(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056593
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】岩石から制作する舗道石の表面の仕上げ加工
(51)【国際特許分類】
E01C 5/02 20060101AFI20240416BHJP
【FI】
E01C5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022172769
(22)【出願日】2022-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】500528912
【氏名又は名称】小林 恒己
(72)【発明者】
【氏名】小林 恒己
【テーマコード(参考)】
2D051
【Fターム(参考)】
2D051AA08
2D051AB03
2D051AH02
2D051DA02
2D051DA16
2D051DC01
2D051DC03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】粗面仕上げの自然石の表面縁部を加工した舗装石の路面に関するもので、路面の存在を通行者に認識させ、路面に照射される光の磨き仕上げされた部分から反射光を通行者が受けて路面を認識し、路面および周囲の景観を美しく演出する加工された舗道石である。
【解決手段】舗装石の粗面仕上げした岩石を加工した舗道石の表面縁部の表面と側面部において、最短距離を3mm~15mmの範囲の長さで、縁部から真下へ30度から60度の範囲で表面石の縁部を面取り加工し、面取りした部分の一部ないし全部を磨き仕上げにし、路面に照射される光を面取りしていない表面部より光の反射率を大きくし、反射光により路面に光の模様を出現させて、周囲の景観を美しくするとともに、路面の滑り抵抗値の低下を防ぎ、路面の一部が反射することで、周囲の人間に路面の存在を認識させ、交通事故を防止させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然岩石を加工して路面に敷設する舗装石として利用する舗道石の路面に曝す表面部を粗面仕上げに加工し、この舗道石の縁を面取り加工し、面取り部の表面を磨き仕上げに加工する。面取り加工部の寸法は、天面の水平部から下方へ垂直方向の平均角度は30度から60度とし、縁に対して90度(直角)方向の斜面の辺の長さは平均3mm~15mmとする。
【請求項2】
自然岩石を加工して路面に敷設する舗装石として利用する舗道石の路面に曝す表面部を粗面仕上げに加工し、この舗道石の縁を面取り加工し、面取り部の表面を磨き仕上げに加工し、加工部分へ入射する直角方向の光反射率を50%以上の仕上げに研磨することを特徴とする発明。
【請求項3】
自然岩石を加工して路面に敷設する舗装石として利用する舗道石の路面に曝す表面部を粗面仕上げに加工し、この舗道石の縁を面取り加工し、面取り部の表面を磨き仕上げに加工する。面取り加工部の寸法は、天面の水平部から下方へ垂直方向の平均角度は30度から60度とし、縁に対して90度(直角)方向の斜面の辺の長さは平均3mm~15mmとし、斜面部へ入射する光の反射率を直角方向で50%以上に加工する発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は舗道路面に施工する舗道石の路面露出部に関するものであり、舗道単石の露出部分の面取り加工に関するものである。通常、路面に使用する舗道石の表層部すなわち石の天面は通行人および通行車両の滑り防止の目的で粗面仕上げにし、石角部の破損防止の目的で面取り加工を実施している。
本発明の舗道石を使用することにより路面の露出部の面取り部が周囲の光を反射し、路面を通行する者が路面の存在を光の反射により確認できることである。また通行者に対して舗道石表面の粗面部より光反射率が大きく、注意を喚起することである。なおすべての物質は光を反射するが、100%の反射率を有する物質は実用的には存在しない。また光を100%反射しないあるいは吸収する物質は完全黒体とブラックホールだけである。
【背景技術】
【0002】
本発明は自然石を加工した舗道石舗装に関するものである。単石の路面露出部の粗面仕上げの周囲を面取りし、その場所を磨き加工し、粗面表面部と面取り斜面ぶの光の反射率の違いにより、周囲の景観と舗道石路面が調和して景観を美しくすることである。
自然石を舗装に用いる目的は、自然石の美しさを路面から創出し、周囲の景観と舗装路面を調和させることにある。舗装用石として用いる場合に自然石の美しさを創出する方法として舗装路面の露出部、すなわち舗装石単体の表面部を磨き仕上げにすることも可能である。しかし、磨き仕上げにすることは路面の滑り抵抗値、滑り摩擦値を低下させる。すなわち路面の滑り抵抗率を低下させ、交通事故発生の原因になる。
磨き仕上げにより路面の滑り抵抗値は低下する。滑り抵抗値の低下は、交通事故発生の原因に直結する。そのため実際の舗道に使用する舗石の表面は粗面仕上げになっている。
【0003】
粗面仕上げ加工の方法には、割肌仕上げ、ノミ切仕上げ、ビシャン仕上げ、バーナー仕上げなどの加工方法が一般的ある。実路においては、粗面仕上げを施さない舗装石を使用することは、実路の交通安全を確保しなければならない道路舗装においては存在してはいけない。
【0004】
舗道石の路面部の表面を磨き仕上げ加工した舗道石の主な欠点は、路面の滑り抵抗値が低下し、交通事故の増加につながることである。
【0005】
欠点2は、単石の粗面仕上げの路面上に照射された可視光線が乱反射して、乱反射する分だけ交通者の目に入る光の量が減少し、通行者の目には路面が磨き仕上げに比べて暗く感じることである。同時に路面石表層の自然石の美しい結晶組織、模様、色調から訴える美しさ、が視界から見えなくなることである。
発明が解決相とする課題
【0006】
本発明は、天面が粗面仕上げの舗道石からなる路面の滑り抵抗値を減少させることなく、舗道石の縁部を磨き、石舗装路面を明るくし、周囲の景観と調和させて、景観を美しくするものである。
改善技術
【0007】
路面石の天面磨き仕上げの欠点1は、路面の滑り抵抗値が低下することである。本発明は、舗道石の磨き仕上げの部分すなわち磨き部分の場所が路面の凹凸を発生させ、それにより滑り抵抗値を低下させない技術である。すなわち面取り部の形状が路面を造成したとき、路面の凹み部分を通行者が通行するときに障害にならない範囲の形状まで面取り部を加工することである。路面は、面取り部の面取り部が磨き仕上げになっている隣同士の舗道石の接触部分の部がへこみ、隣接する舗道石と接触部分が凹凸路面を形成しながら磨きによる光反射率を増大させることである。
【0008】
欠点2の改善は、自然石の色調が粗面仕上げになると光が乱反射し、人間の目に入る光量が減少し、石表面の色調が色あせて見え、石の色調が淡くなり、人間の眼には自然の結晶組織が磨き仕上げのような石模様の美しさが見えないことである。このことを改善するために面取り部を磨き仕上げにすることである。この場合に面取り部が石張り施工後において隣接
が低下しないことが特徴である。
発明の概要
【0009】
本発明は、自然石を路面用舗道石として使用する場合に路面部となる舗道石の表面を粗面仕上げにした舗道石の面縁部を面取り加工し、この面取り部を磨き仕上げにすることである。面取り部の角度は平均で天面平面から30度から60度とする。30度以下では通行者が路面と接触する部位での路面の滑り摩擦係数が減少し、60度以上では歩行者が歩行中に、この凹凸部位に躓く可能性が大きくなり、交通事故につながることである。また路面に照射される可視光線の反射光が視界入る量が減少する。
面取り斜面の長さは、天面から最短下方への斜面の長さは3mm~15mmとする。3mm以下では反射の効果が少なく、15mm以上にすると歩行者が歩行中に躓く危険があり、交通事故発生の原因になることを防ぐためである。
【発明の効果】
【0010】
天面を粗面仕上げにした舗道石の縁部を面取りして磨くことにより、路面周囲から路面上に照射される可視光線を面取り部が反射することにより、通行者へ路面の存在を認知させ、交通事故防止になることである。路面の滑り抵抗値の低下することがなく、磨き仕上げにした部分が視界には粗面仕上げの表面部より舗道石の色調を鮮やかに見えて、路面が周囲の景観に調和させ、通行者に路面の美しさを自然に認識させる効果がある。
先行技術文献・参考文
【0011】
1) 小林恒己:明色舗装への夢、道路建設、343(1979,8)
2) (照明学会)、最新 やさしい明視論(1977,5)
3) 小林恒己、多田宏行、藤田晃弘:修景石材と舗装、技報堂出版
4) 小林恒己、ほか2名:視覚障碍者用の『輝度比と明度が異なる自然石を組み合わせた複合一体化表示ブロック』、舗装、6/2020/Vol55.No/.6
【課題を解決する手段】
【0012】
請求項1は、舗道に使用する天面が粗面仕上げの自然石の縁部分を磨き仕上げにする舗道用石に関するものである。磨き使用する部分は天面の水平部から垂直方向の天面から平均角度は30度から60度とし、垂直方向の斜面の長さは平均で3mm~15mmとする。
請求項2は、天面が粗面仕上げの舗道用石の縁部の面取り部の磨き仕上げの部分の磨き面が、面の直角方向の可視光線の光反射率を50%以上とする。
請求項3は、天面を粗面仕上げにした舗道石の縁部を面取りして磨く部分は、表面との角度を平均30度から60度の範囲とする。路面に曝す表面部の舗道石の縁を面取りし、面取り部の表面を磨き仕上げにする斜面の長さは、表面と直角方向で平均3mm~15mmとする。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明は自然石を加工して舗装路面を造成するあらゆる舗道に利用可能で、交通安全の向上、景観の向上に貢献するものである。
【00014】
【図面の簡単な説明】
【
図1】
図1は、自然石を加工した四角形舗道用石 数1は、四角形の舗道石1個の断面である。数2は、四角形の舗道石1個の路面部になる表面(天面)部である。数3は、磨き加工した面取り部である。数4は、粗面仕上げの天面部の縁を磨き加工した縁部で、磨き加工部が粗面仕上げの天面と垂線との面取り角度(30度~60度)である。数5は、磨き加工した面取り部の辺の長さ(3mm~15mm)である。
【
図2】
図2は、自然石を加工した円形舗道用石 数21は、円形の舗道石1個の断面である。数22は、円形の舗道石1個の路面に接する粗面仕上げの表面(天面)である。数23は、円形の舗道石の磨き加工した面取り部である。
【
図3】
図3は、自然石を加工したに割肌加工舗道用石 数31は、立方体形状の割肌舗道石の断面である。数32は、立方体形状の割肌舗道石1個の路面に接する表面(天面)である。数33は、立方体形状の割肌舗道石の路面に接する表面(天面)の磨き加工した面取り部である。数34は、磨き加工した面取り部が交差する辺部である。