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特開2024-56520商標管理システム、商標管理方法、及び商標管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056520
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】商標管理システム、商標管理方法、及び商標管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20240416BHJP
【FI】
G06Q50/18 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163468
(22)【出願日】2022-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】522321933
【氏名又は名称】SPIDEX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100220711
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 朗
(72)【発明者】
【氏名】天羽 優太
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 拓規
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC16
5L050CC16
(57)【要約】
【課題】簡易な操作により、商標権の商標情報を即時に見易く一覧表示できる。
【解決手段】商標管理システム1は、記憶装置12を含む商標管理装置10と、商標管理装置10に通信接続されて操作者により操作される権利者端末40とを備える。商標管理装置10は、第1の端末40を識別する識別情報に基づき、特定の商標権者が所有する1以上の特定商標権を、記憶装置12から抽出して、権利者端末40に一覧表示させる表示手段3と、一覧表示された1以上の特定商標権について、少なくとも更新申請又は商標出品の何れかの機能を、権利者端末40からの選択指令により選択する機能選択手段5とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置を含む商標管理装置と、商標管理装置に通信接続されて操作者により操作される第1の端末と、を備える商標管理システムにおいて、
商標管理装置は、
第1の端末を識別する識別情報に基づき、特定の商標権者が所有する1以上の特定商標権を、記憶装置から抽出して、第1の端末に一覧表示させる表示手段と、
一覧表示された1以上の特定商標権について、少なくとも更新申請又は商標出品の何れかの機能を、第1の端末からの選択指令により選択する機能選択手段と、を含むことを特徴とする商標管理システム。
【請求項2】
表示手段は、第1の端末に保存されている商標管理アプリケーションソフトウエアが起動するとすぐに、1以上の特定商標権の商標情報を第1の端末に一覧表示させる即時表示手段を含み、
即時表示手段は、
第1の端末を識別する識別情報と、1以上の特定商標権に関連付けて記憶装置の商標管理テーブルに格納されている識別情報とが整合する場合、整合した識別情報に関連付けて格納されている特定商標権の商標情報を、商標管理テーブルから抽出する抽出部と、
抽出された特定商標権の商標情報を、識別情報により識別された第1の端末に表示させる商標情報送信部と、を含む請求項1に記載の商標管理システム。
【請求項3】
第1の端末からの選択指令により機能選択手段が更新申請を選択した場合に、更新申請の機能を実行する更新手段は、
一覧表示された特定商標権から選ばれた対象商標権について、第1の端末から更新要求を受信し、商標管理システム1が更新登録申請を受任する受任部と、
受任した対象商標権の存続期間更新登録申請書を作成する書面作成部と、
受任した対象商標権について、作成した存続期間更新登録申請書を、更新登録申請期間中に、特許庁システムを通じ特許庁に提出して、更新登録申請を実行する更新申請部と、
実行された更新登録申請の受領書を特許庁から受領し、更新要求した第1の端末に送信する終了通知部と、を含む請求項1に記載の商標管理システム。
【請求項4】
更新手段の更新申請部は、更新登録申請期間又は指定された更新登録申請日まで待って更新登録申請を実行する予約更新申請部を含む請求項3に記載の商標管理システム。
【請求項5】
商標管理装置に通信接続されて、第1の端末から出品要求された対象商標権を閲覧できる第2の端末を備え、
第1の端末からの選択指令により機能選択手段が商標出品を選択した場合に、商標出品の機能を実行する出品手段は、
一覧表示された特定商標権から選ばれた対象商標権について、第1の端末から出品要求を受信する出品要求受付部と、
出品要求された対象商標権の閲覧要求を第2の端末から受信する閲覧要求受付部と、
第1の端末から出品要求を受信しかつ第2の端末から閲覧要求を受信した後、出品要求された対象商標権を第2の端末に送信し表示させる出品商標表示部と、を含む請求項1に記載の商標管理システム。
【請求項6】
出品要求受付部は、一覧表示された特定商標権から選ばれた対象商標権の出品額又は商標の由来情報を、第1の端末から出品要求として受信し、
出品商標表示部は、出品要求された対象商標権の出品額又は商標の由来情報を第2の端末に送信し表示させる請求項5に記載の商標管理システム。
【請求項7】
商標管理装置は、住所の変更を第1の端末に通知する変更通知手段を更に含み、
変更通知手段は、
表示手段により一覧表示された特定商標権の商標権者の住所について、特許庁データベースから取得した住所の一部と、登記情報データベースから取得して記憶手段の住所名称登録手段に記憶されている住所の一部とを照合する第1照合部と、
第1照合部による照合の結果、住所の一部が同一の場合、住所名称登録手段に記憶されている住所を現住所として認定する認定部と、
表示手段により一覧表示された特定商標権の商標権者の住所について、認定部により認定された現住所の全部と、登記情報データベースに登録されている住所の全部とを定期又は不定期に照合する第2照合部と、
第1及び第2照合部による照合の結果、住所の一部又は住所の全部が相違する場合、特定商標権を一覧表示した第1の端末に対し、変更通知を送信する変更通知部と、を含む請求項1に記載の商標管理システム。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1に記載の商標管理システムとして機能させるための商標管理プログラム。
【請求項9】
権利者端末を識別する識別情報に基づき、特定の商標権者が所有する1以上の特定商標権を、商標管理装置の記憶装置から抽出して、商標管理装置が権利者端末に一覧表示させる過程と、
一覧表示された1以上の特定商標権について、少なくとも更新申請又は商標出品の何れかの機能を、権利者端末からの選択指令により商標管理装置が選択する過程と、を含むことを特徴とする商標管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末に商標一覧を表示させて、簡易な操作により商標管理ができる、商標管理システム、商標管理方法及び商標管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
多数の商標を所有している企業等では、その商標担当者が全ての商標情報を把握することは難しく、必要に応じて、商標管理システム(ソフトウエア)、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)にて、商標権者名称等の条件を都度入力し検索により、必要な商標情報を取得する。また、市販されている従来の商標管理システムは、操作が難しい、一覧表示が視覚上見難い課題があり、不慣れな者が操作すると、例えば更新期限の管理ミスが起こり得る。更に、商標権は財産権であるが、その意識が低く商標管理が不十分な企業等では、人員及びコストを十分にかけられず更新申請を忘れることがある。従って、商標権の商標情報を即時に見易く容易に一覧表示し、自己の財産権の存在を見える化及び意識化して、ミスのない商標管理が望まれる。また、従来の商標管理システムでは、端末としてパソコンを用いる必要があったが、パソコンだけでなくスマートフォン等を用いて手軽に操作し、商標情報を確認できることも有用である。
【0003】
更新し忘れ防止、管理負担軽減のために、多数の登録商標を所有する企業等は、特許事務所又は商標管理会社に、更新の期限管理及び申請手続を依頼するのが一般的である。しかし、特許事務所等に更新期限管理及び申請手続を依頼する費用は、特に中小企業にとって大きなコスト負担となる。また、特許事務所又は商標管理会社のサービス内容によっては、更新登録申請期間(次期更新料納付期限年月日前6カ月間)より相当前に更新依頼ができず更新登録申請期間直前でなければ受け付けられないこともある。これに対し、従来の商標管理システムの使用は、管理及び費用の負担を多少軽減できるが、単に更新期限を管理するに過ぎず、更新申請手続自体の失念、特許事務所等への依頼失念、人的ミスの可能性を回避できない。また、従来の商標管理システムでは、更新期限をその所定期間前に知ることはできるが、当該システムから更新依頼できる機能は無い。当該システムからの依頼により更新申請手続が全て自動完結する機能も無い。
【0004】
一方、商標権は財産権であり、商標権者は、使用により蓄積された高い財産的価値を有する商標権、又は不要となっても一定の財産的価値を有する自己の商標権の販売を希望する場合あり、従来、商標権を販売する機能及びその価値を判断する機能を有する商標管理システムは存在しない。更に、自己の複数の商標権に対し、更新期限管理と商標権売買の機能を同一システムにより実現できると、商標権者の手続負担を軽減できるため都合がよい。従って、1つのシステム(アプリケーションソフトウエア)において、商標更新、商標出品、及び商標評価額算定の各機能を有し、かつ各機能を容易に選択実行できるシステムの開発が望まれる。
【0005】
商標権者が住所及び/又は名称を変更した場合、その変更届を特許庁に提出し変更を登録する必要があるが、商標権者は、その必要性を知らない場合があり、又は必要性を知っているが変更届の手続を失念する場合がある。このような場合、外部データベースの変更情報に基づき、変更の通知を商標権者に送信し、変更届手続を促す商標管理が望まれる。また、従来の商標管理システムでは、当該システムから表示変更手続を依頼できる機能は無い。当該システムからの依頼により表示変更手続が全て自動完結する機能も無い。
【0006】
特許文献1は、複数の登録商標の更新手続処理を管理するための通信回線に接続可能なシステムであって、複数の登録商標の更新期限情報を含む商標情報を格納する商標情報格納手段と、複数の登録商標のうち、期間Nに更新期限が到来する対象商標に関し、期間N内の所定の期間に、通信回線を介して対象商標の更新、放棄または未定を含む取り扱いについての事前登録情報を一括して受け付ける事前登録手段と、未定である旨の事前登録情報が受け付けられた登録商標に関し、更新期限が迫っている旨を示す情報を告知する期限告知手段と、事前登録情報の確認若しくは変更、又は事前登録情報において未定とされた対象商標の更新、放棄若しくは商標情報の削除を含む取り扱いについての本登録情報を受け付ける本登録手段とを備え、事前登録手段、期限告知手段及び本登録手段は、事前登録情報の受け付け、更新期限が迫っている旨を示す情報の告知及び本登録情報の受け付けを新たな対象商標に関して順次繰り返す商標管理システムを開示する。即ち、特許文献1のシステムは、所定の期間に、対象商標の更新、放棄又は未定の事前登録情報を受け付けるが、いつでも更新を受け付けできるものではない。また、商標出品又は評価額算定の各機能を選択できるシステムではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005-284970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、簡易な操作により、商標権の商標情報を即時に見易く一覧表示できる商標管理システム、商標管理方法及び商標管理プログラムを提供することを目的とする。また、1システムにおいて商標権の更新又は出品の機能を選択実行できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の商標管理システム1は、記憶装置12を含む商標管理装置10と、商標管理装置10に通信接続されて操作者により操作される第1の端末40と、を備える。商標管理装置10は、第1の端末40を識別する識別情報に基づき、特定の商標権者が所有する1以上の特定商標権を、記憶装置12から抽出して、第1の端末40に一覧表示させる表示手段3と、一覧表示された1以上の特定商標権について、少なくとも更新申請又は商標出品の何れかの機能を、第1の端末40からの選択指令により選択する機能選択手段5とを含む。
【0010】
本発明の商標管理システム1では、操作者(商標権者又は商標権者を代理する者又はその他第三者)は、商標管理装置10の表示手段3により、第1の端末40を識別する識別情報に基づき特定商標権の一覧表示ができるため、例えば商標権者名称を都度入力する必要がなく、識別情報を記憶した第1の端末40にてアプリケーションソフトウエアを起動するだけで、特定商標権者の一覧を即時表示できる。また、従来、更新申請及び出品の両機能を有するシステムは存在しなかったが、本発明の商標管理システム1では、更新申請及び出品の両機能を有し、両機能の何れかを第1の端末40からの簡易な選択操作により実行できる。更新登録しない場合、従来は放置により権利放棄していたが、本発明では、出品機能によって、積極的に商標を活用したい第三者の商標選択の余地を迅速に広めることができ、また、自己所有の商標に財産的価値がある(売却できる)ことを商標権者が認知できる。第1の端末40の画面40aのボタンタップの簡易操作のみにより、商標権者は、更新期限管理をする必要がなく対象商標権の更新手続を完結でき、又は代理人に依頼せずに自ら対象商標権を販売譲渡できる。
【0011】
本発明の商標管理プログラムは、コンピュータを、前記の商標管理システムとして機能させるためのプログラムである。
【0012】
本発明の商標管理方法は、第1の端末40を識別する識別情報に基づき、特定の商標権者が所有する1以上の特定商標権を、商標管理装置10の記憶装置12から抽出して、商標管理装置10が第1の端末40に一覧表示させる過程と、一覧表示された1以上の特定商標権について、少なくとも更新申請又は商標出品の何れかの機能を、第1の端末40からの選択指令により商標管理装置10が選択する過程と、を含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明による商標管理システム、商標管理方法及び商標管理プログラムでは、操作者による手入力を都度必要とせずに、特定商標権者の特定商標権一覧をスマートフォン等の権利者端末に表示できる。このため、自己の財産権の件数及び内容を容易に見える化し把握できる。また本発明は、1システムにおいて少なくとも更新又は出品(販売)の機能を簡単な操作で選択実行できる画期的な一括システムである。商標権者が期限管理をしなくても更新漏れがなく更新申請手続を確実に完結でき、又は商標権者自らが対象商標権を市場に出品できるため、代理人費用を節約できかつ休眠商標の流動化を促進できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の商標管理システムを示すブロック図
図2】商標管理装置を示すブロック図
図3】本発明の商標管理方法の手順を示すフローチャート
図4】本発明の商標管理方法の手順を示すフローチャート
図5】本発明の商標管理方法の手順を示すフローチャート
図6】本発明の商標管理方法の手順を示すフローチャート
図7】権利者端末の表示画面を例示するスクリーンショット
図8】権利者端末の表示画面を例示するスクリーンショット(a)(b)(c)
図9】権利者端末の表示画面を例示するスクリーンショット(d)(e)(f)
図10】権利者端末の表示画面を例示するスクリーンショット(g)(h)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明による商標管理システム、管理方法及び管理プログラムの実施形態を図1図10を参照して説明する。下記実施形態及び図面の記載は例示であり本発明を限定解釈するものではない。
【0016】
図1は、本発明の商標管理システム1を概略示する。商標管理システム1は、記憶装置12を含む商標管理装置(商標管理サーバ、商標管理コンピュータ)10と、インターネット20、専用回線等を通じ商標管理装置10に通信接続されて、商標権者又は商標権者を代理する者(企業の社員、商標担当者、管理担当者、法務担当者、代理人)又はその他第三者を含む操作者により操作される1以上の第1の端末としての権利者端末(権利者側端末、販売者側端末、売手端末、商標権をウォッチ(監視)する端末)40と、商標管理装置10に通信接続されて、権利者端末40から出品要求された対象商標権を閲覧できる第2の端末としての閲覧者端末(閲覧者側端末、購入者端末、買手端末)50とを備える。商標管理装置10は、ハードウエア装置として処理装置11及び記憶装置12を含み、システムサーバとして機能する。処理装置(中央処理装置:CPU)11は、記憶装置12に記憶されている指令を読み込み処理に必要な指令を他の装置に与える制御装置と、制御装置からの指令に従い演算を実行する演算装置とを含む。記憶装置12は、例えば磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記憶媒体、半導体メモリ等、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体を含む。権利者端末40は、タッチ画面、キーボード等の入力装置と、表示画面40a、ディスプレイ等の出力装置とを備える、スマートフォン、タブレット、携帯電話、ノート型又はデスクトップ型パソコン等の装置である。
【0017】
図2は、商標管理装置10の構成を示すブロック図である。商標管理装置10は、権利者端末40等との通信を可能にする通信接続装置21と、権利者端末40に対しセッションID等の識別情報を付与送信し、1の権利者端末40を特定する識別情報を確定する識別情報付与確定手段2と、第1の端末40を識別する識別情報に基づき、特定の商標権者が所有する1以上の特定商標権を、記憶装置12から抽出して権利者端末40に一覧表示させる表示手段3と、特定の商標権者の住所及び/又は名称を第2の外部データベース80から取得して記憶装置12に保存する住所名称取得手段4と、一覧表示された1以上の特定商標権について、少なくとも更新申請又は商標出品の何れかの機能を、権利者端末40からの選択指令により選択する機能選択手段5とを含む。従って本発明では、1システムにおいて、例えばスマートフォンに保存された1つの商標管理アプリケーションソフトウエアにおいて、更新申請及び商標出品の何れか又は両方の機能を選択により容易に実現できる。本実施形態では、更に評価額算定の選択指令を含んでもよい。商標管理装置10は、更新手段6、評価額算定手段7、及び商標出品手段8を含み、権利者端末40からの選択指令により機能選択手段5が1の手段(機能)を選択して、各手段6,7,8の処理実行を実現できる。商標管理装置10は、特定商標権者の住所及び/又は名称の変更を権利者端末40に知らせる変更通知手段9を含んでもよい。商標管理装置10の前記各手段(機能)は、ソフトウエアとハードウエア資源とが協働することにより実現される。尚、本実施形態では、商標管理装置10は、1の商標管理サーバ、商標管理コンピュータにより構成されるが、複数のハードウエア資源、例えば、画面構成や表示制御を行うフロントサイドのサーバと、データベース処理、他システムへのAPI連携、画像処理、ユーザ通知処理を行うバックサイドのサーバとから構成されてもよい。
【0018】
本明細書において「特定商標権」とは、権利者端末40から指定された特定の商標権者が権利を所有し、権利者端末40に一覧表示される1以上の商標権を指称する。「対象商標権」とは、特定商標権の一覧表示の中から選ばれて、更新申請、評価額算定、又は商標出品の機能が実行される1以上の商標権を指称する。「一覧表示」とは、図8(a)に例示するように、一商標権に関する、登録商標、登録番号、区分、指定商品又は役務、更新期限等、の商標情報が、1件又は複数件列挙された一覧を意味する。一覧表示は、図8(a)画面40aのように上下方向に複数の特定商標権を列挙する他、左右方向に列挙することも含む。「商標情報」とは、商標イメージ、商標種類(文字、図形、文字と図形の結合、立体形状、色彩のみ、音、ホログラム、位置、動き)、商標の構成、シルエット、標準文字か否か、文字フォント、色彩、色コード、全体に占める空白率、文字間隔、出願番号、登録番号、公告番号、出願日、公開日、公告日、登録日、公報発行日、次回更新期限日、出願人名称、商標権者名称、商標権者法人番号、出願人住所、商標権者住所、特許庁識別番号、代理人氏名、拒絶理由、引例、年金納付情報、存続・失効情報、移転情報、対応外国登録商標の有無、異議申立て及び審判請求の有無、検索エンジンによるヒット件数、ドメイン取得可否、商標権者の業績等、第1及び第2の外部データベース(以下「第1の外部DB」及び「第2の外部DB」という)70,80又はインターネット検索により得られる、商標に関するあらゆる情報を含む。第1の外部DB、特に特許庁が提供する特許庁データベース(特許情報標準データ)(以下「特許庁DB」という)70からの商標情報は、商標管理装置10の商標管理データベース(商標管理記憶装置)(以下「商標情報DB」という)14に保存され、第2の外部DB、特に登記情報サービスサイト(以下「登記情報DB」という)80からの商標情報(登記情報)は、商標管理装置10の住所名称登録手段15に保存される。
【0019】
図2に示す識別情報付与確定手段2は、権利者端末40を動作させる商標管理アプリケーションソフトウエア(以下「商標管理アプリ」という)を操作者が権利者端末40にてダウンロードして記憶装置(図示せず)に保存して、商標管理アプリを最初に起動すると、その権利者端末40に対しセッションID等の識別情報を付与し、1の権利者端末40を識別する識別情報を確定する。権利者端末40を識別する識別情報とは、<1>識別情報付与確定手段2から権利者端末40に付与される識別情報(セッションID)の他、<2>識別情報付与確定手段2から付与されず、権利者端末40の操作者が作成する識別情報(ユーザID、ユーザ名、Eメールアドレス、パスワード)、<3>権利者端末40固有の識別情報(端末情報)(Macアドレス、IPアドレス、cookie)、及び<4>識別情報付与確定手段2で発生するが権利者端末40に付与されずに権利者端末40を識別する識別情報(ユーザID、ユーザ名、Eメールアドレス、パスワード)を含み得る。識別情報は、端末又は操作者個々に対しユニーク(固有、唯一)であればよい。1の権利者端末40を識別又は特定するために、1の又は2以上を組み合わせた識別情報を使用できる。
【0020】
1の権利者端末40の識別情報が確定されると、例えば、識別情報付与確定手段2で自動発行してその内部でのみ機能する識別情報(前記<4>)、即ちユーザID、ダミーユーザ名、及び/又はダミーEメールアドレスとダミーパスワードとを用い、商標管理アプリが初期ログインする。商標管理アプリのログイン状態を一定期間維持するためには、cookie(前記<3>)に保存されたセッションID(前記<1>)が用いられる。
【0021】
権利者端末40の記憶装置に保存された商標管理アプリは、端末40,50の画面40a,50a中のボタン(ユーザインターフェース)を通じ、操作者の操作を支援して商標管理システム1を動作させる。商標管理装置10は、識別情報が確定した権利者端末40から操作者が特定商標権者の名称(法人名又は個人名)を入力する。法人名が入力されると、商標管理装置10は、登記情報DB80としての登記情報サービスサイトの情報を検索し、関連する1以上の法人名を権利者端末40に表示し、操作者は、その中から1又は2以上の法人を選択する。
【0022】
図2に示す表示手段3は、特定商標取得手段31及び特定商標格納手段32を含み、権利者端末40を特定する識別情報に基づき、特定の商標権者が所有する特定商標権を記憶装置12の商標情報DB14又は商標管理テーブル16から抽出し、識別情報により識別された権利者端末40に特定商標権を一覧表示させる。特定商標取得手段31は、選択された1又は2以上の法人名又は入力された個人名に基づき、内部データベースとしての商標情報DB14を検索し、商標情報DB14から、特定商標権者の特定商標権の商標情報を取得する。特定商標格納手段32は、特定商標権が一覧表示された権利者端末40を特定する識別情報と関連付けて、その一覧表示された特定商標権の商標情報を商標管理テーブル(商標管理登録手段)16に格納する。特定商標取得手段31は詳細には、商標情報DB14を検索して、同一名称の異なる法人(個人)に異なる特許庁識別番号が付与されている場合、同一法人に異なる特許庁識別番号が付与されている場合(図7符号139,141)又は特許庁識別番号自体付与されていない場合(図7符号137)において、1又は2以上の特許庁識別番号含む又は含まない特定商標権の商標情報を取得し、特定商標格納手段32は、権利者端末40の操作者の選択(図7符号143の箇所のチェック)により、1又は2以上の特許庁識別番号含む又は含まない特定商標権の商標情報を商標管理テーブル16に格納する。商標管理テーブル16に格納される、権利者端末40(特定商標権者)を識別する識別情報として、前記<1>~<4>の1又は2以上の識別情報を用い得る。商標情報DB14には、予め商標情報が記憶され、その商標情報は、特許庁が提供する特許庁情報標準データ(特許庁DB)、その他の第1の外部DB70(図1)から得られ、又はインターネット検索により得られ、定期又は不定期に更新される。図2に示す住所名称取得手段4は、権利者端末40の操作者が1又は2以上の法人を選択した場合、少なくともその住所及び名称及び法人番号を登記情報DB80から取得し、権利者端末40、即ち特定商標権者(選択した法人)の識別情報と紐付けて住所名称登録手段15に記憶させる。一方、特定商標権者が個人の場合、権利者端末40から入力された住所及び名称が住所名称登録手段15に記憶され得る。本発明では、住所名称登録手段15に記憶された法人の住所及び/又は名称に対し登記情報DB80の住所及び/又は名称に変更があれば、後述する変更通知手段9によって、特許庁に表示変更手続をすべき旨を権利者端末40に対し速やかに通知し、権利者端末40の操作者は商標管理アプリを通じ表示変更手続の必要性を知ることができる。
【0023】
図2に示す表示手段3は、権利者端末40に保存されている商標管理アプリが起動するとすぐに、即ち商標権者名称等の手入力を都度必要とせずに自動で、1以上の特定商標権の商標情報を、権利者端末40に一覧表示させる即時表示手段33を含む。即時表示手段33は、抽出部33aと、商標情報送信部33bとを含み、抽出部33aは、初期ログイン後の2回目以降のログインのとき、商標管理アプリ起動の際、権利者端末40を識別する識別情報(上記<1>~<4>の何れか又は複数の識別情報)と、1以上の特定商標権に関連付けて記憶装置12の商標管理テーブル16に予め格納されている識別情報とを照合して整合する場合、即ち、2つの識別情報データが同一の場合、整合した識別情報に関連付けて格納されている特定商標権の商標情報を、商標管理テーブル16から抽出する。商標情報送信部33bは、抽出された特定商標権の商標情報を、識別情報により識別された(情報表示を要求した、商標管理アプリを起動した、ログインした)権利者端末40に表示させる。即ち、商標管理装置10の即時表示手段33は、操作者(商標権者又はその商標権者を代理する者又はその他第三者)が権利者端末40により商標管理装置10にアクセスすると(権利者端末40に保存された商標管理アプリを立ち上げると)、その商標権者(操作者が選択した法人又は入力した個人)が所有する1以上の特定商標権の商標情報を権利者端末40の画面40aに図8(a)のように一覧表示させる。従って、本発明では、商標権者名称、商標登録番号、パスワード、ログインIDを権利者端末40の操作者が改めて手入力する必要がなく、時間及び手間をかけずにすぐに自己の商標権の一覧表示を見える化できる。これにより自己が所有する又はウォッチ(監視)したい商標権の存在を常に意識できる。尚、表示手段3では、操作者が権利者端末40から、パスワード等の識別情報(前記<2>)を都度手入力してログインし、又は顔認証、指紋認証、声紋認証によりログインし、一覧表示させる機能を設けてもよい。
【0024】
図2に示す機能選択手段5は、一覧表示された1以上の特定商標権について、更新申請又は評価額算定又は商標出品の何れかの機能を、権利者端末40から通信接続装置21を通じ選択指令して選択できる。機能選択手段5は、例えば図8(a)の権利者端末40の画面40aから「更新する101」又は「出品する105」を選択できる手段(機能)である。図8(a)のように、「更新する101」及び「出品する105」を一画面に設け、特に並列表示することで、更新しない場合、出品する気持ちを心理的に促し、登録商標の流動化を図ることができる。権利者端末40からの更新要求により機能選択手段5が更新申請(更新する101)を選択した場合、更新申請の機能を実行する更新手段6は、一覧表示から選ばれた対象商標権の更新登録申請期間より前(次期更新料納付期限年月日(存続期間の満了日)前6カ月よりも前)に又は更新登録申請期間中に権利者端末40から予約更新要求を受信したとき、更新登録申請期間又は希望する更新登録申請日まで待って更新申請の機能を実行する予約更新手段6aと、対象商標権の更新登録申請期間(次期更新料納付期限年月日前6カ月から次期更新料納付期限年月日までの期間及び次期更新料納付期限年月日後6カ月の追納期間)に、権利者端末40から更新要求を受信したとき、すぐに更新申請の機能を実行する即時更新手段(図示せず)とを含む。
【0025】
図2に示す更新手段6は、権利者端末40からの更新要求により機能選択手段5が更新申請を選択した場合に、更新申請の機能を実行する。即ち、更新手段6は、特定商標権の一覧表示から選ばれる対象商標権について、権利者端末40から予約更新要求又は即時更新要求を受信し、商標管理システム1自体又はその管理者が更新登録申請を受任する受任部61と、受任した対象商標権の存続期間更新登録申請書を作成する書面作成部62と、受任した対象商標権について、作成した存続期間更新登録申請書を、更新登録申請期間中に、特許庁システムを通じ特許庁に提出して、更新登録申請を実行する更新申請部63と、実行された更新登録申請の受領書を特許庁から受領し、更新申請した権利者端末40に送信する終了通知部64とを含む。本発明では、例えば権利者端末40の画面40a「更新する101」のタップにより更新要求(更新依頼)のみ行えば、商標管理装置10は、更新申請手続を完結できるため、人的ミスによる更新申請漏れを確実に防ぐことができる。
【0026】
図2に示す予約更新手段6aでは、受任部61は、対象商標権の更新登録申請期間より前に又は更新登録申請期間中に権利者端末40から予約更新要求を受信し、商標管理システム1自体又はその管理者が更新登録申請を受任する予約受任部61aを含む。予約更新手段6aは、更新登録申請を実行する日を更新登録申請期間(満了日後の追納期間も含む)中の何れかの日に指定できる申請日指定部(図示せず)を含んでもよい。予約更新要求を受けた対象商標権は、予約更新記憶手段17に更新登録申請期間まで又は指定された更新登録申請日まで保持される。更新申請部63は、例えば商標管理テーブル16に記憶されている「次期更新料納付期限年月日(次回更新料納付期限日)」を参照して予約更新記憶手段17に保持された対象商標権を更新登録申請期間まで待って、又は指定された更新登録申請日まで待って、更新登録申請する予約更新申請部63aを含む。従って、更新登録申請期間前の所定期間のみ更新依頼を受け付ける従来技術(特許文献1)とは異なり、本発明では、商標権者が任意の時期にいつでも予約更新依頼をすることができる。これにより、商標権者は更新の期限管理をする必要がなく、期限管理ミス、更新申請手続の失念を回避できる。また、本発明の予約更新手段6aでは、更新登録申請期間中でも予約更新要求ができるため、例えば、出品要求した対象商標権が、存続期間の満了1カ月前に依然売れ残るが閲覧履歴又はお気に入りの数が多く更なる状況に応じて更新要否を決めたい場合に忘れずに予約更新要求しておく、使い方ができる。
【0027】
図2に示す評価額算定手段7は、権利者端末40からの選択指令により機能選択手段5が評価額算定(図10(h)「算定する115」)を選択した場合に、対象商標権の評価額を自動算定する。即ち評価額算定手段7は、対象商標権に係る商標について使用実績及び使用予定が無い場合、区分数と商標登録出願から登録までの費用とが考慮された第1評価額を出力する第1算定部と、第1評価額に係数を乗算した第2評価額を出力する第2算定部とを含む(図示せず)。また、評価額算定手段7は、使用実績又は使用予定が有る場合、売上予測額又は利益予測額を考慮した第3評価額を出力する第3算定部と、第3評価額に係数を乗算した第4評価額を出力する第4算定部とを含む(図示せず)。評価額算定手段7による商標権価値の自動算定は、自己資産把握及び売却前調査のために有益である。更に自己の商標権が侵害されたときの損害額算定にも有効である。
【0028】
図2に示す商標出品手段8は、権利者端末40からの選択指令により機能選択手段5が商標出品(図8(a)「出品する105」)を選択した場合に、商標出品の機能を実行する。即ち商標出品手段8は、特定商標権の一覧表示から選ばれる対象商標権について、権利者端末40から出品要求(出品依頼)として出品に関する情報を受信する出品要求受付部81と、出品要求された対象商標権の閲覧要求を第2の端末としての閲覧者端末50から受信する閲覧要求受付部82と、権利者端末40から出品要求(出品に関する情報)を受信しかつ閲覧者端末50から閲覧要求を受信した後、出品要求された対象商標権の出品に関する情報を含む出品商標のリストを閲覧者端末50に送信し表示させる出品商標表示部83とを含む。ここで、出品に関する情報とは、出品額、商標の由来情報(文字、図形、ロゴ等の商標について完成の由来、経緯、エピソード)、出品コメント、出品を希望する旨の要求を含む。本発明では、対象商標権の売却価格を自己が決定できるため、例えば、出品後低価格でも売却が強要されるネットオークションと異なり、自己の希望価格で販売できて商標権者にとって都合が良い。また、商標の由来情報を伝えることができるため、閲覧者が商標の由来を知ることで購入意欲が増加することも商標権者にとって都合が良い。
【0029】
一方、出品要求として、特定商標権の出品額を入力せずに単に出品を希望する旨の要求でもよい。この場合、出品商標表示部83は、出品額ではなく例えば「応相談」の表示を閲覧者端末50にさせる。即ち、商標権者は、購入希望者(閲覧者端末5の閲覧者)との交渉により販売額を決定し得る。図1のとおり商標管理装置10に通信接続された1以上の閲覧者端末50では、権利者端末40から出品要求された対象商標権を閲覧者が閲覧でき、これにより、閲覧者が閲覧者端末50から対象商標権を購入できる出品状態が成立する。ここで「商標出品」とは、商標権自体の出品だけでなく、商標権について設定又は許諾された使用権の出品を含み得る。
【0030】
出品手段8は、予約出品手段(図示せず)を含んでもよい。予約出品手段は、一覧表示された特定商標権から選ばれた対象商標権について、権利者端末40から予約出品要求を受信する予約出品要求受付部と、権利者端末40から予約出品要求を受信しかつ閲覧者端末50から閲覧要求を受信した後、予約出品要求された対象商標権を指定出品時期に閲覧者端末50に送信し表示させる予約出品商標表示部とを含む(図示せず)。予約出品要求は、対象商標権を閲覧者端末50に表示させる日時(指定出品時期)の指定を含む。予約出品手段では、権利者端末40の操作者が対象商標権の出品最適日時を指定出品時期として決定できる(例えば、クリスマス風のロゴを出品する場合クリスマス前を指定出品時期とする、企業の予算を使い切りたい年度末(例えば3月)前を指定出品時期とする、夜より朝が閲覧の可能性が高いと考えられるため朝の時間を指定出品時期とする、販売額を半値にして再出品する更新期限前6カ月を指定出品時期とする等)。
【0031】
図2に示す変更通知手段9は、特定商標権者の住所及び/又は名称が登記上変更された後、特許庁への住所及び/又は名称変更の登録がされたか否かを監視する第1及び第2照合部92a,92bとを含む。第1照合部92aは、表示手段3により一覧表示された特定商標権の商標権者の住所について、特許庁DB70から取得した住所の一部及び/又は名称と、登記情報DB80から取得して記憶手段12の住所名称登録手段15に記憶されている住所の一部(住所の全部の内一部)及び/又は名称とを照合する。この場合、特許庁DB70から取得した住所の一部及び/又は名称は、商標情報DB14又は商標管理テーブル16に記憶されている商標情報に含まれる住所である。「住所の一部(住所の全部の内一部)」とは、例えば市区町村まで、市のみ、又は外国名のみ等があり、例えば「東京都渋谷区」まで、「大阪市」のみ、「アメリカ合衆国」のみを意味する。第1照合部92aによる照合により、商標情報DB14(特許庁DB70)又は商標管理テーブル16に記録されている住所等が、登記情報DB80から得た登記されている住所等と同一か否か又は当該住所等を包含するか否かを、最初に簡易に確認できる。変更通知手段9は、第1照合部92aによる照合の結果、特許庁DB70から取得した住所の一部と、記憶手段12の住所名称登録手段15に記憶されている住所の一部とが同一の場合、住所名称登録手段15に記憶されている住所を現住所として認定する認定部95を含む。認定部95は、両者の名称が同一の場合も、住所名称登録手段15に記憶されている名称を現名称として認定する。
【0032】
第2照合部92bは、表示手段3により一覧表示された特定商標権の商標権者の住所及び/又は名称について、認定部95により認定された現住所の全部及び/又は現名称と、登記情報データベース80に登録されている住所の全部及び/又は現名称とを定期又は不定期に比較照合する。「住所の全部」とは、住所の全表記、例えば「東京都渋谷区渋谷1-1-1-303」であり、第2照合部92aによる照合は、第1照合部92aによる照合の後、任意の時に定期又は不定期に行われる。即ち、後日に登記上の住所及び/又は名称変更があった場合、住所名称登録手段15の現住所等と登記情報DB80の新住所等とを比較確認できる。変更通知手段9は更に、第1及び第2照合部92a,92bによる照合の結果、照合した住所の一部若しくは住所の全部及び/又は名称が互いに相違する場合、特定商標権を一覧表示した第1の端末40に対し、変更通知(プッシュ通知)を送信する変更通知部93を含む。変更通知部93による変更通知は、Eメール、ショートメール、LINE(登録商標)により行われる。第2照合部92bによる結果が相違する場合、変更通知手段9は、住所名称登録手段15を書き換え、新住所及び/又は新名称を現住所及び/又は新名称とする。本発明では、住所及び/又は名称の変更届をすべきことを知らない商標権者又は変更届を失念している商標権者に対し、変更通知手段9により通知することができる。尚、第1照合部92aによる照合を行わず、第2照合部92bによる照合のみ実行してもよい。
【0033】
商標管理装置10は、変更手続手段(図示せず)を設けてもよい。変更手続手段は、変更通知手段9により通知した結果、通知された対象商標権について、権利者端末40から変更手続要求を受信し、商標管理システム1自体又はその管理者が変更手続要求を受任する変更手続受任部と、受任した対象商標権の表示変更登録申請書を作成する変更手続書面作成部と、受任した対象商標権について、作成した表示変更登録申請書を、紙媒体に出力する出力部と、特許庁に表示変更手続を行った旨を権利者端末40に送信する表示変更手続申請終了通知部とを含む(図示せず)。本発明では、例えば権利者端末40の画面40a「表示変更する」(図示せず)のタップにより表示変更要求(表示変更依頼)のみ行えば、商標管理装置10は、表示変更手続を完結できるため、人的ミスによる表示変更申請漏れを確実に防ぐことができる。
【0034】
商標管理システム1は、ドメイン取得システム(例えば「お名前.com」https://www.onamae.com/、「X server Domain」https://www.xdomain.ne.jp、「Google Domains」https://domains.google/、「Star Domain」https://www.star-domain.jp、)と連携させてよい。これにより、商標出品手段8は、文字商標(例えば図9(e)「花畑123」)の対象商標権が購入される際又は購入後、ドメイン取得システムにて当該文字商標に関連する取得可能ドメイン(例えばhanabatake.com、flowergarden.jp)を検索し、それが存在する場合、商標権購入者は、商標権購入と連携して、関連するドメインを商標管理システム1から申込み又は購入できる。逆に、ドメイン取得システムでドメイン(例えば、hanabatake.com、flowergarden.jp)が購入される際又は購入後、当該ドメインに関連する取得可能な対象商標権(例えば文字商標「花畑123」)が商標管理システム1の出品商標記憶手段18に存在する場合、ドメイン購入者は、ドメイン購入と連携して関連する対象商標権をドメイン取得システムから申込み又は購入できる。一般的に、購入者は関連する文字商標(例えば図9(e)「花畑123」)とドメイン(例えば、hanabatake.com、flowergarden.jp)の双方を購入したいと考えるケースが多かった。しかし、その双方の購入可能性を事前に確認した上で連携して取得できるシステムは存在しなかった。また、購入者が所望の文字商標を決めてから関連するドメインを探す場合、又は所望のドメインを決めてから関連する文字商標を探す場合、関連する文字商標とドメインの双方を購入可能な候補があるとき、その旨を購入者に知らしめる機能があれば尚よい。
【0035】
商標管理システム1の商標出品手段8は、ロゴデザイン依頼システム(例えば「クラウドワークス」https://crowdworks.jp、「ランサーズ」https://www.lancers.jp)と連携してもよい。これにより、商標管理システム1にて対象商標権(例えば文字商標)が購入される際又は購入後、商標権購入者は、商標権購入と連携してロゴマークのデザインを商標管理システム1から依頼できる。
【0036】
本発明では、以上詳述した商標管理システム1の各構成を機能に置き換えて、商標管理方法が成立する。以下、本発明の商標管理方法について図3図10を参照して説明する。
図3は、本発明による商標管理方法のフローチャートを示す。最初に、操作者は、第1の端末としての権利者端末40にて商標管理アプリケーションソフトウエア(商標管理アプリ)をダウンロードし(S1)起動する(S3)。商標管理装置10は、商標管理アプリの起動を受信すると(S5)、当該権利者端末40及び商標管理アプリを特定するための識別情報(セッションID等)を付与し(S7)権利者端末40に送信する。権利者端末40は、識別情報を受信し(S9)商標管理装置10に対する初期ログイン状態となり、操作者により特定の商標権者の名称が入力される(S11)と、商標管理装置10は、特定商標権者名称を受付け(S13)、商標権者の名称が法人名の場合、登記情報DB、例えば登記情報サービスサイト80の情報を検索し、関連する1以上の法人名を権利者端末40に表示し、操作者は、その中から1の法人を選択する。次に、商標管理装置10は、選択された1の法人名に基づき、商標情報が予め特許庁DB70から蓄積されている商標情報DB14を検索して、特定商標権者の特定商標権の商標情報を取得する(S15)。商標管理装置10は、取得した特定商標権の商標情報を、商標管理装置10から付与された又は権利者端末40固有の又は商標管理装置10内部でのみ機能する識別情報と関連付けて商標管理テーブル16に格納する(S17)。その特定商標権の特定商標権者の住所、名称及び法人番号を、住所名称取得手段4が登記情報DB80から得て、特定商標権者(権利者端末40)の識別情報と紐付けて住所名称登録手段15に記憶し(S18)、変更通知手段9は、第1照合部92aによって、住所名称登録手段15に記憶された特定商標権者の住所の一部及び/又は名称と、対応する特定商標権者の住所の一部/又は名称(商標情報DB14の商標情報に含まれている)とを比較照合して(S19)、両者が異なる場合、変更通知部93によって、権利者端末40に変更通知を送信する。一方、両者が同一の場合、認定部95によって、住所名称登録手段15に記憶されている住所及び名称を、現住所及び現名称として認知する。
【0037】
商標管理装置10は、権利者端末40に特定商標権の商標情報を一覧表示させるための指示を送信する(S20)。権利者端末40は、一覧表示の指示を受信し特定商標権の一覧表示を画面40aで実行する(S21)。図8(a)は、スマートフォン(商標権者端末)40による商標管理アプリの使用状態を示し、特定商標権が一覧表示された「管理している商標」の画面40aである。図8(a)では4つの特定商標権を示すが、画面40aを下方にスクロールすれば更に複数の特定商標権の商標情報の表示を確認できる。一方、商標管理装置10は、特定商標権者の名称を受付(S13)後、商標情報DB14を検索しても特定商標権者の特定商標権が存在しない場合、商標管理装置10は、権利者端末40に商標権を表示しないよう指令する。次に、商標管理アプリを一旦終了した(S23)後の商標管理方法を図4にて説明する。
【0038】
権利者端末40にて操作者が商標管理アプリを起動(2回目以降のログインを)すると(S25)、権利者端末40は自らの識別情報を情報表示要求として自動送信し、商標管理装置10の即時表示手段33は、識別情報を受信し(S27)、商標管理テーブル16を検索する。権利者端末40から送信された識別情報と、特定商標権に関連付けて商標管理テーブル16に既に格納されている(S17参照)識別情報とを照合し整合する場合、整合した識別情報に関連付けて格納されている特定商標権の商標情報を商標管理テーブル16から抽出する(S29)。商標管理装置10は、抽出された特定商標権の商標情報を、ログインした(識別されている)権利者端末40に対し一覧表示させる指示を送信する(S31)。権利者端末40は、指示を受信し、図8(a)のように1以上の特定商標権の商標情報を一覧表示する(S33)。このように本発明では、商標管理アプリを起動すると即時に特定商標権の一覧表示を確認できるため、自己財産としての商標権を常に意識できる。
【0039】
権利者端末40が1以上の特定商標権の中から操作者により選ばれた対象商標権(図8(a)では登録商標「GHI」)について、更新申請の選択を指令すると(S35)、即ち図8(a)「更新する101」をタップすると、商標管理装置10は機能選択手段5によって更新申請を選択し(S37)、権利者端末40に対し更新申請画面の表示を指令する(S39)。本発明では、1つの商標管理アプリにて複数機能の中から更新申請の機能を容易に選択実行できる。表示指令(S39)を受け権利者端末40は、本実施形態では、図8(b)に示す更新の画面40aを表示し(S41)、操作者が更新年数「10年102」をマークし、ボタン「更新手続きを依頼104」をタップして更新要求を送信する(図4符号A S43)。本実施形態では、更新登録申請期間前に更新依頼して更新登録申請期間まで待って実際に更新手続を実行する予約更新(自動更新)の例を示す。予約更新により、更新申請手続自体の失念、特許事務所等への依頼失念、人的ミスを有効に回避できる。予約更新により、図8(a)の登録商標「JKL」のように、ボタンが白塗りの「更新予約中103」に変わり、予約更新要求がされ更新申請手続の受任がされたことを表す。
【0040】
商標管理装置10は、更新手段6の受任部61によって、権利者端末40から更新要求を受信して、商標管理システム1自体又はその管理者が更新登録申請を受任する(図5符号A S61)。更新要求は、更新登録申請期間の前に限らずいつでも要求可能であり、その場合、予約受任部61aは、当該商標権を予約更新記憶手段17に更新登録申請期間まで保持する。商標管理装置10は、書面作成部62によって、受任した対象商標権の存続期間更新登録申請書を自動的に作成し(S63)、更新申請部63によって、受任した対象商標権について、作成した存続期間更新登録申請書を、更新登録申請期間中に特許庁システムを通じ特許庁に提出して、更新登録申請を実行する(S69)。商標管理装置10は、実行前に更新登録申請する旨の通知メールを対象商標権者の権利者端末40に自動送信してもよい。操作者が権利者端末40を通じ申請書を確認した(S65)後、権利者端末40から更新申請の最終的な指令を受けてもよい(S67)。対象商標権の更新登録申請期間より前に予約更新要求を受信した場合、予約更新申請部63aは、更新登録申請期間まで待って更新登録申請を実行する。商標管理装置10は、終了通知部64によって、実行された更新登録申請の受領書を特許庁から受領し、更新要求した権利者端末40に対し更新申請手続の終了を通知し(S71)、権利者端末40が通知を受領して(S73)更新申請手続が完了する。
【0041】
1以上の特定商標権の中から操作者により選ばれた対象商標権について、権利者端末40が商標出品の選択を指令すると(S45)、例えば図8(a)登録商標「ABC」の「出品する105」をタップすると、商標管理装置10は機能選択手段5によって商標出品を選択し(S47)、権利者端末40に対し商標出品画面の表示を指令する(S49)。本発明では、1つの商標管理アプリにて複数機能の中から商標出品の機能を容易に選択実行できる。表示指令(S49)を受け権利者端末40は、図8(c)に示す出品の画面40aを表示し(S51)、対象商標権について、「商標売却価格」の欄114に例えば出品額「132600」円を入力し、「出品する116」をタップして対象商標の出品要求を送信する(図4符号B S53)。
【0042】
商標管理装置10は、出品手段8の出品要求受付部81によって、権利者端末40から出品要求を受付け(図6符号B S81)、出品商標記憶手段18(図2)に出品額(又は購入希望者(閲覧者端末5の閲覧者)との相談により販売額を決定すること)を出品商標権と関連付けて記憶する。図8(a)画面40aの登録商標「DEF」の白塗り「出品中113」は、出品要求が受け付けられた対象商標権を表す。第2の端末としての閲覧者端末50では、出品中の対象商標権を閲覧者が閲覧したいとき、図9(d)に示す「ジャンルから探す」画面50aから、例えば「飲食119」をタップすると、商標管理装置10に対し出品商標の閲覧要求を送信し(S83)、商標管理装置10は、閲覧要求受付部82により閲覧要求を受け付ける(S85)。商標管理装置10は、権利者端末40からの商標出品要求と閲覧者端末50からの閲覧要求との両方を受信した後、出品額表示部83によって、閲覧者端末50に対し出品商標とその出品額の表示を指令し(S87)、閲覧者端末50は、信号を受信し、図9(e)のとおり出品商標123及び出品額121を含む出品商標リストを「商標一覧」画面50aに表示する(S89)。これにより、閲覧者が閲覧者端末50から対象商標権を購入できる出品状態が成立する。共有に係る商標権の場合、共有に係る商標権者全員から商標出品要求(S53)があったことを条件に出品状態が成立してもよい。
【0043】
出品状態では、例えば商標の更新期限が迫ると対象商標権の価格を当初の出品額から減額する機能、広告を付した対象商標権の売却成立の確率が高まる機能(見易い上位に表示、他より大きく表示)を商標管理装置10に設けてもよい。出品商標リストの掲載期限を設け、掲載期限前にカウントダウン表示をして、購入意欲を掻き立ててもよい。商標管理装置10は、商標出品要求と閲覧要求の両方を受信しても、対象商標が登録異議申立て、取消審判又は無効審判に係属中との商標情報を、商標情報DB14又は商標管理テーブル16から受けた場合、登録維持決定又は請求棄却審決が確定するまで、閲覧者端末50に対象商標権の出品額を送信せずに出品状態が成立しない機能を設けてもよい(取消決定又は請求認容審決(取消若しくは無効)が確定した場合も当然に出品状態が成立しない)。
【0044】
閲覧者端末50の閲覧者は、閲覧者端末50に表示された出品状態の出品商標リストから購入希望する対象商標権(図9(e)では登録商標「花畑123」)を選択し(S91)、商標管理装置10は、信号を受信し、選択された対象商標権の商標情報の表示を閲覧者端末50に指令する。閲覧者端末50は、例えば図9(f)のように、対象商標「花畑」に関する各商標情報123a-123dを画面50aに表示し、閲覧者は、対象商標権を購入する場合、「購入する125」をタップし、支払い情報(例えばクレジットカード情報)を入力後、商標権購入を実行する(S93)。商標管理装置10は、閲覧者端末50から購入実行を受信し(S95)、当該対象商標権を所有する商標権者の権利者端末40に対し購入実行があった旨通知すると共に、閲覧者端末50に対し購入のお礼、例えば「ご購入ありがとうございます。」の通知をする。
【0045】
その後、商標管理装置10は、例えば図10(g)に示す委任状確認画面の表示を権利者端末40及び閲覧者端末50に指令し(S97)、所定事項が自動記入された委任状を、対象商標権の譲渡人及び譲受人は、ダウンロードマーク125をタップして権利者端末40及び閲覧者端末50を通じて商標管理装置10からダウンロードし(S99,S101)、内容確認後「委任状確認127」をチェックし(S103,S105)、商標管理装置10は委任状確認を受信する(S107)。次に、商標管理装置10は、所定事項が自動記入された譲渡証書のダウンロード画面(図示せず)の表示を権利者端末40に指令する(S109)か、又は当該譲渡証書をEメールに添付して権利者端末40に自動送信する。対象商標権の譲渡人は、譲渡証書をダウンロードし(S111)印刷して捺印後、その原本を商標管理システム1の管理者に送付する。このように、商標管理装置10が委任状及び譲渡証書を自動作成してダウンロードできるため、譲渡人及び譲受人にとって、書類作成の負担軽減が図られる。別法として、将来的に譲渡証書の電子署名が認められた場合、譲渡証書をダウンロードし電子署名して商標管理装置10に送信することで、商標管理装置10の管理者に原本を送付することなく、譲渡手続を完結できる。
【0046】
図10(h)は、図8(a)の画面40aの登録商標「ABC」の付近112をタップした次の詳細画面40aを示す。図10(h)「算定する115」をタップすると、商標管理装置10の評価額算定手段7は、登録商標「ABC」の評価額を算定し、権利者端末40に送信する。権利者端末40の操作者は、評価額を確認した後に商標権の出品要求を決めることができる。
【0047】
商標管理システム及び商標管理方法の前記実施形態では、出品要求されている対象商標権の閲覧要求を閲覧者端末50から受信する(S83)閲覧要求受付部82を示すが、閲覧要求受付部82は、登録商標、商品、役務、その他の商標情報に関する所望キーワードを閲覧者端末50から受け、記憶装置12の予約キーワード記憶手段(図示せず)に記憶してもよい。この場合、出品手段8の比較部(図示せず)は、予約キーワード記憶手段に記憶された所望キーワードと、出品商標記憶手段18に出品額と共に記憶された複数の対象商標権の商標情報とを比較し、両者が一致又は類似した場合、即ち、所望キーワードに一致又は類似するキーワードを有する対象商標権の商標情報を発見した場合、出品商標表示部83は、当該対象商標権の商標情報及び出品額を閲覧者端末50に表示指令する(S87)。また、閲覧要求受付部82は、登録商標、商品、役務、その他の商標情報に関する所望キーワードを閲覧者端末50から受けた後、出品商標記憶手段18において所望キーワードの一致又は類似が無い場合、次に商標管理テーブル16を検索して、商標情報について所望キーワードの一致又は類似が有る場合に、未出品の特定商標権を所有する商標権利者(権利者端末40)に対しその旨を通知し商標出品を促す出品促進部(図示せず)を設けてもよい。
【0048】
一方、両者が一致又は類似しない場合(即ち所望キーワードを含む商標情報を有する対象商標権が出品商標記憶手段18だけでなく商標管理テーブル16にも存在しない場合)、出品手段8の新商標提案部(図示せず)は、予約キーワード記憶手段に記憶された所望キーワードに基づき、また商標情報DB14を照合して(例えば先行登録商標と同一又は類似商標を除外して)、1以上の新商標候補を提案し閲覧者端末50に送信してもよい。提案された新商標について閲覧者が商標登録出願を希望する場合、例えば、商標管理システム1は、連携する出願書類生成システムにより願書案を自動生成させて、閲覧者端末50に送信してもよい。提案された新商標について商標登録出願を希望しない場合、出品手段8の比較部は、その後定期又は不定期に、出品商標記憶手段18を比較照合し続け、所望キーワードを含む商標情報を有する対象商標権が現れたとき、出品商標表示部83は、商標情報及び出品額を閲覧者端末50に表示指令してもよい(S87)。
【0049】
商標管理装置10による住所等の変更通知方法を以下具体的に説明する。商標管理装置10の変更通知手段9は、商標情報、例えば商標権者住所及び/又は名称に変更があった場合にその旨を権利者端末40に通知し得る。即ち、表示手段3により一覧表示された特定商標権の商標権者の住所及び/又は名称について、最初に、変更通知手段9の第1照合部92aによって、特許庁DB70から取得して(S15)商標情報DB14又は商標管理テーブルに記憶(S18)されている住所の一部(例えば東京都渋谷区)及び/又は名称と、登記情報DB80から取得して住所名称登録手段15に記憶されている特定商標権の特定商標権者の住所(例えば東京都渋谷区渋谷1-1-1-303)の一部(例えば東京都渋谷区)及び/又は名称とを照合する(S19)。第1照合部92aによる照合の結果、住所の一部及び/又は名称が同一の場合、認定部95によって、住所名称登録手段15に記憶されている住所を現住所(例えば東京都渋谷区渋谷1-1-1-303)及び記憶されている名称を現名称として認定する。次に、第2照合部92bによって、認定部95により認定された現住所の全部(例えば東京都渋谷区渋谷1-1-1-303)及び/又は名称と、登記情報データベース80に登録されている住所の全部(例えば東京都新宿区高田馬場2-2-2)及び/又は名称とを定期(例えば1日1回)又は不定期に照合する。更に、変更通知手段9の変更通知部93によって、第1及び第2照合部92a,92bによる照合の結果、照合された住所の一部若しくは住所の全部が相違する場合又は照合された名称が相違する場合、即ち特定商標権の商標情報に変更があった場合、特定商標権の商標情報を一覧表示した権利者端末40に対し、変更通知を送信する。第2照合部92bによる結果が相違する場合、変更通知手段9は、住所名称登録手段15を書き換え、新住所(例えば東京都新宿区高田馬場2-2-2)等を現住所等とする。前記実施形態では、第1照合部92aによる照合後に第2照合部92bによる照合を実行するが、第2照合部92bによる照合を先に実行しても、第2照合部92bのみ実行してもよい。
【0050】
前記全ての実施形態では、権利者端末(第1の端末)40を商標権売手側及び更新用の端末としてのみ、閲覧者端末(第2の端末)50を商標権買手側の端末としてのみ記載したが、共通の商標管理アプリケーションソフトウエアを使用すれば、第1の端末が商標権買手側の端末(閲覧者端末)として、第2の端末が商標権売手側及び更新用の端末(権利者端末)として、機能し得る。即ち、物理的に一の端末において、権利者端末(第1の端末)及び閲覧者端末(第2の端末)の両方の機能を実現できる。また、前記商標権の更新及び購入の費用支払いは、クレジットカード払い、指定口座への振込により、権利者端末40及び閲覧者端末50の操作により、商標管理システム1にて実行できる。更に、商標出品による商標権譲渡の交渉が生じる場合、商標管理システム1から専門家に依頼し得る。
【0051】
本発明は、コンピュータを、商標管理システムとして機能させるための商標管理プログラムであってもよい。この場合、各手段及び各部が有する機能の処理内容はプログラムに記述されて、プログラムをコンピュータで実行することにより、各手段及び各部の処理がコンピュータ上で実現され得る。例えば、商標管理プログラムを記憶する記憶装置12と、記憶装置12に接続されプログラムの処理動作を制御及び処理する処理装置11とを備える。記憶装置12は、例えば磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記憶媒体、半導体メモリ等、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体を含む。更に、前記実施形態により詳述された商標管理方法を、記憶装置に記憶された商標管理プログラムで実行してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の商標管理システム、商標管理方法及び商標管理プログラムでは、商標権だけでなく、他の産業財産権の年金管理及び売買にも利用可能である。また、本発明の商標管理システムは、商標の売買だけでなく、商標と共に事業を含むM&A(企業の合併及び買収)システムであってもよい。
【符号の説明】
【0053】
1・・商標管理システム、 3・・表示手段、 5・・機能選択手段、 6・・更新手段、 8・・出品手段、 9・・変更通知手段、 10・・商標管理装置、 12・・記憶装置、 16・・商標管理テーブル、 33・・即時表示手段、 33a・・抽出部、 33b・・商標情報送信部、 40・・第1の端末(権利者端末)、 50・・第2の端末(閲覧者端末)、 61・・受任部、 61a・・予約受任部、 62・・書面作成部、 63・・更新申請部、 63a・・予約更新申請部、 64・・終了通知部、 70・・特許庁データベース(第1の外部データベース)、 80・・登記情報データベース(第2の外部データベース)、 81・・出品要求受付部、 82・・閲覧要求受付部、 83・・出品商標表示部、 92a・・第1照合部、 92b・・第2照合部、 93・・変更通知部、 95・・認定部、
図1
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