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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056358
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】穀物類・種子等の乾燥機の作業用設備
(51)【国際特許分類】
   F26B 17/14 20060101AFI20240416BHJP
   E04H 5/08 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
F26B17/14 P
E04H5/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163171
(22)【出願日】2022-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】000207160
【氏名又は名称】大島農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080528
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 冨士男
(74)【代理人】
【識別番号】100073601
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 和男
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 雄太郎
【テーマコード(参考)】
3L113
【Fターム(参考)】
3L113AC75
3L113BA03
3L113CB40
3L113DA22
(57)【要約】
【課題】本発明は、穀物類・種子等の乾燥機の機体における貯留側板部に回動可能な扉を設け、レバー操作等で簡易に固定し解放でき、高齢者又は体格の大きな作業者でも出入りがし易い大きな寸法の開口部を現出するように構成した乾燥機の機体の貯留側板部用扉の開閉装置を提供するとともに、機体の出入口及び出入扉、保守作業床に改良を施し、当該保守作業床用の垂直梯子を設置するようにした穀物類・種子等の乾燥機を提供するものである。
【解決手段】本発明に係る乾燥機における機体の貯留側板部用扉の開閉装置は、乾燥機の機体51の貯留側板部に回動開閉可能な扉6を配置し、レバー10の操作に基づき前記扉6を回動開閉操作して機体51の貯留側板部に開口部5を設置できるように構成し、前記開口5は500mm×800mm以上の高齢者又は体格の大きな作業者でも出入りがし易い大きな寸法の開口部として構成したものである。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥機の機体の貯留側板部に回動開閉可能な扉を配置し、レバー操作に基づき前記扉を回動開閉操作して機体の貯留側板部に開口部を現出できるように構成したことを特徴とする穀物類・種子等の乾燥機。
【請求項2】
前記貯留側板部の開口部は、500mm×800mm以上であることを特徴とする請求項1記載の穀物類・種子等の乾燥機。
【請求項3】
前記機体の貯留側板部へ設置する扉の地上高が大きい場合、防護柵付きの作業床と、そこへ昇降するための昇降梯子を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の穀物類・種子等の乾燥機。
【請求項4】
前記機体の貯留側板部に防護柵付きの作業床と、そこへ昇降するための昇降梯子を備える構成の場合には、作業床から機体上部へ上るための補助梯子を付加し、設置面以外の他の3面のスペースを必要とせずに機体上部への昇降を可能とすることを特徴とする請求項3記載の穀物類・種子等の乾燥機。
【請求項5】
前記レバー操作に基づき前記扉を回動開閉操作して機体の貯留側板部に開口部を現出する際には、前記レバー操作に基づき、前記扉を貯留側板部に対する密閉状態から180度開状態に至る範囲で前記扉を回動開閉操作可能であることを特徴とする請求項1又は2記載の穀物類・種子等の乾燥機。
【請求項6】
前記レバー操作に基づき前記扉を回動開閉操作して機体の貯留側板部に開口部を現出する際には、前記レバー操作に基づき、前記扉を貯留側板部に対する密閉状態から180度開状態に至る範囲で前記扉を回動開閉操作可能であることを特徴とする請求項3記載の穀物類・種子等の乾燥機。
【請求項7】
前記レバー操作に基づき前記扉を回動開閉操作して機体の貯留側板部に開口部を現出する際には、前記レバー操作に基づき、前記扉を貯留側板部に対する密閉状態から180度開状態に至る範囲で前記扉を回動開閉操作可能であることを特徴とする請求項4記載の穀物類・種子等の乾燥機。
【請求項8】
前記機体の貯留側板部に配置する回動開閉可能な扉及び前記扉の回動開閉操作用のレバー、並びに、防護柵付きの作業床は、配置される貯留側板部の高さ位置に応じて自在な地上高さに配置されるとともに、前記機体の左右両側面のうちのいずれかの面に配置されることを特徴とする請求項1又は2記載の穀物類・種子等の乾燥機。
【請求項9】
前記機体の貯留側板部に配置する回動開閉可能な扉及び前記扉の回動開閉操作用のレバー、並びに、防護柵付きの作業床は、配置される貯留側板部の高さ位置に応じて自在な地上高さに配置されるとともに、前記機体の左右両側面のうちのいずれかの面に配置されることを特徴とする請求項3記載の穀物類・種子等の乾燥機。
【請求項10】
前記機体の貯留側板部に配置する回動開閉可能な扉及び前記扉の回動開閉操作用のレバー、並びに、防護柵付きの作業床は、配置される貯留側板部の高さ位置に応じて自在な地上高さに配置されるとともに、前記機体の左右両側面のうちのいずれかの面に配置されることを特徴とする請求項4記載の穀物類・種子等の乾燥機。
【請求項11】
前記補助梯子には、安全性を保持するための安全囲を付加して構成したことを特徴とする請求項4記載の穀物類・種子等の乾燥機。
【請求項12】
前記乾燥機の機体の貯留側板部に回動開閉可能な扉には、扉が開かなくなってしまったような場合の安全性を保持するための覗窓を付加して構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の穀物類・種子等の乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物類・種子等の乾燥機に関するものであり、詳しくは、乾燥機の機体の貯留側板部に回動可能な扉を設けて、レバー操作等で簡易に固定し解放でき、高齢者又は体格の大きな作業者でも機体内への出入りがし易い大きい寸法の開口部を設置するようにした乾燥機の機体の貯留側板部用扉の開閉装置に関するものであるとともに、機体の出入口及び出入扉、保守作業床に改良を施し、当該保守作業床用の垂直梯子を設置するようにした穀物類・種子等の乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来においては、一般的に穀物類・種子等の乾燥機の機体内部へ侵入するためには、一度機体最上部まで登って機体貯留部の天板部に設けられた点検口から出入りする必要があり、昇降時に落下の危険を伴う。
【0003】
また、機体天板と建屋の天井の間に十分なスペースが必要となる。
【0004】
しかも、機体貯留部に設けられた点検口の主目的は点検清掃用であり、作業者が機体内に出入りするには開口部が小さく容易ではない。
【0005】
また、点検清掃時は梯子や脚立等の不安定な足場から身を乗り出しての作業となるために、危険を伴うものであった。
【0006】
一方、機体の乾燥部に設けられた点検口は、乾燥側板を取り外したうえで、更に多孔板を取り外すという手間があり、外した部材を置くためのスペースが別途必要になる。
【0007】
また、外した部材の再取り付け時に作業ミスが発生するおそれがある。
【0008】
そんな中、近年の多品種作付け等により、乾燥機の機体内部を清掃するために貯留部内へ出入りしたいというニーズ、要望が高まっているが、現状は人が出入りしにくい小窓の点検口を利用するか、大きな乾燥側板を取り外した上で、更に内筒を取り外すという、手間がかかるうえ、外した板部材を置くスペースが必要といった問題を抱える様態のものしか存在しなかった。
【0009】
特許文献1には、集穀部の上方に順次、乾燥部、貯留槽を載置し、流下する穀物を集穀部より貯留槽上部へ循環する揚穀機を付設した穀物乾燥機において、乾燥部側壁を上下に二分し、その側壁とで排風路、又は熱風路を形成する通風壁をも上下に二分し、上記側壁と一体的に着脱自在に成すと共に、少なくとも上方の側壁部を、上端部を中心に上方へ回動自在と成した循環型穀物乾燥機の清掃装置が提案されている。
【0010】
しかし、特許文献1の循環型穀物乾燥機の場合、上方の側壁部を、上端部を中心に上方へ回動自在と成した構成のものであり、乾燥機の機体内部の清掃等のため貯留部内へ高齢者や体格の大きな作業者が容易に出入し得るような構成ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】実公平6-48305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記従来における実情に鑑み開発されたものであり、乾燥機の機体の貯留側板部に回動可能な扉を設けて、レバー操作等で簡易に固定し解放でき、高齢者又は体格の大きな作業者でも機体内への出入りがし易い大きい寸法の開口部を設置するようにした乾燥機の機体の貯留側板部用扉の開閉装置を提供するものであるとともに、機体の出入口及び出入扉、保守作業床に改良を施し、当該保守作業床用の垂直梯子を設置するようにした穀物類・種子等の乾燥機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の乾燥機は、機体の貯留側板部用扉の開閉装置に関して、乾燥機の機体の貯留側板部に回動開閉可能な扉を配置し、レバー操作に基づき前記扉を回動開閉操作して機体の貯留側板部に開口部を現出できるように構成したことを最も主要な特徴とするとともに、機体の出入口及び出入扉、保守作業床に改良を施し、当該保守作業床用の垂直梯子を設置するようにしたものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、簡略なレバー操作に基づき、機体の貯留側板部に開口部を現出できるようにした穀物類・種子等の乾燥機を実現し提供できる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、簡略なレバー操作に基づき、機体の貯留側板部に500mm×800mm以上の高齢者又は体格の大きな作業者でも出入りがし易い大きい寸法の開口部を現出できるようにした穀物類・種子等の乾燥機を実現し提供できる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、前記機体の貯留側板部へ設置する扉の地上高が大きい場合に、防護柵付きの作業床と、そこへ昇降するための昇降梯子を備えることから、扉の地上高が大きい場合でも作業者の安全性、作業床への搭乗性の良好な穀物類・種子等の乾燥機を実現し提供できる。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、前記機体の貯留側板部に防護柵付きの作業床と、そこへ昇降するための昇降梯子を備える場合には、作業床から機体上部へ上るための補助梯子を付加した構成とすることで、設置面以外の他の3面のスペースを必要とせずに機体上部への昇降を可能とすることができる穀物類・種子等の乾燥機を実現し提供できる。
【0018】
請求項5、6、7記載の発明によれば、前記レバー操作に基づき前記扉を回動開閉操作して機体の貯留側板部に開口部を現出する際には、前記レバー操作に基づき、前記扉を貯留側板部に対する密閉状態から180度開状態に至る範囲で回動開閉操作可能であるように構成しているので、前記扉の密閉状態から180度開状態に至る範囲の開閉動作、開口部の設置作業の簡略化を図ることができる穀物類・種子等の乾燥機を実現し提供できる。
【0019】
請求項8、9、10記載の発明によれば、機体の貯留側板部に配置する回動開閉可能な扉及び前記扉の回動開閉操作用のレバー、並びに、防護柵付きの作業床を、配置される貯留側板部の高さ位置に応じて自在な地上高さに配置できるとともに、前記機体の左右両側面のうちのいずれかの面に配置できるように構成したことにより、機体の貯留側板部用扉の開閉装置自体の設置位置の多様化を図ることができる穀物類・種子等の乾燥機を実現し提供できる。
【0020】
請求項11記載の発明によれば、請求項4記載の前記補助梯子を、安全囲を付加して構成していることから、作業者の安全性を一層保持することができる穀物類・種子等の乾燥機を実現し提供できる。
【0021】
請求項12記載の発明によれば、前記乾燥機の機体の貯留側板部に回動開閉可能な扉には、扉が内側から開かなくなってしまったような場合の安全性を保持するための覗窓を付加して構成していることから、そのような場合には、覗窓を取り外すか、若しくは覗窓を破壊することで、内側からも出入扉のロックを外して開けることができるようにした穀物類・種子等の乾燥機を実現し提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は本発明の実施例1に係る乾燥機の機体の貯留側板部用扉の開閉装置を示す概略斜視図である。
図2図2は本実施例1に係る乾燥機の機体の貯留側板部用扉の開閉装置における扉の貯留側板部側への密閉状態を示す部分斜視図である。
図3図3は本実施例1に係る乾燥機の機体の貯留側板部用扉の開閉装置における扉のロック解除状態を示す部分斜視図である。
図4図4は本実施例1に係る乾燥機の機体の貯留側板部用扉の開閉装置における扉の90度開状態を示す概略斜視図である。
図5図4は本実施例1に係る乾燥機の機体の貯留側板部用扉の開閉装置における扉の180度開状態を示す部分斜視図である。
図6図6は、本実施例1の乾燥機の機体の貯留側板部用扉の開閉装置の正面、右側面及び平面(扉閉状態)の3面図を示す概略説明図である。
図7図7は本実施例1の乾燥機の機体の貯留側板部用扉の開閉装置の正面、右側面及び平面(扉90度開状態)の3面図を示す概略説明図である。
図8図8は本発明の実施例2に係る乾燥機の機体の貯留側板部用扉の開閉装置を示す概略斜視図である。
図9図9は本発明の実施例3に係る乾燥機の機体の貯留側板部用扉の開閉装置を示す概略斜視図である。
図10図10は本発明の実施例4に係る乾燥機の機体の貯留側板部用扉の開閉装置を示す概略斜視図である。
図11図11は本発明の実施例1に係る乾燥機の機体の貯留側板部用扉を具備する側板パネルの平面及び正面を示す概略図である。
図12図12は本発明の実施例1に係る乾燥機の機体の貯留側板部用扉を具備する側板パネルの平面及び正面(90度開状態)を示す概略図である。
図13図13は、本実施例1の乾燥機の機体の作業床及び昇降梯子の正面、左側面、平面及び底面の4面図を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、乾燥機の機体の貯留側板部に回動可能な扉を設け、レバー操作等で簡易に固定し解放でき、高齢者又は体格の大きな作業者でも出入りがし易い大きな寸法の開口部を設置するようにした機体の貯留側板部用扉の開閉装置を提供するという目的を、乾燥機の機体の貯留側板部に回動開閉可能な扉を配置し、レバー操作に基づき前記扉を回動開閉操作して機体の貯留側板部に開口部を設置するように構成し、前記開口部は、500mm×800mm以上の高齢者又は体格の大きな作業者でも出入りがし易い大きな寸法の開口部とした構成により、前記主要な特徴を実現するようにしたものである。
【0024】
加えて、このような本発明の乾燥機においては、機体の出入口及び出入扉、保守作業床に改良を施し、当該保守作業床用の垂直梯子を設置するようにしたものである。
【実施例0025】
以下、本発明の実施例に係る乾燥機における機体の貯留側板部用扉の開閉装置について図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
(実施例1)
図1乃至図5、更には図6図7を参照して本実施例1に係る乾燥機の機体51の貯留側板部用扉の開閉装置4について詳細に説明する。
【0027】
本実施例1に係る機体51の貯留側板部用扉の開閉装置4は、例えば穀物類等を貯留部1の内部に貯留し乾燥部2で前記穀物類等を乾燥するようにした乾燥機の大型直方体状の機体51と、この機体51の正面低部領域に設けたコントローラ3と、前記機体51の右側面側の右貯留側板部3Aに配置され、右貯留側板部3Aの領域に、例えば500mm×800mm以上の開口部5(図4及び図5参照)(本実施例1では550mm×950mm)を、貯留側板部用の扉6の開閉装置4に設けたレバー10の回動開閉操作に基づいて現出するようにしたものである。
【0028】
前記貯留側板部用の扉6の開閉装置4は、図2に示すように、枠体21に対して覗き窓22付きの扉6を、丁番等を用いて開閉可能に取り付け、扉6にレバー10を回動開閉操作可能に配置して、このレバー10の回動開閉操作に連動するフック23、23を枠体21に設けた受部24、24に出没させることで、扉6を開閉可能とするものである。扉6を回動開閉操作に基づき機体51の右貯留側板部3Aに開口部5を現出する際には、前記レバー10の操作に基づき、前記扉6を右貯留側板部3Aに対する密閉状態から180度開状態に至る範囲で回動開閉可能に構成し、開口部5を現出し得るように構成している。
【0029】
また、本実施例1では前記機体51の右貯留側板部3Aに対する扉6の開閉装置4の地上設置高が大きい場合を考慮して、防護柵付きの作業床7と地上から作業床7へ昇降するための昇降梯子8を備えている。
【0030】
貯留部1は地上高が最低でも2000mm程度の高所となるため、上記のような防護柵付きの作業床7と、そこへ昇降するための昇降梯子8を設けて構成することが好ましいとともに、作業床7から機体51の上部へ上るための梯子を設けることで、後記のように設置面以外の3面のスペースを必要とせずに、機体51の上部への円滑な昇降が可能となる。
【0031】
なお、詳述すると、作業床7は側板より最低400mm水平に飛び出しており、作業床7より850mm以上の高さの手摺で囲われていて、作業床7へは昇降梯子8又は階段等により上ることができ、それらを掛留する固定具を有している。
【0032】
また、作業床7より乾燥機上部へ昇降できる補助梯子9を取り付けることにより、開口部以外の面(反対面と前後面)のスペースを必要とせずに機体上部への昇降が可能となり、補助梯子9は開口部の扉の回動と干渉しない位置で、乾燥機本体に固定され、補助梯子9には安全囲を取り付けることが可能で、一層安全性を高めることができるように構成されている。
【0033】
前記作業床7に関しては、従来、機体の保守・点検口にアプローチする際の足場が十分に確保されておらず、機体内への出入りの際に危険が伴うものであったが、図示する本発明のように、広い作業床7を設置することにより、出入口から安全に出入りすることができ、また、周囲に安全柵を取り付けて安全な作業スペースを確保し、作業床に保守用品(清掃用具や工具など)を持ち込んで置くこともでき、必要に応じて両手を空けられるので安全に作業ができるようになる。
【0034】
保守のための作業床7について詳述すると、この作業床7は、貯留側板に水平に固定されて、側板から少なくとも400mm以上突出していて、周囲に高さ850mm以上の安全柵を備え、作業床7の少なくとも一端に梯子固定具を備え、作業床7の昇降梯子8を固定することができるとともに、当該作業床7から機体上部にまで昇降可能な垂直梯子9が機体に固定されていて、機体出入口、出入扉と干渉しない位置に取り付けて構成することが好ましい。
【0035】
そして、機体出入口、出入扉、保守の作業床7、作業床用の垂直梯子9は、機体側板の任意の位置に取り付けることができ、作業床用の垂直梯子9には安全囲を取り付けて構成することができる。
【0036】
保守の作業床7を以上のように構成することにより、機体出入口からの出入りを安全に行うことができ、貯留部の任意の高さに安全な作業スペースを確保することができる。また、作業床用の垂直梯子9の設置により、作業床7を設置した側面のみで機体上部へ上がることができるとともに、省スペースで機体を設置でき機体出入口を開放することなく機体上部へ上がることができ、必要に応じて安全囲を取り付けることで更に安全性を高めることができる。
【0037】
更に、本実施例1においては、前記レバー10の回動開閉操作で前記扉6を回動開閉操作して機体51の右貯留側板部3Aに開口部5を現出する際には、前記レバー10の操作により、前記扉6を右貯留側板部3A側に対する密閉状態から180度開状態に至る範囲で前記扉6を回動開閉操作可能としている(図2図3図4図5図11図12参照)。
【0038】
図6は、本実施例1の機体51の貯留側板部用扉の開閉装置4の正面、右側面及び平面(扉閉状態)の3面図を示し、また、図7は、本実施例1の機体51の貯留側板部用扉の開閉装置4の正面、右側面及び平面(扉90度開状態)の3面図を示すものである。
【0039】
図11及び図12は、前記扉6を具備するパネル状で側板の高さ2枠分(本装置一層分)の側板パネル31の平面及び正面(扉閉状態及び扉90度開状態)を示すものである。
【0040】
なお、図6及び図7においては、扉6の設置・開閉状況を明確に表すため、作業床7、昇降梯子8及び垂直梯子9の記載を省略したものとしてある。
【0041】
図13は、前作業床7と作業床7への昇降梯子8の正面、左側面、平面及び底面の4面図を示す概略説明図である。
【0042】
なお、本実施例における作業床7は、図示するような平板形状のものをはじめ、金網状、穴あき板等の各種形態のものを用いることができる。
【0043】
(実施例2)
次に、図8を参照して実施例2に係る機体51の左貯留側板部3B用の扉6の開閉装置4Aについて詳細に説明する。
【0044】
なお、実施例2において実施例1の場合と同一の要素には同一の符号を付して示す。
【0045】
本実施例2に係る機体51の左貯留側板部3B用の扉6の開閉装置4Aは、基本的には実施例1の場合と同様であるが、扉6の開閉装置4Aの場合には機体2の左貯留側板部3B側へ配置した点が特徴で、配置の多様化を図ったものである。
【0046】
(実施例3)
次に、図9を参照して実施例3に係る機体51の貯留側板部用扉の開閉装置4Bについて詳細に説明する。
【0047】
なお、実施例3において実施例1の場合と同一の要素には同一の符号を付して示す。
【0048】
本実施例3に係る機体51の貯留側板部用扉の開閉装置4Bの場合には、貯留側板部用扉の開閉装置4Bの設置位置を実施例1の場合よりも側板の高さ2枠分(本装置一層分)高い位置とし、これに伴い、昇降梯子8に替えて側板の高さ2枠分(本装置一層分)長い昇降梯子8Aを用いたものである。
【0049】
なお、図9中の昇降梯子8Aの固定位置は、機体51の背面側となっているが、実施例1の場合と同様機体51の正面側としてもよい。
【0050】
詳述すると、この種の作業床は、機体の設置環境やレイアウトなどにより、高さ方向にも選択の自由性が欲しいという乾燥機の使用者・ユーザーの要望により、任意の貯留側板部に出入扉と作業床を設置できるようにし、昇降梯子も当該作業床の地上高に合わせて選定できるようにしたものである。
【0051】
本実施例3においては、地上高さに関して配置の多様化を図ったものである。
【0052】
(実施例4)
次に、図10を参照して実施例4に係る機体51の貯留側板部用扉の開閉装置4Cについて詳細に説明する。
【0053】
なお、実施例4において実施例1の場合と同一の要素には同一の符号を付して示す。
【0054】
本実施例4に係る機体51の貯留側板部用の扉6の開閉装置4Cは、基本的には実施例1の場合と同様であるが、前記補助梯子9に対して、安全性を考慮して補助梯子9に安全囲11が付加される構成としていることが特徴である。
【0055】
前記安全囲11の付加は、前記実施例1乃至3の各補助梯子9に関しても実施可能であり、各々の場合において安全性の向上を図ることができる。
【0056】
以下、各実施例について具体的態様について説明を付加する。
【0057】
<主たる様態>
・開口部には右または左に水平に回動する扉を設ける。
・扉は工具を使うことなく密閉が可能。例えばレバーと連動するフックを回動させ側板の受部に掛けることで固定される。
【0058】
<付随する様態>
・開口部下に機体に固定された作業床を設ける。
・作業床は側板部より最低400mm水平に飛び出しており、作業床より850mm以上の高さの手摺で囲われている。
・作業床へは梯子、もしくは階段等により上ることができ、それらを掛留する固定具を有する。
・作業床より機体機上部へ昇降できる補助梯子を取り付けることができる。
・これにより開口部以外の面(反対面と前後面)のスペースを必要とせずに機体上部への昇降が可能となる。
・梯子は開口部の扉の回動と干渉しない位置で、機体本体に固定される。
・梯子には安全囲を取り付けることが可能で、更に安全性を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、小麦、大麦、コメ類、トウモロコシ類等の子実類の貯留乾燥に用いられる乾燥機の機体に関して広範に利用可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 貯留部
2 乾燥部
3 コントローラ
3A 右貯留側板部
3B 左貯留側板部
4 開閉装置
4A 開閉装置
4B 開閉装置
4C 開閉装置
5 開口部
6 扉
7 防護柵付きの作業床
8 昇降梯子
8A 昇降梯子
9 補助梯子
10 レバー
11 安全囲
22 覗き窓
23 フック
24 受部
31 側板パネル
51 機体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13