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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056944
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】蜂の巣の駆除方法
(51)【国際特許分類】
   A01M 7/00 20060101AFI20240416BHJP
   A01M 1/20 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
A01M7/00 H
A01M1/20 B
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024022916
(22)【出願日】2024-02-19
(62)【分割の表示】P 2022118734の分割
【原出願日】2015-12-10
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000112853
【氏名又は名称】フマキラー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 隆史
(72)【発明者】
【氏名】若槻 健
(72)【発明者】
【氏名】幸田 龍典
(72)【発明者】
【氏名】船越 久生
(57)【要約】
【課題】比較的高い所に巣を作る蜂を、安全に、かつ、速やかに駆除できるようにする。
【解決手段】殺虫成分を含有した薬剤を収容した容器を備える無人飛行体を用いた蜂の巣の駆除方法は、巣の近傍で無人飛行体をホバリング状態とするステップと、薬剤を巣の外面に付着させるステップと、を含んでいる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺虫成分を含有した薬剤を収容した容器を備える無人飛行体を用いた蜂の巣の駆除方法であって、
前記巣の近傍まで前記無人飛行体を飛行させた後、前記無人飛行体をホバリング状態とするステップと、
前記無人飛行体をホバリング状態とした後、前記薬剤を前記巣の外面に付着させるステップと、
を含むことを特徴とする、蜂の巣の駆除方法。
【請求項2】
請求項1に記載の蜂の巣の駆除方法において、
前記殺虫成分は、レスメトリン、トラロメスリン、プラレトリン、エトフェンプロックス、シラフルオフェン、フィプロニル、イミダクロプリド、ホウ酸、ヒドラメチルノン、リチウムスルホネート、リチウムパーフルオロオクタンスルホネート及び1-メチル-2-ニトロ-3,3-テトラハイドロフリルメチルグアニジンから選ばれる1または2以上であることを特徴とする、蜂の巣の駆除方法。
【請求項3】
請求項2に記載の蜂の巣の駆除方法において、
前記薬剤は、前記殺虫成分を含有した食毒剤であることを特徴とする、蜂の巣の駆除方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば高所の蜂の巣の駆除方法に関し、特に、無人飛行体及び薬剤を使用して蜂の巣を駆除する技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、中国原産のツマアカスズメバチが外来生物として日本国内で発見されている。ツマアカスズメバチはどう猛で繁殖力が高い上に、日本在来種のミツバチを好んで襲うことが指摘されており、また、ツマアカスズメバチに刺されるとアナフィラキシーショックを発現する危険性があるので、早急な駆除が求められている。ツマアカスズメバチ以外の蜂についても危害を加える恐れのある蜂を駆除したいという要求は強い。
【0003】
蜂を駆除する方法としては、例えば特許文献1、2に開示されている方法が知られている。特許文献1では、蜂の攻撃目標となる振動音を発生させて蜂を誘き寄せ、その周囲に群がる蜂に熱水をかけて蜂を殺傷し、その後、蜂の巣の中に熱水を注水して巣内の蜂を駆除するようにしている。高所に巣がある場合には、支持竿を使用することが開示されている。また、特許文献2では、伸縮自在な主ポールの先端部にヒンジによって先端ポールを連結し、この先端ポールに殺虫スプレー缶を取り付けておき、遠隔操作によって殺虫スプレー缶のスプレーボタンを押下して殺虫剤を噴射するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5586802号公報
【特許文献2】実用新案登録第3188587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1、2では支持竿やポールを使用して高所の巣やその周りの蜂を駆除するようにしているが、そのような支持竿やポールは作業者が自らの手で持って支えた状態で操作しなければならないので、支持竿やポールの常識的な長さとしてはせいぜい5m~6m程度であると想定される。上述したツマアカスズメバチは、樹木の高い所に巣を作る習性を持っており、具体的には地面から8m~10m、もしくはそれ以上の高所に巣を作ることがあり、特許文献1、2の方法ではツマアカスズメバチを駆除することは困難ないし非現実的である。そこで、例えば高所作業車を用いた駆除作業を行うことが考えられるが、高所作業車を用いた場合には安全性の面で問題がある。
【0006】
また、ツマアカスズメバチは、高所作業車が乗り入れできないような場所(例えば人里離れた山奥)に蜂の巣を作る場合もある。ミツバチへの被害を考えるとそのような場所であっても速やかに駆除したいが、そもそもそのような場所では高所作業車を用いた作業ができないという問題もある。
【0007】
また、ツマアカスズメバチを含む蜂は、自然林の樹木のように枝が密集したところに巣を作ることもある。このような場合には、特許文献1、2のような支持竿やポールを使用したとしても、枝が邪魔になって支持竿やポールの先端を巣に到達させることができないし、高所作業車を使用したとしても、枝を切り落とさなければ到達することができず、蜂を速やかに駆除することができない。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、比較的高い所等に巣を作る蜂を、安全に、かつ、速やかに駆除できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明では、無人飛行体を使用して薬剤を蜂の巣に供給するようにした。
【0010】
第1の発明は、
蜂の駆除剤を噴射する方向を変更可能な無人飛行体を用いた蜂の巣の駆除方法であって、
前記巣の近傍で前記無人飛行体をホバリング状態とするステップと、
前記無人飛行体のホバリング中に前記駆除剤の噴射方向を変更するステップと、
前記駆除剤の噴射方向の変更後、前記駆除剤を噴射するステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
すなわち、無人飛行体は8m以上の高所まで飛行可能であるとともに、その飛行ルートは自在に設定可能であるので、例えば樹木の枝を避けるように飛行ルートを設定して蜂の巣の近傍や巣の上方あるいは下方まで飛行させることが可能になる。そして、無人飛行体に薬剤供給部が設けられているので、巣が8m以上の高所にある場合や枝の多い樹木にある場合であっても、蜂を駆除するための薬剤を巣に供給することが容易に行える。従って、従来のような支持竿、ポール、高所作業車を用いることなく、蜂を駆除することが可能になる。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、
前記無人飛行体を前記巣の下方まで飛行させて前記ホバリング状態にすることを特徴とする。
【0013】
第3の発明は、第2の発明において、
前記駆除剤の噴射方向を前記無人飛行体の上方にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明によれば、比較的高い所に巣を作る蜂を、安全に、かつ、速やかに駆除できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る蜂の駆除装置を上方から見た斜視図である。
図2】蜂の駆除装置の平面図である。
図3】蜂の駆除装置の左側面図である。
図4図2におけるIV-IV線断面図である。
図5】蜂の駆除装置の背面図である。
図6】蜂の駆除装置の正面図である。
図7】上方に薬剤を噴射して蜂を駆除する場合を説明する図である。
図8】下方に薬剤を噴射して蜂を駆除する場合を説明する図である。
図9】伸縮式筒状部材を装着した蜂の駆除装置を左後方から見た斜視図である。
図10】伸縮式筒状部材を装着した蜂の駆除装置を右後方から見た斜視図である。
図11】注入用アタッチメントを装着した蜂の駆除装置を左後方から見た斜視図である。
図12】注入用アタッチメントを装着した蜂の駆除装置を右後方から見た斜視図である。
図13】塗布用アタッチメントを装着した蜂の駆除装置を左後方から見た斜視図である。
図14】塗布用アタッチメントを装着した蜂の駆除装置を右後方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る蜂の駆除装置1の斜視図である。蜂の駆除装置1は、無人飛行体2と、無人飛行体2に設けられ、蜂を駆除するための薬剤を蜂の巣に供給する薬剤供給部3とを備えている。蜂の駆除装置1は、例えば樹木の枝や家屋の軒下等に作られている蜂の巣に対して薬剤を噴射、塗布、注入等して蜂を駆除する場合に使用されるものである。蜂の種類としては、例えば中国原産の外来種であるツマアカスズメバチ等を挙げることができるが、これに限られるものではなく、人間や在来種に危害を加える蜂を対象とすることができる。また、蜂の駆除装置1は、蜂の巣に対して薬剤を供給することを特徴としているが、供給方法としては、上述した噴射、塗布、注入の中から任意の1つを選択することができ、これら以外にも薬剤を落下もしくは滴下させることによって巣に対して供給することや、薬剤を巣に直接付着させることによって巣に供給することもできる。
【0018】
(無人飛行体の構成)
無人飛行体2は、機体20と、モーター23及び回転翼24を支持する4本のブーム21、21、…と、左右一対のスキッド22、22とを備えた、いわゆるマルチコプターである。この実施形態では、回転翼24が4つあるクアッドロータータイプのマルチコプターである場合について説明するが、これに限らず、回転翼24が4つよりも多いマルチコプターであってもよい。また、無人飛行体2は、地上の作業者が操作するコントローラーによって遠隔操作が可能に構成されるとともに、所定の飛行ルートを予め記憶させておくことでコントローラーによる操作を行うことなく、自動飛行することができるようにも構成されている。遠隔操作による飛行及び所定の飛行ルートに従った飛行は、従来から周知の手法によって実現することができるので、本実施形態では詳細な説明を省略する。
【0019】
図2等に示すように、機体20は無人飛行体2の中心部にレイアウトされており、この機体20から4本のブーム21が略水平方向に放射状に延びている。すなわち、機体20の前後左右方向を各図に示すように定義したとき、平面視で、機体20の右側から斜め前方及び斜め後方へそれぞれ右側のブーム21、21が延び、機体20の左側から斜め前方及び斜め後方へそれぞれ左側のブーム21、21が延びている。各ブーム21の先端部には、モーター23がそれぞれ固定されている。各ブーム21の内部には、モーター23に電力を供給するための電力供給用配線(図示せず)設けられている。この電力供給用配線は、機体20の内部から延びており、モーター23に接続されている。
【0020】
モーター23の回転軸(図示せず)は略鉛直方向に延びている。各モーター23の回転軸には回転翼24が固定され、モーター23によって回転翼24が回転駆動される。前側に設けられている2つの回転翼24、24は、機体20の左右方向に互いに間隔をあけて配置されており、また、後側に設けられている2つの回転翼24、24も同様に左右方向に互いに間隔をあけて配置されている。さらに、右側に設けられている2つの回転翼24、24は、機体20の前後方向に互いに間隔をあけて配置されており、また、左側に設けられている2つの回転翼24、24も同様に前後方向に互いに間隔をあけて配置されている。4つのモーター23は、右回転するものと左回転するものとがあり、これにより、互いの反力を打ち消すようにしている。
【0021】
尚、モーター23は、機体20に内蔵するように構成してもよい。このようにする場合には、図示しないが、機体20のモーター23の出力を回転翼24に伝達するための駆動軸や伝導ベルト等を用いればよい。
【0022】
スキッド22、22は、機体20の下部の左右両側に配設され、該機体20の下部から下方へ突出している。各スキッド22は取付部材22aによって機体20に取り付けられている。
【0023】
図4に示すように、機体20の内部には、薬剤が収容されたエアゾール容器3aと、エアゾール容器3aの薬剤を噴射状態と非噴射状態とに切り替える電磁切替弁3bと、制御装置28と、バッテリ29とが設けられている。エアゾール容器3a及び電磁切替弁3bは、上記薬剤供給部31の一部を構成するものであり、詳細は後述する。バッテリ29は、モーター23や制御装置28等の電力が必要な機器に電力を供給するためのものである。
【0024】
制御装置28は、上記4つのモーター23を個別に制御するとともに、上記電磁切替弁3b及び後述する姿勢変更部4も制御するためのものであり、例えば、中央演算処理装置(CPU)、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータで構成することができる。制御装置28には、図示しないが、ジャイロセンサー、加速度センサー、高度変化を捉えるための気圧センサー、方位を得るための磁気センサー、所定の対象物からの距離を得るための超音波センサー、所定の対象物の形状や色を認識するためのポジショニングカメラ、衛星から送信される信号を受信して位置を特定するためのGPSユニット等が接続されており、これらから出力される各信号が入力されるようになっている。
【0025】
また、制御装置28は、図示しないが通信装置も備えており、例えば、地上のコントローラーと無線通信することができるようになっている。無線通信の形式としては、例えばWi-FiやBluetooth等の規格を挙げることができるが、従来のラジオコントロールヘリコプターに使用されている周波数帯を利用することもできる。Wi-FiやBluetooth規格を使用する場合には、コントローラーとして、スマートフォンやタブレット端末を使用することができ、これら端末に専用のアプリケーションをインストールしておくことで機体20の制御装置28と通信することができる。また、機体20には、カメラ等の撮像装置を設けてもよい。撮像装置で撮影された画像は、通信装置を介して地上のコントローラーに送信することができ、地上の作業者がその画像を確認することができる。
【0026】
制御装置28は、ROM等に記憶されているプログラムに従って動作し、4つのモーター23の回転速度(単位時間当たりの回転数)を調整することで、無人飛行体2の姿勢を制御しながら、上昇、下降、前進、後退、左右方向への移動、ホバリング(所定高度で移動しない状態)等を行うことができるように構成されている。例えば、前後左右に移動する場合には、進行方向に位置するモーター23の回転速度を反進行方向に位置するモーター23の回転速度を低下させる制御を行う。また、無人飛行体2を鉛直線周りに回転させることもでき、例えば右回転させる場合には、右回転しているモーター23の回転速度を左回転しているモーター23の回転速度よりも低下させる制御を行えばよい。
【0027】
また、制御装置28は、地上のコントローラーの操作によって電磁切替弁3bを噴射状態と非噴射状態とに切り替えるように構成されている。電磁切替弁3bは、例えばエアゾール容器3aが有する弁体(図示せず)をソレノイドによって操作することで開放状態(噴射状態)と閉塞状態(非噴射状態)とに切り替えるように構成することができる。
【0028】
(薬剤の成分)
エアゾール容器3aに収容される薬剤としては、例えば蜂用の食毒剤や各種殺虫剤等を挙げることができ、これと一緒にジメチルエーテルなどの液化ガス、プロパン、ブタン、イソブタンなどの液化石油ガス、窒素ガス、圧縮空気、炭酸ガスなどの圧縮ガスなどを単独で、または混合して用いることができる。エアゾール容器内のガス圧力は、噴射剤の種類、飛距離、食毒剤の性状によって多少変わるが、通常、(20℃ゲージ圧0.2~0.6MPa)である。
【0029】
食毒剤は、殺虫成分と、糖類および/または動物性タンパク質とを含有してなるもの、殺虫成分と、発酵臭成分とを含有してなるもの等が挙げられる。殺虫成分としては、アレスリン、テトラメスリン、レスメトリン、フェノトリン、フラメトリン、ペルメトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、トラロメスリン、エンペントリン、プラレトリン、エトフェンプロックス、シラフルオフェンなどのピレスロイド系殺虫剤、フェニチオン、フェニトロチオン、テメホス、ホキシム、アセフェート、ピリダフェンチオン、ダイアジノン、マラチオン、プロチオホス、プロペタンホス、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、DDVPなどの有機リン系殺虫剤、NAC、ペンチオカルブ、プロポクスルなどのカーバメイト系殺虫剤、その他イミダクロブリド、メトキサジアゾン、フィプロニル及びその類縁化合物、ホウ酸、ヒドラメチルノン、リチウムスルホネート、リチウムパーフルオロオクタスルホネート、スルフルアミド、1-メチル-2-ニトロ-3,3-テトラハイドロフリルメチルグアニジンなどが挙げられる。これらは単独で、または混合して用いることができる。
【0030】
上記殺虫成分においては、忌避性が少なく、高い致死効果を有する観点から、レスメトリン、トラロメスリン、プラレトリン、エトフェンプロックス、シラフルオフェンなどのピレスロイド系殺虫剤、フィプロニル、イミダクロプリド、ホウ酸、ヒドラメチルノン、リチウムスルホネート、リチウムパーフルオロオクタンスルホネート、1-メチル-2-ニトロ-3,3-テトラハイドロフリルメチルグアニジン(MTI446)が好ましく、なかでも微量で殺虫力に優れる観点から、フィプロニル(化学名/5-アミノ-1-〔2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル〕-4-〔(トリフルオロメチル)スルフィニル〕-1H-ピラゾール-3-カルボニトリル)、1-メチル-2-ニトロ-3,3-テトラハイドロフリルメチルグアニジン(開発番号/MTI446)がより好ましい。
【0031】
糖類は、蜂のエネルギー源として使用できるものが好ましい。糖類としては、例えば、デンプンを原料として生成されるブドウ糖、マルトース、トレハロース、水あめ、還元水あめ、還元麦芽糖水あめ、直鎖オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、異性化糖、ソルビトール、エリスリトール、甘蔗、甜菜から得られる砂糖を原料として得られるパラチノース、フラクトオリゴ糖、乳糖を原料として得られる還元乳糖、異性化乳糖、ガラクトオリゴ糖、乳糖果糖オリゴその他、キシロール、キシリトール、果糖、マンニトール、カップリングシュガー、パラチニット、大豆オリゴ糖、キシロオリゴ糖などが挙げられる。無論、一般的なショ糖、グラニュー糖、三温糖、蜂蜜、黒砂糖、黒蜜なども糖類として挙げられる。なかでも、入手のしやすさ、溶解性、甘味度、誘引性の観点から、ブドウ糖、マルトース、トレハロース、水あめ、オリゴ糖、乳糖、キシリトール、カップリングシュガー、ショ糖、グラニュー糖、三温糖、蜂蜜、黒砂糖、黒蜜が好ましい。
【0032】
動物性タンパク質は、蜂が幼虫の餌(タンパク源)として使用できるものが好ましい。蜂が幼虫の餌(タンパク源)として使用できる植物性タンパク質を併用してもよい。動物性タンパク質または植物性タンパク質としては、例えばアクチン、アルブミン、カゼイン、フィブリン、フィブリノーゲン、ケラチン、グロブリン(α、β、γ)、ヘモグロビン、ラクトグロブリン、ミオジン、ペプシン、ホスホリラーゼ、リボヌクレアーゼ、リボヌクレアーゼグロブリン(α、β、γ)、ゼラチン、コラーゲン、ラクトグロブリンなど多くのものを挙げることができる。なかでも、蜂の誘引物として有効である観点から、例えば、ハエ、セミ、バッタ、カマキリ、コオロギ、ゴキブリ、ドウガネブイブイ、アシナガバチ、スズメバチ、ミツバチ、チョウ、ガ、蚊、アリ、カメムシ、クモ、オキアミなどの昆虫類などの成虫、サナギまたは幼虫、牛、馬、ウサギ、鶏、カエル、魚類、貝殻類、卵などが好ましく、その中でも、蜂の誘引性が非常に高い観点から、ハエ、セミ、バッタ、カマキリ、コオロギ、ゴキブリ、ドウガネブイブイ、アシナガバチ、スズメバチ、ミツバチ、チョウ、ガ、蚊、アリ、カメムシ、クモなどの昆虫類などの成虫、サナギ、幼虫、およびその体液がより好ましい。また、それらの成分は、蜂が幼虫の餌として、肉団子状に噛みほぐしたものを与えることが多いので、ゴキブリやアリ用の餌として用いられるような乾燥粉末ではなく、液状もしくはペースト状に加工されたものであることが望ましい。蜂が好んで捕食する、例えば、キノコ類であるシラタマタケなどの含有粘液のタンパク質、イチジク、ブドウなどの果樹の熟成果実や、クヌギ、コナラなどの樹液の糖類を用いることも好ましい。
【0033】
食毒剤における殺虫成分の含有量は、蜂の致死効果を確実にし、速効性よりも幾分遅効性よりの効果を有して蜂が巣に食毒剤を持ち帰り巣内の他の蜂に与える時間を有し、人畜や益虫への安全面や使用者への経済面を充分に考慮する観点から、食毒剤中に0.0001~40重量%が好ましく、0.001~15重量%がより好ましい。また、フィプロニル、1-メチル-2-ニトロ-3,3-テトラハイドロフリルメチルグアニジンは0.0001~5重量%が好ましい。
【0034】
食毒剤における糖類の含有量は、その甘味度や対象とする蜂によっても変わるが、5~80重量%が好ましく、5~50重量%がより好ましい。食毒剤が液剤もしくは粘性剤であって、誘引剤として使用する場合は、10~60重量%が好ましく、10~40重量%がより好ましい。食毒剤における動物性タンパク質の含有量は、液剤や粘性剤などの製剤化の観点から5~80重量%が好ましく、10~50重量%がより好ましい。
【0035】
また、発酵臭成分とは、発酵したときに発酵臭を構成する成分のことをいう。発酵臭とは、例えば、酵母や細菌などの微生物によって有機物が分解される時に発せられる臭気である。発酵臭成分としては、例えば、アルコール、アルデヒド、ケトン、酸、エステル、炭化水素、ラクトン、硫黄化合物、フランなどが挙げられる。さらに、具体的には、エタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、ベンジルアルコール、2,4-ヘキサジエノールなどアルコール類、アセトアルデヒド、ジメチルプロパナール、メチルブタナール、ペンタナール、ヘキサナール、ヘプタナール、ジオクテナール、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒドなどアルデヒド類、アセトン、メチルエチルケトン、アセトイン、2,3-ブタネジオン、2-ペンタノン、3-ペンテン-2-オン、3-ヒドロキシ-3-ペンタノン、2,3-ペンタネジオン、2-ヘキサノン、2-ヘプタノン、2-ノナノン、2-ウンデカノンなどケトン類、ぎ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、ピルビン酸、酪酸、イソ吉草酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、安息香酸など酸類、ペンタン、メチルシクロペンタンなど炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、安息香酸メチル、カプロン酸エチル、酢酸イソアミル、ヘプチルブチレート、2,4-ヘキサジニルブチレート、オクチルブチレート、クロトン酸-2,4-ヘキサジエニル、2-メチル酪酸-2,4-ヘキサジエニル、酪酸-(Z)-3-ヘキセニル、酪酸-2,4-ヘキサジエニル、酪酸ノニル、酪酸ヘプチル、酪酸オクチル、2-ヘプチン酸-3-ブチニル、2-ヘプチン酸イソペンチル、ピバリン酸オクチル、クロノン酸-2-メチルペンチル、2-ヘプチン酸ペンチル、また、プロピオン酸エステル、イソ酪酸エステルなどエステル類、γ-バレロラクトン、δ-カプロラクトン、δ-オクタラクトン、δ-トリデカラクトンなどラクトン類、メチルチオメタン、メチルジチオメタン、メチルスルフォニルメタンなど硫黄化合物、2-プロピルフラン、2-ペンチルフラン、2-ヘキシルフラン、フルフラン、2,5-ジメチルフランフルフラン、5-メチルフルフラル、2-アセチルフラン、2-フランプロパノール、2-プロパノイルフラン、フルフリルアルコールなどフラン類などが例示できる。
【0036】
発酵の例としては、アルコール発酵、アセトン-ブタノール発酵、乳酸発酵、酪酸発酵、メタン発酵、水素発酵などの酸素を必要としない発酵と、酢酸発酵、グルコン酸発酵、クエン酸発酵、フマル酸発酵およびコハク酸発酵、コウジ酸発酵などの酸化発酵があげられる。その中でも特にアルコール発酵、乳酸発酵、酢酸発酵による発酵臭が好ましい。発酵臭成分は、蜂の誘引性を高める観点から、食毒剤の適用時および/または使用期間中に、発酵して発酵臭を有するものが好ましい。
【0037】
食毒剤には、巣への付着性を向上させるために、補助剤として粘着成分を配合してもよい。補助剤としては、例えば、カラギーナン、寒天、ゼラチン、ジュランガム、ローカストビンガム、キサンタンガム、でんぷん粉、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、アラビアゴムなどが挙げられる。
【0038】
また、本発明の食毒剤には、その他の補助成分として、安定化剤、防腐剤、色素、共力剤、香料などを効果に支障がない範囲で配合することができる。例えば、安定化剤としては、乳酸カルシウム、塩化カルシウムなどが挙げられる。また、防腐剤としては、ソルビン酸、ソルビン酸塩、パラオキシ安息香酸エステルなどが挙げられる。共力剤としてはS-421、サイネピリンなどが挙げられる。
【0039】
(薬剤供給部の構成)
薬剤供給部3は、上記エアゾール容器3a及び電磁切替弁3bの他に、筒状部材31と、噴射用アタッチメント(噴射用器具)32とを備えている。筒状部材31は、薬剤の通路を構成するものであり、例えば樹脂材等からなる管で構成することができる。この筒状部材31は、例えば何かに衝突したときに屈曲する可撓性を有していることが好ましい。
【0040】
筒状部材31は、前側に設けられている2つの回転翼24、24の間から回転翼24、42よりも無人飛行体2の外方へ突出するように配置されており、図3に仮想線で示すように、突出方向先端側が無人飛行体2よりも上に位置する姿勢と、突出方向先端側が無人飛行体2よりも下に位置する姿勢との間で変更することができるようになっている。筒状部材31の長さは、例えば50cm以上に設定することができる。筒状部材31の基端部には、エアゾール容器3aの電磁切替弁3bから流出する薬剤が図示しない配管を介して導入されるようになっている。
【0041】
噴射用アタッチメント32は、筒状部材31の先端部に着脱可能に取り付けられている。着脱可能な構造としては、例えばネジを用いた構造やバンドによる締め付け構造等を挙げることができるが、これらに限られるものではなく、各種の着脱構造を用いることができる。噴射用アタッチメント32は、筒状部材31の内部を流通した薬剤を霧状、若しくは細かな粒状にして噴射させるための噴射口32aを有しており、噴射剤の圧力によって薬剤を噴射口32aから少なくとも1m以上離れたところまで噴射させることができるようになっている。
【0042】
(姿勢変更部の構成)
この実施形態では、筒状部材31の姿勢を変更する姿勢変更部4が無人飛行体2に設けられている。姿勢変更部4は機体20の前部に配設されており、筒状部材31の基端部を支持し、筒状部材31を機体20の左右方向に延びる水平軸周りに回動させる回動機構4a(図4に示す)を備えている。回動機構4aは、例えばサーボモーター等からなり、制御装置28から出力される信号によって制御されて、図3に仮想線で示すように筒状部材31の姿勢を変更し、変更後には筒状部材31を固定しておくことができる。回動機構4aによる回動角度は180°に設定されているが、これに限られるものではない。
【0043】
(蜂の駆除方法)
次に、上記のように構成された蜂の駆除装置1を使用した蜂の駆除方法について説明する。図7に示すように、蜂(ツマアカスズメバチ)の巣が樹木の枝に作られている場合を想定する。この巣の高さは地面から8m以上である。また、巣の周りには多くの枝が密集している。
【0044】
まず、無人飛行体2を地上からコントローラーによって操作して蜂の巣の下方まで飛行させてホバリング状態にする。このとき、無人飛行体2のカメラによって周囲の枝をコントローラー上で視認しながら無人飛行体2を巣にできるだけ接近させるのであるが、図示するように、巣の周りの枝が邪魔になって無人飛行体2を巣からある程度離さざるを得ない。
【0045】
ホバリング状態でコントローラーを操作して筒状部材31の姿勢を姿勢変更部4によって変更する。すなわち、図示しないが、コントローラー上にある上方移動ボタンまたは下方移動ボタンを操作することで、姿勢変更部4が筒状部材31を上または下に回動させる。噴射口32aが巣に向くまで筒状部材31の姿勢を変更する。図7の場合では、無人飛行体2を巣の下方にしか配置できなかったので、筒状部材31が上に向くようにする。その後、コントローラー上にある噴射開始ボタンを操作する。これにより、非噴射状態にあった電磁切替弁3bが噴射状態に切り替えられてエアゾール容器3b内の食毒剤が筒状部材31を流通して噴射口32aから巣に向けて噴射されて巣に供給される。食毒剤は、主に巣の外面に付着することになる。
【0046】
尚、この実施形態では、姿勢変更部4を電動式としているが、これに限らず、手動式であってもよい。手動式の場合、例えば飛行前に筒状部材31の姿勢を作業者が手で変更して固定しておき、その状態で飛行を開始して噴射口32aを巣に向けるようにする。
【0047】
ここで、蜂は、植物の繊維と体内に含まれる唾液物質(タンパク質)とを混合して得られる巣材を用いて、釣り鐘状の巣を形成し、その巣上に付着したものは、必ず蜂が調査除去するという生態的特徴を有している。また、巣を拡張する場合、巣の外皮内面側をけずりとり巣内部のコロニー(六角形部屋)をつくるという生態的特徴を有している。したがって、蜂の巣上に食毒剤を付着させると、蜂は餌と認識し、それを舐めると共に巣内の他の蜂に与える行動から、巣内の蜂全体に殺虫成分を行きわたらせ、巣内の蜂を致死させることにより、蜂を駆除することが可能である。また、蜂が巣の内部を再建する際、食毒剤が付着した巣の外皮を噛み砕き、それを巣の内部の巣材として利用することから、巣全体に食毒剤をいきわたらせることが可能である。このように、食毒剤を用いると、巣内の蜂を駆除できるという効果を有する。
【0048】
また、図8に示すように、無人飛行体2を巣の上方にしか配置できない場合には、筒状部材31が下に向くようにする。その後、コントローラー上にある噴射開始ボタンを操作すればよい。
【0049】
また、無人飛行体2の飛行ルートは、作業者が上述したようにコントローラーによってリアルタイムに設定すること以外にも、予め目標点や経由点の座標を入力することで飛行ルートを設定して制御装置28に記憶させておくようにしてもよい。この場合、飛行ルートを記憶させた後に、設定した通りの飛行ルートを無人飛行体2が飛行する。
【0050】
また、無人飛行体2を蜂の巣の直上方まで飛行させて噴射口32aが下に向くように筒状部材31の姿勢を変更し、食毒剤を落下、滴下、流下させるようにしてもよい。また、無人飛行体2を蜂の巣の直下方まで飛行させて噴射口32aが上に向くように筒状部材31の姿勢を変更して食毒剤を上方へ噴射させるようにしてもよい。
【0051】
また、筒状部材31の姿勢を変更しながら食毒剤を噴射させるようにしてもよい。これにより、食毒剤の噴射範囲を拡大することができるので、大きな巣であっても食毒剤を広範囲に供給することができる。
【0052】
(実施形態の効果)
以上説明したように、この実施形態によれば、無人飛行体2が8m以上の高所まで飛行できるとともに、その飛行ルートを自在に設定できるので、例えば樹木の枝を避けるように飛行ルートを設定して蜂の巣の近傍や巣の上方あるいは下方まで飛行させることができる。そして、その無人飛行体2に薬剤供給部3が設けられているので、蜂の巣が8m以上の高所にある場合や枝の多い樹木にある場合であっても、蜂を駆除するための薬剤を巣に供給することが容易にできる。従って、従来のような支持竿、ポール、高所作業車を用いることなく、比較的高い所に巣を作る蜂を、安全に、かつ、速やかに駆除できる。
【0053】
また、無人飛行体2をマルチコプターとし、薬剤供給部3を複数の回転翼24、24の間から突出させて無人飛行体2よりも上に位置する姿勢とすることができるので、例えば樹木の枝にぶら下がるようにして作られた巣や軒下に作られた巣に薬剤を供給できる。
【0054】
また、薬剤供給部3の姿勢を変化させることができるので、実際に作られている蜂の巣の態様に応じて柔軟に駆除することができる。
【0055】
また、薬剤を噴射することができるので、例えば木の枝が密集していて無人飛行体2が接近できない所にある蜂の巣にも薬剤を供給することができる。
【0056】
また、薬剤を蜂の巣に塗布または注入することができるので、周囲への影響を無くすことができるとともに、薬剤を効率的に使用できる。
【0057】
図9及び図10に示すように、薬剤供給部3の筒状部材31を伸縮自在に構成してもよい。伸縮自在に構成された筒状部材31は、基端側から先端側に順に配置される複数の筒部31a、31b、31c、31dを連結することによって構成されており、先端側の筒部31dを筒部31cに収容すること、筒部31cを筒部31bに収容すること、筒部31bを筒部31aに収容することによって筒状部材31の長さを短くすることが可能になる。筒状部材31の長さは無段階に調整できる。
【0058】
また、図11及び図12に示すように、注入用アタッチメント(注入用器具)33を筒状部材31に着脱可能に設けることができ、また、図13及び図14に示すように、塗布用アタッチメント(塗布用器具)34を筒状部材31に着脱可能に設けることができる。つまり、この実施形態では、蜂の巣に対して薬剤を噴射する噴射用アタッチメント32の他に、蜂の巣に対して薬剤を塗布する塗布用アタッチメント34及び蜂の巣に対して薬剤を注入する注入用アタッチメント33の中から任意の1つの選択し、筒状部材31に着脱することができる。注入用アタッチメント33及び塗布用アタッチメント34の着脱構造は、噴射用アタッチメント32の着脱構造と同じ構造である。
【0059】
塗布用アタッチメント34は、例えば刷毛や布材等で構成することができる。塗布用アタッチメント34に食毒剤を予め付着させてから無人飛行体2を飛行させ、塗布用アタッチメント34を蜂の巣に接触させることによって食毒剤を蜂の巣に供給できる。その他にも、エアゾール容器3b内の食毒剤を噴射して塗布用アタッチメント34に付着させて使用することもできる。
【0060】
注入用アタッチメント33は注射針のような部材からなるものである。注入用アタッチメント33の先端側を蜂の巣に刺した状態でエアゾール容器3b内の食毒剤を噴射することで、巣の内部に食毒剤を確実に供給することができる。無人飛行体2の移動によって注入用アタッチメント33を蜂の巣に刺すことができる。
【0061】
また、上記実施形態では、エアゾール容器3a及び電磁切替弁3bを設けているが、これらを省略し、例えば、筆、刷毛、布材等からなる塗布用アタッチメント34に薬剤を予め付着乃至含浸させておき、この塗布用アタッチメント34を蜂の巣に接触させることによって薬剤を蜂の巣に供給するようにしてもよい。
【0062】
また、薬剤供給部3によって無人飛行体2の重量バランスが崩れることを防ぐために、カウンターウエイト(錘)を適宜設けてもよい。なお、上記実施形態では、姿勢変更部4によって筒状部材31の姿勢を変更可能としているので、当該姿勢変更によって重量バランスが崩れることも考えられる。この場合、筒状部材31の姿勢に応じて、上記カウンターウエイトの位置を自動または手動により変更可能としてもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、無線で無人飛行体2を遠隔操作可能にしているが、これに限らず、例えば有線によって遠隔操作可能に構成してもよい。この場合、コントローラーと無人飛行体2とを接続する信号線(図示せず)を設ければよい。
【0064】
また、バッテリ29を省略して地上から無人飛行体2に電力を供給するようにしてもよい。この場合、地上から無人飛行体2まで延びる電力供給ケーブルを設ければよい。バッテリ29を省略できるので、無人飛行体2を小型化及び軽量化できる。
【0065】
また、薬剤を地上から無人飛行体2に薬剤を供給するようにしてもよい。この場合、地上から無人飛行体2まで延びる薬剤供給チューブを設ければよい。エアゾール容器3a及び電磁切替弁3bを省略できるので、無人飛行体2を小型化及び軽量化できる。
【0066】
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0067】
以上説明したように、本発明に係る蜂の駆除装置及び蜂の駆除方法によれば、高所にある蜂の巣に薬剤を供給して蜂を駆除する場合に使用することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 蜂の駆除装置
2 無人飛行体
3 薬剤供給部
4 姿勢変更部
24 回転翼
32 噴射用アタッチメント(噴射用器具)
33 注入用アタッチメント(注入用器具)
34 塗布用アタッチメント(塗布用器具)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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