除状態とを切り替える切替部23Aが設けられている。切替部23Aは、例えばマグネットスイッチによって構成される。切替部23Aがオン操作されると、第1扉30および第2扉40が連結された連結状態になる。切替部23Aがオフ操作されると、第1扉30および第2扉40の連結が解除された解除状態になる。
【0025】
<第1扉>
図1図3に示すように、第1扉30は、第1側壁部31と第1天壁部32とを有している。
【0026】
<第1側壁部>
第1側壁部31は、装置本体13の外縁部15に沿う態様でZ軸方向に延在している。第1側壁部31は、断面円弧状で、Z軸方向に延びている。第1側壁部31は、透明な板状の窓部材33が嵌め込まれた構造をなしている。本実施形態では、この窓部材33を介して、工作機械10の内部の様子を見ることができる。
【0027】
第1側壁部31は、図2に示す閉位置において、加工部14と第1スペースS1との間を仕切るようになる形状をなしている。第1側壁部31は、図1に示す開位置において、加工部14と2つのスペースS1,S2との間を仕切らないようになる形状をなしている。
【0028】
<第1天壁部>
第1天壁部32は、機台13Aの上方においてX軸方向およびY軸方向に延在する態様で、第1側壁部31の上端に一体に設けられている。第1天壁部32は、第2扉40(詳しくは、後述する第2天壁部42)の側に延出する形状の延出部34を有する。延出部34は、第2天壁部42に向かって凸状をなす態様で突出する形状をなしている。延出部34における上記第2天壁部42側の端部は、上部に対して下部が第2天壁部42側に突出する段差形状をなしている。
【0029】
第1天壁部32は、図2に示す閉位置においては、加工部14の上方を覆うようになる形状をなしている。第1天壁部32は、図1に示す開位置において、加工部14の上方を覆わないようになる形状をなしている。
【0030】
図3に示すように、第1天壁部32は、第1ボス部35を有する。第1ボス部35は、軸線LがZ軸方向に延びる円筒状をなしている。第1ボス部35は、軸線L周りにおいて回転可能になる態様で、固定カバー22の下面に支持されている。本実施形態では、第1ボス部35の軸線L周りにおいて、同第1ボス部35とともに第1扉30が回動可能に構成されている。第1ボス部35には、駆動機構(図示略)を介して回転モータ36が駆動連結されている。回転モータ36の作動制御を通じて、第1扉30の移動位置を制御することが可能になっている。本実施形態では、回転モータ36が駆動部に相当する。
【0031】
<第2扉>
図1図4に示すように、第2扉40は、第2側壁部41と第2天壁部42とを有している。
【0032】
<第2側壁部>
第2側壁部41は、装置本体13の外縁部15に沿う態様でZ軸方向に延在している。第2側壁部41は、断面円弧状で、Z軸方向に延びている。本実施形態では、この第2側壁部41と上記第1扉30の第1側壁部31とは、中心が同一の断面円弧状をなしている。第2側壁部41は、透明な板状の窓部材43が嵌め込まれた構造をなしている。本実施形態では、この窓部材43を介して、工作機械10の内部の様子を見ることができる。
【0033】
第2側壁部41は、図2に示す閉位置において、加工部14と第2スペースS2との間を仕切るようになる形状をなしている。第2側壁部41は、図1に示す開位置において、加工部14と第1スペースS1との間を仕切るようになる形状をなしている。
【0034】
<第2天壁部>
第2天壁部42は、機台13Aの上方においてX軸方向およびY軸方向に延在する態様で、第2側壁部41の上端に一体に設けられている。
【0035】
第2天壁部42は、第1天壁部32の側の部分が切り欠かれた形状の第1切り欠き部44を有する。第1切り欠き部44の内面は、第1天壁部32から離間する方向に向かって凸状をなす態様で延びている。第1切り欠き部44は、第1扉30および第2扉40が閉位置である状態において第1天壁部32の延出部34にあたる部分が切り欠かれた形状をなしている。第1切り欠き部44は、第1扉30および第2扉40の両方が開位置になったときや閉位置になったときに、第1扉30の延出部34がぴったり嵌まる形状をなしている。
【0036】
第2天壁部42は、第1天壁部32から離間する側の部分が切り欠かれた形状の第2切り欠き部45を有する。第2切り欠き部45の内面は、第1天壁部32に近接する方向に向かって凸状をなす態様で延びている。このように第2天壁部42は、第1切り欠き部44と第2切り欠き部45との間で、銀杏葉状の断面形状をなしている。
【0037】
第2天壁部42は、図2に示す閉位置においては、第1切り欠き部44が加工部14(詳しくは、支持部13Cおよびその周辺を含む部分)の上方に位置するようになる形状、すなわち加工部14の上方を覆わないようになる形状をなしている。第2天壁部42は、図1に示す開位置においては、第2切り欠き部45が加工部14の上方に位置するようになる形状、すなわち加工部14の上方を覆わないようになる形状をなしている。
【0038】
図4に示すように、第2天壁部42は、第2ボス部46を有する。第2ボス部46は、軸線LがZ軸方向に延びる円筒状をなしている。本実施形態では、この第2ボス部46の軸線Lと上記第1扉30の第1ボス部35の軸線Lとが同一になっている。
【0039】
第2ボス部46は、軸線L周りにおいて回転可能な態様で、固定カバー22の下面に支持されている。本実施形態では、軸線L周りにおいて、第2ボス部46とともに第2扉40が回動可能に構成されている。なお第2ボス部46には、前記回転モータ36は駆動連結されていない。そして、本実施形態では、第1扉30の第1ボス部35と第2扉40の第2ボス部46とが軸線L周りにおいて相対回転可能に構成されている。
【0040】
<電子制御装置>
図3に示すように、工作機械10は、操作盤55を備えている。本実施形態では、操作盤55の操作を通じて、工作機械10の操作がなされる。
【0041】
工作機械10は電子制御装置50を備えている。電子制御装置50は、工作機械10の運転にかかる各種制御を実行する。電子制御装置50はCPU51と、ROM52と、RAM53と、各種のプログラムやデータを記憶する記憶部54とを有している。記憶部54は、ハードディスクドライブやソリッドステートドライブ等の随時書き込み読み出しが可能な不揮発性メモリによって構成されている。電子制御装置50には、回転モータ36等の各種アクチュエータや、切替部23A、操作盤55が接続されている。電子制御装置50は、各種のプログラムやデータに基づいて各種の演算処理を実行するように構成されている。電子制御装置50は、その演算結果をもとに、各種アクチュエータの作動制御や、切替部23Aの作動制御を実行する。
【0042】
電子制御装置50は、工作機械10による研削加工にかかる制御(研削加工制御)や、開閉カバー23の開閉操作にかかる制御(開閉制御)などを実行する。研削加工制御では、ねじ状砥石11の位置を制御するためのモータや、ねじ状砥石11を回転させるためのモータ、歯車ワーク12を回転させるためのモータ等の各種アクチュエータの作動制御が、予め定められた作動パターンで実行される。また開閉制御では、予め定められた作動パターンで、切替部23Aの作動制御と回転モータ36の作動制御とが実行される。
【0043】
<開閉制御>
以下、開閉制御の実行態様について説明する。
ここでは先ず、第1扉30および第2扉40の両方を閉位置にする場合における開閉制御の実行態様について、図2を参照しつつ説明する。
【0044】
図2に示すように、この場合には、切替部23Aがオン操作される。これにより、第1扉30および第2扉40を一体に操作することが可能な状態になる。そして、回転モータ36(図3参照)の作動制御を通じて、第1扉30が閉位置の側に移動される。このとき第2扉40も第1扉30とともに閉位置の側に移動される。これにより、第1扉30および第2扉40の移動位置が閉位置(図2に示す位置)に制御される。
【0045】
この場合には、固定カバー22の開口部22Cの全体が開閉カバー23によって閉じられる。具体的には、第1扉30の第1天壁部32によって、加工部14の上方が閉じられる。第1扉30の第1側壁部31によって、加工部14と第1スペースS1との間が仕切られる。第2扉40の第2側壁部41によって、加工部14と第2スペースS2との間が仕切られる。
【0046】
本実施形態によれば、第1扉30および第2扉40の両方を閉位置にすることで、加工部14の上方を閉じることができる。しかも、加工部14の側方を工作機械10の外部(詳しくは、2つのスペースS1,S2)に対して開放しない状態にすることができる。これにより、加工部14に対する作業を、2つのスペースのいずれにおいても実行不能な状態にすることができる。
【0047】
次に、第2扉40を閉位置にしたままで第1扉30を開位置にする場合における開閉制御の実行態様について、図5および図6を参照しつつ説明する。
図5および図6に示すように、この場合には、切替部23Aがオフ操作される。これにより、第1扉30および第2扉40の連結が解除されて、それら第1扉30および第2扉40を各別に操作することが可能な状態になる。そして、この状態で、回転モータ36(図3参照)の作動制御を通じて、第1扉30が開位置の側に移動される。これにより、第1扉30の移動位置が開位置(図5に示す位置)に制御される。このとき、第1扉30および第2扉40の連結が解除されているため、第2扉40は閉位置に留まる。
【0048】
この場合には、第1扉30の第1天壁部32が、加工部14の上方から退避する。そして、第2扉40の第2天壁部42の第1切り欠き部44が加工部14の真上に位置するようになる。これにより、加工部14の上方が開放されるようになる。また、第1扉30の第1側壁部31は、加工部14と第1スペースS1との間から、第2スペースS2から離れる側に移動して退避する。これにより、加工部14が第1スペースS1に対して開放されるようになる。その一方で、第2扉40の第2側壁部41によって、加工部14と第2スペースS2との間は仕切られたままの状態になる。
【0049】
本実施形態によれば、第2扉40を閉位置にしたままで第1扉30を開位置にすることで、加工部14の上方を開放することができる。しかも、加工部14の側方を、2つのスペースS1,S2のうちの一方(具体的には、第1スペースS1)のみに対して開放することができる。これにより、加工部14に対する作業を、ロボットRB用の作業スペースである第1スペースS1に限って実行可能な状態にすることができる。
【0050】
次に、第1扉30および第2扉40の両方を開位置にする場合における開閉制御の実行態様について、図1および図7を参照しつつ説明する。
図1および図7に示すように、この場合には、先ず切替部23Aがオン操作される。これにより、第1扉30および第2扉40を一体に操作することが可能な状態になる。そして、回転モータ36(図3参照)の作動制御を通じて、第1扉30が開位置の側に移動される。このとき第2扉40も第1扉30とともに開位置の側に移動される。これにより、第1扉30および第2扉40の移動位置が開位置(図7に示す位置)に制御される。
【0051】
この場合には、第1扉30の第1天壁部32が、加工部14の上方から退避する。そして、第2扉40の第2天壁部42の第2切り欠き部45が加工部14の真上に位置するようになる。これにより、第2天壁部42が加工部14の上方に配置されるとはいえ、第2天壁部42の第2切り欠き部45を介して、加工部14の上方は開放されるようになる。
【0052】
また、第1扉30の第1側壁部31は、加工部14と第1スペースS1との間から、第2スペースS2から離れる側に移動して退避する。そして、第2扉40の第2側壁部41は、加工部14と第2スペースS2との間から、加工部14と第2スペースS2との間の位置に移動する。これにより、加工部14が第2スペースS2に対して開放されるようになる。また、加工部14と第1スペースS1との間が、第2扉40の第2側壁部41によって仕切られるようになる。
【0053】
本実施形態によれば、第1扉30および第2扉40の両方を開位置にすることで、加工部14の上方を開放することができる。しかも、加工部14の側方を、2つのスペースS1,S2のうちの他方(具体的には、第2スペースS2)のみに対して開放することができる。これにより、加工部14に対する作業を、作業者H用の作業スペースである第2スペースS2に限って実行可能な状態にすることができる。
【0054】
このように本実施形態によれば、第1扉30および第2扉40を閉位置と開位置との間で移動させることで、工作機械10内の加工部14を、工作機械10の外部側方の第1スペースS1および第2スペースS2の一方に対して選択的に開放することができる。しかも、工作機械10内の加工部14を、2つのスペースS1,S2の一方に対して開放するのに合わせて、同工作機械10の外部上方に対して開放することもできる。
【0055】
<作用効果>
本実施形態によれば、以下に記載する作用効果が得られる。
(1)第1扉30および第2扉40の両方を閉位置にすることで、加工部14の側方を工作機械10外部の2つのスペースS1,S2に対して開放しない状態にすることができる。これにより、加工部14に対する作業を、2つのスペースS1,S2のいずれにおいても実行不能な状態にすることができる。一方、第2扉40を閉位置にしたままで第1扉30を開位置にすることで、加工部14の側方を、2つのスペースS1,S2のうちの一方(第1スペースS1)のみに対して開放することができる。これにより、加工部14に対する作業を、2つのスペースS1,S2のうちの第1スペースS1に限って実行可能な状態にすることができる。他方、第1扉30および第2扉40の両方を開位置にすることで、加工部14の側方を、2つのスペースS1,S2のうちの他方(第2スペースS2)のみに対して開放することができる。これにより、加工部14に対する作業を、2つのスペースS1,S2のうちの第2スペースS2に限って実行可能な状態にすることができる。このように本実施形態によれば、工作機械10内の加工部14を、工作機械10の外部側方の第1スペースS1および第2スペースS2の一方に対して選択的に開放することができる。
【0056】
(2)第1扉30の第1天壁部32は、閉位置では加工部14の上方を覆う部分をなし、且つ、開位置では加工部14の上方を覆わない部分をなす。第2扉40の第2天壁部42は、閉位置および開位置のいずれにおいても、加工部14の上方を覆わない部分をなす。本実施形態では、第1扉30および第2扉40の両方を閉位置にすることで、加工部14の上方を閉じることができる。一方、第2扉40を閉位置にしたままで第1扉30を開位置にすることで、加工部14の上方を開放することができる。他方、第1扉30および第2扉40の両方を開位置にすることで、加工部14の上方を開放することができる。したがって本実施形態によれば、工作機械10内の加工部14を、2つのスペースS1,S2の一方に対して開放するのに合わせて、同工作機械10の外部上方に対して開放することができる。
【0057】
(3)第1天壁部32は、第2天壁部42の側に延出する形状の延出部34を有する。第2天壁部42は、第1扉30および第2扉40が閉位置である状態において延出部34にあたる部分が切り欠かれた形状の第1切り欠き部44を有する。
【0058】
本実施形態によれば、第1扉30を閉位置にすることで、延出部34を含む第1天壁部32によって加工部14の上方を閉じることができる。一方、第2扉40を閉位置のままで第1扉30を開位置にすることで、第2天壁部42の第1切り欠き部44から第1天壁部32の延出部34が離れるため、この延出部34を含む第1天壁部32が加工部14の上方から離れるようになる。これにより、加工部14の上方を開放することができる。このように、第1天壁部32の延出部34と第2天壁部42の第1切り欠き部44との組み合わせによって、加工部14の上方を閉じた状態と開放した状態との切り替えを実現することができる。
【0059】
(4)第2天壁部42は、第1天壁部32から遠い側の端部が切り欠かれた形状の第2切り欠き部45を有する。本実施形態によれば、第1扉30および第2扉40が開位置であるときにおいて、第2天壁部42の第2切り欠き部45を利用して、加工部14の上方を開放することができる。そのため、こうした第2切り欠き部45を有していない場合と比較して、第2扉40の開位置を第1扉30の側の位置にすることができる。これにより、第1扉30および第2扉40の移動距離(具体的には、閉位置と開位置との距離)を小さくすることができるため、開閉カバー23をコンパクトにすることができる。
【0060】
(5)工作機械10は、第1扉30および第2扉40を連結した連結状態と同連結を解除した解除状態とを切り替える切替部23Aを備えている。本実施形態によれば、第1扉30および第2扉40の両方を開閉操作する必要があるときには、連結状態にして、第1扉30および第2扉40の一体操作を実現することができる。しかも、第1扉30および第2扉40の一方のみを開閉操作する必要があるときには、解除状態にして、第1扉30および第2扉40の選択操作を実現することができる。このように、第1扉30および第2扉40の操作態様に合わせて、それら第1扉30および第2扉40の連結状態と解除状態とを切り替えることができる。
【0061】
(6)第1扉30および第2扉40のうちの同第1扉30のみに駆動連結されて、第1扉30および第2扉40を開閉駆動する回転モータ36を有する。本実施形態によれば、切替部23Aによる切り替え操作と合わせて利用することで、共通の回転モータ36を通じて、第1扉30および第2扉40を同時に駆動したり、第1扉30および第2扉40のうちの同第1扉30のみを駆動したりすることができる。
【0062】
(7)第1扉30の第1側壁部31と第2扉40の第2側壁部41とは、中心が同一の断面円弧状をなしている。本実施形態によれば、円弧状に延びる移動軌跡で装置本体13の外縁に沿って第1側壁部31および第2側壁部41を移動させることで、第1扉30および第2扉40を、閉位置と開位置との間で移動させることができる。これにより、第1扉30および第2扉40を互いに異なる形状の移動軌跡で移動させる場合と比較して、第1扉30および第2扉40からなる開閉カバー23を簡素な構造にすることができる。
【0063】
(8)第1側壁部31および第2側壁部41の延設形状を、工作機械10の加工対象物である歯車ワーク12の外周面に沿って延びる断面円弧状にすることができる。これにより、第1側壁部31や第2側壁部41を断面円弧状以外の形状(例えば平板形状)にする場合と比較して、開閉カバー23をコンパクトにすることができる。そのため、工作機械10を小型化することができる。
【0064】
<変更例>
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0065】
・第1天壁部32の延出部34や、第2天壁部42の第1切り欠き部44、第2切り欠き部45の形状は、多角形状にしたり楕円形状にしたりするなど、任意に変更することができる。
【0066】
・第2扉40として、第2天壁部42に第2切り欠き部45が設けられないものを用いることができる。
・第1天壁部32の形状や第2天壁部42の形状は任意に変更することができる。例えば、第1天壁部32として延出部34を有していない形状のものを採用したり、第2天壁部42として第2切り欠き部45を有していない形状のものを採用したりすることができる。
【0067】
・2つのスペースS1,S2において作業を行う作業対象(ロボットRBや作業者Hなど)は、任意に変更することができる。例えば、第2スペースS2をロボットRB用の作業スペースにしたり、第1スペースS1を作業者H用の作業スペースにしたりすることができる。
【0068】
・第1扉30を回転駆動する回転モータ36を設けることに代えて、第2扉40を回転駆動する回転モータを設けるようにしてもよい。同構成によれば、切替部23Aによる切り替え操作と合わせて上記回転モータを利用することで、共通の回転モータを通じて、第1扉30および第2扉40を同時に駆動したり、第1扉30および第2扉40のうちの同第2扉40のみを駆動したりすることができる。
【0069】
・第1扉30を回転駆動する回転モータ36を設けることに加えて、第2扉40を回転駆動する回転モータを設けるようにしてもよい。同構成においては、切替部23Aを省略することができる。
【0070】
・上記実施形態にかかる歯車研削盤は、開閉カバー23の開閉操作を、作業者Hによる手作業で行う歯車研削盤にも適用することができる。同構成においては、回転モータ36を省略することができる。
【0071】
・上記実施形態にかかる歯車研削盤は、ねじ状砥石による創成研削法を採用した歯車研削盤に適用することに限らず、円板状砥石による成形研削法を採用した歯車研削盤にも適用することができる。
【0072】
・上記実施形態にかかる工作機械は、例えば回転砥石によってワークの表面を研削する平面研削盤など、歯車研削盤以外の工作機械にも適用することができる。
上記実施形態にかかる工作機械を平面研削盤に適用する場合には、第1扉および第2扉を以下のように構成すればよい。平面研削盤では、装置本体が長尺状をなすため、同装置本体の外縁が直線状に延びる。そうした装置本体の外縁に沿って延びるように、第1扉の第1側壁部と第2扉の第2側壁部とを同一の平面上で延びる略平板形状にすればよい。そして、装置本体の外縁に沿って直線状に延びる移動軌跡で第1側壁部および第2側壁部を移動させることで、第1扉および第2扉を、閉位置と開位置との間で移動させるようにすればよい。こうした構成によれば、第1扉および第2扉の両方を閉位置にすることで、加工部の側方を工作機械の外部(2つのスペース)に対して開放しない状態にすることができる。一方、第2扉を閉位置にしたままで第1扉を開位置にすることで、加工部の側方を、2つのスペースのうちの一方(第1スペース)のみに対して開放することができる。他方、第1扉および第2扉の両方を開位置にすることで、加工部の側方を、2つのスペースのうちの他方(第2スペース)のみに対して開放することができる。
【0073】
<付記>
上記実施形態は、以下の付記に記載する構成を含む。
[付記1]加工部を有する装置本体と、前記加工部と前記装置本体の外部との間を仕切るためのカバー部材と、を備える工作機械において、前記装置本体の外縁に沿う部分に当該外縁に沿って並ぶように定められた第1スペースと第2スペースとからなる2つのスペースを有し、前記カバー部材は、前記外縁に沿って閉位置と開位置との間で移動可能な構造をなすとともに、前記外縁に沿って並ぶ態様で第1扉と第2扉とに分割された分割構造をなし、前記第1扉は、前記外縁に沿う態様で上下方向に延在する第1側壁部を有し、前記第1側壁部は、前記閉位置では前記加工部と前記第1スペースとの間を仕切る部分をなし、且つ、前記開位置では前記加工部と前記2つのスペースとの間を仕切らない部分をなすものであり、前記第2扉は、前記外縁に沿う態様で上下方向に延在する第2側壁部を有し、前記第2側壁部は、前記閉位置では前記加工部と前記第2スペースとの間を仕切る部分をなし、且つ、前記開位置では前記加工部と前記第1スペースとの間を仕切る部分をなすものである、工作機械。
【0074】
[付記2]前記第1扉は、前記加工部の上方で延びる態様で前記第1側壁部に設けられる第1天壁部を有し、前記第1天壁部は、前記閉位置では前記加工部の上方を覆う部分をなし、且つ、前記開位置では前記加工部の上方を覆わない部分をなすものであり、
前記第2扉は、前記加工部の上方で延びる態様で前記第2側壁部に設けられる第2天壁部を有し、前記第2天壁部は、前記閉位置および前記開位置のいずれにおいても、前記加工部の上方を覆わない部分をなすものである、[付記1]に記載の工作機械。
【0075】
[付記3]前記第1天壁部は、前記第2天壁部の側に延出する形状の延出部を有し、前記第2天壁部は、前記第1扉および前記第2扉が前記閉位置である状態において前記延出部にあたる部分が切り欠かれた形状の第1切り欠き部を有する、[付記2]に記載の工作機械。
【0076】
[付記4]前記第2天壁部は、前記第1天壁部から遠い側の端部が切り欠かれた形状の第2切り欠き部を有する、[付記2]または[付記3]に記載の工作機械。
[付記5]前記第1扉および前記第2扉を連結した連結状態と同連結を解除した解除状態とを切り替える切替部を有する、[付記1]~[付記4]のいずれか一つに記載の工作機械。
【0077】
[付記6]前記第1扉および前記第2扉の一方のみに駆動連結されて、前記第1扉および前記第2扉を開閉駆動する駆動部を有する、[付記5]に記載の工作機械。
[付記7]前記第1側壁部と前記第2側壁部とは、中心が同一の断面円弧状をなしている、[付記1]~[付記6]のいずれか一つに記載の工作機械。
【0078】
[付記8]前記工作機械は、歯車ワークを研削工具によって加工する歯車研削盤である、[付記7]に記載の工作機械。
【符号の説明】
【0079】
10 工作機械
11 ねじ状砥石
12 歯車ワーク
13 装置本体
13A 機台
13B コラム
13C 支持部
14 加工部
15 外縁部
16 柵
20 カバー
21 ベースカバー
21A スペース部
21B ガイドレール
22 固定カバー
22A 周壁
22B 天壁
22C 開口部
23 開閉カバー
23A 切替部
30 第1扉
31 第1側壁部
32 第1天壁部
33 窓部材
34 延出部
35 第1ボス部
36 回転モータ
40 第2扉
41 第2側壁部
42 第2天壁部
43 窓部材
44 第1切り欠き部
45 第2切り欠き部
46 第2ボス部
50 電子制御装置
51 CPU
52 ROM
53 RAM
54 記憶部
55 操作盤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7