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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056337
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】農作業機用安全制御システム
(51)【国際特許分類】
   A01B 63/00 20060101AFI20240416BHJP
   F02D 29/00 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
A01B63/00 B
F02D29/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163139
(22)【出願日】2022-10-11
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大村 英昭
(72)【発明者】
【氏名】田副 隼
(72)【発明者】
【氏名】上杉 拓也
【テーマコード(参考)】
2B304
3G093
【Fターム(参考)】
2B304KA16
2B304LA02
2B304LA03
2B304LA04
2B304LB05
2B304MA20
2B304MB02
2B304QA30
2B304QB21
2B304QC02
2B304QC03
2B304RA04
2B304RA30
2B304RB01
2B304RB02
2B304RB06
3G093AA09
3G093BA04
(57)【要約】
【課題】トラクタに作業機を装着した場合の安全性を向上させた農作業機用安全制御システムを提供することを目的とする。
【解決手段】トラクタ1に装着して農作業を行う作業機2に用いる農作業機用安全制御システムにおいて、作業機2に設けられる制御装置20と、作業機2に設けられ制御装置20の制御により報知を行う報知部23とを備え、制御装置20は、トラクタ1から、トラクタ1の搭乗者201が運転席5に着座しているか否かの着座情報を取得可能であり、制御装置20は、着座情報から非着座状態であると判定した場合、報知部23での報知を行い、報知部23での報知には音による報知が含まれる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクタに装着して農作業を行う作業機に用いる農作業機用安全制御システムにおいて、
前記作業機に設けられる制御装置と、前記作業機に設けられ前記制御装置の制御により報知を行う報知部とを備え、
前記制御装置は、前記トラクタから、前記トラクタの搭乗者が運転席に着座しているか否かの着座情報を取得可能であり、
前記制御装置は、前記着座情報から非着座状態であると判定した場合、前記報知部での報知を行い、前記報知部での報知には音による報知が含まれることを特徴とする農作業機用安全制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の農作業機用安全制御システムにおいて、
前記作業機に設けられるアクチュエータと、前記制御装置と遠隔で通信可能なリモコン装置とを備え、
前記制御装置は、前記リモコン装置からの操作信号により前記アクチュエータを制御し、
前記制御装置は、前記着座情報から非着座状態であると判定した場合、前記リモコン装置による報知を行うための情報を送信し、前記リモコン装置で報知を行うことを特徴とする農作業機用安全制御システム。
【請求項3】
請求項2に記載の農作業機用安全制御システムにおいて、
前記制御装置は、前記トラクタから、前記トラクタのPTO軸が駆動しているか否かのPTO駆動情報を取得可能であり、
前記制御装置は、前記着座情報から非着座状態であり、かつ、前記PTO駆動情報からPTOが停止していると判定した場合、前記アクチュエータを停止することを特徴とする農作業機用安全制御システム。
【請求項4】
請求項3に記載の農作業機用安全制御システムにおいて、
前記制御装置は、前記着座情報から非着座状態であり、かつ、前記PTO駆動情報からPTOが停止していると判定した場合、前記リモコン装置で前記アクチュエータを操作できない状態とすることを特徴とする農作業機用安全制御システム。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の農作業機用安全制御システムにおいて、
前記アクチュエータは、前記作業機に備えられる農作業を行う作業部を移動させることを可能とするシリンダであることを特徴とする農作業機用安全制御システム。
【請求項6】
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の農作業機用安全制御システムにおいて、
前記アクチュエータは、前記作業機に備えられる液体供給装置の液体を供給するモータであり、前記モータを停止すると前記液体供給装置の液体の供給を中止することを特徴とする農作業機用安全制御システム。
【請求項7】
請求項1に記載の農作業機用安全制御システムにおいて、
前記制御装置は、前記トラクタから、前記トラクタのPTO軸が駆動しているか否かのPTO駆動情報を取得可能であり、
前記制御装置は、前記着座情報から非着座状態であると判定した場合の前記報知部での報知について、前記PTO駆動情報からPTOが駆動していると判定した場合と、PTOが停止していると判定した場合のそれぞれにおいて、前記報知部での報知の種類を変更することを特徴とする農作業機用安全制御システム。
【請求項8】
トラクタに装着して農作業を行う作業機に用いる農作業機用安全制御システムにおいて、
前記作業機に設けられる制御装置と、前記作業機に設けられ前記制御装置の制御により報知を行う報知部とを備え、
前記制御装置は、前記トラクタから、前記トラクタの搭乗者が運転席に着座しているか否かの着座情報を取得可能であるとともに、前記着座情報を利用する着座作業モードと、前記着座情報を利用しない非着座作業モードに切替可能であり、
前記着座作業モードでは、前記制御装置は、前記着座情報から非着座状態であると判定した場合、前記報知部での音による報知を含む報知を行い、
前記非着座作業モードでは、前記制御装置は、前記着座情報にかかわらず、前記報知部での報知を行わないことを特徴とする農作業機用安全制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作業機用安全制御システムに関し、特に、トラクタに作業機を装着した場合の安全性を考慮した農作業機用安全制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
トラクタに装着して農作業を行う作業機は大きな力で農作業を行うため、安全性の向上が求められる。また、作業機はアクチュエータを備えていることが多く、このアクチュエータはリモコン装置の操作により制御される。このとき、アクチュエータの作動には、安全性の確保が求められる。
【0003】
特許文献1には、作業機駆動用のPTO入切スイッチがオフで、シートスイッチがオンで、前記変速位置センサが初期位置の状態で、エンジンの始動を可能に構成する作業車両が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-225090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
作業者がトラクタに乗車して農作業を行う場合、運転席に作業者が着座していない場合は危険度が高くなるために、安全制御を行う方がよい。ここで、特許文献1の作業車両は、シートスイッチによるエンジン始動の制御について記載されているが、作業機については、PTO入切スイッチのみの記載であり、安全性のさらなる向上が求められる。また、最近はトラクタに自動運転モードも搭載されることがあり、自動運転モードに応じた安全制御の必要性も高まっている。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みて、トラクタに作業機を装着した場合の安全性を向上させた農作業機用安全制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、代表的な本発明の農作業機用安全制御システムの一つは、トラクタに装着して農作業を行う作業機に用いる農作業機用安全制御システムにおいて、前記作業機に設けられる制御装置と、前記作業機に設けられ前記制御装置の制御により報知を行う報知部とを備え、前記制御装置は、前記トラクタから、前記トラクタの搭乗者が運転席に着座しているか否かの着座情報を取得可能であり、前記制御装置は、前記着座情報から非着座状態であると判定した場合、前記報知部での報知を行い、前記報知部での報知には音による報知が含まれることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、農作業機用安全制御システムにおいて、トラクタに作業機を装着した場合の安全性を向上させることができる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の農作業機用安全制御システムの一実施形態を示すブロック図である。
図2】本発明の農作業機用安全制御システムを適用する作業機の第1の例を示す平面図である。
図3】本発明の農作業機用安全制御システムを適用する作業機の第2の例を示す平面図である。
図4】本発明の農作業機用安全制御システムのフローチャートの全体の一例を示す。
図5】本発明の農作業機用安全制御システムのフローチャートにおける有人自動作業走行モード処理の一例を示す。
図6】本発明の農作業機用安全制御システムのフローチャートにおける手動作業走行モード処理の一例を示す。
図7】本発明の農作業機用安全制御システムのフローチャートにおける無人自動作業走行モード処理の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態を説明する。
【0011】
<ブロック図>
図1は、本発明の農作業機用安全制御システムの一実施形態を示すブロック図である。
【0012】
トラクタ1に農作業を行う作業部25を備える作業機2を装着する。トラクタ1側には、リモコン装置30が配置可能となっている。また、作業機2側には、制御装置20、アクチュエータ21、センサ22、報知部23を備えている。また、トラクタ1には必要に応じて後述する各モードを実現するための構成を備えている。ここで、作業機2は、トラクタ1からPTO(Power take-off)の動力を取得し、その動力を用いて作業部25で作業を行える構成を適用できる。
【0013】
トラクタ1は、手動作業走行モード、有人自動作業走行モード、無人自動作業走行モードの3つのモードを備えている。これらのモードはトラクタ1にすべてを備える必要はなく、少なくとも1つ備えていてもよい。
【0014】
手動作業走行モードの場合について説明する。作業者はトラクタ1の運転席シート5に搭乗することで搭乗者201となる。このとき、運転席シート5に設けられた着座センサ5aは、搭乗者201の着座を検知して、制御ユニット3の制御部3fにその情報が送られる。搭乗者201は、トラクタ1の操作により農作業を行う。具体的には、アクセルやブレーキ等で構成される走行操作部6とハンドル等で構成される操舵部7を操作して、トラクタ1の走行部11を制御する。また、PTOスイッチ8を入れると、PTOクラッチ16がオンとなりPTO軸17が回転し、その動力は作業機2の作業部25に伝達される。手動作業走行モードの場合は、基本的には搭乗者201が農作業のための操作を行う。
【0015】
有人自動作業走行モードの場合について説明する。作業者はトラクタ1の運転席シート5に搭乗することで搭乗者201となる。このとき、運転席シート5に設けられた着座センサ5aは、搭乗者201の着座を検知して、制御ユニット3の制御部3fにその情報が送られる。搭乗者201は、トラクタ1に備える制御ユニット3の監視・操作装置9を操作して、有人自動作業走行モードを開始する。すると、制御ユニット3の制御部3fが自動走行システム10を介してトラクタ1の走行部11を自動で制御する。加えて、制御ユニット3の制御部3fが自動操舵システム12を介してトラクタ1の操舵部7を自動で制御する。このときの制御内容は、GNSSユニット4からの情報、周辺監視センサ15からの情報、制御ユニット3の記録部3bに記録された情報等をふまえて、制御ユニット3のガイド装置3aや演算部3eで算出する。なお、GNSSユニット4は、測位用衛星301や地上基地局302からの情報に基づき現在の位置を特定できる。また、周辺監視センサ15は、周囲の走行・作業障害物210を検出可能なセンサである。さらに、制御部3fは、PTOクラッチ16を制御して、PTO軸17からの動力が作業機2の作業部25に伝達される。搭乗者201は、制御内容やトラクタ1の状態を監視・操作装置9で確認できる。このように、有人自動作業走行モードでは、搭乗者201が搭乗しながら、自動で農作業を行う。
【0016】
無人自動作業走行モードの場合について説明する。作業者はトラクタ1には乗車せずに遠隔で操作する遠隔操作者202となる。このとき、運転席シート5に設けられた着座センサ5aは、搭乗者の着座を検知しない。遠隔操作者202は、トラクタ1とは遠隔で通信可能な遠隔監視・操作装置35を操作して、無人自動作業走行モードを開始する。すると、その情報は、遠隔監視・操作装置35から、無線等で制御ユニット3の通信部3cへ送られる。そして、制御ユニット3の制御部3fが自動走行システム10を介してトラクタ1の走行部11を制御する。加えて、制御ユニット3の制御部3fが自動操舵システム12を介してトラクタ1の操舵部7を制御する。このときの制御内容は、GNSSユニット4からの情報、周辺監視センサ15からの情報、制御ユニット3の記録部3bに記録された情報等をふまえて、制御ユニット3のガイド装置3aや演算部3eで算出する。さらに、制御部3fは、PTOクラッチ16を制御して、PTO軸17からの動力が作業機2の作業部25に伝達される。遠隔操作者202は、制御内容やトラクタ1の状態を遠隔監視・操作装置35で確認できる。このように、無人自動作業走行モードでは、遠隔操作者202がトラクタ1に搭乗しないで、自動で農作業を行う。
【0017】
これらの場合、トラクタ1の状態の情報(トラクタ情報)は、制御ユニット3の制御部3fから、作業機通信部18を介して、作業機2の制御装置20のトラクタ通信部20aへ送られる。トラクタ1の状態の情報には、少なくとも着座センサ5aによる着座検知の可否の情報が含まれる。なお、制御ユニット3はデータ入出力部3dを用いて外部の情報媒体から情報を取得してもよい。
【0018】
制御装置20は、リモコン装置30から受信した操作信号に基づきアクチュエータ21の制御を行う。また、必要に応じてセンサ22の情報も制御に使用する。また、制御装置20から、アクチュエータ21の制御の情報やセンサ22の情報等をリモコン装置30に送信する。制御装置20は、トラクタ通信部20a、制御部20b、演算部20c、記録部20d、データ入出力部20eを備える。
【0019】
トラクタ通信部20aは、トラクタ1に備える作業機通信部18との通信を行う。通信は無線でも有線でも可能である。無線の場合は無線モジュール等で構成可能である。
【0020】
制御部20bは、アクチュエータ21や報知部23の制御を演算部20cの処理内容に応じて行う。また、センサ22からの情報(信号)やリモコン装置30の通信部30dからの情報を取得可能である。
【0021】
演算部20cは、リモコン装置30からの操作信号の情報やセンサ22で検知した情報を入力し、アクチュエータ21を制御するための演算等を行う。制御部20bや演算部20cは、CPU(中央処理装置)やメモリ等、演算処理のために必要な電子デバイス等で構成される。また、処理には記録部20dの情報も用いることができる。また、演算部20cは制御部20bと一体に設けてもよい。
【0022】
記録部20dは、演算部20cでの処理に必要な情報や、演算部20cでの処理の結果の情報を記録することができる。例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の必要に応じた記録媒体を適用することができる。
【0023】
データ入出力部20eは、必要に応じて、外部記録メディア、パソコンや情報端末等から情報を入出力したりすることが可能なデータ入出力部である。
【0024】
報知部23は、音や光で報知する手段であり、例えば、スピーカー、ブザー、LED、電球等を適用することができる。報知部23は、制御部20bからの制御情報に基づき音や光で周囲に報知する。報知部23は、制御装置20と一体に設けてもよいし、制御装置20と別体にして作業機2の報知に適した場所に設置してもよい。報知部23からの報知情報は、作業機2の周囲にいる、補助監視者205、周辺作業者206、通行人207等に知らせることができる。
【0025】
アクチュエータ21は、作業機2側に設置される。アクチュエータ21は、例えば、作業機2の一部である可動部分を必要に応じて移動等させることを可能とするアクチュエータである。特に農作業を行う作業部25を移動させることを可能とするアクチュエータを適用できる。アクチュエータ21としては、例えば、油圧シリンダや電動油圧シリンダ等のシリンダや、モータ等を適用できる。また、アクチュエータ21は、後述するように散水装置の散水用モータとしても適用できる。
【0026】
センサ22は、作業機2側に設置されるセンサであり、作業機2の必要に応じて様々な種類のセンサが設けられる。センサ22は、例えば、加速度センサ、角速度センサ、傾斜センサ、地磁気センサ、回転センサ、ポテンショメータ、リミットスイッチ等である。これにより、アクチュエータ21による作業機2の状態等を検知することができる。なお、センサ22を設けない場合は、アクチュエータ21の制御の内容でアクチュエータ21の状態を把握することが可能である。
【0027】
リモコン装置30は、主として作業機2側のアクチュエータ21の操作を遠隔で行うためのリモコン装置である。また、作業機2側の制御装置20から、アクチュエータ21の制御の情報やセンサ22の情報を取得してもよい。リモコン装置30と制御装置20は有線又は無線によって情報のやりとりが可能である。リモコン装置30は、操作部30a、表示部30b、音声出力部30c、通信部30d、処理部30eを備えている。リモコン装置30は、トラクタ1の運転席シート5の近傍に配置可能である。一方、遠隔監視・操作装置35を用いる場合(例えば、無人自動作業走行モードの場合)は、リモコン装置30は遠隔監視・操作装置35の近傍に配置可能である。
【0028】
操作部30aは、リモコン装置30を操作するためのスイッチを備えている。スイッチは押しボタンスイッチなど各種スイッチを適用できる。また、タッチパネルの方式を採用してもよい。
【0029】
表示部30bは、操作や設定、作業機2に関する各種情報を表示する装置である。また後述する報知情報の表示を行える。表示部30bは、例えば、液晶画面や有機EL(OLED)画面を適用してもよい。また、タッチパネルとして、操作部30aと表示部30bを一体に形成することもできる。これにより、リモコン装置30は、例えば、スマートフォンやタブレット型コンピュータ等の汎用の持ち運び可能な端末を適用できる。
【0030】
音声出力部30cは、音または音声で報知する手段であり、例えば、スピーカー、ブザー等を適用することができる。
【0031】
通信部30dは、制御装置20と無線又は有線による通信を行う。無線であれば無線モジュール等で構成可能である。この場合の無線通信は、例えば、Wi-FiやBluetooth等の規格や、920MHz帯や2.4GHz帯等の周波数帯を用いることができる。
【0032】
処理部30eは、操作部30aの操作による情報を通信部30dから送信する等の処理や表示部30bに必要な情報を表示させることや音声出力部30cで音声を出力する等の処理を行う。処理部30eは、CPU(中央処理装置)やメモリ等、演算処理のために必要な電子デバイス等で構成される。また、処理部30eには、必要な情報を記録する記憶部を備えていてもよい。
【0033】
<作業機の第1の例>
図2は、本発明の農作業機用安全制御システムを適用する作業機の第1の例を示す平面図である。図2の左右方向が横方向であり、図2の上方向が前方向である。トラクタ1の後部に作業機2が装着されており、作業機2で農作業を行う。なお、トラクタの図示は簡略化してある。また、図2では、作業機2が畦塗り機50の場合について説明する。
【0034】
トラクタ1の運転席シート5には、着座センサ5aが備えられている。着座センサ5aは、運転席シート5に搭乗者201が座ることで、それを検知するセンサであり、例えば、圧力センサなど適したセンサが適用可能である。その情報は、トラクタ1に備える制御ユニット3へ送られる。また、リモコン装置30は、トラクタ1に配置可能であるが、トラクタ1以外の場所に持ち運ぶことも可能な端末である。
【0035】
畦塗り機50は、前部に備えられる装着部51をトラクタ1の後部に接続して装着する。装着部51と中間フレーム52は、水平方向に回動可能な支点52aにより連結され、中間フレーム52と作業部58(図1の作業部25に相当)は、水平方向に回動可能な支点52bにより連結されている。作業部58は、作業方向前側から上面削り部55、耕耘部56、ディスク部57を有している。作業時は、トラクタ1のPTOから伝達された動力により上面削り部55で旧畦の上面を削って、耕耘部56で旧畦の土を盛り上げ、ディスク部57の回転により畦形状に形成する。耕耘部56は、複数の爪56aが回転して土を盛り上げる。ディスク部57は、畦の法面を形成する本体ディスク部57aと、畦の上面を形成する上面ローラ部57bを有している。
【0036】
第1電動油圧シリンダ61は、装着部51と中間フレーム52の間に接続されている。第3電動油圧シリンダ63は、ディスク部57に対する耕耘部56の深さを変更可能に接続される。また、制御装置20は、装着部51に設置されており、トラクタ1の制御ユニット3から情報取得が可能である。なお、作業部58と中間フレーム52と連動するリンク機構に接続される第2電動油圧シリンダを設けてもよい。これらの電動油圧シリンダは、図1のアクチュエータ21に相当する。
【0037】
図2の状態は前進作業状態である。前進作業状態は、作業部58がトラクタ1の横方向の全幅よりも外側(右側)にはみ出して構成し、作業部58の外側へのはみ出し量(オフセット量)は、第1電動油圧シリンダ61により調整できるようになっている。すなわち第1電動油圧シリンダ61の全長を調節する制御を行うことにより、中間フレーム52の回動量が決まり、作業部58のオフセット量を決定することができる。また、図2の状態から第1電動油圧シリンダ61を矢印D1の方向へ縮めると、中間フレーム52が矢印D2の方向に回動し、作業部58がトラクタ1の幅方向中央に位置する格納状態となる。すなわち第1電動油圧シリンダ61の全長を所定量縮める制御を行うことにより、格納状態にすることが可能となる。
【0038】
さらに、第2電動油圧シリンダを備える場合は、格納状態から、第2電動油圧シリンダを作動させると作業部58が支点52bを中心に回動して前後反転することが可能となる。この場合は、トラクタ1の横方向の全幅よりも反対側(左側)にはみ出す後進作業状態とすることができる。すなわち、この場合は、第2電動油圧シリンダの全長を制御することにより、後進作業状態にすることが可能となる。後進作業状態の場合は、トラクタ1の後ろ側が作業部58の進行方向となりトラクタ1を後進させながら作業を行うことができる。
【0039】
さらに、畦塗り機50は、散水装置65を備えており、モータ等によるポンプが作用してタンク65aの水をディスク部57付近のノズル65bから放出してディスク部57にかける水量を調節する。すなわち、散水装置65のモータが作動すると散水を行い、作動が停止すると散水を中止する。散水装置65のモータは、図1のアクチュエータ21に相当する。なお、上記の各電動油圧シリンダや散水装置65のモータは、リモコン装置30により操作が可能となっている。
【0040】
<作業機の第2の例>
図3は、本発明の農作業機用安全制御システムを適用する作業機の第2の例を示す平面図である。図3の左右方向が横方向であり、図3の上方向が前方向である。トラクタ1の後部に作業機2が装着されており、作業機2で農作業を行う。なお、トラクタの図示は簡略化してある。また、図3では、作業機2が代掻き作業機100の場合について説明する。
【0041】
トラクタ1側における構成は図2と同様である。
【0042】
中央作業部105の両側に設置されたサイド作業部105’は、中央作業部105に対して折り畳み可能となっている。図3の状態がサイド作業部105’を開いた展開状態を示し、中央作業部105及びサイド作業部105’で代掻き作業が可能となる。また、サイド作業部105’を折りたたむと横方向の全長を短くした折畳状態となるが、この場合は中央作業部105のみで代掻き作業が可能となる。中央作業部105には、装着部101であるマスト101aと左右のヒッチ101bが設けられ、これらを介して代掻き作業機100がトラクタ1の後方に装着される。トラクタ1からのPTO動力は、前側に設けられる入力軸を介して入力され、カバー102やその後方の第1の整地体103の内側で代掻き爪を備える耕耘部が回転して土を細かくする。そして、第1の整地体103とその後方に備えられる第2の整地体104により土の表面を平らにする。このようにして代掻き作業を行う。なお、中央作業部105やサイド作業部105’は図1の作業部25に相当する。
【0043】
左右の電動油圧シリンダ106は、シリンダが伸び縮みすることにより、回動機構107を作用させ中央作業部105に対して両側のサイド作業部105’をそれぞれ上側に折りたたむことができ、代掻き作業機100の全幅を短くすることができる。左右の延長整地体駆動装置110は、内部のモータが回転することにより、アーム112やワイヤ113を介して左右の延長整地体111をそれぞれ回動軸111aを中心に回動させることができる。このことで、第2の整地体104の両側端部に設けられた延長整地体111を外側に延長するか上側に折り畳むかを選択することができる。第2の整地体駆動装置116は、内部のモータが回転することにより、第2の整地体リンク手段117を介して第2の整地体104を回動させ下側で固定した土引き状態とするか回動が固定されていない通常の代掻き状態とするかを選択することができる。
【0044】
これら、電動油圧シリンダ106や、延長整地体駆動装置110(のモータ)、第2の整地体駆動装置116(のモータ)をアクチュエータ21として適用できる。また、電動油圧シリンダ106、延長整地体駆動装置110(のモータ)、第2の整地体駆動装置116(のモータ)は、リモコン装置30により操作が可能となっている。また、制御装置20は、マスト101aの側面に設置されており、トラクタ1の制御ユニット3から情報取得が可能である。
【0045】
<全体のフローチャート>
図4は、本発明の農作業機用安全制御システムのフローチャートの全体の一例を示す。ここでの処理は、主として制御装置20の演算部20cで行われる。
【0046】
最初に、ステップS1では、作業者モードの選択を行う。ここでは、作業者がリモコン装置30の操作により行うことができる。作業者モードの選択に基づき、後述する設定判断1~3の判断がなされる。例えば、リモコン装置30の表示部30bに「着座作業モード」と「非着座作業モード」の表示をさせて、作業者に選択させる、さらには、「手動作業走行モード」、「有人自動作業走行モード」、「無人自動作業走行モード」、「メンテナンスモード」の表示をさせて作業者に選択させる等である。その情報は制御装置20へ送信される。なお、ステップS1の作業者モードの選択は、トラクタ1の制御ユニット3から、各モードの情報を作業機通信部18、トラクタ通信部20aを介して受信して、自動で行ってもよい。
【0047】
次に、ステップS2では、設定判断1を行う。設定判断1は、ステップS1での選択の情報に基づき制御装置20で行われる。設定判断1の判定の結果、着座作業モードの場合はステップS3へ進み、非着座作業モードの場合はステップS4へ進む。ここで、着座作業モードは、トラクタ1の運転席シート5に着座して農作業を行うモードである。また、非着座作業モードは、トラクタ1の運転席シート5に着座しないで農作業を行うモードである。
【0048】
ステップS3では、設定判断2を行う。設定判断2は、ステップS1での選択の情報に基づき制御装置20で行われる。設定判断2の判定の結果、有人自動作業走行モードの場合はステップS100へ進み、非着座作業モードの場合はステップS200へ進む。
【0049】
ステップS4では、設定判断3を行う。設定判断3は、ステップS1での選択の情報に基づき制御装置20で行われる。設定判断3の判定の結果、無人自動作業走行モードの場合はステップS300へ進み、メンテナンスモードの場合はステップS5へ進む。
【0050】
ステップS100では、図5に示す有人自動作業走行モード処理が行われる。有人自動作業走行モード処理が終了するとステップS6へ進む。
【0051】
ステップS200では、図6に示す手動作業走行モード処理が行われる。手動作業走行モード処理が終了するとステップS6へ進む。
【0052】
ステップS300では、図7に示す無人自動作業走行モード処理が行われる。無人自動作業走行モード処理が終了するとステップS6へ進む。
【0053】
ステップS5では、メンテナンスモードに切替が行われる。作業者は、必要に応じてメンテナンスを行う。メンテナンスモードが終了するとステップS6へ進む。メンテナンスモードの終了は、リモコン装置30の操作等により行えばよい。
【0054】
ステップS6では、設定判断4を行う。設定判断4は、リモコン装置30の操作により、モード変更が行われたか否かが判定される。モード変更ありの場合はステップS1に戻る。モード変更なしの場合はステップS7へ進み、作業者の作業が終了する。
【0055】
<有人自動作業走行モード処理のフローチャート>
図5は、本発明の農作業機用安全制御システムのフローチャートにおける有人自動作業走行モード処理の一例を示す。ここでは、図4におけるステップS100の処理を示す。ここでの処理は、特に記載のない場合は制御装置20の演算部20cで行われる。
【0056】
最初に、ステップS101では、有人自動作業走行モードに切替を行う。ここでの切換は、制御装置20での切替処理である。ここでは図2のステップS3の設定判断2の結果に基づき切替が行われる。
【0057】
次に、ステップS102では、作業者は自動作業走行を開始する。ここでは、図1で説明したように搭乗者201がトラクタ1に配置された監視・操作装置9を操作して自動作業走行を開始する。
【0058】
次に、ステップS103では、トラクタ情報を受信する。トラクタ情報は、図1で示したように、トラクタ1の制御ユニット3から作業機通信部18を介して制御装置20のトラクタ通信部20aが受信する。この後、トラクタ情報は、所定間隔(例えば、3秒以内ごと、さらには1秒以内ごと等)もしくはリアルタイムで最新の情報を受信する。または、各判断時に必要に応じて最新のトラクタ情報を受信してもよい。
【0059】
トラクタ情報としては、作業機昇降情報、PTO駆動情報、着座情報を含む。作業機昇降情報は、トラクタ1に装着する作業機2の昇降状態に関する情報である。作業機2が所定よりも下降している場合は作業を行える状態であり、所定以上上昇している場合は作業を行わない移動状態であると判断できる。PTO駆動情報は、図1で示したPTO軸17が駆動(回転)しているか否かの情報である。着座情報は、着座センサ5aの情報に基づき、トラクタ1の運転席シート5に搭乗者201が着座しているか否かの情報である。
【0060】
次に、ステップS104では、作業機昇降判断1を行う。作業機昇降判断1は、取得した最新のトラクタ情報に含まれる作業機昇降情報に基づき制御装置20で行われる。作業機が所定以上上昇していると判定する場合は、ステップS126へ進み非作業状態と判定される。作業機が所定よりも下降していると判定する場合は、ステップS105へ進む。
【0061】
ステップS105では、PTO駆動判断1を行う。PTO駆動判断1は、取得した最新のトラクタ情報に含まれるPTO駆動情報に基づき制御装置20で行われる。PTOが停止している(駆動していない)と判定する場合は、ステップS126へ進み非作業状態と判定される。PTOが駆動していると判定する場合は、ステップS106へ進む。
【0062】
ステップS106では、着座判断1を行う。着座判断1は、取得した最新のトラクタ情報に含まれる着座情報に基づき制御装置20で行われる。搭乗者201が着座している着座状態と判定する場合は、ステップS108へ進み着座判定がなされる。搭乗者201が着座していない非着座状態と判定する場合は、ステップS107へ進み非着座判定がなされる。なお、非着座状態と判定する場合、誤判定を防止するため所定時間以上(例えば3秒以上、もしくは5秒以上等)着座していない場合に適用してもよい。非着座状態は、搭乗者201が運転席シート5から離れる状態や搭乗者201の体調が悪くなって運転席シート5から落ちた状態等の危険な事態が想定される。すなわち、非着座状態は、通常のトラクタ1の運転作業では想定されないイレギュラーな状態を考慮したものである。
【0063】
ステップS108の着座判定の次はステップS127へ進み作業状態と判定され、ステップS103へ戻る。
【0064】
ステップS107の非着座判定の次はステップS109へ進みPTO駆動判断2を行う。PTO駆動判断2は、PTO駆動情報を再度取得することにより制御装置20で行われる。PTOが停止していると判定する場合はステップS110へ進み、PTOが駆動していると判定する場合はステップS111へ進む。
【0065】
ステップS111では、非着座作業状態であると判定される。非着座作業状態は、トラクタ1の運転席シート5に搭乗者201が着座しておらず、かつ作業機2が作業状態であることを示す。
【0066】
次に、ステップS112では非着座作業状態を報知する。ここでの報知は、作業機2の報知部23による報知と、リモコン装置30の表示部30b及び音声出力部30cによる報知があげられる。報知部23による報知は、制御装置20の制御により例えば、音や音声、または、光等による報知である。通常日中に作業を行うため、音や音声の報知は特に有効である。リモコン装置30による報知は、制御装置20からの報知情報を受信して、例えば、表示部30bによる非着座作業状態の文字や絵等による表示や、音声出力部30cによる音や音声による報知である。ステップS112の後は、ステップS106へ戻る。
【0067】
一方、ステップS110では、非着座作業停止状態であると判定される。非着座作業停止状態は、トラクタ1の運転席シート5に搭乗者201が着座しておらず、かつ作業機2が作業停止状態であることを示す。
【0068】
次に、ステップS113では、作業機動作判断を行う。作業機動作判断はアクチュエータ21が動作しているか否かの判定を制御装置20で行う。アクチュエータ21が動作している場合は、ステップS114へ行きアクチュエータ21の動作を制御装置20で停止する制御をしてからステップS115へ進む。動作していない場合は、そのままステップS115へ進む。
【0069】
ここで、アクチュエータ21が、図2で説明した第1電動油圧シリンダ61、第2電動油圧シリンダ、第3電動油圧シリンダ63であれば、作業部58の動きを停止して安全性を確保することが可能である。一方、アクチュエータ21が、図2で説明した散水装置65のモータであるならば、散水装置65の散水を停止し、タンク65a内の無駄な水の排出を防止することが可能となる。
【0070】
また、アクチュエータ21が、図3で説明した電動油圧シリンダ106であれば、サイド作業部105’の動きを停止して安全性を確保することが可能である。また、アクチュエータ21が、図3で説明した延長整地体駆動装置110(のモータ)、第2の整地体駆動装置116(のモータ)であっても、各装置の動きを止めて安全性の確保に貢献できる。
【0071】
ステップS115では、作業機動作操作の受付を停止する。すなわち、リモコン装置30の操作部30aの操作による操作信号の受付を制御装置20が中止する。これにより、リモコン装置30の操作部30aの操作をしてもアクチュエータ21は動作せずに、停止したままとなる。すなわち、リモコン装置30でアクチュエータ21を操作できない状態とする。
【0072】
次に、ステップS116では、非着座作業中断状態を報知する。ここでの報知は、作業機2の報知部23による報知と、リモコン装置30の表示部30b及び音声出力部30cによる報知があげられる。報知部23による報知は、制御装置20の制御により例えば、音や音声、または、光等による報知である。通常日中に作業を行うため、音や音声の報知は特に有効である。リモコン装置30による報知は、制御装置20からの報知情報を受信して、例えば、表示部30bによる非着座作業中断状態の文字や絵等による表示や、音声出力部30cによる音や音声による報知である。
【0073】
この場合、ステップS112の非着座作業状態の報知と、ステップS116の非着座作業中断状態の報知は、音の種類や音量、色の種類、光の量等の報知を別の種類としてもよい。非着座作業状態はPTOが回っていて作業機2が作動しているため、緊急度の高い報知となる。一方、非着座作業中断状態はPTOが駆動していないので作業機2が作業中ではなく、比較的緊急度の低い報知になる。このため、非着座作業状態の報知の方が、非着座作業中断状態の報知よりも報知のレベル高めてもよい。例えば、非着座作業状態の場合は目立つ赤色を使用した表示で、非着座作業中断状態は黄色を使用した表示とする、また、非着座作業状態の場合は非着座作業中断状態の場合よりも音や音声の音量を大きくする等である。
【0074】
次に、ステップS117では、作業機情報を送信する。ここでの送信は、作業機動作操作の受付を停止していることの情報を、制御装置20の制御により、リモコン装置30や制御ユニット3へ送信する。その情報を受信した、リモコン装置30は、表示部30bでそれに関する表示を文字や絵等で行ってもよい。また、その情報を受信した、制御ユニット3は監視・操作装置9でその表示をする制御を行ってもよい。
【0075】
次に、ステップS118では、着座判断2を行う。着座判断2は、取得した最新のトラクタ情報に含まれる着座情報に基づき制御装置20で行われる。搭乗者201が着座している着座状態と判定する場合は、ステップS119へ進む。搭乗者201が着座していない非着座状態と判定する場合は、ステップS115へ戻る。
【0076】
ステップS119では、作業者が報知停止操作を行う。ここでの操作はリモコン装置30の操作部30aの操作により行うことができる。その操作信号は、制御装置20へ送信される。
【0077】
次に、ステップS120では、非着座中断状態の報知を停止する。ステップS119により報知停止操作を行った場合、ステップS116で開始した非着座作業中断状態の報知を停止する制御を行う。報知部23の報知の場合は、制御装置20によって報知を停止する制御を行う。リモコン装置30の報知であれば、リモコン装置30内で直接停止の処理をしてもよいし、制御装置20から報知停止の信号を送り、それに基づきリモコン装置30で報知停止の処理をしてもよい。
【0078】
次に、ステップS121では、作業機動作操作の受付を再開する。ここでは、ステップS115で停止していた作業機動作操作の受付を再開するものである。この場合は、リモコン装置30の操作部30aの操作による操作信号を受信したら制御装置20がアクチュエータ21を制御して作動させる。すなわち、リモコン装置30でアクチュエータ21を操作できる状態とする。
【0079】
次に、ステップS122では、作業機昇降判断2を行う。作業機昇降判断2は、取得した最新のトラクタ情報に含まれる作業機昇降情報に基づき制御装置20で行われる。作業機が所定以上上昇していると判定する場合は、ステップS126へ進み非作業状態と判定される。作業機が所定よりも下降していると判定する場合は、ステップS123へ進む。
【0080】
ステップS123では、作業者が安全確認を行う。ここでの作業者は搭乗者201となる。
【0081】
次に、ステップS124では、作業者が自動作業走行を再開する。ここでは、ステップS102と同様に搭乗者201がトラクタ1の監視・操作装置9を操作して自動作業走行を再開する。
【0082】
次に、ステップS125では、作業状態判断を行う。作業状態判断は、作業機2が農作業を行える作業状態か否かを制御装置20が判定するものである。作業状態判断は、制御装置20のアクチュエータ21の制御情報、センサ22からの情報、作業機通信部18から受信したトラクタ情報等によって判定できる。作業状態であると判定される場合は、ステップS127へ進み、作業状態でないと判定される場合は、ステップS126へ進む。非作業状態と判定される。
【0083】
ここで、畦塗り機50であれば、前進作業状態または後進作業状態で、作業機2(畦塗り機50)が下降状態であれば作業可能な作業状態と判断できる。一方、格納状態またはオフセット動作の途中の状態、作業機が上昇状態であれば、非作業状態(作業状態でない)と判断できる。ここで、前進作業状態、後進作業状態、格納状態、オフセット動作の途中の状態は、制御装置20の電動油圧シリンダの制御情報やセンサ22からの情報で判定できる。また、作業機2が下降状態や上昇状態であるかは、トラクタ情報によって判定できる。また、取得した最新のトラクタ情報に含まれるPTO駆動情報に基づきPTOが停止していると判定する場合は、作業状態でないと判定してもよい。
【0084】
また、代掻き作業機100であれば、展開状態または折畳状態で、作業機2(代掻き作業機100)が下降状態であれば作業可能な作業状態と判断できる。一方、サイド作業部105’が展開または格納動作の途中、作業機が上昇状態であれば、非作業状態(作業状態でない)と判断できる。ここで、展開状態、折畳状態は、制御装置20の電動油圧シリンダ106の制御情報やセンサ22からの情報で判定できる。また、作業機2が下降状態や上昇状態であるかは、トラクタ情報によって判定できる。また、取得した最新のトラクタ情報に含まれるPTO駆動情報に基づきPTOが停止していると判定する場合は、作業状態でないと判定してもよい。
【0085】
ステップS126では、非作業状態と判定される。このため次のステップS128では、作業者は作業を中断し、図4のステップS6へ進む。
【0086】
一方、ステップS127では、作業状態と判定されて、ステップS103へ戻る。
【0087】
<手動作業走行モード処理のフローチャート>
図6は、本発明の農作業機用安全制御システムのフローチャートにおける手動作業走行モード処理の一例を示す。ここでは、図4におけるステップS200の処理を示す。ここでの処理は、特に記載のない場合は制御装置20の演算部20cで行われる。
【0088】
最初に、ステップS201では、手動作業走行モードに切替を行う。ここでの切換は、制御装置20での切替処理である。ここでは図2のステップS3の設定判断2の結果に基づき切替が行われる。
【0089】
次に、ステップS202では、作業者は手動作業走行を開始する。ここでは、図1で説明したように搭乗者201がトラクタ1の走行操作部6、操舵部7、PTOスイッチ8等を操作して、手動作業走行を開始する。
【0090】
次に、ステップS203では、トラクタ情報を受信する。ここでのトラクタ情報の受信は図5のステップS103と同様である。
【0091】
次に、ステップS204では、作業機昇降判断1を行う。作業機昇降判断1は、取得した最新のトラクタ情報に含まれる作業機昇降情報に基づき制御装置20で行われる。作業機が所定以上上昇していると判定する場合は、ステップS226へ進み非作業状態と判定される。作業機が所定よりも下降していると判定する場合は、ステップS205へ進む。
【0092】
ステップS205では、PTO駆動判断1を行う。PTO駆動判断1は、取得した最新のトラクタ情報に含まれるPTO駆動情報に基づき制御装置20で行われる。PTOが停止している(駆動していない)と判定する場合は、ステップS226へ進み非作業状態と判定される。PTOが駆動していると判定する場合は、ステップS206へ進む。
【0093】
ステップS206では、着座判断1を行う。着座判断1は、取得した最新のトラクタ情報に含まれる着座情報に基づき制御装置20で行われる。搭乗者201が着座している着座状態と判定する場合は、ステップS208へ進み着座判定がなされる。搭乗者201が着座していない非着座状態と判定する場合は、ステップS207へ進み非着座判定がなされる。なお、非着座状態と判定する場合、敏感な判定を防止するため所定時間以上(例えば3秒以上、もしくは5秒以上等)着座していない場合に適用してもよい。
【0094】
ステップS208の着座判定の次はステップS227へ進み作業状態と判定され、ステップS203へ戻る。
【0095】
ステップS207の非着座判定の次はステップS209へ進みPTO駆動判断2を行う。PTO駆動判断2は、取得した最新のトラクタ情報に含まれるPTO駆動情報に基づき制御装置20で行われる。PTOが停止していると判定する場合はステップS210へ進み、PTOが駆動していると判定する場合はステップS211へ進む。
【0096】
ステップS211では、非着座作業状態であると判定される。非着座作業状態は、トラクタ1の運転席シート5に搭乗者201が着座しておらず、かつ作業機2が作業状態であることを示す。
【0097】
次に、ステップS212では非着座作業状態を報知する。ここでの報知は、図5のステップS112と同様である。ステップS212の後は、ステップS206へ戻る。
【0098】
一方、ステップS210では、非着座作業停止状態であると判定される。非着座作業停止状態は、トラクタ1の運転席シート5に搭乗者201が着座しておらず、かつ作業機2が作業停止状態であることを示す。
【0099】
次に、ステップS213では、作業機動作判断を行う。作業機動作判断はアクチュエータ21が動作しているか否かの判定を制御装置20で行う。アクチュエータ21が動作している場合は、ステップS214へ進みアクチュエータ21の動作を制御装置20で停止する制御をしてからステップS215へ進む。アクチュエータ21が動作していない場合は、そのままステップS215へ進む。ここでのアクチュエータ21は、図5のステップS113で説明したアクチュエータと同様である。
【0100】
ステップS215では、作業機動作操作の受付を停止する。すなわち、リモコン装置30の操作部30aの操作による操作信号の受付を制御装置20が中止する。これにより、リモコン装置30の操作部30aの操作をしてもアクチュエータ21は動作せずに、停止したままとなる。すなわち、リモコン装置30でアクチュエータ21を操作できない状態とする。
【0101】
次に、ステップS216では、非着座作業中断状態を報知する。ここでの報知は、図5のステップS116と同様である。
【0102】
次に、ステップS217では、作業機情報を送信する。ここでの作業機情報を送信は、図5のステップS117と同様である。
【0103】
次に、ステップS218では、着座判断2を行う。着座判断2は、取得した最新のトラクタ情報に含まれる着座情報に基づき制御装置20で行われる。搭乗者201が着座している着座状態と判定する場合は、ステップS219へ進む。搭乗者201が着座していない非着座状態と判定する場合は、ステップS215へ戻る。
【0104】
ステップS219では、作業者が報知停止操作を行う。ここでの操作はリモコン装置30の操作部30aの操作により行うことができる。その操作信号は、制御装置20へ送信される。
【0105】
次に、ステップS220では、非着座中断状態の報知を停止する。ステップS219により報知停止操作を行った場合、ステップS216で開始した非着座作業中断状態の報知を停止する制御を行う。報知部23の報知の場合は、制御装置20によって報知を停止する制御を行う。リモコン装置30の報知であれば、リモコン装置30内で直接停止の処理をしてもよいし、制御装置20から報知停止の信号を送り、それに基づきリモコン装置30で報知停止の処理をしてもよい。
【0106】
次に、ステップS221では、作業機動作操作の受付を再開する。ここでは、ステップS215で停止していた、作業機動作操作の受付を再開するものである。すると、リモコン装置30の操作部30aの操作による操作信号を受信したら制御装置20がアクチュエータ21を制御して、作動させる。すなわち、リモコン装置30でアクチュエータ21を操作できる状態とする。
【0107】
次に、ステップS222では、作業機昇降判断2を行う。作業機昇降判断2は、取得した最新のトラクタ情報に含まれる作業機昇降情報に基づき制御装置20で行われる。作業機が所定以上上昇していると判定する場合は、ステップS226へ進み非作業状態と判定される。作業機が所定よりも下降していると判定する場合は、ステップS223へ進む。
【0108】
ステップS223では、作業者が安全確認を行う。ここでの作業者は搭乗者201となる。
【0109】
次に、ステップS224では、作業者が手動作業走行を再開する。ここでは、ステップS202と同様に搭乗者201がトラクタ1の走行操作部6、操舵部7、PTOスイッチ8等を操作して手動作業走行を再開する。
【0110】
次に、ステップS225では、作業状態判断を行う。ここでの作業状態判断は、図5のステップS125と同様である。作業状態であると判定する場合は、ステップS227へ進み、作業状態でないと判定する場合は、ステップS226へ進む。
【0111】
ステップS226では、非作業状態と判定される。このため次のステップS228では、作業者は作業を中断し、図4のステップS6へ進む。
【0112】
一方、ステップS227では、作業状態と判定されて、ステップS203へ戻る。
【0113】
<無人自動作業走行モード処理のフローチャート>
図7は、本発明の農作業機用安全制御システムのフローチャートにおける無人自動作業走行モード処理の一例を示す。ここでは、図4におけるステップS300の処理を示す。ここでの処理は、特に記載のない場合は制御装置20の演算部20cで行われる。
【0114】
最初に、ステップS301では、無人自動作業走行モードに切替を行う。ここでの切換は、制御装置20での切替処理である。ここでは図2のステップS4の設定判断3の結果に基づき切替が行われる。
【0115】
次に、ステップS302では、遠隔操作者が無人自動作業走行を開始する。ここでは、図1で説明したように遠隔操作者202がトラクタ1と別に配置された遠隔監視・操作装置35を操作して無人自動作業走行を開始する。
【0116】
次に、ステップS303では、トラクタ情報を受信する。ここでのトラクタ情報の受信は図5のステップS103と同様である。
【0117】
次に、ステップS304では、作業機昇降判断1を行う。作業機昇降判断1は、取得した最新のトラクタ情報に含まれる作業機昇降情報に基づき制御装置20で行われる。作業機が所定以上上昇していると判定する場合は、ステップS320へ進み非作業状態と判定される。作業機が所定よりも下降していると判定する場合は、ステップS305へ進む。
【0118】
ステップS305では、PTO駆動判断1を行う。PTO駆動判断1は、取得した最新のトラクタ情報に含まれるPTO駆動情報に基づき制御装置20で行われる。PTOが停止している(駆動していない)と判定する場合は、ステップS320へ進み非作業状態と判定される。PTOが駆動していると判定する場合は、ステップS306へ進む。
【0119】
ステップS306では、作業状態と判定される。
【0120】
次に、ステップS307では、PTO駆動判断2を行う。PTO駆動判断2は、取得した最新のトラクタ情報に含まれるPTO駆動情報に基づき制御装置20で行われる。PTOが停止していると判定する場合はステップS308へ進む。PTOが駆動していると判定する場合はステップS321へ進み、作業状態と判定され、ステップS303へ戻る。
【0121】
ステップS308では、無人作業停止状態であると判定される。無人作業停止状態は、無人自動作業走行モードにおいて作業機2が作業停止状態であることを示す。
【0122】
次に、ステップS309では、作業機動作判断を行う。作業機動作判断はアクチュエータ21が動作しているか否かの判定を制御装置20で行う。アクチュエータ21が動作している場合は、ステップS310へ進みアクチュエータ21の動作を制御装置20で停止する制御をしてからステップS311へ進む。アクチュエータ21が動作していない場合は、そのままステップS215へ進む。ここでのアクチュエータ21は、図5のステップS113で説明したアクチュエータと同様である。
【0123】
ステップS311では、作業機動作操作の受付を停止する。すなわち、リモコン装置30の操作部30aの操作による操作信号の受付を制御装置20が中止する。これにより、リモコン装置30の操作部30aの操作をしてもアクチュエータ21は動作せずに、停止したままとなる。すなわち、リモコン装置30でアクチュエータ21を操作できない状態とする。
【0124】
次に、ステップS312では、無人作業中断状態を報知する。ここでの報知は、作業機2の報知部23による報知と、リモコン装置30の表示部30b及び音声出力部30cによる報知があげられる。報知部23による報知は、制御装置20の制御により例えば、音や音声、または、光等による報知である。通常日中に作業を行うため、音や音声の報知は特に有効である。リモコン装置30による報知は、制御装置20からの報知情報を受信して、例えば、表示部30bによる無人作業中断状態の文字や絵等による表示や、音声出力部30cによる音や音声による報知である。
【0125】
次に、ステップS313では、作業機情報を送信する。ここでの作業機情報を送信は、図5のステップS117と同様である。
【0126】
次に、ステップS314では、遠隔操作者が報知停止操作を行う。ここでの操作は遠隔操作者202によるリモコン装置30の操作部30aの操作により行うことができる。その操作信号は、制御装置20へ送信される。
【0127】
次に、ステップS315では、無人作業中断状態の報知を停止する。ステップS314により報知停止操作を行った場合、ステップS312で開始した無人作業中断状態の報知を停止する制御を行う。報知部23の報知の場合は、制御装置20によって報知を停止する制御を行う。リモコン装置30の報知であれば、リモコン装置30内で直接停止の処理をしてもよいし、制御装置20から報知停止の信号を送り、それに基づきリモコン装置30で報知停止の処理をしてもよい。
【0128】
次に、ステップS316では、作業機昇降判断2を行う。作業機昇降判断2は、取得した最新のトラクタ情報に含まれる作業機昇降情報に基づき制御装置20で行われる。作業機が所定以上上昇していると判定する場合は、ステップS320へ進み非作業状態と判定される。作業機が所定よりも下降していると判定する場合は、ステップS317へ進む。
【0129】
ステップS317では、遠隔操作者202が安全確認を行う。
【0130】
次に、ステップS318では、遠隔操作者が無人自動作業走行を再開する。ここでは、ステップS302と同様に遠隔操作者202がトラクタ1と別に配置された遠隔監視・操作装置35を操作して無人自動作業走行を再開する。
【0131】
次に、ステップS319では、作業状態判断を行う。ここでの作業状態判断は、図5のステップS125と同様である。作業状態であると判定する場合は、ステップS321へ進み、作業状態でないと判定する場合は、ステップS320へ進む。
【0132】
ステップS320では、非作業状態と判定される。このため次のステップS322では、遠隔操作者202は作業を中断し、図4のステップS6へ進む。
【0133】
一方、ステップS321では、作業状態と判定されて、ステップS303へ戻る。
【0134】
<効果>
以上のような実施形態により、次のような安全制御ができる。まず、着座作業モードにおいては、非着座判定となった場合は、報知により作業者及び周囲に知らせることができる。この場合、PTOが駆動しているか否かで、報知の種類を変えることで適切な報知が可能となる。また、着座状態に戻ったら報知停止の操作が可能となり、余計な報知を防止できる。また、非着座判定となった場合でPTOが停止している場合は、アクチュエータ21を停止する。このことで安全性を確保できる。さらには、アクチュエータ21を操作できない状態にして、安全性をさらに高めることができる。ここでアクチュエータ21が散水装置65のモータの場合は、無駄な水の排出も防止できる。
【0135】
さらに、有人自動作業走行モード、手動作業走行モード、無人自動作業走行モードと、モードごとに、安全制御システムの処理内容を変えることで適切な安全制御処理が可能となる。特に、有人自動作業走行モード、手動作業走行モードでは、着座を前提とした着座作業モードであり、この場合は、着座センサ5aによる着座情報を加味することができる。これにより、着座情報をふまえた適切な安全制御が可能となる。一方、無人自動作業走行モードの非着座作業モードの場合は、着座を前提としないモードであり、着座情報を加味しないことで、適切な安全制御が可能となる。
【0136】
以上の様に、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、上述した以外の様々な変形例も含まれる。例えば、上記した実施形態に設けられた全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を削除したり、他の構成に置き換えたりすることも可能である。
【0137】
例えば、適用する作業機として、畦塗り機と代掻き作業機の実施形態を示したが、これ以外に、例えば、ロータリー作業機、施肥機、播種機等、トラクタに装着する作業機であれば適用することができる。
【0138】
また、散水装置65は、散水装置だけでなく、モータなどのアクチュエータにより液体を供給する液体供給装置に適用できる。この場合、モータを停止すると液体の供給も停止される。
【0139】
本明細書には以下の態様の開示も含まれる。
(態様1)
トラクタに装着して農作業を行う作業機に用いる農作業機用安全制御システムにおいて、
前記作業機に設けられる制御装置と、前記作業機に設けられ前記制御装置の制御により報知を行う報知部とを備え、
前記制御装置は、前記トラクタから、前記トラクタの搭乗者が運転席に着座しているか否かの着座情報を取得可能であり、
前記制御装置は、前記着座情報から非着座状態であると判定した場合、前記報知部での報知を行い、前記報知部での報知には音による報知が含まれることを特徴とする農作業機用安全制御システム。
【0140】
(態様2)
態様1に記載の農作業機用安全制御システムにおいて、
前記作業機に設けられるアクチュエータと、前記制御装置と遠隔で通信可能なリモコン装置とを備え、
前記制御装置は、前記リモコン装置からの操作信号により前記アクチュエータを制御し、
前記制御装置は、前記着座情報から非着座状態であると判定した場合、前記リモコン装置による報知を行うための情報を送信し、前記リモコン装置で報知を行うことを特徴とする農作業機用安全制御システム。
【0141】
(態様3)
態様2に記載の農作業機用安全制御システムにおいて、
前記制御装置は、前記トラクタから、前記トラクタのPTO軸が駆動しているか否かのPTO駆動情報を取得可能であり、
前記制御装置は、前記着座情報から非着座状態であり、かつ、前記PTO駆動情報からPTOが停止していると判定した場合、前記アクチュエータを停止することを特徴とする農作業機用安全制御システム。
【0142】
(態様4)
態様3に記載の農作業機用安全制御システムにおいて、
前記制御装置は、前記着座情報から非着座状態であり、かつ、前記PTO駆動情報からPTOが停止していると判定した場合、前記リモコン装置で前記アクチュエータを操作できない状態とすることを特徴とする農作業機用安全制御システム。
【0143】
(態様5)
態様2から態様4のいずれか1つに記載の農作業機用安全制御システムにおいて、
前記アクチュエータは、前記作業機に備えられる農作業を行う作業部を移動させることを可能とするシリンダであることを特徴とする農作業機用安全制御システム。
【0144】
(態様6)
態様2から態様4のいずれか1つに記載の農作業機用安全制御システムにおいて、
前記アクチュエータは、前記作業機に備えられる液体供給装置の液体を供給するモータであり、前記モータを停止すると前記液体供給装置の液体の供給を中止することを特徴とする農作業機用安全制御システム。
【0145】
(態様7)
態様1から態様6のいずれか1つに記載の農作業機用安全制御システムにおいて、
前記制御装置は、前記トラクタから、前記トラクタのPTO軸が駆動しているか否かのPTO駆動情報を取得可能であり、
前記制御装置は、前記着座情報から非着座状態であると判定した場合の前記報知部での報知について、前記PTO駆動情報からPTOが駆動していると判定した場合と、PTOが停止していると判定した場合のそれぞれにおいて、前記報知部での報知の種類を変更することを特徴とする農作業機用安全制御システム。
【0146】
(態様8)
トラクタに装着して農作業を行う作業機に用いる農作業機用安全制御システムにおいて、
前記作業機に設けられる制御装置と、前記作業機に設けられ前記制御装置の制御により報知を行う報知部とを備え、
前記制御装置は、前記トラクタから、前記トラクタの搭乗者が運転席に着座しているか否かの着座情報を取得可能であるとともに、前記着座情報を利用する着座作業モードと、前記着座情報を利用しない非着座作業モードに切替可能であり、
前記着座作業モードでは、前記制御装置は、前記着座情報から非着座状態であると判定した場合、前記報知部での音による報知を含む報知を行い、
前記非着座作業モードでは、前記制御装置は、前記着座情報にかかわらず、前記報知部での報知を行わないことを特徴とする農作業機用安全制御システム。
【符号の説明】
【0147】
1 トラクタ
2 作業機
3 制御ユニット
5 運転席シート
5a 着座センサ
9 監視・操作装置
18 作業機通信部
20 制御装置
20a トラクタ通信部
20b 制御部
20c 演算部
21 アクチュエータ
22 センサ
23 報知部
25 作業部
30 リモコン装置
30a 操作部
30b 表示部
30c 音声出力部
30d 通信部
30e 処理部
35 遠隔監視・操作装置
50 畦塗り機
51 装着部
52 中間フレーム
58 作業部
61 第1電動油圧シリンダ
63 第3電動油圧シリンダ
65 散水装置
100 代掻き作業機
105 中央作業部
105’ サイド作業部
106 電動油圧シリンダ
107 回動機構
110 延長整地体駆動装置
116 第2の整地体駆動装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7