(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057108
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】冷凍装置の熱源ユニット
(51)【国際特許分類】
F25B 1/10 20060101AFI20240416BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20240416BHJP
F24F 1/50 20110101ALI20240416BHJP
F24F 1/16 20110101ALI20240416BHJP
【FI】
F25B1/10 A
F25B1/00 396D
F24F1/50
F24F1/16
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024037615
(22)【出願日】2024-03-11
(62)【分割の表示】P 2018139666の分割
【原出願日】2018-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 俊
(72)【発明者】
【氏名】松本 祥志
(72)【発明者】
【氏名】廣川 智己
(72)【発明者】
【氏名】坂巻 智彦
(57)【要約】
【課題】 CO
2冷媒を用いた冷凍装置において、中間熱交換器をより効率的に作用させたい。
【解決手段】 冷凍装置1の熱源ユニット10は、複数段圧縮を行う圧縮機2と、冷媒と流体とで熱交換を行う主熱交換器4、45と、副熱交換器7、46、47とを備えている。副熱交換器7、46、47は、主熱交換器4、45とは独立に配置され、流体の流れにおいて、主熱交換器4、45の上流側または下流側に配置されている。
【選択図】
図8A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CO2冷媒を用い、前記CO2冷媒と他の流体との間で熱交換を行う冷凍装置(1)の熱源ユニット(10)であって、
2以上の複数段圧縮を行う圧縮機(2)と、
前記冷媒と前記流体との間で熱交換を行う主熱交換器(4、45)と、
前記主熱交換器とは独立に配置され、前記流体と熱交換を行う副熱交換器(7、46、47)であって、前記流体の流れにおいて、前記主熱交換器の上流側または下流側に配置された副熱交換器と、
を備えた、
冷凍装置の熱源ユニット。
【請求項2】
前記副熱交換器は、前記圧縮機による第1段の圧縮の後、最終段の圧縮の前に、前記冷媒と前記流体を熱交換させる中間熱交換器(7)であり、
前記中間熱交換器は、前記流体の流れにおいて、前記主熱交換器の上流側に配置されている、
請求項1に記載の冷凍装置の熱源ユニット。
【請求項3】
前記流体は、空気であり、
前記熱源ユニットは、さらに、
前記主熱交換器に前記空気を送るためのファン(40)と、
前記圧縮機、前記主熱交換器、前記ファン、前記中間熱交換器を収容する筐体(20)と、
を備え、
前記ファンは、前記筐体の側面より吸込んだ前記空気を、前記筐体の上面より上向きに吹出す、
請求項2に記載の冷凍装置の熱源ユニット。
【請求項4】
前記中間熱交換器は、前記主熱交換器の高さの半分より上の高さに配置されている、
請求項3に記載の冷凍装置の熱源ユニット。
【請求項5】
前記熱源ユニットは、さらに、
冷媒を膨張させる膨張機構(5)を備え、
前記副熱交換器(46)は、冷媒回路において、前記主熱交換器(45)と、前記膨張機構との間に接続され、
前記副熱交換器は、前記流体の流れにおいて、前記主熱交換器の上流側に配置されている、
請求項1に記載の冷凍装置の熱源ユニット。
【請求項6】
前記流体は、空気であり、
前記熱源ユニットは、さらに、
前記主熱交換器に前記空気を送るためのファン(40)と、
前記圧縮機、前記主熱交換器、前記ファン、前記副熱交換器を収容する筐体(20)と、
を備え、
前記ファンは、前記筐体の側面より吸込んだ前記空気を、前記筐体の上面より上向きに吹出す、
請求項5に記載の冷凍装置の熱源ユニット。
【請求項7】
前記副熱交換器は、前記主熱交換器の高さの半分より上の高さに配置されている、
請求項6に記載の冷凍装置の熱源ユニット。
【請求項8】
前記熱源ユニットは、さらに、
冷媒を膨張させる膨張機構(5)を備え、
前記副熱交換器(46)は、冷媒回路において、前記主熱交換器の冷媒出入り口の内で、前記膨張機構から遠い方に接続され、
前記副熱交換器は、前記流体の流れにおいて、前記主熱交換器の下流側に配置されている、
請求項1に記載の冷凍装置の熱源ユニット。
【請求項9】
前記流体は、空気であり、
前記熱源ユニットは、さらに、
前記主熱交換器に前記空気を送るためのファン(40)と、
前記圧縮機、前記主熱交換器、前記ファン、前記副熱交換器を収容する筐体(20)と、
を備え、
前記ファンは、前記筐体の側面より吸込んだ前記空気を、前記筐体の上面より上向きに吹出す、
請求項8に記載の冷凍装置の熱源ユニット。
【請求項10】
前記副熱交換器は、前記主熱交換器の高さの半分より上の高さに配置されている、
請求項9に記載の冷凍装置の熱源ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
CO2冷媒を用い、CO2冷媒と他の流体との間で熱交換を行う冷凍装置の熱源ユニット。
【背景技術】
【0002】
CO2冷媒を用いた冷凍装置において、二段圧縮を行う圧縮機、中間熱交換器を用いることが行われている。特許文献1(特開2009-150641号公報)においては、中間熱交換器を熱源側熱交換器の上に配置している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
CO2冷媒を用いた冷凍装置において、中間熱交換器をより効率的に作用させたいという要望がある。
【0004】
また、熱源側熱交換器が主熱交換器と副熱交換器を有する場合には、副熱交換器の効率を向上させたいという要望も存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1観点の熱源ユニットは、CO2冷媒を用い、CO2冷媒と他の流体との間で熱交換を行う冷凍装置の熱源ユニットである。熱源ユニットは、圧縮機と、主熱交換器と、副熱交換器と、を備えている。圧縮機は、2以上の複数段圧縮を行う。主熱交換器は、冷媒と流体との間で熱交換を行う。副熱交換器は、主熱交換器とは独立に配置され、流体と熱交換を行う。副熱交換器は、流体の流れにおいて、主熱交換器の上流側または下流側に配置されている。なお、ここで、独立とは、主熱交換器のフィンと、副熱交換器のフィンは繋がっておらず、かつ、主熱交換器と、副熱交換器は、別々の冷媒出入り口を有していることを意味している。
【0006】
第1観点の熱源ユニットは、熱交換器の中で温度変化の大きなCO2冷媒を用いた熱源ユニットにおいて、流体と冷媒の温度差を確保し、熱交換の効率を高める。
【0007】
第2観点の熱源ユニットは、第1観点の熱源ユニットであって、副熱交換器は、中間熱交換器である。中間熱交換器は、圧縮機による第1段の圧縮の後、最終段の圧縮の前に、冷媒と流体を熱交換させる。中間熱交換器は、流体の流れにおいて、主熱交換器の上流側に配置されている。
【0008】
第2観点の熱源ユニットは、中間熱交換器が主熱交換器と独立に、かつ、上流側に配置されるため、流体と冷媒の十分な熱交換が可能になり、熱交換効率が向上する。
【0009】
第3観点の熱源ユニットは、第2観点の熱源ユニットであって、熱源ユニットは、さらに、ファンと、筐体とを備える。第3観点において、流体は、空気である。ファンは、主熱交換器に空気を送るためのものである。筐体は、圧縮機、主熱交換器、ファン、中間熱交換器を収容する。ファンは、筐体の側面より吸込んだ前記空気を、筐体の上面より上向きに吹出す。
【0010】
第3観点の熱源ユニットは、空気と冷媒の熱交換効率を高める。
【0011】
第4観点の熱源ユニットは、第3観点の熱源ユニットであって、中間熱交換器は、主熱交換器の高さの半分より上の高さに配置されている。
【0012】
第4観点の熱源ユニットは、中間熱交換器が風速の大きい位置に配置されているので、中間熱交換器の熱交換量が大きくなり、効率が向上する。
【0013】
第5観点の熱源ユニットは、第1観点の熱源ユニットであって、さらに、膨張機構を備える。副熱交換器は、冷媒回路において、主熱交換器と膨張機構との間に接続される。副熱交換器は、流体の流れにおいて、主熱交換器の上流側に配置されている。
【0014】
第5観点の熱源ユニットは、主熱交換器を放熱器として作用させる際に、副熱交換器が主熱交換器の上流側に配置されているため、副熱交換器を流れる温度の低い冷媒と、流体との温度差が確保でき、熱交換効率を高くすることができる。
中間熱交換器の熱交換量が大きくなり、効率が向上する。
【0015】
第6観点の熱源ユニットは、第5観点の熱源ユニットであって、さらに、ファンと、筐体とを備える。第6観点において、流体は、空気である。ファンは、主熱交換器に空気を送るためのものである。筐体は、圧縮機、主熱交換器、ファン、副熱交換器を収容する。ファンは、筐体の側面より吸込んだ前記空気を、筐体の上面より上向きに吹出す。
【0016】
第6観点の熱源ユニットは、空気と冷媒の熱交換効率を高める。
【0017】
第7観点の熱源ユニットは、第6観点の熱源ユニットであって、副熱交換器は、主熱交換器の高さの半分より上の高さに配置されている。
【0018】
第7観点の熱源ユニットは、副熱交換器が風速の大きい位置に配置されているので、副熱交換器の熱交換量が大きくなり、効率が向上する。
【0019】
第8観点の熱源ユニットは、第1観点の熱源ユニットであって、さらに、膨張機構を備える。副熱交換器は、冷媒回路において、主熱交換器の冷媒出入り口のうち、膨張機構から遠い方に接続される。副熱交換器は、流体の流れにおいて、主熱交換器の下流側に配置されている。
【0020】
第8観点の熱源ユニットは、主熱交換器を放熱器として作用させる際に、副熱交換器が主熱交換器の下流側に配置されているが、副熱交換器を流れる温度が高いため、流体との温度差が確保できる。全体として、熱交換効率を高くすることができる。
【0021】
第9観点の熱源ユニットは、第8観点の熱源ユニットであって、さらに、ファンと、筐体とを備える。第8観点において、流体は、空気である。ファンは、主熱交換器に空気を送るためのものである。筐体は、圧縮機、主熱交換器、ファン、副熱交換器を収容する。ファンは、筐体の側面より吸込んだ前記空気を、筐体の上面より上向きに吹出す。
【0022】
第9観点の熱源ユニットは、空気と冷媒の熱交換効率を高める。
【0023】
第10観点の熱源ユニットは、第9観点の熱源ユニットであって、副熱交換器は、主熱交換器の高さの半分より上の高さに配置されている。
【0024】
第10観点の熱源ユニットは、副熱交換器が風速の大きい位置に配置されているので、副熱交換器の熱交換量が大きくなり、効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図2】第1実施形態の熱源ユニット10の概略斜視図。
【
図3】第1実施形態の熱源側熱交換器4の一部の概略斜視図。
【
図4A】第1実施形態の熱交換器4の折返し部33付近の側面図。
【
図4B】変形例1Aの熱交換器4の折返し部33付近の断面図。
【
図6A】変形例1Eの熱交換器において、伝熱管30の断面Sにおける断面図。
【
図6B】変形例1Dの熱交換器4において、伝熱管30の断面Sにおける断面図。
【
図7A】変形例1Dの熱交換器4において、第1端部4aの側面図。
【
図7B】変形例1Dの熱交換器4において、第2端部4bの側面図。
【
図8A】第1実施形態の熱交換器4と、中間熱交換器7の上面図。
【
図8B】第1実施形態の熱交換器4と、中間熱交換器7の断面Sにおける断面図。
【
図9A】第2実施形態の熱交換器4と、副熱交換器46の上面図。
【
図9B】第2実施形態の熱交換器4と、副熱交換器46の断面Sにおける断面図。
【
図10A】第3実施形態の熱交換器4と、副熱交換器47の上面図。
【
図10B】第3実施形態の熱交換器4と、副熱交換器47の断面Sにおける断面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<第1実施形態>
(1)冷凍装置1の冷媒回路構成
第1実施形態の冷凍装置1の冷媒回路構成を
図1に示す。本実施形態の冷凍装置1は、超臨界域で作動する冷媒である二酸化炭素を用い、二段圧縮式の冷凍サイクルを行う装置である。本実施形態の冷凍装置1は、冷暖房を行う空気調和装置、冷温水器などに用いることができる。
【0027】
本実施形態の冷凍装置1の冷媒回路は、主に、圧縮機2、四方切換弁3、熱源側熱交換器4、膨張機構5と、利用側熱交換器6と、中間熱交換器7とを有している。
【0028】
圧縮機2は、2つの圧縮要素2c、2dで冷媒を二段圧縮する二段圧縮機である。圧縮機2は、吸入管2aから冷媒を吸入し、吸入された冷媒を第1段圧縮要素2cによって、圧縮した後に中間冷媒管8に吐出する。中間冷媒管8に吐出された冷媒は、さらに第2段圧縮要素2dに吸入されて、圧縮されて、吐出管2bに吐出される。吐出管2bは、圧縮機2から吐出された冷媒を四方切換弁3に送るための冷媒管である。吐出管2bには、油分離器41と逆止弁42とが設けられている。油分離器41は、圧縮機2から吐出される冷媒に混ざる冷凍機油を冷媒から分離する。分離された油は、キャピラリーチューブ41cで減圧され、油戻し管41bを経由して、圧縮機2の吸入管2aに戻される。
【0029】
なお、本実施形態の冷凍機油は、CO2冷媒で用いられる冷凍機油であれば、特に限定されない。冷凍機油の例としては、PAG(ポリアルキレングリコール類)、POE(ポリオールエステル類)などがある。
【0030】
四方切換弁3は、熱源側熱交換器4、膨張機構5、利用側熱交換器6を繋ぐパスを流れる冷媒の流れを順方向と逆方向に切り換えることができる。冷房時には、圧縮機2から流出した冷媒を、熱源側熱交換器4から利用側熱交換器6に流す。このとき、熱源側熱交換器4は放熱器であり、利用側熱交換器6は蒸発器である。暖房時には、逆に、圧縮機2から流出した冷媒を、利用側熱交換器6から熱源側熱交換器4に流す。このとき、利用側熱交換器6は放熱器であり、熱源側熱交換器4は蒸発器である。
【0031】
中間冷媒管8の中途には、中間熱交換器7と、逆止弁15が、設けられている。すなわち、第1段圧縮要素2cによって圧縮された後の冷媒は、中間熱交換器7にて、空気と熱交換を行い、再び第2段圧縮要素2dに流入する。
【0032】
また、中間冷媒管8には、中間熱交換器7をバイパスするように、中間熱交換器バイパス管9が設けられている。すなわち、第1段圧縮要素2c、中間熱交換器バイパス管9を流れた冷媒は、中間熱交換器7を経由せずに、第2段圧縮要素2dに流入する。中間熱交換器7に冷媒を流すか、中間熱交換器バイパス管9に冷媒を流すかは、開閉弁11、12によって、切り換える。基本的に、利用側熱交換器6を蒸発器として利用する場合には、中間熱交換器7に冷媒を流し、逆に、利用側熱交換器6を放熱器として利用する場合には、中間熱交換器バイパス管9に冷媒を流すよう、制御する。つまり、基本的に、中間熱交換器7を使うのは、冷房の場合である。
【0033】
なお、本実施形態の冷凍装置1は二段圧縮の圧縮機を用いているが、圧縮機を2台用いた場合も同様である。また、三段以上の圧縮機、または、圧縮機構を用いてもよい。
【0034】
膨張機構5は、膨張弁、キャピラリーチューブ、膨張機のいずれかである。
【0035】
(2)冷凍装置1の熱源ユニット10の構成
(2-1)熱源ユニット10の全体構成
本実施形態の冷凍装置1の熱源ユニット10の構成要素を
図1の点線で、外観を
図2の斜視図で示す。
【0036】
熱源ユニット10は、筐体20の中に、ファン40、圧縮機2、熱源側熱交換器4、中間熱交換器7、膨張機構5、四方切換弁3、油分離器41を収容している。
【0037】
(2-2)熱源側熱交換器4
図2は、熱源ユニット10の外観斜視図、
図3Aは、熱源側熱交換器4の一部の斜視図である。
【0038】
本実施形態の熱源側熱交換器4は、
図2に示すように、熱源ユニット10の筐体20の内側の3側面に配置されている。ファン40が回転すると、筐体20の周りの空気が、3側面から取り込まれ、熱源側熱交換器4を通過する。筐体20の中に入った空気は、ファン40を通過して、筐体20の上面から、上向きに外へ吹出される。したがって、本実施形態の熱源ユニット10は、上吹きタイプである。空気は、熱交換器4を通過中に冷媒と熱交換を行い、加熱または冷却される。
【0039】
本実施形態の熱源側熱交換器4の一側面の概略を
図3の斜視図に示す。熱交換器4は、内部に冷媒を流す伝熱管30と、冷媒と空気との熱交換を促進する金属フィン50とを有している。本実施形態の伝熱管30は、多穴扁平管である。多穴扁平管では、冷媒の流れる複数の穴が幅方向に並んでいる。
【0040】
本実施形態の熱交換器4においては、
図2に示すように、冷媒は、熱交換器4の外部から、第1端部4aで伝熱管30に導入される。冷媒は、第1端部4aから、2箇所で90°折り曲げられた伝熱管30の3側面を流れて、第2端部4bに達する。冷媒は、第2端部4bに達すると流れ方向を180°反転され、再び3側面を流れた後、第1端部4aに戻る。冷媒は、第1端部4aで、伝熱管30より熱交換器4の外部に流出する。ここで、第1端部4aから第2端部4bへと向かう冷媒流路を形成する伝熱管を第1伝熱管30aとし、その逆向きに冷媒を流す伝熱管を第2伝熱管30bとする。
【0041】
本実施形態においては、
図3に示すように、伝熱管30は、空気の流れに対して2列配列されている。その各列において、第1伝熱管30aと第2伝熱管30bは交互に、上下に配列されている。
【0042】
また、本明細書において、熱交換器4における冷媒の流れの向きは、基本的に、放熱器として用いる場合について説明している。蒸発器に用いる場合は冷媒の向きが逆転する。
【0043】
(2-3)折返し部33の構成
本実施形態の熱源側熱交換器4の第2端部4b付近の構成について、図面を用いて説明する。第2端部4bには、折返し部33が配置される。
図4は、冷媒の折返し部33の縦断面図である。ここで、第1伝熱管30aの第2端部4b付近の部分を第1直線部31とし、第2伝熱管30bの第2端部4b付近の部分を第2直線部32とする。
【0044】
折返し部33は、伝熱管30(多穴扁平管300)の第1直線部31を流れてきた冷媒の向きを反転させて、第1直線部31の下の第2直線部32に流す。
【0045】
折返し部33は、二つの継手34a、34bと、U字管350を用いて形成されている。継手34a、34bは、伝熱管30と、U字管350を接続する。
【0046】
本実施形態において、伝熱管30は、多穴扁平管であっても良いし、円管であってもよく、特に限定されない。本実施形態においては、多穴扁平管300を用いている。多穴扁平管は、冷媒と、伝熱管との間の伝熱性能が高い。本実施形態の多穴扁平管300では、複数の穴が一列に並んでおり、多穴扁平管の穴の配列方向を幅方向とし、幅方向および冷媒の流れ方向に垂直な方向を厚み方向と呼ぶ。多穴扁平管の厚み(厚み方向の長さ)をTとし、幅(幅方向の長さ)をWとすると、W>Tである。
【0047】
本実施形態においては、多穴扁平管300の複数の穴である流路を流れた冷媒が、折返し部33において、一流路に集められる。そこで、折返し部33、すなわち、継手34a、34bおよびU字管において、冷媒の均質化が測られる。
【0048】
本実施形態においては、伝熱管30の鉛直方向の厚みTは3mm以下である。また、第1直線部31の中心と、第2直線部32の中心の鉛直方向の距離DPが、0mm~21mmである。
【0049】
本実施形態においては、CO2冷媒を用いた熱交換器4において、伝熱管30の折返し部33を挟んだ第1直線部31と第2直線部32を近くなるように配置している。そのために、通過空気の温度ムラが抑制できる。そのため、熱交換効率も向上する。
【0050】
本実施形態の熱交換器4において、第1直線部31の中心と、第2直線部32の中心の鉛直方向の距離DPは、伝熱管30の鉛直方向の厚みTの5倍以下である。
【0051】
本実施形態においては、CO2冷媒を用いた熱交換器4において、伝熱管30の折返し部33を挟んだ第1直線部31と第2直線部32を近くなるように配置している。そのために、通過空気の温度ムラが抑制できる。
【0052】
本実施形態の熱交換器4は、さらに、複数のフィン50を備えている。フィン50は、伝熱管30に固定され、伝熱管30と空気との熱交換を促進する。複数のフィン50のフィンピッチは、1.3mm以上、好ましくは1.4mm以上である。
【0053】
本実施形態の熱交換器4は、伝熱管30の鉛直方向の厚みTは3mm以下であり、フィンピッチを1.3mm以上とすることにより、熱交換効率を向上できる。
【0054】
本実施形態の熱交換器4が、放熱器として用いられたとき、熱交換器4の冷媒入口温度と、冷媒出口温度との温度差が40℃以上である。
【0055】
本実施形態では、冷媒として、CO2冷媒を用いている。CO2冷媒は、超臨界で用いる冷媒であり、放熱器において、冷媒の温度低下は大きい。40℃以上にもなる。冷媒の温度差が大きいため、第1直線部31と第2直線部32を近くなるように配置する効果も大きい。
【0056】
本実施形態の熱交換器4においては、第2直線部32は、第1直線部31の上、または、下に位置している。
【0057】
本実施形態の熱交換器4は、第1直線部31、第2直線部32が上下に位置しているので、両者の距離が近く、通過空気の温度ムラをより抑制できる。また、伝熱管30の上下は、フィン50が繋がっているため、フィン50を通じて、周辺の温度は、接近する。
【0058】
また、以上は第1直線部31を流れてきた冷媒を下向きに第2直線部32に折り返す場合について説明した。上向きに折り返す場合も、全く同様である。
【0059】
(2-4)継手34の詳細説明
図5Aは、継手34の縦断面図、
図5Bは、継手34の横断面図である。本実施形態の継手34は、
図5A、5Bに示すように、多穴扁平管300と、円管35とを接続する。本実施形態では、円管35は、U字管350である。内部に通す冷媒は、CO
2冷媒である。
【0060】
継手34は、第1接続部301と、本体部302と、第2接続部303とを有している。第1接続部301は、多穴扁平管300の端部の外部を覆っている。本体部302は、第1接続部301から連続している。第2接続部303は、本体部から連続している。第2接続部303は、円管35の端部の外側を覆っている。
【0061】
縦方向に見ると、
図5Aに示すように、第1接続部301の縦方向の内径L
301は、多穴扁平管300の厚みTよりもわずかに大きい。そして、本体部302の縦方向の内径L
302は、第1接続部301の縦方向の内径L
301よりも大きい。また、本体部302においては、第1接続部301から遠ざかる従い、縦方向の内径L
302は増加し、ある部分で、一定となる。
【0062】
本実施形態の継手34は、本体部302の縦方向の内径L302が、第1接続部の縦方向の内径L301よりも大きい。そのため、継手34の内周面の接続部分周辺に油が滞留しにくい。
【0063】
また、本実施形態の継手34は、さらに、本体部302は、第1接続部301から離れるに従い、縦方向の内径が、次第に大きくなっている領域を有している。このような構成を有しているために、さらに、継手34の内周面の接続部分周辺に油が滞留しにくい。
【0064】
一方、横方向に見ると、
図5Bに示すように、第1接続部301の横方向の内径W
301は、多穴扁平管300の幅Wよりもわずかに大きい。そして、本体部302の横方向の内径W
302は、第1接続部301の横方向の内径W
301よりも小さい。また、本体部302においては、第1接続部301から遠ざかる従い、横方向の内径W
302は減少し、ある部分で、一定となる。横方向の内径W
302が一定となった部分では、縦方向の内径L
302が一定となった部分と同じ長さである。
【0065】
継手34の本体部302の縦方向の内径L302が、第1接続部301の縦方向の内径L301よりも大きいために、第1接続部301の内周面で、多穴扁平管300付近に油が滞留しにくい。
【0066】
また、
図5Aに示すように、本実施形態においては、継手34の一方に接続される円管35の内径は、継手34の他方に接続される多穴扁平管300の穴の、厚み方向の径よりも大きい。
【0067】
さらに、継手34の管の厚みは、円管35の厚みよりも厚い。継手34の管の肉厚を厚くする理由は、継手34は扁平な部分を有するため、円管35よりも高い強度を必要とするからである。
【0068】
また、本実施形態の継手34は、さらに、冷媒流路に、縦方向に延びて配置される補強部材304を有しているのが好ましい。補強部材304は、第1接続部301の近くに配置されている。第1補強部材304は、継手34を構成する管の上下を繋いでおり、
図5Aで、管の上下から引っ張り応力を受ける場合も圧縮応力を受ける場合も補強の役割がある。CO
2冷媒は圧力が高く、第1接続部301は扁平な形をしているために、補強部材304を用いるのが好ましい。
【0069】
(2-4-1)継手34の製造方法
本実施形態の継手34の製造方法を二通り説明する。
【0070】
継手34の第1の製造方法は、円管を用いる方法である。
【0071】
円管は、内径が一定している通常の円管である。原料の円管の肉厚は、接続する円管35の肉厚よりも厚い。第1接続部301を作るため、円管の一端を扁平に押しつぶす。そうして、端部の縦方向の内径L301が、多穴扁平管300の厚みTよりもわずかに大きくなるように、横方向の内径W301が多穴扁平管300の幅Wよりもわずかに大きくなるように、加工する。
【0072】
以上説明したように、本実施形態の継手34は、一製造方法において、円管の一端を加工して形成されている。この原料の円管の肉厚は、接続する円管35の肉厚よりも厚い。そして、原料の円管の元の部分は、本体部302の一部分、内径L302、W302が一定の部分となっている。
【0073】
本実施形態の継手34は、円管に簡単な加工を加えて製造できるので、製造コストを抑制できる。
【0074】
このような製造方法は、製造が比較的、容易ではあるが、補強部材304を挿入するのは困難である。したがって、補強部材304を用いない場合に利用する製造方法である。
【0075】
継手34の第2の製造方法は、貼り合せ工法を用いる方法である。
【0076】
図5Aに示す継手34において、その中央部から上の部分と下の部分を別々に用意する。厳密に半分にする必要は無く、一方が大きくてもかまわない。
【0077】
補強部材304は、あらかじめ上の部分か、下の部分に、ロウ付け等で接着しておく。その上の部分と下の部分を、ロウ付け等で張り合わせて、継手34を形成する。
【0078】
本実施形態の継手34は、以上説明したように、2以上の部材の貼りあわせで製造しても良い。貼りあわせで製造することにより、補強部材304を備えるなど、複雑な構造の継手も容易に製造することができる。
【0079】
(2-5)中間熱交換器7
本実施形態の中間熱交換器7の配置を
図8Aの上面図、
図8Bの断面図を用いて説明する。
【0080】
本実施形態の中間熱交換器7は、
図8Aに示すように、筐体20の内側、かつ、熱交換器4の外側に、熱交換器4とは独立に配置されている。なお、ここで、独立とは、熱交換器4のフィン50と、中間熱交換器7のフィン(図示せず)は繋がっておらず、かつ、熱交換器4と、中間熱交換器7は、別々の冷媒出入り口を有していることを意味している。
【0081】
また、中間熱交換器は、
図8Bに示すように、熱交換器4の配置している高さのうち、半分より上の高さに配置されている。
【0082】
本実施形態の熱源ユニット10においては、ファン40は、熱交換器4、中間熱交換器7の上に配置されており、熱交換器4の側面においても上に行くほど風速が増大する。
【0083】
中間熱交換器7は、熱交換器4よりも上流側に配置されており、空気と冷媒との温度差を十分に確保でき、熱交換量を大きくできる。
【0084】
また、中間熱交換器7は、上部に配置されているために、風量が比較的大きく、熱交換量を大きくすることができる。
【0085】
(3)特徴
(3-1)
本実施形態の熱源ユニット10は、CO2冷媒を用い、CO2冷媒と他の流体との間で熱交換を行う冷凍装置1の熱源ユニット10である。熱源ユニット10は、圧縮機2と、熱源側熱交換器4と、中間熱交換器7と、を備えている。圧縮機2は、2以上の複数段圧縮を行う。熱源側熱交換器4は、冷媒と空気との間で熱交換を行う。中間熱交換器7は、圧縮機2による第1段の圧縮の後、最終段の圧縮の前に、冷媒と流体を熱交換させる。中間熱交換器7は、流体の流れにおいて、熱源側熱交換器4の上流側に、熱源側熱交換器4とは、独立に配置されている。ここで、独立とは、熱交換器4のフィン50と、中間熱交換器7のフィン(図示せず)は繋がっておらず、かつ、熱交換器4と、中間熱交換器7は、別々の冷媒出入り口を有していることを意味している。
【0086】
本実施形態の中間熱交換器7は、Co2冷媒の温度が比較的低い場合であっても、熱源側熱交換器4よりも上流側に配置されているので、空気との温度差を確保しやすく、効率よい熱交換が可能である。
【0087】
(3-2)
本実施形態においては、熱源ユニット10は、さらに、ファン40と、筐体20とを備える。ファン40は、熱源側熱交換器4に空気を送るためのものである。筐体20は、圧縮機2、熱源側熱交換器4、ファン40、中間熱交換器7を収容する。ファン40は、筐体の側面より吸込んだ空気を、筐体の上面より上向きに吹出す。
【0088】
本実施形態の熱源ユニット10においては、さらに、中間熱交換器7は、熱源側熱交換器4の高さの半分より上の高さに配置されている。
【0089】
本実施形態の熱源ユニット10は、中間熱交換器7が風速の大きい位置に配置されているので、中間熱交換器7の熱交換量が大きくなり、効率が向上する。
【0090】
(4)変形例
(4-1)変形例1A
第1実施形態では、折返し部33として、継手34とU字管350を用いて構成する場合について説明した。変形例1Aでは、
図4Bに示すように、一の伝熱管を折り曲げて、第1直線部31、折返し部33、第2直線部32を形成している。変形例1Aにおいては、伝熱管30は、円管であっても、多穴扁平管であっても良い。変形例1Aでは、多穴扁平管を選択する。多穴扁平管の幅方向はそのままで、厚み方向に180°折り曲げられている。伝熱管の鉛直方向の厚みTは3mm以下である。本実施形態において、第1直線部31の中心と、第2直線部32の中心の鉛直方向の距離DPは、21mm以下である。
【0091】
変形例1Aの熱交換器4において、折返し部33は、伝熱管30を1の管で折り曲げて構成しているため、部品点数が少なくてすむ。また、接続箇所がないので、接続部で冷媒が漏れるなどの問題も生じにくい。
【0092】
(4-2)変形例1B
第1実施形態では、折返し部33として、継手34とU字管350を用いて構成する場合について説明した。変形例1Bでは、折返し部33として、集合管を用いる。集合管では、複数の伝熱管30aを経由した冷媒がいったん混合された後に、冷媒の流れ方向を反転され、別の複数の伝熱管30bに送り出される。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
【0093】
変形例1Bの折返し部33では、集合管を用いているため、複数の伝熱管30aを流れた冷媒が、集合管において、合流させられる。そこで、冷媒温度の均質化が測られる。
【0094】
(4-3)変形例1C
第1実施形態においては、継手34は、多穴扁平管300と、円管35と、別体であった。変形例1Cでは、継手34は、円管35と一体である。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0095】
変形例1Cの継手34は、第1実施形態の継手34と同様に、本体部302の縦方向の内径L302が、第1接続部の縦方向の内径L301よりも大きい。そのため、継手34の内周面の接続部分周辺に油が滞留しにくい。
【0096】
また、変形例1Aの継手34の応用として、
図4に示すような折返し部33として、継手34a、U字管350、継手34bを、一体物として構成しても良い。
【0097】
(4-4)変形例1D
(4-4-1)変形例1Dの熱交換器4の構成
第1実施形態および変形例1Aの熱交換器4においては、伝熱管30は、上下方向に折り返されていた。すなわち、第1直線部31および第2直線部32が同一の列に属する場合であった。変形例1Dの熱交換器4においては、伝熱管30は列を跨いで折り返される。その他の変形例1Dの冷凍装置1の構成は、第1実施形態、変形例1Aと同じである。
【0098】
変形例1Dの熱交換器4の構成を図面を用いて説明する。第1端部4a、第2端部4bにおいて、冷媒の流れる方向から見た側面を
図7A、7Bに、第1端部4a、第2端部4bの中間における冷媒の流れる方向と垂直な断面Sにおける断面図を
図6Bに示す。第1実施形態と同様に、第1伝熱管30aは、冷媒を第1端部4aから第2端部4bへ流す伝熱管であり、第2伝熱管30bはその逆である。また、変形例1Dにおいても、熱交換器4は放熱器として利用するものとして、冷媒の流れを説明する。蒸発器として利用する場合は、冷媒の流れは逆転する。変形例1Dにおいては、伝熱管は、多穴扁平管を用いている。伝熱管30の鉛直方向の厚みTは3mm以下である。
【0099】
変形例1Dの熱交換器4においては、冷媒は、
図7Aに示す第1冷媒出入り口401に入る。第1冷媒出入り口401より第1伝熱管30aを流れた冷媒は、熱交換器4の3側面を経由して空気と熱交換して、第2端部4bに達する。
【0100】
第2端部4bに達した冷媒は、折返し部33によって、別の列(ここでは、隣の風上側の列)に折り返される。このとき、第1伝熱管30a(第1直線部31)の中心と、第2伝熱管30b(第2直線部32)の中心の鉛直方向の距離DPは、21mm以下である。また、変形例1Dの折返し部33の構成は、変形例1Aの構成と同様であって、第1伝熱管30aと第2伝熱管30bは、2つの継手34と、それを繋ぐU字管350で接続されている。
【0101】
また、変形例1Dの伝熱管30a、30bは、上下に、周期Pで配列されている。第1伝熱管30a(第1直線部31)の中心と、第2伝熱管30b(第2直線部32)の中心の鉛直方向の距離DPは、0よりも大きく、かつ、DPよりも小さく設定されている。つまり、0<DP<Pである。
【0102】
第2端部4bで折り返された冷媒は、第2伝熱管30bを流れ、3側面を経由するうちに空気と熱交換をし、第1端部4aに達する。第1端部に達した冷媒は、第2冷媒出入り口部402より、熱交換器4の外の冷媒回路へ流出する。
【0103】
以上、変形例1Dにおいては、第1伝熱管30aを風下に、第2伝熱管30bを風上に置く場合について説明した。逆に配置しても良い。
【0104】
また、変形例1Dにおいては、伝熱管30が、第1端部4aと第2端部4bの間を一往復だけする場合について説明した。2往復以上する場合も本発明は有効である。
【0105】
(4-4-2)変形例1Dの熱交換器の特徴
(4-4-2-1)
変形例1Dの熱交換器4の折返し部33前後の第1伝熱管30a、第2伝熱管30bは、隣接する別の列である。したがって、同一の列で見ると、冷媒温度の違う第1伝熱管30aと第2伝熱管30bが並んでいるということが無く、列内での温度分布が抑制される。
【0106】
(4-4-2-2)
変形例1Dの熱交換器4において、折返し部33前後の第1伝熱管30a、第2伝熱管30bは、隣接する別の列であり、かつ、第1伝熱管30a(第1直線部31)の中心と、第2伝熱管30b(第2直線部32)の中心の鉛直方向の距離DPは、0よりも大きく、かつ、DPよりも小さく設定されている。
【0107】
この配置のために、風下にある第1伝熱管30aに対しても第2伝熱管30bが障害になって風が当たりにくいということが無く、空気と冷媒の熱交換が促進される。
【0108】
(4-4-2-3)
また、変形例1Dの第1冷媒出入り口401、第2冷媒出入り口402はそれぞれ別の列に配列されている。したがって、たとえば、冷媒の出入り口に、別途、冷媒集合管を設けたときに、接続配管をシンプルに構成しやすい。
【0109】
(4-5)変形例1E
変形例1Eの熱交換器4の第1端部4a、第2端部4bの中間において冷媒の流れる方向と垂直な断面Sの断面図を
図6Aに示す。変形例1Eは、第2端部4bにおける、冷媒の折返し部33における、第1伝熱管30a(第1直線部31)の中心と、第2伝熱管30b(第2直線部32)の中心の鉛直方向の距離DPが0である点が、変形例1Dと異なる。その他の点は、変形例1Dと同じである。
【0110】
変形例1Eの熱交換器は、変形例1Dの熱交換器4と、(4-4-2-1)、(4-4-2-3)と同様の特徴を有する。
【0111】
(4-6)変形例1F
第1実施形態の熱源側熱交換器4は、内部を流れるCO
2冷媒と、空気との間に熱交換させるものであった。冷媒と熱交換する流体は、空気に限定されない。変形例1Fにおいては、流体は、水である。冷媒回路の構成は、
図1と同様である。
【0112】
変形例1Fの熱源ユニットにおいては、水の流れる配管において、上流側において、中間熱交換器7と水が熱交換し、下流側において、熱源側熱交換器4と水が熱交換する。
【0113】
変形例1Fの熱交換器においては、熱源側熱交換器4が放熱器として機能するとき、比較的温度の低い中間熱交換器7の冷媒と、水との温度差が確保しやすく、熱交換効率が向上する。
【0114】
<第2実施形態>
(5)副熱交換器46
第1実施形態においては、熱源側熱交換器4は、一つの熱交換器で構成されていた。
【0115】
第2実施形態においては、熱源側熱交換器4は、主熱交換器45と副熱交換器46とで、構成されている。主熱交換器45が主に熱源側熱交換を担っている。副熱交換器46は、冷媒回路において、主熱交換器45(
図1では熱源側熱交換器4に相当)と、膨張機構5との間に接続されている。また、第2実施形態においては、中間熱交換器は必須ではない。中間熱交換器7がある場合も、その配置は特に限定されない。第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0116】
本実施形態の主熱交換器45と副熱交換器46の配置を
図9Aの上面図、
図9Bの断面図を用いて説明する。
【0117】
本実施形態の副熱交換器46は、
図9Aに示すように、筐体20の内側、かつ、主熱交換器45の外側に、主熱交換器45とは独立に配置されている。なお、ここで、独立とは、主熱交換器45のフィン50と、副熱交換器46のフィン(図示せず)は繋がっておらず、かつ、主熱交換器45と、副熱交換器46は、別々の冷媒出入り口を有していることを意味している。また、冷媒回路において、主熱交換器45と、副熱交換器46との間に、さらに、冷媒集合部を配置しても良い。冷媒集合部を配置することにより、冷媒が一度集合されて、冷媒温度等が均質化される。
【0118】
また、副熱交換器46は、
図9Bに示すように、主熱交換器45の配置している高さのうち、半分より上の高さに配置されている。
【0119】
本構成は、特に、熱源側熱交換器を放熱器として利用する際に、効果を発揮する。すなわち、CO2冷媒を用いた冷凍サイクルにおける放熱器は、冷媒入り口ほど冷媒の温度が高く、出口付近では冷媒の温度は低くなっている。つまり、本実施形態では、主熱交換器45中で冷媒の温度が高く、副熱交換器46中では冷媒の温度が低い。つまり、副熱交換器46においては、冷媒と空気の温度差が小さい。
【0120】
本実施形態の熱源ユニット10においては、ファン40は、主熱交換器45、副熱交換器46の上に配置されており、熱交換器4の側面においても上に行くほど風速が増大する。
【0121】
副熱交換器46は、主熱交換器45よりも上流側に配置されており、空気と冷媒との温度差を十分に確保でき、熱交換量を大きくできる。
【0122】
また、副熱交換器46は、上部に配置されているために、風量が比較的大きく、熱交換量を大きくすることができる。
【0123】
<第3実施形態>
(6)副熱交換器47
第1実施形態においては、熱源側熱交換器4は、一つの熱交換器で構成されていた。
【0124】
第3実施形態においては、熱源側熱交換器4は、主熱交換器45と副熱交換器47とで、構成されている。主熱交換器45が主に熱源側熱交換を担っている。副熱交換器47は、冷媒回路において、主熱交換器45(
図1では熱源側熱交換器4に相当)と、膨張機構5から遠い方に接続されている。また、第3実施形態においては、中間熱交換器は必須ではない。中間熱交換器7がある場合も、その配置は特に限定されない。第3実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0125】
本実施形態の主熱交換器45と副熱交換器47の配置を
図10Aの上面図、
図10Bの断面図を用いて説明する。
【0126】
本実施形態の副熱交換器47は、
図10Aに示すように、筐体20の内側、かつ、主熱交換器45の内側に、主熱交換器45とは独立に配置されている。なお、ここで、独立とは、主熱交換器45のフィン50と、副熱交換器47のフィン(図示せず)は繋がっておらず、かつ、主熱交換器45と、副熱交換器47は、別々の冷媒出入り口を有していることを意味している。また、冷媒回路において、主熱交換器45と、副熱交換器47との間に、さらに、冷媒集合部を配置しても良い。冷媒集合部を配置することにより、冷媒が一度集合されて、冷媒温度等が均質化される。
【0127】
また、副熱交換器47は、
図10Bに示すように、主熱交換器45の配置している高さのうち、半分より上の高さに配置されている。
【0128】
本構成は、特に、熱源側熱交換器を放熱器として利用する際に、効果を発揮する。すなわち、CO2冷媒を用いた冷凍サイクルにおける放熱器は、冷媒入り口ほど冷媒の温度が高く、出口付近では冷媒の温度は低くなっている。つまり、本実施形態では、副熱交換器47中では冷媒の温度が高く、主熱交換器45中で冷媒の温度が少し低い。つまり、副熱交換器47においては、冷媒と空気の温度差が大きい。
【0129】
本実施形態の熱源ユニット10においては、ファン40は、主熱交換器45、副熱交換器47の上に配置されており、熱交換器4の側面においても上に行くほど風速が増大する。
【0130】
副熱交換器47は、主熱交換器45よりも下流側に配置されているが、それでも、空気と冷媒との温度差を十分に確保できる。主熱交換器は、風上側に配置され、空気と冷媒との温度差を十分に確保でき、熱交換量を大きくできる。
【0131】
また、副熱交換器47は、上部に配置されているために、風量が比較的大きく、熱交換量を大きくすることができる。
【0132】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0133】
1 冷凍装置
2 圧縮機
3 四方切換弁
4 熱源側熱交換器
5 膨張機構
6 利用側熱交換器
7 中間熱交換器
10 熱源ユニット
20 筐体
30 伝熱管
30a 第1伝熱管
30b 第2伝熱管
31 第1直線部
32 第2直線部
33 折返し部
35 円管
350 U字管
40 ファン
45 主熱交換器
46、47 副熱交換器
50 フィン
【先行技術文献】
【特許文献】
【0134】
【手続補正書】
【提出日】2024-04-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CO2冷媒を用い、前記CO2冷媒と他の流体との間で熱交換を行う冷凍装置(1)の熱源ユニット(10)であって、
2以上の複数段圧縮を行う圧縮機(2)と、
前記冷媒と前記流体との間で熱交換を行う主熱交換器(4、45)と、
前記主熱交換器とは独立に配置され、前記流体と熱交換を行う副熱交換器(7、46、47)であって、前記流体の流れにおいて、前記主熱交換器の上流側または下流側に配置された副熱交換器と、
を備え、
前記熱源ユニットは、さらに、
冷媒を膨張させる膨張機構(5)を備え、
前記副熱交換器(46)は、冷媒回路において、前記主熱交換器(45)と、前記膨張機構との間に接続され、
前記副熱交換器は、前記流体の流れにおいて、前記主熱交換器の上流側に配置されており、
前記流体は、空気であり、
前記熱源ユニットは、さらに、
前記主熱交換器に前記空気を送るためのファン(40)と、
前記圧縮機、前記主熱交換器、前記ファン、前記副熱交換器を収容する筐体(20)と、
を備え、
前記ファンは、前記筐体の側面より吸込んだ前記空気を、前記筐体の上面より上向きに吹出し、
前記副熱交換器は、前記主熱交換器の高さの半分より上の高さに配置されている、
冷凍装置の熱源ユニット。
【請求項2】
CO2冷媒を用い、前記CO2冷媒と他の流体との間で熱交換を行う冷凍装置(1)の熱源ユニット(10)であって、
2以上の複数段圧縮を行う圧縮機(2)と、
前記冷媒と前記流体との間で熱交換を行う主熱交換器(4、45)と、
前記主熱交換器とは独立に配置され、前記流体と熱交換を行う副熱交換器(7、46、47)であって、前記流体の流れにおいて、前記主熱交換器の上流側または下流側に配置された副熱交換器と、
を備え、
前記熱源ユニットは、さらに、
冷媒を膨張させる膨張機構(5)を備え、
前記副熱交換器(46)は、冷媒回路において、前記主熱交換器の冷媒出入り口の内で、前記膨張機構から遠い方に接続され、
前記副熱交換器は、前記流体の流れにおいて、前記主熱交換器の下流側に配置されており、
前記流体は、空気であり、
前記熱源ユニットは、さらに、
前記主熱交換器に前記空気を送るためのファン(40)と、
前記圧縮機、前記主熱交換器、前記ファン、前記副熱交換器を収容する筐体(20)と、
を備え、
前記ファンは、前記筐体の側面より吸込んだ前記空気を、前記筐体の上面より上向きに吹出し、
前記副熱交換器は、前記主熱交換器の高さの半分より上の高さに配置されている、
冷凍装置の熱源ユニット。