(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005695
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】海苔束製造ライン
(51)【国際特許分類】
A23L 17/60 20160101AFI20240110BHJP
【FI】
A23L17/60 103F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105994
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】392024699
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100086092
【弁理士】
【氏名又は名称】合志 元延
(72)【発明者】
【氏名】川島 一美
【テーマコード(参考)】
4B019
【Fターム(参考)】
4B019LP17
4B019LT73
4B019LT75
4B019LT76
4B019LT77
4B019LT78
4B019LT79
4B019LT80
(57)【要約】
【課題】第1に、折曲海苔束,平海苔束のいずれの形態にも、結束,製造,対応可能であり、第2に、配置面,スペース面,作業性にも優れ、第3に、しかもこれが容易に実現される、海苔束製造ラインを提案する。
【解決手段】この海苔束製造ラインの集束装置4は、平海苔aをカウント集束,積層,整列して、平海苔aの束Aとして搬出する。搬送装置5は、搬出された平海苔aの束Aを、折曲装置6に向けて搬送する。積上押出装置8は、搬送装置5に付設され、平海苔aの束Aを途中で、積み上げ可能な積上部10と、平結束装置9に向けて押し出し可能な押出部11とを、備えている。折曲装置6は、搬入された平海苔aの束Aを折曲する。折曲結束装置7は、折曲された複数束を一束の折曲海苔束Bとして結束する。平結束装置9は、積上押出装置8にて押し出された束Aの平海苔aを、一束の平海苔束Cとして結束する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海苔の生産工程で使用される海苔束製造ラインであって、集束装置,搬送装置,積上押出装置,折曲装置,折曲結束装置,平結束装置を、有しており、
該集束装置は、平海苔をカウント集束,積層,整列し、もって平海苔の束として搬出し、該搬送装置は、搬出された平海苔の束を該折曲装置に向けて搬送し、
該積上押出装置は、該搬送装置に付設され、平海苔の束を途中で、積み上げ可能な積上部と、該平結束装置に向けて押し出し可能な押出部とを、備えており、
該折曲装置は、搬入された平海苔の束を二つ折りに折曲し、該折曲結束装置は、折曲された複数束を一束の折曲海苔束として結束し、
該平結束装置は、押し出された束の平海苔を一束の平海苔束として結束すること、を特徴とする海苔束製造ライン。
【請求項2】
請求項1において、該積上押出装置の該積上部は、平海苔の束を、複数束積載可能,昇降動可能,積み上げ可能であり、該押出部は、平海苔の束を、該搬送装置の搬送方向に対し交叉方向に押し出し可能であること、を特徴とする海苔束製造ライン。
【請求項3】
請求項2において、該集束装置は、枚数10枚,20枚,25枚,50枚,100枚から選択設定された枚数の平海苔の束を搬出し、
該折曲装置は、搬入された枚数10枚の平海苔の束を折曲し、該折曲結束装置は、折曲された枚数10枚の束10帖を一束の折曲海苔束として結束し、該平結束装置は、押し出された枚数20枚,25枚,又は50枚の平海苔の束を、一束の枚数50枚又は100枚の平海苔束として結束すること、を特徴とする海苔束製造ライン。
【請求項4】
請求項2において、該搬送装置は、該集束装置迄の直線的ライン方向に対し、側方の交叉方向にレイアウトされており、平海苔の束は、それ迄の向きを変えずに該搬送装置へと横出し搬出されること、を特徴とする海苔束製造ライン。
【請求項5】
請求項2において、該搬送装置は、該集束装置迄の直線的ライン方向に続き、同方向前方へとレイアウトされており、平海苔の束は、それ迄の向きを90度程度変えて該搬送装置へと直出し搬出されること、を特徴とする海苔束製造ライン。
【請求項6】
請求項4又は5において、製造ラインは更に集積装置を有しており、該集積装置は、該折曲結束装置の後段に設けられ、多数束の結束された折曲海苔束を収納すること、を特徴とする海苔束製造ライン。
【請求項7】
請求項4又は5において、製造ラインは更に集積装置を有しており、該集積装置は、該平結束装置の後段に設けられ、多数束の結束された平海苔束を収納すること、を特徴とする海苔束製造ライン。
【請求項8】
請求項7において、該平結束装置と該集積装置との間に、集積用積上押出装置が配設されており、該集積用積上押出装置は、該平結束装置からの複数束の平海苔束を積み上げる積上部と、積み上げられた平海苔束を該集積装置へと押し出す押出部とを、備えていること、を特徴とする海苔束製造ライン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海苔束製造ラインに関する。すなわち、海苔の生産工程で使用され、折曲海苔束,平海苔束のいずれも結束,製造,対応できる、海苔束製造ラインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
《技術的背景》
海苔の生産工程では、生海苔摘採,水洗,抄き,脱水、乾燥等の前工程の後、反転,検査,集束,折曲,結束等の後工程を辿って、海苔が生産されて出荷される。
すなわち後工程において、検査された平海苔は、例えば10枚等の束としてカウント集束された後、二つ折りに折曲されてから、折曲海苔束として結束され出荷されていた。
このような従来例1に対し、平海苔の束を折曲,結束することなく、平らに広げた平海苔のまま平海苔束として結束,出荷する従来例2も、マーケットニーズにより増加しつつある。50枚や100枚の平海苔束として、結束,出荷する従来例2も需要が増加してきている。
すなわち、生産,出荷された海苔は、事後、2次乾燥そして焼き海苔,味付け海苔等の2次加工に、供されることも多い。
そしてその際、前述した折曲海苔束として結束していた従来例1については、結束を解き折曲を再度伸ばし、元の平海苔として2次乾燥,2次加工に供されていた。これに対し、このような伸ばす手間を省くべく、伸ばしたままの平海苔束として結束,出荷する従来例2も多くなってきている。
【0003】
《従来技術》
従来例1の海苔束製造ラインについては、次のとおり。
図3に示したように、乾燥装置1から排出された平海苔aは、1枚ずつ反転装置2,検査装置3を順に辿り、集束装置4で10枚等の束Aとしてカウント集束された後、搬送装置5へと搬出される。
そして搬送装置5は、
図3の(1)図の横出しタイプでは、これ迄の直線的ライン方向Lに対し側方の交叉方向Mに搬送方向Nを向けて、レイアウトされていた。
図3の(2)図の直出しタイプでは、直線的ライン方向Lと同方向前方へと搬送方向Nを向けて、レイアウトされていた(横出しタイプ,直出しタイプについては、後述)。
それから、平海苔aの束Aは、折曲装置6へと搬送されて、二つ折りに折曲された後、折曲結束装置7にて10帖を一束の折曲海苔束Bとして結束され、出荷されていた。図中、16は集積装置、Sは箱詰めスペースである。
従来技術では、このように折曲海苔束Bとして、折曲,結束,出荷する従来例1専用の海苔束製造ラインが、普及していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
上述した従来例1に関する従来技術としては、例えば次の特許文献1,2中に示されたものが挙げられる。又、次に述べる従来例2に関する従来技術としては、例えば次の特許文献3,4中に示されたものが挙げられる。
【特許文献1】特開2021-122211号公報
【特許文献2】特開2021-177720号公報
【特許文献3】特開2006-101809号公報
【特許文献4】特開2006-101810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
《問題点》
ところで、このような従来技術については、次の問題が課題として指摘されていた。
折曲海苔束B,平海苔束C(
図8を参照)のいずれも、結束,製造,対応できる海苔束製造ラインの開発が、課題となっていた。
すなわち、海苔の生産工程用の全体スペースには限界があり、海苔束製造ラインが配される建屋も、設置スペースに制限がある。
そこで、前述した普及している既存の従来例1用、つまり折曲海苔束B用の海苔束製造ラインを利用し、その配置を大幅変更することなく、需要増が著しい従来例2の平海苔束C用にも対応できる、海苔束製造ラインの開発が待たれていた。
【0006】
因に、このような従来技術としては、前記した特許文献3,4が開発されていた。特許文献4を組み込んだ特許文献3は、
図3に示した従来例1の海苔束製造ラインを利用して、従来例2にも対応せんとする。
すなわち特許文献3は、集束装置内部に、平海苔の束の搬出方向転換装置(コンベア)を設け、一方搬出側に、折曲装置,折曲結束装置を接続し、他方搬出側に、平海苔束束ね装置(平結束装置)を接続した構成よりなる(その
図1を参照)。
しかしながら、この特許文献3については、既存の従来例1の海苔束製造ラインについて、配置の大幅変更を要していた。建屋の大改造を要していた。平海苔束ね装置を配置する分だけ、乾燥装置と製造ライン間に、長い距離,広い設置スペースが余分に必要となっていた。
又、この特許文献3では、折曲結束装置と平結束装置間が離れて配置されるので、出荷用の箱詰め作業用に広い箱詰めスペースSが必要となっていた。それぞれに集積装置を設けた場合は、各々の取り出し箇所が遠く離れてしまい、作業性が悪かった。
そこで、折曲海苔束B,平海苔束Cのいずれにも対応可能な、新たな構成の海苔束製造ラインの開発が課題となっていた。
【0007】
《本発明について》
本発明の海苔束製造ラインは、このような実情に鑑み、上記従来技術の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、第1に、折曲海苔束,平海苔束のいずれの形態にも、結束,製造,対応可能であり、第2に、配置面,スペース面,作業性にも優れ、第3に、しかもこれが容易に実現される、海苔束製造ラインを提案することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
《各請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、特許請求の範囲に記載したように、次のとおりである。
請求項1については、次のとおり。
請求項1の海苔束製造ラインは、海苔の生産工程で使用される。そして集束装置,搬送装置,積上押出装置,折曲装置,折曲結束装置,平結束装置を、有している。
該集束装置は、平海苔をカウント集束,積層,整列し、もって平海苔の束として搬出する。該搬送装置は、搬出された平海苔の束を、該折曲装置に向けて搬送する。
該積上押出装置は、該搬送装置に付設され、平海苔の束を途中で、積み上げ可能な積上部と、該平結束装置に向けて押し出し可能な押出部とを、備えている。
該折曲装置は、搬入された平海苔の束を、二つ折りに折曲する。該折曲結束装置は、折曲された複数束を一束の折曲海苔束として結束する。
該平結束装置は、押し出された束の平海苔を、一束の平海苔束として結束すること、を特徴とする。
【0009】
請求項2については、次のとおり。
請求項2の海苔束製造ラインは、請求項1において、次のとおり。
該積上押出装置の該積上部は、平海苔の束を、複数束積載可能,昇降動可能,積み上げ可能である。該押出部は、平海苔の束を、搬送方向に対し交叉方向に押し出し可能であること、を特徴とする。
請求項3については、次のとおり。
請求項3の海苔束製造ラインは、請求項2において、次のとおり。
該集束装置は、枚数10枚,20枚,25枚,50枚,100枚から選択設定された枚数の平海苔の束を搬出する。
該折曲装置は、搬入された枚数10枚の平海苔の束を折曲する。該折曲結束装置は、折曲された枚数10枚の束10帖を、一束の折曲海苔束として結束する。
該平結束装置は、押し出された枚数20枚,25枚,又は50枚の平海苔の束を、一束の枚数50枚又は100枚の平海苔束として結束すること、を特徴とする。
【0010】
請求項4については、次のとおり。
請求項4の海苔束製造ラインは、請求項2において、次のとおり。
該搬送装置は、該集束装置迄の直線的ライン方向に対し、側方の交叉方向にレイアウトされている。平海苔の束は、それ迄の向きを変えずに該搬送装置へと横出し搬出されること、を特徴とする。
請求項5については、次のとおり。
請求項5の海苔束製造ラインは、請求項2において、次のとおり。
該搬送装置は、該集束装置迄の直線的ライン方向に続き、同方向前方へとレイアウトされている。平海苔の束は、それ迄の向きを90度程度変えて該搬送装置へと直出し搬出されること、を特徴とする。
【0011】
請求項6については、次のとおり。
請求項6の海苔束製造ラインは、請求項4又は5において、次のとおり。
海苔束製造ラインは、更に集積装置を有している。該集積装置は、該折曲結束装置の後段に設けられており、複数束の結束された折曲海苔束を収納すること、を特徴とする。
請求項7については、次のとおり。
請求項7の海苔束製造ラインは、請求項4又は5において、次のとおり。
海苔束製造ラインは、更に集積装置を有している。該集積装置は、該平結束装置の後段に設けられており、複数束の結束された平海苔束を収納すること、を特徴とする。
請求項8については、次のとおり。
請求項8の海苔束製造ラインは、請求項7において、次のとおり。
該平結束装置と該集積装置間に、集積用積上押出装置が配設されている。該集積用積上押出装置は、該平結束装置からの複数束の平海苔束を積み上げる積上部と、積み上げられた平海苔束を該集積装置へと押し出す押出部とを、備えていること、を特徴とする。
【0012】
《作用等について》
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)海苔束製造ラインでは、集束装置から搬送装置に、平海苔の束が搬出される。
(2)平海苔の束は、搬送装置で搬送されると共に、積上押出装置にて途中で積み上げ可能、押し出し可能となっている。
(3)積上押出装置を通過した平海苔の束は、折曲装置にて二つ折りに折曲され、折曲結束装置にて折曲海苔束として結束されて、集積装置に収納される。
(4)これに対し、積上押出装置にて押し出された平海苔の束は、平結束装置にて平海苔束として結束されて、集積装置に収納される。
(5)本発明の海苔束製造ラインは、このように2種の海苔束、つまり折曲海苔束,平海苔束のいずれの形態にも結束,製造,対応可能である。そして、搬送装置に平結束装置への積上押出装置を付設したレイアウトを、特徴とする。
(6)もって、折曲海苔束用の海苔束製造ラインについて、配置の大幅変更や建屋の大改造を要することなく、平海苔束用に対応可能である。
(7)すなわち横出しタイプでは、側方にレイアウトされた搬送装置の途中から、交叉方向に平結束装置,集積装置等がレイアウトされる。
(8)直出しタイプでは、前方にレイアウトされた搬送装置の途中から、交叉方向に平結束装置,集積装置等が、レイアウトされる。
(9)従って、追加される平海苔束の結束,製造用に、広いスペースは要求されない。又、折曲結束装置,集積装置と、平結束装置,集積装置とが、近接配置されるので、2種の海苔束つまり折曲海苔束,平海苔束の出荷用箱詰め作業も容易である。
(10)本発明は、既存の従来よりの折曲海苔束用の海苔束製造ラインを利用し、平海苔束用の装置を追加することにより、容易に平海苔束に対応可能である。
【発明の効果】
【0013】
《第1の効果》
第1に、折曲海苔束,平海苔束のいずれの形態にも、結束,製造,対応可能である。
本発明の海苔束製造ラインは、集束装置と折曲装置間の搬送装置に、平結束装置への積上押出装置を付設したレイアウトを、特徴とする。
もって、折曲装置,折曲結束装置にて、折曲海苔束を結束、製造可能であると共に、平結束装置にて、平海苔束を結束,製造可能である。このように、2種の海苔束の結束を同じ作業場で行えるようになる。
【0014】
《第2の効果》
第2に、配置面,スペース面,作業性にも優れている。
本発明の海苔束製造ラインは、搬送装置に平結束装置への積上押出装置を付設したレイアウトを、特徴とする。
そこで、従来より用いられている折曲海苔束用の海苔束製造ラインについて、配置の大幅変更や建屋の大改造を要することなく、平海苔束用として対応可能である。乾燥装置と海苔束製造ライン間に、広い配置スペースを要することもない。
折曲結束装置と平結束装置が近接配置されるので、出荷用箱詰めに際し、2種の海苔束用に作業スペース,箱詰めスペースがより広がることもない。それぞれ集積装置を設けた場合も、2種の海苔束の取り出し箇所も接近しており、作業性に優れている。
【0015】
《第3の効果》
第3に、しかもこれは、容易に実現される。
本発明の海苔束製造ラインは、既存の折曲海苔束用の海苔束製造ラインを利用し、平海苔束用の装置を追加するレイアウトにより、平海苔束用としても対応可能となる。この海苔束製造ラインは、構成追加により容易に実現可能である。
このように、この種従来技術に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る海苔束製造ラインについて、発明を実施するための形態の説明に供し、横出しタイプの構成ブロック図である。そして(1)図は、折曲海苔束の結束時を示し、(2)図は、平海苔束の結束時を示す。
【
図2】同発明を実施するための形態の説明に供し直出しタイプの構成ブロック図である。そして(1)図は、折曲海苔束の結束時を示し、(2)図は、平海苔束の結束時を示す。
【
図3】従来例の海苔束製造ラインの説明に供し、構成ブロック図である。そして(1)図は、横出しタイプの折曲海苔束の結束時を示し、(2)図は、直出しタイプの折曲海苔束の結束時を示す。
【
図4】同発明を実施するための形態の説明に供し、集束装置,搬送装置,積上押出装置等を示す。そして(1)図は、側面図(直出しタイプでは正面図)、(2)図は、平面図である。
【
図5】同発明を実施するための形態の説明に供し、積上押出装置を示す。そして(1)図は、正面図(直出しタイプでは側面図)、(2)図は、側面図(直出しタイプでは正面図)である。
【
図6】同発明を実施するための形態の説明に供し、集積用積上押出装置,集積装置を示す。そして(1)図は、横出しタイプの平面図、(2)図は、直出しタイプの平面図である。
【
図7】同発明を実施するための形態の説明に供し、集束装置を示す。そして(1)図は、平海苔の束の落下工程側面図(直出しタイプでは正面図)、(2)図は、平海苔の束の搬出工程側面図(直出しタイプでは正面図)である。
【
図8】同発明を実施するための形態の説明に供し、海苔の斜視図である。そして(1)図は、折曲海苔束、(2)図は、平海苔束、(3)図は、保護紙付の平海苔束を、それぞれ示す。
【
図9】同発明を実施するための形態の説明に供し、積上押出装置による積上押出の前半工程を示す。 そして(1)図,(2)図,(3)図は、前半工程1,2,3の側面図(直出しタイプでは正面図)である。(1´)図,(2´)図,(3´)図は、前半工程1,2,3の正面図(直出しタイプでは側面図)である。
【
図10】同発明を実施するための形態の説明に供し、積上押出装置による積上押出の後半工程を示す。 そして(1)図,(2)図,(3)図は、後半工程1,2,3の側面図(直出しタイプでは正面図)である。(1´)図,(2´)図,(3´)図は、後半工程1,2,3の正面図(直出しタイプでは側面図)である。
【
図11】同発明を実施するための形態の説明に供し、積上押出装置による積上押出の後半工程3について、他の例1,2を示す。 (1)図,(1´)図は、他の例(その1)を示し、(2)図,(2´)図は、他の例(その2)を示す。そして(1)図,(2)図は、側面図(直出しタイプでは正面図)、(1´)図,(2´)図は、正面図(直出しタイプでは側面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明について、図面を参照して詳細に説明する。
《本発明の概要》
本発明の概要については、次のとおり。
本発明の海苔束製造ラインは、海苔の生産工程で使用される。そして、集束装置4,搬送装置5,積上押出装置8,折曲装置6,折曲結束装置7,平結束装置9等を、有している。
集束装置4は、平海苔aをカウント集束,積層,整列し、もって平海苔aの束Aとして搬送装置5に搬出する。搬送装置5は、集束装置4から搬出された平海苔aの束Aを、折曲装置6に向けて搬送する。
積上押出装置8は、搬送装置5に付設され、平海苔aの束Aを途中で、積み上げ可能な積上部10と、平結束装置9に向けて押し出し可能な押出部11とを、備えている。
折曲装置6は、搬送装置5にて搬入された平海苔aの束Aを、二つ折りに折曲する。折曲結束装置7は、折曲された複数束を、一束の折曲海苔束Bとして結束する。
平結束装置9は、積上押出装置8にて押し出された束Aの平海苔aを、一束の平海苔束Cとして結束する。
本発明の概要については、以上のとおり。以下、このような本発明について詳述する。
【0018】
《海苔束製造ライン》
本発明の海苔束製造ラインは、海苔の生産工程で使用される。
海苔(乾海苔)の生産工程では、生海苔摘採,水洗,抄き,脱水,乾燥等の前工程を辿った後、表裏反転,検査選別,集束,搬送,(折曲,)結束等の後工程を辿って、海苔が生産,箱詰,出荷される。
図1,
図2に示したように、海苔の生産工程において、前工程の乾燥装置1から1枚ずつ排出された平海苔aは、後工程において、まず反転装置2で、表裏反転されると共に交叉方向に方向転換され、もって乾燥装置1と平行の直線的ライン方向Lにむけられる。それから、検査装置3で品質検査,選別される。
【0019】
海苔の生産工程は、しかる後、海苔束製造ライン辿り、もって折曲海苔束Bや平海苔束Cを、結束,製造する。
本発明の海苔束製造ラインは、このような海苔の生産工程で使用され、
図1,
図2に示したように、集束装置4,搬送装置5,積上押出装置8,折曲装置6,折曲結束装置7,平結束装置9を、有している。
更に、集積装置16,17や集積用積上押出装置18が設けられていることも多い。
以下、このような海苔束製造ラインについて、説明する。
【0020】
《集束装置4》
海苔束製造ラインにおいて、集束装置4は、平海苔aをカウント集束,積層,整列し、もって、平海苔aの束Aとして搬送装置5に搬出する。代表的には、枚数10枚,20枚,25枚,50枚,100枚から、ライン毎に選択設定された枚数の平海苔aの束Aを、搬送装置5に搬出する。枚数によっては必要に応じ、平海苔aの束Aを積み重ねる複数束重ね部が付設、利用される。
図7に示したように、集束装置4は、カウント集束部12,昇降板13,整列部14を備えている。カウント集束部12は、平海苔a(図示例では10枚)を束Aにカウント集束,積み重ねる。
昇降板13は、上位のカウント集束部12から下位の整列部14へと、平海苔aの束Aを積載,降下する。横出しタイプの場合は、直線的に降下し、直出しタイプの場合は、90度程度回転して降下する。
整列部14は、整列板にて四方から平海苔aの束Aを整列せしめて、コンベア15にて搬送装置5に搬出する。
集積装置4については、以上のとおり。
【0021】
《搬送装置5,横出しタイプ》
搬送装置5は、ローラーコンベア等が用いられ、集束装置4から搬出された平海苔aの束Aを、折曲装置6に向けて直線的に搬送する。
海苔束製造ラインは、全体スペースの削減,無駄解決,コンパクト化等の観点から、従来より、
図3の(1)図に示した横出しタイプと、
図3の(2)図に示した直出しタイプとがあり、本発明でも、
図1が横出しタイプ、
図2が直出しタイプよりなる。
まず、
図1を参照して、横出しタイプについて説明する。横出しタイプでは、搬送装置5は、集束装置4迄の直線的ライン方向Lに対し、側方の交叉方向Mにレイアウトされている。平海苔aの束Aは、それ迄の向きを変えずに搬送装置5へと横出し搬出される。
【0022】
すなわち、横出しタイプの海苔束製造ラインでは、まず、検査装置3,集束装置4は、直線的ライン方向Lにレイアウトされているが、搬送装置5,折曲装置6は、これ迄の直線的ライン方向Lに対し側方の交叉方向Mに、レイアウトされており、搬送方向Nが向けられている。
そして集束装置4は、前述したように昇降板13が、回転せず直線的に降下する。もって、搬出される平海苔aの束Aは、それ迄の向きを変えることなく、図示のようにその短手方向を搬送方向Nに添わせつつ、搬送装置5にて搬送される。
そして、平海苔aの束Aは、折曲装置6へと搬入されて折曲された後、折曲結束装置7にて結束される。
横出しタイプについては、以上のとおり。
【0023】
《搬送装置5,直出しタイプ》
次に、
図2を参照して、直出しタイプについて説明する。直出しタイプの海苔束製造ラインでは、搬送装置5は、集束装置4迄の直線的ライン方向Lに続き、同方向前方へとレイアウトされている。平海苔aの束Aは、それ迄の向きを90度程度変えて搬送装置5へと直出し搬送される。
【0024】
すなわち、直出しタイプの海苔束製造ラインでは、検査装置3,集束装置4のみならず、搬送装置5,折曲装置6も、これ迄の直線的にライン方向Lと同方向にレイアウトされている。勿論、搬送装置5の搬送方向Nも同方向に向けられている。
集束装置4は、前述したように昇降板13が、回転して降下する。もって、搬出される平海苔aの束Aは、それ迄の向きを90度程度変え、図示のようにその短手方向を搬送方向Nに添わせつつ、搬送装置5にて搬送される。
そして、平海苔aの束Aは、折曲装置6へと搬入されて折曲された後、折曲結束装置7にて結束される。
直出しタイプについては、以上のとおり。
【0025】
《折曲装置6,折曲結束装置7,集積装置16》
次に、折曲装置6,折曲結束装置7,集積装置16等について、
図1,
図2を参照して説明する。
横出しタイプや直出しタイプの海苔束製造ラインにおいて、折曲装置6は、搬送装置5に搬入された平海苔aの束Aを二つ折りに折曲する。折曲結束装置7は、折曲装置6で折曲された複数束を、一束の折曲海苔束Bとして結束する。
更に図示例の海苔束製造ラインは、集積装置16を有しており、集積装置16は、折曲結束装置7の後段に設けられ、多数束の結束された折曲海苔束Bを収納する。
【0026】
これらについて、詳述する。折曲装置6は、搬入された平海苔aの束Aを、例えば凹材間に凸材にて圧入することにより、
図1の(1)図,
図2の(1)図に示したように、二つ折りに折曲する。代表的には、枚数10枚の平海苔aの束Aを折曲する。
折曲結束装置7は、折曲された平海苔aの束A複数束を、紙テープ等の結束帯Dで一束の折曲海苔束B(
図8(1)図を参照)として、結束する。代表的には、折曲された枚数10枚の束10帖を一束の折曲海苔束Bとして結束する。
折曲結束装置7としては、紙幣束,シート束,その他の結束用の市販、公知の結束機・帯掛機が使用される。集積装置16は、結束された多数束の折曲海苔束Bを、集合し,積み上げてストックする。
折曲装置6,折曲結束装置7,集積装置16については、以上のとおり。
【0027】
《積上押出装置8の概要》
次に、積上押出装置8について、
図1~
図5を参照して説明する。
この海苔束製造ラインでは、積上押出装置8が、搬送装置5の途中に付設されている。そして平海苔aの束Aを、積み上げ可能な積上部10と、途中で平結束装置9に向けて押し出し可能な押出部11とを、備えている。
【0028】
積上押出装置8は、代表例では次のように用いられる。搬送装置5へと搬出された枚数10枚,20枚,25枚,50枚,又は100枚の平海苔aの束Aについて、積上押出装置8は次のように機能する。
10枚の平海苔aの束Aが選択設定されていた場合、積上押出装置8の積上部10,押出部11は動作せず、搬送装置5にてそのまま折曲装置6へと搬送される。
これに対し、その他の平海苔aの束Aが選択設定されていた場合、枚数20枚,25枚,50枚の平海苔aの束Aについては、積上部10にて必要回数,複数束を積み上げ後、押出部11にて、平結束装置9に向けて押し出す。
枚数100枚の平海苔aの束Aが選択設定されていた場合は、積み上げることなく押し出す。枚数50枚についても、50枚を一束として結束する設定の場合は、同様に押し出される。
【0029】
《積上押出装置8の詳細》
まず、
図4,
図5に示した積上押出装置8の積上部10について説明する。積上部10は、搬送装置5で一束ずつ搬送されてきた平海苔aの束Aを、必要に応じ複数束積載可能,昇降動可能,順次下側から積み上げ可能である。
積上部10にはセンサ19が付設されており、センサ19は、積上部10への平海苔aの束Aの搬入方向先頭側に、配されている。
もって、積み上げを要する設定の場合は、センサ19の検出に基づき、搬送装置5の搬送が停止され、搬送されてきた平海苔aの束Aは積上部10にて停止される。
【0030】
積上部10は、複数の積上部材20を備えており、積上部材20は、図示例では、2本ずつ上下2組の横シャフトよりなる。そして停止された平海苔aの束Aを、それぞれ積載可能,昇降動可能となっている。
上下2組の積上部材20は、図示例では3束のうち上位と中位の平海苔束Aについて、まず、相互間隔を存しつつ順次積み上げ可能であると共に、事後、相互間隔を解消可能となっている。
すなわち積上部材20は、平海苔aの束Aの1束分の高さ寸法プラスα分だけ、段階的に上昇可能となっている。段階的上昇により、それぞれ積載した平海苔aの束Aを、相互間隔(α分の上下間隔)を存しつつ、順次下側から積み上げ可能となっている。(
図9,
図10を参照)。それから積上部材20は、それぞれ相互間隔分(α分の上下間隔)だけ降下して、相互間隔を解消せしめる。
なお図示例では、複数束として1束目(上位),2束目(中位),3束目(下位)の3束を、積み上げることに鑑み、積上部材20は、上位と中位用に上下2組使用される。
【0031】
図示した積上部10の積み上げ工程について、
図9,
図10を参照して説明する。
・まず、積上部10の積上部材20は、1束目の平海苔aの束Aが、センサ19の位置に到達,搬送停止されると(
図9の(1)図,(1´)図)、上位用の積上部材20が、搬送装置5下から上昇し、これを積載して、1段階上昇させる(
図9の(2)図,(2´)図)。
・それから、次の2束目の平海苔aの束Aが、センサ19に到達,搬送停止されると(
図9の(3)図,(3´)図)、上位用の積上部材20は、積載した1束目の平海苔aの束Aを、更に1段階上昇させる。
・これと共に、2束目の平海苔aの束Aを、搬送装置5下から上昇した中位用の積上部材20が、積載して1段階上昇させる(
図9の(3)図,(3´)図)。
・しかる後、3束目の平海苔aの束Aが、センサ19に到達,搬送停止されることにより、図示例では3束の平海苔aの束Aが、相互間隔を存して積み上げられる(
図10の(1)図,(1´)図)。
・それから、上位用,下位用の両積上部材20が、それぞれ若干降下することにより、1束目と2束目の平海苔aの束Aが若干降下して、相互間隔が解消される(
図10の(2)図,(2´)図)。
・このようにして、複数束図示例では3束の平海苔aの束Aが、順次下側から多段に積み上げられる(
図10の(2)図,(2´)図)。3束目(下位)の平海苔束Aの上に、1束目(上位)と2束目(中位)の平海苔束Aが、積上部材20を介し積み上げられる。
【0032】
次に、
図4,
図5に示した積上押出装置8の押出部11について説明する。
押出部11は、図示例では積上部10にて積み上げられ相互間隔が解消された複数束の平海苔aの束Aを、搬送装置5の搬送方向Nに対し交叉方向Gに向け、押し出し可能である。
図示例の押出部11は、2本の縦シャフトよりなり、交叉方向Gに前進後退動可能となっており、前進動により、平海苔aの束Aを平結束装置9に向けて押し出す(
図10の(3)図,(3´)図)。
【0033】
他の例も、次のように可能である。
ところで図示例(
図5の(1)図,
図9,
図10)では、複数束として3束の例について説明したが、それ以外の2束,4束,5束等の複数束の例についても、積上部10の積上部材20の数を増減することにより、図示例に準じた工程が実施される。
例えば、
図11の(1)図,(1´)図に示した他の例(その1)では、1個の積上部材20が用いられ、もって積上部10で積み上げられた2束の平海苔aの束Aが、図示のように押出部11にて押し出されるようになる。例えば、1束25枚の束Aが2束で、計50枚の平海苔aが、押し出される。
又、
図11の(2)図,(2´)図に示した他の例(その2)では、上下3組の積上部材20が用いられ、もって積上部10で積み上げられた4束の平海苔aの束Aが、図示のように押出部11にて押し出されるようになる。例えば、1束25枚の束Aが4束で、計100枚の平海苔aが、押し出される。
このように積上押出装置8は、各種複数束に適用される。
【0034】
《積上押出装置8の駆動機構21,22について》
次に、積上押出装置8の駆動機構21,22について、
図5の(1)図を参照して、説明する。まず、積上部10の駆動機構21については、次のとおり。
積上部10の駆動機構21は、縦コンベア23,縦シャフト24,アタッチメントの駆動スライド25,フリースライド26等を、備えている。
駆動スライド25は、縦シャフト24にて案内されつつ、平行配設された縦コンベア23に付設されており、昇降動される。フリースライド26は、同様に縦シャフト24にて案内されつつ、駆動スライド25にほぼ従動して、昇降動される。
フリースライド26は、積み上げられる平海苔aの束Aに対応した個数だけ設けられ(3束が積み上げられる図示例の場合は、1束目と2束目用に個数は2)、それぞれ積上部材20の基部が取り付けられている。駆動スライド25とフリースライド26は、共に上下スライド可能にガイド用の縦シャフト24に取り付けられている。
そして各フリースライド26は、駆動スライド25下に固設された引っ掛け用の各係止片27上に、それぞれ載せられている。すなわちフリースライド26は、駆動スライド25側の係止片27上に、載せられキャッチされている。
【0035】
駆動機構21の駆動工程については、次のとおり。
・フリースライド26そして積上部材20は、縦コンベア23にて駆動スライド25が上昇されると、その係止片27にて持ち上げられ、従動してそれぞれ上昇する。
・もって前述したように、積上部材20にて、平海苔aの束Aが、相互間隔を存して積み上げられる(
図10の(1)図,(1´)図)。
・この積み上げ状態から、駆動スライド25が降下開始されると、フリースライド26そして積上部材20も、従動して降下開始する。
・積上部材20が、その下の平海苔aの束Aに接触すると、積上部材20そしてフリースライド26は、降下停止する。
・これにより、フリースライド26と駆動スライド25間に、僅かな間隔が生じる。そして、付設されたセンサ28の検出に基づき、駆動スライド25そして縦コンベア23も、降下停止する。
・もって、前述したように積み上げられた複数束の平海苔aの束Aは、相互間隔が解消される(
図10の(2)図,(2´)図)。
【0036】
又、押出部11の駆動機構22については、次のとおり。押出部11の駆動機構22は、横コンベア29,横シャフト30,横スライド31等を備えている。
横スライド31は、横シャフト30にて案内されつつ、横コンベア29にて前進後退動可能であり、押出部11の下端が取り付けられている。
横コンベア29と横シャフト30は、平行配設されると共に、搬送装置5の搬送方向Nに対し交叉方向Gに配設けられている。
そこで、横スライド31そして押出部11の前進動により、積み上げられた複数束の平海苔aの束Aを、搬送方向Nに対し交叉方向Gに押し出し可能となっている。(
図10の(3)図,(3´)図)。
積上押出装置8については、以上のとおり。
【0037】
《平結束装置9,集積装置17,集積用積上押出装置18について》
次に、平結束装置9,集積装置17,集積用積上押出装置18等について、
図1,
図2,
図6を参照して説明する。
横出しタイプや直出しタイプの海苔束製造ラインにおいて、平結束装置9は、積上押出装置8にて押し出された束Aの平海苔aを、一束の平海苔束Cとして結束する。
更に、図示例の海苔束製造ラインは、更に集積装置17を有しており、集積装置17は、平結束装置9の後段に設けられ、結束された複数束の平海苔束Cを収納する。
【0038】
これらについて更に詳述する。平結束装置9は、
図1の(2)図,
図2の(2)図に示したように、搬送装置5から積上押出装置8にて押し出された束Aの平海苔aを、紙テープ等の結束帯Dで、一束の平海苔束C(
図8の(2)図、(3)図を参照)として結束する。
一束の枚数が50枚は又は100枚の平海苔束Cとして結束する代表例の場合は、押し出される枚数20枚,25枚,又は50枚の複数束分の平海苔aが、一束の平海苔束Cとして、結束される。
平結束装置9としては、前述した折曲結束装置7と同様、市販,公知の結束機・帯掛機が使用される。なお結束は、
図8の(2)図に示したように直接か、又は、
図8の(3)図に示したように、保護紙Eを介して行われる。
【0039】
集積装置17は、結束された多数束の平海苔束Cを、集合し,積み上げてストックする。
図6の(1)図は、横出しタイプの製造ラインを示し、(2)図は、直出しタイプの製造ラインを示す。
そして図示例では、平結束装置9と集積装置17との間に、コンベア32と共に集積用積上押出装置18が配設されている。集積用積上押出装置18は、平結束装置9からの複数束の平海苔束Cをすべて積上げる積上部材33よりなる積上部34と、積み上げられた平海苔束Cを集積装置17へと押し出す押出部35とを、備えている。
集積用積上押出装置18の積上部34や押出部35の構成,機能については、積上押出装置8の積上部10や押出部11について、前述した所に準じる。
平結束装置9,集積装置17,集積用積上押出装置18等については、以上のとおり。
【0040】
《作用等》
本発明は、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
(1)海苔束製造ラインでは、平海苔aが集束装置4でカウント集束,積層,整列され、もって平海苔aの束Aとして、搬送装置5に搬出される(
図1,
図2,
図4,
図7等を参照)。
代表例では、枚数10枚,20枚,25枚,50枚,100枚から選択設定された枚数の、平海苔aの束Aとして搬出される。
【0041】
(2)搬出された平海苔aの束Aは、搬送装置5にて搬送されると共に、積上押出装置8にて、途中で積み上げ可能,押し出し可能である(
図1~
図5,
図9~11図等を参照)。
その代表例については、次のとおり。(イ)枚数10枚の平海苔aの束Aの場合は、そのまま折曲装置6へと搬送される設定よりなる。(ロ)枚数20枚,25枚,50枚の平海苔aの束Aの場合は、積上部10にて必要回数,複数束が積み上げられてから、又(ハ)枚数100枚の平海苔aの束Aの場合は、積み上げられることなくそのまま、それぞれ押出部11にて押し出される設定よりなる。
なお(ニ)枚数50枚の場合は、枚数100枚と同様設定のケース、つまり積み上げられることなく押し出されるケースもある。
【0042】
(3)搬送装置5で搬送され、積上押出装置8を通過する設定の平海苔aの束A、代表例では枚数10枚の平海苔aの束Aは、折曲装置6に搬入されて二つ折りに折曲される。
それから、折曲結束装置7にて一束の折曲海苔束Bとして結束される。結束された多数束の折曲海苔束Bは、集積装置16に収納されることも多い(
図1,
図2,
図8の(1)図を参照)。
【0043】
(4)積上押出装置8にて、必要に応じ積み上げられた後、搬送装置5から平結束装置9へと押し出される設定の平海苔aの束Aは、平結束装置9にて、一束の平海苔束Cとして結束される。
結束された多数束の平海苔束Cは、集積用積上押出装置18を経由して、集積装置17に収納されることも多い(
図1,
図2,
図6,
図8の(2)図(3)図等を参照)。
代表例では、積み上げられた枚数20枚,25枚,50枚の平海苔aの複数束が,100枚で一束の平海苔束Cとして結束される。これによらず、50枚で一束の平海苔束Cとされるケースもある。
【0044】
(5)本発明の海苔束製造ラインは、以上説明したように、2種の海苔束、つまり折曲海苔束B,平海苔束Cのいずれも、結束,製造可能である。
そして、平海苔aの束Aの集束装置4と折曲装置6間の搬送装置5に、平結束装置9への積上押出装置8を付設したレイアウトを、特徴とする。もって、折曲海苔束B,平海苔束Cのいずれの形態にも、対応可能である。
【0045】
(6)そして、本発明の海苔束製造ラインは、従来より用いられている折曲海苔束B用の海苔束製造ラインについて、配置の大幅変更や建屋の大改造を要することなく、平海苔束用としても対応可能である。もって、スペース面や作業性にも優れている。
【0046】
(7)すなわち、まず
図1に示した横出しタイプの海苔束製造ラインについては、次のとおり。
搬送装置5,折曲海苔束B用の折曲装置6,折曲結束装置7,集積装置16等は、
図3の(1)図に示された従来例と共通,同様に、直線ライン方向Lに対し側方の交叉方向Mにレイアウトされている。
そして、平海苔束C用の平結束装置9,集積用積上押出装置18,集積装置17等は、搬送装置5の途中から交叉方向Gにレイアウトされている。
【0047】
(8)これに対し、
図2に示した直出しタイプの海苔束製造ラインについては、次のとおり。
搬送装置5,折曲海苔束B用の折曲装置6,折曲結束装置7,集積装置16等は、
図3の(2)図に示された従来例と共通,同様に、直線的ライン方向Lの前方にレイアウトされている。
そして、平海苔束C用の平結束装置9,集積用積上押出装置18,集積装置17等は、搬送装置5の途中から交叉方向Gにレイアウトされている。
【0048】
(9)従って、本発明の海苔束製造ラインでは、平海苔束Cの結束,製造用に、従来例に対し、より広い配置スペースを余分に要することはない。特に、乾燥装置1との間に長い距離,広いスペースを必要とすることはない。
又、折曲結束装置7と平結束装置9とが、近接配置されるので、出荷用の箱詰めに際し、箱詰めスペースS(
図1~
図3を参照)が、より広がることもない。作業スペースをより広く要することはない。
特に、集積装置16,17が設けられた場合、両者の取り出し箇所も近接しており、作業が簡易化される。
【0049】
(10)そして、本発明の海苔束製造ラインは、既存の従来の折曲海苔束Bの海苔束製造ラインを利用し、平海苔束C用の装置を追加することにより、実現される。
既存の搬送装置5に、積上押出装置8,平結束装置9,更には集積用積上押出装置18,集積装置17等の装置を追加することにより、容易に平海苔束C用として対応可能である。
作用等については、以上のとおり。
【符号の説明】
【0050】
a 平海苔
A 平海苔の束
B 折曲海苔束
C 平海苔束
D 結束帯
E 保護紙
N 搬送方向
G 交叉方向
L 直線的ライン方向
M 交叉方向
S 箱詰めスペース
1 乾燥装置
2 反転装置
3 検査装置
4 集束装置
5 搬送装置
6 折曲装置
7 折曲結束装置
8 積上押出装置
9 平結束装置
10 積上部
11 押出部
12 カウント集束部
13 昇降板
14 整列部
15 コンベア
16 集積装置
17 集積装置
18 集積用積上押出装置
19 センサ
20 積上部材
21 駆動機構
22 駆動機構
23 縦コンベア
24 縦シャフト
25 駆動スライド
26 フリースライド
27 係止片
28 センサ
29 横コンベア
30 横シャフト
31 横スライド
32 コンベア
33 積上部材
34 積上部
35 押出部