(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056608
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】流路切替装置
(51)【国際特許分類】
F16K 11/076 20060101AFI20240416BHJP
【FI】
F16K11/076 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097028
(22)【出願日】2023-06-13
(31)【優先権主張番号】P 2022163160
(32)【優先日】2022-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 衛
(72)【発明者】
【氏名】中島 一真
(72)【発明者】
【氏名】岩出 翔伍
(72)【発明者】
【氏名】小林 弘樹
【テーマコード(参考)】
3H067
【Fターム(参考)】
3H067AA13
3H067CC02
3H067DD03
3H067DD12
3H067DD32
3H067EA02
3H067ED01
3H067FF11
(57)【要約】
【課題】固定ディスクと駆動ディスクとの間に設けられるシール部材につき、駆動ディスクが回転するときの摺動摩耗や引き掛かりによる外れを抑制すること。
【解決手段】流路切替装置1は、ハウジング2、ハウジング内部に配置された弁体部3を備える。弁体部は、固定ディスク13、固定ディスクに積層された回転ディスク14及び回転軸15を含み、ハウジング、固定ディスク及び回転ディスクは、それぞれ複数の連通路20,30,40,50を有し、それら連通路が回転ディスクの回転に伴って接続されることで流体の流路が形成される。流路には、少なくとも固定ディスクと回転ディスクとの間にて流体の漏れを抑制する各シール部材17,18が設けられる。回転軸の先端部15aは、固定ディスクと当接及び係合可能に設けられ、固定ディスクは、回転軸の先端部がその回転に伴い当接及び係合することで軸方向に往復移動可能に構成される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングの内部に配置された弁体部と
を備え、
前記弁体部は、固定ディスクと、前記固定ディスクに積層配置され、前記固定ディスクに対し回転する駆動ディスクと、前記駆動ディスクを回転させるための回転軸とを含み、
前記ハウジング、前記固定ディスク及び前記駆動ディスクは、それぞれ複数の連通路を有し、それら連通路が前記駆動ディスクの回転に伴って接続されることで流体の流路が形成されるように構成され、
前記流路には、少なくとも前記固定ディスクと前記駆動ディスクとの間にて前記流体の漏れを抑制するためにシール部材が設けられる
流路切替装置において、
前記回転軸の先端部は、前記固定ディスクと当接及び係合可能に設けられ、
前記固定ディスクは、前記回転軸の前記先端部がその回転に伴い当接及び係合することで軸方向に往復移動可能に構成される
ことを特徴とする流路切替装置。
【請求項2】
請求項1に記載の流路切替装置において、
前記回転軸の前記先端部は、円周方向に並ぶ軸凸部及び軸凹部を含み、
前記固定ディスクは、前記軸凸部及び前記軸凹部に当接及び係合可能なディスク凹部及びディスク凸部を含み、
前記軸凸部及び前記軸凹部並びに前記ディスク凹部及び前記ディスク凸部は、周方向に傾斜する側面部を含む
ことを特徴とする流路切替装置。
【請求項3】
請求項2に記載の流路切替装置において、
前記軸凸部及び前記ディスク凸部の少なくとも一方の頂部を平坦面又は凸湾曲面に形成し、前記ディスク凹部及び前記軸凹部の少なくとも一方の底部を平坦面又は凹湾曲面に形成する
ことを特徴とする流路切替装置。
【請求項4】
請求項2に記載の流路切替装置において、
前記ディスク凹部は、その底部にV字状の凹緩傾斜面を有し、前記凹緩傾斜面から前記ディスク凸部へ連続し前記ディスク凸部の前記側面部を形成する急傾斜面を有し、
前記軸凸部は、その頂部に前記凹緩傾斜面と整合しV字状をなす凸緩傾斜面を有し、前記凸緩傾斜面から連続する前記軸凸部の前記側面部は、前記ディスク凸部の前記側面部の前記急傾斜面と整合する急傾斜面を有する
ことを特徴とする流路切替装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の流路切替装置において、
前記駆動ディスクと前記回転軸とは、回転方向及び軸方向に相対移動可能に接続されることを特徴とする流路切替装置。
【請求項6】
請求項5に記載の流路切替装置において、
前記回転軸と前記駆動ディスクとの接続部は、回転方向に隙間を有する
ことを特徴とする流路切替装置。
【請求項7】
請求項6に記載の流路切替装置において、
前記回転軸の前記先端部が前記固定ディスクに前記係合する状態から前記当接する状態に移るときに前記回転軸が前記隙間を空転する空転角度と、前記流路を切り替えるために前記駆動ディスクを回転させる切替角度とが同じ角度に設定される
ことを特徴とする流路切替装置。
【請求項8】
請求項7に記載の流路切替装置において、
前記回転軸を回転駆動するための駆動手段と、
前記駆動手段を制御するための制御手段と
を更に備え、
前記制御手段は、前記駆動手段を制御することにより、前記回転軸を回転させて前記回転軸の前記先端部が前記固定ディスクに前記当接した状態で前記流路を切り替えた後、前記回転軸を逆方向に回転させ、前記回転軸の前記先端部が前記固定ディスクに前記係合した状態で前記回転軸の回転を停止する
ことを特徴とする流路切替装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書に開示される技術は、流体回路において流体の流路を切り替える流路切替装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術として、例えば、下記の特許文献1に記載される流路切替装置が知られている。特許文献1の段落[0156]~[0166]及び
図10に記載されるように、この装置は、ハウジング71と、ハウジング71の内部に配置された弁体部73とを備える。弁体部73は、固定ディスク75と、回転駆動する駆動ディスク74とを含む。固定ディスク75は、ハウジング71の内部を分断するように配置されると共に、複数の連通路75a,75bを有する。駆動ディスク74は、連通路75a,75bを閉塞可能なサイズの板状に形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の装置では、固定ディスク75と駆動ディスク74との間にて連通路75a,75bの周囲にシール部材を設けることが考えられる。この場合、駆動ディスク74を回転駆動して連通路75a,75bを切り替えた際、連通路75a,75bの縁又は駆動ディスク74の縁がシール部材を高面圧で横切ることになり、シール部材に摺動摩耗が生じたり、引き掛かりによりシール部材が外れたりするおそれがある。
【0005】
この開示技術は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、少なくとも固定ディスクと駆動ディスクとの間にシール部材が設けられた流路切替装置において、駆動ディスクが回転するときに、シール部材につき摺動摩耗や引き掛かりによる外れを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の技術は、ハウジングと、ハウジングの内部に配置された弁体部とを備え、弁体部は、固定ディスクと、固定ディスクに積層配置され、固定ディスクに対し回転する駆動ディスクと、駆動ディスクを回転させるための回転軸とを含み、ハウジング、固定ディスク及び駆動ディスクは、それぞれ複数の連通路を有し、それら連通路が駆動ディスクの回転に伴って接続されることで流体の流路が形成されるように構成され、流路には、少なくとも固定ディスクと駆動ディスクとの間にて流体の漏れを抑制するためにシール部材が設けられる流路切替装置において、回転軸の先端部は、固定ディスクと当接及び係合可能に設けられ、固定ディスクは、回転軸の先端部がその回転に伴い当接及び係合することで軸方向に往復移動可能に構成されることを趣旨とする。
【0007】
上記技術の構成において、駆動ディスクは、回転軸が回転することで固定ディスクに対し回転する。このとき、少なくとも固定ディスクと駆動ディスクとの間にてシール部材では、駆動ディスクの回転に伴う摺動抵抗が低減する。すなわち、上記構成によれば、回転軸の先端部が、固定ディスクと当接及び係合可能に設けられ、固定ディスクは、回転軸の先端部がその回転に伴い当接及び係合することで軸方向に往復移動可能に構成される。従って、回転軸の回転に伴い駆動ディスクが回転するときに、固定ディスクが軸方向に往復移動することでハウジングと駆動ディスクとの間隔及び固定ディスクと駆動ディスクとの間隔が広がり、ハウジングと駆動ディスクの間及び固定ディスクと駆動ディスクの間でシール部材に掛かる面圧が低減し、各シール部材17,18の摺動抵抗が低減する。
【0008】
上記目的を達成するために、請求項2に記載の技術は、請求項1に記載の技術において、回転軸の先端部は、円周方向に並ぶ軸凸部及び軸凹部を含み、固定ディスクは、軸凸部及び軸凹部に当接及び係合可能なディスク凹部及びディスク凸部を含み、軸凸部及び軸凹部並びにディスク凹部及びディスク凸部は、周方向に傾斜する側面部を含むことを趣旨とする。
【0009】
上記技術の構成によれば、請求項1に記載の技術の作用に加え、回転軸を回転させることにより、軸凸部とディスク凸部とが当接する状態(凸部凸部当接状態)と、軸凸部及び軸凹部とディスク凹部及びディスク凸部とが係合する状態(凸部凹部係合状態)とが得られる。ここで、凸部凸部当接状態では、固定ディスクが軸方向に移動することでハウジングと駆動ディスクとの間隔及び固定ディスクと駆動ディスクとの間隔が広がり、ハウジングと駆動ディスクの間及び固定ディスクと駆動ディスクの間でシール部材に掛かる面圧が低減する。これに対し、凸部凹部係合状態では、固定ディスクが軸方向に移動することでハウジングと駆動ディスク及び固定ディスクと駆動ディスクが元の間隔に戻り、ハウジングと駆動ディスクの間及び固定ディスクと駆動ディスクの間でシール部材に掛かる面圧が元の状態に復帰する。凸部凸部当接状態と凸部凹部係合状態とを切り替えるときは、軸凸部及び軸凹部とディスク凹部及びディスク凸部の傾斜するそれぞれの側面部が接触し合う状態を経由する。
【0010】
上記目的を達成するために、請求項3に記載の技術は、請求項2に記載の技術において、軸凸部及びディスク凸部の少なくとも一方の頂部を平坦面又は凸湾曲面に形成し、ディスク凹部及び軸凹部の少なくとも一方の底部を平坦面又は凹湾曲面に形成することを趣旨とする。
【0011】
上記技術の構成によれば、請求項2に記載の技術の作用に加え、軸凸部とディスク凸部とが当接した状態では、軸凸部及びディスク凸部の少なくとも一方の頂部が平坦面又は凸湾曲面に形成されるので、この状態から回転軸を回転させたときに回転軸の軸方向の位置が急変することがない。また、ディスク凹部及び軸凹部の少なくとも一方の底部が平坦面又は凹湾曲面に形成されるので、軸凸部及び軸凹部とディスク凹部及びディスク凸部とが係合した状態で回転軸を回転させたときに回転軸の軸方向の位置が急変することがない。
【0012】
上記目的を達成するために、請求項4に記載の技術は、請求項2に記載の技術において、ディスク凹部は、その底部にV字状の凹緩傾斜面を有し、凹緩傾斜面からディスク凸部へ連続しディスク凸部の側面部を形成する急傾斜面を有し、軸凸部は、その頂部に凹緩傾斜面と整合しV字状をなす凸緩傾斜面を有し、凸緩傾斜面から連続する軸凸部の側面部は、ディスク凸部の側面部の急傾斜面と整合する急傾斜面を有することを趣旨とする。
【0013】
上記技術の構成によれば、請求項2に記載の技術の作用に加え、回転軸の軸凸部が固定ディスクのディスク凹部に係合し、ディスク凹部の凹緩傾斜面に軸凸部の凸緩傾斜面が接地した状態から、回転軸が回転し始めるときは、ディスク凹部に対する軸凸部の摺動が緩傾斜で摺動し始め、凸緩傾斜面と凹緩傾斜面との面接地により摺動することになる。また、回転軸の回転が進むと、ディスク凹部と軸凸部とが、凹緩傾斜面と凸緩傾斜面との接地から、急傾斜面同士の接地に移行し、面接地により摺動することになる。
【0014】
上記目的を達成するために、請求項5に記載の技術は、請求項1乃至4のいずれかに記載の技術において、駆動ディスクと回転軸とは、回転方向及び軸方向に相対移動可能に接続されることを趣旨とする。
【0015】
上記技術の構成によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載の技術の作用に加え、駆動ディスクと回転軸とが、回転方向及び軸方向に相対移動可能に接続される。従って、駆動ディスクが回転してシール部材に面圧がかかるときは、駆動ディスクが、ハウジングと固定ディスクとの間隔内で回転方向及び軸方向に移動し、シール部材の反力とのバランスが取れた位置に配置される。
【0016】
上記目的を達成するために、請求項6に記載の技術は、請求項5に記載の技術において、回転軸と駆動ディスクとの接続部は、回転方向に隙間を有することを趣旨とする。
【0017】
上記技術の構成によれば、請求項5に記載の技術の作用に加え、回転軸と駆動ディスクとの接続部は、回転方向に隙間を有するので、回転軸を回転させたとき、接続部の隙間の分だけ回転軸が空転する。
【0018】
上記目的を達成するために、請求項7に記載の技術は、請求項6に記載の技術において、回転軸の先端部が固定ディスクに係合する状態から当接する状態に移るときに回転軸が隙間を空転する空転角度と、流路を切り替えるために駆動ディスクを回転させる切替角度とが同じ角度に設定されることを趣旨とする。
【0019】
上記技術の構成によれば、請求項6に記載の技術の作用に加え、回転軸の先端部が固定ディスクに係合する状態から当接する状態に移るとき、すなわち、固定ディスクが軸方向に移動することでハウジングと駆動ディスクとの間隔及び固定ディスクと駆動ディスクとの間隔が広がるときの回転軸の空転角度と、流路を切り替えるときの駆動ディスクの切替角度とが同じ角度に設定される。従って、回転軸を反対方向へ切替角度及び空転角度だけ回転させることで、回転軸の回転位置と駆動ディスクの回転位置を元の状態に戻すことが可能となる。
【0020】
上記目的を達成するために、請求項8に記載の技術は、請求項7に記載の技術において、回転軸を回転駆動するための駆動手段と、駆動手段を制御するための制御手段とを更に備え、制御手段は、駆動手段を制御することにより、回転軸を回転させて回転軸の先端部が固定ディスクに当接した状態で流路を切り替えた後、回転軸を逆方向に回転させ、回転軸の先端部が固定ディスクに係合した状態で回転軸の回転を停止することを趣旨とする。
【0021】
上記技術の構成によれば、請求項7に記載の技術の作用に加え、制御手段が駆動手段を制御することで、回転軸を回転させ、回転軸の先端部が固定ディスクに当接した状態(ハウジングと駆動ディスクとの間隔及び固定ディスクと駆動ディスクとの間隔を広げた状態)で流路を切り替えた後、回転軸を逆方向に回転させ、回転軸の先端部が固定ディスクに係合した状態(ハウジングと駆動ディスクとの間隔及び固定ディスクと駆動ディスクとの間隔を元に戻した状態)で回転軸の回転が停止する。これにより、流路を切り替えた後にハウジングと駆動ディスクとの間隔及び固定ディスクと駆動ディスクとの間隔を確実に元の状態に戻すことが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に記載の技術によれば、駆動ディスクが回転するときに、シール部材につき摺動摩耗や引き掛かりによる外れを抑制することができる。
【0023】
請求項2に記載の技術によれば、請求項1に記載の技術の効果に加え、凸部凸部当接状態と凸部凹部係合状態とを切り替えるときに滑らかに切り替えることができる。
【0024】
請求項3に記載の技術によれば、請求項2に記載の技術の効果に加え、シール部材につき摺動摩耗をより抑制することができる。
【0025】
請求項4に記載の技術によれば、請求項2に記載の技術の効果に加え、軸凸部がディスク凹部に係合した状態から回転軸が回転し始めるときに、回転軸を回転させるために要する駆動トルクを低減することができ、軸凸部とディスク凹部の摩耗を抑制することができる。
【0026】
請求項5に記載の技術によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載の技術の効果に加え、駆動ディスクが回転するときのシール部材に掛かる面圧を更に低減することができ、シール部材の耐久性を向上させることができる。
【0027】
請求項6に記載の技術によれば、請求項5に記載の技術の効果に加え、回転軸を回転させても、駆動ディスクを回転させずハウジングと駆動ディスクとの間隔及び固定ディスクと駆動ディスクとの間隔を広げた状態に設定することができる。
【0028】
請求項7に記載の技術によれば、請求項6に記載の技術の効果に加え、回転軸を一方向へ回転させたときの流路の切り替え動作と、回転軸を反対方向へ回転させたときの流路の切り替え動作とを一致させることができる。
【0029】
請求項8に記載の技術によれば、請求項7に記載の技術の効果に加え、シール部材のシール性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】第1実施形態に係り、流路切替装置を示す斜視図。
【
図2】第1実施形態に係り、流路切替装置を示す正面図。
【
図3】第1実施形態に係り、流路切替装置を示す平面図。
【
図4】第1実施形態に係り、流路切替装置を示す底面図。
【
図5】第1実施形態に係り、流路切替装置を示す分解斜視図。
【
図6】第1実施形態に係り、流路切替装置を示す
図3のA-A線断面図。
【
図7】第1実施形態に係り、回転ディスクを示す平面図。
【
図8】第1実施形態に係り、上ハウジングと回転軸を示す分解斜視図。
【
図9】第1実施形態に係り、固定ディスクを示す斜視図。
【
図10】第1実施形態に係り、
図9に示す固定ディスクの被係合構造を示す拡大図。
【
図11】第1実施形態に係り、回転軸を示す正面図。
【
図12】第1実施形態に係り、
図11の1点鎖線円で囲んだ係合構造の部分を示す斜視図。
【
図13】第1実施形態に係り、上ハウジング、回転ディスク、固定ディスク及び回転軸等の作動前状態を簡略的に示す断面図。
【
図14】第1実施形態に係り、回転ディスクと回転軸を示す
図13のB-B線断面図。
【
図15】第1実施形態に係り、回転軸のみが回転した上ハウジング、回転ディスク、固定ディスク及び回転軸等の作動開始状態を簡略的に示す断面図。
【
図16】第1実施形態に係り、回転ディスクと回転軸を示す
図15のC-C線断面図。
【
図17】第1実施形態に係り、回転ディスクが回転した上ハウジング、回転ディスク、固定ディスク及び回転軸等の作動状態を簡略的に示す断面図。
【
図18】第1実施形態に係り、回転ディスクと回転軸を示す
図17のD-D線断面図。
【
図19】第1実施形態に係り、回転軸と回転ディスクが更に回転した上ハウジング、回転ディスク、固定ディスク及び回転軸等の作動終了状態の概略を示す断面図。
【
図20】第1実施形態に係り、回転ディスクと回転軸を示す
図19のE-E線断面図。
【
図21】第2実施形態に係り、流路切替装置から上ハウジングと駆動部を取り外した状態を示す平面図。
【
図22】第2実施形態に係り、
図21の貫通孔と回転軸の部分(1点鎖線で囲った部分)を拡大して示す平面図。
【
図23】第2実施形態に係り、回転軸を示す斜視図。
【
図24】第2実施形態に係り、
図23に示す回転軸の先端部の係合構造を拡大して示す斜視図。
【
図25】第2実施形態に係り、固定ディスクを示す平面図。
【
図26】第2実施形態に係り、
図25に示す固定ディスクの被係合構造を拡大して示す斜視図。
【
図27】第2実施形態に係り、流路切替装置の「イニシャル状態」を示し、(A)は回転ディスクの貫通孔と回転軸との係合関係を示すイメージ図であり、(B)は回転軸角度に対する回転軸のリフトの変化を示すイメージ図であり、(C)は貫通孔と回転軸の回転位置と、ディスク凸部及びディスク凹部と軸凸部との位置関係を示す平面図であり、(D)は回転ディスク及び回転連通路の回転位置を示す
図21に準ずる平面図である。
【
図28】第2実施形態に係り、流路切替装置の「45°回転状態」を示し、(A)は
図27(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図27(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図27(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図27(D)に準ずる平面図である。
【
図29】第2実施形態に係り、流路切替装置の「90°回転状態」を示し、(A)は
図27(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図27(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図27(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図27(D)に準ずる平面図である。
【
図30】第2実施形態に係り、流路切替装置の「135°回転状態」を示し、(A)は
図27(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図27(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図27(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図27(D)に準ずる平面図である。
【
図31】第2実施形態に係り、流路切替装置の「戻し90°回転状態」を示し、(A)は
図27(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図27(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図27(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図27(D)に準ずる平面図である。
【
図32】第2実施形態に係り、流路切替装置の「再135°回転状態」を示し、(A)は
図27(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図27(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図27(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図27(D)に準ずる平面図である。
【
図33】第2実施形態に係り、流路切替装置の「180°回転状態」を示し、(A)は
図27(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図27(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図27(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図27(D)に準ずる平面図である。
【
図34】第2実施形態に係り、流路切替装置の「戻し135°回転状態」を示し、(A)は
図27(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図27(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図27(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図27(D)に準ずる平面図である。
【
図35】第2実施形態に係り、流路切替装置の「戻し90°回転状態」を示し、(A)は
図27(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図27(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図27(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図27(D)に準ずる平面図である。
【
図36】第2実施形態に係り、流路切替装置の「戻し45°回転状態」を示し、(A)は
図27(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図27(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図27(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図27(D)に準ずる平面図である。
【
図37】第2実施形態に係り、流路切替装置の「再90°回転状態」を示し、(A)は
図27(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図27(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図27(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図27(D)に準ずる平面図である。
【
図38】第2実施形態に係り、流路切替装置の「戻し45°回転状態」を示し、(A)は
図27(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図27(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図27(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図27(D)に準ずる平面図である。
【
図39】第2実施形態に係り、流路切替装置の「戻しイニシャル状態」を示し、(A)は
図27(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図27(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図27(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図27(D)に準ずる平面図である。
【
図40】第3実施形態に係り、流路切替装置の「イニシャル状態」を示し、(A)は
図27(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図27(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図27(D)に準ずる平面図である。
【
図41】第3実施形態に係り、流路切替装置の「45°回転状態」を示し、(A)は
図40(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図40(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図40(C)に準ずる平面図である。
【
図42】第3実施形態に係り、流路切替装置の「90°回転状態」を示し、(A)は
図41(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図41(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図41(C)に準ずる平面図である。
【
図43】第3実施形態に係り、流路切替装置の「戻し45°回転状態」を示し、(A)は
図41(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図41(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図41(C)に準ずる平面図である。
【
図44】第3実施形態に係り、流路切替装置の「戻しイニシャル状態」を示し、(A)は
図41(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図41(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図41(C)に準ずる平面図である。
【
図45】第4実施形態に係り、流路切替装置の「イニシャル状態」を示し、(A)は
図40(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図40(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図40(D)に準ずる平面図である。
【
図46】第4実施形態に係り、流路切替装置の「22.5°回転状態」を示し、(A)は
図45(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図45(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図45(C)に準ずる平面図である。
【
図47】第4実施形態に係り、流路切替装置の「67.5°回転状態」を示し、(A)は
図45(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図45(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図45(C)に準ずる平面図である。
【
図48】第4実施形態に係り、流路切替装置の「戻し45°回転状態」を示し、(A)は
図45(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図45(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図45(C)に準ずる平面図である。
【
図49】第4実施形態に係り、流路切替装置の「戻しイニシャル状態」を示し、(A)は
図45(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図45(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図45(C)に準ずる平面図である。
【
図50】第5実施形態に係り、流路切替装置の「イニシャル状態」を示し、(A)は
図40(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図40(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図40(D)に準ずる平面図である。
【
図51】第5実施形態に係り、流路切替装置の「45°回転状態」を示し、(A)は
図50(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図50(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図50(C)に準ずる平面図である。
【
図52】第5実施形態に係り、流路切替装置の「90°回転状態」を示し、(A)は
図50(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図50(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図50(C)に準ずる平面図である。
【
図53】第5実施形態に係り、流路切替装置の「135°回転状態」を示し、(A)は
図50(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図50(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図50(C)に準ずる平面図である。
【
図54】第5実施形態に係り、流路切替装置の「戻し90°回転状態」を示し、(A)は
図50(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図50(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図50(C)に準ずる平面図である。
【
図55】第5実施形態に係り、流路切替装置の「戻し45°回転状態」を示し、(A)は
図50(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図50(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図50(C)に準ずる平面図である。
【
図56】第5実施形態に係り、流路切替装置の「再90°回転状態」を示し、(A)は
図50(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図50(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図50(C)に準ずる平面図である。
【
図57】第5実施形態に係り、流路切替装置の「戻し45°回転状態」を示し、(A)は
図50(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図50(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図50(C)に準ずる平面図である。
【
図58】第5実施形態に係り、流路切替装置の「戻しイニシャル状態」を示し、(A)は
図50(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図50(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図50(C)に準ずる平面図である。
【
図59】第6実施形態に係り、流路切替装置の上面側を示す斜視図。
【
図60】第6実施形態に係り、流路切替装置の底面側を示す斜視図。
【
図61】第6実施形態に係り、流路切替装置を示す平面図。
【
図62】第6実施形態に係り、流路切替装置から上ハウジングと駆動部を取り外した状態を示す平面図。
【
図63】第6実施形態に係り、
図62の貫通孔と回転軸の部分を拡大して示す平面図。
【
図64】第6実施形態に係り、回転軸を示す斜視図。
【
図65】第6実施形態に係り、
図64に示す回転軸の先端部の係合構造を拡大して示す斜視図。
【
図66】第6実施形態に係り、固定ディスクを示す平面図。
【
図67】第6実施形態に係り、
図66に示す固定ディスクの被係合構造を拡大して示す斜視図。
【
図68】第6実施形態に係り、流路切替装置の「イニシャル状態」を示し、(A)は
図27(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図27(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図27(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図27(D)に準ずる平面図である。
【
図69】第6実施形態に係り、流路切替装置の「30°回転状態」を示し、(A)は
図68(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図68(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図68(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図68(D)に準ずる平面図である。
【
図70】第6実施形態に係り、流路切替装置の「60°回転状態」を示し、(A)は
図68(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図68(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図68(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図68(D)に準ずる平面図である。
【
図71】第6実施形態に係り、流路切替装置の「戻し30°回転状態」を示し、(A)は
図68(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図68(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図68(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図68(D)に準ずる平面図である。
【
図72】第6実施形態に係り、流路切替装置の「戻し0°回転状態」を示し、(A)は
図68(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図68(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図68(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図68(D)に準ずる平面図である。
【
図73】第6実施形態に係り、流路切替装置の「再30°回転状態」を示し、(A)は
図68(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図68(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図68(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図68(D)に準ずる平面図である。
【
図74】第6実施形態に係り、流路切替装置の「再60°回転状態」を示し、(A)は
図68(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図68(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図68(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図68(D)に準ずる平面図である。
【
図75】第6実施形態に係り、流路切替装置の「90°回転状態」を示し、(A)は
図68(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図68(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図68(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図68(D)に準ずる平面図である。
【
図76】第6実施形態に係り、流路切替装置の「戻し60°回転状態」を示し、(A)は
図68(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図68(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図68(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図68(D)に準ずる平面図である。
【
図77】第6実施形態に係り、流路切替装置の「戻し30°回転状態」を示し、(A)は
図68(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図68(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図68(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図68(D)に準ずる平面図である。
【
図78】第6実施形態に係り、流路切替装置の「戻し0°回転状態」を示し、(A)は
図68(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図68(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図68(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図68(D)に準ずる平面図である。
【
図79】第6実施形態に係り、流路切替装置の「-30°回転状態」を示し、(A)は
図68(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図68(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図68(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図68(D)に準ずる平面図である。
【
図80】第6実施形態に係り、流路切替装置の「戻しイニシャル状態」を示し、(A)は
図68(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図68(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図68(C)に準ずる平面図であり、(D)は
図68(D)に準ずる平面図である。
【
図81】第6実施形態に係り、流路切替制御の内容の一例を示すフローチャート。
【
図82】第6実施形態に係り、流路切替制御の内容の一例を示すフローチャート。
【
図83】第6実施形態に係り、流路切替制御の内容の一例を示すフローチャート。
【
図84】第7実施形態に係り、流路切替装置の「イニシャル状態」を示し、(A)は
図68(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図68(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図68(D)に準ずる平面図である。
【
図85】第7実施形態に係り、流路切替装置の「30°回転状態」を示し、(A)は
図84(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図84(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図84(C)に準ずる平面図である。
【
図86】第7実施形態に係り、流路切替装置の「60°回転状態」を示し、(A)は
図84(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図84(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図84(C)に準ずる平面図である。
【
図87】第7実施形態に係り、流路切替装置の「戻し30°回転状態」を示し、(A)は
図84(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図84(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図84(C)に準ずる平面図である。
【
図88】第7実施形態に係り、流路切替装置の「戻し0°回転状態」を示し、(A)は
図84(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図84(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図84(C)に準ずる平面図である。
【
図89】第7実施形態に係り、流路切替装置の「-30°回転状態」を示し、(A)は
図84(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図84(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図84(C)に準ずる平面図である。
【
図90】第7実施形態に係り、流路切替装置の「戻しイニシャル状態」を示し、(A)は
図84(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図84(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図84(C)に準ずる平面図である。
【
図91】第8実施形態に係り、流路切替装置の「イニシャル状態」を示し、(A)は
図40(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は係合構造と被係合構造との関係を示すイメージ図であり、(C)は
図40(B)と同じイメージ図である。
【
図92】第8実施形態に係り、流路切替装置の「45°回転状態」を示し、(A)は
図91(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図91(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図91(C)に準ずるイメージ図である。
【
図93】第8実施形態に係り、流路切替装置の「90°回転状態」を示し、(A)は
図91(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図91(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図91(C)に準ずるイメージ図である。
【
図94】第8実施形態に係り、流路切替装置の「戻し45°回転状態」を示し、(A)は
図91(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図91(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図91(C)に準ずるイメージ図である。
【
図95】第8実施形態に係り、流路切替装置の「戻しイニシャル状態」を示し、(A)は
図91(A)に準ずるイメージ図であり、(B)は
図91(B)に準ずるイメージ図であり、(C)は
図91(C)に準ずるイメージ図である。
【
図96】第9実施形態に係り、流路切り替え前に回転軸がリフトダウンしたときの係合構造と被係合構造との関係を示すイメージ図である。
【
図97】第9実施形態に係り、流路切り替え時に回転軸がリフトアップする途中の係合構造と被係合構造との関係を示すイメージ図である。
【
図98】第9実施形態に係り、流路切り替え時に回転軸がリフトアップしたときの係合構造と被係合構造との関係を示すイメージ図である。
【
図99】対比例(第8実施形態)に係り、流路切り替え前に回転軸がリフトダウンしたときの係合構造と被係合構造との関係を示すイメージ図である。
【
図100】対比例(第8実施形態)に係り、流路切り替え時に回転軸がリフトアップする途中の係合構造と被係合構造との関係を示すイメージ図である。
【
図101】対比例(第8実施形態)に係り、流路切り替え時に回転軸がリフトアップしたときの係合構造と被係合構造との関係を示すイメージ図である。
【
図102】第9実施形態に係り、回転軸の回転角度の変化と駆動トルクの変化との関係を示すグラフ。
【
図103】第10実施形態に係り、流路切り替え前におけるリフトダウン状態の係合構造と被係合構造の関係を示すイメージ図。
【
図105】第10実施形態に係り、流路切り替え始め(リフトアップし始めの初期駆動時)の係合構造と被係合構造の関係を示すイメージ図。
【
図106】第10実施形態に係り、流路切り替え途中(リフトアップ途中)の係合構造と被係合構造の関係を示すイメージ図。
【
図107】第10実施形態に係り、流路切り替え途中(リフトアップ途中)の係合構造と被係合構造の関係を示すイメージ図。
【
図108】第10実施形態に係り、
図107における接地部分を拡大して示すイメージ図。
【
図109】第10実施形態に係り、流路切り替え途中であって、軸凸部の頂部がディスク凸部の頂部を乗り越えた直後(リフトダウンし始め)の係合構造と被係合構造の関係を示すイメージ図。
【
図111】第10実施形態に係り、流路切り替え途中(リフトダウン途中)の係合構造と被係合構造の関係を示すイメージ図。
【
図112】第10実施形態に係り、流路切り替え完了前(リフトダウンの完了前)の係合構造と被係合構造の関係を示すイメージ図。
【
図113】第10実施形態に係り、流路切り替え完了時(リフトダウン完了時)の係合構造と被係合構造の関係を示すイメージ図。
【
図114】第11実施形態に係り、流路切り替え途中(リフトアップ途中)の係合構造と被係合構造の関係を示す
図107に準ずるイメージ図。
【
図115】第11実施形態に係り、
図114における接地部分を拡大して示すイメージ図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、流路切替装置を具体化したいくつかの実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
【0032】
<第1実施形態>
先ず、第1実施形態について
図1~
図20を参照して詳細に説明する。
【0033】
[流路切替装置の概要]
図1に、この実施形態の流路切替装置1を斜視図により示す。
図2に、流路切替装置1を正面図により示す。
図3に、流路切替装置1を平面図により示す。
図4に、流路切替装置1を底面図により示す。
図5に、流路切替装置1を分解斜視図により示す。
図6に、流路切替装置1を
図3のA-A線断面図により示す。
図1~
図6に示すように、流路切替装置1は、ハウジング2と、ハウジング2の内部に配置された弁体部3と、弁体部3を駆動する駆動部4とを備える。
【0034】
[ハウジングについて]
ハウジング2は、上ハウジング11と下ハウジング12を複数のネジ6で締結することで構成される。ハウジング2は、流体が流入する流入流路20と、流体が流出する流出流路30とを含む。ここで、流路切替装置1は、一例として八方弁として構成され、ハウジング2は、4つの流入流路20と4つの流出流路30とを有する。4つの流入流路20として、上ハウジング11には、第1流入流路21、第2流入流路22、第3流入流路23及び第4流入流路24が設けられる。また、下ハウジング12には、4つの流出流路30として、第1流出流路31、第2流出流路32、第3流出流路33及び第4流出流路34が設けられる。なお、流入流路20及び流出流路30は、この開示技術の「ハウジング」に設けられる「連通路」の一例に相当する。この実施形態で、ハウジング2は、例えば樹脂により形成される。
【0035】
[弁体部について]
弁体部3は、
図5と
図6に示すように、ハウジング2にて回転しない固定ディスク13と、固定ディスク13に積層配置され、固定ディスク13に対し回転する回転ディスク14と、回転ディスク14を回転させるための回転軸15とを含む。回転ディスク14と固定ディスク13は、軸方向Xに積層して配置される。回転ディスク14は、この開示技術の「駆動ディスク」の一例に相当する。回転ディスク14と固定ディスク13は、例えば、樹脂により形成される。
【0036】
[回転ディスクについて]
図7に、回転ディスク14を平面図により示す。
図6、
図7に示すように、回転ディスク14は、ハウジング2の内部に収容される。回転ディスク14は、厚みのある円板状に形成され、軸方向Xに貫通する4つの回転連通路40を含む。4つの回転連通路40として、第1回転連通路41、第2回転連通路42、第3回転連通路43及び第4回転連通路44が設けられる。この回転連通路40は、平面視でやや湾曲した長孔状に形成される。この回転連通路40は、この開示技術の「駆動ディスク」に設けられる「連通路」の一例に相当する。回転ディスク14の中心には、回転軸15が貫通する貫通孔14aが形成される。この貫通孔14aは、回転軸15の外径よりも大きい断面二面幅形状(小判形状)を有する。
【0037】
[回転軸について]
図8に、上ハウジング11と回転軸15を分解斜視図により示す。この実施形態で、回転軸15は、樹脂により形成される。回転軸15は、上ハウジング11と回転ディスク14を貫通して設けられ、その軸方向Xにおける一端側(
図5、
図6の下端側)にて固定ディスク13と回転ディスク14に接続され、その軸方向Xにおける他端側(
図5、
図6の上端側)にて駆動部4に接続される。
図8に示すように、回転軸15の他端側は、上ハウジング11に形成された貫通孔11aを貫通して上方へ延び、駆動部4に接続される。
図6に示すように、上ハウジング11と回転軸15との間には、リップシール26が設けられる。なお、回転軸15は、金属により形成してもよい。
【0038】
この実施形態では、回転ディスク14と回転軸15とが、回転方向及び軸方向に相対移動可能に接続される。すなわち、
図5~
図8に示すように、回転軸15の一端側(
図5、
図6の下端側)は、回転ディスク14の貫通孔14aと同様に断面二面幅形状(小判形)を有し、貫通孔14aよりも小さい断面形状を有する。すなわち、回転軸15と回転ディスク14との接続部(貫通孔14aとそこに対応する回転軸15の下側部分)は、回転方向に隙間28(後述する
図13~
図20を参照)を有する。そして、回転軸15が貫通孔14aに対し、回転方向及び軸方向に相対移動可能に接続される。この回転軸15は、その中心軸が回転ディスク14の中心軸と一致するようにして、同ディスク14の貫通孔14aに組み付けられる。回転軸15は、駆動部4から駆動力を得て回転することにより、貫通孔14aにて隙間28の分だけ空転し、更に貫通孔14aの内壁に係合して回転ディスク14と一体に回転するようになっている。
【0039】
[固定ディスクについて]
図9に、固定ディスク13を斜視図により示す。
図6に示すように、固定ディスク13は、下ハウジング12の内部に収容される。
図5、
図6及び
図9に示すように、固定ディスク13は、円板部13aと、円板部13aから下方へ延びる複数の筒部13bとを含む。円板部13aは、円板状に形成され、軸方向に貫通する4つの固定連通路50を含む。
図5、
図8に示すように、4つの固定連通路50として、第1固定連通路51、第2固定連通路52、第3固定連通路53及び第4固定連通路54が設けられる。なお、固定連通路50は、この開示技術の「固定ディスク」に設けられる「連通路」の一例に相当する。
【0040】
固定ディスク13の4つの筒部13bは、円板部13aと一体に形成され、その内部が固定連通路50となっている。各筒部13bは、それぞれ各流出流路30に通じるように配置される。固定ディスク13と下ハウジング12との間には、固定ディスク13を回転ディスク14の方へ付勢するためのスプリング16が設けられる。スプリング16は、固定ディスク13の下面13cの中央にて、複数の筒部13bに囲まれるように配置される。また、各筒部13bと下ハウジング12との間には、固定連通路50のシール性を確保するためのリップシール36が設けられる。
【0041】
[駆動部について]
駆動部4は、回転軸15に回転する駆動力を与えるためのモータ及び減速機構(図示略)を含む。流路切替装置1は、駆動部4により回転軸15を介して回転ディスク14を回転駆動させ、4つの回転連通路40と4つの流入流路20と4つの固定連通路50との連通の組み合わせを変えることにより、流体の流路をいくつかのパターンに切り替えるようになっている。ここでは、流路パターンの切り替えについての説明は省略する。
【0042】
[シール部材について]
この実施形態で、流路には、ハウジング2、固定ディスク13及び回転ディスク14の間で流体の漏れを抑制するためにシール部材17,18が設けられる。
図5~
図7に示すように、この実施形態で、シール部材17,18は、回転ディスク14に設けられる。すなわち、回転ディスク14の上下両端面14b,14cには、その回転連通路40の開口周囲を囲むように、シール部材17,18が上下両端面14b,14cから突出するように設けられる。
図6において、回転ディスク14の上端面14bには、4つの回転連通路40に対応して4つの上シール部材17が設けられ、回転ディスク14の下端面14cには、4つの回転連通路40に対応して4つの下シール部材18が設けられる。上下両シール部材17,18は、フッ素樹脂(例えば、テフロン(登録商標))により形成される。また、上下両シール部材17,18は、フッ素樹脂を貼付したゴムにより形成することもできる。なお、上下両シール部材17,18は、ゴムのみにより形成してもよい。
【0043】
この実施形態において、回転ディスク14の上下両端面14b,14cに突出して設けられる各シール部材17,18が、上ハウジング11の内面及び固定ディスク13の上面13dに接する。このため、回転ディスク14が回転するとき、各シール部材17,18と上ハウジング11及び固定ディスク13との間で大きな摺動抵抗が発生する。特に、回転ディスク14が回転し始めるときの摺動抵抗は大きくなる。この摺動抵抗に打ち勝つために、駆動部4の出力を増大することが考えられる。しかし、この場合は、駆動部4が大型化したり、駆動部4の製造コストが増大したりする。そこで、この実施形態では、上記課題を解決するために、流路切替装置1には、各シール部材17,18の摺動抵抗を緩和する摺動抵抗緩和構造が設けられる。
【0044】
[摺動抵抗緩和構造について]
すなわち、この実施形態では、
図5、
図6及び
図8に示すように、回転軸15の先端部(図の下端部)15aは、固定ディスク13と当接及び係合可能に設けられる。先端部15aには、固定ディスク13に対する係合構造K1(
図8参照)が設けられる。固定ディスク13は、回転軸15の先端部15aがその回転に伴い当接及び係合することで軸方向Xに往復移動可能に構成される。固定ディスク13の上面中央には、回転軸15の係合構造K1が係合する被係合構造K2(
図9参照)が設けられる。摺動抵抗緩和構造は、これら係合構造K1及び被係合構造K2により構成される。
【0045】
図10に、
図9に示す固定ディスク13の被係合構造K2を拡大図により示す。
図11に、回転軸15を正面図により示す。
図12に、
図11の1点鎖線円で囲んだ係合構造K1の部分(先端部15a)を斜視図により示す。
図11、
図12に示すように、回転軸15の先端部15aの先端面(下端面)には、その外周縁に沿って円周方向に並び、下方へ突出した山形状をなす複数(この実施形態では4つ)の突起(軸凸部)15bが形成される。これら軸凸部15bは、交互に等角度間隔で配置される。各軸凸部15bは頂部へ向けて収束する形状を有する。これら隣り合う軸凸部15bの間には、複数(この実施形態では4つ)の軸凹部15cが等角度間隔に配置される。これら複数の軸凸部15bと軸凹部15cにより、回転軸15の係合構造K1が構成される。
【0046】
一方、回転軸15の先端部15aが当接及び係合する、固定ディスク13の上面13dの中央には、
図10に示すように、回転軸15の回転に伴いその軸凸部15bが当接及び係合する円環状かつ放射状に、等角度間隔に配置された複数の溝(ディスク凹部)13eが形成される。これら隣り合うディスク凹部13eの間には、ディスク凸部13gが等角度間隔に配置される。これら複数のディスク凹部13e及びディスク凸部13gは、固定ディスク13の上面13dの中央に形成された平面視で円形状をなす凹部13fに配置される。これら複数のディスク凹部13eとディスク凸部13gにより、固定ディスク13の被係合構造K2が構成される。
【0047】
[流路切替装置の作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態の流路切替装置1の構成によれば、ハウジング2の内部に設けられる弁体部3は、上下に積層配置された固定ディスク13及び回転ディスク14と、回転軸15とを含む。このように、弁体部3は、上下に積層配置されたディスク構造を有するので、少ない構成部品で複雑な流路の切り替えが可能になる。そして、回転ディスク14を回転させて回転連通路40の位置を変えるだけで流路が切り替えられるので、流路の切り替えを行うための部材を更に設ける必要がない。このため、流路切替装置1の小 型化を図りながら、容易に様々な流路の切り替えを行うことができる。
【0048】
この実施形態の構成によれば、回転軸15の先端部15aの各軸凸部15bが、その回転に伴い固定ディスク13の複数のディスク凹部13eに係合及びディスク凹部13eから離脱するようになっている。ここで、固定ディスク13は、スプリング16により回転軸15の先端部15aに近付く方向へ付勢される。このため、各軸凸部15bが各ディスク凹部13eに整合しない状態から整合することで、各軸凸部15bが各ディスク凹部13eに係合するので、固定ディスク13がスプリング16の付勢力によって回転ディスク14へ近付く方向へ押し上げられ、固定ディスク13が下シール部材18に接する。一方、各軸凸部15bが対応するディスク凹部13eから離脱し、ディスク凹部13eとディスク凹部13eとの間のディスク凸部13gに乗り上げることで、固定ディスク13がスプリング16の付勢力に抗して回転ディスク14から離れる方向へ押し下げられ、固定ディスク13が下シール部材18から離れる。
【0049】
ここで、
図13~
図20には、流路切替装置1につき、ある流路の切り替え状態から別の切り替え状態へ移行するときの摺動抵抗緩和構造の作動と、回転軸15が回転して回転ディスク14が回転するときの回転軸15、回転ディスク14及び固定ディスク13の作動を段階的に示す。
【0050】
図13は、上ハウジング11、回転ディスク14、固定ディスク13及び回転軸15等の作動前の状態を簡略的に示す断面図である。
図14に、回転ディスク14と回転軸15を
図13のB-B線断面図により示す。
図13、
図14には、回転ディスク14も回転軸15も停止し、上下両シール部材17,18がそれぞれ上ハウジング11と固定ディスク13に当接した状態を示す。
【0051】
図15は、回転軸15のみが回転し始めた上ハウジング11、回転ディスク14、固定ディスク13及び回転軸15等の作動開始の状態を簡略的に示す断面図である。
図16に、回転ディスク14と回転軸15を
図15のC-C線断面図により示す。
図15、
図16には、回転軸15のみが貫通孔14aの中で所定角度だけ回転することで、その軸凸部15bとディスク凹部13eとの当接関係から、回転軸15の先端部15aが固定ディスク13を押し下げた状態を示す。このとき、軸凸部15bがディスク凹部13eから離脱してディスク凹部13eとディスク凹部13eとの間のディスク凸部13gに乗り上げることで、固定ディスク13がスプリング16の付勢力に抗して押し下げられ、上シール部材17が上ハウジング11から離れ、下シール部材18が固定ディスク13から離れる。
【0052】
図17は、回転軸15が更に回転したときの上ハウジング11、回転ディスク14、固定ディスク13及び回転軸15等の作動状態を簡略的に示す断面図である。
図18に、回転ディスク14と回転軸15を
図17のD-D線断面図により示す。
図17、
図18には、回転軸15が更に所定角度回転することで、回転ディスク14が回転連通路40と共に回転する。このとき、回転ディスク14は、固定ディスク13が押し下げられてから回転することになる。そして、上ハウジング11と固定ディスク13との間隔及び回転ディスク14と固定ディスク13との間隔がそれぞれ広がっているので、回転ディスク14の回転時の上シール部材17及び下シール部材18の摺動抵抗が低減し、上下両シール部材17,18の摺動摩耗も減少する。
【0053】
図19は、回転軸15と回転ディスク14が更に回転した後の上ハウジング11、回転ディスク14、固定ディスク13及び回転軸15等の作動終了の状態を簡略的に示す断面図である。
図20に、回転ディスク14と回転軸15を
図19のE-E線断面図により示す。
図19、
図20には、回転軸15が更に所定角度回転することで、回転ディスク14が回転連通路40と共に更に所定角度回転する。このとき、回転軸15の各軸凸部15bが固定ディスク13の各ディスク凹部13eに入り込むことで、固定ディスク13がスプリング16の付勢力によって押し上げられ、上シール部材17が上ハウジング11に接し、下シール部材18が回転ディスク14に接する。
【0054】
この実施形態の構成によれば、上記したように、回転ディスク14は、回転軸15が回転することで固定ディスク13に対し回転する。このとき、固定ディスク13と回転ディスク14との間にて下シール部材18では、回転ディスク14の回転に伴う摺動抵抗が低減する。すなわち、上記構成によれば、回転軸15の先端部15aが、固定ディスク13と当接及び係合可能に設けられ、固定ディスク13は、回転軸15の先端部15aがその回転に伴い当接及び係合することで軸方向に往復移動可能に構成される。従って、回転軸15の回転に伴い回転ディスク14が回転するときに、固定ディスク13が軸方向Xに往復移動することで上ハウジング11と回転ディスク14との間隔及び固定ディスク13と回転ディスク14との間隔が広がり、上ハウジング11と回転ディスク14の間及び固定ディスク13と回転ディスク14の間で上シール部材17及び下シール部材18に掛かる面圧が低減し、各シール部材17,18の摺動抵抗が低減する。このため、回転ディスク14が回転するときに、各シール部材17,18につき摺動摩耗や引き掛かりによる外れを抑制することができる。
【0055】
また、この実施形態の構成によれば、回転ディスク14と回転軸15とが、回転方向及び軸方向Xに相対移動可能に接続される。従って、回転ディスク14が回転して各シール部材17,18に面圧が掛かるときは、回転ディスク14が、ハウジング2と固定ディスク13との間隔内で回転方向及び軸方向Xに移動し、各シール部材17,18の反力とのバランスが取れた位置に配置される。このため、回転ディスク14が回転するときの各シール部材17,18に掛かる面圧を更に低減することができ、各シール部材17,18の耐久性を向上させることができる。
【0056】
この実施形態の構成によれば、流路切替装置1の軸方向Xについて、ハウジング2(上ハウジング11)と回転ディスク14との間、回転ディスク14と固定ディスク13との間に、それぞれ、シール部材17,18が設けられる。そして、軸方向Xにおいては、上ハウジング11と回転ディスク14との間、及び回転ディスク14と固定ディスク13との間に弾性性を有する各シール部材17,18が設けられるので、回転ディスク14が上下両シール部材17,18によりフローティング状態で支持されることになる。そのため、回転ディスク14が回転するときに、フローティング効果により、流体圧印加による摺動抵抗を抑制することができ、回転連通路40や固定連通路50のシール性を確保する各シール部材17,18として、それらの偏摩耗を防止することができる。これにより、各シール部材17,18により、回転連通路40や固定連通路50からの流体の漏れを確実に防止することができる。このため、流入流路20と回転連通路40と固定連通路50により形成される流路のシール性を確保することができる。
【0057】
また、この実施形態の構成によれば、各シール部材17,18を、固定ディスク13と回転ディスク14との姿勢を保つための弾性部材として兼用することができる。そのため、別途に弾性部材を設ける必要がなく、部品点数の増加を抑えることができ、流路切替装置1の小型化も図ることができる。更に、固定ディスク13や回転ディスク14の軸方向Xと各シール部材17,18のシール方向が同じであるため、回転ディスク14が回転駆動する際に仮に中心軸ずれが生じても、シール性を確保することができる。
【0058】
また、この実施形態の構成によれば、上ハウジング11と回転ディスク14との間に設けられる上シール部材17と、回転ディスク14と固定ディスク13との間に設けられる下シール部材18は、回転ディスク14の径方向において同じ位置に配置される。従って、回転連通路40が、回転ディスク14の上端面14bと下端面14cの両方で同じ位置にて各シール部材17,18によりシールされ、回転ディスク14の上下両端面14b,14cにて、流体圧の作用する面積が同じになる。このため、上端面14bや下端面14cに作用する流体圧がキャンセルされ、回転ディスク14に対してスプリング16の付勢力のみが作用し、回転ディスク14の姿勢が保持される。これにより、回転ディスク14が回転するときの回転ディスク14と固定ディスク13との間の摺動抵抗が低くなる。この結果、回転ディスク14を回転駆動させる駆動部4の動力を抑えて駆動部4の消費電力を小さくすることができる。また、回転ディスク14から各シール部材17,18に与える負荷が軽減されるので、各シール部材17,18のシール性の信頼性を向上させることができる。
【0059】
更に、この実施形態の構成によれば、固定ディスク13の筒部13bの少なくとも一部が、流出流路30の内側に挿入されている。このため、回転ディスク14の回転駆動に伴う固定ディスク13の周方向の位置ズレを防止することができる。また、回転ディスク14が軸ズレし得る方向(すなわち、軸方向Xに交差する左右方向)と、各シール部材17,18のシール方向(すなわち、軸方向X)とが異なるので、仮に回転ディスク14の軸ズレが生じても、各シール部材17,18のシール性が維持される。
【0060】
この実施形態の構成によれば、上ハウジング11と回転ディスク14との間に設けられる上シール部材17と、回転ディスク14と固定ディスク13との間に設けられる下シール部材18は、回転ディスク14の径方向において同じ位置に配置される。このため、仮に流体圧などにより回転ディスク14が傾いたとしても、各シール部材17,18の反発力で回転ディスク14を水平に戻すことができる。また、各シール部材17,18は、上ハウジング11及び固定ディスク13に対し、その円周方向においてシールしながら、水平方向において均一に面圧を作用させる。そのため、各シール部材17,18の摺動抵抗が小さくなり、かつ、均一に摩耗する。そのため、経年後も回転ディスク14を水平な状態に維持することができる。
【0061】
この実施形態の構成によれば、回転軸15と回転ディスク14との接続部(回転軸15と貫通孔14aが対応する部分)は、回転方向に隙間28を有するので、回転軸15を回転させたとき、接続部の隙間28の分だけ回転軸15が空転する。このため、回転軸15を回転させても、回転ディスク14を回転させず上ハウジング11と回転ディスク14との間隔及び固定ディスク13と回転ディスク14との間隔を広げた状態に設定することができる。この結果、回転軸15を回転駆動させる前に上ハウジング11と回転ディスク14との間隔及び固定ディスク13と回転ディスク14との間隔を広げる区間を設けることができる。
【0062】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について
図21~
図39(D)を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明おいて、第1実施形態と同等の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、以下には異なった点を中心に説明する。
【0063】
[摺動抵抗緩和構造について]
この実施形態の流路切替装置1は、その外観と内部の基本構造は第1実施形態のそれと同じであるが、上記した「摺動抵抗緩和構造」の構成の点で第1実施形態と異なる。
図21に、この実施形態の流路切替装置1から上ハウジング11と駆動部4を取り外した状態を平面図により示す。
図22に、
図21の貫通孔14aと回転軸15の部分(1点鎖線で囲った部分)を拡大した平面図により示す。
図23に、この実施形態の回転軸15を斜視図により示す。
図24に、
図23に示す回転軸15の先端部の係合構造K1を拡大した斜視図により示す。
図25に、この実施形態の固定ディスク13を平面図により示す。
図26に、
図25に示す固定ディスク13の被係合構造K2を拡大した斜視図により示す。
【0064】
この実施形態では、固定ディスク13、回転ディスク14、回転軸15、上シール部材17及び下シール部材18の基本構成は第1実施形態のそれと同じであるが、
図21~
図26に示すように、回転ディスク14の貫通孔14aの断面形状、回転軸15の、貫通孔14aに係合する部分の形状、回転軸15の係合構造K1及び固定ディスク13の被係合構造K2の構成の点で第1実施形態と異なる。
【0065】
すなわち、貫通孔14aの断面形状は、
図22に示すように、その軸線を中心に二つの扇形を回転対称に配置した蝶羽形をなしている。回転軸15の、貫通孔14aに係合する部分の断面形状、貫通孔14aの中で回動可能な二面幅形状(小判形)をなす。この実施形態では、回転軸15と回転ディスク14との接続部(回転軸15と貫通孔14aが対応する部分)は、回転軸15と貫通孔14aの内壁との間に所定の隙間28を有する。そして、回転軸15は、駆動部4から駆動力を得て回転することにより、貫通孔14aにて隙間28の分だけ空転し、更に貫通孔14aの内壁に係合して回転ディスク14と共に一体に回転するようになっている。
【0066】
図23、
図24に示すように、回転軸15の先端部に設けられる係合構造K1は、第1実施形態とほぼ同等の形状を有し、円周方向に並ぶ四つの凹部(軸凹部)15c及び四つの凸部(軸凸部)15bを含む。各軸凸部15bは等角度(90°)間隔に配置され、それら軸凸部15bの間が軸凹部15cとなっている。各軸凹部15c及び各軸凸部15bは、それらの周方向(配列方向)に傾斜する側面部15dを含む。この実施形態で、各軸凸部15bの頂部15eは外側へ凸な凸湾曲面に形成され、その頂部15eを境にその両側へ傾斜する側面部15dを含む。これら両側面部15dの傾斜角度は同じ角度に設定される。これら両側面部15dは、軸凹部15cの側面部でもある。また、各軸凹部15cは、その底部が平坦面となっている。
【0067】
一方、
図25、
図26に示すように、固定ディスク13の上面13dの中央に設けられる被係合構造K2は、回転軸15の回転に伴い軸凹部15c及び軸凸部15bに当接及び係合可能な四つの凸部(ディスク凸部)13g及び四つの凹部(ディスク凹部)13eを含む。各ディスク凸部13gは等角度(90°)間隔に配置され、それらディスク凸部13gの間がディスク凹部13eとなっている。この実施形態で、各ディスク凸部13gは、その頂部13hを境に頂部13hの両側周方向(配列方向)へ傾斜する側面部13iを含む。これら両側面部13iの傾斜角度は同じ角度に設定される。これら両側面部13iは、ディスク凹部13eの側面部でもある。また、各ディスク凹部13eは、その底部が平坦面となっている。
【0068】
[流路のパターン切り替えについて]
この実施形態の流路切替装置1は、上記のような構成を有することにより、流体の流路が4つのパターンに切り替え可能となっている。
図27(A)~
図39(D)に、流路のパターン切り替えに関連した動作図を示す。
【0069】
先ず、
図27(A)~
図27(D)は、この実施形態の流路切替装置1の「イニシャル状態」を示し、
図27(A)は、回転ディスク14の貫通孔14aと回転軸15との係合関係を示すイメージ図である。後述する
図28~
図39の各(A)は、
図27(A)に準ずるイメージ図である。
図27(B)は、回転軸15の回転角度(回転軸角度)に対する回転軸15のリフト(押し上げ)の変化を示すイメージ図である。
図27(B)において、太線の山と谷はそれぞれディスク凸部13gとディスク凹部13eに対応し、黒丸は軸凸部15bの位置に対応する(後述する類似する図において同様。)。後述する
図28~
図39の各(B)は、
図27(B)に準ずるイメージ図である。
図27(C)は、貫通孔14aと回転軸15の回転位置と、ディスク凸部13g及びディスク凹部13eと軸凸部15bとの位置関係を示す平面図である。後述する
図28~
図39の各(C)は、
図27(C)に準ずる平面図である。
図27(D)は、回転ディスク14及び回転連通路40の回転位置を示す
図21に準ずる平面図である。
図27(D)において、太い1点鎖線で示す基準線L1は、回転ディスク14における基準位置を示す(後述する類似する図において同様。)。後述する
図28~
図39の各(D)は、
図27(D)に準ずる平面図である。
【0070】
この「イニシャル状態」では、
図27(A)に示すように、回転軸15が貫通孔14aの一方の内壁に係合し、
図27(B)に示すように、回転軸15がリフトダウンしている。また、
図27(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げている。更に、回転ディスク14と回転連通路40が、
図27(D)に示す状態に配置されている。このとき、第1回転連通路41が第2流入流路22と第2固定連通路52に連通し、第2回転連通路42が第3流入流路23と第3固定連通路53に連通し、第3回転連通路43が第4流入流路24と第4固定連通路54に連通し、第4回転連通路44が第1流入流路21と第1固定連通路51に連通している。このときの回転ディスク14の回転角度(ディスク回転角度)を「0°」と規定し、この流路の切り替え状態を「パターンA」と規定する。
【0071】
次に、「イニシャル状態」からの変化を順次説明する。
図28(A)~
図28(D)は、「イニシャル状態」から回転軸15が「45°」時計回りに回転した「45°回転状態」を示す。この状態では、
図28(A)に示すように、回転軸15が「イニシャル状態」から「45°」時計回りに空転して貫通孔14aの他方の内壁に係合し、
図28(B)に示すように、回転軸15がリフトアップしている。また、
図28(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凸部13gに乗り上げている。更に、
図28(D)に示すように、ディスク回転角度は「0°」のままであり、回転連通路40の流路切り替え状態は「イニシャル状態」と同じ「パターンA」となっている。
【0072】
上記したように、この実施形態では、回転軸15の先端部が固定ディスク13に係合する状態から当接する状態に移るとき、すなわち、軸凸部15bがディスク凹部13eからディスク凸部13gへ乗り上げるときに回転軸15を時計回りに空転させる「空転角度」が「45°」に設定される。また、この実施形態では、
図27(A)に示す「イニシャル状態」において、回転軸15が時計回りにのみ空転可能な「片側のみ空転タイプ」となっている。
【0073】
次に、
図29(A)~
図29(D)は、「45°回転状態」から回転軸15が更に「45°」時計回りに回転した「90°回転状態」を示す。この状態では、
図29(A)に示すように、回転軸15が回転ディスク14と共に「45°」時計回りに回転し、
図29(B)に示すように、回転軸15がリフトダウンしている。また、
図29(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げている。更に、
図29(D)に示すように、回転連通路40が「45°」時計回りに回転している。この「90°回転状態」では、第1回転連通路41が第2流入流路22と第3固定連通路53に連通し、第2回転連通路42が第3流入流路23と第4固定連通路54に連通し、第3回転連通路43が第4流入流路24と第1固定連通路51に連通し、第4回転連通路44が第1流入流路21と第2固定連通路52に連通している。このときのディスク回転角度は「45°」であり、この流路切り替え状態を「パターンB」と規定する。すなわち、「45°回転状態」と「90°回転状態」との間では、回転軸15のリフトダウンと流路の切り替えが同時に行われる。
【0074】
上記したように、この実施形態では、流路切替装置1の流路を切り替えるために回転ディスク14を回転させる「切替角度」が「45°」に設定される。すなわち、この実施形態では、回転軸15の時計回りの「空転角度」と、流路を切り替えるための回転ディスク14の「切替角度」が同じ「45°」に設定される。
【0075】
次に、
図30(A)~
図30(D)は、「90°回転状態」から回転軸15が更に「45°」時計回りに回転した「135°回転状態」を示す。この状態では、
図30(A)に示すように、回転軸15が回転ディスク14と共に「45°」時計回りに回転し、
図30(B)に示すように、回転軸15がリフトアップしている。また、
図30(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凸部13gに乗り上げている。更に、
図30(D)に示すように、回転連通路40が「45°」時計回りに回転している。この「135°回転状態」では、第1回転連通路41が第3流入流路23と第3固定連通路53に連通し、第2回転連通路42が第4流入流路24と第4固定連通路54に連通し、第3回転連通路43が第1流入流路21と第1固定連通路51に連通し、第4回転連通路44が第2流入流路22と第2固定連通路52に連通する。このときのディスク回転角度は「90°」であり、この流路の切り替え状態を「パターンC」と規定する。すなわち、「90°回転状態」と「135°回転状態」との間では、回転軸15のリフトアップと流路の切り替えが同時に行われる。
【0076】
次に、
図31(A)~
図31(D)は、「135°回転状態」から回転軸15が「45°」反時計回りに回転した「戻し90°回転状態」を示す。この状態では、
図31(A)に示すように、回転軸15が「45°」反時計回りに空転して貫通孔14aの一方の内壁に係合し、
図31(B)に示すように、回転軸15がリフトダウンしている。また、
図31(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げている。更に、
図31(D)に示すように、回転連通路40が「135°回転状態」と同じ位置に止まり、ディスク回転角度が「90°」のままとなっている。このときの流路の切り替え状態は「135°回転状態」と同じ「パターンC」である。
【0077】
上記したように、この実施形態では、軸凸部15bがディスク凸部13gからディスク凹部13eへ乗り下げるときに回転軸15を反時計回りに空転させる「空転角度」も「45°」に設定される。すなわち、この実施形態では、回転軸15の反時計回りへの「空転角度」と、流路を切り替えるための回転ディスク14の「切替角度」も同じ「45°」に設定される。
【0078】
次に、
図32(A)~
図32(D)は、「戻し90°回転状態」から回転軸15が「45°」時計回りに回転した「再135°回転状態」を示す。この状態では、
図32(A)に示すように、回転軸15が「45°」時計回りに空転して貫通孔14aの他方の内壁に係合し、
図32(B)に示すように、回転軸15がリフトアップしている。また、
図32(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凸部13gに乗り上げている。更に、
図32(D)に示すように、回転連通路40が、「戻し90°回転状態」と同じ位置に止まり、ディスク回転角度が「90°」のままとなっている。このときの流路の切り替え状態は「パターンC」である。
【0079】
次に、
図33(A)~
図33(D)は、「再135°回転状態」から回転軸15が「45°」時計回りに回転した「180°回転状態」を示す。この状態では、
図33(A)に示すように、回転軸15が回転ディスク14と共に「45°」時計回りに回転し、
図33(B)に示すように、回転軸15がリフトダウンしている。また、
図33(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げている。更に、
図33(D)に示すように、回転連通路40が更に「45°」時計回りに回転している。この「180°回転状態」では、第1回転連通路41が第3流入流路23と第4固定連通路54に連通し、第2回転連通路42が第4流入流路24と第1固定連通路51に連通し、第3回転連通路43が第1流入流路21と第2固定連通路52に連通し、第4回転連通路44が第2流入流路22と第3固定連通路53に連通する。このときのディスク回転角度は「135°」であり、この流路の切り替え状態を「パターンD」と規定する。すなわち、「再135°回転状態」と「180°回転状態」との間では、回転軸15のリフトダウンと流路の切り替えが同時に行われる。
【0080】
次に、
図34(A)~
図34(D)は、「180°回転状態」から回転軸15が「45°」反時計回りに回転した「戻し135°回転状態」を示す。この状態では、
図34(A)に示すように、回転軸15が「45°」反時計回りに空転して貫通孔14aの一方の内壁に係合し、
図34(B)に示すように、回転軸15がリフトアップしている。また、
図34(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凸部13gに乗り上げている。更に、
図34(D)に示すように、回転連通路40が「180°回転状態」と同じ位置に止まり、ディスク回転角度が「135°」のままとなっている。このときの流路の切り替え状態は「180°回転状態」と同じ「パターンD」である。
【0081】
次に、
図35(A)~
図35(D)は、「戻し135°回転状態」から回転軸15が「45°」反時計回りに回転した「戻し90°回転状態」を示す。この状態では、
図35(A)に示すように、回転軸15が回転ディスク14と共に「45°」反時計回りに回転し、
図35(B)に示すように、回転軸15がリフトダウンしている。また、
図35(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げている。更に、
図35(D)に示すように、回転連通路40が「再135°回転状態」と同じ位置となり、ディスク回転角度が「90°」となっている。このときの流路の切り替え状態は「再135°回転状態」と同じ「パターンC」である。すなわち、「戻し135°回転状態」と「戻し90°回転状態」との間では、回転軸15のリフトダウンと流路の切り替えが同時に行われる。
【0082】
次に、
図36(A)~
図36(D)は、「戻し90°回転状態」から回転軸15が更に「45°」反時計回りに回転した「戻し45°回転状態」を示す。この状態では、
図36(A)に示すように、回転軸15が回転ディスク14と共に「45°」反時計回りに回転し、
図36(B)に示すように、回転軸15がリフトアップしている。また、
図36(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凸部13gに乗り上げている。更に、
図36(D)に示すように、回転連通路40が「90°回転状態」と同じ位置となり、ディスク回転角度が「45°」となっている。このときの流路の切り替え状態は「90°回転状態」と同じ「パターンB」である。すなわち、「戻し90°回転状態」と「戻し45°回転状態」との間では、回転軸15のリフトアップと流路の切り替えが同時に行われる。
【0083】
次に、
図37(A)~
図37(D)は、「戻し45°回転状態」から回転軸15が「45°」時計回りに回転した「再90°回転状態」を示す。この状態では、
図37(A)に示すように、回転軸15が「45°」時計回りに空転して貫通孔14aの他方の内壁に係合し、
図37(B)に示すように、回転軸15がリフトダウンしている。また、
図37(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げている。更に、
図37(D)に示すように、回転連通路40が「戻し45°回転状態」と同じ位置に止まり、ディスク回転角度が「45°」のままとなっている。このときの流路の切り替え状態は「戻し45°回転状態」と同じ「パターンB」である。
【0084】
次に、
図38(A)~
図38(D)は、「再90°回転状態」から回転軸15が「45°」反時計回りに回転した「戻し45°回転状態」を示す。この状態では、
図38(A)に示すように、回転軸15が「45°」反時計回りに空転して貫通孔14aの一方の内壁に係合し、
図38(B)に示すように、回転軸15がリフトアップしている。また、
図38(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凸部13gに乗り上げている。更に、
図38(D)に示すように、回転連通路40が「再90°回転状態」と同じ位置に止まり、ディスク回転角度は「45°」のままとなっている。このときの流路の切り替え状態は「パターンB」である。
【0085】
そして、
図39(A)~
図39(D)は、「戻し45°回転状態」から回転軸15が「45°」反時計回りに回転した「戻しイニシャル状態」を示す。この状態では、
図39(A)に示すように、回転軸15が回転ディスク14と共に「45°」反時計回りに回転し、
図39(B)に示すように、回転軸15がリフトダウンしている。また、
図39(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げている。更に、
図39(D)に示すように、回転連通路40が「イニシャル状態」と同じ位置に戻り、ディスク回転角度が「0°」となっている。このときの流路の切り替え状態は「イニシャル状態」と同じ「パターンA」である。すなわち、「戻し45°回転状態」と「戻しイニシャル状態」との間では、回転軸15のリフトダウンと流路の切り替えが同時に行われる。
【0086】
[流路切替装置の作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態の流路切替装置1の構成によれば、第1実施形態の作用及び効果に加え、次のような作用及び効果を得ることができる。すなわち、この流路切替装置1の構成によれば、回転軸15を回転させることにより、軸凸部15bとディスク凸部13gとが当接する状態(凸部凸部当接状態)と、軸凸部15b及び軸凹部15cとディスク凹部13e及びディスク凸部13gとが係合する状態(凸部凹部係合状態)とが得られる。ここで、凸部凸部当接状態では、固定ディスク13が軸方向に移動することで上ハウジング11と回転ディスク14との間隔及び固定ディスク13と回転ディスク14との間隔が広がり、上ハウジング11と回転ディスク14の間及び固定ディスク13と回転ディスク14の間で上シール部材17及び下シール部材18に掛かる面圧が低減する。これに対し、凸部凹部係合状態では、固定ディスク13が軸方向に移動することで上ハウジング11と回転ディスク14及び固定ディスク13と回転ディスク14が元の間隔に戻り、上ハウジング11と回転ディスク14の間及び固定ディスク13と回転ディスク14の間で上シール部材17及び下シール部材18に掛かる面圧が元の状態に復帰する。凸部凸部当接状態と凸部凹部係合状態とを切り替えるときは、軸凸部15b及び軸凹部15cとディスク凹部13e及びディスク凸部13gの傾斜するそれぞれの側面部13i,15dが接触し合う状態を経由する。このため、凸部凸部当接状態と凸部凹部係合状態とを切り替えるときに滑らかに切り替えることができる。
【0087】
この実施形態の構成によれば、軸凸部15bとディスク凸部13gとが当接した状態では、軸凸部15bの頂部15eが凸湾曲面に形成されるので、この状態から回転軸15を回転させたときに回転軸15の軸方向の位置が急変することがない。また、ディスク凹部13e及び軸凹部15cそれぞれの底部が平坦面に形成されるので、軸凸部15b及び軸凹部15cとディスク凹部13e及びディスク凸部13gとが係合した状態で回転軸15を回転させたときに回転軸15の軸方向の位置が急変することがない。このため、下シール部材18につき摺動摩耗をより抑制することができる。
【0088】
この実施形態の構成によれば、軸凸部15bがディスク凹部13eからディスク凸部13gを乗り上げるとき、すなわち、固定ディスク13が軸方向に移動することで上ハウジング11と回転ディスク14との間隔及び固定ディスク13と回転ディスク14との間隔が広がるときの回転軸15の空転角度と、流路を切り替えるときの回転ディスク14の切替角度とが同じ角度(45°)に設定される。従って、回転軸15を反時計回り(反対方向)に切替角度及び空転角度(45°)だけ回転させることで、回転軸15の回転位置と回転ディスク14の回転位置を元の状態に戻すことが可能となる。このため、回転軸15を時計回りに(一方向)へ回転させたときの流路の切り替え動作と、回転軸15を反時計回りに回転させたときの流路の切り替え動作とを一致させることができる。
【0089】
この実施形態では、
図29(A)~
図29(D)、
図33(A)~
図33(D)、
図35(A)~
図35(D)及び
図39(A)~
図39(D)に示すように、回転ディスク14が回転するときに、回転軸15がリフトダウンする(固定ディスク13と回転ディスク14が元の間隔に戻る)。このため、流路が切り替わるときに、上ハウジング11と回転ディスク14の間及び固定ディスク13と回転ディスク14の間で各シール部材17,18に掛かる面圧が低減し、各シール部材17,18につき摺動摩耗や引き掛かりによる外れを抑制することができる。
図30(A)~
図30(D)及び
図36(A)~
図36(D)に示すように、回転ディスク14が回転するときに、回転軸15がリフトアップする(固定ディスク13と回転ディスク14の間隔が広がる)ときも同様である。
【0090】
この実施形態では、「片側のみ空転タイプ」かつ流路が2つのパターンに切り替え可能な構成において、回転軸15の時計回りへの「空転角度」と流路の「切替角度」が同じ「45°」に設定される。従って、
図29(A)~
図29(D)、
図33(A)~
図33(D)、
図35(A)~
図35(D)及び
図39(A)~
図39(D)に示すように、流路を切り替えるときに、回転軸15をリフトアップさせた後、流路の切り替えと回転軸15のリフトダウンを同時に行う構成にできる。このため、回転軸15の駆動トルク(駆動部4の駆動トルク)を低減することができ、駆動部4(モータ)の小型化を図ることができる。
【0091】
この実施形態では、第1実施形態と同様、回転軸15と回転ディスク14との接続部(回転軸15と貫通孔14aの内壁との間)に、所定の隙間28を有する。そして、回転軸15は、駆動部4から駆動力を得て回転することにより、貫通孔14aにて隙間28の分だけ空転し、更に貫通孔14aの内壁に係合して回転ディスク14と共に一体に回転するようになっている。このため、回転軸15を回転させても、回転ディスク14を回転させず上ハウジング11と回転ディスク14との間隔及び固定ディスク13と回転ディスク14との間隔を広げた状態に設定することができる。この結果、回転ディスク14を回転させずにリフトアップ又はリフトダウンさせることができる。
【0092】
ここで、回転軸と回転ディスクとの接続部に、回転方向に隙間がない場合を想定する。例えば、流路を切り替えるために回転ディスクを「45°」回転させるように構成したとする。この場合、流路切り替え時に、回転ディスクを「45°」回転させる間に回転軸をリフトアップ及びリフトダウンさせる必要がある。この場合、回転軸をリフトアップさせるために回転軸を「22.5°」回転させることになるが、そのときの回転軸のリフト量を増大させるためには、回転軸の駆動トルクを増大させる必要がある。すなわち、回転軸の駆動トルクを増大させない場合は、回転軸のリフト量を増やすことができない。このため、流路切り替え時に、シール部材の面圧低下代が少なくなってしまう。これに対し、本実施形態では、回転軸15の回転方向に隙間28があることで、すなわち、回転軸15を空転できることで、回転軸15の駆動トルク(駆動部4の駆動トルク)を特に増大させることなく、回転軸15のリフト量(固定ディスク13と回転ディスク14との間隔拡大代)を増大させることができる。
【0093】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について
図40(A)~
図44(C)を参照して詳細に説明する。
【0094】
この実施形態の流路切替装置1は、その外観と内部構造は第1実施形態のそれと基本的に同じであるが、上記した「摺動抵抗緩和構造」の構成の点、すなわち係合構造K1及び被係合構造K2について第2実施形態と異なる。
【0095】
[流路のパターン切り替えについて]
この実施形態の流路切替装置1は、上記のような構成の違いから、流体の流路が2つのパターンに切り替え可能となっている。
図40(A)~
図44(C)は、流路のパターン切り替えに関連した動作図を示す。この実施形態の流路切替装置1は、第2実施形態と同じ「片側のみ空転タイプ」となっている。
【0096】
先ず、
図40(A)~
図40(C)は、この実施形態の流路切替装置1の「イニシャル状態」を示し、
図40(A)は、回転ディスク14の貫通孔14aと回転軸15との係合関係を示すイメージ図である。後述する
図41~
図44の各(A)は、
図40(A)に準ずるイメージ図である。
図40(B)は、回転軸角度に対する回転軸15のリフトの変化を示すイメージ図である。後述する
図41~
図44の各(B)は、
図40(B)に準ずるイメージ図である。
図40(C)は、回転ディスク14及び回転連通路40の回転位置を示す
図21に準ずる平面図である。後述する
図41~
図44の各(C)は、
図40(C)に準ずる平面図である。
【0097】
この「イニシャル状態」では、
図40(A)に示すように、回転軸15が貫通孔14aの一方の内壁に係合し、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げることで、
図40(B)に示すように、回転軸15がリフトダウンしている。また、回転ディスク14と回転連通路40が、
図40(C)に示す状態に配置されている。このときのディスク回転角度は「0°」であり、流路の切り替え状態は、第2実施形態の「パターンA」と同じである。
【0098】
次に、「イニシャル状態」からの変化を順次説明する。
図41(A)~
図41(C)は、「イニシャル状態」から回転軸15が「45°」時計回りに回転した「45°回転状態」を示す。この状態では、
図41(A)に示すように、回転軸15が「イニシャル状態」から「45°」時計回りに空転して貫通孔14aの他方の内壁に係合し、軸凸部15bがディスク凸部13gに乗り上げることで、
図41(B)に示すように回転軸15がリフトアップしている。また、
図41(C)に示すように、ディスク回転角度は「0°」のままであり、回転連通路40の流路切り替え状態は「イニシャル状態」と同じ「パターンA」となっている。
【0099】
上記したように、この実施形態でも、軸凸部15bがディスク凸部13gに乗り上げるときに回転軸15を時計回りに空転させる「空転角度」を「45°」に設定している。
【0100】
次に、
図42(A)~
図42(C)は、「45°回転状態」から回転軸15が更に「45°」時計回りに回転した「90°回転状態」を示す。この状態では、
図42(A)に示すように、回転軸15が回転ディスク14と共に「45°」時計回りに回転し、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げることで、
図42(B)に示すように回転軸15がリフトダウンしている。また、
図42(C)に示すように、ディスク回転角度は「45°」であり、回転連通路40の流路切り替え状態は、第2実施形態の「パターンB」と同じである。すなわち、「45°回転状態」と「90°回転状態」との間では、回転軸15のリフトダウンと流路の切り替えが同時に行われる。
【0101】
上記したように、この実施形態でも、回転軸15の時計回りへの「空転角度」と流路を切り替えるための「切替角度」が同じ「45°」に設定される。
【0102】
次に、
図43(A)~
図43(C)は、「90°回転状態」から回転軸15が「45°」反時計回りに回転した「戻し45°回転状態」を示す。この状態では、
図43(A)に示すように、回転軸15が「45°」反時計回りに空転して貫通孔14aの一方の内壁に係合し、軸凸部15bがディスク凸部13gに乗り上げることで、
図43(B)に示すように回転軸15がリフトアップしている。また、
図43(C)に示すように、ディスク回転角度は「45°」であり、回転連通路40の流路切り替え状態は「90°回転状態」と同じ「パターンB」である。
【0103】
そして、
図44(A)~
図44(C)は、「戻し45°回転状態」から回転軸15が更に「45°」反時計回りに回転した「戻しイニシャル状態」を示す。この状態では、
図44(A)に示すように、回転軸15が回転ディスク14と共に「45°」反時計回りに回転し、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げることで、
図44(B)に示すように回転軸15がリフトダウンしている。また、
図44(C)に示すように、ディスク回転角度は「0°」であり、回転連通路40の流路切り替え状態は「イニシャル状態」と同じ「パターンA」である。
【0104】
[流路切替装置の作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態の流路切替装置1では、流体の流路を2つのパターンに切り替え可能とした構成の点で、4つのパターンに切り替え可能とした第2実施形態と構成が異なるが、第2実施形態と同等の作用及び効果を得ることができる。
【0105】
この実施形態では、
図42(A)~
図42(C)及び
図44(A)~
図44(C)に示すように、回転ディスク14が回転するとき(流路が切り替わるとき)に、回転軸15がリフトダウンする(固定ディスク13と上ハウジング11とが元の間隔に戻る)。このため、回転ディスク14が回転するときに、固定ディスク13と上ハウジング11との間で各シール部材17,18にかかる面圧が低減しており、各シール部材17,18につき摺動摩耗や引き掛かりによる外れを抑制できることがわかる。
【0106】
この実施形態では、「片側のみ空転タイプ」かつ流路が2つのパターンに切り替え可能な構成において、回転軸15の時計回りへの「空転角度」と流路の「切替角度」が同じ「45°」に設定される。従って、
図42(A)~
図42(C)及び
図44(A)~
図44(C)に示すように、流路を切り替えるときに、回転軸15をリフトアップさせた後、流路の切り替えと回転軸15のリフトダウンを同時に行う構成にできる。このため、回転軸15の駆動トルク(駆動部4の駆動トルク)を低減することができ、駆動部4(モータ)の小型化を図ることができる。
【0107】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について
図45(A)~
図49(C)を参照して詳細に説明する。
【0108】
この実施形態の流路切替装置1は、上記した「摺動抵抗緩和構造」の構成の点、すなわち係合構造K1及び被係合構造K2について第3実施形態と異なる。
【0109】
[流路のパターン切り替えについて]
この実施形態の流路切替装置1は、第3実施形態と同様、流体の流路を2つのパターンに切り替え可能となっている。
図45(A)~
図49(C)は、流路のパターン切り替えに関連した動作図を示す。この実施形態の流路切替装置1は、第3実施形態と同じ「片側のみ空転タイプ」となっている。
【0110】
先ず、
図45(A)~
図45(C)は、この実施形態の流路切替装置1の「イニシャル状態」を示し、
図45(A)は、回転ディスク14の貫通孔14aと回転軸15との係合関係を示すイメージ図である。後述する
図46~
図49の各(A)は、
図45(A)に準ずるイメージ図である。
図45(B)は、回転軸角度に対する回転軸15のリフトの変化を示すイメージ図である。後述する
図46~
図49の各(B)は、
図45(B)に準ずるイメージ図である。
図45(C)は、回転ディスク14及び回転連通路40の回転位置を示す
図21に準ずる平面図である。後述する
図46~
図49の各(C)は、
図45(C)に準ずる平面図である。
【0111】
この「イニシャル状態」では、
図45(A)に示すように、回転軸15が貫通孔14aの一方の内壁に係合し、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げることで、
図45(B)に示すように、回転軸15はリフトダウンしている。また、回転ディスク14と回転連通路40が、
図45(C)に示す状態に配置されている。このときのディスク回転角度は「0°」であり、流路の切り替え状態は、第3実施形態の「パターンA」と同じである。
【0112】
次に、「イニシャル状態」からの変化を順次説明する。
図46(A)~
図46(C)は、「イニシャル状態」から回転軸15が「22.5°」時計回りに回転した「22.5°回転状態」を示す。この状態では、
図46(A)に示すように、回転軸15が「イニシャル状態」から「22.5°」時計回りに空転して貫通孔14aの他方の内壁に係合し、軸凸部15bがディスク凸部13gに乗り上げることで、
図46(B)に示すように回転軸15がリフトアップしている。また、
図46(C)に示すように、ディスク回転角度は「0°」であり、回転連通路40の流路切り替え状態は「イニシャル状態」と同じ「パターンA」となっている。
【0113】
上記したように、この実施形態では、軸凸部15bがディスク凸部13gに乗り上げるときに回転軸15を時計回りに空転させる「空転角度」が「22.5°」に設定される。
【0114】
次に、
図47(A)~
図47(C)は、「22.5°回転状態」から回転軸15が「45°」時計回りに回転した「67.5°回転状態」を示す。この状態では、
図47(A)に示すように、回転軸15が回転ディスク14と共に「45°」時計回りに回転し、軸凸部15bがディスク凹部13eへ乗り下げることで、
図47(B)に示すように回転軸15がリフトダウンしている。また、
図47(C)に示すように、ディスク回転角度は「45°」であり、回転連通路40の流路切り替え状態は、第3実施形態の「パターンB」と同じである。すなわち、「22.5°回転状態」と「67.5°回転状態」との間では、回転軸15のリフトダウンと流路の切り替えが同時に行われる。
【0115】
この実施形態では、流路を切り替えるために回転ディスク14を回転させる「切替角度」が「45°」に設定される。すなわち、この実施形態では、流路を切り替えるための「切替角度」が回転軸15の時計回りへの「空転角度」より大きい角度に設定される。
【0116】
次に、
図48(A)~
図48(C)は、「67.5°回転状態」から回転軸15が「22.5°」反時計回りに回転した「戻し45°回転状態」を示す。この状態では、
図48(A)に示すように、回転軸15が「22.5°」反時計回りに空転して貫通孔14aの一方の内壁に係合し、軸凸部15bがディスク凸部13gへ向けて移動し始めることで、
図48(B)に示すように回転軸15が途中までリフトアップしている。また、
図48(C)に示すように、ディスク回転角度は「45°」のままであり、回転連通路40の流路切り替え状態は「67.5°回転状態」と同じ「パターンB」である。
【0117】
そして、
図49(A)~
図49(C)は、「戻し45°回転状態」から回転軸15が「45°」反時計回りに回転した「戻しイニシャル状態」を示す。この状態では、
図49(A)に示すように、回転軸15が回転ディスク14と共に「45°」反時計回りに回転し、軸凸部15bがディスク凸部13gを乗り越え、ディスク凹部13eに乗り下げることで、
図49(B)に示すように回転軸15がリフトアップ及びリフトダウンしている。また、
図49(C)に示すように、ディスク回転角度は「0°」であり、回転連通路40の流路切り替え状態は「イニシャル状態」と同じ「パターンA」である。すなわち、「戻し45°回転状態」と「戻しイニシャル状態」との間では、回転軸15のリフトアップ及びリフトダウンと流路の切り替えが同時に行われる。
【0118】
[流路切替装置の作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態の流路切替装置1の構成によれば、第3実施形態と同様、流体の流路が2つのパターンに切り替え可能に構成され、回転軸15が「片側のみ空転タイプ」となっており、実施第3実施形態と同等の作用及び効果を得ることができる。ただし、この実施形態では、流路の「切替角度」が回転軸15の「空転角度」と異なるので、流路を切り替えるときの回転ディスク14と回転軸15の動作が3実施形態と異なる。
【0119】
この実施形態では、
図47(A)~
図47(C)に示すように、回転ディスク14が回転するときに、回転軸15がリフトダウンし(固定ディスク13と上ハウジング11との間隔が元の状態に戻る)、
図49(A)~
図49(C)に示すように、回転軸15がリフトアップ及びリフトダウンする(固定ディスク13と上ハウジング11との間隔が一旦広がり、元の状態に戻る)。このことから、回転ディスク14が回転するときに、固定ディスク13と回転ディスク14との間で各シール部材17,18に掛かる面圧が低減し、各シール部材17,18につき摺動摩耗や引き掛かりによる外れを抑制することができる。
【0120】
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について
図50(A)~
図58(C)を参照して詳細に説明する。
【0121】
[流路のパターン切り替えについて]
この実施形態の流路切替装置1は、流体の流路の切り替えパターンの点で第2実施態と異なり、流体の流路を3つのパターンに切り替え可能となっている。
図50(A)~
図58(C)は、流路のパターン切り替えに関連した動作図を示す。この実施形態の流路切替装置1は、第2実施形態と同じ「片側のみ空転タイプ」となっている。
【0122】
先ず、
図50(A)~
図50(C)は、この実施形態の流路切替装置1の「イニシャル状態」を示し、
図50(A)は、回転ディスク14の貫通孔14aと回転軸15との係合関係を示すイメージ図である。後述する
図51~
図58の各(A)は、
図50(A)に準ずるイメージ図である。
図50(B)は、回転軸角度に対する回転軸15のリフトの変化を示すイメージ図である。後述する
図51~
図58の各(B)は、
図50(B)に準ずるイメージ図である。
図50(C)は、回転ディスク14及び回転連通路40の回転位置を示す
図21に準ずる平面図である。後述する
図51~
図58の各(C)は、
図50(C)に準ずる平面図である。
【0123】
この「イニシャル状態」では、
図50(A)に示すように回転軸15が貫通孔14aの一方の内壁に係合し、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げることで、
図50(B)に示すように回転軸15がリフトダウンしている。また、回転ディスク14と回転連通路40が、
図50(C)に示す状態に配置されている。このときのディスク回転角度は「0°」であり、流路の切り替え状態は、第3実施形態の「パターンA」と同じである。
【0124】
次に、「イニシャル状態」からの変化を順次説明する。
図51(A)~
図51(C)は、「イニシャル状態」から回転軸15が「45°」時計回りに回転した「45°回転状態」を示す。この状態では、
図51(A)に示すように、回転軸15が「イニシャル状態」から「45°」時計回りに空転して貫通孔14aの他方の内壁に係合し、軸凸部15bがディスク凸部13gに乗り上げることで、
図51(B)に示すように、回転軸15がリフトアップしている。また、
図51(C)に示すように、ディスク回転角度は「0°」のままであり、回転連通路40の流路切り替え状態は「イニシャル状態」と同じ「パターンA」となっている。
【0125】
次に、
図52(A)~
図52(C)は、「45°回転状態」から回転軸15が更に「45°」時計回りに回転した「90°回転状態」を示す。この状態では、
図52(A)に示すように、回転軸15が回転ディスク14と共に「45°」時計回りに回転し、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げることで、
図52(B)に示すように回転軸15がリフトダウンしている。また、
図52(C)に示すように、ディスク回転角度は「45°」であり、回転連通路40の流路切り替え状態は、第2実施形態の「パターンB」と同じである。すなわち、「45°回転状態」と「90°回転状態」との間では、回転軸15のリフトダウンと流路の切り替えが同時に行われる。
【0126】
上記のように、この実施形態では、流路を切り替えるための「切替角度」と回転軸15の時計回りへの「空転角度」が「45°」で同じとなっている。
【0127】
次に、
図53(A)~
図53(C)は、「90°回転状態」から回転軸15が更に「45°」時計回りに回転した「135°回転状態」を示す。この状態では、
図53(A)に示すように、回転軸15が回転ディスク14と共に「45°」時計回りに回転し、軸凸部15bがディスク凸部13gへ乗り上げることで、
図53(B)に示すように回転軸15がリフトアップしている。また、
図53(C)に示すように、ディスク回転角度は「90°」であり、回転連通路40の流路切り替え状態は第2実施形態の「パターンC」と同じである。すなわち、「90°回転状態」と「135°回転状態」との間では、回転軸15のリフトアップと流路の切り替えが同時に行われる。
【0128】
次に、
図54(A)~
図54(C)は、「135°回転状態」から回転軸15が「45°」反時計回りに回転した「戻し90°回転状態」を示す。この状態では、
図54(A)に示すように、回転軸15が「45°」反時計回りに空転して貫通孔14aの一方の内壁に係合し、軸凸部15bがディスク凹部13eへ乗り下げることで、
図54(B)に示すように回転軸15がリフトダウンしている。また、
図54(C)に示すように、ディスク回転角度は「90°」のままであり、回転連通路40の流路切り替え状態は「パターンC」である。
【0129】
次に、
図55(A)~
図55(C)は、「戻し90°回転状態」から回転軸15が「45°」反時計回りに回転した「戻し45°回転状態」を示す。この状態では、
図55(A)に示すように、回転軸15が回転ディスク14と共に「45°」反時計回りに回転し、軸凸部15bがディスク凸部13gへ乗り上げることで、
図55(B)に示すように回転軸15がリフトアップしている。また、
図55(C)に示すように、ディスク回転角度は「45°」であり、回転連通路40の流路切り替え状態は「パターンB」である。すなわち、「戻し90°回転状態」と「戻し45°回転状態」との間では、回転軸15のリフトアップと流路の切り替えが同時に行われる。
【0130】
次に、
図56(A)~
図56(C)は、「戻し45°回転状態」から回転軸15が「45°」時計回りに回転した「再90°回転状態」を示す。この状態では、
図56(A)に示すように、回転軸15が「45°」時計回りに空転して貫通孔14aの他方の内壁に係合し、軸凸部15bがディスク凹部13eへ乗り下げることで、
図56(B)に示すように回転軸15がリフトダウンしている。また、
図56(C)に示すように、ディスク回転角度は「45°」のままであり、回転連通路40の流路切り替え状態は「パターンB」のままである。
【0131】
次に、
図57(A)~
図57(C)は、「再90°回転状態」から回転軸15が「45°」反時計回りに回転した「戻し45°回転状態」を示す。この状態では、
図57(A)に示すように、回転軸15が「45°」反時計回りに空転して貫通孔14aの一方の内壁に係合し、軸凸部15bがディスク凸部13gへ乗り上げることで、
図57(B)に示すように回転軸15がリフトアップしている。また、
図57(C)に示すように、ディスク回転角度は「45°」のままであり、回転連通路40の流路切り替え状態は「パターンB」のままである。
【0132】
そして、
図58(A)~
図58(C)は、「戻し45°回転状態」から回転軸15が「45°」反時計回りに回転した「戻しイニシャル状態」を示す。この状態では、
図58(A)に示すように、回転軸15が回転ディスク14と共に「45°」反時計回りに回転し、軸凸部15bがディスク凹部13eへ乗り下げることで、
図58(B)に示すように回転軸15がリフトダウンしている。また、
図58(C)に示すように、ディスク回転角度は「0°」に戻り、回転連通路40の流路切り替え状態は「イニシャル状態」と同じ「パターンA」である。すなわち、「戻し45°回転状態」と「戻しイニシャル状態」との間では、回転軸15のリフトダウンと流路の切り替えが同時に行われる。
【0133】
[流路切替装置の作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態の流路切替装置1の構成は、第2実施形態と異なり、流体の流路が3つのパターンに切り替えることができる。
【0134】
この実施形態では、
図52(A)~
図52(C)及び
図58(A)~
図58(C)に示すように、回転ディスク14が回転するときに、回転軸15がリフトダウンする(固定ディスク13と上ハウジング11が元の間隔に戻る)。このため、回転ディスク14が回転するときに、固定ディスク13と上ハウジング11との間で各シール部材17,18に掛かる面圧が低減しており、各シール部材17,18につき摺動摩耗や引き掛かりによる外れを抑制できることがわかる。
【0135】
この実施形態では、「片側のみ空転タイプ」かつ流路が3つのパターンに切り替え可能な構成において、回転軸15の時計回りへの「空転角度」と流路の「切替角度」が同じ「45°」に設定される。従って、
図52(A)~
図52(C)及び
図58(A)~
図58(C)に示すように、流路を切り替えるときに、回転軸15をリフトアップさせた後、流路の切り替えと回転軸15のリフトダウンを同時に行う構成にできる。このため、回転軸15の駆動トルク(駆動部4の駆動トルク)を低減することができ、駆動部4(モータ)の小型化を図ることができる。
【0136】
<第6実施形態>
次に、第6実施形態について
図59~
図83を参照して詳細に説明する。
【0137】
[流路切替装置の外観について]
図59に、この実施形態の流路切替装置8の上面側を斜視図により示す。
図60に、流路切替装置8の底面側を斜視図により示す。
図61に、流路切替装置8を平面図により示す。
図62に、流路切替装置8から上ハウジング11と駆動部4を取り外した状態を平面図により示す。この実施形態では、上ハウジング11における流入流路20の配置、下ハウジング12における流出流路30の配置、回転ディスク14における回転連通路40の形状及び配置、並びに固定ディスク13における固定連通路50の配置の点で前記各実施形態と異なる。
【0138】
すなわち、
図59、
図61に示すように、この実施形態では、4つの流入流路20(21~24)が、上ハウジング11の上面のほぼ片側半分に偏って配置され、近接する隣同士の流入流路20(21~24)が等角度(60°)間隔に配置される。また、
図60に示すように、この実施形態では、4つの流出流路30(31~34)が、4つの流入流路20(21~24)に対応して、下ハウジング12の上面のほぼ片側半分に偏って配置され、近接する隣同士が等角度(60°)間隔に配置される。
【0139】
また、
図62に示すように、回転ディスク14に設けられる回転連通路40は、その第1回転連通路41~第3回転連通路43が同じ短い湾曲形状をなし、第4回転連通路44のみが長い湾曲形状をなしている。各回転連通路40の周囲に設けられる上シール部材17は、それぞれ対応する回転連通路40(41~44)の形状に合わせた形状を有する。下シール部材18についても上シール部材17と同様である。
【0140】
なお、この実施形態では、流路切替装置8は、
図59に示すように、流体の流路を切り替えるために駆動部4を制御する制御部5を更に備える。この制御部5は、所定の制御プログラムを格納しており、後述する「流路切替制御」を実行するために、駆動部4を制御するようになっている。
【0141】
[摺動抵抗緩和構造について]
この実施形態の流路切替装置8は、「摺動抵抗緩和構造」の構成の点でも前記各実施形態と異なる。
図63に、
図62の貫通孔14aと回転軸15の部分を拡大した平面図により示す。
図64に、この実施形態の回転軸15を斜視図により示す。
図65に、
図64に示す回転軸15の先端部の係合構造K1を拡大した斜視図により示す。
図66に、この実施形態の固定ディスク13を平面図により示す。
図67に、
図66に示す固定ディスク13の被係合構造K2を拡大した斜視図により示す。
【0142】
この実施形態では、固定ディスク13、回転ディスク14、回転軸15、上シール部材17及び下シール部材18の基本構成は、流入流路20、流出流路30及び回転連通路40の配置や形状を除いて前記各実施形態のそれと近似するが、次の点で構成が異なる。すなわち、
図66に示すように、固定ディスク13の固定連通路50(51~54)の配置は、下ハウジング12の流出流路30の配置に整合するように、固定ディスク13の上面のほぼ片側半分に偏って配置され、近接する隣同士が等角度(60°)間隔に配置される。
【0143】
また、この実施形態では、回転軸15の先端部の係合構造K1及び固定ディスク13の被係合構造K2の構成の点で前記各実施形態と異なる。すなわち、
図64、
図65に示すように、回転軸15の先端部に設けられる係合構造K1は、前記各実施形態とは異なり、円周方向に並ぶ二つの軸凸部15b及び二つの軸凹部15cを含む。二つの軸凸部15bは等角度(180°)間隔に配置され、それら軸凸部15bの間が軸凹部15cとなっている。各軸凸部15bは、前記各実施形態のそれと同じ形状を有し、各軸凹部15cの底部の周方向の長さは、前記各実施形態のそれより大きくなっている。
【0144】
一方、
図66、
図67に示すように、固定ディスク13の被係合構造K2を構成する各ディスク凸部13g及び各ディスク凹部13eは、等角度(90°)間隔に配置される。各ディスク凸部13gは、それらの周方向(配列方向)に傾斜する側面部13iを含む。これら両側面部13iの傾斜角度は同じに設定される。これら両側面部13iは、ディスク凹部13eの側面部でもある。この実施形態で、各ディスク凸部13gは、その頂部13hが平坦面をなし、その頂部13hの両側が傾斜する側面部13iとなっている。また、各ディスク凹部13eは、その底部が平坦面となっている。
【0145】
[流路のパターン切り替えについて]
この実施形態の流路切替装置8は、上記のような構成を有することにより、流体の流路を3つのパターンに切り替え可能となっている。
図68(A)~
図80(D)は、流路のパターン切り替えに関連した動作図を示す。
【0146】
先ず、
図68(A)~
図68(D)は、この実施形態の流路切替装置8の「イニシャル状態」を示し、
図68(A)は、回転ディスク14の貫通孔14aと回転軸15との係合関係を示すイメージ図である。後述する
図69~
図80の各(A)は、
図68Aに準ずるイメージ図である。
図68(B)は、回転軸角度に対する回転軸15のリフトの変化を示すイメージ図である。後述する
図69~
図80の各(B)は、
図68(B)に準ずるイメージ図である。
図68(C)は、貫通孔14aと回転軸15の回転位置と、ディスク凸部13g及びディスク凹部13eと軸凸部15bとの位置関係を示す平面図である。後述する
図69~
図80の各(C)は、
図68(C)に準ずる平面図である。
図68(D)は、回転ディスク14及び回転連通路40の回転位置を示す
図62に準ずる平面図である。後述する
図69~
図80の各(D)は、
図68(D)に準ずる平面図である。
【0147】
この「イニシャル状態」では、
図68(A)に示すように、回転軸15が貫通孔14aにて回転方向両側に隙間28を有する状態に位置し、
図68(B)に示すように、回転軸15がリフトダウンしている。また、
図68(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げている。更に、回転ディスク14と回転連通路40が、
図68(D)に示す状態に配置されている。このとき、第1回転連通路41が第1流入流路21と第1固定連通路51に連通し、第2回転連通路42が第2流入流路22と第2固定連通路52に連通し、第3回転連通路43が第3流入流路23と第3固定連通路53に連通し、第4回転連通路44が第4流入流路24と第4固定連通路54に連通している。このときのディスク回転角度を「0°」と規定し、この流路の切り替え状態を「パターンA」と規定する。
【0148】
次に、「イニシャル状態」からの変化を順次説明する。
図69(A)~
図69(D)は、「イニシャル状態」から回転軸15が「30°」時計回りに回転した「30°回転状態」を示す。この状態では、
図69(A)に示すように、回転軸15が「イニシャル状態」から「30°」時計回りに空転して貫通孔14aの一方の内壁に係合し、
図69(B)に示すように、回転軸15がリフトアップしている。また、
図69(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凸部13gの頂部13hの一側縁に乗り上げている。更に、
図69(D)に示すように、ディスク回転角度は「0°」のままであり、回転連通路40の流路切り替え状態は「イニシャル状態」と同じ「パターンA」となっている。
【0149】
上記したように、この実施形態では、軸凸部15bがディスク凹部13eからディスク凸部13gへ乗り上げるときに回転軸15を時計回りに空転させる「空転角度」が「30°」に設定される。また、この実施形態では、
図68(A)に示す「イニシャル状態」において、回転軸15が貫通孔14aにて回転方向両側に隙間28を有する状態に位置することから、回転軸15が時計回りと反時計回りに空転可能な「両側空転タイプ」となっている。
【0150】
次に、
図70(A)~
図70(D)は、「30°回転状態」から回転軸15が更に「30°」時計回りに回転した「60°回転状態」を示す。この状態では、
図70(A)に示すように、回転軸15が回転ディスク14と共に「30°」時計回りに回転し、
図70(B)に示すように、回転軸15がリフトアップしたまま時計回りに回転している。また、
図70(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凸部13gの頂部13hの他側縁に乗り上げている。更に、
図70(D)に示すように、回転連通路40が「30°」時計回りに回転している。この「60°回転状態」では、第1回転連通路41が第2流入流路22と第1固定連通路51に連通し、第2回転連通路42が第3流入流路23と第2固定連通路52に連通し、第3回転連通路43が第4流入流路24と第3固定連通路53に連通し、第4回転連通路44が第1流入流路21と第4固定連通路54に連通している。このときのディスク回転角度は「30°」であり、この流路切り替え状態を「パターンB」と規定する。すなわち、「30°回転状態」と「60°回転状態」との間では、回転軸15のリフトアップ保持と流路の切り替えが同時に行われる。
【0151】
上記したように、この実施形態では、流路切替装置8の流路を切り替えるために回転ディスク14を回転させる「切替角度」が「30°」に設定される。すなわち、この実施形態では、回転軸15の時計回りへの「空転角度」と、流路を切り替えるための回転ディスク14の「切替角度」が同じ「30°」に設定される。
【0152】
次に、
図71(A)~
図71(D)は、「60°回転状態」から回転軸15が「30°」反時計回りに回転した「戻し30°回転状態」を示す。この状態では、
図71(A)に示すように、回転軸15が「30°」反時計回りに空転し、
図71(B)に示すように、回転軸15がリフトアップしたまま反時計回りに回転している。また、
図71(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凸部13gの頂部13hの一側縁に乗り上げている。更に、
図71(D)に示すように。回転連通路40が「60°回転状態」と同じ位置に止まり、ディスク回転角度が「30°」のままとなっている。このときの流路切り替え状態は「60°回転状態」と同じ「パターンB」である。
【0153】
次に、
図72(A)~
図72(D)は、「戻し30°回転状態」から回転軸15が更に「30°」反時計回りに回転した「戻し0°回転状態」を示す。この状態では、
図72(A)に示すように、回転軸15が「30°」反時計回りに空転して貫通孔14aの一方の内壁に係合し、
図72(B)に示すように、回転軸15がリフトダウンしている。また、
図72(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げている。更に、
図72(D)に示すように。回転連通路40が「戻し30°回転状態」と同じ位置に止まり、ディスク回転角度が「30°」のままとなっている。このときの流路切り替え状態は「60°回転状態」と同じ「パターンB」である。
【0154】
次に、
図73(A)~
図73(D)は、「戻し0°回転状態」から回転軸15が「30°」時計回りに回転した「再30°回転状態」を示す。この状態では、
図73(A)に示すように、回転軸15が「戻し0°回転状態」から「30°」時計回りに空転し、
図73(B)に示すように、回転軸15がリフトアップしている。また、
図73(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凸部13gの頂部13hの一側縁に乗り上げている。更に、
図73(D)に示すように。回転連通路40が「戻し0°回転状態」と同じ位置に止まり、ディスク回転角度が「30°」のままとなっている。このときの流路切り替え状態は「戻し0°回転状態」と同じ「パターンB」である。
【0155】
次に、
図74(A)~
図74(D)は、「再30°回転状態」から回転軸15が「30°」時計回りに回転した「再60°回転状態」を示す。この状態では、
図74(A)に示すように、回転軸15が「30°」時計回りに空転して貫通孔14aの他方の内壁に係合し、
図74(B)に示すように、回転軸15がリフトアップしたまま時計回りに回転している。また、
図74(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凸部13gの頂部13hの他側縁に乗り上げている。更に、
図74(D)に示すように、回転連通路40が「再30°回転状態」と同じ位置に止まり、ディスク回転角度が「30°」のままとなっている。このときの流路切り替え状態は「再30°回転状態」と同じ「パターンB」である。
【0156】
次に、
図75(A)~
図75(D)は、「再60°回転状態」から回転軸15が「30°」時計回りに回転した「90°回転状態」を示す。この状態では、
図75(A)に示すように、回転軸15が回転ディスク14と共に「30°」時計回りに回転し、
図75(B)に示すように、回転軸15がリフトダウンしている。また、
図75(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凸部13gの頂部13hからディスク凹部13eへ乗り下げている。更に、
図74(D)に示すように、回転連通路40が「30°」時計回りに回転している。この「90°回転状態」では、第1回転連通路41が第2流入流路22と第2固定連通路52に連通し、第2回転連通路42が第3流入流路23と第3固定連通路53に連通し、第3回転連通路43が第4流入流路24と第4固定連通路54に連通し、第4回転連通路44が第1流入流路21と第1固定連通路51に連通する。このときのディスク回転角度は「60°」であり、このときの流路切り替え状態を「パターンC」と規定する。すなわち、「再60°回転状態」と「90°回転状態」との間では、回転軸15のリフトダウンと流路の切り替えが同時に行われる。
【0157】
次に、
図76(A)~
図76(D)は、「90°回転状態」から回転軸15が「30°」反時計回りに回転した「戻し60°回転状態」を示す。この状態では、
図76(A)に示すように、回転軸15が「30°」反時計回りに空転し、
図76(B)に示すように、回転軸15がリフトアップしている。また、
図76(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凸部13gの頂部13hの他側縁に乗り上げている。更に、
図76(D)に示すように、回転連通路40が「90°回転状態」と同じ位置に止まり、ディスク回転角度が「60°」のままとなっている。このときの流路切り替え状態は「90°回転状態」と同じ「パターンC」である。
【0158】
次に、
図77(A)~
図77(D)は、「戻し60°回転状態」から回転軸15が「30°」反時計回りに回転した「戻し30°回転状態」を示す。この状態では、
図77(A)に示すように、回転軸15が「30°」反時計回りに空転して貫通孔14aの一方の内壁に係合し、
図77(B)に示すように、回転軸15がリフトアップしたまま反時計回りに回転している。また、
図77(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凸部13gの頂部13hの一側縁に乗り上げている。更に、
図77(D)に示すように、回転連通路40が「戻し60°回転状態」と同じ位置に止まり、ディスク回転角度が「60°」のままとなっている。このときの流路切り替え状態は「戻し60°回転状態」と同じ「パターンC」である。
【0159】
次に、
図78(A)~
図78(D)は、「戻し30°回転状態」から回転軸15が「30°」反時計回りに回転した「戻し0°回転状態」を示す。この状態では、
図78(A)に示すように、回転軸15が回転ディスク14と共に「30°」反時計回りに回転し、
図78(B)に示すように、回転軸15がリフトダウンしている。また、
図78(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げている。更に、
図78(D)に示すように、回転連通路40が「30°」反時計回りに回転している。このときのディスク回転角度は「30°」であり、流路切り替え状態は「パターンB」である。すなわち、「戻し30°回転状態」と「戻し0°回転状態」との間では、回転軸15のリフトダウンと流路の切り替えが同時に行われる。
【0160】
次に、
図79(A)~
図79(D)は、「戻し0°回転状態」から回転軸15が「30°」反時計回りに回転した「-30°回転状態」を示す。この状態では、
図79(A)に示すように、回転軸15が回転ディスク14と共に「30°」反時計回りに回転し、
図79(B)に示すように、回転軸15がリフトアップしている。また、
図79(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凸部13gに乗り上げている。更に、
図79(D)に示すように、回転連通路40が「30°」反時計回りに回転している。このときのディスク回転角度は「0°」であり、流路切り替え状態は「パターンA」である。すなわち、「戻し0°回転状態」と「-30°回転状態」との間では、回転軸15のリフトアップと流路の切り替えが同時に行われる。
【0161】
そして、
図80(A)~
図80(D)は、「-30°回転状態」から回転軸15が「30°」時計回りに回転した「戻しイニシャル状態」を示す。この状態では、
図80(A)に示すように、回転軸15が「30°」時計回りに空転し、
図80(B)に示すように、回転軸15がリフトダウンしている。また、
図80(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げている。更に、
図80(D)に示すように、回転連通路40は「イニシャル状態」と同じ位置に止まり、ディスク回転角度は「0°」である。このときの流路切り替え状態は「イニシャル状態」と同じ「パターンA」である。
【0162】
[流路切替制御について]
次に、この実施形態の流路切替装置8につき、制御部5が実行する「流路切替制御」について説明する。
図81~
図83は、その制御内容の一例をフローチャートにより示す。
【0163】
処理がこの制御ルーチンへ移行すると、制御部5は、ステップ100で、回転軸15の回転角度(回転軸角度)Sdegを取り込む。ここで、流路切替装置8のハウジング2には、回転軸角度Sdegを検出する第1角度センサ(図示略)が設けられ、制御部5は、その角度センサの検出値に基づき回転軸角度Sdegを取り込むようになっている。
【0164】
次に、ステップ110で、制御部5は、流路の切り替え要求が有るか否かを判断する。この切り替え要求は、例えば、流路切替装置8が設けられる流体回路を制御する制御装置が発信することを想定することができる。制御部5は、この判断結果が肯定の場合は処理をステップ120へ移行し、この判断結果が否定の場合は処理をステップ220へ移行する。
【0165】
ステップ220では、制御部5は、流路切替装置8の切り替え位置を保持し、処理をステップ100へ戻す。
【0166】
ステップ120では、制御部5は、切り替え前の回転ディスク14の停止角度(切替前ディスク停止角度)TSTAを取り込む。ここで、流路切替装置8のハウジング2には、ディスク回転角度を検出する第2角度センサ(図示略)が設けられ、制御部5は、その角度センサの検出値に基づき切替前ディスク停止角度TSTAを取り込むようになっている。
【0167】
ステップ130では、制御部5は、切り替え要求されている回転ディスク14の停止角度(切替要求ディスク停止角度)TSTOを取り込む。この切替要求ディスク停止角度TSTOは、例えば、流路切替装置8が設けられる流体回路を制御する制御装置が発信することを想定することができる。
【0168】
次に、ステップ140は、制御部5は、切替前ディスク停止角度TSTAが「0deg」、すなわち「0°」か否かを判断する。制御部5は、この判断結果が肯定の場合は処理をステップ150へ移行し、この判断結果が否定の場合は処理をステップ320へ移行する。
【0169】
ステップ150では、制御部5は、切替要求ディスク停止角度TSTOが「30deg」、すなわち「30°」か否かを判断する。制御部5は、この判断結果が肯定の場合は処理をステップ160へ移行し、この判断結果が否定の場合は処理をステップ280へ移行する。
【0170】
ステップ160では、制御部5は、反転制御フラグXRCが「0」か否かを判断する。後述するように、制御部5は、このフラグXRCを、回転軸15を反時計回りに回転させた場合に「1」に、回転軸15を時計回りに回転させた場合に「0」に設定するようになっている。制御部5は、この判断結果が肯定の場合は処理をステップ170へ移行し、この判断結果が否定の場合は処理をステップ230へ移行する。
【0171】
ステップ170では、制御部5は、駆動部4を制御することにより回転軸15を時計回りに回転駆動する。
【0172】
次に、ステップ180で、制御部5は、回転軸角度Sdegが「60deg」、すなわち「60°」以上か否かを判断する。制御部5は、この判断結果が肯定の場合は処理をステップ190へ移行し、この判断結果が否定の場合は処理をステップ100へ戻す。
【0173】
ステップ190では、制御部5は、駆動部4を制御することにより回転軸15の時計回り駆動を停止する。
【0174】
次に、ステップ200では、制御部5は、駆動部4を制御することにより回転軸15を反時計回りに回転駆動する。
【0175】
次に、ステップ210で、制御部5は、反転制御フラグXRCを「1」に設定する。
【0176】
一方、ステップ160から移行してステップ230では、制御部5は、回転軸角度Sdegが「0deg」、すなわち「0°」以下か否かを判断する。制御部5は、この判断結果が肯定の場合は処理をステップ240へ移行し、この判断結果が否定の場合は処理をステップ100へ戻す。
【0177】
次に、ステップ240で、制御部5は、駆動部4を制御することにより回転軸15の反時計回り駆動を停止する。
【0178】
次に、ステップ250で、制御部5は、切替前ディスク停止角度TSTAを「30deg」、すなわち「30°」に設定する。
【0179】
次に、ステップ260で、制御部5は、反転制御フラグXRCを「0」に設定する。
【0180】
次に、ステップ270で、制御部5は、流路の切り替えを完了する。すなわち、切り替え要求を解除し、処理をステップ100へ戻す。
【0181】
一方、ステップ150から移行してステップ280では、制御部5は、駆動部4を制御することにより回転軸15を時計回りに回転駆動する。
【0182】
次に、ステップ290では、制御部5は、回転軸角度Sdegが「90deg」、すなわち「90°」以上か否かを判断する。制御部5は、この判断結果が肯定の場合は処理をステップ300へ移行し、この判断結果が否定の場合は処理をステップ100へ戻す。
【0183】
ステップ300では、制御部5は、駆動部4を制御することにより回転軸15の時計回り駆動を停止する。
【0184】
次に、ステップ310で、制御部5は、切替前ディスク停止角度TSTAを「60deg」、すなわち「60°」に設定し、処理をステップ260へ移行する。
【0185】
一方、ステップ140から移行してステップ320では、制御部5は、切替前ディスク停止角度TSTAが「30deg」か否かを判断する。制御部5は、この判断結果が肯定の場合は処理をステップ330へ移行し、この判断結果が否定の場合は処理をステップ470へ移行する。
【0186】
そして、ステップ320から移行してステップ330では、制御部5は、切替要求ディスク停止角度TSTOが「0deg」、すなわち「0°」か否かを判断する。制御部5は、この判断結果が肯定の場合は処理をステップ340へ移行し、この判断結果が否定の場合は処理をステップ400へ移行する。
【0187】
ステップ340では、制御部5は、反転制御フラグXRCが「0」か否かを判断する。制御部5は、この判断結果が肯定の場合は処理をステップ350へ移行し、この判断結果が否定の場合は処理をステップ440へ移行する。
【0188】
ステップ350では、制御部5は、駆動部4を制御することにより回転軸15を反時計回りに回転駆動する。
【0189】
次に、ステップ360で、制御部5は、回転軸角度Sdegが「-30deg」、すなわち「-30°」以下か否かを判断する。制御部5は、この判断結果が肯定の場合は処理をステップ370へ移行し、この判断結果が否定の場合は処理をステップ100へ戻す。
【0190】
ステップ370では、制御部5は、駆動部4を制御することにより回転軸15の反時計回り駆動を停止する。
【0191】
次に、ステップ380では、制御部5は、駆動部4を制御することにより回転軸15を時計回りに回転駆動する。
【0192】
次に、ステップ390で、制御部5は、反転制御フラグXRCを「1」に設定し、処理をステップ100へ戻す。
【0193】
一方、ステップ330から移行してステップ400では、制御部5は、駆動部4を制御することにより回転軸15を時計回りに回転駆動する。
【0194】
次に、ステップ410では、制御部5は、回転軸角度Sdegが「90deg」以上か否かを判断する。制御部5は、この判断結果が肯定の場合は処理をステップ420へ移行し、この判断結果が否定の場合は処理をステップ100へ戻す。
【0195】
ステップ420では、制御部5は、駆動部4を制御することにより回転軸15の時計回り駆動を停止する。
【0196】
次に、ステップ430で、制御部5は、切替前ディスク停止角度TSTAを「60deg」に設定し、処理をステップ260へ移行する。
【0197】
一方、ステップ340から移行してステップ440では、制御部5は、回転軸角度Sdegが「0deg」以上か否かを判断する。制御部5は、この判断結果が肯定の場合は処理をステップ450へ移行し、この判断結果が否定の場合は処理をステップ100へ戻す。
【0198】
ステップ450では、制御部5は、駆動部4を制御することにより回転軸15の時計回り駆動を停止する。
【0199】
次に、ステップ460で、制御部5は、切替前ディスク停止角度TSTAを「0deg」に設定し、処理をステップ260へ移行する。
【0200】
一方、ステップ320から移行してステップ470では、制御部5は、切替要求ディスク停止角度TSTOが「0deg」か否かを判断する。制御部5は、この判断結果が肯定の場合は処理をステップ480へ移行し、この判断結果が否定の場合は処理をステップ540へ移行する。
【0201】
ステップ480では、制御部5は、反転制御フラグXRCが「0」か否かを判断する。制御部5は、この判断結果が肯定の場合は処理をステップ490へ移行し、この判断結果が否定の場合は処理をステップ580へ移行する。
【0202】
ステップ490では、制御部5は、駆動部4を制御することにより回転軸15を反時計回りに回転駆動する。
【0203】
次に、ステップ500で、制御部5は、回転軸角度Sdegが「-30deg」以下か否かを判断する。制御部5は、この判断結果が肯定の場合は処理をステップ510へ移行し、この判断結果が否定の場合は処理をステップ100へ戻す。
【0204】
ステップ510では、制御部5は、駆動部4を制御することにより回転軸15の反時計回り駆動を停止する。
【0205】
次に、ステップ520では、制御部5は、駆動部4を制御することにより回転軸15を時計回りに回転駆動する。
【0206】
次に、ステップ530で、制御部5は、反転制御フラグXRCを「1」に設定し、処理をステップ100へ戻す。
【0207】
一方、ステップ470から移行してステップ540では、制御部5は、駆動部4を制御することにより回転軸15を反時計回りに回転駆動する。
【0208】
次に、ステップ550では、制御部5は、回転軸角度Sdegが「0deg」以下か否かを判断する。制御部5は、この判断結果が肯定の場合は処理をステップ560へ移行し、この判断結果が否定の場合は処理をステップ100へ戻す。
【0209】
ステップ560では、制御部5は、駆動部4を制御することにより回転軸15の反時計回り駆動を停止する。
【0210】
次に、ステップ570で、制御部5は、切替前ディスク停止角度TSTAを「30deg」に設定し、処理をステップ260へ移行する。
【0211】
一方、ステップ480から移行してステップ580では、制御部5は、回転軸角度Sdegが「0deg」以上か否かを判断する。制御部5は、この判断結果が肯定の場合は処理をステップ590へ移行し、この判断結果が否定の場合は処理をステップ100へ戻す。
【0212】
ステップ590では、制御部5は、駆動部4を制御することにより回転軸15の時計回り駆動を停止する。
【0213】
次に、ステップ600で、制御部5は、切替前ディスク停止角度TSTAを「0deg」に設定し、処理をステップ260へ移行する。
【0214】
この実施形態において、駆動部4はこの開示技術の「駆動手段」の一例に相当し、制御部5はこの開示技術の「制御手段」の一例に相当する。そして、制御部5は、駆動部4を制御することにより、回転軸15を時計回りに回転させ、回転軸15の先端部が固定ディスク13に当接する状態、すなわち、軸凸部15bの頂部15eとディスク凸部13gの頂部13hが当接する状態で流路を切り替えた後、回転軸15を反時計回り(逆方向)に回転させ、回転軸15の先端部が固定ディスク13に係合する状態、すなわち、軸凹部15c及び軸凸部15bとディスク凸部13g及びディスク凹部13eが係合する状態で回転軸15の回転を停止するようになっている。
【0215】
[流路切替装置の作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態の流路切替装置8の構成によれば、制御部5が駆動部4を制御することで、回転軸15を回転させ、軸凸部15bの頂部15eとディスク凸部13gの頂部13hが当接した状態(上ハウジング11と回転ディスク14との間隔及び固定ディスク13と回転ディスク14との間隔を広げた状態)で流路を切り替えた後、回転軸15を反時計回り(逆方向)に回転させ、軸凸部15b及び軸凹部15cとディスク凹部13e及びディスク凸部13gが係合した状態(上ハウジング11と回転ディスク14との間隔及び固定ディスク13と回転ディスク14との間隔を元に戻した状態)で回転軸15の回転を停止する。これにより、流路を切り替えた後に上ハウジング11と回転ディスク14との間隔及び固定ディスク13と回転ディスク14との間隔を確実に元の状態に戻すことが可能となる。このため、上シール部材17及び下シール部材18のシール性を確保することができる。
【0216】
この実施形態では、
図75(A)~
図75(D)及び
図78(A)~
図78(D)に示すように、回転ディスク14が回転するときに、回転軸15がリフトダウンする(固定ディスク13と上ハウジング11を元の間隔に戻す)。このため、流路が切り替わるときに、固定ディスク13と上ハウジング11との間で各シール部材17,18に掛かる面圧が低減し、各シール部材17,18につき摺動摩耗や引き掛かりによる外れを抑制できることがわかる。加えて、この実施形態では、前記各実施形態と異なり、
図70(A)~
図70(D)に示すように、回転軸15がリフトアップしたまま(固定ディスク13と上ハウジング11との間隔を広げたまま)回転ディスク14が回転する。このため、流路が切り替わるときに、各シール部材17,18につき摺動摩耗や引き掛かりによる外れをより確実に抑制できる。
【0217】
この実施形態では、「両側空転タイプ」かつ流路が3つのパターンに切り替え可能な構成において、回転軸15の「空転角度」と流路の「切替角度」が同じ「30°」に設定される。従って、
図70(A)~
図70(D)、
図75(A)~
図75(D)及び
図78(A)~
図78(D)に示すように、流路を切り替えるときに、回転軸15をリフトアップさせた後、流路の切り替えと回転軸15のリフトアップ保持又はリフトダウンを同時に行う構成にできる。このため、回転軸15の駆動トルク(駆動部4の駆動トルク)を低減することができ、駆動部4(モータ)の小型化を図ることができる。
【0218】
<第7実施形態>
次に、第7実施形態について
図84(A)~
図90(C)を参照して詳細に説明する。
【0219】
[流路のパターン切り替えについて]
この実施形態の流路切替装置8は、流体の流路の切り替えパターンの点で第6実施形態と異なる。すなわち、この実施形態では、第6実施形態と同じ「両側空転タイプ」において、流体の流路が2つのパターンに切り替え可能となっている。
図84(A)~
図90(C)は、流路のパターン切り替えに関連した動作図を示す。
【0220】
先ず、
図84(A)~
図84(C)は、この実施形態の流路切替装置8の「イニシャル状態」を示し、
図84(A)は、回転ディスク14の貫通孔14aと回転軸15との係合関係を示すイメージ図である。後述する
図85~
図90の各(A)は、
図84(A)に準ずるイメージ図である。
図84(B)は、回転軸角度に対する回転軸15のリフトの変化を示すイメージ図である。後述する
図85~
図90の各(B)は、
図84(B)に準ずるイメージ図である。
図84(C)は、回転ディスク14と回転連通路40の回転位置を示す
図62に準ずる平面図である。後述する
図85~
図90の各(C)は、
図84(C)に準ずる平面図である。
【0221】
この「イニシャル状態」では、
図84(A)に示すように、回転軸15が貫通孔14aにて回転方向両側に隙間28を有する状態に位置し、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げることで、
図84(B)に示すように、回転軸15がリフトダウンしている。また、回転ディスク14と回転連通路40は、
図84(C)に示す状態に配置されている。このとき、第1回転連通路41が第1流入流路21と第1固定連通路51に連通し、第2回転連通路42が第2流入流路22と第2固定連通路52に連通し、第3回転連通路43が第3流入流路23と第3固定連通路53に連通し、第4回転連通路44が第4流入流路24と第4固定連通路54に連通する。このときのディスク回転角度を「0°」と規定し、この流路切り替え状態を「パターンA」と規定する。
【0222】
次に、「イニシャル状態」からの変化を順次説明する。
図85(A)~
図85(C)は、「イニシャル状態」から回転軸15が「30°」時計回りに回転した「30°回転状態」を示す。この状態では、
図85(A)に示すように、回転軸15が「イニシャル状態」から「30°」時計回りに空転して貫通孔14aの他方の内壁に係合し、軸凸部15bがディスク凸部13gの頂部13hの一側縁に乗り上げることで、
図85(B)に示すように、回転軸15がリフトアップしている。また、
図85(C)に示すように、ディスク回転角度は「0°」のままであり、回転連通路40の流路切り替え状態は「イニシャル状態」と同じ「パターンA」である。
【0223】
次に、
図86(A)~
図86(C)は、「30°回転状態」から回転軸15が「30°」時計回りに回転した「60°回転状態」を示す。この状態では、
図85(A)に示すように、回転軸15が回転ディスク14と共に「30°」時計回りに回転し、軸凸部15bがディスク凸部13gの頂部13hの他側縁に乗り上げることで、
図86(B)に示すように、回転軸15がリフトアップしたまま時計回りに回転している。また、
図86(C)に示すように、回転連通路40が「30°」時計回りに回転している。この「30°回転状態」では、第1回転連通路41が第2流入流路22と第1固定連通路51に連通し、第2回転連通路42が第3流入流路23と第2固定連通路52に連通し、第3回転連通路43が第4流入流路24と第3固定連通路53に連通し、第4回転連通路44が第1流入流路21と第4固定連通路54に連通している。このときのディスク回転角度は「30°」であり、この流路切り替え状態を「パターンB」と規定する。
【0224】
上記したように、この実施形態では、流路切替装置8の流路を切り替えるために回転ディスク14を回転させる「切替角度」が「30°」に設定される。すなわち、この実施形態では、回転軸15の時計回りへの「空転角度」と、流路を切り替えるための回転ディスク14の「切替角度」が同じ「30°」に設定される。
【0225】
次に、
図87(A)~
図87(C)は、「60°回転状態」から回転軸15が「30°」反時計回りに回転した「戻し30°回転状態」を示す。この状態では、
図87(A)に示すように、回転軸15が「30°」反時計回りに空転し、軸凸部15bがディスク凸部13gの頂部13hの一側縁に乗り上げることで、
図87(B)に示すように、回転軸15がリフトアップしたまま反時計回りに回転する。また、
図87(C)に示すように、回転連通路40が「60°回転状態」と同じ位置に止まり、ディスク回転角度が「30°」のままとなっている。このときの流路切り替え状態は「60°回転状態」と同じ「パターンB」である。
【0226】
次に、
図88(A)~
図88(C)は、「戻し30°回転状態」から回転軸15が更に「30°」反時計回りに回転した「戻し0°回転状態」を示す。この状態では、
図88(A)に示すように、回転軸15が「30°」反時計回りに空転して貫通孔14aの一方の内壁に係合し、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げることで、
図88(B)に示すように、回転軸15がリフトダウンしている。また、
図88(C)に示すように、回転連通路40が「戻し30°回転状態」と同じ位置に止まり、ディスク回転角度が「30°」のままとなっている。このときの流路切り替え状態は「戻し30°回転状態」と同じ「パターンB」である。
【0227】
次に、
図89(A)~
図89(C)は、「戻し0°回転状態」から回転軸15が「30°」反時計回りに回転した「-30°回転状態」を示す。この状態では、
図89(A)に示すように、回転軸15が回転ディスク14と共に「30°」反時計回りに回転し、軸凸部15bがディスク凸部13gに乗り上げることで、
図89(B)に示すように、回転軸15がリフトアップしている。また、
図89(C)に示すように、回転ディスク14と回転連通路40が「30°」反時計回りに回転している。このときの流路切り替え状態は「イニシャル状態」と同じ「パターンA」である。
【0228】
そして、
図90(A)~
図90(C)は、「-30°回転状態」から回転軸15が「30°」時計回りに回転した「戻しイニシャル状態」を示す。この状態では、
図90(A)に示すように、回転軸15が「30°」時計回りに空転し、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げることで、
図90(B)に示すように、回転軸15がリフトダウンしている。また、
図90(C)に示すように、回転連通路40は「イニシャル状態」と同じ位置に戻り、ディスク回転角度は「0°」となっている。このときの流路切り替え状態は「パターンA」である。
【0229】
[流路切替装置の作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態の流路切替装置8の構成によれば、「イニシャル状態」から回転軸15を回転方向における両側へ空転可能な「両側空転タイプ」かつ流路が2つのパターンに切り替え可能な構成となっている。そして、回転軸15がリフトダウンと同時に流路を切り替えるモードと、リフトアップした状態で流路を切り替えるモードとが混在するものの、回転軸15がリフトアップしたまま流路を切り替えるモードを一部加えることができる。すなわち、
図86(A)~
図86(C)に示すように、回転軸15がリフトアップしたまま(固定ディスク13と上ハウジング11との間隔を広げたまま)回転ディスク14が回転する。このため、流路を切り替えるときに、各シール部材17,18につき摺動摩耗や引き掛かりによる外れを抑制できることがわかる。
【0230】
<第8実施形態>
次に、第8実施形態について
図91(A)~
図95(C)を参照して詳細に説明する。
【0231】
[係合構造及び被係合構造について]
この実施形態は、第3実施形態の変形例であり、係合構造K1及び被係合構造K2の構成の点で第3実施形態と異なる。この実施形態では、第3実施形態と同様、流体の流路が2つのパターンに切り替え可能に構成され、かつ、「イニシャル状態」における回転軸15が時計回りのみ空転可能な「片側のみ空転タイプ」となっている。
【0232】
図91(A)~
図91(C)は、この実施形態の流路切替装置1の「イニシャル状態」を示し、
図91(A)は、
図40(A)と同じイメージ図である。後述する
図92~
図95の各(A)は、
図91(A)に準ずるイメージ図である。
図91(B)は、この実施形態の係合構造K1(軸凸部15b及び軸凹部15c)と被係合構造K2(ディスク凹部13e及びディスク凸部13g)との関係を示すイメージ図である。後述する
図92~
図95の各(B)は、
図91(B)に準ずるイメージ図である。
図91(B)~
図95(B)に示すように、この実施形態において、軸凸部15bの頂部15eとディスク凸部13gの頂部13hが、それぞれ凸湾曲面をなしている。この実施形態では、軸凸部15bの側面部15dの傾斜角度とディスク凸部13g及びディスク凹部13eの側面部13iの傾斜角度が同じに設定されている。
図91(C)は、
図40(B)と同じイメージ図である。後述する
図92~
図95の各(C)は、
図91(C)に準ずるイメージ図である。
【0233】
図91(A)~
図91(C)に示す「イニシャル状態」では、
図91(A)に示すように、回転軸15が貫通孔14aにて時計方向にのみ隙間28を有する状態に位置し、
図91(B)及び
図91(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げており、回転軸15がリフトダウンしている。この状態では、
図91(B)に示すように、軸凸部15bがディスク凹部13eに嵌まり込んで係合している。
【0234】
次に、「イニシャル状態」からの変化を順次説明する。
図92(A)~
図92(C)は、「イニシャル状態」から回転軸15が「45°」時計回りに回転した「45°回転状態」を示す。この状態では、
図92(A)に示すように、回転軸15が「イニシャル状態」から「45°」時計回りに空転して貫通孔14aの他方の内壁に係合し、
図92(B)及び
図92(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凸部13gに乗り上げ、回転軸15がリフトアップしている。この状態では、
図92(B)に示すように、軸凸部15bの頂部15eがディスク凸部13gの頂部13hに乗り上げて当接している。
【0235】
次に、
図93(A)~
図93(C)は、「45°回転状態」から回転軸15が更に「45°」時計回りに回転した「90°回転状態」を示す。この状態では、
図93(A)に示すように、回転軸15が回転ディスク14と共に「45°回転状態」から「45°」時計回りに回転し、
図93(B)及び
図93(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げ、回転軸15がリフトダウンしている。この状態では、
図93(B)に示すように、軸凸部15bがディスク凹部13eに嵌まり込んで係合している。
【0236】
次に、
図94(A)~
図94(C)は、「90°回転状態」から回転軸15が「45°」反時計回りに回転した「戻し45°回転状態」を示す。この状態では、
図94(A)に示すように、回転軸15が「90°回転状態」から「45°」反時計回りに空転して貫通孔14aの一方の内壁に係合し、
図94(B)及び
図94(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凸部13gに乗り上げ、回転軸15がリフトアップしている。この状態では、
図94(B)に示すように、軸凸部15bの頂部15eがディスク凸部13gの頂部13hに乗り上げて当接している。
【0237】
次に、
図95(A)~
図95(C)は、「戻し45°回転状態」から回転軸15が「45°」反時計回りに回転した「戻しイニシャル状態」を示す。この状態では、
図95(A)に示すように、回転軸15が回転ディスク14と共に「戻し45°回転状態」から「45°」反時計回りに回転し、
図95(B)及び
図95(C)に示すように、軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げており、回転軸15がリフトダウンしている。この状態では、
図95(B)に示すように、軸凸部15bがディスク凹部13eに嵌まり込んで係合している。
【0238】
[流路切替装置の作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態の流路切替装置1の構成によれば、軸凸部15bの頂部15eとディスク凸部13gの頂部13hがそれぞれ凸湾曲面をなすので、
図92(B)及び
図94(B)に示すように、回転軸15がリフトアップして軸凸部15bの頂部15eがディスク凸部13gの頂部13hに乗り上げたときに、それらが安定的に係合することから、軸凸部15bの上昇及び降下の急変を回避することができる。
【0239】
<第9実施形態>
次に、第9実施形態について
図96~
図102を参照して詳細に説明する。
【0240】
[係合構造及び被係合構造について]
この実施形態は、第8実施形態の変形例であり、係合構造K1及び被係合構造K2の構成の点で前記第8実施形態と異なる。
【0241】
図96~
図98は、この実施形態の流路切替装置1に係り、
図96は、流路切り替え前に回転軸15がリフトダウンしたときの係合構造と被係合構造との関係を示すイメージ図であり、
図97は、流路切り替え時に回転軸15がリフトアップする途中の係合構造と被係合構造との関係を示すイメージ図であり、
図98は、流路切り替え時に回転軸15がリフトアップしたときの係合構造と被係合構造との関係を示すイメージ図である。
図96~
図98に示すように、この実施形態では、軸凸部15bの頂部15eとディスク凸部13gの頂部13hが、それぞれ凸湾曲面をなし、ディスク凹部13eの底部が凹湾曲面をなしている。そして、この実施形態では、軸凸部15bの頂部15eの凸湾曲面の半径が、ディスク凹部13eの底部の凹湾曲面の半径よりも小さくなっている。
【0242】
これに対し、
図99~
図101は、対比例(第8実施形態)に係り、
図99は、流路切り替え前に回転軸15がリフトダウンしたときの係合構造と被係合構造との関係を示すイメージ図であり、
図100は、流路切り替え時に回転軸15がリフトアップする途中の係合構造と被係合構造との関係を示すイメージ図であり、
図101は、流路切り替え時に回転軸15がリフトアップしたときの係合構造と被係合構造との関係を示すイメージ図である。
【0243】
[流路切替装置の作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態の流路切替装置1の構成によれば、
図96~
図98に示すように、軸凸部15bの凸湾曲面の半径が、ディスク凹部13eの凹湾曲面の半径よりも小さいので、
図96の状態から、回転軸15がリフトアップし始めるとき、すなわち流路を切り替えるために回転軸15が回転し始める流路切り替え初期に、
図99に示す対比例と比べて軸凸部15bのディスク凹部13eに対する摺動抵抗が小さくなる。
図97に示す場合と
図100に示す場合とを比較すると、両者の摺動抵抗はほぼ同じとなる。また、
図98に示す場合と
図101に示す場合とを比較すると、この場合も両者の摺動抵抗はほぼ同じとなる。このため、流路切り替え初期に回転軸15の駆動トルクを低減することができ、回転軸15がリフトアップし始めるときの上昇角度を低減することができる。また、回転軸15のリフトアップ開始時の上昇角度を低減できるので、回転軸15の駆動トルクを抑制することができる。
【0244】
図102に、回転軸角度の変化と駆動トルクの変化の関係をグラフにより示す。
図102において、太線BLは本実施形態を示し、破線DLは対比例(第8実施形態)を示す。
図102に示すように、この実施形態では、回転軸角度が「0°」のときの駆動トルクは、対比例のそれに比べて低く、回転軸角度が「45°」のときの駆動トルクは、対比例に比べて高くなることがわかる。
【0245】
<第10実施形態>
次に、第10実施形態について
図103~
図113を参照して詳細に説明する。
【0246】
[第9実施形態の課題について]
前記第9実施形態では、軸凸部15bの頂部15eとディスク凸部13gの頂部13hが、それぞれ凸湾曲面をなし、ディスク凹部13eの底部が凹湾曲面をなしている。また、軸凸部15bの頂部15eの凸湾曲面の半径が、ディスク凹部13eの底部の凹湾曲面の半径よりも小さくなっている。このため、回転軸15がリフトダウンして軸凸部15bがディスク凹部13eに乗り下げている状態では、軸凸部15bの頂部15eとディスク凹部13eの底部とが1点集中で接触することになる。この状態では、上ハウジング11及び固定ディスク13に対する各シール部材17,18の接触面圧が最大となるので、軸凸部15bの頂部15eとディスク凹部13eの底部との接点には高い応力が作用することになる。
【0247】
このため、回転軸15をリフトダウン状態からリフトアップさせるために回転軸15が回転し始めるときには、軸凸部15bの頂部15eとディスク凹部13eの底部とが1点集中で摺動し始め、摺動抵抗が大きくなり、両者15b,13eの間の摩耗が促進される懸念がある。軸凸部15bの頂部又はディスク凹部13eの底部の摩耗が進むと、回転ディスク14と固定ディスク13の間の隙間が狭くなり、各シール部材17,18の接触面圧が更に上昇し、摺動抵抗が更に大きくなってしまう。その結果、回転軸15をリフトアップさせるために回転軸15が回転し始めるときに要する駆動トルクが大きくなり、駆動部4を高出力にすることが必要になる。そこで、この実施形態では、回転軸15をリフトダウン状態からリフトアップするときに要する駆動トルクを低減するために、係合構造及び被係合構造(軸凸部15bとディスク凹部13e)の形状を次のように改良した。
【0248】
[係合構造及び被係合構造について]
図103~
図113には、この実施形態の流路切替装置1に係り、流路切り替え時に回転軸15がリフトダウン状態からリフトアップし、更にリフトダウンするときの係合構造と被係合構造の関係の変化をイメージ図により示す。
【0249】
図103は、流路切り替え前におけるリフトダウン状態の係合構造と被係合構造の関係を示し、
図104は、
図103の接地部分を拡大して示す。
図103、
図104に示すように、この実施形態のディスク凹部13eは、その底部にV字状の緩い凹傾斜面(凹緩傾斜面)13eaを有し、その凹緩傾斜面13eaからディスク凸部13gへ連続し、ディスク凸部13gの側面部13iを形成する急傾斜面13iaを有する。この実施形態では、ディスク凸部13gの頂部13hが凸湾曲面をなしている。また、軸凸部15bは、その頂部15eに、凹緩傾斜面13eaと整合し面接触可能なV字状をなす緩い凸傾斜面(凸緩傾斜面)15eaを有し、その凸緩傾斜面15eaから連続する軸凸部15bの側面部15dは、ディスク凸部13gの側面部13iの急傾斜面13iaと面接触可能に整合する急傾斜面15daを有する。
【0250】
この流路切り替え前の状態では、上ハウジング11と固定ディスク13に対する各シール部材17,18の接触面圧は高くなり、軸凸部15bとディスク凹部13eの接地面圧は高くなるが、凹緩傾斜面13eaと凸緩傾斜面15eaとが面接地しているので、高い接地面圧の応力は1点集中せず分散することになる。
【0251】
次に、
図105は、流路切り替え始め(リフトアップし始めの初期駆動時)の係合構造と被係合構造の関係を示す。この初期駆動時には、凸緩傾斜面15eaが凹緩傾斜面13eaに接地し、軸凸部15bの急傾斜面15daがディスク凸部13gの急傾斜面13iaに接地した状態で摺動する。このとき、各シール部材17,18は高面圧となり、軸凸部15bとディスク凹部13eの接地面圧は高くなるが、凹緩傾斜面13eaと凸緩傾斜面15eaとが面接地し、急傾斜面13iaと急傾斜面15daが接地しているので、高い接地面圧の応力は分散することになる。
【0252】
次に、
図106は、流路切り替え途中(リフトアップ途中)の係合構造と被係合構造の関係を示す。このリフトアップ途中では、軸凸部15bの急傾斜面15daがディスク凹部13eの急傾斜面13iaに接地した状態で摺動する。このとき、回転軸15がリフトアップし始め(固定ディスク13が降下し始め)、回転ディスク14に対する上ハウジング11と固定ディスク13の隙間が増すので、各シール部材17,18の接触面圧が低減し、中程度の面圧となる。
【0253】
次に、
図107は、同じく流路切り替え途中(リフトアップ途中)の係合構造と被係合構造の関係を示す。このリフトアップ途中では、軸凸部15bの凸緩傾斜面15eaがディスク凸部13gの凸湾曲面をなす頂部13hに接地した状態で摺動する。
図108は、
図107における接地部分を拡大して示す。このとき、回転軸15がリフトアップし(固定ディスク13が降下し)、回転ディスク14に対する上ハウジング11と固定ディスク13の隙間が更に増すので、各シール部材17,18の接触面圧は更に低減し、低い面圧となる。これにより、ディスク凸部13gの頂部13hの負荷が低減するので、ディスク凸部13gの頂部13hに対する軸凸部15bの接地応力は集中するものの、その応力は低減することになる。
【0254】
次に、
図109は、流路切り替え途中であって、軸凸部15bの頂部15eがディスク凸部13gの頂部13hを乗り越えた直後(リフトダウンし始め)の係合構造と被係合構造の関係を示す。
図110は、
図109の接地部分を拡大して示す。このリフトダウンし始めでは、
図107、
図108の場合と同様、軸凸部15bの凸緩傾斜面15eaがディスク凸部13gの頂部13hの湾曲面に接地した状態で摺動する。このとき、回転軸15がリフトダウンし始める(固定ディスク13が上昇し始める)が、回転ディスク14に対する上ハウジング11と固定ディスク13の隙間が広がっているので、各シール部材17,18の接触面圧は低減し、低い面圧となる。このため、
図107、
図108の場合と同様、ディスク凸部13gの頂部13hに対する軸凸部15bの接地応力は集中するものの、その応力は低減することになる。
【0255】
次に、
図111は、流路切り替え途中(リフトダウン途中)の係合構造と被係合構造の関係を示す。このリフトダウン途中では、軸凸部15bの急傾斜面15daがディスク凹部13eの急傾斜面13iaに接地した状態で摺動する。このとき、回転軸15はリフトダウン途中(固定ディスク13の上昇途中)であり、回転ディスク14に対する上ハウジング11と固定ディスク13の隙間が減りつつあるので、各シール部材17,18の接触面圧は増え始め、中程度の面圧となる。
【0256】
次に、
図112は、流路切り替え完了前(リフトダウンの完了前)の係合構造と被係合構造の関係を示す。このリフトダウン完了前では、凸緩傾斜面15eaが凹緩傾斜面13eaに接地し、軸凸部15bの急傾斜面15daがディスク凸部13gの急傾斜面13iaに接地した状態で摺動する。このとき、各シール部材17,18は高面圧となり、軸凸部15bとディスク凹部13eとの接地面圧は高くなるが、凹緩傾斜面13eaと凸緩傾斜面15eaとが面接地し、急傾斜面13iaと急傾斜面15daが接地するので、高い接地面圧の応力は分散することになる。
【0257】
次に、
図113は、流路切り替え完了時(リフトダウン完了相)の係合構造と被係合構造の関係を示す。このリフトダウン完了時では、各シール部材17,18の面圧は更に高くなり、軸凸部15bとディスク凹部13eの接地面圧は高くなるが、凹緩傾斜面13eaと凸緩傾斜面15eaが面接地するので、高い接地面圧の応力は分散することになる。
【0258】
[流路切替装置の作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態の流路切替装置1の構成によれば、流路切り替え前に回転軸15がリフトダウンしているときは、回転軸15の軸凸部15bが固定ディスク13のディスク凹部13eに係合し、ディスク凹部13eの凹緩傾斜面13eaに軸凸部15bの凸緩傾斜面15eaが接地した状態となる。この状態から、流路を切り替えるために回転軸15が回転し始めるときは、ディスク凹部13eに対する軸凸部15bの摺動が凹緩傾斜面13eaと凸緩傾斜面15eaとの接地により緩傾斜で摺動し始め、凸緩傾斜面15eaと凹緩傾斜面13eaとの面接地により摺動することになる。また、回転軸15の回転が進むと、ディスク凹部13eと軸凸部15bとが、凹緩傾斜面13eaと凸緩傾斜面15eaとの接地から、急傾斜面13ia,15da同士の接地に移行し、面接地により摺動することになる。このため、軸凸部15bがディスク凹部13eに係合した状態から回転軸15が回転し始めるときに、回転軸15を回転させるために要する駆動トルクを低減することができ、軸凸部15bとディスク凹部13eの摩耗を抑制することができる。また、駆動トルクの低減により、駆動部4の小型化を図ることができる。
【0259】
<第11実施形態>
次に、第11実施形態について
図114、
図115を参照して詳細に説明する。
【0260】
[係合構造及び被係合構造について]
この実施形態は、第10実施形態の変形例であり、係合構造及び被係合構造の構成の点で第10実施形態と異なる。
図114には、この実施形態の流路切替装置1に係り、流路切り替え途中(回転軸15のリフトアップ途中)の係合構造と被係合構造の関係を
図107に準ずるイメージ図により示す。
図115には、
図114における接地部分を拡大したイメージ図により示す。
【0261】
図114、
図115に示すように、この実施形態のディスク凸部13gの頂部13hは、凸湾曲面ではなく、軸凸部15bの頂部15eと同様、V字状をなす凸緩傾斜面13haとなっている。従って、このリフトアップ途中では、軸凸部15bの凸緩傾斜面15eaがディスク凸部13gの頂部13hの凸緩傾斜面13haに面接地した状態で摺動することになる。このため、第10実施形態に対し、軸凸部15bとディスク凸部13gとの接地応力を緩和することができ、両者15b,13gの摩耗を抑制することができる。
【0262】
<別の実施形態>
なお、この開示技術は前記各実施形態に限定されるものではなく、開示技術の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して実施することもできる。
【0263】
(1)前記第1実施形態では、流路切替装置1を八方弁として構成したが、これに限らず、三方弁、四方弁及び六方弁などその他の多方弁にすることもできる。そのため、回転ディスク14は回転連通路40を少なくとも1つ備えていればよく、固定ディスク13は固定連通路50を複数備えていればよい。
【0264】
(2)前記第1実施形態における「摺動抵抗緩和構造」は一例であり、上記した係合構造K1及び被係合構造K2に限定されるものではない。
【0265】
(3)前記第2実施形態では、軸凸部15bの頂部15eのみを凸湾曲面に形成したが、ディスク凸部13gの頂部13hのみを凸湾曲面に形成したり、軸凸部15bの頂部15e及びディスク凸部13gの頂部13hの両方を凸湾曲面に形成したりすることもできる。
【0266】
(4)前記第2実施形態では、軸凸部15bの頂部15eを凸湾曲面に形成したが、この頂部を平坦面に形成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0267】
この開示技術は、例えば、冷媒等の流体が流れる流体回路において流体の流路を切り替えるために利用することができる。
【符号の説明】
【0268】
1 流路切替装置
2 ハウジング
3 弁体部
4 駆動部(駆動手段)
5 制御部(制御手段)
8 流路切替装置
13 固定ディスク
13e ディスク凹部
13ea 凹緩傾斜面
13g ディスク凸部
13h 頂部
13ha 凸緩傾斜面
13i 側面部
13ia 急傾斜面
14 回転ディスク(駆動ディスク)
15 回転軸
15a 先端部
15b 軸凸部
15c 軸凹部
15d 側面部
15da 急傾斜面
15e 頂部
15ea 凸緩傾斜面
17 上シール部材
18 下シール部材
20 流入流路(連通路)
28 隙間
30 流出流路(連通路)
40 回転連通路(連通路)
50 固定連通路(連通路)
X 軸方向