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特開2024-57068コンパクト熱交換器ユニット及び空気調和モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057068
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】コンパクト熱交換器ユニット及び空気調和モジュール
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/00 20060101AFI20240416BHJP
   B60H 1/22 20060101ALI20240416BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20240416BHJP
   F25B 39/00 20060101ALI20240416BHJP
   F25B 39/04 20060101ALI20240416BHJP
   F25B 43/00 20060101ALI20240416BHJP
   F28F 3/08 20060101ALI20240416BHJP
   F28F 3/04 20060101ALI20240416BHJP
   F28D 9/02 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
B60H1/00 102C
B60H1/22 671
B60H1/22 651B
B60H1/22 651A
F25B1/00 396R
F25B1/00 396G
F25B1/00 396A
F25B1/00 396D
F25B39/00 N ZAB
F25B39/00 Z
F25B39/04 Y
F25B1/00 D
F25B1/00 399Y
F25B43/00 S
F28F3/08 301Z
F28F3/04 A
F28D9/02
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024029163
(22)【出願日】2024-02-28
(62)【分割の表示】P 2021500585の分割
【原出願日】2019-07-02
(31)【優先権主張番号】102018116550.1
(32)【優先日】2018-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102018129988.5
(32)【優先日】2018-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】516011246
【氏名又は名称】ハンオン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハイル,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】チェフ,ラディム
(72)【発明者】
【氏名】スラヴィーク,ラデク
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コストを低減した製造が可能で、省スペースに実装された様々な熱交換器領域を統合できる、電気自動車の空気調和用モジュールであるコンパクト熱交換器ユニットを提供する。
【解決手段】熱交換面として形成された冷媒を凝縮するための凝縮器領域(6)、冷媒を過冷却するための超過冷却領域(4)、内部熱交換器領域(3)がプレートパケットとして組み合わされ、高圧・冷媒コレクタ(15)が凝縮器領域(6)の下流に空気調和モジュールとして一体化されており、凝縮器領域(6)と超過冷却領域(4)は並んで配置され、凝縮器領域(6)を流れた後の冷媒は、高圧・冷媒コレクタ(15)に案内され収集され、次いで、超過冷却領域(4)および内部熱交換器領域(3)に案内され、その後、膨張弁(9)を介して蒸発器領域(2)に案内され、凝縮器領域(6)および超過冷却領域(4)のプレートは、シェブロン・デザインで形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車用の空気調和装置内コンパクト熱交換器ユニット(1)において、熱交換面として形成され冷媒を凝縮するための凝縮器領域(6)と、前記冷媒を過冷却するための別の超過冷却領域(4)と、内部熱交換器領域(3)とが、プレート熱交換器においてプレートパケットとして組み合わされ、別の高圧・冷媒コレクタ(15)が前記凝縮器領域(6)の下流に配置され、空気調和モジュールの冷媒コレクタとして一体化されており、前記凝縮器領域(6)と前記超過冷却領域(4)が、プレート熱交換器のプレートパケットとして並んで配置され、前記凝縮器領域(6)を流れた後の前記冷媒は、前記別の高圧・冷媒コレクタ(15)に案内され収集され、次いで、前記冷媒は、前記超過冷却領域(4)および前記内部熱交換器領域(3)に案内され、その後、膨張弁(9)を介して蒸発器領域(2)に案内され、前記凝縮器領域(6)および前記超過冷却領域(4)のプレートは、シェブロン・デザインで形成されていることを特徴とするコンパクト熱交換器ユニット。
【請求項2】
前記凝縮器領域(6)及び前記超過冷却領域(4)のプレート熱交換器のプレートが、オフセット・デザインにより形成された挿入部として実装されたリブ及び/又はシェブロン・デザインにより形成されたリブ(26)を具備することを特徴とする請求項1に記載のコンパクト熱交換器ユニット。
【請求項3】
低圧側の前記内部熱交換器領域(3)内のプレート熱交換器のプレートは、ディンプル・デザインで形成されたリブ(26)を具備して実装され、前記リブが高圧側ではオフセット・デザインで形成された挿入部として実装されることを特徴とする請求項1または2に記載のコンパクト熱交換器ユニット。
【請求項4】
冷媒をコンパクト熱交換器ユニット(1)の下部面から上部面へ案内するためのプレート熱交換器のプレートパケットとして、冷媒を凝縮するための前記凝縮器領域(6)と冷媒を過冷却するための前記別の超過冷却領域(4)との間に伝達チャネル(17)が配置されていることを特徴とする請求項1乃至3に記載のコンパクト熱交換器ユニット。
【請求項5】
前記コンパクト熱交換器ユニット(1)の前記蒸発器領域(2)、前記内部熱交換器領域(3)、前記超過冷却領域(4)、及び前記凝縮器領域(6)が、熱的に相互絶縁された状態で形成されており、前記領域(2、3、4、6)の間に絶縁プレート(16)が配置されていることを特徴とする請求項1乃至4に記載のコンパクト熱交換器ユニット。
【請求項6】
蒸発器領域(2)がプレートパケットとして形成され、前記プレート熱交換器内に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5に記載のコンパクト熱交換器ユニット。
【請求項7】
フィルター及び/又は乾燥器(24)及び/又は膨張弁(9)がコンパクト熱交換器ユニット(1)内に集積した状態で形成されていることを特徴とする請求項1乃至6に記載のコンパクト熱交換器ユニット。
【請求項8】
前記コンパクト熱交換器ユニット(1)の前記プレートと、前記プレートパケットと、前記領域(2、3、4、6)が互いにはんだ付けされていることを特徴とする請求項1乃至7に記載のコンパクト熱交換器ユニット。
【請求項9】
前記プレート熱交換器の前記プレートが、オフセット・デザイン、ディンプル・デザイン、またはシェブロン・デザインで形成されたリブ(26)を備え、オフセット・デザインで形成された前記リブは、2つのプレートの間に挿入プレート(27)として実装されていることを特徴とする請求項1乃至8に記載のコンパクト熱交換器ユニット。
【請求項10】
前記高圧・冷媒収集器領域(5)内の前記プレート熱交換器の前記プレートが、オフセット・デザインで形成された挿入プレート(27)としてのリブを備え、前記挿入プレート(27)は、前記高圧・冷媒収集器領域(5)の容積を拡大するための穀類構造、モミ構造又は長孔構造を有するリセス(28)を備え、前記挿入プレート(27)は、複数の接触点を通じて前記プレートと接続されていることを特徴とする請求項9に記載のコンパクト熱交換器ユニット。
【請求項11】
前記高圧・冷媒収集領域(5)の容積を拡大するためのリセス(28)を有する前記挿入プレート(27)が、並列に配列されたプレートの圧力強度の改善のために互い違いの構造で配置されていることを特徴とする請求項10に記載のコンパクト熱交換器ユニット。
【請求項12】
前記蒸発器領域(2)内にある前記プレート熱交換器のプレートがディンプル・デザインで形成されたリブを具備することを特徴とする請求項1乃至11に記載のコンパクト熱交換器ユニット。
【請求項13】
流体を貫流させるための前記コンパクト熱交換器ユニット(1)の前記領域(2、3、4、5、6)のプレートパケットが2重、3重または4重パイプを有するセクションをチャネル(25)として具備することを特徴とする請求項1乃至12に記載のコンパクト熱交換器ユニット。
【請求項14】
冷媒循環系を備え、前記冷媒循環系が圧縮機(7)、膨張弁(9)そして蒸発器としての2つ以上の熱交換器及び凝縮器を備え、空気調和モジュールの空気調和ユニット(14)に冷却水を供給するための冷却水循環系(8)用連結部及び空気調和モジュールに冷媒を冷却させるための冷却水循環系(12)用連結部が形成されており、電気車両用の空気調和モジュールにおいて、前記熱交換器がコンパクト熱交換器ユニット(1)内熱交換器領域として統合された状態で形成されており、前記コンパクト熱交換器ユニット(1)が一体型のプレート熱交換器として形成されていることを特徴とする空気調和モジュール。
【請求項15】
前記冷却水循環系(12)が前記空気調和ユニット(14)に熱を供給するために接続された状態で具備されていることを特徴とする請求項14に記載の空気調和モジュール。
【請求項16】
前記圧縮機(7)が電気圧縮機として実装されており、前記空気調和モジュールが電子式連結部を具備することを特徴とする請求項14または15に記載の空気調和モジュール。
【請求項17】
R134a、R152a、R1234yf、R1234ze、R744、プロパン、プロピレン、またはアンモニアが冷媒循環系内で冷媒として使用できることを特徴とする請求項14乃至16に記載の空気調和モジュール。
【請求項18】
前記冷却水循環系(12)が、低温熱交換器(11)を具備することを特徴とする請求項14乃至17に記載の空気調和モジュール。
【請求項19】
前記冷却水循環系(8)が、前記空気調和ユニット(14)横で、バッテリー冷却循環系(10)と直列にまたは並列に接続されていることを特徴とする請求項14乃至18に記載の空気調和モジュール。
【請求項20】
前記バッテリー冷却循環系(10)が、前記冷媒循環系内で前記コンパクト熱交換器ユニット(1)の蒸発器領域(2)に対して並列に接続された状態で形成されていることを特徴とする、請求項19に記載の空気調和モジュール。
【請求項21】
乾燥器(24)が、前記コンパクト熱交換器ユニット(1)の冷媒出口において、別に仕上がるそして組み立てられる要素として実装されていることを特徴とする、請求項14乃至20に記載の空気調和モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパクト熱交換器ユニット及び空気調和モジュールに係リ、より詳しくは電気自動車用に適合するコンパクト熱交換器ユニット及び空気調和モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
ここで空気調和モジュールは、空気調和ユニットで車両室内の空気を調和させるための熱気及び又は冷気を発生する装置である。空気調和モジュールは、圧縮機を使用する電気自動車の冷媒循環系のあらゆる構成要素をすべて備えるように設計される。空気調和モジュールは、圧縮機を使用する電気自動車の冷媒循環系のあらゆる構成要素をすべて備えるように設計される。
【0003】
従来は、主に空冷式凝縮器が自動車空気調和システムに使われていた。このような状況は、空気冷却機が、冷房設備作動のための熱放出に有利であることに関連している。このような状況は、空気冷却機が、冷房設備作動のための熱放出に有利であることに関連している。
【0004】
しかし、空気調和モジュールの水冷式凝縮器も知られており、空気冷却と異なる液体冷却による熱交換の高い効率により、液体冷却された凝縮器を小型化できる可能性も出てくる。
【0005】
車両空気調和分野における水冷式凝縮器の短所は、追加の冷却水循環系が増えて、コストが増加することにある。一方、空冷式凝縮器は、機関室内に追加の装置がなく、燃焼機関の冷却器に対して平行に位置決めでき作動できる。
【0006】
空冷式凝縮器と水冷式凝縮器の両方を備えた空気調和システムの短所は、個別の構成要素が、車両内部の多様な場所で行われるため、車両組立工程の中で、これらの構成要素が、部分的に複雑な組み立てシーケンスになることである。
【0007】
しかしながら、簡単に装着でき、かつ、補修のために簡単に交換又は交換ができる空気調和モジュール及びコンパクト熱交換器ユニットを提供することが望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が目的とするところは、特に電気自動車向けに適合し、電気自動車の構成要素の周辺に簡単に集積できる空気調和モジュールを提供することにある。
【0009】
本発明のもう一つの課題は、コストを低減した製造が可能で、省スペースに実装された様々な熱交換器領域を統合できるコンパクト熱交換器ユニットを提供することにある。
【0010】
本開示の目的は、独立請求項による特徴を有する空気調和モジュールおよびコンパクト熱交換器ユニットによって解決される。改善例は従属請求項に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の課題は、特に、自動車の空気調和システムにおけるコンパクト熱交換器ユニットによって解決される。コンパクト熱交換器ユニットの特徴は、冷媒の凝縮のための凝縮器領域が伝熱面として設計され、冷媒を過冷却するための別個の超過冷却領域と内部熱交換器領域が、プレート熱交換器のプレートパックとして組み合わされ、別の高圧・冷媒コレクタが、空気調和システムに一体化された冷媒のためのコレクタとして凝縮器領域の下流に配置され、凝縮器領域と超過冷却領域はプレート熱交換器のプレートパックとして互いにその横に配置され、冷媒は、凝縮器領域を流れた後、別の高圧・冷媒コレクタに導かれて収集され、次いで、過冷却領域および内部熱交換器領域に導かれ、その後、膨張要素を介して蒸発器領域に導かれ、凝縮器領域と過冷却領域のプレートはシェブロン・デザインであることである。
【0012】
このような構成では、コンパクト熱交換器ユニットが特に好ましく液体冷却され、そして特に水冷された凝縮器として空気調和装置内に使用されることができる。プレート熱交換器は本発明によれば、機能に応じて領域に統合されるプレートパケットとして行われる。これにより、凝縮器領域は冷媒の凝縮が行われる熱交換面の領域となる。凝縮器領域は相応の大きさのプレートパケット及び熱交換面として形成され、高圧・冷媒収集領域のプレートパケットと共に一つの一体型プレート熱交換器で結合される。プレートパケットの熱交換器プレートは、熱交換特性を改善するためのリブまたは薄板を具備して実装される。
【0013】
内部熱交換器の高圧側が超過冷却区間に連結される。コンパクト熱交換器ユニットの構成要素内に又は対案的にコンパクト熱交換器ユニット外部に配列された弛緩機関及び蒸発器そして内部熱交換器の低圧側が以下の実施例で更に説明されるように冷媒循環系内で連続する。
【0014】
前述のように、凝縮器領域、超過冷却領域、高圧・冷媒収集器領域及び内部熱交換器領域を有するコンパクト熱交換器ユニットの構成では、高圧・冷媒収集器領域が本発明によると別の高圧・冷媒収集器として実装されており、凝縮器領域と超過冷却領域のプレートはシェブロン・デザインで形成されている。
本発明によると、凝縮器領域の裏には、冷媒の超過冷却のための別の超過冷却領域が接続された状態で形成されており、追加のプレートパケットとしてコンパクト熱交換器ユニット内に集積した状態で配列されていることを特徴とする。
【0015】
凝縮器領域、超過冷却領域及び内部熱交換器領域の配列は好ましく並んで行われ、この場合、これらの領域はプレート熱交換器のプレートパケットとして実装され、冷媒はまず凝縮器領域に到達し、ここから直接的な連結を通じて高圧・冷媒収集器領域に到達し、冷媒が収集された後に超過冷却領域と内部熱交換器領域にガイドされることを特徴とする。
【0016】
コンパクト熱交換器ユニットの高圧・冷媒収集領域は、下から充電及び空になるように形成されていることを特徴とする。本実施例によれば、高圧・冷媒収集器領域は下から上へ液体冷媒で満たされ、この場合、液体冷媒はまた下から放出され、超過冷却領域内へ案内される。
【0017】
蒸発器領域、内部熱交換器領域及び凝縮器領域がプレートパケットとして形成され、一体型プレート熱交換器内に統合された状態で配列されていることを特徴とする。このような構成は、場合によって高圧・冷媒収集器領域分補完され、これによりコンパクト熱交換器ユニットは、冷房設備循環系のすべての熱交換器機能及び場合によっては追加で、収集器機能も有することになる。
高い機能統合によって、特に空気調和モジュールの省スペースな構造方式が許容される。
【0018】
冷媒用フィルター及び又は乾燥機、そして膨張弁がコンパクト熱交換器ユニット内部に集積した状態で形成されていることを特徴とする。
【0019】
熱力学的な観点から循環系の最大の効率を保証するために、好ましくは個別の熱交換器領域及び機能領域は、領域間にある絶縁プレートによって異なる温度レベルで相互に熱的に絶縁された状態で形成されていることを特徴とする。適用例、温度レベル及び空間状況に応じて、少なくとも2つの又はそれ以上の領域が絶縁プレートによって相互に熱的に絶縁されている。この場合、絶縁プレートは、一領域から他の領域へ絶縁プレートを通過する熱通過過程を最小化するために、全く貫流が行われなかったり、空気又は窒素で満たされていたり、真空状態にあるプレートとして形成される。
【0020】
好ましい一実施例によれば、コンパクト熱交換器ユニットの熱交換器領域及び又は機能領域の間に、冷媒をコンパクト熱交換器ユニットの下部面から上部面に案内するためのプレート熱交換器のプレートパケットとしての伝達チャンネルが配列されていることを特徴とする。この場合、伝達チャネルは1以上のプレートからなり、2領域間で垂直方向に冷媒の案内を可能とし、その結果、一領域では冷媒が例えば床に収集され、伝達チャネルを介して上に案内され、次いで隣り合う領域において上から再度分配されることができる。
【0021】
コンパクト熱交換器ユニットの特に望ましい一実施例は、冷媒の収集及び分配が個別領域内の同一側で行われず、むしろコンパクト熱交換器ユニットの対向側で行われる。この場合には、冷媒が例えば凝縮器領域の下部面から高圧・冷媒収集領域又は超過冷却領域の上部面にガイドされるしかない。このような過程は、好ましくはコレクタチャネルとしても呼ばれ、コンパクト熱交換器ユニット内部に集積された伝達チャネルを通じて行われ、コレクタチャネルは、プレート熱交換器内に伝達プレートとして実装され、コレクタチャネル内では冷媒がチャネル形態の空洞内において下から上へ又は場合によっては他の方式で迂回してガイドされる。
【0022】
コンパクト熱交換器ユニットの領域の熱交換の課題に対応するため、冷媒は、集積した伝達プレートを介してプレート熱交換器内部において下から上へ又はその逆にガイドされる。
【0023】
一般的に、冷媒の流れ及び冷却材の流れは、単一の又は多重の通過デザインからなることができる。
【0024】
製造技術的に、個別領域及びプレートパケットは、好ましく互いにはんだ付けされていることを特徴とする。
【0025】
本発明の課題は、コンパクトな独自構造により特に電気自動車用に適した空気調和モジュールによって解決される。空気調和モジュールは、空気調和モジュール内部で完全に閉鎖されている冷媒循環系を備え、この場合、連結ライン及び密閉式圧縮機としての圧縮機が相応に実現された場合には、空気調和モジュールを車内に装着する際、冷媒循環系の構成要素の間に冷媒連結部が作られる必要がない。
【0026】
空気調和モジュールは、空気調和ユニットに冷却水を供給するために用いられる冷却水循環系用の2つの連結部を具備する。更に、空気調和モジュールは、冷媒の冷却のために用いられる冷却水循環系用の2つの連結部を具備する。冷媒循環系は、一以上の圧縮機、膨張弁、並びに冷媒の蒸発及び凝縮のための二つ以上の熱交換器を具備する。特別な方式で、空気調和モジュールは、熱交換器がコンパクト熱交換器ユニット内に熱交換器領域として統合された形で形成され、コンパクト熱交換器ユニットは、複数のプレートパケットからなる一体型のプレート熱交換器として形成されていることを特徴とする。
【0027】
本発明では、個別の熱交換器は、冷媒循環系の別途の構成要素として実装されておらず、空気調和モジュールの中核を形成する一体型プレート熱交換器内に統合された形で実装されている。これにより、結果的には、空気調和モジュール内部で冷媒循環系の個別構成要素の間に冷媒連結部を事前に製造することが可能となる。空気調和モジュールは、車両内に装着する際に連結され続けるべき冷却水循環系及び冷却水循環系のための前方流れ用連結部及び後方流れ用連結部をそれぞれ具備する。
【0028】
このようにすることで、特に漏洩に安全なそして熱交換器をコンパクト熱交換器ユニット内に集積することで、特にコンパクトで省スペースな構成要素コンセプトが実現される。その結果、漏えいリスクが強く低減した状態で少ない冷媒充電量が実現する。
【0029】
これにより、コンパクト熱交換器ユニットは、機能的にそして温度範囲に応じて分離された少数の区画からなるようになり、これらの区画は構造的にコンパクト熱交換器ユニットの空気調和モジュールの下部ユニット内に統合されている。
【0030】
本発明によると、高圧・冷媒収集領域は、別容器として又はボトルとして実装されており、コンパクト熱交換器ユニット横で空気調和モジュール内に集積している。本実施例においても、媒連結部の形成は、簡単かつ費用的に有利でかつ誤りが発生しない組立を可能とするために、剛性で且つ事前に製造された形態で行われる。
【0031】
好ましくは,冷媒循環系の追加構成要素が直接コンパクト熱交換器ユニット内に集積している。これらの追加の構成要素は、例えば、直接コンパクト熱交換器ユニット内に集積した形で形成されている、冷媒のためのフィルター及び又は冷媒のための乾燥機及び又は膨張弁である。
【0032】
これらの構成要素は、コンパクト熱交換器ユニットの外部に配列されている。
【0033】
コンパクト熱交換器ユニットの機能的に異なる領域の集積は、これらの領域が相互断熱した状態で形成された場合には、構成要素を別途形成する方式に比べて短所なく熱力学的に行われる。そのため、個別の領域間にはプレート熱交換器のそれぞれ一つの絶縁プレートが配列されており、これにより個別の領域は互いに対して相互に離隔された配列状態で、熱的に相互絶縁された状態で形成されている。隣り合う領域が著しい温度差をもたない限り,絶縁プレートは省略されることがある。
【0034】
製造技術的に特に好ましくは、コンパクト熱交換器ユニットの領域が互いにはんだ付けされていることことを特徴とする。結果として様々な循環系、すなわち冷却水又は冷却水循環系のみならず冷媒循環系も個別プレート、プレートパケット及び領域のはんだ付けによってそれぞれ互いに対し、そしてまた、周辺に対して特に漏洩に安全に実装される。
【0035】
コンパクト熱交換器ユニットの熱交換特性は、好ましくはプレート熱交換器のプレートがリブを具備し、これらリブはオフセット・デザイン、ディンプル・デザイン又はシェブロン・デザインで形成されており、この場合、オフセット・デザインで形成されたリブは2つのプレート間に挿入プレート(27)として具現されていることを特徴とする。
【0036】
この場合、高圧・冷媒収集器領域内のプレート熱交換器のプレートが、好ましくはオフセット・デザインにより形成された挿入部としてのリブを備え、挿入部は、高圧・冷媒収集器領域の容積を拡大するためのリセスを備えることを特徴とする。このリセスは穀類構造、モミ構造又は長孔構造を有する。なるべく圧力に強い形状にするため、この挿入部は、複数の接触点を通じてプレートと接続されている。
【0037】
好ましくは、前記特性は、プレートが互いに並んで配列されている場合には、高圧・冷媒収集領域の容積を拡大するためのリセスを有する挿入部の構造が圧力強度の改善のために交換されることを特徴とする。これにより構造とパターンが重なり、その結果挿入部の間の連結部は様々な平面に置かれるようになり、このような状況は連結部用点の改善された分布を引き起こし、全体の構造をさらに均一に実現する。
【0038】
好ましくは、内部熱交換器領域内にあるプレート熱交換器のプレートは、冷媒循環系の低圧側ではディンプル・デザインで形成されたリブを具備して実装され、前記リブが高圧側ではオフセット・デザインで形成された挿入部として実装されることを特徴とする。
【0039】
凝縮器領域及び超過冷却領域内にあるプレート熱交換器のプレートは、好ましくはオフセット・デザインにより形成された挿入部としてのリブを具備し、そして又はシェブロン・デザインにより形成されたリブとして具現されていることを特徴とする。 その理由は、このようなデザインが高圧用により優れているからである。
【0040】
それとは異なり、蒸発器領域内にあるプレート熱交換器のプレートは、好ましくはディンプル・デザインにより形成されたリブを具備することを特徴とする。 その理由は、このようなデザインがより低い圧力用に適しているからである。
【0041】
流体を貫流させるためのコンパクト熱交換器ユニットの領域のプレートパケットは、2重、3重または4重パイプを有するセクション内にチャネルとして形成されていることを特徴とする。これらのチャネルは、コンパクト熱交換器ユニット内部で流体の貫流を可能にする。このような貫流方式は、好ましい実施例として、例えばプレートパケットが互いに並んで配列されているが、流体ガイドが先にパケット上に飛び越し、次いで初めて流体が飛び越したパケット内部に逆に案内される。
【0042】
乾燥機は、プレート熱交換器として形成されたコンパクト熱交換器ユニットの冷媒出口において、別個に出来上がるそして組み立てられる要素として実装されていることを特徴とする。 これに対して、冷媒用の乾燥機がプレート熱交換器のプレート内に集積されているとしてもよい。
【0043】
特に好ましくは、空気調和モジュールの廃熱の利用は、空気調和ユニットに熱を供給するための凝縮器の冷却水循環系が接続された状態で行われることを特徴とする。 この場合、冷媒の凝縮熱は、空気調和ユニット内部で必要に応じ、車両室内の加熱のための有効熱として利用されることができる。 好ましくは、圧縮機は電気式圧縮機として実装されていることを特徴とする。これによれば、空気調和モジュールは、組立て親和的に実装される一つの電気式連結部のみを具備すればよい。
【0044】
冷媒としては、少ないGWP(Global Warming Potential:地球温暖化指数)を特徴とし、これで将来好ましく使用できる、R134a、R152a、R1234yf、R1234ze、R744、プロパン、プロピレンまたはアンモニアといった好ましく可燃性のまたは毒性の冷媒が冷媒循環系内に使用されることを特徴とする。
【0045】
好ましくは、空気調和モジュールの冷却水循環系は、低温熱交換器を備えることを特徴とする。この低温熱交換器は、冷媒の凝縮から由来する相対的に低い温度レベルの熱を低温熱交換器により周辺に放出する。
【0046】
特に好ましくは、冷却水循環系は、空気調和ユニットの横でバッテリー冷却循環系と直列又は並列に接続されていることを特徴とする。これにより、空気調和モジュールによって供給される冷却水が1つの共同バッテリー冷却循環系内でバッテリーの冷却のために使用できる。
【0047】
それに対して代案として、バッテリー冷却循環系は、冷媒循環系内部でコンパクト熱交換器ユニットの蒸発器領域に対して並列に又は直列に接続された状態で形成されていることを特徴とする。この場合、冷媒は直接バッテリーまたはバッテリー冷却循環系の冷却のために用いられる。
【0048】
本発明の好ましい実施例によれば、冷媒循環系の構成要素は、冷媒循環系が、熱ポンプモードでも作動できるように形成されている。
【0049】
本発明による空気調和モジュールは、4つの水連結部、及び1つの電流連結部が提供される。これにより、コンパクトな構成とできる。冷媒循環系が冷媒側で圧縮機及び追加の構成要素と連結されていて完全に閉鎖されていることにより、結果的に冷媒を全くガイドしない空気調和モジュールは、冷媒循環系内部で空気調和モジュールを自動車内に組み立てる際に閉鎖される。これにより、空気調和モジュールは簡単に装着できる。ただし相対的に少ない冷媒充填量だけが必要である。熱交換器領域をコンパクト熱交換器ユニット内に集積する過程は漏洩のリスクが少ない状況で経済的に有利に行える。その理由は連結ラインが剛性に実装され、これにより漏洩の可能性が減ったためである。
【0050】
コンパクト熱交換器ユニットは、要約的に、好ましくはレシーバ及び又は凝縮及び又は超過冷却及び絶縁が統合された水冷凝縮器の構成要素として、自動車の空気調和装置の冷媒循環系内の領域の間で使用される。この場合、構成要素は、内部熱交換器及び又は領域の間の絶縁部を具備して具現されることができる。さらに、構成要素は、好ましくは内部または外部膨張装置およびまたは領域の間にある絶縁部を具備して具現される。構成要素の1つの改善例では,蒸発器およびまたは領域間の絶縁部を具備して実現される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
本開示の追加の詳細、特徴、および利点は、対応する図面を参照して説明される例示的な実施形態に関する以下の記載により詳細に説明される。
図1】コンパクト熱交換器ユニットを備えた空気調和モジュールの回路図である。
図2】高圧・冷媒収集を備えたコンパクト熱交換器ユニットの図である。
図3】コンパクト熱交換器ユニット内部に熱交換器領域、そして集積した高圧・冷媒収集器を備えた空気調和モジュールの図である。
図4】コンパクト熱交換器ユニットを備え、バッテリー冷却が直接的に行われる空気調和モジュールの図である。
図5】高圧・冷媒収集領域を有するコンパクト熱交換器ユニットの図である。
図6】内部熱交換器及び高圧冷媒収集領域が集積した液体冷却凝縮器の図である。
図7】外部高圧冷媒収集を有する液体冷却された凝縮器の図である。
図8】伝達チャンネルを有するコンパクト熱交換器ユニットの図である。
図9】乾燥器を有する液体冷却された凝縮器の図である。
図10】チャネルとしての三重パイプを有するプレートを側面図である。
図11】シェブロン・デザインで形成されたリブを有するプレートの図である。
図12】オフセット・デザインで形成されたリブを有するプレートの図である。
図13】ディンプル・デザインで形成されたリブを有するプレートの図である。
図14】リセスを具備し、オフセット・デザインで形成されたプレートの図である。
図15】リセスを具備し、オフセット・デザインで形成されたプレートの図である。
図16】リセスを具備し、オフセット・デザインで形成されたプレートの図である。
図17】リセスを具備し、オフセット・デザインで形成されたプレートの図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1には、空気調和モジュールの回路図が図示されており、この空気調和モジュールの中心にコンパクト熱交換器ユニット(1)がある。コンパクト熱交換器ユニット(1)は、図面においてローマ式符号で表記された3つの熱交換領域に細分されている。このような細分は、詳細には蒸発器領域(2)(III)、内部熱交換器領域(3)(II)及び凝縮器領域(6)(I)に関連している。冷媒循環系内部にあるこれらの熱交換器能領域は、一つのコンパクト熱交換器ユニット(1)内に統合されている。コンパクト熱交換器ユニット(1)は少数の熱交換器プレートからなるプレート熱交換器として構成される。個別領域は、1つのプレートパケットに統合された複数のプレートから形成されている。
【0053】
個別機能領域のプレートパケットは、一体型構成要素として形成された一つのプレート熱交換器内に統合されている。
【0054】
凝縮器領域(6)は、コンパクト熱交換器ユニット(1)内部に液体冷却又は水冷された凝縮器として形成されている。
【0055】
膨 張装置は、構成要素内で(1)(II)と(2)(III)との間に又は別に配列されている。
【0056】
空気調和モジュールの冷媒循環系は、通常の構成要素、すなわち圧縮機(7)、凝縮器領域(6)、内部熱交換器領域(3)、詳細に図示されていない膨張弁そして蒸発器領域(2)を含む。蒸発器領域(2)の後ろには、内部熱交換器(3)を介して圧縮機(7)側に通常の方式で冷媒循環系が接続される。図示した冷媒循環系の回路は内部熱交換器のための機能領域を含み、この機能領域はそれぞれのデザインにおいて全ての冷媒のために使用される必要がなく、これにより冷媒循環系内部で代案的な特性を有することになる。内部熱交換器領域(3)は、好ましくは、超過冷却カウンタフローとして接続されており、IHXとしても称される。
【0057】
空気調和モジュールは、車両に冷気を供給し、場合によっては熱を供給し、この場合、冷房設備回路内で詳細に図示されないポンプを有する冷却水循環系(8)は、蒸発器領域(2)から空気調和ユニット(14)内へ、そしてそこから冷却器・加熱器(13)内へ移送される。冷却水循環系(8)が動作する場合に冷房設備回路内では、空気調和ユニット(14)の熱交換器が冷却器(13)として動作する。追加の加熱が要求される車両作動状態では、空気調和ユニット(14)が冷却水循環系(12)を介して熱を供給されることにより、結果としてこの場合、空気調和ユニット(14)の熱交換器は加熱器(13)として動作することになる。冷却水循環系(12)は、作動中に凝縮器領域(6)から由来する冷却水循環系(12)の熱を吸収し、この熱が低温熱交換器(11)を介して例えば周辺に放出される。
【0058】
図2には、別の高圧・冷媒収集器領域(5)を用いるコンパクト熱交換器ユニット(1)を備えた空気調和モジュールを図示している。コンパクト熱交換器ユニット(1)は、図示した実施例から機能的に分離された4つの熱交換器領域を具備する。熱交換器領域は、図1と対等な図面に応じた蒸発器領域(2)及び内部熱交換器領域(3)並びに凝縮器領域(6)である。 熱交換のための追加の機能領域としては、超過冷却領域(4)がコンパクト熱交換器ユニット(1)の固有領域として機能的に分離された状態で形成されている。これらの領域は相互断熱されており、これらの領域の間に配列されている絶縁プレート(16)によって分離されている。コンパクト熱交換器ユニット(1)内部で順に互いに連結されている個別領域の間に流体連結部が集積されていることにより、結果的に好ましい方式でコンパクト熱交換器ユニット(1)の機能領域の間では外部に置かれた連結ラインを見ることができない。このような状況が提供してくれる大きなメリットは、コンパクト熱交換器ユニット(1)内に集積した短い連結ラインによって漏洩のリスクが明らかに低下し、さらには空気調和モジュール内部に非常に組み立て親和的なコンパクト熱交換器ユニット(1)が提供されるという点である。冷媒循環系内にはまた、レシーバとしても呼ばれる高圧・冷媒コレクタ(15)が配列されている。高圧・冷媒コレクタ(15)は、図2による概略図におけるボトルの形態の別の構成要素として通常の方式で形成されている。 冷媒循環系は圧縮機(7)及び膨張弁によって完全になり、膨張弁は内部熱交換器領域(3)と蒸発器領域(2)との間に膨張弁(9)として配列されている。冷媒連結ライン及び膨張弁(9)もコンパクト熱交換器ユニット(1)内に特別な方式でコンパクトに集積している。空気調和ユニット(14)は、蒸発器領域(2)から図面に詳細に図示していない冷却水ポンプを有する冷却水循環系(8)を通じて、車両室内空気を調和するための冷却水の供給を受ける。
【0059】
図3には、コンパクト熱交換器ユニット(1)内部に追加の機能領域を具備する空気調和モジュールを図示している。この場合には、図2に応じた空気調和モジュールに対する機能的な補完及び構造的な形成のため、高圧・冷媒収集器領域(5)としての高圧・冷媒収集器の機能領域がまたコンパクト熱交換器ユニット(1)内に集積した状態で形成されている。 温度差が異なる熱交換器領域を相互に断熱させるために、機能領域間には再度絶縁プレート(16)が配列されている。
【0060】
図2と異なり、図3には低温熱交換器(11)を有する冷却水循環系(12)も図示しており、このような冷却水循環系は、凝縮器領域(6)及び冷却水循環系(12)内部にある超過冷却領域(4)を低温熱交換器(11)と連結させる。
【0061】
最後に、図4には、コンパクト熱交換器ユニット(1)の構成においても2に類似して別の高圧・冷媒収集器(15)によって動作する、コンパクト熱交換器ユニット(1)を有する空気調和モジュールを図示している。図示した実施例では、追加のバッテリー冷却循環系(10)が設けられており、この追加のバッテリー冷却循環系は冷媒を用いて車両制御要求条件に応じて電気自動車のバッテリーを直接冷却することができる。冷却水循環系(8)を有する空気調和ユニット(14)が概略図示しているのに対し、冷却水循環系は、図4に明示的に図示していない。
【0062】
冷媒循環系によるバッテリーの直接的な冷却に対して代案的に、バッテリーはまた間接的に冷却水循環系(8)によっても冷却される。
【0063】
究極的には、だたし、供給部及び排出部をそれぞれ1つずつ有する2つの水循環系のための連結部及び電気式圧縮機のための電子式連結部のみを具備する組立親和的な具現によって空気調和モジュールを形成することが特に望ましい。
【0064】
図5には、3つのプレートパケットからなるコンパクト熱交換器ユニット(1)を図示している。一プレートパケットは凝縮器領域(6)によって形成され、もう一つの一プレートパケットは超過冷却領域(4)によって形成されており、補完的にプレート熱交換器は高圧・冷媒収集器領域(5)のプレートパケットによって形成されている。個別プレートパケットはそれぞれ絶縁プレート(16)によって熱的に相互絶縁されている。二つの熱交換器領域、凝縮器領域及び超過冷却領域(4)は、水冷された又は液体冷却された凝縮器として、及び超過冷却器として作用する。冷媒は、高圧状態の冷媒入口から凝縮器領域内へ上からヘッドから挿入され、下には冷却材入口から下から凝縮器領域内へ流入する冷却水とは反対の流れで流れる。凝縮された冷媒は、凝縮器領域(6)の床からこの床から垂直にコンパクト熱交換器ユニット内部に集積した冷媒ライン内部に高圧・冷媒収集器領域(5)まで到達し、上にラインから排出され、これにより高圧・冷媒収集器領域(5)を下から満たす。高圧・冷媒収集器領域(5)からは、液体冷媒が隣り合う超過冷却領域(4)へ案内され、前記超過冷却領域では液体冷媒がプレートパケットの底から排出され、上は超過冷却領域(4)のヘッド端部側へ流れ、ここから液体冷媒が高圧状態の冷媒出口(19)を通って排出される。超過冷却領域(4)では、冷却材が下から上へそしてこれにより冷媒と反対方向に流れ、ヘッド端部から相当する冷却材ラインを介して冷却材出口(21)まで凝縮器領域(6)に由来する冷却材とともに流れる。したがって、コンパクト熱交換器ユニット(1)は、第1段階では水冷された凝縮器として形成され、この凝縮器はレシーバとしても呼ばれる高圧・冷媒収集器領域(5)と組み合わされている。レシーバを水冷された凝縮器内部に集積することは、望ましい省スペースを誘導し、また、個別の構成要素間の冷媒連結及び冷却材連結を減少させるモジュール方式が適用され得る。二つの措置によって、全容積および費用を節約できる。
【0065】
コンパクト熱交換器ユニット(1)内でプレートパケット内では様々な形のリブが使用される。これらのリブは様々なデザインで形成されているが、例えばオフセット・デザイン、ディンプル・デザイン、またはシェブロン・デザインで形成されている。これらのデザインは組み合わせられ得るが、例えば、高圧側ではオフセットピン又はシェブレンピンとして、そして低圧側ではディンプル・デザインとして実装され得る。集積した高圧・冷媒収集器領域(5)内においては、なるべく大きな冷媒貯蔵容積を可能にするため、オフセットピンチャネルが円形で、長孔形状で、蛇デザイン又はモミのデザインで形成されたリセスとして形成される。構成要素の安定性を高めるために、集積した高圧・冷媒収集器領域(5)内でリブのデザインが変わることがある。
【0066】
図6には、コンパクト熱交換器ユニット(1)としての内部熱交換器を有する液体冷却された凝縮器を図示している。コンパクト熱交換器ユニット(1)としてのプレート熱交換器は、図5に応じた実施例と異なり、図6ではプレートパケットとしての内部熱交換器領域(3)で補完される。 機能に応じて冷媒循環系の高圧領域から低圧領域への内部熱交換のために低圧状態の冷媒入口(22)が内部熱交換器領域(3)の床に配列され、低圧状態の冷媒出口(23)が内部熱交換器領域(3)のヘッド端部に配列されている。超過冷却カウンタの流れの本実施例では、冷媒の流れが反対方向の流れで実現されている。この目的のため、超過冷却領域(4)に由来する冷媒はヘッド端部から直接、内部熱交換器領域(3)のヘッド端部にガイドされ、床から高圧状態の冷媒出口(19)を介してコンパクト熱交換器ユニット(1)から放出される。このような第2段階では、水冷された凝縮器がこれから内部熱交換器の集積及びレシーバの集積によってそして場合によってはさらに乾燥器(24)の集積によってコンパクト熱交換器ユニット(1)に拡張される。蒸発器を除き、冷媒循環系のすべての熱交換器領域がコンパクト熱交換器ユニット(1)内部に集積されている。
【0067】
望ましいのは、適用分野及び自動車内での空気調和装置の構造的な実装に伴い、コンパクト熱交換器ユニット(1)内部に冷気を形成するために図面に図示していない蒸発器領域が集積していることである。
【0068】
図7は,図6による凝縮器に対する対案的な一実施例を示している。この場合、コンパクト熱交換器ユニット(1)は、凝縮器領域(6)、超過冷却領域(4)及び前記領域(6,4,3)が絶縁プレート(16)によって相互に熱的に絶縁された内部熱交換器領域(3)からなる。高圧・冷媒コレクタ(15)は、図6による実施例と異なり、外部コレクタとして実装されている。
【0069】
図8には、2つの熱交換器領域及び冷媒のための収集器領域としての一機能領域を有するコンパクト熱交換器ユニット(1)が図5に応じた実施例と類似して図示している。凝縮器領域(6)、超過冷却領域(4)そして高圧・冷媒収集器領域(5)はプレートパケットとして並べて配列され、一つのプレート熱交換器に統合されている。 凝縮器領域(6)と超過冷却領域(4)との間には伝達チャンネル(17)が形成されており、この伝達チャンネル内では冷媒がコンパクト熱交換器ユニット(1)の下部面からコンパクト熱交換器ユニット(1)の上部面に案内される。この場合、冷媒は熱交換器領域の下部に収容収集され、水平に隣接する伝達チャンネル(17)内部に移送され、この伝達チャンネル(17)内では、冷媒が垂直に上にコンパクト熱交換器ユニット(1)の上部領域に移送される。上部領域では、冷媒が水平に相応する熱交換器領域内の分配器側に移送され、高圧・冷媒収集器領域(5)内で上部領域に分配される。伝達チャネル(17)は、隣接する超過冷却領域(4)側には絶縁プレート(16)によって熱的に絶縁された形で形成されており、それと異なり凝縮器領域(6)側には絶縁プレート(16)が全く配列されていない。図示されたコンパクト熱交換器ユニット(1)内では、凝縮器領域(6)内への冷媒入口(18)がプレート熱交換器のヘッドから上部領域で行われる。冷媒は下部領域で収集され、伝達チャンネル(17)を介して垂直に上部領域に案内され、ここで冷媒は水平に高圧・冷媒収集器領域(5)内部に案内され、そこで分配される。高圧・冷媒収集器領域(5)の下部領域では、冷媒が収集され水平に超過冷却領域(4)の下部領域に案内され、ここで冷媒は分配され、上部領域から冷媒出口(19)を通ってコンパクト熱交換器ユニット(1)を離れる。冷却材、通常、水又は水・グリコール・混合物は、凝縮器領域(6)及び超過冷却領域(4)の下部領域にある冷却材入口(20)を通じてコンパクト熱交換器ユニット(1)に供給され、熱交換器領域の上部領域から収集され、冷却材出口(21)を通じて放出される。伝達チャンネル(17)の原理は、一領域の底から他の領域のヘッドへ流体を垂直に移送するために熱交換器プレート領域を用いることにあり、この場合には冷媒又は更に冷却材も伝達チャンネル内で移送され得る。この時、熱交換器プレート領域は必要な容積の流れに応じて一つの熱交換器プレートに減ることがある。使用例により、伝達チャンネル(17)から隣り合う領域への熱伝達による熱力学的な短所を避けるため、伝達チャンネル(17)用熱交換器プレートは側面から絶縁プレート(16)によって制限されなければならない。
【0070】
図9には、図面に詳細に図示されていない凝縮器領域のヘッドに高圧状態の冷媒入口(18)を有するコンパクト熱交換器ユニット(1)を概略図示している。冷却材は、コンパクト熱交換器ユニット(1)の底から冷却材入口(20)を介して流入し、コンパクト熱交換器ユニット(1)のヘッドから冷却材出口(21)を介して再度放出される。図示した実施例の特異性は、乾燥機(24)のプレートデザインにあり、この乾燥機はコンパクト熱交換器ユニット(1)に直接配列されており、乾燥機のヘッド端部にはまた高圧状態の冷媒出口(19)が配列されている。これにより、別の乾燥機(24)はコンパクト熱交換器ユニット(1)に集積した状態で形成されており、このような集積方式は、乾燥機(24)の交換可能性がそれほど複雑でない前記のような構造的な分離形成によって可能であるという長所を有する。
【0071】
コンパクト熱交換器ユニット(1)内での冷却材の好ましい流動形成は、単流形成であるが、この場合は、またコンパクト熱交換器ユニット(1)を具備する複流の形成も実現される。
【0072】
冷媒流動は2つの流れで実現されているが、1つの流動は凝縮のため、そして1つの流動は超過冷却のために実現されており、この場合にはまた、伏流のデザインも可能である。凝縮の間、冷媒の好ましい流動はヘッドから床になり、伝達チャンネル(17)内での冷媒の伝達のために2重又は3重パイプが使用されることがある。
【0073】
図10は、プレート熱交換器の一プレートを側面図で示す。プレートの下部領域には、超平面内部に進む3つのチャネル(25)を図示している。これらチャネル(25)は、一つ以上の同軸二重パイプによって形成されている。図示した実施例は三重パイプを示し、三重パイプによっては最小直径を有するパイプ内部において、そして2本の追加パイプの間で図面に図示したような計3本のチャンネル(25)が形成される。代案として、チャネル(25)はまた、並べて又はワンセグメントとしても実装され得る。実施例により、チャネル(25)は、プレート熱交換器外部からパイプ又はチャネルを使用しなくても、流体がプレートパケット又は領域を介して貫流することを可能とする。これにより、チャネル(25)がプレート熱交換器の内部に集積することにより、熱交換器の内部で予備製造された流体連結部による誤り組立を防止し、非常に堅固に実現できる特にコンパクトな構成要素が生成される。
【0074】
図11には、リブ(26)を有するプレート熱交換器の一プレートを図示しており、この場合、図面の下部領域では2つのチャネル(25)が見られる。リブ(26)の構造は高圧にも適したシェブロン・デザインに相応する。
【0075】
図12には、リブ(26)を有するプレート熱交換器の一プレートを図示しており、この場合、側面ではそれぞれ2つのチャネル(25)が設けられるる。リブ(26)の構造は、特に高圧に適したオフセット・デザインに相応する。特に、オフセット・デザインで形成されたリブ(26)がプレート熱交換器の2つの側面プレートの間に挿入され、これらと連結され、好ましくはハンダ又は溶接される挿入プレート(27)として実装されていることにある。熱交換流体は、側面プレート間で挿入プレート(27)を通過して流れる。
【0076】
図13には、ディンプル・デザインとして称されるリブ(26)を有するプレート熱交換器の一プレートを図示している。このデザインは、それぞれ隣り合うプレートとつながっているプレートの突起部形態の隆起部からなる。これにより、流動組立体としても作用する複数の連結点がプレートの表面にわたって現れることになる。ディンプル・デザインは、例えば、冷媒循環系の低圧側からより少ない圧力のために使用されることができる。
【0077】
図14乃至17には、各図面に応じた変形例によって、図11に応じたオフセット・デザイン挿入プレート(27)の好ましい実施例を例示的に図示している。挿入プレート(27)は、側面プレート間の容積を拡大させるリセス(28)を具備する。リセス(28)は、コンパクト熱交換器ユニットの集積した高圧・冷媒収集器領域(5)内の挿入プ レート(27)内に構造物又はパターンとして形成される。集積した高圧・冷媒収集器領域内部で冷媒貯蔵のためのマッチングする十分大きな容積を可能にするため、リセスは円形、長孔形状、蛇デザイン又はモミデザインで形成される。
【0078】
図14は、もみのデザインで形成されたオフセット・デザインの挿入プレート(27)内のリセス(28)を示す。リセス(28)は、チャネル(25)用固定部間で挿入プレート(27)の表面にわたって均一に分布配列されている。リセス(28)の間隙幅は図示の通りおよそ3mmである。
【0079】
図15は、オフセット・デザインの挿入プレート(27)内のリセスを同様におよそ3mmの幅を持つ斜めに進行するチャネルとして示している。
【0080】
図16は、長孔デザインで形成されたオフセット・デザインの挿入プレート(27)内のリセス(28)を示す。この場合にもリセス(28)は、チャネル(25)用固定部間で挿入プレート(27)の表面にわたって均一に分布配列されている。本実施例は,長孔が縦方向に変位配列された並び替えを示し,この場合は,入れ替え並び替え又は横方向に並び替えが望ましい代案となる。
【0081】
図17は、オフセット・デザインの挿入プレート(27)内の円形のリセス(28)を直列に変位配列された状態で示す。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、特に電気自動車用のコンパクト熱交換器ユニット及び空気調和モジュールとして好適である。
【0083】
空気調和モジュールとは,空気調和ユニットの部分として車両室内の空気を調和させる,熱気及び又は冷気を発生する装置である。空気調和モジュールは,冷媒循環系のあらゆる重要な構成要素を備え,電気圧縮機を望ましい電気自動車に使用できる冷媒循環系のあらゆる構成要素をすべて有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17