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特開2024-56340射出成形機のホッパ、射出装置、および射出成形機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056340
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】射出成形機のホッパ、射出装置、および射出成形機
(51)【国際特許分類】
   B22D 17/30 20060101AFI20240416BHJP
   B29C 45/18 20060101ALI20240416BHJP
   B22D 17/20 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
B22D17/30 Z
B29C45/18
B22D17/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163142
(22)【出願日】2022-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100097696
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 嘉昭
(74)【代理人】
【識別番号】100147072
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 裕通
(72)【発明者】
【氏名】部谷 道雄
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206AL01
4F206AL08
4F206AL11
4F206AL12
4F206AL13
4F206JA07
4F206JF23
4F206JL03
4F206JL04
4F206JN03
(57)【要約】
【課題】加熱シリンダのメンテナンスが容易な射出成形機のホッパを提供する。
【解決手段】射出成形機(1)のホッパ(21)を、加熱シリンダ(15)を支持している加熱シリンダ支持部材(24)に対して水平に移動可能に設けられているホッパ本体(31)と、加熱シリンダ(15)とホッパ本体(31)とを接続する接続構造(32)と、から構成する。接続構造(32)は加熱シリンダ(15)に設けられている台座(38)と、台座(38)とホッパ本体(31)とを接続する接続パイプ(39)と、を備える。接続パイプ(39)をスライドすると台座(38)から離間されるように構成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出装置の加熱シリンダを支持している加熱シリンダ支持部材に対して水平に移動可能に設けられているホッパ本体と、
前記加熱シリンダと前記ホッパ本体とを接続する接続構造と、を備え、
前記接続構造は、前記加熱シリンダに設けられ前記加熱シリンダの材料供給穴と連通する貫通孔が形成されている台座と、前記台座と前記ホッパ本体とを接続する接続パイプと、を備えており、
前記接続パイプは前記ホッパ本体に対してスライド自在に設けられ、スライドにより前記台座から離間が可能になっている、射出成形機のホッパ。
【請求項2】
前記ホッパ本体は前記加熱シリンダ支持部材に対して水平に旋回移動が可能に設けられている、請求項1に記載の射出成形機のホッパ。
【請求項3】
前記ホッパ本体は前記加熱シリンダ支持部材に対して水平にスライド移動が可能に設けられている、請求項1に記載の射出成形機のホッパ。
【請求項4】
前記ホッパ本体には、前記ホッパ本体の下方において開口している材料出口を開閉するシャッタが設けられている、請求項1または2に記載の射出成形機のホッパ。
【請求項5】
前記接続パイプの前記ホッパ本体に対するスライドの方向は鉛直方向になっており、前記接続パイプを鉛直方向上向きにスライドさせると前記台座から離間するようになっている、請求項1または2に記載の射出成形機のホッパ。
【請求項6】
前記接続パイプは円筒になっており、
前記ホッパ本体の下部には、その外径が前記接続パイプの内径より小径の円筒部が形成され、
前記台座には、前記貫通孔の出口近傍において前記貫通孔を拡径した環状段部が形成されており、
前記接続パイプは前記円筒部に対してスライド自在に嵌合され、前記接続パイプを一方の方向にスライドさせた状態にすると前記接続パイプの端部が前記環状段部に嵌合し、他方の方向にスライドさせると前記接続パイプの端部が前記環状段部から離間するようになっている、請求項1または2に記載の射出成形機のホッパ。
【請求項7】
前記接続パイプは透明な樹脂材料から形成されている、請求項1または2に記載の射出成形機のホッパ。
【請求項8】
前記台座は断熱部材を介して前記加熱シリンダに取り付けられている、請求項1または2に記載の射出成形機のホッパ。
【請求項9】
前記接続パイプには一方の端部にフランジ部が形成され、前記ホッパ本体には前記フランジ部を押さえるストッパが設けられ、前記接続パイプは前記ホッパ本体に対するスライドが許容されていると共に取り外しが規制されている、請求項1または2に記載の射出成形機のホッパ。
【請求項10】
加熱シリンダと、
前記加熱シリンダ内に入れられているスクリュと、
前記加熱シリンダ内に射出材料を供給するホッパと、を備え、
前記ホッパは、前記加熱シリンダを支持している加熱シリンダ支持部材に対して水平に移動可能に設けられているホッパ本体と、
前記加熱シリンダと前記ホッパ本体とを接続する接続構造と、を備え、
前記接続構造は、前記加熱シリンダに設けられ前記加熱シリンダの材料供給穴と連通する貫通孔が形成されている台座と、前記台座と前記ホッパ本体とを接続する接続パイプと、を備えており、
前記接続パイプは前記ホッパ本体に対してスライド自在に設けられ、スライドにより前記台座から離間が可能になっている、射出装置。
【請求項11】
前記ホッパ本体は前記加熱シリンダ支持部材に対して水平に旋回移動が可能に設けられている、請求項10に記載の射出装置。
【請求項12】
前記ホッパ本体は前記加熱シリンダ支持部材に対して水平にスライド移動が可能に設けられている、請求項10に記載の射出装置。
【請求項13】
前記ホッパ本体には、前記ホッパ本体の下方において開口している材料出口を開閉するシャッタが設けられている、請求項10または11に記載の射出装置。
【請求項14】
前記接続パイプの前記ホッパ本体に対するスライドの方向は鉛直方向になっており、前記接続パイプを鉛直方向上向きにスライドさせると前記台座から離間するようになっている、請求項10または11に記載の射出装置。
【請求項15】
前記接続パイプは円筒になっており、
前記ホッパ本体の下部には、その外径が前記接続パイプの内径より小径の円筒部が形成され、
前記台座には、前記貫通孔の出口近傍において前記貫通孔を拡径した環状段部が形成されており、
前記接続パイプは前記円筒部に対してスライド自在に嵌合され、前記接続パイプを一方の方向にスライドさせた状態にすると前記接続パイプの端部が前記環状段部に嵌合し、他方の方向にスライドさせると前記接続パイプの端部が前記環状段部から離間するようになっている、請求項10または11に記載の射出装置。
【請求項16】
前記接続パイプは透明な樹脂材料から形成されている、請求項10または11に記載の射出装置。
【請求項17】
前記台座は断熱部材を介して前記加熱シリンダに取り付けられている、請求項10または11に記載の射出装置。
【請求項18】
前記接続パイプには一方の端部にフランジ部が形成され、前記ホッパ本体には前記フランジ部を押さえるストッパが設けられ、前記接続パイプは前記ホッパ本体に対するスライドが許容されていると共に取り外しが規制されている、請求項10または11に記載の射出装置。
【請求項19】
前記射出装置は金属を射出材料とする金属射出装置である、請求項10または11に記載の射出装置。
【請求項20】
金型を型締めする型締装置と、
金型に射出材料を射出する射出装置と、を備え、
前記射出装置は、加熱シリンダと、
前記加熱シリンダ内に入れられているスクリュと、
前記加熱シリンダ内に射出材料を供給するホッパと、を備え、
前記ホッパは、前記加熱シリンダを支持している加熱シリンダ支持部材に対して水平に移動可能に設けられているホッパ本体と、
前記加熱シリンダと前記ホッパ本体とを接続する接続構造と、を備え、
前記接続構造は、前記加熱シリンダに設けられ前記加熱シリンダの材料供給穴と連通する貫通孔が形成されている台座と、前記台座と前記ホッパ本体とを接続する接続パイプと、を備えており、
前記接続パイプは前記ホッパ本体に対してスライド自在に設けられ、スライドにより前記台座から離間が可能になっている、射出成形機。
【請求項21】
前記ホッパ本体は前記加熱シリンダ支持部材に対して水平に旋回移動が可能に設けられている、請求項20に記載の射出成形機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形機の加熱シリンダに設けられているホッパ、ホッパが設けられている射出装置、および射出成形機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
射出成形機の射出装置は、例えば特許文献1に記載されているように、加熱シリンダと、この加熱シリンダ内に入れられているスクリュと、スクリュを駆動するスクリュ駆動装置とを備えている。加熱シリンダは所定の部材、例えばスクリュ駆動装置の一部の部材に対して水平に支持されている。加熱シリンダには上流側にホッパが設けられ、射出材料が供給されるようになっており、下流側には射出ノズルが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-506997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
射出装置において、加熱シリンダをメンテナンスする場合、クレーン等で加熱シリンダを吊り下げながら、加熱シリンダを支持している所定の部材から加熱シリンダを取り外す必要がある。しかしながら、加熱シリンダには前記したようにホッパが設けられており、取り外しの作業の妨げになる。そこで、加熱シリンダを取り外す場合、予めホッパを加熱シリンダから取り外す必要がある。ホッパを取り外すにはホッパと加熱シリンダの接続を解除し、ホッパをクレーンで吊り下げて外部に搬出しなければならない。また、メンテナンスが完了して加熱シリンダを取り付けるときも、加熱シリンダを所定の支持部材に取り付けた後にホッパを再び加熱シリンダに取り付ける必要がある。つまり加熱シリンダのメンテナンス時には、ホッパの取り外し、取り付けをしなければならず、メンテナンス作業が煩雑になる、という課題がある。
【0005】
本開示において、加熱シリンダのメンテナンスが容易な射出成形機のホッパを提供する。
【0006】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、射出成形機のホッパを、加熱シリンダを支持している加熱シリンダ支持部材に対して水平に移動可能に設けられているホッパ本体と、加熱シリンダとホッパ本体とを接続する接続構造と、から構成する。接続構造は加熱シリンダに設けられ、加熱シリンダの材料供給穴と連通する貫通孔が形成されている台座と、台座とホッパ本体とを接続する接続パイプと、を備える。接続パイプをスライドすると台座から離間されるように構成する。
【発明の効果】
【0008】
本開示は、加熱シリンダのメンテナンスを容易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係る金属射出成形機の正面図である。
図2】第1の実施形態に係るホッパを備えた射出装置の一部を示す斜視図である。
図3】第1の実施形態に係るホッパを備えた射出装置の一部を示す正面断面図である。
図4】第1の実施形態に係るホッパの一部を示す、斜視図である。
図5】第1の実施形態に係るホッパを備えた射出装置の一部を示す斜視図である。
図6】第1の実施形態の変形例に係るホッパを備えた射出装置の一部を示す正面断面図である。
図7A】第2の実施形態に係るホッパを備えた射出装置の一部を示す斜視図である。
図7B】第2の実施形態に係るホッパを備えた射出装置の一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、以下の実施の形態に限定される訳ではない。説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜簡略化されている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。また、図面が煩雑にならないように、ハッチングが省略されている部分がある。
【0011】
[第1の実施形態]
<金属射出成形機>
第1の実施形態に係る金属射出成形機1を説明する。金属射出成形機1は、図1に示されているように、ベッドBの上に設けられている型締装置2と、ベッドB上でスライド自在に設けられている射出装置3と、を備えている。
【0012】
<型締装置>
型締装置2は、ベッドBに固定されている固定盤5と、ベッドB上をスライド自在に設けられている可動盤6と、同様にベッドB上をスライド自在に設けられている型締ハウジング7とを備えている。固定盤5と型締ハウジング7は、タイバー9、9、…によって連結されており、可動盤6はタイバー9、9、…に貫通されている。可動盤6と型締ハウジング7の間には型締機構が設けられている。型締機構は型締シリンダを採用することもできるが、第1の実施形態においてはトグル機構10が採用されている。固定盤5には固定側金型12が、そして可動盤6には可動側金型13がそれぞれ設けられている。型締装置2においてトグル機構10を駆動すると、固定側金型12と可動側金型13とが型開閉されるようになっている。
【0013】
<射出装置>
第1の実施形態において射出装置3は、射出材料として金属を溶融し射出する金属射出装置になっている。射出装置3は、加熱シリンダ15と、この加熱シリンダ15内に回転方向と軸方向とに駆動可能に入れられているスクリュ16と、スクリュ16を駆動するスクリュ駆動装置17と、を備えている。ベッドBにはスライド自在に支持台18設けられている。この支持台18には、次に説明する加熱シリンダ15を支持する加熱シリンダ支持構造20と、スクリュ駆動装置17とが設けられている。したがって、射出装置3は全体として型締装置2に対して接近したり離間したりするようになっている。加熱シリンダ15には射出ノズル22と、後で詳しく説明する第1の実施形態に係るホッパ21と、が設けられている。
【0014】
<加熱シリンダ支持構造>
加熱シリンダ支持構造20は、図2に示されているように、加熱シリンダ15を後端部において支持する支持プレート24と、加熱シリンダ15を中央において支持するフランジプレート25とを備えている。支持プレート24とフランジプレート25は、4本のロッド27、27、…によって連結されている。加熱シリンダ15にはその中央部において継手プレート29が設けられ、この継手プレート29がフランジプレート25に固定されている。
【0015】
<ホッパ>
第1の実施形態に係るホッパ21は、図2図3に示されているように、ホッパ本体31と、ホッパ本体31と加熱シリンダ15とを接続する接続構造32とを備えている。ホッパ本体31は、加熱シリンダ15を支持している支持プレート24つまり加熱シリンダ支持部材に対して、旋回プレート34を介して設けられている。旋回プレート34は、支持プレート24に対してピン36によって接続されており、水平に旋回自在になっている。したがってホッパ本体31も旋回プレート34と一体的に、水平に旋回させることができる。
【0016】
接続構造32は、図3に示されているように、加熱シリンダ15に設けられている台座38と、接続パイプ39と、ホッパ本体31側の部材つまり旋回プレート34に設けられている円筒部40と、を備えている。台座38には貫通孔44が空けられており、加熱シリンダ15に空けられている射出材料を供給するための材料供給穴42に整合している。貫通孔44には、図4に示されているように、その上方つまり出口近傍において拡径された環状段部45が形成されている。この環状段部45は次に説明する接続パイプ39の外径よりわずかに内径が大きく、接続パイプ39が滑らかに挿入されるようになっている。第1の実施形態において台座38は、加熱シリンダ15に対して断熱材46を介して接続されている。したがって、加熱シリンダ15から台座38への熱の伝導が抑制されている。
【0017】
接続パイプ39はこの実施形態において円筒に形成されている。接続パイプ39は、旋回プレート34に設けられている円筒部40に対して緩やかに嵌合され、鉛直方向にスライド自在になっている。つまり円筒部40の外径は接続パイプ39の内径よりわずかに小さくなっている。接続パイプ39は、その下端部が台座38の環状段部45に挿入されるようになっており、挿入されると、円筒部40と台座38は接続パイプ39によって接続される。接続パイプ39は、第1の実施形態において透明な樹脂、例えばポリカーボネートから形成されている。したがって、ホッパ本体31(図2、3参照)から接続パイプ39を経由して加熱シリンダ15に送られる射出材料を視認することができる。前記したように断熱材46の効果によって台座38の温度上昇は抑制されている。したがって、樹脂製の接続パイプ39が劣化することはない。
【0018】
第1の実施形態に係るホッパ21は、図2図3に示されているようにホッパ本体31側にシャッタ48が設けられている。シャッタ48は、ハウジング49に対して進退自在になっている。シャッタ48をハウジング49の奥まで挿入するとホッパ本体31の下方に開口している材料出口51が閉鎖される。一方、シャッタ48を後退させると材料出口51が開放される。
【0019】
<作用>
第1の実施形態に係るホッパ21の作用を説明する。最初にホッパ21が、図2図3に示されているように、加熱シリンダ15に接続されている状態から説明する。加熱シリンダ15の交換等、加熱シリンダ15をメンテナンスするとき、メンテナンスの妨げになるホッパ本体31を加熱シリンダ15から外す必要がある。まず、シャッタ48をハウジング49の奥まで挿入する。そうすると前記したようにホッパ本体31の材料出口51が閉鎖される。この状態で1回もしくは数回成形サイクルを実施する。そうすると接続パイプ39内の射出材料も消費される。接続パイプ39は透明になっているので、射出材料が残っているか否かを容易に視認することができる。次いで、接続パイプ39を鉛直方向上向きにスライドさせる。そうすると接続パイプ39の下端部が図4に示されているように環状段部45から抜ける。つまり接続パイプ39と台座38の接続が解除される。
【0020】
図5に示されているように、ホッパ本体31を旋回させる。旋回の途中で、接続パイプ39を円筒部40(図4参照)から抜き取る。つまり接続パイプ39を図5に示されているように取り外す。そうすると、ホッパ本体31の旋回中において接続パイプ39がロッド27にぶつかることを防止できる。つまりロッド27の干渉を受けることなく、ホッパ本体31を旋回させることができる。加熱シリンダ15からのホッパ本体31の取り外しが完了する。加熱シリンダ15のメンテナンスを実施することができる。なお、必要に応じて図5に示されているように、ホッパ本体31の下方に容器53を配置する。シャッタ48を開くとホッパ本体31内に残っている射出材料を容器53に移すことができる。
【0021】
加熱シリンダ15のメンテナンス完了後、ホッパ本体31を加熱シリンダ15に接続する場合には、上で説明した手順と逆の手順を実施すればよい。すなわち、ホッパ本体31を旋回させ、旋回の途中で接続パイプ39を円筒部40(図4参照)に挿入する。さらに旋回させて接続パイプ39と台座38とを整合させる。接続パイプ39を円筒部40に沿って鉛直方向下方にスライドさせると、図2に示されているように、接続パイプ39の下端部が環状段部45に挿入される。すなわちホッパ本体31と加熱シリンダ15の接続が完了する。
【0022】
[第1の実施形態の変形例]
第1の実施形態の変形例を説明する。第1の実施形態の変形例は、第1の実施形態に係る金属射出成形機1(図1参照)において、ホッパ21のみが変形されていて、他の構成については第1の実施形態と同様になっている。したがって、金属射出成形機1の構成についての説明を省略する。第1の実施形態の変形例に係るホッパ21‘が図6に示されている。第1の実施形態の変形例に係るホッパ21’において第1の実施形態に係るホッパ21(図3参照)と同様の部材については同一の参照番号を付して説明を省略する。
【0023】
第1の実施形態の変形例に係るホッパ21’は、接続パイプ39‘が変形されている。すなわち接続パイプ39’は、上端部にフランジ部55が形成されている。そして第1の実施形態の変形例に係るホッパ21‘は、旋回プレート34にストッパ56が設けられている。ストッパ56は、接続パイプ39’のフランジ部55が引っかかるようになっており、接続パイプ39‘は鉛直方向上下のスライドは許容されるが、取り外しが規制されるようになっている。第1の実施形態の変形例に係るホッパ21’も、加熱シリンダ15からの取り外しが容易になっている。
【0024】
[第2の実施形態]
第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る射出成形機は、図1に示されている第1の実施形態に係る金属射出成形機1と同様に構成されており、図7A図7Bに示されているホッパ21Aと、加熱シリンダ15を支持する加熱シリンダ支持構造20Aのみが相違している。したがって、射出成形機についての説明は省略する。
【0025】
第2の実施形態において加熱シリンダ支持構造20Aは、支持プレート24Aからなる。したがって、加熱シリンダ15はその後端部において支持プレート24Aに支持されている。
【0026】
第2の実施形態に係るホッパ21Aは、第1の実施形態に係るホッパ21(図2図3図4参照)に対して、一部のみが相違している。同一の部材については同一の参照番号を付して説明を省略する。第2の実施形態に係るホッパ21Aは、ホッパ本体31がスライドプレート60に設けられている。スライドプレート60は、スリット状のガイド穴61が形成されており、このガイド穴61にピン63が挿入され、ピン63によって支持プレート24Aに取り付けられている。第2の実施形態に係るホッパ21Aを加熱シリンダ15から取り外す場合、第1の実施形態に係るホッパ21(図5参照)と同様に、接続パイプ39を上方にスライドして台座38から離間させる。次いで図7Bに示されているように、ホッパ本体31を水平にスライド移動させる。このとき、接続パイプ39を取り外す。このようにしてホッパ21Aを加熱シリンダ15から取り外すことができる。
【0027】
<他の変形例>
第1の実施形態、第2の実施形態は色々な変形が可能である。例えば、接続パイプ39(図3図4参照)を変形することができる。接続パイプ39は円筒であると説明したが、例えば角筒でもよい。また接続パイプ39のスライド方向は鉛直方向上下に限らない。例えば円筒部40を斜めに設けておいて、接続パイプ39を斜めにスライドするようにしてもよい。さらには材質も変形できる。すなわち接続パイプ39は透明なポリカーボネートから形成されているように説明したが、アクリル、ポリエチレン、AS樹脂から形成してもよい。さらには不透明な樹脂、あるいは他の材料から形成されていてもよい。高温に耐える材料から形成する場合には、台座38(図3参照)を断熱材46無しで直接加熱シリンダ15に設けるようにすることもできる。
【0028】
他の点も変形することができる。例えば、ホッパ21、21A(図2図7A参照)においてシャッタ48は必須ではない。ホッパ21、21Aを加熱シリンダ15から取り外すとき、ホッパ本体31内に射出材料を残さないようにしておけば、シャッタ48が無くても射出材料が周囲に飛散することはない。
【0029】
第1の実施形態、第2の実施形態は、いずれも射出材料として金属を溶融し射出する金属射出成形機1(図1参照)として説明した。しかしながら、第1、第2の実施形態に係るホッパ21、21Aは、樹脂を射出材料として溶融・射出する射出成形機についても採用することができる。
【0030】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。以上で説明した複数の例は、適宜組み合わせて実施されることもできる。
【符号の説明】
【0031】
1 金属射出成形機 2 型締装置
3 射出装置 5 固定盤
6 可動盤 7 型締ハウジング
9 タイバー 10 トグル機構
12 固定側金型 13 可動側金型
15 加熱シリンダ 16 スクリュ
17 スクリュ駆動装置 18 支持台
20 加熱シリンダ支持構造 21 ホッパ
22 射出ノズル
24 支持プレート 25 フランジプレート
27 ロッド 29 継手プレート
31 ホッパ本体 32 接続構造
34 旋回プレート 36 ピン
38 台座 39 接続パイプ
40 円筒部 42 材料供給穴
44 貫通孔 45 環状段部
46 断熱材 48 シャッタ
49 ハウジング 51 材料出口
53 容器 55 フランジ部
56 ストッパ 60 スライドプレート
61 ガイド穴 63 ピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B