(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056669
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】組立式装飾パネル装置
(51)【国際特許分類】
E04H 17/16 20060101AFI20240416BHJP
【FI】
E04H17/16 104
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023176351
(22)【出願日】2023-10-11
(31)【優先権主張番号】P 2022163475
(32)【優先日】2022-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】392003225
【氏名又は名称】第一ビニール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085246
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 清一郎
(72)【発明者】
【氏名】小林 秀夫
【テーマコード(参考)】
2E142
【Fターム(参考)】
2E142AA01
2E142EE12
2E142HH01
2E142HH13
2E142HH25
2E142MM04
2E142MM07
2E142NN01
(57)【要約】
【課題】素人でも簡易に組み立てることができ、又、比較的安価な組立式装飾パネル装置を提供する。
【解決手段】矩形板状の装飾パネル2と、これを保持する保持部材3が装着される支柱5を備える。装飾パネル2は、四隅の三角形板部6に、三角形の各辺と平行する係合突条部10aを有する。保持部材3はガイド突条部9を有する。保持部材3には、三角形板部6を上下方向で挿入させ得る、上端開放収容溝部12と下端開放収容溝部15を有する。これらの収容溝部の溝内側面部17,17に、溝底面部16と所要距離をおいて、ガイド突条部51を縦方向に有する。三角形端部6をこれらの収容溝部に収容した状態で、ガイド突条部9とガイド突条部51とが係合し、三角形板部6がこれらの収容溝部から抜け出さない。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形板状を呈する装飾パネルと、該装飾パネルを保持する保持部材が装着される支柱4とを備えており、
前記装飾パネルは、その四隅の直角三角形板状を呈する三角形板部の夫々において、その表裏の面部の双方又は何れか一方の面部に、該三角形板部の三角形の各辺に沿う、突条部又は条溝としての第1の線状係合部が設けられており、
前記保持部材には、前記三角形板部を上から下に向けて挿入させ得る上端が開放された上端開放収容溝部、及び/又は、前記三角形板状部を下から上に向けて挿入させ得る下端が開放された下端開放収容溝部が設けられており、
該上端開放収容溝部と該下端開放収容溝部は、共に、前記支柱の延長方向である縦方向の溝底面部の左右両側で、所要間隔を置いて溝内側面部が設けられ、又、該上端開放収容溝部と該下端開放収容溝部は、共に、該縦方向と、これと直交する横方向に開放されており、
該溝内側面部に、前記溝底面部と前記横方向に所要距離を置いて、前記第1の線状係合部と側面部相互で当接状態に係合し得る第2の線状係合部が前記縦方向に設けられており、
前記三角形板部を前記第1の線状係合部、前記第2の線状係合部に挿入させることにより、前記第1の線状係合部と前記第2の線状係合部との側面部相互が当接状態に係合することによって、前記三角形板状部が前記収容溝部の前記横方向の開放端から抜け出す方向の移動が阻止されることを特徴とする組立式装飾パネル装置。
【請求項2】
矩形板状を呈する装飾パネルと、該装飾パネルを保持する保持部材が装着される支柱部材とを備えており、
前記装飾パネルは、その四隅の直角三角形板状を呈する三角形板部の夫々において、その表裏の面部に、該三角形板部の三角形の各辺に沿う係合突条部が突設されており、
前記保持部材には、前記三角形板部を上から下に向けて挿入させ得る上端が開放された上端開放収容溝部、及び/又は、前記三角形板部6を下から上に向けて挿入させ得る下端が開放された下端開放収容溝部が設けられており、
該上端開放収容溝部と該下端開放収容溝部は、共に、前記支柱の延長方向である縦方向の溝底面部の左右両側で、所要間隔を置いて溝内側面部が設けられ、該上端開放収容溝部と該下端開放収容溝部は、共に、該縦方向と、これと直交する横方向に開放されており、
該溝内側面部に、前記溝底面部と前記横方向に所要距離を置いて、ガイド突条部が前記縦方向で設けられており、該溝底面部と該ガイド突条部との間に縦ガイド溝部が設けられており、
前記係合突条部を前記縦ガイド溝部に、その一端からその他端に向けて挿入させることによって前記三角形板部を前記収容溝部に収容させた状態で、前記係合突条部と前記ガイド突条部との側面部相互が当接状態に係合することによって、前記三角形板部が前記収容溝部の前記横方向の開放端から抜け出す方向の移動が阻止されることを特徴とする組立式装飾パネル装置。
【請求項3】
上下に配置される前記装飾パネルの辺相互を当接した状態とし、且つ、前記装飾パネルの辺と前記支柱の側面とを当接した状態とするように、前記装飾パネルの四隅部分の直角を挟むに2辺に、前記保持部材の厚み部分を逃す逃がし段部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の組立式装飾パネル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の庭等に設置される組立式装飾パネル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
装飾パネルを枠体に装着して組み立てるエクステリア用の組立式装飾パネル装置が特許文献1、2で提供されているが、これらの組立式装飾パネル装置における、装飾パネルの枠体に対する取り付け構造は、多くの金具を使用するものであり、又、枠体に対する装飾パネルの取り付けはビス固定の手段や、ボルト・ナットの締結手段を用いる楔式構造の連結金具を用いるもの等であり、構造が複雑であった。そのため、該装置は高額であったばかりか、枠体に対する装飾パネルの取り付け構造が複雑であったことから、素人が簡易に組み立て得るものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-170412号公報
【特許文献2】特開2011-55843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、支柱部材に対する装飾パネルの取り付け構造を簡素化して比較的安価に提供でき、しかも、支柱部材に対する装飾パネルの取り付け作業を素人であっても簡易に行うことのできる組立式装飾パネル装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る組立式装飾パネル装置の第1の態様は、矩形板状を呈する装飾パネルと、該装飾パネルを保持する保持部材が装着される支柱4とを備えている。前記装飾パネルは、その四隅の直角三角形板状を呈する三角形板部の夫々において、その表裏の面部の双方又は何れか一方の面部に、該三角形板部の三角形の各辺に沿う、突条部又は条溝としての第1の線状係合部が設けられている。前記保持部材には、前記三角形板部を上から下に向けて挿入させ得る上端が開放された上端開放収容溝部、及び/又は、前記三角形板状部を下から上に向けて挿入させ得る下端が開放された下端開放収容溝部が設けられている。該上端開放収容溝部と該下端開放収容溝部は、共に、前記支柱の延長方向である縦方向の溝底面部の左右両側で、所要間隔を置いて溝内側面部が設けられ、又、該上端開放収容溝部と該下端開放収容溝部は、共に、該縦方向と、これと直交する横方向に開放されている。該溝内側面部に、前記溝底面部と前記横方向に所要距離を置いて、前記第1の線状係合部と側面部相互で当接状態に係合し得る第2の線状係合部が前記縦方向に設けられている。そして、前記三角形板部を前記第1の線状係合部、前記第2の線状係合部に挿入させることにより、前記第1の線状係合部と前記第2の線状係合部との側面部相互が当接状態に係合することによって、前記三角形板状部が前記収容溝部の前記横方向の開放端から抜け出す方向の移動が阻止されることを特徴とするものである。
【0006】
本発明に係る組立式装飾パネル装置の第2の態様は、矩形板状を呈する装飾パネルと、該装飾パネルを保持する保持部材が装着される支柱部材とを備えている。前記装飾パネルは、その四隅の直角三角形板状を呈する三角形板部の夫々において、その表裏の面部に、該三角形板部の三角形の各辺に沿う係合突条部が突設されている。前記保持部材には、前記三角形板部を上から下に向けて挿入させ得る上端が開放された上端開放収容溝部、及び/又は、前記三角形板部6を下から上に向けて挿入させ得る下端が開放された下端開放収容溝部が設けられている。該上端開放収容溝部と該下端開放収容溝部は、共に、前記支柱部材の延長方向である縦方向の溝底面部の左右両側で、所要間隔を置いて溝内側面部が設けられ、該上端開放収容溝部と該下端開放収容溝部は、共に、該縦方向と、これと直交する横方向に開放されていつ。該溝内側面部に、前記溝底面部と前記横方向に所要距離を置いて、ガイド突条部が前記縦方向で設けられており、該溝底面部と該ガイド突条部との間に縦ガイド溝部が設けられている。前記係合突条部を前記縦ガイド溝部に、その一端からその他端に向けて挿入させることによって前記三角形板部を前記収容溝部に収容させた状態で、前記係合突条部と前記ガイド突条部との側面部相互が当接状態に係合することによって、前記三角形板部が前記収容溝部の前記横方向の開放端から抜け出す方向の移動が阻止されることを特徴とするものである。
【0007】
本発明に係る組立式装飾パネル装置の第3の態様は、前記第1の態様又は前記第2の態様において、上下に配置される前記装飾パネルの辺相互を当接した状態とし、且つ、前記装飾パネルの辺と前記支柱の側面とを当接した状態とするように、前記装飾パネルの四隅部分の直角を挟むに2辺に、前記保持部材の厚み部分を逃す逃がし段部が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る組立式装飾パネル装置は、支柱部材に対する装飾パネルの取り付けを簡易な挿入方式で行うことができるという構成上の簡素化が図られているため、比較的安価に提供できる。又、支柱部材に対する装飾パネルの取り付けを簡易な挿入方式で行うことができるため、素人であっても装置の組み立てを容易に行うことができる。又、該装飾パネルは多様なデザインに構成でき、しかも該装飾パネルの組み合わせは自在であることから、構成された装飾パネル装置のデザインの多様化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る組立式装飾パネル装置を示す正面図である。
【
図4】保持部材の基本構成を第5の保持部材を例にとって説明する斜視図である。
【
図5】保持部材の基本構成を第5の保持部材を例にとって説明する断面図である。
【
図6】その保持部材における、第1の線状係合部と第2の線状係合部との係合作用を説明する説明図である。
【
図7】その保持部材の上端開放収容溝部と下端開放収容溝部に、装飾パネルの隅の三角形板部を挿入させて第1の線状係合部と第2の線状係合部とを係合状態とする作用説明図である。
【
図8】その保持部材の上端開放収容溝部と下端開放収容溝部に、装飾パネルの隅の三角形板部を挿入させた状態を示す側面図である。
【
図9】隣り合う支柱間に形成された装飾パネル配置区画部を示す正面図である。
【
図10】装飾パネルの四隅に設けられている第1の線状係合部を説明する説明図である。
【
図11】第1の保持部材の構成とその使用状態を示す側面図である。
【
図14】第2の保持部材の構成とその使用状態を示す側面図である。
【
図17】第3の保持部材の構成とその使用状態を示す側面図である。
【
図20】第4の保持部材の構成とその使用状態を示す側面図である。
【
図23】第6の保持部材の構成とその使用状態を示す側面図である。
【
図26】本発明に係る組立式装飾パネル装置の使用態様の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0010】
図1~4において本発明に係る組立式装飾パネル装置1は、住宅の庭等に設置されるエクステリア用のものであり、矩形板状を呈する装飾パネル2と、該装飾パネル2を保持する保持部材3が装着される支柱5とを備えている。
【0011】
前記装飾パネル2は、本実施例においては、例えば
図2~3に示すように、一辺が270mmで3mm厚さの正方形板状に形成されている。そして、その四隅の直角三角形板状を呈する三角形板部6の夫々において、その表裏の面部7,7の双方又は何れか一方に、該三角形板部6の三角形の各辺9,9に沿う、突条部又は条溝としての第1の線状係合部10が設けられている。前記保持部材3には、例えば
図4~8に示すように、前記三角形板部6を上から下に向けて挿入させ得る上端11が開放された上端開放収容溝部12、及び/又は、前記三角形板状部6を下から上に向けて挿入させ得る下端13が開放された下端開放収容溝部15が設けられている。該上端開放収容溝部12、該下端開放収容溝部15は、共に、前記支柱5の延長方向である縦方向F1の溝底面部16の左右両側で、所要間隔を置いて溝内側面部17,17が設けられ、又、該上端開放収容溝部12と該下端開放収容溝部15は、共に、該縦方向F1と、これと直交する横方向F2に開放されている。そして、該溝内側面部17,17に、前記溝底面部16と前記横方向に所要距離を置いて、前記第1の線状係合部10と側面部19,20相互で当接状態に係合し得る第2の線状係合部21が前記縦方向F1に設けられており、前記三角形板部6を前記上端開放収容溝部12、前記下端開放収容溝部15に挿入させることにより、前記第1の線状係合部10と前記第2の線状係合部21との該側面部19,20相互が当接状態に係合することによって、前記三角形板部6が前記上端開放収容溝部12、前記下端開放収容溝部15の前記横方向の開放端22から抜け出す移動が阻止されるように構成されている。該組立式装飾パネル装置は、より具体的には次のように構成されている。
【0012】
前記組立式装飾パネル装置1は、
図1に示すように、矩形板状を呈する装飾パネル2と、該装飾パネル2を保持する保持部材3が装着される支柱5とを備えている。
【0013】
該支柱5は、左右両端に配置される端部の支柱5a,5aと、該端部の支柱5a,5a間に配置され、且つ、該端部の支柱5a,5aよりも短い長さを有する中間の支柱5bとして構成されている。これら支柱5a,5bは、本実施例においては何れも、横断面正方形状で同寸の角筒パイプ(例えば、樹脂被覆の鉄製パイプ)を以て構成されている。左右の該端部の支柱5a,5aの下端部には、その下端開口部を塞ぐためのキャップ部材2が嵌着されている。
【0014】
該端部の支柱5a,5aの上端相互は、
図1に示すように、左右の上端の保持部材(以下、第1の保持部材3aという)を介して上の横架材25で連結されると共に、該端部の支柱5a,5aの下端から稍上側に位置する上側部位26,26相互が、左右の下端の保持部材(以下、第2の保持部材という)3b,3bを介して下の横架材27で連結されている。又、前記上下の横架材25,27の長さ方向の中央部位29,29相互が、中間の上端の保持部材(以下、第3の保持部材3cという)及び中間の下端の保持部材(以下、第4の保持部材3dという)を介して前記中間の支柱5bで連結されている。
【0015】
そして、前記左右の端部の支柱5a,5aには、夫々、同様構成の4個の中間の保持部材(以下、第5の保持部材3eという)が該支柱5a,5aを上下移動可能に設けられ、又前記中間の支柱5bには、同様構成の4個の中間の保持部材(以下、第6の保持部材3fという)が該中間の支柱5bを上下移動可能に設けられる。
【0016】
又
図9に示すように、該中間の支柱5bと前記左右の端部の支柱5a,5aの夫々との間には、装飾パネル配置区画部31,31が形成されている。本実施例においては
図1に示すように、該装飾パネル配置区画部31,31の夫々に、前記装飾パネル2が上下左右の保持部材を介して5段に配置されている。
【0017】
前記装飾パネル2は、より具体的には
図2~3、
図10に示すように、開口からなる透かし模様32が設けられた正方形板状部として形成されている。、その四隅部分の直角を挟む2辺9a,9aは、
図10に示すように、該正方形板状部の各辺9に対して2mm程度段落ちされ、逃がし段部33が設けられている。該逃がし段部33の長さは、20mm程度に構成されている。
【0018】
このように該逃がし段部33が設けられて形成された直角三角形板状を呈する前記三角形板部6の表裏の面部に、表裏対称に前記第1の線状係合部10が設けられている。
【0019】
該第1の線状係合部10は、本実施例においては
図9に示すように、前記三角形板部6の三角形の各辺9a,9aの、長さ方向の両側部分35,35を除いた中間部分36に突設された、該各辺9a,9aに沿う連続状態の係合突条部10aとして構成されている。
【0020】
前記保持部材3は、例えば
図5、
図7に示すように、前記支柱5を挿通乃至挿入させ得る角筒部34の、前記装飾パネル配置区画部31(
図9)の内方側の面37に、前記上端開放収容溝部12が設けられ、若しくは前記下端開放収容溝部15が設けられ、又は、該上端開放収容溝部12と下端開放収容溝部15の双方が設けられている。
【0021】
該上端開放収容溝部12と該下端開放収容溝部15の構成を、
図1において左の端部の支柱5a1に移動可能に設けられている前記第5の保持部材3eを例にとって説明する。
【0022】
該上端開放収容溝部12と該下端開放収容溝部15は、本実施例においては
図4~5に示すように、前記内方側の外面37に設けられており、その上側の部分に該上端開放収容溝部12が設けられ、その下側の部分に該下端開放収容溝部15が設けられている。該上端開放収容溝部12には、
図5に矢印F3で示すように、前記係合突条部10aが設けられてなる前記三角形板部6を上から下に向けて挿入させることができる。又、該下端開放収容溝部15には
図5に矢印F4で示すように、前記係合突条部10aが設けられてなる前記三角形板部6を下から上に向けて挿入させることができる。
【0023】
該上端開放収容溝部12と該下端開放収容溝部15の形成は、具体的には
図4~5に示すように、前記内方側の外面37の幅方向中央部位の左右両側で、同形の二等辺三角形板部39,39を、前記装飾パネル2の厚さ程度の間隔を置いて突設すると共に、該二等辺三角形板部39,39間の溝部40を、該二等辺三角形板部39,39の頂点部41,41を含む水平面部に上下仕切部42(
図5に一点鎖線で囲んで示す部分)を形成し、該上下仕切部42の上側の部分で前記上端開放収容溝部12を形成し、その下側の部分で前記下端開放収容溝部15を形成している。該上下仕切部42は、本実施例においては、前記頂点相互を連結する頂点部連結部42と、前記水平面部の長さ方向の中間部位において前記二等辺三角形板部39,39相互を連結する中間連結部43とによって構成されており、前記内方側の外面37と該中間連結部43との間、及び、該中間連結部43と該頂点連結部42との間は、降雨時の雨水排孔部45とされている。
【0024】
これによって、該上端開放収容溝部2と該下端開放収容溝部15は、共に、該縦方向F1と、これと直交する横方向F2に開放された状態にあり(
図5)、側面視直角三角形状を呈する。そして前記上下仕切部42の上面部46は前記三角形板部6の水平状態の下辺部47と当接でき、又、前記上下仕切部の下面部49は前記三角形板部6の水平状態の上辺部50と当接できる。
【0025】
かかる構成を有する該上端開放収容溝部12と該下端開放収容溝部15にあっては、前記内方側の外面37の前記幅方向中央部位が前記溝底面部16を形成し、前記二等辺三角形板部39,39の内面が、該溝底面部16の左右両側に連なる溝内側面部17(
図4、
図6)を形成している。
【0026】
又、該溝内側面部17,17に、前記溝底面部16と前記横方向に所要距離を置いて、前記第2の線状係合部21としてのガイド突条部51が前記縦方向で設けられており、該溝底面部16と該ガイド突条部51との間に縦ガイド溝部52が設けられている。そして、前記係合突条部10aを該縦ガイド溝部52に、その一端53からその他端55に向けて挿入させることによって前記三角形板部6を前記上端開放収容溝部12又は前記下端開放収容溝部15に収容させた状態で、該係合突条部10aと該ガイド突条部51との側面部19,20相互が当接状態に係合し、これによって、前記三角形板部6が前記横方向の開放端22(
図5)から抜け出す方向の移動が阻止され、装着された前記装飾パネル2aのガタツキを防止できる
【0027】
なお前記のように、前記係合突条部10aが、前記三角形板部6の三角形の各辺9a,9aの、長さ方向の両側部分9a1,9a2を除いた中間部分に突設されているため、前記縦ガイド溝部52に前記三角形板部6の縁部分56を挿入させる際、該挿入開始時には、前記係合突条部10aが存しない薄肉部分57から挿入させることになる。そして、その後に前記係合突条部10aが前記溝内側面部17(
図6(A))に圧接状態になるため、前記上端開放収容溝部12、前記下端開放収容溝部15に前記三角形板部10aを収容させる工程を容易に行うことができる。
【0028】
前記第1の保持部材3aは、前記端部の支柱5aの上端部分59を圧入状態に挿入させる下向きの有底接合角筒部60と、前記上の横架材25の端部分61を圧入状態に挿入させる、横向きの有底接合角筒部62とが直角に連結されると共に、両有底接合角筒部60,62の入隅部に、前記と同様構成の、側面視直角三角形状を呈する前記下端開放収容溝部が形成されている。なお本実施例においては、下向きの前記有底接合筒部60の上端面部64と前記支柱5aの上端部5a2とが、ビス挿通孔5a3を挿通するビス68で連結される。
【0029】
前記第2の保持部材3bは、
図14~16に示すように、前記端部の支柱5aを挿通させ得る角筒部63の内方側の外面37の上下中央部位に、前記下の横架材27の端部分65を圧入状態に挿入させる有底接合角筒部66が直角に連結されると共に、該角筒部65の上側部分と該有底接合角筒部66との入隅部に、前記と同様構成の、側面視直角三角形状を呈する前記上端開放収容溝部12が形成されている。なお該第2の保持部材3bは、該有底接合角筒部66の底面部67で前記端部の支柱5aにビス68で固定される。
【0030】
前記第3の保持部材3cは、前記上の横架材25を挿通させ得る角筒部69の下面側の外面の左右中央部位に、前記中間の支柱5bの上端部分70を圧入状態に挿入させる有底接合角筒部71が下向きに直角に連結されると共に、該角筒部63と該有底接合角筒部71との左右の入隅部に、前記と同様構成の、側面視直角三角形状を呈する前記上端開放収容溝部12が形成されている。なお該第2の保持部材3cは、該有底接合角筒部71の底面部72で前記上の横架材25にビス68で固定されている。
【0031】
前記第4の保持部材3dは、
図20~22に示すように、前記下の横架材27を挿通させ得る角筒部73の上面側の外面の左右中央部位に、前記中間の支柱5bの下端部分75を圧入状態に挿入させる有底接合角筒部76が上向きに直角に連結されると共に、該角筒部73と該有底接合角筒部76の左右の入隅部に、前記と同様構成の、側面視直角三角形状を呈する前記下端開放収容溝部12が形成されている。なお該第4の保持部材3cは、該有底接合角筒部76の底面部77で前記下の横架材27にビス固定されている。
【0032】
前記第5の保持部材3eは、
図4~8に基づいて前記説明した構成のものであり、前記上端開放収容溝部12と前記下端開放収容溝部15を構成する側面視二等辺三角形板部39,39を向き合う状態にして、前記角筒部34に前記端部の支柱5aを挿通させて使用され、該角筒部34は該支柱5aを上下方向で摺動できる。
【0033】
前記第6の保持部材3fは、
図23~25に示すように、前記第5の保持部材3eにおいて、前記上端開放収容溝部12と前記下端開放収容溝部15の組を、前記と同様構成の角筒部79の両側に設けた構成を有し、前記角筒部79に前記中間の支柱5bを挿通させて使用され、該角筒部79は前記中間の支柱5bを上下方向で摺動できる。
【0034】
前記のように、左右の前記装飾パネル配置区画部31,31の夫々に、前記装飾パネル2が上下左右の保持部材3を介して例えば5段に配置される。その要領を説明すれば、前記上の横架材25を取り外した状態で、各装飾パネル配置区画部31,31に1段目の装飾パネル2aを下方向に移動させ、その下端部分の両側に設けられている前記三角形板部6,6(
図2)を、前記端部の支柱5aの下端側に位置する前記第2の保持部材3bと前記中間の支柱3bの下端部分に位置する前記第4の保持部材3dが有する前記上端開放収容溝部12,12(
図16)に挿入させる。これによって、
図1に示すように、該三角形板部6,6の水平状態の下辺部47(
図1)が該上端開放収容溝部12の底面部80に当接すると共に、
図6に示すように、前記係合突条部10aと前記ガイド突条部51との側面部19,20相互が当接状態に係合し、前記三角形板部6,6が前記上端開放収容溝部12,12の前記横方向の開放端22,22(
図5)から抜け出す方向の移動が阻止される。これにより、前記三角形板部6、6が該上端開放収容溝部12,12に拘束状態となる。
【0035】
その後、前記第5の保持部材3eの角筒部34に前記端部の支柱5bを挿通状態にすると共に、前記第6の保持部材3fの角筒部79(
図25)に前記中間の支柱5bを挿通状態にし、該第5の保持部材3eと該第6の保持部材3fを下降させ、前記1段目の装飾パネル2aの上端部分の両側に設けられている前記三角形板部6,6を、該第5の保持部材3e及び該第6の保持部材3fの前記下端開放収容溝部15,15に、前記1段目の装飾パネル2aの上端部分の両側に設けられている前記三角形板部6,6を挿入させる。これによって、該三角形板部6,6の水平状態の上辺部50が前記上下仕切部42の下面部49(
図5)に当接すると共に、
図6に示すように、前記係合突条部10aと前記ガイド突条部51との側面部19,20相互が当接状態に係合し、前記三角形板部6、6が前記下端開放収容溝部15の前記横方向の開放端22,22から抜け出す方向の移動が阻止される。これにより、該三角形板部6、6が前記下端開放収容溝部15、15に拘束状態となる。
【0036】
その後、2段目の装飾パネル2bを下方向に移動させ、その下端部分の両側に設けられている前記三角形板部6,6を、前記1段目の装飾パネル2aの上端部分の両側に設けられている前記第5の保持部材3eと前記第6の保持部材3fの前記上端開放収容溝部12,12に挿入させる。これにより、該三角形板部6,6の水平状態の下辺部47が前記上下仕切部42の上面部46(
図5)に当接すると共に、
図6に示すように、前記係合突条部10aと前記ガイド突条部51の側面部19,20相互が当接状態に係合し、前記三角形板部6が前記上端開放収容溝部12の前記横方向の開放端22から抜け出す方向の移動が阻止される。これにより、該三角形板部6、6が前記上端開放収容溝部12、12に拘束状態となる。
【0037】
その後、前記1段目の装飾パネル2aにおける場合と同様にして、前記第5の保持部材の3eの角筒部34に前記端部の支柱5aを挿通状態にすると共に、前記第6の保持部材3fの角筒部79に前記中間の支柱5bを挿通状態にし、該第5の保持部材3eと該第6の保持部材3fを下降させ、該2段目の装飾パネル2bの上端部分の両側に設けられている前記三角形板部6,6を、該第5の保持部材3e及び該第6の保持部材3fの前記下端開放収容溝部15,15に、該2段目の装飾パネル2bの上端部分の両側に設けられている前記三角形板部6,6を挿入させる。
【0038】
これによって、前記1段目の装飾パネル2aにおける場合と同様にして、該三角形板部6,6の水平状態の上辺部50,50が前記上下仕切部42の上面部49に当接すると共に、前記係合突条部10aと前記ガイド突条部51との側面部19,20相互が当接状態に係合し、前記三角形板部6,6が前記下端開放収容溝部15,15の前記横方向の開放端22,22から抜け出す方向の移動が阻止される。これにより、該三角形板部6,6が前記下端開放収容溝部15,15に拘束状態となる。
【0039】
以下同様にして、前記3段目の装飾パネル2c、前記4段目の装飾パネル2d、前記5段目の装飾パネル2eを左右の前記装飾パネル配置区画部31,31に装着する。
【0040】
最後に、前記上の横架材25を取り付けるのであるが、該上の横架材25の左右部に前記第1の保持部材3a,3aを取り付けると共にその左右中央部位に前記第3の保持部材3cを取り付けておく。該第3の保持部材3cは、前記のように前記上の横架材25に固定することによって取り付け、該第1の保持部材3a,3aは、その横向きの前記有底接合角筒部62に該上の横架材25の端部分61を圧入状態に挿入させることによって取り付ける(
図11)。
【0041】
このように前記第1の保持部材3aと前記第3の保持部材3cが取り付けられた該上の横架材25を取り付けるには、
図13に示すように、左右の前記第1の保持部材3a,3aの前記有底接合角筒部60,60に、左右の前記端部の支柱5a,5aの上端部分59,59を挿入させ、且つ、中央の前記第3の保持部材3cの前記有底接合角筒部71に前記中間の支柱30の上端部分70を挿入させつつ、該第1の保持部材3d及び該第3の保持部材3cの前記下端開放収容溝部15,15に、前記5段目の装飾パネル2eの上端部分の両側に設けられている前記三角形板部6,6を挿入させ、これらの挿入を完了させる。この状態で、左右の前記端部の支柱5a,5aの上端部分59,59が前記有底接合角筒部60に圧入状態となり(
図11)、且つ、前記中間の支柱30の上端部分70が前記有底接合角筒部71に圧入状態となって(
図19)、左右の前記装飾パネル配置区画部31,31の夫々に、前記装飾パネル2が上下左右の保持部材3,3,3,3を介して5段に配置されてなる安定した一体構造の装飾パネル装置1が完成される。
【0042】
かかる構成を有する装飾パネル装置1は、前記のように、装飾パネル2の装着を簡易な挿入方式を基本として行うことができるため、素人であっても装置の組み立てを容易に行うことができる。本実施例においては、前記装飾パネル2の前記三角形板部6,6の表裏の面部に、表裏対称に前記係合突状部10aが設けられているため(
図10)、該装飾パネル2の前記三角形板部6,6を前記下端開放収容溝部15や前記上端開放収容溝部12に挿入させる際の方向性がない。
【0043】
しかも、装着された各装飾パネル2を、前記三角形板部6と前記下端開放収容溝部15との係合作用及び、前記三角形板部6と前記下端開放収容溝部15との係合作用によって前記装飾パネル配置区画部31に確実に装着でき、該装飾パネル2が外れる恐れがない。
【0044】
そして該装飾パネル装置1においては、左右の前記端部の支柱5a,5aの内側面81と前記装飾パネル2の縦方向の辺82との間、前記中間の支柱30の両側面83,83と前記装飾パネル2の左右の縦方向の辺84,84との間、前記下の横架材27の上の側面85と前記1段目の装飾パネルの下の辺86との間、前記上の横架材25の下の側面87と前記5段目の装飾パネル2eの上の辺89との間、上下隣り合う前記装飾パネル2,2の横方向の辺90,91との間にはほとんど隙間がなくされ、パネル装飾面の見た目の一体感が得られており、パネル装飾面の見栄えが向上されている。
【0045】
これは、上下に配置される前記装飾パネル2,2の辺9,9相互を当接した状態とし、且つ、前記装飾パネル2の辺9と前記支柱5の側面とを当接した状態とするように、前記装飾パネル2の四隅部分の直角を挟むに辺に、前記保持部材3の厚み部分T(例えば
図17)を逃す逃がし段部33(
図10)が設けられているからである。
【0046】
具体的には、前記逃がし段部33で、前記第1の保持部材3aの前記有底接合角筒部60の辺部の厚み部分T(
図13)と、前記有底接合角筒部62の辺部の厚み部分T(
図13)、前記第2の保持部材3bの前記角筒部65の厚み部分T(
図16)と、前記有底接合角筒部66の厚み部分T(
図16)、前記第3の保持部材3cの前記角筒部69の辺部の厚み部分T(
図19)と、前記有底接合角筒部71の辺部の厚み部分T(
図19)、前記第4の保持部材3dの前記角筒部73の辺部の厚み部分T(
図22)と、前記有底接合角筒部76の辺部の厚み部分T(
図22)、前記第5の保持部材3eの前記角筒部34の辺部の厚み部分T(
図24)と、前記上下仕切部42の1/2の厚み部分T(
図7)、前記第6の保持部材3fの前記角筒部79の辺部の厚み部分T(
図24)と、前記上下仕切部42の1/2の厚み部分T(
図24)の夫々を逃がすことができるからである。
【0047】
又本実施例においては、前記上端開放収容溝部12及び前記下端開放収容溝部15が
図1に示すように側面視三角形状を呈するため、これらによって、装着された装飾パネル2の、隠される面積が小さく、従って、装着されている装飾パネル2をできるだけ目立させることができてパネル装飾面の装飾効果を上げることができる。
【0048】
かかる構成の装飾パネル装置1は、例えば
図26に示すように、住宅の庭や建物の周り等に設置されて彩りを付与し得る。この設置方法の一は、左右両端に配置されている前記端部の支柱5a,5aの下端部分を地面に突き刺して設置する。例えば、該端部の支柱の全長が180cmであるときは、地中に30cm程度埋めた立設状態とする。或いは、建物の壁面に立てかけて使用することもできる等、各種の態様で使用できる。
【0049】
なお、該装飾パネル装置を屋外に設置する場合は、降雨時において、前記内方側の外面37と該中間連結部43との間、及び、該中間連結部43と該頂点部連結部42との間の雨水排出孔部45(
図7)を通して雨水を排出させることができる。
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
(1) 本発明に係る組立式装飾パネル装置1は、前記中間の支柱5bを複数本として、前記装飾パネル配置区画部31が3個以上に構成さることもある。又、これらの装飾パネル配置区画部31に装着される前記装飾パネル2の段数は、該装飾パネル配置区画部31の上下長さに応じて所要段数に設定される。前記支柱5は前記角柱状を呈するものの他、円柱状等を呈するものであってもよい。
(3) 前記装飾パネル2の装飾は、模様の形態や模様の大きさ、それに付す着色等の組み合わせによって多種多様に形成できる。又該装飾パネルは、孔のない平板状に構成されたパネルとして構成されることもある。
本発明に係る装飾パネル装置1は、かかる構成の装飾パネル2の一種のみを使用して、或いはその複数種類を適宜組み合わせ使用して構成できる。かかることから、多彩な意匠効果をもたらす装飾パネル装置1を構成できる。該装飾パネルとして、特に前記したような、開口からなる透かし模様が設けられてなるもの を用いるときは、該装飾パネル装置が屋外で使用されたときは、該透かし模様部分が風の抵抗を少なくする。
(4) 前記第1の線状係合部10は、前記実施例1で述べた連続した係合突条部1aとして構成されることの他、複数の突部を並設して構成されることもある。又前記第1の線状係合部は溝状に形成されることもあり、この場合は、前記第2の線状係合部21は該溝状の第1の線状係合部10に嵌り合う突条部として構成される。
(5) 本発明に係る装飾パネル装置1は、インテリアの用途に用いることもできる。この場合は、前記左右の端部の支柱の下端部分を、床面に設置した台座に立設されている筒体に挿入することによって、該床面に立設状態とすることができる。
(6) 前記実施例においては、前記上下仕切部42が前記雨水排出孔部45を有するものとして構成されているが、前記上下仕切部42が前記雨水排出孔部45を有さないものとして構成されることもある。例えば、孔を有さない板状に構成できる。