(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056480
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】演出装置及びゲーミングマシン
(51)【国際特許分類】
A63F 5/00 20060101AFI20240416BHJP
A63F 5/04 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
A63F5/00 D
A63F5/04 540
A63F5/04 502B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163379
(22)【出願日】2022-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】鷲見 昌昭
(72)【発明者】
【氏名】安田 英史
(72)【発明者】
【氏名】小野 貴広
(72)【発明者】
【氏名】工藤 卓也
(72)【発明者】
【氏名】阿形 剛宏
(57)【要約】
【課題】演出の趣向性及び視認性を向上させた演出装置を実現する。
【解決手段】演出装置(1)は、ゲーミングマシン(100)に備えられる。演出装置(1)は、径が異なると共に、同一の回転中心線上に回転可能に保持された小ルーレット(41)、中ルーレット(42)、及び大ルーレット(43)と、各ルーレット(41,42,43)を回転させるモータと、ゲーミングマシン(100)との間で制御信号を送受信する通信部と、ゲーミングマシン(100)からの制御信号に基づいて、モータを制御する制御部と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーミングマシンに備えられる演出装置であって、
互いに径が異なると共に、同一の回転中心線上に回転可能に保持された複数のルーレットと、
前記複数のルーレットを回転させる複数のモータと、
前記ゲーミングマシンとの間で制御信号を送受信する通信部と、
前記通信部により受信された前記ゲーミングマシンからの制御信号に基づいて、前記複数のモータを制御する制御部と、
を備えていることを特徴とする演出装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数のルーレットのうち少なくとも1つの前記ルーレットの回転方向が、他の前記ルーレットの回転方向と異なるように、各前記モータを制御することを特徴とする請求項1に記載の演出装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数のルーレットのうち少なくとも1つの前記ルーレットの回転速度が、他の前記ルーレットの回転速度と異なるように、各前記モータを制御することを特徴とする請求項1に記載の演出装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記複数のルーレットのうち少なくとも1つの前記ルーレットの回転の停止タイミングが、他の前記ルーレットの回転の停止タイミングと異なるように、各前記モータを制御することを特徴とする請求項1に記載の演出装置。
【請求項5】
光を出射する発光部と、
前記発光部から出射される光を導光して出射面から出射する導光板と、
を更に備え、
前記制御部は、前記ゲーミングマシンからの制御信号に基づいて、前記発光部を制御することを特徴とする請求項1に記載の演出装置。
【請求項6】
前記複数のルーレットは、それぞれ表示面を有し、
各前記表示面は、面一の状態で遊技者の方向に向くように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の演出装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の演出装置を備えたゲーミングマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演出装置及びゲーミングマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の演出装置を備えたゲーミングマシン等が提案されている。例えば、特許文献1のゲーミングマシンにおいては、押しボタン部の内部に、演出部としてルーレット役物が設けられている。ルーレット役物は、回転を停止したときの状態によって、サブゲームの抽選の結果を遊技者に通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のルーレット役物は、押しボタン部の内部にルーレットが1つだけ配置された構成であり、遊技者の趣向性及び視認性の観点において改善の余地がある。
【0005】
本開示の一態様は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技者の趣向性及び視認性を向上させた演出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の態様1に係る演出装置は、ゲーミングマシンに備えられる演出装置であって、互いに径が異なると共に、同一の回転中心線上に回転可能に保持された複数のルーレットと、前記複数のルーレットを回転させる複数のモータと、前記ゲーミングマシンとの間で制御信号を送受信する通信部と、前記通信部により受信された前記ゲーミングマシンからの制御信号に基づいて、前記複数のモータを制御する制御部と、を備えている。
【0007】
上記構成によれば、ゲーミングマシンからの制御信号に基づいて、制御部がモータを制御して、互いに径が異なり、同心円状に配置された複数のルーレットを回転させる。これにより、1枚構成の従来のルーレットの演出装置よりも、演出の趣向性及び視認性を向上させることができる。また、各ルーレットを停止させて示す結果も、ルーレットが複数あることで、各ルーレットの停止位置の組み合わせにて表示できるので、1枚構成の従来のルーレットでは得られなかった趣向性の高い演出が可能となる。
【0008】
本開示の態様2に係る演出装置では、上記の態様1において、前記制御部は、前記複数のルーレットのうち少なくとも1つの前記ルーレットの回転方向が、他の前記ルーレットの回転方向と異なるように、各前記モータを制御してもよい。
【0009】
上記構成によれば、複数のルーレットのうち少なくとも1つのルーレットが、他のルーレットとは異なる回転方向で回転するので、演出装置による演出の趣向性を向上させることができる。
【0010】
本開示の態様3に係る演出装置では、上記の態様1において、前記制御部は、前記複数のルーレットのうち少なくとも1つの前記ルーレットの回転速度が、他の前記ルーレットの回転速度と異なるように、各前記モータを制御してもよい。
【0011】
上記構成によれば、複数のルーレットのうち少なくとも1つのルーレットが、他のルーレットとは異なる回転速度で回転するので、演出装置による演出の趣向性を向上させることができる。
【0012】
本開示の態様4に係る演出装置では、上記の態様1において、前記制御部は、前記複数のルーレットのうち少なくとも1つの前記ルーレットの回転の停止タイミングが、他の前記ルーレットの回転の停止タイミングと異なるように、各前記モータを制御してもよい。
【0013】
上記構成によれば、複数のルーレットのうち、例えばゲーミングマシンのゲーム結果を示すルーレットだけを最後に停止させることで、遊技者の趣向性をより高めることができる。
【0014】
本開示の態様5に係る演出装置は、上記の態様1において、光を出射する発光部と、前記発光部から出射される光を導光して出射面から出射する導光板と、を更に備えている。前記制御部は、前記ゲーミングマシンからの制御信号に基づいて、前記発光部を制御してもよい。
【0015】
上記構成によれば、制御部により、ゲーミングマシンからの制御信号に基づいて、発光部を制御することで、例えばゲーミングマシンのゲーム結果に合わせて、導光板から光を出射することによって、演出装置による演出の趣向性を高めることができる。
【0016】
本開示の態様6に係る演出装置では、上記の態様1において、前記複数のルーレットは、それぞれ表示面を有している。各前記表示面は、面一の状態で遊技者の方向に向くように配置されている。
【0017】
上記構成によれば、複数のルーレットの各々の表示面が、面一の状態で遊技者の方向に向くように配置されているので、演出装置の小型化を図ることができる。
【0018】
本開示の一態様に係るゲーミングマシンは、上記の態様1から6のいずれかの演出装置を備えている。
【0019】
上記構成によれば、ゲーミングマシンからの制御信号に基づいて、制御部によりモータを制御することで、互いに径が異なる複数のルーレットを回転させた後、ゲーム結果に応じた位置で各ルーレットを停止させることができる。これにより、遊技者は、演出装置による複数のルーレットが回転する演出を観た後、ゲーム結果を把握することができるので、遊技者の趣向性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本開示の一態様によれば、遊技者の趣向性及び視認性を向上させた演出装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本開示の実施形態における演出装置を備えたゲーミングマシンの概略斜視図である。
【
図5】
図1の演出装置の各ルーレットの周辺部材の分解斜視図である。
【
図6】
図1の演出装置の各モータの周辺部材の縦断面を示す斜視図である。
【
図7】
図1の演出装置の各モータの周辺部材の分解斜視図である。
【
図8】
図1のゲーミングマシンの電気的構成を示すブロック図である。
【
図9】
図1のゲーミングマシンの演出に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図1の演出装置による演出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】実施形態の変形例における演出装置を備えたゲーミングマシンの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0023】
以下、本開示の一実施形態について、
図1~
図10を参照して説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0024】
§1 適用例
まず、本開示が適用される場面の一例について説明する。
図1は、本開示の実施形態における演出装置1を備えたゲーミングマシン100の概略斜視図である。
図1に示すように、演出装置1は、ゲーミングマシン100に備えられる。ゲーミングマシン100は、カジノ等の遊技施設に設置される。
【0025】
ゲーミングマシン100において、筐体101の正面側には、リール等の画像が表示される第1表示部102が設けられている。なお、第1表示部102とは別に、実際に回転するリールが設けられていてもよい。
【0026】
第1表示部102の下側には、操作部103及びスタートボタン104が設けられている。操作部103には、例えば、賭け数を設定するためのBET画面等が表示されるようになっており、賭け数の設定等を受け付ける。スタートボタン104は、押下式の押しボタンであり、所謂SPINボタンである。スタートボタン104が押下操作されると、ゲーム抽選が行われ、リールの回転が開始される。リールは、ゲーム抽選の結果に応じた図柄で停止する。
【0027】
第1表示部102の上側には、第2表示部106が設けられている。第2表示部106には、例えば、演出のためのアニメーション画像等が表示される。第2表示部106の上側には、後述する演出装置1が取り付けられている。演出装置1は、ゲーミングマシン100によるゲーム結果に応じた演出を行うための装置である。
【0028】
演出装置1の上側には、ゲーミングマシン100の第3表示部107が設けられている。第3表示部107には、例えば、ゲーミングマシン100によるゲーム抽選の結果に応じて、遊技者に対して払い出されるメダル等の有価価値媒体の数量が表示される。
【0029】
なお、
図1では、ゲーミングマシン100としてスロットマシンを例示しているが、これに限らず、他にも、ポーカーマシン、パチンコ機、パチスロ機等の各種のゲーミングマシンに対して、演出装置1を用いることができる。
【0030】
§2 構成例
次に、本実施形態の演出装置1の構成について、
図1~
図11を参照して詳しく説明する。
図1に示すように、演出装置1は、小ルーレット41、中ルーレット42、及び大ルーレット43の3つのルーレットを有している。なお、演出装置1のルーレットの数は、3つに限らず、2つ以上であればよく、例えば4つであってもよい。演出装置1は、ゲーミングマシン100の第2表示部106と第3表示部107との間に配置されている。なお、演出装置1の配置構成は、
図1に示す配置構成に限らず、例えば、
図11に示すように、第3表示部107の上側に配置されていてもよい。
【0031】
小ルーレット41、中ルーレット42、及び大ルーレット43は、
図8に示す制御部10により、ゲーミングマシン100のゲーム結果に応じて回転が制御される。具体的には、制御部10は、小ルーレット41、中ルーレット42、及び大ルーレット43の各々に対応した第1モータ31、第2モータ32、及び第3モータ33のそれぞれの駆動を制御することにより、小ルーレット41、中ルーレット42、及び大ルーレット43の回転を各々制御する。これにより、小ルーレット41、中ルーレット42、及び大ルーレット43の各々の回転速度や回転方向を個別に制御することができる。
【0032】
すなわち、制御部10は、小ルーレット41、中ルーレット42、及び大ルーレット43を、このうち少なくとも1つのルーレットの回転方向が、他のルーレットの回転方向と異なるように、第1モータ31、第2モータ32、及び第3モータ33を制御することができる。
【0033】
また、制御部10は、小ルーレット41、中ルーレット42、及び大ルーレット43を、このうち少なくとも1つのルーレットの回転速度が、他のルーレットの回転速度と異なるように、第1モータ31、第2モータ32、及び第3モータ33を制御することができる。
【0034】
つまり、制御部10は、例えば、中ルーレット42の回転方向が、小ルーレット41及び大ルーレット43の回転方向と異なり、かつ、小ルーレット41と大ルーレット43の回転速度が互いに異なるように回転させることが可能である。
【0035】
また、制御部10は、小ルーレット41、中ルーレット42、及び大ルーレット43を、このうち少なくとも1つのルーレットの回転の停止タイミングが、他のルーレットの回転の停止タイミングと異なるように、第1モータ31、第2モータ32、及び第3モータ33を制御することができる。
【0036】
つまり、制御部10は、小ルーレット41、中ルーレット42、及び大ルーレット43を、それぞれの回転の停止タイミングが互いに異なるように停止させることが可能である。そして、制御部10は、ゲーミングマシン100のゲーム結果に応じた停止位置で、小ルーレット41、中ルーレット42、及び大ルーレット43を停止させることができる。
【0037】
これにより、遊技者は、演出装置1を視認することで、3つのルーレット41~43の回転を伴う演出を楽しむことができる。演出の内容は、ゲーミングマシン100のゲーム抽選の結果に応じて変化するようになっており、遊技者の趣向性を高めることができる。また、演出装置1がゲーミングマシン100の第1表示部102の上方に設けられているので、演出装置1による演出に対する遊技者の視認性を向上させることができる。
【0038】
図2は、演出装置1の正面拡大図である。
図2に示すように、演出装置1は、円盤状の外形形状を有している。演出装置1には、径方向の内側から順に、互いに径の異なる小ルーレット41、中ルーレット42、及び大ルーレット43が配置されている。
【0039】
小ルーレット41、中ルーレット42、及び大ルーレット43は、環状の回転体であり、回転中心線Cを中心に回転可能に保持されている。小ルーレット41は、表示面41aを有している。中ルーレット42は、表示面42aを有している。大ルーレット43は、表示面43aを有している。
【0040】
小ルーレット41、中ルーレット42、及び大ルーレット43の各表示面41a~43aが、面一の状態で遊技者の方向に向くように配置されている(
図4参照)。また、小ルーレット41、中ルーレット42、及び大ルーレット43の各表示面41a~43aは、複数、例えば8つのブロックに区画されている。
【0041】
小ルーレット41は、3つのルーレット41~43の中で最も径が小さい。小ルーレット41の表示面41aには、例えばゲーム抽選の賞金に関する数字が表示されている。
図2に示す例では、小ルーレット41の表示面41aの各区画には、「50」、「100」、「150」、「200」、「500」、「1000」、「2000」、「3000」という金額が表示されている。
【0042】
中ルーレット42は、小ルーレット41よりも径が大きい。中ルーレット42の表示面42aには、例えば倍率に関する数字等が表示されている。
図2に示す例では、中ルーレット42の表示面42aの各区画には、「×1」、「×2」、「×3」、「×5」、「×10」という倍率、及び「CHANCE」という文字が表示されている。なお、「CHANCE」という表示は、例えば10倍よりも大きな倍率になることを表している。
【0043】
大ルーレット43は、3つのルーレット41~43の中で最も径が大きい。大ルーレット43の表示面43aには、例えば当たりの種類に関する文字が表示されている。
図2に示す例では、大ルーレット43の表示面43aの各区画には、「SUPER GRAND」、「GRAND」、「MAJOR」、「MINOR」、「MINI」という文字が表示されている。これらの当たりは、それぞれ異なる倍率が設定されている。また、表示面43aに、当たりの種類に関する文字が表示されていない区画は、「はずれ」であることを表している。なお、表示面41a、表示面42a、及び表示面43aに表示された数字や文字等は一例であり、適宜変更可能である。
【0044】
小ルーレット41、中ルーレット42、及び大ルーレット43の1つの区画に対応する位置には、扇形状の大当たり枠44が設けられている。大当たり枠44は、ゲーミングマシン100によるゲーム抽選の結果を、遊技者に対して通知するための部材であり、カバー40に固定されている。大当たり枠44の内側の表示が、ゲーム抽選の結果である。
【0045】
図3は、演出装置1の分解斜視図である。
図4は、演出装置1の側断面図である。
図3及び
図4に示すように、演出装置1は、カバー40、透明板45、発光部50、導光板55、固定用部材46、固定軸47、第1仕切り板48、第2仕切り板49、小ギヤ51、中ギヤ52、大ギヤ53、ベース部材54、第1モータ31、第2モータ32、第3モータ33、小ベアリング61、中ベアリング62、大ベアリング63、及びケース70を更に有している。
【0046】
カバー40および透明板45は、例えば樹脂製であり、小ルーレット41、中ルーレット42、及び大ルーレット43よりも遊技者側に配置され、各ルーレット41~43の表面を外部から保護する。固定用部材46は、透明板45及び導光板55をカバー40に固定するための部材である。なお、
図4では、導光板55及び発光部50を省略している。また、各ルーレット41~43の表面は、遊技者側の面をいう。
【0047】
導光板55は、発光部50からの入射光を導光して、出射面から出射する導光板である。導光板55は、アクリル樹脂やガラス等の透光性部材で構成され、透明の薄板部材である。導光板55には、光を出射させるための微細な凹部が、視認させたいパターンにて形成されている。本実施形態では、少なくとも大当たり枠44の内側の大当り領域を照光するパターンが形成されている。
【0048】
発光部50は、例えば可撓性を有するテープ状の基板に、色を変えることができるフルカラー対応のLED(Light Emitting Diode)が配置された構成になっている。発光部50は、導光板55の端面に対向して配置され、導光板55の内部に端面より光を供給する。
【0049】
図5は、演出装置1の各ルーレット41~43の周辺部材の分解斜視図である。
図5に示すように、カバー40の裏面側には、同一の回転中心線C上に、小ルーレット41、第1仕切り板48、中ルーレット42、第2仕切り板49、大ルーレット43が順に配置されている。
【0050】
小ルーレット41と中ルーレット42との間には、円環状の第1仕切り板48が配置されている。第1仕切り板48は、
図2に示すように、小ルーレット41の表示面41aと中ルーレット42の表示面42aとを仕切るための部材である。第1仕切り板48の径は、小ルーレット41の径よりも大きく、中ルーレット42の径よりも小さい。
【0051】
中ルーレット42と大ルーレット43との間には、第2仕切り板49が配置されている。第2仕切り板49は、
図2に示すように、中ルーレット42の表示面42aと大ルーレット43の表示面43aとを仕切るための部材である。第2仕切り板49の径は、中ルーレット42の径よりも大きく、大ルーレット43の径よりも小さい。
【0052】
固定軸47に対し、小ルーレット41、第1仕切り板48、中ルーレット42、第2仕切り板49、大ルーレット43は順に、装着挿入されている。
【0053】
図6は、演出装置1の各モータ31~33の周辺部材の縦断面を示す斜視図である。
図7は、演出装置1の各モータ31~33の周辺部材の分解斜視図である。
図6及び
図7に示すように、第1モータ31の回転軸31aには、第1ギヤ31bが取り付けられている。第1ギヤ31bは、小ルーレット41に固定された小ギヤ51と噛合する。小ギヤ51は、外周面に歯が形成された環状ギヤであり、小ルーレット41の中央の開口の縁に背面側に向かって突設された筒状の凸部41bに固定されている。
【0054】
これにより、第1モータ31の駆動力が第1ギヤ31b及び小ギヤ51を介して、小ルーレット41に伝達されることで、小ルーレット41が回転する。
【0055】
第2モータ32の回転軸32aには、第2ギヤ32bが取り付けられている。第2ギヤ32bは、中ルーレット42に固定された中ギヤ52と噛合する。中ギヤ52は、外周面に歯が形成された環状ギヤであり、中ルーレット42の中央の開口の縁背面側に向かって突設された筒状の凸部42bに固定されている。
【0056】
これにより、第2モータ32の駆動力が第2ギヤ32b及び中ギヤ52を介して、中ルーレット42に伝達されることで、中ルーレット42が回転する。
【0057】
第3モータ33の回転軸33aには、第3ギヤ33bが取り付けられている。第3ギヤ33bは、大ルーレット43に固定された大ギヤ53と噛合する。大ギヤ53は、外周面に歯が形成された環状ギヤであり、大ルーレット43の中央の開口の縁に背面側に向かって突設された環状の凸部43bに固定されている。
【0058】
これにより、第3モータ33の駆動力が第3ギヤ33b及び大ギヤ53を介して、大ルーレット43に伝達されることで、大ルーレット43が回転する。
【0059】
また、
図4~
図6に示すように、固定軸47の外周には、小ベアリング61の内輪が固定されている。小ベアリング61の外輪は、小ルーレット41の凸部41bの内周面に固定されている。これにより、小ルーレット41は、固定軸47に対して円滑に回転することが可能となっている。
【0060】
また、小ルーレット41の凸部41bの外周面には、中ベアリング62の内輪が固定され、中ベアリング62の外輪は、中ルーレット42の凸部42bの内周面に固定されている。これにより、中ルーレット42は、小ルーレット41の凸部41bに対して、円滑に回転することが可能となっている。
【0061】
また、中ルーレット42の凸部42bの外周面には、大ベアリング63の内輪が固定され、大ベアリング63の外輪は、大ルーレット43の凸部43bの内周面に固定されている。これにより、大ルーレット43は、中ルーレット42の凸部42bに対して、円滑に回転することが可能となっている。
【0062】
第1モータ31、第2モータ32、及び第3モータ33は、例えばステッピングモータを用いることができる。制御部10は、各モータ31~33のステップ数を制御することにより、小ルーレット41、中ルーレット42、及び大ルーレット43を所望の位置に停止させる。第1モータ31、第2モータ32、及び第3モータ33は、ケース70に収容されている。
【0063】
(演出装置1及びゲーミングマシン100の電気的構成)
図8は、演出装置1及びゲーミングマシン100の電気的構成を示すブロック図である。
図8に示すように、演出装置1は、通信部20と、記憶部80とを更に備えている。制御部10には、第1モータ31、第2モータ32、第3モータ33、記憶部80、及び通信部20がそれぞれ電気的に接続されている。
【0064】
制御部10は、第1モータ31を正転駆動させることにより、小ルーレット41を
図2の時計方向に回転させる。一方、制御部10は、第1モータ31を逆転駆動させることにより、小ルーレット41を
図2の反時計方向に回転させる。
【0065】
また、制御部10は、第2モータ32を正転駆動させることにより、中ルーレット42を
図2の時計方向に回転させる。一方、制御部10は、第2モータ32を逆転駆動させることにより、中ルーレット42を
図2の反時計方向に回転させる。
【0066】
また、制御部10は、第3モータ33が正転駆動することにより、大ルーレット43を
図2の時計方向に回転させる。一方、制御部10は、第3モータ33が逆転駆動させることにより、大ルーレット43が
図2の反時計方向に回転させる。
【0067】
また、制御部10は、第1モータ31、第2モータ32、第3モータ33の速度を調整することで、小ルーレット41、中ルーレット42、大ルーレット43の各回転速度を調整する。
【0068】
制御部10は、発光部50を制御することにより、LEDの点灯を制御する。制御部10は、通信部20を介して、ゲーミングマシン100のマシン側制御部110と制御信号等の送受信を行う。記憶部80には、例えば、ゲーム抽選の結果に対応した演出コードが記憶されている。
【0069】
ゲーミングマシン100は、受付部114、及び払出部115を更に有している。マシン側制御部110には、操作部103、スタートボタン104、入力検知部105、受付部114、第1表示部102、第2表示部106、第3表示部107、及び払出部115がそれぞれ電気的に接続されている。
【0070】
マシン側制御部110は、操作部103にBET画面等を表示し、遊技者の操作部103へのタッチ操作に基づいて、賭け数等の情報を受け付ける。そして、マシン側制御部110は、遊技者によるスタートボタン104の操作を受け付けると、第1表示部102に、リールが回転する画像を表示して、ゲーム抽選を行う。
【0071】
その後、マシン側制御部110は、ゲーミングマシン100によるゲーム抽選の結果に応じた演出コードを、演出装置1の通信部20に送信する。制御部10は、通信部20により受信した演出コードに基づいて、後述する演出処理を実行する。
【0072】
また、マシン側制御部110は、第2表示部106に、ゲーム抽選の結果に応じた演出画像等を表示し、第3表示部107にゲーム抽選の結果に関する情報等を表示する。受付部114は、ゲーム抽選を行うためのメダルやICカード等の有価価値媒体を受け付ける。払出部115は、ゲーム抽選の結果に応じてメダル等を払い出す。
【0073】
§3 動作例
(ゲーミングマシン100の演出に関する処理の流れ)
次に、ゲーミングマシン100の動作について、
図9を参照して説明する。
図9は、ゲーミングマシン100の演出に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0074】
図9に示すように、入力検知部105は、常にスタートボタン104が操作されたか否かを検出している(S1)。遊技者がスタートボタン104を操作すると、入力検知部105は、スタートボタン104への操作を検出し(S1:YES)、マシン側制御部110に、入力検出を示す信号を出力する(S2)。
【0075】
S2の後、マシン側制御部110は、ゲーム抽選処理を行う(S3)。S3において、マシン側制御部110は、ゲーム抽選処理を行うことにより、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」等の当選役を決定する。
【0076】
S3の後、マシン側制御部110は、当選役に対応した演出コードを決定し(S4)、通信部20を介して、演出装置1の制御部10に演出コードを出力する(S5)。S5の後、演出装置1の制御部10は、
図10に示す演出コードに基づく演出処理を開始する(S6)。なお、演出コードに、演出装置1による演出以外の演出が含まれていてもよく、例えば第2表示部106に演出画像を表示させてもよい。
【0077】
S6の後、制御部10は、演出装置1による演出処理が終了したか否かを判定する(S7)。具体的には、制御部10は、遊技者が操作部103に対して演出終了を決定する所定の操作を行ったり、演出装置1が演出処理を開始してから所定時間経過したりしたか否かを判定する。
【0078】
制御部10は、演出装置1による演出処理が終了したと判定した場合(S7:YES)、ゲーミングマシン100のゲーム抽選の結果を第1表示部102に表示する(S8)。S8の後、払出部115は、ゲーム抽選の結果に基づいて、メダル等の払出しを行う(S9)。
【0079】
S9の後、マシン側制御部110は、S7にて所定時間経過して演出処理が終了した場合、S1に戻り、次のゲーム抽選のためのスタートボタン104に対する操作を待つ。一方、マシン側制御部110は、S7にてスタートボタン104により次のゲーム抽選を開始するための操作がなされた場合等は、S1にてYESと判断してS2に進む。このようにして、ゲーミングマシン100の演出に関する処理が行われる。
【0080】
(演出装置1による演出処理の流れ)
次に、演出装置1による演出処理の一例について、
図10を参照して説明する。
図10は、演出装置1による演出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10に示す演出処理において、制御部10は、上述した当選役の種類に応じたミニゲーム演出を行う。
【0081】
まず、演出装置1の制御部10は、ゲーミングマシン100のゲーム抽選処理の結果に応じて、小ルーレット41、中ルーレット42、及び大ルーレット43の回転速度を決定する(S11)。小ルーレット41、中ルーレット42、及び大ルーレット43の回転速度は、互いに異なる回転速度であってもよいし、同じ回転速度であってもよい。
【0082】
続いて、制御部10は、第1モータ31を正転駆動させることにより、S11にて決定した回転速度で小ルーレット41を時計方向に回転させる(S12)。また、制御部10は、第2モータ32を逆転駆動させることにより、S11にて決定した回転速度で中ルーレット42を反時計方向に回転させる(S13)。そして、制御部10は、第3モータ33を正転駆動させることにより、S11にて決定した回転速度で大ルーレット43を時計方向に回転させる(S14)。
【0083】
なお、ゲーミングマシン100のゲーム抽選処理の結果、即ち各当選役に対応した各ルーレット41~43の回転速度及び回転方向が、予め記憶部80に記憶されているものとする。また、S12~S14の処理の内容は、一例であり、各当選役に応じて適宜変更可能である。
【0084】
次に、制御部10は、第1モータ31を制御することにより、小ルーレット41をゲーム抽選処理の結果に対応した位置に停止させる(S15)。
図2に示す例では、小ルーレット41は、「2000」という数字が表示された表示面41aが、大当たり枠44内に収まる位置で停止している。これにより、遊技者は、2000円に倍率を掛け合わせた金額が賞金として獲得される可能性があることを把握できる。
【0085】
S15の後、制御部10は、第2モータ32を制御することにより、中ルーレット42をゲーム抽選処理の結果に対応した位置に停止させる(S16)。
図2に示す例では、中ルーレット42は、「×2」という数字が表示された表示面42aが、大当たり枠44内に収まる位置で停止している。これにより、遊技者は、2000円の2倍の金額である4000円に相当するメダル等の賞金が獲得され得ることを把握でき、「大当たり」となることに対する期待感を高めることができる。
【0086】
S16の後、制御部10は、第3モータ33を制御することにより、大ルーレット43をゲーム抽選処理の結果に対応した位置に停止させる(S17)。
図2に示す例では、大ルーレット43は、「SUPER GRAND」という文字が表示された表示面43aが、大当たり枠44内に収まる位置で停止している。これにより、遊技者は、ゲーム抽選の結果が「大当たり」となったことを把握できる。
【0087】
S17の後、制御部10は、ゲーム抽選処理の結果が大当たりか否かを判定し(S18)、大当たりである場合(S18:YES)、大当たり枠44内の領域である大当たりエリアを発光させる(S19)。これにより、導光板55の表面から出射した光によって、大当たりエリアの数字や文字がより鮮やかに表示される。なお、当たりの種類に応じて、発光部50から出射される光の色を変更してもよい。
【0088】
一方、ゲーム抽選処理の結果が大当たりでない場合(S18:NO)、又は、S19の後、制御部10は、
図10に示す演出処理を終了させる。
【0089】
§4 作用・効果
以上説明した本実施形態の演出装置1による演出では、制御部10により、ゲーミングマシン100からの制御信号に基づいて、各モータ31~33を制御することで、互いに径が異なる小ルーレット41、中ルーレット42、及び大ルーレット43の3つのルーレットを同軸上で回転させる。これにより、演出装置1による演出の趣向性及び視認性を向上させることができる。
【0090】
また、各ルーレットを停止させて示す結果も、ルーレットが複数あることで、各ルーレットの停止位置の組み合わせにて表示できるので、1枚構成の従来のルーレットでは得られなかった趣向性の高い演出が可能となる。
【0091】
また、複数のルーレットが、同一の回転中心線上に回転可能に保持されているので、遊技者は、複数のルーレットの回転中心線付近に視点を集中させればよく、演出装置の視認性を向上させることができる。
【0092】
例えば、中ルーレット42の回転方向を、小ルーレット41及び大ルーレット43の回転方向と異なるようにさせ、且つ、小ルーレット41、中ルーレット42、及び大ルーレット43の回転速度を互いに異なるようにすることで、遊技者の趣向性を高めることができる。
【0093】
また、例えば、小ルーレット41、中ルーレット42、大ルーレット43の順に各ルーレット41~43を停止させる。これにより、遊技者は、ゲーム抽選の結果を示す大ルーレット43の表示を最後に確認することになり、遊技者の趣向性をより高めることができる。
【0094】
また、導光板55と発光部50とを備えることで、例えば、導光板55の大当たり枠44内の領域である大当たりエリアを発光させることができる。これにより、ゲーミングマシン100のゲーム結果に合わせた光による演出を加えることができ、演出装置1による演出の趣向性及び視認性をより一層高めることができる。
【0095】
また、小ルーレット41、中ルーレット42、及び大ルーレット43の各表示面41a~43aが、面一の状態で遊技者の方向に向くように配置されているので、演出装置1の回転中心線C方向の長さを短くして、演出装置1の薄型化を図ることができる。
【0096】
§5 変形例
上記した実施形態の演出装置1では、3つのルーレット41~43の各表示面41a~43aが面一の状態で配置されるものとしたが、これに限らず、各表示面41a~43aが段差状に配置されていてもよい。
【0097】
また、上記した実施形態の演出装置1では、制御部10は、S15~S17にて、小ルーレット41、中ルーレット42、大ルーレット43の順に各ルーレット41~43を停止させるものとしたが、これに限らず、各ルーレット41~43を停止させる順序を変更させてもよく、また、各ルーレット41~43を同時に停止させてもよい。また、制御部10により、各ルーレット41~43の回転速度を段階的に低下させるようにしてもよい。
【0098】
また、上記した実施形態の演出装置1では、制御部10は、各モータ31~33のステップ数を制御することにより、各ルーレット41~43を所望の位置に停止させるものとしたが、これに限定されない。モータの回転数を検出するエンコーダを各モータ31~33に設け、各エンコーダの検出結果に基づいて、制御部10により、各ルーレット41~43の回転を制御してもよい。
【0099】
また、上記した実施形態の演出装置1では、ゲーミングマシン100から制御部10へ送信される演出コードは、ゲーミングマシン100のゲーム抽選の結果に応じたものであるとしたが、これに限定されない。演出装置1は、例えばゲーミングマシン100における各種ゲームの進行状況に応じて、演出処理を行ってもよい。
【0100】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0101】
1 演出装置
10 制御部
20 通信部
31 第1モータ
32 第2モータ
33 第3モータ
41 小ルーレット(ルーレット)
42 中ルーレット(ルーレット)
43 大ルーレット(ルーレット)
41a、42a、43a 表示面
50 発光部
55 導光板
80 記憶部
100 ゲーミングマシン
110 マシン側制御部