(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056647
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】自動車用ブラインド
(51)【国際特許分類】
B60J 3/00 20060101AFI20240416BHJP
【FI】
B60J3/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023174207
(22)【出願日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】10-2022-0129297
(32)【優先日】2022-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ベルクロ
(71)【出願人】
【識別番号】523381815
【氏名又は名称】リュウ,ヒギョン
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】リュウ,ヒギョン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】二重遮断膜の構造で必要に応じ選択的に折り畳んで使用可能とし、使い勝手を向上させることができ、保管スペースを最小限に留められる自動車用ブラインドを提供する。
【解決手段】中央支持具11を中心とした円形で外部の視線の遮断のために網目状の第1の遮光膜10と、紫外線の遮断のために前記第1の遮光膜10よりも小さく一方の側に着脱手段により着脱可能なように構成される第2の遮光膜20と、前記第2の遮光膜20の中央部位に補助支持具21を設け、前記第1の遮光膜10の折畳み及び拡開の変形が可能なように中央支持具11を中心として放射方向に一定の間隔を保ちながら、回動開閉可能なように連結される第1の開閉骨15と、前記第2の遮光膜20の折畳み及び拡開の変形が可能なように補助支持具21を中心として放射方向に一定の間隔を保ちながら、回動開閉可能なように連結される第2の開閉骨25と、を備えてる自動車用ブラインド。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央支持具(11)を中心として円形の形状を呈して外部の視線の遮断のために網目状を呈して設けられる第1の遮光膜(10)と、
前記第1の遮光膜(10)の中央支持具(11)の外側に設けられて、車の窓ガラスに吸着固定される吸着板(12)と、
紫外線の遮断のために前記第1の遮光膜(10)よりも小さな大きさを有して一方の側に着脱手段により着脱可能なように構成される第2の遮光膜(20)と、
前記第2の遮光膜(20)の中央部位に設けられる補助支持具(21)と、
前記第1の遮光膜(10)の端縁部位に連結されて設けられて車の窓ガラスの上部の手すり部に引っ掛けられるフック(13)と、
前記第1の遮光膜(10)の折畳み及び拡開の変形が可能なように中央支持具(11)を中心として放射方向に一定の間隔を保ちながら連結されて設けられるが、90°の角度範囲内において回動開閉可能なように連結される第1の開閉骨(15)と、
前記第2の遮光膜(20)の折畳み及び拡開の変形が可能なように補助支持具(21)を中心として放射方向に一定の間隔を保ちながら連結されて設けられるが、90°の角度範囲内において回動開閉可能なように連結される第2の開閉骨(25)と、
を備えてなることを特徴とする、自動車用ブラインド。
【請求項2】
前記第2の遮光膜(20)の外側面には、遮光膜の表面の保護及び紫外線の遮断効率の増大のための薄膜コーティング層(20a)がコーティングされて形成されるが、前記薄膜コーティング層(20a)は、スチレン樹脂、ジメトキシジメチルシラン、長石粉末、ポリベンゾイミダゾール、活性グルテン、フェニルアラニン4ヒドロキシラーゼ、ポリソルベート、グリセリルカプリレートの混合組成をなすことを特徴とする、請求項1に記載の自動車用ブラインド。
【請求項3】
前記着脱手段としては、補助支持具(21)及び中央支持具(11)の相互間の対応部位に設けられる磁石(11a)、(21a)が用いられ、前記中央支持具(11)の外側にはソラーパネル(14)が構成され、前記補助支持具(21)の内側には前記ソラーパネル(14)から発生する電気の供給を受けて動作が行われる送風ファン(24)が構成され、前記中央支持具(11)と補助支持具(21)との相対向部位には電気が供給可能なように電極棒(16)及び通電溝(26)がそれぞれ形成されることを特徴とする、請求項1に記載の自動車用ブラインド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ブラインドに関し、より詳細には、車の窓ガラスに取り付けて外部の視線から室内のプライバシーを守るとともに、紫外線の遮断効果を示すための自動車用ブラインドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両用の日除けシェード(サンシェード)は、四方のガラスを介して車の室内に差し込む日差しを遮断するために提供されるものであって、これは、搭乗者の必要に応じて取り付けられるようになっている。
【0003】
このような車両用の日除けシェードは、車両の使用が普遍化している現代には欠かせない必要不可欠なものであって、種々の方法により開発されて用いられているのが現状である。
【0004】
例えば、大韓民国公開特許第10-2009-0010307号公報(発明の名称;車両用の日除けシェード)は、車両のウィンドウに吸着固定された状態で車両の走行方向や時間の経過につれて変化する日差しの照射角度に見合うように日除け部材の角度及び位置が調整自在になることにより、日除け効果を極大化できるようにした車両用の日除けシェードを開示している。
【0005】
このような車両用の日除けシェード(別名:カーサンシェード)を使用しようとする場合、拡開した状態で所望の車のガラスに取り付けて使用すればよい。このとき、吸着板は、車のガラスに取り外し可能なように取り付けられた状態のままで存在することになる。
【0006】
そして、使用しない場合には折り畳んで保管するようになっているが、フレームの自体の弾性力によって自動的に拡開されて車両のトランクに拡開された状態のままで保管する場合がほとんどである。これにより、余分に多くの保管場所を必要としたり、保管上の不便さが生じたりするなどの問題が生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】大韓民国実用新案登録第2349953号(2022年1月6日付け登録)
【特許文献2】大韓民国特許登録第1048058号(2011年7月4日付け登録)
【特許文献3】大韓民国特許登録第1243359号(2013年3月7日付け登録)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した従来の技術における問題を改善するために案出されたものであって、より一層便利に使用可能であり、使用後の保管に際して保管スペースを最小限に留められる自動車用ブラインドの構造を提供することにより、車両の使い勝手の良さを向上させることのできる自動車用ブラインドを提供するところにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明の自動車用ブラインドは、中央支持具を中心として円形の形状を呈して外部の視線の遮断のために網目状を呈して設けられる第1の遮光膜と、前記第1の遮光膜の中央支持具の外側に設けられて、車の窓ガラスに吸着固定される吸着板と、紫外線の遮断のために前記第1の遮光膜よりも小さな大きさを有して一方の側に着脱手段により着脱可能なように構成される第2の遮光膜と、前記第2の遮光膜の中央部位に設けられる補助支持具と、前記第1の遮光膜の端縁部位に連結されて設けられて車の窓ガラスの上部の手すり部に引っ掛けられるフックと、前記第1の遮光膜の折畳み及び拡開の変形が可能なように中央支持具を中心として放射方向に一定の間隔を保ちながら連結されて設けられるが、90°の角度範囲内において回動開閉可能なように連結される第1の開閉骨と、前記第2の遮光膜の折畳み及び拡開の変形が可能なように補助支持具を中心として放射方向に一定の間隔を保ちながら連結されて設けられるが、90°の角度範囲内において回動開閉可能なように連結される第2の開閉骨と、を備えてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
このような本発明の自動車用ブラインドは、窓ガラスに着脱可能な真ん中の二重遮断膜構造をなして、必要に応じて、単一膜または二重膜の構造に選択的に折り畳んで使用することが可能になることから、使い勝手の良さを向上させることができるとともに、保管スペースを最小限に留めることができるという効果を示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る自動車用ブラインドの分解斜視図。
【
図2】本発明の自動車用ブラインドの分解状態の断面構造図。
【
図3】本発明のブラインドの組み立て状態の平面図。
【
図4】本発明のブラインドの組み立て状態の断面図。
【
図7】本発明における中央支持具と開閉骨との連結部の詳細図。
【
図8】本発明の他の実施形態に係る中央支持具と補助支持具の分解状態の断面の詳細図。
【
図9】本発明の他の実施形態における中央支持具の正面構造図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の具体的な実施形態について添付図面を参照して詳しく説明する。
【0013】
本発明の実施形態は色々な他の形態に変形可能であり、本発明の範囲が以下において詳しく説明する実施形態に限定されるものであると解釈されるものではない。本発明の実施形態は、当業界において平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0014】
したがって、本明細書に添付される図面における構成要素の形状などはより明確な説明を強調するために誇張されて表現されることもある。本明細書において、各図面の構成要素に参照符号を付するにあたって、同じ構成要素に限っては、たとえ異なる図面の上に示されているとしても、できる限り同じ番号を持たせていることに留意すべきである。なお、本発明について説明するにあたって、関連する公知の技術の機能及び構成についての具体的な説明が本発明の要旨を余計に曖昧にする虞があると認められる場合にはその詳細な説明を省略することがある。
【0015】
まず、本発明の一実施形態に係る自動車用ブラインドの構造について
図1から
図7に基づいて述べると、下記の通りである。
【0016】
本実施形態における自動車用ブラインドは、中央支持具11を中心として円形の形状をなして外部の視線の遮断のために微小な網目状に設けられる第1の遮光膜10と、前記第1の遮光膜10の中央支持具11の外側に設けられて車の窓ガラスに吸着固定される吸着板12と、紫外線の遮断のために前記第1の遮光膜10よりも小さな大きさを有して一方の側に着脱手段により着脱可能なように構成される第2の遮光膜20と、前記第2の遮光膜20の中央部位に設けられる補助支持具21と、前記第1の遮光膜10の端縁部位に連結されて設けられて車の窓ガラスの上部の手すり部(図示せず)に引っ掛けられるフック13と、前記第1の遮光膜10の折畳み及び拡開の変形が可能なように中央支持具11を中心として放射方向に一定の間隔を保ちながら傘の骨の形状に連結されて設けられるが、90°の角度範囲内において回動開閉可能なように連結される第1の開閉骨15と、前記第2の遮光膜20の折畳み及び拡開の変形が可能なように補助支持具21を中心として放射方向に一定の間隔を保ちながら連結されて設けられるが、90°の角度範囲内において回動開閉可能なように連結される第2の開閉骨25と、を備えてなる。
【0017】
このとき、第1の遮光膜10は、外部の視線の遮断用のものであって、微小な網目状に設けられ、第2の遮光膜10は、強烈な直射光線の遮断のために日除け傘などのような厚手の布地・生地の材質から作製されることが好ましい。
【0018】
一方、前記第2の遮光膜20の外側面には、遮光膜の表面の保護及び紫外線の遮断効率の増大のための薄膜コーティング層20aがコーティングされて形成される。
【0019】
前記薄膜コーティング層20aは、スチレン樹脂20~40重量%、ジメトキシジメチルシラン10~30重量%、長石粉末5~20重量%、ポリベンゾイミダゾール1~10重量%、活性グルテン1~10重量%、フェニルアラニン4ヒドロキシラーゼ1~20重量%、ポリソルベート1~10重量%、グリセリルカプリレート5~15重量%の割合にて混合組成をなすことが好ましい。
【0020】
本実施形態において、中央支持具11と補助支持具21の着脱のための着脱手段としては、補助支持具21及び中央支持具11の相互間の対応部位に磁石11a、21aが設けられる。
【0021】
このような構成を有する本発明の自動車用ブラインドの使用に伴う作用効果について述べる。
【0022】
本発明のブラインドは、第1の遮光膜10を中央支持具11に設けられた吸着板12を用いて車の窓ガラスに取り付けて固定することで設置が行われ、第1の遮光膜10に積層形状に第2の遮光膜20を組み付けて効果的なブラインド(日除け)の機能を行うことになる。
【0023】
すなわち、第1の遮光膜10の中央支持具11と第2の遮光膜20の補助支持具21とを磁石11a、21aを用いて
図3及び
図4のように互いに結合して、二重膜構造にして使用することが可能になる。
【0024】
また、吸着板12の吸着力とともに、フック13を車両の内部の手すり部または洋服掛け部や衣類掛け部に引っ掛けると、ブラインドの設置状態がより一層安定的に保持されることが可能になる。
【0025】
一方、太陽光の遮断がその目的ではなく、プライバシーのための外部の視線の遮断がその目的である場合には、第1の遮光膜10を単独にて設置して使用することが可能になり、必要に応じては、二重膜構造に組み立て設置が行われた状態で、
図5に示すように、第2の遮光膜20を傘の形状に折り畳むと、車両の室内から外部の風景や景色を第1の遮光膜10を透かして観ることが可能になる。
【0026】
また、第2の遮光膜20の外側面には、遮光膜の表面の保護及び紫外線の遮断効率の増大のための薄膜コーティング層20aがコーティングされて形成されているので、第2の遮光膜20の変色及び変形を防ぐことが可能になる。特に、薄膜コーティング層20aにはジメトキシジメチルシラン成分が混合されているので、コーティング膜の水密性が向上し、長石粉末及びポリベンゾイミダゾールはコーティング層の密度を増大させることでひび割れの現象が生じることを防ぎ、活性グルテンはスチレン樹脂の触媒機能を行ってコーティングの安定性を向上させる。また、追加で加えられるフェニルアラニン4ヒドロキシラーゼは紫外線の透過を遮断し、ポリソルベート及びグリセリルカプリレートはそれぞれ薄膜コーティング層20aの結合力を向上させるとともに、全体的に均一な厚さにコーティング層が形成されるようにする機能を担うことになる。
【0027】
そして、ブラインドの使用後には、
図6に示すように、第1の遮光膜10と第2の遮光膜20を折り畳んで保管できることが可能になるので、移動及び保管がより一層手軽に行われるということが分かる。
【0028】
したがって、本発明の自動車用ブラインドは、窓ガラスに着脱可能な真ん中の二重遮断膜の構造をなして、必要に応じて、単一膜または二重膜の構造に選択的に折り畳んで使用することが可能になることから、使い勝手の良さを向上させることができるとともに、保管スペースを最小限に留めることができるという効果を示す。
【0029】
一方、
図8及び
図9は、本発明の他の実施形態を示すものであって、中央支持具11の外側にはソラーパネル14が構成され、前記補助支持具21の内側には前記ソラーパネル14から発生する電気の供給を受けて回転動作が行われる送風ファン24が構成され、前記中央支持具11と補助支持具21との相対向部位には電気が供給可能なように電極棒16及び通電溝26がそれぞれ形成される。
【0030】
このような構成を有すると、ソラーパネル14において太陽エネルギーが電気エネルギーに変換されて送風ファン24側への電源の供給が行われることが可能になる。
【0031】
特に、中央支持具11と補助支持具21との結合部位においては、電極棒16と通電溝26との間の相互間の電気的な接続が行われることが可能になることから、送風ファン24の送風動作が行われながら、夏場における涼しい車両の室内環境を実現することができるというメリットを示す。
【0032】
そして、以上においては、本発明の特定の実施形態について図示及び説明したが、本発明の自動車用ブラインドの構造が当業者により種々に変形されて実施されることが可能であるということは当業者にとっていうまでもない自明なことである。
【0033】
例えば、上記の実施形態においては、中央支持具11と補助支持具21の着脱手段として磁石が設けられた状態が説明及び図示されたが、必要に応じては、ベルクロテープまたはネジの締結構造が適用されることが可能になる。
【0034】
したがって、このような変形された実施形態は、本発明の技術的思想や範囲から個別的に理解されてはならず、このような変形された実施形態は、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものと理解されるべきである。
【符号の説明】
【0035】
10 第1の遮光膜
11 中央支持具
11a、21a 磁石
12 吸着板
13 フック
15 第1の開閉骨
20 第2の遮光膜
21 補助支持具
25 第2の開閉骨