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特開2024-56842筋強直性ジストロフィープロテインキナーゼ(DMPK)の発現を調節するための化合物及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056842
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】筋強直性ジストロフィープロテインキナーゼ(DMPK)の発現を調節するための化合物及び方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/113 20100101AFI20240416BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240416BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20240416BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20240416BHJP
   C07H 21/04 20060101ALI20240416BHJP
   A61K 31/712 20060101ALI20240416BHJP
   A61K 31/7125 20060101ALI20240416BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
C12N15/113 Z ZNA
A61P43/00 111
A61K48/00
A61P21/00
C07H21/04 B
A61K31/712
A61K31/7125
A61K31/7088
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024019301
(22)【出願日】2024-02-13
(62)【分割の表示】P 2022029819の分割
【原出願日】2014-08-11
(31)【優先権主張番号】61/889,337
(32)【優先日】2013-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/864,439
(32)【優先日】2013-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595104323
【氏名又は名称】アイオーニス ファーマシューティカルズ, インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Ionis Pharmaceuticals,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163784
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 健志
(72)【発明者】
【氏名】パーンデー,サンジェイ・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】マクラウド,ロバート・エイ
(72)【発明者】
【氏名】スウェイジ,エリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】ベネット,シー・フランク
(57)【要約】      (修正有)
【課題】DMPKの発現を阻害するための、並びにDMPK関連疾患及び/またはその症状を処置する、予防する、遅延させるまたは改善させるための方法、化合物及び組成物を提供する。
【解決手段】本発明により、動物において、DMPKのmRNA及びタンパク質の発現を低減させる方法、化合物及び組成物が提供される。さらに、動物において、優先的にCUGexp DMPK RNAを低減させる、筋強直症を軽減させるまたはスプライセオパシーを低減させる方法、化合物及び組成物が提供される。これらの方法、化合物及び組成物は、1型筋緊張性ジストロフィーまたはその症状を処置する、予防する、遅延させ、または改善させるのに有用である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
10~30個の連結したヌクレオシドから成り、DMPK核酸の等しい長さの標的領域に対して相補的な少なくとも8個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む、化合物。
【請求項2】
修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドがcEt、LNA、α-L-LNA、ENA及び2’-チオLNAの中から選択される二環式糖を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
標的領域がDMPK核酸のエクソン9である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
相補的領域が、DMPK転写産物の等しい長さの標的領域に対して相補的な少なくとも10個の連続的な核酸塩基を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
相補的領域が、DMPK核酸の等しい長さの標的領域に対して相補的な少なくとも12個の連続的な核酸塩基を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
相補的領域が、DMPK核酸の等しい長さの標的領域に対して相補的な少なくとも14個の連続的な核酸塩基を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
相補的領域が、DMPK核酸の等しい長さの標的領域に対して相補的な少なくとも16個の連続的な核酸塩基を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
DMPK核酸がDMPKのmRNA前駆体である、請求項1から7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
DMPK核酸がDMPK mRNAである、請求項1から7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
DMPK核酸が、配列番号1及び配列番号2の中から選択される核酸塩基配列を有する、請求項1から9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号1または配列番号2の等しい長さの標的領域に対して相補的な少なくとも10個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する、請求項1から10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号1または配列番号2の等しい長さの標的領域に対して相補的な少なくとも12個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する、請求項1から10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号1または配列番号2の等しい長さの標的領域に対して相補的な少なくとも14個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する、請求項1から10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号1または配列番号2の等しい長さの標的領域に対して相補的な少なくとも16個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する、請求項1から10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
標的領域が配列番号1の核酸塩基1343から核酸塩基1368である、請求項1から
14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
標的領域が配列番号1の核酸塩基1317から核酸塩基1366である、請求項1から14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
標的領域が配列番号1の核酸塩基2748から核酸塩基2791である、請求項1から14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
標的領域が配列番号1の核酸塩基730から核酸塩基748である、請求項1から14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
標的領域が配列番号2の核酸塩基8603から核酸塩基8619である、請求項1から14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
標的領域が配列番号2の核酸塩基13836から核酸塩基13851である、請求項1から14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
標的領域が配列番号2の核酸塩基10201から核酸塩基10216である、請求項1から14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項22】
標的領域が配列番号2の核酸塩基10202から核酸塩基10218である、請求項1から14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
修飾オリゴヌクレオチドが、オリゴヌクレオチドの全長にわたって、標的領域に対して少なくとも80%相補的である核酸塩基配列を有する、請求項1から22のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項24】
修飾オリゴヌクレオチドが、オリゴヌクレオチドの全長にわたって、標的領域に対して少なくとも90%相補的である核酸塩基配列を有する、請求項1から22のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項25】
修飾オリゴヌクレオチドが、オリゴヌクレオチドの全長にわたって、標的領域に対して少なくとも100%相補的である核酸塩基配列を有する、請求項1から22のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項26】
配列番号23~874のいずれかに記載される配列の少なくとも8個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、請求項1から25のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項27】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号23~32に記載される配列の少なくとも10個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、請求項1から25のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項28】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号23~32に記載される配列の少なくとも12個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、請求項1から25のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項29】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号23~32に記載される配列の少なくとも14個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、請求項1から25のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項30】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号23~32に記載される配列の少なくとも16個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、請求項1から25のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項31】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号23に記載される配列から成る核酸塩基配列を有する、請求項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項32】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号25に記載される配列から成る核酸塩基配列を有する、請求項1から14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項33】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号26に記載される配列から成る核酸塩基配列を有する、請求項1から14のいずれか1項に記載の化合物
【請求項34】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号27に記載される配列から成る核酸塩基配列を有する、請求項1から14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項35】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号28に記載される配列から成る核酸塩基配列を有する、請求項1から14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項36】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号29に記載される配列から成る核酸塩基配列を有する、請求項1から14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項37】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号30に記載される配列から成る核酸塩基配列を有する、請求項1から14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項38】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号31に記載される配列から成る核酸塩基配列を有する、請求項1から14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項39】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号32に記載される配列から成る核酸塩基配列を有する、請求項1から14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項40】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号23、24、25、26、27、28、29、30、31または32に記載される配列を含む核酸塩基配列を有する、請求項1から14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項41】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号23、25、26、27、28、29、30、31または32に記載される配列を含む核酸塩基配列を有する、請求項1から14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項42】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号33~874のいずれかに記載される配列を含む核酸塩基配列を有する、請求項1から14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項43】
修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号1~19のいずれかに対して少なくとも90%相補的である、請求項1から42のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項44】
修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号1~19のいずれかに対して100%相補的である、請求項1から34のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項45】
修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成る、請求項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項46】
修飾オリゴヌクレオチドが17個の連結したヌクレオシドから成る、請求項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項47】
修飾オリゴヌクレオチドが18個の連結したヌクレオシドから成る、請求項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項48】
修飾オリゴヌクレオチドが19個の連結したヌクレオシドから成る、請求項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項49】
修飾オリゴヌクレオチドが20個の連結したヌクレオシドから成る、請求項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項50】
修飾オリゴヌクレオチドが一本鎖オリゴヌクレオチドである、請求項1から49のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項51】
少なくとも1つのヌクレオシドが修飾糖を含む、請求項1から50のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項52】
少なくとも2つのヌクレオシドが修飾糖を含む、請求項1から51のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項53】
修飾糖のそれぞれが同じ修飾を有する、請求項52に記載の化合物。
【請求項54】
少なくとも1つの修飾糖が異なる修飾を有する、請求項52に記載の化合物。
【請求項55】
少なくとも1つの修飾糖が二環式糖である、請求項51から54のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項56】
二環式糖がcEt、LNA、α-L-LNA、ENA及び2’-チオLNAの中から選択される、請求項55に記載の化合物。
【請求項57】
二環式糖がcEtを含む、請求項56に記載の化合物。
【請求項58】
二環式糖がLNAを含む、請求項56に記載の化合物。
【請求項59】
二環式糖がα-L-LNAを含む、請求項56に記載の化合物。
【請求項60】
二環式糖がENAを含む、請求項56に記載の化合物。
【請求項61】
二環式糖が2’-チオLNAを含む、請求項56に記載の化合物。
【請求項62】
少なくとも1つの修飾糖が2’-置換ヌクレオシドを含む、請求項1から61のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項63】
2’-置換ヌクレオシドが2’-OCH、2’-F及び2’-O-メトキシエチルの中から選択される、請求項62に記載の化合物。
【請求項64】
少なくとも1個の修飾糖が2’-O-メトキシエチルを含む、請求項1から63のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項65】
少なくとも1個のヌクレオシドが修飾核酸塩基を含む、請求項1から64のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項66】
修飾核酸塩基が5-メチルシトシンである、請求項65に記載の化合物。
【請求項67】
各シトシンが5-メチルシトシンである、請求項1から67のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項68】
修飾オリゴヌクレオチドが以下を含む、請求項1から67のいずれか1項に記載の化合物:
a.連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;
c.連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む。
【請求項69】
修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成る、請求項68に記載の化合物。
【請求項70】
修飾オリゴヌクレオチドが17個の連結したヌクレオシドから成る、請求項68に記載の化合物。
【請求項71】
修飾オリゴヌクレオチドが18個の連結したヌクレオシドから成る、請求項68に記載の化合物。
【請求項72】
修飾オリゴヌクレオチドが19個の連結したヌクレオシドから成る、請求項68に記載の化合物。
【請求項73】
修飾オリゴヌクレオチドが20個の連結したヌクレオシドから成る、請求項68に記載の化合物。
【請求項74】
5’ウイングセグメントが2個の連結したヌクレオシドから成る、請求項68から73のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項75】
5’ウイングセグメントが3個の連結したヌクレオシドから成る、請求項68から73のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項76】
5’ウイングセグメントが4個の連結したヌクレオシドから成る、請求項68から73のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項77】
5’ウイングセグメントが5個の連結したヌクレオシドから成る、請求項68から73のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項78】
5’ウイングセグメントが6個の連結したヌクレオシドから成る、請求項68から73のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項79】
3’ウイングセグメントが2個の連結したヌクレオシドから成る、請求項68から78のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項80】
3’ウイングセグメントが3個の連結したヌクレオシドから成る、請求項68から78のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項81】
3’ウイングセグメントが4個の連結したヌクレオシドから成る、請求項68から78のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項82】
3’ウイングセグメントが5個の連結したヌクレオシドから成る、請求項68から78のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項83】
3’ウイングセグメントが6個の連結したヌクレオシドから成る、請求項68から78のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項84】
ギャップセグメントが6個の連結したデオキシヌクレオシドから成る、請求項68から83のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項85】
ギャップセグメントが7個の連結したデオキシヌクレオシドから成る、請求項68から83のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項86】
ギャップセグメントが8個の連結したデオキシヌクレオシドから成る、請求項68から83のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項87】
ギャップセグメントが9個の連結したデオキシヌクレオシドから成る、請求項68から83のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項88】
ギャップセグメントが10個の連結したデオキシヌクレオシドから成る、請求項68から83のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項89】
修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、請求項1から31、33、37から45または51から88のいずれか1項に記載の化合物:
a.10個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.3個の連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;
c.3個の連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが二環式糖を含む。
【請求項90】
修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、請求項1から31、33、37から45または51から88のいずれか1項に記載の化合物:
a.8個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.4個の連結したヌクレオシドから成り、AABB5’ウイングモチーフを有する、5’ウイングセグメント;
c.4個の連結したヌクレオシドから成り、BBAA3’ウイングモチーフを有する、3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置する。
【請求項91】
修飾オリゴヌクレオチドが17個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、請求項1から30、34、35、46または50から88のいずれか1項に記載の化合物:
a.7個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.5個の連結したヌクレオシドから成り、AAABB5’ウイングモチーフを有する
、5’ウイングセグメント;
c.5個の連結したヌクレオシドから成り、BBAAA3’ウイングモチーフを有する、3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置する。
【請求項92】
修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、請求項1から31、33、37から45または51から88のいずれか1項に記載の化合物:
a.8個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.4個の連結したヌクレオシドから成り、E-E-K-K5’ウイングモチーフを有する、5’ウイングセグメント;
c.4個の連結したヌクレオシドから成り、K-K-E-E3’ウイングモチーフを有する、3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、各Eが2’-O-メトキシエチル糖を表し、各KがcEt糖を表す。
【請求項93】
修飾オリゴヌクレオチドが17個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、請求項1から30、34、35、46または50から88のいずれか1項に記載の化合物:
a.7個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.5個の連結したヌクレオシドから成り、E-E-E-K-K5’ウイングモチーフを有する、5’ウイングセグメント;
c.5個の連結したヌクレオシドから成り、K-K-E-E-E3’ウイングモチーフを有する、3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、各Eが2’-O-メトキシエチル糖を表し、各KがcEt糖を表す。
【請求項94】
修飾オリゴヌクレオチドが20個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、請求項1から30、32、33または49から88のいずれか1項に記載の化合物:
a.10個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.5個の連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;
c.5個の連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む。
【請求項95】
修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、請求項1から31、33、34、37から45または53から88のいずれか1項に記載の化合物:
a.10個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.3個の連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;
c.3個の連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドがcEt糖を含む。
【請求項96】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号1の核酸塩基1343と核酸塩基1368の中の標的領域に対して相補的な少なくとも8個の連続的な核酸塩基を含み、修飾オリゴヌクレオチドが以下を含む、請求項1から67のいずれか1項に記載の化合物:
a.連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;
c.連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む。
【請求項97】
5’ウイングセグメント中の各修飾糖が同じ修飾を有する、請求項96に記載の化合物。
【請求項98】
5’ウイングセグメント中の少なくとも2個の修飾糖が異なる修飾を有する、請求項96に記載の化合物。
【請求項99】
3’ウイングセグメント中の各修飾糖が同じ修飾を有する、請求項96から98のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項100】
3’ウイングセグメント中の少なくとも2個の修飾糖が異なる修飾を有する、請求項96から98のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項101】
少なくとも1個の修飾糖がcEt、LNA、α-L-LNA、ENA及び2’-チオLNAの中から選択される二環式糖である、請求項96に記載の化合物。
【請求項102】
各BがcEt、LNA、α-L-LNA、ENA及び2’-チオLNAの中から選択される二環式糖を表す、請求項90または91に記載の化合物。
【請求項103】
二環式糖がBNAを含む、請求項102に記載の化合物。
【請求項104】
二環式糖がcEtを含む、請求項102に記載の化合物。
【請求項105】
二環式糖がLNAを含む、請求項102に記載の化合物。
【請求項106】
二環式糖がα-L-LNAを含む、請求項102に記載の化合物。
【請求項107】
二環式糖がENAを含む、請求項102に記載の化合物。
【請求項108】
二環式糖が2’-チオLNAを含む、請求項102に記載の化合物。
【請求項109】
各Aが2’-置換ヌクレオシドを表し、2’-OCH、2’-F及び2’-O-メトキシエチルの中から選択される、請求項90または91に記載の化合物。
【請求項110】
2’-置換ヌクレオシドが2’-O-メトキシエチルを含む、請求項109に記載の化合物。
【請求項111】
少なくとも1個のヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である、請求項1から111のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項112】
各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、請求項1から111のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項113】
ISIS486178から成る化合物。
【請求項114】
ISIS512497から成る化合物。
【請求項115】
ISIS598768から成る化合物。
【請求項116】
ISIS594300から成る化合物。
【請求項117】
ISIS594292から成る化合物。
【請求項118】
ISIS569473から成る化合物。
【請求項119】
ISIS598769から成る化合物。
【請求項120】
ISIS570808から成る化合物。
【請求項121】
ISIS598777から成る化合物。
【請求項122】
修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、配列番号23に記載の核酸塩基配列を有する化合物:
a.10個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.3個の連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;
c.3個の連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置する;
e.ここでは、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが二環式糖を含む;
f.ここでは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である;及び
g.ここでは、各シトシン残基が5-メチルシトシンである。
【請求項123】
修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、配列番号29に記載の核酸塩基配列を有する化合物:
a.10個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.3個の連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;
c.3個の連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置する;
e.ここでは、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが二環式糖を含む;
f.ここでは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である;及び
g.ここでは、各シトシン残基が5-メチルシトシンである。
【請求項124】
修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、配列番号31に記載の核酸塩基配列を有する化合物:
a.10個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.3個の連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;
c.3個の連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置する;
e.ここでは、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが二環式糖を含む;
f.ここでは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である;及び
g.ここでは、各シトシン残基が5-メチルシトシンである。
【請求項125】
修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、配列番号26に記載の核酸塩基配列を有する化合物:
a.8個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.4個の連結したヌクレオシドから成り、E-E-K-K5’ウイングモチーフを有する、5’ウイングセグメント;
c.4個の連結したヌクレオシドから成り、K-K-E-E3’ウイングモチーフを有する、3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置する;
e.ここでは、各Eが2’-O-メトキシエチル糖を表し、各KがcEt糖を表す;
f.ここでは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である;及び
g.ここでは、各シトシン残基が5-メチルシトシンである。
【請求項126】
修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、配列番号30に記載の核酸塩基配列を有する化合物:
a.8個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.4個の連結したヌクレオシドから成り、E-E-K-K5’ウイングモチーフを有する、5’ウイングセグメント;
c.4個の連結したヌクレオシドから成り、K-K-E-E3’ウイングモチーフを有する、3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置する;
e.ここでは、各Eが2’-O-メトキシエチル糖を表し、各KがcEt糖を表す;
f.ここでは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である;及び
g.ここでは、各シトシン残基が5-メチルシトシンである。
【請求項127】
修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、配列番号32に記載の核酸塩基配列を有する化合物:
a.8個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.4個の連結したヌクレオシドから成り、E-E-K-K5’ウイングモチーフを有する、5’ウイングセグメント;
c.4個の連結したヌクレオシドから成り、K-K-E-E3’ウイングモチーフを有する、3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置する;
e.ここでは、各Eが2’-O-メトキシエチル糖を表し、各KがcEt糖を表す;
f.ここでは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である;及び
g.ここでは、各シトシン残基が5-メチルシトシンである。
【請求項128】
修飾オリゴヌクレオチドが17個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、配列番号27に記載の核酸塩基配列を有する化合物:
a.7個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.5個の連結したヌクレオシドから成り、E-E-E-K-K5’ウイングモチーフを有する、5’ウイングセグメント;
c.5個の連結したヌクレオシドから成り、K-K-E-E-E3’ウイングモチーフ
を有する、3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置する;
e.ここでは、各Eが2’-O-メトキシエチル糖を表し、各KがcEt糖を表す;
f.ここでは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である;及び
g.ここでは、各シトシン残基が5-メチルシトシンである。
【請求項129】
修飾オリゴヌクレオチドが17個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、配列番号28に記載の核酸塩基配列を有する化合物:
a.7個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.5個の連結したヌクレオシドから成り、E-E-E-K-K5’ウイングモチーフを有する、5’ウイングセグメント;
c.5個の連結したヌクレオシドから成り、K-K-E-E-E3’ウイングモチーフを有する、3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置する;
e.ここでは、各Eが2’-O-メトキシエチル糖を表し、各KがcEt糖を表す;
f.ここでは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である;及び
g.ここでは、各シトシン残基が5-メチルシトシンである。
【請求項130】
修飾オリゴヌクレオチドが20個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、配列番号25に記載の核酸塩基配列を有する化合物:
a.10個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.5個の連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;
c.5個の連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置する;
e.ここでは、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む;
f.ここでは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である;及び
g.ここでは、各シトシン残基が5-メチルシトシンである。
【請求項131】
共役を含む、請求項1から130のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項132】
請求項1から131のいずれか1項に記載の化合物及び医薬的に許容可能な担体または希釈剤を含む組成物。
【請求項133】
請求項1から131のいずれか1項に記載の化合物または請求項132に記載の組成物を、それを必要とする動物に投与することを含む、動物におけるDM1の処置方法。
【請求項134】
化合物がDMPK mRNAのレベルを低減させる、請求項133に記載の方法。
【請求項135】
化合物がDMPKタンパク質の発現を低減させる、請求項133に記載の方法。
【請求項136】
化合物がCUGexp DMPKを低減させる、請求項133に記載の方法。
【請求項137】
化合物が優先的にCUGexp DMPKを低減させる、請求項133に記載の方法。
【請求項138】
化合物がCUGexp DMPK mRNAを低減させる、請求項133に記載の方法。
【請求項139】
化合物が優先的にCUGexp DMPK mRNAを低減させる、請求項133に記載の方法。
【請求項140】
CUGexpの優先的な低減が筋組織においてである、請求項138または139に記載の方法。
【請求項141】
請求項1から131のいずれか1項に記載の化合物または請求項132に記載の組成物を、それを必要とする動物に投与することを含む、動物における筋強直症の軽減方法。
【請求項142】
請求項1から131のいずれか1項に記載の化合物または請求項132に記載の組成物を、それを必要とする動物に投与することを含む、動物におけるMBLN依存的スプライセオパシーの低減方法。
【請求項143】
Serca1、m-Titin、Clcn1及びZaspのいずれかのスプライシングが矯正される、請求項142に記載の方法。
【請求項144】
投与が全身投与である、請求項133から143のいずれか1項に記載の方法。
【請求項145】
投与が非経口投与である、請求項133から143のいずれか1項に記載の方法。
【請求項146】
全身投与が、皮下投与、静脈内投与、脳室内投与及び髄腔内投与のいずれかである、請求項144に記載の方法。
【請求項147】
投与が筋肉内投与でない、請求項133から143のいずれか1項に記載の方法。
【請求項148】
動物がヒトである、請求項133から143のいずれか1項に記載の方法。
【請求項149】
請求項1から131のいずれか1項に記載の化合物または請求項132に記載の組成物を投与し、それによって、Serca1のエクソン22の包含を引き起こすことによる、それを必要とする動物におけるSerca1のスプライセオパシーの低減方法。
【請求項150】
請求項1から131のいずれか1項に記載の化合物または請求項132に記載の組成物を投与し、それによって、m-Titinのエクソン5の包含を引き起こすことによって、それを必要とする動物におけるm-Titinのスプライセオパシーの低減方法。
【請求項151】
請求項1から131のいずれか1項に記載の化合物または請求項132に記載の組成物を投与し、それによって、Clcn1のエクソン7aの包含を引き起こすことによる、それを必要とする動物におけるClcn1のスプライセオパシーの低減方法。
【請求項152】
請求項1から131のいずれか1項に記載の化合物または請求項132に記載の組成物を投与し、それによって、Zaspのエクソン11の包含を引き起こすことによる、それを必要とする動物におけるZaspのスプライセオパシーの低減方法。
【請求項153】
細胞を請求項1から131のいずれか1項に記載の化合物または請求項132に記載の組成物と接触させることを含む、細胞のDMPK mRNAの低減方法。
【請求項154】
細胞を請求項1から131のいずれか1項に記載の化合物または請求項132に記載の組成物と接触させることを含む、細胞のDMPKタンパク質の低減方法。
【請求項155】
細胞を請求項1から131のいずれか1項に記載の化合物または請求項132に記載の組成物と接触させることを含む、細胞のCUGexp mRNAの低減方法。
【請求項156】
細胞が動物中に存在する、請求項153から155のいずれか1項に記載の方法。
【請求項157】
動物がヒトである、請求項156に記載の方法。
【請求項158】
CUGexp DMPK RNAの優先的な低減の達成方法であって、
a.1型筋緊張性ジストロフィーを有する、またはCUGexp DMPK RNAを有する対象を選択すること、及び
b.前記対象に請求項1から131のいずれか1項に記載の化合物または請求項132に記載の組成物を投与すること
を含み、
請求項1から131のいずれか1項に記載の前記化合物または請求項132に記載の組成物が、前記CUGexp DMPK RNAに結合した場合に、リボヌクレアーゼを活性化し、それによって、前記CUGexp DMPK RNAの優先的な低減を達成する、前記方法。
【請求項159】
CUGexp DMPK RNAの優先的な低減の達成方法であって、
a.1型筋緊張性ジストロフィーを有する、またはCUGexp DMPK RNAを有する対象を選択すること、及び
b.前記対象に全身請求項1から131のいずれか1項に記載の化合物または請求項132に記載の組成物を投与すること
を含み、
前記化学修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが、前記CUGexp DMPK RNAに結合した場合に、前記CUGexp DMPK RNAの優先的な低減を達成する、前記方法。
【請求項160】
1型筋緊張性ジストロフィーを有すること、または核内に保持されるCUGexp DMPK RNAを有することが疑われる対象における、スプライセオパシーの低減方法であって、
請求項1から131のいずれか1項に記載の化合物または請求項132に記載の組成物を前記対象に投与すること
を含み、
請求項1から131のいずれか1項に記載の化合物または請求項132に記載の組成物が、前記変異型DMPK RNAに結合した場合に、リボヌクレアーゼを活性化し、それによって、スプライセオパシーを低減させる、前記方法。
【請求項161】
動物における、優先的なCUGexp DMPK RNAの低減、筋強直症の軽減またはスプライセオパシーの低減方法であって、請求項1から131のいずれか1項に記載の化合物または請求項132に記載の医薬組成物を前記動物に投与することを含み、前記動物において、前記化合物がDMPKの発現を低減させ、それによって、前記動物において、優先的にCUGexp DMPK RNAを低減させる、筋強直症を軽減させるまたはスプライセオパシーを低減させる、前記方法。
【請求項162】
1型筋緊張性ジストロフィーを有する動物の処置方法であって、
1型筋緊張性ジストロフィーを有する前記動物を特定すること、
治療有効量の、請求項1から131のいずれか1項に記載の化合物または請求項13 2に記載の医薬組成物を前記動物に投与すること
を含み、
1型筋緊張性ジストロフィーを有する前記動物が処置される、前記方法。
【請求項163】
請求項1から131のいずれか1項に記載の化合物または請求項132に記載の医薬組成物を動物に投与することを含み、DMPKの発現が低減される、DMPKの発現の低減方法。
【請求項164】
動物においてDM1を処置するのに使用するための、請求項1から131のいずれか1項に記載の化合物または請求項132に記載の医薬組成物。
【請求項165】
動物において筋強直症を軽減させるのに使用するための、請求項1から131のいずれか1項に記載の化合物または請求項132に記載の医薬組成物。
【請求項166】
動物においてMBLN依存的スプライセオパシーを低減させるのに使用するための、請求項1から131のいずれか1項に記載の化合物または請求項132に記載の医薬組成物。
【請求項167】
1型筋緊張性ジストロフィーまたはその症状を処置するための医薬を調製するための、請求項1から131のいずれか1項に記載の化合物または請求項132に記載の医薬組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表
本出願は、電子フォーマットの配列表と共に出願されている。配列表は、約276Kbのサイズである、2014年8月1日に作成されたBIOL0171WOSEQ_ST25.txtと題するファイルとして提供される。電子フォーマットの配列表中の情報は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
動物において、DMPKのmRNA及びタンパク質の発現を低減させる方法、化合物及び組成物が、本明細書で提供される。さらに、動物において、優先的にCUGexp DMPK RNAを低減させる、筋強直症を軽減させるまたはスプライセオパシーを低減させるためのDMPKインヒビターを含む方法、化合物及び組成物が、本明細書で提供される。そうした方法、化合物及び組成物は、例えば、動物において、1型筋緊張性ジストロフィー(DM1)を処置する、予防する、または改善させるのに有用である。
【背景技術】
【0003】
筋緊張性ジストロフィー1型(DM1)は、成人における筋ジストロフィーの最も一般的な形態であり、7,500人に1人の頻度と推定される(Harper PS.,Myotonic Dystrophy.London:W.B.Saunders Company;2001)。DM1は、DMPK1中の非コードのCTGリピートの伸長に引き起こされる常染色体優性障害である。DMPK1は、サイトゾル型セリン/スレオニンキナーゼをコードする遺伝子である(Brook JD,et al.,Cell.,1992,68(4):799-808)。このキナーゼの生理的機能及び基質は、十分に解明されていない。伸長CTGリピートは、DMPK1の3’非翻訳領域(UTR)に位置する。この変異は、RNA占有、すなわち伸長CUGリピート(CUGexp)含有RNAの発現が細胞機能障害を誘導する過程につながる(Osborne RJ and Thornton CA.,Human Molecular Genetics.,2006,15(2):R162-R169)。
【0004】
DMPK遺伝子は、通常、3’非翻訳領域に5~37個のCTGリピートを有する。筋緊張性ジストロフィーI型では、この数は著しく拡大しており、例えば、50~3,500を越える範囲である(Harper,Myotonic Dystrophy(Saunders,London,ed.3,2001);Annu.Rev.Neurosci.29:259,2006;EMBO J.19:4439,2000;Curr Opin Neurol.20:572,2007)。
【0005】
CUGexp域は、muscleblind様(MBNL)タンパク質、スプライシング因子を含めたRNA結合タンパク質と相互作用し、変異転写産物を核内フォーカスに保持させる。このRNAの毒性は、RNA結合タンパク質の隔離及びシグナル伝達経路の活性化に起因する。動物モデルでの研究によって、CUGexp RNAの毒性が低減されると、DM1の表現型が回復し得ることが示された(Wheeler TM,et al.,Science.,2009,325(5938):336-339;Mulders SA,et al.,Proc Natl Acad Sci USA.,2009,106(33):13915-13920)。
【0006】
DM1では、骨格筋が最も激しく影響を受ける組織であるが、この疾患は、心臓及び平滑筋、眼球レンズ及び脳にも重大な影響を与える。頭蓋筋、四肢遠位筋及び横隔膜筋は、
優先的に影響を受ける。手先の器用さは早期に損なわれ、これが、数十年の重篤な能力障害を引き起こす。死亡時の年齢中央値は55歳であり、通常は呼吸不全による(de Die-Smulders CE,et al.,Brain.,1998,121(Pt8):1557-1563)。
【0007】
アンチセンス技術は、ある種の遺伝子産物の発現を調節するための有効な手段として明らかになりつつあり、したがって、DMPK1を調節するための、いくつかの治療的、診断的、及び研究的適用に比類なく有用であることが判明する可能性がある。CAGリピートを用いてターゲティングする完全修飾オリゴヌクレオチドの筋肉内注射は、マウスにおいて、CUGexp-MBNL1複合体の形成をブロックし、CUGexp転写産物の核内フォーカスを分散させ、CUGexp転写産物の核細胞質間輸送及び翻訳を増強し、MBNLタンパク質を核質に放出し、MBNL依存的エクソンの選択的スプライシングを正常化し、CUGexp発現トランスジェニックマウスの筋強直症を排除することが示された(Wheeler TM,et al.,Science.,2009,325(5938):336-339;WO2008/036406)。
【0008】
現在、DM1の経過を変更することができる処置はない。したがって、疾患の苦しみは著しい。したがって、DM1を処置するための化合物、組成物及び方法を提供することが、本明細書の一目的である。
【0009】
概要
DMPKの発現を阻害するための並びにDMPK関連疾患及び/またはその症状を処置する、予防する、遅延させるまたは改善させるための方法、化合物及び組成物が、本明細書で提供される。ある種の実施形態では、本明細書に開示される化合物及び組成物は、変異型DMPKまたはCUGexp DMPKを阻害する。
【0010】
ある種の実施形態は、動物においてDMPKの発現を低減させる方法であって、DMPKを標的とする、さらに本明細書に記載される修飾オリゴヌクレオチドを含有する化合物を動物に投与することを含む方法を提供する。
【0011】
ある種の実施形態は、動物において、野生型DMPKと比較して、優先的にCUGexp DMPKを低減させる、筋強直症を軽減させるまたはスプライセオパシーを低減させる方法であって、さらに本明細書に記載される、CUGexp DMPKを標的とする修飾オリゴヌクレオチドを含有する化合物を動物に投与することを含む方法を提供する。場合によっては、CUGexp DMPK転写産物は、その核内での長い滞留時間が理由で、核内リボヌクレアーゼ(RNase Hなど)を介するアンチセンスノックダウンに特に感受性であると考えられており、この感受性は、アンチセンスオリゴヌクレオチドの組織取り込みに対する生体内分布バリアにもかかわらず、筋肉などの関連する組織において、CUGexp DMPK転写産物の有効なアンチセンス阻害を可能にすると考えられている。例えば、Wheeler TM,et al.,Science.,2009,325(5938):336-339及びWO2008/036406に記載されているCAGリピートのASOのような、核内リボヌクレアーゼを介する切断を惹起しないアンチセンスメカニズムは、同じ治療的利点を提供しない。
【0012】
ある種の実施形態は、1型筋緊張性ジストロフィーを有する動物を処置する方法を提供する。ある種の実施形態では、方法は、さらに本明細書に記載される、DMPKを標的とする修飾オリゴヌクレオチドを含む、治療有効量の化合物を動物に投与することを含む。ある種の実施形態では、方法は、1型筋緊張性ジストロフィーを有する動物を特定することを含む。
【0013】
ある種の実施形態は、筋硬直、筋強直症、障害性遠位衰弱、顔面及び顎の筋肉の衰弱、嚥下困難、眼瞼の垂れ下がり(眼瞼下垂)、頚筋の衰弱、腕及び脚の筋肉の衰弱、持続的筋肉痛、過眠、筋消耗、嚥下障害、呼吸不全、不規則心拍、心筋損傷、感情鈍麻、インスリン抵抗性並びに白内障を含めた、DM1の発生と関係がある症状及び転帰を処置する、予防する、遅延させるまたは改善させる方法を提供する。ある種の実施形態は、発達遅延、学習問題、言語及び発語の問題並びに人格形成問題を含めた、小児においてDM1の発生と関係がある症状及び転帰を処置する、予防する、遅延させるまたは改善させる方法を提供する。
【0014】
ある種の実施形態は、病原性のある転写産物の切断を導くことによってRNA占有を妨げるために、アンチセンスオリゴヌクレオチドを投与する方法を提供する。
【0015】
ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号NM_001081560.1に記載の配列(配列番号1として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、ヌクレオチド18540696から18555106までトランケートされたGenBank受託番号NT_011109.15に記載の配列(配列番号2として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、ヌクレオチド16666001から16681000までトランケートされたGenBank受託番号NT_039413.7に記載の配列(配列番号3として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号NM_032418.1に記載の配列(配列番号4として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号AI007148.1に記載の配列(配列番号5として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号AI304033.1に記載の配列(配列番号6として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号BC024150.1に記載の配列(配列番号7として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号BC056615.1に記載の配列(配列番号8として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号BC075715.1に記載の配列(配列番号9として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号BU519245.1に記載の配列(配列番号10として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号CB247909.1に記載の配列(配列番号11として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号CX208906.1に記載の配列(配列番号12として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号CX732022.1に記載の配列(配列番号13として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号S60315.1に記載の配列(配列番号14として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号S60316.1に記載の配列(配列番号15として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号NM_001081562.1に記載の配列(配列番号16として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号NM_001100.3に記載の配列(配列番号17として本明細書に組み込まれる)を有する。
【0016】
本開示は、以下の非限定な番号付けされた実施形態を提供する。
【0017】
実施形態1.10~30個の連結したヌクレオシドから成り、DMPK核酸の等しい長さの標的領域に相補的な少なくとも8個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む、化合物。
【0018】
実施形態2.修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシドがcEt、LNA、α-L-LNA、ENA及び2’-チオLNAの中から選択される二環式糖を含む、実施形態1に記載の化合物。
【0019】
実施形態3.標的領域がDMPK核酸のエクソン9である、実施形態1または2に記載の化合物。
【0020】
実施形態4.相補的領域が、DMPK転写産物の等しい長さの標的領域に相補的な少なくとも10個の連続的な核酸塩基を含む、実施形態1から3のいずれか1つに記載の化合物。
【0021】
実施形態5.相補的領域が、DMPK核酸の等しい長さの標的領域に相補的な少なくとも12個の連続的な核酸塩基を含む、実施形態1から3のいずれか1つに記載の化合物。
【0022】
実施形態6.相補的領域が、DMPK核酸の等しい長さの標的領域に相補的な少なくとも14個の連続的な核酸塩基を含む、実施形態1から3のいずれか1つに記載の化合物。
【0023】
実施形態7.相補的領域が、DMPK核酸の等しい長さの標的領域に相補的な少なくとも16個の連続的な核酸塩基を含む、実施形態1から3のいずれか1つに記載の化合物。
【0024】
実施形態8.DMPK核酸がDMPKのmRNA前駆体である、実施形態1から7のいずれか1つに記載の化合物。
【0025】
実施形態9.DMPK核酸がDMPK mRNAである、実施形態1から7のいずれか1つに記載の化合物。
【0026】
実施形態10.DMPK核酸が、配列番号1及び配列番号2の中から選択される核酸塩基配列を有する、実施形態1から9のいずれか1つに記載の化合物。
【0027】
実施形態11.修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号1または配列番号2の等しい長さの標的領域に相補的な少なくとも10個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する、実施形態1から10のいずれか1つに記載の化合物。
【0028】
実施形態12.修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号1または配列番号2の等しい長さの標的領域に相補的な少なくとも12個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する、実施形態1から10のいずれか1つに化合物。
【0029】
実施形態13.修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号1または配列番号2の等しい長さの標的領域に相補的な少なくとも14個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する、実施形態1から10のいずれか1つに化合物。
【0030】
実施形態14.修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号1または配列番号2の等しい長さの標的領域に相補的な少なくとも16個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する、実施形態1から10のいずれか1つに化合物。
【0031】
実施形態15.標的領域が配列番号1の核酸塩基1343から核酸塩基1368である、実施形態1から14のいずれか1つに記載の化合物。
【0032】
実施形態16.標的領域が配列番号1の核酸塩基1317から核酸塩基1366である
、実施形態1から14のいずれか1つに記載の化合物。
【0033】
実施形態17.標的領域が配列番号1の核酸塩基2748から核酸塩基2791である、実施形態1から14のいずれか1つに記載の化合物。
【0034】
実施形態18.標的領域が配列番号1の核酸塩基730から核酸塩基748である、実施形態1から14のいずれか1つに記載の化合物。
【0035】
実施形態19.標的領域が配列番号2の核酸塩基10195から核酸塩基10294である、実施形態1から14のいずれか1つに記載の化合物。
【0036】
実施形態20.標的領域が配列番号2の核酸塩基10195から核酸塩基10294である、実施形態1から14のいずれか1つに記載の化合物。
【0037】
実施形態21.標的領域が配列番号2の核酸塩基10201から核酸塩基10216である、実施形態1から14のいずれか1つに記載の化合物。
【0038】
実施形態22.標的領域が配列番号2の核酸塩基10202から核酸塩基10218である、実施形態1から14のいずれか1つに記載の化合物。
【0039】
実施形態23.修飾オリゴヌクレオチドが、オリゴヌクレオチドの全長にわたって、標的領域に対して少なくとも80%相補的である核酸塩基配列を有する、実施形態1から22のいずれか1つに記載の化合物。
【0040】
実施形態24.修飾オリゴヌクレオチドが、オリゴヌクレオチドの全長にわたって、標的領域に対して少なくとも90%相補的である核酸塩基配列を有する、実施形態1から22のいずれか1つに記載の化合物。
【0041】
実施形態25.修飾オリゴヌクレオチドが、オリゴヌクレオチドの全長にわたって、標的領域に対して少なくとも100%相補的である核酸塩基配列を有する、実施形態1から22のいずれか1つに記載の化合物。
【0042】
実施形態26.配列番号23~874のいずれかに記載される配列の少なくとも8個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、実施形態1から25のいずれかに記載の化合物。
【0043】
実施形態27.修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号23~32に記載される配列の少なくとも10個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、実施形態1から25のいずれか1つに記載の化合物。
【0044】
実施形態28.修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号23~32に記載される配列の少なくとも12個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、実施形態1から25のいずれか1つに記載の化合物。
【0045】
実施形態29.修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号23~32に記載される配列の少なくとも14個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、実施形態1から25のいずれか1つに記載の化合物。
【0046】
実施形態30.修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号23~32に記載される配列の少なくとも16個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、実施形態1から25の
いずれか1つに記載の化合物。
【0047】
実施形態31.修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号23に記載される配列から成る核酸塩基配列を有する、実施形態1から30のいずれか1つに記載の化合物。
【0048】
実施形態32.修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号25に記載される配列から成る核酸塩基配列を有する、実施形態1から14のいずれか1つに記載の化合物。
【0049】
実施形態33.修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号26に記載される配列から成る核酸塩基配列を有する、実施形態1から14のいずれか1つに記載の化合物。
【0050】
実施形態34.修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号27に記載される配列から成る核酸塩基配列を有する、実施形態1から14のいずれか1つに記載の化合物。
【0051】
実施形態35.修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号28に記載される配列から成る核酸塩基配列を有する、実施形態1から14のいずれか1つに記載の化合物。
【0052】
実施形態36.修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号29に記載される配列から成る核酸塩基配列を有する、実施形態1から14のいずれか1つに記載の化合物。
【0053】
実施形態37.修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号30に記載される配列から成る核酸塩基配列を有する、実施形態1から14のいずれか1つに記載の化合物。
【0054】
実施形態38.修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号31に記載される配列から成る核酸塩基配列を有する、実施形態1から14のいずれか1つに記載の化合物。
【0055】
実施形態39.修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号32に記載される配列から成る核酸塩基配列を有する、実施形態1から14のいずれか1つに記載の化合物。
【0056】
実施形態40.修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号23、24、25、26、27、28、29、30、31または32に記載される配列を含む核酸塩基配列を有する、実施形態1から14のいずれか1つに記載の化合物。
【0057】
実施形態41.修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号23、25、26、27、28、29、30、31または32に記載される配列を含む核酸塩基配列を有する、実施形態1から14のいずれか1つに記載の化合物。
【0058】
実施形態42.修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号33~874に記載される配列を含む核酸塩基配列を有する、実施形態1から14のいずれか1つに記載の化合物。
【0059】
実施形態43.修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が配列番号1~19に対して少なくとも90%相補的である、実施形態1から42のいずれか1つに記載の化合物。
【0060】
実施形態44.修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が配列番号1~19に対して100%相補的である、実施形態1から34のいずれか1つに記載の化合物。
【0061】
実施形態45.修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成る、実施形態1から30のいずれか1つに記載の化合物。
【0062】
実施形態46.修飾オリゴヌクレオチドが17個の連結したヌクレオシドから成る、実
施形態1から30のいずれか1つに記載の化合物。
【0063】
実施形態47.修飾オリゴヌクレオチドが18個の連結したヌクレオシドから成る、実施形態1から30のいずれか1つに記載の化合物。
【0064】
実施形態48.修飾オリゴヌクレオチドが19個の連結したヌクレオシドから成る、実施形態1から30のいずれか1つに記載の化合物。
【0065】
実施形態49.修飾オリゴヌクレオチドが20個の連結したヌクレオシドから成る、実施形態1から30のいずれか1つに記載の化合物。
【0066】
実施形態50.修飾オリゴヌクレオチドが一本鎖オリゴヌクレオチドである、実施形態1から49のいずれか1つに記載の化合物。
【0067】
実施形態51.少なくとも1個のヌクレオシドが修飾糖を含む、実施形態1から50のいずれか1つに記載の化合物。
【0068】
実施形態52.少なくとも2個のヌクレオシドが修飾糖を含む、実施形態1から51のいずれか1つに記載の化合物。
【0069】
実施形態53.修飾糖のそれぞれが同じ修飾を有する、実施形態52に記載の化合物。
【0070】
実施形態54.少なくとも1つの修飾糖が異なる修飾を有する、実施形態52に記載の化合物。
【0071】
実施形態55.少なくとも1個の修飾糖が二環式糖である、実施形態51から54のいずれか1つに記載の化合物。
【0072】
実施形態56.二環式糖がcEt、LNA、α-L-LNA、ENA及び2’-チオLNAの中から選択される、実施形態55に記載の化合物。
【0073】
実施形態57.二環式糖がcEtを含む、実施形態56に記載の化合物。
【0074】
実施形態58.二環式糖がLNAを含む、実施形態56に記載の化合物。
【0075】
実施形態59.二環式糖がα-L-LNAを含む、実施形態56に記載の化合物。
【0076】
実施形態60.二環式糖がENAを含む、実施形態56に記載の化合物。
【0077】
実施形態61.二環式糖が2’-チオLNAを含む、実施形態56に記載の化合物。
【0078】
実施形態62.少なくとも1つの修飾糖が2’-置換ヌクレオシドを含む、実施形態1から61のいずれか1つに記載の化合物。
【0079】
実施形態63.2’-置換ヌクレオシドが2’-OCH、2’-F及び2’-O-メトキシエチルの中から選択される、実施形態62に記載の化合物。
【0080】
実施形態64.少なくとも1個の修飾糖が2’-O-メトキシエチルを含む、実施形態1から63のいずれか1つに記載の化合物。
【0081】
実施形態65.少なくとも1個のヌクレオシドが修飾核酸塩基を含む、実施形態1から64のいずれか1つに記載の化合物。
【0082】
実施形態66.修飾核酸塩基が5-メチルシトシンである、実施形態65に記載の化合物。
【0083】
実施形態67.各シトシンが5-メチルシトシンである、実施形態1から67のいずれか1つに記載の化合物。
【0084】
実施形態68.修飾オリゴヌクレオチドが以下を含む、実施形態1から67のいずれか1つに記載の化合物:
a.連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;
c.連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む。
【0085】
実施形態69.修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成る、実施形態68に記載の化合物。
【0086】
実施形態70.修飾オリゴヌクレオチドが17個の連結したヌクレオシドから成る、実施形態68に記載の化合物。
【0087】
実施形態71.修飾オリゴヌクレオチドが18個の連結したヌクレオシドから成る、実施形態68に記載の化合物。
【0088】
実施形態72.修飾オリゴヌクレオチドが19個の連結したヌクレオシドから成る、実施形態68に記載の化合物。
【0089】
実施形態73.修飾オリゴヌクレオチドが20個の連結したヌクレオシドから成る、実施形態68に記載の化合物。
【0090】
実施形態74.5’ウイングセグメントが2個の連結したヌクレオシドから成る、実施形態68から73のいずれか1つに記載の化合物。
【0091】
実施形態75.5’ウイングセグメントが3個の連結したヌクレオシドから成る、実施形態68から73のいずれか1つに記載の化合物。
【0092】
実施形態76.5’ウイングセグメントが4個の連結したヌクレオシドから成る、実施形態68から73のいずれか1つに記載の化合物。
【0093】
実施形態77.5’ウイングセグメントが5個の連結したヌクレオシドから成る、実施形態68から73のいずれか1つに記載の化合物。
【0094】
実施形態78.5’ウイングセグメントが6個の連結したヌクレオシドから成る、実施形態68から73のいずれか1つに記載の化合物。
【0095】
実施形態79.3’ウイングセグメントが2個の連結したヌクレオシドから成る、実施形態68から78のいずれか1つに記載の化合物。
【0096】
実施形態80.3’ウイングセグメントが3個の連結したヌクレオシドから成る、実施形態68から78のいずれか1つに記載の化合物。
【0097】
実施形態81.3’ウイングセグメントが4個の連結したヌクレオシドから成る、実施形態68から78のいずれか1つに記載の化合物。
【0098】
実施形態82.3’ウイングセグメントが5個の連結したヌクレオシドから成る、実施形態68から78のいずれか1つに記載の化合物。
【0099】
実施形態83.3’ウイングセグメントが6個の連結したヌクレオシドから成る、実施形態68から78のいずれか1つに記載の化合物。
【0100】
実施形態84.ギャップセグメントが6個の連結したデオキシヌクレオシドから成る、実施形態68から83のいずれか1つに記載の化合物。
【0101】
実施形態85.ギャップセグメントが7個の連結したデオキシヌクレオシドから成る、実施形態68から83のいずれか1つに記載の化合物。
【0102】
実施形態86.ギャップセグメントが8個の連結したデオキシヌクレオシドから成る、実施形態68から83のいずれか1つに記載の化合物。
【0103】
実施形態87.ギャップセグメントが9個の連結したデオキシヌクレオシドから成る、実施形態68から83のいずれか1つに記載の化合物。
【0104】
実施形態88.ギャップセグメントが10個の連結したデオキシヌクレオシドから成る、実施形態68から83のいずれか1つに記載の化合物。
【0105】
実施形態89.修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、実施形態1から31、34、37から45または53から88のいずれか1つに記載の化合物:
a.10個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.3個の連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;
c.3個の連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが二環式糖を含む。
【0106】
実施形態90.修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、実施形態1から31、34、37から45または53から88のいずれか1つに記載の化合物:
a.8個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.4個の連結したヌクレオシドから成り、AABB5’ウイングモチーフを有する、5’ウイングセグメント;
c.4個の連結したヌクレオシドから成り、BBAA3’ウイングモチーフを有する、3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置する。
【0107】
実施形態91.修飾オリゴヌクレオチドが17個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、実施形態1から30、35、36、46または50から88のいずれか1つに
記載の化合物:
a.7個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.5個の連結したヌクレオシドから成り、AAABB5’ウイングモチーフを有する、5’ウイングセグメント;
c.5個の連結したヌクレオシドから成り、BBAAA3’ウイングモチーフを有する、3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置する。
【0108】
実施形態92.修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、実施形態1から31、34、37から45または53から88のいずれか1つに記載の化合物:
a.8個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.4個の連結したヌクレオシドから成り、E-E-K-K5’ウイングモチーフを有する、5’ウイングセグメント;
c.4個の連結したヌクレオシドから成り、K-K-E-E3’ウイングモチーフを有する、3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、各Eが2’-O-メトキシエチル糖を表し、各KがcEt糖を表す。
【0109】
実施形態93.修飾オリゴヌクレオチドが17個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、実施形態1から30、35、36、46または50から88のいずれか1つに記載の化合物:
a.7個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.5個の連結したヌクレオシドから成り、E-E-E-K-K5’ウイングモチーフを有する、5’ウイングセグメント;
c.5個の連結したヌクレオシドから成り、K-K-E-E-E3’ウイングモチーフを有する、3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、各Eが2’-O-メトキシエチル糖を表し、各KがcEt糖を表す。
【0110】
実施形態94.修飾オリゴヌクレオチドが20個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、実施形態1から30、32、33または49から88のいずれか1つに記載の化合物:
a.10個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.5個の連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;
c.5個の連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む。
【0111】
実施形態95.修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、実施形態1から31、34、37から45または53から88のいずれか1つに記載の化合物:
a.10個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.3個の連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;
c.3個の連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイ
ングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドがcEt糖を含む。
【0112】
実施形態96.修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号1の核酸塩基1343と核酸塩基1368の中の標的領域に対して相補的な少なくとも8個の連続的な核酸塩基を含み、修飾オリゴヌクレオチドが以下を含む、実施形態1から67のいずれか1つに記載の化合物:
a.連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;
c.連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む。
【0113】
実施形態97.5’ウイングセグメント中の各修飾糖が同じ修飾を有する、実施形態96に記載の化合物。
【0114】
実施形態98.5’ウイングセグメント中の少なくとも2個の修飾糖が異なる修飾を有する、実施形態96に記載の化合物。
【0115】
実施形態99.3’ウイングセグメント中の各修飾糖が同じ修飾を有する、実施形態96から98のいずれか1つに記載の化合物。
【0116】
実施形態100.3’ウイングセグメント中の少なくとも2個の修飾糖が異なる修飾を有する、実施形態96から98のいずれか1つに記載の化合物。
【0117】
実施形態101.少なくとも1つの修飾糖がcEt、LNA、α-L-LNA、ENA及び2’-チオLNAの中から選択される二環式糖である、実施形態96に記載の化合物。
【0118】
実施形態102.各BがcEt、LNA、α-L-LNA、ENA及び2’-チオLNAの中から選択される二環式糖を表す、実施形態90または91に記載の化合物。
【0119】
実施形態103.二環式糖がBNAを含む、実施形態102に記載の化合物。
【0120】
実施形態104.二環式糖がcEtを含む、実施形態102に記載の化合物。
【0121】
実施形態105.二環式糖がLNAを含む、実施形態102に記載の化合物。
【0122】
実施形態106.二環式糖がα-L-LNAを含む、実施形態102に記載の化合物。
【0123】
実施形態107.二環式糖がENAを含む、実施形態102に記載の化合物。
【0124】
実施形態108.二環式糖が2’-チオLNAを含む、実施形態102に記載の化合物。
【0125】
実施形態109.各Aが2’-置換ヌクレオシドを表し、2’-OCH、2’-F及び2’-O-メトキシエチルの中から選択される、実施形態90または91に記載の化合物。
【0126】
実施形態110.2’-置換ヌクレオシドが2’-O-メトキシエチルを含む、実施形
態109に記載の化合物。
【0127】
実施形態111.少なくとも1個のヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である、実施形態1から111のいずれか1つに記載の化合物。
【0128】
実施形態112.各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、実施形態1から111のいずれか1つに記載の化合物。
【0129】
実施形態113.ISIS486178から成る化合物。
【0130】
実施形態114.ISIS512497から成る化合物。
【0131】
実施形態115.ISIS598768から成る化合物。
【0132】
実施形態116.ISIS594300から成る化合物。
【0133】
実施形態117.ISIS594292から成る化合物。
【0134】
実施形態118.ISIS569473から成る化合物。
【0135】
実施形態119.ISIS598769から成る化合物。
【0136】
実施形態120.ISIS570808から成る化合物。
【0137】
実施形態121.ISIS598777から成る化合物。
【0138】
実施形態122.修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、配列番号23に記載の核酸塩基配列を有する化合物:
a.10個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.3個の連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;
c.3個の連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置する;
e.ここでは、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが二環式糖を含む;
f.ここでは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である;及び
g.ここでは、各シトシン残基が5-メチルシトシンである。
【0139】
実施形態123.修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、配列番号29に記載の核酸塩基配列を有する化合物:
a.10個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.3個の連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;
c.3個の連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置する;
e.ここでは、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが二環式糖を含む;
f.ここでは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である;及び
g.ここでは、各シトシン残基が5-メチルシトシンである。
【0140】
実施形態124.修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、配列番号31に記載の核酸塩基配列を有する化合物:
a.10個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.3個の連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;
c.3個の連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置する;
e.ここでは、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが二環式糖を含む;
f.ここでは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である;及び
g.ここでは、各シトシン残基が5-メチルシトシンである。
【0141】
実施形態125.修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、配列番号26に記載の核酸塩基配列を有する化合物:
a.8個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.4個の連結したヌクレオシドから成り、E-E-K-K5’ウイングモチーフを有する、5’ウイングセグメント;
c.4個の連結したヌクレオシドから成り、K-K-E-E3’ウイングモチーフを有する、3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置する;
e.ここでは、各Eが2’-O-メトキシエチル糖を表し、各KがcEt糖を表す;
f.ここでは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である;及び
g.ここでは、各シトシン残基が5-メチルシトシンである。
【0142】
実施形態126.修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、配列番号30に記載の核酸塩基配列を有する化合物:
a.8個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.4個の連結したヌクレオシドから成り、E-E-K-K5’ウイングモチーフを有する、5’ウイングセグメント;
c.4個の連結したヌクレオシドから成り、K-K-E-E3’ウイングモチーフを有する、3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置する;
e.ここでは、各Eが2’-O-メトキシエチル糖を表し、各KがcEt糖を表す;
f.ここでは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である;及び
g.ここでは、各シトシン残基が5-メチルシトシンである。
【0143】
実施形態127.修飾オリゴヌクレオチドが16個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、配列番号32に記載の核酸塩基配列を有する化合物:
a.8個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.4個の連結したヌクレオシドから成り、E-E-K-K5’ウイングモチーフを有する、5’ウイングセグメント;
c.4個の連結したヌクレオシドから成り、K-K-E-E3’ウイングモチーフを有する、3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置する;
e.ここでは、各Eが2’-O-メトキシエチル糖を表し、各KがcEt糖を表す;
f.ここでは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である;及び
g.ここでは、各シトシン残基が5-メチルシトシンである。
【0144】
実施形態128.修飾オリゴヌクレオチドが17個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、配列番号27に記載の核酸塩基配列を有する化合物:
a.7個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.5個の連結したヌクレオシドから成り、E-E-E-K-K5’ウイングモチーフを有する、5’ウイングセグメント;
c.5個の連結したヌクレオシドから成り、K-K-E-E-E3’ウイングモチーフを有する、3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置する;
e.ここでは、各Eが2’-O-メトキシエチル糖を表し、各KがcEt糖を表す;
f.ここでは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である;及び
g.ここでは、各シトシン残基が5-メチルシトシンである。
【0145】
実施形態129.修飾オリゴヌクレオチドが17個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、配列番号28に記載の核酸塩基配列を有する化合物:
a.7個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.5個の連結したヌクレオシドから成り、E-E-E-K-K5’ウイングモチーフを有する、5’ウイングセグメント;
c.5個の連結したヌクレオシドから成り、K-K-E-E-E3’ウイングモチーフを有する、3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置する;
e.ここでは、各Eが2’-O-メトキシエチル糖を表し、各KがcEt糖を表す;
f.ここでは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である;及び
g.ここでは、各シトシン残基が5-メチルシトシンである。
【0146】
実施形態130.修飾オリゴヌクレオチドが20個の連結したヌクレオシドから成り、以下を含む、配列番号25に記載の核酸塩基配列を有する化合物:
a.10個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;
b.5個の連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;
c.5個の連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント;
d.ここでは、前記ギャップセグメントが前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置する;
e.ここでは、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む;
f.ここでは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である;及び
g.ここでは、各シトシン残基が5-メチルシトシンである。
【0147】
実施形態131.共役を含む、実施形態1から130のいずれか1つに記載の化合物。
【0148】
実施形態132.実施形態1から131のいずれか1つに記載の化合物及び医薬的に許容可能な担体または希釈剤を含む組成物。
【0149】
実施形態133.実施形態1から130のいずれか1つに記載の化合物、または実施形態132に記載の組成物を、それを必要とする動物に投与することを含む、動物におけるDM1の処置方法。
【0150】
実施形態134.化合物がDMPK mRNAのレベルを低減させる、実施形態133に記載の方法。
【0151】
実施形態135.化合物がDMPKタンパク質の発現を低減させる、実施形態133に記載の方法。
【0152】
実施形態136.化合物がCUGexp DMPKを低減させる、実施形態133に記載の方法。
【0153】
実施形態137.化合物が優先的にCUGexp DMPKを低減させる、実施形態133に記載の方法。
【0154】
実施形態138.化合物がCUGexp DMPK mRNAを低減させる、実施形態133に記載の方法。
【0155】
実施形態139.化合物が優先的にCUGexp DMPK mRNAを低減させる、実施形態133に記載の方法。
【0156】
実施形態140.CUGexpの優先的な低減が筋組織においてである、実施形態138または139に記載の方法。
【0157】
実施形態141.実施形態1から131のいずれか1つに記載の化合物または実施形態132に記載の組成物を、それを必要とする動物に投与することを含む、動物における筋強直症の軽減方法。
【0158】
実施形態142.実施形態1から131のいずれか1つに記載の化合物または実施形態132に記載の組成物を、それを必要とする動物に投与することを含む、動物におけるMBLN依存的スプライセオパシーの低減方法。
【0159】
実施形態143.Serca1、m-Titin、Clcn1及びZaspのいずれかのスプライシングが矯正される、実施形態138に記載の方法。
【0160】
実施形態144.投与が全身投与である、実施形態133から143のいずれか1つに記載の方法。
【0161】
実施形態145.投与が非経口投与である、実施形態133から143のいずれか1つに記載の方法。
【0162】
実施形態146.全身投与が、皮下投与、静脈内投与、脳室内投与及び髄腔内投与のいずれかである、実施形態144に記載の方法。
【0163】
実施形態147.投与が筋肉内投与でない、実施形態133から143のいずれか1つに記載の方法。
【0164】
実施形態148.動物がヒトである、実施形態133から143のいずれか1つに記載の方法。
【0165】
実施形態149.実施形態1から131のいずれか1つに記載の化合物または実施形態132に記載の組成物を投与し、それによって、Serca1のエクソン22の包含を引き起こすことによる、それを必要とする動物におけるSerca1のスプライセオパシーの低減方法。
【0166】
実施形態150.実施形態1から131のいずれか1つに記載の化合物または実施形態132に記載の組成物を投与し、それによって、m-Titinのエクソン5の包含を引き起こすことによる、それを必要とする動物におけるm-Titinのスプライセオパシーの低減方法。
【0167】
実施形態151.実施形態1から131のいずれか1つに記載の化合物または実施形態132に記載の組成物を投与し、それによって、Clcn1のエクソン7aの包含を引き起こすことによる、それを必要とする動物におけるClcn1のスプライセオパシーの低減方法。
【0168】
実施形態152.実施形態1から131のいずれか1つに記載の化合物または実施形態132に記載の組成物を投与し、それによって、Zaspのエクソン11の包含を引き起こすことによる、それを必要とする動物におけるZaspのスプライセオパシーの低減方法。
【0169】
実施形態153.細胞を実施形態1から131のいずれか1つに記載の化合物または実施形態132に記載の組成物と接触させることを含む、細胞のDMPK mRNAの低減方法。
【0170】
実施形態154.細胞を実施形態1から131のいずれか1つに記載の化合物または実施形態132に記載の組成物と接触させることを含む、細胞のDMPKタンパク質の低減方法。
【0171】
実施形態155.細胞を実施形態1から131のいずれか1つに記載の化合物または実施形態132に記載の組成物と接触させることを含む、細胞のCUGexp mRNAの低減方法。
【0172】
実施形態156.細胞が動物中に存在する、実施形態149から151のいずれか1つに記載の方法。
【0173】
実施形態157.動物がヒトである、実施形態156に記載の方法。
【0174】
実施形態158.CUGexp DMPK RNAの優先的な低減の達成方法であって、
a.1型筋緊張性ジストロフィーを有する、またはCUGexp DMPK RNAを有する対象を選択すること、及び
b.実施形態1から131のいずれか1つに記載の化合物または実施形態132に記載の組成物を、前記対象に投与すること
を含み、
実施形態1から131のいずれか1つに記載の前記化合物または実施形態132に記載の組成物が、前記CUGexp DMPK RNAに結合した場合に、リボヌクレアーゼを活性化し、それによって、前記CUGexp DMPK RNAの優先的な低減を達成する、方法。
【0175】
実施形態159.CUGexp DMPK RNAの優先的な低減の達成方法であって、
a.1型筋緊張性ジストロフィーを有する、またはCUGexp DMPK RNAを有する対象を選択すること、及び
b.実施形態1から131のいずれか1つに記載の化合物または実施形態132に記載の組成物を、前記対象に全身投与すること
を含み、
前記化学修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが、前記CUGexp DMPK RNAに結合した場合に、前記CUGexp DMPK RNAの優先的な低減を達成する、方法。
【0176】
実施形態160.1型筋緊張性ジストロフィーを有すること、または核内に保持されるCUGexp DMPK RNAを有することが疑われる対象における、スプライセオパシーの低減方法であって、
実施形態1から131のいずれか1つに記載の化合物または実施形態132に記載の組成物を、前記対象に投与すること
を含み、
実施形態1から131のいずれか1つに記載の化合物または実施形態132に記載の組成物が、前記変異型DMPK RNAに結合した場合に、リボヌクレアーゼを活性化し、それによって、スプライセオパシーを低減させる、方法。
【0177】
実施形態161.動物における、優先的なCUGexp DMPK RNAの低減、筋強直症の軽減またはスプライセオパシーの低減方法であって、実施形態1から131のいずれか1つに記載の化合物または実施形態132に記載の医薬組成物を前記動物に投与することを含み、前記動物において、前記化合物がDMPKの発現を低減させ、それによって、前記動物において、優先的にCUGexp DMPK RNAを低減させる、筋強直症を軽減させるまたはスプライセオパシーを低減させる、方法。
【0178】
実施形態162.1型筋緊張性ジストロフィーを有する動物の処置方法であって、
1型筋緊張性ジストロフィーを有する前記動物を特定すること、
治療有効量の、実施形態1から131のいずれか1つに記載の化合物または実施形態132に記載の医薬組成物を前記動物に投与することを含み、
1型筋緊張性ジストロフィーを有する前記動物が処置される、方法。
【0179】
実施形態163.実施形態1から131のいずれか1つに記載の化合物または実施形態132に記載の医薬組成物を動物に投与することを含み、DMPKの発現が低減される、DMPKの発現の低減方法。
【0180】
実施形態164.動物においてDM1を処置するのに使用するための、実施形態1から131のいずれか1つに記載の化合物または実施形態132に記載の医薬組成物。
【0181】
実施形態165.動物において筋強直症を軽減させるのに使用するための、実施形態1から131のいずれか1つに記載の化合物または実施形態132に記載の医薬組成物。
【0182】
実施形態166.動物においてMBLN依存的スプライセオパシーを低減させるのに使用するための、実施形態1から131のいずれか1つに記載の化合物または実施形態132に記載の医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0183】
前述の概要及び以下の詳細な説明の両方とも例示的且つ説明的なものに過ぎず、請求さ
れる本発明を制限するものではないことを理解されたい。本明細書では、別段の記載がない限り、単数形の使用は複数形を含む。本明細書では、別段の記載がない限り、「または」の使用は「及び/または」を意味する。さらに、用語「含むこと(including)」並びに他の形態、例えば「含む(includes)」及び「含まれる(included)」の使用は、限定的なものではない。さらに、別段の記載がない限り、「要素」または「構成成分」などの用語は、1つのユニットを含む要素及び構成成分と1つを超えるサブユニットを含む要素及び構成成分の両方を包含する。
【0184】
本明細書で使用されるセクションの見出しは、構成上の目的のためだけであり、記載される主題を制限するものとして解釈されるべきでない。これらに限定されないが、特許、特許出願、記事、書籍及び論文を含めた、本出願で引用されるすべての文書または文書の一部分は、本明細書で論じる文書の一部分に関して、及びその全体が、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0185】
定義
具体的な定義が与えられない限り、本明細書に記載の分析化学、有機合成化学並びに医化学及び薬化学に関連して利用される命名法、及びそれらの手順及び技法は、当技術分野で周知であり、一般に使用されるものである。標準的な技法を化学合成及び化学分析に使用することができる。許容される場合、本明細書の開示の全体を通して言及される、すべての特許、出願、公開出願及び他の刊行物、国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)などのデータベースを通して入手可能なGENBANK受託番号及び関連する配列情報並びに他のデータは、本明細書に論じる文書の一部分に関して、及びその全体が、参照により組み込まれる。
【0186】
別段の指示がない限り、以下の用語は以下の意味を有する。
【0187】
「2’-O-メトキシエチル」(2’-MOE及び2’-O(CH-OCHも同様)は、フラノシル環の2’位のO-メトキシ-エチル修飾を指す。2’-O-メトキシエチル修飾された糖は修飾糖である。
【0188】
「2’-O-メトキシエチルヌクレオチド」は、2’-O-メトキシエチル修飾された糖部分を含むヌクレオチドを意味する。
【0189】
「5-メチルシトシン」は、5位に結合したメチル基で修飾されたシトシンを意味する。5-メチルシトシンは修飾核酸塩基である。
【0190】
「約」は、値の±7%以内を意味する。例えば、「化合物は、DMPKの少なくとも約70%の阻害に影響を与えた」と記載される場合は、DMPKのレベルが63%から77%の範囲内で阻害されることが意味される。
【0191】
「活性医薬剤」は、動物に投与された場合に治療的利益を提供する、医薬組成物中の物質(複数可)を意味する。例えば、ある種の実施形態では、DMPKを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドは活性医薬剤である。
【0192】
「活性標的領域」または「標的領域」は、1種または複数の活性なアンチセンス化合物が標的にする領域を意味する。「活性なアンチセンス化合物」は、標的核酸レベルまたはタンパク質レベルを低減させるアンチセンス化合物を意味する。
【0193】
「同時に投与される」は、両方の薬理学的効果が同時に患者に発現する任意の様式での、2つの薬剤の共投与を指す。同時投与は、両方の薬剤が、単一の医薬組成物中で、同じ
剤形中で、または同じ投与経路によって投与されることを必要としない。両方の薬剤の効果は、同時に発現する必要はない。効果は、ある一定期間内に重複する必要があるだけで、同一の広がりを持つ必要はない。
【0194】
「投与すること」は、薬剤を動物に与えることを意味し、これらに限定されないが、医療専門家による投与及び自己投与が挙げられる。
【0195】
「薬剤」は、動物に投与された場合に、治療的利益を与えることができる活性物質を意味する。「第一の薬剤」は、本発明の治療用化合物を意味する。例えば、第一の薬剤は、DMPKをターゲティングするアンチセンスオリゴヌクレオチドでもよい。「第二の薬剤」は、本発明の第二の治療用化合物(例えば、DMPKをターゲティングする第二のアンチセンスオリゴヌクレオチド)及び/または非DMPK治療用化合物を意味する。
【0196】
「改善」は、関連する疾患、障害または状態の少なくとも1つの指標、徴候または症状を減らすことを指す。指標の重度は、当業者に既知の主観的または客観的尺度によって決定することができる。
【0197】
「動物」は、ヒト、またはこれらに限定されないが、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタを含めた非ヒト動物、並びにこれらに限定されないが、サル及びチンパンジーを含めた非ヒト霊長類を指す。
【0198】
「アンチセンス活性」は、アンチセンス化合物のその標的核酸に対するハイブリダイゼーションに起因し得る、任意の検出可能または測定可能な活性を意味する。ある種の実施形態では、アンチセンス活性は、標的核酸またはそうした標的核酸にコードされるタンパク質の量または発現の低下である。
【0199】
「アンチセンス化合物」は、水素結合を通じて標的核酸へのハイブリダイゼーションを起こすことができるオリゴマー化合物を意味する。アンチセンス化合物の例としては、一本鎖及び二本鎖の化合物、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNA、snoRNA、miRNA及びサテライトリピートが挙げられる。
【0200】
「アンチセンス阻害」は、アンチセンス化合物の非存在下での標的核酸レベルまたは標的タンパク質レベルと比較して、標的核酸に相補的なアンチセンス化合物の存在下での標的核酸レベルまたは標的タンパク質レベルが低減することを意味する。
【0201】
「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、標的核酸の対応する領域またはセグメントに対するハイブリダイゼーションを可能にする核酸塩基配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチドを意味する。
【0202】
「二環式糖」は、2つの非ジェミナル炭素環原子の架橋によって修飾されたフラノシル環を意味する。二環式糖は修飾糖である。
【0203】
「二環式核酸」または「BNA」は、ヌクレオシドまたはヌクレオチドのフラノース部分が、フラノース環の2つの炭素原子を連結し、それによって二環式環系を形成する架橋を含む、ヌクレオシドまたはヌクレオチドを指す。
【0204】
「キャップ構造」または「末端キャップ部分」は、アンチセンス化合物のいずれかの末端に組み込まれた化学修飾を意味する。
【0205】
「化学的に異質な領域」は、同じアンチセンス化合物の別の領域と何らかの点で化学的
に異なるアンチセンス化合物の領域を指す。例えば、2’-O-メトキシエチルヌクレオチドを有する領域は、2’-O-メトキシエチル修飾されていないヌクレオチドを有する領域と化学的に異なる。
【0206】
「キメラアンチセンス化合物」は、少なくとも2つの化学的に異質な領域を有するアンチセンス化合物を意味する。
【0207】
「共投与」は、個体への2つ以上の薬剤の投与を意味する。2つ以上の薬剤は、単一の医薬組成物中に存在してもよいし、別々の医薬組成物中に存在してもよい。2つ以上の薬剤のそれぞれは、同じまたは異なる投与経路を介して投与することができる。共投与は、並行的または逐次的投与を包含する。
【0208】
「相補性」は、第一の核酸と第二の核酸の核酸塩基間の対形成に対する能力を意味する。
【0209】
「連続的な核酸塩基」は、互いに直接隣接する核酸塩基を意味する。
【0210】
「CUGexp DMPK」は、伸長CUGリピート(CUGexp)を含有する変異型DMPK RNAを意味する。野生型DMPK遺伝子は、5~37個のCTGリピートを3’非翻訳領域に有する。(例えば筋緊張性ジストロフィーI型患者における)「CUGexp DMPK」では、この数は著しく増し、例えば、50~3,500を越える範囲である(Harper,Myotonic Dystrophy(Saunders,London,ed.3,2001);Annu.Rev.Neurosci.29:259,2006;EMBO J.19:4439,2000;Curr Opin Neurol.20:572,2007)。
【0211】
「希釈剤」は、薬理学的活性を欠くが、医薬的に必要なまたは望ましい、組成物中の成分を意味する。例えば、注射される組成物中の希釈剤は、液体、例えば生理食塩水でもよい。
【0212】
「DMPK」は、筋強直性ジストロフィープロテインキナーゼの任意の核酸またはタンパク質を意味する。DMPKは、CUGexp DMPK核酸を含めた変異型DMPKでもよい。
【0213】
「DMPKの発現」は、DMPKをコードする遺伝子から転写されたmRNAのレベル、またはそのmRNAから翻訳されたタンパク質のレベルを意味する。DMPKの発現は、ノーザンまたはウェスタンブロットなどの当技術分野で既知の方法によって決定することができる。
【0214】
「DMPK核酸」は、DMPKをコードする任意の核酸を意味する。例えば、ある種の実施形態では、DMPK核酸は、DMPKをコードするDNA配列、(イントロン及びエクソンを含むゲノムDNAを含めた)DMPKをコードするDNAから転写されるRNA配列、並びにDMPKをコードするmRNAまたはmRNA前駆体配列を含む。「DMPK mRNA」は、DMPKタンパク質をコードするmRNAを意味する。
【0215】
「用量」は、単回投与で、または特定の期間で与えられる、医薬剤の特定の量を意味する。ある種の実施形態では、用量は、1、2またそれ以上のボーラス、錠剤、または注射で投与することができる。例えば、皮下投与が所望されるある種の実施形態では、所望の用量は、単回の注射に容易に収容されない容量を必要とするので、所望の用量を達成するのに2以上の注射を使用することができる。ある種の実施形態では、医薬剤は、注入によ
って、長期間にわたってまたは持続的に投与される。用量は、時間、日、週または月あたりの医薬剤の量として記載され得る。
【0216】
「有効量」または「治療有効量」は、薬剤を必要としている個体において所望の生理的転帰を実現するのに十分である、活性医薬剤の量を意味する。有効量は、処置される個体の健康及び身体状態、処置される個体の分類群、組成物の製剤、個体の医学的状態の評価並びに他の関連する因子に応じて、個体の間で変動し得る。
【0217】
「完全に相補的」または「100%相補的」は、第一の核酸の核酸塩基配列の各核酸塩基が、第二の核酸の第二の核酸塩基配列中に相補的核酸塩基を有することを意味する。ある種の実施形態では、第一の核酸はアンチセンス化合物であり、標的核酸が第二の核酸である。
【0218】
「ギャップマー」は、RNase Hによる切断を支援する複数のヌクレオシドを有する内部領域が、1つまたは複数のヌクレオシドを有する外部領域間に位置し、内部領域を構成するヌクレオシドが、外部領域を構成するヌクレオシド(複数可)と化学的に異なる、キメラアンチセンス化合物を意味する。内部領域は、「ギャップセグメント」と言うことができ、外部領域は「ウイングセグメント」と言うことができる。
【0219】
「拡大ギャップ」は、1つから6つのヌクレオシドを有する5’及び3’ウイングセグメントの間に位置し、且つそれらに直接隣接する12個以上の連続的な2’-デオキシリボヌクレオシドのギャップセグメントを有するキメラアンチセンス化合物を意味する。
【0220】
「ハイブリダイゼーション」は、相補的核酸分子のアニーリングを意味する。ある種の実施形態では、相補的核酸分子としては、アンチセンス化合物及び標的核酸が挙げられる。
【0221】
「1型筋緊張性ジストロフィーを有する動物を特定する」は、1型筋緊張性ジストロフィーの障害もしくは状態と診断された動物を特定すること、または1型筋緊張性ジストロフィーの障害または状態になりやすい動物を特定することを意味する。例えば、家族歴がある個体は、1型筋緊張性ジストロフィーの障害または状態になりやすい可能性がある。そうした特定は、個体の病歴及び標準的な臨床的な検査または評価を調べることを含めた、任意の方法によって達成することができる。
【0222】
「直接隣接する」は、直接隣接する要素間に介在性の要素がないことを意味する。
【0223】
「個体」は、処置または療法について選択されたヒトまたは非ヒト動物を意味する。
【0224】
「ヌクレオシド間結合」は、ヌクレオシド間の化学結合を指す。
【0225】
「連結したヌクレオシド」は、ヌクレオシド間結合によって結合または連結している、隣接ヌクレオシドを意味する。
【0226】
「ミスマッチ」または「非相補的核酸塩基」は、第一の核酸の核酸塩基が、第二の核酸または標的核酸の対応する核酸塩基と対形成できない場合を指す。
【0227】
「修飾ヌクレオシド間結合」は、天然に存在するヌクレオシド間結合(すなわち、ホスホジエステルヌクレオシド間結合)からの置換または任意の変化を指す。
【0228】
「修飾核酸塩基」は、アデニン、シトシン、グアニン、チミジンまたはウラシル以外の任意の核酸塩基を指す。「非修飾核酸塩基」は、プリン塩基のアデニン(A)及びグアニ
ン(G)、並びにピリミジン塩基のチミン(T)、シトシン(C)及びウラシル(U)を意味する。
【0229】
「修飾ヌクレオチド」は、独立に、修飾糖部分、修飾ヌクレオシド間結合または修飾核酸塩基を有するヌクレオチドを意味する。「修飾ヌクレオシド」は、独立に、修飾糖部分または修飾核酸塩基を有するヌクレオシドを意味する。
【0230】
「修飾オリゴヌクレオチド」は、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド及び/または修飾ヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドを意味する。
【0231】
「修飾糖」は、天然糖部分からの置換または変化を指す。修飾糖としては、置換糖部分及び代用糖部分が挙げられる。
【0232】
「モチーフ」は、アンチセンス化合物中の化学的に異質な領域のパターンを意味する。
【0233】
「筋強直症」は、随意収縮または電気刺激後の異常に遅い筋肉弛緩を意味する。
【0234】
「核内リボヌクレアーゼ」は、核内で見られるリボヌクレアーゼを意味する。核内リボヌクレアーゼとしては、これらに限定されないが、RNase H1及びRNase H2を含めたRNase H、二本鎖RNaseドローシャ並びに他の二本鎖RNaseが挙げられる。
【0235】
「天然に存在するヌクレオシド間結合」は、3’-5’ホスホジエステル結合を意味する。
【0236】
「天然糖部分」は、DNA(2’-H)またはRNA(2’-OH)中に見られる糖を意味する。
【0237】
「核酸」は、モノマーのヌクレオチドから成る分子を指す。核酸としては、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、一本鎖核酸、二本鎖核酸、低分子干渉リボ核酸(siRNA)及びマイクロRNA(miRNA)が挙げられる。核酸は、これらの要素の組み合わせを単一分子中に含むこともできる。
【0238】
「核酸塩基」は、別の核酸の塩基と対形成することができる複素環部分を意味する。
【0239】
「核酸塩基配列」は、任意の糖結合または核酸塩基修飾と無関係の、連続的な核酸塩基の順序を意味する。
【0240】
「ヌクレオシド」は、糖に連結した核酸塩基を意味する。ある種の実施形態では、ヌクレオシドはリン酸基に連結している。
【0241】
「ヌクレオシド模倣物」としては、オリゴマー化合物の1つまたは複数の位置で糖または糖及び塩基並びに必ずしも必要ではないが結合を置き換えるのに使用される構造体、例えば、モルホリノ、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、ビシクロまたはトリシクロ糖模倣物、例えば、非フラノース糖ユニットを有するヌクレオシド模倣物などが挙げられる。
【0242】
「ヌクレオチド」は、ヌクレオシドの糖部分と共有結合したリン酸基を有するヌクレオシドを意味する。
【0243】
「ヌクレオチド模倣物」としては、オリゴマー化合物の1つまたは複数の位置でヌクレオシド及び結合を置き換えるのに使用される構造体、例えば、ペプチド核酸またはモルホリノ(-N(H)-C(=O)-O-または他の非ホスホジエステル結合によって連結したモルホリノ)などが挙げられる。
【0244】
「オリゴマー化合物」または「オリゴマー」は、核酸分子の少なくとも一領域にハイブリダイズすることができる、連結モノマーサブユニットのポリマーを意味する。
【0245】
「オリゴヌクレオチド」は、各ヌクレオシド及び各ヌクレオシド間結合が、互いに独立して、修飾されていても修飾されていなくてもよい、連結したヌクレオシドのポリマーを意味する。
【0246】
「非経口投与」は、注射または注入を介する投与を意味する。非経口投与としては、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、腹腔内投与または頭蓋内投与、例えば、髄腔内または脳室内投与が挙げられる。投与は、持続的または長期的でもよいし、短期的または断続的でもよい。
【0247】
「ペプチド」は、アミド結合によって少なくとも2つのアミノ酸を連結することにより形成される分子を意味する。ペプチドは、ポリペプチド及びタンパク質を指す。
【0248】
「医薬組成物」は、個体への投与に適した物質の混合物を意味する。例えば、医薬組成物は1種または複数の活性薬剤及び滅菌水溶液を含むことができる。
【0249】
「医薬的に許容可能な塩」は、アンチセンス化合物の生理学的及び医薬的に許容可能な塩、すなわち、親オリゴヌクレオチドの所望の生物活性を保持し、望ましくない毒性効果をそれに与えない塩を意味する。
【0250】
「ホスホロチオエート結合」は、非架橋酸素原子の1つを硫黄原子で置き換えることによってホスホジエステル結合が修飾される、ヌクレオシド間の結合を意味する。ホスホロチオエート結合は、修飾ヌクレオシド間結合である。
【0251】
「部分」は、核酸の定められた数の連続的な(すなわち連結した)核酸塩基を意味する。ある種の実施形態では、部分は、標的核酸の定められた数の連続的な核酸塩基である。ある種の実施形態では、部分は、アンチセンス化合物の定められた数の連続的な核酸塩基である。
【0252】
「優先的にCUG exp DMPK RNAを低減させる」は、正常なDMPKアレルからのRNA転写産物と比較した際の、CUGexp DMPKアレルからのRNA転写産物の優先的な低減を指す。
【0253】
「予防する」は、数分から無期限の期間にわたって、疾患、障害または状態の発症または発生を遅延させるかまたは未然に防ぐことを指す。予防するは、疾患、障害または状態を発生する危険性を低減させることも意味する。
【0254】
「プロドラッグ」は、内在性酵素もしくは他の化学物質または条件の作用によって、体またはその細胞内で活性型に変換される不活性型で調製される治療剤を意味する。
【0255】
「副作用」は、所望の効果以外の、処置に起因し得る生理応答を意味する。ある種の実施形態では、副作用としては、注射部位反応、肝機能検査の異常、腎機能異常、肝毒性、腎毒性、中枢神経系異常、ミオパシー及び倦怠が挙げられる。例えば、血清中のアミノト
ランスフェラーゼレベルの上昇は、肝毒性または肝機能異常を示し得る。例えば、ビリルビンの上昇は、肝毒性または肝機能異常を示し得る。
【0256】
「一本鎖オリゴヌクレオチド」は、相補鎖とハイブリダイズしていないオリゴヌクレオチドを意味する。
【0257】
「特異的にハイブリダイズ可能」は、所望の効果を誘導するのに十分な相補性度をアンチセンスオリゴヌクレオチドと標的核酸の間に有し、一方で、特異的結合が所望される条件下、すなわち、インビボアッセイ及び治療的処置の場合の生理的条件下で、非標的核酸に対して最少の効果しか呈さない、または全く効果を示さないアンチセンス化合物を指す。
【0258】
「スプライセオパシー」は、特定組織において変化したスプライス産物の発現につながる、1つまたは複数のRNAの選択的スプライシングの変化を意味する。
【0259】
「皮下投与」は、皮膚の真下の投与を意味する。
【0260】
「置換糖部分」は、RNAまたはDNAの天然糖以外のフラノシルを意味する。
【0261】
「糖」または「糖部分」は、天然糖部分または修飾糖を意味する。
【0262】
「糖代用物」は、上位概念語の「ヌクレオシド模倣物」と少し重複するが、糖ユニット(フラノース環)のみの置き換えを示すことが意図される。糖代用物は、ヌクレオシドの天然に存在する糖部分を置き換えることができ、その結果、得られたヌクレオシドサブユニットは、互いに連結して、及び/または他のヌクレオシドと連結して、相補的オリゴマー化合物とハイブリダイズすることができるオリゴマー化合物を形成することができる。そうした構造体は、フラノシルと異なる数の原子を含む環(例えば、4、6もしくは7員環);非酸素原子(例えば、炭素、硫黄もしくは窒素)とのフラノシルの酸素の置き換え;または原子数の変化と酸素の置き換えの両方を含む。そうした構造体は、置換糖部分に関して記載されたものに対応する置換を含むこともできる(例えば、さらなる置換基を任意に含む6員の炭素環式二環式糖代用物)。糖代用物は、より複雑な糖の置き換えも含む(例えば、非環系のペプチド核酸)。糖代用物としては、これらに限定されないが、モルホリノ、シクロヘキセニル及びシクロヘキシトールが挙げられる。
【0263】
「ターゲティングする」または「標的とする」は、標的核酸に特異的にハイブリダイズし、所望の効果を誘導するアンチセンス化合物の設計及び選択の過程を意味する。
【0264】
「標的核酸」、「標的RNA」及び「標的RNA転写産物」はすべて、アンチセンス化合物が標的とすることができる核酸を指す。ある種の実施形態では、標的核酸はDMPK核酸の領域を含む。
【0265】
「標的セグメント」は、アンチセンス化合物が標的とする、標的核酸のヌクレオチド配列を意味する。「5’標的部位」は、標的セグメントの最も5’側のヌクレオチドを指す。「3’標的部位」は、標的セグメントの最も3’側のヌクレオチドを指す。
【0266】
「治療有効量」は、個体に治療的利益を与える薬剤量を意味する。
【0267】
「処置する」は、疾患、障害または状態の変化または向上をもたらすために、医薬組成物を投与することを指す。
【0268】
「1型筋緊張性ジストロフィー」または「DM1」は、DMPKにおける非コードのCTGリピートの伸長に引き起こされる常染色体優性障害を意味する。この変異は、RNA占有、すなわち伸長CUGリピート(CUGexp)含有RNAの発現が細胞機能障害を誘導した過程につながる。CUGexp域は、RNA結合タンパク質と相互作用し、変異転写産物を核内フォーカスに保持させる。このRNAの毒性は、RNA結合タンパク質の隔離及びシグナル伝達経路の活性化に起因する。
【0269】
「非修飾ヌクレオチド」は、天然に存在する核酸塩基、糖部分及びヌクレオシド間結合から成るヌクレオチドを意味する。ある種の実施形態では、非修飾ヌクレオチドはRNAヌクレオチド(すなわちβ-D-リボヌクレオシド)またはDNAヌクレオチド(すなわちβ-D-デオキシリボヌクレオシド)である。
【0270】
ある種の実施形態
ある種の実施形態は、DMPKの発現を阻害するための方法、化合物及び組成物を提供する。
【0271】
ある種の実施形態は、DMPKをターゲティングする修飾オリゴヌクレオチドを含有する化合物を動物に投与することを含む、動物においてDMPKの発現を低減させる方法を提供する。
【0272】
ある種の実施形態は、動物において、優先的にCUGexp DMPK RNAを低減させる、筋強直症を軽減させるまたはスプライセオパシーを低減させる方法であって、DMPKを標的とする修飾オリゴヌクレオチドを含有する化合物を動物に投与することを含み、修飾オリゴヌクレオチドが、動物において、優先的にCUGexp DMPK RNAを低減させる、筋強直症を軽減させるまたはスプライセオパシーを低減させる方法を提供する。
【0273】
ある種の実施形態は、病原性のある転写産物の切断を導くことによってRNA占有を妨げるために、アンチセンスオリゴヌクレオチドを投与する方法を提供する。
【0274】
ある種の実施形態は、Serca1のスプライセオパシーを低減させる方法を提供する。ある種の実施形態では、本明細書で提供される方法は、エクソン22の包含をもたらす。ある種の実施形態では、前脛骨筋、腓腹筋及び四頭筋において矯正的スプライシングが生じる。
【0275】
ある種の実施形態は、m-Titinのスプライセオパシーを低減させる方法を提供する。ある種の実施形態では、本明細書で提供される方法は、エクソン5の包含をもたらす。ある種の実施形態では、前脛骨筋、腓腹筋及び四頭筋において矯正的スプライシングが生じる。
【0276】
ある種の実施形態は、Clcn1のスプライセオパシーを低減させる方法を提供する。ある種の実施形態では、本明細書で提供される方法は、エクソン7aの包含をもたらす。ある種の実施形態では、前脛骨筋、腓腹筋及び四頭筋において矯正的スプライシングが生じる。
【0277】
ある種の実施形態は、Zaspのスプライセオパシーを低減させる方法を提供する。ある種の実施形態では、本明細書で提供される方法は、エクソン11の包含をもたらす。ある種の実施形態では、前脛骨筋、腓腹筋及び四頭筋において矯正的スプライシングが生じる。
【0278】
ある種の実施形態は、1型筋緊張性ジストロフィーを有する動物の処置方法であって、以下を含む方法を提供する:a)1型筋緊張性ジストロフィーを有する前記動物を特定すること、及びb)治療有効量の、DMPKを標的とする修飾オリゴヌクレオチドを含有する化合物を、前記動物に投与すること。ある種の実施形態では、動物に投与される治療有効量の化合物は、動物において、優先的にCUGexp DMPK RNAを低減させる、筋強直症を軽減させるまたはスプライセオパシーを低減させる。
【0279】
ある種の実施形態は、CUGexp DMPK RNAの優先的な低減の達成方法であって、1型筋緊張性ジストロフィーを有すること、またはCUGexp DMPK RNAを有することが疑われる対象に、前記CUGexp DMPK RNAの非リピート領域に相補的な修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドを投与することを含む方法を提供する。修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドは、前記CUGexp DMPK RNAに結合した場合に、CUGexp DMPK RNAの優先的な低減を達成する。
【0280】
ある種の実施形態は、CUGexp DMPK RNAの優先的な低減の達成方法であって、1型筋緊張性ジストロフィーを有する、またはCUGexp DMPK RNAを有する対象を選択すること、及び前記CUGexp DMPK RNAの非リピート領域に相補的な修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドを前記対象に投与することを含む方法を提供する。修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドは、CUGexp DMPK RNAに結合した場合に、リボヌクレアーゼまたは核内リボヌクレアーゼを活性化し、それによって、核内のCUGexp DMPK RNAの優先的な低減を達成する。
【0281】
ある種の実施形態は、CUGexp DMPK RNAの優先的な低減の達成方法であって、1型筋緊張性ジストロフィーを有する、または変異型もしくはCUGexp DMPK RNAを有する対象を選択すること、及び前記CUGexp DMPK RNAの非リピート領域に相補的な修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドを前記対象に全身投与することを含む方法を提供する。修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドは、変異型またはCUGexp DMPK RNAに結合した場合に、変異型またはCUGexp DMPK
RNAの優先的な低減を達成する。
【0282】
ある種の実施形態は、それを必要とする対象において筋強直症を軽減させる方法を提供する。この方法は、DMPK RNAの非リピート領域に相補的な修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドを対象に投与することを含み、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドは、DMPK RNAに結合した場合に、リボヌクレアーゼまたは核内リボヌクレアーゼを活性化し、それによって、筋強直症を軽減させる。ある種の実施形態では、対象は、1型筋緊張性ジストロフィーを有するか、有する疑いがあり、または変異型DMPK RNAもしくはCUGexp DMPK RNAを有するか、有する疑いがある。ある種の実施形態では、DMPK RNAは核内に保持される。
【0283】
ある種の実施形態は、それを必要とする対象における、スプライセオパシーの低減方法を提供する。この方法は、DMPK RNAの非リピート領域に相補的な修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドを対象に投与することを含み、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドは、DMPK RNAに結合した場合に、リボヌクレアーゼまたは核内リボヌクレアーゼを活性化し、それによって、スプライセオパシーを低減させる。ある種の実施形態では、対象は、1型筋緊張性ジストロフィーを有するか、有する疑いがあり、または核内に保持されるCUGexp DMPK RNAを有するか、有する疑いがある。ある種の実施形態では、DMPK RNAは核内に保持される。ある種の実施形態では、スプライセオパシーはMBNL依存的スプライセオパシーである。
【0284】
ある種の実施形態では、方法の修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドはキメラである。
ある種の実施形態では、方法の修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドはギャップマーである。
【0285】
本明細書で提供される方法のある種の実施形態では、投与は皮下である。ある種の実施形態では、投与は静脈内である。
【0286】
ある種の実施形態では、方法の修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドは、DMPK RNAの非リピート領域内の非コード配列を標的とする。ある種の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、変異型DMPK RNAのコード領域、イントロン、5’UTRまたは3’UTRを標的とする。
【0287】
本明細書で提供される方法のある種の実施形態では、核内リボヌクレアーゼはRNase H1である。
【0288】
方法のある種の実施形態では、DMPK RNAは筋組織で低減される。ある種の実施形態では、変異型DMPK RNA CUGexp DMPK RNAが優先的に低減される。
【0289】
ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号NM_001081560.1に記載の配列(配列番号1として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、ヌクレオチド18540696から18555106までトランケートされたGenBank受託番号NT_011109.15に記載の配列(配列番号2として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、ヌクレオチド16666001から16681000までトランケートされたGenBank受託番号NT_039413.7に記載の配列(配列番号3として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号NM_032418.1に記載の配列(配列番号4として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号AI007148.1に記載の配列(配列番号5として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号AI304033.1に記載の配列(配列番号6として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号BC024150.1に記載の配列(配列番号7として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号BC056615.1に記載の配列(配列番号8として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号BC075715.1に記載の配列(配列番号9として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号BU519245.1に記載の配列(配列番号10として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号CB247909.1に記載の配列(配列番号11として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号CX208906.1に記載の配列(配列番号12として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号CX732022.1に記載の配列(配列番号13として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号S60315.1に記載の配列(配列番号14として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号S60316.1に記載の配列(配列番号15として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号NM_001081562.1に記載の配列(配列番号16として本明細書に組み込まれる)を有する。ある種の実施形態では、DMPKは、GenBank受託番号NM_001100.3に記載の配列(配列番号17として本明細書に組み込まれる)を有する。
【0290】
ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号23、24、25、26、27、28、29、30、31、32または33~874のいずれか1つに記載される核酸塩基配列の少なくとも8個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号23、24、25、26、27、28、29、30、31、32または33~874のいずれか1つに記載される核酸塩基配列の少なくとも9、少なくとも10または少なくとも11個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。
【0291】
ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号23、24、25、26、27、28、29、30、31、32または33~874のいずれか1つに記載される核酸塩基配列の少なくとも12個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号23、24、25、26、27、28、29、30、31、32または33~874のいずれか1つに記載される核酸塩基配列の少なくとも13または少なくとも14個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。
【0292】
ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号23、24、25、26、27、28、29、30、31、32または33~874のいずれか1つに記載される核酸塩基配列の少なくとも15個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号23、24、25、26、27、28、29、30、31、32または33~874のいずれか1つに記載される核酸塩基配列の少なくとも16個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。
【0293】
ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号24、25、27または28のいずれか1つに記載される核酸塩基配列の少なくとも17個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。
【0294】
ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号24または25のいずれか1つに記載される核酸塩基配列の少なくとも18個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号24または25のいずれか1つに記載される核酸塩基配列の少なくとも19個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。
【0295】
ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1の以下の領域のいずれか1つを標的とする:1343~1368、1317~1366、2748~2791、2155~2208、2748~2791、730~748、528~547、531~567、636~697、1311~1331、1314~1339、1446~1475、1635~1670、1610~1638、1457~1486、2773~1788、931~948、934~949、937~952、942~957、937~957、943~958、937~953、1346~1363、1346~1361、1347~1363、2162~2179、2492~2508、2696~2717、及び2683~2703。ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1の以下の領域のいずれか1つを標的とする:2773~2788、1343~1358及び1344~1359。
【0296】
ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも8個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも8個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を
含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列番号1の核酸塩基1343~1368、1317~1366、2748~2791、2155~2208、2748~2791、730~748、528~547、531~567、636~697、1311~1331、1314~1339、1446~1475、1635~1670、1610~1638、1457~1486、2773~1788、931~948、934~949、937~952、942~957、937~957、943~958、937~953、1346~1363、1346~1361、1347~1363、2162~2179、2492~2508、2696~2717または2683~2703を標的とする。ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも8個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列番号1の核酸塩基2773~2788、1343~1358または1344~1359を標的とする。
【0297】
ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも10個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも10個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列番号1の核酸塩基1343~1368、1317~1366、2748~2791、2155~2208、2748~2791、730~748、528~547、531~567、636~697、1311~1331、1314~1339、1446~1475、1635~1670、1610~1638、1457~1486、2773~1788、931~948、934~949、937~952、942~957、937~957、943~958、937~953、1346~1363、1346~1361、1347~1363、2162~2179、2492~2508、2696~2717または2683~2703を標的とする。ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも10個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列番号1の核酸塩基2773~2788、1343~1358または1344~1359を標的とする。
【0298】
ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも12個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも12個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列番号1の核酸塩基1343~1368、1317~1366、2748~2791、2155~2208、2748~2791、730~748、528~547、531~567、636~697、1311~1331、1314~1339、1446~1475、1635~1670、1610~1638、1457~1486、2773~1788、931~948、934~949、937~952、942~957、937~957、943~958、937~953、1346~1363、1346~1361、1347~1363、2162~2179、2492~2508、2696~2717または2683~2703を標的とする。ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも12個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列番号1の核酸塩基2773~2788、1343~1358または1344~1359を標的とする。
【0299】
ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも14個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチド
は、標的領域に対して相補的な少なくとも14個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列番号1の核酸塩基1343~1368、1317~1366、2748~2791、2155~2208、2748~2791、730~748、528~547、531~567、636~697、1311~1331、1314~1339、1446~1475、1635~1670、1610~1638、1457~1486、2773~1788、931~948、934~949、937~952、942~957、937~957、943~958、937~953、1346~1363、1346~1361、1347~1363、2162~2179、2492~2508、2696~2717または2683~2703を標的とする。ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも14個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列番号1の核酸塩基2773~2788、1343~1358または1344~1359を標的とする。
【0300】
ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも16個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも16個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列有し、標的領域は、配列番号1の核酸塩基1343~1368、1317~1366、2748~2791、2155~2208、2748~2791、730~748、528~547、531~567、636~697、1311~1331、1314~1339、1446~1475、1635~1670、1610~1638、1457~1486、2773~1788、931~948、934~949、937~952、942~957、937~957、943~958、937~953、1346~1363、1346~1361、1347~1363、2162~2179、2492~2508、2696~2717または2683~2703を標的とする。ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも16個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列有し、標的領域は、配列番号1の核酸塩基2773~2788、1343~1358または1344~1359を標的とする。
【0301】
ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号2の以下の領域のいずれか1つを標的とする:10195~10294、13553~13572、13748~13767、13455~13475、13628~13657、13735~13760、13746~13905、13836~13851、13553~13568、13563~13578、13624~13639、13686~13701、13760~13775、13763~13779、13765~13780、2580~2595、6446~6461、11099~11115、11082~11099、1974~1993、4435~4456、6035~6052、6360~6385、6445~6468、6807~6824、6789~6806及び6596~6615。ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号2の以下の領域のいずれか1つを標的とする:13836~13831、8603~8618及び8604~8619。
【0302】
ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも8個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも8個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列番号2の核酸塩基10195~10294、13553~13572、13748~13767、13455~13475、1362
8~13657、13735~13760、13746~13905、13836~13851、13553~13568、13563~13578、13624~13639、13686~13701、13760~13775、13763~13779、13765~13780、2580~2595、6446~6461、11099~11115、11082~11099、1974~1993、4435~4456、6035~6052、6360~6385、6445~6468、6807~6824、6789~6806または6596~6615を標的とする。ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも8個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列番号2の核酸塩基13836~13831、8603~8618または8604~8619を標的とする。
【0303】
ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも10個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも10個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列番号2の核酸塩基10195~10294、13553~13572、13748~13767、13455~13475、13628~13657、13735~13760、13746~13905、13836~13851、13553~13568、13563~13578、13624~13639、13686~13701、13760~13775、13763~13779、13765~13780、2580~2595、6446~6461、11099~11115、11082~11099、1974~1993、4435~4456、6035~6052、6360~6385、6445~6468、6807~6824、6789~6806または6596~6615を標的とする。ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも10個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列番号2の核酸塩基13836~13831、8603~8618または8604~8619を標的とする。
【0304】
ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも12個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも12個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列番号2の核酸塩基10195~10294、13553~13572、13748~13767、13455~13475、13628~13657、13735~13760、13746~13905、13836~13851、13553~13568、13563~13578、13624~13639、13686~13701、13760~13775、13763~13779、13765~13780、2580~2595、6446~6461、11099~11115、11082~11099、1974~1993、4435~4456、6035~6052、6360~6385、6445~6468、6807~6824、6789~6806または6596~6615を標的とする。ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも12個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列番号2の核酸塩基13836~13831、8603~8618または8604~8619を標的とする。
【0305】
ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも14個の連続的な核酸塩基含有する相補的領域を含む核酸塩基
配列を有する。ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも14個の連続的な核酸塩基含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列番号2の核酸塩基10195~10294、13553~13572、13748~13767、13455~13475、13628~13657、13735~13760、13746~13905、13836~13851、13553~13568、13563~13578、13624~13639、13686~13701、13760~13775、13763~13779、13765~13780、2580~2595、6446~6461、11099~11115、11082~11099、1974~1993、4435~4456、6035~6052、6360~6385、6445~6468、6807~6824、6789~6806または6596~6615を標的とする。ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも14個の連続的な核酸塩基含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列番号2の核酸塩基13836~13831、8603~8618または8604~8619を標的とする。
【0306】
ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも16個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも16個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列番号2の核酸塩基10195~10294、13553~13572、13748~13767、13455~13475、13628~13657、13735~13760、13746~13905、13836~13851、13553~13568、13563~13578、13624~13639、13686~13701、13760~13775、13763~13779、13765~13780、2580~2595、6446~6461、11099~11115、11082~11099、1974~1993、4435~4456、6035~6052、6360~6385、6445~6468、6807~6824、6789~6806または6596~6615を標的とする。ある種の実施形態では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも16個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列番号2の核酸塩基13836~13831、8603~8618または8604~8619を標的とする。
【0307】
ある種の実施形態では、動物はヒトである。
【0308】
ある種の実施形態では、本発明の化合物または組成物は第一の薬剤と呼ばれ、本発明の方法は、第二の薬剤を投与することをさらに含む。ある種の実施形態では、第一の薬剤及び第二の薬剤は共投与される。ある種の実施形態では、第一の薬剤及び第二の薬剤は逐次または同時に共投与される。
【0309】
ある種の実施形態では、投与は非経口投与を含む。
【0310】
ある種の実施形態では、化合物は一本鎖の修飾オリゴヌクレオチドである。ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、前記修飾オリゴヌクレオチドの全体にわたって測定した場合に、配列番号1~19いずれか1つに対して少なくとも95%相補的である。ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、前記修飾オリゴヌクレオチドの全体にわたって測定した場合に、配列番号1~19いずれか1つに対して100%相補的である。ある種の実施形態では、化合物は一本鎖の修飾オリゴヌクレオチドである。ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列
は、前記修飾オリゴヌクレオチドの全体にわたって測定した場合に、配列番号1のいずれか1つに対して少なくとも95%相補的である。ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、前記修飾オリゴヌクレオチドの全体にわたって測定した場合に、配列番号1のいずれか1つに対して100%相補的である。
【0311】
ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、前記修飾オリゴヌクレオチドの全体にわたって測定した場合に、配列番号1のいずれか1つに対して少なくとも90%相補的である。ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、前記修飾オリゴヌクレオチドの全体にわたって測定した場合に、配列番号1のいずれか1つに対して85%相補的である。
【0312】
ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、前記修飾オリゴヌクレオチドの全体にわたって測定した場合に、配列番号2のいずれか1つに対して少なくとも90%相補的である。ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、前記修飾オリゴヌクレオチドの全体にわたって測定した場合に、配列番号2のいずれか1つに対して85%相補的である。
【0313】
ある種の実施形態では、前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシド間結合は、修飾ヌクレオシド間結合である。ある種の実施形態では、各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0314】
ある種の実施形態では、前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシドは修飾糖を含む。ある種の実施形態では、少なくとも1つの修飾糖は二環式糖である。ある種の実施形態では、少なくとも1つの修飾糖は、2’-O-メトキシエチルまたは4’-(CH-O-2’架橋(式中、nは1または2である)を含む。
【0315】
ある種の実施形態では、前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシドは、修飾核酸塩基を含む。ある種の実施形態では、修飾核酸塩基は5-メチルシトシンである。
【0316】
ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは以下を含む:a)連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;b)連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;及びc)連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント。ギャップセグメントは5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは修飾糖を含む。
【0317】
ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは以下を含む:a)10個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;b)5つの連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;及びc)5つの連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント。ギャップセグメントは5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは2’-O-メトキシエチル糖を含み、前記修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合であり、前記修飾オリゴヌクレオチド中の各シトシンは5’-メチルシトシンである。
【0318】
ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは20個の連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは19個の連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは18個の連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは17個の連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは16個の連結したヌクレオシドから成る。
【0319】
ある種の実施形態は、動物において、優先的にCUGexp DMPK RNAを低減させる、筋強直症を軽減させるまたはスプライセオパシーを低減させる方法であって、10個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント、5つの連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント、及び5つの連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメントを有する修飾オリゴヌクレオチドを含有する化合物を動物に投与することを含む方法を提供する。ギャップセグメントは5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは2’-O-メトキシエチル糖を含み、前記修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合であり、前記修飾オリゴヌクレオチド中の各シトシンは5’-メチルシトシンである。
【0320】
ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは以下を含む:a)8つの連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;b)4つの連結したヌクレオシドから成り、E-E-K-K5’ウイングモチーフを有する、5’ウイングセグメント;c)4つの連結したヌクレオシドから成り、K-K-E-E3’ウイングモチーフを有する、3’ウイングセグメント;及びd)ここでは、ギャップセグメントが5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントの間に位置し、各Eが2’-O-メトキシエチル糖を表し、各KがcEt糖を表す。
【0321】
ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは以下を含む:a)7つの連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;b)5つの連結したヌクレオシドから成り、E-E-E-K-K5’ウイングモチーフを有する、5’ウイングセグメント;c)5つの連結したヌクレオシドから成り、K-K-E-E-E3’ウイングモチーフを有する、3’ウイングセグメント;及びd)ここでは、ギャップセグメントが5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントの間に位置し、各Eが2’-O-メトキシエチル糖を表し、各KがcEt糖を表す。
【0322】
ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは以下を含む:a)10個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;b)5つの連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;c)5つの連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント;及びd)ここでは、ギャップセグメントが5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む。
【0323】
ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは以下を含む:a)10個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;b)3つの連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;c)3つの連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント;及びd)ここでは、ギャップセグメントが5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドがcEt糖を含む。
【0324】
ある種の実施形態は、動物において、優先的にCUGexp DMPK RNAを低減させる、筋強直症を軽減させるまたはスプライセオパシーを低減させる方法であって、以下を有する修飾オリゴヌクレオチドを含有する化合物を動物に投与することを含む方法を提供する:a)8つの連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;b)4つの連結したヌクレオシドから成り、E-E-K-K5’ウイングモチーフを有する、5’ウイングセグメント;c)4つの連結したヌクレオシドから成り、K-K-E-E3’ウイングモチーフを有する、3’ウイングセグメント;及びd)ここでは、ギャップセグメントが5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントの間に位置し、各Eが2’
-O-メトキシエチル糖を表し、各KがcEt糖を表す。
【0325】
ある種の実施形態は、動物において、優先的にCUGexp DMPK RNAを低減させる、筋強直症を軽減させるまたはスプライセオパシーを低減させる方法であって、以下を有する修飾オリゴヌクレオチドを含有する化合物を動物に投与することを含む方法を提供する:a)7つの連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;b)5つの連結したヌクレオシドから成り、E-E-E-K-K5’ウイングモチーフを有する、5’ウイングセグメント;c)5つの連結したヌクレオシドから成り、K-K-E-E-E3’ウイングモチーフを有する、3’ウイングセグメント;及びd)ここでは、ギャップセグメントが5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントの間に位置し、各Eが2’-O-メトキシエチル糖を表し、各KがcEt糖を表す。
【0326】
ある種の実施形態は、動物において、優先的にCUGexp DMPK RNAを低減させる、筋強直症を軽減させるまたはスプライセオパシーを低減させる方法であって、以下を有する修飾オリゴヌクレオチドを含有する化合物を動物に投与することを含む方法を提供する:a)10個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;b)5つの連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;c)5つの連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント;及びd)ここでは、ギャップセグメントが5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む。
【0327】
ある種の実施形態は、動物において、優先的にCUGexp DMPK RNAを低減させる、筋強直症を軽減させるまたはスプライセオパシーを低減させる方法であって、以下を有する修飾オリゴヌクレオチドを含有する化合物を動物に投与することを含む方法を提供する:a)10個の連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;b)3つの連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;c)3つの連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント;及びd)ここでは、ギャップセグメントが5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドがcEt糖を含む。
【0328】
ある種の実施形態は、本明細書に記載の治療方法のいずれかで使用するための医薬の製造における、本明細書に記載される任意の化合物の使用を提供する。例えば、ある種の実施形態は1型筋緊張性ジストロフィーを処置する、改善させる、または予防するための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物の使用を提供する。ある種の実施形態は、DMPKの発現を阻害する並びにDMPK関連疾患及び/またはその症状を処置する、予防する、遅延させるまたは改善させるための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物の使用を提供する。ある種の実施形態は、動物においてDMPKの発現を低減させるための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物の使用を提供する。ある種の実施形態は、動物において、優先的にCUGexp DMPKを低減させる、筋強直症を軽減させるまたはスプライセオパシーを低減させるための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物の使用を提供する。ある種の実施形態は、1型筋緊張性ジストロフィーを有する動物を処置するための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物の使用を提供する。ある種の実施形態は、筋硬直、筋強直症、障害性遠位衰弱、顔面及び顎の筋肉の衰弱、嚥下困難、眼瞼の垂れ下がり(眼瞼下垂)、頚筋の衰弱、腕及び脚の筋肉の衰弱、持続的筋肉痛、過眠、筋消耗、嚥下障害、呼吸不全、不規則心拍、心筋損傷、感情鈍麻、インスリン抵抗性並びに白内障を含めた、DM1の発生と関係がある症状及び転帰を処置する、予防する、遅延させるまたは改善させるための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物の使用を提供する。ある種の実施形態は、病原性のある転写産物の切断を導くことによってRNA占有を妨げるための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物の使用を提供する。
【0329】
ある種の実施形態は、本明細書に記載のように1型筋緊張性ジストロフィーを処置する、予防するまたは改善させるキットであって、a)本明細書に記載の化合物、及び任意にb)本明細書に記載のさらなる薬剤または療法を含むキットを提供する。キットは、1型筋緊張性ジストロフィーを処置する、予防する、または改善させる目的でキットを使用するための説明書またはラベルをさらに含むことができる。
【0330】
ある種の実施形態は、本明細書に記載の治療方法のいずれかで使用するための、本明細書に記載の任意の化合物または組成物を提供する。例えば、ある種の実施形態は、DMPKの発現を阻害する並びにDMPK関連疾患及びまたはその症状を処置する、予防する、遅延させるまたは改善させるための、本明細書に記載の化合物または組成物を提供する。ある種の実施形態は、動物においてDMPKの発現を低減させるのに使用するための、本明細書に記載の化合物または組成物を提供する。ある種の実施形態は、動物において、優先的にCUGexp DMPKを低減させる、筋強直症を軽減させるまたはスプライセオパシーを低減させるのに使用するための、本明細書に記載の化合物または組成物を提供する。ある種の実施形態は、1型筋緊張性ジストロフィーを有する動物を処置するのに使用するための、本明細書に記載の化合物または組成物を提供する。ある種の実施形態は、筋硬直、筋強直症、障害性遠位衰弱、顔面及び顎の筋肉の衰弱、嚥下困難、眼瞼の垂れ下がり(眼瞼下垂)、頚筋の衰弱、腕及び脚の筋肉の衰弱、持続的筋肉痛、過眠、筋消耗、嚥下障害、呼吸不全、不規則心拍、心筋損傷、感情鈍麻、インスリン抵抗性並びに白内障を含めた、DM1の発生と関係がある症状及び転帰を処置する、予防する、遅延させるまたは改善させるのに使用するための、本明細書に記載の化合物または組成物を提供する。ある種の実施形態は、病原性のある転写産物の切断を導くことによってRNA占有を妨げるのに使用するための、本明細書に記載の化合物または組成物を提供する。ある種の実施形態は、配列番号23、24、25、26、27、28、29、30、31、32または33~874の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも12個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する12~30個の連結したヌクレオシドから成る修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0331】
本明細書に記載の方法で使用することができる他の化合物も提供する。
【0332】
例えば、ある種の実施形態は、配列番号23、24、25、26、27、28、29、30、31、32または33~874の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18または少なくとも19個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、10~80、12~50、12~30、15~30、18~24、19~22または20個の連結したヌクレオシドから成る修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0333】
ある種の実施形態は、配列番号23、24、25、26、27、28、29、30、31、32または33~874の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、10~80、12~50、12~30、15~30、18~24、19~22または20個の連結したヌクレオシドから成る修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0334】
ある種の実施形態は、配列番号1の核酸塩基1343~1368、1317~1366、2748~2791、2155~2208、2748~2791、730~748、528~547、531~567、636~697、1311~1331、1314~13
39、1446~1475、1635~1670、1610~1638、1457~1486、2773~1788、931~948、934~949、937~952、942~957、937~957、943~958、937~953、1346~1363、1346~1361、1347~1363、2162~2179、2492~2508、2696~2717または2683~2703の等しい長さの部分に対して相補的な少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18または少なくとも19個またはそれ以上の連続的な核酸塩基の一部分を含む核酸塩基配列を有する10~80、12~50、12~30、15~30または15~17個の連結したヌクレオシドから成る修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0335】
ある種の実施形態は、配列番号2の核酸塩基10195~10294、13553~13572、13748~13767、13455~13475、13628~13657、13735~13760、13746~13905、13836~13851、13553~13568、13563~13578、13624~13639、13686~13701、13760~13775、13763~13779、13765~13780、2580~2595、6446~6461、11099~11115、11082~11099、1974~1993、4435~4456、6035~6052、6360~6385、6445~6468、6807~6824、6789~6806または6596~6615の等しい長さの部分に対して相補的な少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18または少なくとも19個またはそれ以上の連続的な核酸塩基の一部分を含む核酸塩基配列を有する10~80、12~50、12~30、15~30、18~24、19~22または20個の連結したヌクレオシドから成る修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0336】
ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは一本鎖オリゴヌクレオチドである。
【0337】
ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号23、24、25、26、27、28、29、30、31、32または33~874のいずれかに対して、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%相補的である。
【0338】
ある種の実施形態では、少なくとも1つのヌクレオシド間結合は修飾ヌクレオシド間結合である。
【0339】
ある種の実施形態では、各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0340】
ある種の実施形態では、少なくとも1つのヌクレオシドは修飾糖を含む。
【0341】
ある種の実施形態では、少なくとも1つの修飾糖は二環式糖である。
【0342】
ある種の実施形態では、少なくとも1つの修飾糖はcEtである。
【0343】
ある種の実施形態では、少なくとも1つの修飾糖は2’-O-メトキシエチルを含む。
【0344】
ある種の実施形態では、少なくとも1つのヌクレオシドは修飾核酸塩基を含む。
【0345】
ある種の実施形態では、修飾核酸塩基は5-メチルシトシンである。ある種の実施形態
では、各シトシン残基は5-メチルシトシンを含む。
【0346】
ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは16個の連結したヌクレオシドから成る。
【0347】
ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは17個の連結したヌクレオシドから成る。
【0348】
ある種の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは20個の連結したヌクレオシドから成る。
【0349】
アンチセンス化合物
オリゴマー化合物としては、これらに限定されないが、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、オリゴヌクレオチド類似物、オリゴヌクレオチド模倣物、アンチセンス化合物、アンチセンスオリゴヌクレオチド及びsiRNAが挙げられる。オリゴマー化合物は標的核酸に対する「アンチセンス」でもよく、これは、水素結合を介して標的核酸へのハイブリダイゼーションを起こすことができることを意味する。
【0350】
ある種の実施形態では、アンチセンス化合物は、5’から3’の方向で記載される場合、それが標的とする標的核酸の標的セグメントの逆相補鎖を含む核酸塩基配列を有する。ある種のそのような実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、5’から3’の方向で記載される場合、それが標的とする標的核酸の標的セグメントの逆相補鎖を含む核酸塩基配列を有する。
【0351】
ある種の実施形態では、DMPKを標的とする本明細書に記載のアンチセンス化合物は、10~30ヌクレオチドの長さである。換言すれば、いくつかの実施形態では、アンチセンス化合物は10~30個の連結した核酸塩基である。他の実施形態では、アンチセンス化合物は、8~80、10~80、12~30、12~50、15~30、15~18、15~17、16~16、18~24、19~22または20個の連結した核酸塩基から成る修飾オリゴヌクレオチドを含む。ある種のそのような実施形態では、アンチセンス化合物は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79または80個の連結した核酸塩基の長さ、または上記の値の任意の2つによって定められた範囲から成る修飾オリゴヌクレオチドを含む。ある種の実施形態では、これらの長さのいずれかのアンチセンス化合物は、本明細書に記載の例示的アンチセンス化合物のいずれかの核酸塩基配列の少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18または少なくとも19個の連続的な核酸塩基(例えば、配列番号23、24、25、26、27、28、29、30、31、32または33~874のいずれか1つに記載される核酸塩基配列の少なくとも8個の連続的な核酸塩基を含む。
【0352】
ある種の実施形態では、アンチセンス化合物は、短縮またはトランケート修飾オリゴヌクレオチドを含む。短縮またはトランケート修飾オリゴヌクレオチドは、5’末端(5’トランケーション)あるいは3’末端(3’トランケーション)から欠失される単一ヌクレオシドを有し得る。短縮またはトランケートオリゴヌクレオチドは、5’末端から欠失される2つのヌクレオシドを有し得、あるいは3’末端から欠失される2つのサブユニッ
トを有し得る。あるいは、例えば、5’末端から欠失される1つのヌクレオシド及び3’末端から欠失される1つのヌクレオシドを有するアンチセンス化合物では、欠失ヌクレオシドは修飾オリゴヌクレオチド全体にわたって分散され得る。
【0353】
単一の付加的なヌクレオシドが延長されたオリゴヌクレオチドに存在する場合は、付加的なヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドの5’または3’末端に位置し得る。2つ以上の付加的なヌクレオシドが存在する場合は、例えば、オリゴヌクレオチドの5’末端(5’付加)あるいは3’末端(3’付加)に付加された2つのヌクレオシドを有するオリゴヌクレオチドにおいて、付加されたヌクレオシドは互いに隣接し得る。あるいは、例えば、5’末端に付加された1つのヌクレオシド及び3’末端に付加された1つのサブユニットを有するオリゴヌクレオチドにおいて、付加されたヌクレオシドは、アンチセンス化合物全体にわたって分散され得る。
【0354】
活性を無くすことなく、アンチセンスオリゴヌクレオチドなどのアンチセンス化合物の長さを増やすもしくは減らすこと及び/またはミスマッチ塩基を導入することができる。例えば、Woolf et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7305-7309,1992)では、13~25核酸塩基長の一連のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、卵母細胞インジェクションモデルにおいて、それらが標的RNAの切断を誘導する能力について試験した。アンチセンスオリゴヌクレオチドの末端付近に8または11個のミスマッチ塩基を有する25核酸塩基長のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、ミスマッチを含まないアンチセンスオリゴヌクレオチドよりも程度が少ないとはいえ、標的mRNAの特異的な切断を導くことができた。同様に、標的特異的な切断は、1または3つのミスマッチを有するものを含めて、13核酸塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用して達成された。
【0355】
Gautschi et al(J.Natl.Cancer Inst.93:463-471,March 2001)は、bcl-2 mRNAに対して100%の相補性を有し、bcl-xL mRNAに対して3つのミスマッチを有するオリゴヌクレオチドが、インビトロ及びインビボにおいてbcl-2とbcl-xLの両方の発現を低減させる能力を示した。さらに、このオリゴヌクレオチドは、インビボで、強力な抗腫瘍活性を示した。
【0356】
Maher and Dolnick(Nuc.Acid.Res.16:3341-3358,1988)は、一連のタンデムな14核酸塩基アンチセンスオリゴヌクレオチド並びにそれぞれ2つまたは3つのタンデムなアンチセンスオリゴヌクレオチドの配列から成る28及び42核酸塩基アンチセンスオリゴヌクレオチドを、ウサギ網状赤血球アッセイにおいて、ヒトDHFRの翻訳を停止するそれらの能力について試験した。3つの14核酸塩基アンチセンスオリゴヌクレオチドのそれぞれは、28または42核酸塩基アンチセンスオリゴヌクレオチドよりも控えめなレベルとはいえ、単独で翻訳を阻害することができた。
【0357】
標的核酸、標的領域及びヌクレオチド配列
DMPKをコードするヌクレオチド配列としては、限定されないが、以下の配列が挙げられる。GenBank受託番号NM_001081560.1に記載の配列(配列番号1として本明細書に組み込まれる)、ヌクレオチド18540696から18555106までトランケートされたGenBank受託番号NT_011109.15に記載の配列(配列番号2として本明細書に組み込まれる)、ヌクレオチド16666001から16681000までトランケートされたGenBank受託番号NT_039413.7に記載の配列(配列番号3として本明細書に組み込まれる)、GenBank受託番号NM_032418.1に記載の配列(配列番号4として本明細書に組み込まれる)、Ge
nBank受託番号AI007148.1に記載の配列(配列番号5として本明細書に組み込まれる)、GenBank受託番号AI304033.1に記載の配列(配列番号6として本明細書に組み込まれる)、GenBank受託番号BC024150.1に記載の配列(配列番号7として本明細書に組み込まれる)、GenBank受託番号BC056615.1に記載の配列(配列番号8として本明細書に組み込まれる)、GenBank受託番号BC075715.1に記載の配列(配列番号9として本明細書に組み込まれる)、GenBank受託番号BU519245.1に記載の配列(配列番号10として本明細書に組み込まれる)、GenBank受託番号CB247909.1に記載の配列(配列番号11として本明細書に組み込まれる)、GenBank受託番号CX208906.1に記載の配列(配列番号12として本明細書に組み込まれる)、GenBank受託番号CX732022.1に記載の配列(配列番号13として本明細書に組み込まれる)、GenBank受託番号S60315.1に記載の配列(配列番号14として本明細書に組み込まれる)、GenBank受託番号S60316.1に記載の配列(配列番号15として本明細書に組み込まれる)、GenBank受託番号NM_001081562.1に記載の配列(配列番号16として本明細書に組み込まれる)及びGenBank受託番号NM_001100.3に記載の配列(配列番号17として本明細書に組み込まれる)。本明細書に含まれる実施例の各配列番号に記載される配列は、糖部分、ヌクレオシド間結合または核酸塩基に対するいかなる修飾とも無関係であることが理解されよう。したがって、配列番号で定められたアンチセンス化合物は、独立に、糖部分、ヌクレオシド間結合または核酸塩基に対する1つまたは複数の修飾を含むことができる。Isis番号(Isis No)で記載されるアンチセンス化合物は、核酸塩基配列とモチーフの組み合わせを示す。
【0358】
ある種の実施形態では、標的領域は標的核酸の構造的に定められた領域である。例えば、標的領域は、3’UTR、5’UTR、エクソン、イントロン、エクソン/イントロン接合部、コード領域、翻訳開始領域、翻訳終結領域または他の定められた核酸領域を包含し得る。DMPKについての構造的に定められた領域は、NCBIなどの配列データベースから受託番号によって得ることができ、そうした情報は、参照により本明細書に組み込まれる。ある種の実施形態では、標的領域は、標的領域内のある標的セグメントの5’標的部位から標的領域内の別の標的セグメントの3’標的部位までの配列を包含し得る。
【0359】
ターゲティングは、アンチセンス化合物がハイブリダイズして、その結果所望の効果が生じる、少なくとも1つの標的セグメントの決定を含む。ある種の実施形態では、所望の効果は、mRNA標的核酸レベルの低減である。ある種の実施形態では、所望の効果は、標的核酸にコードされるタンパク質のレベルの低減、または標的核酸と関係がある表現型の変化である。
【0360】
標的領域は、1つまたは複数の標的セグメントを含むことができる。標的領域内の複数の標的セグメントは、重複していてもよい。あるいは、それらは、重複していなくてもよい。ある種の実施形態では、標的領域内の標的セグメントは、約300個以下のヌクレオチドによって分離される。ある種の実施形態では、標的領域内の標的セグメントは、標的核酸の250、200、150、100、90、80、70、60、50、40、30、20もしくは10ヌクレオチドである、およそこれらの数のヌクレオチドである、これらの数以下のヌクレオチドである、およそこれらの数以下のヌクレオチドである、または前述の値の任意の2つによって定められた範囲である、多数のヌクレオチドによって分離される。ある種の実施形態では、標的領域内の標的セグメントは、標的核酸の5以下または約5以下のヌクレオチドによって分離される。ある種の実施形態では、標的セグメントは連続的である。本明細書に列挙される5’標的部位または3’標的部位のいずれかである出発核酸を有する範囲により定められる標的領域が意図される。
【0361】
適切な標的セグメントは、5’UTR、コード領域、3’UTR、イントロン、エクソンまたはエクソン/イントロン接合部内に見出すことができる。開始コドンまたは終止コドンを含む標的セグメントも適切な標的セグメントである。適切な標的セグメントは、開始コドンまたは終止コドンなどのある種の構造的に定められた領域を特異的に排除することができる。
【0362】
適切な標的セグメントの決定は、ゲノム全体にわたる、他の配列との標的核酸の配列の比較を含むことができる。例えば、BLASTアルゴリズムを使用して、異なる核酸間の類似領域を特定することができる。この比較は、選択された標的核酸以外の配列(すなわち、非標的配列またはオフターゲット配列)に非特異的様式でハイブリダイズし得るアンチセンス化合物配列の選択を防ぐことができる。
【0363】
活性標的領域内のアンチセンス化合物の(例えば、標的核酸レベルの低減パーセントで定められるような)活性の変動があり得る。ある種の実施形態では、DMPK mRNAのレベルの低減は、DMPKタンパク質発現の阻害の指標となる。DMPKタンパク質のレベルの低減も、標的mRNA発現の阻害の指標となる。さらに、表現型の変化、例えば、筋強直症を軽減させること、またはスプライセオパシーを低減させることは、DMPK
mRNA及び/またはタンパク質の発現の阻害の指標となり得る。
【0364】
ハイブリダイゼーション
いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーションは、本明細書に開示されるアンチセンス化合物とDMPK核酸の間で生じる。ハイブリダイゼーションの最も一般的なメカニズムは、核酸分子の相補的核酸塩基間の水素結合(例えば、ワトソン‐クリック、フーグスティーンまたは逆フーグスティーン型水素結合)を伴う。
【0365】
ハイブリダイゼーションは様々な条件下で生じる。ストリンジェント条件は配列依存的であり、ハイブリダイズすることになる核酸分子の性質及び組成によって決定される。
【0366】
配列が標的核酸に特異的にハイブリダイズ可能かどうかを決定する方法は、当技術分野で周知である(Sambrooke and Russell,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd Ed.,2001)。ある種の実施形態では、本明細書で提供されるアンチセンス化合物はDMPK核酸と特異的にハイブリダイズ可能である。
【0367】
相補性
所望の効果が生じる(例えば、DMPK核酸などの標的核酸のアンチセンス阻害)ように、アンチセンス化合物の十分な数の核酸塩基が標的核酸の対応する核酸塩基と水素結合することができる場合、アンチセンス化合物及び標的核酸は互いに相補的である。
【0368】
アンチセンス化合物は、介在または隣接するセグメントがハイブリダイゼーション事象に関与しないように(例えば、ループ構造、ミスマッチまたはヘアピン構造)、DMPK核酸の1つまたは複数のセグメントにわたってハイブリダイズすることができる。
【0369】
ある種の実施形態では、本明細書で提供されるアンチセンス化合物またはその特定の部分は、DMPK核酸、標的領域、標的セグメントまたはそれらの特定の部分に対して、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%相補的、または少なくともこれらの%相補的である。ある種の実施形態では、アンチセンス化合物は、DMPK核酸、標的領域、標的セグメントまたはそれらの特定の部分に対して、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%
、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%相補的であり、本明細書に記載の例示的アンチセンス化合物のいずれかの核酸塩基配列の少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18または少なくとも19個の連続的な核酸塩基(例えば、配列番号23、24、25、26、27、28、29、30、31、32または33~874のいずれか1つに記載される核酸塩基配列の少なくとも8個の連続的な核酸塩基)を含む。標的核酸とのアンチセンス化合物の相補性パーセントは、慣例的方法を使用して決定することができ、アンチセンス化合物全体にわたって測定される。
【0370】
例えば、アンチセンス化合物の20個の核酸塩基のうちの18個が、標的領域に対して相補的であり、したがって特異的にハイブリダイズすると思われるアンチセンス化合物は、90パーセントの相補性に相当するであろう。この例では、残りの非相補的核酸塩基は、クラスター化されていてもよいし、相補的核酸塩基が挟まれていてもよく、互いにまたは相補的核酸塩基と連続的である必要はない。したがって、標的核酸と完全相補性の2つの領域が隣接する4(四)つの非相補的核酸塩基を有する18核酸塩基長のアンチセンス化合物は、標的核酸と77.8%の全体的相補性を有すると思われ、したがって、本発明の範囲に入るであろう。標的核酸領域とのアンチセンス化合物の相補性パーセントは、当技術分野で既知のBLASTプログラム(basic local alignment
search tools)及びPowerBLASTプログラム(Altschul
et al.,J.Mol.Biol.,1990,215,403 410;Zhang and Madden,Genome Res.,1997,7,649 656)を使用して、慣例的に決定することができる。相同性パーセント、配列同一性または相補性は、例えば、ギャッププログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,University Research Park,Madison Wis.)によって、Smith and Waterman(Adv.Appl.Math.,1981,2,482 489)のアルゴリズムを使用するデフォルト設定を使用して決定することができる。
【0371】
ある種の実施形態では、本明細書で提供されるアンチセンス化合物またはその特定の部分は、標的核酸またはその特定の部分に完全に相補的(すなわち100%相補的)である。例えば、アンチセンス化合物は、DMPK核酸または標的領域または標的セグメントまたはそれらの標的配列に対して、完全に相補的であり得る。本明細書で使用する場合、「完全に相補的」は、アンチセンス化合物の各核酸塩基が、標的核酸の対応する核酸塩基と正確な塩基対合ができることを意味する。例えば、20核酸塩基のアンチセンス化合物は、アンチセンス化合物に完全に相補的である、標的核酸の対応する20核酸塩基部分が存在する限り、400核酸塩基長の標的配列に完全に相補的である。完全に相補的は、第一及び/または第二の核酸の特定の部分に関して使用することもできる。例えば、30核酸塩基のアンチセンス化合物の20核酸塩基部分は、400核酸塩基長の標的配列に対して「完全に相補的」であり得る。30核酸塩基のオリゴヌクレオチドの20核酸塩基部分は、標的配列が、各核酸塩基がアンチセンス化合物の20核酸塩基部分に相補的である対応する20核酸塩基部分を有する場合、標的配列に完全に相補的である。同時に、完全な30核酸塩基のアンチセンス化合物は、アンチセンス化合物の残りの10核酸塩基も標的配列に相補的であるかどうかによっては、標的配列に完全に相補的であり得る。
【0372】
非相補的核酸塩基の部位は、アンチセンス化合物の5’末端でもよいし、3’末端でもよい。あるいは、非相補的核酸塩基(複数可)は、アンチセンス化合物の内部の位置でも
よい。2つ以上の非相補的核酸塩基が存在する場合は、これらは、連続的(すなわち連結された)でもよいし、非連続的でもよい。一実施形態では、非相補的核酸塩基は、ギャップマーアンチセンスオリゴヌクレオチドのウイングセグメント中に位置する。
【0373】
ある種の実施形態では、10、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20核酸塩基長である、またはこれらの核酸塩基長までのアンチセンス化合物は、標的核酸、例えばDMPK核酸またはその特定の部分に対する、4つ以下、3つ以下、2つ以下または1つ以下の非相補的核酸塩基(複数可)を含む。
【0374】
ある種の実施形態では、10、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30核酸塩基長である、またはこれらの核酸塩基長までのアンチセンス化合物は、標的核酸、例えばDMPK核酸またはその特定の部分に対する、6つ以下、5つ以下、4つ以下、3つ以下、2つ以下または1つ以下の非相補的核酸塩基(複数可)を含む。
【0375】
本明細書で提供されるアンチセンス化合物は、標的核酸の一部分に対して相補的なものも含む。本明細書で使用する場合、「部分」は、標的核酸の領域またはセグメント内の定められた数の連続的(すなわち連結された)核酸塩基を指す。「部分」は、アンチセンス化合物の定められた数の連続的な核酸塩基を指すこともできる。ある種の実施形態では、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも8核酸塩基部分に相補的である。ある種の実施形態では、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも10核酸塩基部分に相補的である。ある種の実施形態では、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも15核酸塩基部分に相補的である。標的セグメントの少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20もしくはそれ以上の核酸塩基部分、またはこれらの値の任意の2つによって定められた範囲に相補的なアンチセンス化合物も意図される。
【0376】
同一性
本明細書で提供されるアンチセンス化合物は、特定のヌクレオチド配列、配列番号もしくは特定のIsis番号によって表される化合物またはそれらの部分に対して、定められた同一性パーセントを有することもできる。本明細書で使用する場合、アンチセンス化合物は、それが同じ核酸塩基対合能力を有する場合、本明細書に開示される配列と同一である。例えば、開示されるDNA配列のチミジンの代わりにウラシルを含むRNAは、ウラシルとチミジンの両方ともアデニンと対になるので、そのDNA配列と同一であると考えられるであろう。本明細書に記載のアンチセンス化合物の短縮及び延長バージョン及び本明細書で提供されるアンチセンス化合物に対して同一でない塩基を有する化合物も意図される。同一でない塩基は互いに隣接していてもよいし、アンチセンス化合物全体にわたって分散していてもよい。アンチセンス化合物の同一性パーセントは、比較される配列に対して同一の塩基対合を有する塩基の数に従って計算される。
【0377】
ある種の実施形態では、アンチセンス化合物またはその部分は、本明細書に開示される例示的アンチセンス化合物もしくは配列番号またはそれらの部分の1つまたは複数と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一である。
【0378】
修飾
ヌクレオシドは塩基-糖の組み合わせ物である。ヌクレオシドの核酸塩基(塩基としても知られる)部分は、通常は、複素環塩基部分である。ヌクレオチドは、ヌクレオシドの
糖部分に共有結合したリン酸基をさらに含むヌクレオシドである。ペントフラノシル糖を含むヌクレオシドについては、リン酸基は、糖の2’、3’または5’ヒドロキシル部分に連結し得る。オリゴヌクレオチドは、隣接ヌクレオシドが互いに共有結合することを介して形成されて、直鎖状のポリマーオリゴヌクレオチドを形成する。オリゴヌクレオチド構造内で、リン酸基は、一般に、オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合を形成すると言われる。
【0379】
アンチセンス化合物に対する修飾は、ヌクレオシド間結合、糖部分または核酸塩基に対する置換または変化を包含する。修飾アンチセンス化合物は、例えば、細胞取り込みの増強、核酸標的に対する親和性の増強、ヌクレアーゼの存在下での安定性の増大または阻害活性の増大などの望ましい特性が理由で、天然型よりも好ましいことが多い。
【0380】
化学修飾ヌクレオシドは、短縮またはトランケートされたアンチセンスオリゴヌクレオチドの、その標的核酸に対する結合親和性を増大させるために用いることもできる。したがって、そうした化学修飾ヌクレオシド有する、より短いアンチセンス化合物を用いて、しばしば同等の結果を得ることができる。
【0381】
修飾ヌクレオシド間結合
RNA及びDNAの天然に存在するヌクレオシド間結合は、3’-5’ホスホジエステル結合である。1つまたは複数の修飾された、すなわち天然に存在しない、ヌクレオシド間結合を有するアンチセンス化合物は、例えば、細胞取り込みの増強、標的核酸に対する親和性の増強及びヌクレアーゼの存在下での安定性の増大などの望ましい特性が理由で、天然に存在するヌクレオシド間結合を有するアンチセンス化合物よりも選択されることが多い。
【0382】
修飾ヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオチドは、リン原子を保持するヌクレオシド間結合及びリン原子を有さないヌクレオシド間結合を含む。代表的なリン含有ヌクレオシド間結合としては、これらに限定されないが、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホルアミデート及びホスホロチオエートが挙げられる。リン含有及び非リン含有結合の調製方法は周知である。
【0383】
ある種の実施形態では、DMPK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、1つまたは複数の修飾ヌクレオシド間結合を含む。ある種の実施形態では、修飾ヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合である。ある種の実施形態では、アンチセンス化合物の各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0384】
修飾糖部分
本発明のアンチセンス化合物は、糖基が修飾された1つまたは複数のヌクレオシドを任意に含むことができる。そうした糖修飾ヌクレオシドは、ヌクレアーゼ安定性の増強、結合親和性の増大、またはいくつかの他の有益な生物学的特性をアンチセンス化合物に与えることができる。ある種の実施形態では、ヌクレオシドは、化学修飾リボフラノース環部分を含む。化学修飾リボフラノース環の例としては、これらに限定されないが、置換基の付加(5’及び2’置換基を含める、二環式核酸(BNA)を形成するための非ジェミナルな環原子の架橋、S、N(R)またはC(R)(R)(R、R及びRはそれぞれ独立に、H、C~C12アルキルまたは保護基である)でのリボシル環酸素原子の置き換え、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。化学修飾糖の例としては、2’-F-5’-メチル置換ヌクレオシド(他の開示される5’,2’-ビス置換ヌクレオシドについて、2008年8月21日に公開されたPCT国際出願WO2008/101157を参照されたい)または2’位でのさらなる置換を伴うSとのリボシル環酸素原子の置き換え(2005年6月16日に公開された、公開U.S.特許出願US2005-0130
923を参照されたい)、あるいはBNAの5’-置換(2007年11月22日に公開されたPCT国際出願WO2007/134181(ここでは、LNAは例えば5’-メチルまたは5’-ビニル基で置換される)を参照されたい)が挙げられる。
【0385】
修飾糖部分を有するヌクレオシドの例としては、これらに限定されないが、5’-ビニル、5’-メチル(RまたはS)、4’-S、2’-F、2’-OCH、2’-OCHCH、2’-OCHCHF及び2’-O(CHOCH置換基を含むヌクレオシドが挙げられる。2’位の置換基は、アリル、アミノ、アジド、チオ、O-アリル、O-C~C10アルキル、OCF、OCHF、O(CHSCH、O(CH-O-N(R)(R)、O-CH-C(=O)-N(R)(R)及びO-CH-C(=O)-N(R)-(CH-N(R)(R)(式中、各R、R及びRは独立に、Hまたは置換もしくは無置換のC~C10アルキルである)から選択することもできる。
【0386】
二環式核酸(BNA)の例としては、これらに限定されないが、4’と2’のリボシル環原子の間の架橋を含むヌクレオシドが挙げられる。ある種の実施形態では、本明細書で提供されるアンチセンス化合物は、架橋が以下の式の1つを含む、1つまたは複数のBNAヌクレオシドを含む:4’-(CH)-O-2’(LNA);4’-(CH)-S-2’;4’-(CH-O-2’(ENA);4’-CH(CH)-O-2’及び4’-CH(CHOCH)-O-2’(及びそれらの類似物。2008年7月15日に発行されたU.S.特許7,399,845を参照されたい);4’-C(CH)(CH)-O-2’(及びそれらの類似物。2009年1月8日に公開された、WO/2009/006478として公開されたPCT/US2008/068922を参照されたい);4’-CH-N(OCH)-2’(及びそれらの類似物。2008年12月11日に公開された、WO/2008/150729として公開されたPCT/US2008/064591を参照されたい);4’-CH-O-N(CH)-2’(2004年9月2日に公開された公開U.S.特許出願US2004-0171570を参照されたい);4’-CH-N(R)-O-2’(式中、Rは、H、C~C12アルキルまたは保護基である)(2008年9月23日に発行されたU.S特許7,427,672を参照されたい);4’-CH-C(H)(CH)-2’(Chattopadhyaya et al.,J.Org.Chem.,2009,74,118-134を参照されたい);並びに4’-CH-C(=CH)-2’(及びそれらの類似物。2008年12月8日に公開された、WO2008/154401として公開されたPCT/US2008/066154を参照されたい)。
【0387】
さらなる二環式ヌクレオシドが、発表文献に報告されている(例えば:Srivastava et al.,J.Am.Chem.Soc.,2007,129(26)8362-8379;Frieden et al.,Nucleic Acids Research,2003,21,6365-6372;Elayadi et al.,Curr.Opinion Invens.Drugs,2001,2,558-561;Braasch et al.,Chem.Biol.,2001,8,1-7;Orum et al.,Curr.Opinion Mol.Ther.,2001,3,239-243;Wahlestedt et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,2000,97,5633-5638;Singh et al.,Chem.Commun.,1998,4,455-456;Koshkin et
al.,Tetrahedron,1998,54,3607-3630;Kumar
et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219-2222;Singh et al.,J.Org.Chem.,1998,63,10035-10039;U.S.特許第:7,399,845号;7,053,207号;7,034,133号;6,794,499号;6,770,748号;6,670
,461号;6,525,191号;6,268,490号;U.S.特許公開第:US2008-0039618号;US2007-0287831号;US2004-0171570号;U.S.特許出願第:12/129,154号;61/099,844号;61/097,787号;61/086,231号;61/056,564号;61/026,998号;61/026,995号;60/989,574号;国際出願WO2007/134181;WO2005/021570;WO2004/106356;WO94/14226;並びにPCT国際出願第:PCT/US2008/068922号;PCT/US2008/066154号;及びPCT/US2008/064591号を参照されたい)。前述の二環式ヌクレオシドのそれぞれは、例えばα-L-リボフラノース及びβ-D-リボフラノースを含む1つまたは複数の立体化学的糖配置を有して、調製することができる(WO99/14226として1999年3月25日に公開されたPCT国際出願PCT/DK98/00393を参照されたい)。
【0388】
ある種の実施形態では、二環式ヌクレオシドは、ペントフラノシル糖部分の4’と2’の炭素原子の間に架橋を含み、これらには限定されないが、-[C(R)(R)]n-、-C(R)=C(R)-、-C(R)=N-、-C(=NR)-、-C(=O)-、-C(=S)-、-O-、-Si(R-、-S(=O)-及び-N(R)-から独立に選択される1つまたは1つから4つの連結基を含む架橋が含まれ、式中、Xは0、1または2であり;nは1、2、3または4であり;各R及びRは、独立に、H、保護基、ヒドロキシル、C~C12アルキル、置換C~C12アルキル、C~C12アルケニル、置換C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、置換C~C12アルキニル、C~C20アリール、置換C~C20アリール、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C~C脂環基、置換C~C脂環基、ハロゲン、OJ、NJ、SJ、N、COOJ、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)-J)またはスルホキシル(S(=O)-J)であり、
各J及びJは、独立に、H、C~C12アルキル、置換C~C12アルキル、C~C12アルケニル、置換C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、置換C~C12アルキニル、C~C20アリール、置換C~C20アリール、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、複素環基、置換複素環基、C~C12アミノアルキル、置換C~C12アミノアルキルまたは保護基である。
【0389】
ある種の実施形態では、二環式糖部分の架橋は、-[C(R)(R)]-、-[C(R)(R)]-O-、-C(R)-N(R)-O-または-C(R
)-O-N(R)-である。ある種の実施形態では、架橋は、4’-CH-2’、4’-(CH-2’、4’-(CH-2’、4’-CH-O-2’、4’-(CH-O-2’、4’-CH-O-N(R)-2’及び4’-CH-N(R)-O-2’-であり、式中、各Rは独立に、H、保護基またはC~C12アルキルである。
【0390】
ある種の実施形態では、二環式ヌクレオシドは、異性体立体配置によってさらに定義される。例えば、4’-(CH)-O-2’架橋を含むヌクレオシドは、α-L立体配置で存在してもよいし、β-D立体配置で存在してもよい。以前に、α-L-メチレンオキシ(4’-CH-O-2’)BNAが、アンチセンス活性を示すアンチセンスオリゴヌクレオチドに組み込まれた(Frieden et al.,Nucleic Acids Research,2003,21,6365-6372)。
【0391】
ある種の実施形態では、二環式ヌクレオシドは、4’-2’架橋を有するものを含み、そうした架橋としては、これらに限定されないが、α-L-4’-(CH)-O-2’、β-D-4’-CH-O-2’、4’-(CH-O-2’、4’-CH-O
-N(R)-2’、4’-CH-N(R)-O-2’、4’-CH(CH)-O-2’、4’-CH-S-2’、4’-CH-N(R)-2’、4’-CH-CH(CH)-2’及び4’-(CH-2’(式中、Rは、H、保護基またはC~C12アルキルである)が挙げられる。
【0392】
ある種の実施形態では、二環式ヌクレオシドは、以下の式を有し:
【0393】
【化1】
【0394】
式中:
Bxは複素環塩基部分であり;
-Q-Q-Q-は、-CH-N(R)-CH-、-C(=O)-N(R)-CH-、-CH-O-N(R)-、-CH-N(R)-O-または-N(R)-O-CHであり;
は、C~C12アルキルまたはアミノ保護基であり;
及びTはそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分または支持体への共有結合である。
【0395】
ある種の実施形態では、二環式ヌクレオシドは以下の式を有し:
【0396】
【化2】
【0397】
式中:
Bxは複素環塩基部分であり;
及びTはそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分または支持体への共有結合であり;
は、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、置換C~Cアルキル、置換C~Cアルケニル、置換C~Cアルキニル、アシル、置換アシル、置換アミド、チオールまたは置換チオールである。
【0398】
一実施形態では、置換基のそれぞれは独立に、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、OJ、NJ、SJ、N、OC(=X)J及びNJC(=X)NJ(式中、各J、J及びJは独立に、H、C~Cアルキルまたは置換C~Cアルキルであり、XはOまたはNJである)から独立に選択される置換基で一置換または多置換される。
【0399】
ある種の実施形態では、二環式ヌクレオシドは以下の式を有する:
【0400】
【化3】
【0401】
式中:
Bxは複素環塩基部分であり;
及びTはそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分または支持体への共有結合であり;
は、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、置換C~Cアルキル、置換C~Cアルケニル、置換C~Cアルキニルまたは置換アシル(C(=O)-)である。
【0402】
ある種の実施形態では、二環式ヌクレオシドは以下の式を有する:
【0403】
【化4】
【0404】
式中:
Bxは複素環塩基部分であり;
及びTはそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分または支持体への共有結合であり;
は、C~Cアルキル、置換C~Cアルキル、C~Cアルケニル、置換C~Cアルケニル、C~Cアルキニルまたは置換C~Cアルキニルであり;
各q、q、q及びqは独立に、H、ハロゲン、C~Cアルキル、置換C~Cアルキル、C~Cアルケニル、置換C~Cアルケニル、C~Cアルキニルまたは置換C~Cアルキニル、C~Cアルコキシル、置換C~Cアルコキシル、アシル、置換アシル、C~Cアミノアルキルまたは置換C~Cアミノアルキルである。
【0405】
ある種の実施形態では、二環式ヌクレオシドは以下の式を有する:
【0406】
【化5】
【0407】
式中:
Bxは複素環塩基部分であり;
及びTはそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分または支持体への共有結合であり;
、q、q及びqはそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C~C12アルキル、置換C~C12アルキル、C~C12アルケニル、置換C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、置換C~C12アルキニル、C~C12アルコキシ、置換C~C12アルコキシ、OJ、SJ、SOJ、SO、NJ、N、CN、C(=O)OJ、C(=O)NJ、C(=O)J、O-C(=O)NJ、N(H)C(=NH)NJ、N(H)C(=O)-NJもしくはN
(H)C(=S)NJであり;
またはq及びqは共に=C(q)(q)であり;
及びqはそれぞれ独立に、H、ハロゲン、C~C12アルキルもしくは置換C~C12アルキルである。
【0408】
4’-CH-O-2’架橋を有する、アデニン、シトシン、グアニン、5-メチル-シトシン、チミン及びウラシル二環式ヌクレオシドの合成及び調製は、それらのオリゴマー化及び核酸認識特性と共に記載されている(Koshkin et al.,Tetrahedron,1998,54,3607-3630)。二環式ヌクレオシドの合成は、WO98/39352及びWO99/14226にも記載されている。
【0409】
4’-CH-O-2’及び4’-CH-S-2’などの4’-2’架橋基を有する様々な二環式ヌクレオシドの類似物も、調製されている(Kumar et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219-2222)。核酸ポリメラーゼの基質として使用するための、二環式ヌクレオシドを含むオリゴデオキシリボヌクレオチド二本鎖の調製も記載されている(Wengel et al.,WO99/14226)。さらに、2’-アミノ-BNA、すなわち新規な立体構造的に制限された高親和性オリゴヌクレオチド類似物の合成が、当技術分野で記載されている(Singh et al.,J.Org.Chem.,1998,63,10035-10039)。さらに、2’-アミノ-及び2’-メチルアミノ-BNAが調製されており、相補的なRNA鎖及びDNA鎖との二本鎖の熱安定性が以前に報告されている。
【0410】
ある種の実施形態では、二環式ヌクレオシドは以下の式を有する:
【0411】
【化6】
【0412】
式中:
Bxは複素環塩基部分であり;
及びTはそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分または支持体への共有結合であり;
各q、q、q及びqは独立に、H、ハロゲン、C~C12アルキル、置換C~C12アルキル、C~C12アルケニル、置換C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、置換C~C12アルキニル、C~C12アルコキシル、置換C~C12アルコキシル、OJ、SJ、SOJ、SO、NJ、N、CN、C(=O)OJ、C(=O)NJ、C(=O)J、O-C(=O)NJ、N(H)C(=NH)NJ、N(H)C(=O)NJまたはN(H)C(=S)NJであり;
及びqまたはq及びqは共に=C(q)(q)であり、式中、q及びqはそれぞれ独立に、H、ハロゲン、C~C12アルキルまたは置換C~C12アルキルである。
【0413】
4’-(CH-2’架橋及びアルケニル類似物架橋4’-CH=CH-CH-2’を有する1つの炭素環式二環式ヌクレオシドが記載されている(Frier et al.,Nucleic Acids Research,1997,25(22),4429-4443及びAlbaek et al.,J.Org.Chem.,2006,71,7731-7740)。炭素環式二環式ヌクレオシドの合成及び調製も、そのオリゴマー化及び生化学的な研究と共に記載されている(Srivastava et al.,J.Am.Chem.Soc.2007,129(26),8362-8379)。
【0414】
ある種の実施形態では、二環式ヌクレオシドとしては、これらに限定されないが、以下に示すような、(A)α-L-メチレンオキシ(4’-CH-O-2’)BNA、(B)β-D-メチレンオキシ(4’-CH-O-2’)BNA、(C)エチレンオキシ(4’-(CH-O-2’)BNA、(D)アミノオキシ(4’-CH-O-N(R)-2’)BNA、(E)オキシアミノ(4’-CH-N(R)-O-2’)BNA、(F)メチル(メチレンオキシ)(4’-CH(CH)-O-2’)BNA(拘束エチルまたはcEtとも言われる)、(G)メチレン-チオ(4’-CH-S-2’)BNA、(H)メチレン-アミノ(4’-CH-N(R)-2’)BNA、(I)メチル炭素環式(4’-CH-CH(CH)-2’)BNA、(J)プロピレン炭素環式(4’-(CH-2’)BNA及び(K)ビニルBNAが挙げられる。
【0415】
【化7】
【0416】
式中、Bxは塩基部分であり、Rは独立に、H、保護基、C~CアルキルまたはC~Cアルコキシである。
【0417】
ある種の実施形態では、ヌクレオシドは、糖代用物とのリボシル環の置き換えによって修飾される。そうした修飾としては、これらに限定されないが、代用環系(DNA類似物と言われることもある)、例えば、モルホリノ環、シクロヘキセニル環、シクロヘキシル環またはテトラヒドロピラニル環、例えば以下の式のうちの1つを有するものとのリボシル環の置き換えが挙げられる:
【0418】
【化8】
【0419】
ある種の実施形態では、以下の式を有する糖代用物が選択される:
【0420】
【化9】
【0421】
式中:
Bxは複素環塩基部分であり;
及びTはそれぞれ独立に、テトラヒドロピランヌクレオシド類似物をオリゴマー化合物に連結するヌクレオシド間連結基、またはT及びTの一方は、テトラヒドロピランヌクレオシド類似物をオリゴマー化合物もしくはオリゴヌクレオチドに連結するヌクレオシド間連結基であり、T及びTの他方は、H、ヒドロキシル保護基、連結共役基または5’もしくは3’-末端基であり;
、q、q、q、q、q及びqはそれぞれ独立に、H、C~Cアルキル、置換C~Cアルキル、C~Cアルケニル、置換C~Cアルケニル、C~Cアルキニルまたは置換C~Cアルキニルであり;
及びRの一方は水素であり、他方はハロゲン、置換または無置換のアルコキシ、NJ、SJ、N、OC(=X)J、OC(=X)NJ、NJC(=X)NJ及びCN(式中、XはO、SまたはNJであり、各J、J及びJは独立に、HまたはC~Cアルキルである)から選択される。
【0422】
ある種の実施形態では、q、q、q、q、q、q及びqはそれぞれHである。ある種の実施形態では、q、q、q、q、q、q及びqの少なくとも1つはH以外である。ある種の実施形態では、q、q、q、q、q、q及びqの少なくとも1つはメチルである。ある種の実施形態では、R及びRの一方がFであるTHPヌクレオシドが提供される。ある種の実施形態では、Rがフルオロであり、且つRがHであり;Rがメトキシであり、且つRがHであり、及びRがメトキシエトキシであり、且つRがHである。
【0423】
そうした糖代用物としては、これらに限定されないが、当技術分野で、ヘキシトール核酸(HNA)、アルトリトール核酸(ANA)及びマンニトール核酸(MNA)と言われるものが挙げられる(Leumann,C.J.,Bioorg.& Med.Chem.,2002,10,841-854を参照されたい)。
【0424】
ある種の実施形態では、糖代用物は、5つを超える原子及び1つを超えるヘテロ原子を有する環を含む。例えば、モルホリノ糖部分を含むヌクレオシド及びオリゴマー化合物でのその使用が報告されている(例えば、Braasch et al.,Biochemistry,2002,41,4503-4510;並びにU.S.特許5,698,685;5,166,315;5,185,444;及び5,034,506を参照されたい)。
【0425】
本明細書で使用する場合、用語「モルホリノ」は以下の構造を有する糖代用物を意味する:
【0426】
【化10】
【0427】
ある種の実施形態では、例えば、上記のモルホリノ構造から様々な置換基を付加するまたは変えることによって、モルホリノを修飾することができる。そうした糖代用物は、本明細書で。「修飾モルホリノ」と言われる。
【0428】
ある種の実施形態では、アンチセンス化合物は、天然に存在するヌクレオシドのペントフラノシル残基の代わりに6員シクロヘキセニルを有するヌクレオシドである、1つまたは複数の修飾シクロヘキセニルヌクレオシドを含む。修飾シクロヘキセニルヌクレオシドとしては、これらに限定されないが、当技術分野で記載されたものが挙げられる(例えば、共有に係る、2010年4月10日に公開された公開PCT出願WO2010/036696、Robeyns et al.,J.Am.Chem.Soc.,2008,130(6),1979-1984;Horvath et al.,Tetrahedron Letters,2007,48,3621-3623;Nauwelaerts
et al.,J.Am.Chem.Soc.,2007,129(30),9340-9348;Gu et al.,Nucleosides,Nucleotides & Nucleic Acids,2005,24(5-7),993-998;Nauwelaerts et al.,Nucleic Acids Research,2005,33(8),2452-2463;Robeyns et al.,Acta Crystallographica,Section F:Structural Biology and Crystallization Communications,2005,F61(6),585-586;Gu et al.,Tetrahedron,2004,60(9),2111-2123;Gu et al.,Oligonucleotides,2003,13(6),479-489;Wang et al.,J.Org.Chem.,2003,68,4499-4505;Verbeure et al.,Nucleic Acids Research,2001,29(24),4941-4947;Wang et al.,J.Org.Chem.,2001,66,8478-82;Wang et al.,Nucleosides,Nucleotides & Nucleic Acids,2001,20(4-7),785-788;Wang et al.,J.Am.Chem.,2000,122,8595-8602;公開PCT出願WO06/047842;及び公開PCT出願WO01/049687を参照されたい;それぞれのテキストは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。ある種の修飾シクロヘキセニルヌクレオシドは以下の式を有する:
【0429】
【化11】
【0430】
式中:
Bxは複素環塩基部分であり;
及びTはそれぞれ独立に、シクロヘキセニルヌクレオシド類似物をアンチセンス化合物に連結するヌクレオシド間連結基であり、またはT及びTの一方は、テトラヒドロピランヌクレオシド類似物をアンチセンス化合物に連結するヌクレオシド間連結基であり、T及びTの他方は、H、ヒドロキシル保護基、連結共役基もしくは5’-もしくは3’-末端基であり;
、q、q、q、q、q、q、q及びqはそれぞれ独立に、H、C~Cアルキル、置換C~Cアルキル、C~Cアルケニル、置換C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、置換C~Cアルキニルまたは他の糖置換基である。
【0431】
アンチセンス化合物中に組み込むためのヌクレオシドを修飾するのに使用することができる、多くの他の二環式及び三環式の糖代用環系が当技術分野で既知である(例えば、総説:Leumann,Christian J.,Bioorg.& Med.Chem.,2002,10,841-854を参照されたい)。そうした環系は、活性を増強するために様々なさらなる置換を受けることができる。
【0432】
修飾糖の調製方法は当業者に周知である。そうした修飾糖の調製を教示するいくつかの代表的なU.S.特許は、これらに限定されないが、U.S.:4,981,957;5,118,800;5,319,080;5,359,044;5,393,878;5,446,137;5,466,786;5,514,785;5,519,134;5,567,811;5,576,427;5,591,722;5,597,909;5,610,300;5,627,053;5,639,873;5,646,265;5,670,633;5,700,920;5,792,847及び6,600,032並びに2005年6月2日に出願され、2005年12月22日にWO2005/121371として公開された国際出願PCT/US2005/019219が挙げられ、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0433】
修飾糖部分を有するヌクレオチドでは、核酸塩基部分(天然、修飾またはそれらの組み合わせ)は、適切な核酸標的とのハイブリダイゼーションの間維持される。
【0434】
ある種の実施形態では、DMPK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、修飾糖部分を有する1つまたは複数のヌクレオチドを含む。ある種の実施形態では、修飾糖部分は2’-MOEである。ある種の実施形態では、2’-MOE修飾ヌクレオチドは、ギャップマーモチーフ中に配置される。
【0435】
修飾核酸塩基
核酸塩基(または塩基)の修飾または置換は、天然に存在するまたは合成の非修飾核酸塩基と構造的に識別可能であり、こうした非修飾核酸塩基とさらに機能的に互換性がある。天然及び修飾核酸塩基の両方とも、水素結合に関与することができる。そうした核酸塩基修飾は、ヌクレアーゼ安定性、結合親和性またはいくつかの他の有益な生物学的特性をアンチセンス化合物に与えることができる。修飾核酸塩基は、例えば5-メチルシトシン(5-me-C)などの合成及び天然の核酸塩基を含む。5-メチルシトシン置換を含めたある種の核酸塩基置換は、標的核酸に対するアンチセンス化合物の結合親和性を増大させるのに特に有用である。例えば、5-メチルシトシン置換は、核酸の二本鎖安定性を0.6~1.2℃増大させることが示されている(Sanghvi,Y.S.,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,eds.,Antisense Research and Applications,CRC Press,Boca Raton,1993,pp.276-278)。
【0436】
さらなる非修飾核酸塩基としては、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニン及びグアニンの6-メチル及び他のアルキル誘導体、アデニン及びグアニンの2-プロピル及び他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-ハロウラシル及びシトシン、5-プロピニル(-C≡C-CH)ウラシル及びシトシン並びにピリミジン塩基の他のアルキニル誘導体、6-アゾウラシル、シトシン及びチミン、5-ウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル及び他の8-置換アデニン及びグアニン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチル及び他の5-置換ウラシル及びシトシン、7-メチルグアニン及び7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノ-アデニン、8-アザグアニン及び8-アザアデニン、7-デアザグアニン及び7-デアザアデニン及び3-デアザグアニン及び3-デアザアデニンが挙げられる。
【0437】
複素環塩基部分は、プリンまたはピリミジン塩基が他の複素環、例えば、7-デアザ-アデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジン及び2-ピリドンで置き換えられているものを含むこともできる。アンチセンス化合物の結合親和性を増大させるのに特に有用な核酸塩基としては、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン及びN-2、N-6及びO-6置換プリン(2アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシル及び5-プロピニルシトシンを含める)が挙げられる。
【0438】
ある種の実施形態では、DMPK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、1つまたは複数の修飾核酸塩基を含む。ある種の実施形態では、DMPK核酸を標的とする拡大ギャップアンチセンスオリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の修飾核酸塩基を含む。ある種の実施形態では、修飾核酸塩基は5-メチルシトシンである。ある種の実施形態では、各シトシンは5-メチルシトシンである。
【0439】
ある種のアンチセンス化合物モチーフ
ある種の実施形態では、DMPK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、アンチセンス化合物に、阻害活性の増強、標的核酸に対する結合親和性の増大またはインビボヌクレアーゼによる分解に対する抵抗性などの特性を与えるために、パターンまたはモチーフに配置される化学修飾サブユニットを有する。
【0440】
キメラアンチセンス化合物は、ヌクレアーゼによる分解に対する抵抗性の増大、細胞取り込みの増大、標的核酸に対する結合親和性の増大及び/または阻害活性の増大を与えるために、典型的には少なくとも1つの修飾領域を含む。キメラアンチセンス化合物の第二領域は、RNA:DNA二本鎖のRNA鎖を切断する細胞内エンドヌクレアーゼRNase Hに対する基質として任意に働くことができる。
【0441】
ギャップマーモチーフを有するアンチセンス化合物は、キメラアンチセンス化合物と考えられる。ギャップマーでは、RNaseH切断を支援する複数のヌクレオチドを有する内部領域は、内部領域のヌクレオシドと化学的に異なる複数のヌクレオチドを有する外部領域間に位置する。ギャップマーモチーフを有するアンチセンスオリゴヌクレオチドの場合には、ギャップセグメントは、エンドヌクレアーゼによる切断の基質として一般に働くが、ウイングセグメントは修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマー領域は、それぞれ異なる領域を含む糖部分のタイプによって区別される。いくつかの実施形態では、ギャップマー領域を区別するのに使用される糖部分のタイプは、β-D-リボヌクレオシド、β-D-デオキシリボヌクレオシド、2’-修飾ヌクレオシド(このような2’-修飾ヌクレオシドは、中でも、2’-MOE及び2’-O-CHを含むことができる)並びに二環式糖修飾ヌクレオシド(このような二環式糖修飾ヌクレオシドは、4’-(CH-O-2’架橋(式中n=1またはn=2である)を有するものを含
むことができる)を含むことができる。ウイング-ギャップ-ウイングモチーフは、「X-Y-Z」としてしばしば記載され、「X」は5’ウイング領域の長さを表し、「Y」はギャップ領域の長さを表し、「Z」は3’ウイング領域の長さを表す。本明細書で使用する場合、「X-Y-Z」として記載されるギャップマーは、ギャップセグメントが5’ウイングセグメント及び3’ウイングセグメントのそれぞれに直接隣接する位置するような立体配置を有する。したがって、5’ウイングセグメントとギャップセグメントの間またはギャップセグメントと3’ウイングセグメントの間に、介在性ヌクレオチドは存在しない。本明細書に記載のアンチセンス化合物のうちのいずれかは、ギャップマーモチーフを有し得る。いくつかの実施形態ではXとZは同じであり、他の実施形態ではこれらは異なる。好ましい実施形態では、Yは8から15個のヌクレオチドである。X、YまたはZは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30個またはそれ以上のヌクレオチドのいずれかであり得る。したがって、ギャップマーとしては、これらに限定されないが、例えば、5-10-5、4-8-4、4-12-3、4-12-4、3-14-3、2-13-5、2-16-2、1-18-1、3-10-3、2-10-2、1-10-1、2-8-2、6-8-6、5-8-5、5-7-5、1-8-1、または2-6-2が挙げられる。
【0442】
ある種の実施形態では、「ウイングマー」モチーフとしてのアンチセンス化合物は、ウイング-ギャップまたはギャップ-ウイング立体配置、すなわちギャップマー立体配置に関して上で記載されたような、X-YまたはY-Z立体配置を有する。したがって、ウイングマー立体配置としては、これらに限定されないが、例えば、5-10、8-4、4-12、12-4、3-14、16-2、18-1、10-3、2-10、1-10、8-2、2-13または5-13が挙げられる。
【0443】
ある種の実施形態では、DMPK核酸を標的とするアンチセンス化合物は5-10-5ギャップマーモチーフを持つ。ある種の実施形態では、DMPK核酸を標的とするアンチセンス化合物は5-7-5ギャップマーモチーフを持つ。ある種の実施形態では、DMPK核酸を標的とするアンチセンス化合物は3-10-3ギャップマーモチーフを持つ。ある種の実施形態では、DMPK核酸を標的とするアンチセンス化合物は4-8-4ギャップマーモチーフを持つ。
【0444】
ある種の実施形態では、DMPK核酸を標的とするアンチセンス化合物は拡大ギャップモチーフを有する。
【0445】
ある種の実施形態では、これらのギャップマーまたはウイングマーモチーフのいずれかのアンチセンス化合物は、本明細書に記載の例示的アンチセンス化合物のいずれかの核酸塩基配列の少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18または少なくとも19個の連続的な核酸塩基(例えば、配列番号23、24、25、26、27、28、29、30、31、32または33~874のいずれか1つに記載される核酸塩基配列の少なくとも8個の連続的な核酸塩基)を含む。
【0446】
ある種の実施形態では、本発明はオリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物を提供する。ある種の実施形態では、そうしたオリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の化学修飾を含む。ある種の実施形態では、化学修飾オリゴヌクレオチドは1つまたは複数の修飾糖を含む。ある種の実施形態では、化学修飾オリゴヌクレオチドは1つまたは複数の修飾核酸塩基を含む。ある種の実施形態では、化学修飾オリゴヌクレオチドは1つまたは複数の修飾ヌクレオシド間結合を含む。ある種の実施形態では、化学修飾(糖修飾、核酸塩基修飾及び/または結合修飾)は、パターンまたはモチーフを定める。ある種の実施形態では、糖部分、ヌクレオシド間結合及び核酸塩基の化学修飾のパターンは、それぞれ互いに無
関係である。したがって、オリゴヌクレオチドは、その糖修飾モチーフ、ヌクレオシド間結合モチーフ及び/または核酸塩基修飾モチーフによって説明され得る(本明細書で使用する場合、核酸塩基修飾モチーフは、核酸塩基の配列と無関係で、核酸塩基に対する化学修飾を説明する)。
【0447】
ある種の糖モチーフ
ある種の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、定められたパターンまたは糖修飾モチーフにおいてオリゴヌクレオチドまたはその領域に沿って配置された、1または複数のタイプの修飾糖部分及び/または天然に存在する糖部分を含む。そうしたモチーフは、本明細書に論じる糖修飾及び/または他の既知の糖修飾のいずれかを含むことができる。
【0448】
ある種の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、ギャップマー糖修飾モチーフを有する領域を含むか、その領域から成り、これは、2つの外部領域、すなわち「ウイング」、及び1つの内部領域、すなわち「ギャップ」を含む。ギャップマーモチーフの3領域(5’ウイング、ギャップ及び3’ウイング)は、ヌクレオシドの連続的な配列を形成し、ここでは、各ウイングのヌクレオシドの糖部分の少なくともいくつかは、ギャップのヌクレオシドの糖部分の少なくともいくつかと異なる。特に、少なくとも、ギャップに最も近い各ウイングのヌクレオシド(5’ウイングの最も3’側のヌクレオシド及び3’ウイングの最も5’側のヌクレオシド)の糖部分は、隣接したギャップヌクレオシドの糖部分とは異なり、したがってウイングとギャップの間の境界部位を定める。ある種の実施形態では、ギャップ内の糖部分は互いに同じである。ある種の実施形態では、ギャップは、ギャップの1つまたは複数の他のヌクレオシドの糖部分と異なる糖部分を有する1つまたは複数のヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、2つのウイングの糖修飾モチーフは互いに同じである(対称的ギャップマー)。ある種の実施形態では、5’ウイングの糖修飾モチーフは、3’ウイングの糖修飾モチーフと異なる(非対称的ギャップマー)。
【0449】
ある種の5’ウイング
ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、1つから5つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つから5つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、3つから5つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、4つまたは5つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、1つから4つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、1つから3つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、1つまたは2つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つから4つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つまたは3つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、3つまたは4つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、1つのヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、3つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、4つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、5つの連結したヌクレオシドから成る。
【0450】
ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも2つの二環式ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも3つの二環式ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの
5’ウイングは、少なくとも4つの二環式ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも1つのLNAヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングの各ヌクレオシドは二環式ヌクレオシドである。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングの各ヌクレオシドは拘束エチルヌクレオシドである。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングの各ヌクレオシドはLNAヌクレオシドである。
【0451】
ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも1つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも1つの2’-置換ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも1つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも1つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングの各ヌクレオシドは非二環式修飾ヌクレオシドである。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングの各ヌクレオシドは2’-置換ヌクレオシドである。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングの各ヌクレオシドは2’-MOEヌクレオシドである。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングの各ヌクレオシドは2’-OMeヌクレオシドである。
【0452】
ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシド及び少なくとも1つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-置換ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-デオキシヌクレオシドを含む。
【0453】
ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシド及び少なくとも1つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-置換ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-デオキシヌクレオシドを含む。
【0454】
ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも1つのLNAヌクレオシド及び少なくとも1つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも1つのLNAヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-置換ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも1つのLNAヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも1つのLNAヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、少なくとも1つのLNAヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-デオキシヌクレオシドを含む。
【0455】
ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、3つの拘束エチルヌクレオシ
ドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つの二環式ヌクレオシド及び2つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つの拘束エチルヌクレオシド及び2つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つの二環式ヌクレオシド及び2つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つの拘束エチルヌクレオシド及び2つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つの拘束エチルヌクレオシド及び3つの2’-MOEヌクレオシドを含む。
【0456】
ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、3つのLNAヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つのLNAヌクレオシド及び2つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つのLNAヌクレオシド及び2つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つのLNA及び2つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つのLNAヌクレオシド及び2つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つのLNAヌクレオシド及び3つの2’-MOEヌクレオシドを含む。
【0457】
ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、3つの拘束エチルヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つの二環式ヌクレオシド及び2つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つの拘束エチルヌクレオシド及び2つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つの二環式ヌクレオシド及び2つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つの拘束エチルヌクレオシド及び2つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つの拘束エチルヌクレオシド及び3つの2’-OMeヌクレオシドを含む。
【0458】
ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、3つのLNAヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つのLNAヌクレオシド及び2つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つのLNAヌクレオシド及び2つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つのLNA及び2つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つのLNAヌクレオシド及び2つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つのLNAヌクレオシド及び3つの2’-OMeヌクレオシドを含む。
【0459】
ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングはAABBモチーフを有し、ここでは、各Aは、2’-MOEヌクレオシド及び2’OMeヌクレオシドの中から選択される。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングはAABBモチーフを有し、ここでは、各Bは、cEt、LNA、α-L-LNA、ENA及び2’-チオLNAヌクレオシドの中から選択される。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングはAABBモチーフを有し、ここでは、各Aは2’-MOEヌクレオシドを表し、各Bは拘束エチルヌクレオシドを表す。
【0460】
ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングはAAABBモチーフを有し、ここでは、各Aは、2’-MOEヌクレオシド及び2’OMeヌクレオシドの中から選択される。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングはAABBモチーフを有し、
ここでは、各Bは、cEt、LNA、α-L-LNA、ENA及び2’-チオLNAヌクレオシドの中から選択される。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングはAABBモチーフを有し、ここでは、各Aは2’-MOEヌクレオシドを表し、各Bは拘束エチルヌクレオシドを表す。
【0461】
ある種の3’ウイング
ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、1つから5つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つから5つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、3つから5つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、4つまたは5つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、1つから4つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、1つから3つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、1つまたは2つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つから4つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つまたは3つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、3つまたは4つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、1つのヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、3つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、4つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、5つの連結したヌクレオシドから成る。
【0462】
ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも1つのLNAヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングの各ヌクレオシドは二環式ヌクレオシドである。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングの各ヌクレオシドは拘束エチルヌクレオシドである。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングの各ヌクレオシドは、LNAヌクレオシドである。
【0463】
ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも1つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも2つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも3つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも4つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも1つの2’-置換ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも1つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも1つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングの各ヌクレオシドは、非二環式修飾ヌクレオシドである。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングの各ヌクレオシドは、2’-置換ヌクレオシドである。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングの各ヌクレオシドは、2’-MOEヌクレオシドである。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングの各ヌクレオシドは、2’-OMeヌクレオシドである。
【0464】
ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも1つの二環式ヌク
レオシド及び少なくとも1つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-置換ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-デオキシヌクレオシドを含む。
【0465】
ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシド及び少なくとも1つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-置換ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-デオキシヌクレオシドを含む。
【0466】
ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも1つのLNAヌクレオシド及び少なくとも1つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも1つのLNAヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-置換ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも1つのLNAヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも1つのLNAヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、少なくとも1つのLNAヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-デオキシヌクレオシドを含む。
【0467】
ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、3つの拘束エチルヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つの二環式ヌクレオシド及び2つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つの拘束エチルヌクレオシド及び2つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つの二環式ヌクレオシド及び2つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つの拘束エチルヌクレオシド及び2つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの5’ウイングは、2つの拘束エチルヌクレオシド及び3つの2’-MOEヌクレオシド含む。
【0468】
ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、3つのLNAヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つのLNAヌクレオシド及び2つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つのLNAヌクレオシド及び2つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つのLNA及び2つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つのLNAヌクレオシド及び2つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つのLNAヌクレオシド及び3つの2’-MOEヌクレオシドを含む。
【0469】
ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、3つの拘束エチルヌクレオシ
ドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つの二環式ヌクレオシド及び2つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つの拘束エチルヌクレオシド及び2つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つの二環式ヌクレオシド及び2つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つの拘束エチルヌクレオシド及び2つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つの拘束エチルヌクレオシド及び3つの2’-OMeヌクレオシドを含む。
【0470】
ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、3つのLNAヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つのLNAヌクレオシド及び2つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つのLNAヌクレオシド及び2つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つのLNA及び2つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つのLNAヌクレオシド及び2つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングは、2つのLNAヌクレオシド及び3つの2’-OMeヌクレオシドを含む。
【0471】
ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングはBBAAモチーフを有し、ここでは、各Aは、2’-MOEヌクレオシド及び2’OMeヌクレオシドの中から選択される。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングはBBAAモチーフを有し、ここでは、各Bは、cEt、LNA、α-L-LNA、ENA及び2’-チオLNAヌクレオシドの中から選択される。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングはBBAAモチーフを有し、ここでは、各Aは2’-MOEヌクレオシドを表し、各Bは拘束エチルヌクレオシドを表す。
【0472】
ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングはBBAAAモチーフを有し、ここでは、各Aは、2’-MOEヌクレオシド及び2’OMeヌクレオシドの中から選択される。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングはBBAAモチーフを有し、ここでは、各Bは、cEt、LNA、α-L-LNA、ENA及び2’-チオLNAヌクレオシドの中から選択される。ある種の実施形態では、ギャップマーの3’ウイングはBBAAモチーフを有し、ここでは、各Aは2’-MOEヌクレオシドを表し、各Bは拘束エチルヌクレオシドを表す。
【0473】
医薬組成物を製剤化するための組成物及び方法
医薬組成物または製剤の調製のために、アンチセンスオリゴヌクレオチドを医薬的に許容可能な活性または不活性な物質と混合することができる。医薬組成物の製剤化のための組成物及び方法は、これらに限定されないが、投与経路、疾患の程度または投与される用量を含めたいくつかの判断基準によって決まる。
【0474】
適切な医薬的に許容可能な希釈剤または担体とアンチセンス化合物を組み合わせることにより、DMPK核酸を標的とするアンチセンス化合物を医薬組成物中で利用することができる。医薬的に許容可能な希釈剤としては、リン酸緩衝食塩水(PBS)が挙げられる。PBSは、非経口的に送達される組成物中で使用するのに適した希釈剤である。したがって、一実施形態では、DMPK核酸を標的とするアンチセンス化合物及び医薬的に許容可能な希釈剤を含む医薬組成物が、本明細書に記載の方法で用いられる。ある種の実施形態では、医薬的に許容可能な希釈剤はPBSである。ある種の実施形態では、アンチセンス化合物はアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0475】
アンチセンス化合物を含む医薬組成物は、ヒトを含めた動物に投与する際に、生物学的に活性な代謝物またはその残存物を(直接的または間接的に)提供することができる、任意の医薬的に許容可能な塩、エステルもしくはそうしたエステルの塩または任意の他のオリゴヌクレオチドを包含する。したがって、例えば、本開示は、アンチセンス化合物の医薬的に許容可能な塩、プロドラッグ、そうしたプロドラッグの医薬的に許容可能な塩及び他の生物学的同等物にも関する。適切な医薬的に許容可能な塩としては、これらに限定されないが、ナトリウム塩及びカリウム塩が挙げられる。
【0476】
プロドラッグは、活性なアンチセンス化合物を形成するために、体内で内在性ヌクレアーゼにより切断されるアンチセンス化合物の一端または両端に付加的なヌクレオシドを組み込むことを含むことができる。
【0477】
共役アンチセンス化合物
アンチセンス化合物を、得られたアンチセンスオリゴヌクレオチドの活性、細胞分布または細胞取り込みを増強する1つまたは複数の部分または共役物に共有結合することができる。典型的な共役基としては、コレステロール部分及び脂質部分が挙げられる。さらなる共役基としては、炭水化物、リン脂質、ビオチン、フェナジン、葉酸、フェナントリジン、アントラキノン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン及び色素が挙げられる。
【0478】
例えばヌクレアーゼ安定性などの特性を増強するために、アンチセンス化合物の一末端または両末端に一般に結合している1つまたは複数の安定化基を有するように、アンチセンス化合物を修飾することもできる。キャップ構造は安定化基に含まれる。これらの末端修飾は、末端核酸を有するアンチセンス化合物をエキソヌクレアーゼによる分解から保護し、細胞内の送達及び/または局在化に役立ち得る。キャップは、5’末端(5’キャップ)または3’末端(3’キャップ)に存在してもよいし、両末端に存在してもよい。キャップ構造は当技術分野で周知であり、例えば、逆位デオキシ脱塩基キャップが挙げられる。ヌクレアーゼ安定性を与えるためにアンチセンス化合物の一端または両端をキャップするのに使用することができるさらなる3’及び5’安定化基としては、2003年1月16日に公開されたWO03/004602に開示されたものが挙げられる。
【0479】
細胞培養及びアンチセンス化合物処理
DMPK核酸のレベル、活性または発現に対するアンチセンス化合物の効果は、様々な細胞型においてインビトロで試験することができる。そうした解析に使用する細胞型は、商業的供給業者(例えば、アメリカ培養細胞系統保存機関、Manassus、VA;Zen-Bio,Inc.、Research Triangle Park、NC;Clonetics Corporation、Walkersville、MD)から入手可能であり、細胞は、市販の試薬(例えば、Invitrogen Life Technologies、Carlsbad、CA)を使用して、供給業者の説明書に従って培養される。例示的な細胞型としては、これらに限定されないが、HepG2細胞、Hep3B細胞、初代肝細胞、A549細胞、GM04281線維芽細胞及びLLC-MK2細胞が挙げられる。
【0480】
アンチセンスオリゴヌクレオチドのインビトロ試験
アンチセンスオリゴヌクレオチドで細胞を処理する方法が本明細書に記載され、これは、他のアンチセンス化合物による処理用に適切に改変することができる。
【0481】
一般に、培養中に細胞が約60~80%コンフルエンスに到達時に、細胞をアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理する。
【0482】
アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養細胞に導入するのに一般に使用される一試薬としては、カチオン性脂質トランスフェクション試薬のLIPOFECTIN(登録商標)(Invitrogen、Carlsbad、CA)が挙げられる。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、OPTI-MEM(登録商標)1(Invitrogen、Carlsbad、CA)中でLIPOFECTIN(登録商標)と混合して、アンチセンスオリゴヌクレオチドの所望の終濃度及び典型的には100nMアンチセンスオリゴヌクレオチドあたり2~12ug/mLに及ぶLIPOFECTIN(登録商標)濃度を得る。
【0483】
アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養細胞に導入するのに使用される別の試薬としては、LIPOFECTAMINE2000(登録商標)(Invitrogen、Carlsbad、CA)が挙げられる。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、OPTI-MEM(登録商標)1血清低減培地(Invitrogen、Carlsbad、CA)中でLIPOFECTAMINE2000(登録商標)と混合して、アンチセンスオリゴヌクレオチドの所望の濃度及び典型的には100nMアンチセンスオリゴヌクレオチドあたり2~12ug/mLに及ぶLIPOFECTAMINE(登録商標)濃度を得る。
【0484】
アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養細胞に導入するのに使用される別の試薬としては、Cytofectin(登録商標)(Invitrogen、Carlsbad、CA)が挙げられる。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、OPTI-MEM(登録商標)1血清低減培地(Invitrogen、Carlsbad、CA)中でCytofectin(登録商標)と混合して、アンチセンスオリゴヌクレオチドの所望の濃度及び典型的には100nMアンチセンスオリゴヌクレオチドあたり2~12ug/mLに及ぶCytofectin(登録商標)濃度を得る。
【0485】
アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養細胞に導入するのに使用される別の技法としては、エレクトロポレーションが挙げられる。
【0486】
慣例的方法によって細胞をアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理する。典型的には、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理してから16~24時間後に細胞を収集し、その時点で、当技術分野で既知の及び本明細書に記載の方法によって、標的核酸のRNAまたはタンパク質レベルを測定する。一般に、複数の反復で処理を実施する場合、反復処理の平均としてデータを示す。
【0487】
使用するアンチセンスオリゴヌクレオチドの濃度は、細胞系統によって異なる。特定の細胞系統に対する至適なアンチセンスオリゴヌクレオチド濃度を決定する方法は当技術分野で周知である。LIPOFECTAMINE2000(登録商標)、LIPOFECTINまたはCytofectinを用いてトランスフェクトする場合に、典型的には1nM~300nMに及ぶ濃度でアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用する。エレクトロポレーションを使用してトランスフェクトする場合は、625~20,000nMに及ぶより高濃度でアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用する。
【0488】
RNA単離
RNA解析は、全細胞RNAまたはポリ(A)+mRNAについて実施することができる。RNA単離の方法は当技術分野で周知である。RNAは、当技術分野で周知の方法を使用して、例えば、製造業者の推奨プロトコールに従ってTRIZOL(登録商標)試薬(Invitrogen、Carlsbad、CA)を使用して調製する。
【0489】
標的のレベルまたは発現の阻害に関する解析
DMPK核酸のレベルまたは発現の阻害は、当技術分野で既知の様々な方法でアッセイすることができる。例えば、標的核酸レベルは、例えば、ノーザンブロット解析、競合的
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)または定量的リアルタイムPCRによって定量化することができる。RNA解析は、全細胞RNAまたはポリ(A)+mRNAについて実施することができる。RNA単離の方法は当技術分野で周知である。ノーザンブロット解析も当技術分野で慣例的である。定量的リアルタイムPCRは、PE-Applied Biosystems、Foster City、CAから入手可能な、製造者の説明書に従って使用される、市販のABI PRISM(登録商標)7600、7700または7900配列検出システムを使用して、便利に達成することができる。
【0490】
標的RNAレベルの定量的リアルタイムPCR解析
標的RNAレベルの定量化は、製造者の説明書に従ってABI PRISM(登録商標)7600、7700または7900配列検出システム(PE-Applied Biosystems、Foster City、CA)を使用して、定量的リアルタイムPCRによって達成することができる。定量的リアルタイムPCRの方法は当技術分野で周知である。
【0491】
リアルタイムPCRの前に、単離したRNAを逆転写酵素(RT)反応にかけ、これによって、次いでリアルタイムPCR増幅の基質として使用される相補DNA(cDNA)が生成される。RT及びリアルタイムPCRの反応を同じ試料ウェル中で逐次実施する。RT及びリアルタイムPCRの試薬は、Invitrogen(Carlsbad、CA)から得られる。RT、リアルタイムPCR反応は、当業者に周知の方法により行う。
【0492】
リアルタイムPCRによって得られる遺伝子(またはRNA)標的の量は、シクロフィリンAなどの発現が一定な遺伝子の発現レベルを使用して、またはRIBOGREEN(登録商標)(Invitrogen、Inc.Carlsbad、CA)を使用して全RNAを定量化することによって、標準化する。シクロフィリンAの発現は、リアルタイムPCRによって、標的と同時に、多重的にまたは別々に実施することにより、定量化する。全RNAは、RIBOGREEN(登録商標)RNA定量化試薬(Invitrogen、Inc.Eugene、OR)を使用して定量化する。RIBOGREEN(登録商標)によるRNAの定量化方法は、Jones,L.J.,et al,(Analytical Biochemistry,1998,265,368-374)において教示される。CYTOFLUOR(登録商標)4000機器(PE Applied Biosystems)を使用して、RIBOGREEN(登録商標)蛍光を測定する。
【0493】
プローブ及びプライマーをDMPK核酸にハイブリダイズするように設計する。リアルタイムPCRのプローブ及びプライマーの設計方法は当技術分野で周知であり、PRIMER EXPRESS(登録商標)ソフトウェア(Applied Biosystems、Foster City、CA)などのソフトウェアの使用を含むことができる。
【0494】
タンパク質レベルの解析
DMPKタンパク質のレベルを測定することによって、DMPK核酸のアンチセンス阻害を評価することができる。DMPKタンパク質のレベルは、当技術分野で周知な様々な方法、例えば、免疫沈降法、ウェスタンブロット解析(免疫ブロット法)、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、定量的タンパク質アッセイ、タンパク質活性アッセイ(例えば、カスパーゼ活性アッセイ)、免疫組織化学法、免疫細胞化学法または蛍光活性化セルソーティング(FACS)で調べるまたは定量化することができる。標的に対する抗体は、様々な供給源、例えば抗体のMSRSカタログ(Aerie Corporation、Birmingham、MI)から特定すること及び得ることができ、または当技術分野で周知の従来のモノクローナルまたはポリクローナル抗体産生方法により調製することができる。
【0495】
アンチセンス化合物のインビボ試験
アンチセンス化合物、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、DMPKの発現を阻害する及び表現型を変化させるその能力を評価するために、動物で試験する。試験は、正常な動物で、または実験用の疾患モデル、例えば筋緊張性ジストロフィー(DM1)のHSALRマウスモデルで実施することができる。
【0496】
HSALRマウスモデルはDM1用に確立されたモデルである(Mankodi,A.et al.Science.289:1769,2000)。このマウスは、遺伝子の3’UTRに挿入された、220個のCTGリピートを有するヒト骨格アクチン(hACTA1)導入遺伝子を保有する。hACTA1-CUGexp転写産物は、骨格筋の核内フォーカスに蓄積し、ヒトDM1のものと類似した筋強直症をもたらす(Mankodi,A.et al.Mol.Cell 10:35,2002;Lin,X.et al.Hum.Mol.Genet.15:2087,2006)。したがって、hACTA1導入遺伝子のアンチセンス阻害による、HSALRマウスのDM1症状の改善は、ヒト患者のDMPK転写産物のアンチセンス阻害による類似症状の改善を予測するであろうことが期待される。
【0497】
マウスでのCUGexp RNAの発現は、筋肉トランスクリプトームの大規模なリモデリングを引き起こし、その大部分は、MBNL1の除去によって再生される。したがって、HSALRマウスにおけるトランスクリプトームの正常化は、DMPK転写産物のアンチセンス阻害による、DM1患者におけるヒトトランスクリプトームの正常化を予測するであろうことが期待される。
【0498】
動物へ投与するために、アンチセンスオリゴヌクレオチドを、医薬的に許容可能な希釈剤、例えばリン酸緩衝食塩水中に製剤化する。投与は非経口投与経路を含む。アンチセンスオリゴヌクレオチドによる処置期間に続いて、RNAを組織から単離し、DMPK核酸発現の変化を測定する。DMPKタンパク質のレベルの変化も測定する。
【0499】
スプライシング
筋緊張性ジストロフィー(DM1)は、DMPK遺伝子の3’非翻訳領域におけるCTGリピートの伸長によって引き起こされる(Brook,J.D.et al.Cell.68:799,1992)。この変異は、RNA占有、すなわち伸長CUGリピート(CUGexp)含有RNAの発現が細胞機能障害を誘導する過程につながる(Osborne RJ and Thornton CA.,Human Molecular Genetics.,2006,15(2):R162-R169)。そうしたCUGexpは、骨格筋の核内フォーカスに保持される(Davis,B.M.et al.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.94:7388,1997)。核内フォーカスでのCUGexpの蓄積は、Muscleblind-like1(MBLN1)などのポリ(CUG)-結合タンパク質の隔離につながる(Miller,J.W.et
al.EMBO J.19:4439,2000)。MBLN1はスプライシング因子であり、Serca1、CIC-1、Titin及びZaspなどの遺伝子のスプライシングを制御する。したがって、CUGexpによるMBLN1の隔離は、通常はMBLN1がコントロールする遺伝子のエクソンの誤制御された選択的スプライシングを誘発する(Lin,X.et al.Hum.Mol.Genet.15:2087,2006)。そうした異常制御を示す動物、例えばDM1患者及びHSALRマウスモデルにおける選択的スプライシングの矯正は、アンチセンスオリゴヌクレオチドによる処置を含めた処置の有効性に対する有用な指標である。
【0500】
ある種のアンチセンスメカニズム
筋緊張性ジストロフィー(DM1)は、DMPK遺伝子の3’非翻訳領域におけるCT
Gリピートの伸長によって引き起こされる。ある種の実施形態では、DMPK遺伝子の3’非翻訳領域における伸長は、伸長CUGリピート含有RNAの転写をもたらし、伸長CUGリピート(CUGexp)含有RNAは骨格筋の核内フォーカス内に保持される。場合によっては、核から細胞質へのmRNAの輸送に関与する細胞機構は、伸長CUGリピート含有RNAを核から輸送しないか、効率的に輸送しない。ある種の実施形態では、細胞はDMPK CUGexp mRNAを核から輸送しないか、そうした輸送は低減される。したがって、ある種の実施形態では、DMPK CUGexp mRNAは核に蓄積する。ある種の実施形態では、通常は輸送される野生型DMPK mRNAのコピーより多くのDMPK CUGexp mRNAのコピーが、細胞の核に存在する。そのような実施形態では、核内の標的を低減させるアンチセンス化合物は、アンチセンス化合物が別のやり方で変異型を野生型と区別しなくても、核内のその相対的存在量の理由から、野生型mRNADMPKと比較して、変異型DMPK CUGexp mRNAを優先的に低減させる。RNase H依存的アンチセンス化合物は核内で活性があるので、そのような化合物はそうした使用に特によく適する。
【0501】
場合によっては、野生型DMPKのmRNA前駆体及び変異型CUGexp DMPKのmRNA前駆体は、類似した比率でmRNAにプロセッシングされることが期待される。したがって、ほぼ同じ量の野生型DMPKのmRNA前駆体と変異型CUGexp DMPKのmRNA前駆体が細胞の核内に存在することが期待される。しかし、プロセッシングの後、野生型DMPK mRNAは比較的速く核から輸送され、変異型CUGexp
DMPK mRNAはゆっくりと輸送されるか、まったく輸送されない。ある種のそのような実施形態では、変異型CUGexp DMPK mRNAは野生型DMPK mRNAより多い量で核内に蓄積する。ある種のそのような実施形態では、mRNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドは、野生型DMPK mRNAと比較して変異型CUGexp DMPK mRNAの発現を優先的に低減させ、これは、多くのコピーの変異型CUGexp DMPK mRNAが細胞の核内に存在するからである。ある種の実施形態では、mRNAではなくmRNA前駆体を標的とする(例えば、イントロンをターゲティングする)アンチセンス化合物は、野生型と比較して、変異型DMPKを優先的に低減させることは期待されず、これは、2つのmRNA前駆体の核内存在量が類似している可能性が高いからである。ある種の実施形態では、本明細書に記載のアンチセンス化合物はDMPKのmRNA前駆体のイントロンを標的としない。ある種の実施形態では、本明細書に記載のアンチセンス化合物は、DMPK mRNAに存在するエクソンまたはエクソン-エクソン接合部を標的とする。ある種の実施形態では、したがって、mRNAを標的とするためのアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用が好ましく、これは、1つまたは複数の本明細書に記載の特徴を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドが、(i)細胞の核で活性を有する、及び(2)野生型DMPK mRNAと比較して変異型CUGexp DMPK mRNAを優先的に低減させるからである。
【0502】
ある種のバイオマーカー
少なくとも部分的には、核内または核内フォーカスのCUGexp転写産物の蓄積レベルによって、マウスモデルにおけるDM1の重症度を決定する。DM1の重症度に関する有用な生理的マーカーは、不随意性の活動電位が高頻度に流れることが発生することである(筋強直症)。
【0503】
ある種の適応症
ある種の実施形態では、個体を処置する方法であって、本明細書に記載の1つまたは複数の医薬組成物を投与することを含む方法が本明細書で提供される。ある種の実施形態では、個体は1型筋緊張性ジストロフィー(DM1)を有する。
【0504】
したがって、それを必要とする対象において、1型筋緊張性ジストロフィーと関係があ
る症状を改善させる方法が本明細書で提供される。ある種の実施形態では、1型筋緊張性ジストロフィーと関係がある症状の発症率を低減させる方法が提供される。ある種の実施形態では、1型筋緊張性ジストロフィーと関係がある症状の重症度を低減させる方法が提供される。ある種の実施形態では、DM1と関係がある症状としては、筋硬直、筋強直症、障害性遠位衰弱、顔面及び顎の筋肉の衰弱、嚥下困難、眼瞼の垂れ下がり(眼瞼下垂)、頚筋の衰弱、腕及び脚の筋肉の衰弱、持続的筋肉痛、過眠、筋消耗、嚥下障害、呼吸不全、不規則心拍、心筋損傷、感情鈍麻、インスリン抵抗性並びに白内障が挙げられる。小児では、症状は、発達遅延、学習問題、言語及び発語の問題並びに人格形成問題でもよい。
【0505】
ある種の実施形態では、方法は、治療有効量の、DMPK核酸を標的とする化合物を、それを必要とする個体に投与することを含む。
【0506】
ある種の実施形態では、DMPK核酸を標的とするアンチセンス化合物の投与は、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%もしくは少なくとも約99%またはこれらの値の任意の2つによって定められた範囲のDMPKの発現の低減をもたらす。
【0507】
ある種の実施形態では、DMPKを標的とするアンチセンス化合物を含む医薬組成物は、1型筋緊張性ジストロフィーを患っているまたはそれに罹りやすい患者を処置するための医薬を調製するのに使用される。
【0508】
ある種の実施形態では、本明細書に記載の方法は、配列番号23、24、25、26、27、28、29、30、31、32または33~874に記載される配列の、本明細書に記載される連続的な核酸塩基部分を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む。
【0509】
投与
ある種の実施形態では、本明細書に記載の化合物及び組成物は非経口的に投与される。
【0510】
ある種の実施形態では、非経口投与は注入による。注入は、長期的または持続的でもよく、短期的または断続的でもよい。ある種の実施形態では、注入された医薬剤はポンプで送達される。ある種の実施形態では、非経口投与は注射(例えばボーラス注射)による。注射剤は注射器で送達され得る。
【0511】
非経口投与としては、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、腹腔内投与または頭蓋内投与、例えば、髄腔内または脳室内投与が挙げられる。投与は、持続的または長期的でもよいし、短期的または断続的でもよい。
【0512】
ある種の実施形態では、投与は、オリゴヌクレオチドの全身効果(全身投与は全身効果、すなわち1つを超える組織での作用を特徴とする)またはCNSもしくはCSFへの送達をもたらす、皮下、静脈内、脳内、脳室内、髄腔内または別の投与である。
【0513】
DM1のHSALRマウスモデルにおいて、α1アクチンの阻害及び筋強直症の軽減によって測定した場合の作用の継続時間は、四頭筋、腓腹筋及び前脛骨筋を含めた筋組織で遷延性である(以下の実施例を参照されたい)。4週にわたるアンチセンスオリゴヌクレオチドの皮下注射は、投薬終了後少なくとも11週(77日)にわたって、HSALR
ウスの四頭筋、腓腹筋及び前脛骨筋において少なくとも70%のα1アクチンを阻害する。4週にわたるアンチセンスオリゴヌクレオチドの皮下注射は、投薬終了後少なくとも11週(77日)にわたって、HSALRマウスの四頭筋、腓腹筋及び前脛骨筋における筋強直症を除去する。
【0514】
ある種の実施形態では、本明細書に記載される組成物の化合物の送達は、少なくとも77日にわたって、標的mRNA及び/または標的タンパク質の少なくとも70%のダウンレギュレーションをもたらす。ある種の実施形態では、本明細書に記載される化合物または組成物の送達は、少なくとも30日、少なくとも35日、少なくとも40日、少なくとも45日、少なくとも50日、少なくとも55日、少なくとも60日、少なくとも65日、少なくとも70日、少なくとも75日、少なくとも76日、少なくとも77日、少なくとも78日、少なくとも79日、少なくとも80日、少なくとも85日、少なくとも90日、少なくとも95日、少なくとも100日、少なくとも105日、少なくとも110日、少なくとも115日、少なくとも120日、少なくとも1年にわたって、標的mRNA及び/または標的タンパク質の50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%のダウンレギュレーションをもたらす。
【0515】
ある種の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、77日毎に1回、注射または注入によって送達される。ある種の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、毎月1回、2か月に1回、3か月に1回、6か月に1回、年に2回または年に1回、注射または注入によって送達される。
【0516】
ある種の併用療法
ある種の実施形態では、本発明の修飾オリゴヌクレオチドを含む第一の薬剤は、1種または複数の第二の薬剤と共投与される。ある種の実施形態では、そうした第二の薬剤は、本明細書に記載の第一の薬剤と同じ1型筋緊張性ジストロフィーを処置するように設計される。ある種の実施形態では、そうした第二の薬剤は、本明細書に記載の第一の薬剤と異なる疾患、障害または状態を処置するように設計される。ある種の実施形態では、そうした第二の薬剤は、本明細書に記載の1つまたは複数の医薬組成物の望ましくない副作用を処置するように設計される。ある種の実施形態では、第二の薬剤は、第一の薬剤の望ましくない作用を処置するために、第一の薬剤と共投与される。ある種の実施形態では、第二の薬剤は、併用効果をもたらすために、第一の薬剤と共投与される。ある種の実施形態では、第二の薬剤は、相乗効果をもたらすために、第一の薬剤と共投与される。
【0517】
ある種の実施形態では、第一の薬剤及び1種または複数の第二の薬剤は、同時に投与される。ある種の実施形態では、第一の薬剤及び1種または複数の第二の薬剤は、異なる時間に投与される。ある種の実施形態では、第一の薬剤及び1種または複数の第二の薬剤は、単一の医薬製剤中に一緒に調製される。ある種の実施形態では、第一の薬剤及び1種または複数の第二の薬剤は、別々に調製される。
【0518】
ある種の比較化合物
ある種の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、適切な比較化合物と比較して向上した1つまたは複数のインビトロ及び/またはインビボ特性の利益を享受する。
【0519】
ある種の実施形態では、(5’から3’)CGGAGCGGTTGTGAACTGGC(配列番号24として本明細書に組み込まれる)の配列を有するISIS445569、すなわち5-10-5MOEギャップマーであって、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、各シトシンが5-メチルシトシンであり、ヌクレオシド1~5及び16~20のそれぞれが2’-O-メトキシエチル部分を含み、以前にWO2012/012443(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されたものが、比較化合物であ
る。
【0520】
ISIS445569は適切な代表的な比較化合物であり、これは、複数のプライマープローブセットを使用して測定した場合に、ISIS445569がインビトロでヒトDMPKの統計学的に有意な低減を示すからである(例えばWO2012/012443の実施例1及び実施例2を参照されたい)。さらに、ISIS445569は、ヒト骨格筋細胞及びDM1線維芽細胞の両方において、インビトロでヒトDMPKの統計学的に有意な用量依存的阻害を示す(例えば、WO2012/012443の実施例4及び実施例5並びにWO2012/012467の実施例28を参照されたい)。ISIS445569はまた、トランスジェニックマウスにおいてヒトDMPK転写産物の発現を低減する(WO2012/012443の実施例23及び24並びにWO2012/012467の実施例29及び30)。ISIS445569は、WO2012/012443及びWO2012/012467において、好ましいヒトDMPKアンチセンス化合物であった。
【0521】
ある種の化合物
ある種の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、ISIS445569などの適切な比較化合物と比較して向上した活性及び/または向上した忍容性の利益を享受する。例えば、ある種の実施形態では、ISIS598769、ISIS598768及び/またはISIS486178は、ISIS445569などの適切な比較化合物よりも高い活性及び/または忍容性を有する。
【0522】
ある種の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、ISIS445569などの適切な比較化合物よりも効力がある。例えば、(本明細書に記載の)実施例10で提供するように、エレクトロポレーションを使用してトランスフェクトした場合に、HepG2細胞の培養での6点用量反応曲線(61.7nM、185.2nM、555.6nM、1666.7nM、5000.0nM及び15000.0nM)において、ISIS598769は1.9μMのIC50を達成し、ISIS598768は1.2μMのIC50を達成し、ISIS486178は0.7μMのIC50を達成したが、一方ISIS445569は2.3μMのIC50を達成した。したがって、ISIS598769、ISIS598768及びISIS486178は、比較化合物であるISIS445569よりも効力がある。
【0523】
ある種の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、複数の異なる筋組織にわたってDMPKの用量依存的阻害を達成する場合に、ISIS445569などの適切な比較化合物よりも大きな活性を有する。別の例では、(本明細書に記載の)実施例16で提供するように、ISIS598768及びISIS598769は、25mg/kg/週、50mg/kg/wkまたは100mg/kg/wkで、4週にわたって週2回DMSXLトランスジェニックマウスに皮下投与した場合に、いくつかの異なる筋組織にわたって比較化合物ISIS445569よりも大きな用量依存的阻害を達成した。いくつかの筋組織、例えば前脛骨筋では、ISIS598768とISIS598769の両方とも、200mg/kg/wkで達成されたISIS445569よりも大きなDMPKの阻害を25、50及び100mg/kg/wkで達成した。四頭筋及び腓腹筋では、ISIS598768とISIS598769の両方とも、100または200mg/kg/wkで達成されたISIS445569と等しいかそれよりも大きなDMPKの阻害を50mg/kg/wkで達成した。したがって、ISIS598768及びISIS598769は、複数の異なる筋組織にわたってDMPKの用量依存的阻害を達成する場合に、ISIS445569よりも大きな活性を有する。
【0524】
ある種の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、CD-1マウスに投与した場合に、ISIS445569などの適切な比較化合物よりも忍容性がある。別の例では、
(本明細書に記載の)実施例17で提供するように、ISIS598769、ISIS598768及びISIS486178は、CD-1マウスに投与した場合に、ISIS445569よりも好ましい忍容性マーカーを呈した。ISIS598769、ISIS598768及びISIS486178は、50mg/kg/wkで6週にわたって週2回皮下投与した。ISIS445569は100mg/kg/wkで6週にわたって週2回皮下投与した。処置後は、ALT、AST及びBUNレベルは、ISIS445569で処置したマウスよりもISIS486178及びISIS598768で処置したマウスにおいて低かった。処置後は、ALT及びASTレベルは、ISIS445569で処置したマウスよりもISIS598769で処置したマウスにおいて低かった。したがって、ISIS598769、ISIS598768及びISIS486178は、CD-1マウスにおいて、比較化合物であるISIS445569よりも忍容性がある。
【0525】
ある種の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、Sprague-Dawley系ラットに投与した場合に、ISIS445569などの適切な比較化合物よりも忍容性がある。別の例では、(本明細書に記載の)実施例18で提供するように、ISIS598769、ISIS598768及びISIS486178は、Sprague-Dawley系ラットに投与した場合に、ISIS445569よりも好ましい忍容性マーカーを呈した。ISIS598769、ISIS598768及びISIS486178は、50mg/kg/wkで6週にわたって週2回皮下投与した。ISIS445569は、100mg/kg/wkで6週にわたって週2回皮下投与した。処置後は、ALT及びASTレベルは、ISIS445569で処置したマウスよりもISIS486178、ISIS598769及びISIS598768で処置したマウスにおいて低かった。したがって、ISIS598769、ISIS598768及びISIS486178は、Sprague-Dawley系ラットにおいて、比較化合物であるISIS445569よりも忍容性がある。
【0526】
ある種の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、カニクイザルにおいて、ISIS445569などの適切な比較化合物よりも好ましい忍容性マーカーを呈する。別の例では、(本明細書に記載の)実施例19で提供するように、ISIS598769、ISIS598768及びISIS486178は、カニクイザルにおいて、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、乳酸脱水素酵素(LDH)及びクレアチンキナーゼ(CK)の評価を含めた、より好ましい忍容性マーカーを呈した。ある種の実施形態では、ALT及びASTレベルを肝毒性の指標として使用した。例えば、ある種の実施形態では、ALT及びASTレベルの上昇は、肝細胞に対する外傷を示す。ある種の実施形態では、CKレベルの上昇は、筋組織の細胞に対する損傷と関係がある。ある種の実施形態では、LDHレベルの上昇は、細胞組織損傷と関係がある。
【0527】
ある種の実施形態では、カニクイザルに投与した場合に、本明細書に開示される化合物は、ISIS445569などの適切な比較化合物よりも忍容性がある。実施例19で提供するように、カニクイザル群を40mg/kg/wkのISIS598769、ISIS598768、ISIS486178及びISIS445569で処置した。ISIS445569による処置は、処置して93日目に、ALT及びASTレベルの上昇をもたらした。ISIS598768及びISIS486178による処置は、ISIS445569と比較して、処置してから58及び93日に、より低いALT及びASTレベルをもたらした。ISIS598769による処置は、ISIS445569と比較して、処置してから58及び93日により低いASTレベルを、及び処置93日日目により低いALTレベルをもたらした。さらに、ISIS598769、ISIS598768及びISIS486178の投与を受けたサルのALT及びASTレベルは、生理食塩水が与えられたサルのALT及びASTレベルと一致した。ISIS445569による処置は、
処置して93日目に、ISIS598769、ISIS598768及びISIS486178が与えられた動物で測定されるLDHレベルと比較して、LDHレベルの上昇をもたらした。さらに、ISIS445569による処置は、処置して93日目に、ISIS598769、ISIS598768及びISIS486178が与えられた動物で測定されるCKレベルと比較して、CKレベルの上昇をもたらした。したがって、ISIS598769、ISIS598768及びISIS486178は、比較化合物であるISIS445569よりも忍容性がある。
【0528】
上述したデータが示すように、比較化合物であるISIS445569と比較して、ISIS598769、ISIS598768及びISIS486178は、ISIS598769、ISIS598768及びISIS486178が活性的である、より広い範囲の忍容性に優れる用量を持つ。さらに、本明細書の実施例でした及び上述したデータの全体は、ISIS598769、ISIS598768及びISIS486178のそれぞれが、比較化合物であるISIS445569と比べて、いくつかの安全性及び活性の利点を持つことを示す。換言すれば、ISIS598769、ISIS598768及びISIS486178のそれぞれは、ヒトにおいて、ISIS445569よりも安全且つ活性な薬物である可能性が高い。
【0529】
ある種の実施形態では、ISIS445569は、CUGexp DMPK mRNAを低減させること及び\または筋緊張性ジストロフィー1型の罹患と関係がある状態もしくは症状を処置することに関して、ヒトにおいて、WO2012/012443及び/またはWO2012/012467に開示されている他の化合物よりも安全且つ活性な薬物である可能性が高い。
【0530】
ある種の実施形態では、ISIS512497は、霊長類及びCD-1マウスにおいて、ISIS445569よりも優れた安全性プロファイルを有する。ある種の実施形態では、ISIS512497は、同じ用量で及びISIS445569よりも低い用量で投与する場合、複数の筋組織において、ヒトDMPK核酸のより大きなノックダウンを達成する。
【0531】
ある種の実施形態では、ISIS486178は、マウス、ラット及び霊長類において、ISIS445569よりも優れた安全性プロファイルを有する。ある種の実施形態では、ISIS486178は、同じ用量及びISIS445569よりも低い用量で投与した場合に、1種または複数の筋組織において、ヒトDMPK核酸のより大きなノックダウンを達成する。
【0532】
ある種の実施形態では、ISIS570808は、同じ用量及びISIS445569よりも低い用量で投与した場合に、少なくとも5種の異なる筋組織において、ヒトDMPK核酸のはるかに大きなノックダウンを達成する。
【0533】
ある種の実施形態では、ISIS594292は、ISIS445569と同じ用量で投与した場合に、1種または複数の筋組織において、ヒトDMPK核酸のより大きなノックダウンを達成する。ある種の実施形態では、ISIS486178は、霊長類において、ISIS445569よりも優れた安全性プロファイルを有する。
【0534】
ある種の実施形態では、ISIS569473は、ISIS445569と同じ用量で投与した場合に、1種または複数の筋組織において、ヒトDMPK核酸のより大きなノックダウンを達成する。ある種の実施形態では、ISIS569473は、霊長類において、ISIS445569よりも優れた安全性プロファイルを有する。
【0535】
ある種の実施形態では、ISIS594300は、ISIS445569と同じ用量で投与した場合に、1種または複数の筋組織において、ヒトDMPK核酸のより大きなノックダウンを達成する。ある種の実施形態では、ISIS594300は、霊長類において、ISIS445569よりも優れた安全性プロファイルを有する。
【0536】
ある種の実施形態では、ISIS598777は、ISIS445569と同じ用量で投与した場合に、1種または複数の筋組織において、ヒトDMPK核酸のより大きなノックダウンを達成する。ある種の実施形態では、ISIS598777は、霊長類において、ISIS445569よりも優れた安全性プロファイルを有する。
【0537】
ある種の実施形態では、ISIS598768は、ISIS445569と同じ用量で投与した場合に、1種または複数の筋組織において、ヒトDMPK核酸のより大きなノックダウンを達成する。ある種の実施形態では、ISIS598768は、霊長類において、ISIS445569よりも優れた安全性プロファイルを有する。
【0538】
ある種の実施形態では、ISIS598769は、ISIS445569と同じ用量で投与した場合に、1種または複数の筋組織において、ヒトDMPK核酸のより大きなノックダウンを達成する。ある種の実施形態では、ISIS598769は、霊長類において、ISIS445569よりも優れた安全性プロファイルを有する。
【0539】
非限定的開示及び参照による組み込み
本明細書に記載のある種の化合物、組成物及び方法は、ある種の実施形態に従って特異的に記載されているが、以下の実施例は、本明細書に記載の化合物を例示する役割を果たすにすぎず、これを限定することを意図しない。本出願に記載される参考文献、GENBANK受託番号などのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0540】
本出願に添付の配列表は、必要に応じて「RNA」または「DNA」のいずれかとして各配列を特定するが、実際には、それらの配列は化学修飾の任意の組み合わせで修飾され得る。修飾オリゴヌクレオチドを説明するための「RNA」または「DNA」のような指定は、場合によっては恣意的であることを、当業者なら容易に理解するであろう。例えば、2’-OH糖部分及びチミン塩基を含有するヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドは、修飾糖(DNAの天然2’-Hに対して2’-OH)を有するDNAとして、または修飾塩基(RNAの天然ウラシルに対してチミン(メチル化ウラシル))を有するRNAとして説明され得る。
【0541】
したがって、これらに限定されないが、配列表にあるものを含めた、本明細書で提供される核酸配列は、これらに限定されないが、修飾核酸塩基を有するそうした核酸を含めた、天然もしくは修飾RNA及び/またはDNAの任意の組み合わせを含む核酸を包含することが意図される。限定されるものではないが、さらなる例として、核酸塩基配列「ATCGATCG」を有するオリゴマー化合物は、修飾されていても、修飾されていなくても、そうした核酸塩基配列を有する任意のオリゴマー化合物を包含し、これには、これらに限定されないが、RNA塩基を含むそうした化合物、例えば配列「AUCGAUCG」を有するもの、並びに「AUCGATCG」などのいくつかのDNA塩基及びいくつかのRNA塩基を有するもの、並びに「ATmeCGAUCG」(ここでは、meCは5位にメチル基を含むシトシン塩基を示す)などの他の修飾されたまたは天然に存在する塩基を有するオリゴマー化合物が含まれる。
【0542】
実施例
非限定開示及び参照による組み込み
本明細書に記載のある種の化合物、組成物及び方法は、ある種の実施形態に従って特異
的に記載されているが、以下の実施例は、本明細書に記載の化合物を例示する役割を果たすにすぎず、これを限定することを意図しない。本出願に記載される参考文献のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0543】
実施例1:ヒト筋強直性ジストロフィープロテインキナーゼ(hDMPK)をターゲティングするアンチセンスオリゴヌクレオチドの設計
一連のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を、hDMPKを標的とするように設計した。新規に設計したASOを、当技術分野で周知な標準的なオリゴヌクレオチド合成を使用して調製し、以下の表1及び2に記載する。下付き文字「s」は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を示し;下付き文字「k」は、6’-(S)-CH二環式ヌクレオシド(cEt)を示し;下付き文字「e」は、2’-O-メトキシエチル(MOE)修飾ヌクレオシドを示し;下付き文字「d」は、β-D-2’-デオキシリボヌクレオシドを示す。「C」は、5-メチルシトシンヌクレオシドを示す。
【0544】
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号1(GENBANK受託番号NM_001081560.1)及び/または配列番号2(ヌクレオチド18540696から18555106までトランケートされたGENBANK受託番号NT_011109.15の相補体)のいずれかを標的とする。「開始部位」は、ヒト遺伝子配列においてギャップマーが標的とする最も5’側のヌクレオシドを示す。「終止部位」は、ギャップマーが標的ヒト遺伝子配列である最も3’側のヌクレオシドを示す。
【0545】
【表1】
【0546】
【表2】
【0547】
実施例2:ヒト骨格筋細胞(hSKMc)におけるヒトDMPKのアンチセンス阻害
ヒトDMPK核酸を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを、インビトロで、DMPKのRNA転写産物に対するその効果について試験した。エレクトロポレーションを使用して、ウェルあたり20,000細胞の密度のhSKMc培養細胞を10,000nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドでトランスフェクトした。約24時間後に、RNAを細胞から単離して、定量的リアルタイムPCRによってDMPKの転写産物レベルを測定した。DMPKのRNA転写産物レベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定した際の全RNA量によって調整した。結果を、未処理の対照細胞に対するDMPKの発現パーセントとして示す。
【0548】
表3、4、5及び6のアンチセンスオリゴヌクレオチドは5-10-5ギャップマーであり、この場合、ギャップセグメントは、10個の2’-デオキシヌクレオシドを含み、各ウイングセグメントは、5個の2’-MOEヌクレオシドを含む。各ギャップマー全体にわたってヌクレオシド間結合はホスホロチオエート(P=S)結合である。各ギャップマー全体にわたってすべてのシトシン残基は5-メチルシトシンである。「標的開始部位」は、ヒトゲノムの遺伝子配列においてアンチセンスオリゴヌクレオチドが標的とする最も5’側のヌクレオシドを示す。「標的終止部位」は、ヒトゲノム配列においてアンチセンスオリゴヌクレオチドが標的とする最も3’側のヌクレオシドを示す。表3、4または5に列挙されるすべてのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号1(GENBANK受託番号NM_001081560.1)を標的とする。表6に列挙されるすべてのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号2(ヌクレオチド18540696から18555106までトランケートされたGENBANK受託番号NT_011109.15の相補体)を標的とする。
【0549】
表2、3、4及び5のアンチセンスオリゴヌクレオドチのいくつかは、上で明記した条件下で、DMPK mRNAのレベルの有意な阻害を示した。
【0550】
【表3-1】
【0551】
【表3-2】
【0552】
【表4-1】
【0553】
【表4-2】
【0554】
【表5-1】
【0555】
【表5-2】
【0556】
【表6-1】
【0557】
【表6-2】
【0558】
実施例3:ヒト筋強直性ジストロフィープロテインキナーゼ(hDMPK)をターゲティングするアンチセンスオリゴヌクレオチドの設計
一連のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を、hDMPKを標的とするように設計した。新規に設計したASOを、当技術分野で周知な標準的なオリゴヌクレオチド合成を使用して調製し、以下の表7に記載する。下付き文字「s」は、ホスホロチオエート
ヌクレオシド間結合を示し;下付き文字「k」は、6’-(S)-CH二環式ヌクレオシド(cEt)を示し;下付き文字「e」は、2’-O-メトキシエチル(MOE)修飾ヌクレオシドを示し;下付き文字「d」は、β-D-2’-デオキシリボヌクレオシドを示す。「C」は、5-メチルシトシンヌクレオシドを示す。
【0559】
ヒトDMPK核酸を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを、インビトロで、DMPKのRNA転写産物に対するその効果について試験した。エレクトロポレーションを使用して、ウェルあたり20,000細胞の密度のHepG2培養細胞を4,500nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドでトランスフェクトした。約24時間後に、RNAを細胞から単離して、定量的リアルタイムPCRによってDMPKの転写産物レベルを測定した。DMPKのRNA転写産物レベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定した際の全RNA量によって調整した。結果を、未処理の対照細胞に対するDMPKの発現パーセントとして示す。
【0560】
「標的開始部位」は、ヒトゲノムの遺伝子配列においてアンチセンスオリゴヌクレオチドが標的とする最も5’側のヌクレオシドを示す。「標的終止部位」は、ヒトゲノム配列においてアンチセンスオリゴヌクレオチドが標的とする最も3’側のヌクレオシドを示す。表7に列挙されるすべてのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号1(GENBANK受託番号NM_001081560.1)を標的とする。
【0561】
アンチセンスオリゴヌクレオチドのいくつかは、上で明記した条件下で、DMPK mRNAのレベルの有意な阻害を示した。
【0562】
【表7-1】
【0563】
【表7-2】
【0564】
【表7-3】
【0565】
【表7-4】
【0566】
実施例4:ヒト筋強直性ジストロフィープロテインキナーゼ(hDMPK)をターゲティングするアンチセンスオリゴヌクレオチドの設計
用量応答HepG2
一連のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を、hDMPKを標的とするように設計した。新規に設計したASOを、当技術分野で周知な標準的なオリゴヌクレオチド合成を使用して調製し、以下の表8に記載する。下付き文字「s」は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を示し;下付き文字「k」は、6’-(S)-CH二環式ヌクレオシド(cEt)を示し;下付き文字「e」は、2’-O-メトキシエチル(MOE)修飾ヌクレオシドを示し;下付き文字「d」は、β-D-2’-デオキシリボヌクレオシドを示す。「C」は、5-メチルシトシンヌクレオシドを示す。
【0567】
アンチセンスオリゴヌクレオチドは配列番号1(GENBANK受託番号NM_001081560.1)を標的とする。「開始部位」は、ヒト遺伝子配列においてギャップマーが標的とする最も5’側のヌクレオシドを示す。「終止部位」は、ギャップマーが標的ヒト遺伝子配列である最も3’側のヌクレオシドを示す。
【0568】
【表8】
【0569】
実施例5:用量応答HepG2
ヒトDMPK核酸を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを、インビトロで、ヒトDMPKのRNA転写産物に対するその効果について試験した。エレクトロポレーションを使用して、ウェルあたり20,000細胞の密度のHepG2培養細胞を625nM、1250nM、2500nM、5000nM及び10000.0nMの濃度の各アンチセンスオリゴヌクレオチドでトランスフェクトした。約24時間後に、RNAを細胞から単離して、プライマープローブセットRTS3164(フォワード配列AGCCTGAGCCGGGAGATG(本明細書で配列番号20と呼ばれる);リバース配列GCGTAGTTGACTGGCGAAGTT(本明細書で配列番号21と呼ばれる);プローブ配列AGGCCATCCGCACGGACAACCX(本明細書で配列番号22と呼ばれる))を使用して、DMPKのRNA転写産物レベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトDMPKのRNA転写産物レベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定した際の全RNA量によって調整した。結果を、未処理の対照(UTC)細胞に対するヒトDMPKの発現パーセントとして以下の表に示す。試験したアンチセンスオリゴヌクレオチド配列は、上で明記した条件下で、ヒトDMPK mRNAのレベルの用量依存的阻害を示した。
【0570】
【表9-1】
【0571】
【表9-2】
【0572】
【表9-3】
【0573】
実施例6:ヒト筋強直性ジストロフィープロテインキナーゼ(hDMPK)をターゲティングするアンチセンスオリゴヌクレオチドの設計
一連のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を、hDMPKを標的とするように設計した。新規に設計したASOを、当技術分野で周知な標準的なオリゴヌクレオチド合成を使用して調製し、以下の表10に記載する。下付き文字「s」は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を示し;下付き文字「k」は、6’-(S)-CH二環式ヌクレオシド(cEt)を示し;下付き文字「e」は、2’-O-メトキシエチル(MOE)修飾ヌクレオシドを示し;下付き文字「d」は、β-D-2’-デオキシリボヌクレオシドを示す。「C」は、5-メチルシトシンヌクレオシドを示す。
【0574】
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号2(ヌクレオチド18540696から18555106までトランケートされたGENBANK受託番号NT_011109.15の相補体)を標的とする。「開始部位」は、ヒト遺伝子配列においてギャップマーが標的とする最も5’側のヌクレオシドを示す。「終止部位」は、ギャップマーが標的ヒト遺伝子配列である最も3’側のヌクレオシドを示す。
【0575】
【表10】
【0576】
実施例7:HepG2細胞における、ヒトDMPKのRNA転写産物を標的とするASOに関する用量応答
ヒトDMPK核酸を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを、インビトロで、ヒトDMPKのRNA転写産物に対するその効果について試験した。エレクトロポレーションを使用して、ウェルあたり20,000細胞の密度のHepG2培養細胞を625nM、1250nM、2500nM、5000nM及び10000.0nMの濃度の各アンチセンスオリゴヌクレオチドでトランスフェクトした。約24時間後に、DMPKのRNAを細胞から単離して、プライマープローブセットRTS3164(フォワード配列AGCCTGAGCCGGGAGATG(本明細書で配列番号20と呼ばれる);リバース配列GCGTAGTTGACTGGCGAAGTT(本明細書で配列番号21と呼ばれる);プローブ配列AGGCCATCCGCACGGACAACCX(本明細書で配列番号22と呼ばれる))を使用してDMPKのRNA転写産物レベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトDMPKのRNA転写産物レベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定した際の全RNA量によって調整した。結果を、未処理の対照(UTC)細胞に対するヒトDMPKの発現パーセントとして示し、以下の表に示す。試験したアンチセンスオリゴヌクレオチド配列は、上で明記した条件下で、ヒトDMPK mRNAのレベルの用量依存的阻害を示した。
【0577】
【表11-1】
【0578】
【表11-2】
【0579】
【表11-3】
【0580】
実施例8:ヒトDMPKのRNA転写産物を標的とするように設計されたASO
一連のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を、hDMPKを標的とするように設計した。新規に設計したASOを、当技術分野で周知な標準的なオリゴヌクレオチド合成を使用して調製し、以下の表12に記載する。下付き文字「s」は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を示し;下付き文字「k」は、6’-(S)-CH二環式ヌクレ
オシド(cEt)を示し;下付き文字「e」は、2’-O-メトキシエチル(MOE)修飾ヌクレオシドを示し;下付き文字「d」は、β-D-2’-デオキシリボヌクレオシドを示す。「C」は、5-メチルシトシンヌクレオシドを示す。
【0581】
ヒトDMPK核酸を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを、インビトロで、DMPKのRNA転写産物に対するその効果について試験した。エレクトロポレーションを使用して、ウェルあたり20,000細胞の密度のhSKMc培養細胞を800nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドでトランスフェクトした。約24時間後に、RNAを細胞から単離して、定量的リアルタイムPCRによってDMPKの転写産物レベルを測定した。DMPKのRNA転写産物レベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定した際の全RNA量によって調整した。結果を、未処理の対照細胞に対するDMPKの発現パーセントとして示す。
【0582】
「標的開始部位」は、ヒトゲノムの遺伝子配列においてアンチセンスオリゴヌクレオチドが標的とする最も5’側のヌクレオシドを示す。「標的終止部位」は、ヒトゲノム配列においてアンチセンスオリゴヌクレオチドが標的とする最も3’側のヌクレオシドを示す。表12に列挙されるすべてのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号1(GENBANK受託番号NM_001081560.1)を標的とする。
【0583】
アンチセンスオリゴヌクレオチドのいくつかは、上で明記した条件下で、DMPK mRNAのレベルの有意な阻害を示した。
【0584】
【表12-1】
【0585】
【表12-2】
【0586】
【表12-3】
【0587】
【表12-4】
【0588】
実施例9:ヒトDMPKのRNA転写産物を標的とするように設計されたASO
一連のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を、hDMPKを標的とするように設計した。新規に設計したASOを、当技術分野で周知な標準的なオリゴヌクレオチド合成を使用して調製し、以下の表13から18に記載する。下付き文字「s」は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を示し;下付き文字「k」は、6’-(S)-CH二環式ヌクレオシド(cEt)を示し;下付き文字「e」は、2’-O-メトキシエチル(MOE)修飾ヌクレオシドを示し;下付き文字「d」は、β-D-2’-デオキシリボヌクレオシドを示す。「C」は、5-メチルシトシンヌクレオシドを示す。
【0589】
ヒトDMPK核酸を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを、インビトロで、RNA転写産物に対するその効果について試験した。エレクトロポレーションを使用して、ウェルあたり20,000細胞の密度のHepG2培養細胞を4,500nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドでトランスフェクトした。約24時間後に、RNAを細胞から単離して、定量的リアルタイムPCRによってDMPKの転写産物レベルを測定した。DMPKのRNA転写産物レベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定した際の全RNA量によって調整した。結果を、未処理の対照細胞に対するDMPKの発現パーセントとして示し、「標的発現%」は、未処理の対照細胞に対するDMPKの発現%を表す。
【0590】
表13に列挙されるすべてのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号1(GENBANK受託番号NM_001081560.1)を標的とする。表14から18に列挙されるすべてのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号2(ヌクレオチド18540696から18555106までトランケートされたGENBANK受託番号NT_011109.15の相補体)を標的とする。「標的開始部位」は、ヒトゲノムの遺伝子配列においてアンチセンスオリゴヌクレオチドが標的とする最も5’側のヌクレオシドを示す。「標的終止部位」は、ヒトゲノム配列においてアンチセンスオリゴヌクレオチドが標的とする最も3’側のヌクレオシドを示す。
【0591】
【表13-1】
【0592】
【表13-2】
【0593】
【表13-3】
【0594】
【表13-4】
【0595】
【表14-1】
【0596】
【表14-2】
【0597】
【表14-3】
【0598】
【表14-4】
【0599】
【表15-1】
【0600】
【表15-2】
【0601】
【表15-3】
【0602】
【表15-4】
【0603】
【表15-5】
【0604】
【表16-1】
【0605】
【表16-2】
【0606】
【表16-3】
【0607】
【表17-1】
【0608】
【表17-2】
【0609】
【表17-3】
【0610】
【表18-1】
【0611】
【表18-2】
【0612】
【表18-3】
【0613】
実施例10:HepG2細胞における、ヒト筋強直性ジストロフィープロテインキナーゼ(DMPK)をターゲティングするアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた用量応答研究
ヒトDMPK核酸を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを、インビトロで、ヒトDMPKのRNA転写産物に対するその効果について試験した。エレクトロポレーションを使用して、ウェルあたり20,000細胞の密度のHepG2培養細胞を61.7nM、185.2nM、555.6nM、1666.7nM、5000.0nM及び15000.0nMの濃度の各アンチセンスオリゴヌクレオチドでトランスフェクトした。約24時間後に、RNAを細胞から単離して、プライマープローブセットRTS3164(フォワード配列AGCCTGAGCCGGGAGATG(本明細書で配列番号20と呼ばれる);リバース配列GCGTAGTTGACTGGCGAAGTT(本明細書で配列番号
21と呼ばれる);プローブ配列AGGCCATCCGCACGGACAACCX(本明細書で配列番号22と呼ばれる))を使用してDMPKのRNA転写産物レベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトDMPKのRNA転写産物レベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定した際の全RNA量によって調整した。結果を、未処理の対照(UTC)細胞に対するヒトDMPKの発現パーセントとして示す。例えば、UTCが100であり、5000nMの用量のISIS番号445569が35というヒトDMPKの発現%をもたらす場合、この5000nM用量のISISは、UTCと比較して、ヒトDMPKの発現を65%低減させた。各オリゴヌクレオチドの半数阻害濃度(IC50)を以下の表に示し、これは、使用したオリゴヌクレオチドの濃度対各濃度で達成したヒトDMPKのmRNA発現の阻害パーセントをプロットし、対照と比較して、ヒトDMPKのmRNA発現の50%阻害が達成されたオリゴヌクレオチドの濃度に注目することによって、計算した。結果を表19に示す。
【0614】
試験したアンチセンスオリゴヌクレオチド配列は、上で明記した条件下で、ヒトDMPK mRNAのレベルの用量依存的阻害を示した。
【0615】
【表19-1】
【0616】
【表19-2】
【0617】
実施例11:シュタイナートDM1筋芽細胞における、ヒト筋強直性ジストロフィープロテインキナーゼ(hDMPK)をターゲティングするアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた用量応答研究。
ヒトDMPK核酸を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを、インビトロで、ヒトDMPKのRNA転写産物に対するその効果について試験した。エレクトロポレーションを使用してウェルあたり20,000細胞の密度のシュタイナートDM1培養筋芽細胞を61.7nM、185.2nM、555.6nM、1666.7nM、5000.0nM及び15000.0nMの濃度の各アンチセンスオリゴヌクレオチドでトランスフェクトした。約24時間後に、RNAを細胞から単離して、上記のプライマープローブセットRTS3164を使用して、DMPKのRNA転写産物レベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトDMPKのRNA転写産物レベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定した際の全RNA量によって調整した。結果を、未処理の対照(UTC)細胞に対するヒトDMPKの発現パーセント(%)として示す。各オリゴヌクレオチドの半数阻害濃度(IC50)を以下の表に示し、これは、使用したオリゴヌクレオチドの濃度対各濃度で達成したヒトDMPKのmRNA発現の阻害パーセントをプロットし、対照と比較して、ヒトDMPKのmRNA発現の50%阻害が達成されたオリゴヌクレオチドの濃度に注目することによって、計算した。結果を表20に示す。
【0618】
試験したアンチセンスオリゴヌクレオチド配列は、上で明記した条件下で、ヒトDMPK mRNAのレベルの用量依存的阻害を示した。
【0619】
【表20-1】
【0620】
【表20-2】
【0621】
実施例12:カニクイザルの初代肝細胞における、アカゲザル筋強直性ジストロフィープロテインキナーゼ(DMPK)をターゲティングするアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた用量応答研究
アカゲザルDMPK核酸を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを、インビトロで、アカゲザルDMPKのRNA転写産物に対するその効果について試験した。エレクトロポレーションを使用して、ウェルあたり20,000細胞の密度のカニクイザル初代培養肝細胞を61.7nM、185.2nM、555.6nM、1666.7nM、5000.0nM及び15000.0nMの濃度の各アンチセンスオリゴヌクレオチドでトランスフェクトした。約24時間後に、RNAを細胞から単離して、上記のプライマープローブセットRTS3164を使用して、DMPKのRNA転写産物レベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。アカゲザルDMPKのRNA転写産物レベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定した際の全RNA量によって調整した。結果を、未処置の対照(UTC)細胞に対するアカゲザルDMPKの発現パーセント(%)として示す。各オリゴヌクレオチドの半数阻害濃度(IC50)を以下の表に示し、使用したオリゴヌクレオチドの濃度対各濃度で達成したアカゲザルDMPKのmRNA発現の阻害%をプロットし、対照と比較して、アカゲザルDMPKのmRNA発現の50%阻害が達成されたオリゴヌクレオチドの濃度に注目することによって計算した。
【0622】
試験したアンチセンスオリゴヌクレオチド配列は、上で明記した条件下で、アカゲザルDMPK mRNAのレベルの用量依存的阻害を示した。
【0623】
【表21-1】
【0624】
【表21-2】
【0625】
実施例13:DMSXLトランスジェニックマウスにおけるhDMPKのインビボアンチセンス阻害
筋緊張性ジストロフィー1型(DM1)の処置に対するアンチセンス阻害の効果を試験するために、適切なマウスモデルが必要とされた。1000を超えるCTGリピートという大きな伸長を有するhDMPK遺伝子を保有するトランスジェニックマウスモデル、DMSXLが生成された(Huguet et al.,PLOS Genetics,2012,8(11),e1003034-e1003043)。こうしたDMSXLマウスは変異型hDMPKアレルを発現し、DM1患者で見られるものと類似した筋衰弱の表現型を示す。
【0626】
表1のISIS486178を選択して、インビボで、hDMPK転写産物のアンチセンス阻害について試験した。比較のために、ISIS445569をこの研究に含めた。
【0627】
処置
DMSXLマウスを12時間明/暗周期で維持し、通常のPurinaマウス固形飼料を自由に与えた。動物を少なくとも7日間研究施設で順応させてから、実験を開始した。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)をPBS中で調製し、0.2ミクロンのフィルターを通して濾過することによって滅菌した。注射用に、ASOを0.9%PBSにも溶解した。
【0628】
DMSXLマウスに、4週にわたって週2回50mg/kgのISIS445569または25mg/kgのISIS486178の皮下注射を行った。対照群に、4週にわたって週2回、PBSの皮下注射を行った。各処置群は、4匹の動物から成っていた。
【0629】
hDMPK mRNAのレベルの阻害
最終的な投与から24時間後に、マウスを屠殺し、組織を採取した。hDMPKのリアルタイムPCR解析用にmRNAを単離し、18s RNAに対して標準化した。ヒトプライマープローブセットRTS3164を使用して、mRNAレベルを測定した。PBS対照に対する、各処置群に関するhDMPK mRNAのレベルの平均パーセントとして結果を表す。
【0630】
ヒトプライマープローブセットRTS3164(フォワード配列AGCCTGAGCCGGGAGATG(本明細書で配列番号20と呼ばれる);リバース配列GCGTAGTTGACTGGCGAAGTT(本明細書で配列番号21と呼ばれる);プローブ配列AGGCCATCCGCACGGACAACCX(本明細書で配列番号22と呼ばれる))。
【0631】
以下の表22に示すように、アンチセンスオリゴヌクレオチドによる処置はhDMPK転写産物の発現を低減させた。この結果は、DMSXLマウスにおいて、ISIS445569及び486178による処置はhDMPK mRNAのレベルの低減をもたらしたことを示す。
【0632】
【表22】
【0633】
実施例14:hDMPKをターゲティングするDMSXLマウスの筋力に対するASO処置の効果
握力試験
文献((Huguet et al.,PLOS Genetics,2012,8(11),e1003034-e1003043)に記載されているように市販の握力計を使用して、野生型(WT)及びDMSXLの前肢の握力能についてマウスを評価した。
【0634】
DMSXLマウスに、4週にわたって週2回、25mg/kgのISIS486178または50mg/kgのISIS445569の皮下注射を行った。対照DMSXL群に、4週にわたって週2回、PBSの皮下注射を行った。各処置群は、4匹の動物から成っていた。各処置群及びWTに関する前肢の力を、0、30及び60日目に握力試験によって測定した。60日目と0日目の間の力の差を測定することによって、握力能を決定した。結果を、各群の前肢の力の平均として示す。
【0635】
以下の表23に例示するように、hDMPKをターゲティングするASOによる処置は、未処置の対照と比較してDMSXLマウスの筋力を向上させた。ISIS486178、すなわちcEt修飾を有するASOは、MOE修飾を有するISIS445569(+0.38)と比較して、前肢の力のかなりの向上を示した(+3.4)。
【0636】
【表23】
【0637】
実施例15:hDMPKをターゲティングするDMSXLマウスの筋線維分布に対するASO処置の効果
【0638】
ISIS445569及び486178の存在及び非存在下でのhDMPKをターゲティングするDMSXLマウスの筋線維分布も評価した。両方のASOは、上記の表1で先に記載した。
【0639】
DMSXLマウスに、4週にわたって週2回、25mg/kgのISIS486178または50mg/kgのISIS445569の皮下注射を行った。対照DMSXL群に、4週にわたって週2回PBSの皮下注射を行った。各処置群は、4匹の動物から成っていた。筋線維分布を評価し、以下の表44に結果を示した。
【0640】
例示するように、hDMPKをターゲティングするASOによる処置は、未処置の対照と比較して、DMSXLマウスの前脛骨筋(TA)におけるDM1関連2c型筋線維の分布を縮小した。この結果は、ASO処置によって、骨格筋における線維分布正常なパターンが回復され得ることを示した。ISIS445569は、未処置の対照と比較して筋線維分布の向上を示した。しかしISIS486178、すなわちcEt修飾を有するASOは、野生型マウスで見られる筋線維分布とより一致している筋線維分布を示した。
【0641】
【表24】
【0642】
実施例16:DMSXLトランスジェニックマウスにおけるhDMPKの用量依存的アンチセンス阻害
インビボで、hDMPK転写産物のアンチセンス阻害について上記の表1の新規に設計したASOを用量応答研究でさらに調べた。比較のために、ISIS445569をこの研究に含めた。
【0643】
処置
DMSXLマウスを12時間明/暗周期で維持し、通常のPurinaマウス固形飼料を自由に与えた。動物を少なくとも7日間研究施設で順応させてから、実験を開始した。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)をPBS中で調製し、0.2ミクロンのフィルターを通して濾過することによって滅菌した。注射用に、ASOを0.9%PBSにも溶解した。
【0644】
DMSXLマウスに、PBSまたは上記の表1のhDMPKをターゲティングするASOの皮下注射を行った。以下の表25に示される用量で、4週にわたって週2回ASOを投与した。対照群に、4週にわたって週2回、PBSの皮下注射を行った。各処置群は、4匹の動物から成っていた。
【0645】
hDMPK mRNAのレベルの阻害
最終的な投与から48時間後に、マウスを屠殺し、前脛骨筋、四頭筋(左)、腓腹筋、心臓及び横隔膜からの組織を単離した。hDMPKのリアルタイムPCR解析用にmRNAを単離し、RIBOGREEN(登録商標)に対して標準化した。ヒトプライマープローブセットRTS3164を使用して、mRNAレベルを測定した。以下の表25にまとめた結果は、様々な用量応答研究から独立に生成した。PBS対照に対する、各処置群に関するhDMPKのmRNA発現レベルの平均パーセントとして結果を示す。
【0646】
示すように、アンチセンスオリゴヌクレオチドによる処置は、hDMPK転写産物の発現を用量依存的に低減させた。
【0647】
【表25】
TA=前脛骨筋;Quad=四頭筋;Gastroc=腓腹筋
【0648】
実施例17:CD-1マウスにおける6週間のインビボ忍容性研究
血漿化学、体/器官の重量及び組織学的検査を評価するために、上記の表1の新規に設計したASOを6週間の研究でさらに調べた。100mg/kg/wkのISIS445569またはISIS512497をCD-1マウス群に投与した。50mg/kg/wkのISIS486178、ISIS570808、ISIS594292、ISIS598768、ISIS598769、ISIS569473、ISIS594300及びISIS598777を、さらなるCD-1マウス群に投与した。各群のマウスに最後の投与を行ってから6週と2日目に、マウスを屠殺し、解析用に組織を採取した。各群のマウスについて、アラニントランスアミナーゼレベル、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼレベル、血中尿素窒素(BUN)レベル、アルブミンレベル、総ビリルビン及びクレアチンレベルを判断するための解析を測定した。さらに、器官重量も測定し、これらの結果を以下の表に示す。
【0649】
【表26】
【0650】
【表27】
【0651】
実施例18:Sprague-Dawley系ラットにおける6週間のインビボ忍容性研究
血漿化学、体/器官の重量及び組織学的検査を評価するために、上記の表1の新規に設計したASOを、6週間の研究でさらに調べた。Sprague-Dawley系ラット群に、100mpk/wkのISIS445569またはISIS512497を投与した。Sprague-Dawley系ラット群のさらなる群に、50mpk/wkのISIS486178、ISIS570808、ISIS594292、ISIS598768、ISIS598769、ISIS569473、ISIS594300及びISIS598777を投与した。各群のマウスに最後の投与を行ってから6週と2日目に、マウスを屠殺し、解析用に組織を採取した。各群のマウスについて、アラニントランスアミナーゼレベル、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼレベル、血中尿素窒素(BUN)レベル、アルブミンレベル、総ビリルビン、クレアチンレベル及び尿中クレアチンレベルを判断するための解析を測定した。さらに、器官重量も測定し、これらの結果を以下の表に示す。
【0652】
【表28】
【0653】
【表29】
【0654】
実施例19:カニクイザルにおける十三(13)週のインビボ研究
4匹の雄カニクイザル群に、40mg/kg/wkのISIS445569、ISIS512497、ISIS486178、ISIS570808、ISIS594292、ISIS598768、ISIS598769、ISIS569473、ISIS594300及びISIS598777を皮下注射によって投与した。最初の投与から十三週後に、動物を屠殺し、組織解析を実施した。アカゲザルDMPKのリアルタイムPCR解析用にmRNAを単離し、RIBOGREEN(登録商標)に対して標準化した。プライマープローブセットRTS3164(上記)を使用してmRNAレベルを測定し、以下の表30に結果を示す。さらに、プライマープローブセットRTS4447を使用するアカゲザルDMPKのリアルタイムPCR解析用にさらなるmRNAを単離し、RIBOGREEN(登録商標)に対して標準化した。以下の表31に結果を示す。RTS4447(フォワード配列AGCCTGAGCCGGGAGATG(本明細書で配列番号20と呼ばれる);リバース配列GCGTAGTTGACTGGCAAAGTT(本明細書で配列番号21と呼ばれる);プローブ配列AGGCCATCCGCATGGCCAACC(本明細書で配列番号22と呼ばれる))。
【0655】
【表30】
【0656】
【表31】
【0657】
実施例20:カニクイザルにおける十三(13)週のインビボ忍容性研究
雄カニクイザル群に、40mg/kgのISIS445569、ISIS512497、ISIS486178、ISIS570808、ISIS594292、ISIS598768、ISIS598769、ISIS569473、ISIS594300及びISIS598777を1、3、5及び7日目に皮下注射によって投与した。7日目の投与に続いて、各サルに、40mg/kg/wkのISIS445569、ISIS512497、ISIS486178、ISIS570808、ISIS594292、ISIS598768、ISIS598769、ISIS569473、ISIS594300及びISIS598777を皮下注射によって投与した。
【0658】
28日及び91日目に各サルに皮下投与を行ってから48時間後に、血液及び尿試料を解析用に得た。一部のサルは、56日目に投与を行ってから48時間後に得られた血液及び尿を有していた。アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、乳酸脱水素酵素(LDH)及びクレアチンキナーゼ(CK)を処置群の各動物について測定し、平均値を以下の表に示す。マイナス符号を伴う試料日の値は、処置を始める前の時点を表す。例えば、-7という処置日の値は、最初の投与の7日前に得た試料を表す。最初の投与から十三週後に、動物を屠殺し、組織解析を実施した。
【0659】
【表32-1】
【0660】
【表32-2】
【配列表】
2024056842000001.app
【手続補正書】
【提出日】2024-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載された発明。