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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056897
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】電力管理システム及び電力管理方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240416BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20240416BHJP
   H02J 3/00 20060101ALI20240416BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20240416BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20240416BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20240416BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J7/35 K
H02J3/00 180
H02J3/38 130
H02J3/38 170
H02J3/38 110
H02J3/32
G06Q50/06
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024021127
(22)【出願日】2024-02-15
(62)【分割の表示】P 2021567730の分割
【原出願日】2020-12-25
(31)【優先権主張番号】P 2019238536
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 一生
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 俊明
(57)【要約】      (修正有)
【課題】移動体に設けられる蓄電装置の充電が行われた場合に、前記蓄電装置の充電によって生じる環境価値の帰属主体を特定する電力管理システムを提供する。
【解決手段】ホーム施設と、訪問施設と、管理装置と、移動体(電動車両)とが、ネットワークを介して接続される電力管理システムにおいて、発電装置である太陽電池装置を有する所定施設(ホーム施設、訪問施設)を管理する電力管理装置30は、発電装置から出力される出力電力によって、移動体に設けられる蓄電装置の充電が行われた場合に、移動体に関する権利者を特定する第1情報要素及び発電装置に関する権利者を特定する第2情報要素を含むメッセージを受信する通信部31と、第1情報要素及び第2情報要素に基づいて、蓄電装置の充電によって生じる環境価値の帰属主体を特定する制御部33と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電装置を有する所定施設を管理する電力管理システムであって、
前記発電装置から出力される出力電力によって、移動体に設けられる蓄電装置の充電が行われた場合に、前記蓄電装置の充電によって生じる環境価値を付与するか否かを判断する制御部を備え、
前記制御部は、
前記移動体に関する権利者及び前記発電装置に関する権利者が帰属主体と対応付けられていないときに、前記環境価値を付与せずに、
前記移動体に関する権利者及び前記発電装置に関する権利者が帰属主体と対応付けられているときに、当該帰属主体に前記環境価値を付与する、電力管理システム。
【請求項2】
前記環境価値は、前記施設の自家消費電力に含まれる電力であって、前記蓄電装置の充電によって生じる価値である、請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項3】
発電装置を有する所定施設を管理する電力管理方法であって、
前記発電装置から出力される出力電力によって、移動体に設けられる蓄電装置の充電が行われた場合に、前記蓄電装置の充電によって生じる環境価値を付与するか否かを判断するステップAを備え、
前記ステップAは、前記移動体に関する権利者及び前記発電装置に関する権利者が帰属主体と対応付けられていないときに、前記環境価値を付与せずに、前記移動体に関する権利者及び前記発電装置に関する権利者が帰属主体と対応付けられているときに、当該帰属主体に前記環境価値を付与するステップを含む、電力管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力管理システム及び電力管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光、風力、水力、地熱などの自然エネルギーを利用する発電装置が注目を集めている。さらに、所定施設に設けられる発電装置から出力された電力を所定施設に設けられる負荷機器で消費する仕組み(いわゆる自家消費)が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
ところで、上述した自家消費によって環境価値を付与する仕組みも提案されている。さらに、上述した負荷機器の一つとしては、電動車両等の移動体に設けられる蓄電装置が考えられる。
【0004】
しかしながら、所定施設以外の訪問施設に設けられる発電装置から出力される電力によって、所定施設に帰属する移動体に設けられる蓄電装置の充電が行われるケース、所定施設に設けられる発電装置から出力される電力によって、所定施設に帰属する移動体以外の移動体に設けられる蓄電装置の充電が行われるケースなどが考えられる。
【0005】
これらのケースにおいては、移動体に設けられる蓄電装置の充電に伴う自家消費によって生じる環境価値の帰属が不明確である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-191523号公報
【発明の概要】
【0007】
本開示に係る電力管理システムは、発電装置を有する所定施設を管理するシステムであり、前記発電装置から出力される出力電力によって、移動体に設けられる蓄電装置の充電が行われた場合に、前記移動体に関する権利者を特定する第1情報要素及び前記発電装置に関する権利者を特定する第2情報要素を含むメッセージを受信する受信部と、前記第1情報要素及び前記第2情報要素に基づいて、前記蓄電装置の充電によって生じる環境価値の帰属主体を特定する制御部と、を備える。
【0008】
本開示に係る電力管理方法は、発電装置を有する所定施設を管理する方法であり、前記発電装置から出力される出力電力によって、移動体に設けられる蓄電装置の充電が行われた場合に、前記移動体に関する権利者を特定する第1情報要素及び前記発電装置に関する権利者を特定する第2情報要素を含むメッセージを受信するステップと、前記第1情報要素及び前記第2情報要素に基づいて、前記蓄電装置の充電によって生じる環境価値の帰属主体を特定するステップと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る電力管理システム100を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るホーム施設10を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る訪問施設20Aを示す図である。
図4図4は、実施形態に係る管理装置30を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るメッセージを示す図である。
図6図6は、実施形態に係る格納部32に格納される対応関係の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る格納部32に格納される対応関係の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る自家消費電力を説明するための図である。
図9図9は、実施形態に係る自家消費電力を説明するための図である。
図10図10は、実施形態に係る電力管理方法を示す図である。
図11図11は、実施形態2に係る電力管理方法を示す図である。
図12図12は、実施形態3に係る電力管理方法を示す図である。
図13図13は、実施形態4に係るホーム施設10を示す図である。
図14図14は、実施形態6に係る訪問施設20Aを示す図である。
図15図15は、実施形態6に係る検知部27Aを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下において、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものである。
【0011】
[実施形態]
(電力管理システム)
以下において、実施形態に係る電力管理システム100について説明する。図1に示すように、電力管理システム100は、ホーム施設10と、訪問施設20と、管理装置30と、電動車両(以下、EV)50と、を有する。ホーム施設10及び管理装置30は、ネットワーク120を介して接続される。訪問施設20及び管理装置30は、ネットワーク120を介して接続されてもよい。ネットワーク120は、インターネット網を含んでもよく、移動体通信網を含んでもよい。ネットワーク120は、VPN(Virtual Private Network)を含んでもよい。
【0012】
ホーム施設10は、発電装置(後述する太陽電池装置11)を有する所定施設の一例である。ホーム施設10は、EV50に関する権利者に帰属する施設である。言い換えると、ホーム施設10に関する権利者は、EV50に関する権利者と同じであり、EV50は、ホーム施設10に帰属する。ホーム施設10に関する権利者は、ホーム施設10が購入物件であるケースにおけるホーム施設10の所有者であってもよく、ホーム施設10が賃貸物件であるケースにおけるホーム施設10の借主、貸主又は管理者であってもよい。EV50に関する権利者は、EV50が購入物件であるケースにおけるEV50の所有者であってもよく、EV50が賃貸物件であるケースにおけるEV50の借主、貸主又は管理者であってもよい。EV50が賃貸物件であるケースは、EV50が2以上のユーザによって共有で利用されるケース(カーシェアリング)を含んでもよい。EV50は、ホーム施設10から移動する可能性がある移動体の一例である。
【0013】
ここで、ホーム施設10は、EV50に設けられる蓄電装置を充電する充電設備15を有する。以下においては、EV50に設けられる蓄電装置について単にEV50と称する。ホーム施設10の詳細については後述する(図2を参照)。
【0014】
訪問施設20は、発電装置(例えば、後述する太陽電池装置21A)を有する所定施設の一例である。訪問施設20は、EV50に関する権利者に帰属しない施設である。言い換えると、訪問施設20に関する権利者は、EV50に関する権利者と異なり、EV50は、訪問施設20にとって訪問施設20に帰属しない第三者移動体の一例である。訪問施設20に関する権利者は、訪問施設20が購入物件であるケースにおける訪問施設20の所有者であってもよく、訪問施設20が賃貸物件であるケースにおける訪問施設20の借主、貸主又は管理者であってもよい。
【0015】
図1では、訪問施設20として、訪問施設20A、訪問施設20B及び訪問施設20Cが例示されている。訪問施設20Aは、EV50を充電する充電ステーションを含んでもよい。訪問施設20Bは、ショッピングセンターなどの商用施設を含んでもよい。訪問施設20Cは、EV50に関する権利者の友人の住居を含んでもよい。訪問施設20Cは、EV50に関する権利者が勤務するオフィス施設を含んでもよい。
【0016】
例えば、訪問施設20は、EV50を充電する充電設備25Aを有する訪問施設20Aを含んでもよい。訪問施設20は、EV50を充電する充電設備(充電設備15A又は充電設備25A、以下同様)を有していない訪問施設20B及び訪問施設20Cを含んでもよい。但し、訪問施設20B及び訪問施設20Cは、EV50を充電する充電設備を有していてもよい。訪問施設20の一例である訪問施設20Aの詳細については後述する(図3を参照)。
【0017】
管理装置30は、EV50の充電によって生じる環境価値の帰属主体を特定する装置である。管理装置30は、ホーム施設10及び訪問施設20を含む2以上の施設を管理する管理エンティティに属する装置である。管理装置30は、発電事業者、送配電事業者或いは小売事業者、リソースアグリゲータなどの事業者によって管理される装置であってもよい。リソースアグリゲータは、VPP(Virtual Power Plant)において、発電事業者、送配電事業者及び小売事業者などに逆潮流電力を提供する電力事業者である。リソースアグリゲータは、リソースアグリゲータによって管理される施設の潮流電力(消費電力)の削減電力を生み出す電力事業者であってもよい。管理装置30を管理する事業者は、逆潮流電力の買取エンティティであってもよい。
【0018】
管理装置30は、施設に設けられる分散電源(例えば、太陽電池装置、蓄電装置又は燃料電池装置)に対する制御を指示する制御メッセージを施設に対して送信してもよい。例えば、管理装置30は、潮流電力の制御を要求する潮流制御メッセージ(例えば、DR;Demand Response)を送信してもよく、逆潮流電力の制御を要求する逆潮流制御メッセージを送信してもよい。さらに、管理装置30は、分散電源の動作状態を制御する電源制御メッセージを送信してもよい。潮流電力又は逆潮流電力の制御度合いは、絶対値(例えば、○○kW)で表されてもよく、相対値(例えば、○○%)で表されてもよい。或いは、潮流電力又は逆潮流電力の制御度合いは、2以上のレベルで表されてもよい。潮流電力又は逆潮流電力の制御度合いは、現在の電力需給バランスによって定められる電力料金(RTP;Real Time Pricing)によって表されてもよく、過去の電力需給バランスによって定められる電力料金(TOU;Time Of Use)によって表されてもよい。管理装置30の詳細については後述する(図4を参照)。
【0019】
(ホーム施設)
以下において、実施形態に係るホーム施設10について説明する。図2に示すように、ホーム施設10は、太陽電池装置11と、蓄電装置12と、燃料電池装置13と、負荷機器14と、充電設備15と、ローカル制御装置16と、を備える。さらに、ホーム施設10は、電力計180と、電力計181と、電力計182と、を備える。
【0020】
太陽電池装置11は、太陽光などの光に応じて発電を行う分散電源である。太陽電池装置11は、固定買取価格(FIT(Feed-in Tariff))が適用される分散電源の一例であってもよい。例えば、太陽電池装置11は、PCS(Power Conditioning System)及び太陽光パネルによって構成される。太陽電池装置11は、管理エンティティ(管理装置30)によって制御可能な制御対象設備の一例であってもよい。
【0021】
ここで、太陽電池装置11から出力される電力は、太陽光などの光の受光量によって変動し得る。従って、太陽電池装置11の発電効率を考慮した場合には、太陽電池装置11から出力される電力は、太陽光パネルの受光量によって変動し得る可変電力である。
【0022】
蓄電装置12は、電力の充電及び電力の放電を行う分散電源である。蓄電装置12は、固定買取価格が適用されない分散電源の一例であってもよい。例えば、蓄電装置12は、PCS及び蓄電セルによって構成される。蓄電装置12は、管理エンティティ(管理装置30)によって制御可能な制御対象設備の一例であってもよい。
【0023】
燃料電池装置13は、燃料を用いて発電を行う分散電源である。燃料電池装置13は、固定買取価格が適用されない分散電源の一例であってもよい。例えば、燃料電池装置13は、PCS及び燃料電池セルによって構成される。燃料電池装置13は、管理エンティティ(管理装置30)によって制御可能な制御対象設備の一例であってもよい。
【0024】
例えば、燃料電池装置13は、固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)であってもよく、固体高分子型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)であってもよく、リン酸型燃料電池(PAFC:Phosphoric Acid Fuel Cell)であってもよく、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC:Molten Carbonate Fuel Cell)であってもよい。
【0025】
負荷機器14は、電力を消費する機器である。例えば、負荷機器14は、空調機器、照明機器、AV(Audio Visual)機器などである。負荷機器14は、電力管理エンティティ(管理装置30)によって制御されない非制御対象設備の一例であってもよい。
【0026】
充電設備15は、EV50を充電する設備である。充電設備15は、家庭用コンセントに取付可能に構成されたアダプタを含んでもよい。充電設備15は、EV50の充電電力及びEV50の放電電力の少なくともいずれか1つを計測する電力計を有してもよい。充電設備15は、EV50の充電電力及びEV50の放電電力の少なくともいずれか1つを示す電力情報をローカル制御装置16に送信してもよい。
【0027】
ローカル制御装置16は、ホーム施設10の電力を管理する装置(EMS;Energy Management System)である。ローカル制御装置16は、太陽電池装置11の動作状態を制御してもよく、ホーム施設10に設けられる蓄電装置12の動作状態を制御してもよく、ホーム施設10に設けられる燃料電池装置13の動作状態を制御してもよい。
【0028】
電力計180は、電力系統110からホーム施設10への潮流電力及びホーム施設10から電力系統110への逆潮流電力を測定する基幹電力計の一例である。例えば、電力計180は、電力会社に帰属するスマートメータである。
【0029】
電力計181は、太陽電池装置11の出力電力を測定する電力計である。電力計181は、太陽電池装置11に設けられてもよい。
【0030】
電力計182は、ホーム施設10において太陽電池装置11よりも下流に設けられた装置の電力を計測する電力計である。ここで、下流とは、電力系統110から離れる位置を示す用語である。蓄電装置12及び燃料電池装置13の出力電力の逆潮流が認められない場合に、電力計182は、逆潮流を防止するための電力計として用いられてもよい。このようなケースにおいて、電力計182は、太陽電池装置11よりも下流に設けられた装置の集合として測定される消費電力を計測する。蓄電装置12が放電動作を行っている場合において、電力計182によって測定される消費電力は、負荷機器14の消費電力及びEV50の充電電力の合計から蓄電装置12の放電電力及び燃料電池装置13の出力電力の合計を引いた値である。蓄電装置12が充電動作を行っている場合において、電力計182によって測定される消費電力は、蓄電装置12の充電電力、負荷機器14の消費電力及びEV50の充電電力の合計から燃料電池装置13の出力電力の合計を引いた値である。
【0031】
図2に示す例において、電力計180は、電力会社に帰属する基幹電力計であり、電力計181及び電力計182よりも高い信頼性を有する電力計であってもよい。電力計182は、第三者機関によって認証された電力計であり、電力計181よりも高い信頼性を有する電力計であってもよい。信頼性とは、電力の対価及び環境価値を決定するときの信頼性であり、測定精度の信頼性でなくてもよい。
【0032】
このような前提下において、太陽電池装置11は、太陽電池装置11の出力電力がホーム施設10で消費されるケース(いわゆる自家消費)によって環境価値を生じる発電装置の一例である。例えば、二酸化炭素の排出量の削減が環境価値を生じるケースにおいて、二酸化炭素を排出する発電所などの発電電力ではなく、二酸化炭素を排出しない太陽電池装置11などの発電電力をホーム施設10で消費する行為(自家消費)は、二酸化炭素の排出量の削減に貢献したという意味で環境価値を生じる。環境価値は、第三者機関によって証明される価値であってもよい。環境価値は、グリーン電力証書、J-クレジット等の環境価値によって証明されてもよい。実施形態では、自家消費に含まれるEV50の充電によって生じる環境価値の帰属について着目する。
【0033】
上述したローカル制御装置16は、電力計180から受信する電力情報に基づいて、電力系統110からホーム施設10への潮流電力及びホーム施設10から電力系統110への逆潮流電力を特定することができてもよい。ローカル制御装置16は、電力計181から受信する電力情報に基づいて、太陽電池装置11の出力電力を特定してもよい。ローカル制御装置16は、電力計182から受信する電力情報に基づいて、ホーム施設10において太陽電池装置11よりも下流に設けられた装置の集合として測定される消費電力を特定してもよい。
【0034】
なお、ローカル制御装置16は、太陽電池装置11から受信する電力情報に基づいて、太陽電池装置11の出力電力を特定することができてもよい。ローカル制御装置16は、蓄電装置12から受信する電力情報に基づいて、蓄電装置12の充電電力又は放電電力を特定することができてもよい。ローカル制御装置16は、燃料電池装置13から受信する電力情報に基づいて、燃料電池装置13の出力電力を特定することができてもよい。ローカル制御装置16は、負荷機器14から受信する電力情報に基づいて、負荷機器14の消費電力を特定することができてもよい。ローカル制御装置16は、充電設備15から受信する電力情報に基づいて、EV50の充電電力又は放電電力を特定することができてもよい。
【0035】
図2では、蓄電装置12及び燃料電池装置13がホーム施設10に設けられるケースを例示しているが、蓄電装置12及び燃料電池装置13の少なくともいずれか1つがホーム施設10に設けられていなくてもよい。
【0036】
(訪問施設)
以下において、実施形態に係る訪問施設20について説明する。ここでは、訪問施設20の一例として訪問施設20Aについて説明する。訪問施設20B及び訪問施設20Cについても訪問施設20Aと同様の構成を有していてもよい。図3に示すように、訪問施設20Aは、太陽電池装置21Aと、負荷機器24Aと、充電設備25Aと、ローカル制御装置26Aと、を備える。さらに、訪問施設20Aは、電力計280Aと、電力計281Aと、電力計282Aと、を備える。
【0037】
太陽電池装置21Aは、太陽電池装置11と同様に、太陽光などの光に応じて発電を行う分散電源である。負荷機器24Aは、負荷機器14と同様に、電力を消費する機器である。充電設備25Aは、充電設備15と同様に、EV50を充電する設備である。ローカル制御装置26Aは、ローカル制御装置16と同様に、訪問施設20Aの電力を管理する装置である。
【0038】
例えば、充電設備25Aは、充電設備15と同様に、EV50の充電電力及びEV50の放電電力の少なくともいずれか1つを計測する電力計を有してもよい。充電設備25Aは、EV50の充電電力及びEV50の放電電力の少なくともいずれか1つを示す電力情報をローカル制御装置26Aに送信してもよい。
【0039】
電力計280Aは、電力計180と同様に、電力系統110から訪問施設20Aへの潮流電力及び訪問施設20Aから電力系統110への逆潮流電力を測定する基幹電力計の一例である。電力計281Aは、電力計181と同様に、太陽電池装置21Aの出力電力を測定する電力計である。電力計282Aは、電力計182と同様に、訪問施設20において太陽電池装置21Aよりも下流に設けられた装置の電力を計測する電力計である。
【0040】
このような前提下において、太陽電池装置21Aは、太陽電池装置21Aの出力電力が訪問施設20Aで消費されるケース(いわゆる自家消費)によって環境価値を生じる発電装置の一例である。環境価値は、地球温暖化に影響を与える二酸化炭素の価格(Carbon Pricing)などのように、地球環境への配慮に対する価値であってもよい。例えば、環境価値は、第三者機関によって証明される価値であってもよい。環境価値は、グリーン電力証書、J-クレジット等の環境価値によって証明されてもよい。実施形態では、自家消費に含まれるEV50の充電によって生じる環境価値の帰属について着目する。
【0041】
上述したローカル制御装置26Aは、電力計280Aから受信する電力情報に基づいて、電力系統110から訪問施設20Aへの潮流電力及び訪問施設20Aから電力系統110への逆潮流電力を特定することができてもよい。ローカル制御装置26Aは、電力計281Aから受信する電力情報に基づいて、太陽電池装置21Aの出力電力を特定してもよい。ローカル制御装置26Aは、電力計282Aから受信する電力情報に基づいて、訪問施設20において太陽電池装置21Aよりも下流に設けられた装置の集合として測定される消費電力を特定してもよい。
【0042】
なお、ローカル制御装置26Aは、太陽電池装置21Aから受信する電力情報に基づいて、太陽電池装置21Aの出力電力を特定することができてもよい。ローカル制御装置26Aは、負荷機器24Aから受信する電力情報に基づいて、負荷機器24Aの消費電力を特定することができてもよい。ローカル制御装置26Aは、充電設備25Aから受信する電力情報に基づいて、EV50の充電電力又は放電電力を特定することができてもよい。
【0043】
図3では、蓄電装置及び燃料電池装置が訪問施設20Aに設けられていないケースを例示しているが、蓄電装置及び燃料電池装置の少なくともいずれか1つが訪問施設20Aに設けられていてもよい。
【0044】
(管理装置)
以下において、実施形態に係る管理装置30について説明する。図4に示すように、管理装置30は、通信部31と、格納部32と、制御部33と、を有する。
【0045】
通信部31は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n、ZigBee、Wi-SUN、LTEなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0046】
通信部31は、発電装置(太陽電池装置11又は太陽電池装置21A)から出力される出力電力によってEV50の充電が行われた場合に、第1情報要素及び第2情報要素を少なくとも含むメッセージを受信する受信部を構成する。通信部31は、所定施設からメッセージを受信してもよい。通信部31は、EV50が管理装置30と通信可能である場合に、EV50からメッセージを受信してもよい。第1情報要素は、EV50に関する権利者を特定する情報要素である。第2情報要素は、発電装置に関する権利者を特定する情報要素である。例えば、メッセージは、EV50の充電が完了した場合に受信されてもよい。メッセージは、後述する図5に示すフォーマットに従って生成されてもよい。
【0047】
EV50に関する権利者は、EV50の所有者であってもよく、EV50の借主、貸主又は管理者であってもよい。
【0048】
EV50に関する権利者は、EV50を特定する情報要素(例えば、車両ID)によって間接的に特定されてもよい。このようなケースにおいては、第1情報要素は、EV50を特定する情報要素を含んでもよい。
【0049】
発電装置に関する権利者は、発電装置からEV50への充電によって生じる環境価値の帰属主体を直接的に又は間接的に特定されてもよい。具体的には、発電装置に関する権利者は、発電装置が設けられる所定施設(ホーム施設10又は訪問施設20)に関する権利者であってもよい。上述したように、所定施設に関する権利者は、所定施設の所有者であってもよく、所定施設の借主、貸主又は管理者であってもよい。或いは、発電装置に関する権利者は、所定施設に関する権利者と異なっていてもよい。例えば、所定施設に関する権利者とは異なる第三者によって発電装置が所有される場合において、発電装置に関する権利者は、発電装置を所有する第三者であってもよい。
【0050】
発電装置に関する権利者は、所定施設(ホーム施設10又は訪問施設20A)を特定する情報要素(例えば、施設ID)によって間接的に特定されてもよい。このようなケースにおいては、第2情報要素は、所定施設を特定する情報要素を含んでもよい。発電装置に関する権利者は、発電装置からEV50への充電を実行する充電設備(充電設備15又は充電設備25A)を特定する情報要素によって間接的に特定されてもよい。このようなケースにおいては、第2情報要素は、充電設備を特定する情報要素を含んでもよい。発電装置に関する権利者は、発電装置(太陽電池装置11又は太陽電池装置21A)を特定する情報要素(例えば、発電装置ID)によって間接的に特定されてもよい。このようなケースにおいては、第2情報要素は、発電装置を特定する情報要素を含んでもよい。
【0051】
例えば、図5に示すように、上述したメッセージは、ヘッダ、第1情報要素、第2情報要素、時間情報要素及び電力情報要素を含んでもよい。
【0052】
ヘッダは、メッセージの送信元及びメッセージの送信先を含む。第1情報要素は、EV50に関する権利者を特定する情報要素である。第2情報要素は、発電装置に関する権利者を特定する情報要素である。時間情報要素は、発電装置からEV50への充電が行われた時間帯を特定する情報要素である。電力情報要素は、発電装置からEV50への充電が行われた時間帯における自家消費電力を特定する情報要素である。或いは、電力情報要素は、発電装置からEV50への充電電力を特定する情報要素である。電力情報要素は、所定施設の自家消費電力を特定する第3情報要素の一例である。
【0053】
図5では、時間情報要素がメッセージに含まれるケースについて例示するが、発電装置からEV50への充電が行われた時間帯を他の方法で特定可能である場合には、時間情報要素はメッセージに含まれなくてもよい。同様に、図5では、電力情報要素がメッセージに含まれるケースについて例示するが、発電装置からEV50への充電電力を他の方法で特定可能である場合には、電力情報要素はメッセージに含まれなくてもよい。
【0054】
格納部32は、不揮発性メモリなどのメモリ又は/及びHDD(Hard disc drive)などの記憶媒体によって構成されており、様々な情報を格納する。
【0055】
格納部32は、環境価値の帰属主体を特定する対応関係として、所定施設及び発電装置の少なくともいずれか1つとEV50との対応関係を格納する。格納部32は、環境価値の帰属主体を特定する対応関係として、充電設備とEV50との対応関係を格納する。例えば、格納部32は、図6又は図7に示す対応関係を格納する。
【0056】
図6又は図7に示すように、格納部32は、被充電主体、充電主体及び帰属主体の対応関係を格納する。
【0057】
被充電主体は、自家消費電力によって充電される主体である。実施形態では、被充電主体がEV50であるケースについて着目しており、被充電主体は、上述した第1情報要素によって特定されてもよい。
【0058】
充電主体は、自家消費電力によって充電する主体である。実施形態では、充電主体は、所定施設を含んでもよく、発電装置を含んでもよく、充電設備を含んでもよい。発電装置に関する権利者が帰属主体を間接的に特定する情報要素である場合に、充電主体は、上述した第2情報要素によって特定される情報要素と考えてもよい。
【0059】
帰属主体は、発電装置からEV50への充電によって生じる環境価値の帰属主体である。発電装置に関する権利者が帰属主体を直接的に特定する情報要素である場合に、帰属主体は、上述した第2情報要素によって特定される情報要素と考えてもよい。
【0060】
例えば、EV50の車両IDが“AAA”であるケースにおいて、ホーム施設10の施設IDが“aaa”であり、訪問施設20Aの施設IDが“bbb”であるケースについて考える。充電設備15の充電設備IDは“Paaa”であり、太陽電池装置11の発電装置IDは“Qaaa”である。充電設備25Aの充電設備IDは“Pbbb”であり、太陽電池装置21Aの発電装置IDは“Qbbb”である。さらに、ホーム施設10の自家消費電力によって行われたEV50の充電によって生じる環境価値の帰属主体が“XXX”であるものとする。“XXX”は、ホーム施設10の所有者、借主、貸主又は管理者であってもよく、太陽電池装置11の所有者、借主、貸主又は管理者であってもよい。“XXX”は、充電設備15の所有者、借主、貸主又は管理者であってもよい。“XXX”は、ホーム施設10の管理エンティティ(管理装置30)であってもよい。
【0061】
このようなケースにおいて、訪問施設20Aの自家消費電力によって行われたEV50の充電によって生じる環境価値の帰属主体は、図6に示すように“XXX”であってもよく、図7に示すように“XXX”とは異なる“YYY”であってもよい。“YYY”は、訪問施設20Aの所有者、借主、貸主又は管理者であってもよく、太陽電池装置21Aの所有者、借主、貸主又は管理者であってもよい。“YYY”は、充電設備15の所有者、借主、貸主又は管理者であってもよい。
【0062】
なお、図6は、EV50が1つのユーザによって利用される場合において帰属主体が同じであるケースを示していると考えてもよく、EV50が2以上のユーザによって利用される場合において帰属主体が同じであるケースを示していると考えてもよい。図7は、EV50が2以上のユーザによって利用される場合において帰属主体が異なるケースを示していると考えてもよく、EV50が1つのユーザによって利用される場合において帰属主体が異なるケースの一例を示していると考えてもよい。
【0063】
ここで、被充電主体と充電主体との組合せと帰属主体との対応関係については、契約関係等の様々な要因から任意に設定することができる。格納部32に格納される対応関係は、予め定められていてもよい。
【0064】
制御部33は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)によって構成されてもよく、通信可能に接続された複数の回路(集積回路及び又はディスクリート回路(discrete circuits)など)によって構成されてもよい。
【0065】
制御部33は、第1情報要素及び第2情報要素に基づいて、EV50の充電によって生じる環境価値の帰属主体を特定する。第2情報要素(発電装置に関する権利者)が直接的に帰属主体を特定する情報要素である場合に、制御部33は、格納部32に格納される対応関係を用いずに帰属主体を特定してもよく、格納部32に格納される対応関係を用いて帰属主体を特定してもよい。第2情報要素(発電装置に関する権利者)が間接的に帰属主体を特定する情報要素である場合に、制御部33は、格納部32に格納される対応関係を用いて帰属主体を特定してもよい。
【0066】
ここで、制御部33は、第1情報要素及び第2情報要素が格納部32に格納される対応関係を満たすか否かに基づいて、環境価値の帰属主体を特定してもよい。具体的には、制御部33は、第1情報要素及び第2情報要素の組合せが格納部32に格納されている場合には、格納部32に格納された対応関係に従って帰属主体を特定する。一方で、制御部33は、第1情報要素及び第2情報要素の組合せが格納部32に格納さていない場合には、帰属主体が不明であるものとして帰属主体を特定しない。
【0067】
すなわち、自家消費として許可されるEV50の充電に関する対応関係を予め格納部32に格納しておくことによって、EV50の移動性を考慮した場合であっても、適切な帰属主体の特定が実現される。
【0068】
(自家消費電力)
以下において、実施形態に係る自家消費電力について説明する。ここでは、ホーム施設10の自家消費電力を例に挙げて説明する。自家消費によって環境価値を生じる発電装置が太陽電池装置11であるケースを例示する。
【0069】
第1に、電力系統110からホーム施設10への潮流電力(買電電力)が存在するケースについて図8を用いて説明する。
【0070】
このようなケースにおいて、買電電力と出力電力との合計は、負荷機器14の消費電力とEV50の充電電力との合計と等しい。買電電力は、上述した電力計180によって測定される電力である。出力電力は、太陽電池装置11の出力電力を少なくとも含む。蓄電装置12が放電動作を行っている場合に、出力電力は、蓄電装置12の放電電力を含んでもよい。出力電力は、燃料電池装置13の出力電力を含んでもよい。一方で、消費電力は、負荷機器14の消費電力を含む。蓄電装置12が充電動作を行っている場合に、消費電力は、蓄電装置12が充電電力を含んでもよい。
【0071】
図8に示すケースでは、自家消費電力は、電力計182によって測定される消費電力から電力計180によって計測される買電電力を引いた差異として算出されてもよい。蓄電装置12が放電動作を行っている場合には、電力計182によって測定される消費電力は、負荷機器14の消費電力及びEV50の充電電力との合計から蓄電装置12の放電電力及び燃料電池装置13の出力電力の合計を引いた値である。一方で、蓄電装置12が充電動作を行っている場合には、電力計182によって測定される消費電力は、蓄電装置12の充電電力、負荷機器14の消費電力及びEV50の充電電力との合計から燃料電池装置13の出力電力の合計を引いた値である。
【0072】
ここで、上述した方法で算出された自家消費電力(以下、算出自家消費電力)は、電力計181によって測定される電力(太陽電池装置11の出力電力)と理論的には同じである。従って、電力計181によって測定される電力を自家消費電力として扱ってもよい。但し、電力計181の測定誤差等によって、電力計181によって測定される電力が算出自家消費電力と一致しない可能性がある。このような場合においては、電力計181によって測定される電力及び算出自家消費電力のうち、小さい方の値を自家消費電力として扱ってもよい。
【0073】
さらに、太陽電池装置11の出力電力、蓄電装置12の充電電力又は放電電力、燃料電池装置13の出力電力、負荷機器14の消費電力、EV50の充電電力の全てを取得可能である場合には、これらのパラメータに基づいて自家消費電力を算出してもよい。このようなケースにおいても、様々な方法で算出された自家消費電力のうち、最も小さい値を自家消費電力として扱ってもよい。
【0074】
第2に、ホーム施設10から電力系統110への逆潮流電力(売電電力)が存在するケースについて図9を用いて説明する。
【0075】
このようなケースにおいて、出力電力の合計は、売電電力、消費電力及びEV50の充電電力との合計と等しい。売電電力は、上述した電力計180によって測定される電力である。出力電力は、太陽電池装置11の出力電力を少なくとも含む。蓄電装置12が放電動作を行っている場合に、出力電力は、蓄電装置12の放電電力を含んでもよい。出力電力は、燃料電池装置13の出力電力を含んでもよい。一方で、消費電力は、負荷機器14の消費電力を含む。蓄電装置12が充電動作を行っている場合に、消費電力は、蓄電装置12が充電電力を含んでもよい。
【0076】
図9に示すケースでは、自家消費電力は、電力計181によって測定される電力(太陽電池装置11の出力電力)から電力計180によって計測される売電電力を引いた差異として算出されてもよい。
【0077】
ここで、上述した方法で算出された自家消費電力(以下、算出自家消費電力)は、電力計182によって測定される消費電力と理論的には同じである。従って、電力計182によって測定される消費電力を自家消費電力として扱ってもよい。但し、電力計182の測定誤差等によって、電力計182によって測定される消費電力が算出自家消費電力と一致しない可能性がある。このような場合においては、電力計182によって測定される消費電力及び算出自家消費電力のうち、小さい方の値を自家消費電力として扱ってもよい。
【0078】
さらに、太陽電池装置11の出力電力、蓄電装置12の充電電力又は放電電力、燃料電池装置13の出力電力、負荷機器14の消費電力、EV50の充電電力の全てを取得可能である場合には、これらのパラメータに基づいて自家消費電力を算出してもよい。このようなケースにおいても、様々な方法で算出された自家消費電力のうち、最も小さい値を自家消費電力として扱ってもよい。
【0079】
以上のような方法で決められた自家消費電力は、環境価値の証明に用いられる。以上のような方法で決められた自家消費電力は、グリーン電力証書、J-クレジット等の環境価値の証明に利用されてもよい。
【0080】
(電力管理方法)
以下において、実施形態に係る電力管理方法について説明する。ここでは、ホーム施設10の自家消費電力を例に挙げて説明する。
【0081】
図10に示すように、ステップS11において、ローカル制御装置16は、電力計180~電力計182から電力情報を受信する。電力情報の受信処理は所定間隔で繰り返される。
【0082】
ステップS12において、EV50が充電設備15に接続される。EV50は、EV50の車両IDを充電設備15に通知してもよい。EV50は、EV50の車両IDをローカル制御装置16に通知してもよい。充電設備15は、充電設備15の充電設備IDをEV50に通知してもよい。
【0083】
ステップS13において、充電設備15は、EV50の充電を開始した旨をローカル制御装置16に通知する。充電設備15は、EV50の充電開始時刻をローカル制御装置16に通知してもよい。充電設備15は、EV50の車両IDをローカル制御装置16に通知してもよい。
【0084】
ステップS14において、ローカル制御装置16は、ホーム施設10の電力を監視する。ローカル制御装置16は、少なくとも、電力計180~電力計182によって測定される電力を監視する。
【0085】
ステップS15において、EV50と充電設備15との接続が切断される。
【0086】
ステップS16において、充電設備15は、EV50の充電を終了した旨をローカル制御装置16に通知する。充電設備15は、EV50の充電終了時刻をローカル制御装置16に通知してもよい。
【0087】
ステップS17において、ローカル制御装置16は、第1情報要素及び第2情報要素を少なくとも含むメッセージ(図5を参照)を管理装置30に送信する。上述したように、メッセージは、時間情報要素を含んでもよい。メッセージは、電力情報要素を含んでもよい。
【0088】
ステップS18において、管理装置30は、太陽電池装置11からEV50への充電によって生じる環境価値の帰属主体を確認する。具体的には、管理装置30は、第1情報要素及び第2情報要素が格納部32に格納される対応関係を満たすか否かを確認する。ここで、管理装置30は、第1情報要素及び第2情報要素の組合せが格納部32に格納されている場合には、格納部32に格納された対応関係に従って帰属主体を特定する。一方で、管理装置30は、第1情報要素及び第2情報要素の組合せが格納部32に格納さていない場合には、帰属主体が不明であるものとして帰属主体を特定しない。
【0089】
ステップS19において、管理装置30は、帰属主体が特定された場合には、特定された帰属主体を管理する。管理装置30は、特定された帰属主体とともに、太陽電池装置11からEV50への充電が行われた時間帯における自家消費電力を管理する。管理装置30は、太陽電池装置11からEV50への充電電力を自家消費電力として管理してもよい。
【0090】
図10では、ホーム施設10の自家消費電力について説明したが、訪問施設20Aの自家消費電力についても、図10に示す電力管理方法を適用可能である。すなわち、EV50に関する権利者を特定する第1情報要素及び太陽電池装置21Aに関する権利者を特定する第2情報要素の組合せに基づいて、訪問施設20Aにおいて行われる太陽電池装置21AからEV50への充電によって生じる環境価値の帰属主体が特定されてもよい。帰属主体が特定される場合には、特定された帰属主体に対して環境価値が付与される。
【0091】
(作用及び効果)
実施形態では、管理装置30は、第1情報要素及び第2情報要素を含むメッセージを受信し、第1情報要素及び第2情報要素に基づいて、発電装置からEV50への充電によって生じる環境価値の帰属主体を特定する。このような構成によれば、EV50の移動性を考慮した場合であっても、帰属主体を特定することができる。
【0092】
実施形態では、管理装置30は、第1情報要素及び第2情報要素が格納部32に格納される対応関係を満たすか否に基づいて、発電装置からEV50への充電によって生じる環境価値の帰属主体を特定する。このような構成によれば、帰属主体の定め方に柔軟性を持たせることができ、かつ、帰属主体を適切に特定することができる。
【0093】
[実施形態2]
以下において、実施形態の実施形態2について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0094】
実施形態では、第1情報要素及び第2情報要素を含むメッセージの送信主体がホーム施設10のローカル制御装置16であるケースについて説明した。これに対して、実施形態2では、メッセージの送信主体が充電設備15であるケースについて説明する。
【0095】
(電力管理方法)
以下において、実施形態2に係る電力管理方法について説明する。ここでは、ホーム施設10の自家消費電力を例に挙げて説明する。
【0096】
図11に示すように、ステップS31において、ローカル制御装置16は、電力計180~電力計182から電力情報を受信する。電力情報の受信処理は所定間隔で繰り返される。
【0097】
ステップS32において、EV50が充電設備15に接続される。EV50は、EV50の車両IDを充電設備15に通知してもよい。充電設備15は、充電設備15の充電設備IDをEV50に通知してもよい。
【0098】
ステップS33において、充電設備15は、EV50の充電を開始した旨をローカル制御装置16に通知する。充電設備15は、EV50の充電開始時刻をローカル制御装置16に通知してもよい。
【0099】
ステップS34において、ローカル制御装置16は、ホーム施設10の電力を監視する。ローカル制御装置16は、少なくとも、電力計180~電力計182によって測定される電力を監視する。
【0100】
ステップS35において、EV50と充電設備15との接続が切断される。
【0101】
ステップS36において、充電設備15は、EV50の充電を終了した旨をローカル制御装置16に通知する。充電設備15は、EV50の充電終了時刻をローカル制御装置16に通知してもよい。
【0102】
ステップS37Aにおいて、充電設備15は、第1情報要素及び第2情報要素を少なくとも含むメッセージ(図5を参照)を管理装置30に送信する。すなわち、管理装置30の通信部31は、第1情報要素及び第2情報要素を少なくとも含むメッセージを充電設備15から受信する。上述したように、メッセージは、時間情報要素を含んでもよい。図11では、メッセージが電力情報要素を含まないケースを例示する。
【0103】
ステップS38において、管理装置30は、太陽電池装置11からEV50への充電によって生じる環境価値の帰属主体を確認する。具体的には、管理装置30は、第1情報要素及び第2情報要素が格納部32に格納される対応関係を満たすか否かを確認する。ここで、管理装置30は、第1情報要素及び第2情報要素の組合せが格納部32に格納されている場合には、格納部32に格納された対応関係に従って帰属主体を特定する。一方で、管理装置30は、第1情報要素及び第2情報要素の組合せが格納部32に格納さていない場合には、帰属主体が不明であるものとして帰属主体を特定しない。
【0104】
ステップS39において、管理装置30は、太陽電池装置11からEV50への充電が行われた時間帯における自家消費電力をローカル制御装置16に問い合わせる。管理装置30は、太陽電池装置11からEV50への充電電力をローカル制御装置16に問い合わせてもよい。管理装置30は、所定施設の自家消費電力を特定する電力情報要素(すなわち、第3情報要素)を含むメッセージをローカル制御装置16から受信する。すなわち、第3情報要素を含むメッセージは、第1情報要素及び第2情報要素を含むメッセージと別であってもよい。
【0105】
ステップS40において、管理装置30は、帰属主体が特定された場合には、特定された帰属主体を管理する。管理装置30は、特定された帰属主体とともに、太陽電池装置11からEV50への充電が行われた時間帯における自家消費電力を管理する。管理装置30は、太陽電池装置11からEV50への充電電力を自家消費電力として管理してもよい。
【0106】
図11では、ホーム施設10の自家消費電力について説明したが、訪問施設20Aの自家消費電力についても、図11に示す電力管理方法を適用可能である。すなわち、EV50に関する権利者を特定する第1情報要素及び太陽電池装置21Aに関する権利者を特定する第2情報要素の組合せに基づいて、訪問施設20Aにおいて行われる太陽電池装置21AからEV50への充電によって生じる環境価値の帰属主体が特定されてもよい。
【0107】
[実施形態3]
以下において、実施形態の実施形態3について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0108】
実施形態では、第1情報要素及び第2情報要素を含むメッセージの送信主体がホーム施設10のローカル制御装置16であるケースについて説明した。これに対して、実施形態3では、メッセージの送信主体がEV50であるケースについて説明する。
【0109】
(電力管理方法)
以下において、実施形態3に係る電力管理方法について説明する。ここでは、ホーム施設10の自家消費電力を例に挙げて説明する。図12では、図11に示すフローと同様のステップについて同様の符号を付している。図11に示すフローと同様のステップの説明については省略する。
【0110】
ステップS37Bにおいて、EV50は、第1情報要素及び第2情報要素を少なくとも含むメッセージ(図5を参照)を管理装置30に送信する。上述したように、メッセージは、時間情報要素を含んでもよい。図12では、メッセージが電力情報要素を含まないケースを例示する。
【0111】
[実施形態4]
以下において、実施形態の実施形態4について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0112】
実施形態では、発電装置からEV50への充電電力が自家消費電力の一部として取り扱われるケースについて例示した。これに対して、実施形態4では、発電装置からEV50への充電電力が測定可能であるものとして扱われるケースについて説明する。
【0113】
(ホーム施設)
以下において、実施形態4に係るホーム施設10について説明する。図13では、図2と同様の構成について同様の符号を付している。図2と同様の構成の説明については省略する。
【0114】
図13に示すように、ホーム施設10は、電力計190を備える。電力計190は、充電設備15の上流に設けられており、EV50の充電電力又は放電電力を測定する。電力計190は、充電設備15よりも上流の装置(図13では、負荷機器14)よりも下流に設けられてもよい。電力計190は、第三者機関によって認証された電力計であってもよい。
【0115】
このような構成下において、電力計181によって測定される太陽電池装置11の出力電力を超えない範囲で、電力計190によって測定される充電電力は、発電装置からEV50への充電電力と考えられてもよい。すなわち、ホーム施設10の自家消費電力は、EV50以外の装置(例えば、負荷機器14)よりもEV50に優先的に割り当てられると考えてもよい。このようなケースにおいては、EV50以外の装置(例えば、負荷機器14)に割り当てられる自家消費電力は、ホーム施設10の自家消費電力からEV50への充電電力を引いた差異として算出されると考えられる。
【0116】
このような構成によれば、発電装置からEV50への充電電力が電力計190によって測定される。従って、発電装置からEV50への充電によって生じる環境価値の帰属主体を柔軟に設定することが容易である。
【0117】
[実施形態5]
以下において、実施形態の実施形態5について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0118】
実施形態では、管理装置30は、第1情報要素及び第2情報要素の組合せが格納部32に格納さていない場合には、帰属主体が不明であるものとして帰属主体を特定しない。実施形態5では、帰属主体を特定しないケース、言い換えると、発電装置からEV50への充電が自家消費として認められないケースについて説明する。
【0119】
実施形態5では、管理装置30は、所定施設に帰属していない第三者移動体に設けられた第三者蓄電装置の充電が発電装置から出力される出力電力によって行われる場合において、第三者蓄電装置に対する充電が特定されない場合に、環境価値の帰属主体を特定せずに、第三者蓄電装置に対する充電が特定される場合に、環境価値の帰属主体を特定する。第三者蓄電装置に対する充電が特定されるケースは、第三者蓄電装置に対する充電電力を他の消費電力と区別できるケース、第三者蓄電装置の帰属主体が明らかであるケースなどを含んでもよい。第三者蓄電装置に対する充電が特定されないケースは、第三者蓄電装置に対する充電電力を他の消費電力と区別できないケース、第三者蓄電装置の帰属主体が明らかでないケースなどを含んでもよい。
【0120】
例えば、所定施設が訪問施設20Aである場合において、太陽電池装置21AからEV50への充電が行われるケースを想定する。このようなケースにおいては、EV50は、訪問施設20Aに帰属していない第三者移動体の一例である。従って、EV50に設けられた蓄電装置は、第三者蓄電装置の一例である。
【0121】
このような前提下において、管理装置30は、太陽電池装置21AからEV50への充電が特定される場合に環境価値の帰属主体を特定するが、太陽電池装置21AからEV50への充電が特定されない場合に環境価値の帰属主体を特定しない。
【0122】
実施形態と同様に、環境価値の帰属主体を特定しないケースとしては、太陽電池装置21AとEV50との組合せが格納部32に格納された対応関係によって特定できないケースが考えられる。さらには、環境価値の帰属主体を特定しないケースは、EV50を特定する第1情報要素を取得できないケース、太陽電池装置21AからEV50への充電が行われた時間帯を特定することができないケース、太陽電池装置21AからEV50への充電電力を特定できないケースを含む。これらのケースにおいては、太陽電池装置21AからEV50への充電電力は、訪問施設20Aの自家消費電力の一部として扱われてもよい。
【0123】
一方で、太陽電池装置21AからEV50への充電が特定されるケースにおいては、太陽電池装置21AからEV50への充電電力は、訪問施設20Aの自家消費電力から差し引かれてもよい。但し、太陽電池装置21AからEV50への充電が特定されるケースであっても、電力系統110から所定施設に電力が供給されている場合には、EV50への充電が行われている時間において、所定施設の自家消費電力について環境価値を算出せず、環境価値の帰属主体を特定しなくてもよい。
【0124】
[実施形態6]
以下において、実施形態の実施形態6について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0125】
実施形態6では、第1情報要素及び第2情報要素を少なくとも含むメッセージの作成について説明する。以下においては、所定施設として訪問施設20Aを例に挙げて説明する。
【0126】
メッセージについては、所定施設に備えられるローカル制御装置26Aが作成してもよい。メッセージについては、上述した実施形態2のように、充電設備25Aが作成してもよく、上述した実施形態3のように、EV50が作成してもよい。EV50から第1情報要素を取得した訪問施設20Aがメッセージを作成してもよい。訪問施設20Aから第2情報要素を取得したEV50がメッセージを作成してもよい。
【0127】
メッセージは、EV50の充電が完了した場合に作成されてもよい。メッセージは、EV50が充電設備25Aに接続された場合に、EV50の充電が開始された場合に、又はEV50と充電設備25Aの接続が切断された場合等に作成されてもよい。
【0128】
EV50と充電設備25Aとの接続は、EV50が備える充電プラグを充電設備25Aのコンセントに接続することで達成されてもよい。EV50が備える充電プラグと充電設備25Aのコンセントとの接続によって、EV50と充電設備25Aとの間に電力ラインが形成され。EV50が備える充電プラグと充電設備25Aのコンセントとの接続によって、EV50と充電設備25Aとの間に信号ラインが形成され
【0129】
図14に示すように、検知部27Aは、EV50と充電設備25Aとの接続によって形成される電力ラインと信号ライン上に備えられている。図15に示すように、検知部27Aは、接続検知部271Aと充電検知部272Aとを備える。検知部は、訪問施設25Aに備えられていてもよく、EV50に備えられていてもよい。検知部27Aは、EV50と充電設備25Aとの接続又はEV50の充電を検知する。
【0130】
EV50と充電設備25Aとの接続は、検知部27Aに備えられる接続検知部271Aによって検知される。接続検知部271Aは、EV50又は充電設備25Aのいずれに備えられていてもよい。接続検知部271Aは、電力ライン上に備えれていてもよく、信号ライン上に備えられていてもよい。接続検知部271Aは、充電プラグ又はコンセントに備えられる電流センサであってもよい。この場合、接続検知部271Aは、充電プラグ又はコンセントに電気が流れることでEV50と充電設備25Aとの接続がされたと判断してもよい。接続検知部271Aは、充電プラグ又はコンセントに備えられるスイッチであってもよい。この場合、接続検知部271Aは、押圧されたことによって、EV50と充電設備25Aとの接続がされたと判断してもよい。接続検知部271Aは、これらに限られず、充電プラグとコンセントが接触し、電気の授受が可能な状態にあることを検知できるものであればよい。また、接続検知部271Aは、EV50と充電設備25Aとの間に電力ライン又は信号ラインが形成されたことでEV50と充電設備25Aとの接続がされたと判断してもよい。
【0131】
接続検知部271Aは、接続したと判断した場合に、接続されたことを示す情報を、充電設備25A、ローカル制御装置26A、EV50、管理装置30(通信部31)のいずれかに送信してもよい。接続されたことを示す情報には、訪問施設20Aを示す情報とEV50を示す情報とが含まれていてもよい。接続検知部271Aから、情報を受信した充電設備25A、ローカル制御装置26A、EV50、管理装置30(通信部31)は、EV50と充電設備25Aとが接続されたと判断する。接続検知部271Aは、EV50が充電設備25Aに接続された後、EV50の充電が開始された場合、EV50と充電設備25Aの接続が切断された場合、又はEV50の充電が完了した場合のいずれかの場合に、接続されたことを示す情報を、充電設備25A、ローカル制御装置26A、EV50、管理装置30(通信部31)に送信してもよい。また、接続検知部271Aは、EV50と充電設備25Aの接続が切断された場合に、接続が切断されたことを示す情報を、充電設備25A、ローカル制御装置26A、EV50、管理装置30(通信部31)に送信してもよい。
【0132】
EV50の充電は、検知部27Aに備えられる充電検知部272Aによって検知される。充電検知部272Aは、EV50又は充電設備25Aのいずれに備えられていてもよい。充電検知部272Aは、電力ライン上に備えられていてもよい。充電検知部272Aは、充電プラグ又はコンセントに備えられる電流センサであってもよい。充電検知部272Aは、訪問施設20Aに備えられる発電装置からEV50への充電を検知してもよい。
【0133】
この場合、充電検知部272Aは、充電プラグ又はコンセントに電気が流れていることによって、EV50の充電がされていると判断してもよい。充電検知部272Aは、充電プラグ又はコンセントに電気が流れはじめることで、EV50の充電が開始されたと判断してもよい。充電検知部272Aは、充電プラグ又はコンセントに電気が流れなくなったことで、EV50の充電が終了したと判断してもよい。充電検知部272Aは、一定時間内に流れる電流量が所定の閾値以下になることで、EV50の充電が終了したと判断してもよい。
【0134】
充電検知部272Aは、充電が開始されたと判断した場合に、充電が開始されたことを示す情報を、充電設備25A、ローカル制御装置26A、EV50、管理装置30(通信部31)のいずれかに送信してもよい。充電が開始されたことを示す情報には、訪問施設20Aを示す情報とEV50を示す情報とが含まれていてもよい。充電検知部272Aから、情報を受信した充電設備25A、ローカル制御装置26A、EV50、管理装置30(通信部31)は、EV50と充電設備25Aとの充電が開始されたと判断する。
【0135】
充電検知部272Aは、充電が終了したと判断した場合に、充電が終了したことを示す情報を、充電設備25A、ローカル制御装置26A、EV50、管理装置30(通信部31)のいずれかに送信してもよい。充電が終了したことを示す情報には、訪問施設20Aを示す情報とEV50を示す情報とが含まれていてもよい。充電検知部272Aから、情報を受信した充電設備25A、ローカル制御装置26A、EV50、管理装置30(通信部31)は、EV50と充電設備25Aとの充電が終了したと判断する。
【0136】
充電検知部272Aは、充電が終了したと判断した場合に、発電装置からEV50への充電電力を特定する情報を、充電設備25A、ローカル制御装置26A、EV50、管理装置30(通信部31)のいずれかに送信してもよい。充電電力を特定する情報は、後述する発電装置からEV50への充電が行われた時間帯における自家消費電力を特定する情報要素である電力情報要素であってもよい。また、発電装置からEV50に充電された充電量であってもよい。
【0137】
次に、例えば、ローカル制御装置26Aがメッセージを作成する場合を考える。この場合、管理装置30に備えられる受信部(通信部31)は、所定施設からメッセージを受信する。
【0138】
ローカル制御装置26Aは、EV50からEV50の第1情報要素を取得する。ローカル制御装置26Aは、EV50の第1情報要素を、EV50と充電設備25Aとの間の信号ラインを介して取得してもよい。ローカル制御装置26Aは、EV50の第1情報要素を、充電プラグとコンセントとの接続を介して取得してもよい。ローカル制御装置26Aは、EV50の充電が完了した場合にEV50の第1情報要素を取得してもよい。ローカル制御装置26Aは、EV50が充電設備25Aに接続された場合、EV50の充電が開始された場合にEV50の第1情報要素を取得してもよい。
【0139】
ローカル制御装置26Aは、EV50から取得した情報に基づいてメッセージを作成してもよい。ローカル制御装置26Aは、EV50から取得した第1情報要素と、充電設備25A又はローカル制御装置26Aが管理する第2情報要素とを組み合わせることでメッセージを作成してもよい。ローカル制御装置26Aは、EV50の充電が完了した場合に、メッセージを管理装置30に備えられる受信部(通信部31)に送信してもよい。
【0140】
メッセージは、EV50の充電が完了した場合に作成されてもよい。この場合、ローカル制御装置26Aは、発電装置からEV50への充電電力を特定する情報を取得してもよい。ローカル制御装置26Aは、メッセージに発電装置からEV50への充電電力を特定する情報を含めて、メッセージを管理装置30に備えられる受信部(通信部31)に送信してもよい。ローカル制御装置26Aが、メッセージに発電装置からEV50への充電電力を特定する情報を含めることで、帰属主体の特定と同時に環境価値の取引量を把握することが可能となる。
【0141】
ローカル制御装置26Aは、充電電力を特定する情報を、自身が管理する情報から直接的又は間接的に計算して取得してもよい。また、ローカル制御装置26Aは、充電電力を特定する情報を、太陽電池装置21A、電力計280A、電力計281A、電力計282A、充電検知部272Aのうち少なくともいずれか一つから取得してもよい。ローカル制御装置26Aは、それらから得た情報に基づいて計算することで、充電電力を特定する情報を取得してもよい。
【0142】
メッセージは、EV50が充電設備25Aに接続された場合、又は、EV50の充電が開始された場合に作成されてもよい。この場合、ローカル制御装置26Aは、EV50への充電が行われた時間帯を特定する情報要素である時間情報要素を、メッセージに含めてもよい。また、この場合、ローカル制御装置26Aは、メッセージに充電電力を特定する情報を含めずに、メッセージを管理装置30に備えられる受信部(通信部31)に送信してもよい。
【0143】
この場合において、ローカル制御装置26Aは、EV50の充電が完了したときに、発電装置からEV50への充電電力を特定する情報を含むメッセージを、管理装置30に備えられる受信部(通信部31)に送信してもよい。このとき、ローカル制御装置26Aは、発電装置からEV50への充電電力を特定する情報を含むメッセージに、時間情報要素を含めてもよい。このように、先に送られたメッセージと、後から送られた充電電力を特定する情報を含むメッセージとの両方に時間情報要素を含めることで、別々にメッセージが送られた場合でも、制御部が帰属主体を特定することが可能となる。
【0144】
以上のように、ローカル制御装置26Aが、充電設備25Aに接続されたEV50の第1情報要素を、充電設備25AとEV50との接続を介して取得できることで、EV50の移動によってEV50の所在地が変化したとしても、ローカル制御装置26Aは帰属主体を特定するために用いられるメッセージを作成することができる。
【0145】
充電設備25Aがメッセージを作成する場合であっても、上述のローカル制御装置26Aの例と同様に、充電設備25AとEV50との接続を介して、充電設備25Aは、EV50の第1情報要素を取得してもよい。この場合、充電設備25Aは、EV50から取得した第1情報要素と、充電設備25A又はローカル制御装置26Aが管理する第2情報要素とを組み合わせることでメッセージを作成してもよい。
【0146】
EV50がメッセージを作成する場合であっても、上述のローカル制御装置26Aの例と同様に、充電設備25AとEV50との接続を介して、EV50は、充電設備25A又はローカル制御装置26Aから、充電設備25A又はローカル制御装置26Aが管理する第2情報要素が管理する第2情報要素を取得してもよい。EV50は、充電設備25A又はローカル制御装置26Aから取得した第2情報要素と、EV50が管理する第1情報要素とを組み合わせることでメッセージを作成してもよい。
【0147】
以上のように、訪問施設20AとEV50が接続された場合に、訪問施設20A又はEV50は、充電設備25AとEV50との接続を介して、接続相手が管理する第1情報要素又は第2情報要素を取得できることで、移動によってEV50の所在地が変化したとしても、帰属主体を特定するために用いられるメッセージを作成することができる。
【0148】
上述の訪問施設20Aの例は、所定施設(ホーム施設10又は訪問施設20)とEV50が接続された場合であっても、同様に適用してもよい。所定施設(ホーム施設10又は訪問施設20)も、訪問施設20Aが備える検知部27A、接続検知部271A、充電検知部272Aと同様の構成を備えていてもよい。
【0149】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0150】
実施形態では、移動体がEV50であるケースについて例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。移動体は、ホーム施設10から訪問施設20への移動が想定されており、蓄電装置を有する物であればよい。蓄電装置の容量は任意である。
【0151】
実施形態では、自家消費によって環境価値を生じる発電装置が太陽電池装置(太陽電池装置11又は太陽電池装置21A)であるケースについて例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。自家消費によって環境価値を生じる発電装置は、再生可能エネルギーによって電力を出力する発電装置であってもよい。例えば、自家消費によって環境価値を生じる発電装置は、風力発電装置、水力発電装置、地熱発電装置及びバイオマス発電装置の中から選択された1以上の発電装置を含んでもよい。
【0152】
実施形態では特に触れていないが、所定施設に設けられる蓄電装置が自家消費によって環境価値を生じる発電装置として扱われてもよい。このようなケースにおいて、蓄電装置の充電に用いた電力の種別(例えば、電力系統、太陽電池装置、燃料電池装置など)が識別可能であってもよい。
【0153】
実施形態では特に触れていないが、燃料電池装置が自家消費によって環境価値を生じる発電装置として扱われてもよい。このようなケースにおいて、燃料電池装置の出力電力の自家消費によって生じる環境価値は、太陽電池装置の出力電力の自家消費によって生じる環境価値と識別可能に管理されてもよい。
【0154】
実施形態では、蓄電装置の放電電力について逆潮流が認められないケースについて例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。蓄電装置の放電電力について逆潮流が認められてもよい。
【0155】
実施形態では、燃料電池装置の放電電力について逆潮流が認められないケースについて例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。燃料電池装置の放電電力について逆潮流が認められてもよい。
【0156】
実施形態では特に触れていないが、充電設備15、ローカル制御装置16、充電設備25A、ローカル制御装置26A及び管理装置30は、時刻サーバによって時刻の同期を取っていてもよい。時刻サーバは、NTP(Network Time Protocol)サーバであってもよく、GPS(Global Positioning System)サーバ(衛星)であってもよい。
【0157】
実施形態では語句に触れていないが、ホーム施設10の自家消費電力は、発電装置とEV50との間の電力線で生じる送電ロスによって補正されてもよい。例えば、送電ロスは、発電装置とEV50との間の電力線の長さによって特定されてもよい。
【0158】
実施形態では、ローカル制御装置が所定施設に設けられるケースについて例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。ローカル制御装置は、クラウドサービスによって提供されてもよい。
【0159】
実施形態では特に触れていないが、電力とは、瞬時値(kW)であってもよく、単位時間の積算値(kWh)であってもよい。
【0160】
なお、日本国特許出願第2019-238536号(2019年12月27日出願)の全内容が参照により本願明細書に組み込まれている。
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