(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056889
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】方法、端末機器、及びネットワーク機器
(51)【国際特許分類】
H04W 28/04 20090101AFI20240416BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20240416BHJP
H04W 28/16 20090101ALI20240416BHJP
H04W 72/1273 20230101ALI20240416BHJP
H04W 72/21 20230101ALI20240416BHJP
H04L 1/1867 20230101ALI20240416BHJP
H04L 1/1825 20230101ALI20240416BHJP
【FI】
H04W28/04 110
H04W16/28 130
H04W28/16
H04W72/1273
H04W72/21
H04L1/1867
H04L1/1825
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024020811
(22)【出願日】2024-02-15
(62)【分割の表示】P 2021563314の分割
【原出願日】2019-04-30
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
2.WCDMA
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ユーカイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数(マルチ)の送受信点(TRP)/パネル送信のダウンリンク再送の方法、デバイス及び装置並びにマルチTRP/パネル送信の無線送信の方法、デバイス及び装置を提供する。
【解決手段】ネットワーク機器でのダウンリンク再送の方法は、データブロックを少なくとも第1データ部分と第2データ部分とに分割し、第1データ部分を第1レイヤセットに、第2データ部分を第2レイヤセットにマッピングし、端末機器から、各データ部分が異なる送信構成指示(TCI)の状態で送信されるダウンリンク送信についてのフィードバックを受信し、フィードバックが送信失敗を示すことに応じて、第1、第2データ部分のうち少なくとも1つのデータ部分のダウンリンク再送を実行する。ここで、第1、第2データ部分のうち少なくとも1つのデータ部分は、ダウンリンク送信で使用されるレイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データブロックが少なくとも第1データ部分と第2データ部分とに分割され、前記第1データ部分が第1レイヤセットにマッピングされ、前記第2データ部分が第2レイヤセットにマッピングされ、前記第1データ部分と前記第2データ部分が異なる送信構成指示(TCI)の状態で送信されるダウンリンク送信についてのフィードバックを、端末機器から受信することと、
前記ダウンリンク送信で使用されるレイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされた、前記第1データ部分及び前記第2データ部分のうち少なくとも1つのデータ部分のダウンリンク再送を、前記フィードバックが送信失敗を示すことに応じて実行することと、
を備える、
ダウンリンク再送方法。
【請求項2】
前記ダウンリンク再送を実行することは、
前記第1レイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされた前記第1データ部分と、前記第2レイヤセットとは異なる別のレイヤセットにマッピングされた前記第2データ部分との両方を、再送することを備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ダウンリンク再送を実行することは、
前記第2レイヤセットにマッピングされた前記第1データ部分と、前記第1レイヤセットにマッピングされた前記第2データ部分との両方を、再送することを備える、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1データ部分及び前記第2データ部分のうち前記少なくとも1つのデータ部分が、前記ダウンリンク送信で使用されるレイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされていることを示すために、レイヤセットマッピング情報を前記端末機器に送信することをさらに備える、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記レイヤセットマッピング情報は、前記ダウンリンク再送についての復調用参照信号(DMRS)指示によって運ばれる、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ダウンリンク再送についての前記DMRS指示は、前記ダウンリンク送信についてのDMRS指示とは異なる値を有する、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ダウンリンク再送についての前記DRMS指示は、前記ダウンリンク送信及び前記ダウンリンク再送についての少なくとも2つのレイヤセットマッピングをそれぞれ示し、
前記ダウンリンク再送についての前記DMRS指示は、前記ダウンリンク送信についてのDMRS指示と同じ値を有する、
請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記フィードバックは、前記第1データ部分及び前記第2データ部分の送信状態にそれぞれ関する少なくとも2つのフィードバック値を備える、
請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記フィードバックは、前記第1データ部分と前記第2データ部分の両方についての単一のフィードバックであり、
前記フィードバックが、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)で送信され、
前記PUCCHについてのリソースが、前記第1データ部分と前記第2データ部分の送信状態を示すために使用される、
請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1データ部分及び前記第2データ部分のうち前記少なくとも1つのデータ部分は、前記フィードバック又は前記PUCCHいついての前記リソースによって示される失敗状態にあるデータ部分のみを含む、
請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
データブロックが少なくとも第1データ部分と第2データ部分とに分割され、前記第1データ部分が第1レイヤセットにマッピングされ、前記第2データ部分が第2レイヤセットにマッピングされ、前記第1データ部分と前記第2データ部分が異なるTCIの状態で送信されるダウンリンク送信についてのフィードバックを、ネットワーク機器に送信することと、
前記ダウンリンク送信で使用されるレイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされた、前記第1データ部分及び前記第2データ部分のうち少なくとも1つのデータ部分のダウンリンク再送を、前記フィードバックが送信失敗を示すことに応じて受信することと、
前記ダウンリンク再送に少なくとも部分的に基づいて、前記データブロックを復号することと、
を備える、
無線送信方法。
【請求項12】
前記ダウンリンク再送を受信することは、
前記第1レイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされた前記第1データ部分と、前記第2レイヤセットとは異なる別のレイヤセットにマッピングされた前記第2データ部分との両方の再送を、受信することを備える、
請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記ダウンリンク再送を受信することは、
前記第2レイヤセットにマッピングされた前記第1データ部分と、前記第1レイヤセットにマッピングされた前記第2データ部分との両方の再送を受信することを備える、
請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1データ部分及び前記第2データ部分のうち前記少なくとも1つのデータ部分が、前記ダウンリンク送信で使用されるレイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされていることを示すレイヤセットマッピング情報を、前記ネットワーク機器から受信することをさらに備える、
請求項11又は12に記載の方法。
【請求項15】
前記レイヤセットマッピング情報は、前記ダウンリンク再送についての復調用参照信号(DMRS)指示によって運ばれる、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ダウンリンク再送についての前記DMRS指示は、前記ダウンリンク送信についてのDMRS指示とは異なる値を有する、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ダウンリンク再送についての前記DRMS指示は、前記ダウンリンク送信及び前記ダウンリンク再送についての少なくとも2つのレイヤセットマッピングをそれぞれ示し、
前記ダウンリンク再送についての前記DMRS指示は、前記ダウンリンク送信についてのDMRS指示と同じ値を有する、
請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記フィードバックは、前記第1データ部分及び前記第2データ部分の送信状態にそれぞれ関する少なくとも2つのフィードバック値を備える、
請求項11~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記フィードバックは、前記第1データ部分と前記第2データ部分の両方についての単一のフィードバックであり、
前記フィードバックが、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)で送信され、
前記PUCCHについてのリソースが、前記第1データ部分と前記第2データ部分の送信状態を示すために使用される、
請求項11~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記第1データ部分及び前記第2データ部分のうち前記少なくとも1つのデータ部分は、前記フィードバック又は前記PUCCHについての前記リソースによって示される失敗状態にあるデータ部分のみを含む、
請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
送受信機と、
プロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実行するか、又は、前記送受信機を制御して、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実行させるように設定される、
ネットワーク機器。
【請求項22】
送受信機と、
プロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、請求項11~20のいずれか1項に記載の方法を実行するか、又は、前記送受信機を制御して、請求項11~20のいずれか1項に記載の方法を実行させるように設定される、
端末機器。
【請求項23】
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されプログラムコードを有するメモリと、
を備え、
前記プログラムコードが前記プロセッサ上で実行された場合、請求項1~10のいずれか1項に記載の操作を実行する、
ネットワーク機器。
【請求項24】
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されプログラムコードを有するメモリと、
を備え、
前記プログラムコードが前記プロセッサ上で実行された場合、請求項11~20のいずれか1項に記載の操作を実行する、
端末機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の非限定的かつ例示的な実施形態は、全体として、無線通信技術の分野に関し、より具体的には複数(マルチ)の送受信点(TRP)/パネル送信のダウンリンク再送の方法、デバイス及び装置、並びにマルチTRP/パネル送信の無線送信の方法、デバイス及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
新無線アクセスシステムはNRシステム又はNRネットワークとも称され、次世代の通信システムである。第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)ワークグループの無線アクセスネットワーク(RAN)71会議では、NRシステムの研究が承認された。NRシステムは、100Ghzまでの周波数帯域を考慮するもので、その目標は、全ての使用シナリオ、要求及び開発シナリオを解決する1つの技術的枠組みを作り上げることである。この技術的枠組みには、拡張モバイルブロードバンド、大規模マシンタイプ通信及び超高信頼・低遅延通信等の要求が含まれる。
【0003】
2016年5月より、NRのマルチアンテナ技術についての議論が開始されており、その議論はマルチアンテナ計画、ビーム管理、チャネル状態情報(CSI)取得、参照信号及び疑似コロケーション(QCL)等複数の方面に及んでいる。NRシステムでは、単一TRP送信及びマルチTRP/パネル送信の両方をサポートすることができる。しかしながら、マルチTRP/パネル送信では、非コヒーレントな共同送信を効率的にサポートするために、(複数の)ダウンリンク制御シグナリングの強化が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため、本開示では、従来技術の問題点の少なくとも一部を緩和するか、又は少なくとも軽減するために、マルチTRP送信のダウンリンク再送という新たな解決手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様では、ダウンリンク再送方法が提供される。該方法は、ネットワーク機器で実行することができる。該方法は、データブロックが少なくとも第1データ部分と第2データ部分とに分割され、第1データ部分が第1レイヤセットにマッピングされ、第2データ部分が第2レイヤセットにマッピングされ、第1データ部分と第2データ部分が異なる送信構成指示(TCI)の状態で送信されるダウンリンク送信についてのフィードバックを、端末機器から受信することと、ダウンリンク送信で使用されるレイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされた、第1データ部分及び第2データ部分のうち少なくとも1つのデータ部分のダウンリンク再送を、フィードバックが送信失敗を示すことに応じて実行することと、を備えることができる。
【0006】
本開示の第2の態様では、無線送信方法が提供される。該方法は、端末機器で実行することができる。該方法は、データブロックが少なくとも第1データ部分と第2データ部分とに分割され、第1データ部分が第1レイヤセットにマッピングされ、第2データ部分が第2レイヤセットにマッピングされ、第1データ部分と第2データ部分が異なるTCIの状態で送信されるダウンリンク送信についてのフィードバックを、ネットワーク機器に送信することと、ダウンリンク送信で使用されるレイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされた、第1データ部分及び第2データ部分のうち少なくとも1つのデータ部分のダウンリンク再送を、フィードバックが送信失敗を示すことに応じて受信することと、ダウンリンク再送に少なくとも部分的に基づいて、データブロックを復号することと、を備えることができる。
【0007】
本開示の第3の態様では、ネットワーク機器が提供される。ネットワーク機器は、送受信機と、プロセッサとを備えることができる。プロセッサは、以下を実行するか、又は、送受信機を制御して以下を実行させるように設定される。データブロックが少なくとも第1データ部分と第2データ部分とに分割され、第1データ部分が第1レイヤセットにマッピングされ、第2データ部分が第2レイヤセットにマッピングされ、第1データ部分と第2データ部分が異なる送信構成指示(TCI)の状態で送信されるダウンリンク送信についてのフィードバックを、端末機器から受信する。そして、ダウンリンク送信で使用されるレイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされた、第1データ部分及び第2データ部分のうち少なくとも1つのデータ部分のダウンリンク再送を、フィードバックが送信失敗を示すことに応じて実行する。
【0008】
本開示の第4の態様では、端末機器が提供される。端末機器は、送受信機と、プロセッサとを備えることができる。プロセッサは、以下を実行するか、又は、送受信機を制御して以下を実行させるように設定される。データブロックが少なくとも第1データ部分と第2データ部分とに分割され、第1データ部分が第1レイヤセットにマッピングされ、第2データ部分が第2レイヤセットにマッピングされ、第1データ部分と前記第2データ部分が異なるTCIの状態で送信されるダウンリンク送信についてのフィードバックを、ネットワーク機器に送信する。そして、ダウンリンク送信で使用されるレイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされた、第1データ部分及び第2データ部分のうち少なくとも1つのデータ部分のダウンリンク再送を、フィードバックが送信失敗を示すことに応じて受信する。また、ダウンリンク再送に少なくとも部分的に基づいて、データブロックを復号する。
【0009】
本開示の第5の態様では、ネットワーク機器が提供される。ネットワーク機器は、プロセッサと、メモリとを備えることができる。メモリは、プロセッサに結合されプログラムコードを有することができる。プログラムコードはプロセッサ上で実行された場合、ネットワーク機器に第1の態様のいずれかの実施形態にかかる方法の操作を実行させる。
【0010】
本開示の第6態様では、端末機器が提供される。端末機器は、プロセッサと、メモリとを備えることができる。メモリは、プロセッサに結合されプログラムコードを有することができ、プログラムコードはプロセッサ上で実行された場合、ネットワーク機器に第2の態様のいずれかの実施形態にかかる方法の操作を実行させる。
【0011】
本開示の第7の態様では、コンピュータプログラムコードが含まれるコンピュータ可読記憶媒体が提供される。該コンピュータプログラムコードは、実行された場合、装置に第1の態様のいずれかの実施形態にかかる方法の動作を実行させるように設定される。
【0012】
本開示の第8の態様では、コンピュータプログラムコードが含まれるコンピュータ可読記憶媒体が提供される。該コンピュータプログラムコードは、実行された場合、装置に第2の態様のいずれかの実施形態にかかる方法の動作を実行させるように設定される。
【0013】
本開示の第9の態様では、第7の態様にかかるコンピュータ可読記憶媒体を備えるコンピュータプログラム製品が提供される。
【0014】
本開示の第10の態様では、第8の態様にかかるコンピュータ可読記憶媒体を備えるコンピュータプログラム製品が提供される。
【0015】
本開示の実施形態によりダウンリンク再送の新しい解決手段が提供される。この解決手段によって、より多くのダイバーシティゲインを得ることができ、その結果、マルチTPR/パネル送信のより優れた再送性能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
以下、図面を参照しつつ実施形態に示される実施例を詳細に説明し、本開示の上述の特徴及びその他の特徴をさらに明らかにする。全ての図において、同一の図面符号は、同一又は類似の要素を示す。
【0017】
【
図1】従来技術におけるマルチTRP/パネル送信の例示的なDMRSテーブルを示す。
【0018】
【
図2】本開示のマルチTRP送信を実現可能な例示的シナリオを示す。
【0019】
【
図3】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク機器でのダウンリンク再送の方法のフローチャートを示す。
【0020】
【
図4】本開示のいくつかの実施形態にかかる、2つのTRPによる送信のダウンリンク再送の模式図を概略的に示す。
【0021】
【
図5A】本開示のいくつかの実施形態にかかる、マルチTRP送信の例示的なDMRSテーブルを概略的に示す。
【
図5B】本開示のいくつかの実施形態にかかる、マルチTRP送信の例示的なDMRSテーブルを概略的に示す。
【
図5C】本開示のいくつかの実施形態にかかる、マルチTRP送信の例示的なDMRSテーブルを概略的に示す。
【
図5D】本開示のいくつかの実施形態にかかる、マルチTRP送信の例示的なDMRSテーブルを概略的に示す。
【0022】
【
図6】本開示のいくつかの実施形態にかかる、2つのTRPによる送信についての例示的な送信状態指示テーブルを概略的に示す。
【0023】
【
図7】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末機器での無線送信の方法のフローチャートを示す。
【0024】
【
図8】装置810及び装置820の簡略化ブロック図を概略的に示す。本明細書に記載されているように、装置810は、UEのような端末機器として実現されてもよいし、端末機器に含まれていてもよい。また、装置820は、gNBのようなネットワーク機器として実現されてもよいし、ネットワーク機器に含まれていてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しつつ実施形態を通して、本開示で提供する解決手段を詳細に説明する。理解すべき点として、これらの実施形態は、当業者が本開示をより適切に理解し実現することができるようにするためのものであり、本開示の範囲に対し何らかの限定をするためのものではない。例えば、1つの実施形態の一部として示され又は説明された特徴を、別の実施形態と共に用いて、さらに別の実施形態を作り出すことができる。明確にするために記すと、実際の実施形態の全ての特徴が本明細書に記載されているわけではない。
【0026】
図面において、本開示の各実施形態はブロック図、フローチャート及びその他の図において示されている。フローチャートにおける各ブロック又は複数のブロックは、特定の論理機能を実行するための1つ又は複数の実行可能な命令を含むモジュール、プログラム又はコードの一部を表すことができ、本開示において、省略可能なブロックは点線で示される。また、方法・ステップを実行するための特定の順序でこれらのブロックを示しているが、実際は、必ずしも示された順序に厳格に従い実行するとは限らない。例えば、反対の順序で又は同時に実行してもよい。これはそれぞれの操作の性質によって左右される。さらに注意すべき点として、フローチャート内のブロック及び/又は各ブロック並びにその組合せは、特定の機能/操作を実行するための、ハードウェアに基づく専用システムにより実現することができ、又は専用ハードウェアとコンピュータの命令との組合せにより実現することができる。
【0027】
明細書における「1つの実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」等の引用は、説明される実施形態が特定の特徴、構造又は特性を含むことができることを示すが、各実施形態が必ずしも特定の特徴、構造又は特性を含む必要はない。また、このようなフレーズは、必ずしも同じ実施形態に指すものではない。また、実施形態と結び付けて特定の特徴、構造又は特性を説明する際、明記されているかどうかに関わらず、他の実施形態と結び付けると、このような特徴、構造又は特性に影響を与えることは、当業者の知識の範囲内であるとみなすべきである。
【0028】
理解すべき点として、用語「第1」及び「第2」等は文中で各種要素を説明するために用いることができるが、こうした要素は、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語はあくまでも、1つの要素を別の要素と分けるためである。例えば、例示的実施形態の範囲から逸脱しない場合、第1要素は第2要素と称することができ、同様に、第2要素も第1要素と称することができる。文中で使用される用語「及び/又は」は、1つ又は複数の列挙された用語のうちのいずれか、及び全ての組合せを含む。
【0029】
文中で使用される用語は、あくまで特定の実施形態を説明するためのものであり、例示的な実施形態を限定する意図はない。文中で使用される場合、文脈で他に明記していない限り、単数形式である「1」、「1つ」及び「該」は、複数形式も含むことを意味する。さらに理解されるべき点として、文中で使用される場合、用語「備える」、「備えている」、「有する」、「有している」、及び/又は「含む」は、記述された特徴、要素及び/又はコンポーネント等の存在を規定するが、他の特徴、要素、コンポーネント及び/又はそれらの組合せの、1つ又は複数の存在又は追加を排除するものではない。
【0030】
文中で使用される用語の「無線通信ネットワーク」とは、任意の適切な無線通信規格に準じたネットワーク、例えば新無線(NR)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTE-アドバンスト(LTE-A)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、高速パケットアクセス(HSPA)等を指す。「無線通信ネットワーク」は「無線通信システム」と称することもできる。また、ネットワーク機器間、ネットワーク機器と端末機器との間、又は無線通信ネットワークにおける端末機器間の通信は、任意の適切な通信プロトコルに基づき実行することができる。任意の適切な通信プロトコルには、移動通信用グローバルシステム(GSM)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、ロングタームエボリューション(LTE)、新無線(NR)、IEEE 802.11規格のような無線LAN(WLAN)の規格、及び/又は現在既知であるか若しくは将来開発される他の任意の適当な無線通信規格が含まれるが、これらに限定されない。
【0031】
文中で使用される用語「ネットワーク機器」は、無線通信ネットワークにおけるノードを指す。端末機器は該ノードを介してネットワークにアクセスし、そこからサービスを受ける。適用される用語及び技術によって、ネットワーク機器は、基地局(BS)又はアクセスポイント(AP)を指すことができ、例えば、ノードB(NodeB又はNB)、進化型NodeB(eNodeB又はeNB)、NR NB(gNBとも称される)、リモートラジオユニット(RRU)、無線ヘッド(RH)、リモート無線ヘッド(RRH)、中継、フェムト、ピコ等の低電力ノード等を指すことができる。
【0032】
用語「端末機器」は、無線通信を行うことができる全ての端末機器を指すことができる。限定するものではなく例示として、端末機器は、通信機器、ユーザ端末(UE)、加入者局(SS)、携帯型加入者局、移動局(MS)、又はアクセス端末(AT)とも称することができる。端末機器は、移動電話、携帯電話、スマートフォン、IPに基づく音声通話(VoIP)電話、ワイヤレスローカルループ(Wireless local loop)電話、タブレットPC、ウェアラブル端末機器、携帯情報端末(PDA)、携帯コンピュータ、デスクトップコンピュータ、例えばデジタルカメラ等の画像取込端末デバイス、ゲーム端末機器、音楽保存再生装置、車載無線端末機器、無線エンドポイント、モバイルステーション、ラップトップ組込型機器(LEE:laptop embedded equipment)、ラップトップ搭載型機器(LME:laptop-mounted equipment)、USBドングル、スマートデバイス、無線カスタマ構内設備(CPE:Customer-provided equipment)等を含むことができるが、これらに限定されない。また、用語「端末機器」、「通信機器」、「端末」、「ユーザ端末」及び「UE」は、以下の説明では互換的に使用することができる。
【0033】
マルチTRP/パネル送信では、例えば以下のような多くの側面を解決する必要がある。
MU-MIMOサポートにおける強化:
-タイプII CSIフィードバックに基づき、性能とオーバーヘッドとのトレードオフを考慮してオーバーヘッド削減を規定する。
-検討を行い、必要に応じてタイプII CSIフィードバックのランク>2への拡張を規定する。
理想的なバックホールと非理想的なバックホールによる信頼性と堅牢性の向上を含む、マルチTRP/パネル送信における機能強化:
-非コヒーレントな共同送信を効率的にサポートするための(複数の)ダウンリンク制御シグナリングの強化を規定する。
-検討を行い、必要に応じて、非コヒーレントな共同送信のためのアップリンク制御シグナリング及び/又は(複数の)参照信号の強化を規定する。
-このWIには、URLLC要求についてのマルチTRP技術が含まれる。
マルチビーム操作の強化、主にFR2操作を対象:
-検討を行い、必要に応じて、遅延及びオーバーヘッドを低減するために、Rel-15で規定されたUL及び/又はDLの送信ビーム選択における(複数の)強化を規定する。
-パネル固有のビーム選択がしやすいように、マルチパネル操作のためにUL送信ビーム選択を規定する。
-Rel-15で規定されたビーム障害回復に基づいて、SCellのためにビーム障害回復を規定する。
-L1参照信号受信品質(RSRQ)又はL1信号電力対[雑音電力+干渉電力]比(SINR)の測定及び報告を規定する。
WI開始後の最初のRAN1ミーティングで検討し結論を出し、必要に応じて、1層又は複数層のPAPR低減のためのCSI-RS及びDMRS(ダウンリンク及びアップリンクの両方)の強化を規定する(Rel-15で規定されたreマッピングに変更はない)。
【0034】
以上のことから、マルチTRP/パネル送信では、非コヒーレントな共同送信を効率的にサポートするために、(複数の)ダウンリンク制御シグナリングの強化が必要であることが理解できる。特に、DMRSポートセットを示すために、より多くのDMRS指示が必要である。一つの選択肢として、従来のDMRSテーブルを使用して、より多くの指示を追加することが可能であるが、従来のDMRSテーブルの容量は制限されているため、追加される指示の数も制限される。別の選択肢として、新たなDMRSテーブルを導入し、1つのTCIコードポイントにおける2つの異なる送信構成指示(TCI)の状態を使用して、従来のDMRSテーブルと新たなDRMSテーブルのどちらを使用すべきかを暗黙的に示すことができる。
【0035】
さらに、1つのCWの状況に対して、例えば、1+1、1+2、2+1、2+2、1+3、3+1のように、DMRSテーブルにいくつかの新しい項目を追加することも提案されている。特に、3GPP技術文書R1-1904013では、
図1に示されるように、従来のDMRSテーブルに修正を加え、さらに他の5つの項目を導入することで、マルチTRP送信のためのより多くのDMRSポートセットをサポートすることが提案されている。
図1は、新たに追加されたポート構成が灰色で示されたDRMSテーブル100を示す。
【0036】
単一のPDCCHに基づくマルチTRP送信では、異なるTRPからのレイヤを有するPDSCHをスケジューリングするために、1つのPDCCHが用いられる。端末機器では、失敗した少なくとも1つのTRPからの少なくともデータの一部の受信が成功しない状況が発生する可能性がある。2つのCWでは、ACK/NACKのフィードバックと再送はCWごとに別々に行われるため、ネットワークはどのレイヤが失敗したかを知ることができ、それに応じて再送を調整することができる。一方、1つのCWの場合は、2つのレイヤに対して1つのACK/NACKしか使用できない。そのため、1つのTRPが悪化している場合は、すぐに送信をそれに適応させた方がよいが、ネットワークは2つのレイヤの状態が分からないため、性能を向上させることができない。
【0037】
本開示の実施形態は、マルチTRP/パネル送信のダウンリンク再送の解決手段を提供する。基本的な構想は、マルチTRP/パネル送信に基づくダウンリンク送信に対するネガティブフィードバックを受信したことに応じて、異なるレイヤマッピングでダウンリンク再送を実行することである。異なるDMRS指示項目に対する従来の固定レイヤマッピング方式とは異なり、本開示の実施形態では、失敗したデータは、レイヤセットマッピングの変更によって、より良いチャネルで送信される機会を得る。これは、より多くのダイバーシティゲインを意味し、したがって、より優れた再送性能が実現される。
【0038】
本開示の基本的な構想及び実施形態は、マルチTRP送信に適用できることに留意されたい。マルチTRP送信に適用される場合、データブロックは少なくとも2つのデータ部分に分割され、該少なくとも2つのデータ部分は、異なるTRPを介して異なる送信構成指示(TCI)の状態で送信される。さらに理解すべき点として、本明細書に開示された基本的な構想及び実施形態はマルチパネル送信にも適用できる。ここで、パネルとは、ネットワーク機器及び/又はユーザ端末機器のアンテナ群を表し、複数パネル送信とは、単一のユーザ機器に対して複数のパネルを用いて送信することを意味する。基本的な構想及び実施形態がマルチパネル送信に適用される場合、データブロックは少なくとも2つのデータ部分に分割され、該少なくとも2つのデータ部分は、異なるパネルを介して異なる送信構成指示(TCI)の状態で送信される。
【0039】
以下、
図2~
図8を参照して、マルチTRP送信を例に、本開示で提供する解決手段を詳細に説明する。しかしながら、以下の実施形態は説明を目的とするものにすぎず、本開示はこれに限定されないことを理解されたい。実際には、上述したように、本開示の実施形態はマルチパネル送信にも用いることができる。また、本開示の実施形態を説明するために、2つのTRPによる送信を例に挙げているが、本開示はこれに限定されず、3つのTRPによる送信、又はそれより多いTRPによる送信も可能である。さらに具体的に言えば、本明細書の異なる実施形態は、技術的な観点から可能である限り、単独で別々に実施することも、任意の適切な方法で組み合わせることも可能である。
【0040】
図2は、本開示のマルチTRP送信を実現可能な例示的シナリオを示す。
図2では、2つのTRPによる送信が示され、ここで、単一のUE210が2つのTRP220、230からサービスを受けることができる。図示されているように、UE210は、TRP220及びTRP230の両方から同時に信号を受信することができる。一方、UEへの送信は失敗する可能性があり、したがって、再送を要求するためにNACKがネットワーク機器にフィードバックされることになる。本開示の実施形態は、データ再送の新しい解決手段を提供するために、正にこのような例示的なシナリオを対象としている。
【0041】
図3は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、ダウンリンク再送の方法についてのフローチャートを示す。方法300は、例えばgNBのような基地局又は他の類似のネットワーク機器で実行することができる。
【0042】
図3に示すように、ブロック310において、ネットワーク機器は端末機器から、ダウンリンク送信についてのフィードバックを受信することができる。ダウンリンク送信は複数のTRPパネルによって実行される。ダウンリンク送信において、データブロックは少なくとも第1データ部分と第2データ部分とに分割され、第1データ部分は第1レイヤセットにマッピングされ、第2データ部分は第2レイヤセットにマッピングされ、第1データ部分と第2データ部分は異なる送信構成指示(TCI)の状態で送信される。異なるTCI状態により、マルチTRP/パネル送信が可能となる。
【0043】
次にブロック320において、ネットワーク機器は、フィードバックが送信失敗を示すことに応じて、第1データ部分及び第2データ部分のうち少なくとも1つのデータ部分のダウンリンク再送を実行する。ここで、第1データ部分及び第2データ部分のうち少なくとも1つのデータ部分は、ダウンリンク送信で使用されるレイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされる。
【0044】
本願の実施例では、ダウンリンク送信中に、レイヤセットのマッピングが変更される。これは失敗したデータ部分に、よい良好なチャネルで送信される変更が生じる可能性があることを意味する。これにより、より多くのダイバーシティゲインを得ることができ、その結果、再送性能を向上させることができる。
【0045】
図4は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、2つのTRPによる送信のためのダウンリンク再送の図を示す。ここでUE410は、2つの異なるTCI状態(TCI-a及びTCI-b)を有する2つのTRPからサービスを受けている。
図4に示すように、データブロック、例えばCWは、2つのデータ部分、データ部分1及びデータ部分2に分割され、データ部分1は、第1レイヤセット即ちレイヤセットAにマッピングされ、データ部分2は、第2レイヤセット即ちレイヤセットBにマッピングされる。その後、データ部分1は、TCI状態TCI-aを有するTRP420を介して送信され、データ部分2は、別のTCI状態TCI-bを有するTRP430を介して送信される。UEは、2つのTRPからのデータ部分1とデータ部分2を受信する。2つのデータ部分の両方の受信が成功した場合、ACKをネットワーク機器にフィードバックすることができる。両方とも受信が失敗した場合、又はどちらか一方のみの受信が成功した場合は、NACKをネットワーク機器にフィードバックすることができる。
【0046】
UEからNACKを受信した場合、ネットワーク機器は、ダウンリンク再送を行うことを決定するが、レイヤセットのマッピングを変更することができる。特に、
図4に示すように、データ部分1をレイヤセットBにマッピングし、データ部分2をレイヤセットAにマッピングすることができる。このようにして、ダウンリンク再送では、TRP430を介してデータ部分1を送信し、420を介してデータ部分2を送信することができる。したがって、より多くのダイバーシティゲインを取得することができ、その結果、再送性能を向上させることができる。
【0047】
本開示のいくつかの実施例では、すべてのデータ部分を送信することができ、それらの各々は、前のダウンリンク送信で使用されるレイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされる。例えば、第1データ部分と第2データ部分の両方について、第1データ部分は第1レイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされ、第2データ部分は第2レイヤセットとは異なる別のレイヤセットにマッピングされ、これは、例えば、3つのTRPによる送信に適用することができる。別の例示では、第1データ部分と第2データ部分の両方について、第1データ部分は第2レイヤセットにマッピングされ、第2データ部分は第1レイヤセットにマッピングされる。つまり、まさに
図4に例示されているように、レイヤセットのマッピングを入れ替えることができ、これは、例えば、2つのTRPによる送信に適用することができる。
【0048】
本開示のいくつかの実施形態では、第1データ部分及び第2データ部分のうち少なくとも1つのデータ部分が、ダウンリンク送信で使用されるレイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされていることを示すために、レイヤセットマッピング情報を端末機器に送信してもよい。レイヤセットマッピング情報は、ダウンリンク再送についての復調用参照信号(DMRS)指示によって運ぶことができる。例えば、ダウンリンク再送についてのダウンリンク制御指示(DCI)でDMRS指示を送信してもよい。
【0049】
本開示のいくつかの実施形態では、最初のダウンリンク再送及びダウンリンク再送について、DMRS指示を相似させることができる。また、UEは、送信が再送であるかどうかを知ることができるので、どのレイヤセットのマッピングが使用されているかを判断することができる。
図5Aは、本開示で提供する解決手段で使用できる、DMRSテーブルを示している。
図5Aに示すように、DMRSテーブルでは、DMRS指示は、2つの選択可能なレイヤセットマッピングを示すために用いることができる。DMRS指示値x1を例にとると、これは、第1レイヤセットマッピング((0,1;2,3)と第2レイヤセットマッピング(2,3;0,1)とを示すことができる。第1レイヤセットマッピング(0,1;2,3)では、データ部分1はレイヤセット(0,1)にマッピングされ、データ部分2はレイヤセット(2,3)にマッピングされる。第2レイヤセットマッピング(2,3;0,1)では、データ部分1はレイヤセット(2,3)にマッピングされ、データ部分2はレイヤセット(0,1)にマッピングされる。最初のダウンリンク再送であれば、端末機器は、第1レイヤセットマッピングが使用されていると判断し、2回目のダウンリンク再送であれば、端末機器は、第2レイヤセットマッピングが使用されていると判断することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、データブロックは、データストリームのセットに分割されてもよく、該データストリームのセットは、DMRSポートセットにマッピングされてもよい。該DMRSポートセットは、2つのグループに分割されてもよい(例えば、グループ1とグループ2であり、グループ1にはM個のポートがあり、グループ2にはN個のポートがあってもよく、MとNは正の整数であり、MはNと同じであっても異なっていてもよい)。該データストリームのセットは、2つのグループに分けてもよい。例えば、グループAとグループB、又はグループCとグループDであり、グループAはM個のデータストリームを有し、グループBはN個のデータストリームを有し、グループCはM個のデータストリームを有し、グループDはN個のデータストリームを有する。そして、グループAの少なくとも1つのデータストリームは、グループCのいずれのデータストリームとも異なり、グループBの少なくとも1つのデータストリームは、グループDのいずれのデータストリームとも異なる。
【0051】
いくつかの実施形態では、DMRSテーブルにおいて2つのDMRS指示(DMRS指示W及びDMRS指示V)が存在する可能性がある。この2つのDMRS指示は、FL DMRSシンボルの数、データがないDMRS CDMグループの数及びDMRSポートの数の同じ値、並びに/又はDMRSポートの同じインデックスを有する。また、DMRS指示WとDMRS指示Vのデータストリームマッピングは異なっていてもよい。例えば、DMRS指示Wは、グループAのM個のデータストリームがDMRSポートグループ1にマッピングされ、グループBのN個のデータストリームがDMRSポートグループ2にマッピングされていることを示すために使用されてもよい。また、DMRS指示Vは、グループCのM個のデータストリームがDMRSポートグループ1にマッピングされ、グループDのN個のデータストリームがDMRSポートグループ2にマッピングされていることを示すために使用されてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、DMRSテーブルにおいて、所与のDMRS指示について、データ送信機会が異なるデータストリームマッピングは、例えば、新規データの送信と、異なる冗長バージョンを有する同じデータの再送とで異なっている可能性がある。例えば、新規データ送信を伴う所定のDMRS指示では、グループAのM個のデータストリームがDMRSポートグループ1にマッピングされ、グループBのN個のデータストリームがDMRSポートグループ2にマッピングされる。また、異なる冗長バージョンを有する同じデータを再送する所与のDMRS指示では、グループCのM個のデータストリームがDMRSポートグループ1にマッピングされ、グループDのN個のデータストリームがDMRSポートグループ2にマッピングされる。
【0053】
いくつかの実施形態では、2つのTCI状態を有する1つのTCIコードポイントを設定してもよく(例えば、TCI-a及びTCI-b)、DMRSポートセットを設定してもよく、該DMRSポートセットを2つのグループに分割してもよい(例えば、グループ1及びグループ2であり、グループ1はM個のポートを有し、グループ2はN個のポートを有してもよく、M及びNは正の整数であり、MはNと同じでも異なっていてもよい)。ある1つの実施形態では、DMRSテーブルにおいて2つのDMRS指示(DMRS指示W及びDMRS指示V)が存在する可能性がある。この2つのDMRS指示は、FL DMRSシンボルの数、データがないDMRS CDMグループの数及びDMRSポートの数の同じ値、並びに/又はDMRSポートの同じインデックスを有する。DMRS指示WとDMRS指示VのTCI状態の関連付けは、異なっている可能性がある。例えば、DMRS指示Wは、DMRSポートグループ1に関連付けられたTCI-a、及びDMRSポートグループ2に関連付けられたTCI-bを示すために使用されてもよい。また、DMRS指示Vは、DMRSポートグループ1に関連付けられたTCI-b、及びDMRSポートグループ2に関連付けられたTCI-aを示すために使用されてもよい。別の実施形態では、DMRSテーブルにおいて、所与のDMRS指示について、データ送信機会が異なるTCI状態の関連付けは、例えば、新規データの送信と、異なる冗長バージョンでの同じデータの再送とで異なっていてもよい。例えば、新規データ送信を伴う所与のDMRS指示では、TCI-aはDMRSポートグループ1に関連付けられ、TCI-bはDMRSポートグループ2に関連付けられる。また、異なる冗長バージョンを有する同じデータの再送を伴う所定のDMRS指示では、TCI-bはDMRSポートグループ1に関連付けられ、TCI-aはDMRSポートグループ2に関連付けられる。
【0054】
本開示のいくつかの実施形態では、2つ以上のDMRS指示でDMRSテーブルを強化することができる。該2つ以上のDMRS指示は、FL DMRSシンボルの数、データのないCDMグループの数、及びDMRSポートの数のうちの少なくとも1つの同じ値、並びに/又はDMRSポートの同じインデックスを有する。例えば、1つのDMRS指示は、第1データ部分がレイヤセットAにマッピングされ、第2データ部分がレイヤセットBにマッピングされる第1レイヤセットマッピングを示すために使用されてもよく、他の指示は、第1データ部分がレイヤセットBにマッピングされ、第2データ部分がレイヤセットAにマッピングされる第2レイヤセットマッピングを示すために使用される。最大2つのフロントロード(front-load)DMRSシンボルと4つのレイヤの送信を有するDMRSタイプ1について、
図5B又は
図5Cを使用することができる。
【0055】
図5Bは、本開示で提供する解決手段で使用できる、別のDMRSテーブルを示す。
図5Aと同様のDMRS指示(x2及びx4)に加えて、
図5Bに示すように、例えばx1及びx3のDMRS指示値に対応するDMRS項目をDMRSテーブルに含めることも可能である。該項目は1つのレイヤセットマッピング(0,1;2,3)のみを示し、データ部分1がレイヤセット(0,1)にマッピングされ、データ部分2がレイヤセット(2,3)にマッピングされている。これらの指示x1及びx3は、レイヤセットマッピングの変更をサポートしていないUEに適用して下位互換性を提供することができる。
【0056】
図5Cは、本開示が提供する解決手段で使用することができる別のDMRSテーブルを示す。ここで、DMRS指示x1及びx3は、データ部分1がレイヤセット(0,1)にマッピングされデータ部分2がレイヤセット(2,3)にマッピングされる第1レイヤセットマッピング(0,1;2,3)を示すために用いられる。またDMRS指示x2及びx4は、データ部分1がレイヤセット(2,3)にマッピングされデータ部分2がレイヤセット(0,1)にマッピングされる第2レイヤセットマッピング(2,3;0,1)を示すために用いられる。このように、レイヤセットマッピングの変更をサポートしていないUEについて、最初のダウンリンク送信とダウンリンク再送についてのDMRS指示を同じにし、レイヤセットマッピングの変更をサポートしているUEついて、最初のダウンリンク送信とダウンリンク再送のDMRS指示を異なるようにすることができる。したがって、レイヤセットマッピングの変更をサポートしていないUEに対しても、下位互換性を提供することができる。
【0057】
本開示のいくつかの実施形態では、DMRSテーブルは、指示項目のコピーを一切含まない可能性があるが、gNB及びUEは、レイヤセットマッピングの所定の変更モードに従うことができ、追加の指示が必要ない。
図5Dは、本開示が提供する解決手段で使用することができる、別の例示的なDMRSテーブルを示す。
図5Dに示すように、同じ数のフロントロードシンボルに対して、1つのDMRSしか含まれておらず、DMRSは、データ部分1がレイヤセット(0,1)にマッピングされデータ部分2がレイヤセット(2,3)にマッピングされる1つのレイヤセットマッピングのみを定義している。したがって、初期ダウンリンク送信及びダウンリンク再送のDMRS指示は、常に同一であり、
図5Dに示すように、データ部分1がレイヤセット(2,3)にマッピングされデータ部2がレイヤセット(0,1)にマッピングされる所定のレイヤセットマッピング、例えば(2,3;0,1)を、ダウンリンク再送に用いることができる。所定のレイヤセットマッピングは、ネットワーク機器と端末機器の双方が知っている固定的なマッピングであってもよいし、又は、半動的であり上位レイヤのシグナリングを介して端末機器に通知するものであってもよい。
【0058】
上記のDMRSテーブルは、本開示の実施形態の説明を目的とするものにすぎず、本開示はこれに限定されないことに留意されたい。実際には、本開示の精神の範囲内で、DMRSテーブルに多くの変更を加えることが可能である。
【0059】
本開示のいくつかの実施形態では、UEは、異なるデータ部分の送信状態をネットワーク機器に通知することができる。UEは、異なるDMRSポートセットに基づいて品質を測定し、状態を明示的にフィードバックすることができる。例えば、2つのCWの場合と同様に、UEは2ビットを使用して、2つのDMRSポートセットについてのACKとNACKを明示的にネットワーク機器にフィードバックすることができる。
【0060】
本開示のいくつかの実施形態では、UEは、第1データ部分及び第2データ部分の送信状態をネットワーク機器に暗黙的に通知することができる。データ部分の異なる送信状態は、フィードバック送信のための異なるPUCCHリソースを用いて暗示的に示してもよい。
図6は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、2つのTRPによる送信についての例示的な送信状態指示テーブルを概略的に示す。
図6に示すように、PUCCHリソースは、例えばPUCCHリソース1、PUCCHリソース2等の2つの異なるリソースを使用することができる。NACKがPUCCHリソース1で送信される場合、TRP1がTRP2より劣ることを表す。NACKがPUCCHリソース1で送信される場合、TRP2がTRP1より劣ることを表す。本明細書で使用されるPUCCHリソースは、時間/周波数リソース、PUCCH送信のシーケンス、スクランブリングコード、フィードバックの巡回シフト等のうち1つ又は複数であり得る。
【0061】
明示的又は暗示的な指示によって、ネットワーク機器は、対応するデータ部分の送信状態を理解することができ、したがって、フィードバックによって示されるか、又はフィードバックのためのPUCCHリソースによって示される失敗状態のデータ部分に関してのみ、ダウンリンク再送を実行することができる。
【0062】
本開示の別の態様では、端末機器におけるダウンリンク再送の方法がさらに提供される。以下、
図7を参照して本開示の実施形態を説明する。
【0063】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による無線送信方法のフローチャートをさらに示す。方法700は、端末機器、例えばUE又は他の類似デバイスの移動端末で実行することができる。
【0064】
図7に示されるように、まずブロック710において、端末機器は、ダウンリンク送信についてのフィードバックを、ネットワーク機器に送信することができる。ダウンリンク送信において、データブロックは少なくとも第1データ部分と第2データ部分とに分割され、第1データ部分は第1レイヤセットにマッピングされ、第2データ部分は第2レイヤセットにマッピングされ、第1データ部分と第2データ部分は異なるTCIの状態で送信される。
【0065】
ブロック720において、フィードバックが送信失敗を示すことに応じて、端末機器はさらに、第1データ部分及び第2データ部分のうち少なくとも1つのデータ部分のダウンリンク再送を受信することができる。ここで、第1データ部分及び第2データ部分のうち少なくとも1つデータ部分は、ダウンリンク送信で使用されるレイヤセットと異なるレイヤセットにマッピングされる。
【0066】
次にステップ730において、端末機器は、ダウンリンク再送に少なくとも部分的に基づいて、データブロックを復号する。
【0067】
本開示のいくつかの実施形態において、ダウンリンク再送を受信することは、第1データ部分と第2データ部分の両方の再送を受信することを備えてもよい。ここで、第1データ部分は、第1レイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされ、第2データ部分は、第2レイヤセットとは異なる別のレイヤセットにマッピングされる。
【0068】
本開示のいくつかの実施形態において、ダウンリンク再送を受信することは、第1データ部分と第2データ部分の両方の再送を受信することを備えてもよい。ここで、第1データ部分は第2レイヤセットにマッピングされ、第2データ部分は第1レイヤセットにマッピングされる。
【0069】
本開示のいくつかの実施形態において、方法700は、第1データ部分及び第2データ部分のうち少なくとも1つのデータ部分が、ダウンリンク送信で使用されるレイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされていることを示すレイヤセットマッピング情報を、ネットワーク機器から受信することをさらに備えてもよい。
【0070】
本開示のいくつかの実施形態では、レイヤセットマッピング情報は、ダウンリンク再送についての復調用参照信号(DMRS)指示によって運ばれてもよい。
【0071】
本開示のいくつかの実施形態では、ダウンリンク再送についてのDMRS指示は、ダウンリンク送信についてのDMRS指示とは異なる値を有してもよい。
【0072】
本開示のいくつかの実施形態では、ダウンリンク再送についてのDRMS指示は、ダウンリンク送信及びダウンリンク再送についての少なくとも2つのレイヤセットマッピングをそれぞれ示してもよく、ダウンリンク再送についてのDMRS指示は、ダウンリンク送信についてのDMRS指示と同じ値を有してもよい。
【0073】
本開示のいくつかの実施形態では、フィードバックは、第1データ部分及び第2データ部分の送信状態にそれぞれ関する少なくとも2つのフィードバック値を備えてもよい。
【0074】
本開示のいくつかの実施形態において、フィードバックは、第1データ部分及び第2データ部分についての単一のフィードバックであってもよく、フィードバックは、物理アップリンク制御チャネルで送信され、PUCCHのリソースは、第1データ部分及び第2データ部分の送信状態を示すために使用されてもよい。
【0075】
本開示のいくつかの実施形態では、第1データ部分及び第2データ部分のうち少なくとも1つのデータ部分は、フィードバック又はPUCCHのリソースによって示される失敗状態のデータ部分であってもよい。
【0076】
以上、端末機器で実施される方法700について、
図7を参照して簡単に説明した。方法700の動作の詳細については、
図2から
図6を参照して方法の各ステップに関して行った説明を参照することができる点に留意されたい。
【0077】
別の態様において、方法300又は700を実行するための装置は、方法300又は700のそれぞれのステップを実行するための装置を備えてもよい。該装置は、任意の適切な形態で実現されてもよい。例えば、該装置は回路又はソフトウェアモジュールで実現されてもよい。
【0078】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、方法300を実行するための装置は、ダウンリンク送信において、データブロックが少なくとも第1データ部分と第2データ部分とに分割され、第1データ部分が第1レイヤセットにマッピングされ、第2データ部分が第2レイヤセットにマッピングされ、異なる送信構成指示(TCI)の状態で第1データ部分と第2データ部分とが送信されるダウンリンク送信についてのフィードバックを、端末機器から受信するための装置と、ダウンリンク送信で使用されるレイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされた、第1データ部分及び第2データ部分のうち少なくとも1つのデータ部分のダウンリンク再送を、フィードバックが送信失敗を示すことに応じて実行するための装置と、を備える。
【0079】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、ダウンリンク再送を実行するための装置はさらに、第1レイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされた第1データ部分と、第2レイヤセットとは異なる別のレイヤセットにマッピングされた第2データ部分の両方を、再送するように設定されてもよい。
【0080】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、ダウンリンク再送を実行するための装置はさらに、第1データ部分が第2レイヤセットにマッピングされ、第2データ部分が第1レイヤセットにマッピングされた状態で、第1データ部分と第2データ部分の両方を再送するように設定されていてもよい。
【0081】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、該装置は、第1データ部分及び第2データ部分のうち少なくとも1つのデータ部分が、ダウンリンク送信で使用されるレイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされていることを示すために、レイヤセットマッピング情報を端末機器に送信するための装置をさらに備えてもよい。
【0082】
本開示のいくつかの実施形態では、レイヤセットマッピング情報は、ダウンリンク再送についての復調用参照信号(DMRS)指示によって運ばれてもよい。
【0083】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、ダウンリンク再送についてのDMRS指示は、ダウンリンク送信についてのDMRS指示とは異なる値を有してもよい。
【0084】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、ダウンリンク再送についてのDRMS指示は、ダウンリンク送信及びダウンリンク再送についての少なくとも2つのレイヤセットマッピングをそれぞれ示してもよく、ダウンリンク再送についてのDMRS指示は、ダウンリンク送信についてのDMRS指示と同じ値を有してもよい。
【0085】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、フィードバックは、第1データ部分及び第2データ部分の送信状態にそれぞれ関する少なくとも2つのフィードバック値を含む。
【0086】
本開示のいくつかの例示的な実施形態において、フィードバックは、第1データ部分と第2データ部分の両方についての単一のフィードバックであってもよく、フィードバックが、物理アップリンク制御チャネルで送信され、PUCCHのリソースが、第1データ部分と第2データ部分の送信状態を示すために使用されてもよい。
【0087】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、第1データ部分及び第2データ部分のうち少なくとも1つのデータ部分は、フィードバック又はPUCCHのリソースによって示される失敗状態にあるデータ部分のみを含んでもよい。
【0088】
本開示の別の態様では、方法700を実行するための装置は、データブロックが少なくとも第1データ部分と第2データ部分とに分割され、第1データ部分が第1レイヤセットにマッピングされ、第2データ部分が第2レイヤセットにマッピングされ、異なるTCIの状態で第1データ部分と第2データ部分とが送信されるダウンリンク送信についてのフィードバックを、ネットワーク機器に送信するための装置と、ダウンリンク送信で使用されるレイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされた第1データ部分及び第2データ部分のうち少なくとも1つのデータ部分のダウンリンク再送を、フィードバックが送信失敗を示すことに応じて受信するための装置と、ダウンリンク再送に少なくとも部分的に基づいて、データブロックを復号する装置とを備える。
【0089】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、ダウンリンク再送を受信するための装置はさらに、第1レイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされた第1データ部分と、第2レイヤセットとは異なる別のレイヤセットにマッピングされた第2データ部分の両方を、受信するように設定されてもよい。
【0090】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、ダウンリンク再送を受信するための装置はさらに、第2レイヤセットにマッピングされた第1データ部分と、第1レイヤセットにマッピングされた第2データ部分の両方の再送を受信するように設定されていてもよい。
【0091】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、該装置は、第1データ部分及び第2データ部分のうち少なくとも1つのデータ部分が、ダウンリンク送信で使用されるレイヤセットとは異なるレイヤセットにマッピングされていることを示すために、レイヤセットマッピング情報をネットワーク機器から受信するための装置をさらに備えてもよい。
【0092】
本開示のいくつかの実施形態では、レイヤセットマッピング情報は、ダウンリンク再送についての復調用参照信号(DMRS)指示によって運ばれてもよい。
【0093】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、ダウンリンク再送についてのDMRS指示は、ダウンリンク送信についてのDMRS指示とは異なる値であってもよい。
【0094】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、ダウンリンク再送についてのDRMS指示は、ダウンリンク送信及びダウンリンク再送についての少なくとも2つのレイヤセットマッピングをそれぞれ示す。また、ダウンリンク再送についてのDMRS指示は、ダウンリンク送信についてのDMRS指示と同じ値を有してもよい。
【0095】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、フィードバックは、第1データ部分及び第2データ部分の送信状態にそれぞれ関する少なくとも2つのフィードバック値を含む。
【0096】
本開示のいくつかの例示的な実施形態において、フィードバックは、第1データ部分及び第2データ部分についての単一のフィードバックであり、フィードバックは、物理アップリンク制御チャネルで送信され、PUCCHのリソースが、第1データ部分及び第2データ部分の送信状態を示すために使用される。
【0097】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、第1データ部分及び第2データ部分のうち少なくとも1つのデータ部分は、フィードバック又はPUCCHのリソースによって示される失敗状態にあるデータ部分のみを含んでもよい。
【0098】
図8は、装置810及び装置820の簡略化ブロック図を概略的に示す。本明細書に記載されているように、装置810は、UEのような端末機器として実現されてもよいし、端末機器に含まれていてもよい。また、装置820は、gNBのようなネットワーク機器として実現されてもよいし、ネットワーク機器に含まれていてもよい。
【0099】
装置810は、少なくとも1つのプロセッサ811(例えばデータプロセッサ(DP))と、プロセッサ811に結合される少なくとも1つのメモリ(MEM)812とを備える。装置810はさらに、プロセッサ811に結合される送信機TX及び受信機RX 813を含むことができ、プロセッサ811は、操作可能に装置820に通信接続することができる。MEM 812はプログラム(PROG)814を記憶する。PROG 814は、関連するプロセッサ811上で実行されると、装置810に本開示の実施形態(例えば、方法700)に基づき操作を行わせることが可能な命令を含むことができる。少なくとも1つのプロセッサ811及び少なくとも1つのメモリ812の組合せは、本開示の各実施形態の実現に適合する処理装置815を構成することができる。
【0100】
装置820は、少なくとも1つのプロセッサ811(例えばDP)と、プロセッサ821に結合される少なくとも1つのMEM 822とを備える。装置820はさらに、プロセッサ821に結合される適切なTX/RX 823を含むことができ、プロセッサ821は、装置810と無線通信を行うために用いることができる。MEM 822はPROG 824を記憶する。PROG 824は、命令を含むことができる。該命令は、関連するプロセッサ821上で実行された場合、装置820に本開示の実施形態に基づき操作を行わせることができ、例えば方法300を実行させることができる。少なくとも1つのプロセッサ821及び少なくとも1つのMEM 822の組合せは、本開示の各実施形態の実現に適合する処理装置825を形成することができる。
【0101】
本開示の各実施形態は、プロセッサ811、821のうち1つ若しくは複数、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア又はそれらの組合せにより実行可能なコンピュータプログラムによって実現することができる。
【0102】
例として、メモリ812及び822は、ローカルの技術環境に適した任意のタイプであってよく、任意の適切なデータ記憶技術により実現することができ、例えば、半導体による記憶装置、磁気記憶装置及びシステム、光学記憶装置及びシステム、固定メモリ及び移動可能メモリ等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0103】
例として、プロセッサ811及び821は、ローカルの技術環境に適した任意のタイプであってよく、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号処理器DSP、及びマルチコアプロセッサ構成に基づくプロセッサのうち、一つ又は複数を含むことができるが、これらに限定されない。
【0104】
本開示の文脈において、コンピュータプログラムコード又は関連データは、デバイス、装置又はプロセッサが上述した各種プロセス及び操作を実行できるようにするために、任意の適切なキャリアに搭載してもよい。キャリアの例には、信号、コンピュータ可読媒体が含まれる。
【0105】
コンピュータ可読媒体は、コンピュータが読み取り可能な信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であり得る。コンピュータ可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線若しくは半導体のシステム、装置若しくはデバイス、又は前述の任意の適切な組合せを含むことができるが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のさらに具体的な例には、一つ若しくは複数のケーブルの電気的接続、携帯用コンピュータ磁気ディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去・書き込み可能なリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯型コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、光学的記憶装置、磁気記憶装置、又は上述の任意の適切な組合せが含まれる。
【0106】
本明細書で説明した技術は、さまざまな手段で実現することで、実施形態で説明した対応する装置の1つ又は複数の機能を実現する装置が、従来技術の手段のみならず、実施形態で説明した対応する装置の1つ又は複数の機能を実現するための手段を備えるようにすることができる。また、該装置は、単独の各機能のための単独手段を備えることができ、又は2つ若しくは複数の機能を実行する手段として設定することができる。例えば、これらの技術は、ハードウェア(1つ若しくは複数の装置)、ファームウェア(1つ若しくは複数の装置)、ソフトウェア(1つ若しくは複数のモジュール)、又はそれらの組合せにおいて実現可能である。ファームウェア又はソフトウェアについては、本明細書で説明した機能を実行するモジュール(例えば、プロセス、機能等)によって実現可能である。
【0107】
以上、方法及び装置のブロック図及びフローチャートを参照して、本明細書の例示的実施形態を説明した。理解すべき点として、ブロック図及びフローチャートの各ブロック並びにブロック図及びフローチャートのブロックの組合せは、それぞれ、コンピュータプログラムの命令を含む各手段によって実現可能である。これらのコンピュータプログラムの命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は他のプログラミング可能なデータ処理装置上にロードされて、機器を生成することができ、コンピュータ又は他のプログラミング可能なデータ処理装置上で実行される命令が、(複数の)フローチャートのブロックで指定された機能を実現するための装置を作成する。
【0108】
本明細書には複数の具体的な実現の詳細が含まれるが、これら詳細は、実施形態の範囲又は保護を請求する可能性がある内容に対する何らかの限定であると解釈されるべきではなく、特定の実施形態において特定される可能性がある特徴に対する説明である。本明細書において、個々の実施形態の文脈において説明したいくつかの特徴は、ある一つの実現形態において組み合わせて実現されてもよい。逆に、一つの実施形態の文脈において説明された各種特徴は、複数の実施形態において単独で実現されてもよく、又は任意の適切なサブ的な組合せにより実現されてもよい。また、以上の説明では、特徴について、いくつかの組合せにおいて作用するものとして説明しており、まず、そういうものとして保護を請求することができる。しかし、いくつかの状況においては、保護を請求する組合せのうち1つ又は複数の特徴を当該組合せから削除することができ、保護を請求する組合せが、サブ的な組合せ又はサブ的な組合せの変形を指してもよい。
【0109】
当業者にとって明らかであるように、技術の進歩に伴い、本発明の概念は、さまざまな方法により実現可能である。上述の実施形態は説明するためのものであり、本開示を限定するものではない。また、理解すべき点として、当業者が理解しやすいものであれば、本開示の精神及び範囲を逸脱しない状況において、修正及び変更を行うことができる。このような修正及び変更は、本開示及び添付の請求項の範囲に含まれるとみなされる。本開示の保護範囲は、添付の請求項により限定される。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末機器が、
第1のTRPに関連付けられた第1の物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)に関する第1の構成情報と、第2のTRPに関連付けられた第2のPUCCHに関する第2の構成情報とをネットワーク機器から受信し、
前記第1のTRPの無線リンクの品質が第1の値よりも劣る場合に、前記第1のPUCCHを前記ネットワーク機器に送信する、
方法。
【請求項2】
前記端末機器が、
前記第2のTRPの無線リンクの品質が第2の値よりも劣る場合に、前記第2のPUCCHを前記ネットワーク機器に送信する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のPUCCHは、前記第1のTRPの状態を示し、前記第2のPUCCHは、前記第2のTRPの状態を示す、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ネットワーク機器が、
第1のTRPに関連付けられた第1の物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)に関する第1の構成情報と、第2のTRPに関連付けられた第2のPUCCHに関する第2の構成情報とを端末機器へ送信し、
前記第1のTRPの無線リンクの品質が第1の値よりも劣る場合に、前記第1のPUCCHを前記端末機器から受信する、
方法。
【請求項5】
前記ネットワーク機器が、
前記第2のTRPの無線リンクの品質が第2の値よりも劣る場合に、前記第2のPUCCHを前記端末機器から受信する、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のPUCCHは、前記第1のTRPの状態を示し、前記第2のPUCCHは、前記第2のTRPの状態を示す、
請求項4に記載の方法。
【請求項7】
第1のTRPに関連付けられた第1の物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)に関する第1の構成情報と、第2のTRPに関連付けられた第2のPUCCHに関する第2の構成情報とをネットワーク機器から受信する手段と、
前記第1のTRPの無線リンクの品質が第1の値よりも劣る場合に、前記第1のPUCCHを前記ネットワーク機器に送信する手段と、
を有する端末機器。
【請求項8】
前記第2のTRPの無線リンクの品質が第2の値よりも劣る場合に、前記第2のPUCCHを前記ネットワーク機器に送信する手段を有する、
請求項7に記載の端末機器。
【請求項9】
前記第1のPUCCHは、前記第1のTRPの状態を示し、前記第2のPUCCHは、前記第2のTRPの状態を示す、
請求項7に記載の端末機器。
【請求項10】
第1のTRPに関連付けられた第1の物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)に関する第1の構成情報と、第2のTRPに関連付けられた第2のPUCCHに関する第2の構成情報とを端末機器へ送信する手段と、
前記第1のTRPの無線リンクの品質が第1の値よりも劣る場合に、前記第1のPUCCHを前記端末機器から受信する手段と、
を有するネットワーク機器。
【請求項11】
前記第2のTRPの無線リンクの品質が第2の値よりも劣る場合に、前記第2のPUCCHを前記端末機器から受信する手段を有する、
請求項10に記載のネットワーク機器。
【請求項12】
前記第1のPUCCHは、前記第1のTRPの状態を示し、前記第2のPUCCHは、前記第2のTRPの状態を示す、
請求項10に記載のネットワーク機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
本開示のいくつかの実施形態では、UEは、第1データ部分及び第2データ部分の送信状態をネットワーク機器に暗黙的に通知することができる。データ部分の異なる送信状態は、フィードバック送信のための異なるPUCCHリソースを用いて暗示的に示してもよい。
図6は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、2つのTRPによる送信についての例示的な送信状態指示テーブルを概略的に示す。
図6に示すように、PUCCHリソースは、例えばPUCCHリソース1、PUCCHリソース2等の2つの異なるリソースを使用することができる。NACKがPUCCHリソース
2で送信される場合、TRP1がTRP2より劣ることを表す。NACKがPUCCHリソース1で送信される場合、TRP2がTRP1より劣ることを表す。本明細書で使用されるPUCCHリソースは、時間/周波数リソース、PUCCH送信のシーケンス、スクランブリングコード、フィードバックの巡回シフト等のうち1つ又は複数であり得る。