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特開2024-5705遊技用カードおよびカード処理装置、カードゲームシステム、カード処理方法、カード処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005705
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】遊技用カードおよびカード処理装置、カードゲームシステム、カード処理方法、カード処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 1/02 20060101AFI20240110BHJP
   A63F 1/06 20060101ALI20240110BHJP
   A63F 13/95 20140101ALI20240110BHJP
   A63F 13/20 20140101ALI20240110BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20240110BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20240110BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20240110BHJP
   A63F 13/213 20140101ALN20240110BHJP
【FI】
A63F1/02 A
A63F1/06 Z
A63F13/95 Z
A63F13/20 A
A63F13/80 B
G06K19/06 037
G06K7/14 017
A63F13/213
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106013
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129012
【弁理士】
【氏名又は名称】元山 雅史
(72)【発明者】
【氏名】河野 良輔
(72)【発明者】
【氏名】山口 芳徳
(57)【要約】
【課題】目視での識別が困難であって、カードに付された情報によって絵札の情報を識別することが可能な遊技用カードおよびカード処理装置、カードゲームシステム、カード処理方法、カード処理プログラムを提供する。
【解決手段】遊技用カードCは、カードゲームにおいて使用され、所定の情報読取り機器によって読み取り可能な情報を含み、表面Ca、裏面Cbと、情報付与部C1とを備えている。表面Caは、カードゲームにおいて利用される絵札が付されている。裏面Cbは、表面Caと反対側の面であって、共通の図柄が付されている。情報付与部C1は、情報読取り機器によって読み取り可能であって表面Caの絵札の種類を特定する情報が付されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードゲームにおいて使用され、所定の情報読取り機器によって読み取り可能な情報を含む遊技用カードであって、
前記カードゲームにおいて利用される絵札が付された第1面と、
前記第1面と反対側の面であって、共通の図柄が付された第2面と、
前記情報読取り機器によって読み取り可能であって前記第1面の絵札の種類を特定する情報が付された情報付与部と、
を備えている遊技用カード。
【請求項2】
前記第2面における少なくとも1つの角部に配置され、前記情報読取り機器によって探索される探索マークを、さらに備えている、
請求項1に記載の遊技用カード。
【請求項3】
前記情報付与部は、前記第2面における前記共通の図柄の外周部に配置されている、
請求項1または2に記載の遊技用カード。
【請求項4】
前記カードゲームに必要な全ての種類の前記遊技用カードのセットが複数セット用意されており、
どのカードセットであるかを特定するためのカードセット特定部を、さらに備えている、
請求項1または2に記載の遊技用カード。
【請求項5】
前記情報付与部は、2値化された白黒の表示エリアを含む、
請求項1または2に記載の遊技用カード。
【請求項6】
前記情報付与部は、符号化されたコードである、
請求項1または2に記載の遊技用カード。
【請求項7】
前記情報付与部は、前記第1面の絵札の種類と、前記遊技用カードの上下とを特定するための情報を含む、
請求項1または2に記載の遊技用カード。
【請求項8】
略長方形状を有しており、
前記情報付与部は、前記略長方形状の4辺のうち、少なくとも1辺に沿って設けられている、
請求項1または2に記載の遊技用カード。
【請求項9】
前記情報付与部は、前記情報読取り機器による誤った読取りを訂正するための読取り訂正用冗長部を、さらに有している、
請求項1または2に記載の遊技用カード。
【請求項10】
請求項1または2に記載の遊技用カードを用いたカードゲームをプレイ中に、前記遊技用カードの情報を読み取るカード処理装置であって、
撮像装置によって撮影された前記遊技用カードを含む画像データを取得する画像取得部と、
前記画像取得部において取得された前記遊技用カードの画像データから、前記遊技用カードの前記第2面側に付された前記情報付与部の情報を読み取る情報読取り部と、
前記情報読取り部において読み取られた前記情報付与部に含まれる情報に基づいて、前記遊技用カードの前記第1面側に付された絵札の種類を特定するカード種類特定部と、
を備えているカード処理装置。
【請求項11】
前記カード種類特定部において特定された前記遊技用カードの前記第1面側に付された絵札の種類を、表示装置に表示させる表示制御部を、さらに備えている、
請求項10に記載のカード処理装置。
【請求項12】
前記カード種類特定部において特定された前記遊技用カードの前記第1面側に付された絵札の種類を通知する結果通知部を、さらに備えている、
請求項10に記載のカード処理装置。
【請求項13】
前記情報読取り部は、前記遊技用カードの前記第2面において、前記情報読取り部によって読み取られる情報の基準位置に付された探索マークの位置を探索するマーク探索部を有している、
請求項10に記載のカード処理装置。
【請求項14】
前記情報読取り部は、前記マーク探索部における探索結果に基づいて、前記遊技用カードの有無を判定するカード判定部を有している、
請求項13に記載のカード処理装置。
【請求項15】
前記情報読取り部は、前記マーク探索部における探索結果に基づいて、前記遊技用カードの前記第2面において読取り対象となる符号化されたコードの位置を特定するコード位置特定部を有している、
請求項14に記載のカード処理装置。
【請求項16】
前記情報読取り部は、前記コード位置特定部において特定された前記コードの位置に基づいて、前記コードの情報を読み取るコード読取り部を有している、
請求項15に記載のカード処理装置。
【請求項17】
前記情報読取り部は、前記コード読取り部において読み取られた符号化されたコードを復号化するコード復号部を有している、
請求項16に記載のカード処理装置。
【請求項18】
前記コード復号部において前記コードを復号化する際に参照され、前記コード読取り部において読み取られた前記コードの情報と前記遊技用カードの前記第1面の情報との関係を示すテーブルを保存する記憶部を、さらに備えている、
請求項17に記載のカード処理装置。
【請求項19】
前記テーブルは、乱数表を用いて前記コードと前記遊技用カードの前記第1面の情報との関係を示す、
請求項18に記載のカード処理装置。
【請求項20】
前記遊技用カードの前記第2面側に付された情報の読み取りを正常に行えたか否かを判定する読取り判定部を、さらに備えている、
請求項10に記載のカード処理装置。
【請求項21】
前記読取り判定部において、前記情報の読み取りを正常に行えなかったと判定された場合には、読み取りエラーを報知するエラー報知部を、さらに備えている、
請求項20に記載のカード処理装置。
【請求項22】
請求項10に記載のカード処理装置と、
前記撮像装置と、
を備えているカードゲームシステム。
【請求項23】
前記カード種類特定部において特定された前記遊技用カードの前記第1面側に付された絵札の種類を表示する表示装置を、さらに備えている、
請求項22に記載のカードゲームシステム。
【請求項24】
請求項1または2に記載の遊技用カードを用いたカードゲームをプレイ中に、前記遊技用カードの情報を読み取るカード処理方法であって、
撮像装置によって撮影された前記遊技用カードの前記第2面側を含む画像データを取得する画像取得ステップと、
前記画像取得ステップにおいて取得された前記遊技用カードの画像データから、前記遊技用カードの前記第2面側に付された情報を読み取る情報読取りステップと、
前記情報読取りステップにおいて読み取られた前記遊技用カードの前記第2面側に付された情報に基づいて、前記遊技用カードの前記第1面側に付された絵札の種類を特定するカード種類特定ステップと、
を備えているカード処理方法。
【請求項25】
請求項1または2に記載の遊技用カードを用いたカードゲームをプレイ中に、前記遊技用カードの情報を読み取るカード処理プログラムであって、
撮像装置によって撮影された前記遊技用カードの前記第2面側を含む画像データを取得する画像取得ステップと、
前記画像取得ステップにおいて取得された前記遊技用カードの画像データから、前記遊技用カードの前記第2面側に付された情報を読み取る情報読取りステップと、
前記情報読取りステップにおいて読み取られた前記遊技用カードの前記第2面側に付された情報に基づいて、前記遊技用カードの前記第1面側に付された絵札の種類を特定するカード種類特定ステップと、
を備えているカード処理方法をコンピュータに実行させるカード処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、インターネットを介して配信されるカードゲームの実況動画等に使用される遊技用カードおよびカード処理装置、カードゲームシステム、カード処理方法、カード処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、e-Sportsの人気が高まっている中、様々なゲームがインターネットを通じて配信されている。そのような状況下において、トランプ等のカードゲームについても、プレイ中の実況動画がインターネット配信されている。
しかしながら、カードゲームでは、手札(表面)を他のプレイヤに見せないようにしつつ、山札は伏せておいてプレイをするのがルールであって、ネットでの視聴者にとってはプレイ途中の状況や駆け引きの様子が分かりにくく、ネット実況において、視聴者の関心を惹くことが困難であった。
【0003】
例えば、特許文献1には、バーコードまたはQRコード(登録商標)等のIDコードをトランプの組のセットに付すことで、複雑でないようにしてより高額支払いのオッズにベットする機会、およびプレイ中の追加の賭けの機会を提供することが可能なテーブルゲームシステムについて開示されている。
また、特許文献2には、固有タイトルに対応したスクラッチ画像を抽出する際に用いられ、固有タイトルに対応した識別情報を光学的読み取り可能な識別情報部を裏面側に付すことで、スクラッチカード本来の楽しさを味わうことができる遊戯カードについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-24095号公報
【特許文献2】特開2021-119991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のテーブルゲームシステム、遊戯カードでは、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記特許文献1に開示されたテーブルゲームシステムでは、トランプの組1セットごとにバーコードやQRコード(登録商標)等のIDコードを付すことで、各セットの特性を識別する。
【0006】
しかし、このような構成では、トランプ等のカード1枚ごとの情報を識別することはできないため、ネット実況において視聴者の関心を惹くことはできない。
また、上記特許文献2に開示された遊戯カードでは、カードの裏面側に付された識別情報部として、2次元コードや1次元コード等を用いているため、カード裏面にコードが付されることで、デザイン性を損ねてしまうとともに、目視で判読できてしまう可能性も排除できない。
【0007】
さらに、他の手段としてカードにRF-ID(Radio Frequency Identifier)タグなどを内蔵させてカードの情報をテーブルに付与したRF-IDリーダを介して読み取って点数計算や勝敗判定に用いる公知例があるが、RF-IDを内蔵するとカードが厚くなったり曲げにくくなったり、曲げに対する耐久性に課題がある。
本発明の課題は、目視での識別が困難であって、カードに付された情報によって絵札の情報を識別することが可能な遊技用カードおよびカード処理装置、カードゲームシステム、カード処理方法、カード処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明に係る遊技用カードは、カードゲームにおいて使用され、所定の情報読取り機器によって読み取り可能な情報を含む遊技用カードであって、第1面と、第2面と、情報付与部と、を備えている。第1面は、カードゲームにおいて利用される絵札が付されている。第2面は、第1面と反対側の面であって、共通の図柄が付されている。情報付与部は、情報読取り機器によって読み取り可能であって第1面の絵札の種類を特定する情報が付されている。
【0009】
ここでは、絵札が付された第1面と、共通の図柄が付された第2面とを有する遊技用カードにおいて、第2面における共通の図柄の外周部に配置され、情報読取り機器によって読み取り可能であって第1面の絵札の種類を特定する情報が付された情報付与部が第2面側に付されている。
ここで、本遊技用カードには、例えば、対戦型のカードゲームで使用されるカードや、カジノ等の遊技施設において使用されるトランプ等が含まれる。
【0010】
遊技用カードの第1面に付された絵札には、例えば、キャラクタのイラスト、写真、図形、数字、文字等の組み合わせ等が含まれる。
情報付与部は、カメラ等の情報読取り機器によって読み取られるコード情報、暗号化された情報、QRコード(登録商標)、バーコード等、目視で識別が困難な情報を意味している。
【0011】
これにより、カメラ等の情報読取り機器によって第2面側に付された情報付与部に含まれる情報を読み取ることで、例えば、カードゲームをプレイ中に、テーブル上に伏された状態で載置された遊技用カードの第1面側の絵柄を実況動画等の画面上に表示して、視聴者の関心を惹くことができる。
この結果、目視での識別が困難であって、カードに付された情報によって絵札の情報を識別することができる。
【0012】
第2の発明に係る遊技用カードは、第1の発明に係る遊技用カードであって、第2面における少なくとも1つの角部に配置され、情報読取り機器によって探索される探索マークを、さらに備えている。
これにより、情報読取り機器は、遊技用カードの第1面に付された絵柄を特定するための情報付与部とは別に、第2面の角部に配置された探索マークを検出することで、例えば、所定のカード載置位置に置かれた遊技用カードの有無を検出することができる。
【0013】
第3の発明に係る遊技用カードは、第1または第2の発明に係る遊技用カードであって、情報付与部は、第2面における共通の図柄の外周部に配置されている。
これにより、第2面において目立たない位置、すなわち、共通の図柄の外周部に、情報付与部が設けられていることで、情報付与部の付与によってデザイン性が損なわれてしまうことを回避することができる。
【0014】
第4の発明に係る遊技用カードは、第1または第2の発明に係る遊技用カードであって、カードゲームに必要な全ての種類の遊技用カードのセットが複数セット用意されており、どのカードセットであるかを特定するためのカードセット特定部をさらに備えている。
これにより、例えば、複数セット用意された遊技用カードの第2面側に、カードセット特定部が設けられているため、情報読取り機器等を用いて、どのカードセットであるかを容易に特定することができる。
【0015】
第5の発明に係る遊技用カードは、第1または第2の発明に係る遊技用カードであって、情報付与部は、2値化された白黒の表示エリアを含む。
これにより、情報付与部として、数字や文字等を用いることなく、白黒の図柄によって情報付与部を構成することで、目視で識別が困難な情報を第2面に付すことができる。
【0016】
第6の発明に係る遊技用カードは、第1または第2の発明に係る遊技用カードであって、情報付与部は、符号化されたコードである。
これにより、情報付与部として、符号化されたコードによって情報付与部を構成することで、目視で識別が困難な情報を第2面に付すことができる
【0017】
第7の発明に係る遊技用カードは、第1または第2の発明に係る遊技用カードであって、情報付与部は、第1面の絵札の種類と、遊技用カードの上下とを特定するための情報を含む。
これにより、情報読取り機器によって第2面側に付された情報付与部に含まれる情報を読み取ることで、第1面の絵札とカードの上下を特定することができる。
【0018】
第8の発明に係る遊技用カードは、第1または第2の発明に係る遊技用カードであって、略長方形状を有しており、情報付与部は、略長方形状の4辺のうち、少なくとも1辺に沿って設けられている。
これにより、略長方形のカードの外周部分(4辺の内の少なくとも1辺)に沿って情報付与部が設けられているため、情報付与部の付与によって遊技用カードの第2面側のデザイン性が大きく損なわれることを回避することができる。
【0019】
第9の発明に係る遊技用カードは、第1または第2の発明に係る遊技用カードであって、情報付与部は、情報読取り機器による誤った読取りを訂正するための読取り訂正用冗長部を、さらに有している。
これにより、情報読取り機器によって読み取られた情報が正しいものであるか否かを、読取り訂正用冗長部の読み取り結果に基づいて判定することができる。よって、情報読取り機器による読取り結果が誤っている場合でも、再度、読取りする、読取り結果を廃棄する等の措置を講ずることができる。
【0020】
第10の発明に係るカード処理装置は、第1または第2の発明に係る遊技用カードを用いたカードゲームをプレイ中に、遊技用カードの情報を読み取るカード処理装置であって、画像取得部と、情報読取り部と、カード種類特定部と、を備えている。画像取得部は、撮像装置によって撮影された遊技用カードを含む画像データを取得する。情報読取り部は、画像取得部において取得された遊技用カードの画像データから、遊技用カードの第2面側に付された情報付与部に含まれる情報を読み取る。カード種類特定部は、情報読取り部において読み取られた情報付与部に含まれる情報に基づいて、遊技用カードの第1面側に付された絵札の種類を特定する。
ここでは、上述した遊技用カードを用いてカードゲームをプレイ中に、情報読取り部によってカメラ等の撮像装置から取得された遊技用カードを含む画像データを用いて、遊技用カードの第2面側に付された情報を読み取って、第1面側に付された絵札の種類を特定する。
【0021】
ここで、画像取得部は、例えば、カードゲームが行われているテーブルを上方から撮影可能なカメラ等の撮像装置から遊技用カードを含む画像データを取得する。
情報読取り部は、画像取得部において取得された画像データに含まれる遊技用カードの第2面側に付された情報付与部の情報(例えば、符号化された情報、暗号化された情報、QRコード(登録商標)、バーコード等)を読み取る。
カード種類特定部は、情報読取り部において読み取られた情報に基づいて、遊技用カードの第1面側の絵札の種類(例えば、キャラクタ、トランプの絵札等)を特定する。
【0022】
これにより、カメラ等の撮像装置によって第2面側に付された情報付与部に含まれる情報を読み取ることで、例えば、カードゲームをプレイ中に、テーブル上に伏された状態で載置された遊技用カードの第1面側の絵柄を実況動画等の画面上に表示して、視聴者の関心を惹くことができる。
この結果、目視での識別が困難であって、カードの第2面側に付された情報によって絵札の情報を識別することができる。
【0023】
第11の発明に係るカード処理装置は、第10の発明に係るカード処理装置であって、カード種類特定部において特定された遊技用カードの第1面側に付された絵札の種類を、表示装置に表示させる表示制御部を、さらに備えている。
これにより、上述したカード処理装置において特定された遊技用カードの第1面の絵札の種類を、表示装置において表示させることで、例えば、インターネットを介して配信されるゲーム実況動画等において、PC(Personal Computer)の表示画面を介して、テーブル上に伏された状態で載置された遊技用カードの第1面の絵札を視聴者に知らせることができる。
この結果、例えば、ゲーム実況動画等の視聴者は、テーブル上に伏されて載置された絵札の種類を認識することで、そのゲームへの関心が高まる。
【0024】
第12の発明に係るカード処理装置は、第10の発明に係るカード処理装置であって、カード種類特定部において特定された遊技用カードの第1面側に付された絵札の種類を通知する結果通知部を、さらに備えている。
これにより、例えば、そのカードゲームを主催する管理者(ホスト)等が、特定された遊技用カードの第1面に付された情報を結果通知部から受信することで、プレイ中の遊技用カードの絵札の種類を認識することができる。
【0025】
第13の発明に係るカード処理装置は、第10の発明に係るカード処理装置であって、情報読取り部は、遊技用カードの第2面において、情報読取り部によって読み取られる情報の基準位置に付された探索マークの位置を探索するマーク探索部を有している。
これにより、遊技用カードの第2面側における基準となる位置(例えば、略長方形のカードの4つの角部等)に付された探索マークを探索することで、所定のカード載置位置に載置されるカードの有無を判定することができる。
【0026】
第14の発明に係るカード処理装置は、第13の発明に係るカード処理装置であって、情報読取り部は、マーク探索部における探索結果に基づいて、遊技用カードの有無を判定するカード判定部を有している。
これにより、情報読取り部によって、遊技用カードの第2面側に付された探索マークを検出したか否かに応じて、例えば、所定のカード載置位置に遊技用カードが有るか否かを容易に判定することができる。
【0027】
第15の発明に係るカード処理装置は、第14の発明に係るカード処理装置であって、情報読取り部は、マーク探索部における探索結果に基づいて、遊技用カードの第2面において読取り対象となる符号化されたコードの位置を特定するコード位置特定部を有している。
これにより、マーク探索部における探索結果によって検出される探索マークの位置を基準にして、情報読取り部によって読み取られる符号化されたコードの位置を特定することができる。
【0028】
第16の発明に係るカード処理装置は、第15の発明に係るカード処理装置であって、情報読取り部は、コード位置特定部において特定されたコードの位置に基づいて、コードの情報を読み取るコード読取り部を有している。
これにより、コード位置特定部において位置が特定されたコードの情報を、情報読取り部に含まれるコード読取り部によって容易に読み取ることができる。
【0029】
第17の発明に係るカード処理装置は、第16の発明に係るカード処理装置であって、情報読取り部は、コード読取り部において読み取られた符号化されたコードを復号化するコード復号部を有している。
これにより、遊技用カードの第2面側に付された情報が符号化されたコードであっても、これを読み取って復号化することで、遊技用カードの第1面に付された絵札の種類を容易に特定することができる。
【0030】
第18の発明に係るカード処理装置は、第10の発明に係るカード処理装置であって、遊技用カードの第2面側に付された情報の読み取りを正常に行えたか否かを判定する読取り判定部を、さらに備えている。
これにより、例えば、遊技用カードの第2面側に付された情報付与部に含まれる情報(読取り訂正用冗長部)に応じて、読み取った情報が正しいか否かを容易に判定することができる。
【0031】
第19の発明に係るカード処理装置は、第18の発明に係るカード処理装置であって、読取り判定部において、情報の読み取りを正常に行えなかったと判定された場合には、読み取りエラーを報知するエラー報知部を、さらに備えている。
これにより、読取りに失敗した場合には、読み取りエラーとして報知することで、例えば、カードゲームを主催する管理者に対して読み取りエラーの発生を知らせるとともに、カードゲームの視聴者等に対して、正しく読み取られた情報のみを提供することができる。
【0032】
第20の発明に係るカード処理装置は、第19の発明に係るカード処理装置であって、コード復号部においてコードを復号化する際に参照され、コード読取り部において読み取られたコードの情報と遊技用カードの第1面の情報との関係を示すテーブルを保存する記憶部を、さらに備えている。
これにより、記憶部に記憶されたテーブルに含まれるコードと遊技用カードの第1面に付された絵札との関係性を参照することで、読み取られたコードの情報から遊技用カードの第1面の絵札の種類を容易に特定することができる。
【0033】
第21の発明に係るカード処理装置は、第20の発明に係るカード処理装置であって、テーブルは、乱数表を用いてコードと遊技用カードの第1面の情報との関係を示す。
これにより、乱数表を用いてコードと遊技用カードの第1面の絵札の種類とが関連付けられているため、遊技用カードの第2面に付されたコードを目視しても、第1面に付された絵札を認識することが困難な状態とすることができる。
【0034】
第22の発明に係るカードゲームシステムは、第10の発明に係るカード処理装置と、撮像装置と、を備えている。
これにより、例えば、カメラ等の撮像装置が、カードゲームが行われるテーブルの情報に設置されることで、プレイ中のカードゲームにおいて使用されている遊技用カードの第2面側に付された情報から、第1面に付された絵札の種類を特定することができる。
【0035】
第23の発明に係るカードゲームシステムは、第22の発明に係るカードゲームシステムであって、カード種類特定部において特定された遊技用カードの第1面側に付された絵札の種類を表示する表示装置を、さらに備えている。
これにより、カード種類特定部において特定されたプレイ中の遊技用カードの第1面に付された絵札の種類を表示装置に表示することで、視聴者等にゲームの進行状況を知らせて関心を惹くことができる。
【0036】
第24の発明に係るカード処理方法は、第1または第2の発明に係る遊技用カードを用いたカードゲームをプレイ中に、遊技用カードの情報を読み取るカード処理方法であって、画像取得ステップと、情報読取りステップと、カード種類特定ステップと、を備えている。画像取得ステップでは、撮像装置によって撮影された遊技用カードの第2面側を含む画像データを取得する。情報読取りステップでは、画像取得ステップにおいて取得された遊技用カードの画像データから、遊技用カードの第2面側に付された情報を読み取る。カード種類特定ステップでは、情報読取りステップにおいて読み取られた遊技用カードの第2面側に付された情報に基づいて、遊技用カードの第1面側に付された絵札の種類を特定する。
【0037】
ここでは、上述した遊技用カードを用いてカードゲームをプレイ中に、情報読取りステップにおいてカメラ等の撮像装置から取得された遊技用カードを含む画像データを用いて、遊技用カードの第2面側に付された情報を読み取って、第1面側に付された絵札の種類を特定する。
ここで、画像取得ステップでは、例えば、カードゲームが行われているテーブルを上方から撮影可能なカメラ等の撮像装置から遊技用カードを含む画像データを取得する。
【0038】
情報読取りステップでは、画像取得ステップにおいて取得された画像データに含まれる遊技用カードの第2面側に付された情報付与部の情報(例えば、符号化された情報、暗号化された情報、QRコード(登録商標)、バーコード等)を読み取る。
カード種類特定ステップでは、情報読取り部において読み取られた情報に基づいて、遊技用カードの第1面側の絵札の種類(例えば、キャラクタ、トランプの絵札等)を特定する。
【0039】
これにより、カメラ等の撮像装置によって第2面側に付された情報付与部に含まれる情報を読み取ることで、例えば、カードゲームをプレイ中に、テーブル上に伏された状態で載置された遊技用カードの第1面側の絵柄を実況動画等の画面上に表示して、視聴者の関心を惹くことができる。
この結果、目視での識別が困難であって、カードの第2面側に付された情報によって絵札の情報を識別することができる。
【0040】
第25の発明に係るカード処理プログラムは、第1または第2の発明に係る遊技用カードを用いたカードゲームをプレイ中に、遊技用カードの情報を読み取るカード処理プログラムであって、画像取得ステップと、情報読取りステップと、カード種類特定ステップと、を備えたカード処理方法をコンピュータに実行させる。画像取得ステップでは、撮像装置によって撮影された遊技用カードの第2面側を含む画像データを取得する。情報読取りステップでは、画像取得ステップにおいて取得された遊技用カードの画像データから、遊技用カードの第2面側に付された情報を読み取る。カード種類特定ステップでは、情報読取りステップにおいて読み取られた遊技用カードの第2面側に付された情報に基づいて、遊技用カードの第1面側に付された絵札の種類を特定する。
【0041】
ここでは、上述した遊技用カードを用いてカードゲームをプレイ中に、情報読取りステップにおいてカメラ等の撮像装置から取得された遊技用カードを含む画像データを用いて、遊技用カードの第2面側に付された情報を読み取って、第1面側に付された絵札の種類を特定する。
ここで、画像取得ステップでは、例えば、カードゲームが行われているテーブルを上方から撮影可能なカメラ等の撮像装置から遊技用カードを含む画像データを取得する。
【0042】
情報読取りステップでは、画像取得ステップにおいて取得された画像データに含まれる遊技用カードの第2面側に付された情報付与部の情報(例えば、符号化された情報、暗号化された情報、QRコード(登録商標)、バーコード等)を読み取る。
カード種類特定ステップでは、情報読取り部において読み取られた情報に基づいて、遊技用カードの第1面側の絵札の種類(例えば、キャラクタ、トランプの絵札等)を特定する。
【0043】
これにより、カメラ等の撮像装置によって第2面側に付された情報付与部に含まれる情報を読み取ることで、例えば、カードゲームをプレイ中に、テーブル上に伏された状態で載置された遊技用カードの第1面側の絵柄を実況動画等の画面上に表示して、視聴者の関心を惹くことができる。
この結果、目視での識別が困難であって、カードの第2面側に付された情報によって絵札の情報を識別することができる。
【発明の効果】
【0044】
本発明に係る遊技用カードによれば、目視での識別が困難であって、カードに付された情報によって絵札の情報を識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明の一実施形態に係るカード処理装置を含むカードゲームシステムの構成を示すブロック図。
図2】カードゲームが行われるテーブルの上部に設けられた撮像装置、撮像装置と接続されたカード処理装置、表示装置の構成を示す斜視図。
図3図2のカードゲームが行われるテーブルの上面図。
図4】カードの裏面側の構成を示す図。
図5】(a)は、図4の外周部に設けられた情報付与部を示す図。(b)は、(a)の情報付与部に含まれる探索マークを示す図。(c)は、(a)の情報付与部に含まれるコード部を示す図。
図6図5(c)のコード部の詳細な構成を示す図。
図7図5(a)の情報付与部に含まれる回転補正ビットを示す図。
図8図6のコード部の符号を復号化した乱数とカードの表面の図柄との関係を示す変換テーブル。
図9図8の変換テーブルを用いて各プレイヤの遊技用カードの絵札を識別した結果を示すテーブル。
図10】ゲーム実況中の表示画面において、図9のテーブルに示す識別結果をテーブル上に重ねて表示する表示画面の一例を示す図。
図11図1のカード処理装置によって実行されるカード処理方法の処理の流れを示すフローチャート。
図12図11のフローチャートの情報読取処理(S12)の詳細な流れを示すフローチャート。
図13図12のフローチャートのマーク探索処理(S21)の詳細な流れを示すフローチャート。
図14図13のフローチャートのマーク検出処理(S34)の詳細な流れを示すフローチャート。
図15図12のフローチャートのカード判定処理(S23)の詳細な流れを示すフローチャート。
図16図15のフローチャートの妥当性チェック処理(S54)の詳細な流れを示すフローチャート。
図17図12のフローチャートのコード読取処理(S26)の詳細な流れを示すフローチャート。
図18図17のフローチャートの回転補正処理(S73)の詳細な流れを示すフローチャート。
図19図12のフローチャートのコード復号処理(S28)の詳細な流れを示すフローチャート。
図20】本発明の他の実施形態に係るカード処理方法において、図12のフローチャートのコード復号処理(S28)の詳細な流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明の一実施形態に係る装置について、図1図19を用いて説明すれば以下の通りである。
なお、本実施形態では、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
また、出願人は、当業者が本発明を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0047】
(1)カードゲームシステム20の構成
本実施形態に係るカードゲームシステム20は、所定の情報読取り機器(カメラ等)によって読み取り可能な情報を含む遊技用カードC(図4参照)を用いて、例えば、対戦型カードゲーム、カジノ等の遊技施設において使用されるトランプゲーム等のカードゲームにおいて、伏せた状態で載置された遊技用カードCの表側の絵札を識別して、表示装置等へ表示させる。
【0048】
なお、遊技用カードCは、例えば、対戦型のカードゲームで使用されるカード、カジノ等の遊技施設において使用されるトランプ等のカードを含む。
本実施形態のカードゲームシステム20は、図1に示すように、カード処理装置10と、撮像装置(カメラ)21と、表示装置22と、を備えている。
カード処理装置10は、図2に示すように、例えば、PC(Personal Computer)あるいはPCにインストールされたアプリケーションの1つであって、上述した遊技用カードCを用いたカードゲームをプレイ中に撮像装置21によって撮影された遊技用カードCの裏面(第2面)Cbに付された情報を読み取って、表面(第1面)Caに付された絵札を識別する。なお、カード処理装置10の詳細な構成については、後段にて詳述する。
【0049】
撮像装置21は、図1に示すように、カード処理装置10と接続されており、連続的あるいは間欠的に撮影した画像の画像データをカード処理装置10に送信する。撮像装置21は、図2に示すように、カードゲームが行われる遊技用テーブル30を上方から撮影するために、取付け台21aに取り付けられている。これにより、撮像装置21は、遊技用テーブル30上の所定位置に載置された遊技用カードCを含む画像を撮影することができる。
【0050】
ここで、本実施形態では、遊技用テーブル30は、図3に示すように、その上面に、10人のプレイヤが同時にプレイすることが可能な遊技エリア31が設定されており、それぞれのプレイヤごとに、遊技用カードCが載置されるカード載置エリア32が設けられている。
よって、撮像装置21は、遊技用テーブル30を上方から撮影する際に、各プレイヤに対応する遊技エリア31のうち、カード載置エリア32に置かれた遊技用カードCを含む画像を撮影する。
【0051】
表示装置22は、図1に示すように、カード処理装置10に接続されており、表示内容が制御される。表示装置22は、図2に示すように、カードゲームを主催する管理者用のPCであってもよいし、例えば、インターネットを介して配信されるゲーム実況動画を視聴する視聴者が所有しているPCであってもよい。
ここで、本実施形態において使用される遊技用カードCは、表面Ca側に絵札が付されており、図4に示すように、裏面(第2面)Cb側の略中央に、共通の図柄D1が付されている。また、遊技用カードCの裏面Cb側における共通の図柄D1の外周部には、図4に示すように、情報付与部C1が付されている。
【0052】
情報付与部C1は、遊技用カードCの裏面(第2面)側に印刷等によって付されており、撮像装置21等の情報読取り機器によって読み取り可能な情報を含んでいる。具体的には、情報付与部C1は、図4に示すように、共通の図柄D1の外周を取り囲むように配置されており、図5(a)に示すように、探索マークC2(図5(b)参照)と、コード部C3(図5(c)参照)とを有している。
【0053】
探索マークC2は、図5(b)に示すように、略長方形の遊技用カードCの裏面Cb側における4つの角部にそれぞれ配置された略正方形の図柄部分であって、主に、遊技用カードCの有無を判定するとともに、コード部C3の位置を検出するために使用される。
コード部C3は、図4に示すように、共通の図柄D1の外周部に設けられた2値化された白黒の表示エリアであって、図5(c)に示すように、略長方形の遊技用カードCの4辺に沿って設けられている。また、コード部C3は、表面(第1面)Ca側に付され遊技用カードCごとに異なる絵札との対応関係を示すコードが符号化されており、目視で表面Ca側の絵札を識別することは困難である。
【0054】
より詳細には、コード部C3は、図6に示すように、略長方形の遊技用カードCの4辺のうち、2つの短辺側に沿って16bit、2つの長辺側に沿って39bit、合計110bitの情報が記録されている。
ここで、コード部C3は、後述する探索によって検出された探索マークの位置から、各コード部C3のビット位置が検出され、各ビット位置の白黒(ON/OFF)の情報が取得される。コード部C3の中には、少なくとも、遊技用カードCの絵札(カード値)と上下の向き判定用の情報が含まれている。さらに、コード部C3は、目視での識別をより困難にするために、絵札に対応するカード値が乱数を用いて符号化されている。
【0055】
コード部C3に付与されたコードは、事前に乱数で作成されており、乱数と絵札(カード値)との対応関係が紐付けされた変換テーブルが、カード処理装置10の記憶部18(図1参照)に保存されている。
また、本実施形態の遊技用カードCでは、コード部C3は、視認性の向上、誤った読取りを抑制するために、全ての遊技用カードCについて、白・黒の位置が固定となる固定ビットが含まれていてもよい。さらに、コード部C3には、読取りエラーを低減するために誤り訂正用冗長ビット(読取り訂正用冗長部)が付与されていてもよい。
【0056】
そして、短辺側の16bitの情報の中には、図7に示すように、遊技用カードCの上下の向きを判定するための回転補正ビットC4bを含む回転補正エリアC4aが設けられている。
回転補正エリアC4aは、撮像装置21によって撮影された画像に含まれる遊技用カードCの上下の向きを判定するために遊技用カードCの短辺に沿って設けられた帯状のエリアである。回転補正エリアC4aは、図7に示すように、カード中心Oを中心とする回転対象となる2つ以上の位置に、回転補正ビットC4bを含んでいる。
【0057】
回転補正ビットC4bに設定される値は、各回転補正エリアC4a内の黒ビットの数が、カード上部は奇数、カード下部は偶数となるように設定することで、奇数側をカード上部、偶数側をカード下部として、認識することができる。
例えば、図7に示す構成では、上部(図中の上辺側)の回転補正エリアC4aの黒ビット数は、回転補正ビットC4bを除いた黒ビット数が9ビットであるため、回転補正ビットC4bには白が設定され、9個(奇数)となる。一方、下部(図中の下辺側)の回転補正エリアC4aの黒ビット数は、回転補正ビットC4bを除いた黒ビットの数が7ビットであるため、回転補正ビットC4bには黒が設定されることで、8個(偶数)となる。
【0058】
これにより、遊技用カードCの上辺側と下辺側とでそれぞれ黒ビット数をカウントすることで、奇数側をカード上部、偶数側をカード下部として認識し、遊技用テーブル30上に載置された遊技用カードCの上下の向きを認識することができる。
なお、読み取られた遊技用カードCの情報付与部C1の情報は、図8に示す変換テーブルを用いて、絵札の情報(カード値)に変換される。例えば、遊技用カードCがトランプである場合には、52枚のカード×セット数の全てについて、異なる情報付与部C1(コード部C3)が付されており、かつ、これらの差異が目視では識別できないように構成されている。
【0059】
例えば、図8に示すように、後述するカード処理装置10によって読み取られたコードが、“609328503”であった場合には、そのコードに対応する絵札として、ハートのエースに変換される。同様に、読み取られたコードが“8955072582”であった場合には、スペードのエースに変換される。その他のカードについても同様に、読み取られたコードが絵札に変換される。
【0060】
そして、図8に示す変換テーブルを用いて変換された絵札の情報は、図9に示すように、各プレイヤが所持している遊技用カードCの読み取り結果として、表示装置22等に表示される。
なお、表示装置22に表示される読取り結果の形態としては、図10に示すように、遊技用テーブル30の画像上に、各プレイヤの遊技エリア31のカード載置エリア32ごとに重ねて表示されてもよい。
【0061】
(2)カード処理装置10の構成
本実施形態に係るカード処理装置10は、図1に示すように、画像取得部11、情報読取り部12、カード種類特定部13、読取り判定部14、エラー報知部15、結果通知部16、表示制御部17および記憶部18を備えている。
画像取得部11は、撮像装置21によって連続的あるいは間欠的に撮影された画像、特に、遊技用テーブル30の上面であって、遊技用カードCを含む画像の画像データを、撮像装置21から取得する。なお、画像取得部11が、撮像装置21から画像データを取得するタイミングとしては、例えば、所定時間経過ごとに取得してもよいし、連続的に取得してもよい。
【0062】
情報読取り部12は、画像取得部11において取得された遊技用カードCの画像データから、遊技用カードCの裏面Cb側に付された情報付与部C1(コード部C3)の情報を読み取る。そして、情報読取り部12は、図1に示すように、マーク探索部12a、カード判定部12b、コード位置特定部12c、コード読取り部12dおよびコード復号部12eを有している。
【0063】
マーク探索部12aは、上述した遊技用テーブル30の遊技エリア31に設定されたプレイヤごとのカード載置エリア32に載置された遊技用カードCの裏面Cbを検出し、情報読取り部12によって読み取られる情報の基準位置に付された探索マークC2の位置を探索する。具体的には、マーク探索部12aは、遊技用テーブル30を上方から撮影した画像から、予め設定されたカード載置エリア32の位置を検出する。そして、マーク探索部12aは、カード載置エリア32に載置された遊技用カードCの裏面Cbに付された探索マークC2(図4等参照)を探索する。
【0064】
カード判定部12bは、マーク探索部12aにおける探索結果に基づいて、遊技用カードCの有無を判定する。具体的には、カード判定部12bは、遊技用カードCの裏面Cb側の4つの角部に付された4つの探索マークC2を探索できた場合には、1枚の遊技用カードCがあると判定し、探索マークC2を探索できなかった、あるいは3つ以下の探索マークC2しか探索できなかった場合には、遊技用カードCがないと判定する。
【0065】
コード位置特定部12cは、マーク探索部12aにおける探索結果に基づいて、遊技用カードCの裏面Cbにおいて読取り対象となる符号化されたコード部C3の位置を特定する。本実施形態では、遊技用カードCの裏面Cb側の4つの角部にそれぞれ探索マークC2が設けられているため、4つの探索マークC2が検出されると、コード位置特定部12cが、その4つの探索マークC2を角部とする長方形の4辺に沿って、コード部C3の位置を特定する。
【0066】
コード読取り部12dは、コード位置特定部12cにおいて特定されたコード部C3の位置に基づいて、コード部C3の情報を読み取る。本実施形態では、コード部C3は、上述したように、ビット位置の白黒(ON/OFF)の情報を含んでいる。よって、コード読取り部12dは、コード部C3に含まれる白黒の情報を読み取る。
コード復号部12eは、コード読取り部12dにおいて読み取られた符号化されたコードを復号化する。
【0067】
カード種類特定部13は、情報読取り部12において読み取られた情報付与部C1に含まれる情報に基づいて、遊技用カードCの表面Ca側に付された絵札の種類を特定する。本実施形態では、コード部C3の情報は事前に乱数で作成されており、カード種類特定部13は、読み取られた乱数と絵札(カード値)との対応関係が紐付けされた変換テーブル(図8参照)を用いて、当該遊技用カードCの絵札(カード値)を特定する。
【0068】
読取り判定部14は、遊技用カードCの裏面Cb側に付された情報の読み取りを正常に行えたか否かを判定する。具体的には、読取り判定部14は、例えば、コード部C3に含まれる固定ビットにおける白黒の配置を検出し、予め固定された固定ビットの配置とは異なる白黒の配置であった場合には、その読取りをエラーとして判定する。あるいは、読取り判定部14は、例えば、遊技用カードCの裏面Cb側の4つの角部に配置された探索マークC2を4つ検出できなかった場合には、当該遊技用カードCが正しくコード部C3を読み取りできる状態にないものと判断し、読取りエラーとして判定する。
【0069】
エラー報知部15は、読取り判定部14において、情報の読み取りを正常に行えなかったと判定された場合には、読み取りエラーを報知する。具体的には、エラー報知部15は、読取りエラーの発生とともに、遊技用カードCを正しい位置にセットするように促すメッセージを、管理者等のPCへ送信する。
結果通知部16は、カード種類特定部13において特定された遊技用カードCの表面Ca側に付された絵札の種類を、例えば、カードゲームを主催する管理者等に通知する。
【0070】
表示制御部17は、カード種類特定部13において特定された遊技用カードCの表面Ca側に付された絵札の種類を表示するように、表示装置22を制御する。具体的には、表示制御部17は、例えば、図10に示すように、カード種類特定部13において特定された遊技用カードCの表面Caの絵札の情報を、遊技用テーブル30の画像に重ねて表示する。
【0071】
これにより、例えば、インターネットを介してカードゲームの動画が配信されている際に、視聴者が、遊技用テーブル30の画像に重ねて表示された伏せた状態の各遊技用カードCの絵札の情報を認識しながら、進行中のカードゲームを、興味を持って楽しむことができる。
記憶部18は、コード復号部12eにおいてコード部C3を復号化する際に参照され、コード読取り部12dにおいて読み取られたコードの情報と遊技用カードCの表面Ca側の情報(絵札)との関係を示す変換テーブル(図8参照)を保存する。記憶部18は、さらに、カードゲームをプレイ中にコード部C3が読み取られたプレイヤごとの読み取り結果を示すテーブル(図9参照)を保存する。
【0072】
<カード処理方法>
本実施形態のカード処理装置10は、上述した構成により、図11図19に示すフローチャートに従って、カード処理方法を実行する。
すなわち、図11に示すように、ステップS11では、画像取得部11が、撮像装置21によって撮影された遊技用テーブル30上の遊技用カードCを含む画像の画像データを、撮像装置21から取得する。
【0073】
次に、ステップS12では、情報読取り部12が、ステップS11において取得された画像データに含まれる遊技用カードCの裏面Cbに付された情報付与部C1の情報を読み取る。
なお、ステップS12における情報読取り処理については、後段にて、図12のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0074】
次に、ステップS13では、結果通知部16が、ステップS12における読取りの結果を、管理者等が所有するPC等へ通知するとともに、表示制御部17が、読取りの結果を表示装置22に表示させる。
次に、ステップS14では、読取りが終了したか否かを判定し、終了している場合には、処理を終了し、終了していない場合には、再度、ステップS11からの処理を繰り返す。
【0075】
続いて、ステップS12における情報読取り処理の詳細について、図12のフローチャートを用いて説明する。
なお、図12に示す情報読取り処理は、図10に示す10人のプレイヤの全員分の遊技用カードCの情報を読み取るまで繰り返し行われる。
ステップS21では、情報読取り部12のマーク探索部12aが、画像取得部11が取得した画像データを用いて、遊技用カードCの裏面Cbにおける4つの角部に配置された探索マークC2を探索する。より詳細には、マーク探索部12aは、画像取得部11が撮像装置21から取得した画像データについて、遊技用テーブル30の上面における所定のカード載置エリア32に載置された遊技用カードCの裏面Cbを検出し、探索マークC2の探索を行う。
【0076】
なお、ステップS21のマーク探索処理については、後段にて、図13のフローチャートを用いて詳細に説明する。
次に、ステップS22では、マーク探索部12aが探索マークC2を探索できたか否かを判定する。ここで、探索マークC2が探索できなかった場合には、ステップS30aへ進み、探索できた場合には、ステップS23へ進む。
【0077】
次に、ステップS23では、ステップS22において探索マークC2を探索できたと判定されたため、カード判定部12bが、探索された探索マークC2の数、探索マークC2の位置関係(遊技用カードCの辺の比率、角度等)に基づいて、遊技用カードCの有無を判定する。
なお、ステップS23のカード有無判定処理については、後段にて、図15のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0078】
次に、ステップS24では、ステップS23におけるカード有無判定の結果、画像データに含まれる遊技用テーブル30の上面(カード載置エリア32)における遊技用カードCがあったか否かを判定する。ここで、遊技用カードCがあると判定されると、ステップS25へ進み、遊技用カードCがないと判定されると、ステップS30aへ進む。
次に、ステップS25では、ステップS24において、カード載置エリア32に遊技用カードCがあると判定されたため、コード位置特定部12cが、ステップS21において探索された探索マークC2の位置に基づいてコード部C3の位置を特定する。
【0079】
次に、ステップS26では、コード読取り部12dが、ステップS25において特定されたコード部C3のコードの読み取りを行う。
なお、ステップS26のカード読取り処理については、後段にて、図17のフローチャートを用いて詳細に説明する。
次に、ステップS27では、読取り判定部14が、ステップS26におけるコードの読取りが成功したか否かを判定する。ここで、コードの読み取りに成功した場合には、ステップS28へ進み、成功しなかった場合には、ステップS30aへ進む。
【0080】
次に、ステップS28では、ステップS27においてコードの読み取りが成功したと判定されたため、コード復号部12eが、読み取られたコード部C3のコードを復号化する。
なお、ステップS28のカード復号処理については、後段にて、図19のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0081】
次に、ステップS29では、ステップS28におけるカード復号処理が成功したか否かを判定する。ここで、カード復号処理が成功したと判定されると、ステップS30へ進み、成功しなかったと判定されると、ステップS30aへ進む。
次に、ステップS30では、ステップS29において復号化された当該遊技用カードCの絵札(カード値)の情報を結果物として記憶部18に保存する。
【0082】
一方、ステップS30aでは、ステップS22、ステップS24、ステップS27およびステップS29において、それぞれ、探索マークC2がない、遊技用カードCがない、コード読取りに失敗、復号化に失敗と判定されているため、読取り結果なし、として処理を終了する。
本実施形態では、以上のステップS21~ステップS30aまでの処理を、プレイ中の全てのプレイヤ分、繰り返し実施する。
【0083】
続いて、ステップS21におけるマーク探索処理の詳細について、図13のフローチャートを用いて説明する。
ステップS31では、マーク探索部12aが、ステップS11において撮像装置21から取得した画像データを、2値化処理する。
次に、ステップS32では、マーク探索部12aが、画像データに含まれる遊技用テーブル30上の全てのカード載置エリア32内を探索したか否かを判定する。ここで、全てのカード載置エリア32を探索したと判定されると処理を終了し、まだ全てのカード載置エリア32を探索していないと判定されると、ステップS33へ進む。
【0084】
次に、ステップS33では、ステップS32においてまだ全てのカード載置エリア32を探索していないと判定されたため、マーク探索部12aは、プレイヤ1から10に対応する次のカード載置エリア32を選択する。
次に、ステップS34では、マーク探索部12aが、ステップS33において選択されたカード載置エリア32内に載置された遊技用カードCの裏面Cbに含まれる探索マークC2の検出を行う。
【0085】
なお、ステップS34のマーク検出処理については、後段にて、図14のフローチャートを用いて詳細に説明する。
次に、ステップS35では、マーク探索部12aが、ステップS34のマーク検出処理によって探索マークC2が検出されたか否かを判定する。ここで、探索マークC2が検出された場合には、ステップS36へ進み、検出されなかった場合には、ステップS32へ戻って、再度、処理を繰り返す。
【0086】
次に、ステップS36では、ステップS35において探索マークC2が検出されたと判定されたため、検出された探索マークC2の位置を記憶部18に保存させた後、ステップS32へ戻って、全てのカード載置エリア32内の探索が完了するまで、処理を繰り返す。
続いて、ステップS34におけるマーク検出処理の詳細について、図14のフローチャートを用いて説明する。
【0087】
ステップS41では、マーク探索部12aが、探索マークC2の探索を行う。
次に、ステップS42では、マーク探索部12aが、対象エリア(例えば、遊技用カードCの裏面Cbにおける4つの角部)の縦方向の白黒画素数が所定の比率であるか否かを判定する。ここで、所定の比率であると判定されると、ステップS43へ進み、所定の比率ではないと判定されると、ステップS46へ進む。
【0088】
次に、ステップS43では、ステップS42において、対象エリアの縦方向の白黒画素数が所定の比率であると判定されたため、マーク探索部12aが、対象エリア(例えば、遊技用カードCの裏面Cbにおける4つの角部)の横方向の白黒画素数が所定の比率であるか否かを判定する。ここで、所定の比率であると判定されると、ステップS44へ進み、所定の比率ではないと判定されると、ステップS46へ進む。
【0089】
次に、ステップS44では、ステップS42,S43において、対象エリアの縦・横方向の白黒画素数がともに、所定の比率であったと判定されたため、対象エリアの中心を探索マークC2の位置として設定する。
次に、ステップS45では、マーク探索部12aが、探索マークC2の検出ありと判定し処理を終了する。
【0090】
一方、ステップS46では、ステップS42,S43のいずれかにおいて、対象エリアの縦方向あるいは横方向の白黒画素数が所定の比率ではないと判定されたため、探索マークC2の検出なしとして処理を終了する。
続いて、ステップS23におけるカード有無判定処理の詳細について、図15のフローチャートを用いて説明する。
【0091】
ステップS51では、カード判定部12bが、ステップS21において探索された探索マークC2の数が、遊技用カードCの1枚分以上、つまり、4つ以上の探索マークC2が探索されたか否かを判定する。ここで、探索された探索マークC2の数が、遊技用カードCの1枚分以上であった場合には、ステップS52へ進み、遊技用カードCの1枚分未満であった場合には、処理を終了する。
【0092】
次に、ステップS52では、ステップS51において、探索された探索マークC2の数が、遊技用カードCの1枚分以上であったと判定されたため、カード判定部12bが、探索された探索マークC2の組み合わせをチェックし、全ての組み合わせがチェックされていない場合には、ステップS53へ進み、全ての組み合わせがチェックされている場合には処理を終了する。
【0093】
次に、ステップS53では、ステップS52において全ての組み合わせがチェックされていないと判定されたため、カード判定部12bが、まだチェックされていない次の探索マークC2の組み合わせを選択する。
次に、ステップS54では、カード判定部12bが、ステップS53において選択された探索マークC2の組み合わせについて妥当であるか否かをチェックする。
【0094】
なお、ステップS54の妥当性チェック処理については、後段にて、図16のフローチャートを用いて詳細に説明する。
次に、ステップS55では、カード判定部12bが、ステップS54における妥当性チェックの結果、探索マークC2の組み合わせに妥当性があるか否かを判定する。ここで、カード判定部12bが、妥当性があると判定すると、ステップS56へ進み、妥当性がないと判定すると、ステップS52へ戻る。
【0095】
次に、ステップS56では、ステップS55において、探索マークC2の組み合わせに妥当性があると判定されたため、その遊技用カードCの位置を、記憶部18に保存させる。
続いて、ステップS54における妥当性チェック処理の詳細について、図16のフローチャートを用いて説明する。
【0096】
ステップS61では、カード判定部12bが、ステップS53において選択された探索マークC2の組み合わせについて、探索マークC2の間をつなぐ線を辺とする四角形を検出する。
次に、ステップS62では、カード判定部12bが、ステップS61において検出された四角形の各辺の長さを算出する。
【0097】
次に、ステップS63では、カード判定部12bが、各辺の長さが所定の比率(例えば、1:1)であるか否かを判定する。ここで、各辺の長さが所定の比率である場合には、ステップS64へ進み、各辺の長さが所定の比率ではない場合には、ステップS67へ進む。
次に、ステップS64では、ステップS63において、各辺の長さが所定の比率であると判定されたため、カード判定部12bが、四角形の各辺がなす角度を算出する。
【0098】
次に、ステップS65では、カード判定部12bが、ステップS64において算出された四角形の各辺がなす角度が、所定角度(例えば、約90°)であるか否かを判定する。ここで、四角形の各辺がなす角度が所定角度である場合には、ステップS66へ進み、四角形の各辺がなす角度が所定角度ではない場合には、ステップS67へ進む。
次に、ステップS66では、ステップS65において、四角形の各辺がなす角度が所定角度であると判定されたため、探索マークC2の組み合わせから遊技用カードCとして妥当性ありと判定し、処理を終了する。
【0099】
一方、ステップS67では、ステップS63,S65において、四角形の各辺の長さあるいは各辺の角度が所定の比率あるいは角度ではないと判定されたため、探索マークC2の組み合わせは遊技用カードCとして妥当性がないと判断され、処理を終了する。
続いて、ステップS26におけるコード読取り処理の詳細について、図17のフローチャートを用いて説明する。
【0100】
ステップS71では、コード読取り部12dが、コード部C3の各ビット位置の白黒の判定を行う。
次に、ステップS72では、コード読取り部12dが、コード部C3の全てのビットについて白黒の判定を実施したか否かを判定する。ここで、全てのビットの白黒判定を実施した場合には、ステップS73へ進み、まだ全て実施していない場合には、ステップS71へ戻る。
【0101】
次に、ステップS73では、コード読取り部12dが、上述した遊技用カードCの上下の向きを判定するための回転補正エリアC4aに含まれる回転補正ビットC4bを用いて、画像中の遊技用カードCの上下判定(回転補正処理)を行う。
次に、ステップS74では、コード読取り部12dが、ステップS73における回転補正処理において、回転補正(上下判定)に失敗したか否かを判定する。ここで、回転補正(上下判定)に失敗していないと判定されると、ステップS74へ進み、失敗したと判定されると、ステップS78へ進む。
【0102】
次に、ステップS75では、ステップS74において回転補正(上下判定)が失敗していないと判定されたため、読取り判定部14は、例えば、コード部C3に含まれる固定ビットにおける白黒の配置を検出し、予め固定された固定ビットの配置と比較して、矛盾(不一致)がないかを判定する。ここで、矛盾がないと判定されると、ステップS76へ進み、矛盾があると判定されると、テップS78へ進む。
【0103】
次に、ステップS76では、読取り判定部14が、コード部C3の読み取りに誤りを訂正する必要がないかを確認する。
次に、ステップS77では、読取り判定部14が、コード部C3に含まれる、読取りエラーを低減するために誤り訂正用冗長ビット(読取り訂正用冗長部)を用いて、読み取ったコードに矛盾(誤り)がないかを判定する。ここで、コードに矛盾がない場合には、コード読取り処理を終了し、コードに矛盾があった場合には、ステップS78へ進む。
【0104】
一方、ステップS78では、ステップS74において回転補正が失敗したと判定されたか、ステップS75において固定ビットの位置に矛盾があると判定されたか、ステップS77においてコードに矛盾がりと判定されたため、コード読取り失敗と判断し、処理を終了する。
続いて、ステップS73における回転補正処理の詳細について、図18のフローチャートを用いて説明する。
【0105】
ステップS81では、読取り判定部14が、上述した回転補正ビットC4bを用いて、所定の2つのエリア(上下の短辺に沿ったコード部C3)のビットのうち、黒のビットの個数をカウントする。
次に、ステップS82では、読取り判定部14が、1つ目のエリアが奇数かつ2つ目のエリアが偶数であるという条件を満たすか否かを判定し、その条件を満たす場合には、回転補正の必要なしと判断して、処理を終了する。一方、1つ目のエリアが奇数かつ2つ目のエリアが偶数であるという条件を満たさない場合には、ステップS83へ進む。
【0106】
次に、ステップS83では、1つ目のエリアが偶数かつ2つ目のエリアが奇数であるという条件を満たすか否かを判定し、その条件を満たす場合には、遊技用カードCの上下の向きが判定であると判断し、ステップS84へ進む。一方、1つ目のエリアが偶数かつ2つ目のエリアが奇数であるという条件を満たさない場合、例えば、1つ目、2つ目のエリアがともに偶数あるいは奇数である場合には、コード部C3の読み取りエラーと判断し、ステップS85へ進む。
【0107】
次に、ステップS84では、ステップS83において、1つ目のエリアが偶数かつ2つ目のエリアが奇数と判定されたため、遊技用カードCの上下の向きが反対であると判断し、遊技用カードCの上下の向きを180度反転させる処理を行う。
一方、ステップS85では、ステップS82,S83の判定においてどちらにも当てはまらなかったため、回転補正の対象外(失敗)と判断し、処理を終了する。
【0108】
続いて、ステップS28におけるコード復号処理の詳細について、図19のフローチャートを用いて説明する。
ステップS91では、コード読取り部12dにおいて読み取られたコード部C3のコードに基づいて、コード復号部12eが、図8に示す変換テーブルを参照して、読み取ったコードとこれに対応する絵札(カード値)とを含む変換テーブルを検索する。
【0109】
次に、ステップS92では、コード復号部12eが、該当する変換テーブルの有無を判定する。ここで、該当する変換テーブルがある場合には、ステップS93へ進み、該当する変換テーブルがない場合には、ステップS94へ進む。
次に、ステップS93では、ステップS92において、該当する変換テーブルがあると判定されたため、コード復号部12eが、読み取られたコードと図8に示す変換テーブルとを参照して、当該コードに対応する絵札(カード値)に変換することで、当該遊技用カードCの絵札が特定される。
【0110】
次に、ステップS94では、ステップS92において、該当する変換テーブルがないと判定されたため、コード復号部12eはコード読取り部12dにおける読取りに失敗したと判断し処理を終了する。
【0111】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、遊技用カードC、カード処理装置10およびカード処理方法として、本発明を実現した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上述したカード処理方法をコンピュータに実行させるカード処理プログラムとして本発明を実現してもよい。
【0112】
このカード処理プログラムは、カード処理装置に搭載されたメモリ(記憶部)に保存されており、CPUがメモリに保存されたカード処理プログラムを読み込んで、ハードウェアに各ステップを実行させる。より具体的には、CPUがカード処理プログラムを読み込んで、上述した画像取得ステップと、情報読取りステップと、カード種類特定ステップと、を実行することで、上記と同様の効果を得ることができる。
また、本発明は、上記カード処理プログラムを保存した記録媒体として実現されてもよい。
【0113】
(B)
上記実施形態では、1セットの遊技用カードCを用いてカードゲームが行われる例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0114】
例えば、カードゲームに必要な全ての種類の遊技用カードのセットが複数セット用意されている場合には、カード処理装置が、どのカードセットに含まれる遊技用カードであるかを特定するカードセット特定部を備えた構成であってもよい。
この場合には、図19を用いて説明したコード復号処理の代わりに、例えば、図20に示すフローチャートに従って、コード復号処理を実施すればよい。
【0115】
具体的には、例えば、コード部C3に含まれるコードのうち、読み取られたコードの冒頭3つの数字がどのカードセットに対応する変換テーブルであるかを予め設定しておき、その冒頭3つの数字を読み取ることによって、使用される変換テーブルが特定されればよい。
よって、ステップS91aにおいて、コード復号部12eが、変換テーブル情報として、上記冒頭3つの数字を読み取ることで、該当する数字に対応する変換テーブルを用いて。ステップS92以降の処理が実施される。
これにより、上述した実施形態と同様に、適切な変換テーブルを用いて、コード部C3のコードを復号化し、各遊技用カードCの絵札(カード値)を特定することができる。
【0116】
(C)
上記実施形態では、符号化された乱数を示す情報付与部C1が付された遊技用カードCを、例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、符号化された乱数の代わりに、暗号化された情報、QRコード(登録商標)、バーコード等、目視で識別が困難な情報が付された遊技用カードであってもよい。
【0117】
(D)
上記実施形態では、探索マークC2が遊技用カードCの裏面Cbの4つの角部にそれぞれ配置された例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、遊技用カードの4つの角部のうち、少なくとも1つに探索マークが配置された構成であってもよい。すなわち、探索マークの数は、4つに限らず、1つ、2つ、3つであってもよい。
【0118】
(E)
上記実施形態では、情報付与部C1が、略長方形の遊技用カードCの裏面Cbにおける4辺に沿ってそれぞれ配置された例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、情報付与部が、略長方形の遊技用カードの裏面における4辺のうち、いずれか1辺、あるいは2辺、3辺に沿って配置された構成であってもよい。
【0119】
(F)
上記実施形態では、撮像装置21が取付け台21aに取り付けられており、遊技用テーブル30を上方から撮影する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、撮像装置は、遊技用テーブルが設定された遊技施設等の天井や壁の上部に取り付けられたシステム構成であってもよい。
【0120】
(G)
上記実施形態では、情報付与部C1が、遊技用カードCの裏面Cb側に付された例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、情報付与部が、遊技用カードの表面あるいは両面に付された構成であってもよい。
【0121】
(H)
上記実施形態では、情報付与部C1が、遊技用カードCの裏面Cb側における共通の図柄D1の外周部に設けられている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、情報付与部が、遊技用カードの略中央付近に設けられた構成であってもよい。
この場合でも、使用者が、情報付与部を目視で確認して、絵札を識別することが困難であれば、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0122】
(I)
上記実施形態では、カードゲームシステム20の構成として、カード処理装置10として機能するPC以外に、別途、管理者等が使用するPCを表示装置22として使用する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、カード処理装置として使用されるPCの表示部を、表示装置として使用するシステム構成であってもよい。
【0123】
(J)
上記実施形態では、遊技用テーブル30を上方から撮影する撮像装置21を1台含むシステム構成を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0124】
例えば、遊技用テーブルを上方から撮影する撮像装置が複数台設けられたシステム構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明の遊技用カードは、目視での識別が困難であって、カードに付された情報によって絵札の情報を識別することができるという効果を奏することから、カードを用いた遊技において広く適用可能である。
【符号の説明】
【0126】
10 カード処理装置
11 画像取得部
12 情報読取り部
12a マーク探索部
12b カード判定部
12c コード位置特定部
12d コード読取り部
12e コード復号部
13 カード種類特定部
14 読取り判定部
15 エラー報知部
16 結果通知部
17 表示制御部
18 記憶部
20 カードゲームシステム
21 撮像装置(カメラ)
22 表示装置
30 遊技用テーブル
31 遊技エリア
32 カード載置エリア
C 遊技用カード
Ca 表面(第1面)
Cb 裏面(第2面)
C1 情報付与部
C2 探索マーク
C3 コード部
C4a 回転補正エリア
C4b 回転補正ビット
D1 共通の図柄
O カード中心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20