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特開2024-57092ナビゲーションフィデューシャルを用いるインプラント
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057092
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】ナビゲーションフィデューシャルを用いるインプラント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/14 20060101AFI20240416BHJP
【FI】
A61F2/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024033798
(22)【出願日】2024-03-06
(62)【分割の表示】P 2022573295の分割
【原出願日】2021-05-28
(31)【優先権主張番号】63/031,888
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510102122
【氏名又は名称】マテリアライズ・ナムローゼ・フエンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】MATERIALISE NV
【住所又は居所原語表記】Technologielaan 15,B-3001 Leuven,Belgium
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ゲベレン,ベンジャミン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】骨構造の欠損を矯正するためのインプラントを製造及び使用するためのシステムを提供する。
【解決手段】インプラントは、骨構造の表面と接合するように構成された形状を含む第1の表面を含む。いくつかの実施例において、インプラントは、第1の表面の反対側であり、且つ第1の表面の計上に実質的に共形である第2の表面を含み、第2の表面は、第2の表面上の三つ以上の点特徴を含み、三つ以上の点特徴は、三角形のノードを形成する、第1の点特徴、第2の点特徴、及び第3の点特徴を含み、三つ以上の点特徴の各々は、第2の表面の下に凹んでいる。
【選択図】図5D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨構造の欠損を矯正するためのインプラントであって、前記インプラントは、
前記骨構造の表面と接合するように構成された形状を含む、第1の表面、及び
前記第1の表面の反対側であり、且つ前記第1の表面の前記形状に実質的に共形である、第2の表面を含み、
前記第2の表面は、
前記第2の表面上の三つ以上の点特徴を含み、
前記三つ以上の点特徴は、三角形のノードを形成する、第1の点特徴、第2の点特徴、及び第3の点特徴を含み、前記三つ以上の点特徴の各々は、前記第2の表面の下に凹んでおり、
前記三つ以上の点特徴の内の少なくとも一つは、前記第2の表面に対して接線方向に近い角度を成すスタイラスの先端を受け入れるように構成された窪みを含む、インプラント。
【請求項2】
前記三つ以上の点特徴の内の少なくとも一つは、前記第1の表面から前記第2の表面まで前記インプラントを貫通する穴を含む、請求項1に記載のインプラント。
【請求項3】
前記窪みは、楔形又は細長い窪みである、請求項1に記載のインプラント。
【請求項4】
前記三つ以上の点特徴の内の少なくとも一つを部分的に取り囲む、前記第2の表面上の隆起リッジを更に含む、請求項1に記載のインプラント。
【請求項5】
前記隆起リッジは、前記三つ以上の点特徴の内の前記少なくとも一つを遠位側で取り囲む、請求項4に記載のインプラント。
【請求項6】
前記隆起リッジは、前記第2の表面の遠位縁に続く、請求項4又は5に記載のインプラント。
【請求項7】
前記隆起リッジは、前記三つ以上の点特徴の内の前記少なくとも一つで、コーナー、フック、ノッチ、又はギャップの内の少なくとも一つを含む、請求項4又は5に記載のインプラント。
【請求項8】
前記コーナー、フック、ノッチ、又はギャップは、前記第2の表面に対して実質的に接線方向に角度付けられたスタイラスの先端を受け入れるように構成される、請求項7に記載のインプラント。
【請求項9】
前記隆起リッジは、前記三つ以上の点特徴の第1の点特徴から前記三つ以上の点特徴の第2の点特徴まで延在する、請求項4又は5に記載のインプラント。
【請求項10】
前記第2の表面上に他の隆起リッジを更に含み、前記他の隆起リッジは、前記三つ以上の点特徴の前記第2の点特徴から前記三つ以上の点特徴の第3の点特徴まで延在する、請求項9に記載のインプラント。
【請求項11】
前記隆起リッジ及び前記他の隆起リッジは、前記第2の表面上に連続的な稜線を形成する、請求項10に記載のインプラント。
【請求項12】
前記隆起リッジは、前記隆起リッジの側面に複数の突起を含む、請求項4又は5に記載のインプラント。
【請求項13】
前記側面は、前記隆起リッジの遠位側である、請求項12に記載のインプラント。
【請求項14】
前記隆起リッジの上部から前記第2の表面への前記隆起リッジの側面に、段階的な移行部を更に含む、請求項4又は5に記載のインプラント。
【請求項15】
前記側面は、前記隆起リッジの遠位側である、請求項14に記載のインプラント。
【請求項16】
前記隆起リッジは、スタイラスの先端を受け入れるための凹面を含む、請求項4又は5に記載のインプラント。
【請求項17】
前記凹面は、前記隆起リッジの近位側である、請求項16に記載のインプラント。
【請求項18】
前記三つ以上の点特徴の第1の点特徴と、前記三つ以上の点特徴の第2の点特徴との間の経路に沿って延在する一つ以上の隆起リッジを更に含み、前記一つ以上の隆起リッジの各々は、前記経路の第1の側面に位置し、前記経路の第2の側には位置しない、請求項1~5のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項19】
前記経路の前記第1の側面は、前記経路の遠位側である、請求項18に記載のインプラント。
【請求項20】
前記第1の表面から前記第2の表面まで前記インプラントを貫通する複数の穿孔を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項21】
前記三つ以上の点特徴の第1の点特徴と前記三つ以上の点特徴の第2の点特徴との間の経路は、前記複数の穿孔を含まない、請求項20に記載のインプラント。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2020年5月29日に出願された米国仮特許出願第63/031,888号の利益及び優先権を主張し、その全体が以下に、及び全ての適用可能な目的のために、完全に記載されているように、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
〔本開示の分野〕
本出願は、ナビゲーションフィデューシャルを用いるインプラントを製造及び使用するための方法及び装置に関する。
【0003】
〔関連する技術の説明〕
外傷、腫瘍組織の切除、先天異常、及び他の欠損は、骨組織の喪失をもたらし得る、又はそうでなければ、ヒトの目を取り囲み、サポートする複雑で比較的薄い骨構造といった、骨構造を破壊し得る。例えば、眼窩壁、特に眼窩底におけるそういった欠損は、眼球をその自然な位置から離れさせ、潜在的に、ぼやけた視覚、審美的に不快な外見、及び場合によっては眼瞼を完全に閉じることができないことをもたらす可能性がある。こういった欠損は、再建手術及び外傷手術において、難しい内骨修復及び固定の問題点を呈する。
【0004】
いくつかの実施例において、欠損の内部修復及び骨折の固定のためにインプラントを使用することができる。典型的には、インプラントは、薄板の形態をとることができる。インプラントは、平坦に製造される、又は特定の形に事前に曲げられ得、更に、個別の患者の解剖学的構造に適合するように手術中に成形され得る。いくつかの実施例において、インプラントは、患者固有の形態を有することができ、形状、円周、及び表面輪郭は、個別の患者の解剖学的構造に合致するように設計される。患者固有のインプラントは一般に、患者の解剖学的構造により良好な適合を提供し、術中の形成が低減されるため、より容易な移植を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、眼窩インプラント手術、及び多くの他の手術において典型的であるように、目窩などの解剖学的構造の形状及びアクセシビリティは、移植すると、インプラントの特定の領域が軟質組織(例えば、及び眼球)の下に位置し得、それによって、これらの領域は視界から不明瞭になる。一実施例において、手術中に、眼球の元の位置を復元するためのインプラントの設置は、最初に達成されない場合、外科医は、インプラントを除去し、再形成する必要があり、又は場合によってはインプラント材料を用いて目窩の特定の領域さえも除去し、再形成する必要があり、結果として、長時間の試行錯誤を要する手術が生じ得る。
【0006】
眼球の元の位置をできるだけ近くに復元することは、審美的な理由だけでなく、かすみ目を避けるためにも重要である。したがって、眼球の自然に近い初期の再配置の機会を増加させることが重要である。これら及び他の問題点を考慮して、インプラントの移植が成功する可能性を改善する装置及び方法が、本明細書に記載される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
特定の態様は、(例えば、眼窩)骨構造の欠損を矯正するための(例えば、眼窩)インプラントに関する。インプラントは、骨構造の表面(例えば、眼窩骨構造の底及び/又は縁)と接合するように構成された形状を含む第1の表面を含む。インプラントはまた、第1の表面の反対であり、第1の表面の形状に実質的に共形である、第2の表面を含み、第2の表面は、第2の表面上の三つ以上の点特徴を含み、三つ以上の点特徴は、三角形のノードを形成する、第1の点特徴、第2の点特徴、及び第3の点特徴を含み、三つ以上の点特徴の各々は、第2の表面の下に凹んでいる。
【0008】
特定の態様は、骨構造の欠損を矯正するための方法に関する。本方法は、インプラントの第1の表面を骨構造の欠損上に位置決めする工程と、骨構造の表面(例えば、眼窩骨構造底及び/又は縁)と接合するように構成された形状を含む第1の表面、及び第1の表面の反対であり、第1の表面の形状に実質的に共形である第2の表面を含み、第2の表面は、三つ以上の点特徴を含み、三つ以上の点特徴は、三角形のノードを形成する、第1の点特徴、第2の点特徴、及び第3の点特徴を含み、三つ以上の点特徴の各々は、第2の表面の上に隆起する、又は第2の表面の下に凹んでいる内の少なくとも一つである。本方法はまた、(i)インプラントの計画された形状に対するインプラントの形状、又は(ii)患者におけるインプラントの計画された位置に対する患者におけるインプラントの位置、の内の一つ又は複数を比較するために、スタイラスが三つ以上の点特徴の各々によって受け入れられるまで、第2の表面に沿ってナビゲーションシステムのスタイラスをトレースする工程を含む。
【0009】
いくつかの態様は、骨構造の欠損を矯正するためのインプラントを生成するための方法を対象とする。本方法は、インプラントの設計を受け入れる工程を含み、設計は、付加製造装置に対応する構築領域に対するインプラントの形状、サイズ、及び位置を示す。インプラントの設計は、骨構造の表面(例えば、眼窩骨構造底及び/又は縁)と接合するように構成された形状を含む第1の表面、及び第1の表面の反対であり、第1の表面の形状に実質的に共形である、第2の表面を含む。第2の表面は、第2の表面上に三つ以上の点特徴を含み、三つ以上の点特徴は、三角形のノードを形成する、第1の点特徴、第2の点特徴、及び第3の点特徴を含む。三つ以上の点特徴の各々は、第2の表面の上に隆起する、又は下に凹んでいる、のうち少なくとも一つである。本方法はまた、付加製造を使用してインプラントの製造を引き起こす工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、三次元(3D)物体の設計、ビルドシミュレーション、及び製造の実施形態に適したコンピュータ環境の一実施例を示す図である。
図2図2は、図1のコンピュータの一実施例を示す機能ブロック図である。
図3図3は、3D物体又は装置を製造するための工程を示す図である。
図4A図4Aは、3D物体を生成するための例示的な付加製造装置を示す図である。
図4B図4Bは、図4Aの再コーティング機構の代わりに使用され得る再コーティング機構(例えば、レベリングドラム/ローラ)を示す図である。
図5A図5Aは、患者の右側の目のソケットの眼窩底上に設置された一例としての眼窩インプラントを示す図である。
図5B図5Bは、患者の右側の目のソケットの眼窩底上に設置された一例としての眼窩インプラントを示す図である。
図5C図5Cは、患者の右側の目のソケットの眼窩底上に設置された一例としての眼窩インプラントを示す図である。
図5D図5Dは、患者の右側の目のソケットの眼窩底上に設置された一例としての眼窩インプラントを示す図である。
図5E図5Eは、患者の右側の目のソケットの眼窩底上に設置された一例としての眼窩インプラントを示す図である。
図6A図6Aは、本開示の態様に従った、一例としての既製の眼窩インプラント、及び移植のための曲げられた形状の同じインプラントを示す図である。
図6B図6Bは、本開示の態様に従った、一例としての既製の眼窩インプラント、及び移植のための曲げられた形状の同じインプラントを示す図である。
図7図7は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラントを示す図である。
図8図8は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラントを示す図である。
図9図9は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラントを示す図である。
図10図10は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラントを示す図である。
図11図11は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラントを示す図である。
図12図12は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラントを示す図である。
図13図13は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラントを示す図である。
図14図14は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラントを示す図である。
図15図15は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラントを示す図である。
図16図16は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラントを示す図である。
図17図17は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラントを示す図である。
図18図18は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラントを示す図である。
図19図19は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラントを示す図である。
図20図20は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラントを示す図である。
図21図21は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラントを示す図である。
図22図22は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラントを示す図である。
図23図23は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラントを示す図である。
図24図24は、本開示の態様に従った、隆起リッジの様々な実施例を示す図である。
図25図25は、光学インプラントを使用する例としての動作を示すフロー図である。
図26図26は、ナビゲーションシステムの概念的な実施例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に開示される装置及び方法は、ナビゲーションフィデューシャルを有するインプラントを作製するための技術、並びに改善された外科移植及び欠損解消処置のためにインプラントを使用するための技術を含む。本開示の態様は、眼窩インプラントによって例示されるが、当業者は、他のタイプのインプラント、特に、患者の身体内への導入中に視界から部分的又は完全に隠されるインプラント、又は患者の解剖学的構造によりよく合うように成形され得るインプラントにも、それらが適用されることを容易に理解するであろう。特定の態様において、眼窩インプラントは、薄い板(時には穿孔された)又はメッシュを含む。本開示の特徴は、以下の特定の実施形態及び図に関して論じられ得るが、本開示の全ての実施形態は、本明細書で論じられる有利な特徴のうちの一つ又は複数を含み得る。言い換えれば、一つ又は複数の実施形態は、特定の有利な特徴を有するものとして説明され得るが、そのような特徴の内の一つ又は複数も、本明細書で説明される様々な他の実施形態に従って使用され得る。同様に、例示的な実施形態は、装置、器具、又は方法の実施形態として以下で説明され得るが、そのような例示的な実施形態は、様々な装置、器具、及び方法で実施され得ることを理解されたい。明示的に言及されない限り、本明細書に開示される全ての方法の工程は、コンピューティング装置によって完全に実行され得る、コンピューティング装置によって部分的に実行され得る、又は医療専門家、若しくは技術者などの非医療専門家などの熟練ユーザによって部分的に若しくは完全に実行され得る。従って、「専門家(specialist)」という単語は、そういった熟練した医学的又は非医学的ユーザを指す。例えば、インプラントの設計及び製造のために記載された全ての方法の工程は、限定されるものではないが、画像セグメンテーション、欠損再構成、インプラント設計、インプラント曲げ及びインプラント製造を含み、コンピューティング装置によって完全に実行されてもよく、コンピューティング装置によって部分的に実行されてもよく、又は医療専門家、若しくは技術者といった、非医療専門家といった、熟練ユーザによって部分的に、若しくは完全に実行されてもよい。
【0012】
本開示において、インプラントのコンテキストにおける「遠位」及び「近位」という用語は、インプラントが患者の解剖学的構造に対してその計画された位置にあるとき、インプラントを配置する専門家に対する位置を指す。例えば、インプラントの遠位縁は、インプラントがその計画された移植された位置にあるときに、専門家から最も遠い縁である。本開示において、インプラントのコンテキストにおける「前方」及び「後方」という用語は、インプラントが患者の解剖学的構造に対してその計画された位置にあるときの、患者の解剖学的構造に対する位置を指す。例えば、インプラントの前縁は、インプラントがその計画された移植された位置にあるとき、患者の最前面の縁である。
【0013】
特定の態様において、眼窩インプラントは、任意の適切なコンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェア、及び/又は3D物体を設計、シミュレート、及び/又は製造するための任意の適切なシステムを使用して、コンピュータシステム上で設計され得る。図1を参照すると、3D物体設計、ビルドシミュレーション、製造の実施形態に適したコンピュータの実施例を示した。環境は、システム100を含む。システム100は、例えば任意のワークステーション、サーバー、又は情報処理可能な他のコンピュータ装置であってよい、一つ又は複数のコンピュータ102a~102dを含む。いくつかの実施形態において、コンピュータ102a~102dの各々は、任意の好適な通信技術(例えば、インターネットプロトコル)によって、ネットワーク105(例えば、インターネット)に接続することができる。従って、コンピュータ102a~102dは、ネットワーク105を介して互いに情報(例えば、ソフトウェア、3次元(3D)物体のデジタル表現、付加製造装置を動作させるコマンド又は命令など)を送信及び受信することができる。
【0014】
システム100は、一つ以上の付加製造装置(例えば、3Dプリンタ)106a~106bを更に含む。図示されるように、付加製造装置106aは、コンピュータ102dに直接接続され(及びネットワーク105を介してコンピュータ102a~102cに接続されたコンピュータ102dによって)、付加製造装置106bは、ネットワーク105を介してコンピュータ102a~102dに接続される。従って、付加製造装置106は、コンピュータ102に直接接続されてもよく、ネットワーク105を介してコンピュータ102に接続されてもよく、及び/又は別のコンピュータ102及びネットワーク105を介してコンピュータ102に接続されてもよいことを当業者は理解するであろう。
【0015】
システム100は、ネットワーク及び一つ又は複数のコンピュータに関して説明されるが、本明細書で説明される技法は、付加製造装置106に直接接続され得る単一のコンピュータ102にも適用されることに留意されたい。
【0016】
図2は、図1のコンピュータの一実施例の機能ブロック図を示す。コンピュータ102aは、メモリ220とデータ通信するプロセッサ210、入力装置230、及び出力装置240を含む。いくつかの実施形態において、プロセッサは更に、任意のネットワークインターフェースカード260とデータ通信する。別々に説明したが、コンピュータ102aに関して説明した機能ブロックは、別々の構造要素である必要はないことを理解されたい。例えば、プロセッサ210及びメモリ220は、シングルチップで具現されることができる。
【0017】
プロセッサ210は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)若しくは他のプログラマブル論理装置、ディスクリートゲート若しくはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェア構成要素、又は本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の適切な組合せであってよい。プロセッサはまた、例えばDSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する一つ又は複数のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそういった構成など、計算装置の組み合わせとして実施され得る。
【0018】
プロセッサ210は、一つ又は複数のバスを介して、メモリ220から情報を読み出す、又はそれに情報を書き込むように結合され得る。プロセッサは追加的に、又は代替的に、プロセッサレジスタといった、メモリを含むことができる。メモリ220は、異なるレベルが異なる容量及びアクセス速度を有するマルチレベル階層キャッシュを含む、プロセッサキャッシュを含むことができる。メモリ220はまた、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他の揮発性記憶装置、又は不揮発性記憶装置を含むことができる。記憶装置は、ハードドライブ、フラッシュメモリなどを含むことができる。
【0019】
プロセッサ210はまた、コンピュータ102aのユーザからの入力を受信し、ユーザに出力を提供するために、それぞれ入力装置230及び出力装置240に結合され得る。適切な入力装置は、キーボード、ボタン、キー、スイッチ、ポインティング装置、マウス、ジョイスティック、リモートコントロール、赤外線検出器、バーコードリーダ、スキャナ、ビデオカメラ(例えば、手のジェスチャ又は顔のジェスチャを検出するためのビデオ処理ソフトウェアに結合されていてよい)、動き検出器、又はマイクロフォン(例えば、音声命令を検出するための音声処理ソフトウェアに結合されていてよい)が含まれるが、これらに限定されない。適切な出力装置は、表示及びプリンタを含む、視覚出力装置、スピーカー、ヘッドホン、イヤフォン、及びアラームを含む音声出力装置、付加製造装置、並びに触覚出力装置を含むが、これらに限定されない。
【0020】
プロセッサ210は更に、ネットワークインターフェースカード260に結合されてもよい。ネットワークインターフェースカード260は、プロセッサ210によって生成されたデータを、一つ以上のデータ送信プロトコルに従ってネットワークを介して送信するために準備する。また、ネットワークインターフェースカード260は、一つ以上のデータ送信プロトコルに従って、ネットワークを介して受信されたデータを復号化する。ネットワークインターフェースカード260は、送信機、受信機、又はその両方を含むことができる。他の実施形態において、送信機及び受信機は、二つの別の構成要素であり得る。ネットワークインターフェースカード260は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、若しくは他のプログラマブル論理装置、ディスクリートゲート、若しくはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェア構成要素、又は本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の適切な組合せとして実施することができる。
【0021】
図3は、3D物体又は装置を製造するためのプロセス300を示す。図示したように、工程305において、物体のデジタル表現は、コンピュータ102aといった、コンピュータを使用して設計される。例えば、2次元(2D)又は3Dデータは、3D物体のデジタル表現の設計を支援するために、コンピュータ102aに入力されてもよい。工程310に進むと、3D物体に対応する情報は、コンピュータ102aから付加製造装置106といった、付加製造装置に送信され、装置106は、受信された情報に従って3D物体を生成するための製造プロセスを開始する。工程315において、付加製造装置106は、ポリマー又は金属粉末といった、適切な材料を使用して、3D物体を製造し続ける。更に、工程320において、3D物体が生成される。
【0022】
図4Aは、3D物体を生成するための一例としての付加製造装置400を示す。この実施例において、付加製造装置400は、レーザ焼結装置である。レーザ焼結装置400は、一つ又は複数の3D物体を層ごとに生成するために使用され得る。レーザ焼結装置400は、例えば造形プロセスの一部として一度に物体を造形するために、粉末414といった、粉末(例えば、金属、ポリマーなど)を利用することができる。
【0023】
連続する粉末層は、例えば再コーティング機構415A(例えば、再コーティングブレード)を使用して、互いの上に広げられる。再コーティング機構415Aは、例えば図示の方向に、又は再コーティング機構415Aが、例えば造形の別の層のために造形領域の他方の面から始まる場合、逆方向に、造形領域を横切って移動するとき、層のための粉末を堆積する。堆積後、コンピュータ制御二酸化炭素(CO2)レーザビームは、表面を走査し、製品の対応する断面の粉末粒子を選択的に共に結合する。いくつかの実施形態において、レーザ走査装置412は、X軸及びY軸の可動赤外レーザ源である。従って、レーザ源は、そのビームを粉末の最上層の特定の位置に向けるために、X軸に沿って、及びY軸に沿って移動させることができる。代替的に、いくつかの実施形態において、レーザ走査装置412は、固定レーザ源からレーザビームを受け取り、それを可動ミラー上で偏向させて、ビームを装置の作業領域内の指定された場所に方向付けるレーザスキャナを含んでよい。レーザ露光の間、粉末は、材料(例えば、グラス、ポリマー、金属)転移点を超えて上昇し、その後、隣り合う微粒子が共に流れて3D物体を作り出す。装置400はまた、任意で、放射ヒーター(例えば、赤外線ランプ)及び/又は大気制御装置416を含んでもよい。放射ヒーターは、新しい粉末層の再コーティングとその層の走査との間に粉末を予熱するために使用されてもよい。いくつかの実施形態において、放射ヒーターは、省略されてもよい。大気制御装置は、例えば、粉末酸化といった、望ましくない状況を回避するために、処理全体にわたって使用されてもよい。
【0024】
図4Bに関して示されるような、いくつかの他の実施形態において、再コーティング機構415Aの代わりに、再コーティング機構415B(例えば、レベリングドラム/ローラ)は、使用されてもよい。従って、粉末は、粉末容器428(a)及び428(b)から成形物体424を保持するリザーバ426内に粉末を押し込む一つ又は複数の可動ピストン418(a)及び418(b)を使用して分配され得る。リザーバの深さはまた、可動ピストン420によって制御され、これは、追加の粉末が、粉末容器428(a)及び428(b)からリザーバ426に移動することにつれて、下方への移動によってリザーバ426の深さを増加させる。再コーティング機構415Bは、粉末容器428(a)及び428(b)からリザーバ426内に粉末を押し込む、又は圧延する。図4Aに示される実施形態と同様に、図4Bの実施形態では、層の再コーティングと走査との間で粉末を予熱するために、放射ヒーター416のみを使用してもよい。
【0025】
〔例としての眼窩インプラント〕
図5A~5Eは、患者に眼窩インプラントを移植する様々な段階を示す図である。
【0026】
図5Aは、患者の右側目ソケット500の眼窩底における欠損508のコンピュータ生成三次元(3D)モデルの一実施例を示す。熟練のユーザは、インプラントの理想的な配置及び形状をより良くモデル化するために、欠損508のモデルを生成してもよい。例えば、図5Bは、図5Aのモデルの実施例を示しており、欠損508を取り囲む健康な解剖学的表面は、再構成された解剖学的表面510と合わせている(例えば、再構成された解剖学的表面510は、左側の目窩における患者の眼窩底の鏡像である)。所望の骨構造のこのモデルは、(例えば、付加製造によって)所望の骨構造の物理モデルを生成するために使用してもよく、これは、既製のインプラントを事前に曲げるための曲げ成形としての役割を果たしてもよく、又は患者固有のインプラントを設計及び製造するために使用することができる。
【0027】
図5Cは、患者の右側目ソケット500の眼窩底の欠損508の上に設置されたモデルの既製の眼窩インプラント520の一実施例を示す図である。ここで、図5A及び5Bの3Dモデルは、図5Bの健康な解剖学的表面510を最もよく模倣するために、既製の眼窩インプラント520の部分が曲げられる又は再成形されるべき程度を決定するためのベースを提供する。既製の眼窩インプラント520は、ネジといった、固定要素によって眼窩骨格の縁506に取り付けられるように構成された三つの延伸512を含む。曲げ又は再成形された既製のインプラントの3Dモデルは、図5Eに示されるような、曲げモールドを設計及び製造するために、使用され得る。図5Eは、既製のインプラントを術前又は術中に曲げるための一例としての曲げモールド550を示す図である。
【0028】
図5Dは、患者の右側目ソケット500の眼窩底504の上に設置され、眼窩骨構造の縁506に取り付けられた、モデル患者固有の眼窩インプラント502の一実施例を示す図である。ここで、図5A及び5Bの3Dモデルは、図5Bの健康な解剖学的表面510を最良に模倣するために、患者固有の眼窩インプラントの形状を設計するためのベースを提供する。
【0029】
上述したように、患者固有の眼窩インプラント502は、患者の眼窩骨構造に関する情報に基づいて設計されてもよい。そういった情報は、例えばコンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴画像化(MRI)スキャン、超音波画像、又は他の適切な医療用画像化モダリティからの画像内に発見され得る。(例えば、マテリアライズミミックスソフトウェアによって、)「セグメンテーション」と呼ばれるプロセスによって、これらの医療画像内の情報を使用して、患者の眼窩骨構造の仮想3Dモデルを開発することができる。CADソフトウェアの使用により、眼窩インプラント502は、構造欠損を解消するために、患者の眼窩骨構造の一部と嵌合するように特に設計され得る。次いで、眼窩インプラント502は、チタン、チタン合金、ステンレス鋼、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などといった、任意の適切な材料を用いたインプラントレーザ焼結又はインプラントレーザ溶融といった、上述した付加製造技術を使用することによって製造することができる。
【0030】
いくつかの実施例において、眼窩骨構造における欠損は、専門家が所望の骨構造を正確にモデル化する3Dモデルを開発することを妨げ得る。そういった場合において、専門家は、その側が無傷である場合、反対側の眼窩骨構造を代わりにモデル化することができる。従って、対側性の目ソケットを含む仮想3Dモデルの少なくとも一部の鏡像は、欠損を取り囲む健康な組織と位置合わせされ、眼窩インプラント502の設計のための鋳型として使用され得る。代替的に、眼窩骨構造の統計的形状モデル(SSM)は、健常又は無傷の組織及び/又は欠損を取り囲む骨に基づいて眼窩骨構造をモデル化するために使用され得る。例えば、デジタル画像又はデジタル画像の積み重ねを多数のセグメント(例えば、ピクセル又はボクセルのセット)に分割又は分割することに基づいて、SSMは、構成され得る。次に、セグメンテーションは、画像の表現を、ワイヤフレームモデル又は表面モデルといった、3次元モデルといった、分析するのが比較的容易なものに変更し、ピクセル又はボクセルのそのようなセットのうちの一つ又は複数を包む。いくつかの実施例において、デジタル画像は、解剖学的関心領域といった、物体及び/又は境界を位置付けするために分析される。この場合において、解剖学的関心領域は、眼窩骨構造を含むことができる。トレーニングセットの統計解析(例えば、母集団の標本からのそのような三次元モデルの数)に基づいて、SSMは、作成され得、SSMは、母集団全体を表すと仮定されるトレーニングセットのメンバ間の形状変化の間の相関を符号化する三次元変形可能表現である。SSMは、限られた長さのベクトルによって特徴付けられる。このベクトルの座標に値を割り当てることによって、SSMは、トレーニングセットに見られる形状変化と一致するように変形され得る。SSMが無傷の眼窩骨のトレーニングセットに基づいて作成されると、SSMは、健常又は無傷の組織及び/又は欠損を取り囲む骨に適合させることができる。このようにして得られたSSMの例は、欠損にまたがる部分を含み、欠損のない組織を表す形状を示すことができる。したがって、それは、所望の骨構造をモデル化する(すなわち、欠損を再構成する)ために使用され得る。所望の骨構造は、眼窩インプラント502を設計するための鋳型として使用され得る。こういったプロセスの利点は、眼球が元の位置に押し戻される可能性を増加させることであり、これは、患者固有の眼窩インプラント502の主な利点の一つである。いくつかの態様において、本開示は、以下に記載される患者固有のインプラントのいずれかを設計及び/又は製造するための上述のような方法に関する。
【0031】
術前計画は、患者固有の眼窩インプラント502の利点の多くを既製のインプラントに移すことができる(例えば、以下の図6A及び図6Bでより詳しく説明する既製の眼窩インプラント600を参照)。例えば、医療画像から患者の骨の解剖学的構造に関するデータを取得し(工程1)、上述した3Dモデル(例えば、図5Aを参照)を開発する(工程2)ために使用してもよい(例えば、眼窩骨構造のモデル)。眼窩インプラントの眼球に対向する面の対象形状は、次いで、3Dモデル、対側性の鏡像、及び/又はSSMを使用して設計され(工程3)、上述した所望の骨格をモデル化することができる。次いで、対象形状は、インプラントの厚さと等しい距離にわたって、骨に向かってオフセットされてもよい。次に、対象形状又は結果として生じるオフセットされた対象表面は、欠損を取り囲む患者の骨構造の3Dモデルと合わせて(工程4)、所望の骨構造の3Dモデル(例えば、図5Bを参照)を得て、曲げモールドとして機能させることができる。この曲げモールド、すなわち、所望の骨構造の物理的モデルは、ポリアミドといった、任意の適切な材料における付加製造技術を使用して、3Dモデルから製造することができる(工程5)。外科医、又は技能者若しくは技術者といった非医療専門家といった、熟練したユーザは次いで、このモールドを使用して、最も適切な既製のインプラント(例えば、図6Aを参照)の種類及び大きさを選択し、選択されたインプラントの構成を屈曲させ(工程6-図5Cを参照)、患者の解剖学的構造及び対象の形状に適合させることができる。いくつかの態様において、本開示は、そういった曲げモールド及び既製のインプラントのキットに関する。いくつかの態様において、本開示は、上述したような曲げモールドとしてサーブするために、及び/又は既製のインプラントを選択及び/又は曲げるために、所望の骨構造の物理的モデルを設計及び/又は製造するための上述した方法に関する。
【0032】
いくつかの実施例において、選択された既製の眼窩インプラントの曲げは、最初に、選択された既製のインプラントの3Dモデルと、患者の骨構造の3Dモデルとを使用してシミュレートされ得る。曲げは、眼窩インプラントの眼球に面する表面が対象の形状に密接に追従し、インプラントの骨に面する表面が欠損を取り囲む又は欠損に近接する骨構造に良好に着座するようにシミュレートされ得る(例えば、図5Cを参照)。シミュレートされた曲げは、医療専門家、又は技能者又は技術者といった、非医療専門家といった専門家がインプラントのための適切な位置を選択することを可能にし得る。これは、固定点(例えば、眼窩インプラントが骨組織に取り付けられる取り付け点)が良好な骨ストックを有する位置にあること、及びインプラントが神経などの繊細な解剖学的特徴を乱す又は傷つける可能性がある位置にないことを確実にすることができる。シミュレートされた曲げは、専門家が、欠損が十分に覆われ、過剰なインプラント材料がほとんどないことを確実にすることを、可能にし得る。いくつかの実施例において、眼窩インプラントを曲げるシミュレーションは、ライブラリからの最も適切なインプラントの種類、形状、及び/又は大きさの選択を含み得る。
【0033】
いくつかの実施例において、得られた仮想的な曲げの眼窩インプラントの形状は、命令に従ってインプラントを曲げるように構成されたシートメタル曲げ機械のための命令セットを生成するために使用され得る。代替的に、得られた形状は、眼球に対向する表面又はインプラントのシミュレートされた曲げの骨に対向する表面のいずれかと嵌合する曲げモールド(例えば、図5Eを参照)を設計するために使用され得る。例えば、曲げモールドは、平坦な下面を有する角柱形状といった、容易な操作に適した任意の形状を有してもよく、仮想的な曲げのインプラントの眼球に対向する表面又は骨に対向する表面のいずれかと嵌合するように構成された上面を有し得る。曲げモールドは、曲げインプラントの輪郭を描くためのマーキング、又はメッシュの開口又は固定要素を受けるための任意の開口といった、インプラントの縁に沿ってインプラント又はノッチの一つ又は複数の穿孔に受けるべき突起552を含み得る。曲げモールドは、ポリアミドといった、任意の適切な材料を使用して、上述の付加製造を使用して設計から製造することができる。次いで、熟練したユーザは、補助として任意のマーキング及び突起を使用して、インプラントが曲げモールドに適合するまで、インプラントを曲げることができる(図5Eを参照)。曲げインプラントは、次いで、任意選択でモールドと共に病院に出荷されてもよい。代替的に、モールドは、曲げられていないインプラントと共に病院に出荷されてもよい。次いで、外科医又は技術者は、補助として任意のマーキング及び突起を使用して、インプラントが曲げモールドに嵌合するまで、インプラントを曲げることができる。いくつかの態様において、本開示は、その元の状態又は事前に曲げられた状態のいずれかにおける、そういった曲げモールド及び既製のインプラントのキットに関する。いくつかの態様において、本開示は、既製のインプラントを選択及び/又は仮想的に曲げるための、曲げモールドを提供するための、及び/又は既製のインプラントを曲げるための、上述した方法に関する。
【0034】
眼窩インプラントが患者固有の形態で直接製造されるか、既製のインプラントを使用して術前計画手順に従って曲げられるかにかかわらず、患者のインプラントの正確な位置決めは、眼球の自然な位置を回復するために重要である。目ソケットの形状及びアクセシビリティは、眼窩インプラントをインプラントの片側で、一般的にインプラントの近位縁に沿って骨に固定することができるだけであることが多いようなものである。この縁に沿った計画された位置からのわずかなずれは、眼球に対向する面及びインプラントの遠位縁に沿った大きなずれにつながり得る。従って、場合によっては、ナビゲーションシステムは、外科処置中に使用されて、患者の解剖学的構造に対する眼窩インプラントの位置を検証し、この位置を、計画された位置又は計画された対象のインプラントの形状の内の一つ又は複数と比較することができる。
【0035】
手術ナビゲーションシステム(例えば、図26を参照)は、(i)(例えば、電子処理装置2606上に)ロードし、(例えば、画面ユニット2602上に)術中撮像機器(例えば、デジタル/フィルムカメラ、放射線撮影、磁気共鳴撮像(MRI)、コンピュータ断層撮影(CT)、蛍光透視法、超音波、超音波心臓検査法、陽電子放射断層撮影(PET)といった、核医学)からの画像又は画像フィードを表示すること、(ii)(例えば、電子処理装置2606上に)ロードし、(例えば、画面ユニット2602上に)術前に作製された患者の解剖学的構造の仮想3Dモデルを表示すること、(iii)(例えば電子処理装置2606上に)ロードし、(例えば、画面ユニット2602上に)インプラントといった、任意のハードウェアの術前に作製された仮想3Dモデルを表示すること、(iv)(例えば、赤外線センサ2610を使用して)器具のロケーション及び指向を追跡し、ナビゲーションシステムの座標系内のそれらの位置を決定する、(v)プローブ又はスタイラス(例えば、スタイラス2608)といった、追跡された器具を用いて、解剖学的構造の表面又は特定の解剖学的目印をスイープし、ナビゲーションシステムの座標系内のそれらの位置を決定する、(vi)インプラントといった、任意のハードウェアの表面をスイープすること、又はプローブ又はスタイラス(例えば、スタイラス2608)といった、追跡された器具を用いて、点、線、曲線、輪郭といった、ハードウェアの識別可能な特徴(例えば、ナビゲーションフィデューシャル)を示して、ナビゲーションシステムの座標系におけるそれらの位置を決定すること、及び(vii)ロードされた仮想3Dモデルと(a)術中撮像機器からの画像又は画像フィードとの間の関係を確立すること、及び/又は(b)仮想3Dモデルをナビゲーションシステムの座標系に正確に配置するために、追跡された器具を用いて収集されたデータの間の関係を確立する。例えば、(v)に基づいて収集されたデータは、ナビゲーションシステムの座標系において患者の位置を特定するために、及び/又は患者の解剖学的構造の患者及び術前に作成された仮想3Dモデルを共通の座標系にするために使用されてもよい。例えば、「実」座標系と「仮想」座標系との間に関係を確立することができ、これを行う一つの方法は、患者の解剖学的構造と、患者の解剖学的構造のロードされた術前に作られた仮想3Dモデルとの間の対応を確立するために、患者の解剖学的構造の表面をスイープすることによってである。
【0036】
論じられるように、3Dモデルは、画像から収集されたトポロジー的及び幾何学的情報を使用して、医療用画像から生成され得る。いくつかの実施例において、3Dモデルの座標系と実座標系との間の関係は、患者及び仮想3Dモデルの両方における対応する解剖学的目印を照合することによって確立される。他の実施例において、3Dモデルの座標系と実座標系との間の関係は、患者の解剖学的構造の軸に沿った同じ軌道に一致する幾何学的モデルの軸に沿った軌道を生成することと、軌道に沿って移動する三面体モデル化を行うこととによって確立される。
【0037】
患者がナビゲーションシステムの座標系に配置されると、ナビゲーションシステムに対する患者の任意の更なる動きは、患者の解剖学的構造2616に堅固に取り付けられたトラッカー2612によって追跡され得、任意で、スタイラス2608に取り付けられた別のトラッカー2614、及び実際の患者と解剖学的構造の仮想3Dモデルとの間の空間的対応が維持され得る。例えば、(vi)に基づいて収集された情報は、ナビゲーションシステムの座標系における任意のハードウェアの位置を特定するために、及び/又はハードウェア及びハードウェアの動作前に作成された仮想3Dモデルを共通の座標系にするために使用され得る。例えば、眼窩インプラントの3Dモデル(及び対応する座標系)と実際の物理的な眼窩インプラントとの間の関連性を確立するために、上記と同じスイーピング手順を実行することができる。
【0038】
従って、手術ナビゲーションシステムは、患者内にインプラントを導入するための手順の間、眼窩インプラントの位置を検証するために使用され得る(例えば、患者の解剖学的構造の仮想3Dモデル、及び患者の解剖学的構造の仮想3Dモデルに対するその計画された位置における眼窩インプラントの仮想3Dモデル(例えば、患者固有の形態、又は計画されたシミュレートされた屈曲を伴うか又は伴わない既製の形態のいずれか))。患者の解剖学的構造の仮想3Dモデルは、眼窩インプラントの3Dモデルをナビゲーションシステムの座標系に正確に位置付けるために使用され得る。
【0039】
いくつかの実施例において、専門家は、眼窩インプラントの特定の特徴を追跡するために、プローブ又はスタイラスなどのナビゲーションシステムの追跡される器具を使用し得る。インプラントの特徴を追跡することによって、これらの特徴の位置を収集することができ、ナビゲーションシステムの座標系における特徴の位置を決定し、ナビゲーションシステム上に表示することができる。実際のインプラントの特徴を座標系に配置することによって、インプラントの位置を計画された位置(例えば、患者の解剖学的構造の3Dモデルに対する眼窩インプラントの3Dモデルの位置)と比較することができる。ナビゲーションシステムはインプラントの実際の物理的位置とインプラントの計画された位置との間の任意の偏差を測定し、任意選択で、計画された位置に一致するようにインプラントの位置をどのように修正するかに関する命令とともに、偏差を専門家に報告することができる。
【0040】
従って、外科用ナビゲーションシステムは、インプラントの特定の位置に配置された識別可能な特徴を利用して、インプラントの空間位置を確立することによって、光学インプラントの計画された屈曲が達成された程度、及び/又は光学インプラントの位置が計画された位置と一致する程度を決定することができる。
【0041】
〔ナビゲーションフィデューシャルを有する眼窩インプラントを製造及び使用するための実施例としての技術〕
図6Aは、本開示の態様による一実施例としての既製の眼窩インプラント600を示す図である。既製のインプラント600の所望の形状は、術前又は術中のいずれかに決定されてもよく、インプラントは、患者の解剖学的構造に適合するように術前又は術中に曲げられてもよい。インプラントを曲げながら、上述のような曲げモールドのいずれかを使用することができる。
【0042】
図示したように、既製の眼窩インプラント600は、インプラントを穿孔する線形スロット602、又は狭窄接続604の形態の屈曲位置を含む。そういった屈曲位置は、インプラント600の変形に対する耐性を局所的に低下させる一方で、インプラントをいくつかの主要セクション606(例えば、第1の主要セクション606a、第2の主要セクション606b、及び第3の主要セクション606c)に分割する。ここで、狭窄接続604は、インプラント600を患者の骨構造に固定することができる複数の穴608を接続する。
【0043】
眼窩インプラント600はまた、専門家が座標系におけるインプラント600の位置を評価するために使用することができる複数の点特徴610を含む。例えば、点特徴610は、位置情報をナビゲーションシステムにフィードバックすることができるように、スタイラスを受け入れるように構成されてもよい。いくつかの実施例において、点特徴610は、それが隣り合うセクションと共有する縁など、セクションの表面上に、及び/又はその縁に沿って位置付けられ得る。特定の態様において、点特徴610は、直線状のスロット602の端に穴を含むことができる。これは、スタイラスを使用する専門家が線形スロット602を点特徴610まで追跡することを可能にし得る。いくつかの実施例において、線形スロット602は、点特徴610に加えてスタイラス位置情報を提供する経路特徴であってもよい。図6Bは、図6Aの眼窩インプラント600の一実施例としての屈曲を示し、インプラント600は、患者の健康な解剖学的構造の眼窩底を模倣するように屈曲される。
【0044】
実際のインプラントの特徴を患者の解剖学的構造と同じ座標系に配置することによって、インプラントの位置を計画された位置(例えば、患者の解剖学的構造の3Dモデルに対する眼窩インプラントの3Dモデルの位置)と比較することができる。ナビゲーションシステムは、インプラントの(機能又は部分の)実際の物理的位置とインプラントの(機能又は部分の)計画された位置との間の任意の偏差を測定し、任意選択で、計画された位置に合致するようにインプラントの位置を修正する方法、及び/又は計画されたインプラント形状に合致するようにインプラントの追加の屈曲を実行する方法に関する命令とともに、偏差を専門家に報告することができる。代替的に、所望の解剖学的構造の形態は、上記のように(例えば、無傷の対側眼窩キャビティの鏡像、又は無傷の眼窩キャビティのSSMを利用することによって)術前に再構成され得る。患者に予め配置されたインプラントの特徴を術中に配置することによって、ナビゲーションシステムは、これらの特徴の位置を、眼窩の所望の解剖学的構造の形状と比較し、任意選択的に、インプラントの位置をどのように修正する、及び/又は眼窩の所望の解剖学的構造の形状をよりよく一致させるためにインプラントの追加の屈曲を実行するかについての命令を伴って、偏差を専門家に報告することができる。
【0045】
典型的に、患者固有のインプラントは、個別の患者に固有に設計され、手術前に開発された設計に従って製造される。任意の数の点特徴が使用され得るが、患者固有のインプラントは、患者固有のインプラントによって必要とされるインプラント形状の調節がより少ないか又は全くないため、既製の眼窩インプラントと比較してより少ない点特徴を必要とし得る。
【0046】
図7は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラント700を示す図である。図示したように、インプラント700の上部は、眼球に対向する表面704であり、骨に対向する表面710は、インプラント700の反対側にある。骨に対向する表面710は、患者の解剖学的構造の一部(例えば、眼窩腔の底及び/又は前縁の一部)と接合するように構成される。この目的のために、骨に対向する表面710は、患者の解剖学的構造の表面と嵌合するように、部分的に又はその全体が成形されてもよい。穴(例えば、第1の穴706a及び第2の穴706b)は、インプラント700の近位縁部に設けられ、インプラント700を目のソケットの骨格に固定するように構成されたネジ又は他の取り付け要素を収容する。インプラント700は、インプラント700の遠位縁部に沿って隆起リッジ708を含む。インプラント700はまた、三つの点特徴(例えば、第1の点特徴702a、第2の点特徴702b、及び第3の点特徴702c)を、この実施例において、非二等辺三角の形成で含む。いくつかの実施例において、インプラント位置決定のロバスト性を高めるために、点特徴は、できるだけ広く分散され得る。
【0047】
この実施例において、第2の点特徴702b及び第3の点特徴702cは、眼球に対向する表面において、窪み又は凹部の形態をとる。これら二つの点特徴は、インプラント700の近位縁の近くにあり、従って、インプラント700の遠位縁により近い第1の点特徴702aと比較して、追跡されたスタイラスで到達することがより容易である。ここで、ナビゲーションシステムを使用してインプラント700の位置を決定するとき、専門家は、ナビゲーションシステムのスタイラスの遠位先端を点特徴702に挿入し、インプラントの位置をマッピングすることができる。
【0048】
上述したように、第1の点特徴702aは、インプラント700の遠位縁部のより近くに位置し、したがって、インプラント700を埋め込む外科医からより離れている。移植の間、インプラント700の遠位縁部は、軟質組織及び眼球の下に位置し得、これは外科医の視力から第1の点の特徴を不明瞭にし得る。従って、スタイラスをガイドするために、隆起リッジ708は、スタイラスを第1の点特徴702a内に導くように構成される。この実施例において、隆起リッジ708は、眼球に対向する表面から角度2402に位置する少なくとも一つの側壁を有する。いくつかの実施例において、角度は、45°より大きくてもよい(例えば、60°~90°の角度は、図24の第1の断面2400aを参照されたい)。隆起リッジ708の高さは、スタイラスの先端がリッジの上を滑るのを防止するのに十分に高くてもよいが、移植された状態(例えば、0.5mm~1.5mmの高さ)にある間、インプラント700を覆う軟質組織の刺激を引き起こさないように十分に低くてもよい。後述するように、隆起リッジ708は、一つ又は複数の他の形状及びサイズを含むことができる。
【0049】
術中にインプラントの位置を検証するために、外科医は、スタイラスの先端を第2の点特徴702b及び第3の点特徴702cに配置して、近位点特徴を示すことができる。外科医はまた、スタイラスが隆起リッジ708に当たるまで、スタイラスの先端を遠位方向に眼球に対向する表面にわたってトレースすることができる。次いで、スタイラスを隆起リッジ708に沿って横方向にスライドさせることによって、外科医は、スタイラスの先端を第1の点特徴702aにガイドすることができる。従って、インプラントの遠位領域の視覚的アクセスは、必要ない。
【0050】
スタイラスは、傾斜した先端、又は代替的に、直線状の先端を含んでもよい。しかしながら、真っ直ぐな先端を有するスタイラスは、インプラントと軟質組織との間のアクセスが狭く、その結果として眼球に対向する表面に対して鋭い角度を有するため、穴又は穴に入るのが困難であり得る。従って、スタイラスは、表面に対して接線に近い位置(例えば、スタイラスのシャフトと30度以下の表面との間の角度で)に保持される必要があり得る。従って、図7に示されるように、第1の点特徴702aは、スタイラスを受け入れることができるようにインプラント700の近位側に向かって開口する楔形の窪みである。隆起リッジ708に沿ってスタイラスの先端を押している間、外科医は、スタイラスが窪み内に落ちることを感知することができる。従って、いったん窪みに入ると、外科医は、スタイラスが隆起リッジ708に接触するまで、スタイラスの先端を窪みの頂点に保持するために、スタイラスを遠位方向に押し続けることができる。本明細書に記載される点特徴のいずれも、スタイラスがインプラントの特定の点又は位置に達したことを示すために、眼球に対向する表面におけるディンプル、窪み、穴、又は任意の他の適切な物理的マーキングのうちの一つ又は複数を含み得ることに留意されたい。特定の実施形態において、インプラントを座標系に正確に配置するのに三つの点で十分であり得るため、少なくとも三つの点特徴が使用され得る。特定の態様において、三つの点は、点間の各エッジ長さが異なっているように三角形(非二等辺三角形など)を形成し、その結果、各エッジを区別して、座標系におけるインプラントの位置及び配向をより良好に決定することができる。
【0051】
図8は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラント800を示す図である。インプラント800は、インプラント800の遠位縁付近に位置する第1の点特徴802aと、近位縁付近の第2の点特徴802b及び第3の点特徴802cとを含む、図7に示されるものと同様のいくつかの特徴を含む。しかしながら、この実施例において、インプラント800の遠位端における隆起リッジ808は、第1の点特徴802aを部分的に取り囲むノッチ804を含む。ノッチ804は、第1の点特徴802aの窪みに加えて、スタイラスの先端が第1の点特徴802aに到達したときに、スタイラスを操作していることを外科医に示すように構成されてもよい。いくつかの実施例において、ノッチ804は、窪みの特徴の代替として使用され得る。ノッチ804の代替として、隆起リッジ808の中断が使用されてもよい。例えば、隆起リッジ808は、第1の点特徴として動作するように構成されたギャップ又はノッチを含むことができ、ギャップは、スタイラスを「捕捉」するようにスタイラスのチップの直径よりも小さい。
【0052】
図9は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラント900を示す図である。インプラント900は、図7及び図8に示されるものと同様のいくつかの特徴を含む。図7及び図8を参照すると、インプラント900の遠位縁の近くに位置する第1の点特徴902aと、近位縁の近くの第2の点特徴902b及び第3の点特徴902cとを含む。この実施例において、インプラント900は、インプラント900の遠位縁に追従せず、むしろV字形の軌道に追従する隆起リッジ904を含む。ここで、外科医がスタイラスを隆起リッジ904に対して押すと、スタイラスは、第1の点特徴902aが位置するV字形の頂点に向かってガイドされる。外科医は、隆起リッジ904の方向の変化を感知し、第1の点特徴902aに到達したことを理解することができる。二つ以上の点特徴が隆起リッジ904に沿って配置される場合、隆起リッジの軌道は、点特徴の間のセグメント(例えば、真っ直ぐな隆起リッジ)を有する、凹状及び/又は多線として成形されてもよい。第1の点特徴902aは、スタイラスを「捕捉」するのを助けるために、任意選択で窪み領域を含むことができる。上記の実施例のように、隆起リッジは、第1の点特徴902aを少なくとも部分的に取り囲むノッチ、又は第1の点特徴902aにおける中断を含むことができる。
【0053】
図10は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラント1000を示す図である。インプラント1000は、図7図9に示されるものと同様のいくつかの特徴を含むみ、これについては、簡潔にするために、これ以上説明しないことがある。この実施例において、隆起リッジ1004は、以前の実施例のようにインプラント1000の遠位縁部付近を走らず、第3の点特徴1002cから第1の点特徴1002aまで走る。第3の点特徴1002c(例えば、外科医に見える点特徴)をスタイラスで示した後、外科医は、第1の点特徴1002aに到達するまで、隆起リッジ1004に沿ってスタイラスの先端をスライドさせることができる。隆起リッジ1004は、第1の点特徴1002aの周りを湾曲して第1の点特徴1002aでスタイラスを捕捉し、スタイラスがその点特徴に到達したときに外科医に信号を送るフック形状又はホッケースティック形状を有する。
【0054】
図11は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラント1100を示す図である。インプラント1100は、図7図11に示されるものと同様のいくつかの特徴を含み、これについては、簡潔にするために、これ以上説明しないことがある。ここで、インプラント1100は、第3の点特徴1102cと第1の点特徴1102aとの間の経路をたどる隆起リッジ1104を含む。隆起リッジ1104はまた、第1の点特徴1102aから第2の点特徴1102bまで続く第2の脚を有する。隆起リッジ1104は、連続的であるから、スタイラスは、点特徴のシーケンス全体を通してガイドされ得る。
【0055】
図12は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラント1200を示す図である。インプラント1200は、図7図11に示されるものと同様のいくつかの特徴を含み、これについては、簡潔にするために、これ以上説明しないことがある。ここで、インプラント1200は、スタイラスを一つ以上の点特徴にガイドするための隆起リッジ1204を含む。しかしながら、点特徴が隆起リッジ1204の一方の側に配置されるから、隆起リッジ1204は、スタイラスが隆起リッジ1204の側面に沿ってスタイラスの移動及び/又は進行をより困難にすることを防止することによって、スタイラスが隆起リッジ1204の誤った側面に沿っているときに外科医に通知するように構成された一連の交互の窪み及び突起1206を含む。そのような警報機構は、他の実施例のいずれかの隆起リッジと組み合わされてもよい。
【0056】
図13は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラント1300を示す図である。インプラント1300は、図7図12に示されるものと同様のいくつかの特徴を含み、これについては、簡潔にするために、これ以上説明しないことがある。ここで、第1の点特徴1302aは、隆起リッジ1304の頂点における窪みである。窪みは、眼球に対向する表面に対して接線方向に近い位置に保持されたスタイラスの先端を受けるように細長い形状を有する。隆起リッジ1304は、隆起リッジ1304の上部からインプラント1300の表面への滑らかな又は漸進的な移行部1306を行う側面を含む。滑らかな移行部1306は、スタイラスが隆起リッジの間違った側面に沿ってガイドされることを防止し、代わりに、スタイラスをインプラント1300の表面から持ち上げる必要なしに、スタイラスが正しい側面にガイドされることを可能にする。このような平滑な移行部は、他の実施例のいずれかの隆起リッジと組み合わされてもよい。
【0057】
図14は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラント1400を示す図である。インプラント1400は、図7図13に示されるものと同様のいくつかの特徴を含み、これについては、簡潔にするために、これ以上説明しないことがある。ここで、インプラントは、点特徴1402に向かってスタイラスをガイドするように構成された隆起リッジ1406を有する。先の実施例と対照的に、隆起リッジ1406は、点特徴1402によって形成される三角形の内側に位置付けられる。この実施例において、隆起リッジ1406は、三角形の形状内のプラトー1406を形成する。しかしながら、いくつかの実施例において、三角形の中心は、三角形の外部のインプラント1300の表面と同じである隆起を含んでもよい。インプラント1400はまた、眼球に対向する表面を反対側に通過する複数の穿孔1404を含む。穿孔1404のサイズは、点特徴1402及び/又はスタイラスよりも比較的小さくて、外科医が点特徴を誤って示すことを防止することができる。この実施例において、点特徴1402間の経路に沿った穿孔1404は、存在しないことに留意されたい。これは、スタイラスが穿孔によって捕捉されること、又は点特徴1402を誤って示すことが防止される。そういった穿孔1404は、他の任意の実施例と組み合わされてよい。プラトー形状の隆起リッジ1406はまた、穿孔1404無しで使用されてもよい。
【0058】
以下の実施例は、上記の特徴をどのように自由に組み合わせることができるかを実証する。これらは、本開示の範囲を限定するものではない。
【0059】
図15は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラント1500を示す図である。インプラント1500は、図7図14に示されるものと同様のいくつかの特徴を含み、これについては、簡潔にするために、これ以上説明しないことがある。ここで、インプラント1500は、穿孔1504、及び点特徴1502間でスタイラスをガイドするように構成された隆起リッジ1506を含む。
【0060】
図16は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラント1600を示す図である。インプラント1600は、図7図15に示されるものと同様のいくつかの特徴を含み、これについては、簡潔にするために、これ以上説明しないことがある。ここで、インプラント1600は、穿孔1604、点特徴1602間でスタイラスをガイドするように構成された隆起リッジ1606を含む。この実施例において、第1の点特徴1602aは、窪みであり、第2の点特徴1602b及び第3の点特徴1602cは、穴又は窪みである。
【0061】
図17は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラント1700を示す図である。インプラント1700は、図7図16に示されるものと同様のいくつかの特徴を含み、これについては、簡潔にするために、これ以上説明しないことがある。ここで、インプラント1700は、穿孔1704、及び点特徴1702間でスタイラスをガイドするように構成された隆起リッジ1706を含む。点特徴が隆起リッジ1706の一方の側に配置されるから、隆起リッジ1706は、スタイラスが移動することを防止することによって、及び/又は隆起1706のその側に沿ってスタイラスの進行をより困難にすることによって、隆起リッジ1706の誤った側に沿ったスタイラスを外科医に通知するように構成された一連の交互の窪み及び突起1708を含む。この実施例において、第1の点特徴1702a、第2の点特徴1702b、及び第3の点特徴は、穴又は窪みである。
【0062】
図18は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラント1800を示す図である。インプラント1800は、図7図17に示されるものと同様のいくつかの特徴を含み、これについては、簡潔にするために、これ以上説明しないことがある。ここで、第1の点特徴1802aは、隆起リッジ1806の頂点における窪みである。隆起リッジ1806は、隆起リッジ1806の上部からインプラント1800の表面への滑らかな移行部1808を形成する側部を含む。滑らかな移行部1808は、スタイラスが点特徴からあまりにも遠くにガイドされる場合、スタイラスをインプラント1800の表面から持ち上げる必要なしに、スタイラスが正しい位置にガイドされることを可能にする。
【0063】
図19は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラント1900を示す図である。インプラント1900は、図7図18に示されるものと同様のいくつかの特徴を含み、これについては、簡潔にするために、これ以上説明しないことがある。ここで、インプラントは、複数の穿孔1904と、三つの点特徴1902を接続する隆起リッジ1906とを含む。
【0064】
図20は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラント2000を示す図である。インプラント2000は、図7図19に示されるものと同様のいくつかの特徴を含み、これについては、簡潔にするために、これ以上説明しないことがある。ここで、インプラント2000は、窪みによって特徴付けられる三つの点特徴2002を接続する滑らかな移行部2006を有する隆起リッジ2004を含む。
【0065】
図21は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラント2100を示す図である。インプラント2100は、図7図20に示されるものと同様のいくつかの特徴を含み、これについては、簡潔にするために、これ以上説明しないことがある。ここで、インプラント2100は、穴によって特徴付けられる三つの点特徴2102を接続する滑らかな移行部2106を有する隆起リッジ2104を含む。
【0066】
図22は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラント2200を示す図である。インプラント2200は、図7図21に示されるものと同様のいくつかの特徴を含み、これについては、簡潔にするために、これ以上説明しないことがある。ここで、インプラント2200は、三つの点特徴2202を接続する隆起リッジ2204を含む。第1の点特徴2202aは、凹みであり、第2の点特徴2202b及び第3の点特徴2202cは、窪みである。
【0067】
図23は、本開示の態様に従った、患者固有の眼窩インプラント2300を示す図である。インプラント2300は、図7図22に示されるものと同様のいくつかの特徴を含み、これについては、簡潔にするために、これ以上説明しないことがある。ここで、インプラント2300は、三つの点特徴2302を接続する隆起リッジ2304を含み、各点特徴は、穴である。
【0068】
図24は、光学インプラントに使用することができる隆起リッジの6つの異なった実施例形態を示す図である。第1の隆起リッジ2400aは、「上部表面の」リッジであり、これは、隆起リッジがインプラントの縁に沿って延びることを意味する(例えば、図7及び図8の隆起リッジ708/808を参照)。第2の隆起リッジ2400bは、波のような形状であり、スタイラスの先端をより受け入れることができるリッジの凹部を有する。第3の隆起リッジ2400cは、インプラントの縁から離れて形成される隆起リッジである(例えば、図10~13及び15~23の隆起リッジを参照)。第4の隆起リッジ2400dは、スタイラスの先端をより受け入れることができるリッジの凹部を有する波のように成形され、インプラントの縁から離れて形成される。第5の隆起リッジ2400eは、図14に上述したように、プラトータイプリッジである。そして、第6の隆起リッジ2400fは、リッジの上部からインプラントの表面への滑らかな移行部を有する隆起リッジである(例えば、図18図20、及び図21のリッジからインプラントの眼球に対向する表面への滑らかな移行部を有する隆起リッジを参照)。
【0069】
特定の態様において、隆起リッジは、ガター(例えば、溝、凹み)に置き換わることがある。従って、本明細書の態様によるインプラントは、隆起リッジ及び/又は溝を指す非平面状のガイディング特徴を有し得る。しかしながら、隆起リッジは、インプラントを局所的に弱めないという利点を提供する。換言すると、それらは、インプラントの機械的強度、又はインプラントの変形に対する抵抗を低下させない。その上、上述したように、スタイラスのガイダンスが最も必要とされるインプラントの遠位領域で、スタイラスは、インプラントの眼球に対向面に対してほぼ接線方向に角度を付けられてもよく、これはスタイラスの先端がガターを離れる危険性を増加させ得る、又はスタイラスの先端がガター内及び後に留まることを完全に防止し得る。そのため、隆起リッジが好ましい場合がある。
【0070】
また、スタイラスの先端をガイドするためのチャネルを確立するために、それらの間に距離を置いて離された二つの隆起リッジを組み合わせることも可能である。しかしながら、ガターと同様に、インプラントの遠位領域において、インプラント表面に対するスタイラスの角度形成は、スタイラスの先端がチャネルを離れるリスクを増加させ得る、又はスタイラスの先端がチャネル内及び後に留まることを完全に防止し得る。そのため、例えば、先端が点特徴への途中でたどることが予想され得る軌道又は軌道の範囲、又は遠位側などの経路特徴を確立する軌道など、スタイラス「経路」の片側のみに隆起リッジ又は一連の隆起リッジをインプラントに提供することが好ましい場合がある。
【0071】
図25は、本明細書に開示される態様に従って眼窩インプラントを使用するための動作2500を示すフローチャートである。動作2500は、一つ以上の医療機器(例えば、図26のスタイラス2608)と共に、一つ以上のプロセッサ(例えば、図26の電子処理装置2606)上で実行され、実行されるソフトウェア部品として実施され得る。
【0072】
第1のブロック2501において、動作2500は、眼窩インプラントの設計又は計画された形状を含む仮想モデルをナビゲーションシステムにロードし、それを実際の患者と共通の座標系にすることを含む。例えば、患者の解剖学的構造の一部の仮想3Dモデルは、ロードされてもよく、インプラントの仮想モデル及び解剖学的構造の仮想モデルは、インプラントが患者の解剖学的構造に対してその計画された位置内にあるといったものである。次いで、実際の患者及び解剖学的構造の仮想モデルは、登録されることができる(例えば、一般的な座標系にする)。例えば、ナビゲーションシステムのスタイラスは、患者の解剖学的構造上の解剖学的目印を示すために使用されてもよい。これらの解剖学的ランドマークの位置は次いで、解剖学的構造の仮想モデルに対するインプラントの仮想モデルの相対位置を維持しながら、解剖学的構造の仮想モデルにおける対応する解剖学的ランドマークの位置と位置合わせされてもよい。
【0073】
第2のブロック2502において、動作2500は、眼窩インプラントの第1の表面を眼窩骨構造の欠損上に配置する工程、眼窩骨構造の底及び/又は縁と接合するように構成された形状を備える第1の表面、第1の表面の反対側であり、第1の表面の形状に実質的に共形である、第2の表面を含み、第2の表面は、第2の表面上の三つ以上の点特徴を含み、三つ以上の点特徴は、三角形のノードを形成する、第1の点特徴、第2の点特徴、及び第3の点特徴を含み、三つ以上の点特徴の各々は、第2の表面の上方に隆起する、又は第2の表面の下に凹む、の内の少なくとも一つである、第3のブロックを含む。
【0074】
例えば、図5A図5Dに関して論じているように、第1の表面の形状は、骨構造上へのインプラントの多かれ少なかれ安定した位置決めを可能にするように、構造底の表面及び/又は眼窩骨構造の縁の形状を大まかに模倣することができる。代替的に、患者固有のインプラントについて上述したように、第1の表面の形状の一部又は全体は、それと嵌合するように骨構造の形状に密接に従うように設計されてもよい。
【0075】
例えば、図6及び図7に示すように、眼窩インプラント600/700は、複数の点特徴610/702を含んでよい。具体的に、図6において、点特徴610は、それらがインプラント600内の穿孔である程度に凹んでよい。図7において、第1の点特徴702aは、第2の表面の下に楔形の窪み又は窪みであり、一方で、第2の点特徴702b及び第3の点特徴702cは、第2の表面の下に窪んだ窪みである。
【0076】
第3のブロック2504において、動作2500は、(i)眼窩インプラントの計画された形状に対する眼窩インプラントの形状、又は(ii)患者における眼窩インプラントの計画された位置に対する患者における眼窩インプラントの位置、の内の一つ又は複数を比較するために、スタイラスが三つ以上の点特徴の各々によって受け入れられるまで、第2の表面に沿ってナビゲーションシステムのスタイラスを追跡することを含む。例えば、外科医は、インプラントの第2の表面(例えば、眼球の対向表面)に沿ったスタイラスを追跡し、スタイラスと三つ以上の点特徴の各々との間で接点を形成することができる。このようにして、スタイラスをスイーピングする、又はスタイラスと点特徴との間を接触させる物理的行為は、ナビゲーションシステムに、ナビゲーションシステムの座標系におけるこれらの特徴の位置を提供する。いくつかの実施例において、スタイラスと点特徴、特にインプラントの遠位縁付近の特徴点との間で接点を形成することは、スタイラスの先端がインプラントの隆起リッジに当たるまで、スタイラスを第2の表面に沿って遠位にスライドさせること、及び次いでスタイラスの先端が点特徴に受けるまで、スタイラスの先端を隆起リッジに沿ってスライドさせることを含み得る。
【0077】
第4のブロック2506において、動作2500は、任意選択で、(i)眼窩インプラントの計画された形状に対する眼窩インプラントの形状、又は(ii)患者における眼窩インプラントの計画された位置に対する患者における眼窩インプラントの位置、の内の一つ又は複数の間の差のインディケーションを受信する工程を含み得る。例えば、ナビゲーションシステムの座標系における点特徴の位置が決定されると、ナビゲーションシステムは、スタイラスを用いてインプラントに触れることによって決定された点特徴の位置を、第1のブロック2501においてナビゲーションシステムの座標系にもたらされたインプラントの計画された形状の仮想3Dモデルの点特徴の位置と比較することができる。次いで、ナビゲーションシステムは、実際のインプラントにおける点特徴のコンステレーションと、インプラントの計画された形状の仮想3Dモデルにおける点特徴のコンステレーションとの間の差、又は、-そういった差から導出される-実際のインプラントの形状とインプラントの計画された形状との間の差など、任意の差を決定し、その差をユーザに報告することができる。別の実施例において、ナビゲーションシステムは、スタイラスを用いてインプラントに触れることによって決定された点特徴の位置を、患者の解剖学的構造(例えば、眼窩骨構造)の仮想モデルに対するインプラントの仮想3Dモデルの点特徴の位置と比較することができる。このようにして、ナビゲーションシステムは、患者の解剖学的構造に対する物理的インプラントの実際の位置と、患者の解剖学的構造のモデルに対するインプラントのモデルの計画された位置との間の差を決定することができる。
【0078】
第5のブロック2508において、動作2500は手術中に、対応する差のインディケーションに従って、眼窩インプラントの形状又は眼窩インプラントの位置の内の一つ又は複数を調整することを任意選択で含み得る。例えば、第4のブロック2506で提供される情報に基づいて、ユーザは、インプラントの計画されたモデル、及び/又はインプラントの位置を、インプラントの計画された位置(例えば、仮想位置)により密接に一致させるように、インプラントを調整することができる。
【0079】
図26は、スタイラス2608を有するナビゲーションシステム2600の概念的な実施例を示す概略図である。システム2600は、画像誘導外科処置を実行するために、画像処理(例えば、コンピュータ断層撮影(CT)走査、3D及び/又は2D蛍光透視、超音波(US)画像、磁気共鳴画像(MRI))等からの術前画像と併せて使用することができる。システム2600は、少なくとも電子処理装置2606と、画面ユニット2602と、スタイラスといった少なくとも一つの追跡される器具2608と、赤外線センサ2610とを含む。システム2600は、一つ以上のトラッカー(例えば、患者の解剖学的構造2616に取り付けられた強固に取り付けられたトラッカー2612、及び任意選択的に、スタイラス2608に取り付けられた別のトラッカー2614)を更に含む。器具2608及びトラッカー2612/2614は、赤外線センサ2610によって容易に検出することができ、ナビゲーションシステムは、器具2608及びトラッカー2612/2614を空間内に配置することを可能にするマーカーを含むことができる。
【0080】
電子処理装置2606は、例えば、パーソナルコンピュータ等である。電子処理装置2606は、少なくともプロセッサ及びメモリ(例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体)を含む。メモリ(図示せず)は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、メモリバッファー、ハードドライブ、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)などであってよい。いくつかの実施形態において、電子処理装置2606のメモリは、パーソナルコンピュータアプリケーションを使用すること、スタイラスなどの一つ又は複数の医療用機器を制御すること、スタイラスの動きなどに従って画面ユニット2602上に画像を表示及び更新すること、及び/又は同様のことに関連する動作(例えば、図25の動作2500)及び/又は機能をプロセッサに実行させるための命令を格納する。
【0081】
電子処理装置2606のプロセッサ(図示せず)は、命令又はコードのセットを実行及び/又は実行するように構成された任意の適切な処理装置であり得る。例えば、プロセッサは、汎用プロセッサ、中央処理装置(CPU)、加速処理装置(APU)などであってよい。いくつかの実施形態において、電子処理装置2606のプロセッサは、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)に含まれ得る。プロセッサは、パーソナルコンピュータアプリケーション、モバイルアプリケーション、インターネットウェブブラウザ、電話通信又はセルラー通信などを使用して、関連するメモリに格納された命令(例えば、図25に示す動作2500)又はコードセットを実行及び/又は実行するように構成され得る。
【0082】
画面ユニット2602は、電子処理装置2606と電子通信するように構成される。画面2602ユニットは、電子処理装置2606にユーザインターフェースを提供するように構成された任意の適切な画面であり得る。例えば、画面ユニット2602は、ブラウン管(CRT)モニタ、液晶ディスプレイ(LCD)モニタ、発光ダイオード(LED)モニタ、ヘッドマウント装置などであってよい。画面ユニット2602は、パーソナルコンピュータアプリケーションなどのためのユーザインターフェースを提供するように構成され得る。例えば、画面ユニット2602は、解剖学的構造の医療用画像をグラフィカルに表すように構成され得る。いくつかの実施形態において、画面ユニット2602は、患者の対象組織(例えば、臓器及び/又は骨格)に対して、及び対象組織の術前画像又はモデルに対して位置決めされた医療器具として、一つ又は複数の医療器具(例えば、スタイラス2608及び/又は任意の他の好適な装置)の位置をグラフィカルに表すことができる。いくつかの実施形態において、処理装置2606は、対象組織の術前画像に対するスタイラス2608の動きをマッピングするように構成することができ、画面ユニット2602は、対象組織の画像に対するスタイラス2608の仮想位置をグラフィカルに表すことができる。処理装置2606は、対象組織に対するスタイラス2608の位置を決定することができる。
【0083】
電子処理装置2606は、(例えば、無線接続、イーサネット(登録商標)ケーブル、ユニバーサルシリアルバス(USB)、SATAケーブル、eSATAケーブルなどを介して)スタイラス2608と電子通信するように構成され得る。スタイラス2608は、トラッキングシステム(例えば、光学トラッキング、又は他の様式)によってトラッキングされるように構成された任意の好適な器具であってよい。例えば、赤外発光ダイオード(IRED)は、物理的な空間におけるスタイラス2608の位置を仮想座標系及び術前画像上にマッピングするために使用され得る。
【0084】
〔例としての態様〕
実施形態の例は、以下の番号付けされた節に記載されている。番号付けされた節は、インプラント及びインプラントを含む方法に関する。当業者は、それらが眼窩インプラント又は他のタイプのインプラントに関連し得ることを容易に理解するであろう。
【0085】
(態様1)骨構造の欠損を矯正するためのインプラントであって、骨構造の表面と接合するように構成された形状を含む第1の表面、及び第1の表面の反対側であり、第1の表面の形状に実質的に共形である第2の表面を含み、第2の表面は、第2の表面上の三つ以上の点特徴を含み、三つ以上の点特徴は、三角形のノードを形成する、第1の点特徴、第2の点特徴、及び第3の点特徴を含み、三つ以上の点特徴の各々は、第2の表面の下に凹んでいる、インプラント。
【0086】
(態様2)三つ以上の点特徴の内の少なくとも一つは、第1の表面から第2の表面までインプラントを貫通する穴を含む、態様1に記載のインプラント。
【0087】
(態様3)三つ以上の点特徴の内の少なくとも一つは、第2の面に対して接線方向に近い角度を成すスタイラスの先端を受けるように構成された窪みを含む、態様1及び2のいずれか一つに記載のインプラント。
【0088】
(態様4)窪みは、楔形又は細長い窪みである、態様3に記載のインプラント。
【0089】
(態様5)三つ以上の点特徴の内の少なくとも一つを部分的に取り囲む、第2の表面上の隆起リッジを更に含む、態様1~4のいずれか一つに記載のインプラント。
【0090】
(態様6)隆起リッジは、三つ以上の点特徴の内の少なくとも一つを遠位側で取り囲む、態様5に記載のインプラント。
【0091】
(態様7)隆起リッジは、第2の表面の遠位縁に続く、態様5又は6のいずれかに記載のインプラント。
【0092】
(態様8)隆起リッジは、三つ以上の点特徴の内の少なくとも一つで、コーナー、フック、ノッチ、又はギャップの内の少なくとも一つを含む、態様5~7のいずれか一つに記載のインプラント。
【0093】
(態様9)コーナー、フック、ノッチ、又はギャップは、第2の表面に対して実質的に接線方向に角度を付けられたスタイラスの先端を受け入れるように構成される、態様8に記載のインプラント。
【0094】
(態様10)隆起リッジは、三つ以上の点特徴の第1の点特徴から、三つ以上の点特徴の第2の点特徴まで延在する、態様5~9のいずれか一つに記載のインプラント。
【0095】
(態様11)第2の表面上に別の隆起リッジを更に含み、別の隆起リッジは、三つ以上の点特徴の第2の点特徴から第3の点特徴まで延在する、態様5~10のいずれか一つに記載のインプラント。
【0096】
(態様12)隆起リッジ及び他の隆起リッジは、第2の表面上に連続する隆起線を形成する、態様11に記載のインプラント。
【0097】
(態様13)隆起リッジは、隆起リッジの側面に複数の突起を含む、態様5~12のいずれか一つに記載のインプラント。
【0098】
(態様14)前記側面は、隆起リッジの遠位側である、態様13に記載のインプラント。
【0099】
(態様15)隆起リッジの上部から第2の表面への隆起リッジの側面で、段階的な移行部を更に含む、態様5~14のいずれか一つに記載のインプラント。
【0100】
(態様16)前記側面は、隆起リッジの遠位側である、態様15に記載のインプラント。
【0101】
(態様17)隆起リッジは、スタイラスの先端を受け入れるための凹面を含む、態様5~16のいずれか一つに記載のインプラント。
【0102】
(態様18)凹面は、隆起リッジの近位側である、態様17に記載のインプラント。
【0103】
(態様19)三つ以上の点特徴の第1の点特徴と、三つ以上の点特徴の第2の点特徴との間の経路に沿って延在する一つ以上の隆起リッジを更に含み、一つ以上の隆起リッジの各々は、経路の第1の側に位置し、経路の第2の側には位置しない、態様1~4のいずれか一つに記載のインプラント。
【0104】
(態様20)経路の第1の側面は、経路の遠位側である、態様19に記載のインプラント。
【0105】
(態様21)第1の表面から第2の表面までインプラントを通る複数の穿孔を更に含む、態様1~20のいずれか一つに記載のインプラント。
【0106】
(態様22)三つ以上の点特徴の第1の点特徴と三つ以上の点特徴の第2の点特徴との間の経路は、複数の穿孔を含まない、態様21に記載のインプラント。
【0107】
(態様23)患者の骨構造の欠損を矯正する方法であって、本方法は、骨構造の欠損上にインプラントの第1の表面を位置決めする工程であって、第1の表面は、骨構造の表面と接合するように構成された形状、及び第1の表面の反対側であり、第1の表面の形状に実質的に共形である、第2の表面を含み、第2の表面は、第2の表面上に三つ以上の点特徴を含み、三つ以上の点特徴は、三角形のノードを形成する、第1の点特徴、第2の点特徴、及び第3の点特徴を含み、三つ以上の点特徴の各々は、第2の表面の上に隆起する、又は第2の表面の下に凹んでいる、工程、及び(i)インプラントの計画された形状に対するインプラントの形状、又は(ii)患者におけるインプラントの計画された位置に対する患者におけるインプラントの位置、の内の一つ以上を比較するために、三つ以上の点特徴の各々によってスタイラスが受け入れるまで、第2の表面に沿ってナビゲーションシステムのスタイラスをトレースする工程、を含む方法。
【0108】
(態様24)ナビゲーションシステムに仮想3Dインプラントモデルをロードする工程、及び仮想3Dインプラントモデルと骨構造とを共通座標系にする工程、を更に含む、態様23に記載の方法。
【0109】
(態様25)ナビゲーションシステムに仮想3D解剖学的モデルをロードする工程を更に含み、仮想3Dインプラントモデルと骨構造とを共通座標系にする工程は、患者の解剖学的特徴を仮想3D解剖学的モデルの解剖学的特徴とともに登録する工程、及び仮想3Dインプラントモデルと仮想3D解剖学的モデルの相対位置を維持する工程、を含む、態様23及び24のいずれか一つに記載の方法。
【0110】
(態様26)(i)仮想3Dインプラントモデルに対するインプラントの形状、又は(ii)患者に対する仮想3Dインプラントモデルの位置に対する患者内のインプラントの位置の内の一つ以上の間の差のインディケーションを受信する工程を更に含む、態様23~25のいずれか一つに記載の方法。
【0111】
(態様27)差のインディケーションに従って、インプラント形状又はインプラントの位置の内の一つ以上を、手術中に調整する工程を更に含む、態様26に記載の方法。
【0112】
(態様28)三つ以上の点特徴の内の少なくとも一つは、第2の表面に対して接線方向に近い角度を成すスタイラスの先端を受け入れるように構成される、態様23~27のいずれか一つに記載の方法。
【0113】
(態様29)三つ以上の点特徴の内の少なくとも一つは、楔形又は細長い窪みを含む、態様23~28のいずれか一つに記載の方法。
【0114】
(態様30)三つ以上の点特徴の内の少なくとも一つは、隆起リッジによって部分的に囲まれる、態様23~29のいずれか一つに記載の方法。
【0115】
(態様31)隆起リッジは、三つ以上の点特徴の内の少なくとも一つの遠位側上で、三つ以上の点特徴の内の少なくとも一つを少なくとも部分的に取り囲む、態様31に記載の方法。
【0116】
(態様32)隆起リッジは、ナビゲーションシステムのスタイラスの先端を受け入れるための三つ以上の点特徴の内の少なくとも一つで、コーナー、フック、ノッチ、又はギャップを含む、態様30及び31のいずれかに記載の方法。
【0117】
(態様33)インプラントは、隆起リッジを含み、スタイラスが三つの点特徴の各々によって受け入れるまで、ナビゲーションシステムのスタイラスを第2の表面に沿ってトレースする工程は、第2の表面に沿ってスタイラスの先端を、隆起リッジに当たるまでスライドさせる工程、及びスタイラスの先端が三つの点特徴の内の少なくとも一つに受け入れられるまで、スタイラスの先端を隆起リッジに沿ってスライドさせる工程、を更に含む、態様23~32のいずれかに記載の方法。
【0118】
(態様34)骨構造の欠損を矯正するためのインプラントを生成する方法であって、前記方法は、付加製造装置に対応する構築領域に対する前記インプラントの形状、サイズ、及び位置を示す前記インプラントの設計を受ける工程、及び付加製造を使用する前記インプラントの製造を引き起こす工程を含み、前記インプラントの前記設計は、前記骨構造の表面と接合するように構成された形状を含む、第1の表面、及び前記第1の表面の反対側であり、前記第1の表面の形状に実質的に共形である、第2の表面を定義し、前記第2の表面は、前記第2の表面上の三つ以上の点特徴を含み、前記三つ以上の点特徴は、三角形のノードを形成する、第1の点特徴、第2の点特徴、及び第3の点特徴を含み、前記三つ以上の点特徴の各々は、前記第2の表面の上に隆起すること、又は前記第2の表面の下に陥没することの内の少なくとも一つである、方法。
【0119】
(態様35)三つ以上の点特徴の内の少なくとも一つは、第1の表面から第2の表面までインプラントを貫通する穴を含む、態様34に記載の方法。
【0120】
(態様36)三つ以上の点特徴の内の少なくとも一つは、第2の表面に対して接線方向に近い角度を成すスタイラスの先端を受け入れるように構成された窪みを含む、態様34及び35のいずれかに記載の方法。
【0121】
(態様37)窪みは、楔形又は細長い窪みである、態様36に記載の方法。
【0122】
(態様38)インプラントの設計は、三つ以上の点特徴の内の少なくとも一つを部分的に取り囲む、第2の表面上の隆起リッジを更に定義する、態様34~37のいずれかに記載の方法。
【0123】
(態様39)隆起リッジは、遠位側上で三つ以上の点特徴の内の少なくとも一つを部分的に取り囲む、態様38に記載の方法。
【0124】
(態様40)隆起リッジは、第2の表面の遠位縁に続く、態様38及び39のいずれかに記載の方法。
【0125】
(態様41)隆起リッジは、三つ以上の点特徴の内の少なくとも一つで、コーナー、フック、ノッチ、又はギャップの内の少なくとも一つを含む、態様38~40のいずれかに記載の方法。
【0126】
(態様42)コーナー、フック、ノッチ、又はギャップは、第2の表面に対して実質的に接線方向に角度付けられたスタイラスの先端を受け入れるように構成される、態様41に記載の方法。
【0127】
(態様43)隆起リッジは、三つ以上の点特徴の第1の点特徴から三つ以上の点特徴の第2の点特徴まで延在する、態様38~42のいずれかに記載の方法。
【0128】
(態様44)インプラントの設計は、第2の表面上の他の隆起リッジを更に定義し、他の隆起リッジは、三つ以上の点特徴の第2の点特徴から第3の点特徴まで延在する、態様38~43のいずれか一つに記載の方法。
【0129】
(態様45)隆起リッジ及び他の隆起リッジは、第2の表面上に連続的な隆起線を形成する、態様44に記載の方法。
【0130】
(態様46)インプラントの設計は、隆起リッジの側面で複数の突起を更に定義する、態様38~45のいずれかに記載の方法。
【0131】
(態様47)側面は、隆起リッジの遠位側面である、態様46に記載の方法。
【0132】
(態様48)インプラントの設計は、隆起リッジの上部から第2の表面への隆起リッジの側面において滑らかな移行部を更に定義する、態様38~47のいずれかに記載の方法。
【0133】
(態様49)側面は、隆起リッジの遠位側面である、態様48に記載の方法。
【0134】
(態様50)インプラントの設計は、三つ以上の点特徴の第1の点特徴と三つ以上の点特徴の第2の点特徴との間の経路の一方の側に一つ以上の隆起リッジを定義する、態様34~37のいずれかに記載の方法。
【0135】
(態様51)経路の一方の側は、経路の遠位側である、態様50に記載の方法。
【0136】
(態様52)インプラントの設計は、スタイラスの先端を受け入れるための凹面を含む、隆起リッジを更に定義する、態様34~37のいずれかに記載の方法。
【0137】
(態様53)凹面は、隆起リッジの近位側である、態様52に記載の方法。
【0138】
(態様54)インプラントの設計は、第1の表面から第2の表面まで、インプラントを貫通する複数の穿孔を更に定義する、態様34~37のいずれかに記載の方法。
【0139】
(態様55)インプラントの設計は、三つ以上の点特徴の第1の点特徴と、三つ以上の点特徴の第2の点特徴との間の経路に沿って、複数の穿孔のいずれも定義しない、態様54に記載の方法。
【0140】
(態様56)インプラントの設計を含むデジタルファイルを受信する工程、及びナビゲーションシステムにデジタルファイルをロードする工程、を更に含む、態様34~37のいずれかに記載の方法。
【0141】
(態様57)デジタルファイルは、三つ以上の点特徴の各々の位置を示すデータを更に含む、態様56に記載の方法。
【0142】
(態様58)位置を示すデータは、患者の解剖学的構造に対するインプラントの計画された位置を示すデータである、態様57に記載の方法。
【0143】
(態様59)インプラントの計画された位置を示すデータは、患者の解剖学的構造の少なくとも一部についての仮想3D表現、患者の解剖学的構造に対するインプラントの三つ以上の点特徴の各々の位置を示すデータを含む、態様58に記載の方法。
【0144】
〔追加の考慮事項〕
本明細書に開示される様々な実施形態は、コンピュータ制御装置の使用を提供する。当業者は、これらの実施形態が汎用及び/又は専用コンピューティングシステム環境又は設定の両方を含む、多数の異なる種類のコンピューティング装置を使用して実施され得ることを容易に理解するであろう。上述の実施形態に関連して使用するのに適し得る周知のコンピューティングシステム、環境、及び/又は設定の例は、限定されないが、パーソナルコンピュータ、サーバーコンピュータ、ハンドヘルド又はラップトップ装置、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、プログラマブル家電、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、上記のシステム又は装置のいずれかを含む分散コンピューティング環境(例えば、ネットワーク、クラウドコンピューティングシステムなど)などを含み得る。これらの装置は、コンピュータ装置内のマイクロプロセッサによって実行されるとき、コンピュータ装置に、指定されたアクションを実行させて命令を実行させる、保存された命令を含み得る。本明細書で使用される場合、命令は、システム内の情報を処理するためのコンピュータ実施工程を指す。命令は、ソフトウェア、ファームウェア又はハードウェアで実施することができ、システムの構成要素によって行われる任意の種類のプログラムされた工程を含むことができる。
【0145】
マイクロプロセッサは、Pentium(登録商標)プロセッサ、Pentium(登録商標)Proプロセッサ、8051プロセッサ、インターロックパイプラインステージなしのマイクロプロセッサ(MIPS(登録商標))プロセッサ、Power PC(登録商標)プロセッサ、又はAlpha(登録商標)プロセッサといった、任意の従来の汎用シングル又はマルチチップマイクロプロセッサであってよい。その上、マイクロプロセッサは、デジタル信号プロセッサ又はグラフィックスプロセッサといった、任意の従来の専用マイクロプロセッサであってもよい。マイクロプロセッサは、典型的に従来のアドレス線、従来のデータ線、及び一つ以上の従来の制御線を有する。
【0146】
本明細書に開示される態様及び実施形態は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はこれらの任意の組合せを生成するために、標準的なプログラミング又はエンジニアリング技法を用いて実施されてよい。本明細書で使用するとき、用語「製品」は、光学記憶装置、及び揮発性又は不揮発性記憶装置、又は信号、搬送波などの一時的コンピュータ可読媒体といった、ハードウェア又は非一時的コンピュータ可読媒体に実施される符号又は論理を指す。そういったハードウェアは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、コンプレックスプログラマブル論理装置(CPLD)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、マイクロプロセッサ、又は他の同様の処理装置を含み得るが、これらに限定されない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
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図25
図26