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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057067
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】組立て及び折り畳みが可能な断熱容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/18 20060101AFI20240416BHJP
   B65D 81/18 20060101ALI20240416BHJP
   B65D 81/38 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
B65D6/18 D
B65D81/18 B
B65D81/38 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024029105
(22)【出願日】2024-02-28
(62)【分割の表示】P 2020029668の分割
【原出願日】2020-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】片島 智文
(57)【要約】      (修正有)
【課題】床面パネルが側面パネルに取り囲まれている場合でも折り畳みが容易な断熱容器を提供する。
【解決手段】断熱容器10は、天面パネルと、第1側面パネル14と、第2側面パネル15と、第3側面パネル13と、第4側面パネル12と、底面パネル16と、を備えている。組立て状態において、第1側面パネル14と第2側面パネル15とが互いに対向し、第3側面パネル13と第4側面パネル12とが互いに対向し、底面パネル16が、第1側面パネル14、第2側面パネル15、第3側面パネル13及び第4側面パネル12によって取り囲まれている。底面パネル16は、第3側面パネル13に対して折り畳み可能であり、第1側面パネル14及び第2側面パネル15はそれぞれ、固定パネル14a、15aと、可動パネル14b、14c、15b、15cと、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立て及び折り畳みが可能な断熱容器であって、
天面パネルと、第1側面パネルと、第2側面パネルと、第3側面パネルと、第4側面パネルと、底面パネルと、を備え、
前記断熱容器を組立てた組立て状態において、前記第1側面パネルと前記第2側面パネルとが互いに対向し、前記第3側面パネルと前記第4側面パネルとが互いに対向し、前記底面パネルが、前記第1側面パネル、前記第2側面パネル、前記第3側面パネル及び前記第4側面パネルによって取り囲まれており、
前記底面パネルは、前記第3側面パネルに対して折り畳み可能であり、
前記第1側面パネル及び前記第2側面パネルはそれぞれ、前記第3側面パネルに対して固定される固定パネルと、前記固定パネルに対して可動な2つの可動パネルと、を含み、
前記2つの可動パネルの幅は、互いに同一であり、
各可動パネルの幅は、前記底面パネルの幅の半分以下であり、かつ前記底面パネルの奥行きの半分よりも小さい、断熱容器。
【請求項2】
各可動パネルは、それぞれ互いに可動かつ折り畳み可能な複数の部分パネルから構成される、請求項1に記載の断熱容器。
【請求項3】
各可動パネルは、それぞれ一枚の板状の部材から構成される、請求項1に記載の断熱容器。
【請求項4】
前記第1側面パネルの前記固定パネルの幅は、前記第2側面パネルの前記固定パネルの幅と異なる、請求項1に記載の断熱容器。
【請求項5】
前記天面パネルは、天面ヒンジ部材を介して前記第3側面パネルに対して折り畳み自在に取り付けられている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の断熱容器。
【請求項6】
前記第4側面パネルは、観音開き状に開閉可能である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の断熱容器。
【請求項7】
各可動パネルの幅は、前記底面パネルの幅の1/3超である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の断熱容器。
【請求項8】
全高が、600mm以上1300mm以下である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の断熱容器。
【請求項9】
前記天面パネル、前記第1側面パネル、前記第2側面パネル、前記第3側面パネル、前記第4側面パネル及び前記底面パネルは、それぞれ剛性をもつ板状の部材である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の断熱容器。
【請求項10】
前記天面パネル、前記第1側面パネル、前記第2側面パネル、前記第3側面パネル、前記第4側面パネル及び前記底面パネルは、外袋によって覆われている、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の断熱容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施の形態は、組立て及び折り畳みが可能な断熱容器に関する。
【背景技術】
【0002】
断熱材を用いた断熱容器は、主に、保冷車等のような保冷機能をもたない輸送手段により、物品を保冷しながら輸送する用途に使用される。また、太陽光等による輻射熱が断熱容器の内部に到達することを抑制するため、可視光線や赤外線を反射する性質を有する遮熱シートで断熱容器を覆うことにより、断熱容器の保冷効果を高めることができる。また従来、断熱パネルを含む折り畳み式の断熱容器が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-287372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで断熱容器においては、床面に位置する断熱パネル(底面パネル)が側面に位置する複数の断熱パネル(側面パネル)によって取り囲まれていることが、断熱性の点から好ましいと考えられる。しかしながら、この場合、床面パネルを先に折り畳まないと側面パネルを折り畳むことが難しく、床面パネルを先に折り畳んだ場合、床面パネルが障害となって側面パネルを折り畳みにくくなるおそれがある。
【0005】
本開示は、床面パネルが側面パネルに取り囲まれている場合でも折り畳みが容易な断熱容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施の形態による断熱容器は、組立て及び折り畳みが可能な断熱容器であって、天面パネルと、第1側面パネルと、第2側面パネルと、第3側面パネルと、第4側面パネルと、底面パネルと、を備え、前記断熱容器を組立てた組立て状態において、前記第1側面パネルと前記第2側面パネルとが互いに対向し、前記第3側面パネルと前記第4側面パネルとが互いに対向し、前記底面パネルが、前記第1側面パネル、前記第2側面パネル、前記第3側面パネル及び前記第4側面パネルによって取り囲まれており、前記底面パネルは、前記第3側面パネルに対して折り畳み可能であり、前記第1側面パネル及び前記第2側面パネルはそれぞれ、前記第3側面パネルに対して固定される固定パネルと、前記固定パネルに対して可動な可動パネルと、を含み、前記断熱容器を折り畳んだ折り畳み状態において、前記底面パネルは、前記第1側面パネルの前記固定パネルと前記第2側面パネルの前記固定パネルとの間に収容される。
【0007】
本実施の形態による断熱容器において、各可動パネルは、それぞれ互いに可動かつ折り畳み可能な複数の部分パネルから構成されてもよい。
【0008】
本実施の形態による断熱容器において、各可動パネルは、それぞれ一枚の板状の部材から構成されてもよい。
【0009】
本実施の形態による断熱容器において、前記第1側面パネルの前記固定パネルの幅は、前記第2側面パネルの前記固定パネルの幅と異なってもよい。
【0010】
本実施の形態による断熱容器において、前記天面パネルは、天面ヒンジ部材を介して前記第3側面パネルに対して折り畳み自在に取り付けられていてもよい。
【0011】
本実施の形態による断熱容器において、前記第4側面パネルは、観音開き状に開閉可能であってもよい。
【0012】
本実施の形態による断熱容器において、各可動パネルの幅は、前記底面パネルの幅の半分以下であってもよい。
【0013】
本実施の形態による断熱容器において、各可動パネルの幅は、前記底面パネルの幅の1/3超であってもよい。
【0014】
本実施の形態による断熱容器において、全高が、600mm以上1300mm以下であってもよい。
【0015】
本実施の形態による断熱容器において、前記天面パネル、前記第1側面パネル、前記第2側面パネル、前記第3側面パネル、前記第4側面パネル及び前記底面パネルは、それぞれ剛性をもつ板状の部材であってもよい。
【0016】
本実施の形態による断熱容器において、前記天面パネル、前記第1側面パネル、前記第2側面パネル、前記第3側面パネル、前記第4側面パネル及び前記底面パネルは、外袋によって覆われていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本実施の形態によれば、床面パネルが側面パネルに取り囲まれている場合でも、断熱容器の折り畳みを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施の形態による断熱容器(組立状態)を示す斜視図である。
図2】一実施の形態による断熱容器の各パネルを取り外した状態を示す分解斜視図である。
図3】一実施の形態による断熱容器(組立状態)示す水平断面図(図1のIII-III線断面図)である。
図4】一実施の形態による断熱容器(組立状態)示す垂直断面図(図1のIV-IV線断面図)である。
図5】一実施の形態による断熱容器(組立状態)示す垂直断面図(図1のV-V線断面図)である。
図6】一実施の形態による断熱容器(折り畳み状態)示す水平断面図である。
図7】一実施の形態による断熱容器(折り畳み状態)示す垂直断面図(図6のVII-VII線断面図)である。
図8】一実施の形態による断熱容器(折り畳み状態)示す垂直断面図(図6のVIII-VIII線断面図)である。
図9】一実施の形態による断熱容器(組立状態)を外袋に収容する状態を示す斜視図である。
図10】変形例(変形例1)による断熱容器(組立状態)を示す水平断面図である。
図11】変形例(変形例1)による断熱容器(折り畳み状態)を示す水平断面図である。
図12】変形例(変形例2)による断熱容器(組立状態)を示す水平断面図である。
図13】変形例(変形例2)による断熱容器(折り畳み状態)を示す水平断面図である。
図14】変形例(変形例3)による断熱容器(折り畳み状態)を示す水平断面図である。
図15】変形例(変形例4)による断熱容器(組立状態)を示す水平断面図である。
図16】変形例(変形例4)による断熱容器(折り畳み状態)を示す水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら一実施の形態について説明する。以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。
【0020】
また、以下の実施の形態において、「X方向」とは、正面から見て断熱容器の左右に平行かつ断熱容器が配置される床面に平行な方向であり、「Y方向」とは、X方向に垂直かつ断熱容器が配置される床面に平行な方向である。「Z方向」とは、鉛直方向に平行な方向である。また、「正面」とは、床面に垂直な面であって、主として断熱容器に内容物を出し入れする際にユーザーの方向を向く面をいい、「背面」とは、床面に垂直な面であって、正面に対向する面をいう。「天面」とは、床面に平行な面であって、断熱容器の上方側の面をいい、「底面」とは、床面に平行な面であって、断熱容器の下方側の面をいう。また「右面」とは、床面に垂直な面であって、正面から見て断熱容器の右側に位置する面をいい、「左面」とは、床面に垂直な面であって、正面から見て断熱容器の左側に位置する面をいう。「側面」とは、天面及び底面に対して垂直な面をいう。
【0021】
(断熱容器の構成)
本実施の形態による断熱容器の構成について、図1乃至図9を用いて説明する。
【0022】
図1及び図2に示すように、本実施の形態による断熱容器10は、組立て及び折り畳みが可能なものであり、6つのパネル11~16を含む。パネル11~16は、組立て状態において略直方体形状となるものであり、天面パネル11と、正面パネル12と、背面パネル13と、右面パネル14と、左面パネル15と、底面パネル16とを含んでいる。天面パネル11と、正面パネル12と、背面パネル13と、右面パネル14と、左面パネル15と、底面パネル16とは、その主たる面(各パネルを構成する6つの面のうち、最も広い互いに対向する一対の面)がそれぞれ略長方形形状又は略正方形形状となっている。また、正面パネル12と背面パネル13とは、その主たる面が互いに略同一の大きさを有しており、右面パネル14と左面パネル15とは、その主たる面が互いに略同一の大きさを有している。各パネル11~16は、それぞれ剛性をもつ板状の部材からなり、使用時に柔軟に変形しないようになっている。
【0023】
パネル11~16は、全体として組立て及び折り畳み自在に設けられており、箱状に組立てられた組立て状態(図1乃至図5)と、小さく折り畳んだ折り畳み状態(図6乃至図8)とをとることができる。
【0024】
断熱容器10を組立て状態としたとき、天面パネル11と底面パネル16とが互いに対向し、右面パネル14と左面パネル15とが互いに対向し、背面パネル13と正面パネル12とが互いに対向する。また底面パネル16は、正面パネル12、背面パネル13、右面パネル14及び左面パネル15によって取り囲まれる。底面パネル16は、背面パネル13に対して折り畳み可能である。また、右面パネル14及び左面パネル15はそれぞれ、背面パネル13に対して固定される固定パネル(第1右面部分パネル14a、第1左面部分パネル15a)と、固定パネルに対して可動な可動パネル(第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c、第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)と、を含む。さらに、断熱容器10を折り畳んだ折り畳み状態(図6乃至図8)において、底面パネル16は、右面パネル14の固定パネル(第1右面部分パネル14a)と左面パネル15の固定パネル(第1左面部分パネル15a)との間に収容される。
【0025】
なお、本実施の形態において、右面パネル14が第1側面パネルに対応し、左面パネル15が第2側面パネルに対応し、背面パネル13が第3側面パネルに対応し、正面パネル12が第4側面パネルに対応する。あるいは、左面パネル15が第1側面パネルに対応し、右面パネル14が第2側面パネルに対応し、背面パネル13が第3側面パネルに対応し、正面パネル12が第4側面パネルに対応しても良い。以下において、正面パネル12、背面パネル13、右面パネル14及び左面パネル15をまとめて、側面パネル12~15ともいう。
【0026】
断熱容器10は、組立て状態において、6つのパネル11~16に取り囲まれることにより、積載物を収容する略直方体形状の収容空間20を形成する。6つのパネル11~16は、後述するように、それぞれ断熱パネルを含んでいる。このため、収容空間20は、周囲が断熱材で囲まれることによって外部との熱の流入や流出が制限され、断熱性を維持することができる。また、6つのパネル11~16の少なくとも一部は、それぞれ隣接する他のパネル11~16に対して移動可能に設けられている。これにより、断熱容器10は、収容空間20が形成されている組立て状態から、収容空間20が形成されない折り畳み状態に変更すること、及び折り畳み状態から組立て状態に変更することが可能である。このため、断熱容器10を使用しない場合には、パネル11~16を折り畳むことにより、組立て状態よりも全体のサイズを小さくして保管することが可能である。また組立て状態において、6つのパネル11~16は、それぞれその周縁が他のいずれかのパネル11~16と密着するようになっており、これにより収容空間20の密閉性が確保されている。
【0027】
次に、各パネル11~16それぞれの構成について更に説明する。なお、以下において、「パネル11~16(部分パネル)が所定の面に対して平行(垂直)である」とは、「パネル11~16(部分パネル)の主たる面が所定の面に対して平行(垂直)である」ことを意味する。
【0028】
(天面パネル)
天面パネル11は、組立て状態(図1乃至図5)において、天面側(Z方向プラス側)に位置するパネルである。また、組立て状態において、天面パネル11は、正面パネル12、背面パネル13、右面パネル14及び左面パネル15よりも上方(Z方向プラス側)に配置される。
【0029】
この天面パネル11は、開閉可能かつ折り畳み可能な構造であり、一枚の板状の部材から構成されている。また天面パネル11は、天面ヒンジ部材21a(図4参照)を介して背面パネル13に対して折り畳み自在に取り付けられている。
【0030】
天面パネル11は、組立て状態(図1乃至図5)において、水平面(XY平面)に対して平行に配置される。また、天面パネル11は、折り畳み状態(図6乃至図8)において、背面パネル13に対して回動し、背面パネル13の背面側(Y方向プラス側)に位置する。このとき天面パネル11は、背面パネル13から垂れ下がるように配置され、背面パネル13に対して平行に配置される。なお、天面パネル11は、後述する外袋30に取り付けられている。
【0031】
(正面パネル)
正面パネル12は、組立て状態(図1乃至図5)において、正面側(Y方向マイナス側)に位置するパネルであり、水平面(XY平面)に対して垂直かつ背面パネル13(ZX平面)に対して平行に配置される。また、正面パネル12は、組立て状態及び折り畳み状態の両方において、背面パネル13、右面パネル14、左面パネル15及び底面パネル16よりも正面側(Y方向マイナス側)に配置される。
【0032】
この正面パネル12は、観音開き状に開閉可能な構造となっており、右面パネル14側に位置する第1正面部分パネル12aと、左面パネル15側に位置する第2正面部分パネル12bとを有している。第1正面部分パネル12aと第2正面部分パネル12bとは、互いに分離するとともに、互いに取り付け可能となっている。
【0033】
第1正面部分パネル12aと第2正面部分パネル12bとは、組立て状態(図1乃至図5)において、ともに水平面(XY平面)に対して垂直かつ背面パネル13(ZX平面)に対して平行に配置される。また、第1正面部分パネル12aと第2正面部分パネル12bとは、折り畳み状態(図6乃至図8)において、ともに水平面(XY平面)に対して垂直かつ背面パネル13(ZX平面)に対して平行な状態を維持したまま、背面パネル13側に移動する。なお、第1正面部分パネル12a及び第2正面部分パネル12bは、それぞれ後述する外袋30に取り付けられている。
【0034】
なお、正面パネル12は、必ずしも複数の部分パネル(第1正面部分パネル12a及び第2正面部分パネル12b)から構成されてなくても良く、一枚の板状の部材から構成されていても良い。
【0035】
(背面パネル)
背面パネル13は、組立て状態(図1乃至図5)において、背面側(Y方向プラス側)に位置するパネルである。また、組立て状態及び折り畳み状態の両方において、背面パネル13は、右面パネル14、左面パネル15及び底面パネル16よりも背面側(Y方向プラス側)に配置される。
【0036】
この背面パネル13は、開閉不可能かつ折り畳み不可能な構造であり、一枚の板状の部材から構成されている。背面パネル13は、組立て状態(図1乃至図5)及び折り畳み状態(図6乃至図8)の両方において、水平面(XY平面)に対して垂直(ZX平面に平行)な状態を維持する。なお、背面パネル13は、後述する外袋30に取り付けられている。
【0037】
なお、背面パネル13の内面側には、保冷剤を収容可能なポケット41が設けられていても良い。このポケット41は、布等の柔軟な材料からなり、組立て状態において、背面パネル13の内面側に突出して保冷剤を収容可能な空間を形成する。このように、背面パネル13のポケット41に保冷剤を収容することにより、保冷剤からの冷気が下降して積載物に送られ、収容空間20の保冷性が高められる。一方、折り畳み状態とする場合、ポケット41内の保冷剤は取り出され、その後、ポケット41が折り畳まれる。これにより、折り畳み状態において、ポケット41が底面パネル16を折り畳む際の妨げとなることを抑止することができる。なお、ポケット41は、パネル11~16のいずれに設けても良い。
【0038】
(右面パネル)
右面パネル14は、組立て状態(図1乃至図5)において、左面パネル15及び底面パネル16よりも右側(X方向プラス側)に位置するパネルであり、水平面(XY平面)及び背面パネル13に対して垂直(YZ平面に平行)に配置される。
【0039】
この右面パネル14は、開閉可能かつ折り畳み可能な構造であり、背面パネル13側に位置する第1右面部分パネル14aと、中間に位置する第2右面部分パネル14bと、正面パネル12側に位置する第3右面部分パネル14cとを有している。このうち第1右面部分パネル14aは固定パネルであり、第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14cは、可動パネルである。第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c(可動パネル)は、第1右面部分パネル14a(固定パネル)に対して可動かつ第1右面部分パネル14a(固定パネル)に対して折り畳み可能となっている。また、可動パネルは、互いに可動かつ折り畳み可能な複数(2つ)の部分パネル(第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c)から構成される。なお、右面パネル14の可動パネルが3つ以上の右面部分パネルから構成されても良い。
【0040】
第1右面部分パネル14aは、背面パネル13に対して固定されている。また第2右面部分パネル14bは、第1右面部分パネル14aの内面側(X方向マイナス側)に位置する第1右面ヒンジ部材24a(図3参照)を介して第1右面部分パネル14aに対して回動自在かつ折り畳み自在に取り付けられている。第3右面部分パネル14cは、第2右面部分パネル14bの外面側(X方向プラス側)に位置する第2右面ヒンジ部材24b(図3参照)を介して第2右面部分パネル14bに対して回動自在かつ折り畳み自在に取り付けられている。
【0041】
組立て状態(図1乃至図5)において、第1右面部分パネル14aと第2右面部分パネル14bと第3右面部分パネル14cとは、いずれも水平面(XY平面)及び背面パネル13に対して垂直(YZ平面に平行)に配置される。一方、折り畳み状態(図6乃至図8)において、第1右面部分パネル14aは、引き続き水平面(XY平面)及び背面パネル13に対して垂直(YZ平面に平行)に配置される。これに対して、第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14cは、第1右面部分パネル14aに対して内側に向けて折り畳まれる。このとき、第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14cは、折り畳まれた底面パネル16と正面パネル12との間に配置され、それぞれ水平面(XY平面)に対して垂直かつ背面パネル13(ZX平面)に対して平行となる。なお、第1右面部分パネル14a、第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14cは、それぞれ後述する外袋30には直接取り付けられていない。
【0042】
(左面パネル)
左面パネル15は、組立て状態(図1乃至図5)において、右面パネル14及び底面パネル16よりも左側(X方向マイナス側)に位置するパネルであり、水平面(XY平面)及び背面パネル13に対して垂直(YZ平面に平行)に配置される。
【0043】
この左面パネル15は、開閉可能かつ折り畳み可能な構造であり、背面パネル13側に位置する第1左面部分パネル15aと、中間に位置する第2左面部分パネル15bと、正面パネル12側に位置する第3左面部分パネル15cとを有している。このうち第1左面部分パネル15aは固定パネルであり、第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15cは、可動パネルである。第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c(可動パネル)は、第1左面部分パネル15a(固定パネル)に対して可動かつ第1左面部分パネル15a(固定パネル)に対して折り畳み可能となっている。また、可動パネルは、互いに可動かつ折り畳み可能な複数(2つ)の部分パネル(第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)から構成される。なお、左面パネル15の可動パネルが3つ以上の左面部分パネルから構成されても良い。
【0044】
第1左面部分パネル15aは、背面パネル13に対して固定されている。また第2左面部分パネル15bは、第1左面部分パネル15aの内面側(X方向プラス側)に位置する第1左面ヒンジ部材25a(図3参照)を介して第1左面部分パネル15aに対して回動自在かつ折り畳み自在に取り付けられている。第3左面部分パネル15cは、第2左面部分パネル15bの外面側(X方向マイナス側)に位置する第2左面ヒンジ部材25b(図3参照)を介して第2左面部分パネル15bに対して回動自在かつ折り畳み自在に取り付けられている。
【0045】
組立て状態(図1乃至図5)において、第1左面部分パネル15aと第2左面部分パネル15bと第3左面部分パネル15cとは、いずれも水平面(XY平面)及び背面パネル13に対して垂直(YZ平面に平行)に配置される。一方、折り畳み状態(図6乃至図8)において、第1左面部分パネル15aは、引き続き水平面(XY平面)及び背面パネル13に対して垂直(YZ平面に平行)に配置される。これに対して、第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15cは、第1左面部分パネル15aに対して内側に向けて折り畳まれる。このとき、第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15cは、折り畳まれた底面パネル16と正面パネル12との間に配置され、それぞれ水平面(XY平面)に対して垂直かつ背面パネル13(ZX平面)に対して平行となる。なお、第1左面部分パネル15a、第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15cは、それぞれ後述する外袋30には直接取り付けられていない。
【0046】
(底面パネル)
底面パネル16は、組立て状態(図1乃至図5)において、底面側(Z方向マイナス側)に位置するパネルである。また、組立て状態において、底面パネル16は、正面パネル12、背面パネル13、右面パネル14及び左面パネル15に取り囲まれるように配置される。すなわち、底面パネル16の4辺は、それぞれ正面パネル12、背面パネル13、右面パネル14及び左面パネル15に接している。底面パネル16は、一枚の板状の部材から構成され、持ち上げることにより開閉可能かつ折り畳み可能な構造を有する。この底面パネル16は、底面ヒンジ部材26a(図4参照)を介して背面パネル13に対して折り畳み自在かつ回動自在に取り付けられている。
【0047】
底面パネル16は、組立て状態(図1乃至図5)において、水平面(XY平面)に対して平行に配置される。一方、折り畳み状態(図6乃至図8)において、底面パネル16は、背面パネル13の内側(Y方向マイナス側)に重なるように折り畳まれ、背面パネル13と第2右面部分パネル14b及び第2左面部分パネル15bとの間に位置する。すなわち折り畳み状態において、底面パネル16は、水平面(XY平面)に対して垂直かつ背面パネル13(XZ平面)に対して平行に配置される。なお、底面パネル16は、後述する外袋30には直接取り付けられていない。
【0048】
なお、上述した天面ヒンジ部材21a、第1右面ヒンジ部材24a、第2右面ヒンジ部材24b、第1左面ヒンジ部材25a、第2左面ヒンジ部材25b及び底面ヒンジ部材26aは、それぞれ例えば折曲自在な接続布等の接続部材から構成されても良い。このように、各ヒンジ部材21a、24a、24b、25a、25b、26aを接続布から構成することにより、各パネル(部分パネル)を容易に組立てたり折り畳んだりすることができる。
【0049】
図6乃至図8は、上述したように、パネル11~16が折り畳み状態にある場合を示している。図6乃至図8に示すように、折り畳み状態において、各パネル11~16がそれぞれ折り畳まれて、組立て状態(図1乃至図5)よりも前後方向(Y方向)に全体の厚みが薄くなるように構成されている。なお、図6乃至図8において、背面パネル13が水平面(XY平面)に対して垂直(ZX平面に平行)に配置される場合を例として示している。しかしながらこれに限らず、背面パネル13が例えば水平面(XY平面)上に位置していても良い。
【0050】
図6乃至図8に示すように、折り畳み状態において、背面側(Y方向プラス側)から順に、天面パネル11と、背面パネル13と、底面パネル16、第1右面部分パネル14a及び第1左面部分パネル15aと、第2右面部分パネル14b及び第2左面部分パネル15bと、第1正面部分パネル12a及び第2正面部分パネル12bとが重なっている。この場合、第1右面部分パネル14a及び第1左面部分パネル15aは、背面パネル13に固定されている。底面パネル16は、第1右面部分パネル14aと第1左面部分パネル15aとの間に収容されている。
【0051】
各パネル11~16の厚みは、20mm以下60mm以下とすることが好ましく、30mm以下50mm以下とすることがより好ましい。各パネル11~16の厚みを上記範囲内とすることで、各パネル11~16にある程度の剛性を付与することができ、断熱容器10の組立て時の作業性を良好にすることができる。本実施の形態において、各パネル11~16の厚みが互いに同一であるが、各パネル11~16の厚みが互いに異なっていても良い。
【0052】
また図3に示すように、背面パネル13の幅(X方向長さ)L1は、550mm以上1100mm以下とすることが好ましく、700mm以上850mm以下とすることがより好ましい。底面パネル16の幅(X方向長さ)L2は、500mm以上1000mm以下とすることが好ましく、600mm以上750mm以下とすることがより好ましい。また、第1右面部分パネル14a(第1左面部分パネル15a)の幅(Y方向長さ)L3は、25mm以上70mm以下とすることが好ましく、30mm以上60mm以下とすることがより好ましい。第2右面部分パネル14b(第2左面部分パネル15b)の幅(Y方向長さ)L4は、120mm以上350mm以下とすることが好ましく、180mm以上300mm以下とすることがより好ましい。第3右面部分パネル14c(第3左面部分パネル15c)の幅(Y方向長さ)L5は、120mm以上350mm以下とすることが好ましく、180mm以上300mm以下とすることがより好ましい。なお、第3右面部分パネル14c(第3左面部分パネル15c)の幅L5は、第2右面部分パネル14b(第2左面部分パネル15b)の幅L4と同一とすることが好ましい(L4=L5)。
【0053】
また、第1右面部分パネル14a(第1左面部分パネル15a)の幅(Y方向長さ)L3は、底面パネル16の厚み(Z方向長さ)T1(図4参照)以上とすることが好ましい(L3≧T1)。これにより、折り畳み状態において、底面パネル16を第1右面部分パネル14aと第1左面部分パネル15aとの間に収容しやすくすることができる。
【0054】
さらに、可動パネルの幅、すなわち第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c(第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)の合計幅L7(=L4+L5)は、底面パネル16の幅(X方向長さ)L2の半分以下であることが好ましい(L4+L5=L7≦L2/2)。これにより、右面パネル14及び左面パネル15を折り畳む際に、右面パネル14の可動パネル(第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c)と、左面パネル15の可動パネル(第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)とが互いに干渉することが抑えられる。この結果、断熱容器10をより小さく折り畳むことができるとともに、第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14cと、第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15cとに傷等が発生することを抑えることができる。
【0055】
さらにまた、可動パネルの幅、すなわち第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c(第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)の合計幅L7(=L4+L5)は、底面パネル16の幅(X方向長さ)L2の1/3超であることが好ましい(L4+L5=L7>L2/3)。これにより、右面パネル14及び左面パネル15を折り畳む際に、右面パネル14の可動パネル(第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c)と、左面パネル15の可動パネル(第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)とのうち、一方の可動パネルのみが折り畳まれ、他方の可動パネルが折り畳まれない状態となることを抑制することができる。これにより、断熱容器10を折り畳んだ後、右面パネル14側と左面パネル15側とで厚みの違いが生じることを抑えることができる。
【0056】
なお、上記を合わせて、可動パネルの幅、すなわち第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c(第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)の合計幅L7は、底面パネル16の幅L2の1/3超かつ1/2以下となることがより好ましい(L2/3<L4+L5=L7≦L2/2)。
【0057】
また図4に示すように、組立て状態において、右面パネル14(左面パネル15)の高さ(Z方向長さ)H1は、500mm以上1200mm以下とすることが好ましく、700mm以上1000mm以下とすることがより好ましい。さらに、断熱容器10の全高(Z方向長さ)H2は、600mm以上1300mm以下とすることが好ましく、800mm以上1100mm以下とすることがさらに好ましい。本実施の形態によれば、右面パネル14の可動パネル(第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c)と、左面パネル15の可動パネル(第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)とが折り畳み可能となっている。このため、断熱容器10を組立てる際、右面パネル14の可動パネルと左面パネル15の可動パネルとを外側から引っ張ることにより、右面パネル14及び左面パネル15をそれぞれ拡げることができる。これにより、断熱容器10の全高H2が人の手の長さを超える高さ(例えば600mm以上)であっても、断熱容器10の上方から手を入れる必要がない。また、断熱容器10を組立てる際、右面パネル14及び左面パネル15のとりわけ底面側を、底面パネル16に対して垂直にしやすい。
【0058】
また、底面パネル16の奥行き(Y方向長さ)L6(図3参照)は、右面パネル14及び左面パネル15の高さ(Z方向長さ)H1(図4参照)以下であることが好ましい(L6≦H1)。これにより、折り畳み状態において、底面パネル16が右面パネル14(左面パネル15)の上端から飛び出すことがなく、各パネル11~16を収容しやすくすることができる。
【0059】
なお、各パネル11~16の「高さ」とは、各パネル11~16の、底面パネル16から天面パネル11に向かう方向の長さをいう。各パネル11~16の「幅」とは、各パネル11~16の主たる面に平行かつ各パネル11~16の高さ方向に垂直な方向の長さをいう。各パネル11~16の「厚さ」とは、各パネル11~16の主たる面に垂直な方向の長さをいう。
【0060】
(パネルの内部構造)
次に、各パネル11~16の構造についてさらに説明する。
【0061】
各パネル11~16は、上述したように断熱性をもつ断熱パネルから構成されている。このような断熱パネルに用いられる断熱材は、所望の断熱性を発揮するものであればよく、例えば、グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、インシュレーションボード等の繊維系断熱材、羊毛、炭化コルク等の天然素材系断熱材、押出法発泡ポリスチレン、ビーズ法ポリスチレン等のポリエチレン発泡体、硬質ウレタンフォーム等のポリウレタン発泡体、高発泡ポリエチレン等のポリエチレン発泡体、フェノールフォーム等の発泡断熱材、真空断熱材等を挙げることができる。
【0062】
断熱材としては、プラダン(中空構造)、ポリプロピレン製プラパール(川上産業株式会社による登録商標)、ポリエチレン製ツインコーン(宇部エクシモ株式会社による登録商標)を用いてもよい。この場合、ポリプロピレンやポリエチレンからなる中空構造のプラダンを用いることができる。
【0063】
真空断熱材としては、芯材と外装材とを有するものを用いても良い。芯材としては、例えば、シリカ等の粉体、ウレタンポリマー等の発泡体、グラスウール等の繊維体等の多孔質体を使用してもよい。外装材は、芯材の外周を覆う部材であり、芯材から熱溶着層、ガスバリア層が順に積層された可撓性を有するシートを使用してもよい。ガスバリア層は、金属箔、樹脂シートの片面に蒸着層が形成された蒸着シート等を使用してもよい。金属箔は、例えばアルミニウムを使用することができる。蒸着層は、例えば、アルミニウム、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物を使用することができる。また、発泡断熱材を真空断熱材の少なくとも収容空間20側に隣接して配置することができる。さらに、真空断熱材を取り囲むように断熱外囲部を形成しても良い。
【0064】
また、パネル11~16は、電波透過性の非金属部材で構成されても良い。この場合、断熱容器10の内部にICタグを配置したとき、断熱容器10の外部から読取装置によって非接触通信を介してICタグの情報を読み取ることが可能となる。
【0065】
(外袋の構成)
図9に示すように、各パネル11~16は、断熱性を有する外袋30によって外面全体が覆われている。
【0066】
この外袋30は、天面カバー31と、第1正面カバー32aと、第2正面カバー32bと、背面カバー33と、右面カバー34と、左面カバー35と、底面カバー36とを有している。このうち天面カバー31は、天面パネル11に取り付けられている。また、第1正面カバー32a及び第2正面カバー32bは、それぞれ第1正面部分パネル12a及び第2正面部分パネル12bに取り付けられている。なお、第1正面カバー32aと第2正面カバー32bとは図示しない面ファスナー等の着脱具によって互いに着脱可能となっていても良い。さらに、背面カバー33は、背面パネル13に取り付けられている。なお、右面カバー34、左面カバー35及び底面カバー36は、それぞれ右面パネル14、左面パネル15及び底面パネル16に直接取り付けられていない。
【0067】
図1乃至図5に示す組立て状態において、天面カバー31は天面パネル11を覆い、第1正面カバー32aは第1正面部分パネル12aを覆い、第2正面カバー32bは第2正面部分パネル12bを覆う。また、背面カバー33は背面パネル13を覆い、右面カバー34は右面パネル14を覆う。さらに、左面カバー35は左面パネル15を覆い、底面カバー36は底面パネル16を覆う。このように、組立て状態において、断熱容器10は、その全体が断熱性を有する外袋30によって覆われているので、収容空間20への伝熱をさらに抑制することができる。
【0068】
図6乃至図8に示す折り畳み状態において、天面カバー31は天面パネル11を覆い、第1正面カバー32aは第1正面部分パネル12aを覆い、第2正面カバー32bは第2正面部分パネル12bを覆い、背面カバー33は背面パネル13を覆う。一方、上述したように、右面カバー34、左面カバー35及び底面カバー36は、それぞれ右面パネル14、左面パネル15及び底面パネル16に直接取り付けられていない。したがって、右面カバー34、左面カバー35及び底面カバー36は、それぞれ右面パネル14、左面パネル15及び底面パネル16の周囲で折り畳まれる。
【0069】
また、図9に示すように、右面カバー34及び左面カバー35には、それぞれ面ファスナー等の着脱具37が取り付けられている。この着脱具37によって右面カバー34及び左面カバー35がそれぞれ折り畳まれた状態で着脱可能に固定され、断熱容器10が折り畳み状態に保持される(図6参照)。
【0070】
このように、天面パネル11、第1正面部分パネル12a、第2正面部分パネル12b及び背面パネル13は、それぞれ外袋30に取り付けられている。また、第1右面部分パネル14aは背面パネル13に固定され、第2右面部分パネル14bは第1右面ヒンジ部材24aを介して第1右面部分パネル14aに取り付けられ、第3右面部分パネル14cは第2右面ヒンジ部材24bを介して第2右面部分パネル14bに取り付けられている。また、第1左面部分パネル15aは背面パネル13に固定され、第2左面部分パネル15bは第1左面ヒンジ部材25aを介して第1左面部分パネル15aに取り付けられ、第3左面部分パネル15cは第2左面ヒンジ部材25bを介して第2左面部分パネル15bに取り付けられている。さらに、底面パネル16は、底面ヒンジ部材26aを介して背面パネル13に取り付けられている。このように、パネル11~16がいずれも直接又は間接的に外袋30に取り付けられているので、パネル11~16を折り畳んだ際に、各パネル11~16が他のパネル11~16から脱落しないようになっている。
【0071】
この外袋30は、例えば遮熱シートから構成されていても良い。遮熱シートは、電波透過性の非金属部材であり、かつ、可視光線の透過性が十分に低く、赤外線の反射性が十分に高いものであっても良い。外袋30を構成する遮熱シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリメチルペンテン等のプラスチックの延伸又は未延伸フィルム、シート等、又は天然生地、合成樹脂繊維による織物から構成されたシートや不織布等を使用できる。また、これらのうち、2種以上の材料のアロイ、又は、積層をしたものを使用してもよい。これらの各種樹脂フィルム、シートに、必要に応じて、遮光性及び可視光線、赤外線の反射性を付与するため、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸カルシウム等の非金属製の白色系顔料を用いたインキの印刷、塗付等で着色してもよい。また、遮熱シートのシート面方向に垂直な厚さには特に制約はないが、遮熱シートの柔軟性や耐久性、可視光線、赤外線透過性、反射性等を考慮して、例えば、0.2mm以上、15.0mm以下とすることができる。このように、遮熱シートが電波透過性の非金属部材で構成された場合、断熱容器10の内部にICタグを配置した場合に、断熱容器10の外部から読取装置によって非接触通信を介してICタグの情報を読み取ることが可能となる。
【0072】
(断熱容器の分解及び組立て)
次に、断熱容器10を分解及び組立てる際の作用について説明する。
【0073】
(断熱容器の分解)
まず、組立て状態の断熱容器10(図1乃至図5参照)を分解して分解状態の断熱容器10(図6乃至図8参照)とする場合の作用について説明する。
【0074】
まず、図1乃至図5に示すように6つのパネル11~16が箱状に組立てられ、断熱容器10が組立て状態となっている場合を想定する。このとき、各パネル11~16の間には、略直方体形状の収容空間20が形成されている。なお、図示しないが、収容空間20内には、食品等の積載物が収納されていても良い。
【0075】
次に、天面パネル11を背面パネル13に対して回動し、背面パネル13の背面側(Y方向プラス側)に移動する。このとき天面パネル11は、背面パネル13から垂れ下がるように配置され、背面パネル13に対して平行に配置される。
【0076】
続いて、底面パネル16を、底面ヒンジ部材26aを介して背面パネル13に対して折り畳む。このとき底面パネル16は、背面パネル13の内側(Y方向マイナス側)に重なるように折り畳まれる。また、この際、底面パネル16は、第1右面部分パネル14aと第1左面部分パネル15aとの間に収容される。
【0077】
次いで、右面パネル14の第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14cを、それぞれ第1右面ヒンジ部材24a及び第2右面ヒンジ部材24bを介して折り畳む。この際、第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14cは、第1右面部分パネル14aに対して内側に向けて折り畳まれる。また、第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14cは、折り畳まれた底面パネル16と正面パネル12との間に配置され、それぞれ水平面(XY平面)に対して垂直かつ背面パネル13(ZX平面)に対して平行となる。
【0078】
同様に、左面パネル15の第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15cを、それぞれ第1左面ヒンジ部材25a及び第2左面ヒンジ部材25bを介して折り畳む。この際、第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15cは、第1左面部分パネル15aに対して内側に向けて折り畳まれる。また、第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15cは、折り畳まれた底面パネル16と正面パネル12との間に配置され、それぞれ水平面(XY平面)に対して垂直かつ背面パネル13(ZX平面)に対して平行となる。
【0079】
上述したように、底面パネル16は、予め第1右面部分パネル14aと第1左面部分パネル15aとの間に収容されている。したがって、右面パネル14の第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c(左面パネル15の第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)を折り畳む際に、折り畳まれた底面パネル16が第2右面部分パネル14b(第2左面部分パネル15b)に干渉するおそれがなく、第2右面部分パネル14b(第2左面部分パネル15b)をスムーズに折り畳むことができる。
【0080】
その後、正面パネル12を背面パネル13に対してY方向プラス側に平行移動し、正面パネル12を第3右面部分パネル14c及び第3左面部分パネル15cに接近させる。
【0081】
このようにして、断熱容器10の6つのパネル11~16が、全体として図6乃至図8に示す折り畳み状態となる。最後に、着脱具37によって外袋30の右面カバー34及び左面カバー35をそれぞれ折り畳まれた状態で固定しても良い。以上のように、断熱容器10を使用しない場合には、パネル11~16を折り畳み、できる限り全体の体積を小さくして保管、輸送することができる。
【0082】
(断熱容器の組立て)
断熱容器10の組立て方法は、上述した分解方法の逆の順に行うことによってできる。すなわち、まず着脱具37を取り外した後、正面パネル12を背面パネル13に対してY方向マイナス側に平行移動し、正面パネル12を第3右面部分パネル14c及び第3左面部分パネル15cから離間させる。
【0083】
次に、右面パネル14の第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c(左面パネル15の第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)を展開して組立てることにより、それぞれYZ平面に平行に位置させる。
【0084】
続いて、底面パネル16を、水平面(XY平面)側に回動させる。このとき底面パネル16は、水平面(XY平面)に対して平行となり、かつ正面パネル12、背面パネル13、右面パネル14及び左面パネル15に取り囲まれるように配置される。
【0085】
その後。天面パネル11を背面パネル13に対して回動し、正面パネル12、背面パネル13、右面パネル14及び左面パネル15の上方に載置する。このとき天面パネル11は、水平面(XY平面)に平行に配置される。このようにして、断熱容器10の6つのパネル11~16が、全体として図1乃至図5に示す組立て状態となる。
【0086】
以上説明したように、本実施の形態によれば、複数のパネル11~16は、箱状に組立てられた組立て状態と、小さく折り畳まれた折り畳み状態とをとることができる。これにより、パネル11~16を組立て状態にすることにより、パネル11~16の内部に積載物を収納可能かつ気密性の高い収容空間20を形成することができる。一方、断熱容器10を使用しない場合には、パネル11~16を折り畳み状態にすることにより、断熱容器10をコンパクトに保管しておくことができる。
【0087】
また本実施の形態によれば、組立て状態において、底面パネル16は、正面パネル12、背面パネル13、右面パネル14及び左面パネル15(側面パネル12~15)に取り囲まれるように配置される。これにより、収容空間20の断熱性を高めることができる。また、組立て状態において、側面パネル12~15が外袋30と底面パネル16の外周とによって挟まれるので、側面パネル12~15を安定して保持することができる。
【0088】
また本実施の形態によれば、第1右面部分パネル14a及び第1左面部分パネル15aは、それぞれ背面パネル13に固定されており、折り畳み状態において、底面パネル16は、第1右面部分パネル14aと第1左面部分パネル15aとの間に収容される。これにより、断熱容器10を組立て状態から折り畳み状態に移行する間、側面パネル12~15よりも先に折り畳まれた底面パネル16が障害となって第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c(可動パネル)や、第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c(可動パネル)が折り畳みにくくなることが抑制される。この結果、断熱容器10をスムーズに折り畳むことができるとともに、折り畳み状態の断熱容器10をコンパクトにすることができる。
【0089】
また本実施の形態によれば、右面パネル14及び左面パネル15の可動パネルは、それぞれ互いに可動かつ折り畳み可能な複数の部分パネル(第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c、第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)から構成される。これにより、とりわけ断熱容器10の全高H2が高く、人の手の長さを超える高さであっても、断熱容器10を組立て状態にする際、断熱容器10の上方から手を入れる必要がない。この結果、右面パネル14及び左面パネル15のとりわけ底面側を、底面パネル16に対して垂直に配置しやすくすることができる。
【0090】
また本実施の形態によれば、天面パネル11は、天面ヒンジ部材21aを介して背面パネル13に対して折り畳み自在に取り付けられている。これにより、断熱容器10を折り畳む際、天面パネル11を背面パネル13の外側に回り込ませることにより、天面パネル11が他のパネル12~16を折り畳む際の妨げにならない。
【0091】
また本実施の形態によれば、各パネル11~16は、それぞれ剛性をもつ板状の部材である。これにより、各パネル11~16が柔軟に変形することがないため、組立て状態で断熱容器10が直方体状となり、収容空間20を確実に形成することができる。
【0092】
また本実施の形態によれば、各パネル11~16は、外袋30によって覆われている。これにより、収容空間20の気密性をより高めることができ、断熱容器10の断熱性が低下することを抑えることができる。
【0093】
また本実施の形態によれば、複数のパネル11~16は、天面パネル11と、正面パネル12と、背面パネル13と、右面パネル14と、左面パネル15と、底面パネル16とを有する。これにより、パネル11~16によって収容空間20が全方向から覆われるので、収容空間20内の積載物を全方向から保護することができる。
【0094】
また本実施の形態によれば、正面パネル12は、折り畳み自在な複数の正面部分パネル12a、12bを含み、観音開き状に開閉可能である。これにより、正面部分パネル12a、12bを折り畳むことにより、断熱容器10の正面側が開放され、積載物を収容空間20から取り出したり収容空間20に収容したりすることが容易となる。
【0095】
なお、本実施の形態において、底面パネル16は、背面パネル13に対して折り畳み可能であり、第1右面部分パネル14a及び第1左面部分パネル15a(固定パネル)はそれぞれ、背面パネル13に対して固定される場合を例にとって説明した。しかしながら、これに限らず、底面パネル16は、正面パネル12に対して折り畳み可能であり、第1右面部分パネル14a及び第1左面部分パネル15a(固定パネル)は、それぞれ正面パネル12に対して固定されてもよい。この場合、右面パネル14が第1側面パネルに対応し、左面パネル15が第2側面パネルに対応し、正面パネル12が第3側面パネルに対応し、背面パネル13が第4側面パネルに対応しても良い。あるいは、左面パネル15が第1側面パネルに対応し、右面パネル14が第2側面パネルに対応し、正面パネル12が第3側面パネルに対応し、背面パネル13が第4側面パネルに対応しても良い。
【0096】
(変形例)
次に、図10乃至図16を参照して、本実施の形態の各種変形例について説明する。図10乃至図16は、それぞれ変形例による断熱容器を示す図である。図10乃至図16において、図1乃至図9に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0097】
(変形例1)
図10及び図11は、変形例1による断熱容器10を示している。このうち図10は、断熱容器10が組立て状態にある場合を示し、図11は、断熱容器10が折り畳み状態にある場合を示している。
【0098】
図10及び図11において、右面パネル14は、背面パネル13側に位置する第1右面部分パネル14a(固定パネル)と、正面パネル12側に位置する第2右面部分パネル14d(可動パネル)とを有している。この場合、可動パネルである第2右面部分パネル14dは、一枚の板状の部材から構成されている。また、第2右面部分パネル14dは、第1右面部分パネル14aに対して可動かつ第1右面部分パネル14aに対して折り畳み可能となっている。
【0099】
同様に、左面パネル15は、背面パネル13側に位置する第1左面部分パネル15a(固定パネル)と、正面パネル12側に位置する第2左面部分パネル15d(可動パネル)とを有している。この場合、可動パネルである第2左面部分パネル15dは、一枚の板状の部材から構成されている。また、第2左面部分パネル15dは、第1左面部分パネル15aに対して可動かつ第1左面部分パネル15aに対して折り畳み可能となっている。
【0100】
図11に示すように、折り畳み状態において、第2右面部分パネル14d及び第2左面部分パネル15dは、正面パネル12と底面パネル16との間に配置される。また、第2右面部分パネル14d及び第2左面部分パネル15dは、水平面(XY平面)に対して垂直かつ背面パネル13(ZX平面)に対して平行に配置される。
【0101】
図10において、第2右面部分パネル14d(第2左面部分パネル15d)の幅(Y方向長さ)L8は、底面パネル16の幅(X方向長さ)L2の1/2以下であることが好ましい(L8≦(L2/2))。これにより、図11に示す折り畳み状態において、第2右面部分パネル14dと第2左面部分パネル15dとが互いに干渉することが抑えられる。この結果、断熱容器10をより小さく折り畳むことができるとともに、第2右面部分パネル14dと第2左面部分パネル15dとに傷等が発生することを抑えることができる。
【0102】
(変形例2)
図12及び図13は、変形例2による断熱容器10を示している。このうち図12は、断熱容器10が組立て状態にある場合を示し、図13は、断熱容器10が折り畳み状態にある場合を示している。
【0103】
図12及び図13において、図10及び図11(変形例1)と同様に、右面パネル14は、背面パネル13側に位置する第1右面部分パネル14a(固定パネル)と、正面パネル12側に位置する一枚の板状の部材である第2右面部分パネル14d(可動パネル)とを有している。また、左面パネル15は、背面パネル13側に位置する第1左面部分パネル15a(固定パネル)と、正面パネル12側に位置する一枚の板状の部材である第2左面部分パネル15d(可動パネル)とを有している。
【0104】
この場合、第1右面部分パネル14aの幅(Y方向長さ)L9は、第1左面部分パネル15aの幅(Y方向長さ)L10と異なっている。具体的には、第1右面部分パネル14aの幅L9は、第1左面部分パネル15aの幅L10よりも長い(L9>L10)。なお、これに限らず、第1左面部分パネル15aの幅L10が、第1右面部分パネル14aの幅L9よりも長くても良い(L10>L9)。
【0105】
図13に示すように、折り畳み状態において、第2右面部分パネル14d及び第2左面部分パネル15dは、互いに重ねられて正面パネル12と底面パネル16との間に配置される。具体的には、第2左面部分パネル15dは、底面パネル16と第2右面部分パネル14dとの間に位置し、第2右面部分パネル14dは、第2左面部分パネル15dと正面パネル12との間に位置する。また、第2右面部分パネル14d及び第2左面部分パネル15dは、それぞれ水平面(XY平面)に対して垂直かつ背面パネル13(ZX平面)に対して平行に配置される。
【0106】
図12において、第2右面部分パネル14dの幅(Y方向長さ)L11及び第2左面部分パネル15d)の幅(Y方向長さ)L12は、それぞれ底面パネル16の幅(X方向長さ)L2以下であることが好ましい(L11≦L2、L12≦L2)。これにより、図13に示す折り畳み状態において、第2左面部分パネル15dが第1右面部分パネル14aに干渉することが抑えられるとともに、第2右面部分パネル14dが第1左面部分パネル15a側に飛び出すことが抑えられる。また、断熱容器10をより小さく折り畳むことができるとともに、第2左面部分パネル15dと第1右面部分パネル14aとに傷等が発生することを抑えることができる。
【0107】
なお、第1右面部分パネル14aの幅L9と第1左面部分パネル15aの幅L10との差(L9-L10)は、第2右面部分パネル14dの厚み(X方向長さ)T2以上であることが好ましい((L9-L10)≧T2)。これにより、折り畳み状態において、第2左面部分パネル15dを第1底面パネル16と第2右面部分パネル14dとの間に収容しやすくすることができる。
【0108】
(変形例3)
図14は、変形例3による断熱容器10を示している。図14において、天面パネル11は、取り外し可能となっており、天面ヒンジ部材21aは設けられていない。すなわち天面パネル11は、背面パネル13及び外袋30に予め取り付けられていなくても良い。あるいは、天面パネル11は、背面パネル13及び外袋30に対して着脱可能に取り付けられていても良い。図14に示すように、折り畳み状態において、天面パネル11は、第3右面部分パネル14c及び第3左面部分パネル15cと、正面パネル12との間に配置されても良い。あるいは、天面パネル11は、折り畳み状態において、他のパネル12~16から独立して別個保管されても良い。
【0109】
(変形例4)
図15及び図16は、変形例4による断熱容器10を示している。このうち図15は、断熱容器10が組立て状態にある場合を示し、図16は、断熱容器10が折り畳み状態にある場合を示している。
【0110】
図15及び図16において、図1乃至図9に示す形態と異なり、第1右面ヒンジ部材24a(第1左面ヒンジ部材25a)は設けられておらず、第2右面部分パネル14b(第2左面部分パネル15b)は、第1右面部分パネル14a(第1左面部分パネル15a)に対して直接連結されていない。また、第2右面部分パネル14b(第2左面部分パネル15b)及び第3右面部分パネル14c(第3左面部分パネル15c)は、それぞれ外袋30に対して直接取り付けられている。
【0111】
図16に示すように、折り畳み状態において、第2右面部分パネル14b(第2左面部分パネル15b)は、第1右面部分パネル14a(第1左面部分パネル15a)よりも正面側(Y方向マイナス側)に配置される。この場合、第2右面部分パネル14b(第2左面部分パネル15b)の内面14e(内面15e)の一部が、第1右面部分パネル14a(第1左面部分パネル15a)に接触する。
【0112】
この場合、可動パネルの幅、すなわち第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c(第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)の合計幅L7(=L4+L5)は、背面パネル13の幅(X方向長さ)L1の半分以下であることが好ましい(L4+L5=L7≦L1/2)。これにより、右面パネル14及び左面パネル15を折り畳む際に、右面パネル14の可動パネル(第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c)と、左面パネル15の可動パネル(第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)とが互いに干渉することが抑えられる。この結果、断熱容器10をより小さく折り畳むことができるとともに、第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14cと、第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15cとに傷等が発生することを抑えることができる。
【0113】
また、可動パネルの幅、すなわち第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c(第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)の合計幅L7(=L4+L5)は、背面パネル13の幅(X方向長さ)L1の1/3超であることが好ましい(L4+L5=L7>L1/3)。これにより、右面パネル14及び左面パネル15を折り畳む際に、右面パネル14の可動パネル(第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c)と、左面パネル15の可動パネル(第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)とのうち、一方の可動パネルのみが折り畳まれ、他方の可動パネルが折り畳まれない状態となることを抑制することができる。これにより、断熱容器10を折り畳んだ後、右面パネル14側と左面パネル15側とで厚みの違いが生じることを抑えることができる。
【0114】
なお、上記を合わせて、可動パネルの幅、すなわち第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c(第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)の合計幅L7は、底面パネル16の幅L1の1/3超かつ1/2以下となることがより好ましい(L1/3<L4+L5=L7≦L1/2)。
【0115】
上記実施の形態及び変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態及び変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0116】
10 断熱容器
11 天面パネル
12 正面パネル
12a 第1正面部分パネル
12b 第2正面部分パネル
13 背面パネル
14 右面パネル
14a 第1右面部分パネル
14b 第2右面部分パネル
14c 第3右面部分パネル
15 左面パネル
15a 第1左面部分パネル
15b 第2左面部分パネル
15c 第3左面部分パネル
16 底面パネル
20 収容空間
21a 天面ヒンジ部材
24a 第1右面ヒンジ部材
24b 第2右面ヒンジ部材
25a 第1左面ヒンジ部材
25b 第2左面ヒンジ部材
26a 底面ヒンジ部材
30 外袋
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16