(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056522
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】表示画像の調整方法、表示システム、及び情報処理用プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/74 20060101AFI20240416BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240416BHJP
G09G 5/02 20060101ALI20240416BHJP
G09G 5/377 20060101ALI20240416BHJP
H04N 9/31 20060101ALI20240416BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
H04N5/74 D
G09G5/00 X
G09G5/00 520A
G09G5/00 550C
G09G5/02 B
G09G5/36 520M
G09G5/00 510V
G09G5/00 510B
H04N9/31 820
H04N5/64 501D
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163470
(22)【出願日】2022-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大池 匠
【テーマコード(参考)】
5C058
5C060
5C182
【Fターム(参考)】
5C058BA07
5C058BA35
5C058EA02
5C058EA03
5C058EA26
5C060JA18
5C060JB06
5C182AA03
5C182AA04
5C182AC31
5C182BA14
5C182BB12
5C182CA11
5C182CA21
5C182CA42
5C182CB54
5C182DA70
(57)【要約】
【課題】投射画面を撮像した撮像画像を用いて画面の色合いを補正する場合に、調整時間を短くする。
【解決手段】第1の全体画像AP1と目標画像OPとを含む範囲を撮像した第1の撮像画像を取得することと、第1の撮像画像における、第1の単位画像UPの階調値と第2の単位画像UPの階調値とに基づいて、第4の単位画像UPが有する階調値が補正された第4の階調値を取得することと、第1の撮像画像における第1の単位画像UPの階調値と、第3の単位画像UPの階調値とに基づいて、第5の単位画像UPが有する階調値が補正された第5の階調値を取得することと、目標画像OPの階調値と第4の階調値との差分である第1の階調値差を算出することと、目標画像OPの階調値と第5の階調値との差分ある第2の階調値差を算出することと、第1の階調値差が第2の階調値差以上である場合には、第1の補正値を用いて表示画像を補正することとを含む調整方法。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の領域に位置し、第1の階調値を有する第1の単位画像、
第2の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第2の単位画像、
第3の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第3の単位画像、
第4の領域に位置し、前記第1の階調値とは互いに異なる第2の階調値を有する第4の単位画像、及び
第5の領域に位置し、前記第1の階調値及び前記第2の階調値とは互いに異なる第3の階調値を有する第5の単位画像を含み、
前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第4の領域までの距離以下であり、
前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第2の領域から前記第5の領域までの距離以下であり、
前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第5の領域までの距離以下であり、
前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第3の領域から前記第4の領域までの距離以下である
第1の全体画像を第1の表示装置が表示することと、
前記第1の全体画像と、階調値の補正の目標となる目標画像とを含む範囲を撮像した第1の撮像画像を取得することと、
前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第2の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第4の単位画像が有する階調値が補正された第4の階調値を取得することと、
前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第3の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第5の単位画像が有する階調値が補正された第5の階調値を取得することと、
前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第4の階調値との差分である第1の階調値差を算出することと、
前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第5の階調値との差分である第2の階調値差を算出することと、
前記第1の階調値差が前記第2の階調値差以上である場合には、第1の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正し、前記第1の階調値差が前記第2の階調値差未満である場合には、第2の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正することと、
を含む表示画像の調整方法。
【請求項2】
前記目標画像は、前記第1の全体画像の上に重畳される
ことを特徴とする、請求項1に記載の表示画像の調整方法。
【請求項3】
前記目標画像は、前記第1の全体画像の第6の領域に位置し、
前記第1の全体画像の中心位置から、前記第6の領域までの距離は、前記中心位置から前記第1の領域までの距離より短く、
前記第1の全体画像の中心位置から、前記第6の領域までの距離は、前記中心位置から前記第2の領域までの距離より短く、
前記第1の全体画像の中心位置から、前記第6の領域までの距離は、前記中心位置から前記第3の領域までの距離より短く、
前記第1の全体画像の中心位置から、前記第6の領域までの距離は、前記中心位置から前記第4の領域までの距離より短く、
前記第1の全体画像の中心位置から、前記第6の領域までの距離は、前記中心位置から前記第5の領域までの距離より短い
ことを特徴とする、請求項2に記載の表示画像の調整方法。
【請求項4】
第2の表示装置が前記目標画像を含む第2の全体画像を表示する
ことを特徴とする、請求項1に記載の表示画像の調整方法。
【請求項5】
前記第1の表示装置によって表示された、表示画像の階調値に関する品質を判定するために用いる判定画像を含む領域を撮像した第2の撮像画像を取得することと、
前記第2の表示装置によって表示された、前記判定画像を含む領域を撮像した第3の撮像画像を取得することと、を更に含み、
前記品質の基準となる基準階調値と、前記第3の撮像画像における前記判定画像が有する階調値との差分である第3の階調値差は、前記基準階調値と、前記第2の撮像画像における前記判定画像が有する階調値との差分である第4の階調値差よりも小さい
ことを特徴とする、請求項4に記載の表示画像の調整方法。
【請求項6】
前記第1の表示装置によって表示された、表示画像の階調値に関する品質を判定するために用いる判定画像を含む領域を撮像した第2の撮像画像を取得することと、
前記第2の表示装置によって表示された、前記判定画像を含む領域を撮像した第3の撮像画像を取得することと、
第3の表示装置によって表示された、前記判定画像を含む領域を撮像した第4の撮像画像を取得することと、
前記第2の撮像画像における前記判定画像の階調値と、前記第3の撮像画像における前記判定画像の階調値と、前記第4の撮像画像における前記判定画像の階調値と、の平均値を取得することと、を更に含み、
前記平均値と前記第3の撮像画像における前記判定画像の階調値との差分である第3の階調値差は、前記平均値と前記第2の撮像画像における前記判定画像が有する階調値との差分である第4の階調値差よりも小さく、
前記第3の階調値差は、前記平均値と前記第4の撮像画像における前記判定画像の階調値との差分である第5の階調値差よりも小さく、
第6の領域に位置し、第6の階調値を有する第6の単位画像、
第7の領域に位置し、前記第6の階調値を有する第7の単位画像、
第8の領域に位置し、前記第6の階調値を有する第8の単位画像、
第9の領域に位置し、前記第6の階調値とは互いに異なる第7の階調値を有する第9の単位画像、及び
第10の領域に位置し、前記第6の階調値及び前記第7の階調値の各々とは互いに異なる第8の階調値を有する第10の単位画像を含み、
前記第7の領域から前記第9の領域までの距離は、前記第6の領域から前記第9の領域までの距離以下であり、
前記第7の領域から前記第9の領域までの距離は、前記第7の領域から前記第10の領域までの距離以下であり、
前記第8の領域から前記第10の領域までの距離は、前記第6の領域から前記第10の領域までの距離以下であり、
前記第8の領域から前記第10の領域までの距離は、前記第8の領域から前記第9の領域までの距離以下である
第3の全体画像を、前記第3の表示装置が表示することと、
前記第3の全体画像と、前記目標画像と、を含む範囲を撮像した第5の撮像画像を取得することと、
前記第5の撮像画像における、前記第6の単位画像の階調値と、前記第7の単位画像の階調値とに基づいて、前記第5の撮像画像において前記第9の単位画像が有する階調値が補正された第9の階調値を取得することと、
前記第5の撮像画像における、前記第6の単位画像の階調値と、前記第8の単位画像の階調値とに基づいて、前記第5の撮像画像において前記第10の単位画像が有する階調値が補正された第10の階調値を取得することと、
前記第5の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第9の階調値との差分である第3の階調値差を算出することと、
前記第5の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第10の階調値との差分である第4の階調値差を算出することと、
前記第3の階調値差が前記第4の階調値差以上である場合には、第3の補正値を用いて、前記第3の表示装置が表示する表示画像を補正し、前記第3の階調値差が前記第4の階調値差未満である場合には、第4の補正値を用いて、第3の表示装置が表示する表示画像を補正することと、を更に含む
ことを特徴とする、請求項4に記載の表示画像の調整方法。
【請求項7】
前記第2の表示画像が表示する表示画像は、第1の方向において、前記第1の表示装置が表示する表示画像と、第3の表示装置が表示する表示画像と、の間に位置し、
第6の領域に位置し、第6の階調値を有する第6の単位画像、
第7の領域に位置し、前記第6の階調値を有する第7の単位画像、
第8の領域に位置し、前記第6の階調値を有する第8の単位画像、
第9の領域に位置し、前記第6の階調値とは互いに異なる第7の階調値を有する第9の単位画像、及び
第10の領域に位置し、前記第6の階調値及び前記第7の階調値の各々とは互いに異なる第8の階調値を有する第10の単位画像を含み、
前記第7の領域から前記第9の領域までの距離は、前記第6の領域から前記第9の領域までの距離以下であり、
前記第7の領域から前記第9の領域までの距離は、前記第7の領域から前記第10の領域までの距離以下であり、
前記第8の領域から前記第10の領域までの距離は、前記第6の領域から前記第10の領域までの距離以下であり、
前記第8の領域から前記第10の領域までの距離は、前記第8の領域から前記第9の領域までの距離以下である
第3の全体画像を、前記第3の表示装置が表示することと、
前記第3の全体画像と、前記目標画像と、を含む範囲を撮像した第5の撮像画像を取得することと、
前記第5の撮像画像における、前記第6の単位画像の階調値と、前記第7の単位画像の階調値とに基づいて、前記第5の撮像画像において前記第9の単位画像が有する階調値が補正された第9の階調値を取得することと、
前記第5の撮像画像における、前記第6の単位画像の階調値と、前記第8の単位画像の階調値とに基づいて、前記第5の撮像画像において前記第10の単位画像が有する階調値が補正された第10の階調値を取得することと、
前記第5の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第9の階調値との差分である第3の階調値差を算出することと、
前記第5の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第10の階調値との差分である第4の階調値差を算出することと、
前記第3の階調値差が前記第4の階調値差以上である場合には、第3の補正値を用いて、前記第3の表示装置が表示する表示画像を補正し、前記第3の階調値差が前記第4の階調値差未満である場合には、第4の補正値を用いて、第3の表示装置が表示する表示画像を補正することと、を更に含む
ことを特徴とする、請求項4に記載の表示画像の調整方法。
【請求項8】
前記第1の階調値差が前記第2の階調値差以上である場合に、前記第1の全体画像を、前記第1の補正値を用いて補正することと、
前記第1の階調値差が前記第2の階調値差未満である場合に、前記第1の全体画像を、前記第2の補正値を用いて補正することと、
を更に含む、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の表示画像の調整方法。
【請求項9】
第1の領域に位置し、第1の階調値を有する第1の単位画像、
第2の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第2の単位画像、
第3の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第3の単位画像、
第4の領域に位置し、前記第1の階調値とは互いに異なる第2の階調値を有する第4の単位画像、及び
第5の領域に位置し、前記第1の階調値及び前記第2の階調値の各々とは互いに異なる第3の階調値を有する第5の単位画像を含み、
前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第4の領域までの距離以下であり、
前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第2の領域から前記第5の領域までの距離以下であり、
前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第5の領域までの距離以下であり、
前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第3の領域から前記第4の領域までの距離以下である
第1の全体画像を表示する第1の表示装置と、
前記第1の全体画像と、階調値の補正の目標となる目標画像とを含む範囲を撮像した第1の撮像画像を生成する撮像装置と、
前記第1の撮像画像を取得することと、
前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第2の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第4の単位画像が有する階調値が補正された第4の階調値を取得することと、
前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第3の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第5の単位画像が有する階調値が補正された第5の階調値を取得することと、
前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第4の階調値との差分である第1の階調値差を算出することと、
前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第5の階調値との差分である第2の階調値差を算出することと、
前記第1の階調値差が前記第2の階調値差以上である場合には、第1の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正し、前記第1の階調値差が前記第2の階調値差未満である場合には、第2の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正することと、を実行する情報処理装置と、
を備えることを特徴とする表示システム。
【請求項10】
第1の領域に位置し、第1の階調値を有する第1の単位画像、
第2の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第2の単位画像、
第3の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第3の単位画像、
第4の領域に位置し、前記第1の階調値とは互いに異なる第2の階調値を有する第4の単位画像、
第5の領域に位置し、前記第1の階調値及び前記第2の階調値の各々とは互いに異なる第3の階調値を有する第5の単位画像を含み、
前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第4の領域までの距離以下であり、
前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第2の領域から前記第5の領域までの距離以下であり、
前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第5の領域までの距離以下であり、
前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第3の領域から前記第4の領域までの距離以下である
第1の全体画像を表示する第1の表示装置と、
階調値の補正の目標となる目標画像を表示する第2の表示装置と、
前記第1の全体画像と、前記目標画像とを含む範囲を撮像した第1の撮像画像を生成する撮像装置と、
前記第1の撮像画像を取得することと、
前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第2の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第4の単位画像が有する階調値が補正された第4の階調値を取得することと、
前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第3の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第5の単位画像が有する階調値が補正された第5の階調値を取得することと、
前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第4の階調値との差分である第1の階調値差を算出することと、
前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第5の階調値との差分である第2の階調値差を算出することと、
前記第1の階調値差が前記第2の階調値差以上である場合には、第1の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正し、前記第1の階調値差が前記第2の階調値差未満である場合には、第2の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正することと、を実行する情報処理装置と、
を備えることを特徴とする表示システム。
【請求項11】
第1の領域に位置し、第1の階調値を有する第1の単位画像、
第2の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第2の単位画像、
第3の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第3の単位画像、
第4の領域に位置し、前記第1の階調値とは互いに異なる第2の階調値を有する第4の単位画像、及び
第5の領域に位置し、前記第1の階調値及び前記第2の階調値の各々とは互いに異なる第3の階調値を有する第5の単位画像を含み、
前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第4の領域以下であり、
前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第2の領域から前記第5の領域以下であり、
前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第5の領域以下であり、
前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第3の領域から前記第4の領域以下である
第1の全体画像を、第1の表示装置に表示させることと、
前記第1の全体画像と、階調値の補正の目標となる目標画像とを含む範囲を撮像装置が撮像した第1の撮像画像を取得することと、
前記第1の撮像画像を取得することと、
前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第2の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第4の単位画像が有する階調値が補正された第4の階調値を取得することと、
前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第3の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第5の単位画像が有する階調値が補正された第5の階調値を取得することと、
前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第4の階調値との差分である第1の階調値差を算出することと、
前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第5の階調値との差分である第2の階調値差を算出することと、
前記第1の階調値差が前記第2の階調値差以上である場合には、第1の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正し、前記第1の階調値差が前記第2の階調値差未満である場合には、第2の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正することと、
をコンピュータに実行させる、情報処理用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画像の調整方法、表示システム、及び情報処理用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数台のプロジェクターを用いたマルチプロジェクションを実行する場合に、投射される画面の色合いのプロジェクター間での個体差を解消することを目的に、投射画面を撮像した撮像画像を用いて、画面の色合いを補正する技術が用いられることがある。
【0003】
例えば、特許文献1は、予め設定された階調ごとに用意された、赤色、緑色、及び青色の単色のラスター画像を1枚ずつ投射して、投射されたラスター画像を撮影し、撮影結果に基づいて投射画像の色合いを補正する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に係る技術においては、単色のラスター画像を、明るさを変えて撮像することを繰り返す必要がある。この結果、撮像パターン数が多くなることによって、調整時間が長くなり、ユーザーの利便性が低下するという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る表示画像の調整方法は、第1の領域に位置し、第1の階調値を有する第1の単位画像、第2の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第2の単位画像、第3の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第3の単位画像、第4の領域に位置し、前記第1の階調値とは互いに異なる第2の階調値を有する第4の単位画像、及び第5の領域に位置し、前記第1の階調値及び前記第2の階調値とは互いに異なる第3の階調値を有する第5の単位画像を含み、前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第4の領域までの距離以下であり、前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第2の領域から前記第5の領域までの距離以下であり、前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第5の領域までの距離以下であり、前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第3の領域から前記第4の領域までの距離以下である第1の全体画像を第1の表示装置が表示することと、前記第1の全体画像と、階調値の補正の目標となる目標画像とを含む範囲を撮像した第1の撮像画像を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第2の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第4の単位画像が有する階調値が補正された第4の階調値を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第3の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第5の単位画像が有する階調値が補正された第5の階調値を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第4の階調値との差分である第1の階調値差を算出することと、前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第5の階調値との差分である第2の階調値差を算出することと、前記第1の階調値差が前記第2の階調値差以上である場合には、第1の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正し、前記第1の階調値差が前記第2の階調値差未満である場合には、第2の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正することと、を含む。
【0007】
本発明の一態様に係る表示システムは、第1の領域に位置し、第1の階調値を有する第1の単位画像、第2の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第2の単位画像、第3の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第3の単位画像、第4の領域に位置し、前記第1の階調値とは互いに異なる第2の階調値を有する第4の単位画像、及び第5の領域に位置し、前記第1の階調値及び前記第2の階調値の各々とは互いに異なる第3の階調値を有する第5の単位画像を含み、前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第4の領域までの距離以下であり、前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第2の領域から前記第5の領域までの距離以下であり、前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第5の領域までの距離以下であり、前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第3の領域から前記第4の領域までの距離以下である第1の全体画像を表示する第1の表示装置と、前記第1の全体画像と、階調値の補正の目標となる目標画像とを含む範囲を撮像した第1の撮像画像を生成する撮像装置と、前記第1の撮像画像を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第2の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第4の単位画像が有する階調値が補正された第4の階調値を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第3の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第5の単位画像が有する階調値が補正された第5の階調値を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第4の階調値との差分である第1の階調値差を算出することと、前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第5の階調値との差分である第2の階調値差を算出することと、前記第1の階調値差が前記第2の階調値差以上である場合には、第1の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正し、前記第1の階調値差が前記第2の階調値差未満である場合には、第2の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正することと、を実行する情報処理装置と、を備える。
【0008】
本発明の他の態様に係る表示システムは、第1の領域に位置し、第1の階調値を有する第1の単位画像、第2の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第2の単位画像、第3の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第3の単位画像、第4の領域に位置し、前記第1の階調値とは互いに異なる第2の階調値を有する第4の単位画像、第5の領域に位置し、前記第1の階調値及び前記第2の階調値の各々とは互いに異なる第3の階調値を有する第5の単位画像を含み、前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第4の領域までの距離以下であり、前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第2の領域から前記第5の領域までの距離以下であり、前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第5の領域までの距離以下であり、前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第3の領域から前記第4の領域までの距離以下である第1の全体画像を表示する第1の表示装置と、階調値の補正の目標となる目標画像を表示する第2の表示装置と、前記第1の全体画像と、前記目標画像とを含む範囲を撮像した第1の撮像画像を生成する撮像装置と、前記第1の撮像画像を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第2の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第4の単位画像が有する階調値が補正された第4の階調値を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第3の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第5の単位画像が有する階調値が補正された第5の階調値を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第4の階調値との差分である第1の階調値差を算出することと、前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第5の階調値との差分である第2の階調値差を算出することと、前記第1の階調値差が前記第2の階調値差以上である場合には、第1の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正し、前記第1の階調値差が前記第2の階調値差未満である場合には、第2の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正することと、を実行する情報処理装置と、を備える。
【0009】
本発明の一態様に係る情報処理用プログラムは、第1の領域に位置し、第1の階調値を有する第1の単位画像、第2の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第2の単位画像、第3の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第3の単位画像、第4の領域に位置し、前記第1の階調値とは互いに異なる第2の階調値を有する第4の単位画像、及び第5の領域に位置し、前記第1の階調値及び前記第2の階調値の各々とは互いに異なる第3の階調値を有する第5の単位画像を含み、前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第4の領域以下であり、前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第2の領域から前記第5の領域以下であり、前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第5の領域以下であり、前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第3の領域から前記第4の領域以下である第1の全体画像を、第1の表示装置に表示させることと、前記第1の全体画像と、階調値の補正の目標となる目標画像とを含む範囲を撮像装置が撮像した第1の撮像画像を取得することと、前記第1の撮像画像を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第2の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第4の単位画像が有する階調値が補正された第4の階調値を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第3の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第5の単位画像が有する階調値が補正された第5の階調値を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第4の階調値との差分である第1の階調値差を算出することと、前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第5の階調値との差分である第2の階調値差を算出することと、前記第1の階調値差が前記第2の階調値差以上である場合には、第1の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正し、前記第1の階調値差が前記第2の階調値差未満である場合には、第2の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正することと、をコンピュータに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】第1のプロジェクター20-1の構成を示すブロック図。
【
図4】情報処理装置10の構成例を示すブロック図。
【
図6】情報処理装置10の動作を示すフローチャート。
【
図7】情報処理装置10の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0012】
1:第1実施形態
1-1:全体構成
図1及び
図2は、第1実施形態に係る表示システム1の構成を示すブロック図である。表示システム1は、情報処理装置10と、第1のプロジェクター20-1と、第2のプロジェクター20-2と、撮像装置30とを備える。情報処理装置10と、第1のプロジェクター20-1と、第2のプロジェクター20-2と、撮像装置30とは、通信網NETを介して、互いに通信可能に接続される。
【0013】
第1のプロジェクター20-1及び第2のプロジェクター20-2は、例えば壁面又はスクリーンに対して投射画像を投射することにより、表示画像を表示させる。撮像装置30は、第1のプロジェクター20-1によって壁面又はスクリーンに表示された表示画像、及び第2のプロジェクター20-2によって壁面又はスクリーンに表示された表示画像を撮像する。また、撮像装置30は、撮像した撮像画像を、情報処理装置10に出力する。撮像装置30は、情報処理装置10による制御のもとで、各種画像を撮像する。例えば、PC、タブレット端末、及びスマートフォンに備わるカメラが撮像装置30として好適に利用されるが、これには限定されず、WEBカメラなどの外付けのカメラであってもよい。情報処理装置10は、撮像装置30から取得した撮像画像を用いて、第1のプロジェクター20-1及び第2のプロジェクター20-2の色補正値を算出する。例えば、PC、タブレット端末、及びスマートフォンが情報処理装置10として好適に利用されるが、これには限定されない。なお、
図1においては、2台のプロジェクターである第1のプロジェクター20-1と第2のプロジェクター20-2とが示されているが、これはあくまで一例である。表示システム1は、任意の台数のプロジェクター20を備えることが可能である。
【0014】
表示システム1においては、最初に
図1に示されるように、第1のプロジェクター20-1が、目標となる階調値を有する目標画像OPと、全体画像AP1とを投射する。全体画像AP1は、目標画像OPが有する階調値から階調をずらした複数の階調値を有する単位画像UPであって、各々が単一の階調値を有する複数の単位画像UP[0]~UP[n](nは、1以上の整数)によって構成される。
図1に示される例においては、目標画像OPは、全体画像AP1の上に重畳されて表示される。その後、情報処理装置10が、撮像装置30による目標画像OPと全体画像AP1との撮像結果に基づいて、第1のプロジェクター20-1の階調値を補正する補正値を算出する。なお、
図1において、第1のプロジェクター20-1は「第1の表示装置」の一例である。また、全体画像AP1は、「第1の全体画像」の一例である。
【0015】
次に
図2に示されるように、表示システム1において、階調値が補正された第1のプロジェクター20-1が、目標となる階調値を有する目標画像OPを投射する。また、第2のプロジェクター20-2が、全体画像AP2を投射する。全体画像AP2は、目標画像OPが有する階調値から階調をずらした複数の階調値を有する単位画像UPであって、各々が単一の階調値を有する複数の単位画像UP[0]~UP[n](nは、1以上の整数)によって構成される。その後、情報処理装置10が、撮像装置30による目標画像OPと全体画像AP2との撮像結果に基づいて、第2のプロジェクター20-2の階調値を補正する補正値を算出する。なお、
図2において、第2のプロジェクター20-2は、「第1の表示装置」の一例である。一方、第1のプロジェクター20-1は「第2の表示装置」の一例である。また、全体画像AP2は、「第1の全体画像」の一例である。全体画像AP1は、「第2の全体画像」の一例である。全体画像AP1と全体画像AP2とは、同一の画像であってもよく、異なる画像であってもよい。また、全体画像AP1及びAP2における、単位画像UP[0]~UP[n]の位置は任意である。
【0016】
1-2:プロジェクターの構成
図3は、第1のプロジェクター20-1の構成を示すブロック図である。第1のプロジェクター20-1は、投射装置210、処理装置220、記憶装置230、及び通信装置240を備える。第1のプロジェクター20-1の各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスで相互に接続される。また、第1のプロジェクター20-1の各要素は、単数又は複数の機器で構成され、第1のプロジェクター20-1の一部の要素は省略されてもよい。なお、第2のプロジェクター20-2については、第1のプロジェクター20-1と同様に構成されているため図示を省略する。
【0017】
投射装置210は、後述の取得部221によって情報処理装置10から取得された目標画像OP及び全体画像AP1を壁又はスクリーンに投射する装置である。投射装置210は、処理装置220による制御のもとで、各種画像を投写する。投射装置210は、例えば、光源、液晶パネル、及び投射レンズを含み、光源からの光を、液晶パネルを用いて変調する。また、投射装置210は、変調された光を、投射レンズを介してスクリーンや壁等に投射する。投射装置210は液晶パネルを含む構成を例示したが、これに限定されない。例えば、デジタルミラーデバイスを含む構成としてもよい。投射装置210は、目標画像OP及び全体画像AP1を壁又はスクリーンに投射することができればよい。
【0018】
処理装置220は、第1のプロジェクター20-1の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップで構成される。処理装置220は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成される。なお、処理装置220の機能の一部又は全部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現してもよい。処理装置220は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0019】
記憶装置230は、処理装置220が読取可能な記録媒体であり、処理装置220が実行する制御プログラムPR2を含む複数のプログラムを記憶する。記憶装置230は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つによって構成されてもよい。記憶装置230は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ又は主記憶装置等と呼ばれてもよい。
【0020】
通信装置240は、他の装置と通信を行うための、送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置240は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置240は、有線接続用のコネクターを備え、上記コネクターに対応するインタフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置240は、無線通信インタフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクター及びインタフェース回路としては有線LAN、IEEE1394、USBに準拠したものが挙げられる。また、無線通信インタフェースとしては無線LANやBluetooth(登録商標)等に準拠したものが挙げられる。
【0021】
処理装置220は、記憶装置230から制御プログラムPR2を読み出して実行することによって、取得部221、及び投射制御部222として機能する。なお、制御プログラムPR2は、通信網NETを介して、第1のプロジェクター20-1を管理するサーバなどの他の装置から送信されてもよい。
【0022】
取得部221は、通信装置240を介して、情報処理装置10から、目標画像OP及び全体画像AP1を取得する。
【0023】
投射制御部222は、取得部221によって取得された目標画像OP及び全体画像AP1を、投射装置210により、壁又はスクリーンに対して投射させる。
【0024】
なお、図示はしないが、第1のプロジェクター20-1は、その他、通常のプロジェクターに備わる機能を有する。
【0025】
1-3:情報処理装置の構成
図4は、情報処理装置10の構成例を示すブロック図である。情報処理装置10は、PCを典型例とするが、これには限定されず、例えばタブレット端末やスマートフォンであってもよい。情報処理装置10は、処理装置110、記憶装置120、表示装置130、及び通信装置140を備える。情報処理装置10の各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスで相互に接続される。
【0026】
処理装置110は、情報処理装置10の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップで構成される。処理装置110は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成される。なお、処理装置110の機能の一部又は全部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現してもよい。処理装置110は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0027】
記憶装置120は、処理装置110が読取及び書込が可能な記録媒体であり、処理装置110が実行する制御プログラムPR1を含む複数のプログラムを記憶する。また、記憶装置120は、第1のプロジェクター20-1、及び第2のプロジェクター20-2で投射される画像を記憶してもよい。更に、記憶装置120は、第1のプロジェクター20-1及び第2のプロジェクター20-2の配置に係るレイアウト情報を記憶してもよい。記憶装置120は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つによって構成されてもよい。記憶装置120は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ又は主記憶装置等と呼ばれてもよい。
【0028】
表示装置130は、画像や文字情報を表示するデバイスである。表示装置130は、処理装置110による制御のもとで各種の画像を表示する。例えば、液晶表示パネル及び有機EL(Electro Luminescence)表示パネル等の各種の表示パネルが表示装置130として好適に利用される。
【0029】
通信装置140は、他の装置と通信を行うための、送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置140は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置140は、有線接続用のコネクターを備え、上記コネクターに対応するインタフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置140は、無線通信インタフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクター及びインタフェース回路としては有線LAN、IEEE1394、USBに準拠したものが挙げられる。また、無線通信インタフェースとしては無線LANやBluetooth(登録商標)等に準拠したものが挙げられる。
【0030】
処理装置110は、記憶装置120から制御プログラムPR1を読み出して実行することによって、検出部111、生成部112、出力部113、第1取得部114、第2取得部115、第3取得部116、第1算出部117、第2算出部118、及び補正部119として機能する。なお、制御プログラムPR1は、通信網NETを介して、情報処理装置10を管理するサーバなどの他の装置から送信されてもよい。
【0031】
検出部111は、第1のプロジェクター20-1による投射画像の壁又はスクリーンへの投射位置を検出する。具体的には、検出部111は、第1のプロジェクター20-1にドットパターン又はチェスボードパターンを投射させる。その上で、検出部111は、撮像装置30から、第1のプロジェクター20-1に投射させた投射画像内の各部が、撮像装置30のカメラ画素のどこに写っているかを示す情報を取得する。更に、検出部111は、取得した情報に基づいて、撮像装置30内のカメラ座標系における、第1のプロジェクター20-1によって投射される投射画像の位置を検出する。同様に、検出部111は、第2のプロジェクター20-2による投射画像の壁又はスクリーンへの投射位置を検出する。
【0032】
生成部112は、目標画像OP、全体画像AP1及びAP2を生成する。
【0033】
図5は、目標画像OP及び全体画像AP1の一例である。
図5に示される例においては、全体画像AP1は、複数の単位画像UPによって構成される。また、当該複数の単位画像UPには、単位画像UP[A]、単位画像UP[0]、単位画像UP[0’]、単位画像UP[k]、単位画像UP[k’]が含まれる。ここで、単位画像UP[A]は、「第1の単位画像」の一例である。単位画像UP[0]は、「第2の単位画像」の一例である。単位画像UP[0’]は、「第3の単位画像」の一例である。単位画像UP[k]は、「第4の単位画像」の一例である。単位画像UP[k’]は、「第5の単位画像」の一例である。
【0034】
また、全体画像AP1において、単位画像UP[A]が位置する領域を「第1の領域」と呼称する。同様に、全体画像AP1において、単位画像UP[0]が位置する領域を「第2の領域」と呼称する。全体画像AP1において、単位画像UP[0’]が位置する領域を「第3の領域」と呼称する。全体画像AP1において、単位画像UP[k]が位置する領域を「第4の領域」と呼称する。全体画像AP1において、単位画像UP[k’]が位置する領域を「第5の領域」と呼称する。ここで、第2の領域と第4の領域とは、互いに近距離に位置する。具体的には、第2の領域から第4の領域までの距離は、第1の領域から第4の領域までの距離以下である。また、第2の領域から第4の領域までの距離は、第2の領域から第5の領域までの距離以下である。同様に、第3の領域と第5の領域とは、互いに近距離に位置する。具体的には、第3の領域から第5の領域までの距離は、第1の領域から第5の領域までの距離以下である。また、第3の領域から第5の領域までの距離は、第3の領域から第4の領域までの距離以下である。
【0035】
また、目標画像OPは、全体画像AP1の中央付近である第6の領域に位置する。具体的には、全体画像AP1の中心位置から第6の領域までの距離は、全体画像AP1の中心位置から第1の領域までの距離より短い。また、全体画像AP1の中心位置から第6の領域までの距離は、全体画像AP1の中心位置から第2の領域までの距離より短い。また、全体画像AP1の中心位置から第6の領域までの距離は、全体画像AP1の中心位置から第3の領域までの距離より短い。また、全体画像AP1の中心位置から第6の領域までの距離は、全体画像AP1の中心位置から第4の領域までの距離より短い。また、全体画像AP1の中心位置から第6の領域までの距離は、全体画像AP1の中心位置から第5の領域までの距離より短い。
【0036】
更に、単位画像UP[A]と、単位画像UP[0]と、単位画像UP[0’]とは、同一の階調値である「第1の階調値」を有する。一方で、単位画像UP[k]は、「第1の階調値」とは異なる「第2の階調値」を有する。また、単位画像UP[k’]は、「第1の階調値」とも「第2の階調値」とも異なる、「第3の階調値」を有する。
【0037】
図4において、出力部113は、目標画像OP及び全体画像AP1を、第1のプロジェクター20-1に出力する。また、出力部113は、全体画像AP2を、第2のプロジェクター20-2に出力する。なお、出力部113が、目標画像OP及び全体画像AP1を、第1のプロジェクター20-1に出力することは、目標画像OP及び全体画像AP1を、「第1の表示装置に表示させること」の一例である。同様に、出力部113が、目標画像OP及び全体画像AP2を、第2のプロジェクター20-2に出力することは、目標画像OP及び全体画像AP2を、「第2の表示装置に表示させること」の一例である。
【0038】
第1取得部114は、撮像装置30によって撮像された、全体画像AP1と、目標画像OPとを含む範囲を撮像した撮像画像を取得する。第1取得部114によって取得される当該撮像画像は、「第1の撮像画像」の一例である。
【0039】
ここで、撮像装置30によって撮像された撮像画像における、各画素のRGB値を(Rcamera,Gcamera,Bcamera)とした場合、全体画像AP1を構成する各単位画像UPの階調値r,gは、以下の式により算出される。
r=Rcamera/(Rcamera+Gcamera+Bcamera) 式(1)
g=Gcamera/(Rcamera+Gcamera+Bcamera) 式(2)
色度を示すRGB値は、階調値の一例である。
【0040】
第2取得部115は、第1の撮像画像における、単位画像UP[A]の階調値と、単位画像UP[0]の階調値とに基づいて、単位画像UP[k]が有する階調値が補正された階調値を取得する。当該補正された階調値は、「第4の階調値」の一例である。
【0041】
撮像画像における、単位画像UP[0]の階調値rをr0、単位画像UP[A]の階調値rをrA、単位画像UP[k]の補正前の階調値rをrk、補正後の階調値rである第4の階調値をrk2=rk+Δrkとした場合、Δrkは、以下の式で表される。
Δrk=r0-rA 式(3)
すなわち第4の階調値rk2は、以下の値となる。
rk2=rk+Δrk=rk+r0-rA 式(4)
【0042】
同様に、撮像画像における、単位画像UP[0]の階調値gをg0、単位画像UP[A]の階調値gをgA、単位画像UP[k]の補正前の階調値gをgk、補正後の階調値gである第4の階調値をgk2=gk+Δgkとした場合、Δgkは、以下の式で表される。
Δgk=g0-gA 式(5)
すなわち第4の階調値gk2は、以下の値となる。
gk2=gk+Δgk=gk+g0-gA 式(6)
【0043】
なお、式(3)~式(6)はあくまで一例であって、Δr
k、r
k2、Δg
k、g
k2を算出する数式は、これらに限定されない。
図5に例示される全体画像AP1の撮像画像において、単位画像UP[k]の左に隣接する単位画像を単位画像UP[0]とする。また、単位画像UP[k]の上に隣接する単位画像を単位画像UP[1]とする。また、単位画像UP[k]の右に隣接する単位画像を単位画像UP[2]とする。更に、単位画像UP[k]の下に隣接する単位画像を単位画像UP[3]とする。また、単位画像UP[0]の階調値rをr
0、階調値gをg
0とする。同様に、単位画像UP[1]の階調値rをr
1、階調値gをg
1とする。単位画像UP[2]の階調値rをr
2、階調値gをg
2とする。単位画像UP[3]の階調値rをr
3、階調値gをg
3とする。ここで、式(3)及び式(4)におけるr
0の代わりに、r
0、r
1、r
2、及びr
3の平均値を用いてもよい。同様に、式(5)及び式(6)におけるg
0の代わりに、g
0、g
1、g
2、及びg
3の平均値を用いてもよい。
【0044】
なお、式(4)及び式(6)によって求められた階調値rk2、gk2は、単位画像UP[k]を、仮に単位画像UP[A]の位置で表示した場合に、第1の撮像画像において測定される単位画像UP[k]の階調値を意味する。
【0045】
図4において、第3取得部116は、第1の撮像画像における、単位画像UP[A]の階調値と、単位画像UP[0’]の階調値とに基づいて、単位画像UP[k’]が有する階調値が補正された階調値を取得する。当該補正された階調値は、「第5の階調値」の一例である。なお、第3取得部116によって取得される第5の階調値の算出方法は、第2取得部115によって取得される第4の階調値の算出方法と同様であるため、その説明を省略する。
【0046】
第1算出部117は、第1の撮像画像における目標画像OPの階調値と、第4の階調値との差分である階調値差Δrg1を算出する。当該階調値差は「第1の階調値差」の一例である。
【0047】
第1の撮像画像における目標画像OPの階調値rをr
target,階調値gをg
targetとした場合に、第1の階調値差Δrg
1は以下の数式により算出される。
【数1】
【0048】
第2算出部118は、第1の撮像画像における目標画像OPの階調値と、第5の階調値との差分である階調値差Δrg2を算出する。当該階調値差は「第2の階調値差」の一例である。なお、第2算出部118による第2の階調値差Δrg2の算出方法は、第1算出部117による第1の階調値差Δrg1の算出方法と同様であるため、その説明を省略する。
【0049】
補正部119は、第1の階調値差Δrg1が第2の階調値差Δrg2以上である場合には、投射画像としての全体画像APにおける、目標画像OPの階調値と、第5の単位画像である単位画像UP[k’]の階調値である第3の階調値との差分量を補正値として用いることにより、第1のプロジェクター20-1による表示画像を補正する。当該補正値は「第1の補正値」の一例である。また、補正部119は、第1の階調値差Δrg1が第2の階調値差Δrg2未満である場合には、投射画像としての全体画像APにおける、目標画像OPの階調値と、第4の単位画像である単位画像UP[k]の階調値である第2の階調値との差分量を補正値として用いることにより、第1のプロジェクター20-1による表示画像を補正する。当該補正値は「第2の補正値」の一例である。
【0050】
なお、説明の簡略化のため、上記の説明においては、補正部119は、第4の単位画像である単位画像UP[k]と第5の単位画像である単位画像UP[k’]の2つの単位画像UPの階調値のみを比較することにより、第1のプロジェクター20-1による表示画像を補正する補正値を導出した。しかし、実際には、補正部119は、全体画像APを構成する全ての単位画像UPについて同様の計算を実行し、最もΔrgが小さい単位画像UPを求める。その上で、補正部119は、目標画像OPの階調値と、求めた単位画像UPにおける階調値との差分量を補正値として求める。
【0051】
更に、情報処理装置10は、第1のプロジェクター20-1によって表示される階調を、複数の閾値を用いて複数のレベルに分割した上で、階調のレベルごとに、上記の補正処理を実行してもよい。また、情報処理装置10は、第2のプロジェクター20-2に対しても、同様の補正処理をしてもよい。以下に示す実施形態の動作の説明では、これらの詳細について説明する。
【0052】
1-4:実施形態の動作
図6及び
図7は、情報処理装置10の動作例を示すフローチャートである。以下、
図6及び
図7を参照することにより、情報処理装置10の動作例について説明する。
【0053】
なお、本動作例においては、第1のプロジェクター20-1及び第2のプロジェクター20-2の表示階調を8等分し、これらの階調レベルを0~7の数値を用いて示す。情報処理装置10は、これらの階調レベルごとに、第1のプロジェクター20-1及び第2のプロジェクター20-2の階調値を補正する補正値を算出する。表示階調を10bitとした場合、階調レベルmと表示階調t(m)の関係は、以下とする。
t(0)=0,t(1)=146,t(2)=292,t(3)=438,t(4)=584,t(5)=730,t(6)=876,t(7)=1023
【0054】
ステップS1において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、検出部111として機能する。処理装置110は、第1のプロジェクター20-1及び第2のプロジェクター20-2による投射画像の壁又はスクリーンへの投射位置を検出する。
【0055】
ステップS2において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、基準プロジェクターの第1補正を実行する。ここで、「基準プロジェクター」とは、後述の「非基準プロジェクター」の補正値を算出する場合に、補正の基準として用いるプロジェクターを意味する。なお、一例として、本動作例においては、
図1及び
図2における第1のプロジェクター20-1を「基準プロジェクター」とし、第2のプロジェクター20-2を「非基準プロジェクター」とする。
【0056】
図7は、ステップS2を構成するサブステップを示すフローチャートである。
【0057】
サブステップS21において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、生成部112として機能する。処理装置110は、目標画像OP及び全体画像AP1を生成する。ここで、目標画像OPは、補正の目標とする目標色として、第1のプロジェクター20-1の最大階調レベルであるn=7の白色を有する。具体的には、目標画像OPが有するRGB値は、(R
PJ/G
PJ/B
PJ)=(t(7)/t(7)/t(7))=(1023/1023/1023)となる。また、全体画像AP1は、補正の対象である補正値算出色を有する単位画像UPと、全体画像AP1の撮像画像における、補正に用いる撮影値の修正色を有する単位画像UPとを有する。
図5に示される例において、補正値算出色を有する単位画像UPは、UP[k]である。単位画像UP[k]が有する補正値算出色は、n=6の白色から所定量ずらした白色である。具体的には、補正値算出色を有する単位画像UP[k]が有する階調値のRGB値は、(R
PJ/G
PJ/B
PJ)=(t(6)+d
R/t(6)+d
G/t(6)+d
B)=(876+d
R/876+d
G/876+d
B)となる。ここで、d
R、d
G、及びd
Bは、R、G、Bのそれぞれにおける階調のずらし量であり、-80~80までの間の数値を20階調毎に区切った値のいずれかである。全体画像AP1は、種々のd
R、d
G、及びd
Bを用いて設定される、複数の補正値算出色を有する単位画像UPを有する。一方で、撮影値の修正色を有する単位画像UPは、UP[k]に対して上下左右に隣接する単位画像UP[0]~UP[3]である。単位画像UP[0]~UP[3]が有する補正値算出色は、n=6の白色である。具体的には、単位画像UP[0]~UP[3]が有する階調値のRGB値は、(R
PJ/G
PJ/B
PJ)=(t(6)/t(6)/t(6))=(876/876/876)となる。
【0058】
サブステップS22において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、出力部113として機能する。処理装置110は、目標画像OP及び全体画像AP1を、第1のプロジェクター20-1に出力する。
【0059】
サブステップS23において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、第1取得部114として機能する。処理装置110は、撮像装置30によって撮像された、全体画像AP1と、目標画像OPとを含む範囲を撮像した撮像画像を取得する。更に、処理装置110は、当該撮像画像から、各画素のRGB値である(Rcamera,Gcamera,Bcamera)を取得する。
【0060】
サブステップS24において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、第2取得部115として機能する。処理装置110は、サブステップS23において取得された撮像画像における、単位画像UP[A]の階調値と、単位画像UP[0]~単位画像UP[3]の階調値とに基づいて、単位画像UP[k]が有する階調値が補正された第4の階調値を取得する。本動作例において、第4の階調値をrk2=rk+Δrkとした場合、Δrkは、以下の式で表される。
Δrk=(r0+r1+r2+r3)/4-rA 式(3’)
同様に、Δgkは、以下の式で表される。
Δgk=(g0+g1+g2+g3)/4-gA 式(4’)
【0061】
サブステップS25において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、第3取得部116として機能する。処理装置110は、サブステップS23において取得された撮像画像における、単位画像UP[A]の階調値と、単位画像UP[0’]~単位画像UP[3’]の階調値とに基づいて、単位画像UP[k’]が有する階調値が補正された第5の階調値を取得する。なお、単位画像UP[0’]~単位画像UP[3’]は、単位画像UP[k’]に対して上下左右に隣接する単位画像UPである。
【0062】
サブステップS26において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、第1算出部117として機能する。処理装置110は、サブステップS23において取得された撮像画像における目標画像OPの階調値と、第4の階調値との差分である第1の階調値差Δrg1を算出する。
【0063】
サブステップS27において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、第2算出部118として機能する。処理装置110は、サブステップS23において取得された撮像画像における目標画像OPの階調値と、第5の階調値との差分である第2の階調値差Δrg2を算出する。
【0064】
サブステップS28において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、補正部119として機能する。処理装置110は、第1の階調値差Δrg1と第2の階調値差Δrg2とを比較する。第1の階調値差Δrg1が第2の階調値差Δrg2以上である場合には、処理装置110は、第2の階調値差Δrg2を選択する。第1の階調値差Δrg1が第2の階調値差Δrg2未満である場合には、処理装置110は、第1の階調値差Δrg1を選択する。
【0065】
サブステップS29において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、補正部119として機能する。サブステップS28における第1の階調値差Δrg1と第2の階調値差Δrg2との比較が、全ての単位画像間で実行された結果、最小の階調値差Δrgminが導出された場合には(サブステップS29/YES)、処理装置110は、サブステップS30の処理を実行する。サブステップS28における第1の階調値差Δrg1と第2の階調値差Δrg2との比較が、全ての単位画像間で実行されていない場合には(サブステップS29/NO)、処理装置110は、サブステップS24の処理を実行する。
【0066】
サブステップS30において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、補正部119として機能する。処理装置110は、サブステップS29で導出された最小の階調値差Δrgminに対応する単位画像UPにおける、n=6の白色からのずらし量(dR/dG/dB)を、n=6における粗補正値(αR(6)/αG(6)/αB(6))とする。
【0067】
図6のステップS3において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、基準プロジェクターの第2補正を実行する。上記の第1補正は、n=6における粗補正値(α
R(6)/α
G(6)/α
B(6))を求める処理であった。一方、ステップS3における第2補正は、粗補正値(α
R(6)/α
G(6)/α
B(6))を利用して、より精密な最終補正値(β
R(6)/β
G(6)/β
B(6))を導出する処理である。
【0068】
ステップS3においても、処理装置110は、
図7に示されるサブステップS21~S30と同様の動作を実行する。以下では説明の簡略化のため、ステップS3の処理のうち、ステップS2を構成するサブステップS21~S30と相違する点について説明する。
【0069】
サブステップS21において、処理装置110は、目標画像OP及び全体画像AP1’を生成する。全体画像AP1’において、単位画像UP[k]が有する階調値のRGB値は、(RPJ/GPJ/BPJ)=(t(6)+dR+αR(6)/t(6)+dG+αG(6)/t(6)+dB+αB(6))=(876+dR+αR(6)/876+dG+αG(6)/876+dB+αB(6))となる。ここで、dR、dG、及びdBは、R、G、Bのそれぞれにおける階調のずらし量であり、-40~-40までの間の数値を8階調毎に区切った値である。全体画像AP1’は、種々のdR、dG、及びdBを用いて設定される、複数の補正値算出色を有する単位画像UPを有する。
【0070】
換言すれば、処理装置110は、ステップS2において、第1の階調値差Δrg1が第2の階調値差Δrg2以上である場合に、第1の補正値を用いて補正した全体画像AP1を、新たな全体画像AP1’とする。一方、処理装置110は、ステップS2において、第1の階調値差Δrg1が第2の階調値差Δrg2未満である場合に、第2の補正値を用いて補正した全体画像AP1を、新たな全体画像AP1’とする。
【0071】
サブステップS30において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、補正部119として機能する。処理装置110は、サブステップS29で導出された最小の階調値差Δrgminに対応する単位画像UPにおける、n=6の白色からのずらし量(dR+αR(6)/dG+αG(6)/dB+αB(6))を、n=6における最終補正値(βR(6)/βG(6)/βB(6))とする。
【0072】
上記の説明において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、n=6の白色である修正色を有する単位画像UP[0]~UP[3]を用いて、n=6から階調をずらした色を有する単位画像UP[k]の階調値を補正する最終補正値(βR(6)/βG(6)/βB(6))を算出していた。情報処理装置10に備わる処理装置110は、2回目のループとして、n=5の白色である修正色を有する単位画像UP[0]~UP[3]を用いて、n=5から階調をずらした色を有する単位画像UP[k]の階調値を補正する最終補正値(βR(5)/βG(5)/βB(5))を算出する。以下同様に、情報処理装置10に備わる処理装置110は、n=4~n=1の白色である修正色を有する単位画像UP[0]~UP[3]を用いて、n=4~n=1から階調をずらした色を有する単位画像UP[k]の階調値を補正する最終補正値(βR(n)/βG(n)/βB(n))を算出する。
【0073】
図6のステップS4において、処理装置110が、n=6~n=1の白色である修正色を有する単位画像UP[0]~UP[3]を用いて、n=6~n=1から階調をずらした色を有する単位画像UP[k]の階調値を補正する、6階調分の最終補正値(β
R(n)/β
G(n)/β
B(n))を既に算出した場合には(ステップS4/YES)、処理装置110は、ステップS5の処理を実行する。一方で、処理装置110が、n=6~n=1の白色である修正色を有する単位画像UP[0]~UP[3]を用いて、n=6~n=1から階調をずらした色を有する単位画像UP[k]の階調値を補正する、6階調分の最終補正値(β
R(n)/β
G(n)/β
B(n))をまだ算出していない場合には(ステップS4/NO)、まだ最終補正値を算出していない階調について、ステップS2及びS3の処理を実行する。
【0074】
ステップS5において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、非基準プロジェクターの第1補正を実行する。ここでは上記のように、第2のプロジェクター20-2を「非基準プロジェクター」とする。
【0075】
ステップS5においても、処理装置110は、
図7に示されるサブステップS21~S30と同様の動作を実行する。以下では説明の簡略化のため、ステップS5の処理のうち、ステップS2を構成するサブステップS21~S30と相違する点について説明する。
【0076】
サブステップS21において、処理装置110は、目標画像OP及び全体画像AP2を生成する。ここで、目標画像OPは、補正の目標とする目標色として、第1のプロジェクター20-1の最大階調レベルであるn=7の白色を有する。具体的には、目標画像OPが有する階調値のRGB値は、(R
PJ/G
PJ/B
PJ)=(t(7)/t(7)/t(7))=(1023/1023/1023)となる。また、全体画像AP2は、補正値算出色を有する単位画像UPと、全体画像AP1の撮像画像における撮影値の修正色を有する単位画像UPとを有する。
図5に示される例において、補正値算出色を有する単位画像UPは、UP[k]である。単位画像UP[k]が有する補正値算出色は、n=7の白色から所定量ずらした白色である。具体的には、単位画像UP[k]が有する階調値のRGB値は、(R
PJ/G
PJ/B
PJ)=(t(7)+d
R/t(7)+d
G/t(7)+d
B)=(1023+d
R/1023+d
G/1023+d
B)となる。なお、単位画像UP[k]が有するRGB値が1023を超える場合には、RGB値を1023に固定する。
ここで、d
R、d
G、及びd
Bは、R、G、及びBのそれぞれにおける階調のずらし量であり、-80~-80までの間の数値を20階調毎に区切った値のいずれかである。全体画像AP2は、種々のd
R、d
G、及びd
Bを用いて設定される、複数の補正値算出色を有する単位画像UPを有する。一方で、撮影値の修正色を有する単位画像UPは、UP[k]に対して上下左右に隣接する単位画像UP[0]~UP[3]である。単位画像UP[0]~UP[3]が有する補正値算出色は、n=7の白色である。具体的には、単位画像UP[0]~UP[3]が有する階調値のRGB値は、(R
PJ/G
PJ/B
PJ)=(t(7)/t(7)/t(7))=(1023/1023/1023)となる。
【0077】
サブステップS22において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、出力部113として機能する。処理装置110は、目標画像OPを、第1のプロジェクター20-1に出力する。また、処理装置110は、全体画像AP2を、第2のプロジェクター20-2に出力する。
【0078】
サブステップS23において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、第1取得部114として機能する。処理装置110は、撮像装置30によって撮像された、全体画像AP2と、目標画像OPとを含む範囲を撮像した撮像画像を取得する。更に、処理装置110は、当該撮像画像から、各画素の階調値のRGB値である(Rcamera,Gcamera,Bcamera)を取得する。
【0079】
サブステップS30において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、補正部119として機能する。処理装置110は、サブステップS29で導出された最小の階調値差Δrgminに対応する単位画像UPにおける、n=7の白色からのずらし量(dR/dG/dB)を、n=7における粗補正値(αR(7)/αG(7)/αB(7))とする。
【0080】
図6のステップS6において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、非基準プロジェクターの第2補正を実行する。
【0081】
ステップS6においても、処理装置110は、
図7に示されるサブステップS21~S30と同様の動作を実行する。以下では説明の簡略化のため、ステップS6の処理のうち、ステップS2を構成するサブステップS21~S30と相違する点について説明する。
【0082】
サブステップS21において、処理装置110は、目標画像OP及び全体画像AP2’を生成する。全体画像AP2’において、単位画像UP[k]が有する階調値のRGB値は、(RPJ/GPJ/BPJ)=(t(7)+dR+αR(7)/t(7)+dG+αG(7)/t(7)+dB+αB(7))=(1023+dR+αR(7)/1023+dG+αG(7)/1023+dB+αB(7))となる。ここで、dR、dG、及びdBは、R、G、及びBのそれぞれにおける階調のずらし量であり、-40~40までの間の数値を8階調毎に区切った値である。全体画像AP2’は、種々のdR、dG、及びdBを用いて設定される、複数の補正値算出色を有する単位画像UPを有する。なお、単位画像UP[k]が有するRGB値が1023を超える場合には、RGB値を1023に固定する。
【0083】
サブステップS30において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、補正部119として機能する。処理装置110は、サブステップS29で導出された最小の階調値差Δrgminに対応する単位画像UPにおける、n=7の白色からのずらし量(dR+αR(7)/dG+αG(7)/dB+αB(7))を、n=7における最終補正値(βR(7)/βG(7)/βB(7))とする。
【0084】
上記の説明において、処理装置110は、n=7の白色である修正色を有する単位画像UP[0]~UP[3]を用いて、n=7から階調をずらした色を有する単位画像UP[k]の階調値を補正する最終補正値(βR(n)/βG(n)/βB(n))を算出していた。処理装置110は、2回目のループとして、n=6の白色である修正色を有する単位画像UP[0]~UP[3]を用いて、n=6から階調をずらした色を有する単位画像UP[k]の階調値を補正する最終補正値(βR(6)/βG(6)/βB(6))を算出する。以下同様に、処理装置110は、n=5~n=1の白色である修正色を有する単位画像UP[0]~UP[3]を用いて、n=5~n=1から階調をずらした色を有する単位画像UP[k]の階調値を補正する最終補正値(βR(n)/βG(n)/βB(n))を算出する。
【0085】
図6のステップS7において、処理装置110が、n=7~n=1の白色である修正色を有する単位画像UP[0]~UP[3]を用いて、n=7~n=1から階調をずらした色を有する単位画像UP[k]の階調値を補正する、7階調分の最終補正値(β
R(n)/β
G(n)/β
B(n))を既に算出した場合には(ステップS7/YES)、処理装置110は、ステップS8の処理を実行する。一方で、処理装置110が、n=7~n=1の白色である修正色を有する単位画像UP[0]~UP[3]を用いて、n=7~n=1から階調をずらした色を有する単位画像UP[k]の階調値を補正する、7階調分の最終補正値(β
R(n)/β
G(n)/β
B(n))をまだ算出していない場合には(ステップS7/NO)、まだ最終補正値を算出していない階調について、ステップS5及びS6の処理を実行する。
【0086】
ステップS8において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、補正部119として機能する。処理装置110は、ステップS3において算出した6階調分の最終補正値(βR(n)/βG(n)/βB(n))(nは1以上6以下の整数)を、第1のプロジェクター20-1に書き込む。また、処理装置110は、ステップS6において算出した7階調分の最終補正値(βR(n)/βG(n)/βB(n))(nは1以上7以下の整数)を、第2のプロジェクター20-2に書き込む。
【0087】
なお、上記の動作の説明において、第1のプロジェクター20-1を基準プロジェクター、第2のプロジェクター20-2を非基準プロジェクターとしたが、これは一例に過ぎない。
【0088】
例えば、第1のプロジェクター20-1及び第2のプロジェクター20-2のうち、表示する画像の色合いが理想値に近いプロジェクターを、基準プロジェクターとしてもよい。
【0089】
具体的には、第1のプロジェクター20-1と第2のプロジェクター20-2との各々が、表示画像の階調値に関する品質を判定するための判定画像を表示する。当該判定画像は、例えば全白表示される表示画像である。あるいは、当該判定画像は、上記の目標画像OPであってもよい。撮像装置30は、第1のプロジェクター20-1によって表示される判定画像を撮像する。撮像された当該判定画像は、「第3の撮像画像」の一例である。また、撮像装置30は、第2のプロジェクター20-2によって表示される判定画像を撮像する。撮像された当該判定画像は、「第2の撮像画像」の一例である。情報処理装置10は、第2の撮像画像の階調値r及び階調値gと、第3の撮像画像の階調値r及び階調値gとを取得する。情報処理装置10は、第2の撮像画像の階調値r及び階調値gと、予め設定される基準階調値との差分を算出する。算出される階調値差は、「第4の階調値差」の一例である。また、情報処理装置10は、第3の撮像画像の階調値r及び階調値gと、基準階調値との差分を算出する。算出される階調値差は、「第3の階調値差」の一例である。第3の階調値差が第4の階調値差よりも小さい場合に、第1のプロジェクター20-1、すなわち「第2の表示装置」が基準プロジェクターとなる。
【0090】
2:変形例
本開示は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。
【0091】
2-1:変形例1
上記の実施形態において、表示システム1は、第1のプロジェクター20-1と第2のプロジェクター20-2の2台のプロジェクターを備える。しかし、表示システム1は、任意の台数のプロジェクターを備えることができる。
【0092】
表示システム1が、3台以上のプロジェクターを備える場合、情報処理装置10は、3台以上のプロジェクターによって表示される表示画像の階調値の平均値を算出し、最も平均値に近い階調値の表示画像を表示するプロジェクターを基準プロジェクターとしてもよい。
【0093】
例えば、表示システム1が3台のプロジェクターを備える場合、第1のプロジェクター20-1と、第2のプロジェクター20-2と、第3のプロジェクター20-3の各々が、表示画像の階調値に関する品質を判定するための判定画像を表示する。第3のプロジェクター20-3は、「第3の表示装置」の一例である。また、上記の判定画像は、例えば全白表示される表示画像である。あるいは、当該判定画像は、上記の目標画像OPであってもよい。撮像装置30は、第1のプロジェクター20-1によって表示される判定画像を撮像する。撮像された当該判定画像は、「第3の撮像画像」の一例である。また、撮像装置30は、第2のプロジェクター20-2によって表示される判定画像を撮像する。撮像された当該判定画像は、「第2の撮像画像」の一例である。撮像装置30は、第3のプロジェクター20-3によって表示される判定画像を撮像する。撮像された当該判定画像は、「第4の撮像画像」の一例である。情報処理装置10は、第2の撮像画像の階調値r及び階調値gと、第3の撮像画像の階調値r及び階調値gと、第4の撮像画像の階調値r及び階調値gを取得する。情報処理装置10は、第2の撮像画像の階調値rと、第3の撮像画像の階調値rと、第4の撮像画像の階調値rの平均値となる階調値rを算出する。同様に、情報処理装置10は、第2の撮像画像の階調値gと、第3の撮像画像の階調値gと、第4の撮像画像の階調値gの平均値となる階調値gを算出する。また、情報処理装置10は、第2の撮像画像の階調値rと、平均値となる階調値rとの差分を算出する。同様に、情報処理装置10は、第2の撮像画像の階調値gと、平均値となる階調値gとの差分を算出する。算出されるこれらの階調値差は、「第4の階調値差」の一例である。また、情報処理装置10は、第3の撮像画像の階調値rと平均値となる階調値rとの差分、及び、第3の撮像画像の階調値gと平均値となる階調値gとの差分を算出する。算出されるこれらの階調値差は、「第3の階調値差」の一例である。また、情報処理装置10は、第4の撮像画像の階調値rと平均値となる階調値rとの差分、及び、第4の撮像画像の階調値gと階調値gとの差分を算出する。算出されるこれらの階調値差は、「第5の階調値差」の一例である。第4の階調値差が第3の階調値差と第5の階調値差の双方よりも小さい場合に、第1のプロジェクター20-1、すなわち「第2の表示装置」が基準プロジェクターとなる。
【0094】
この場合、情報処理装置10は、第1のプロジェクター20-1に表示される目標画像OPと第3のプロジェクター20-3に表示される全体画像AP3とを用いて、第3のプロジェクター20-3の表示画像の補正を実行する。第3のプロジェクター20-3に表示される全体画像AP3は、第1のプロジェクター20-1に表示される全体画像AP1、及び第2のプロジェクター20-2に表示される全体画像AP2と同様の画像である。全体画像AP3は、「第3の全体画像」の一例である。
【0095】
具体的には、全体画像AP3は、第6の単位画像UP、第7の単位画像UP、第8の単位画像UP、第9の単位画像UP、及び第10の単位画像UPを含む複数の単位画像UPによって構成される。第6の単位画像UPは第6の領域に位置し、第6の階調値を有する。第7の単位画像UPは第7の領域に位置し、第6の階調値を有する。第8の単位画像UPは第8の領域に位置し、第6の階調値を有する。第9の単位画像UPは第9の領域に位置し、第6の階調値とは互いに異なる第7の階調値を有する。第10の単位画像UPは第10の領域に位置し、第6の階調値及び第7の階調値の各々とは互いに異なる第8の階調値を有する。第7の領域から第9の領域までの距離は、第6の領域から第9の領域までの距離以下である。第7の領域から第9の領域までの距離は、第7の領域から第10の領域までの距離以下である。第8の領域から第10の領域までの距離は、第6の領域から第10の領域までの距離以下である。第8の領域から第10の領域までの距離は、第8の領域から第9の領域までの距離以下である。
【0096】
情報処理装置10は、全体画像AP3と、目標画像OPとを含む範囲を撮像した第5の撮像画像を取得する。また、情報処理装置10は、第5の撮像画像における、第6の単位画像UPの階調値と、第7の単位画像UPの階調値とに基づいて、第5の撮像画像において第9の単位画像UPが有する階調値が補正された第9の階調値を取得する。また、情報処理装置10は、第5の撮像画像における、第6の単位画像UPの階調値と、第8の単位画像UPの階調値とに基づいて、第5の撮像画像において第10の単位画像UPが有する階調値が補正された第10の階調値を取得する。また、情報処理装置10は、第5の撮像画像における、目標画像OPの階調値と、第9の階調値との差分である第3の階調値差を算出する。また、情報処理装置10は、第5の撮像画像における、目標画像OPの階調値と、第10の階調値との差分である第4の階調値差を算出する。更に、情報処理装置10は、第3の階調値差が第4の階調値差以上である場合には、第3の補正値を用いて、第3の表示装置が表示する表示画像を補正する。情報処理装置10は、第3の階調値差が第4の階調値差未満である場合には、第4の補正値を用いて、第3の表示装置が表示する表示画像を補正する。
【0097】
あるいは、表示システム1が3台以上のプロジェクターを備える場合、情報処理装置10は、3台以上のプロジェクターが壁又はスクリーンに表示する複数の表示画像の中で、最も中心に近い位置に表示画面を表示しているプロジェクターを基準プロジェクターとしてもよい。
【0098】
例えば、表示システム1が3台のプロジェクターを備える場合、第1のプロジェクター20-1が表示する表示画像が、第2のプロジェクター20-2が表示する表示画像と、第3のプロジェクター20-3が表示する表示画像との間にあるのであれば、情報処理装置10は、第1のプロジェクター20-1を基準プロジェクターとしてもよい。
【0099】
2-2:変形例2
上記の動作例において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、1回目のループ時において、基準プロジェクターのn=6の階調における第1補正及び第2補正を実行した。次に、処理装置110は、2回目のループ時において、基準プロジェクターのn=5の階調における第1補正及び第2補正を実行した。以下、処理装置110は、p回目のループ時において、基準プロジェクターのn=7-pの階調における第1補正及び第2補正を実行した(pは3以上6以下の整数である)。しかし、情報処理装置10に備わる処理装置110は、基準プロジェクターの複数の階調における第1補正及び第2補正を、同時に並行して実行してもよい。同様に、情報処理装置10に備わる処理装置110は、非基準プロジェクターの複数の階調における第1補正及び第2補正を、同時に並行して実行してもよい。
【0100】
更に、情報処理装置10に備わる処理装置110は、基準プロジェクターの任意の階調における第1補正及び第2補正と、非基準プロジェクターの任意の階調における第1補正及び第2補正とを、同時に並行して実行してもよい。
【0101】
2-3:変形例3
上記の実施形態において、情報処理装置10に備わる処理装置110は、基準プロジェクターと非基準プロジェクターの、複数の階調における色度を示すRGB値を補正した。しかし、処理装置110は、色度の代わりに明度を補正してもよい。あるいは、処理装置110は、色度と明度の双方を同時に補正してもよい。ここで、明度は階調値の一例である。
【0102】
なお、明度を補正する場合、上記の実施形態とは異なり、処理装置110は、同一の階調におけるR、G、及びBに関するずらし量を、互いに同一の値とする。具体的には、処理装置110は、dR=dG=dBとする。また、処理装置110は、階調値r及び階調値gの代わりに、撮像画像における撮影画素値Gcameraに着目し、明るさが目標値に最も近い単位画像UPを探索する。
【0103】
2-4:変形例4
上記の実施形態において、dR、dG、及びdBは、8刻み又は20刻みの数値に設定されていた。しかし、階調の変動に対する階調値の変動はリニアではない。例えば、低階調では高階調に比較して、1階調の変動に対する階調値の変動が大きくなる。そこで、単位画像UP毎に等間隔な階調値を表示するため、情報処理装置10は、プロジェクターの表示特性に基づいて表示階調値を推測することにより、dR、dG、及びdBを決定してもよい。
【0104】
2-5:変形例5
上記の実施形態において、情報処理装置10と、第1のプロジェクター20-1と、撮像装置30とは、互いに別体となっていた。しかし、これらのうち2つ以上の装置が、同一の筐体に格納される単一の装置として実現されてもよい。情報処理装置10と、第2のプロジェクター20-2と、撮像装置30とについても同様である。
【0105】
3:本開示のまとめ
以下、本開示のまとめを付記する。
(付記1)第1の領域に位置し、第1の階調値を有する第1の単位画像、第2の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第2の単位画像、第3の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第3の単位画像、第4の領域に位置し、前記第1の階調値とは互いに異なる第2の階調値を有する第4の単位画像、及び第5の領域に位置し、前記第1の階調値及び前記第2の階調値とは互いに異なる第3の階調値を有する第5の単位画像を含み、前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第4の領域までの距離以下であり、前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第2の領域から前記第5の領域までの距離以下であり、前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第5の領域までの距離以下であり、前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第3の領域から前記第4の領域までの距離以下である第1の全体画像を第1の表示装置が表示することと、前記第1の全体画像と、階調値の補正の目標となる目標画像とを含む範囲を撮像した第1の撮像画像を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第2の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第4の単位画像が有する階調値が補正された第4の階調値を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第3の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第5の単位画像が有する階調値が補正された第5の階調値を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第4の階調値との差分である第1の階調値差を算出することと、前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第5の階調値との差分である第2の階調値差を算出することと、前記第1の階調値差が前記第2の階調値差以上である場合には、第1の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正し、前記第1の階調値差が前記第2の階調値差未満である場合には、第2の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正することと、
を含む表示画像の調整方法。
【0106】
上記の表示画像の調整方法により、プロジェクター間での個体差を解消することを目的に、投射画面を撮像した撮像画像を用いて画面の色合いを補正する場合に、従来の技術に比較して、調整時間を短くでき、ユーザーの利便性が向上する。
【0107】
(付記2)前記目標画像は、前記第1の全体画像の上に重畳されることを特徴とする、付記1の表示画像の調整方法。
【0108】
上記の表示画像の調整方法により、全体画像内の目標画像を用いることで、ユーザーは、表示画像内の任意の位置の表示色に基づいた補正を実行できる。
【0109】
(付記3)前記目標画像は、前記第1の全体画像の第6の領域に位置し、前記第1の全体画像の中心位置から、前記第6の領域までの距離は、前記中心位置から前記第1の領域までの距離より短く、前記第1の全体画像の中心位置から、前記第6の領域までの距離は、前記中心位置から前記第2の領域までの距離より短く、前記第1の全体画像の中心位置から、前記第6の領域までの距離は、前記中心位置から前記第3の領域までの距離より短く、前記第1の全体画像の中心位置から、前記第6の領域までの距離は、前記中心位置から前記第4の領域までの距離より短く、前記第1の全体画像の中心位置から、前記第6の領域までの距離は、前記中心位置から前記第5の領域までの距離より短いことを特徴とする、付記2の表示画像の調整方法。
【0110】
表示装置が表示する画像では、画面の中心付近ほど、表示される画像の色味の劣化が少ない傾向にある。上記の表示画像の調整方法により、各領域よりも中心寄りに目標画像を配置することで、ユーザーは、より高い精度で補正を実行することができる。
【0111】
(付記4)第2の表示装置が前記目標画像を含む第2の全体画像を表示することを特徴とする、付記1の表示画像の調整方法。
【0112】
上記の表示画像の調整方法を用いることにより、第2の表示装置が表示する画像に含まれる目標画像を用いることで、ユーザーは、第2の表示装置が表示する画像に合わせた補正を実行できる。
【0113】
(付記5)前記第1の表示装置によって表示された、表示画像の階調値に関する品質を判定するために用いる判定画像を含む領域を撮像した第2の撮像画像を取得することと、前記第2の表示装置によって表示された、前記判定画像を含む領域を撮像した第3の撮像画像を取得することと、を更に含み、前記品質の基準となる基準階調値と、前記第3の撮像画像における前記判定画像が有する階調値との差分である第3の階調値差は、前記基準階調値と、前記第2の撮像画像における前記判定画像が有する階調値との差分である第4の階調値差よりも小さいことを特徴とする、付記4の表示画像の調整方法。
【0114】
上記の表示画像の調整方法を用いることにより、表示する画像が理想値に近い画像である表示装置が表示した目標画像を基に補正することで、ユーザーは、高い精度の補正を実現することができる。
【0115】
(付記6)前記第1の表示装置によって表示された、表示画像の階調値に関する品質を判定するために用いる判定画像を含む領域を撮像した第2の撮像画像を取得することと、前記第2の表示装置によって表示された、前記判定画像を含む領域を撮像した第3の撮像画像を取得することと、第3の表示装置によって表示された、前記判定画像を含む領域を撮像した第4の撮像画像を取得することと、前記第2の撮像画像における前記判定画像の階調値と、前記第3の撮像画像における前記判定画像の階調値と、前記第4の撮像画像における前記判定画像の階調値と、の平均値を取得することと、を更に含み、前記平均値と前記第3の撮像画像における前記判定画像の階調値との差分である第3の階調値差は、前記平均値と前記第2の撮像画像における前記判定画像が有する階調値との差分である第4の階調値差よりも小さく、前記第3の階調値差は、前記平均値と前記第4の撮像画像における前記判定画像の階調値との差分である第5の階調値差よりも小さく、第6の領域に位置し、第6の階調値を有する第6の単位画像、第7の領域に位置し、前記第6の階調値を有する第7の単位画像、第8の領域に位置し、前記第6の階調値を有する第8の単位画像、第9の領域に位置し、前記第6の階調値とは互いに異なる第7の階調値を有する第9の単位画像、及び第10の領域に位置し、前記第6の階調値及び前記第7の階調値の各々とは互いに異なる第8の階調値を有する第10の単位画像を含み、前記第7の領域から前記第9の領域までの距離は、前記第6の領域から前記第9の領域までの距離以下であり、前記第7の領域から前記第9の領域までの距離は、前記第7の領域から前記第10の領域までの距離以下であり、前記第8の領域から前記第10の領域までの距離は、前記第6の領域から前記第10の領域までの距離以下であり、前記第8の領域から前記第10の領域までの距離は、前記第8の領域から前記第9の領域までの距離以下である第3の全体画像を、前記第3の表示装置が表示することと、前記第3の全体画像と、前記目標画像と、を含む範囲を撮像した第5の撮像画像を取得することと、前記第5の撮像画像における、前記第6の単位画像の階調値と、前記第7の単位画像の階調値とに基づいて、前記第5の撮像画像において前記第9の単位画像が有する階調値が補正された第9の階調値を取得することと、前記第5の撮像画像における、前記第6の単位画像の階調値と、前記第8の単位画像の階調値とに基づいて、前記第5の撮像画像において前記第10の単位画像が有する階調値が補正された第10の階調値を取得することと、前記第5の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第9の階調値との差分である第3の階調値差を算出することと、前記第5の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第10の階調値との差分である第4の階調値差を算出することと、前記第3の階調値差が前記第4の階調値差以上である場合には、第3の補正値を用いて、前記第3の表示装置が表示する表示画像を補正し、前記第3の階調値差が前記第4の階調値差未満である場合には、第4の補正値を用いて、第3の表示装置が表示する表示画像を補正することと、を更に含むことを特徴とする、付記4の表示画像の調整方法。
【0116】
上記の表示画像の調整方法を用いることにより、3台以上存在する表示装置のうち、最も階調値が平均に近い表示装置から目標画像を表示することで、ユーザーは、他の表示装置がより補正しやすい値を目標値として設定することができる。
【0117】
(付記7)前記第2の表示画像が表示する表示画像は、第1の方向において、前記第1の表示装置が表示する表示画像と、第3の表示装置が表示する表示画像と、の間に位置し、第6の領域に位置し、第6の階調値を有する第6の単位画像、第7の領域に位置し、前記第6の階調値を有する第7の単位画像、第8の領域に位置し、前記第6の階調値を有する第8の単位画像、第9の領域に位置し、前記第6の階調値とは互いに異なる第7の階調値を有する第9の単位画像、及び第10の領域に位置し、前記第6の階調値及び前記第7の階調値の各々とは互いに異なる第8の階調値を有する第10の単位画像を含み、前記第7の領域から前記第9の領域までの距離は、前記第6の領域から前記第9の領域までの距離以下であり、前記第7の領域から前記第9の領域までの距離は、前記第7の領域から前記第10の領域までの距離以下であり、前記第8の領域から前記第10の領域までの距離は、前記第6の領域から前記第10の領域までの距離以下であり、前記第8の領域から前記第10の領域までの距離は、前記第8の領域から前記第9の領域までの距離以下である第3の全体画像を、前記第3の表示装置が表示することと、前記第3の全体画像と、前記目標画像と、を含む範囲を撮像した第5の撮像画像を取得することと、前記第5の撮像画像における、前記第6の単位画像の階調値と、前記第7の単位画像の階調値とに基づいて、前記第5の撮像画像において前記第9の単位画像が有する階調値が補正された第9の階調値を取得することと、前記第5の撮像画像における、前記第6の単位画像の階調値と、前記第8の単位画像の階調値とに基づいて、前記第5の撮像画像において前記第10の単位画像が有する階調値が補正された第10の階調値を取得することと、前記第5の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第9の階調値との差分である第3の階調値差を算出することと、前記第5の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第10の階調値との差分である第4の階調値差を算出することと、前記第3の階調値差が前記第4の階調値差以上である場合には、第3の補正値を用いて、前記第3の表示装置が表示する表示画像を補正し、前記第3の階調値差が前記第4の階調値差未満である場合には、第4の補正値を用いて、第3の表示装置が表示する表示画像を補正することと、を更に含むことを特徴とする、付記4の表示画像の調整方法。
【0118】
上記の表示画像の調整方法を用いることにより、3つ以上の表示画像の内、中心に位置する表示画像が最も目立つため、ユーザーは、最も目立つ表示画像を基準にして、周囲の画像を補正できる。
【0119】
(付記8)前記第1の階調値差が前記第2の階調値差以上である場合に、前記第1の全体画像を、前記第1の補正値を用いて補正することと、前記第1の階調値差が前記第2の階調値差未満である場合に、前記第1の全体画像を、前記第2の補正値を用いて補正することと、を更に含む、付記1から付記7のいずれか1の表示画像の調整方法。
【0120】
上記の表示画像の調整方法を用いることにより、ユーザーは、1枚の画像を撮像した結果に基づいて取得したいずれかの補正値の中から、実際の補正に用いる補正値を決定することができる。このため、ユーザーは、撮像枚数が多い従来技術と比較して、撮影に必要な時間を減らすことができる。更には、ユーザーの利便性が向上する。
【0121】
(付記9)第1の領域に位置し、第1の階調値を有する第1の単位画像、第2の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第2の単位画像、第3の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第3の単位画像、第4の領域に位置し、前記第1の階調値とは互いに異なる第2の階調値を有する第4の単位画像、及び第5の領域に位置し、前記第1の階調値及び前記第2の階調値の各々とは互いに異なる第3の階調値を有する第5の単位画像を含み、前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第4の領域までの距離以下であり、前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第2の領域から前記第5の領域までの距離以下であり、前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第5の領域までの距離以下であり、前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第3の領域から前記第4の領域までの距離以下である第1の全体画像を表示する第1の表示装置と、前記第1の全体画像と、階調値の補正の目標となる目標画像とを含む範囲を撮像した第1の撮像画像を生成する撮像装置と、前記第1の撮像画像を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第2の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第4の単位画像が有する階調値が補正された第4の階調値を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第3の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第5の単位画像が有する階調値が補正された第5の階調値を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第4の階調値との差分である第1の階調値差を算出することと、前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第5の階調値との差分である第2の階調値差を算出することと、前記第1の階調値差が前記第2の階調値差以上である場合には、第1の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正し、前記第1の階調値差が前記第2の階調値差未満である場合には、第2の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正することと、を実行する情報処理装置と、を備えることを特徴とする表示システム。
【0122】
上記の表示システムにより、プロジェクター間での個体差を解消することを目的に、投射画面を撮像した撮像画像を用いて、画面の色合いを補正する場合に、従来の技術に比較して、調整時間を短くでき、ユーザーの利便性が向上する。
【0123】
(付記10)第1の領域に位置し、第1の階調値を有する第1の単位画像、第2の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第2の単位画像、第3の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第3の単位画像、第4の領域に位置し、前記第1の階調値とは互いに異なる第2の階調値を有する第4の単位画像、第5の領域に位置し、前記第1の階調値及び前記第2の階調値の各々とは互いに異なる第3の階調値を有する第5の単位画像を含み、前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第4の領域までの距離以下であり、前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第2の領域から前記第5の領域までの距離以下であり、前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第5の領域までの距離以下であり、前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第3の領域から前記第4の領域までの距離以下である第1の全体画像を表示する第1の表示装置と、階調値の補正の目標となる目標画像を表示する第2の表示装置と、前記第1の全体画像と、前記目標画像とを含む範囲を撮像した第1の撮像画像を生成する撮像装置と、前記第1の撮像画像を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第2の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第4の単位画像が有する階調値が補正された第4の階調値を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第3の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第5の単位画像が有する階調値が補正された第5の階調値を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第4の階調値との差分である第1の階調値差を算出することと、前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第5の階調値との差分である第2の階調値差を算出することと、前記第1の階調値差が前記第2の階調値差以上である場合には、第1の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正し、前記第1の階調値差が前記第2の階調値差未満である場合には、第2の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正することと、を実行する情報処理装置と、を備えることを特徴とする表示システム。
【0124】
上記の表示システムにより、プロジェクター間での個体差を解消することを目的に、投射画面を撮像した撮像画像を用いて、画面の色合いを補正する場合に、従来の技術に比較して、調整時間を短くでき、ユーザーの利便性が向上する。
【0125】
(付記11)第1の領域に位置し、第1の階調値を有する第1の単位画像、第2の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第2の単位画像、第3の領域に位置し、前記第1の階調値を有する第3の単位画像、第4の領域に位置し、前記第1の階調値とは互いに異なる第2の階調値を有する第4の単位画像、及び第5の領域に位置し、前記第1の階調値及び前記第2の階調値の各々とは互いに異なる第3の階調値を有する第5の単位画像を含み、前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第4の領域以下であり、前記第2の領域から前記第4の領域までの距離は、前記第2の領域から前記第5の領域以下であり、前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第1の領域から前記第5の領域以下であり、前記第3の領域から前記第5の領域までの距離は、前記第3の領域から前記第4の領域以下である第1の全体画像を、第1の表示装置に表示させることと、前記第1の全体画像と、階調値の補正の目標となる目標画像とを含む範囲を撮像装置が撮像した第1の撮像画像を取得することと、前記第1の撮像画像を取得すること と、前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第2の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第4の単位画像が有する階調値が補正された第4の階調値を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記第1の単位画像の階調値と、前記第3の単位画像の階調値とに基づいて、前記第1の撮像画像における前記第5の単位画像が有する階調値が補正された第5の階調値を取得することと、前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第4の階調値との差分である第1の階調値差を算出することと、前記第1の撮像画像における、前記目標画像の階調値と、前記第5の階調値との差分である第2の階調値差を算出することと、前記第1の階調値差が前記第2の階調値差以上である場合には、第1の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正し、前記第1の階調値差が前記第2の階調値差未満である場合には、第2の補正値を用いて、前記第1の表示装置が表示する表示画像を補正することと、をコンピュータに実行させる、情報処理用プログラム。
【0126】
上記の情報処理用プログラムにより、プロジェクター間での個体差を解消することを目的に、投射画面を撮像した撮像画像を用いて、画面の色合いを補正する場合に、従来の技術に比較して、調整時間を短くでき、ユーザーの利便性が向上する。
【符号の説明】
【0127】
1…表示システム、10…情報処理装置、20…プロジェクター、30…撮像装置、110…処理装置、111…検出部、112…生成部、113…出力部、114…第1取得部、115…第2取得部、116…第3取得部、117…第1算出部、118…第2算出部、119…補正部、120…記憶装置、130…表示装置、140…通信装置、210…投射装置、220…処理装置、221…取得部、222…投射制御部、230…記憶装置、240…通信装置、AP1,AP2,AP3…全体画像、PR1,PR2…制御プログラム