(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056651
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】プラスチックパッケージキャビティ構造及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20240416BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20240416BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
H01L25/08 Y
H01L23/12 F
H05K3/46 B
H05K3/46 Q
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023174918
(22)【出願日】2023-10-10
(31)【優先権主張番号】202211242809.6
(32)【優先日】2022-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521133551
【氏名又は名称】ズハイ アクセス セミコンダクター シーオー.,エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】Zhuhai Access Semiconductor Co., Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 彩夏
(74)【代理人】
【識別番号】100231647
【弁理士】
【氏名又は名称】千種 美也子
(72)【発明者】
【氏名】シェンミン チェン
(72)【発明者】
【氏名】レイ フェン
(72)【発明者】
【氏名】ジャンジャン チャオ
(72)【発明者】
【氏名】ベンシア ホアン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ホアン
(72)【発明者】
【氏名】イェジ ホン
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA43
5E316CC04
5E316CC08
5E316CC32
5E316DD02
5E316DD03
5E316DD17
5E316DD24
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5E316DD33
5E316EE31
5E316FF07
5E316FF14
5E316FF24
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG18
5E316GG22
5E316GG23
5E316HH40
5E316JJ12
5E316JJ13
5E316JJ23
5E316JJ26
(57)【要約】 (修正有)
【課題】精度が高く、パッケージング体積を小型化でき、かつ、パッケージング効率が高いプラスチックパッケージキャビティ構造及びその作製方法を提供する。
【解決手段】構造は、高さ方向に沿って、夫々絶縁層を貫通する第1キャビティ及び第1ビアピラー102を備える埋込パッケージングフレームと、第1キャビティの中に設けられ、第1、第2チップ210、220を含むチップセットと、埋込パッケージングフレームの上面に設けられる第1回路層500と、第1回路層に設けられる第1媒体層700と、第1媒体層上の第2回路層800と、第1媒体層及び絶縁層を貫通する貫通ビアホール103と、埋込パッケージングフレームの下面にある第2キャビティ340と、第2キャビティにあるサポートピラーウォール310と、サポートピラーウォールの外側に沿って形成されるプラスチックパッケージ層300とを含み、第2キャビティは貫通ビアホールに連通する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックパッケージキャビティ構造の作製方法であって、
(a)埋込パッケージングフレームを用意することであって、前記埋込パッケージングフレームは、高さ方向に沿って、それぞれ絶縁層を貫通する第1キャビティ及び第1ビアピラーを含むステップと、
(b)前記第1キャビティの底部にチップセットを埋め込むことであって、前記チップセットは積層して設けられる第1チップ及び第2チップを含み、且つ前記第1チップ及び前記第2チップの背面が互いに貼り合わされることにより、両者の端子面は互いに背中合わせになるステップと、
(c)前記チップセットと前記第1キャビティの隙間の中にパッケージング層を形成させることであって、前記パッケージング層は前記第2チップの端子を露出させるブラインドビアを備えるステップと、
(d)前記埋込パッケージングフレームの上面に第1回路層及び第2ビアピラーを形成させることであって、前記第1回路層は前記第2チップの端子と導通及び接続されるステップと、
(e)前記第1回路層の上面に第1媒体層をラミネートすることであって、前記第1媒体層の上面を前記第2ビアピラーの上面に揃わせるステップと、
(f)前記第1媒体層の上面に第2回路層を形成させ、前記埋込パッケージングフレームの下面に第3回路層を形成させ、前記第3回路層に前記第1キャビティを取り囲むサポートピラーウォールを形成させるステップと、
(g)高さ方向に沿って前記第1媒体層、前記絶縁層をこの順に貫通する貫通ビアホールを形成させることであって、前記貫通ビアホールは前記サポートピラーウォールによって取り囲まれるステップと、
(h)前記埋込パッケージングフレームの下方に、前記サポートピラーウォールの外側に沿ってプラスチックパッケージ層を形成させ、前記プラスチックパッケージ層と前記埋込パッケージングフレームとの間に第2キャビティを形成させるステップとを含むことを特徴とするプラスチックパッケージキャビティ構造の作製方法。
【請求項2】
ステップ(h)は、
前記埋込パッケージングフレームの下方に、前記サポートピラーウォールの外側に沿って第2媒体層を付与して、前記第2キャビティを形成させることと、
前記第2媒体層に前記プラスチックパッケージ層をラミネートすることとをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のプラスチックパッケージキャビティ構造の作製方法。
【請求項3】
前記第2媒体層は、コンフォーマルコーティングフィルムであることを特徴とする請求項2に記載のプラスチックパッケージキャビティ構造の作製方法。
【請求項4】
前記第1チップは、センサーチップであり、前記第1チップのセンシング部品の表面が前記第2キャビティに露出し、前記貫通ビアホールによって外部に連通することを特徴とする請求項1に記載のプラスチックパッケージキャビティ構造の作製方法。
【請求項5】
前記第3回路層は、機能回路層と、回路ウォールとを含み、前記サポートピラーウォールは、電気メッキによって前記回路ウォールに形成されることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックパッケージキャビティ構造の作製方法。
【請求項6】
前記サポートピラーウォールは、銅ピラーウォールであることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックパッケージキャビティ構造の作製方法。
【請求項7】
ステップ(f)は、
前記埋込パッケージングフレームの下面に第1金属シード層を形成させることと、
前記第1金属シード層に第1フォトレジスト層を付与し、前記第1フォトレジスト層の露光及び現像により第1特徴パターンを形成させることと、
前記第1特徴パターンにおいて電気メッキを施して第3回路層を形成させることと、
前記第1フォトレジスト層を取り除き、前記第1金属シード層に第2フォトレジスト層を付与し、前記第2フォトレジスト層の露光及び現像により第2特徴パターンを形成させることと、
前記第2特徴パターンにおいて電気メッキを施してサポートピラーウォールを形成させることと、
前記第2フォトレジスト層を取り除き、露出している第1金属シード層をエッチングすることとをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のプラスチックパッケージキャビティ構造の作製方法。
【請求項8】
ステップ(b)は、
前記埋込パッケージングフレームの下面に接着層を付与することと、
前記第1チップの端子面を前記第1キャビティ内の露出している接着層に付着し、さらに、前記第1チップの背面に前記第2チップの背面を貼り付け、これによって前記第1キャビティの底部に前記チップセットを実装することとを含むことを特徴とする請求項1に記載のプラスチックパッケージキャビティ構造の作製方法。
【請求項9】
ステップ(c)は、
前記チップセットと前記第1キャビティの隙間の中及び前記埋込支持フレームの上面にパッケージング層を形成させることと、
前記パッケージング層を薄くして前記埋込支持フレームのビアピラーを露出させることと、
前記パッケージング層にウィンドウを作って、前記第2チップの端子を露出させるブラインドビアを形成させることとをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のプラスチックパッケージキャビティ構造の作製方法。
【請求項10】
プラスチックパッケージキャビティ構造であって、
高さ方向に沿って、それぞれ絶縁層を貫通する第1キャビティ及び第1ビアピラーを備える埋込パッケージングフレームと、前記第1キャビティの中に設けられるチップセットと、前記埋込パッケージングフレームの上面に設けられる第1回路層と、前記第1回路層に設けられる第1媒体層と、前記第1媒体層に設けられる第2回路層と、前記第1媒体層及び前記絶縁層を貫通する貫通ビアホールと、前記埋込パッケージングフレームの下面にある第3回路層と、前記第3回路層にあるサポートピラーウォールと、前記サポートピラーウォールの外側に沿って形成されるプラスチックパッケージ層とを含み、
前記プラスチックパッケージ層と前記埋込パッケージングフレームの下面との間には前記貫通ビアホールに連通する第2キャビティが形成され、且つ、前記チップセットは背中合わせに積層して設けられる第1チップ及び第2チップを含むことを特徴とするプラスチックパッケージキャビティ構造。
【請求項11】
前記第1チップは、センシングチップであり、前記第1チップのセンシング部品の表面が前記第2キャビティに露出し、前記貫通ビアホールによって外部に連通することを特徴とする請求項10に記載のプラスチックパッケージキャビティ構造。
【請求項12】
前記プラスチックパッケージ層と前記第2キャビティとの間は第2媒体層をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載のプラスチックパッケージキャビティ構造。
【請求項13】
前記第2媒体層は、コンフォーマルコーティングフィルムであることを特徴とする請求項12に記載のプラスチックパッケージキャビティ構造。
【請求項14】
前記第1チップは、MEMSセンサーチップから選ばれ、前記第2チップは、ASICチップから選ばれることを特徴とする請求項10に記載のプラスチックパッケージキャビティ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電子部品パッケージングの技術分野に関し、特に、プラスチックパッケージキャビティ構造及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
MEMS(微小電気機械システム)センサーは、医療、自動車、通信及びコンピューター分野で幅広く用いられ、MEMSセンサーは、MEMSマイクロフォン、MEMS気圧計、MEMS温湿度計、MEMSガスセンサーなどを含む。パッケージング構造は、主に、パッケージング基板、MEMSセンシングチップ、ASIC(特定用途向け集積回路)チップ、保護ケーシング及びMEMSセンシングチップの環境検知を実現する通路を含み、現在、電子製品は、小型化及び薄型化の発展趨勢を見せているため、MEMSセンシングパッケージング構造の小型化、高密度集積化が求められるようになる。
【0003】
従来のMEMSセンサー及びASICチップのパッケージングは、主に、MEMSセンシングチップ及びASICチップをパッケージング基板に実装し、Wire bond(ワイヤーボンディング)などの方式でMEMセンシングチップ、ASICチップとパッケージング基板の電気的接続を実現し、次に、保護ケーシングを実装して、パッケージングされた部品を保護し、基板又は保護ケーシングにおいて予め貫通ビアホールを設置して、MEMSセンシングチップと外部環境の相互作用を実現する。したがって、従来のプラスチックパッケージキャビティ構造は次の問題がある。パッケージング体積は大きく、半導体パッケージングの小型化及び薄型化の発展のニーズを満たすことができない。各センサーユニットにそれぞれ保護カバーを付与する必要があるため、加工効率は低く且つコストは高い。保護カバーを付与する方式は、加工精度は悪く、高密度パッケージングの発展のニーズを満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本願の目的は、プラスチックパッケージキャビティ構造及びその作製方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的から、本願によって提供されるプラスチックパッケージキャビティ構造の作製方法は、以下のステップを含む。
(a)埋込パッケージングフレームを用意し、前記埋込パッケージングフレームは、高さ方向に沿って、それぞれ絶縁層を貫通する第1キャビティ及び第1ビアピラーを含み、
(b)前記第1キャビティの底部にチップセットを埋め込み、前記チップセットは積層して設けられる第1チップ及び第2チップを含み、且つ前記第1チップ及び前記第2チップの背面が互いに貼り合わされることにより、両者の端子面は互いに背中合わせになり、
(c)前記チップセットと前記第1キャビティの隙間の中にパッケージング層を形成させ、前記パッケージング層は前記第2チップの端子を露出させるブラインドビアを備え、
(d)前記埋込パッケージングフレームの上面に第1回路層及び第2ビアピラーを形成させ、前記第1回路層は前記第2チップの端子と導通及び接続され、
(e)前記第1回路層の上面に第1媒体層をラミネートし、前記第1媒体層の上面を前記第2ビアピラーの上面に揃わせ、
(f)前記第1媒体層の上面に第2回路層を形成させ、前記埋込パッケージングフレームの下面に第3回路層を形成させ、前記第3回路層に前記第1キャビティを取り囲むサポートピラーウォールを形成させ、
(g)高さ方向に沿って前記第1媒体層、前記絶縁層をこの順に貫通する貫通ビアホールを形成させ、前記貫通ビアホールは前記サポートピラーウォールによって取り囲まれ、
(h)前記埋込パッケージングフレームの下方に、前記サポートピラーウォールの外側に沿ってプラスチックパッケージ層を形成させ、前記プラスチックパッケージ層と前記埋込パッケージングフレームとの間に第2キャビティを形成させる。
【0006】
本願の実施例は、また、高さ方向に沿って、それぞれ絶縁層を貫通する第1キャビティ及び第1ビアピラーを備える埋込パッケージングフレームと、前記第1キャビティの中に設けられるチップセットと、前記埋込パッケージングフレームの上面に設けられる第1回路層と、前記第1回路層に設けられる第1媒体層と、前記第1媒体層に設けられる第2回路層と、前記第1媒体層及び前記絶縁層を貫通する貫通ビアホールと、前記埋込パッケージングフレームの下面にある第3回路層と、前記第3回路層にあるサポートピラーウォールと、前記サポートピラーウォールの外側に沿って形成されるプラスチックパッケージ層とを含むプラスチックパッケージキャビティ構造を提供し、
前記プラスチックパッケージ層と前記埋込パッケージングフレームの下面との間には前記貫通ビアホールに連通する第2キャビティが形成され、且つ、前記チップセットは背中合わせに積層して設けられる第1チップ及び第2チップを含む。
【発明の効果】
【0007】
以上の記載から分かるように、本願の実施例によって提供されるプラスチックパッケージキャビティ構造は、積層して設けられる第1チップ及び第2チップからなるチップセットを積み重ねてパッケージング基板の内部に埋め込み、パッケージングすることにより、パッケージング層のブラインドビアによってパッケージング基板との電気的接続を実現し、埋込パッケージング基板の上部(即ち、下面)に銅ピラーウォールを加工することにより、パッケージング後に第2キャビティを形成させることができ、第2キャビティ及び貫通ビアホールによって外部環境とのセンシングを実現し、高密度集積化パッケージングを実現でき、精度は高く、且つ、パッケージング体積の小型化及びパッケージング効率が高いなどの利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下、本願又は関連技術における技術的解決手段をより明瞭に説明するために、実施例又は関連技術の説明で使用する図面を簡単に紹介する。言うまでもないが、以下に説明される図面は本願の実施例に過ぎず、当業者は、新規性のある作業をすることなく、これらの図面から他の図面を得ることができる。
【
図1】
図1は、従来技術におけるMEMSセンサー及びASICチップの主なパッケージング方式の構造模式図を示す。
【
図2】
図2は、本願の実施例によって提供されるプラスチックパッケージキャビティ構造の断面図を示す。
【
図3a】
図3aは、本願の実施例のプラスチックパッケージキャビティ構造の製造方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3b】
図3bは、本願の実施例のプラスチックパッケージキャビティ構造の製造方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3c】
図3cは、本願の実施例のプラスチックパッケージキャビティ構造の製造方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3d】
図3dは、本願の実施例のプラスチックパッケージキャビティ構造の製造方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3e】
図3eは、本願の実施例のプラスチックパッケージキャビティ構造の製造方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3f】
図3fは、本願の実施例のプラスチックパッケージキャビティ構造の製造方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3g】
図3gは、本願の実施例のプラスチックパッケージキャビティ構造の製造方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3h】
図3hは、本願の実施例のプラスチックパッケージキャビティ構造の製造方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3i】
図3iは、本願の実施例のプラスチックパッケージキャビティ構造の製造方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本願の目的、技術的解決手段及び利点が一層明瞭になるよう、特定の実施例を用い、図面を参照して、本願をより詳細に説明する。
【0010】
なお、特に定義がない限り、本願の実施例で使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解している一般的な意味を有する。本願の実施例で使用される「第1」、「第2」及び類似する用語は、順番、数量又は重要度を一切表さず、異なる構成部分を区別するために使用される。「含む」又はこれに類似する用語は、当該用語より先に現れる素子又は物体が、当該用語の後ろに列挙される素子又は物体及びその同等なものをカバーし、ただし他の素子又は物体は除外しないことを意味する。「接続」又はこれに類似する用語は、物理的又は機械的接続に限定されず、直接なのか間接なのかを問わず電気的接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対的な位置関係だけを表すために使用され、説明対象の絶対的な位置が変わると、当該相対的な位置関係はこれに応じて変わる可能性がある。
【0011】
図1は、従来技術におけるMEMSセンサー及びASICチップの主なパッケージング方式の構造模式図を示す。
【0012】
図1に示されるとおり、MEMSセンサー及びASICチップの一部の主なパッケージング方式では、MEMセンシングチップ及びASICチップとパッケージング基板をボンディングワイヤーによって電気的接続させて形成される複数のユニットに対して、各ユニットに対してそれぞれ保護カバーを付与して、保護し且つキャビティを形成させる必要があり、これによりパッケージングを実現する。
【0013】
即ち、従来技術によるMEMSセンサー及びASICチップのパッケージング方式では、各ユニットに対してそれぞれ保護カバーを付与する必要があり、これにより加工効率は低く且つコストは高いなどの問題があり、且つ、保護カバーを付与する方式は、加工精度は悪く、高密度パッケージングの発展のニーズを満たすことができないなどの問題、そして、パッケージング体積は大きく、半導体パッケージングの小型化及び薄型化の発展のニーズを満たすことができないなどの問題がある。
【0014】
これに鑑みて、本願の実施例は、プラスチックパッケージキャビティ構造の作製方法を提供し、埋込パッケージング基板の上部に銅ピラーウォールを加工することにより、パッケージング後にプラスチックパッケージキャビティを形成させることができ、従来のプラスチックパッケージキャビティ構造は、各ユニットに対してそれぞれ保護カバーを付与する必要があるため、加工効率は低く且つコストは高く、加工精度は悪く、高密度パッケージングの発展のニーズなどを満たすことができず、パッケージング体積は大きく、半導体パッケージングの小型化及び薄型化の発展のニーズを満たすことができないなどの問題をある程度解決できる。
【0015】
図2は、本願の実施例によって提供されるプラスチックパッケージキャビティ構造の断面図を示す。
【0016】
図2に示されるとおり、本願の実施例によって提供されるプラスチックパッケージキャビティ構造は、埋込パッケージングフレームと、前記埋込パッケージングフレームの中に埋め込まれるチップセットと、埋込パッケージングフレームの下面を取り囲んで設けられるプラスチックパッケージ層300とを含んでもよい。チップセットは、積層して設けられる第1チップ210及び第2チップ220を含み、且つ、前記第1チップ210及び前記第2チップ220の端子は背中合わせに設けられる。
【0017】
プラスチックパッケージキャビティ構造は、高さ方向に沿って、それぞれ前記埋込パッケージングフレームの絶縁層を貫通する第1キャビティ及び第1ビアピラー102を含む。チップセットは、前記第1キャビティの中に設けられ、前記チップセットと前記第1キャビティとの隙間の中に設けられるパッケージング層400と、前記埋込パッケージングフレームの上面に設けられる第1回路層500及び第2ビアピラー600と、前記第1回路層500に設けられる第1媒体層700及び第2回路層800をさらに含み、前記第1媒体層700、前記埋込パッケージングフレームの絶縁層をこの順に貫通する貫通ビアホール103をさらに含む。
【0018】
前記埋込パッケージングフレームの下面に設けられる第3回路層と、埋込パッケージングフレームの下面を取り囲んで設けられるサポートピラーウォール310とをさらに含み、第3回路層は、機能回路層910と、回路ウォール920とを含んでもよく、サポートピラーウォール310は、対応して回路ウォール920に設けられてもよい。即ち、前記第3回路層にサポートピラーウォールが設けられる。前記第3回路層の下面に設けられる受動素子250と、前記埋込パッケージングフレームの下面及び前記第3回路層と前記サポートピラーウォール310の外側に設けられるプラスチックパッケージ層300であり、即ち、前記サポートピラーウォールの外側に沿ってプラスチックパッケージ層300が形成される。前記プラスチックパッケージ層300と前記埋込パッケージングフレームの下面との間は前記貫通ビアホール103に連通する第2キャビティ340を備える。
【0019】
チップセットは複数設けられてもよく、実際のニーズに応じて具体的に決定すればよいということを理解されたい。これに対応して、第1キャビティは複数設けられてもよく、それぞれ、複数のチップセットを埋め込むために用いられる。プラスチックパッケージ層300とパッケージング基板の下面との間に形成される第2キャビティ340は、全てのチップセットを覆うことができ、これにより高密度集積化パッケージングの形成を実現する。
【0020】
本願の実施例によって提供されるプラスチックパッケージキャビティ構造は、積層して設けられる第1チップ210及び第2チップ220からなるチップセットを積み重ねてパッケージング基板の内部に埋め込み、パッケージングすることにより、パッケージング層400のブラインドビアによってパッケージング基板との電気的接続を実現し、埋込パッケージング基板の上部(即ち、下面)に銅ピラーウォールを加工することにより、パッケージング後にプラスチックパッケージキャビティを形成させることができ、高密度集積化パッケージングを実現でき、精度は高く、且つ、パッケージング体積の小型化及びパッケージング効率が高いなどの利点を有する。
【0021】
一部の実施例では、埋込パッケージングフレームはポリマーフレームである。フレームは、ポリマーシートとして用いられるポリマー又はプリプレグ(prepreg)として用いられるガラス繊維強化ポリマーによって構成されてもよい。それは、1つ又は複数の層を備えてもよい。
【0022】
本実施形態において言及されるビアピラー(例えば、第1ビアピラー102又は第2ビアピラー600)は、貫通ビアホールを有する銅ピラーを少なくとも1つ、IOチャネルとして含んでもよく、これによって層間の導通を実現し、複数のビアピラーのサイズ及び/又は形状は、同じでもよいし、異なってもよい。ビアピラーは、中実の銅ピラーであってもよいし、表面に銅メッキが施された中空ピラーであってもよく、好ましくは、ビアピラーは、貫通ビアホールを有する複数の銅ピラーを、IOチャネルとして含み、ビアピラーの端部はパッケージング層に揃ってもよい。
【0023】
前記チップセットにおいて、第1チップ210は、複数の端子211と1つのセンシング部品212とを備えるセンシングチップ(例えば、MEMSセンシングチップ)であってもよい。且つ、第1チップ210の端子面は前記第1キャビティの底部に実装される。センシング部品212の表面は露出し、即ち、センシング部品の表面は第3回路層によって覆われない。即ち、前記第1チップのセンシング部品の表面は前記第2キャビティに露出し、前記貫通ビアホールによって外部に連通する。これにより、センシングチップは第2キャビティ340及び貫通ビアホール103によって外部の環境負荷を検知することができ、次に、電気信号を第2チップ220に出力する。
【0024】
第2チップ220と第1チップ210は粘性材料230によって接続されてもよい。且つ、第2チップ220のサイズ(例えば、長さ)は第1チップ210及び粘性材料230より小さくてもよく、粘性材料230のサイズは第1チップ210と同じであってもよい。当該粘性材料230の粘度はパッケージング層400の粘度を超えてもよく、これにより、パッケージング層400が硬すぎるため粘性材料230に圧着される時の、チップに対する損傷などを避けることができる。第2チップ220は、ASICチップであってもよく、ASICチップは、MEMSチップによって出力される電気信号を拡大させて、所定の標準出力信号に変調することができる。
【0025】
一部の実施例では、前記プラスチックパッケージ層300と前記第3回路層及び前記サポートピラーウォール310との間に設けられる第2媒体層350をさらに含む。即ち、前記プラスチックパッケージ層300と前記第2キャビティとの間は第2媒体層をさらに含む。前記第2媒体層350は、コンフォーマルコーティングフィルムであってもよい。コンフォーマルコーティングフィルムは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム又はポリイミド(PI)フィルムなどであってもよい。これにより、コンフォーマルコーティングフィルムによって、プラスチックパッケージ層300をよりよくコンフォーマルコーティングすることができ、効率的に応力を放出させることができる。
【0026】
一部の実施例では、前記サポートピラーウォール310は、銅サポートピラーウォールであってもよく、これにより、支持するとともに放熱の役割を果たすことができる。埋込パッケージングフレームのある面を基準面とすると、前記基準面における前記サポートピラーウォール310の正投影は、前記基準面における前記回路ウォール920の正投影と一部重畳する。
【0027】
一部の実施例では、埋込パッケージングフレームと第1回路層500との間に第2金属シード層が設けられてもよく、埋込パッケージングフレームと第3回路層との間に第1金属シード層がさらに設けられてもよい。これにより、第1ビアピラー102と第1回路層500との導通及び接続の安定性、信頼性などを向上させ、第1ビアピラー102と第3回路層との導通及び接続の安定性、信頼性などを向上させることができる。
【0028】
一部の実施例では、第1媒体層700と第2回路層800との間に第3金属シード層がさらに設けられてもよい。これにより、第2ビアピラー600と第1回路層500及び第2回路層800との導通及び接続の安定性、信頼性などを向上させることができる。
【0029】
図3a~
図3iが参照されるとおり、本願の実施例のプラスチックパッケージキャビティ構造の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図が示される。
【0030】
前記製造方法は、以下のステップを含む。
図3aに示されるとおり、埋込パッケージングフレーム100を用意し、前記埋込パッケージングフレーム100は、高さ方向に沿って、それぞれ前記埋込パッケージングフレームを貫通する第1キャビティ101及び第1ビアピラー102を含む-ステップ(a)。
【0031】
一般に、後のチップセットの実装のために、複数の第1キャビティ101を設けてもよく、複数の第1キャビティ101のサイズは、同じでもよいし、異なってもよく、埋め込みたいチップセットの形状及び大きさによって決定され、ここでは限定しない。埋込パッケージングフレーム100は、ポリマーシートとして用いられるポリマー又はプリプレグ(prepreg)として用いられるガラス繊維強化ポリマーによって構成されてもよい。それは、1つ又は複数の層を備えてもよい。
【0032】
一般に、埋込パッケージングフレーム100の製造では、珠海越亜の貫通ビアホールピラー技術を用いて、パターンプレーティング又はパネルプレーティングを行うことができ、続いて、選択的エッチングを行って、貫通ビアホールをビアピラーとして製造することができ、その後、ポリマーフィルムなどの誘電体材料を利用し又は安定性を向上させるためにポリマーマトリックス中の編み上げたガラス繊維束によって構成されるプリプレグを利用してラミネートする。一実施形態では、誘電体材料は、Hitachi(日立)705Gである。別の実施形態では、MGC832 NXA NSFLCAを用いる。もう1つの実施形態では、Sumitomo(住友) GT-Kを用いることができる。別の実施形態では、Sumitomo(住友) LAZ-4785シリーズフィルムを用いる。別の実施形態では、Sumitomo(住友) LAZ-6785シリーズを用いる。代替材料は、TaiyoのHBI及びZaristo-125又はAjinomoto(味の素)のABF GX材料シリーズを含む。
【0033】
ドリルアンドフィル技術ではなく貫通ビアホールピラーを用いてビアピラーを製造するのは多くの利点を有する。貫通ビアホールピラー技術では、全ての貫通ビアホールを同時に製造することができ、ドリルアンドフィル技術は単独で穴あけする必要があるため、貫通ビアホールピラー技術のほうが早い。また、あけた貫通ビアホールはいずれも円筒形であるが、貫通ビアホールピラーはいかなる形状でもよい。実際には、ドリルアンドフィルされた貫通ビアホールの全てが同じサイズを有するが(公差範囲内)、貫通ビアホールピラーは異なる形状とサイズを有してもよい。且つ、強度を高めるために、好ましくは、ポリマーマトリックスは繊維で強化されたものであり、典型的には、編み上げたガラス繊維束を利用して強化させる。ポリマー内の繊維を含んだプリプレグが、直立した貫通ビアホールピラーにコーティングされて硬化した後、貫通ビアホールピラーの特徴は、滑らかな垂直の側面を備えることである。しかしながら、複合材料に穴あけをする時は、ドリルアンドフィル貫通ビアホールは典型的には傾斜しており、典型的には粗い表面を備え、それは浮遊インダクタンスを誘発して、ノイズをもたらす。
【0034】
一般に、第1ビアピラー102は、25~500μmの範囲の幅を備える。円筒形である場合は、ドリルアンドフィルに求められ且つビアピラーによく見られるように、各ビアピラーは、25~500μmの直径を備えてもよい。
【0035】
続いて、
図3bのように、前記第1キャビティ101の底部にチップセットを埋め込む-ステップ(b)。
【0036】
一般に、ステップ(b)で、前記第1キャビティ101の底部にチップセットを埋め込むことは、以下を含む。
(b1)前記埋込パッケージングフレーム100の下面に接着層240を付与する。一般に、接着層240は、片面接着テープであってもよく、一般に、片面接着テープは市販される熱分解型又は紫外線照射分解型の透明フィルムであり、接着層240は、チップセットに対して仮支持及び固定することができる。
【0037】
(b2)前記チップセットの第2チップ220の端子面を前記第1キャビティ101内の露出している接着層240に付着し、これによって前記第1キャビティ101の底部にチップセットを実装する。前記チップセットは、積層して設けられる第1チップ210及び前記第2チップ220を含み、且つ、前記第1チップ210及び前記第2チップ220の端子面は背中合わせに設けられ、且つ、第1チップ210の端子面は第1キャビティの底部に実装される。一般に、前記チップセットの高さは前記第1キャビティの高さより小さくてもよく、これにより後のプロセスによってチップセットにパッケージング層400を形成させることができ、埋込パッケージングフレームの表面に他の階層構造を製造する時に、チップセットに付与した負荷を受け止めて、チップセットの損傷などを避けることができる。一般に、第1チップ210及び第2チップ220の背面は粘性材料230で粘着されてもよい。
【0038】
次に、
図3dに示されるとおり、前記チップセットと前記第1キャビティ101の隙間の中にパッケージング層400を形成させる-ステップ(c)。一般に、当該ステップは、以下を含んでもよい。
(c
1)
図3cのように、前記チップセットと前記第1キャビティ101の隙間の中及び前記埋込パッケージングフレーム100の上面にパッケージング層400を形成させる。一般に、パッケージング層400は、純粋な樹脂から選ばれてもよい。
【0039】
(c2)前記パッケージング層400を薄くして前記埋込パッケージングフレーム100の第1ビアピラー102の上面及び前記埋込パッケージングフレーム100の上面を露出させ、前記パッケージング層400の上面を前記第1ビアピラー102の上面及び前記埋込パッケージングフレーム100の上面に揃わせる。これにより、埋込パッケージングフレーム100の上面は良好な平坦性を備え、部品の起伏がもたらすビルドアップ導通の難しさを避け、後に埋込パッケージングフレーム100の上面に第1回路層500などの作製を行うために役立つ。一般に、研削又はプラズマエッチングなどの方式でパッケージング材料を薄くすることができる。
【0040】
(c3)前記第2チップ220の端子221にウィンドウを作り、前記パッケージング層400にブラインドビア410を形成させる。一般に、前記ブラインドビア410が前記第2チップ220の端子221に接続され、これは第2チップ220と後に作製される第1回路層500などとの電気的接続のために役立つ。これにより、チップセットとパッケージング基板との電気的接続は、高い集積度及び安定性を有する。一般に、レーザーによる穴あけなどで第2チップ220の端子221にウィンドウを作り、ブラインドビア410を形成させることができる。
【0041】
続いて、
図3eに示されるとおり、前記埋込パッケージングフレーム100の上面に第1回路層500及び第2ビアピラー600を形成させる-ステップ(d)。一般に、ステップ(d)は、以下を含む。
(d
1)前記埋込パッケージングフレーム100の上面及び前記ブラインドビア410の底部と側壁に第2金属シード層を形成させ、一般に、スパッタリングプロセスにより第2金属シード層を形成させることができる。第2金属シード層の素材については、具体的に限定せず、実際のニーズに応じて決定することができ、一般には、チタン、銅であってもよい。
【0042】
(d2)前記第2金属シード層に第3フォトレジスト層を付与し、前記第3フォトレジスト層の露光及び現像により第3特徴パターンを形成させ、
(d3)前記第3特徴パターンにおいて電気メッキを施して第1回路層500を形成させる。一般に、前記第1回路層500は前記第2チップ220の端子面に接続され、
(d4)前記第3フォトレジスト層を取り除き、前記第2金属シード層に第4フォトレジスト層を付与し、前記第4フォトレジスト層の露光及び現像により第4特徴パターンを形成させ、
(d5)前記第4特徴パターンにおいて電気メッキを施して第2ビアピラー600を形成させ、一般に、第2ビアピラー600は前記第1ビアピラー102に対応して設けられてもよく、
(d6)前記第3フォトレジスト層及び前記第4フォトレジスト層を取り除き、露出している第2金属シード層をエッチングする。
【0043】
次に、
図3fのように、前記第1回路層500の上面に第1媒体層700をラミネートする-ステップ(e)。一般に、ステップ(e)は、以下を含む。
前記第1回路層500の上面に第1媒体材料をラミネートする。一般に、前記第1媒体材料の高さは第2ビアピラー600の高さを超える。これにより、後に露出している第2ビアピラー600を薄くすることにより、後の階層構造の作製などに備え、第2ビアピラー600の端面を第1媒体層700に揃わせるために役立つ。
【0044】
前記第1媒体材料を薄くして第2ビアピラー600の上面(端面)を露出させて、上面が前記ビアピラーの上面に揃う第1媒体層700を形成させる。一般に、研削又はプラズマエッチングなどの方式で第1媒体材料を薄くすることができる。
【0045】
続いて、
図3gのように、前記第1媒体層700の上面に第2回路層800を形成させ、前記埋込パッケージングフレームの下面に、第3回路層と、埋込パッケージングフレームを取り囲んで設けられるサポートピラーウォール310とを形成させる-ステップ(f)。一般に、ステップ(f)で、前記第1媒体層700の上面に第2回路層800を形成させることは、以下を含む。
(f
1)前記第1媒体層700の上面に第3金属シード層を形成させ、一般に、スパッタリングプロセスにより第3金属シード層を形成させることができる。第3金属シード層の素材については、具体的に限定せず、実際のニーズに応じて決定することができ、一般には、チタン、銅であってもよく、
(f
2)前記第3金属シード層に第5フォトレジスト層を付与し、前記第5フォトレジスト層の露光及び現像により第5特徴パターンを形成させ、
(f
3)前記第5特徴パターンにおいて電気メッキを施して第2回路層800を形成させ、前記第2回路層800は前記第2ビアピラー600によって前記第1回路層500に接続され、
(f
4)前記第5フォトレジスト層を取り除き、露出している第3金属シード層をエッチングする。
【0046】
一般に、ステップ(f)で、前記埋込パッケージングフレームの下面に、第3回路層と、埋込パッケージングフレームを取り囲んで設けられるサポートピラーウォール310とを形成させることは、以下を含む。
(f5)埋込パッケージングフレームの下面に付与される接着層240を取り除き、
(f6)前記埋込パッケージングフレームの下面に第1金属シード層を形成させ、一般に、スパッタリングプロセスにより第1金属シード層を形成させることができる。第1金属シード層の素材については、具体的に限定せず、実際のニーズに応じて決定することができ、一般には、チタン、銅であってもよく、
(f7)前記第1金属シード層に第1フォトレジスト層を付与し、前記第1フォトレジスト層の露光及び現像により第1特徴パターンを形成させ、
(f8)前記第1特徴パターンにおいて電気メッキを施して第3回路層を形成させ、前記第3回路層は、機能回路層910と、回路ウォール920とを含んでもよく、サポートピラーウォール310は、対応して回路ウォール920に設けられてもよく、第1チップ210のセンシング部品212の表面が露出し、即ち、センシング部品の表面は第3回路層によって覆われない。
【0047】
(f
9)前記第1フォトレジスト層を取り除き、前記第1金属シード層に第2フォトレジスト層を付与し、前記第2フォトレジスト層の露光及び現像により第2特徴パターンを形成させ、
(f
10)
図3hのように、前記第2特徴パターンにおいて電気メッキを施してサポートピラーウォール310を形成させる。一般に、前記サポートピラーウォール310は、銅のサポートピラーウォール310であってもよく、これにより、支持するとともに放熱の役割を果たすことができる。埋込パッケージングフレームのある面を基準面とすると、前記基準面における前記サポートピラーウォール310の正投影は、前記基準面における前記回路ウォール920の正投影と一部重畳する。
【0048】
(f11)前記第2フォトレジスト層を取り除き、露出している第1金属シード層をエッチングする。
【0049】
次に、
図3iのように、高さ方向に沿って、前記第1媒体層700、前記埋込パッケージングフレームをこの順に貫通する貫通ビアホール103を形成させ、前記チップセットを備える第1パッケージング構造と、チップセットを備えない第2パッケージング構造とを形成させる-ステップ(g)。一般に、機械による穴あけなどの方式で貫通ビアホール103を形成させることができ、当該貫通ビアホール103、当該第1チップ210(即ち、センシングチップ)によって外部の環境負荷を検知することができ、次に、電気信号を第2チップ220に出力する。
【0050】
続いて、
図2のように、前記第2パッケージング構造の下面に受動素子250を実装し、前記埋込パッケージングフレームの下面及び前記回路ウォール920と前記サポートピラーウォール310の外側にプラスチックパッケージ層300を形成させる-ステップ(h)。一般に、受動素子250を第3回路層における機能回路層910の下面に実装してもよい。
【0051】
一般に、前記埋込パッケージングフレームの下面及び前記回路ウォール920と前記サポートピラーウォール310の外側にプラスチックパッケージ層300を形成させることは、以下を含む。
前記埋込パッケージングフレームの下面及び前記回路ウォール920と前記サポートピラーウォール310の外側に第2媒体層350をラミネートして、前記受動素子250を収容する第2キャビティ340を形成させる。これにより、チップセットにおける第1チップ210(即ち、MEMSセンシングチップ)は、第2キャビティ340及び貫通ビアホール103によって外部の環境負荷を検知することができ、次に、電気信号を第2チップ220(即ち、ASICチップ)に出力する。ASICチップは、MEMSチップによって出力される電気信号を拡大させて、所定の標準出力信号に変調する。一般に、第2媒体層350は、コンフォーマルコーティングフィルムであってもよい。コンフォーマルコーティングフィルムを用いるのは保護と隔離の役割を果たすことができる。且つ、プラスチックパッケージ層300は、高い透明度と滑らかさを備え、耐熱性、耐候性、帯電防止性能などを備える。
【0052】
前記第2媒体層350の表面にプラスチックパッケージ層300をラミネートする。
【0053】
本願の実施例によって提供されるプラスチックパッケージキャビティ構造及びその作製方法は、MEMSセンシングチップ及びASICチップを積み重ねてパッケージング基板の内部に埋め込み、パッケージングすることにより、高密度集積化パッケージングを実現し、埋込パッケージング基板の上部に銅ピラーウォールを加工することにより、パッケージング後にプラスチックパッケージキャビティを形成させることができ、MEMSセンシングチップのセンシング部位が露出し、プラスチックパッケージキャビティ構造及び基板を貫通するホールによって外部環境とのセンシングを実現する。これにより、効率は低く、コストは高く、精度は悪く、パッケージング体積の小型化ができないなどの従来技術の技術的課題を解決する。次の利点を有する。MEMSセンシングチップとASICチップの高密度集積化パッケージングを実現でき、プラスチックパッケージキャビティ構造のパネルレベル加工により、加工効率を向上させ、コストを削減させ、銅ピラーウォールを設け、コンフォーマルコーティングフィルムを圧着しパッケージングすることによりプラスチックパッケージキャビティを形成させ、保護カバーによって形成されるキャビティと比べて、加工精度はより高く、高密度集積化パッケージングのニーズを満たすことができる。
【0054】
当業者は、上記のいずれかの実施例に関する討論が例示的なものに過ぎず、本開示の範囲(請求項を含む)がこれらの例に限られることを示唆するものではないということを理解できるだろう。本開示の趣旨の下で、上記の実施例又は異なる実施例の技術的特徴を互いに組み合わせることができ、ステップを任意の順番で実施してもよく、上記の本開示の実施例の異なる態様の多くの他の変化が存在してもよく、簡素化のためにそれらは詳細な説明において提供されていない。
【0055】
本開示の特定の実施例を用いて本開示を説明しているが、上記の説明によれば、これらの実施例の多くの差し替え、補正及び変形が当業者にとって自明なものである。
【0056】
本開示の実施例は、特許請求の範囲の広い範囲に入るそのような差し替え、補正及び変形の全てを含もうとする。したがって、本開示の実施例の趣旨と原則において、いずれの省略、補正、同等な差し替え、改善などを行う場合は、そのいずれも本開示の請求範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0057】
100 埋込パッケージングフレーム、101 第1キャビティ、102 第1ビアピラー、103 貫通ビアホール、210 第1チップ、211 端子、212 センシング部品、220 第2チップ、221 端子、230 粘性材料、240 接着層、250 受動素子、300 プラスチックパッケージ層、310 サポートピラーウォール、340 第2キャビティ、350 第2媒体層、400 パッケージング層、410 ブラインドビア、500 第1回路層、600 第2ビアピラー、700 第1媒体層、800 第2回路層、910 機能回路層、920 回路ウォール