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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057069
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】創傷の酸素供給システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 27/00 20060101AFI20240416BHJP
【FI】
A61M27/00
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024029455
(22)【出願日】2024-02-29
(62)【分割の表示】P 2019572494の分割
【原出願日】2018-06-21
(31)【優先権主張番号】15/639,845
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511106536
【氏名又は名称】エレクトロケミカル オキシジェン コンセプツ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】弁理士法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニーダーラウアー,マーク・キュー
(72)【発明者】
【氏名】デイリー,ジェームズ・ピー
(72)【発明者】
【氏名】モフェット,ジョセフ・ジェイ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】酸素を創傷に供給して損傷した組織の治癒を加速し、かつ/または組織の生存能を促進するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】創傷の酸素供給システム200は酸素出口を定める外枠部202を含む。酸素生成サブシステムは外枠部に含まれ、そして酸素出口に結合される。制御サブシステムは酸素生成サブシステムに結合され、そして酸素生成サブシステムが経験する湿度を示す湿度情報を受信するように構成されている。次いで制御システムは、酸素生成サブシステムにより作成され、そして酸素出口を通って創傷に接する制限気流エンクロージャーに提供される酸素流を制御するために、湿度情報を使用して酸素生成サブシステムに提供される電力を制御する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素出口を定める外枠部;
外枠部に含まれ、そして酸素出口に結合された酸素生成サブシステム;および
酸素生成サブシステムに結合され、そして
酸素生成サブシステムが経験する湿度を示す湿度情報を受信し;そして
酸素生成サブシステムにより作成され、そして酸素出口を通って制限気流エンクロージ
ャーに提供される酸素流を制御するために、湿度情報を使用して酸素生成サブシステム
に提供される電力を制御するように構成された制御サブシステム
を含んでなる創傷の酸素供給システム。
【請求項2】
さらに:
外枠部に位置し、酸素生成サブシステムおよび制御サブシステムに結合され、そして電力を酸素生成サブシステムに提供するように構成された電力サブシステムを含んでなる請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
さらに:
外枠部に位置し、そして圧力情報を制御サブシステムに提供するように構成された圧力センサーを含んでなる請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
制御サブシステムが:
複数の異なる各電力量について、異なる湿度レベルの範囲にわたり酸素生成サブシステムの変動する酸素出力に関係する酸素生成制御データを含む酸素生成制御データベースを含み、そして制御サブシステムが:
酸素生成制御データベースから湿度情報を使用して、酸素生成サブシステムに所望の酸素出力を生成させる第1電力を含む第1酸素生成制御データを検索し;そして
電力サブシステムが第1電力を酸素生成サブシステムに提供するようにさせる、
ように構成された請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
さらに:
外枠部上に含まれ、そして制御サブシステムに結合されたディスプレイサブシステム;および
外枠部上に含まれ、そして制御サブシステムに結合された入力サブシステムを含んでなり、制御サブシステムが:
ディスプレイサブシステム上のディスプレイに表示情報を提供し;そして
入力サブシステムから入力情報を受信する、
ように構成されている請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
入力サブシステムが、ディスプレイサブシステムに組み込まれたタッチスクリーン入力サブシステムを含む請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
さらに:
制御サブシステムに結合されたデータ通信サブシステムを含んでなり、制御サブシステムが:
データ通信サブシステムを使用して、システムの少なくとも1つの後の操作に使用するためのデータをダウンロードすること;および
データ通信サブシステムを使用して、システムの少なくとも1つの事前操作中に作成したデータをアップロードすること、
の少なくとの1つを行うように構成されている請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
創傷への酸素供給法であって:
制限気流エンクロージャーに結合された酸素生成サブシステムが経験する湿度を示す湿度情報を、制御サブシステムにより湿度センサーから受信し;
酸素生成サブシステムへ提供される電力を、湿度情報を使用して制御サブシステムにより制御し;そして
酸素が制限気流エンクロージャーに提供されるように、制御サブシステムにより制御される電力を使用して、酸素生成サブシステムにより酸素を生成する、
ことを含んでなる前記方法。
【請求項9】
さらに:
制御サブシステムにより制御される電力を、電力サブシステムにより酸素生成サブシステムに提供することを含んでなる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
さらに:
酸素生成サブシステムに所望の酸素出力を生成させる第1電力を含む第1酸素生成制御データを、酸素生成制御データベースから湿度情報を使用して制御サブシステムにより検索し;そして
電力サブシステムが第1電力を酸素生成サブシステムに提供するようにさせる、
ことを含んでなる請求項8に記載の方法。
【請求項11】
さらに:
ディスプレイサブシステム上のディスプレイに表示情報を制御サブシステムにより提供し;そして
入力サブシステムからの入力情報を制御サブシステムにより受信する、
ことを含んでなる請求項8に記載の方法。
【請求項12】
入力サブシステムが、ディスプレイサブシステムに組み込まれたタッチスクリーン入力サブシステムを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
さらに:
データ通信サブシステムを使用して、その後に処置する少なくとも1つの創傷に使用するためのデータを制御サブシステムによりダウンロードし;そして
データ通信サブシステムを使用して、少なくとも1つの事前の創傷処置中に作成したデータを制御サブシステムによりアップロードする、
ことを含んでなる、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
創傷の酸素供給システムであって:
処理システム:および
処理システムに結合され、そして処理システムにより実行された場合に、処理システムが:
酸素生成サブシステムが経験する湿度を示す湿度情報を受信すること;および
酸素生成サブシステムにより作成され、そして制限気流エンクロージャーに提供され
る酸素流を制御するために、酸素生成サブシステムに提供される電力を、湿度情報を
使用して制御すること、
を含む操作を行うようにさせる指令を含む記憶システム
を含んでなる前記システム。
【請求項15】
操作がさらに:
酸素生成サブシステムに所望の酸素出力を生成させる第1電力を含む第1酸素生成制御データを、湿度情報を使用して酸素生成制御データベースから検索し;そして
電力サブシステムが第1電力を酸素生成サブシステムに提供するようにさせる、
ことを含んでなる請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
操作がさらに:
ディスプレイサブシステム上のディスプレイに表示情報を提供することを含んでなる請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
操作がさらに:
入力サブシステムから入力情報を受信することを含んでなる請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
入力サブシステムが、ディスプレイサブシステムに組み込まれたタッチスクリーン入力サブシステムを含む請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
操作がさらに:
データ通信サブシステムを使用して、システムの少なくとも1つの後の操作に使用するためのデータをダウンロードすることを含んでなる請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
操作がさらに:
データ通信サブシステムを使用して、システムの少なくとも1つの事前の操作中に作成したデータを制御サブシステムによりアップロードすることを含んでなる請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本開示は、2017年6月30日に出願された“Wound Oxygen Supply System“という表題の米国特許出願第15/639,845号明細書の優先権を主張し、これは引用により全部、本明細書に編入する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、一般に創傷治癒、より詳細には酸素を創傷に供給して損傷した組織の治癒を加速し、かつ/または組織の生存能を促進するためのシステムおよび方法に関する。
【0003】
組織が損傷し、そして創傷が生じると、4段階の治癒過程が始まり、そして創傷を再増殖するための組織中の細胞の最適な代謝機能には、創傷治癒のこれら全段階で酸素が利用可能であることが要求される。さらに損傷された組織層が多い程、創傷治癒過程で合併症が起こる危険が増し、そして治癒困難な創傷は、創傷治癒過程に対する障害に遭遇し、残る3つの創傷治癒段階の1段階以上に遅れを経験する可能性がある。例えば静脈脚潰瘍、糖尿病足潰瘍および圧迫潰瘍のような創傷治癒での遅れに寄与する最も共通する要因の一つは、慢性的創傷虚血の問題である。慢性的創傷虚血は、血液供給、酸素送達および組織の十分な酸素付加のための血液要求を抑制し、正常な創傷治癒を妨げる病理学的状態である。
【0004】
治癒困難な創傷を処置する1つの従来の標準的医療には、先進的な創傷包帯(wound dressings)、または包帯処置システムを提供する先進的な創傷包帯の組み合わせの使用を含む。先進的包帯は創傷部位上か、または場合によっては周囲の傷のない皮膚上に配置されて、創傷部位の囲いを提供する。先進的な創傷包帯は、一般に湿潤創傷治癒を促進し、創傷浸出液を管理し、そして創傷バイオバーデンの制御を助ける特性を有する材料を含む。組み合わされて提供されるそのような材料は、限られた水蒸気透過性を生じるように作用し、そして包帯がより密閉性である程、創傷部位で利用できる周囲空気量は少なくなる(すなわち各酸素量は少なくなる)。
【0005】
100%の酸素は760ミリメートル(mm)の水銀(Hg)の分圧を与え、そして周囲空気は約21%の酸素を含むので、周囲空気は約159mmHgの酸素分圧を与える。限定された水蒸気透過性を与える材料を使用した典型的な先進的創傷包帯または創傷包帯システムは、創傷部位で利用可能な酸素に影響するように作用し、それにより囲まれた創傷部位の酸素分圧を約10~60mmHgに限定する。このように新鮮な空気(およびそれに付随するより高量の酸素)は包帯が換えられる時だけ創傷部位に提供され、そして包帯は包帯の交換が求められる前に最高7日間、創傷部位をカバーしたままである可能性がある。このように先進的創傷包帯の限定された水蒸気透過特性は、創傷治癒の全段階で細胞が創傷を再増殖する最適な代謝機能に反するよう作用する低酸素創傷環境を生じる。
【0006】
治癒困難な創傷用に組織酸素付加を提供するための従来のシステムおよび方法の具体例には、局所的高圧酸素を創傷部位へ断続的または連続的に与えることを含む。断続的局所高圧酸素処置システムは、密閉した四肢(sealed extremity)または部分身体室(partial body chamber)を、接続された比較的高い流速の純粋酸素源と一緒に提供し、そして密閉した四肢または部分身体室に創傷した四肢または身体領域を配置することが関与する。次いで酸素源は毎時300リットルを越え得る流速で100%までの酸素を室内に供給し、室内部を1.05%の標準大気圧まで加圧し、これにより患部創傷部位での細胞処理用に利用可能な酸素を局所的に上げる。例えば酸素
を与えている間、密閉された四肢または部分身体室内部にかけられる酸素分圧は798mmHgに達する可能性があり、そして約90分間加えられることができる。これらのおよび類似の断続的局所高圧酸素の付加法は、限定的で煩雑となり、酸素を患部領域に断続的に供給できるだけで、全身に付加することは無く、そして大気圧では最少の上昇を提供するだけである(約5%)。従って、このような方法を使用した創傷への酸素治療の効果は最小となる傾向にあり、この事実は局所的高圧酸素四肢室での商業的成功が無いことにより裏付けられる。
【0007】
組織酸素付加を提供するための他の従来のシステムおよび方法には、酸素補給を創傷部位に直接与えるためにイオン特異的膜を通してイオン状態のガスの送達を提供する使い捨て装置を含む。これらの装置は一般に創傷部位上に直接提供されるバッテリー給電式の使い捨て酸素補給包帯であり、そしてNASA用に元々開発された4つの電子式(4electron formula)の変型を使う電気化学的酸素発生を利用する。そのようなシステムでは、創傷に与えられ得る酸素量は典型的には毎時3~15ミリリットルの範囲であり、そして所望の酸素流速は、対応する予め選択されたバッテリーサイズと予め指定された電流容量を使用することにより発生する。このようにこれらの装置は“オンか、オフか”何れかであり、そして所望の流速を生じる電流容量を有する新たな装置および/または異なるバッテリーを備えること無しには変動し、または調整可能な酸素流または酸素流速を送達する能力を持たない。固定式の非変動性酸素流および酸素流速を利用することは、異なるサイズおよび種類に創傷の処置に対応する限界を生じ、処置するには創傷処置システムのサイズが大きすぎるか、または小さすぎるという傾向を生じる。
【0008】
本開示の発明者は、上に検討した従来の創傷処置システムの問題に取り組むシステムおよび方法を同時に考案した。例えば特許文献1および2は、創傷部位(1もしくは複数)へ低用量の酸素付加および連続的な酸素調整能を提供して、損傷した組織に制御された高酸素および低酸素創傷環境を作り、創傷治癒を加速し、そして組織生存能を改善する創傷処置システムを記載する。そのようなシステムおよび方法は、酸素生成サブシステムにより作成され、そして制限気流エンクロージャーに提供される酸素流を制御するために、創傷部位に隣接して配置される制限気流エンクロージャー(restricted air
flow enclosure)(例えば創傷包帯により提供される)中の圧を示す圧力情報をモニタリングすることにより、そして酸素生成サブシステムに提供される電力を制御する圧力情報を使用することにより作動する。幾つかの態様では、そのような創傷処置システムは、酸素生成サブシステムの酸素出力を測定するフローセンサーを含み、フローセンサーの下流の圧センサーが、上記のように酸素生成サブシステムにより作成される酸素流を制御するために利用することができる圧を測定する。
【0009】
しかし本開示の発明者は、そのような創傷処置システムが、多くの問題に直面していることを見出した。例えばそのような創傷処置システムで使用されるフローセンサーは比較的大きく(現在、約36mmx20mm)、比較的高価で(現在、約60米ドル)、比較的大量のエネルギーを消費し(最高40ミリアンペア(ma))、そして「配管系統(plumbing)」(すなわち測定する酸素流(1もしくは複数)にフローセンサーをつなげる配管)を必要とし、これは創傷処置システムの外枠部のスペースを取り、フローセンサーが無い場合に必要な外枠部よりも大きい外枠部が必要になる。さらにそのような創傷処置システムで使用する酸素生成サブシステムは、湿度が下がると大きく低下した酸素生成を提供する可能性があり、これは創傷部位への不足した酸素供給をもたらす恐れがあり、そして創傷処置システムに、酸素生成サブシステムへ提供される電力を、酸素生成サブシステムを損傷するレベルまで上昇させる可能性があることが分かった。
【0010】
従って改善された創傷処置システムを提供することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第8,287,506号明細書
【特許文献2】米国特許出願第2016/0082238号明細書
【発明の概要】
【0012】
1つの態様によれば、創傷の酸素供給システムは処理システム;および処理システムに結合され、そして処理システムにより実行された場合に、処理システムに:酸素生成サブシステムが経験する湿度を示す湿度情報を受信し:そして酸素生成サブシステムにより作
成され、そして制限気流エンクロージャーに提供される酸素流を制御するために、酸素生成サブシステムに提供される電力を、湿度情報を使用して制御することを含む操作を行わせる(cause)指令を含む記憶システムを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】創傷の酸素供給システムの態様を具体的に説明する概略図である。
図1B図1Aの創傷の酸素供給システムの態様を具体的に説明する透視図である。
図2A】創傷の酸素供給システムの態様を具体的に説明する概略図である。
図2B図2Aの創傷の酸素供給システムの態様を具体的に説明する上部透視図である。
図2C図2Aの創傷の酸素供給システムの態様を具体的に説明する下部透視図である。
図3A図1A-1Bおよび2A-2Cの創傷の酸素供給システムに使用される酸素生成サブシステムの態様を具体的に説明する分解透視図である。
図3B図3Aの酸素生成サブシステムの態様を具体的に説明する前面図である。
図3C図3Bの酸素生成サブシステムの態様を具体的に説明する断面図である。
図4A図2A-2Cの創傷の酸素供給システムを制御するために使用できる制御装置の態様を具体的に説明する概略図である。
図4B図4Aの制御装置の態様を具体的に説明する透視図である。
図5】創傷への酸素供給法の態様を具体的に説明する流れ図である。
図6】創傷がある患者の態様を具体的に説明する概略図である。
図7A図5の患者の創傷上に配置された包帯サブシステムの態様を具体的に説明する断面図である。
図7B図7Aの包帯サブシステムに含まれ得る配管および酸素透過性膜の態様を具体的に説明する透視図である。
図7C図7Bの配管の態様を具体的に説明する断面図である。
図7D図7Cの配管の態様を具体的に説明する透視図である。
図8図6の患者の創傷上に配置された包帯サブシステムの一部として含まれる図2A-2Cの創傷の酸素供給システムの態様を具体的に説明する断面図である。
図9図6の患者の創傷上に配置された包帯サブシステムに結合した図1A-1Bの創傷の酸素供給システムの態様を具体的に説明する前面/透視図である。
図10図9A創傷の酸素供給システムおよび包帯サブシステムを制御する図4A-4Bの制御装置の態様を具体的に説明する前面/透視図である。
図11】追加の創傷がある図6の患者の態様を具体的に説明し、図9Aの追加の創傷の酸素供給システムおよび包帯サブシステム、および図4A-4Bの制御装置を使用する概略図である。
図12】追加の創傷がある図6の患者の態様を具体的に説明し、図1の創傷の酸素供給システムおよび図7A-7Dの多数の包帯サブシステムを使用する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
創傷の酸素供給システムおよび方法の幾つかの態様を、これから図面を参照して説明するが、本開示を所有する当業者は、それらの態様に対する広範な修飾も本開示の範囲内にあると認識するだろう。このように以下に検討する創傷の酸素供給システムの異なる構成要素および配置の異なる組み合わせ、異なる創傷の酸素供給システム中の異なる構成要素の置換、および/または本開示を所有している当業者に明白な他の修飾は、本開示の範囲内にあると想定される。
【0015】
今、図1Aおよび1Bを参照にして、創傷の酸素供給システム100の態様を具体的に説明する。図1Aおよび1Bで具体的に説明する創傷の酸素供給システム100は、酸素生成サブシステム、センサーサブシステム、電力サブシステムおよび制御サブシステムを1つの外枠部内に含む創傷処置装置の1例を提供し、外枠部は、包帯サブシステムにさらに結合した酸素送達配管に結合することができる。具体的に説明する態様では、創傷の酸素供給システム100は、創傷の酸素供給システム100の構成要素を収容する外枠部102を含み、その中の幾つかのみを図1Aで具体的に説明する。例えば外枠部102は、処理サブシステム(具体的に説明しないが、これは当該技術分野で知られている1もしくは複数のハードウェアプロセッサを含むことができる)、および記憶サブシステム(具体的に説明しないが、これは当該技術分野で知られている1もしくは複数の記憶装置を含むことができる)を収容することができ、この記憶サブシステムは、処理サブシステムにより実行された場合に、処理サブシステムに以下に検討する酸素生成制御エンジンおよび創傷の酸素供給システムの機能を行うように構成された酸素生成制御エンジン104を提供させる指令を含む。また外枠部102は、保存サブシステム(具体的に説明しないが、当該技術分野で知られている1もしくは複数の保存装置を含むことができる)を収容することができ、この保存サブシステムは、酸素生成制御エンジン104に(例えば保存サブシステムと処理サブシステムとの間の結合を介して)結合され、そして以下に検討する機能性を提供するために利用される任意の情報を含むことができる酸素生成制御データベース106を保存する。
【0016】
また外枠部102はディスプレイサブシステム108を収容し、かつ/または含むことができ、ディスプレイサブシステム108は酸素生成制御エンジン104に(例えばディスプレイサブシステム108と処理サブシステムとの間の結合を介して)結合され、そして以下に検討する任意の情報を表示するように構成される。また外枠部102は入力サブシステム110を収容することができ、入力サブシステム110は酸素生成制御エンジン104に(例えば入力サブシステム110と処理サブシステムとの間の結合を介して)結合され、そして以下に検討するように任意の入力情報を(例えば図1Bで具体的に説明する入力ボタン110aと110bを介して)受信し、そして酸素生成制御エンジン104に提供するように構成される。ディスプレイサブシステム108および入力サブシステム110は、別のサブシステムとして具体的に説明され、そして記載されているが、本開示を所有する当業者は、本開示の範囲内にありながらそれらを組み合わせることができると認識するだろう(例えばタッチ―インプットディスプレイサブシステムで)。また外枠部102は電力サブシステム112を収容することができ、電力サブシステム112は酸素生成制御エンジン104に(例えば、電力サブシステム112と処理サブシステムとの間の結合を介して)結合され、そしてバッテリー、アダプター、コンバータおよび/または本開示を所有する当業者には明白な様々な他の電力構成要素の1もしくは複数を含むことができる。例えば以下に検討する幾つかの具体的態様では、電力サブシステム112は充電式バッテリーを含み、そして電力コネクター114に結合され、これは電源に接続されて電力を電力サブシステム112に供給して充電式バッテリーを充電するように構成されている。しかし本開示を所有する当業者は、本開示の範囲内にありながらも直接的な電源システム(例えば、外枠部102の外部電源に接続されたシステムで、したがって内部バッテリーまたは電力を供給するための他の蓄電源を必要としないが、幾つかの態様では内
部バッテリーと一緒に使用することもできるシステム)を提供できると認識するだろう。
【0017】
また外枠部102は酸素生成サブシステム116を収容し、酸素生成サブシステム116は電力サブシステム112に結合され、そして以下に詳細に記載するように電力サブシステム112により供給される電力に応答して酸素を生成するように構成される。酸素生成サブシステム116は、以下に検討するように外枠部102に隣接する周辺空気を酸素生成サブシステム116に向けるように構成された酸素入口118、および酸素生成サブシステム116により生成された酸素流を外枠部102の外に向けるように構成された酸素出口120に結合される。例えば外枠部102および/または酸素出口120は、以下に検討するように配管または包帯システムの外枠部102への取り付けを提供する様々なフィッティング、コネクターおよび/または他のカップリングを含むことができる。具体的な例では、酸素出口120はルアー型ロッキングフィッティングを含むことができ、これは配管を係合して気密な密閉を維持するように構成されているが、他のカップリングも本開示の範囲内に入る。酸素出口120を図1Bに単一酸素出口として具体的に説明するが、以下に検討するように酸素出口120に類似するが患者の異なる創傷へ酸素を提供するために利用され得る多数の酸素出口を、外枠部102は規定することができ、そして酸素生成サブシステム116はその多数の酸素出口に結合することができる。このように各酸素出口は、患者の多数の異なる創傷の処置を可能にするために、酸素生成サブシステム116に、または本明細書に記載する酸素生成サブシステム116に実質的に類似する酸素生成サブシステムに結合することができる。具体的に説明する態様では、以下に検討するように外枠部102は湿度センサーサブシステム122a、圧力センサーサブシステム122a、および1もしくは複数の他のセンサーサブシステム122cを含む複数のセンサーサブシステムを収容する。さらに多数の酸素出口が外枠部102中の1もしくは複数の酸素生成サブシステムから酸素を供給する態様では、1もしくは複数のセンサーサブシステムが、以下に記載するセンサーサブシステムと同様に提供され得る。
【0018】
1つの態様では、湿度センサーサブシステム122aは外枠部102に配置され、酸素生成制御エンジン104に(例えば湿度センサーサブシステム122aと処理サブシステムとの間の結合を介して)結合され、そして外枠部102内の湿度をモニターし、そして外枠部102内の湿度のレベルを示す湿度情報を酸素生成制御エンジン104に提供するように構成されている。例えば湿度センサーサブシステム122aは、米国、テキサス州、オースチンのシリコン ラボズ(Silicon Labs)から入手可能なSi7007-A20相対湿度(RH)センサー、ならびに湿度センサーを処理サブシステムに結合するためのフィッティング、コネクターおよび/または他のカップリングを含むことができる。以下でさらに詳細に記載するように、そのような湿度センサーは比較的小さく(現在、約3mmx3mm)、比較的廉価で(現在、約1.50米ドル)、そして比較的簡単な結合システムを使用して以下に記載する機能性を提供する。しかし具体的な湿度センサーサブシステムを記載したが、本開示を所有する当業者は、湿度センサーが異なる場所(例えば、外枠部102の外側の湿度を測定するために外枠部102の表面上に、制限気流エンクロージャー内の湿度を測定するために酸素出口120に結合されて、制限気流エンクロージャー内またはそれに隣接して、等)に配置され、かつ/または本明細書の範囲内でありながらも本開示の教示の別法で使用され得ることを認識するだろう。さらに図1Aで具体的に説明する態様は、複数の他のセンサーサブシステムを含むが、以下に検討するように、状況によっては図1Aで具体的に説明する他のセンサーサブシステムを省略することができ、そして創傷の酸素供給システム100内で使用されるセンサーサブシステムは湿度センサーサブシステムのみであることができる。
【0019】
1つの態様では、圧力センサーサブシステム122bは外枠部102内に配置され、酸素生成サブシステム116と酸素出口120との間の酸素流結合に結合され、酸素生成制御エンジン104に(例えば圧力センサーサブシステム122bと処理サブシステムとの
間の結合を介して)結合され、そして酸素生成サブシステム116と酸素出口120との間の酸素流結合中の圧力をモニターし、そして以下に詳細に検討するように、酸素出口120に結合した制限気流エンクロージャー中の圧を示す圧力情報を酸素生成制御エンジン104に提供するように構成されている。例えば、圧力センサーサブシステム122bは、米国、ニュージャージー州、モリスプレーンズのハネウェルインターナショナル社(Honeywell International Inc.)から入手可能な圧力センサー、ならびに圧力センサーを処理サブシステムおよび酸素流結合に結合するためのフィッティング、コネクターおよび/または他のカップリングを含むことができる。
【0020】
幾つかの態様では、圧力センサーサブシステム122bはガス濃度にかかわらず大気圧に対する圧を測定することができる。しかし幾つかの態様では、圧力センサーサブシステム122bは酸素分圧センサーサブシステムを含むことができ、酸素分圧センサーサブシステムは酸素生成サブシステム116と酸素出口120との間の酸素流結合中の酸素分圧を測定し、そして以下にさらに詳細に検討するように、酸素出口120に結合した制限気流エンクロージャー内の酸素分圧を示す酸素分圧情報を、酸素生成制御エンジン104aに提供するように構成されている。しかし具体的な圧力センサーサブシステムを記載したが、本開示を所有する当業者は、圧力センサーが異なる場所(例えば、制限気流エンクロージャーに結合した配管内、制限気流エンクロージャー自体の中(例えば以下に検討する包帯サブシステムの一部として、等)、創傷の中または下(すなわち創傷床の下))に、および/または本明細書の範囲内でありながらも本開示の教示の別法で使用され得るように提供されると認識するだろう。さらに以下に検討するように、状況によっては図1Aで具体的に説明する圧力センサーサブシステムは省略することができ、そして創傷の酸素供給システム100内で使用されるセンサーサブシステムは湿度センサーサブシステムのみであることができる。
【0021】
1つの態様では、他のセンサーサブシステム122cは外枠部102内に配置されることができ、幾つかの場合では、酸素生成サブシステム116と酸素出口120との間の酸素流結合に結合され、そして酸素生成制御エンジン104に(例えば他のセンサーサブシステム122cと処理サブシステムとの間の結合を介して)結合され、そして様々なセンサーモニタリンク機能を行うように構成される。例えばフローセンサーサブシステムは、酸素生成サブシステム116により生成され、そし酸素生成サブシステム116と酸素出口120との間の酸素流結合を通って提供される酸素流をモニターし、そして以下にさらに詳細に検討するように、フロー情報を、酸素生成サブシステム116により生成され、そして酸素出口120に結合した制限気流エンクロージャーに提供される酸素流を示す酸素生成制御エンジン104に提供するように構成されている。しかし具体的なフローセンサーサブシステムを記載したが、本開示を所有する当業者は、フローセンサーが異なる場所(例えば、制限気流エンクロージャーに結合した配管内)で、および/または本明細書の範囲内でありながらも本開示の教示の別法で提供され得ることを認識するだろう。さらに以下に検討するように、状況によっては図1Aで具体的に説明するフローセンサーサブシステムは省略することができ、そして創傷の酸素供給システム100内で使用されるセンサーサブシステムは湿度センサーサブシステムのみであることができる。。
【0022】
別の例では、温度センサーサブシステムは、酸素生成サブシステム116と酸素出口120との間の結合中の温度をモニターし、そして以下にさらに詳細に検討するように、酸素出口120に結合した制限気流エンクロージャー内の温度を示す温度情報を酸素生成制御エンジン104に提供するように構成されている。しかし具体的な温度センサーサブシステムを記載したが、本開示を所有する当業者は、温度センサーが異なる場所(例えば、制限気流エンクロージャーに結合した配管内、制限気流エンクロージャー自体の中(例えば以下に検討する包帯サブシステムの一部として、等)に、本明細書の範囲内でありながらも提供され得ることを認識するだろう。さらに以下に検討するように、状況によっては
図1Aで具体的に説明する温度センサーサブシステムは省略することができ、そして創傷の酸素供給システム100内で使用されるセンサーサブシステムは湿度センサーサブシステムのみであることができる。
【0023】
別の例では、pHセンサーサブシステムは、酸素生成サブシステム116と酸素出口120との間の結合中のpHをモニターし、そして以下にさらに詳細に検討するように、酸素出口120に結合した制限気流エンクロージャー内のpHを示すpH情報を酸素生成制御エンジン104に提供するように構成されている。しかし具体的なpHセンサーサブシステムを記載したが、本開示を所有する当業者は、pHセンサーが異なる場所(例えば、制限気流エンクロージャーに結合した配管内、制限気流エンクロージャー自体の中(例えば以下に検討する包帯サブシステムの一部として、等))に、本明細書の範囲内でありながらも提供され得ることを認識するだろう。さらに以下に検討するように、状況によっては図1Aで具体的に説明するpHセンサーサブシステムは省略することができ、そして創傷の酸素供給システム100内で使用されるセンサーサブシステムは湿度センサーサブシステムのみであることができる。
【0024】
別の例では、灌流センサーサブシステムは、酸素生成サブシステム116と酸素出口120との間の結合中の灌流をモニターし、そして以下にさらに詳細に検討するように、酸素出口120に結合した制限気流エンクロージャー内の灌流を示す灌流情報を酸素生成制御エンジン104に提供するように構成されている。灌流情報には、例えばモル濃度、ヘモグロビンの飽和および/または本開示を所有する当業者には明白な他の様々な特性の測定値のような、相対的または絶対的意味での酸素含量の測定値を記載する情報を含むことができる。しかし具体的な灌流センサーサブシステムを記載したが、本開示を所有する当業者は、灌流センサーが異なる場所(例えば、制限気流エンクロージャーに結合した配管内、制限気流エンクロージャー自体の中(例えば以下に検討する包帯サブシステムの一部として、等))に、本明細書の範囲内でありながらも提供され得ることを認識するだろう。さらに以下に検討するように、状況によっては図1Aで具体的に説明する灌流センサーサブシステムを省略することができ、そして創傷の酸素供給システム100内で使用されるセンサーサブシステムは、湿度センサーサブシステムのみであることができる。複数の具体的なセンサーサブシステムを記載したが、本開示を所有する当業者は、様々な他のセンサーを創傷の酸素供給システム100に使用して、本開示の範囲内にありながらも以下に記載する機能性を提供することができると認識するだろう。
【0025】
さらに、具体的な創傷の酸素供給システム100を記載したが、本開示を所有する当業者は、本開示の範囲内にありながらも様々な他の機能を創傷の酸素供給システム100に含めることができると認識するだろう。例えば図1Bで具体的に説明するように、創傷の酸素供給システム100は、創傷の酸素供給システム100中の処理サブシステムに結合され、そして可聴情報を受信し、そして発信するように構成されたスピーカーおよび/またはマイクロホンシステム124、外部サブシステムを創傷の酸素供給システム100に接続するように構成された入力コネクター126(例えば、入力コネクターは図1Aを参照にして上で検討した電力コネクター、ユニバーサルシリアルパス(USB)コネクターのようなコンピューター装置のコネクター、ヘッドホンコネクターおよび/または当該技術分野で知られている他の入力コネクターであることができる)、以下に記載するようなデータ通信を提供する有線および/または無線通信サブシステム(例えばBLUETOOTH(商標)サブシステム、近距離無線通信(NFC)サブシステム、WiFi通信サブシステム(限定区域内ネットワーク(LAN)、インターネット等を通して通信を提供する)、有線コネクターサブシステム等)、および/または本開示を所有する当業者には明白な様々な他の機能を含むことができる。このように創傷の酸素供給システム100への他の機能および/またはサブシステムの追加もまた、本開示の範囲内にあるように構想される。
【0026】
今、図2A、2Bおよび2Cを参照にして、創傷の酸素供給システム200の別の態様を具体的に説明する。図2A-2Cで具体的に説明する創傷の酸素供給システム200は、酸素生成サブシステム、センサーサブシステム、および電力サブシステムを単一の外枠部に含む創傷処置システムの一例を提供し、この外枠部は包帯サブシステム、ならびに別の制御装置に通信できるように結合できる通信サブシステムに結合または統合されることができる。具体的に説明する態様では、創傷の酸素供給システム200は、創傷の酸素供給システムの構成要素を収容する外枠部202を含み、その幾つかの構成要素のみを図2Aで具体的に説明する。例えば外枠部202は、以下に記載するような制御装置通信機能を提供する有線および/または無線通信構成要素(例えば処理サブシステム、記憶サブシステム、BLUETOOTH(商標)サブシステム、近距離無線通信(NFC)サブシステム、WiFi通信サブシステム(限定区域内ネットワーク(LAN)、インターネット等を通して通信を提供する)、有線コネクターサブシステム等)を含むことができる制御装置通信サブシステム204を収容することができる。
【0027】
外枠部202はまた、制御装置通信サブシステム204に結合され、そしてバッテリー、アダプター、コンバータおよび/または本開示を所有する当業者には明白な他の種々の電力構成要素を含むことができる電力サブシステム206を収容することができる。例えば以下に検討する幾つかの具体例では、電力サブシステム206は充電式バッテリーを含み、そして電力コネクターを含むことができ(具体的に説明しないが、図1Aおよび1Bに関して上で検討した電力コネクター114に類似する)、そして充電式バッテリーを充電するために電力を電力サブシステム206に提供する電源に接続するように構成されている。しかし本開示を所有する当業者は、本開示の範囲内にありながらも直接的な電源システム(例えば、外枠部202の外部電源に接続するためのシステムで、したがって内部バッテリーまたは電力を供給するための他の蓄電源を必要としないが、内部バッテリーと一緒に使用することもできるシステム)、または外部バッテリーサブシステム(以下に検討する)を提供できると認識するだろう。
【0028】
外枠部202はまた、酸素生成サブシステム208を収容し、酸素生成サブシステム208は電力サブシステム206に結合され、そして以下に記載するように電力サブシステム206により供給される電力に応答して酸素を生成するように構成されている。酸素生成サブシステム208は、以下に検討するように外枠部202に隣接する周辺空気を酸素生成サブシステム208に向けるように構成された酸素入口210、および酸素生成サブシステム208により生成された酸素流を外枠部202の外に向けるように構成された酸素出口212に結合される。例えば外枠部202および/または酸素出口212は、以下に検討するように包帯サブシステムの外枠部202への取り付けを提供する様々なフィッティング、コネクターおよび/または他のカップリングを含むことができる。図2Bおよび2Cを参照にして、外枠部202は、上面202aおよび上面202aから外枠部202の反対側に位置する(そして反対方向に向いた)下面202bを有すると具体的に説明される。具体的に説明するように、外枠部102は、上面202aまで延び、そして酸素入口210を提供する複数の開口を定め、ならびに下面202bまで延び、そして酸素出口212を提供する開口を定める。図2Bおよび2Cで具体的に説明する創傷の酸素供給システム200の態様は、本開示の教示を使用して提供され得る、特により小さい形態因子(form factor)のセンサーサブシステム(例えば以下に検討する湿度センサーサブシステム)を使用し、そしてより大きな形態因子のセンサーサブシステム(例えば以下に検討するフローセンサーサブシステム)を省略した場合の形態因子の一例を提供する。しかし本開示を所有する当業者は、創傷の酸素供給システム200の外枠部202に関する他の形態因子、および酸素入口210および酸素出口212の他の配置も、本開示の範囲内に入ると認識するだろう。
【0029】
具体的に説明する態様では、外枠部202は複数のセンサーサブシステムを収容し、それらには図1Aを参照にして上で検討した湿度センサーサブシステム122aに実質的に類似し得る湿度センサーサブシステム214a、図1Aを参照にして上で検討した圧力センサーサブシステム122bに実質的に類似し得る圧力センサーサブシステム214b、および図1Aを参照にして上で検討した他のセンサーサブシステム122cに実質的に類似し得る1もしくは複数の他のセンサーサブシステム214cを含む。具体的な創傷の酸素供給システム200を記載したが、本開示を所有する当業者は本開示の範囲内にありながらも様々な他の機能を創傷の酸素供給システム200に含めることができると認識し、したがって他の機能および/またはサブシステムの創傷の酸素供給システム200への追加も、本開示の範囲内であると構想される。
【0030】
ここで今、図3A、3Bおよび3Cを参照にして、酸素生成サブシステム300の態様を説明し、これは上で検討した酸素生成サブシステム116および/または208でもあり得る。具体的に説明する態様では、酸素生成サブシステム300には電気化学的酸素発生器/イオン交換酸素濃縮器が提供されるが、他の酸素生成サブシステムも本開示の範囲内にある。具体的に説明する態様の酸素生成サブシステム300は、カソード板304とアノード板306との間に配置されるプロトン交換膜(PEM)302を含む。1つの態様では、PEM302は、PEM302用のプロトン伝導体としてNAFION(商標)酸素移送膜を含むことができ、この膜はスルホン化テトラフルオロエチレン共重合体を利用することができ、そして米国、デラウェア州、ウィルミントンのデュポン(DUPONT(商標))から入手可能である。しかし他のPEMおよびPEM材料も、本開示の範囲内にありながら利用することができる。具体的に説明する態様では、PEM302は、PEM302をカソード板304とアノード板306との間に密閉するガスケット302aを含む。1つの態様では、PEM302はカソード板304とアノード板306との間で完全に圧縮され(例えば約3~6ニュートン―メートル(N-m)の力を使用して)、ガスケット302aはフランジボルティングサブシステム308を使用して密閉される。カソード板304は、水蒸気を一方向にのみ通し、そして他のガス(例えば水素)の封入を維持するように構成された分極膜304bにより覆われることができる給気口304aを定める。1つの態様では、分極膜304bは、米国、デラウェア州、ニューアークのW.L.GORE & ASSOCIATES(商標)から入手可能なGORETEX(商標)により提供され得るが、他の膜も本開示の範囲内にある。
【0031】
カソード板304およびアノード板306のそれぞれは、カーボン膜上にメッキしたチタンメッシュ基材を有するカーボン補強型の金属化基材を含むことができ、これがPEM302への電気伝導度に完全な適用領域を提供する。電力サブシステム112/206への電気的接触、および電力サブシステム112/206からカソードおよびアノード板304および306への電力移送は、例えばカソード板304およびアノード板306の表面へ必要な接着を提供するように作動するフランジボルティングサブシステム308によりかけられる圧縮力を用いて、銅片をカソード板304およびアノード板306のチタンメッシュ基材に付けることにより(例えばエポキシを使用して)提供され得る。バルブ310は、アノード板306により定められる酸素出口306aに結合され、そして酸素出口120/212へと延びる酸素流カップリングを結合するように構成されたフィッティング、コネクター、および/または他のカップリングを含むことができる。例えばバルブ310には、バイトンシート(viton seat)を使用して304Lステンレス鋼ニードル放出弁が提供されることができ、そしてアノード板306にバイトンO-リング(具体的に説明していない)を使用して接続するように加工される。具体的な酸素生成サブシステム300を記載したが、本開示を所有する当業者は、他の酸素生成サブシステムも本開示の範囲内にありながらも本明細書に記載する創傷の酸素供給システムに提供できると認識するだろう。
【0032】
ここで今、図4Aおよび4Bを参照にして、制御装置400の一態様を具体的に説明する。具体的に説明し、そして以下に検討する態様では、制御装置400にはモバイルホンが提供される。しかし他の計算(computing)装置、例えばタブレット型計算装置、ラップトップ/ノート型計算装置、デスクトップ型計算装置、スマートウォッチ、フィットネストラッカー、または他の手首に取り付ける装置、および/または他の様々な計算装置を、本開示の範囲内にありながらも制御装置400として提供することができる。制御装置400は、制御装置の構成要素を収容する外枠部402を含み、その幾つかのみを図4Aで具体的に説明している。例えば外枠部402は、処理サブシステム(具体的に説明していないが、当該技術分野で知られている1もしくは複数のハードウェアプロセッサを含むことができる)、および記憶サブシステム(具体的に説明していないが、当該技術分野で知られている1もしくは複数の記憶装置を含むことができる)を収容することができ、記憶サブシステムは処理サブシステムにより実行された場合に、処理サブシステムに、以下に検討する酸素生成制御エンジンおよび制御装置の機能を行うように構成された酸素生成制御エンジン404を提供させる指令を含む。また外枠部402は、保存サブシステム(具体的に説明していないが、当該技術分野で知られている1もしくは複数の保存装置を含むことができる)を収容でき、保存サブシステムは酸素生成制御エンジン404に結合され(例えば保存サブシステムと処理サブシステムとの間の結合を介して)、そして以下に検討する機能性を提供するために使用される任意の情報を含むことができる酸素生成制御データベース406を保存する。
【0033】
また外枠部402はディスプレイサブシステム408を収容し、かつ/または含むことができ、ディスプレイサブシステム408は酸素生成制御エンジン404に(例えばディスプレイサブシステム408と処理サブシステムとの間の結合を介して)結合され、そして以下に検討する任意の情報を表示するように構成される。また外枠部402は入力サブシステム410を収容することができ、入力サブシステム410は酸素生成制御エンジン404に(例えば入力サブシステム410と処理サブシステムとの間の結合を介して)結合され、そして以下に検討するように任意の入力情報を受信し、そして酸素生成制御エンジン404に提供するように構成される。ディスプレイサブシステム408および入力サブシステム410は、別のサブシステムとして具体的に説明され、そして記載されているが、本開示を所有する当業者は、本開示の範囲内にありながらそれらを組み合わせることができると認識するだろう(例えばタッチ―インプットディスプレイサブシステムで)。また外枠部402は、以下に検討する創傷の酸素供給装置の通信の機能性を提供するために、有線および/または無線通信構成要素(例えばBLUETOOTH(商標)サブシステム、近距離無線通信(NFC)サブシステム、WiFi通信サブシステム、有線コネクターサブシステム等)を含むことができる創傷の酸素供給システム通信サブシステム412を収容することができる。このように創傷の酸素供給システム通信サブシステム412は以下に記載する制御を、様々な無線または有線接続(例えば限定区域内の有線または無線接続、有線または無線インターネット接続等)を介して提供することができる。具体的な制御装置400について具体的に説明し、そして記載したが、本開示を所有する当業者は、本開示で使用される制御装置が、本開示の範囲内にありながらも、以下に記載する機能性に加えて様々な従来の機能性を提供する他の様々な構成要素(例えばモバイルホン構成要素)を含むことができると認識するだろう。
【0034】
図5を参照にして、酸素を創傷に供給する方法500の態様を具体的に説明する。上で検討したように、本開示の発明者は、特許文献1に記載されたシステムおよび方法、および特許文献2のようなその子特許を考案し、これらは低用量の組織酸素付加および創傷部位(1もしくは複数)への連続的な酸素調整能を提供する創傷処置システムを考察し、そして特許請求するもので、そして創傷部位に隣接して位置する制限気流エンクロージャー(例えば創傷包帯により提供される)中の圧力を示す圧力情報をモニタリングし、そして酸素生成サブシステムにより生成され、そして制限気流エンクロージャーに提供される酸
素流を制御するために、酸素生成サブシステムに提供される電力を制御する圧力情報を使用することにより作動する。そのような創傷処置システムは、酸素生成サブシステムの酸素出口により生成される酸素流を測定するフローセンサー、およびフローセンサーの下流の圧力センサーを含むことができ、それらの出力は上で検討したように酸素生成サブシステムにより生成される酸素流を制御するために使用され得る。しかしこれも上で検討したように、そのような創傷処置システムで使用されるフローセンサーは比較的大きく、比較的高価で、しかも創傷処置システムの外枠部で場所を取る「配管系統」を必要とし、そして比較的大きい外枠部をもたらす。さらにそのような創傷処置システムで使用する酸素生成サブシステムは、湿度が下がると酸素生成の提供が低下する可能性があり、これは創傷部位への不足した酸素供給をもたらす恐れがあり、そして創傷処置システムに、酸素生成サブシステムへ提供される電力を、酸素生成サブシステムが損傷するレベルまで上げるようにする可能性があることも見いだされた。
【0035】
本開示のシステムおよび方法は、創傷の酸素供給システムに湿度センサーサブシステムを提供し、そして湿度センサーサブシステムを使用して酸素生成サブシステムが経験する湿度をモニタリングし、そして湿度情報を、その湿度を示す酸素生成制御エンジンに報告することによりこれらの問題に取り組む。次いで酸素生成制御エンジンは、酸素生成サブシステムにより生成され、そして酸素出口を通って創傷に接する制限気流エンクロージャーに提供される酸素流を制御するために、湿度情報を使用して電力サブシステムにより酸素生成サブシステムに提供される電力を制御する。幾つかの例では、複数の異なる各電力量について、湿度レベルが変化する範囲にわたり変動する酸素生成サブシステムの酸素出力に関連する酸素生成制御データを作成することができ、そしてその酸素生成制御データを酸素生成制御データベースに保存することができる。このように酸素生成制御エンジンは、任意の特定の湿度レベルについて、所望の酸素出力および関連する酸素流速を生じるために、酸素生成サブシステムにかけられ得る電力を示すデータへのアクセスを有することができる。すなわち湿度センサーサブシステムから受信した湿度情報を使用して、酸素生成制御エンジンは電力サブシステムに、酸素の生成、それに続いて創傷に隣接する制限気流エンクロージャーへ所望する酸素出力/酸素流を生じる電力量を酸素生成サブシステムへ提供させることができる。
【0036】
本開示のシステムおよび方法は、上で検討した創傷処置システムで使用される従来のフローセンサーサブシステムを、本明細書に記載する湿度センサーサブシステムに置き換えることを可能とし、酸素生成サブシステムによる酸素の生成を制御するために使用されるセンサーサブシステムに必要な経費と空間の減少を提供する。例えば上で検討したように、従来のフローセンサーサブシステムは約60米ドルの費用がかかり、約36mmx20mmを測定し、比較的高いエネルギー量(40ミリアンペア(ma)まで)を消費し、そしてフローセンサーをそれが測定する酸素流(1もしくは複数)につなげ、そしてそのような配管の道筋を可能にする外枠部内のフローセンサーの特定の配置を記載する「配管系統」を要する。対照的に本開示の湿度センサーサブシステムは約1.50米ドルの費用であり、約3mmx3mmを測定し、最少のエネルギー(1ミリアンペア(ma)未満)を消費し、しかも基板上のどこにでも取り付けられる比較的単純な結合システムを利用する(例えばそれは酸素生成制御エンジンを提供する処理システムを含む)。このように創傷処置システムの外枠部のサイズの低下が提供されると同時に、創傷部位への低用量組織酸素付加および連続的な酸素調整能を可能にする。さらに酸素生成サブシステムにより経験される湿度に基づく酸素生成の制御は、従来の創傷処置システムが経験する低い湿度環境での創傷部位への欠乏した酸素供給を防ぎ、そしてそのような低湿度環境から生じる低下した酸素生成能を取り扱う酸素生成サブシステムに提供される電力の上昇に付随する問題を防ぐ。
【0037】
方法500はブロック502から始まり、ここで包帯サブシステムおよび創傷の酸素供
給システムが創傷に適用される。ここで図6を参照にして、ブロック502で、またはその前に患者600には少なくとも1つの創傷がある可能性がある。以下に検討する多くの具体的態様では、少なくとも1つの創傷は患者600の脚604の表面上にある単一の創傷602であり、そして患者600の脚604の中にまで少なくとも一部が伸びている可能性がある。しかし以下に検討するように幾つかの態様では、患者は1より多くの創傷を有する可能性があり、そして創傷は患者600の身体の任意の部分に位置する可能性がある。さらに幾つかの態様では、創傷は患者600の臓器上のような患者602内部に位置する可能性があり(例えば創傷していないか、修復した(例えば外科的に修復した)か、またはそうではなく患者の健康な皮膚の下)、したがって本開示の創傷の酸素供給システムは、本開示の範囲内にありながらも患者600の内部に提供されることができる。そのような内部創傷の酸素供給システムでは、以下に説明する機能性は、創傷に提供される酸素の除去により補強され得る(例えば以下に検討する酸素準備(provisioning)配管に類似する酸素除去配管を介して)。本開示の創傷の酸素供給システムおよび方法を使用して処置にかけられる創傷には、潰瘍(糖尿病の、静脈の、動脈の、高血圧の、等)、外科的切開または縫合、切断、火傷、凍傷、昆虫または動物の刺し傷、臓器または組織移植(transplant)、臓器または組織移植(implant)、組織移植(grafting)、および/または本開示を所有する当業者には明白な他の任意の創傷を含むことができる。
【0038】
図7Aを参照にして1つの態様では、ブロック502で包帯サブシステム700を患者600の脚604上の創傷602に隣接して配置することができる。具体的に説明する態様では、包帯サブシステム700は配管702を含み、これは上で検討したように第1末端(具体的に説明していない)で創傷の酸素供給システム100上の酸素出口120に接続されることができ、そして第1末端から配管702の反対に位置する第2末端704を含む。酸素透過性膜706は配管702の第2末端704から延び、そして配管702と一体化され、配管702に結合し、かつ/または本開示を所有する当業者には明白な様々な様式で提供されることができる。例えば酸素透過性膜706は、配管の第2末端704上および創傷602上に(例えば創傷602に接する完全な皮膚と合わせるように)配置される酸素分配テープにより提供されることができる。しかし酸素透過性膜706には、本開示を所有する当業者には明白な様々な材料を使用して提供されることができる。具体的に説明する態様から分かるように、酸素透過性膜706は、患者600の脚604上の創傷602の周りに、または別法でそれに隣接して配置されることができ、そして水分吸収包帯(moisture absorbent dressing)708(酸素透過性膜706、および存在する場合には露出した創傷602を覆う)で覆われることができ、これはさらに低蒸気圧の透過性閉鎖包帯710により覆われ(例えば水分吸収包帯708、酸素透過性膜706、創傷602および配管702の一部を覆う)、創傷602に隣接する制限気流エンクロージャー(例えば創傷と包帯710との間)を作成する。1つの態様では、包帯710は透明材料で作製され、そして創傷602に隣接する制限気流エンクロージャーに導入される酸素をトラップして酸素が豊富な環境を作り、そして維持するように構成されている。実験的な態様では、創傷602での酸素の局所的分圧が10~60mmHgの低い範囲から200~760mmHGの酸素が豊富な環境範囲へと本開示の包帯サブシステムおよび創傷の酸素供給システムを使用して上げることができることが分かった。幾つかの態様では、包帯サブシステム700は、包帯710により提供される制限気流エンクロージャー中の圧が所望の最大レベルを越えないことを確実にするように構成された排気弁を包含できる。
【0039】
幾つかの態様では、包帯システム700は配管702および/または酸素透過性膜706に位置することができるセンサーを備えることができる(すなわちセンサーは包帯サブシステム700により提供される制限気流エンクロージャー中に配置され得るように)。例えば図7Bは、センサーカップリング712および714がどのように配管702を通
って延びることができるか、そしてそれらの遠位末端に位置し、そして配管702および/または酸素透過性膜706に配置されるセンサー712aおよび712bを含むことができるかを具体的に説明する。例えばセンサーカップリング712/714およびセンサー712a/714aは、湿度センサーサブシステム122a/214a、圧力センサーサブシステム122b/214b、および/または他のセンサーサブシステム122c/214c(例えばフローセンサーサブシステム、温度センサーサブシステムおよび/または本明細書に記載する他のセンサーサブシステム、ならびに創傷602の他のモニタリングのために備えられ得るセンサー)の一部であるか、またはそれらにより提供されることができる。具体的例では、センサーカップリング712/714は、センサー712a/714aと酸素生成制御エンジンへの入力を提供する外枠部102内のセンサートランスデューサーとの間の配管702を通って延びるセンサーワイヤーにより提供されることができる。しかし創傷の酸素供給システム100の外枠部102の外側に位置するセンサーサブシステムの具体的態様を記載したが、センサーサブシステムは、本開示の範囲内にありながらも様々な様式で創傷の酸素供給システム100の外枠部102内および外側に位置することができる。
【0040】
図7Cを参照にして、配管702は複数の管腔を含むことができ、それらには内部管腔716を含み、これは具体的に説明する態様では配管702のキンク作用を防ぐように作用するが、同時に配管702が曲がっても酸素流を与える星形の形状で提供される。しかし本開示の範囲内にありながらも類似の機能性を提供するために、他の様々な耐キンク構成要素および/または材料を配管702に提供することができる。図7Dを参照にして、創傷602に酸素を送達するために役立つ配管702の第2末端704に接する複数の開口718を、配管702がどのように定めることができるかを具体的に説明する。すなわち酸素生成サブシステムにより生成され、そして配管702を通って創傷602に向けられる酸素流720は、配管702を出て、そして多数の異なる開口718を通って、ならびに内部管腔716の遠位末端を通って創傷702に隣接する制限気流エンクロージャーに入ることができ、創傷602への酸素流を改善する。
【0041】
図8を参照にして1つの態様では、ブロック502で包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800(これは包帯システムに結合、または一体化される図2A-2Cの創傷の酸素供給システム200を含む)は、患者600の脚604上の創傷602に隣接して配置されることができる。具体的に説明する態様では、包帯サブシステム800は、創傷602を覆っている水分吸収包帯802、および低蒸気圧の透過性閉鎖包帯804(すなわち水分吸収包帯802および創傷602を覆う)を含み、創傷602に隣接する制限気流エンクロージャー(例えば創傷と包帯804との間)を作成する。1つの態様では、包帯804は透明材料で作製され、そして創傷602に隣接する制限気流エンクロージャーに導入される酸素をトラップして酸素が豊富な環境を作り、そして維持するように構成されている。具体的に説明する態様では、創傷の酸素供給システム200は包帯804に結合または一体化され、包帯804は創傷の酸素供給システム200により生成され、そして酸素出口212を介して提供される酸素を、包帯804により作られ、そして創傷602に隣接して位置する制限気流エンクロージャーに導くように構成された酸素流路806を含む。実験的態様では、創傷602での酸素の局所的分圧が10~60mmHgの低い範囲から200~760mmHGの酸素が豊富な環境範囲まで、本開示の包帯サブシステム/創傷の酸素供給システムを使用して上げることができることが分かった。
【0042】
図8の態様では具体的に説明していないが、幾つかの態様では包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800は、上で検討した酸素透過性膜706に類似の酸素透過性膜を含むことができる。例えば酸素透過性膜は創傷の酸素供給システム200上の酸素出口212に結合することができ(例えば酸素流路806を介して)、そして創傷602に直に隣接して配置される(例えば水分吸収包帯802を通って延びることができる例えば酸素
流路806を介して)。しかし本開示を所有する当業者は、酸素透過性膜が、本開示の範囲内にありながらも様々な様式で包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800に提供され得ると認識するだろう。またこれも図8の態様で具体的に説明していないが、包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800は、上記の創傷の酸素供給システム100で記載したものと実質的に同じ様式で、創傷の酸素供給システム200の外枠部202の外側に位置するセンサーを含むことができる(すなわちそれらが酸素流路806、包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800に含まれる酸素透過性膜、および/または包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800に提供される制限気流エンクロージャー内に配置されるように)。
【0043】
創傷の酸素供給システム100および200に結合され、そして一体化される包帯サブシステムの2,3の具体例を具体的に説明し、そして記載したが、そのような例の様々な修飾および組み合わせも本開示の範囲内になるように構想される。例えば創傷の酸素供給システム200は、上で検討した配管702に類似し、そして創傷の酸素供給システム200により生成される酸素を上で検討した包帯サブシステム700に類似する包帯サブシステムに提供する配管に結合されることができる。同様に創傷の酸素供給システム200は、上で検討した包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800に類似する包帯サブシステムに結合されるか、または一体化されることができる。さらに本開示を所有する当業者は、本開示の教示を使用して内部創傷に酸素が提供されることができるように、包帯サブシステムがどのように修飾されて患者600の内部(例えば患者600の内部臓器に位置するような患者の皮膚下)にある創傷に提供されるように構成される包帯サブシステム(配管が結合した創傷の酸素供給システム、一体型創傷の酸素供給システム、等)を提供できるかを認識するだろう。したがって本開示を所有する当業者は、本開示の教示に対する広範な修飾は、このようにその範囲内にあると認識するだろう。
【0044】
次に方法500はブロック504に進み、ここでは創傷の酸素供給システム中の酸素生成サブシステムにより経験される湿度を示す湿度情報が受信される。図7Aおよび9を参照にして、包帯サブシステム700が具体的に説明され、これは患者600に結合され、そして創傷602に隣接する制限気流エンクロージャーを提供し、包帯サブシステム700から創傷の酸素供給システム100上の酸素出口120に延びる配管702を含む。本開示を所有する当業者は、包帯サブシステム700および創傷の酸素供給システム100の配置が、創傷の酸素供給システム100を患者の様々な場所の上に、および/または隣接して快適に配置できるようにする(例えばベルトに、ポケットの中に、鞄の中に、四肢へ固定して、等)と認識するだろう。1つの態様では、ブロック504で創傷の酸素供給システム100の湿度センサーサブシステム122aは湿度レベル(例えば創傷の酸素供給システム100の外枠部102内、創傷の酸素供給システム100の外枠部102に隣接するか、または外側、配管702内、包帯サブシステム700により提供される制限気流エンクロージャー内、等の)を感知し、そして応答して酸素生成サブシステム116により経験されている(そして、上で検討したように酸素生成サブシステム116の酸素生成操作に影響を及ぼす)湿度レベルを示す湿度情報を作成するように作動することができる。次に湿度センサーサブシステム122aおよび/または酸素生成制御エンジン104は、ブロック504で酸素生成制御エンジン104が湿度センサーサブシステム122aにより生成された湿度情報を受信するように作動することができる。
【0045】
図8および10を参照にして、包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800が具体的に説明され、これは患者600に結合され、そして創傷602に接する制限気流エンクロージャーを提供し、創傷の酸素供給システム200に通信可能に結合している制御装置400を含む。例えばブロック504前または504で、制御装置400中の創傷の酸素供給システム通信サブシステム412、および創傷の酸素供給システム200中の制御装置通信サブシステム204は、創傷の酸素供給システム200および制御装置が以下に
記載するようにデータまたは他の情報を交換することができるように、対をなし(例えばBLUTOOTH(商標)または他の無線通信対合プロトコールを介して)、リンクし、かつ/または別法で通信チャンネルを樹立することができるようにする。本開示を所有する当業者は、包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800および制御装置400の配置は、包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800が創傷に提供され、そして制御装置400は患者の様々な場所に、および/または患者に隣接して快適に配置できるようにし(例えばベルトに、ポケットの中に、鞄の中に、四肢へ固定して、等)、同時に創傷の酸素供給システム200の制御を可能にすると認識するだろう。
【0046】
1つの態様では、ブロック504で創傷の酸素供給システム200中の湿度センサーサブシステム214bは、湿度レベル(例えば創傷の酸素供給システム200の外枠部202内、創傷の酸素供給システム200の外枠部202に隣接するか、または外側、酸素流路806内、包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800により提供される制限気流エンクロージャー内、等の)を感知し、そして応答して酸素生成サブシステム208により経験されている(そして、上で検討したように酸素生成サブシステム208の酸素生成操作に影響を及ぼす)湿度レベルを示す湿度情報を作成するように作動することができる。次に湿度センサーサブシステム122aおよび/または制御装置通信サブシステム204は、制御装置通信サブシステム204が湿度センサーサブシステム122aにより生成された湿度情報を受信するように作動することができる。次に制御装置通信サブシステム204は、ブロック504で酸素生成制御エンジン404がその湿度情報を創傷の酸素供給システム通信サブシステム412を通して受信するように、上に検討したように樹立された制御装置400との通信接続を介して、湿度情報を制御装置400に送信するように作動する。
【0047】
次いで方法500はブロック506に進み、ここで湿度情報は酸素生成サブシステムに提供する電力を制御するために使用される。1つの態様では、上で検討した包帯サブシステム700および創傷の酸素供給システム100を参照にして、ブロック506で酸素生成制御エンジン104が、湿度センサーサブシステム122aから受信した湿度情報を使用して電力サブシステム112により酸素生成サブシステム116に提供される電力を制御する。例えば上で検討したように、酸素生成制御データベース106は、複数の異なる各電力量について異なる湿度レベルの範囲にわたり変動する酸素生成サブシステム116の酸素出力に関連する酸素生成制御データを含むことができる。このようにブロック506で、酸素生成制御エンジン104は制限気流エンクロージャー中の所望の酸素流速または圧を決定することができ(例えば創傷の酸素供給システム100にプログラムされるように)、そして酸素生成制御データにアクセスし、そしてブロック504で受信した湿度情報により示される特定の湿度レベルを使用して、制限気流エンクロージャー中にその所望の酸素流速または圧を提供する酸素出力を酸素生成サブシステム116に作成させる特定の電力量を決定することができる。次いで酸素生成制御エンジン104は、例えば電力サブシステム112がその電力量を酸素生成サブシステム116に送信する指令を送ることにより、電力サブシステム112がその特定の電力量を酸素生成サブシステム116に提供するようにさせることができる。しかし事前に作成した酸素生成制御データの使用を記載したが、本開示を所有する当業者は、湿度情報を使用して(例えば提供された湿度レベルに応答して電力量を計算する式を介して、等)、電力サブシステム112により酸素生成サブシステム116に提供される電力を制御する他の方法も、本開示の範囲内にあると認識するだろう。
【0048】
別の態様では、上で検討した包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800および制御装置400を参照にして、ブロック506で酸素生成制御エンジン404は、湿度センサーサブシステム214aから受信した湿度データを使用して電力サブシステム206により酸素生成サブシステム208に提供される電力を制御する。例えば上で検討したよ
うに、酸素生成制御データベース406は、複数の異なる各電力量について、異なる湿度レベルの範囲にわたり変動する酸素生成サブシステム208の酸素出力に関連する酸素生成制御データを含むことができる。このようにブロック506で、酸素生成制御エンジン404は、制限気流エンクロージャー中の所望の酸素流速または圧を決定することができ(例えば創傷の酸素供給システム100にプログラムされるように)、そして酸素生成制御データにアクセスし、そしてブロック504で受信した湿度情報により示される特定の湿度レベルを使用して、制限気流エンクロージャー中に所望する酸素流速または圧を提供する酸素出力を酸素生成サブシステム208に作成させる特定の電力量を決定することができる。次いで酸素生成制御エンジン404は、指令を創傷の酸素供給システム通信サブシステム412を介して創傷の酸素供給システム200中の制御装置通信サブシステム204に送信することができ、そして制御装置通信サブシステム204は、応答して例えばその指令を電力サブシステム206に進めてその電力量を酸素生成サブシステム208に送信することにより、電力サブシステム206にその特定の電力量を酸素生成サブシステム208に提供させることができる。しかし事前に作成した酸素生成制御データの使用を記載したが、本開示を所有する当業者は、湿度情報を使用して(例えば提供された湿度レベルに応答して電力量を計算する式を介して、等)電力サブシステム206により酸素生成サブシステム208に提供される電力を制御する他の方法も、本開示の範囲内にあると認識するだろう。
【0049】
次に方法500はブロック508に進み、ここで酸素生成サブシステムは湿度情報に従い提供される電力を使用して酸素流を生成する。1つの態様では、上記の包帯サブシステム700および創傷の酸素供給システム100または包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800のいずれかを参照にして、ブロック508では酸素生成サブシステム116/208はブロック506での電力サブシステム112/206により提供された電力を使用して酸素および生成物の酸素流を作成する。例えば電力サブシステム112/206から電力量を受信すると、酸素生成サブシステム116/208が、約21%の酸素を含む空気を酸素入口118/210を通して引き込むように作動し、そしてその空気は次に酸素生成サブシステム116/208を通るように向けられ、この酸素生成サブシステム116/208はその空気に含まれる酸素を濃縮する電気化学的プロセスを行うように作動して約99%純粋な酸素の酸素混合物を生成し、そして酸素流として酸素出口120/212に向けられる酸素混合物を提供する。電力サブシステム112/206により提供される電力量(例えば電流)は、酸素生成に比例するか、そうではなく関連して(すなわち酸素入口118/210を通して受けた空気からの酸素濃度)提供するように作動し、これにより電力サブシステム112/206により酸素生成サブシステム116/208に供給される電力量に比例するか、またはそうではなく関連する酸素流速の酸素流を生じる(例えば、電流の上昇は酸素生成サブシステム116/208により行われる電気化学的プロセスを上げ、そしてそれにより続く酸素生成サブシステム116/208により生成される酸素流速を上げるが、電流の低下は酸素生成サブシステム116/208により行われる電気化学的プロセスを下げ、そしてそれにより続く酸素生成サブシステム116により生成される酸素流速を下げる)。具体的例では、電力サブシステム112/206はリチウム電池(例えば7.4ボルトのリチウム電池)、および電流が約15ミリアンペアから約150ミリアンペアの範囲にわたり変動するように構成されたレギュレータを含むことができ、これは約1.0ミリリットル/時間から約15.0ミリリットル/時間の範囲の酸素流速を提供するように作動する。しかし本開示の範囲内にありながらも様々な他の電力サブシステムの構成を使用して、様々な異なる電力量およびサブシステムの酸素流速を提供できる。
【0050】
次に酸素生成サブシステム116/208により生成された酸素流は、酸素出口120/212を介して外枠部102/202の外に向けられる。1つの態様では、上記の包帯サブシステム700および創傷の酸素供給システム100を参照にして、酸素生成サブシ
ステム116により生成される酸素流は酸素出口120を出て、そして配管702に入ることができ、そして酸素流が包帯サブシステム700により提供される制限気流エンクロージャーに導入されるように、配管702により酸素透過性膜706に向けられることができる。別の態様では、上記の包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800を参照にして、酸素生成サブシステム208により生成される酸素流は酸素出口202を出て、そして酸素流が包帯サブシステム700により提供される制限気流エンクロージャーに導入されるように、酸素流路806により向けられることができる。いずれの態様でも制限気流エンクロージャーに導入される酸素流に提供された利用可能な酸素の増加は、細胞レベルで代謝されることができ、そして成長因子の増加、上皮形成、肉芽組織、グリコサミノグリカン生産およびコラーゲン合成を刺激するように作用する。
【0051】
方法500は次に選択ブロック510に進み、ここで他のセンサー情報を受信することができる。幾つかの態様では、他のセンサー情報が創傷の酸素供給システムにより作成され、そして様々な様式で使用されることができ、その幾つかを以下で検討する。しかしシステムのサイズおよび経費が最小化される態様では、湿度センサーサブシステムおよび酸素生成サブシステムにより作成される酸素流を制御するための湿度情報の使用が、上記のように強化された創傷治癒を提供するために十分であると判明した。1つの態様では、上記の包帯サブシステム700および創傷の酸素供給システム100を参照にして、ブロック510で創傷の酸素供給システム100に提供される任意の他のセンサーサブシステム(1もしくは複数)は、様々な因子を感知し、測定し、かつ/または別法で検出し(例えば、創傷の酸素供給システム100の外枠部102内、創傷の酸素供給システム100の外枠部102に接し、そして外側、配管702内、包帯サブシステム700により提供される制限気流エンクロージャー内、等)、そして応答してその因子を示す情報を作成するように作動できる。そのような他のセンサーサブシステム(1もしくは複数)および/または酸素生成制御エンジン104は、次にブロック504で酸素生成制御エンジン104が他のセンサーサブシステム(1もしくは複数)により作成される他のセンサー情報を受信するように作動することができる。
【0052】
別の態様では、上記の包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800を参照にして、ブロック510で創傷の酸素供給システム200に提供される他の任意のセンサーサブシステム(1もしくは複数)は、様々な因子を感知し、測定し、かつ/または別法で検出し(例えば、創傷の酸素供給システム200の外枠部202内で、創傷の酸素供給システム200の外枠部202に接し、かつ外側で、酸素流路806内で、包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800により提供される制限気流エンクロージャー内で、等)、そして応答してその因子を示す情報を作成するように作動できる。そのような他のセンサーサブシステム(1もしくは複数)および/または制御装置通信サブシステム204は、次いで制御装置通信サブシステム204がそのような他のセンサーサブシステム(1もしくは複数)により作成される他のセンサー情報を受信するように作動することができる。次いで制御装置通信サブシステム204は、酸素生成制御エンジン404がその他のセンサー情報を創傷の酸素供給システム通信サブシステム412を通して受信するように、ブロック504で上に検討したように樹立された制御装置400との通信接続を介して他のセンサー情報を制御装置400に送信するように作動することができる。
【0053】
上で検討したように創傷の酸素供給システム100および200の他のセンサーサブシステムは、圧力センサーサブシステム122bおよび214bを含むことができ、そのそれぞれが圧力情報を酸素生成制御エンジン104および404にそれぞれ提供するように作動でき、この圧力情報は包帯サブシステム700および包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800によりそれぞれ提供される制限気流エンクロージャー内の圧力を示している。上で検討したように創傷の酸素供給システム100および200の他のセンサーサブシステムは、流速センサーサブシステムを含むことができ、これは流速情報を酸素生
成制御エンジン104および404にそれぞれ提供するように作動でき、この酸素の流速情報は包帯サブシステム700および包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800によりそれぞれ提供される制限気流エンクロージャー内の酸素の流速を示している。そしてまた上で検討したように、創傷の酸素供給システム100および200の他のセンサーサブシステムは、温度センサーサブシステムを含むことができ、これは温度情報を酸素生成制御エンジン104および404にそれぞれ提供するように作動でき、この温度情報は包帯サブシステム700および包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800によりそれぞれ提供される制限気流エンクロージャー内の温度を示している。そしてまた上で検討したように、創傷の酸素供給システム100および200の他のセンサーサブシステムは、pHセンサーサブシステムを含むことができ、これはpH情報を酸素生成制御エンジン104および404にそれぞれ提供するように作動でき、このpH情報は包帯サブシステム700および包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800によりそれぞれ提供される制限気流エンクロージャー内のpHを示している。そしてまた上で検討したように、創傷の酸素供給システム100および200の他のセンサーサブシステムは、灌流センサーサブシステムを含むことができ、これは灌流情報を酸素生成制御エンジン104および404にそれぞれ提供するように作動でき、この灌流情報は包帯サブシステム700および包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800によりそれぞれ提供される制限気流エンクロージャー内の灌流を示している。
【0054】
次に方法500は選択ブロック512に進み、ここで他のセンサー情報を使用して酸素生成サブシステムへ提供される電力を制御することができる。1つの態様では上記の包帯サブシステムおよび創傷の酸素供給システム100を参照にして、ブロック512で酸素生成制御エンジン104は、他のセンサーサブシステム(1もしくは複数)から受信した他のセンサー情報を使用して、電力サブシステム112により酸素生成サブシステム116へ提供される電力を制御することができる。具体例では、ブロック512で創傷の酸素供給システム100および/または200は、上記の湿度センサーサブシステムおよびその機能性を提供して、酸素生成サブシステムに制限気流エンクロージャーへの所望の酸素流を生じさせると同時に、圧力センサーサブシステムを使用して、制限気流エンクロージャー中の圧力が最大レベルに達した時を測定し、それに応答して酸素生成サブシステムが酸素を生成することを最大レベル未満に下がるまで妨げるようにすることができる。湿度センサーサブシステムおよび圧力センサーサブシステムを、従来のフローセンサーサブシステム/圧力センサーサブシステム装置に代えて使用することは、小型化した外枠部のサイズおよび酸素生成サブシステムで湿度に関連する問題に取り組む能力を提供すると同時に、創傷に隣接する制限気流エンクロージャーへの酸素供給の正確な制御を可能にする。
【0055】
しかしブロック512で、酸素生成制御エンジン104は任意の圧力情報、流速情報、温度情報、pH情報および/または灌流情報を湿度情報と一緒に使用して、酸素生成サブシステム116へ提供される電力量を決定し、次いで例えばその電力量を酸素生成サブシステム116に送信する指令を電力サブシステム112に送ることにより、電力サブシステム112が特定の電力量を酸素生成サブシステム116に提供させる。しかし他の態様では、ブロック510で受信した他のセンサー情報は酸素生成サブシステム116に提供する電力を制御するために使用しなくてもよいが、むしろ代わりに創傷602をモニターし、または他の機能性を行うために使用することができる。例えば圧力情報のような他のセンサー情報を使用して、制限気流エンクロージャー中の圧を確実に所望のレベルとし、患者600が創傷の酸素供給システムを使用していることを確認し、または本開示を所有する当業者には明白な他の機能を行うことができる。
【0056】
別の態様では、上記の包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800および制御装置400を参照にして、ブロック506で酸素生成制御エンジン404は、他のセンサーサブシステム(1もしくは複数)から受信した他のセンサー情報を使用して、電力サブシ
ステム206により酸素生成サブシステム208へ提供される電力を制御する。このようにブロック512で酸素生成制御エンジン104は任意の圧力情報、流速情報、温度情報、pH情報および/または灌流情報を、湿度情報と一緒に使用して酸素生成サブシステム208へ提供される電力量を決定し、次いで創傷の酸素供給システム通信サブシステム412を介して創傷の酸素供給システム200中の制御装置通信サブシステム204へ指令を送信し、そして制御装置通信サブシステム204はそれに応答して、例えばその指令を電力サブシステム206に進めてその電力量を酸素生成サブシステム208に送信することにより、電力サブシステム206がその特定の電力量を酸素生成サブシステム208に提供させる。しかし他の態様では、ブロック510で受信した他のセンサー情報は酸素生成サブシステム208に提供する電力を制御するために使用しなくてもよく、むしろ代わりに創傷602をモニターするために使用することができる。次いで方法500は選択ブロック514に進み、ここで酸素生成サブシステムは、ブロック508を参照にして上記の様式と実質的に同じ様式で、他のセンサー情報に従い提供された電力を使用して酸素流を生成することができる。
【0057】
次に方法500はブロック504へ戻り、ここで創傷の酸素供給システム中の酸素生成サブシステムにより経験される湿度を示す湿度情報が受信され、そして方法500はブロック504-508にループバックし、そして幾つかの場合では選択ブロック510-514にループバックして、酸素流を制限気流エンクロージャーへ提供する。このように酸素が創傷に提供され、そして幾つかの場合では連続的に変動してその創傷の治癒を強化する。さらに上記教示の組み合わせにより、1より多くの創傷の治癒の強化を提供することができる。例えば図11は、脚1100にも第2の、より小さい創傷を含む脚604の創傷602がある図6の患者600を具体的に説明する。具体的に説明する態様では、包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800の態様が比較的大きな創傷602に提供され、これは外部の携帯電源1102(例えば電池、太陽エネルギー集熱衣類、等)への接続(電力サブシステム206により提供される電力コネクターを介して)を用い、この電源はより大きい創傷602へ創傷の酸素供給システム200による酸素生成レベルを上げるように提供され、そして患者600に装着され得る(例えばベルト上、ポケット内、等)。加えて包帯サブシステム/創傷の酸素供給システム800の態様は、脚1100の比較的小さい創傷に提供され、そしてこれは脚1100のより小さい創傷に創傷の酸素供給システム200による十分な酸素生成を提供するために、十分な内部電力(例えば内部電池を介して)を含む。具体的に説明するように、制御装置400は、上記と実質的に同じ様式で患者600により利用される多数の創傷の酸素供給システムの制御に提供されることができる。
【0058】
さらに図12は、単一の創傷の酸素供給システム100がどのように上記のような患者の多数の創傷を処置するために使用できるかを具体的に説明する。例えば図12では第1の包帯サブシステム700が患者600の肩の創傷に配置されると同時に、
第2の包帯サブシステム700が患者600の脚604の創傷に配置され、そしてそれら各第1および第2包帯サブシステム700が、創傷の酸素供給システム100の外枠部102の酸素出口(1もしくは複数)に結合された。このように外枠部102は多数の酸素生成サブシステムを収容することができ、それぞれが専用の酸素出口、センサーサブシステムおよび/または上記の他の機能を持ち、そしてそれぞれが上記に記載したものと実質的に同じ様式で創傷に酸素を供給するように構成されている。さらに幾つかの態様では、単一の酸素生成サブシステムが単一の酸素出口に結合され、センサーサブシステムの単一セットを含み、そして多数の創傷に(多数の配管分岐管を介して、等)結合されてそれら多くの創傷に実質的に上記と同じ様式で酸素を供給することができる。このように本開示を所有する当業者は、本開示の範囲内にありながらも、多くの創傷を処置することを可能にするために、様々な修飾を本開示のシステムおよび方法に行うことができると認識するだろう。
【0059】
上記の機能性に加えて、創傷の酸素供給システム100および200は、それらの入力サブシステム(例えば創傷の酸素供給システム100の入力サブシステム110、入力情報を創傷の酸素供給システム200に送信するために創傷の酸素供給システム通信サブシステム412を使用することができる制御装置400上の入力サブシステム410、等)を介して様々な入力情報を受信し、かつ/またはそれらのディスプレイサブシステム(例えば創傷の酸素供給システム100上のディスプレイサブシステム108、創傷の酸素供給システム200からの表示情報を受信するために創傷の酸素供給システム通信サブシステム412を使用することができる制御装置400上のディスプレイサブシステム408、等)を介して様々な表示情報を表示するように作動することができる。例えば入力情報は、酸素生成サブシステム116/208により生成される所望の酸素流速に調整するための制御指令、創傷の酸素供給システム100および/または200が更新されるコーズ(cause)ソフトウェア、および/または本開示を所有する当業者には明白な任意の他の様々な入力情報を含むことができる。別の例では、表示情報は酸素生成サブシステム116/208により生成される現在の酸素流速、創傷の酸素供給システム100および/または200のソフトウェア更新状況、および/または本開示を所有する当業者には明白な任意の他の様々な表示情報の表示を含むことができる。
【0060】
さらに創傷の酸素供給システム100および/または200内(およびまたは制御装置400の場合には創傷の酸素供給システム200と関連して)に提供される通信サブシステムは、他の実体(entities)とも通信するために使用できる。例えば創傷の酸素供給システム100は、創傷の酸素供給システム100の少なくとも1つの続く操作に使用するデータ(例えば指令を操作する)をダウンロードするために、かつ/または創傷の酸素供給システム100の事前の操作を記載するデータ(例えば事前に作成されたデータ)をアップロードするために、その通信サブシステムを使用することができる。同様に制御装置400は、創傷の酸素供給システム200の少なくとも1つの続く操作に使用するデータ(例えば指令を操作する)をダウンロードするために、そして場合によっては創傷の酸素供給システム200にそのデータを提供するために、かつ/または創傷の酸素供給システム100の事前の操作を記載するデータ(例えば事前に作成されたデータ)をアップロードするために、その通信サブシステムを使用することができる。このように創傷の酸素供給システムにより作成され、そしてその創傷の酸素供給システムの使用を記載するデータは保存され、そして介護者または他の実体に報告され、そして介護者または他の実体は患者を遠隔で介護するために創傷の酸素供給システムの操作を遠隔で制御することができる。
【0061】
このように酸素生成サブシステムにより作成され、そして創傷に隣接する制限気流エンクロージャーへ酸素出口を通って提供される酸素流を制御するために、酸素生成サブシステムにより経験される湿度をモニターし、そして電力サブシステムにより酸素生成サブシステムへ提供される電力を制御するためにその湿度レベルを使用するシステムおよび方法を記載した。本開示のシステムおよび方法は、上記の創傷処置システムで使用される従来のフローセンサーサブシステムを、本明細書に記載する湿度センサーサブシステムに置き換えることを可能とし、創傷の酸素供給システムの経費とサイズの低下を提供すると同時に、それでも創傷部位への低用量の組織酸素付加および連続的な酸素調節能を可能とし、従来の創傷処置システムが低湿度環境で経験する創傷部位への欠乏した酸素供給を防止し、しかも酸素生成サブシステムに提供される電力の増加に関連する問題を防ぎ、そのような低湿度環境から生じる酸素生成能の低下に取り組む。
【0062】
具体的説明の態様を示し、そして記載したが、広範囲の修飾、変更および代替が前記開示では企図され、そして場合によっては、これら態様の幾つかの機能は、他の機能の対応する使用無しで使用され得る。したがって添付する特許請求の範囲は広く、しかも本明細
書に開示する態様の範囲と一致する様式で解釈されることが適切である。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素出口を定める外枠部;
外枠部に含まれ、そして酸素出口に結合された酸素生成サブシステム;および
酸素生成サブシステムに結合され、且つ、複数の異なる各電力量について、異なる湿度レベルの範囲にわたり酸素生成サブシステムの酸素出力に関係する、酸素生成制御データを含む酸素生成制御データベースを含む、制御サブシステムを含んでなる、
創傷の酸素供給システムであって、制御サブシステムが:
酸素生成サブシステムが経験する外枠部内の湿度を示す湿度情報を受信し;
酸素生成制御データベースから湿度情報を利用して、酸素生成サブシステムに所望の酸素出力を生成させるように構成された電力量を含む第1酸素生成制御データを検索し;
酸素出口を通って制限気流エンクロージャーに提供される所望の酸素出力を酸素生成サブシステムに生成させるために、電力量を酸素生成サブシステムに提供させる;
ように構成された、創傷の酸素供給システム。
【請求項2】
さらに:
外枠部に位置し、酸素生成サブシステムおよび制御サブシステムに結合され、そして電力を酸素生成サブシステムに提供するように構成された電力サブシステムを含んでなる請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
さらに:
外枠部に位置し、そして圧力情報を制御サブシステムに提供するように構成された圧力センサーを含んでなる請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
酸素生成制御データベースが、外枠部内に含まれている請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
さらに:
外枠部上に含まれ、そして制御サブシステムに結合されたディスプレイサブシステム;および
外枠部上に含まれ、そして制御サブシステムに結合された入力サブシステムを含んでなり、制御サブシステムが:
ディスプレイサブシステム上のディスプレイに表示情報を提供し;そして
入力サブシステムから入力情報を受信する、
ように構成されている請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
入力サブシステムが、ディスプレイサブシステムに組み込まれたタッチスクリーン入力サブシステムを含む請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
さらに:
制御サブシステムに結合されたデータ通信サブシステムを含んでなり、制御サブシステムが:
データ通信サブシステムを使用して、システムの少なくとも1つの後の操作に使用するためのデータをダウンロードすること;および
データ通信サブシステムを使用して、システムの少なくとも1つの事前捜査中に作成したデータをアップロードすること、
の少なくとも1つを行うように構成されている請求項1に記載のシステム。
【外国語明細書】