(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005646
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】ヘアアイロン
(51)【国際特許分類】
A45D 1/00 20060101AFI20240110BHJP
A45D 1/04 20060101ALI20240110BHJP
A45D 1/28 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
A45D1/00 501Z
A45D1/00 C
A45D1/00 501D
A45D1/00 502B
A45D1/04 C
A45D1/28 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105912
(22)【出願日】2022-06-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月17日 掲載アドレスhttps://led-lover.jp/collagenhairiron/lp/index.aspxにおいてウェブサイト掲載。 令和4年6月17日からオンライン販売サイト(『楽天市場』掲載アドレスhttps://item.rakuten.co.jp/dental-lover/ll001/、及び、https://item.rakuten.co.jp/dental-lover/ll002/[販売日 令和4年6月17日]、『Yahooショッピング』掲載アドレスhttps://store.shopping.yahoo.co.jp/dental-lover/ll001.html、及び、https://store.shopping.yahoo.co.jp/dental-lover/ll002.html[販売日 令和4年6月24日]、『Qoo10』掲載アドレスhttps://www.qoo10.jp/g/995431290[販売日 令和4年6月24日])において販売。
(71)【出願人】
【識別番号】520277380
【氏名又は名称】株式会社デンタルラボ
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 学
(57)【要約】
【課題】頭髪の加熱と同時に頭髪を光照射するヘアアイロンを提供することである。
【解決手段】このヘアアイロン1は、固定側挟持部(第一の頭髪挟持部)20を有する長尺の本体部材2と、この固定側挟持部20との間で頭髪を挟む揺動側挟持部(第二の頭髪挟持部)30を有し本体部材2と揺動可能に連結された挟持部材3とを備えている。固定側挟持部20は本体側ヒーター21、揺動側挟持部30は挟持部材側ヒーター31を有し、また、固定側挟持部20は赤色LED23と黄色LED24を有している。このヘアアイロン1は、固定側挟持部20と揺動側挟持部30との間で挟んだ頭髪を本体側ヒーター21と挟持部材側ヒーター31で加熱すると同時に、赤色LED23と黄色LED24から発生する光で照射する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の頭髪挟持部を有する長尺の本体部材と、
前記第一の頭髪挟持部との間で頭髪を挟む第二の頭髪挟持部を有し前記本体部材と揺動可能に連結された挟持部材とを備え、
前記第一の頭髪挟持部又は前記第二の頭髪挟持部の少なくともいずれかに加熱部を有し、
前記第一の頭髪挟持部又は前記第二の頭髪挟持部の少なくともいずれかに光照射部を有しており、
前記第一の頭髪挟持部と前記第二の頭髪挟持部との間で挟んだ前記頭髪を前記加熱部で加熱するとともに、前記光照射部から発生した光で照射することを特徴とするヘアアイロン。
【請求項2】
前記光照射部は、発光波長の異なる複数の発光ダイオードで構成されていることを特徴とする請求項1に記載のヘアアイロン。
【請求項3】
前記発光波長の異なる複数の発光ダイオードには、
発光波長が610ナノメートル以上かつ640ナノメートル以下の赤色発光ダイオードと、発光波長が580ナノメートル以上610ナノメートル以下の黄色発光ダイオードとが含まれていることを特徴とする請求項2に記載のヘアアイロン。
【請求項4】
前記加熱部の加熱温度は、60℃以上かつ230℃以下の範囲で設定可能であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のヘアアイロン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、頭髪をスタイリングするヘアアイロンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
縮毛矯正などの頭髪のスタイリングや頭髪のトリートメント施術に使用されるヘアアイロンには、近年、様々な機能が追加されている。例えば、下記特許文献1には、マイナスイオンを発生するイオン発生手段と、オゾンを発生するオゾン発生手段とを有するヘアアイロンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特許文献1には、オゾン発生手段から発生するオゾンの殺菌力により頭髪の雑菌を除去し悪臭を抑え、イオン発生手段から発生するマイナスイオンにより髪の枝毛、切れ毛、くせ毛等に効果がある旨の記載がある。
【0005】
しかしながら、ヘアアイロンを頻繁に使用する場合には、頭髪へのダメージが避けられず、頭髪をケアする機能のさらなる技術開発が求められている。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、この発明の課題は、頭髪の加熱と同時に光照射をするヘアアイロンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、第一の頭髪挟持部を有する長尺の本体部材と、前記第一の頭髪挟持部との間で頭髪を挟む第二の頭髪挟持部を有し前記本体部材と揺動可能に連結された挟持部材とを備え、前記第一の頭髪挟持部又は前記第二の頭髪挟持部の少なくともいずれかに加熱部を有し、前記第一の頭髪挟持部又は前記第二の頭髪挟持部の少なくともいずれかに光照射部を有しており、前記第一の頭髪挟持部と前記第二の頭髪挟持部との間で挟んだ前記頭髪を前記加熱部で加熱するとともに、前記光照射部から発生した光で照射することを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の構成に加えて、前記光照射部は、発光波長の異なる複数の発光ダイオードで構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の構成に加えて、前記発光波長の異なる複数の発光ダイオードには、発光波長が610ナノメートル以上かつ640ナノメートル以下の赤色発光ダイオードと、発光波長が580ナノメートル以上610ナノメートル以下の黄色発光ダイオードとが含まれていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の構成に加えて、前記加熱部の加熱温度は、60℃以上かつ230℃以下の範囲で設定可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、頭髪を挟む第一の頭髪挟持部又は第二の頭髪挟持部の少なくともいずれかに加熱部を有し、また、第一の頭髪挟持部又は第二の頭髪挟持部の少なくともいずれかに光照射部を有しているため、頭髪の加熱と同時に頭髪を光照射できる。
【0012】
請求項2の発明によれば、光照射部が発光波長の異なる複数の発光ダイオードで構成されているため、複数の波長の光で同時に頭髪を照射できる。波長の長さにより光が頭髪の内部に到達する深さが異なるため、頭髪の中心方向に広い幅で照射できる。
【0013】
請求項3の発明によれば、光照射部として赤色発光ダイオードと黄色発光ダイオードが含まれているため、発光波長が610ナノメートル以上かつ640ナノメートル以下の赤色の光と、発光波長が580ナノメートル以上610ナノメートル以下の黄色の光とで同時に頭髪を照射できる。赤色と黄色の光では、波長が異なり、波長の短い黄色の光は頭髪の表面付近で吸収され、波長の長い赤色の光は頭髪の内部により深く浸透するため、頭髪の表面から内部まで光を照射できる。
【0014】
請求項4の発明によれば、加熱部の加熱温度が、60℃以上かつ230℃以下の範囲で設定可能であるため、低温の60℃付近に設定して頭髪のトリートメントに使用したり、高温の120℃から230℃の範囲に設定してヘアセットに使用したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】この発明の実施の形態に係るヘアアイロンの概略外観図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は平面図、(e)は底面図である。
【
図2】同実施の形態に係るヘアアイロンの概略外観図であり、(a)は斜視図、(b)は温度設定ボタンと電源ボタンで構成される操作部の拡大図、(c)は挟持部材の揺動側挟持部を示す図である。
【
図3】同実施の形態に係るヘアアイロンの概略的な電気機能ブロック図である。
【
図4】同実施の形態に係るヘアアイロンの使用方法を説明する概略フローチャートである。
【
図5】同実施の形態に係るヘアアイロンの使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の実施の形態について、
図1~
図5を用いて説明する。
【0017】
図1は、この発明の実施の形態に係るヘアアイロン1の概略外観図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は平面図、(e)は底面図である。
【0018】
このヘアアイロン1は、長尺の本体部材2と、この本体部材2との間で頭髪を挟み本体部材2と揺動可能に連結された挟持部材3とを備える構成になっている。本体部材2の先端側である前方には、頭髪を挟む「第一の頭髪挟持部」としての固定側挟持部20が設けられ、もう一方の挟持部材3の前方には、固定側挟持部20と対向して頭髪を挟む「第二の頭髪挟持部」としての揺動側挟持部30が設けられている。挟持部材3の先端を本体部材2に接近する方向へ揺動軸28まわりに揺動させて本体部材2に接触させると、揺動側挟持部30と固定側挟持部20とが隙間なく接触し、その間にある頭髪が抜け出さないように挟み込まれる。
【0019】
揺動側挟持部30と固定側挟持部20には、それぞれヒーターが組み込まれており、このヒーターの発熱により、挟み込まれた頭髪が加熱される。電源は、本体部材2の基端部に接続された電源ケーブル4を通して供給される。
【0020】
揺動軸28の内部には、コイルばねや板ばねなどのばね27(図示せず)が組み込まれており、挟持部材3の先端が本体部材2から離間する方向に付勢される。このように付勢力が作用するため、挟持部材3に加わる外力を解除すると、本体部材2と挟持部材3の先端同士が開いた状態となる。頭髪を挟む際には、使用者が本体部材2と挟持部材3を把持し、ばね27の付勢力に抗して握り込むように外力を加え挟持部材3を揺動させて本体部材2に接触させる。
【0021】
また、本体部材2と挟持部材3の先端が開いた状態では収納に不便なため、本体部材2と挟持部材3とを接触させて先端が閉じた状態とし、ロック29を移動させるとロック機構(図示せず)がはたらいて閉じた状態が保持される。
【0022】
挟持部材3の側面部には、温度設定ボタン36、37、電源ボタン38で構成される操作部が設けられ、挟持部材3の上面中央部には、設定された加熱温度などを表示する液晶表示画面35からなる表示部が設けられている。操作部からの入力や表示部への出力は、ヘアアイロン1の内部に組み込まれた電気基板(図示せず)の制御部により制御される。
【0023】
図2は、ヘアアイロン1の概略外観図であり、(a)は斜視図、(b)は温度設定ボタン36、37と電源ボタン38で構成される操作部の拡大図、(c)は挟持部材3の揺動側挟持部30を示す図である。
【0024】
上述のように揺動軸28に組み込まれたばね27の付勢力により、外力が加わらない状態では、本体部材2と挟持部材3の先端が離間して開いた状態となる。
【0025】
本体部材2の固定側挟持部20は、
図2(a)の破線の部分として示される。この固定側挟持部20には、本体部材2の長手方向に沿う向きに2枚の本体側プレート22が設置されており、この本体側プレート22が直接頭髪に接触し、頭髪を挟み込む。この2枚の本体側プレート22それぞれの直下には、このプレート22と密着するように「加熱部」としての本体側ヒーター21が埋設されている。このヒーター21から発生する熱が、本体側プレート22を伝導して、挟持される頭髪に伝わり頭髪が加熱される。
【0026】
図2(c)には、固定側挟持部20と対向するようにして頭髪を挟む挟持部材3の揺動側挟持部30が破線の部分として示されている。この揺動側挟持部30には、1枚の挟持部材側プレート32が設置されている。この挟持部材側プレート32の直下には、このプレート32と密着するように「加熱部」としての挟持部材側ヒーター31が埋設されている。このヒーター31から発生する熱が、挟持部材側プレート32を伝導して、挟持されている頭髪に伝わり頭髪が加熱される。このように本体側プレート22と挟持部材側プレート32の間に挟まれた頭髪は両側から加熱される。
【0027】
この本体側ヒーター21と挟持部材側ヒーター31には、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒーターが用いられている。このPTCヒーターは、材料組成により任意の温度を設定でき、この設定した温度に達すると電気抵抗が急激に増加するという性質がある。発熱により温度上昇してこの温度を超えると抵抗値が大きくなり、流れる電流が抑えられて発熱が制御される。そして温度が設定した温度より下がると、今度は抵抗値が小さくなり流れる電流が増加して発熱が進行する。このようにしてヒーター自身が温度を自己制御する。本実施形態の本体側ヒーター21と挟持部材側ヒーター31は、加熱温度の最高値が230℃になるようにこの温度が設定されている。加熱温度が設定温度の230℃を超えて上昇しないようにPTCヒーターが自己制御するため、高い安全性が実現される。230℃以下の温度で加熱温度を一定に保つ場合には、本体側ヒーター21と挟持部材側ヒーター31の温度を温度センサで検出して、指定温度に一致するようにヒーター21、31の温度をフィードバック制御する。
【0028】
なお、本体側ヒーター21と挟持部材側ヒーター31には、PTCヒーター以外の電熱線を使用したヒーター等を用いるようにしてもよい。また、固定側挟持部20又は揺動側挟持部30の何れか一方にヒーターを設けるようにしてもよい。
【0029】
図2(a)に戻り、説明を続ける。2枚の本体側プレート22は、間隔を保って設置され、この間隔がスリット部25を形成する。このスリット部25には、「光照射部」としての3個の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)23、24がスリット部25の長手方向に沿って配設されている。このLED23、24を発光させて頭髪を光照射する。LED23、24には、薄型化のため表面実装型LEDが用いられている。この3個のLED23、24は、発光波長の異なるLEDで構成されており、3個並んだ内の中央が発光波長580[nm]以上かつ610[nm]以下の黄色LED24であり、その両側の2個が発光波長610[nm]以上かつ640[nm]以下の赤色LED23である。このような構成になっているため、複数波長の光で同時に頭髪が照射される。波長の相違により、光が頭髪の内部に到達する深さが変化するため、複数波長を用いることで、頭髪の中心方向に広い幅で光が照射されるようになる。
【0030】
なお、赤色LED23と黄色LED24の配列を変化させてもよいし、LED数を増減させてもよいし、赤色と黄色以外の異なる波長のLEDを追加したり、異なる波長のLEDで構成したりするようにしてもよい。
【0031】
また、揺動側挟持部30にLEDを配設してもよいし、固定側挟持部20および揺動側挟持部30の両方にLEDを配設するようにしてもよい。
【0032】
以上のように、このヘアアイロン1は、頭髪を挟む固定側挟持部20に本体側ヒーター21を有し、同じく頭髪を挟む揺動側挟持部30に挟持部材側ヒーター31を有しており、また、固定側挟持部20に赤色LED23および黄色LED24を有しているため、頭髪が加熱されると同時に光照射される。
【0033】
ここで、LED23、24と本体側プレート22との配置に着目すると、LED23、24とこのプレート22が接触せず離間しているため、プレート22の熱がLED23、24に伝導せず、LED23、24の温度上昇が抑えられる構造になっている。温度上昇が抑制されることで、LED23、24の劣化が防止され長寿命となる。
【0034】
また、LED23、24は、本体側プレート22の表面よりも2~10mm程度、奥まった位置に配置されており、頭髪加熱時に対向する挟持部材側プレート32の表面から距離が保たれる。このような構造になっているため、挟持部材側プレート32の熱がLED23、24に伝導せず、LED23、24の温度上昇が抑制される。また、LED23、24が、本体側プレート22の表面よりも深い位置にあるため、LED23、24から出射される拡散光の光路が長くなり、頭髪の照射範囲が広がる。
【0035】
また、本体部材2には、固定側挟持部20の位置から基端方向へ僅かにずらした位置に、スリット部25の方向を向くようにイオン吹き出し口26が設けられている。このイオン吹き出し口26からは、既存の方法で発生されるマイナスイオンが放出される。頭髪がマイナスイオンに曝されることにより、頭髪のダメージケアの効果が期待される。
【0036】
図2(b)には、温度設定ボタン36、37と電源ボタン38が示されており、これらのボタンの押下によって操作が行われる。電源ボタン38は、このヘアアイロン1の電源の投入と切断の操作に使用される。温度設定ボタン36、37は、頭髪の加熱温度の設定に使用される。一方の温度設定ボタン36の表面には「+」が印刷され、他方の温度設定ボタン37の表面には「-」が印刷されている。「+」が印刷されているボタン36を押下すると設定される加熱温度が上昇し、「-」が印刷されているボタン37を押下すると設定加熱温度が低下する。
【0037】
このヘアアイロン1では、加熱温度が60℃以上かつ230℃以下の範囲で設定可能となっている。設定できる温度範囲が広いため、例えば、低温の60℃付近に設定して頭髪のトリートメントに使用し、高温の120℃から230℃の範囲に設定してヘアセットに使用するような使い方ができる。
【0038】
図3は、このヘアアイロン1に内蔵されている電気回路50の概略的な電気機能ブロック図である。この電気回路50は、CPU51、ROM52、RAM53、電源ボタン検出部54、温度設定ボタン検出部55、温度センサ56、本体側ヒーター21、挟持部材側ヒーター31、赤色LED23、黄色LED24、マイナスイオン発生部57、液晶表示画面35を含むように構成されている。
【0039】
CPU51は、このヘアアイロン1を制御するプログラムの実行や演算処理を行う。不揮発性メモリであるROM52には、CPU51が実行するプログラムやそのプログラムの処理に用いられるデータが記憶される。揮発性メモリであるRAM53は、CPU51によるプログラムの実行や演算処理のワークエリアとして動作する。
【0040】
電源ボタン検出部54は、挟持部材3に設けられた電源ボタン38が押下されたことを検出する。この検出状態がCPU51に読み取られ、CPU51ではこの検出結果に基づいて、このヘアアイロン1の電源の投入と切断の制御を行う。
【0041】
温度設定ボタン検出部55は、2個の温度設定ボタン36、37が押下されたことを検出する。この検出状態がCPU51に読み取られ、CPU51ではこの検出結果に基づいて、頭髪の加熱温度を設定する。
【0042】
温度センサ56は、複数個配置されており、本体部材2と挟持部材3にそれぞれ組み込まれている2個の本体側ヒーター21と1個の挟持部材側ヒーター31の温度を測定する。この温度データがCPU51に読み取られ、CPU51では設定された加熱温度に測定温度が一致するように本体側ヒーター21と挟持部材側ヒーター31を制御する。
【0043】
本体側ヒーター21と挟持部材側ヒーター31は、上述のように発熱して頭髪を加熱する。また、赤色LED23と黄色LED24は、上述のように発光してその出射光が頭髪に照射される。
【0044】
マイナスイオン発生部57は、高電圧を用いる既存の方法によってマイナスイオンを発生する。発生したマイナスイオンは、イオン吹き出し口26から頭髪に向けて放出される。
【0045】
液晶表示画面35は、CPU51の制御に基づいて、設定された加熱温度などを表示する。
【0046】
次に、本実施の形態に係るヘアアイロン1の使用方法について説明する。
【0047】
図4は、このヘアアイロン1の使用方法を説明する概略フローチャートである。
【0048】
使用者は、このヘアアイロン1の使用に先立って、頭髪をブラッシングして絡まりやほつれなどを取り除き、ベース用のスタイリング剤や水などで頭髪を均一に少し湿らせておく。
【0049】
その後、使用者は、このヘアアイロン1の電源プラグ(図示せず)をコンセントに差し込み、ヘアアイロン1の側面にある電源ボタン38を押下する(S1ステップ)。この電源ボタン38の押下は、電源ボタン検出部54で検出され(S2ステップ)、電源の投入を表示するために、CPU51の制御に基づいて液晶表示画面35が点灯する(S3ステップ)。
【0050】
使用者が、温度設定ボタン36、37を押下して(S4ステップ)、加熱温度が設定されると、この温度設定ボタン36、37の押下を温度設定ボタン検出部55が検出して(S5ステップ)、CPU51に設定加熱温度が読み取られる。この設定温度は、液晶表示画面35に表示される(S6ステップ)。
【0051】
本体側ヒーター21と挟持部材側ヒーター31に通電し加熱が開始され、ヒーター21、31の温度が設定加熱温度に一致するように制御される。また、赤色LED23と黄色LED24が点灯発光する。加えて、マイナスイオン発生部57でマイナスイオンを発生させてイオン吹き出し口26から放出する(S7ステップ)。
【0052】
使用者は、本体部材2と挟持部材3との間に頭髪を挟みスタイリングを行う。
図5に、このヘアアイロン1の使用状態を示す。スタイリング中、頭髪は加熱されるとともに光照射を受け、マイナスイオンに曝される。
【0053】
スタイリング完了後、使用者が電源ボタン38を押下し(S8ステップ)、この押下が電源ボタン検出部54に検出されると(S9ステップ)、本体側ヒーター21と挟持部材側ヒーター31の通電が切断され、赤色LED23と黄色LED24が消灯し、マイナスイオンの発生が停止される(S10ステップ)。そして、電源ボタン38が押下され、電源が切断されたこと使用者に認識させるため、液晶表示画面35を消灯させる(S11ステップ)。
【0054】
次に、本実施の形態に係るヘアアイロン1の効果について説明する。
【0055】
本実施の形態によれば、頭髪を挟む固定側挟持部20に本体側ヒーター21を有し、固定側挟持部20と対向して頭髪を挟む揺動側挟持部30に挟持部材側ヒーター31を有しており、また、固定側挟持部20に赤色LED23と黄色LED24を有しているため、頭髪の加熱と同時に光照射できる。
【0056】
また、本実施の形態によれば、赤色LED23と黄色LED24という発光波長の異なる複数のLEDを備えているため、複数の波長の光で同時に頭髪を照射できる。波長の長さにより光が頭髪の内部に到達する深さが異なるため、頭髪の中心方向に広い幅で光照射できる。
【0057】
また、本実施の形態によれば、赤色LED23と黄色LED24が用いられており、発光波長が610[nm]以上かつ640[nm]以下の赤色の光と、発光波長が580[nm]以上610[nm]以下の黄色の光とで同時に頭髪を照射できる。赤色と黄色の光では、波長が異なり、波長の短い黄色の光は頭髪の表面付近で吸収され、波長の長い赤色の光は頭髪の内部により深く浸透するため、頭髪の表面から内部まで光を照射できる。
【0058】
また、本実施の形態によれば、本体側ヒーター21と挟持部材側ヒーター31の加熱温度が、60℃以上かつ230℃以下の範囲で設定可能であるため、低温の60℃付近に設定して頭髪のトリートメントに使用したり、高温の120℃から230℃の範囲に設定してヘアセットに使用したりすることができる。
【0059】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されず、発明概念を逸脱しない範囲で要素の追加、削除、変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0060】
1 ヘアアイロン
2 本体部材
3 挟持部材
4 電源ケーブル
20 固定側挟持部(第一の頭髪挟持部)
30 揺動側挟持部(第二の頭髪挟持部)
21 本体側ヒーター(加熱部)
22 本体側プレート
23 赤色LED(赤色発光ダイオード)(光照射部)
24 黄色LED(黄色発光ダイオード)(光照射部)
25 スリット部
26 イオン吹き出し口
28 揺動軸
29 ロック
31 挟持部材側ヒーター(加熱部)
32 挟持部材側プレート
35 液晶表示画面
36、37 温度設定ボタン
38 電源ボタン