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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056549
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 67/00 20060101AFI20240416BHJP
   B65D 71/42 20060101ALI20240416BHJP
   B65D 71/70 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
B65D67/00 D
B65D71/42
B65D71/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163526
(22)【出願日】2022-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】591007295
【氏名又は名称】株式会社アプリス
(71)【出願人】
【識別番号】000129493
【氏名又は名称】株式会社クラウン・パッケージ
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】田邉 敦士
(72)【発明者】
【氏名】三堂地 広晶
(72)【発明者】
【氏名】甘利 明敏
(72)【発明者】
【氏名】大和田 健斗
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA11
3E067AB01
3E067AC03
3E067BA06A
3E067BB01A
3E067BC02A
3E067EA18
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】大型の容器であっても、厚紙製容器本体とプラスチック蓋の嵌合精度を向上させた容器を提供する。
【解決手段】容器1は、厚紙製容器本体2とプラスチック蓋3とを備えている。厚紙製容器本体2は、容器底面において幅が200mm以上であり、紙厚が2mm以下である。プラスチック蓋3は、この厚紙製容器本体2に外嵌合する。厚紙製容器本体2は、上縁24に沿って延び、容器外側に折り返された折り返し辺26を有する。プラスチック蓋3は、折り返し辺26に覆い被さる嵌合側面部321を有する。嵌合側面部321は、折り返し辺26の下端に引っ掛かる嵌合突起部33と、折り返し辺26の表面を押圧する辺押圧突起部34とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器底面において幅が200mm以上であり、紙厚が2mm以下の厚紙製容器本体と、
前記厚紙製容器本体に外嵌合するプラスチック蓋と、
を備え、
前記厚紙製容器本体は、容器上縁に沿って延び、容器外側に折り返された折り返し辺を有し、
前記プラスチック蓋は、前記折り返し辺に覆い被さる嵌合側面部を有し、
前記嵌合側面部は、前記折り返し辺の下端に引っ掛かる嵌合突起部と、前記折り返し辺の表面を押圧する辺押圧突起部と、を有すること、
を特徴とする容器。
【請求項2】
前記折り返し辺は、前記容器上縁と直交する方向に幅狭の幅狭部と、前記容器上縁と直交する方向に幅広の幅広部と、を繋ぎ目無く一繋がりに有し、
前記嵌合突起部と前記辺押圧突起部は、前記嵌合側面部内の概略同一高さに形成され、
前記辺押圧突起部は、前記幅広部の表面を押圧し、
前記嵌合突起部は、前記幅狭部の下端に引っ掛かること、
を特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項3】
前記幅広部は、前記折り返し辺の中央域に配され、
前記幅狭部は、前記幅広部の両側に分かれて配されること、
を特徴とする請求項2記載の容器。
【請求項4】
前記幅広部の全長は、前記折り返し辺の全長の20%以上60%以下の範囲で延在し、
前記辺押圧突起部は、前記幅広部の全長の20%以上60%以下の範囲で延在すること、
を特徴とする請求項2又は3記載の容器。
【請求項5】
前記厚紙製容器本体は、前記折り返し辺の両側に、当該折り返し辺が及ばない容器側面部を有し、
前記プラスチック蓋は、前記容器側面部の表面に密着する密着側面部を有すること、
を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の容器。
【請求項6】
前記密着側面部は、前記嵌合側面部よりも前記プラスチック蓋の中心に寄った位置に延在すること、
を特徴とする請求項5記載の容器。
【請求項7】
前記容器側面部は、前記密着側面部の表面を押圧する側面押圧突起部を有すること、
を特徴とする請求項5記載の容器。
【請求項8】
前記嵌合側面部は、前記プラスチック蓋の天面から末広がりに延び、
前記辺押圧突起部は、前記折り返し辺を前記嵌合側面部と平行又は略平行に抑えること、
を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の容器。
【請求項9】
前記折り返し辺と前記容器上縁との境界に沿って交互に並ぶ、全切れと半切れとを有すること、
を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の容器。
【請求項10】
前記厚紙製容器本体に収容され、複数に区画されたプラスチックトレイを有すること、
を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の容器。
【請求項11】
前記プラスチックトレイは、外縁から延びるタブ片を有し、
前記厚紙製容器本体は、前記タブ片との対応箇所に、前記タブ片が引っ掛かる開口部を有すること、
を特徴とする請求項10記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
厚紙製容器本体をプラスチック蓋で閉じる大型の容器に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨てのプラスチック製の容器が多用されている。容器は食品等の内容物を囲い込むことが可能な深さの容器本体と、容器本体に被せられて、容器本体を閉じることができる蓋とを備えている。容器本体に収容される内容物を外部から視認可能にするため、容器本体のみならず、蓋も高い透明性が確保できるプラスチックが多用されている。
【0003】
使い捨てのプラスチック製の容器には、例えばオードブル、にぎり寿司、ちらし寿司、おせち、又はホールサイズのタルト若しくはケーキ等のように、二人前以上の量の食品が収容された大型の容器がある。大型の容器は、容器底面において200mm以上の幅を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-40720号公報
【特許文献2】特開2018-95275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、化学的に安定な物質であるために自然分解し難いプラスチックの使用が環境問題となっている。そのため、容器に使用されるプラスチックの減量が要望される。内部が視認できるようにプラスチック蓋は用いるものとし、プラスチック製容器は廃止し、厚紙製容器本体で代用することが考えられる。また、水分を含む食材に対応し、プラスチック製容器よりも薄くて使用量が減量されたプラスチックトレイを追加することも考えられる。
【0006】
従来のプラスチック蓋とプラスチック容器本体を用いる場合には、プラスチック蓋とプラスチック容器本体の両方に突起を設け、樹脂が有する高弾性の特性を利用して両突起を嵌合させることができた。これにより、プラスチック蓋から内容物を乗せたプラスチック容器本体が外れ、内容物が落体してしまうことが抑制されていた。
【0007】
しかしながら、厚紙製容器本体は、プラスチック容器と比べて成形性が悪い。また、厚紙製容器本体は可撓性が低く、ひとたび変形してしまうと、変形部分の形状及び寸法が元に戻りに難い。即ち、厚紙製容器本体は、プラスチックと比べて張りがなく、よれやすく、形状及び寸法を精度良く制御し難い。
【0008】
一人前の食事量等の内容物を収容できるサイズの場合、厚紙製容器本体の形状及び寸法が多少設計から外れても、多くの個体がプラスチック蓋と嵌合することができる。ところが、大型の厚紙製容器本体になると、このようなプラスチック容器本体と比べたデメリットが顕著になり、設計上の形状及び寸法から大きく外れ易く、また大きく波打つようによれて変形する。特に、厚紙製容器本体が空気中や食材の水分を吸水すると、柔らかくなり波打つ変形は大きくなる。
【0009】
そのため、大型の容器の場合、厚紙製容器本体の形状及び寸法の制御性は非常に悪くなり、厚紙製容器本体とプラスチック蓋の嵌合構造が成り立たない個体が多くなる。大型の容器が収容する内容物は重量も大きく、厚紙製容器本体とプラスチック蓋の嵌合性において条件も悪い。例えば、厚紙製容器本体が波打って、厚紙製容器本体に設置した嵌合部分が予定の位置よりも容器中心側に凹んだ箇所に位置してしまい、プラスチック蓋の嵌合部分と引っ掛からなくなる虞がある。
【0010】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、大型の容器であっても、厚紙製容器本体とプラスチック蓋の嵌合精度を向上させた容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明の実施形態に係る容器は、容器底面において幅が200mm以上であり、紙厚が2mm以下の厚紙製容器本体と、前記厚紙製容器本体に外嵌合するプラスチック蓋と、を備え、前記厚紙製容器本体は、容器上縁に沿って延び、容器外側に折り返された折り返し辺を有し、前記プラスチック蓋は、前記折り返し辺に覆い被さる嵌合側面部を有し、前記嵌合側面部は、前記折り返し辺の下端に引っ掛かる嵌合突起部と、前記折り返し辺の表面を押圧する辺押圧突起部と、を有する。
【0012】
前記折り返し辺は、前記容器上縁と直交する方向に幅狭の幅狭部と、前記容器上縁と直交する方向に幅広の幅広部と、を繋ぎ目無く一繋がりに有し、前記嵌合突起部と前記辺押圧突起部は、前記嵌合側面部内の概略同一高さに形成され、前記辺押圧突起部は、前記幅広部の表面を押圧し、前記嵌合突起部は、前記幅狭部の下端に引っ掛かるようにしてもよい。
【0013】
前記幅広部は、前記折り返し辺の中央域に配され、前記幅狭部は、前記幅広部の両側に分かれて配されるようにしてもよい。
【0014】
前記幅広部の全長は、前記折り返し辺の全長の20%以上60%以下の範囲で延在し、前記辺押圧突起部は、前記幅広部の全長の20%以上60%以下の範囲で延在するようにしてもよい。
【0015】
前記紙製容器は、前記折り返し辺の両側に、当該折り返し辺が及ばない容器側面部を有し、前記プラスチック蓋は、前記容器側面部の表面に密着する密着側面部を有するようにしてもよい。
【0016】
前記密着側面部は、前記嵌合側面部よりも前記プラスチック蓋の中心に寄った位置に延在するようにしてもよい。
【0017】
前記容器側面部は、前記密着側面部の表面を押圧する側面押圧突起部を有するようにしてもよい。
【0018】
前記嵌合側面部は、前記プラスチック蓋の天面から末広がりに延び、前記辺押圧突起部は、前記折り返し辺を前記嵌合側面部と平行又は略平行に抑えるようにしてもよい。
【0019】
前記折り返し辺と前記容器上縁との境界に沿って交互に並ぶ、全切れと半切れとを有するようにしてもよい。
【0020】
前記厚紙製容器本体に収容され、複数に区画されたプラスチックトレイを有するようにしてもよい。
【0021】
前記プラスチックトレイは、外縁から延びるタブ片を有し、前記厚紙製容器本体は、前記タブ片との対応箇所に、前記タブ片が引っ掛かる開口部を有するようにしてもよい。
【0022】
これら容器の構造は、一部又は全部を自在に組み合わせることができるものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、大型の容器であっても、厚紙製容器本体とプラスチック蓋とを良好に嵌合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】容器の斜視図である。
図2】厚紙製容器本体の斜視図である。
図3】厚紙製容器本体の正面図である。
図4】厚紙製容器本体の展開図である。
図5】プラスチック蓋の斜視図である。
図6】プラスチック蓋の底面図である。
図7】プラスチック蓋の長辺に沿った側面を裏側から見た側面図である。
図8】プラスチック蓋の短辺に沿った側面を裏側から見た側面図である。
図9】折り返し辺の幅広部と容器中心とを結ぶ線分に沿って切断した容器の拡大断面図である。
図10】折り返し辺の幅狭部と容器中心とを結ぶ線分に沿って切断した容器の拡大断面図である。
図11】折り返し辺の第1の変位態様を示す模式図である。
図12】折り返し辺の両側を示す模式図である。
図13】折り返し辺の第2の変位態様を示す模式図である。
図14】折り返し辺の幅広部と辺押圧突起部との比率を示す模式図である。
図15】折り返し辺の第3の変位態様を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(全体構成)
本発明の実施形態に係る容器について図面を参照しつつ詳細に説明する。各図面においては、理解容易のため、厚み、寸法、位置関係、比率又は形状等を強調して示している場合があり、本発明は、それら強調に限定されるものではない。以下、容器の底側を下方又は下側といい、開口側を上方又は上側ともいう。
【0026】
図1は、容器1の斜視図である。容器1は、例えば、容器底面において幅が200mm以上の大きさを有する使い捨ての大型容器である。容器1には、例えばオードブル、にぎり寿司、ちらし寿司、おせち、又はホールサイズのタルト若しくはケーキ等のように、二人前以上の量の食品が収容される。また、容器1は、食品に限らず、例えば花の詰め合わせ等の非食品の収容に用いてもよい。
【0027】
この容器1は、厚紙製容器本体2、プラスチック蓋3及びプラスチックトレイ4を備えている。厚紙製容器本体2の紙材は、広葉樹パルプ若しくは針葉樹パルプ等の木材パルプ、ワラパルプ若しくはバガスパルプ等の非木材パルプ、または新聞紙古紙若しくは上質古紙等の古紙パルプ等である。これらパルプを波形シートの両面にライナーシートを貼り合わせた両面段ボール、波形シートの片面にライナーシートを貼り合わせた片面段ボール、マイクロフルート等に加工し、これら段ボールから厚紙製容器本体2が成形される。厚紙製容器本体2の表面には樹脂コーティングがされていてもよい。
【0028】
厚紙製容器本体2の紙厚が2mm以下である。厚紙製容器本体2の幅200mm以上の大型であり、紙厚が2mm以下であると、厚紙製容器本体2がよれ易く、形状及び寸法を精度よく制御することが簡単ではなくなる。
【0029】
プラスチック蓋3は、内部が視認可能な透明性を有する。プラスチックトレイ4は、透明であっても不透明であってもよい。プラスチック蓋3及びプラスチックトレイ4の材質は、例えば石油系のプラスチック、バイオマスプラスチック、生分解性プラスチック、またはこれらの混合である。
【0030】
石油系のプラスチックとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート又はポリスチレン等が挙げられる。バイオマスプラスチックとしては、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン等のバイオポリオレフィンが挙げられる。生分解性プラスチックとしては、ポリ乳酸、デンプン樹脂、又はポリヒドロキシアルカン酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリブチレンサクシネート若しくはポリエチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステルや芳香族ポリエステルが挙げられる。
【0031】
この厚紙製容器本体2は、有底及び上面開口の容器であり、食品等の内容物を収容する。プラスチックトレイ4は、複数の区画を有しており、内容物を仕分けて収容可能となっている。プラスチックトレイ4は厚紙製容器本体2に収容される。即ち、厚紙製容器本体2は、このプラスチックトレイ4を介して内容物を収容する。プラスチックトレイ4を容器1から廃し、内容物を厚紙製容器本体2に直接又はシートを敷いて収容してもよい。プラスチック蓋3は、厚紙製容器本体2に外嵌合し、厚紙製容器本体2を閉蓋する。
【0032】
尚、プラスチックトレイ4からは複数のタブ片41が延出している。一方、厚紙製容器本体2は、プラスチックトレイ4を収容したとき、タブ片41と対応する位置に開口21が形成されている。タブ片41が開口21に挿入されて引っ掛かることで、プラスチックトレイ4と厚紙製容器本体2とは嵌合している。
【0033】
(厚紙製容器本体)
図2は厚紙製容器本体2の斜視図である。図3は厚紙製容器本体2の正面図である。図2及び3に示すように、厚紙製容器本体2は、有底及び上面開口の略逆錐台形状を有している。この厚紙製容器本体2は、底面22と側壁23とを備えている。底面22は水平方向に拡がっている。側壁23は、底面部22の縁に沿って無端状に立ち上がり、底面部22を全周に亘って囲っている。側壁23は、底面22から上方に向けて漸次拡開している。側壁23の傾斜角は全周及び全高さで同一である。側壁23に沿った上縁24は、水平面に沿って延在している。
【0034】
底面22は、八角形形状を有する。この八角形は、周方向に、相対的に短い4辺と相対的に長い4辺とが1辺ずつ交互に繰り返されて成る。この底面22の周縁から立ち上がる側壁23は、周方向に、相対的に短い4枚の短側面232と、相対的に長い4枚の長側面231とが1枚ずつ交互に繰り返されて成る。長側面231は全て同長であり、短側面232は全て同長である。プラスチックトレイ4のタブ片41と対応する開口21は、短側面232の下端に形成されている。
【0035】
4枚の長側面231のうち、対角にある2枚の長側面231には、折り返し辺26が延設されている。折り返し辺26は、長側面231から延長され、上縁24に沿って、厚紙製容器本体2の外側へ向けて折り返された紙片である。この折り返し辺26は、長側面231の上縁24に沿った全長を有し、全長は長側面231内に収まっている。長側面231に対する折り返し辺26の延び角度は定まっておらず、折り返し辺26の傾倒角度は外力が加わると変化自在である。但し、折り返し辺26は、水平よりも下方へ垂れ下がるように、折り曲げられている。
【0036】
折り返し辺26は、1区画の幅広部27と2区画の幅狭部28とを備えている。幅広部27と幅狭部28は繋ぎ目無く連続して並設されている。幅広部27は、長側面231の中心域に延在する。幅狭部28は、幅広部27の上縁24に沿った長さ方向において両側に分かれて配設されている。幅広部27は、幅狭部28と比べて、上縁24と直交する方向に幅広であり、幅狭部28は、幅広部27と比べて、上縁24と直交する方向に幅狭である。
【0037】
尚、幅広部27は、端部27aから漸次幅広になり、所定幅まで広がると一定の幅が広がる台形形状を有している。幅広部27は、2点の端部27a間に延在する。端部27aは、幅狭部28との境界点であり、一定幅で延在する幅狭部28に比して幅が変化する変化点である。
【0038】
図4は、このような厚紙製容器本体2の展開図である。図4に示すように、厚紙製容器本体2が展開された状態では、底面22に対して4枚の長側面231が連接している。4枚の長側面231のうち、対角にある2枚の長側面231の両端に、短側面232が連接している。各短側面232の自由端には糊代233が連接している。また、各短側面232には、底面22と面する下端にコの字状に切り欠き21aが形成されている。この切り欠き21aの開放部が底面22によって閉じられ、矩形の開口21が画成される。
【0039】
また、4枚の長側面231のうち、対角にある2枚の長側面231には折り返し辺26が連接している。折り返し辺26と長側面231との境界には、折り返し線25が形成されている。折り返し線25に沿って、厚紙製容器本体2を貫いた切り込みである全切れ251と、厚紙製容器本体2の厚み途中まで切り込まれ、非貫通の半切れ252が形成されている。全切れ251と半切れ252は交互に形成されている。
【0040】
(プラスチック蓋)
図5は、プラスチック蓋3の斜視図である。図6は、プラスチック蓋3の底面図である。図5及び6に示すように、プラスチック蓋3は、天面31と側壁32とを備え、側壁32で厚紙製容器本体2の上縁24を包囲するように被さる。天面31は、水平方向に広がり、厚紙製容器本体2に合わせて概略八角形形状を有する。側壁32は、天面31の縁に沿って無端状に延設されており、天面31から屈曲して下方に延びている。側壁32は、下方向に向かうにつれて外側に拡がり、末広がり状になっている。
【0041】
側壁32は、天面31に倣って概略八角形であり、周方向に、4枚の嵌合側面部321と4枚の密着側面部322が1枚ずつ交互に繰り返されて成る。嵌合側面部321は、相対的に密着側面部322より長く、密着側面部322は、相対的に嵌合側面部321よりも短い。4枚の嵌合側面部321は全て同長であり、4枚の密着側面部322は全て同長である。
【0042】
嵌合側面部321は、厚紙製容器本体2の長側面231の上側に覆い被さり、厚紙製本体2の折り返し辺26と嵌合する。図7は、プラスチック蓋3の長辺に沿った側面を裏側から見た側面図である。図5乃至7に示すように、嵌合側面部322は、プラスチック蓋3の周方向に沿って2つの嵌合突起部33と1つの辺押圧突起部34を有している。嵌合突起部33と辺押圧突起部34は、嵌合側面部321の裏面、即ちプラスチック蓋3を厚紙製容器本体23に外嵌合させたときに折り返し辺26と対向する面に形成されている。嵌合突起部33と辺押圧突起部34は、嵌合側面部321から突出しており、プラスチック蓋3の周方向に沿って延びている。
【0043】
嵌合突起部33は、折り返し辺26の幅狭部28に引っ掛かる突起である。辺押圧突起部34は、折り返し辺26の幅広部27の面を、折り返し辺26が更に折り畳まれる方向に押圧する突起である。そのため、折り返し辺26に合わせて配列されており、辺押圧突起部34の両側に嵌合突起部33が配置される。
【0044】
嵌合突起部33が厚紙製容器3の長側面231に覆い被さり、辺押圧突起部34が折り返し辺26の幅広部27を押圧したとき、折り返し辺26の傾倒角は、辺押圧突起部34によって押圧される位置及びストロークによって決まり、また幅狭部28の位置も定まる。嵌合突起部33は、折り返し辺26が辺押圧突起部33に押圧されたときに、幅狭部28の下端に潜り込んで引っ掛かる位置に突出している。
【0045】
ここで、折り返し辺26は、厚紙製容器本体2の対角に2枚設けられているのに対し、プラスチック蓋3の嵌合側面部321は四方に設けられている。この理由は、プラスチック蓋3を点対称の形状にして、プラスチック蓋3の向きに関わらず、厚紙製容器本体2にプラスチック蓋3を外嵌合できるようにしているものである。
【0046】
次に、密着側面部322は、厚紙製容器3の短側面232の上側に覆い被さり、短側面232と密着する。図8は、プラスチック蓋3の短辺に沿った側面を裏側から見た側面図である。図5、6及び8に示すように、密着側面部322は、プラスチック蓋3の中心から嵌合側面部321までの距離よりも、中心側に寄っている。そして、プラスチック蓋3の中心と密着側面部322までの距離は、厚紙製容器3の中心と短側面232までの距離よりも短い。もっとも、密着側側面部322の両端域は、プラスチック蓋3の中心から嵌合側面部321までの距離と同一距離まで戻って、嵌合側面部321と接続されている。
【0047】
(外嵌合構造)
このような厚紙製容器本体2とプラスチック蓋3との嵌合構造について更に詳細に説明する。図9は、折り返し辺26の幅広部27と容器中心とを結ぶ線分に沿って切断した容器1の拡大断面図である。図9に示すように、厚紙製容器本体2にプラスチック蓋3を被せる。嵌合側面部321と対向する折り返し辺26では、幅広部27が容器外側へ長く突き出ている。そのため、辺押圧突起部34は、幅広部27の下端に潜り込むことはできず、幅広部27の面を押圧する。
【0048】
折り返し辺26は、両側の幅狭部28を含む全長が継ぎ目無く一繋がりの長い辺面であるため、全体が厚紙製容器本体2の長側面231に近づくように押し込まれる。折り返し辺26は、辺押圧突起部34の位置及び突出長に従って、規定の傾倒率まで倒れ込む。また、辺押圧突起部34が折り返し辺26を押圧することで、折り返し辺26に張りが出てヨレが矯正され、折り返し辺26が設計上の形状に近づく。幅狭部28の下端についても、設計上の位置に近づき、また直線性が向上する。
【0049】
規定の傾倒率に関し、辺押圧突起部34は、折り返し辺26が、プラスチック蓋3の天面31から末広がりに延びる嵌合側面部321と平行又は略平行になるように押し込むことが好ましい。折り返し辺26が嵌合側面部321よりも水平に近づく傾倒率になっていくと、辺押圧突起部34の押圧が弱くなっていく。また折り返し辺26が嵌合側面部321よりも垂直に近づく傾倒率になっていくと、辺押圧突起部34及び嵌合突起部33は、より長く突出する必要があり、プラスチック蓋3の成型精度が悪化していく。
【0050】
図10は、折り返し辺26の幅狭部28と容器中心とを結ぶ線分に沿って切断した容器1の拡大断面図である。図10に示すように、辺押圧突起部34と幅広部27とが成す折り返し辺26の形状矯正構造によって、幅狭部28が設計上の場所に位置し、幅狭部28と嵌合突起部33との嵌合構造が実現し易くなる。嵌合突起部33は、幅狭部28の下端に潜り込んで引っ掛かる。そのため、厚紙製容器本体2の上側から覆い被さったプラスチック蓋3は、嵌合突起部33が幅狭部28に引っ掛かることによって外れ難くなる。
【0051】
尚、折り返し辺26は、全切れ251と半切れ252を交互に形成した折り返し線25によって折り返されている。この折り返し線によって、折り返し辺26を直線的に折り曲げられ、辺押圧突起部34で押圧したときに張りを出しやすくなっている。また、幅狭部28の下端も精度よく位置し、嵌合突起部33がより良好に引っ掛かるようになっている。
【0052】
次に、図11は、折り返し辺26の第1の変位態様を示す模式図である。ここで、折り返し辺全長26Lに対し、幅広部全長27Lは20%以上60%以下の範囲に設定されることが好ましい。幅広部全長27Lが折り返し辺全長26Lの60%超を占めると、折り返し辺26の直線性は増すが、幅狭部28が上縁24に沿って短くなり、60%以内の場合と比べて、幅狭部28と嵌合突起部33の嵌合強度が低下する。
【0053】
一方、幅広部全長27Lが折り返し辺全長26Lの20%未満であると、幅広部27の表面を辺押圧突起部34が押圧したことによる折り返し辺26の形状が矯正される効果が、折り返し辺26の全体には波及し難くなる。そのため、幅狭部28の領域では形状矯正不足となって、幅狭部28の位置が制御できていない個体が増加する虞がある。幅狭部28の上縁24に沿った長さは増加するが、嵌合突起部33の全体が幅狭部28に引っ掛からず、個体によっては、幅狭部28と嵌合突起部33の嵌合強度が低下する。
【0054】
換言すると、幅広部全長27Lが折り返し辺全長26Lの20%以上60%以下の範囲を占めることで、幅狭部28の長さと、折り返し辺26の形状が矯正される効果が生じる範囲とのバランスがとれ、厚紙製容器本体2とプラスチック蓋3の嵌合強度が増す。
【0055】
次に、図12は、折り返し辺26の両側を示す模式図である。図12に示すように、折り返し辺26は、厚紙製容器本体2の短側面232によって挟まれている。この短側面232には、プラスチック蓋3の密着側面部322が対面する。密着側面部322は、プラスチック蓋3の中心側に寄って配置されている。プラスチック蓋3の中心から密着側面部322までの距離は、厚紙製容器本体2の中心から短側面232までの距離よりも短い。
【0056】
そのため、密着側面部322は、短側面232に対して外側から密着し、短側面232を支持する。短側面232が厚紙製容器本体2の中心側に押し込まれる程度に密着させてもよい。但し、折り返し辺26を有する長側面231と短側面232との境界が、密着側面部322によって潰されないように、密着側面部322の両端部は、短側面232から離間させることが好ましい。
【0057】
図13は、折り返し辺26の第2の変位態様を示す模式図である。図13に示すように、密着側面部322が短側面232に対して外側から密着し、短側面232を支持すると、この短側面322に続く折り返し辺26は、両端が支持された両端固定梁の態様に近づく。そのため、折り返し辺26の幅広部27を辺押圧突起部34で押圧したとき、折り返し辺26の張りが強くなり、折り返し辺26のヨレを更に良好に矯正することができる。そして、折り返し辺26が設計上の形状に更に近づき、幅狭部28と嵌合突起部33の嵌合強度を向上させ易くなる。
【0058】
図14は、折り返し辺26の幅広部27と辺押圧突起部34との比率を示す模式図である。図14に示すように、折り返し辺26の幅広部27の全長27Lに対する辺押圧突起部34の全長34L、即ちプラスチック蓋3の側壁32に沿った長さは、20%以上60%以下の範囲に設定されることが好ましい。辺押圧突起部34が折り返し辺26の60%超の長さであると、幅広部27全体を押圧できるので、幅広部27は直線に倣い易い。そして、幅広部27の直線性が幅狭部28に波及して、幅狭部28も直線になり易い。
【0059】
一方、図15は、折り返し辺26の第3の変位態様を示す模式図であるが、図15に示すように、辺押圧突起部34が折り返し辺26の60%以下の長さであると、幅広部27の中央が辺押圧突起部34で押圧された反作用で、幅広部27の両端は、厚紙製容器本体2の外側へ膨らみ易くなる。幅広部27の両端が外側へ膨らむと、その膨らみが幅狭部28に波及する。そして、幅狭部28は、厚紙製容器本体2の外側に弧を描いて膨らむ。
【0060】
即ち、辺押圧突起部34が折り返し辺26の60%以下の長さであると、幅狭部28の下端に、プラスチック蓋3の嵌合突起部33が深く食い込み、また折り返し辺26の強度が増加する。そのため、プラスチック蓋3と厚紙製容器本体2との嵌合強度が更に増強される。尚、20%未満であると、押圧によって折り返し辺26に張りを与える範囲が限定的になる。
【0061】
(効果)
以上のように、この容器1は、厚紙製容器本体2とプラスチック蓋3とを備えている。厚紙製容器本体2は、容器底面において幅が200mm以上であり、紙厚が2mm以下である。プラスチック蓋3は、この厚紙製容器本体2に外嵌合する。厚紙製容器本体2は、上縁24に沿って延び、容器外側に折り返された折り返し辺26を有する。プラスチック蓋3は、折り返し辺26に覆い被さる嵌合側面部321を有する。嵌合側面部321は、折り返し辺26の下端に引っ掛かる嵌合突起部33と、折り返し辺26の表面を押圧する辺押圧突起部34とを有する。
【0062】
この容器1によれば、折り返し辺26に張りが与えられ、厚紙製容器2のヨレを是正に向かい、設計に近い形状及び寸法を実現できるため、多くの個体で厚紙製容器本体2にプラスチック蓋3を嵌合させることができ、また嵌合強度が上がる。尚、厚紙製容器本体2に収容され、複数に区画されたプラスチックトレイ4を備える場合を説明したが、プラスチックトレイ4を廃して容器1を構成するようにしてもよい。
【0063】
また、折り返し辺26は、上縁24と直交する方向に幅狭の幅狭部28と、上縁24と直交する方向に幅広の幅広部27とを繋ぎ目無く一繋がりに有するようにした。一方、嵌合突起部33と辺押圧突起部34は、嵌合側面部321内の概略同一高さに形成され、辺押圧突起部34は幅広部27の表面を押圧し、嵌合突起部33は幅狭部28の下端に引っ掛かるようにした。
【0064】
ここで、幅が同じの折り返し辺26を形成し、嵌合突起部33が折り返し辺26の下端に引っ掛かるように下がった位置に突出し、辺押圧突起部34が折り返し辺26の表面を押圧するように少し上の位置に突出するようにしてもよい。但し、辺押圧突起部34の押圧による張りの効果は、辺押圧突起部34と同一の高さ範囲に現れやすいので、折り返し辺26が幅広部27と幅狭部28とを有するようにし、嵌合突起部33と辺押圧突起部34を概略同一高さに並べることで、特に形状及び寸法を是正すべきである嵌合突起部33の範囲を効率的に是正できる。
【0065】
尚、幅広部27は、辺押圧突起部34が表面を押圧できる程度に幅広であればよく、幅狭部28は、嵌合突起部33が幅狭部28の下端に引っ掛かることができるように幅狭であればよい。
【0066】
幅広部27は、折り返し辺26の中央域に配され、幅狭部28は、幅広部27の両側に分かれて配されるようにした。これにより、幅広部27を辺押圧突起部34で押圧したとき、張りの向上が折り返し辺26全体に効率良く波及する。
【0067】
もっとも、折り返し辺26の中央域に幅狭部28を配し、幅狭部28の両側に幅広部27を分けて配してもよく、折り返し辺26に張りを与えることができる。このとき、プラスチック蓋3の嵌合側面部321側では、中央域の突起が嵌合突起部33となり、両側の突起が辺押圧突起部34になる。また、幅広部27と幅狭部28を押返し辺26に沿って交互に配置するようにしてもよく、折り返し辺26に張りを与えることができる。
【0068】
幅広部27の全長は、折り返し辺26の全長の20%以上60%以下の範囲で延在し、辺押圧突起部34は、幅広部27の全長の20%以上60%以下の範囲で延在するようにした。
【0069】
このように、幅広部全長27Lが折り返し辺全長26Lの20%以上60%以下の範囲を占めることで、幅狭部28の長さと、折り返し辺26の形状が矯正される効果が生じる範囲とのバランスがとれ、厚紙製容器本体2とプラスチック蓋3の嵌合強度が増す。また、辺押圧突起部34が折り返し辺26の60%以下の長さであると、幅狭部28の下端に、プラスチック蓋3の嵌合突起部33が深く食い込み、また折り返し辺26の強度が増加するため、プラスチック蓋3と厚紙製容器本体2との嵌合強度が更に増強される。もっとも、幅広部全長27Lが折り返し辺全長26Lの60%超の範囲を占めることで、押圧したときに折り返し辺26の直線性を向上させることができる。
【0070】
また、厚紙製容器本体2は、折り返し辺26の両側に、当該折り返し辺26が及ばない側壁23、即ち多角形の場合には短側面232を有し、プラスチック蓋3は、この側壁23の表面に密着する密着側面部322を有するようにした。
【0071】
このように、密着側面部322を有することで、密着側面部322が折り返し辺26の両側の側壁23に対して外側から密着して支持し、この支持された側壁23に続く折り返し辺26は、両端固定梁の態様に近づく。そのため、折り返し辺26の幅広部27を辺押圧突起部34で押圧したとき、折り返し辺26の張りが強くなり、折り返し辺26のヨレを更に良好に矯正することができる。
【0072】
尚、折り返し辺26の両側の側壁23にプラスチック蓋3の側壁32を密着させなくとも、折り返し辺26の両側に、長側面231と短側面232を繋ぐ角部が存在することで、この角部が折り返し辺26を両端固定梁の態様に近づける。もっとも、密着側面部322を備えると、両端固定梁としての効果は更に高まる。密着側面部322は、辺押圧突起部34が幅広部27の全長の20%以上60%以下の範囲で延在させる構成と組み合わせると、幅狭部28を外側へ弧を描いて膨らませ易くなり、嵌合強度を上げるのに更に好適となる。
【0073】
ここで、密着側面部322の全面が、折り返し辺26の両側の側壁23に密着する必要はなく、一部が密着するようにしてもよい。例えば、厚紙製容器本体2の側壁23を押圧する突起部を密着側面部322に設け、この突起によって密着するようにしてもよい。また、密着側面部322を湾曲させ、湾曲頂点領域によって密着するようにしてもよい。
【0074】
また、密着側面部322は、嵌合側面部321よりもプラスチック蓋3の中心に寄った位置に延在するようにした。これにより、密着側面部322は、折り返し辺26の両側の側壁23を押圧変形させ、折り返し辺26の両端を更に強く支持することができる。そのため、折り返し辺26を辺押圧突起部34で押圧して作り出した張りを更に強くでき、折り返し辺26のヨレを更に良好に矯正することができる。
【0075】
また、嵌合側面部321は、プラスチック蓋3の天面31から末広がりに延び、辺押圧突起部34は、折り返し辺26を嵌合側面部321と平行又は略平行に抑えるようにした。これにより、辺押圧突起部34の押圧力とプラスチック蓋3の成型精度のバランスがとれ、嵌合強度が向上する。
【0076】
また、折り返し辺26と上縁24との境界に沿って交互に並ぶ、全切れ251と半切れ252とを有するようにした。これにより、折り返し辺26の折り返し精度が上がり、辺押圧突起部34によって張りを出しやすく、また嵌合突起部33が折り返し辺26に引っ掛かり易くなる。
【0077】
(他の実施形態)
以上のように本発明の実施形態を説明したが、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。そして、この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0078】
例えば、八角形の容器1を例に採り説明したが、これに限らず、丸形、楕円形、小判形、長円形、八角形以外の多角形であってもよい。また、多角形の場合において、各辺部は、直線状であってもよいし、外側に弧状に膨出する構成であってよい。各角部は円弧状であってよく、即ち角丸形状であってよい。側壁23のうちの曲面内に折り返し辺26を形成する場合、折り返し辺26が設計上の曲率に近づくように是正できればよい。
【0079】
嵌合突起部33及び辺押圧突起部34は、連続又は断続的に延びていればよい。即ち、複数の半球状の突起の集団を嵌合突起部33としてもよく、複数の半球状の突起の集団を辺押圧突起部34としてもよい。また、プラスチック蓋3の天面31は水平である必要はなく、例えば全体がドーム状に膨らみ、また局所的に膨らみや凹みのある造形であってもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 容器
2 厚紙製容器本体
21 開口
21a 切り欠き
22 底面
23 側壁
231 長側面
232 短側面
233 糊代
24 上縁
25 折り返し線
251 全切れ
252 半切れ
26 折り返し辺
26L 折り返し辺全長
27 幅広部
27a 端部
27L 幅広部全長
28 幅狭部
3 プラスチック蓋
31 天面
32 側壁
321 嵌合側面部
322 密着側面部
33 嵌合突起部
34 辺押圧突起部
34L 押圧突起全長
4 プラスチックトレイ
41 タブ片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15