(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056993
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】端末装置、及び端末装置のための方法
(51)【国際特許分類】
H04W 28/04 20090101AFI20240416BHJP
H04W 72/232 20230101ALI20240416BHJP
H04W 72/1273 20230101ALI20240416BHJP
【FI】
H04W28/04 110
H04W72/232
H04W72/1273
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024025045
(22)【出願日】2024-02-22
(62)【分割の表示】P 2022575769の分割
【原出願日】2020-06-08
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
2.WCDMA
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
(72)【発明者】
【氏名】リアン リン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ユーカイ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】単一のDCIによってスケジューリングされた複数のデータチャネルについてのHARQフィードバックの装置、方法及びコンピュータ可読媒体を提供する。
【解決手段】方法は、端末装置が、ネットワーク装置から制御情報を受信し、受信した制御情報によりデータチャネルセットにおいて複数のトランスポートブロックの送信がスケジューリングされるとの判定に従って、複数のトランスポートブロックに関連付けられているハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバック情報を送信する制御チャネルを決定することと、制御チャネルによってHARQフィードバック情報をネットワーク装置に送信することと、を含む。このように、単一のDCIにより複数のTB/PDSCHがスケジューリングされる場合のHARQ-ACKフィードバックメカニズムの強化を実現することができ、PUCCH衝突の可能性を軽減し、さらなる柔軟性を提供することができる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク装置と通信する処理部と、
第1のダウンリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)によってスケジューリングされる複数の物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Control Channel)送信を受信するように構成される受信部と、
を備え、
前記受信部は、第2のDCIによってスケジューリングされる単一の前記PDSCH送信を受信するように構成され、
Type-2 HARQ-ACKコードブックが設定される場合には、
前記処理部は、前記複数のPDSCH送信についてのハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)フィードバック情報と、前記単一のPDSCH送信についてのHARQフィードバック情報と、を多重化するように構成される、
端末装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記複数のPDSCH送信の数に基づいて、第1のサブコードブックと、前記第1のサブコードブックにおける、前記複数のPDSCH送信についてそれぞれのHARQフィードバック値を示すための複数のフィードバック位置と、を決定するように構成される、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
送信部をさらに備え、
前記処理部は、第2のサブコードブックと、前記第2のサブコードブックにおける、前記単一のPDSCH送信についてのさらなるHARQフィードバック値を示すためのさらなるフィードバック位置と、を決定するように構成され、
前記送信部は、前記第1のサブコードブックと、前記第2のサブコードブックと、前記複数のフィードバック位置と、前記さらなるフィードバック位置と、に基づいて、前記HARQフィードバック情報を送信するように構成される、
請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
送信部をさらに備え、
前記処理部は、前記第1のDCIによってスケジューリングされることが許可されるべき前記複数のPDSCH送信の閾値数に基づいて、前記Type-2 HARQ-ACKコードブックのコードブックサイズを決定するように構成され、
前記処理部は、前記閾値数と、前記複数のPDSCH送信の第1の数と、二つ以上の前記単一のPDSCH送信の第2の数と、に基づいて、前記それぞれのHARQフィードバック値と、さらなるトランスポートブロックについてのさらなるHARQフィードバック値とを示すための複数のフィードバック位置を決定するように構成され、前記さらなるトランスポートブロックが、前記単一のPDSCH送信上で前記ネットワーク装置から前記端末装置へ送信され、
前記送信部は、前記コードブックサイズと、前記複数のフィードバック位置と、前記さらなるフィードバック位置と、に基づいて、前記HARQフィードバック情報を送信するように構成される、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記Type-2 HARQ-ACKコードブックにおける、前記それぞれのHARQフィードバック値及び前記さらなるHARQフィードバック値を報告することが許可されるそれぞれの候補フィードバック位置のセットを、前記閾値数に基づいて決定するように構成され、
前記処理部は、前記それぞれの候補フィードバック位置のセットにおいて、前記閾値数と前記第1の数とに基づいて、前記それぞれのHARQフィードバック値を報告するためのフィードバック位置の第1部分を決定し、前記閾値数と前記第2の数とに基づいて、前記さらなるHARQフィードバック値を報告するためのフィードバック位置の第2部分を決定するように構成され、
前記処理部は、前記フィードバック位置の前記第1部分と、前記フィードバック位置の前記第2部分と、に基づいて、前記複数のフィードバック位置を決定するように構成される、
請求項4に記載の端末装置。
【請求項6】
ネットワーク装置と通信する端末装置のための方法であって、
第1のダウンリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)によってスケジューリングされる複数の物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Control Channel)送信を受信することと、
第2のDCIによってスケジューリングされる単一の前記PDSCH送信を受信することと、
を含み、
Type-2 HARQ-ACKコードブックが設定される場合には、
前記複数のPDSCH送信についてのハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)フィードバック情報と、前記単一のPDSCH送信についてのHARQフィードバック情報と、を多重化することをさらに含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に電気通信の分野に関し、特に、単一のダウンリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)によってスケジューリングされた複数のデータチャネルに対するハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat reQuest)フィードバックの装置、方法、デバイス及びコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project)リリース17(Rel-17)では、単一のDCIで複数のトランスポートブロック(TB:Transport Block)/物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)をスケジューリングすることが検討されている。これは、Reduced Capability NRデバイスの物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH::Physical Downlink Control Channel)の容量に制限があるためである。
【0003】
Reduced Capability NRデバイスについては、ユーザ端末(UE:User Equipment)の帯域幅を5MHz又は10MHzまで狭めてもよいこと、より少ないブラインドデコード(blind decode)とCCEの制限によってPDCCHモニタリングを減らしてもよいことが提案されているが、これは、狭い帯域幅に対しPDCCHの容量が制限されることにつながる場合がある。
【0004】
したがって、単一のDCIでスケジューリングされた複数のTB/PDSCHに対し、HARQフィードバック方式が議論される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の実施形態は全体として、単一のDCIによってスケジューリングされた複数のデータチャネルに対するHARQについての解決手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、通信方法が提供される。前記方法は、端末装置において、ネットワーク装置から制御情報を受信することと、データチャネルセットにおける前記ネットワーク装置から前記端末装置への複数のトランスポートブロックの送信が前記制御情報によってスケジューリングされているとの判定に従って、前記複数のトランスポートブロックに関連付けられているハイブリッド自動再送要求のHARQフィードバック情報を送信するための制御チャネルを決定することと、前記制御チャネルによって前記HARQフィードバック情報を前記ネットワーク装置に送信することと、を含む。
【0007】
第2の態様では、通信方法が提供される。前記方法は、ネットワーク装置から端末装置に制御情報を送信することであって、前記制御情報によって、データチャネルセットにおける前記ネットワーク装置から前記端末装置への複数のトランスポートブロックの送信がスケジューリングされることと、前記複数のトランスポートブロックに関連付けられているハイブリッド自動再送要求のHARQフィードバック情報を、制御チャネルによって前記端末装置から受信することと、を含む。
【0008】
第3の態様では、端末装置が提供される。前記端末装置は、プロセッサと、命令が格納されているメモリとを備える。前記メモリ及び前記命令は、前記プロセッサとともに、前記端末装置に前記第1の態様にかかる方法を実行させるように構成されている。
【0009】
第4の態様では、ネットワーク装置が提供される。前記ネットワーク装置は、プロセッサと、命令が格納されているメモリとを備える。前記メモリ及び前記命令は、前記プロセッサとともに、前記ネットワーク装置に前記第2の態様にかかる方法を実行させるように構成されている。
【0010】
第5の態様では、命令が格納されているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、装置の少なくとも1つのプロセッサにおいて実行される場合に、前記装置に、前記第1の態様にかかる方法を実行させる。
【0011】
第6の態様では、命令が格納されているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、装置の少なくとも1つのプロセッサにおいて実行される場合に、前記装置に、前記第2の態様にかかる方法を実行させる。
【0012】
本開示の実施形態の原理を例示的に示す添付図面と併せて、具体的な実施形態に関する以下の説明を閲読することで、本開示の実施形態の他の特徴及び利点も明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示の実施形態は例示として示されるものであり、以下ではその利点について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
【
図1】本開示の例示的な実施形態を実施可能な例示的環境を示す。
【0015】
【
図2】本開示のいくつかの実施形態にかかるリソース調整の例示的プロセスを示す例示的なシグナリングチャートを示す。
【0016】
【
図3】本開示のいくつかの実施形態にかかる、単一のDCIによってスケジューリングされた複数のPDSCHと、複数のPDSCHに関連付けられているHARQフィードバックが送信されるPUCCHとを示す。
【0017】
【
図4A】本開示のいくつかの実施形態にかかる、HARQフィードバックのためのコードブックの構築を示す。
【
図4B】本開示のいくつかの実施形態にかかる、HARQフィードバックのためのコードブックの構成を示す。
【0018】
【
図5A】本開示のいくつかの実施形態にかかる、HARQフィードバックのためのコードブックの構築を示す。
【
図5B】本開示のいくつかの実施形態にかかる、HARQフィードバックのためのコードブックの構成を示す。
【0019】
【
図6A】本開示のいくつかの実施形態にかかる、HARQフィードバックのためのコードブックの構成を示す。
【
図6B】本開示のいくつかの実施形態にかかる、HARQフィードバックのためのコードブックの構成を示す。
【
図6C】本開示のいくつかの実施形態にかかる、HARQフィードバックのためのコードブックの構成を示す。
【0020】
【
図7】本開示のいくつかの例示的な実施形態にかかる、単一のDCIによってスケジューリングされた複数のデータチャネルに対するHARQフィードバックの例示的な方法のフローチャートを示す。
【0021】
【
図8】本開示のいくつかの例示的な実施形態にかかる、単一のDCIによってスケジューリングされた複数のデータチャネルに対するHARQフィードバックの例示的な方法のフローチャートを示す。
【0022】
【
図9】本開示の例示的な実施形態を実施するのに好適な装置の概略ブロック図を示す。
【0023】
図面全体において、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の原理について、いくつかの例示的な実施形態を参照しながら説明する。これらの実施形態は、単に説明を目的として説明されるもので、当業者が本開示を理解し実施する際に役立つものであり、本開示の範囲に対するいかなる限定も示唆しないことを理解されたい。本明細書で説明する本開示は、以下で説明するもの以外にも様々な方法で実施することができる。
【0025】
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されない限り、使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0026】
本開示における「一実施形態」、「実施形態」、「例示的実施形態」等への言及は、説明される実施形態が、ある特定の特徴、構造、又は特性を含み得ることを示すが、全ての実施形態がかかる特定の特徴、構造、又は特性を含む必要はない。また、これらの表現は、必ずしも同一の実施形態を指すものではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性が例示的な実施形態に関連して説明される場合、明示的に説明されているかどうかにかかわらず、他の実施形態に関連するかかる特徴、構造、又は特性に影響を与えることは、当業者の知識の範囲内であると考えられる。
【0027】
本明細書では、「第1」、「第2」等の用語を用いて様々な要素を説明することがあるが、こうした要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、様々な要素の機能を区別するためにのみ使用される。本明細書で使用される場合、用語「及び/又は」は、列挙されたものの1つ又は複数のうちいずれか、及びその全ての組合せを含む。
【0028】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、例示的な実施形態を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「前記(the)」は、文脈で別途明確に示されない限り、複数形も含むことを意図している。さらに、用語「備える」、「備えている」、「有する」、「有している」、「含む」及び/又は「含んでいる」は、本明細書で用いられる場合、記載の特徴、要素、及び/又はコンポーネント等の存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、要素、コンポーネント及び/又はそれらの組合せの存在又は追加を排除しないことを理解されたい。
【0029】
本明細書で使用される場合、用語「通信ネットワーク」は、第5世代(5G)システム、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、広帯域符号分割多重接続(WCDMA:Wideband Code Division Multiple Access)、高速パケットアクセス(HSPA:High-Speed Packet Access)、NB-IoT(Narrow Band Internet Of Things)等の任意の適切な通信規格に従うネットワークを指す。さらに、通信ネットワークにおける端末装置とネットワーク装置との間の通信は、任意の適切な世代の通信プロトコルによって実行されてもよい。通信プロトコルには、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、将来の第5世代(5G)新無線(NR)の通信プロトコル、及び/又は現在知られているか又は将来開発される他のプロトコルが含まれるが、これらに限定されない。本開示の実施形態は、様々な通信システムに適用されてもよい。通信の急速な発展を考慮すると、当然ながら、本開示が具現化されうる未来型の通信技術や通信システムも存在するであろう。本開示の範囲が前述のシステムのみに限定されるとみなすべきではない。
【0030】
本明細書で使用される場合、「ネットワーク装置」という用語は、端末装置がネットワークにアクセスし、そこからサービスを受ける通信ネットワーク内のノードを指す。ネットワーク装置は、適用される用語や技術に応じて、基地局(BS:Base Station)又はアクセスポイント(AP:Access Point)、例えばノードB(NodeB又はNB)、進化型ノードB(eNodeB又はeNB)、NR次世代ノードB(gNB)、リモート無線ユニット(RRU:Remote Radio Unit)、無線ヘッダ(RH:Radio Head)、リモート無線ヘッド(RRH:Remote Radio Head)、中継、フェムト、ピコ等の低電力ノードを指す場合がある。
【0031】
「端末装置」とは、無線通信が可能な任意のエンドデバイスを指す。限定ではなく例として、端末装置は、通信装置、ユーザ端末(UE)、加入者設備(SS:Subscriber Station)、携帯用加入者設備、移動局(MS:Mobile Station)、又はアクセス端末(AT:Access Terminal)とも呼ばれることがある。端末装置には、移動電話、携帯電話、スマートフォン、VoIP(Voice over IP)電話、無線ローカルループ電話、タブレット、ウェアラブル端末装置、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯コンピュータ、デスクトップコンピュータ、デジタルカメラ等の撮像用端末装置、ゲーム用端末装置、音楽保存・再生機器、車載型無線端末装置、無線エンドポイント、移動局、ラップトップ組込み機器(LEE:laptop-embedded equipment)、ラップトップ搭載機器(LME:laptop-mounted equipment)、USBドングル、スマートデバイス、無線顧客構内設備(CPE:customer-premises equipment)、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)装置、時計等のウェアラブル、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:head-mounted disply)、車両、ドローン、医療機器及びアプリケーション(例:遠隔手術)、産業用デバイス及びアプリケーション(例えば、産業用及び/又は自動の処理チェーン環境で動作するロボット及び/又は他の無線デバイス)、家電機器、商用及び/又は産業用無線ネットワークで動作するデバイス等が含まれるが、これらに限定されない。また、端末装置は、IAB(Integrated Access and Backhaul)ノード(中継ノードとしても知られている)のMT(Mobile Termination)部分に相当する場合もある。以下の説明では、「端末装置」、「通信装置」、「端末」、「ユーザ端末」、「UE」という用語を互換的に使用する場合がある。
【0032】
本明細書で説明される機能は、様々な例示的な実施形態において、固定及び/又は無線のネットワークノードで実行することができるが、他の例示的な実施形態では、機能を、ユーザ端末装置(携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、モバイルIoTデバイス、又は固定IoTデバイス等)で実施してもよい。こうしたユーザ端末装置は、例えば、固定及び/又は無線のネットワークノードに関連して説明するような対応する機能を必要に応じて備えることができる。ユーザー端末装置は、ユーザ端末、及び/又は、ユーザ端末に取り付けられたときにユーザ端末を制御するように構成されたチップセットやプロセッサ等の制御装置であってもよい。このような機能の例には、ブートストラップサーバ機能(bootstrapping server function)及び/又は加入者管理装置(home subscriber server)が含まれる。これらの機能/ノードの観点からユーザ端末装置が実行するように構成されたソフトウェアを、ユーザ端末装置に提供することによって、こうした機能をユーザ端末装置に実装してもよい。
【0033】
図1は、本開示の実施形態を実施可能な例示的な通信ネットワーク100を示す。
図1に示すように、通信ネットワーク100は、端末装置110とネットワーク装置120を備える。端末装置110は、ネットワーク装置120と通信してもよい。
図1に示すネットワーク装置及び端末装置の数は、説明を目的として示されたものであり、何らかの限定を示唆するものではないことを理解されたい。通信ネットワーク100は、任意の適切な数のネットワーク装置及び端末装置を含んでもよい。
【0034】
通信技術に応じて、ネットワーク100は、符号分割多重アクセス(CDMA:Code Devision Multiple Access)ネットワーク、時分割多重アドレス(TDMA:Time Devision Multiple Access)ネットワーク、周波数分割多重アクセス(FDMA:Frequency Devision Multiple Access)ネットワーク、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA:Orthogonal Frequency Devision Multiple Access)ネットワーク、シングルキャリア-周波数分割多重アクセス(SC-FDMA:Single-Carrier Frequency Devision Multiple Access)ネットワーク又はその他のいずれであってもよい。ネットワーク100において論じられる通信は、任意の適切な規格に準拠してもよく、規格は、新無線アクセス(NR:New Radio)、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、LTEエボリューション(LTE-Evolution)、LTEアドバンスト(LTE-A:LTE-Advanced)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA:Wideband Code Division Multiple Access)、符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)、cdma2000、及びモバイル通信用グローバルシステム(GSM:Global System for Mobile Communications)等を含むが、これらに限定されない。さらに、通信は、現在知られている、又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実行されてもよい。通信プロトコルの例には、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)の通信プロトコルが含まれるが、これらに限定されない。本明細書に記載された技術は、上記の無線ネットワーク及び無線技術だけでなく、他の無線ネットワーク及び無線技術に使用してもよい。明確にするために、技術の特定の態様について、以下ではLTEに関して説明が行われる。以下の説明ではLTEの用語が多用される。
【0035】
上述のように、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)リリース17(Rel-17)では、単一のDCIで複数のトランスポートブロック(TB)/物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)をスケジューリングすることが検討されている。これは、Reduced Capability NRデバイスの物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の容量に制限があるためである。
【0036】
また、Reduced Capability NRデバイスのシナリオに加えて、以下の少なくとも1つにおいて、単一のDCIによる複数のトランスポートブロック(TB)/物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)のスケジューリングを考慮することが可能である:新無線(NR)多入力多出力(MIMO:Multi-Input Multi-Output)、NRサイドリンク強化(NR Sidelink Enhancements)、52.6GHz超のNR、71GHzまでのNR運用拡張、強化された超高信頼・低遅延通信(eURLLC)/エンタープライズ・インダストリアルIoT(eIIoT:Enterprise Industrial Internet of Things)、非地上系ネットワーク(NTN:non-terrestrial network)、NTNにおける狭帯域IoT(NB-IoT:Narrowband Internet of Things)/強化されたマシンタイプ通信(eMTC:enhanced Machine Type Communication)、UE省電力機能強化、NRカバレッジ強化、NB-IoTとLTE-MTC、統合アクセスバックホーリング(IAB:Integrated access backhauling)、NRマルチキャスト・ブロードキャストサービス、及び、マルチ無線デュアルコネクティビティの強化。
【0037】
Reduced Capability NRデバイスについては、ユーザ端末(UE)の帯域幅を5MHz又は10MHzまで狭めてもよいこと、より少ないブラインドデコード(blind decode)とCCEの制限によってPDCCHモニタリングを減らしてもよいことが提案されているが、これは、狭い帯域幅に対しPDCCHの容量が制限されることにつながる場合がある。下表は、帯域幅10MHz、サブキャリア間隔30KHz/15KHzのPDCCHの数を示し、帯域幅の縮小によりPDCCHの容量が制限されることを示すことができる。
表1 帯域幅の減少によるPDCCHの容量制限
【0038】
「HARQ-ACKタイミングK1、k」という用語は、ダウンリンクデータ受信からUL肯定応答送信までのタイムウィンドウと呼ばれることがある。例えば、HARQ-ACKタイミングは、無線リソース制御(RRC)シグナリング又は制御情報、すなわちダウンリンク制御情報(DCI)によって示されてもよい。
【0039】
例えば、DL DCIフォーマットに関連するRRCパラメータによって、HARQ-ACKタイミング値のセットK1が端末装置のために設定される。DCIフォーマット1_0によってスケジューリングされたPDSCH、DCIフォーマット1_0によってアクティブ化されたSPS PDSCH受信、又はDCIフォーマット1_0によって示されたSPS PDSCHリリースについて、PDSCHとHARQ-ACK間のタイミング値のセットは、仕様K1={1,2,3,4,5,6,7,8}に定義されている。DCI フォーマット1_1によってスケジューリングされたPDSCH、DCIフォーマット1_1によってアクティブ化されたSPS PDSCH受信、又はDCIフォーマット1_1によって示されたSPS PDSCHリリースについて、PDSCHとHARQ-ACK間のタイミング値のセットは、RRCパラメータdl-DataToUL-ACKによって設定される。DCIフォーマット1_2によってスケジューリングされたPDSCH、DCIフォーマット1_2によってアクティブ化されたSPS PDSCH受信、又はDCIフォーマット1_2によって示されたSPS PDSCHリリースについて、PDSCHとHARQ-ACK間のタイミング値のセットは、RRCパラメータdl-DataToUL-ACKForDCIFormat1_2によって設定される。
【0040】
DL DCIのPDSCH-to-HARQ_フィードバックタイミングインジケータ(PDSCH-toHARQ_feedback timing indicator)フィールドの1~3ビットは、タイミング値のセットK1の中から1つを示すために使用されることが規定されている。PDSCH-toHARQ_feedback timing indicatorフィールドの値とスロットの番号とのマッピングは以下のようになる。
表2:PDSCH-toHARQ_feedback timing indicatorフィールドの値とスロットの番号とのマッピング
【0041】
ライセンスド・スペクトラムでのHARQフィードバックに使用されるコードブックには、Type-1 HARQ-ACKコードブックとType-2 HARQ-ACKコードブックの2種類がある。Type-1 HARQ-ACKコードブックは半静的コードブックとみなし、Type-2 HARQ-ACKコードブックは動的コードブックとみなすことができる。
【0042】
Type-1 HARQ-ACKコードブックは、PDSCH-toHARQ_feedback timingの値K1、PDSCH時間領域リソース割当(TDRA)テーブル、DLとULで異なるニューメロロジー(numerology)が設定された場合のダウンリンクSCS設定μDLとアップリンクSCS設定μULとの比率2(μDL-μUL)、TDD-UL-DL-ConfigurationCommonとTDD-UL-DL-ConfigDedicatedによるTDD設定等の要素に基づいて決定される。
【0043】
従来の方法では、HARQ-ACKウィンドウサイズは、HARQ-ACKタイミング値セットK1に基づいて決定することができる。そして、セットK1のHARQ-ACKタイミング値ごとに、TDRAテーブルとTDD設定に基づいて、各スロットにおけるPDSCH受信機会の候補を決定することができる。TDD-UL-DL-ConfigurationCommon及びTDD-UL-DL-ConfigDedicatedによって設定されたULと重複する時間領域RAテーブルのPDSCH受信機会の候補は除外される。そして、重複するPDSCH受信機会の候補については特定のルールに基づいてHARQ-ACKビットが1つだけ生成される。PDSCH受信機会が決定されると、PDSCH受信機会に基づいてType-1 HARQ-ACKコードブックを決定することができる。
【0044】
Type-2 HARQ-ACKコードブックは、スケジューリングDCIにおけるカウンタDAIとトータルDAIに基づいて決定され、PUCCH送信用の同一スロットを指すDCIによってスケジューリングされたPDSCHに対するHARQ-ACKは、同じHARQ-ACKコードブックにマッピングされる。まず、PDSCH受信をスケジューリングするためのDCIグループを判定することができ、それに対して端末装置はスロットnの同じPUCCHで、対応するHARQ-ACK情報を送信する。そして、DL DCIフォーマットのカウンタDAI、DCIフォーマット1_1/DCIフォーマット1_2のトータルDAI、maxNrofCodeWordsScheduledByDCI、Harq-ACK-SpatialBundlingPUCCH、及びPDSCH-CodeBlockGroupTransmission等のパラメータに基づいて、コードブックサイズとHARQ-ACK情報のビット順を決定することができる。
【0045】
1つのPDCCHについて空間領域で単一TB又は2つのTBをスケジューリングする従来のHARQ-ACKフィードバックメカニズムは、複数のTB/PDSCHが単一のDCIによってスケジューリングされる場合には直接再利用することができない。
【0046】
そこで本開示は、HARQ-ACKフィードバックメカニズムを提案する。端末装置が、単一のDCIによってスケジューリングされた複数のTBをデータチャネルにおいて受信する場合、端末装置は、HARQ-ACKフィードバックを送信するための制御チャネルを決定し、HARQ-ACKフィードバック情報を搬送するための対応するコードブックを決定することができる。そして端末装置は、決定されたコードブックに基づいて、HARQ-ACKフィードバック情報を、制御チャネルによってネットワーク装置に送信することができる。
【0047】
本開示の原理及び実施について、
図2を参照しながら以下で詳細に説明する。議論を目的として、
図1を参照してプロセス200について説明する。プロセス200は、
図1に示す端末装置110及びネットワーク装置120に関わる。
【0048】
図2に示すように、ネットワーク装置120は、制御情報、すなわちダウンリンク制御情報を端末装置110に送信する(210)。制御情報は、異なるデータチャネル、すなわちPDSCHにおいてネットワーク装置120から端末装置110へ送信される複数のTBの送信をスケジューリングしてもよい。端末装置110は、異なるセルのDCIによってこれらのPDSCHがスケジューリングされることを想定していないことを理解されたい。これらのPDSCHは、1つのセルのDCIによってスケジューリングされるべきである。
【0049】
次に、端末装置110はまず、HARQ-ACKフィードバック情報を送信するための制御チャネル、すなわちPUCCHを決定する(220)。端末装置110は、スケジューリングDCIによって示されるHARQ-ACKタイミング値K1,kに基づいて、PUCCH送信のためのスロット/サブスロットを決定してもよい。K1,kは、複数のPDSCHのうち時間領域で最後にPDSCHを受信するスロット/サブスロットから、UL肯定応答を送信するスロット/サブスロットまでの時間である。
【0050】
図3は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、単一のDCIによってスケジューリングされた複数のPDSCHと、複数のPDSCHに関連付けられたHARQフィードバックが送信されるPUCCHとを示す。
【0051】
図3に示すように、スロット301でPDCCH311が送信される。DCIはPDCCH311から受信可能である。DCIは、スロット302で送信される第1PDSCH312と、スロット303で送信される第2PDSCH313とをスケジューリングしてもよい。PUCCH送信用のスロットを決定するために、端末装置110は、DCIからHARQ-ACKタイミング値K
1,kを取得してもよい。この値は、最後のPDSCH受信のスロット/サブスロット、すなわち
図3に示すスロット303からの、UL肯定応答の送信までの複数のPDSCHの間の時間領域における時間を示す。K
1,k=2であれば、スロット305をPUCCH314の送信用として決定することができる。
【0052】
いくつかの実施形態において、HARQ-ACKタイミングのセットK1(dl-DataToUL-ACKとしても知られている)の値の範囲、例えば、最大のK1,kは、31又は63まで拡張することができる。端末装置110がDCIフォーマットによってスケジューリングされたN個の独立したPDSCHを、スロットn-N+1からnまで受信する場合、端末装置110は、PDSCHについて、対応するHARQ-ACK情報をスロットn+kのPUCCHで報告する。ここで、kはDCIフォーマットのPDSCH-to-HARQ_feedback timing indicatorフィールドの値によって示される。
【0053】
また、各PDSCHに対するHARQ-ACKフィードバック情報を報告するために、端末装置110は、HARQ-ACKフィードバック情報を示すためのフィードバックパターン(feedback pattern)を決定してもよい。フィードバックパターンの決定は、HARQ-ACKフィードバック情報の報告モードと、HARQ HARQ-ACKコードブックの採用されたタイプに依存してもよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、複数のPDSCHに対するHARQ-ACK値をバンドリングすることによって、複数の独立したPDSCHに対して1つのHARQ-ACKビットのみを生成してよい。端末装置110は、異なるPDSCHにおける複数のTBに対するそれぞれのHARQフィードバック値を決定し、それぞれのHARQフィードバック値に対してAND演算等の論理演算を行うことにより、バンドリング(bundling)HARQフィードバック値を生成してもよい。複数の独立したPDSCHに対するAND演算の一例は、以下のように示すことができる。
表3:複数の独立したPDSCHに対するAND演算
【0055】
例えば、
図3を参照すると、第1のPDSCH312に対するHARQ-ACK値と第2のPDSCH313に対するHARQ-ACK値は、1ビットのHARQ-ACK値となるようにバンドリングして、PUCCH314で報告することができる。例えば、第1のPDSCH312に対してACK、第2のPDSCH313に対してNACKの場合、1ビットのHARQ-ACK値は、ACK(1)&NACK(0)=NACK(0)であってもよい。
【0056】
いくつかの実施形態において、端末装置110はまた、複数のPDSCHのうち各PDSCHに対しHARQ-ACKビットを別々に生成し、これらのHARQ-ACKのビットを1つのPUCCHで報告してもよい。すなわち、端末装置110は、異なるPDSCHにおける複数のTBに対するそれぞれのHARQフィードバック値を決定し、これらのHARQフィードバック値をPUCCHで報告してもよい。
【0057】
次に、バンドリングされた1ビットのHARQ-ACK値又はPDSCHごとに分けられたHARQ-ACKビットを含むHARQ-ACKフィードバック情報を搬送するためのコードブックの選択及び使用について、さらに以下のとおり論じてもよい。上述したように、HARQフィードバックのコードブックには、Type-1コードブックとType-2コードブックの2種類がある。
【0058】
端末装置110が複数の独立したPDSCHに対して1つのHARQ-ACKビットを生成するケースでは、端末装置110にType-1 HARQ-ACKコードブックが設定されている場合、いくつかの実施形態において、端末装置110は、異なる時間領域リソース割当を有するDCIによって複数のPDSCHがスケジューリングされることを想定しない。すなわち、異なるPDSCHにおけるTBのそれぞれの受信機会に対して、HARQ-ACKコードブックにおいて1つのHARQ-ACK位置が生成される。端末装置110は、Type-1 HARQ-ACKコードブックの対応するHARQ-ACK位置において、複数のPDSCHに対する1つのHARQ-ACKビットを報告してもよい。
【0059】
図4Aは、本開示のいくつかの実施形態にかかる、HARQフィードバックのためのコードブックの構成を示す。
図4Aに示すように、スロット401のPDSCH411におけるTBの受信機会は第2シンボルから始まり、シンボル長は5であり、スロット402のPDSCH412におけるTBの受信機会は第2シンボルから始まり、シンボル長は5である。したがって、PDSCH411とPDSCH412の受信機会は同じであるとみなすことができる。
【0060】
上述したように、複数のPDSCHに対するType-1 HARQ-ACKコードブックは、1つのHARQ-ACKタイミング値K
1,kに基づいて決定することができる。そして、コードブックのサイズ、例えば、コードブックに含まれる報告位置の数を示すために、コードブックパターンが決定されてもよい。
図4Aに示すように、コードブックは、報告位置421~426を含んでもよい。例えば、第1のPDSCH411に対してACK、第2のPDSCH412に対してNACKの場合、1ビットのHARQ-ACK値は、ACK(1)&NACK(0)=NACK(0)であってもよい。そして、位置423で値NACK(0)を報告することができる。
【0061】
いくつかの実施形態において、DCIによる複数のPDSCHは異なるSLIVの割当を有してもよく、HARQ-ACKコードブックにおいて、複数のHARQ-ACK位置が複数のPDSCHと関連付けられる。この場合、端末装置が、HARQ-ACKコードブックにおいて複数のPDSCHに関連付けられているHARQ-ACK位置のうちの1つで、複数のPDSCHに対する1つのHARQ-ACKビットのみを報告するのであれば、HARQ-ACK位置は、例えば、時間領域の複数のPDSCHのうちの例えば最初のPDSCH又は最後のPDSCH等のPDSCHの1つに関連付けられている受信機会に基づいて決定することができる。
【0062】
また、別の選択肢として、最小開始シンボルのPDSCHの受信、最長継続時間のPDSCHの受信、又はHARQ-ACKプロセスIDが最も小さい/最も大きいPDSCHの受信に基づいて、HARQ-ACK位置を決定することも可能である。
【0063】
すなわち、端末装置110は、複数のTBの中から参照TBを選択してもよい。参照TBは、時間領域における最初/最後のPDSCH、最小開始シンボルを有する参照TBの受信機会、最長継続時間を有する参照TBの受信機会、又は、最小/最大のHARQ-ACKプロセスIDでの受信において送信されてもよい。
【0064】
図4Bは、本開示のいくつかの実施形態にかかる、HARQフィードバックのためのコードブックの構成を示す。
図4Bに示すように、スロット401のPDSCH411におけるTBの受信機会は第2シンボルから始まり、シンボル長は5であり、スロット402のPDSCH412におけるTBの受信機会は第9シンボルから始まり、シンボル長は5である。したがって、PDSCH411とPDSCH412の受信機会は異なるとみなすことができる。PDSCH411とPDSCH412に対して、2つのHARQ-ACK位置423と425がそれぞれ生成される。
【0065】
この場合、端末装置110は、PDSCH411に対してACK、PDSCH412に対してACKのとき、最後のPDSCH受信、すなわちPDSCH412のHARQ-ACK位置において、有効なHARQ-ACK値であるACK(1)&ACK(1)=ACK(1)のみを報告する。したがって端末装置110は、報告位置425においてACK(1)のみを報告する。
【0066】
HARQ-ACKコードブックにおける、複数のPDSCHに関連付けられている残りのHARQ-ACK位置について、端末装置110は固定されたACK又はNACKの値を報告するか、又は、UEはネットワーク装置によってスケジューリングされた他のPDSCHに対する有効なHARQ-ACK値を報告する。例えば
図4Bにおいて、端末装置110は位置423でNACK(0)を報告してもよい。
【0067】
端末装置110が複数のPDSCHのうち各PDSCHに対しHARQ-ACKビットを別々に生成し、これらのHARQ-ACKビットを1つのPUCCHで報告する場合、端末装置110にType-1 HARQ-ACKコードブックが設定されていれば、複数のPDSCHに対するType-1 HARQ-ACKコードブックの決定は、1つのHARQ-ACKタイミング値K1,kに基づく。1つのDCIによってスケジューリングされた複数のPDSCHにおける複数のTBの受信機会は、同じである。
【0068】
しかし、現在のType-1 HARQ-ACKコードブック構成ルールに従って、1つのHARQ-ACK位置しか生成されない場合、端末装置110は、DCIによってスケジューリングされた複数のPDSCHに対する全ての有効なHARQ-ACKビットを報告することができない。
【0069】
この場合、同じ受信機会を有する複数のPDSCHにおける複数のTBに対して、N個のHARQ-ACK位置が生成される。ここでNは端末装置のためにDCIによってスケジューリングされる最大TB数又は実際のTB数である。
【0070】
図5Aは、本開示のいくつかの実施形態にかかる、HARQフィードバックのためのコードブックの構成を示す。
図5に示すように、PDSCH511とPDSCH512の受信機会は同じである。また、PDSCH511とPDSCH512に対するType-1 HARQ-ACKコードブックは、位置521~527を有する1つのHARQ-ACKタイミング値K
1,kに基づいて決定することができる。PDSCH511とPDSCH512に対し、2つのHARQ-ACK位置、すなわち523と524を生成することができる。
【0071】
いくつかの実施形態において、PDSCHに対するコードブック内のN個のHARQ-ACK位置は、HARQ-ACKプロセスIDの昇順/降順である。別の選択肢として、PDSCHに対するコードブック内のN個のHARQ-ACK位置は、PDSCHの受信順である。
【0072】
また、端末装置110にType-1 HARQ-ACKコードブックが設定されている場合、複数の仮想HARQ-ACKタイミング値に基づいて、複数のPDSCHに対するType-1 HARQ-ACKコードブックを決定することも可能である。各PDSCHに対する仮想HARQ-ACKタイミング値は、DCIによって示される1つのHARQ-ACKタイミング値K1,kと、時間オフセットΔtとに基づいて決定することができる。時間オフセットΔtは、現在のPDSCH受信と、最後又は最初のPDSCH受信との時間差である。
【0073】
図5Bは、本開示のいくつかの実施形態にかかる、HARQフィードバックのためのコードブックの構成を示す。
図5に示すように、PDSCH511とPDSCH512の受信機会は同じである。PDSCH512に対するHARQ-ACKタイミング値K
1,k=2であり、時間オフセットΔt=1の場合、PDSCH511に対する仮想HARQ-ACKタイミング値はK
1,k+Δt=3である。位置521~526を有する決定されたType-1 HARQ-ACKコードブックでは、PDSCH511に対するHARQ-ACK値を位置521で報告することができ、HARQ-ACK値を位置524で報告することができる。
【0074】
端末装置110が複数のPDSCHのうち各PDSCHに対しHARQ-ACKビットを別々に生成し、これらのHARQ-ACKのビットを1つのPUCCHで報告する場合、端末装置にType-2 HARQ-ACKコードブックが設定され、端末装置に1つのCCのみが設定されているのであれば、DCIによってスケジューリングされた複数のPDSCHに対するHARQ-ACK情報と、DCIによってスケジューリングされた単一PDSCH/又はSDMベースの2つのPDSCHに対するHARQ-ACK情報は、PUCCHで多重化されることが許可される。
【0075】
この場合、カウンタDAIは、単一のDCIでスケジューリングされた複数のPDSCHについて累積して算出される。カウンタDAIフィールドのビット幅は、ネットワーク装置120によってxビットまで拡張可能であり、例えば、x=4の場合、c-DAIの最大値は16である。DCIによってスケジューリングされたこれらのPDSCHに対する、Type-2コードブック内のHARQ-ACK位置は、段落0070のType-1コードブックのものと同じにすることができる。
【0076】
図6Aは、本開示のいくつかの実施形態にかかる、HARQフィードバックのためのコードブックの構成を示す。
【0077】
図6Aに示すように、カウンタDAI=1を有する第1のDCI611は、スロット601、602、603、604のPDSCH621、622、623、624を、それぞれスケジューリングしてもよい。カウンタDAI=5を有する第2のDCI612は、スロット605上でPDSCH625をスケジューリングしてもよく、カウンタDAI=6を有する第3のDCI613は、スロット607上でPDSCH626をスケジューリングしてもよい。PDSCH621~626に関連付けられているHARQ-ACKフィードバック情報がスロット608上でPUCCH631で送信されると端末装置110が決定した場合、最初の4つのHARQ-ACK位置が、DCI611によってスケジューリングされた4つのPDSCHに対して生成され、5番目のHARQ-ACK位置が、DCIフォーマット612によってスケジューリングされたPDSCHに対して生成され、6番目のHARQ-ACK位置が、DCIフォーマット613によってスケジューリングされたPDSCHに対して生成される。
【0078】
したがって、
図6Aにおいて、PDSCH621、622、623、624に対するHARQ-ACK値は、位置641から644で報告することができ、PDSCH625及びPDSCH626に対するHARQ-ACK値はそれぞれ位置645及び646で報告することができる。
【0079】
いくつかの可能な実施形態において、端末装置にType-2 HARQ-ACKコードブックが設定され、端末装置に1つのCCのみが設定されているのであれば、DCIによってスケジューリングされた複数のPDSCHに対するHARQ-ACK情報と、DCIによってスケジューリングされた単一PDSCH/又はSDMベースの2つのPDSCHに対するHARQ-ACK情報は、PUCCHで多重化されることが許可される。この場合、DCIによる複数のPDSCHと、DCIによる単一PDSCHに対し、2つのサブコードブックが別々に構成される。カウンタDAIは、サブコードブックごとに個別に算出される。複数のPDSCHに対するHARQ-ACKビットのみを含むサブコードブックは、単一PDSCHに対するHARQ-ACKビットのみを含むサブコードブックの後に配置される。
【0080】
図6Bは、本開示のいくつかの実施形態にかかる、HARQフィードバックのためのコードブックの構成を示す。
【0081】
図6Aと同様に、
図6Bにおいて、カウンタDAI=1を有する第1のDCI611は、スロット601、602、603、604のPDSCH621、622、623、624をそれぞれスケジューリングしてもよい。カウンタDAI=1を有する第2のDCI612は、スロット605上でPDSCH625をスケジューリングしてもよく、カウンタDAI=2有する第3のDCI613は、スロット607上でPDSCH626をスケジューリングしてもよい。PDSCH621~626に関連付けられているHARQ-ACKフィードバック情報がスロット608のPUCCH631で送信されると端末装置110が決定した場合、PDSCH625及びPDSCH626のHARQ-ACK値を報告するために2つのHARQ-ACK位置641、642を生成し、また、PDSCH621、622、623、624のHARQ-ACK値を報告するために4つのHARQ-ACK位置643~646を生成することができる。
【0082】
いくつかの可能な実施形態において、端末装置にType-2 HARQ-ACKコードブックが設定され、端末装置に1つのコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)のみが設定されているのであれば、DCIによってスケジューリングされた複数のPDSCHに対するHARQ-ACK情報と、DCIによってスケジューリングされた単一PDSCH/又はSDMベースの2つのPDSCHに対するHARQ-ACK情報は、PUCCHで多重化されることが許可される。この場合、端末装置110は、DLスケジューリングDCIの受信ごとに、PDSCHに対してN個のHARQ-ACK位置を生成してもよい。Nは、単一のDCIによってスケジューリングされる最大TB数であり、NはRRCによって設定することができる。例えば、DCIによってスケジューリングされた単一PDSCHの場合、端末装置は、N個の対応するHARQ-ACK位置のうち1番目の位置においてのみ、有効なHARQ-ACK値を報告し、他のN-1個の位置においてNACKを報告してもよい。DCIによってスケジューリングされた複数のPDSCHの場合、M個のPDSCHがスケジューリングされ、M<Nである場合、端末装置は、N個の対応するHARQ-ACK位置のうち先頭のM個の位置においてのみ、M個の有効なHARQ-ACK値を報告し、他のN-M個の位置においてNACKを報告してもよい。
【0083】
図6Cは、本開示のいくつかの実施形態にかかる、HARQフィードバックのためのコードブックの構成を示す。
【0084】
図6A及び
図6Bと同様に、第1のDCI611は、スロット601、602、603、604のPDSCH621、622、623、624をそれぞれスケジューリングしてもよい。第2のDCI612は、スロット605のPDSCH625をスケジューリングしてもよく、第3のDCI613は、スロット607のPDSCH626をスケジューリングしてもよい。PDSCH621~626に関連付けられているHARQ-ACKフィードバック情報がスロット608のPUCCH631で送信されると端末装置110が決定した場合、端末装置110は、DCIによってスケジューリングされるPDSCHの最大数に基づいて、コードブックサイズを決定してもよい。
【0085】
したがって、PDSCH621、622、623、624のHARQ-ACK値を報告するために、4つのHARQ-ACK位置641~644を生成することができ、PDSCH625のHARQ-ACK値を報告するために4つのHARQ-ACK候補位置651~654を生成することができ、PDSCH626のHARQ-ACK値を報告するために4つのHARQ-ACK候補位置661~664を生成することができる。
【0086】
上述したように、端末装置は、N個の対応するHARQ-ACK位置のうち1番目の位置においてのみ、有効なHARQ-ACK値を報告し、他のN-1個の位置においてNACKを報告してもよい。したがって、PDSCH625のHARQ-ACK値は位置651で報告することができ、PDSCH626のHARQ-ACK値は位置661で報告することができる。
【0087】
このように、端末装置110がHARQ-ACKフィードバック情報のフィードバックパターンを決定した場合、
図2を参照すると、端末装置110は、フィードバックパターンに基づいて、制御チャネルによって、HARQ-ACKフィードバック情報をネットワーク装置に送信してもよい(230)。
【0088】
さらに、HARQフィードバックの処理タイムラインに関して、端末装置110は、複数のPDSCHに対するHARQ-ACKのためのPUCCH Txの開始シンボルが、以下の式で示される、複数のPDSCHのうち時間領域における最後のPDSCH受信の終了シンボルの
より早いとは想定しない。
。1つの選択肢として、端末装置は、処理タイムラインを満たす、PDSCHに対するHARQ-ACK情報のみを報告してもよい。
【0089】
端末装置110が、PDCCHによってスケジューリングされたユニキャストの複数のTB/個別のTB(複数の独立したPDSCHとしても知られている)をサポート/復号/受信できるかどうかは、端末装置110の能力次第である。
【0090】
端末装置110が、PDCCHによってスケジューリングされたユニキャストの複数のTBを受信/復号できる能力を示す場合、PDCCHによってスケジューリングされるユニキャストの最大TB数は、UEの能力次第である。例えば、PDCCHによってスケジューリングされるユニキャストの異なる最大TB数に対する個別の能力に応じて、最大2つのユニキャストTBがPDCCHによってスケジューリング可能であるか、又は、最大4つのユニキャストTBがPDCCHによってスケジューリング可能である。
【0091】
PDCCHによってスケジューリングされる実際のユニキャストTB数は、ネットワーク装置の設定次第である。端末装置は、以下の方法でその情報を取得することができる。例えば、RRC又はDCIによって暗黙的に情報を示すことができる。あるいは、RRC及びDCIによって暗黙的に情報を示すこともできる。例えば、TDRAテーブルの各エントリに対する時間領域リソースの割当数が挙げられる。別の選択肢として、RRC又はDCIによって明示的に情報を示すこともできる。例えば、NrofTbSchduledBySingleDCIのようなPDSCH-ConfigのRRCパラメータを導入することができる。あるいは、スケジューリングDCIに新しいインジケータフィールドを設けるか、現在のインジケータフィールドを再解釈して、例えば、2ビットをユニキャストTB数を示すために用い、ビット00を1つのTBに対応させ、ビット01を2つのTBに対応させ、ビット10を3つのTBに対応させ、ビット11を4つのTBに対応させてもよい。
【0092】
このように、単一のDCIによって複数のTB/独立したPDSCHがスケジューリングされる場合の、端末装置のHARQ-ACKフィードバックメカニズムの強化を実現することができ、PUCCH衝突の可能性を軽減し、さらなる柔軟性を提供することができる。
【0093】
図7は、本開示のいくつかの例示的な実施形態にかかる、単一のDCIによってスケジューリングされた複数のデータチャネルに対するHARQフィードバックの例示的な方法700のフローチャートを示す。方法700は、
図1に示すような端末装置110で実施することができる。議論を目的として、
図1を参照して方法700について説明する。
【0094】
図7に示すように、710において、端末装置110は、ネットワーク装置から制御情報を受信する。
【0095】
720において、端末装置110は、データチャネルセットにおけるネットワーク装置から端末装置110への複数のトランスポートブロックの送信が制御情報によってスケジューリングされていると判定した場合、複数のトランスポートブロックに関連付けられているハイブリッド自動再送要求のHARQフィードバック情報を送信するための制御チャネルを決定する。
【0096】
いくつかの例示的な実施形態において、端末装置110は、時間領域における参照トランスポートブロックの参照位置を決定してもよく、参照トランスポートブロックは、データチャネルセットにおける参照データチャネルで送信される。また、端末装置110は、制御情報から、参照トランスポートブロックに関連付けられているHARQフィードバックのタイムウィンドウを取得し、参照位置とタイムウィンドウとに基づいて制御チャネルを決定してもよい。
【0097】
いくつかの例示的な実施形態において、端末装置110は、複数のトランスポートブロックに対するそれぞれのHARQフィードバック値に対して演算を行うことによってHARQフィードバック値を生成し、当該HARQフィードバック値をHARQフィードバック情報として決定してよい。
【0098】
いくつかの例示的な実施形態において、端末装置110は、複数のトランスポートブロックに対するそれぞれのHARQフィードバック値を、HARQフィードバック情報として決定してもよい。
【0099】
730において、端末装置110は、制御チャネルによってHARQフィードバック情報をネットワーク装置に送信する。
【0100】
いくつかの例示的な実施形態において、HARQフィードバック情報を搬送するためにType-1 HARQ-ACKコードブックが採用されることを端末装置110が決定した場合、端末装置110は、データチャネルセットにおける複数のトランスポートブロックのそれぞれの開始及び長さのインジケータ値、SLIVを判定してもよい。端末装置110は、それぞれのSLIVが同じである場合、SLIVに基づいてType-1 HARQ-ACKコードブックにおけるフィードバック位置を決定し、フィードバック位置に基づいてHARQフィードバック情報を送信してもよい。
【0101】
いくつかの例示的な実施形態において、HARQフィードバック情報を搬送するためにType-1 HARQ-ACKコードブックが採用されることを端末装置110が決定した場合、端末装置110は、データチャネルセットにおける複数のトランスポートブロックのそれぞれの開始及び長さのインジケータ値、SLIVを判定してもよい。端末装置110が、それぞれのSLIVが異なると判定した場合、端末装置110は、時間領域における複数のトランスポートブロックにおける参照トランスポートブロックの受信に対応する参照SLIVを決定し、参照SLIVに基づいてType-1 HARQ-ACKコードブックにおけるフィードバック位置を決定してもよい。端末装置110は、フィードバック位置に基づいて、HARQフィードバック情報を送信してもよい。
【0102】
いくつかの例示的な実施形態において、端末装置110は、参照トランスポートブロック送信用の参照データチャネルのインデックス、参照SLIVに示される開始シンボルの値、参照SLIVに示されるシンボルの長さの値、及び、参照トランスポートブロックの受信に関連付けられているHARQプロセスのインデックスのうち少なくとも1つに基づいて、参照トランスポートブロックの受信に対応する参照SLIVを決定してもよい。
【0103】
いくつかの例示的な実施形態において、HARQフィードバック情報を搬送するためにType-1 HARQ-ACKコードブックが採用されることを端末装置110が決定した場合、端末装置110は、データチャネルセットにおける複数のトランスポートブロックの開始及び長さのインジケータ値、SLIVを判定してもよい。それぞれのSLIVが同じであると端末装置110が判定した場合、端末装置110は、それぞれのSLIVに基づいて、Type-1 HARQ-ACKコードブックにおいてそれぞれのHARQフィードバック値を示すための複数のフィードバック位置を決定してもよい。端末装置110は、複数のトランスポートブロックに関連付けられているHARQプロセスのインデックス、又はデータチャネルセットにおける複数のトランスポートブロックの受信順に基づいて、複数のフィードバック位置においてそれぞれのHARQフィードバック値を報告する順序を決定し、複数のフィードバック位置と順序に基づいて、HARQフィードバック情報を送信してもよい。
【0104】
いくつかの例示的な実施形態において、HARQフィードバック情報を搬送するためにType-1 HARQ-ACKコードブックが採用されることを端末装置110が決定した場合、端末装置110は、複数のトランスポートブロックのタイムウィンドウに関連付けられている、複数のトランスポートブロックの時間オフセットのセットを、制御情報から取得してもよい。当該複数のトランスポートブロックのタイムウィンドウは、複数のトランスポートブロックにおける参照トランスポートブロックに関連付けられているHARQフィードバックのタイムウィンドウに関連付けられているものである。端末装置110は、タイムウィンドウと、時間オフセットのセットとに基づいて、Type-1 HARQ-ACKコードブックにおいてそれぞれのHARQフィードバック値を示すための複数のフィードバック位置を決定し、複数のフィードバック位置に基づいてHARQフィードバック情報を送信してもよい。
【0105】
いくつかの例示的な実施形態において、HARQフィードバック情報を搬送するためにType-2 HARQ-ACKコードブックが採用されることを端末装置110が決定した場合、端末装置110は、データチャネルセットの数と、さらなるデータチャネルの数とに基づいて、Type-2 HARQ-ACKコードブックのコードブックサイズと、Type-2 HARQ-ACKコードブックにおいてそれぞれのHARQフィードバック値及びさらなるHARQフィードバック値を示すための複数のフィードバック位置と、を決定してもよい。当該さらなるHARQフィードバック値は、さらなる制御情報によってスケジューリングされたさらなるデータチャネルにおいて、ネットワーク装置から端末装置へ送信されたさらなるトランスポートブロックに対するものである。端末装置は、複数のトランスポートブロック及びさらなるトランスポートブロックに関連付けられているHARQプロセスのインデックス、又は、データチャネルセット及びさらなるデータチャネルにおける、複数のトランスポートブロック及びさらなるトランスポートブロックの受信順に基づいて、複数のフィードバック位置においてそれぞれのHARQフィードバック値及びさらなるHARQフィードバック値を報告する順序を決定し、コードブックサイズと、複数のフィードバック位置と、順序とに基づいてHARQフィードバック情報を送信してもよい。
【0106】
いくつかの例示的な実施形態において、HARQフィードバック情報を搬送するためにType-2 HARQ-ACKコードブックが採用されることを端末装置110が決定した場合、端末装置110は、制御情報によってスケジューリングすることが許可されるデータチャネルの閾値数に基づいてType-2 HARQ-ACKコードブックのコードブックサイズを決定してよい。端末装置は、閾値数、データチャネルセットの第1の数、及びさらなるデータチャネルの第2の数に基づいて、それぞれのHARQフィードバック値と、さらなる制御情報によってスケジューリングされたさらなるデータチャネルにおいてネットワーク装置から端末装置へ送信されたさらなるトランスポートブロックに対するさらなるHARQフィードバック値と、を示すための複数のフィードバック位置を決定してもよい。そして端末装置は、コードブックサイズと、複数のフィードバック位置と、さらなるフィードバック位置とに基づいて、HARQフィードバック情報を送信してもよい。
【0107】
いくつかの例示的な実施形態において、端末装置110は、Type-2 HARQ-ACKコードブックにおいてそれぞれのHARQフィードバック値及びさらなるHARQフィードバック値を報告することが許可される、それぞれの候補フィードバック位置のセットを、閾値数に基づいて決定してもよい。端末装置はさらに、それぞれの候補フィードバック位置のセットにおいて、閾値数と第1の数とに基づいて、それぞれのHARQフィードバック値を報告するためのフィードバック位置の第1部分を決定してもよく、また、閾値数と、第2の数とに基づいて、さらなるHARQフィードバック値を報告するためのフィードバック位置の第2部分を決定してもよい。そして、フィードバック位置の第1部分と、フィードバック位置の第2部分とに基づいて、当該複数のフィードバック位置を決定してもよい。
【0108】
図8は、本開示のいくつかの例示的な実施形態にかかる、単一のDCIによってスケジューリングされた複数のデータチャネルに対するHARQフィードバックの例示的な方法800のフローチャートを示す。方法800は、
図1に示すようなネットワーク装置120で実施することができる。議論を目的として、
図1を参照して方法800について説明する。
【0109】
図8に示すように、810において、ネットワーク装置120は、ネットワーク装置から端末装置に制御情報を送信する。制御情報によって、データチャネルセットにおけるネットワーク装置から端末装置への複数のトランスポートブロックの送信がスケジューリングされる。
【0110】
820において、ネットワーク装置120は、複数のトランスポートブロックに関連付けられたハイブリッド自動再送要求のHARQフィードバック情報を、制御チャネルによって端末装置から受信する。
【0111】
図9は、本開示の実施形態を実施するのに適した装置900の概略ブロック図である。装置900は、例えば
図1に示すような端末装置110及びネットワーク装置120といった通信装置を実現するために提供されてもよい。示されるように、装置900は、1つ又は複数のプロセッサ910と、プロセッサ910に結合された1つ又は複数のメモリ920と、プロセッサ910に結合された1つ又は複数の通信モジュール990とを含む。
【0112】
通信モジュール990は、双方向通信用である。通信モジュール990は、通信を促進にするために、少なくとも1つのアンテナを有する。通信インタフェースは、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインタフェースを表してもよい。
【0113】
プロセッサ910は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号処理器(DSP)、及びマルチコアプロセッサ構成に基づくプロセッサのうち、1つ又は複数を含んでもよいが、これらに限定されない。装置900は複数のプロセッサ、例えば、マスタープロセッサと同期するクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップを有してもよい。
【0114】
メモリ920は、1つ又は複数の不揮発性メモリと、1つ又は複数の揮発性メモリとを含んでもよい。不揮発性メモリの例としては、ROM(Read Only Memory)929、EPROM(Electrically Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク、CD(compact disc)、DVD(digital video disk)、その他の磁気記憶装置及び/又は光学記憶装置が挙げられるが、これらに限定されない。揮発性メモリの例としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)922や、電源オフ中に情報を保持しない他の揮発性メモリが挙げられるが、これらに限定されない。
【0115】
コンピュータプログラム930は、関連するプロセッサ910によって実行されるコンピュータが実行可能な命令を含む。プログラム930は、ROM929に格納されてもよい。プロセッサ910は、プログラム930をRAM922にロードすることにより、任意の適切な動作及び処理を実行してもよい。
【0116】
本開示の実施形態は、装置900が、
図2~8を参照して論じた本開示の任意の処理を実行できるように、プログラム930によって実施されてもよい。本開示の実施形態は、ハードウェアによって、又はソフトウェアとハードウェアの組合せによって実施されてもよい。
【0117】
いくつかの実施形態において、プログラム930はコンピュータ可読媒体に明示的に含まれてもよく、コンピュータ可読媒体は、装置900(メモリ920内等)、又は装置900によってアクセス可能な他の記憶装置に含まれてもよい。装置900は、実行のためにプログラム930をコンピュータ可読媒体からRAM922にロードしてもよい。コンピュータ可読媒体には、ROM、EPROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、CD、DVD等、任意の種類の不揮発性有形記憶装置が含まれてもよい。
【0118】
通常、本開示の様々な実施形態は、ハードウェア若しくは専用回路、ソフトウェア、ロジック又はそれらの任意の組合せにより実施してもよい。いくつかの態様はハードウェアによって実施し、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサ又は他のコンピューティングデバイスが実行し得るファームウェア又はソフトウェアによって実施してもよい。本開示の実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャートとして図示されて説明され、又は他の何らかの絵画的表現によって示されているが、本明細書に記載のブロック、装置、システム、技術又は方法は、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路若しくはロジック、汎用ハードウェア若しくはコントローラ若しくは他のコンピューティングデバイス、又はそれらの組合せによって実施してもよいが、これらに限定されないことを理解されたい。
【0119】
本開示はさらに、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体に有形記憶される少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。当該コンピュータプログラム製品は、プログラムモジュールに含まれる命令のような、コンピュータが実行可能な命令を含む。当該命令は、対象の実プロセッサ又は仮想プロセッサ上のデバイスにおいて実行され、
図7~
図8を参照して上述した方法700、800を実行する。通常、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造等を含む。様々な実施形態において、プログラムモジュールの機能は、必要に応じてプログラムモジュール間で組み合わせるか、又は分割してもよい。プログラムモジュールのマシン可読命令は、ローカル又は分散型のデバイス内で実行してもよい。分散型デバイスにおいて、プログラムモジュールはローカル及びリモートの記憶媒体のどちらに置いてもよい。
【0120】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組合せにより記述されてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供されてもよく、プログラムコードがプロセッサ又はコントローラによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図に規定された機能/操作が実施される。プログラムコードは全てマシン上で実行するか、部分的にマシン上で実行するか、独立したソフトウェアパッケージとして実行するか、マシン上で部分的に実行するとともにリモートのマシン上で部分的に実行するか、又は全てリモートのマシン若しくはサーバ上で実行してもよい。
【0121】
本開示の文脈において、コンピュータプログラムコード又は関連データは、装置、デバイス又はプロセッサが上記のような様々な処理及び動作を実行できるように、任意の適切なキャリアによって搬送されてもよい。キャリアの例には、信号、コンピュータ可読媒体等が含まれる。
【0122】
コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読媒体は、電気、磁気、光学、電磁気、赤外線若しくは半導体のシステム、装置若しくはデバイス、又は前述の任意の適切な組合せを含んでもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のさらにより具体的な例には、1つ若しくは複数のワイヤ、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去・書き込み可能なリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯型コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光学的記憶装置、磁気記憶装置、又は前述の任意の適切な組合せが含まれる。
【0123】
なお、操作について、特定の順序で説明を行ったが、所望の結果を得るために、こうした操作を示された特定の順序で実行するか若しくは順に実行するか、又は、示された全ての操作を実行することが求められる、と理解されるべきではない。いくつかの状況では、マルチタスク及び並行処理が有利である可能性がある。同様に、上述の議論には、いくつかの具体的な実施の詳細が含まれるが、これらは本開示の範囲に対する限定ではなく、特定の実施形態に特定され得る特徴についての説明であると解釈されるべきである。個々の実施形態の文脈において説明したいくつかの特徴は、ある1つの実施形態において組み合わせて実施されてもよい。逆に、1つの実施形態の文脈において説明された各種特徴は、複数の実施形態において別々に、又は任意の適切な副次的な組合せにより、実施されてもよい。
【0124】
本開示について、構造的特徴及び/又は方法論的な動作に特有の言葉で説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示は、必ずしも上述の特定の特徴又は動作に限定されないことを理解されたい。上述の特定の特徴や動作はむしろ、特許請求の範囲を実施する例示的形態として開示されている。