(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056386
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】積層体の製造方法及び積層体の製造装置
(51)【国際特許分類】
B32B 37/10 20060101AFI20240416BHJP
G02B 1/115 20150101ALI20240416BHJP
G02B 1/18 20150101ALI20240416BHJP
G02B 1/14 20150101ALI20240416BHJP
【FI】
B32B37/10
G02B1/115
G02B1/18
G02B1/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163216
(22)【出願日】2022-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】000108410
【氏名又は名称】デクセリアルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100215935
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 茂輝
(74)【代理人】
【識別番号】100141999
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 敬一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142424
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 文広
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 貴
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 孝幸
【テーマコード(参考)】
2K009
4F100
【Fターム(参考)】
2K009AA02
2K009AA15
2K009BB24
2K009BB28
2K009CC03
2K009CC24
2K009CC26
2K009CC42
2K009EE05
4F100AA00B
4F100AT00A
4F100AT00C
4F100EJ17
4F100EJ19
4F100YY00
(57)【要約】
【課題】貼合時のクラック発生を抑制できる積層体の製造方法及び積層体の製造装置を提供する。
【解決手段】この積層体の製造方法は、基材フィルムと前記基材フィルムに積層された無機層とを有する積層フィルムを、基板の第1端と第2端との間の第1中間点に押圧具を用いて押し当て、前記押圧具を前記積層フィルムに押し当てながら、前記第1中間点から前記第1端に向かって前記押圧具を移動させる第1工程と、前記押圧具を前記積層フィルムに押し当てずに、前記第1端と前記第2端との間の第2中間点に前記押圧具を移動させる第2工程と、前記押圧具を前記積層フィルムに押し当てながら、前記第2中間点から前記第2端に向かって前記押圧具を移動させる第3工程と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材フィルムと前記基材フィルムに積層された無機層とを有する積層フィルムを、基板の第1端と第2端との間の第1中間点に押圧具を用いて押し当て、前記押圧具を前記積層フィルムに押し当てながら、前記第1中間点から前記第1端に向かって前記押圧具を移動させる第1工程と、
前記押圧具を前記積層フィルムに押し当てずに、前記第1端と前記第2端との間の第2中間点に前記押圧具を移動させる第2工程と、
前記押圧具を前記積層フィルムに押し当てながら、前記第2中間点から前記第2端に向かって前記押圧具を移動させる第3工程と、を有する、積層体の製造方法。
【請求項2】
前記第2中間点は、前記第1中間点と一致する、請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項3】
前記第2中間点は、前記第1中間点より前記第1端の近くにある、請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項4】
前記第2中間点は、前記第1中間点より前記第2端の近くにある、請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項5】
前記積層フィルムと前記基板との単位時間当たりの貼合圧力は、前記第1中間点の方が前記第1端より大きい、請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項6】
前記積層フィルムと前記基板との単位時間当たりの貼合圧力は、前記第2中間点の方が前記第2端より大きい、請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項7】
前記基板は、前記第1端と前記第2端とを繋ぐ第1方向と直交する第2方向の幅が一定ではなく、
第1部分は、第2部分より前記第2方向の幅が短く、
前記積層フィルムと前記基板との単位時間当たりの貼合圧力は、前記第1部分の方が前記第2部分より小さい、請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項8】
前記押圧具は、前記積層フィルムに接する第1ローラーと、前記基板に接する第2ローラーと、を有する、請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項9】
前記第1工程及び前記第3工程において、前記押圧具によって前記積層フィルムと前記基板とを貼合する貼合圧力は0.1MPa以上0.5MPa以下である、請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項10】
基材フィルムと前記基材フィルムに積層された無機層とを有する積層フィルムを基板に押し当てる押圧具と、
前記押圧具と基板との相対位置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記基板の第1端と第2端との間の第1中間点に前記押圧具を用いて押し当て、前記押圧具を前記積層フィルムに押し当てながら、前記第1中間点から前記第1端に向かって前記押圧具を移動させる第1動作と、
前記押圧具を前記積層フィルムに押し当てずに、前記第1端と前記第2端との間の第2中間点に前記押圧具を移動させる第2動作と、
前記押圧具を前記積層フィルムに押し当てながら、前記第2中間点から前記第2端に向かって前記押圧具を移動させる第3動作と、を行う、積層体の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体の製造方法及び積層体の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
反射防止フィルムは、様々な部分に適用されている。例えば、車載用の液晶パネルのモニターガラス等に反射防止フィルムが貼合されている。反射防止フィルムは、ガラス等の基板に貼合される。
【0003】
例えば、特許文献1には、シート部材を長尺のフィルム部材に貼合するための貼合装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無機層を有する積層フィルムを基板に貼り合わせる場合、基板の端部に押圧具が乗り上げる際に、積層フィルムにクラックが生じる場合がある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、貼合時のクラック発生を抑制できる積層体の製造方法及び積層体の製造装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
【0008】
(1)第1の態様にかかる積層体の製造方法は、基材フィルムと前記基材フィルムに積層された無機層とを有する積層フィルムを、基板の第1端と第2端との間の第1中間点に押圧具を用いて押し当て、前記押圧具を前記積層フィルムに押し当てながら、前記第1中間点から前記第1端に向かって前記押圧具を移動させる第1工程と、前記押圧具を前記積層フィルムに押し当てずに、前記第1端と前記第2端との間の第2中間点に前記押圧具を移動させる第2工程と、前記押圧具を前記積層フィルムに押し当てながら、前記第2中間点から前記第2端に向かって前記押圧具を移動させる第3工程と、を有する。
【0009】
(2)上記態様にかかる積層体の製造方法において、前記第2中間点は、前記第1中間点と一致してもよい。
【0010】
(3)上記態様にかかる積層体の製造方法において、前記第2中間点は、前記第1中間点より前記第1端の近くにあってもよい。
【0011】
(4)上記態様にかかる積層体の製造方法において、前記第2中間点は、前記第1中間点より前記第2端の近くにあってもよい。
【0012】
(5)上記態様にかかる積層体の製造方法において、前記積層フィルムと前記基板との単位時間当たりの貼合圧力は、前記第1中間点の方が前記第1端より大きくてもよい。
【0013】
(6)上記態様にかかる積層体の製造方法において、前記積層フィルムと前記基板との単位時間当たりの貼合圧力は、前記第2中間点の方が前記第2端より大きくてもよい。
【0014】
(7)上記態様にかかる積層体の製造方法において、前記基板は、前記第1端と前記第2端とを繋ぐ第1方向と直交する第2方向の幅が一定ではなく、第1部分は、第2部分より前記第2方向の幅が短く、前記積層フィルムと前記基板との単位時間当たりの貼合圧力は、前記第1部分の方が前記第2部分より小さくてもよい。
【0015】
(8)上記態様にかかる積層体の製造方法において、前記押圧具は、前記積層フィルムに接する第1ローラーと、前記基板に接する第2ローラーと、を有してもよい。
【0016】
(9)上記態様にかかる積層体の製造方法の前記第1工程及び前記第3工程において、前記押圧具によって前記積層フィルムと前記基板とを貼合する貼合圧力は0.1MPa以上0.5MPa以下でもよい。
【0017】
(10)第2の態様にかかる積層体の製造装置は、基材フィルムと前記基材フィルムに積層された無機層とを有する積層フィルムを基板に押し当てる押圧具と、前記押圧具と基板との相対位置を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記基板の第1端と第2端との間の第1中間点に前記押圧具を用いて押し当て、前記押圧具を前記積層フィルムに押し当てながら、前記第1中間点から前記第1端に向かって前記押圧具を移動させる第1動作と、前記押圧具を前記積層フィルムに押し当てずに、前記第1端と前記第2端との間の第2中間点に前記押圧具を移動させる第2動作と、前記押圧具を前記積層フィルムに押し当てながら、前記第2中間点から前記第2端に向かって前記押圧具を移動させる第3動作と、を行う。
【発明の効果】
【0018】
本実施形態に係る積層体の製造方法及び積層体の製造装置は、貼合時のクラック発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施形態に係る積層フィルムの断面図である。
【
図2】本実施形態に係る積層体の製造方法における第1工程を説明するための断面図である。
【
図3】本実施形態に係る積層体の製造方法における第1工程を説明するための平面図である。
【
図4】本実施形態に係る積層体の製造方法における第2工程を説明するための断面図である。
【
図5】本実施形態に係る積層体の製造方法における第3工程を説明するための断面図である。
【
図6】本実施形態に係る積層体の製造方法における第3工程を説明するための平面図である。
【
図7】本実施形態に係る積層体の製造方法における第3工程の別の例を説明するための平面図である。
【
図8】本実施形態に係る積層体の製造方法における第3工程の別の例を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材質、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0021】
まず方向について規定する。押圧具30の移動方向を第1方向と称する。x方向は、第1方向の一例である。また基板20が広がる平面において、第1方向と直交する方向を第2方向と称する。y方向は、第2方向の一例である。z方向は、x方向及びy方向と直交する方向である。z方向は、例えば、積層フィルム10と基板20とを貼合する際の圧力の印加方向と一致する。
【0022】
「積層体の製造方法」
本実施形態に係る積層体の製造方法は、第1工程と第2工程と第3工程とを有する。本実施形態に係る積層体の製造方法では、積層フィルム10を基板20に貼り合わせ、積層フィルム10と基板20とからなる積層体を作製する。
【0023】
基板20は、例えば、ガラス、プラスティック等である。基板20の積層フィルム10が貼り合わされる貼合面20Sは、平坦でも湾曲していてもよい。貼合面20Sが湾曲する場合、貼合面20Sは、例えば、x方向に対してz方向に湾曲する。また貼合面20Sの平面視形状は、特に問わず、不定形でもよい。
【0024】
積層フィルム10は、例えば、基板20の貼合面20Sより一回り大きいものを用いる。積層フィルム10を基板20に貼合した後、基板20の周囲に積層フィルム10の余剰部分がはみ出る。積層フィルム10の余剰部分は後工程で切断、除去する。
【0025】
積層フィルム10は、基材フィルムと、基材フィルム上に積層された無機層とを有する。
図1は、本実施形態に係る積層フィルム10の断面図である。
図1に示す積層フィルム10は、例えば、剥離層1と粘着層2と基材フィルム3とハードコート層4と光学機能層5と防汚層6と保護層7とを有する。光学機能層5は、無機層の一例である。
【0026】
剥離層1は、粘着層2を保護する層である。剥離層1は、貼り合わせの時点で剥離され、剥離層1を剥離することで露出する粘着層2が基板20と接着する。剥離層1は、例えば、剥離剤が塗布された紙又はフィルムである。剥離層1の厚みは、例えば、70μm以上80μm以下である。
【0027】
粘着層2は、基板20に接着される層である。粘着層2は、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤を含む。粘着層2の厚みは、例えば、10μm以上50μm以下であり、好ましくは20μm以上30μm以下である。
【0028】
基材フィルム3は、例えば、プラスチックフィルムである。プラスチックフィルムの構成材料は、例えば、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、である。
【0029】
基材フィルム3は、例えば、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂である。例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)基材又はトリアセチルセルロース(TAC)基材は、基材フィルム3として好適に用いられる。
【0030】
基材フィルム3の厚みは、例えば、60μm以上である。基材フィルム3の厚みが薄いと、フィルムのたわみ等で、積層フィルム10にクラックが生じる場合がある。基材フィルム3の厚みは、例えば、1mm以下であり、好ましくは500μm以下であり、より好ましくは300μm以下である。基材フィルム3の厚みが厚すぎると、基材フィルム3の透明性が低下すると共に、剛性が高まり割れやすくなる。
【0031】
基材フィルム3の一面は、予めスパッタリング、コロナ放電、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化等のエッチング処理および/または下塗り処理が施されていてもよい。これらの処理が予め施されていることで、基材フィルム3の上に形成されるハードコート層4の密着性が向上する。
【0032】
ハードコート層4は、基材フィルム3の一面に形成されている。ハードコート層4は、特に限定されず、公知のものを用いることができる。ハードコート層4は、例えば、バインダー樹脂とフィラーとを含んでもよい。ハードコート層4は、この他、レベリング剤を含んでもよい。
【0033】
バインダー樹脂は、好ましくは透明性を有するものであり、例えば、紫外線、電子線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などである。
【0034】
バインダー樹脂である電離放射線硬化型樹脂の一例は、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N-ビニルピロリドン等である。また電離放射線硬化型樹脂は、2以上の不飽和結合を有する化合物でもよい。2以上の不飽和結合を有する電離放射線硬化型樹脂は、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレート、イソボロニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の多官能化合物等である。これらのなかでも、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)及びペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)が、バインダー樹脂に好適に用いられる。なお、「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及びアクリレートを指すものである。また、電離放射線硬化型樹脂として、上述した化合物をPO(プロピレンオキサイド)、EO(エチレンオキサイド)、CL(カプロラクトン)等で変性したものでもよい。電離放射線硬化型樹脂は、アクリル系の紫外線硬化型樹脂組成物が好ましい。
【0035】
またバインダー樹脂である熱可塑性樹脂の一例は、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等である。上記熱可塑性樹脂は、非結晶性で、かつ有機溶媒(特に複数のポリマー、硬化性化合物を溶解可能な共通溶媒)に可溶である。特に、透明性および耐候性という観点から、バインダー樹脂は、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等であることが好ましい。
【0036】
バインダー樹脂である熱硬化性樹脂は、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン-尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂(かご状、ラダー状などのいわゆるシルセスキオキサン等を含む)等でもよい。
【0037】
ハードコート層4は、有機樹脂と無機材料を含んでいても良く、有機無機ハイブリッド材料でもよい。一例としては、ゾルゲル法で形成されたものが挙げられる。無機材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニアが挙げられる。有機材料としては、例えば、アクリル樹脂が挙げられる。
【0038】
フィラーは、有機物からなるものでもよいし、無機物からなるものでもよいし、有機物および無機物からなるものでもよい。ハードコート層4に含まれるフィラーは、防眩性、後述する光学機能層5との密着性、アンチブロッキング性の観点等から、積層フィルム10の用途に応じて種々のものを選択できる。具体的にはフィラーとして、例えば、シリカ(Siの酸化物)粒子、アルミナ(酸化アルミニウム)粒子、有機微粒子など公知のものを用いることができる。
【0039】
フィラーがシリカ粒子および/またはアルミナ粒子の場合、フィラーの平均粒子径は、例えば800nm以下であり、好ましくは100nm以下であり、より好ましくは40nm以上70nm以下である。フィラーが有機微粒子の場合、有機微粒子の平均粒子径は、例えば10μm以下であり、好ましくは5μm以下であり、より好ましくは3μm以下である。
【0040】
ハードコート層4の厚みは、例えば、0.5μm以上であることが好ましく、より好ましくは1μm以上である。ハードコート層4の厚みは、100μm以下であることが好ましい。ハードコート層4は、単一の層からなるものであってもよいし、複数の層が積層されたものであってもよい。
【0041】
光学機能層5は、光学機能を発現させる層である。光学機能とは、光の性質である反射と透過、屈折をコントロールする機能であり、例えば、反射防止機能、選択反射機能、防眩機能、レンズ機能などが挙げられる。
【0042】
光学機能層5は、例えば、ハードコート層4側から順に、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層された積層膜である。高屈折率層は、低屈折率層より屈折率が高い。それぞれの高屈折率層の屈折率は、同じでも異なっていてもよい。それぞれの低屈折率層の屈折率は、同じでも異なっていてもよい。
【0043】
光学機能層5における低屈折率層と高屈折率層の積層数の合計は、特に問わない。例えば、
図1に示すように各層の積層数は4層でもよく、3層以下でもよく、5層以上でもよい。光学機能層5における低屈折率層と高屈折率層の積層数の合計は、4層以上10層以下であることが好ましく、4層以上6層以下であることがより好ましく、4層であることが最も好ましい。光学機能層5の積層数が4層の場合、積層数が少なく、厚みが薄いため、積層数が5層以上である場合と比較して、生産性に優れる。
【0044】
光学機能層5は、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層された積層体の界面のそれぞれで反射した反射光が干渉すること、及び、防汚層6側から入射した光を拡散することで、反射防止機能を示す。
【0045】
光学機能層5の総厚は、例えば、100μm以上800μm以下である。
【0046】
以下、光学機能層5が、ハードコート層4に近い側から順に、第1高屈折率層5A、第1低屈折率層5B、第2高屈折率層5C、第2低屈折率層5Dの4層が積層された積層体である場合を例に挙げて説明する。第1高屈折率層5Aと第2高屈折率層5Cのそれぞれは、第1低屈折率層5Bと第2低屈折率層5Dのそれぞれより屈折率が高い。
【0047】
第1高屈折率層5A及び第2高屈折率層5Cの屈折率は、例えば、2.00以上2.60以下であり、好ましくは2.10以上2.45以下である。第1高屈折率層5Aと第2高屈折率層5Cの屈折率は、同じでも、異なっていてもよい。
【0048】
第1高屈折率層5A及び第2高屈折率層5Cの材料としては、例えば、五酸化ニオブ(Nb2O5、屈折率2.33)、酸化チタン(TiO2、屈折率2.33~2.55)、酸化タングステン(WO3、屈折率2.2)、酸化セリウム(CeO2、屈折率2.2)、五酸化タンタル(Ta2O5、屈折率2.16)、酸化亜鉛(ZnO、屈折率2.1)、酸化インジウムスズ(ITO、屈折率2.06)、酸化ジルコニウム(ZrO2、屈折率2.2)などが挙げられる。第1高屈折率層5Aおよび第2高屈折率層5Cは、好ましくは、五酸化ニオブである。第1高屈折率層5Aと第2高屈折率層5Cを構成する材料は、同じでも、異なっていてもよい。
【0049】
第1低屈折率層5B及び第2低屈折率層5Dの屈折率は、例えば1.20以上1.60以下であり、好ましくは1.30以上1.50以下である。第1低屈折率層5Bと第2低屈折率層5Dの屈折率は、同じでも、異なっていてもよい。
【0050】
第1低屈折率層5B及び第2低屈折率層5Dは、例えば、Siの酸化物を含む。第1低屈折率層5B及び第2低屈折率層5Dは、例えば、SiO2(Siの酸化物)を主成分とした層である。Siの酸化物は、入手が容易でコストの面で有利である。SiO2単層膜は、無色透明である。本実施形態において、主成分とは、層に含まれる成分のうち50質量%以上を占める成分である。第1低屈折率層5Bと第2低屈折率層5Dの屈折率は、同じでも、異なっていてもよい。
【0051】
第1低屈折率層5B及び第2低屈折率層5Dは、Siの酸化物が主成分の場合に、50質量%未満の別の元素を含んでも良い。Siの酸化物とは別の元素の含有量は、好ましくは10%以下である。別の元素は、例えば、Na、Zr、Al、Nである。Naは、第1低屈折率層5B及び第2低屈折率層5Dの耐久性を高める。Zr、Al、Nは、第1低屈折率層5B及び第2低屈折率層5Dの硬度を高め、耐アルカリ性を高める。
【0052】
防汚層6は、光学機能層5のハードコート層4接する面と反対側の面と接する。防汚層6は、光学機能層5の汚損を防止する。また、防汚層6は、タッチパネル等に適用する際のペン摺動によって光学機能層5が損耗することを抑制する。
【0053】
防汚層6は、例えばフッ素系有機化合物である。フッ素系有機化合物は、例えば、フッ素変性有機基と反応性シリル基(例えば、アルコキシシラン)とからなる化合物である。防汚層6に用いることができる市販品としては、オプツールDSX(ダイキン株式会社製)、KY-100シリーズ(信越化学工業株式会社製)などが挙げられる。
【0054】
防汚層6の厚みは、例えば、1nm以上20nm以下であり、好ましくは3nm以上10nm以下である。防汚層6の厚みが1nm以上であると、積層体をタッチパネル用途などに適用した際に、耐摩耗性を十分に確保できる。また防汚層6の厚みが20nm以下であると、蒸着に要する時間が短時間で済み、効率よく製造できる。
【0055】
防汚層6は、必要に応じて、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、難燃剤、赤外線吸収剤、界面活性剤などの添加剤を含んでいてもよい。
【0056】
保護層7は、輸送や保管の際に、フィルムを保護する層である。保護層7は、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートなどを基材とし、天然ゴムや合成ゴム、アクリル樹脂などを主成分とする粘着剤層を有するものが挙げられる。
【0057】
図2は、本実施形態に係る積層体の製造方法における第1工程を説明するための断面図である。
図3は、本実施形態に係る積層体の製造方法における第1工程を説明するための平面図である。
【0058】
第1工程では、まず積層フィルム10を基板20の第1中間点23に押圧具30を用いて押し当てる。第1中間点23は、x方向において、基板20の第1端21と第2端22との間にある。第1端21と第2端22は、基板20のx方向の両端である。押圧具30の動作は、例えば、制御部40で制御される。制御部40は、例えば、押圧具30を基板20に対して相対的に動かす動作機構と、動作機構の動作を指示するプロセッサと、を有する。
【0059】
押圧具30は、積層フィルム10及び基板20の厚み方向に圧力を印加できるものであれば特に問わない。押圧具30は、例えば、y方向の幅が基板20より広いローラーである。押圧具30は、x方向に移動する。押圧具30は、例えば、第1ローラー31と第2ローラー32とを有する貼合ローラーである。第1ローラー31は、押圧時に、積層フィルム10に接する。第2ローラー32は、押圧時に、基板20に接する。第1ローラー31と第2ローラー32とのうちいずれか一方は無くてもよいが、貼合ローラーが第1ローラー31と第2ローラー32とを有すると、基板20の貼合面20Sが湾曲している場合でも、貼合面20Sに沿って貼合ローラーを移動させやすい。
【0060】
第1工程において、押圧具30を積層フィルム10又は基板20に押し当てる貼合圧力は、例えば、0.1MPa以上0.5MPa以下であり、好ましくは0.3MPa以上0.4MPa以下である。
【0061】
押圧具30は、第1中間点23から第1端21に至った時点で止めてもよい。また押圧具30は、第1端21を超えて進行方向(-x方向)に進んでもよい。押圧具30が積層フィルム10と基板20との段差を乗り上げる際には積層フィルム10にクラックが生じやすいが、段差を下る際にはクラックは生じにくく、押圧具30が第1端21を超えて進行方向に進んでも問題はない。
【0062】
積層フィルム10と基板20との単位時間当たりの貼合圧力は、第1中間点23と第1端21とで異なってもよい。積層フィルム10と基板20との単位時間当たりの貼合圧力は、押圧具30を積層フィルム10又は基板20に押し当てる単位時間当たりの圧力である。例えば、第1中間点23における単位時間当たりの貼合圧力を第1端21における単位時間当たりの貼合圧力より大きくしてもよい。クラックが生じやすい第1端21の近傍に大きな圧力を印加しないことで、積層フィルム10へのクラックの発生をより抑制できる。
【0063】
また基板20のy方向の幅が一定ではない場合、基板20のy方向の幅に応じて、積層フィルム10と基板20との単位時間当たりの貼合圧力を変更してもよい。例えば、
図3に示すように、基板20のy方向の幅が一定ではない場合、第1部分25と第2部分26とで単位時間当たりの貼合圧力を変更する。第1部分25のy方向の幅W
25は、第2部分26のy方向の幅W
26より狭い。この場合、第1部分25における単位時間当たりの貼合圧力を第2部分26における単位時間当たりの貼合圧力より小さくする。基板20の形状に合わせて、単位時間当たりの貼合圧力を変更することで、局所的に大きな圧力が加わり、積層フィルム10にクラックが生じることを抑制できる。
【0064】
単位時間当たりの貼合圧力は、押圧具30の進行速度、押圧具30の押圧圧力等によって制御できる。例えば、押圧具30が貼合ローラーの場合、第1ローラー31と第2ローラー32とのギャップ及び第1ローラー31及び第2ローラー32の回転速度で、押圧具30の進行速度、押圧圧力等を制御できる。
【0065】
図4は、本実施形態に係る積層体の製造方法における第2工程を説明するための断面図である。
【0066】
第2工程では、押圧具30を積層フィルム10に押し当てずに、第2中間点24に押圧具30を移動させる。押圧具30の動作は、例えば、制御部40で制御される。第2中間点24は、x方向において、第1端21と第2端22との間にある。第2中間点24の詳細は、後述する。
【0067】
押圧具30を積層フィルム10に押し当てないとは、積層フィルム10と基板20との間に貼合圧力が加わっていないことを意味する。仮に、押圧具30が積層フィルム10と接していても貼合圧力が加わらなければ、押圧具30は積層フィルム10に押し当てられていないと言える。例えば、第2工程では、押圧具30を積層フィルム10及び基板20と離間させる。例えば、第1ローラー31を積層フィルム10から離し、第2ローラー32を基板20から離す。
【0068】
図5は、本実施形態に係る積層体の製造方法における第3工程を説明するための断面図である。
図6は、本実施形態に係る積層体の製造方法における第3工程を説明するための平面図である。
【0069】
第3工程では、押圧具30を積層フィルム10に再度押し当てる。押圧具30は、基板20の第2中間点24に押し当てる。そして、第3工程では、第2中間点24から第2端22に向かって押圧具30を移動させる。押圧具30の動作は、例えば、制御部40で制御される。
【0070】
図6に示すように、第2中間点24は、第1中間点23と一致してもよい。この場合、第1工程において押圧を開始する位置と、第3工程において押圧を開始する位置と、が一致する。
【0071】
また
図7及び
図8に示すように、第2中間点24は、第1中間点23と一致していなくてもよい。
図7及び
図8は、本実施形態に係る積層体の製造方法における第3工程の別の例を説明するための平面図である。
【0072】
図7に示す例では、第2中間点24は、第1中間点23より第1端21の近くにある。この場合、第1工程で貼合圧力を印加する部分と、第3工程で貼合圧力を印加する部分とが、一部でオーバーラップする。第1工程と第3工程とで、貼合圧力を印加する部分がオーバーラップすると、積層フィルム10と基材20との間に気泡等の噛みこみをより防ぐことができる。
【0073】
図8に示す例では、第2中間点24は、第1中間点23より第2端21の近くにある。すなわち、第1中間点23と第2中間点24との間には、隙間がある。第1中間点23と第2中間点24との間の領域は、第1工程及び第3工程のいずれでも貼合圧力が印加されない。第1中間点23と第2中間点24との間の領域に貼合圧力が印加されない場合でも、第1工程及び第3工程を経ることで、この間の領域も自然と貼合される。この場合、押圧具30の動作の精密性が低くても十分対応可能であり、積層体の製造装置を安価にできる。第1中間点23と第2中間点24との間の距離は、例えば10mm以下であり、好ましくは3mm以下である。
【0074】
第3工程において、押圧具30を積層フィルム10又は基板20に押し当てる貼合圧力は、例えば、0.1MPa以上0.5MPa以下であり、好ましくは0.3MPa以上0.4MPa以下である。
【0075】
押圧具30は、第2中間点24から第2端22に至った時点で止めてもよい。また押圧具30は、第2端22を超えて進行方向(+x方向)に進んでもよい。押圧具30が積層フィルム10と基板20との段差を乗り上げる際には積層フィルム10にクラックが生じやすいが、段差を下る際にはクラックは生じにくく、押圧具30が第2端22を超えて進行方向に進んでも問題はない。
【0076】
積層フィルム10と基板20との単位時間当たりの貼合圧力は、第2中間点24と第2端22とで異なってもよい。例えば、第2中間点24における単位時間当たりの貼合圧力を第2端22における単位時間当たりの貼合圧力より大きくしてもよい。クラックが生じやすい第2端22の近傍に大きな圧力を印加しないことで、積層フィルム10へのクラックの発生をより抑制できる。
【0077】
また基板20のy方向の幅が一定ではない場合、基板20のy方向の幅に応じて、積層フィルム10と基板20との単位時間当たりの貼合圧力を変更してもよい。例えば、
図6~
図8に示すように、基板20のy方向の幅が一定ではない場合、第1部分28と第2部分27とで単位時間当たりの貼合圧力を変更する。第1部分28のy方向の幅W
28は、第2部分27のy方向の幅W
27より狭い。この場合、第1部分28における単位時間当たりの貼合圧力を第2部分27における単位時間当たりの貼合圧力より小さくする。基板20の形状に合わせて、単位時間当たりの貼合圧力を変更することで、局所的に大きな圧力が加わり、積層フィルム10にクラックが生じることを抑制できる。
【0078】
本実施形態に係る積層体の製造方法は、基板20と積層フィルム10との段差を押圧具30が乗り上げる際に、基板20と積層フィルム10との間に圧力が印加されていない。積層フィルム10のクラックは、押圧具30が積層フィルム10に当接した際に、例えば基材フィルム3に代表される有機層に歪みが生じ、この歪みによって光学機能層5に代表される無機層に応力が加わることで生じる。基板20と積層フィルム10との段差を押圧具30が乗り上げる際に、積層フィルム10には大きな応力が生じる。上述のように、本実施形態に係る積層体の製造方法は、基板20と積層フィルム10との段差を押圧具30が乗り上げる際に、基板20と積層フィルム10との間に圧力が印加されないため、積層フィルム10にクラックが生じることを抑制できる。
【0079】
「積層体の製造装置」
本実施形態に係る積層体の製造装置は、押圧具30と制御部40とを備える。
図3を例に、積層体の製造装置を説明する。
【0080】
押圧具30は、基板20に積層フィルム10を押し当てる。押圧具30は、積層フィルム10及び基板20の厚み方向に圧力を印加できるものであれば特に問わない。
【0081】
制御部40は、押圧具30と基板20との相対位置を制御する。制御部40は、例えば、マイクロプロセッサである。制御部40は、マイクロプロセッサに記憶されたプログラムに基づき、押圧具30の動作を制御する。制御部40は、例えば、第1動作と第2動作と第3動作とを行う。
【0082】
第1動作は、上述の第1工程に応じた動作である。第1動作では、基板20の第1中間点23に押圧具30を用いて押し当て、押圧具30を積層フィルム10に押し当てながら、第1中間点23から第1端21に向かって押圧具30を移動させる。
【0083】
第2動作は、上述の第2工程に応じた動作である。第2動作では、押圧具30を積層フィルム10に押し当てずに、第2中間点24に押圧具30を移動させる。第2中間点24は、第1中間点23と一致しても一致しなくてもよい。
【0084】
第3動作は、上述の第3工程に応じた動作である。第3動作では、押圧具30を積層フィルム10に押し当てながら、第2中間点24から第2端22に向かって押圧具30を移動させる。
【0085】
本実施形態に係る積層体の製造装置は、上述の積層体の製造方法を容易に実現できる。そのため、本実施形態に係る積層体の製造装置を用いて積層フィルム10と基板20とからなる積層体を作製すると、積層フィルム10にクラックが生じにくい。
【0086】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0087】
1…剥離層、2…粘着層、3…基材フィルム、4…ハードコート層、5…光学機能層、5A…第1高屈折率層、5B…第1低屈折率層、5C…第2高屈折率層、5D…第2低屈折率層、6…防汚層、7…保護層、10…積層フィルム、20…基板、20S…貼合面、21…第1端、22…第2端、23…第1中間点、24…第2中間点、25,28…第1部分、26,27…第2部分、30…押圧具、31…第1ローラー、32…第2ローラー、40…制御部