(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056594
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】足のサポータ
(51)【国際特許分類】
A61F 5/02 20060101AFI20240416BHJP
【FI】
A61F5/02 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022172771
(22)【出願日】2022-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】520106758
【氏名又は名称】株式会社タチバナ
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 裕二
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 洋子
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA02
4C098BB11
4C098BC03
4C098BC13
(57)【要約】
【課題】従来、アーチを補強あるいは矯正する有効な手段としてテーピングが行われてきた。しかし、テーピングには、高度の技術が必要でありきつく締めたり弱く締めたりすることがあり、素人には適切な施術ができないとともに、テープの痛みが早く使い捨てされることが多いので、費用がかかるという問題点があった。
【解決手段】足首よりも下方の足全体をサポートする足のサポータにより、上記課題を解決した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足の第一中足骨の先端と第五中足骨の先端とを結ぶ足底部の横アーチに巻回されて、前記横アーチをサポートする横アーチ足底サポート部と、前記横アーチ足底サポート部の両端から足背部に8の字のループ状に交差して巻回され、横アーチ第一中足骨側及び横アーチ第五中足骨側をサポートする横アーチ第一中足骨側サポート部及び横アーチ第五中足骨側サポート部と、前記足背部に当接する足背当接部において交差して、前記足背当接部から延設される内側縦アーチ及び外側縦アーチをサポートする内側縦アーチサポート部及び外側縦アーチサポート部と、前記内側縦アーチサポート部及び前記外側縦アーチサポート部から延設して形成される内側縦アーチ足底サポート部及び外側縦アーチ足底サポート部と、前記内側縦アーチ足底サポート部及び前記外側縦アーチ足底サポート部から延設されて足底中心部の近傍で交差して足底に当接する足底中心当接部と、前記足底中心当接部から外方に延設されるとともに、踵の上方の踵上方交差部で交差して延設されることで、足底に形成されるヒールロック足底第一中足骨側及びヒールロック足底第五中足骨側をサポートする、ヒールロック足底第一中足骨側サポート部及びヒールロック足底第五中足骨側サポート部と、前記踵上方交差部の下方位置に形成されて踵骨を囲むようにサポートするヒールロック第一中足骨側サポート部及びヒールロック第五中足骨側サポート部と、前記踵上方交差部から延設されて内踝と外踝とを結ぶ線上の上方位置において、結合手段により端部同士が結合されて遠位脛腓関節をサポートする遠位脛腓関節サポート部と、を備えたことを特徴とする足のサポータ。
【請求項2】
前記足のサポータは、1本の伸縮性を有するバンドにて一体的に形成されている請求項1に記載の足のサポータ。
【請求項3】
前記横アーチ足底サポート部と前記ヒールロック第一中足骨側サポート部及び前記ヒールロック第五中足骨側サポート部の少なくとも一方の内側には滑り止め手段が設けられている請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の足のサポータ。
【請求項4】
前記足底中心当接部は、交差するバンド同士が固定されている請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の足のサポータ。
【請求項5】
前記横アーチ足底サポート部の両端から8の字のループ状に交差した交差部と、前記ヒールロック足底第一中足骨側サポート部及び前記ヒールロック足底第五中足骨側サポート部の端部同士が交差した交差部には、それぞれのバンドを保持する保持部が形成されている請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の足のサポータ。
【請求項6】
前記保持部は、それぞれの前記交差部において重ね合わされた内側のバンドの表面に形成されている請求項5に記載の足のサポータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足のサポータに関するものであり、更に詳しくは、足首から下方の足全体をサポートする足のサポータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
土踏まずは、足の裏の中央部から後半部に形成される窪みであり、直立二足歩行を行う人間にとっては重要な機能を担っている。
図14を用いて、土踏まずの構造の概略を説明すると、土踏まずは、3つのアーチと3つの支持点a、b、c、によって支えられている。土踏まずを形成する3つの支持点a、b、c、は、第1中足骨頭a、第5中足骨頭b、踵骨隆起の内側及び外側突起c、によって形成され、それぞれの支持点a、b、c、は隣接する2つのアーチを支えている。
【0003】
前方の支持点a、b、間に張られた前部アーチは最も短く最も低くなっている。外側の支持点b、c、間には中程度の長さと高さの外側アーチが存在し、内側の支持点a、c、間には最も長く最も高い内側アーチがある。
【0004】
土踏まずの形は風によって膨らんだ帆のような形状であり、その頂点は後方に偏位しているので、体重は足背の中心にある後方スロープの1点c、にかかる。土踏まずは前後方向、左右方向、水平回転方向の姿勢制御を容易にし、あおり歩行をするとともに歩行時の接地の衝撃の吸収、足部の保護、放熱など、直立二足歩行のために重要な機能を担っている。
【0005】
上記の3つのアーチは、実際には足底の骨、関節、靭帯、筋肉や腱が一体的に機能することによって担っている。これらの骨、関節、靭帯、筋肉、腱などが未発達でアーチが十分に形成されていなかったり、何等かの原因でこれらの骨、関節、靭帯、筋肉、腱などが故障したり弱化してアーチが崩れてくると、様々な不都合な症状が現れてくる。例えば、外反拇趾、モートン病、足底腱膜炎、踵骨棘、変形性膝関節症、O脚などである。そして、このような不具合な症状を改善するためには、アーチを補強あるいは矯正する必要がある。
【0006】
従来、アーチを補強あるいは矯正する有効な手段としてテーピングが行われてきた。しかし、テーピングには、高度の技術が必要でありきつく締めたり弱く締めたりすることがあり、素人には適切な施術ができないとともに、テープの痛みが早く使い捨てされることが多いので、費用がかかるという問題点があった。
【0007】
上記問題点を解消するために、従来から種々の足首関節用のサポータが提案されており、足首周辺の骨や関節及び筋肉を適切に固定して、足首周辺の骨や関節の矯正を目的に提案されたもの(例えば、特許文献1)や、足首、踝、足先を無負荷の状態で、前後に動かし易くなるように考慮して固定することにより、生活習慣となってしまった内股歩行、外股歩行、及び姿勢を正しく矯正を目的に提案されたもの(例えば、特許文献2)や、簡単な構成で、踵の外反及び内反を抑制する装具として、伸縮ベルトで足背と足底との間を周回し、踵を周回して足首に装着する足首装着具を目的に提案されたもの(例えば、特許文献3)などが提案されている。
【0008】
上記特許文献1には、人体の足に装着可能な、伸縮性を有する踵足首サポータであって、足の甲から足裏、踵及び足首までの領域の表面を覆うことが可能な筒状サポータと、前記筒状サポータに取り付けられ前記筒状サポータの上から足に装着可能なベルト型サポータと、を備えたものが開示されているが、2重構造であって着脱に非常な手間を要するという問題点があった。また、前記筒状サポータは、横アーチの踵側に当接しており、前記横アーチを直接保護しておらず、その上、靴下の先端部を除去した形状になっているとともに、前記筒状サポータと足との当接部全体を圧迫するという懸念が生じる上、横アーチに働きかける第一中足骨と第五中足骨への着圧を付加して横アーチのたわみを補強する機能を担う横アーチ足底サポート部と横アーチ第一中足骨側サポート部と横アーチ第五中足骨側サポート部及び、外側縦アーチや内側縦アーチに働きかけて、着圧を付加して内側縦アーチと外側縦アーチのたわみを補強する機能を有する内側縦アーチサポート部と外側縦アーチサポート部及び内側縦アーチ足底サポート部と外側縦アーチ足底サポート部に加え、踵を挟み込んでアキレス鍵中央部近傍で交差させ上方へ引き上げる機能を有するヒールロック足底第一中足骨側サポート部とヒールロック足底第五中足骨側サポート部及びヒールロック第一中足骨側サポート部とヒールロック第五中足骨側サポート部などの、3つのアーチのたわみを補強するサポート部を備えていないので、地面からの衝撃を吸収する効果が期待できないという問題点もある。
【0009】
また、特許文献2に記載の装具は、内股歩行、外股歩行、姿勢を正しく矯正するために、足首、踝、足先に装着する矯正用のサポータであって、足首周囲ストラップと足底周囲ストラップと足先周囲ストラップの3つの部材からなり、足首、踝、足先を無負荷の状態で、面ファスナーで固定したものが開示されているが、踵を挟み込んでアキレス腱中央部近傍で交差させ上方へ引き上げる機能を有するヒールロック第一中足骨側サポート部とヒールロック第五中足骨側サポート部を備えていないので、アキレス腱の捻じりを軽減させ、アキレス腱を形成する下腿三頭筋の負担軽減には至らず、下腿部全体が安定する事は難しいという問題点がある。また、足先周囲ストラップの両先端に取り付けてある面ファスナーは、オス面とメス面の重なり部分に厚みが生じ、接合面を足底に設置すると違和感や不快感が生じ、足背に回しても靴や靴下も引っかかって履き辛く、実用的とは感じえない上、装着にも手間がかかるという問題点があった。
【0010】
さらに、特許文献3には、簡単な構成で足首に装着する足首用装着具であって、足首周回部、踵周回部、足背底周回部を有して、踵の内反と外反を抑制すると共に、スポーツのパフォーマンスを向上することができる足首固定用の伸縮ベルトが開示されているが、横アーチを直接保護しておらず、横アーチに働きかけて第一中足骨と第五中足骨への着圧を付加して横アーチのたわみを補強する機能を有する横アーチ足底サポート部及び横アーチ第一中足骨側サポート部と横アーチ第五中足骨左側サポート部を備えていないので、横アーチの形成を補強することができなく、指先までの荷重移動がしっかりと伝わり難く、下肢への負担軽減にはつながり難いという問題点がある。また、その装着方法は一本の伸縮ベルトの両端に面ファスナーやバックルやフック等を用いて接続して形成されるが、その装着工程は年配者などにとっては引っ張り具合や、交差位置などの設定がし難いという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第6364574号
【特許文献2】特開2019-033998
【特許文献3】特開2014-198159
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記従来の問題点を解消するためになされたものであり、足底部における3つのアーチ構造『横アーチ』・『内側縦アーチ』・『外側縦アーチ』に働きかけるように形成された、横アーチ足底サポート部と横アーチ第一中足骨側サポート部と横アーチ第五中足骨側サポート部及び内側縦アーチサポート部と外側縦アーチサポート部及び内側縦アーチ足底サポート部と外側縦アーチ足底サポート部などの形成をサポートする機能を有する、足のサポータを装着することで生じる着圧を付加して、3つのアーチのたわみを補強すると共に、ヒールロック第一中足骨側サポート部とヒールロック第五中足骨側サポート部及び遠位脛腓関節サポート部により、内踝、外踝と足首周りをサポートして、体幹の安定や歩行時の地面との荷重衝撃吸収・推進力を発揮し、横ブレを軽減し安定した歩行ができるように考慮された、装着が簡単で一体的に形成された足首から下方の足全体をサポ-トする足のサポータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の足のサポータは、足の第一中足骨の先端と第五中足骨の先端とを結ぶ足底部の横アーチに巻回されて、横アーチをサポートする横アーチ足底サポート部と、横アーチ足底サポート部の両端から足背部に8の字のループ状に交差して巻回され、横アーチ第一中足骨側及び横アーチ第五中足骨側をサポートする横アーチ第一中足骨側サポート部及び横アーチ第五中足骨側サポート部と、足背部に当接する足背当接部において交差して、足背当接部から延設される内側縦アーチ及び外側縦アーチをサポートする内側縦アーチサポート部及び外側縦アーチサポート部と、内側縦アーチサポート部及び外側縦アーチサポート部から延設して形成される内側縦アーチ足底サポート部及び外側縦アーチ足底サポート部と、内側縦アーチ足底サポート部及び外側縦アーチ足底サポート部から延設されて足底中心部の近傍で交差して足底に当接する足底中心当接部と、足底中心当接部から外方に延設されるとともに、踵の上方の踵上方交差部で交差して延設されることで、足底に形成されるヒールロック足底第一中足骨側及びヒールロック足底第五中足骨側をサポートする、ヒールロック足底第一中足骨側サポート部及びヒールロック足底第五中足骨側サポート部と、踵上方交差部の下方位置に形成されて踵骨を囲むようにサポートするヒールロック第一中足骨側サポート部及びヒールロック第五中足骨側サポート部と、踵上方交差部から延設されて内踝と外踝とを結ぶ線上の上方位置において、結合手段により端部同士が結合されて遠位脛腓関節をサポートする遠位脛腓関節サポート部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の足のサポータは、1本の伸縮性を有するバンドにて一体的に形成されているのが望ましい。
また、本発明の足のサポータは、横アーチ足底サポート部とヒールロック第一中足骨側サポート部及びヒールロック第五中足骨側サポート部の少なくとも一方の内側には滑り止め手段が設けられているのが望ましい。
また、本発明の足のサポータは、足底中心当接部において交差するバンド同士が固定されているのが望ましい。
また、本発明の足のサポータは、横アーチ足底サポート部の両端から8の字のループ状に交差した交差部と、ヒールロック第一中足骨側サポート部及びヒールロック第五中足骨側サポート部の端部同士が交差した交差部には、それぞれのバンドを保持する保持部が形成されているのが望ましい。
また、本発明の足のサポータは、保持部がそれぞれの交差部において重ね合わされた内側のバンドの表面に形成されているのが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の足のサポータは、足の第一中足骨の先端と第五中足骨の先端とを結ぶ足底部の横アーチに巻回されて、横アーチをサポートする横アーチ足底サポート部と、横アーチ足底サポート部の両端から足背部に8の字のループ状に交差して巻回され、横アーチ第一中足骨側及び横アーチ第五中足骨側をサポートする横アーチ第一中足骨側サポート部及び横アーチ第五中足骨側サポート部と、足背部に当接する足背当接部において交差して、足背当接部から延設される内側縦アーチ及び外側縦アーチをサポートする内側縦アーチサポート部及び外側縦アーチサポート部と、内側縦アーチサポート部及び外側縦アーチサポート部から延設して形成される内側縦アーチ足底サポート部及び外側縦アーチ足底サポート部と、内側縦アーチ足底サポート部及び外側縦アーチ足底サポート部から延設されて足底中心部の近傍で交差して足底に当接する足底中心当接部と、足底中心当接部から外方に延設されるとともに、踵の上方の踵上方交差部で交差して延設されることで、足底に形成されるヒールロック足底第一中足骨側及びヒールロック足底第五中足骨側をサポートする、ヒールロック足底第一中足骨側サポート部及びヒールロック足底第五中足骨側サポート部と、踵上方交差部の下方位置に形成されて踵骨を囲むようにサポートするヒールロック第一中足骨側サポート部及びヒールロック第五中足骨側サポート部と、踵上方交差部から延設されて内踝と外踝とを結ぶ線上の上方位置において、結合手段により端部同士が結合されて遠位脛腓関節をサポートする遠位脛腓関節サポート部と、を備えたことを特徴とするものであるから、足底部における3つのアーチ構造『横アーチ』・『内側縦アーチ』・『外側縦アーチ』の形成をサポートする横アーチ足底サポート部及び横アーチ第一中足骨側サポート部と横アーチ第五中足骨側サポート部は、足の第一中足骨の先端と第五中足骨の先端とを結ぶ『横アーチ』に働きかけ、第一中足骨と第五中足骨へ着圧を加え『横アーチ』のたわみを補強し、地面からの衝撃を吸収する事ができ、内側縦アーチサポート部と外側縦アーチサポート部及び内側縦アーチ足底サポート部と外側縦アーチ足底サポート部とは、『内側縦アーチ』・『外側縦アーチ』に働きかけて、そのたわみを補強し、バネ作用、クッション作用、バランス作用の機能を向上させる事ができ、足底中心当接部において、ヒールロック足底第一中足骨側サポート部とヒールロック足底第五中足骨側サポート部とは交差して結合し、踵上方交差部の下方位置に配されて踵骨を囲むように形成されるヒールロック第一中足骨側サポート部とヒールロック第五中足骨側サポート部とは、延設して踵骨をブロックするように交差して引き上げ、内踝と外踝とを結ぶ線上の上方位置において、足首を周回して結合手段により端部同士が結合され、遠位脛腓関節をサポートする遠位脛腓関節サポート部とを備えることで、体幹の安定や歩行時の地面との荷重衝撃吸収・推進力を発揮し、横ブレを軽減し安定した歩行ができるという効果があり、1つの足のサポータにより足首から下方の足全体をサポ-トすることができるという効果がある。
また、請求項2のように、1本の伸縮性を有するバンドにて一体的に形成されているものは、靴下の脱ぎ履きのように着脱が簡単に行えるという効果があり、更に、1本のバンドで製造が簡単にできるという効果がある。
また、請求項3のように、横アーチ足底サポート部とヒールロック第一中足骨側サポート部及びヒールロック第五中足骨側サポート部の少なくとも一方の内側には滑り止め手段が設けられているものは、装着時の設定位置のズレが防止できるという効果がある。
また、請求項4のように、足底中心当接部は、交差するバンド同士が固定されているものは、前側に配設されたサポート部の位置が固定されサポートが確実にできるという効果があり、更に、設定位置である土踏まず近傍の着圧感が向上するという効果がある。
また、請求項5のように、横アーチ足底サポート部の両端から8の字のループ状に交差した交差部と、ヒールロック第一中足骨側サポート部及びヒールロック第五中足骨側サポート部の端部同士が交差した交差部には、それぞれのバンドを保持する保持部が形成されているものは、交差部の設定位置に幅を持たせるための手段として、保持部に伸縮性素材を使用し、足の形状による交差部の設定位置の違いに対応でき、装着者それぞれが好みの最適位置に設定し易いという効果がある。
また、請求項6のように、保持部は、それぞれの交差部において重ね合わされた内側のバンドの表面に形成されているものは、それぞれの交差部がズレ難く設定し易く、保持部が直接肌に触れて生じる違和感や不快感をもたらさないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】 本発明の足のサポータの外観斜視図である。
【
図4】 同足のサポータの作成時における第1工程を説明するための右足の足底部の説明図である。
【
図5】 同足のサポータの形成時における第2工程を説明するための右足の足背部の説明図である。
【
図6】 同足のサポータの形成時における第3工程を説明するための右足の足底部の説明図である。
【
図7】 同足のサポータの右足の足底部の形状図である。
【
図8】 同足のサポータの装着時の左足首の背面図である。
【
図9】 同足のサポータの左足の第1中足骨側の側面図である。
【
図10】 同足のサポータの左足の第5中足骨側の側面図である。
【
図11】 同足のサポータの形成時における第4工程を説明するための左足の足首背面の説明図である。
【
図12】 同足のサポータを正面から見た左足首の遠位脛腓関節近傍での装着部の説明図である。
【
図13】 同足のサポータの装着時の左足の正面図である。
【
図14】 右足の骨の構造図とアーチ構造の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を
図1乃至
図14に基づいて詳説する。
【実施例0017】
足のサポータ1は、足の第一中足骨Aの先端と第五中足骨Bの先端とを結ぶ底部の横アーチDに巻回されて、横アーチDをサポートする横アーチ足底サポート部2と、横アーチ足底サポート部2の両端から足背部Kに8の字のループ状に交差して巻回され、横アーチ第一中足骨側及び横アーチ第五中足骨側をサポートする横アーチ第一中足骨側サポート部3及び横アーチ第五中足骨側サポート部4と、足背部Kに当接する足背当接部5において交差して、足背当接部5から延設される内側縦アーチE及び外側縦アーチFをサポートする内側縦アーチサポート部6及び外側縦アーチサポート部7と、内側縦アーチサポート部6及び外側縦アーチサポート部7から延設して形成される内側縦アーチ足底サポート部8及び外側縦アーチ足底サポート部9と、内側縦アーチ足底サポート部8及び外側縦アーチ足底サポート部9から延設されて足底中心部G近傍で交差して足底に当接する足底中心当接部10と、足底中心当接部10から外方に延設されるとともに、踵の上方の踵上方交差部11で交差して延設されることで、足底に形成されるヒールロック足底第一中足骨側及びヒールロック足底第五中足骨側をサポートする、ヒールロック足底第一中足骨側サポート部12及びヒールロック足底第五中足骨側サポート部13と、踵上方交差部11の下方位置に形成されて踵骨Hを囲むようにサポートするヒールロック第一中足骨側サポート部14及びヒールロック第五中足骨側サポート部15と、踵上方交差部11から延設されて内踝Iと外踝Jとを結ぶ線上の上方位置において、足首を周回して結合手段16により端部同士が結合されて遠位脛腓関節Lをサポートする遠位脛腓関節サポート部17と、を備えている。
【0018】
足底中心当接部10は、伸縮性バンド18を十字に縫製しているが、縫製しないで自由に動くようにしても構わないものであり、縫製した場合は、土踏まずに着圧感を与え、安定感を向上させるという効果があり、足のサポータ1は、足底中心当接部10により、つま先側と踵側とに分断されるので、つま先側と踵側とで別の仕様のバンドを用いることも可能であり、伸縮性を有さないベルトを使用することもできるものである。また、つま先側に比し踵側のベルトの強度を高めて足首の固定を強くすることも可能であり、逆に弱くすることも可能であり、使用者に応じた仕様にすることが出来るものである。また、縫製しない場合は、足底中心当接部10での固定がないので、足のサポータ1は3つのアーチのたわみを補強して引き上げる力が向上し、好みの強度に調節できるという効果があるものである。
【0019】
図1に示すように、足のサポータ1は1本の伸縮性バンド18でできている。伸縮性バンド18の裏面の平面上において、両端に結合手段16となる面ファスナー(メス)16aと面ファスナー(オス)16bが設けられている。足のサポータ1は、横アーチ足底サポート部2の内側には第1の滑り止め手段19とヒールロック第一中足骨側サポート部14の内側には第2の滑り止め手段20とヒールロック第五中足骨側サポート部15の内側には第3の滑り止め手段21が設けられている。第1の滑り止め手段19は、伸縮性バンド18の中央近傍位置に設けられ、第2の滑り止め手段20及び第3の滑り止め手段21は第1の滑り止め手段19の両側に等間隔で設けられている。横アーチ足底サポート部2の両端から8の字のループ状に交差した足背当接部5にはそれぞれの伸縮性バンド18を保持する第1の保持部22が形成されて、ヒールロック第一中足骨側サポート部14及びヒールロック第五中足骨側サポート部15の端部同士が交差した踵上方交差部11には、それぞれの伸縮性バンド18を保持する第2の保持部23が形成されている。右足に装着した時の足のサポータ1は、1本の伸縮性を有するバンドの伸縮性バンド18にて足首から下方の足全体をサポ-トするように一体的に形成されている。
【0020】
足のサポータ1を形成する伸縮性バンド18は、サイズが、S、M、L、LLと4段階に展開され、長さは890mmから1080mmに設定されているが、長さは足のサイズに応じてSS、3Lと、短くても長くても対応でき、幅は安定感が得られる許容範囲として、25mmから60mmであれば望ましい。また、伸縮性バンド18の材質は伸縮率がおよそ2倍位あり、足の動きに柔軟に対応できるものが望ましい。
【0021】
図2に示すように、伸縮性バンド18の表面の平面上において、横アーチ足底サポート部2の中心部近傍に設けられる第1の滑り止め手段19と第3の滑り止め手段21との間に設けられる第1保持部22は、第1の滑り止め手段19側に斜めに傾けて、両端を糸で縫合して固定し、縫合しない部分は浮かした状態にして設置することで、足のサポータ1の装着時、横アーチ足底サポート部2の両端を足底部Cから足背部Kに巻回して足背当接部5で交差させる足背当接部5の設定位置が分かり易く、伸縮性バンド18の片方の先端に縫合した接着部面ファスナー(メス)16aを、第1保持部22に通す時、第1保持部22の長さが足のサポータ1の幅より長く斜めに設置されることにより、足背当接部5で交差する伸縮性バンド18の角度で設定位置を調節する範囲が広くなるので、足の形状や大きさによって対応できる。
第2の滑り止め手段20と、伸縮性バンド18の片方の先端に設けられる接着部面ファスナー(メス)16aとの間に設けられる第2保持部23は、接着部面ファスナー(メス)16a側に斜めに傾けて、第1保持部22と同様に両端を糸で縫合して固定し、縫合しない部分は浮かした状態にして、伸縮性バンド18のもう一方の先端に縫合した接着部面ファスナー(オス)16bを第2保持部23に通すようにして形成する。
また、第1保持部22の長さは70mmから90mm位で第2保持部23の長さは40mmから60mm位が望ましい。素材については、伸縮性のあるゴムの方が交差する角度の幅が広く設定できるが、伸縮性がないテープや織ネームやリボンでも構わない。
【0022】
図3に示すように、伸縮性バンド18の裏面の平面上において、第1の滑り止め手段19は横アーチ足底サポート部2の中心部近傍に、第2の滑り止め手段20は接着部面ファスナー(メス)16a側に、第3の滑り止め手段21は接着部面ファスナー(オス)16b側に其々縫合して設置されるもので、滑り止め手段は円形の形状をして糸で縫い付けて接合しているが、形状は楕円形、正方形、長方形、多角形、星形、ハート型なども含まれる。また、接合手段は接着剤でも可能である。滑り止め手段は、ポリエステル繊維、ポリエステル樹脂、ナイロンなどがあるが、プリントをしても良い。第1の滑り止め手段19、第2の滑り止め手段20及び第3の滑り止め手段21は、肌に優しい材料でできたものの耐久性を考慮して縫製しているが、シリコンゴムを溶着しても構わないものである。
【0023】
図4に示すように、左足の第一中足骨Aの先端と第五中足骨Bの先端とを結ぶ足底部Cの横アーチDをサポートする横アーチ足底サポート部2は、両端を足背部Kに巻回するように形成されている。
【0024】
図5に示すように、右足の第一中足骨Aの先端と第五中足骨Bの先端とを結ぶ足底部Cの横アーチDに巻回されて横アーチDをサポートする横アーチ足底サポート部2の両端から足背部Kに8の字のループ状に交差して巻回され横アーチ第一中足骨側及び横アーチ第五中足骨側をサポートする横アーチ第一中足骨側サポート部3及び横アーチ第五中足骨側サポート部4と、足背部Kに当接する足背当接部5と、足背当接部5から延設されて内側縦アーチE及び外側縦アーチFをサポートする内側縦アーチサポート部6及び外側縦アーチサポート部7と、を設けて形成されている。
【0025】
図6に示すように、足のサポータ1は左足の足底部Cにおいて、第1の滑り止め手段19を備えた横アーチ足底サポート部2の両端から足背部Kに巻回して、足底部Cに形成される内側縦アーチ足底サポート部8及び外側縦アーチ足底サポート部9とは、足底中心部Gの近傍([
図4]参照)で交差して足底に当接する足底中心当接部10から外方にヒールロック足底第一中足骨側サポート部12とヒールロック足底第五中足骨側サポート部13と、を設けて延設されている。
【0026】
図7に示すように、足のサポータ1は左足の足底部Cにおいて、第1の滑り止め手段19を配した横アーチ足底サポート部2と、内側縦アーチ足底サポート部8と外側縦アーチ足底サポート部9及び、足底中心当接部10及びヒールロック足底第一中足骨側サポート部12とヒールロック足底第五中足骨側サポート部13とを設けて形成されている。
【0027】
図8に示すように、足のサポータ1は、装着時に左足の足首の背面で、踵骨Hを囲むようにサポートするヒールロック第一中足骨側サポート部14及びヒールロック第五中足骨側サポート部15とは、内側に滑り止め手段として第2の滑り止め手段20及び第3の滑り止め手段21とを備えて、端部同士が結合手段16の装着部面ファスナー(メス)16aと装着部面ファスナー(オス)16bとを配して交差した踵上方交差部11には、それぞれの伸縮性バンド18を保持する第2保持部23が形成され、足首の正面で内踝Iと外踝Jとを結ぶ線上の上方おいて結合して固定されている。
【0028】
図9及び
図10に示すように、足のサポータ1は、左足の足背部Kに当接する足背当接部5において交差して、足背当接部5から延設される内側縦アーチE及び外側縦アーチFをサポートする内側縦アーチサポート部6と外側縦アーチサポート部7とは、巻回して足底部Cに延設して内側縦アーチ足底サポート部8と外側縦アーチ足底サポート部9及び、足底中心当接部10及びヒールロック足底第一中足骨側サポート部12とヒールロック足底第五中足骨側サポート部13とから形成され、第2の滑り止め手段20を備えたヒールロック第一中足骨側サポート部14及び第3の滑り止め手段21と、を備えたヒールロック第五中足骨側サポート部15とを設けて両端部は、内踝Iと外踝Jとを結ぶ線状の上方位置において端部同士が結合手段16の装着部面ファスナー(メス)16aと装着部面ファスナー(オス)16bにより結合されて遠位脛腓関節Lをサポートする遠位脛腓関節サポート部17とを設けている。
【0029】
図11に示すように、足のサポータ1は、左足の足首背面において、足底中心当接部10から延設したヒールロック足底第一中足骨側サポート部12とヒールロック足底第五中足骨側サポート部13とは延設して、踵骨Iの上方の交差位置の下方近傍に形成されて踵骨Iを囲むようにサポートするヒールロック第一中足骨側サポート部14とヒールロック第五中足骨側サポート部15との端部同士が結合手段16の装着部面ファスナー(メス)16aと装着部面ファスナー(オス)16bとを設けて交差した踵上方交差部11には、それぞれの伸縮性バンド18を保持する第2保持部23が形成され、ヒールロック第一中足骨側サポート部14の内側に第2の滑り止め手段20が設けられ、ヒールロック第五中足骨側サポート部15の内側には第3の滑り止め手段21が設けられており、装着時の設定位置のズレが防止できるように形成されている。
【0030】
図12に示すように、足のサポータ1は、装着時に左足の足首の正面で内踝Iと外踝Jとを結ぶ線状の上方おいて、両端部に装着部面ファスナー(メス)16aと装着部面ファスナー(オス)16bを配した伸縮性バンド18は、装着部面ファスナー(メス)16aに装着部面ファスナー(オス)16bを重ねて結合するよう設置され、遠位脛腓関節Lをサポートする遠位脛腓関節サポート部17とを設けて形成される。
【0031】
図13に示すように、足のサポータ1は、横アーチ第一中足骨側サポート部3と横アーチ第五中足骨側サポート部4とを配して、横アーチ足底サポート部2と同様に、第一中足骨A側と第五中足骨B側から横アーチDの形成をサポートすると共に、足背当接部5で交差して横アーチDの形成をより強化して引き上げサポートし、内側縦アーチサポート部6と外側縦アーチサポート部7へと延設され、遠位脛腓関節Lをサポートする遠位脛腓関節サポート部17とを設けて、足首の正面で内踝Iと外踝Jとを結ぶ線上の上方おいて結合手段16の装着部面ファスナー(メス)16aと装着部面ファスナー(オス)16bとを結合し固定して形成されている。
【0032】
図14に示すように、足の骨の構造図は、第一中足骨Aと第五中足骨Bと、遠位脛腓関節L及び踵骨Hと内踝Iと外踝Jとを示し、足のアーチ構造の説明図は、足の第一中足骨Aの先端と第五中足骨Bの先端とを結ぶ横アーチDと、第一中足骨Aの先端と踵骨Hとを結ぶ内側縦アーチEと、第5中足骨Bの先端と踵骨Hとを結ぶ外側縦アーチFの3つのアーチ構造を示している。