IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エクセル インダストリーズの特許一覧

特開2024-56629直接投与インターフェイスを含む直接注入式噴霧組立体
<>
  • 特開-直接投与インターフェイスを含む直接注入式噴霧組立体 図1
  • 特開-直接投与インターフェイスを含む直接注入式噴霧組立体 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056629
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】直接投与インターフェイスを含む直接注入式噴霧組立体
(51)【国際特許分類】
   B05B 7/04 20060101AFI20240416BHJP
   B05B 12/02 20060101ALI20240416BHJP
   A01M 7/00 20060101ALI20240416BHJP
   A01C 23/00 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
B05B7/04
B05B12/02
A01M7/00 J
A01C23/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023164722
(22)【出願日】2023-09-27
(31)【優先権主張番号】2210394
(32)【優先日】2022-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】509003265
【氏名又は名称】エクセル インダストリーズ
【氏名又は名称原語表記】EXEL INDUSTRIES
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】トレーガス・ ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】プロヴェナス・ フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】シャバリエ・ コリン
(72)【発明者】
【氏名】バクル・ ティボー
【テーマコード(参考)】
2B052
2B121
4F033
4F035
【Fターム(参考)】
2B052BC07
2B052EA03
2B052EB03
2B052EC18
2B121AA11
2B121AA19
2B121AA20
2B121CB02
2B121CB25
2B121CB42
2B121CB47
2B121CB61
2B121CC02
2B121CC03
2B121CC05
2B121CC31
2B121EA26
2B121FA11
4F033QA05
4F033QB03X
4F033QB03Y
4F033QB15Y
4F033QB17
4F033QD02
4F033QD15
4F033QF01X
4F033QF01Y
4F033QF21X
4F033QK02X
4F033QK16X
4F033QK23X
4F033QK27X
4F035AA01
4F035AA02
4F035BA05
4F035BA06
4F035BA07
4F035BA22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】噴霧ノズルの上流の継続した水射流に活性物質を直接注入する、直接注入式噴霧組立体を提供する。
【解決手段】注入装置と、噴霧ノズル(3)の上流と注入セクション(2)を含む、キャリア液を噴霧ノズル(3)に搬送するための第1液圧回路(21)と、活性物質をキャリア液循環圧よりも大きい注入圧で注入装置に搬送するための第2液圧回路(22)とを含む噴霧組立体に関するものであり、注入装置は、第1液圧回路(21)の注入セクション(2)に複数の貫通孔を含む直接投与インターフェイス(1)を含み、注入装置は、活性物質の決定された投与量が少なくとも1つの開放された孔キャリア液流に注入すべき、少なくとも1つの開放された貫通孔を通過することを可能とするため、各貫通孔を開閉するよう構成された少なくとも1つの対応するアクチュエータ(4)を更に含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば水であるキャリア液を収容するよう構成された第1タンクと、
活性物質を収容するよう構成された第2タンクと、
少なくとも1つの噴霧ノズル(3)と、
少なくとも1つの注入装置と、
キャリア液循環圧において前記第1タンクから前記噴霧ノズル(3)へキャリア液を搬送するための第1液圧回路(21)であって、前記噴霧ノズル(3)の上流と注入セクション(2)を含む、第1液圧回路(21)と、
前記キャリア液循環圧よりも大きい注入圧において前記第2タンクから前記注入装置へ活性物質を搬送するための第2液圧回路(22)と、
を含み、
前記活性物質注入装置は、前記第1液圧回路(21)の注入セクション(2)に接続されて、前記第1液圧回路(21)中を循環するキャリア液流に活性物質を注入するよう構成され、
前記注入装置は、前記第2タンクとは逆の前記第2液圧回路(22)の端部で、前記第1液圧回路(21)の注入セクション(2)に通じる複数の貫通孔を含む直接投与インターフェイス(1)を含み、
前記注入装置は、決定された用量の活性物質が前記キャリア液流に注入すべき、前記直接投与インターフェイス(1)の前記複数の貫通孔のうちの少なくとも1つの開放された貫通孔を通過することを可能とし、このようにして、作物処理の目的のためキャリア液と前記少なくとも1つの噴霧ノズル(3)から噴霧すべき配分された活性物質とを含む混合物を形成するため、前記複数の貫通孔を開閉するよう構成された、前記複数の貫通孔に対応する少なくとも1つのアクチュエータ(4)を含む、
噴霧組立体。
【請求項2】
前記少なくとも1つのアクチュエータ(4)は圧電アクチュエータである、
請求項1に記載の噴霧組立体。
【請求項3】
前記少なくとも1つのアクチュエータ(4)は空圧式アクチュエータであり、
前記少なくとも1つの空圧式アクチュエータの作動を可能とする圧縮空気回路を含む、
請求項1に記載の噴霧組立体。
【請求項4】
前記少なくとも1つのアクチュエータ(4)は圧電作動空圧式アクチュエータである、
請求項3に記載の噴霧組立体。
【請求項5】
前記少なくとも1つのアクチュエータ(4)は電磁弁である、
請求項1に記載の噴霧組立体。
【請求項6】
前記少なくとも1つのアクチュエータ(4)はパルス幅変調発生器により開閉を制御される、
請求項1に記載の噴霧組立体。
【請求項7】
前記注入圧は、前記キャリア液循環圧よりも少なくとも1バール高い、
請求項1に記載の噴霧組立体。
【請求項8】
前記複数の貫通孔の全ての前記孔が同一の直径を有するのではなく、前記孔の異なる直径は、特に50μm~300μmの間である、
請求項1に記載の噴霧組立体。
【請求項9】
前記複数の貫通孔の前記孔に対応するアクチュエータのセットと、
を含み、
投与設定点から、前記キャリア液流に注入すべき活性物質の前記量を決定するため、及び、前記直接投与インターフェイス(1)の対応する数の孔の開閉を制御するための計算ユニット(10)と、
を更に含む、
請求項1に記載の噴霧組立体。
【請求項10】
前記計算ユニット(10)は、前記第1液圧回路中のキャリア液流量に基づき、前記直接投与インターフェイス(1)の前記孔のうちの孔のセットの各孔の開閉の頻度を決定する、
請求項9に記載の噴霧組立体。
【請求項11】
前記活性物質は注入方向に沿って循環し、前記活性物質をキャリア液に注入するとき、前記キャリア液は循環の方向に沿って流れ、前記活性物質の前記注入方向は、前記キャリア液の前記循環の方向に実質的に平行である、又は0°~90°の間の角度を形成する、
請求項1に記載の噴霧組立体。
【請求項12】
前記少なくとも1つの噴霧ノズル(3)は、前記噴霧ノズル(3)の出口の直上流のチャンバを形成するノズルヘッドを含み、
前記注入セクション(2)は、前記チャンバに収容された環状部を形成し、
前記活性物質を前記ノズルヘッドに注入するため、前記注入セクション(2)に星形に分配された複数の孔と、
を含む、
請求項1に記載の噴霧組立体。
【請求項13】
複数の噴霧ノズル(3)と、
1つの噴霧ノズル(3)又は複数の噴霧ノズル(3)専用の1つ以上の投与インターフェイスと、
を含む、
請求項1に記載の噴霧組立体。
【請求項14】
前記噴霧組立体を通る前記活性物質の継続した循環を確保するため、前記少なくとも1つの噴霧ノズル(3)と前記第2タンクとの間で延伸する活性物質再循環管路と、
を含む、
請求項1に記載の噴霧組立体。
【請求項15】
それぞれが前記第1液圧回路(21)との直接投与インターフェイス(1)を有する対応する第2液圧回路(22)にそれぞれ接続された、少なくとも2つの活性物質第2タンクと、
を含む、
請求項1に記載の噴霧組立体。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は農業用噴霧に関するものであり、具体的には、直接注入式噴霧組立体に関するものである。より具体的には、本発明による噴霧組立体は、少なくとも1つの噴霧ノズルの上流の活性物質直接投与インターフェイスを含む。
【背景技術】
【0002】
農業用噴霧の分野の周知の課題は、ニーズに合わせて適合されなければならない噴霧すべき活性物質の投与に関係する。継続的に、作物保護のためのニーズと噴霧すべき成分の量との間での最適なマッチングが探求されている。この目的のため、直接注入技術が開発されている。
【0003】
直接注入は、噴霧ノズルの上流の継続した水射流に、活性物質を直接注入することを含む。
【0004】
文献FR 2964047 A1は直接注入式噴霧組立体の1つの例を説明している。この文献において、噴霧組立体の噴霧ノズルの直上流の注入器の存在が特に説明されている。各注入器は、過剰投与又は過少投与を避けるため弁により封止することができる。この文献により、各噴霧ノズルでの活性物質の流量を能動的に調整する原理が既知である。よって、噴霧ノズルで直接調整される活性物質の可変流量でキャリア液に注入される活性物質を、ノズルのセットを介して送達するよう適合された直接注入式噴霧組立体が既知である。
【0005】
既知の方法において、この種の既知の噴霧組立体では、注入器はキャリア液流に活性物質を所望の流量で注入するよう構成される。注入器は電磁弁といったアクチュエータにより開閉可能な孔を含む。注入器は、噴霧ノズルの直上流に配置される。
【0006】
直接注入式噴霧組立体に関する既存技術において、キャリア液流に注入される活性物質の流量は、噴霧ノズルの直上流で調整される。適合された注入器制御によって注入すべき活性物質の流量を制御することにより、過剰又は過小投与の防止を改善することができる。
【0007】
しかし、キャリア液流に注入される活性物質の投与を、正確に、直接的に、そして継続的に制御することができない。
【0008】
このため、噴霧組立体に対し、直接注入式噴霧組立体キャリア液流に活性物質を正確且つ継続的に投与することが必要とされる。
【0009】
言うまでもなく、噴霧組立体に対し、キャリア液流への幅広い活性物質投与が更に必要とされる。
【0010】
このニーズの少なくとも一部を満たすため、本発明は、直接注入式噴霧組立体における、具体的には異なるサイズのナノホール及び/又はマイクロホールである複数の孔を含む、直接投与インターフェイスの使用を提供し、該孔は開閉のため制御されるアクチュエータに結合される。このようにして、キャリア液流への1つ以上の活性物質の正確且つ継続的な投与を達成する。
【0011】
配分された活性物質は、噴霧ノズルの直上流でキャリア液流に注入される。
【発明の概要】
【0012】
より具体的には、本発明の1つの対象は、例えば水であるキャリア液を収容するよう構成された第1タンクと、活性物質を収容するよう構成された第2タンクと、少なくとも1つの噴霧ノズルと、少なくとも1つの注入装置と、噴霧ノズルの上流と注入セクションを含む、キャリア液循環圧において第1タンクから噴霧ノズルへキャリア液を搬送する第1液圧回路と、キャリア液循環圧よりも高い注入圧で第2タンクから噴霧ノズルへ活性物質を搬送する第2液圧回路とを含む噴霧組立体であり、活性物質注入装置は第1液圧回路の注入セクションに接続されて、第1液圧回路を循環するキャリア液流に活性物質を注入するよう構成され、注入装置は、第2タンクとは逆の第2液圧回路の端部で、第1液圧回路の注入セクションに通じる複数の貫通孔を含む直接投与インターフェイスを含み、注入装置は、決定された用量の活性物質がキャリア液流に注入すべき、直接投与インターフェイスの複数の貫通孔のうちの少なくとも1つの開放貫通孔を通過することを可能とし、このようにして、作物処理の目的のためキャリア液と少なくとも1つの噴霧ノズルから噴霧すべき配分された活性物質を含む混合物を形成するため、複数の貫通孔を開閉するよう構成された、複数の貫通孔に対応する少なくとも1つのアクチュエータを含む。
【0013】
本発明により、噴霧システムのノズルの直上流でキャリア液中の活性物質の広い投与範囲から利益を得ることが可能である。更に、本発明は、噴霧システムの移動の速度又は地面に対するノズルの移動の速度に関わらず一定の投与を確保することを可能とする。
【0014】
例えば、少なくとも1つのアクチュエータは圧電アクチュエータである。
【0015】
例えば、少なくとも1つのアクチュエータは空圧式アクチュエータであり、噴霧システムは空圧式アクチュエータの作動を可能とする圧縮空気回路を含む。
【0016】
少なくとも1つのアクチュエータは、特に、圧電作動空圧式アクチュエータである。
【0017】
例えば、少なくとも1つのアクチュエータは電磁弁である。
【0018】
少なくとも1つのアクチュエータはパルス幅変調発生器により開閉を制御されることが好都合である。
【0019】
注入圧は、キャリア液循環圧よりも少なくとも1バール高いことが好都合である。
【0020】
実用において、注入圧と循環圧との間の差は、特に、キャリア液の粘度に対する活性物質の粘度に依存する。
【0021】
具体的には、全ての孔が同一の直径を有するのではなく、孔の異なる直径は、特に50μm~300μmの間である。
【0022】
1つの実施形態によると、噴霧組立体は、複数の孔と、対応するアクチュエータのセットとを含み、投与設定点から、キャリア液流に注入すべき活性物質の量を決定するため、及び、直接投与インターフェイスの対応する数の孔の開閉を制御するための計算ユニットを更に含む。
【0023】
1つの実施形態によると、計算ユニットは、第1液圧回路中のキャリア液流量に基づき、直接投与インターフェイスの孔のうちの孔のセットの各孔の開閉の頻度を決定する。開閉の頻度は、特に、ノズルでのより正確な投与のため孔によって変化する。
【0024】
1つの実施形態によると、活性物質は注入方向に沿って循環し、活性物質をキャリア液に注入するとき、キャリア液は循環の方向に沿って流れ、活性物質の注入方向はキャリア液の循環の方向に実質的に平行である、又はそれと0°~90°の間の角度を形成する。
【0025】
少なくとも1つの噴霧ノズルは、噴霧ノズルの出口の直上流のチャンバを形成するノズルヘッドを含み、注入セクションは、チャンバに収容された環状部を形成し、噴霧組立体は、活性物質をノズルヘッドに注入するため、注入セクションに星形に分配された複数の孔を含むことが好都合である。
【0026】
この場合、キャリア液への活性物質の混合はより良好であり、ノズルヘッドにおいて直接行われる。
【0027】
噴霧組立体は、複数の噴霧ノズルと、1つの噴霧ノズル又は複数の噴霧ノズル専用の1つ以上の投与インターフェイスとを含むことが好都合である。
【0028】
1つの実施形態によると、噴霧組立体は、噴霧組立体における活性物質の継続した循環を確保するため、少なくとも1つの噴霧ノズルと第2タンクとの間で延伸する活性物質再循環管路を含む。
【0029】
噴霧組立体は、それぞれが第1液圧回路との直接投与インターフェイスを有する対応する第2液圧回路にそれぞれ接続された、少なくとも2つの第2活性物質タンクを含むことが好都合である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明は、単に一例として提供する以下の説明を読み、非限定的な例として提供する添付図面を参照することによって、よりよく理解されるであろう。同様の対象には同一の符号を付す。図面は、本発明を実装するために本発明を詳細に開示しており、当然ながら、該当する場合、図面は本発明をより好ましく定義するために用いられることができることに注意されたい。
【0031】
図1】本発明の第1の実施形態による噴霧組立体を表す概略図である。
図2】本発明の第1の実施形態による噴霧組立体を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、直接注入式噴霧組立体に関するものである。そのような噴霧組立体は図1に概略的に表され、図2においてはもう1つの実施形態によるものである。
【0033】
噴霧組立体は、特に水であるキャリア液を収容する第1タンクと、特に除草剤、殺菌剤、殺虫剤、又は肥料である活性物質を注要する第2タンクとを含む。1つの実施形態によると、噴霧組立体は、異なる活性物質を含んだいくつかの第2タンクを含む。この場合、該異なる活性物質はキャリア液に同時に配分される。
【0034】
本発明による噴霧組立体は、少なくとも1つの噴霧ノズル3を更に含み、複数の噴霧ノズル3は噴霧傾斜部に沿って分配されることが好ましい。例えば、噴霧傾斜部は複数セクションに配置され、それぞれが、同一に制御されるよう構成された噴霧ノズル3のセットを含む。
【0035】
各第1タンク及び第2タンクは、それぞれ第1液圧回路21及び第2液圧回路22を介して噴霧ノズルに接続される。 特に複数の活性物質を含むいくつかの第2タンクが存在する場合、いくつかの第2液圧回路22が存在し、それぞれ第1液圧回路21とのインターフェイスを有する。
【0036】
第1液圧回路21と第2液圧回路22は再循環管路による閉回路であり、第1液圧回路21は第1タンクにループバックし、第2液圧回路22は第2タンクにループバックすることが好ましい。
【0037】
噴霧組立体は、具体的には、第2液圧回路22と第1液圧回路21の一部を形成する注入セクション2との間に接続され、噴霧ノズル3の直上流に位置する注入装置を含む。
【0038】
注入装置は、第1タンクから噴霧ノズル3へ第1液圧回路21中を循環するキャリア液流に活性物質を注入するよう構成される。この目的のため、注入装置は、第1液圧回路21の注入セクション2中を循環するキャリア液流に活性物質を注入すことを可能とするため、1つ以上の孔を含む直接投与インターフェイス1を含む。
【0039】
活性物質は注入圧において第2液圧回路22中を循環し、キャリア液は注入圧よりも低い循環圧において第1液圧回路21中を循環する。注入圧は、循環圧よりも少なくとも1バール高いことが好ましい。例えば、注入圧は6バールであり、循環圧は3バールである。実用において、注入圧は成分の物理化学的性質、具体的には粘度に応じて選択される。
【0040】
図1の実施形態によると、直接投与インターフェイス1での活性物質の循環の方向は、キャリア液の循環の方向と実質的に直交する。この場合、最も効果的な混合のため、注入圧と循環圧との間の圧力差は大きいことが好ましく、特に2バールよりも大きく、3バールよりも大きいことが好ましい。
【0041】
図2の実施形態によると、直接投与インターフェイス1での活性物質の循環の方向は、キャリア液の循環の方向と実質的に平行である。この場合、注入圧と循環圧との間の圧力差は小さくてよく、特に1バールの範囲内である。
【0042】
よって、直接投与インターフェイスで、活性物質が沿って循環する主軸とキャリア液が沿って循環する主軸との間に形成される角度は、具体的には0°~90°の間であってよい。角度が0°に近い、即ち、直接投与インターフェイスでの活性物質の循環の方向がキャリア液の循環の方向と実質的に平行であるほど、キャリア液への活性物質の注入が容易となる。
【0043】
直接投与インターフェイス1の孔は、特に、実質的に環状で且つ50μm~300μmの間の直径を有する孔である。1つの実施形態によると、いくつかの孔が存在する場合、これらは異なる直径を有してよい。
【0044】
各孔は、該孔を通る活性物質の流路を開閉するよう制御するアクチュエータ4に結合される。アクチュエータ4は単一の孔に結合されることが好ましい。或いは、アクチュエータ4は孔の群に結合され、該孔の群の全ての孔を同時に開閉してよい。具体的には、各アクチュエータは、1つの開閉頻度で各孔を開閉するため、パルス幅変調(PWM)発生器により開閉を制御される。
【0045】
1つの実施形態によると、制御ユニット10は投与設定点に対応する数の孔を開閉するよう命令するよう構成される。よって、例えばこの目的のために構成された計算ユニットにより決定された該投与設定点に対応する所望の活性物質投与に基づき、キャリア液に所望の量の活性物質を注入するため制御ユニット10は開放すべき孔の数を決定し、他の孔を閉鎖し、並びに各孔の開閉の頻度を決定する。
【0046】
特に、投与設定点は、噴霧システムの速度、特に噴霧ノズルの速度を含む、個別又は同時に変化してよい様々なパラメータに依存してよい。投与設定点は、適用すべき活性物質の用量の調節のマッピングに基づいて、又は、処理すべき作物の認識による計算に基づいて、決定することができる。
【0047】
加えて、第2液圧回路22において要求された活性物質流及び第1液圧回路21中を循環するキャリア液の流量によって、計算ユニット10は、直接投与インターフェイスの孔のうちの孔のセットを交互に開閉するための制御信号のセットを決定することができ、開放時間と閉鎖時間は各噴霧ノズル3の変数である。
【0048】
例えば、制御ユニット10は、孔のセットと、該孔のセットの孔の交互開閉頻度を決定する。これは、噴霧ノズル3の直上流のキャリア液流に活性物質の所望の量を注入する。
【0049】
よって、例示として、本発明によると、計算ユニット10は、噴霧ノズル3の出口での活性物質の所望の流量に対応する噴霧すべき活性物質の用量をL/minにて決定する。ノズル出口での活性物質の所望の流量は、投与設定点に対応する。
【0050】
噴霧ノズル3へ送られるキャリア液の流量に応じて、そして、例えば噴霧組立体の速度に応じて、制御ユニット10は経時的に注入セクション2でキャリア液に注入すべき活性物質の量を決定する。
【0051】
例えば、制御ユニットは、経時的に注入すべき活性物質の量に基づき、開放すべき孔の数、及び/又は直接投与インターフェイス1の孔のうちの孔のセットの開閉の頻度及び孔の開放継続時間を決定する。次いで、制御ユニット10は対応する制御信号を生成してアクチュエータへ送信する。
【0052】
1つの実施形態によると、直接投与インターフェイスは、特に、実質的に環状であって、50μm、80μm、100μm、150μm、180μm、200μm、300μmの直径のうちの少なくとも2つの異なる直径を有する、例えば32個の孔といった少なくとも1つの孔を含む。
【0053】
異なるサイズの孔を有する1つの利点は、より幅広い投与範囲を有する可能性である。
【0054】
1つの特定の実施形態によると、噴霧組立体の噴霧ノズル3は、噴霧ノズル3の直上流のチャンバを形成するノズルヘッドを含み、注入セクション2はチャンバに収容された環状部を形成する。そして、ノズルヘッド3に活性物質を注入するため、孔は注入セクションで星形に分配される。
【0055】
アクチュエータ4は、例えば圧電アクチュエータである。或いは、アクチュエータ4は空圧弁制御アクチュエータであってよい。この場合、噴霧組立体は、空圧弁の開閉を確保するため圧縮空気回路を更に含む。
【0056】
空圧弁の1つの利点は、圧縮空気の力を用いて空圧弁を閉鎖することである。全体的なサイズを大きくする、例えばバネ付勢式閉鎖システムのための機械的な力を提供する必要はない。
【0057】
もう1つの実施形態によると、アクチュエータ4は電磁弁である。電磁弁の使用に関する1つの利点は、駆動が容易である点である。電磁弁は直接駆動され、空圧弁のように前もって空気回路を作動させる必要がない。
図1
図2
【外国語明細書】