(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056643
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】ロールペーパーホルダー
(51)【国際特許分類】
A47K 10/36 20060101AFI20240416BHJP
【FI】
A47K10/36 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023174038
(22)【出願日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】P 2022162927
(32)【優先日】2022-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】507055752
【氏名又は名称】有限会社東海樹脂加工
(72)【発明者】
【氏名】梅本 和彦
(72)【発明者】
【氏名】梅本 祐希
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ロールペーパーをティッシュペーパーの代替品にするロールペーパーホルダー
【解決手段】ロールペーパーを収納し切断できる直方体のロールペーパーホルダーであって、前面部上端に上向きに設置した柔軟性がある切断刃と、前記切断刃と平行で後方に位置する引き出されたペーパーを折り曲げるためのペーパー幅以上のガイド部と、前記ガイド部に近接させることでスリットをつくりその間でロールペーパーを遊嵌させる制御部を有することで切断前後も天面部でロールペーパーを保持し片手で切断できるロールペーパーホルダー。またロールペーパーを掴み取りやすくするための取出開口部を有し、取出開口部と切断刃の間に円状で柔軟性のある弾性体の突起物を設置し、弾性体の復元力で切断後のロールペーパーを持ち上げ、切断後もティッシュペーパーのように掴み取れるロールペーパーホルダーが課題を解決する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断刃とガイド部と制御部を有し、ガイド部でロールペーパーを折り曲げ制御部との間でロールペーパーを遊篏することを特徴とするロールペーパーホルダー。
【請求項2】
取出開口部と切断刃の間にロールペーパーを浮かび上がらせるための弾性体を有することを特徴とする請求項1に記載のロールペーパーホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロールペーパーホルダーに係り、片手で使える衛生的なロールペーパーホルダーの新規な構造に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
ロールペーパーホルダーとはリビングやダイニングやキッチンやトイレ他様々な場所で使用し主にロールペーパーを保持・収納するものである。ロールペーパーを剥きだしのまま利用することは美観的なことをはじめ汚れることなど衛生的な観点からも問題があり、ロールペーパーを隠す必要がある。
【0003】
ロールペーパーにはトイレットペーパーやキッチンペーパー等あるが、一般的に汎用されるのはトイレットペーパーである。ティッシュペーパーは方形のペーパーが重なり同じ大きさのペーパーが引き出せるが、ロールペーパーは好きな分だけ引き出すことが可能である。一般的にはティッシュペーパーやキッチンペーパーよりトイレットペーパーの方が安価であることや長持ちすることから代替品として使用されていることがある。
【0004】
昨今の感染症流行によりタッチレスや非接触と言った感染症対策が進められ、様々な物に対して他人が触れた箇所への接触は極力避けることが求められている。特にティッシュペーパーやトイレットペーパーなどのペーパーを使う際には、汚れを拭き取る用途で利用することが多く、手が汚れていてもペーパー以外をさわらず掴み取れることが望ましい。特にペーパーは片手で適量手に取ることができれば使用しやすい。
【0005】
本件ではロール(トイレット)ペーパーに着眼しティッシュペーパーの代替品になるよう利用を促進することで、資源の在り方が注目されている需要に対しても呼応するものである。
【0006】
持続可能な開発目標が制定されるなど様々な分野での社会再構築の動きが活性化しており、ロールペーパーに関してもトータルコストの削減に繋がるよう大型化が進み、運送回数をはじめ、購入回数や交換回数を減らせる仕様に変化しつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001-17346号公報
【特許文献2】特開2004-209108号公報
【特許文献3】特開2005-218848号公報
【特許文献4】特開2016-150239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ティッシュペーパーの代替品になるロールペーパーホルダーの開発。
【0009】
トイレ以外の場所ではティッシュペーパーが使われる場合が多いが、原材料費や輸送費が高騰しティッシュペーパーやロールペーパーも例外なく高騰している。輸送コストや効率の観点からロールペーパーが巨大化しており、ティッシュペーパーよりも一般的に安価でかつ長持ちするロールペーパーの使用が拡大しておりそのニーズに呼応するものである。
【0010】
ティッシュペーパーは、2枚1組という形で重なりティッシュボックス内に封入され引き出すと方形のティッシュペーパーが2枚1組の状態で取り出せるが、少量欲しい場合や大量に使用する場合、必要分だけを取り出せているか疑問が残る。
【0011】
従来のロールペーパーホルダーはロールペーパーを収納することで、保持する事や汚れを防止する事若しくは隠す事が目的であった。今回ティッシュペーパーの代替品としてロールペーパーを使うためには、ティッシュペーパーのように簡単にペーパーを引き出し片手で使える必要があるが、代替品として扱えるようなロールペーパーホルダーはない。
市販品には両手を用いることで切断を可能としている製品はあるが、その構造が複雑でロールペーパーの装填が困難なものや、ハンドルを押し込むことでカッターが動き切断できるものはあるが、基本的には両手を用いる必要があり片手のみで利用できないため、普及していない。
【0012】
ロールペーパーを片手で切り取るには、トイレットペーパーホルダーのように壁面に固定することが必要であり、固定せず好きな場所に据え置き片手で切り取れるような新規な構造はなかった。
先行文献については発明の内容が異なり、いずれの場合も類似していないと判断した。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以下のロールペーパーホルダーが課題を解決することがわかった。
発明1、切断刃とガイド部と制御部を有し、ガイド部でペーパーを折り曲げ制御部との間でロールペーパーを遊篏することを特徴とするロールペーパーホルダー。
発明2、取出開口部と切断刃に介在するロールペーパーを浮かび上がらせるための弾性体を有することを特徴とする発明1に記載のロールペーパーホルダー。
【0014】
本発明のロールペーパーホルダーはロールペーパーを装填できる直方体からなり、天面部とサイド部と底部を備え、前面部とカバーと切断刃とガイド部と制御部で構成される。
【0015】
本発明のロールペーパーホルダーはロールペーパーを収納または保持できれば特段形状や材質に指定はなく、ロールペーパーが片手で切り取れるようになることでティッシュペーパーの代替品としてロールペーパーを使用可能とするロールペーパーホルダーである。
【0016】
各部位に関して以下で説明する。
【0017】
天面部について説明する。天面部は直方体である本発明品のロールペーパーホルダーの上面部分を指す。天面部の下にはロールペーパーが収納でき様々なロールペーパーに対応できるようサイド部幅110ミリメートル以上、前面部からカバーの奥行き及び底面部から天面部の高さは120ミリメートル以上確保されていることが望ましい。ティッシュペーパーのようにロールペーパーを使用するため天面部にロールペーパーを掴み取り切断するための切断刃やガイド部や制御部や取出開口部やスリットや弾性体を備え、これらの機構によってロールペーパーを切断及び保持できる。
【0018】
切断刃について形状や材質に特段指定は無いが、前面部の上端に切断刃を上向きにした状態で設置させるので安全性を考慮した形状や材質を使用するとよい。なかでも柔軟性があり弾性力のある材質を使用することが望ましく、エラストマーやシリコンゴムやウレタンゴムなどの材質であると安全に配慮できる。また切断刃の厚みも切断しやすさに関わり0.5~2ミリメートル厚を使用するとよい。切断刃は様々なロールペーパーに対応できるよう90ミリメートル以上の幅が確保できていることが望ましくサイド部幅に応じて設置させるとよい。切断刃を設置するにあたり本発明では上から下方向にロールペーパーを切断する操作を行うため、手がロールペーパーホルダーに接触することで切断しづらくならないよう前面部寄りに設置させることが望ましい。切断刃はガイド部より高く設置すると切断点が高くなり切断しやすくなるので考慮して設置させると良い。切断刃の形状を1~3ミリメートルの山谷が連続するギザギザの形状にするとロールペーパーを下方向に押し当てた時、切断刃にロールペーパーが食い込み制御されるので切断しやすくなる効果も得られる。しかしながら切断後も切断刃にロールペーパーが残ることがあり、後述する弾性体を設置することで切断後のロールペーパーを剥離させ掴み取りやすくなることがわかった。
【0019】
ガイド部は様々なロールペーパーに対応できるよう90ミリメートルからサイド部幅に設定された角状の一辺を指し、切断刃から40~100ミリメートル後方で切断刃より2~10ミリメートル下に位置させると良い。ガイド部の下にはロールペーパーが装填されるためロールペーパーが入る高さを確保し設置すると良い。切断刃とガイド部は距離が離れていると意図的に多くロールペーパーを引き出すことになり天面部にロールペーパーを保持する効果を得ることに繋がる。これはロールペーパー切断後に発生する引張応力で巻戻るロールペーパーに対して、取り出すロールペーパーの量を増やすことで引張応力以上のロールペーパーを天面部に出すことで保持できるため、切断刃とは距離を離して設置させるとより高い効果を得られることがわかった。一方、ロールペーパーの本体側の残量によっては使いにくくなるので適度の距離にしておくことが望ましい。
ガイド部は取出開口部から取り出したロールペーパーをガイド部の一辺を使って折り曲げることで水平な状態で切断部方向にロールペーパーを引き出すことができる。またロールペーパーと接触するガイド部の一辺を角状にしておくと切断時にロールペーパーを制御できることがわかった。このとき丸状など丸みをつけてしまうとロールペーパーが滑ってしまい制御できず、鋭角にした場合もロールペーパーを破損させてしまう場合があるので注意が必要である。
ガイド部の厚みに関してもロールペーパーを保持できるスペースを確保できれば特に指定はない。ガイド部はロールペーパーを保持する役割としても重要で、後述する制御部と併設させることでペーパーを遊嵌するスリットをつくることが望ましい。
【0020】
制御部はガイド部の上若しくはガイド部後方に位置する一辺或いは取出開口部を挟んだ二辺で形成されると良く、ガイド部と制御部でロールペーパーが通るスリットを設置することでロールペーパーを遊嵌し、ロールペーパーを制御または天面部にロールペーパーを保持する効果を得られる。具体的には前記ガイド部と制御部でつくる1.5~6ミリメートルのスリットでロールペーパーを遊嵌することでロールペーパーが動く度ガイド部か制御部に接触し、接触時の抵抗によってロールペーパーが制御され巻戻らず天面部で保持される。スリットを通ることでロールペーパーがガイド部または制御部に接触し整列された状態のロールペーパーを引き出すことにも繋がる。スリットが大きいとロールペーパーを引き出す時ロールペーパーにしわができることで折り重なった状態で引き出される場合があるので抵抗がかかるようスリット幅を狭く設定することが望ましい。このことで切断刃に対してもロールペーパーにしわができず水平で押し当てやすい状態で引きだされるので、切断刃での切断を容易にする効果にも繋がった。
制御部の大きさや形状に特段指定はないがロールペーパーと接触する部位であり、ロールペーパーとの接触面の形状が歪んでいるとロールペーパーに必要以上に引っ掛かり破損させてしまうことや面積に比例してロールペーパーへの抵抗も強くなるので考慮して設置させると良い。ロールペーパーをつかみ取りやすくするための取出開口部と併設させるとよく以下で説明する。
【0021】
取出開口部は形状などに特段指定はなくロールペーパーを掴み取るための孔として、ロールペーパーがつかみ取りやすくなるようなサイズや形状でガイド部の後方に設置するとよい。取出開口部はロールペーパーの引き出しやすさにも関わり、制御部の面積が大きいとロールペーパーとの干渉が増えロールペーパーを引き出し辛くなるため、制御部が接触する面積を取出開口部の孔によって調整するとよい。
【0022】
本発明では切断刃が上向きに設置されておりロールペーパーを下方向に押し当て切断するため、切断後のロールペーパーが切断刃に残る場合があった。切断刃からロールペーパーを剥離させるため、切断刃と取出開口部の間に円形の弾性体の突起物を設置した。これはロールペーパーを切断する動線上に弾性体を設置させることで切断時に弾性体が切断刃方向に押さえつけられ、切断を終えると弾性体の復元力を利用することでロールペーパーを持ち上げ、切断刃から剥離させる効果を得ることができる。
弾性体はロールペーパーを破損させないよう鋭利な形状は避け、元の位置に戻ろうとする復元力や柔軟性がある素材を選定することが望ましく、ロールペーパーとの相性を考慮して素材や厚みや大きさや個数や形状や硬度などを選択しロールペーパー幅の中央付近で切断刃方向に倒れるよう設置させるとよい。
弾性体を切断刃寄りに設置させると弾性体が戻ろうとする復元力でロールペーパーの先端を持ち上げてしまいその勢いでロールペーパーが巻戻る恐れがある。そのため弾性体を取出開口部寄りに設置しロールペーパーの中腹を持ち上げることでロールペーパーの前方を天面部に残しつつ中腹部分を持ち上げ掴み取りやすくさせた。このとき制御部が取出開口部を挟み二辺からなる場合、制御部と弾性体に接触することでロールペーパーに山谷が生まれこの山谷のお陰でロールペーパーの巻戻りを阻止し天面部でロールペーパーを保持する効果を得られた。また取出開口部付近でロールペーパーが持ち上がると取出開口部の孔を利用してロールペーパーホルダー内に指を入れながらロールペーパーを掴みとりやすくなるので、取出開口部付近に設置させると良い。そのうえ弾性体をロールペーパーホルダーで一番突出した高さにすると取出開口部と高低差が生まれ掴み取りやすくなり、弾性体の厚みを0.5~2ミリメートルと薄くすることも異質感を無くし自然とロールペーパーを掴み取りやすくすることに貢献した。このとき弾性体の突起物を複数個設置した場合も同様に掴みやすくなることがわかった。
切断方法もこれらに関わり、勢いよくロールペーパーを切断すると弾性体の復元力が強く働き弾性体がロールペーパーを勢いよく切断刃から剥離し持ち上がるが、前記によって巻戻りが阻止され逆にゆっくりと切断すると弾性体を頂点に山なりになることがわかった。使用法によって違いが出るが、ロールペーパーを天面部で保持することや掴みやすさを向上させる観点からも弾性体は設置してある方がよい。
【0023】
サイド部について説明する。
サイド部の形状に特段指定はなく他の部位と併設しロールペーパーを本発明内に収納することで衛生的に利用できるようにするとよい。サイド部幅はロールペーパーを収納できる幅を確保しておくことが望ましい。
サイド部に孔や切り欠きなどでつくるサイド部孔を設けると、残量確認やデザイン性の向上や持ち運び時の取っ手の役割にもなり複数個設けることもよい。このとき、サイド部に空けた孔を利用して付属品を設置することで収納力を向上させることも検討すれば良い。ロールペーパーホルダーを連結させることなどでロールペーパーホルダーの重量や体積を増やすことで浮かび上がりにくくするとさらなる安定利用に繋がる。
【0024】
前面部はロールペーパーが見えないよう設置すると美観的・衛生的な観点からもよい。
前面部上端(天面部前端)に切断刃を上向きに取り付け切断機能を搭載することが望ましい。このとき前面部上端一辺に切断刃が設置されていることが望ましいが一部でもよい。
前面部はロールペーパーをロールペーパーホルダー内で固定しない場合、落下を防ぐためにも設置させるとよい。具体的に説明すると本発明では芯棒を使わずロールペーパーが転がるように置き使用するため、重力をはじめロールペーパーが引き出される時の引張力や切断後に生じる引張応力によってロールペーパーホルダー内部で前後に移動する。これを緩和するため本発明品の前方にあたる前面部側を意図的に高くすることが望ましい。ペーパーの向きはペーパーの外(表面)側が表面になる向きで設置し回転すると前面部に接触しながら回転するため前面部がなければ落下する恐れがあるので前面部は設置させると良いが、芯棒やアームなどロールペーパーをその他の方法で支具する場合はこの限りでは無い。
【0025】
ロールペーパーを挿入できるよう前面部の対面に開閉可能な状態でカバーを設置させるとよい。形状に特段指定はなく美観的・衛生的な観点からもカバーを設置させるとよい。前面部同様カバーがあることで、ロールペーパーの落下を防ぐ効果があるが設置しない場合は、ロールペーパーが落ちないような構造にすることが望ましい。カバーはロールペーパーを装填しやすくするためサイド部下部で軸支させ開閉できるようにするとよく、孔などはサイド部同様必要に応じて設置すれば良い。また、カバーの一部を天面部と一体化できるように形成し、制御部や取出開口部の機構を設置するのもよい。
【0026】
底部は天面部との間に大きめのロールペーパーを保持できるよう110~140ミリメートルのスペースを確保し、底部裏面で高さを調整できる機構を設置させると良い。具体的には前面部下端に衝立や凸部を設置する方法や厚みの異なる滑り止めを使用し前後の高さを変える方法や底面の形状を前側が高くなるよう形成する方法の他、底部上に傾斜のついた底板を使用する方法等を採用し場合に応じて設置すれば良い。
前記のような方法で底部の下に空洞を設けてロールペーパーホルダーを支持させると浮き上がるにくくなることもわかった。底部を設置しない場合はサイド部でロールペーパーの芯部分に棒や可動式のアームなどを通し従来のトイレットペーパーホルダーのような保持方法にすればよい。
また、底部の上に底板設置若しくは、前面部側にロールペーパーが位置するような傾斜を設けた形状にすることでロールペーパーが前面部側に位置させられる。このことはロールペーパーの重心を常に前面部側に位置させ、前面部と接することでロールペーパーの巻が乱れないように押さえ付けながら回転させることや、ロールペーパー切断後に発生する引張応力を低減させることに繋がる。
さらに底部に回転板を設けると利便性がよく切断刃の向きを360度移動させられることで都度正面を位置させられるのでよい。設置の有無は都度判断すれば良い。
【0027】
ロールペーパーホルダーに重量を持たせることは、使用する際に伝わる力などで極力移動させてしまわずその場で利用できることに繋がる。そのため重量のある素材を使うことも選択するとよい。サイド部や前面部に孔を設置し、収納力のある付属品を設置させることで使用する際に様々なものを収納しつつ重量を都度調整することも選択すればよい。
またロールペーパーホルダーの下にロールペーパーやゴミ箱その他用具などをタワー型にした収納機能を持たせると重量が増し安定性も良くなるので検討すれば良い。
【発明の効果】
【0028】
本発明品は、トイレットペーパーをティッシュの代替品として利用出来るようにするためのロールペーパーホルダーの発明である。かねてより節約思考や使用感の問題からティッシュの代替品としてトイレットペーパーが活用され、その需要に呼応する物である。
ティッシュペーパーは上質のパルプを使うのでSDGs(自然保護)という課題に逆行し、さらに使用者にとってはコストが高いというデメリットがあった。従来品は単にトイレットペーパーを箱で覆うケースとしての役割が主体で、ロールペーパーを引きちぎるためには両手を使う必要があり予め多めにロールペーパーを引き出す必要があった。切断後もミシン目が無い所以外で引きちぎると綺麗に切断することはできず見た目が悪い問題があったが本発明では切断刃を用いるため片手で切断することを実現させた。ロールペーパーの一部だけがティッシュペーパーのように天面部で保持されているため、見た目も引き出す時の使用方法もティッシュペーパーと類似し代替品または上位互換品のロールペーパーホルダーとして違和感なく利用出来るものとなった。
【0029】
本発明品はティッシュペーパーだけでなく、ティッシュペーパーよりもさらにコストが高いキッチンペーパーの代替品としても利用出来る。トイレットペーパーもキッチンペーパー同様油を吸収することや食器汚れを拭き取るために利用されている実態があった。しかしながら水回りでロールペーパーをむき出しのまま使用するとロールペーパーが濡れてしまうことや汚れが付着することなどで不便であり収納する必要があった。またキッチンで利用する際は調理中や片付け中など片一方の手が塞がっている場合が多く片手で切り取れる事は強く要望されている点であったがこれらの実情を解決できるロールペーパーホルダーである。
【0030】
以前よりトイレットペーパーを剥き出しのまま利用し衛生的な観点からも望ましくない場合があった。トイレットペーパーを収納するケースはあるものの切断機能を持たせたものは少なく、固定せずに片手で使えるような製品は無くティッシュペーパーに代替する新しい製品として本発明品は期待ができる。さらに芯棒など通さず置くだけで使えるので設置も簡単でトイレットペーパーの芯の有無も関係なく利用できる汎用性もある。そのうえ、本発明品の機構のまま底面部下部にロールペーパーやゴミ箱や掃除用具など収納できるようにすることで、床面上で独立して使えるロールペーパーホルダーとして利用できる。
【0031】
本発明を用いる事でトイレットペーパーホルダーとしての利用も推奨できる。本発明の機構を利用すると切断後のロールペーパーを弾性体で浮かび上がらせることでロールペーパーの先端が見つけやすいうえに掴みやすい。フタを押さえる必要も無くロールペーパーを片手で掴みカッターに沿わせることでカットできるので衛生的な観点からもよい。このことは従来トイレットペーパーを切断するために腕を上げることが辛かった方が下方向に切断できる事で切断を容易にする効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】実施例1のロールペーパーホルダー使用時全体図。
【
図3】実施例1のロールペーパーホルダー開蓋時図。
【
図4】実施例1のロールペーパーホルダーの天面図。
【
図5】実施例1のロールペーパーホルダーの切断刃拡大図。
【
図6】実施例1のロールペーパーホルダーの切断刃拡大図。
【
図7】実施例1のロールペーパーホルダーのガイド部拡大図。
【
図9】実施例2のロールペーパーホルダーの全体図。
【
図10】実施例2のロールペーパーホルダーの天面部拡大図。
【
図11】実施例2のロールペーパーホルダー底板説明参考図。
【
図12】実施例3のロールペーパーホルダー使用図。
【
図13】実施例3のロールペーパーホルダーの全体図。
【
図14】実施例3のロールペーパーホルダーの使用時図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明のロールペーパーホルダーはサイド部とカバーと切断刃とガイド部と制御部を有し、必要に応じて前面部や底部や弾性体や取出開口部を設置することで、ロールペーパーを片手で切り取りティッシュペーパーの代替品として使えるロールペーパーホルダーが構成でき、以下本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【実施例0034】
図1のロールペーパーホルダーは前面部とサイド部と天面部とカバーと底部からなる直方体で中にロールペーパーを収納できる。天面部中央より少しカバー寄りにある方形の取出開口部からペーパーを取り出し手前側にある切断刃を用いてロールペーパーを切断し利用する事ができる。
図1のように利用時ロールペーパー中腹が隆起しているのは
図2のようにロールペーパーの下にある弾性体の突起物が設置してあるためで、このことでペーパーを掴み取りやすくしている。また弾性体の形状を円状にしたことで角がなくロールペーパーを破損させない機構とした。
図3のようにカバーがサイド部で軸支され開閉可能で、直径130ミリメートルを超える大きめのロールペーパーを装填できるよう底部から天面部は135ミリメートル以上でかつサイド部幅も115ミリメートル以上からなる空間を確保している。
図4の天面部にはロールペーパーを取り出す取出開口部をはじめ、ロールペーパーを引き出した際切断部側に折り曲げる時に介するガイド部、ロールペーパーの切断を可能とする弾性力を持ち柔軟性がある切断刃を前面部上端(天面部の前端)一辺に上向きに設置し、切断後のロールペーパーを天面部で保持するためのガイド部と制御部がある。
本実施例では制御部と取出開口部をカバーの一部として
図4のようにカバー閉時天面部に位置させ、ガイド部と制御部の間を2ミリメートルのスリットができるように
図5のように設置させた。そのスリット内にロールペーパーを通すことでロールペーパーがガイド部と制御部の間で遊嵌され巻戻り時、意図的に接触する状況を作ったことで天面部に保持できる効果を得た。
切断刃は
図6のように上向きに設置しても問題が生じにくい安全性の高い材質に配慮し、本発明では弾性力と柔軟性があるウレタンゴムを使用し、切断時ロールペーパーが食い込むよう山谷が連続するギザギザ形状の切断刃を前面部上端にサイド部幅で設置した。切断刃は切断時に上から下方向に押し当てることで外側に若干倒れるが、弾性体の特性である元の形に戻ろうとする反発力によって切断時ペーパーに食い込みながらペーパーを制御する効果を得られる。
図7はロールペーパー幅以上の長さを持つ辺であるガイド部を示し、切断刃より後方に80ミリメートル離した位置に設置した。これはロールペーパー切断後にロールペーパーに発生する引張応力によってロールペーパーホルダー内に巻戻らないよう予め多めにロールペーパーを引き出させて天面部に留めることで巻戻りを防ぐ効果を得られた。
また切断刃より3ミリメートル下にガイド部を設置させるとガイド部が低い事で切断点が高くなり、ロールペーパーを上から下に切断する本発明では切断点が高いことで切断しやすくなる効果を得ることになった。
ガイド部は引き出したロールペーパーを制御し切断刃方向へペーパーを折り曲げるが、このときガイド部を角状にしておくとロールペーパーを切断する際、ガイド部に接し抵抗が加わることでロールペーパーがピンと張り切断を容易にする効果を得られる。
さらに
図4のようにガイド部を制御部が2ミリメートル覆う形状でロールペーパーを通過させると、ロールペーパーがスリット内で整えられ水平に引き出せる効果を得られた。前記スリットは狭い隙間のためロールペーパーが重なるようなしわをつくらず
図8のようにロールペーパーを引きだし切断刃に右から左若しくは左から右へと沿わせることで、ロールペーパーホルダーを固定しなくても片手で切断できる。8ミリメートル以上覆うとペーパーを引き出す際にペーパーが引っ掛かり破れる恐れがあるので注意して設置させるとよい。本発明では、本来切断が困難であった材質を切断刃として使用しても、これらの機構によってロールペーパーを切断し易い状況を作りだし切断できることに加え、ロールペーパーを掴みやすくすることや、切断後のロールペーパーがロールペーパーホルダー内に巻戻らないことでティッシュペーパーの代替品として使えるロールペーパーホルダーを完成させた。