IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 新潟機械株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-射出成形機 図1
  • 特開-射出成形機 図2
  • 特開-射出成形機 図3
  • 特開-射出成形機 図4
  • 特開-射出成形機 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057163
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】射出成形機
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/74 20060101AFI20240417BHJP
   B29C 45/78 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
B29C45/74
B29C45/78
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163697
(22)【出願日】2022-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】723004680
【氏名又は名称】新潟機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】杉山 和弘
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206AL20
4F206AP05
4F206AR06
4F206JA07
4F206JL02
4F206JQ46
4F206JQ90
(57)【要約】
【課題】エネルギー効率を向上し、温度制御の正確性・迅速性・容易性を向上する。
【解決手段】加熱シリンダと、加熱シリンダ内で駆動されるスクリューと、スクリューに成形材料を供給するためのホッパーと、ホッパーから加熱シリンダ内に成形材料を供給するホッパー下部材と、加熱シリンダを外周から加熱するヒータと、ホッパー下部材に熱媒を供給してホッパー下部材の温度調節をおこなうホッパー下温調部と、ヒータから加熱されて熱媒を前記ホッパー下温調部へと供給可能な熱媒加熱部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱シリンダと、
前記加熱シリンダ内で駆動されるスクリューと、
前記スクリューに成形材料を供給するためのホッパーと、
前記ホッパーから前記加熱シリンダ内に成形材料を供給するホッパー下部材と、
前記加熱シリンダを外周から加熱するヒータと、
前記ホッパー下部材に熱媒を供給して前記ホッパー下部材の温度調節をおこなうホッパー下温調部と、
前記ヒータから加熱されて熱媒を前記ホッパー下温調部へと供給可能な熱媒加熱部と、
を有する、
ことを特徴とする射出成形機。
【請求項2】
前記熱媒加熱部は、前記ヒータよりも前記加熱シリンダの径方向外方に配置される、
ことを特徴とする請求項1記載の射出成形機。
【請求項3】
前記熱媒加熱部は、前記熱媒加熱部よりも前記加熱シリンダの径方向外方に配置された受熱プレートで覆われる、
ことを特徴とする請求項2記載の射出成形機。
【請求項4】
前記熱媒加熱部は、前記ホッパー下温調部に供給する熱媒を温度制御する温度制御部よりも上流側で分岐接続される、
ことを特徴とする請求項1記載の射出成形機。
【請求項5】
前記ホッパー下温調部が前記ホッパー下部材を昇温する際には熱媒を前記熱媒加熱部に供給し、
前記ホッパー下温調部が前記ホッパー下部材を降温する際には熱媒を前記熱媒加熱部には供給しないように制御する、或いは、前記ホッパー下温調部に供給する熱媒と前記熱媒加熱部の熱媒とを混合させて制御する、制御部を有する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の射出成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は射出成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に射出成形機には、加熱シリンダを加熱するヒータと、ヒータの放熱防止のための保温カバーと、材料を供給するホッパー穴の近傍すなわちホッパー下部材の温度を制御するためのホッパー下温調機構と、が設けられている。このような構成が特許文献1~3に例示されている。
【0003】
ホッパー下温調機構は、通液・止液により設定温度に制御されている。このホッパー下部材に対する温度制御のうち、ホッパー下部材の降温に関しては通液による熱交換にておこなうため、比較的容易に制御することが可能である。これに対して、ホッパー下部材の昇温に関しては、加熱シリンダ後部からの熱伝導に頼っている。このため、ホッパー下部材が設定温度へ到達するには長時間を要するとともに、この加熱シリンダ後部の温度設定にも影響を受けることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-062868号公報
【特許文献2】特開平08-099340号公報
【特許文献3】特開平06-312438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、加熱シリンダ後部を加熱するヒータは、ホッパー下部材への熱伝導の影響により、加熱シリンダにおける他の部分、たとえば前部や中部を加熱するヒータに比べて、その出力が大きくなる傾向がある。これを改善したいという要求があった。
【0006】
また、加熱シリンダのヒータでの消費エネルギーは、射出成形機全体での消費エネルギーのうち、大半を占めるといわれる。しかし、加熱シリンダのヒータの熱エネルギーは、樹脂等の成形材料の可塑化に用いられる以外、そのエネルギーが廃熱として大気へと放熱されている。このため、これを有効利用したいという要求があった。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.加熱シリンダのヒータにおけるエネルギー効率を向上すること。
2.ホッパー下部材に対する温度制御の正確性・迅速性・容易性を向上すること。
3.射出成形機におけるエネルギー効率を向上すること。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の一態様にかかる射出成形機は、加熱シリンダと、
前記加熱シリンダ内で駆動されるスクリューと、
前記スクリューに成形材料を供給するためのホッパーと、
前記ホッパーから前記加熱シリンダ内に成形材料を供給するホッパー下部材と、
前記加熱シリンダを外周から加熱するヒータと、
前記ホッパー下部材に熱媒を供給して前記ホッパー下部材の温度調節をおこなうホッパー下温調部と、
前記ヒータから加熱されて熱媒を前記ホッパー下温調部へと供給可能な熱媒加熱部と、
を有する、
ことにより上記課題を解決した。
(2)本発明の射出成形機は、上記(1)において、
前記熱媒加熱部は、前記ヒータよりも前記加熱シリンダの径方向外方に配置される、
ことができる。
(3)本発明の射出成形機は、上記(2)において、
前記熱媒加熱部は、前記熱媒加熱部よりも前記加熱シリンダの径方向外方に配置された受熱プレートで覆われる、
ことができる。
(4)本発明の射出成形機は、上記(1)において、
前記熱媒加熱部は、前記ホッパー下温調部に供給する熱媒の供給を切り替える供給制御弁部よりも上流側で分岐接続される、
ことができる。
(5)本発明の射出成形機は、上記(1)から(3)のいずれかにおいて、
前記ホッパー下温調部が前記ホッパー下部材を昇温する際には熱媒を前記熱媒加熱部に供給し、
前記ホッパー下温調部が前記ホッパー下部材を降温する際には熱媒を前記熱媒加熱部には供給しないように制御する、或いは、前記ホッパー下温調部に供給する熱媒と前記熱媒加熱部の熱媒とを混合させて制御する、制御部を有する、
ことができる。
【0009】
上記(1)の構成により、ホッパー下部材を昇温させる際に、ホッパー下部材に熱媒加熱部から熱媒を供給してホッパー下部材を昇温させることができる。これにより、ヒータで加熱シリンダを加熱して樹脂等の成形材料を可塑化する際に、外部に捨てられていたヒータからの熱を利用して、ホッパー下部材を昇温させることが可能となる。したがって、ホッパー下部材の昇温をヒータのみでおこなう場合に比べて、ホッパー下部材の昇温を迅速におこなうことができる。さらに、無駄に捨てられていたヒータの廃熱を利用して熱媒を加熱することで、射出成形機のエネルギー効率を向上することが可能となる。また、従来からホッパー下部材の昇温をおこなっていたホッパー下温調部の熱媒を熱媒加熱部で加熱することをも可能な構成とするために、所定位置で分岐した配管を設けるだけで、これらを可能とすることができる。
【0010】
上記(2)の構成により、ヒータによる加熱シリンダの加熱に影響を与えることなく、ヒータから外方に捨てられていた熱を熱媒加熱部によって再利用して熱媒を加熱可能とすることができる。
【0011】
上記(3)の構成により、受熱プレートによって、ヒータから外方に放射される放射熱および対流熱を効率よく回収し、熱媒加熱部において効率よく熱媒を加熱することが可能となる。これにより、さらに射出成形機のエネルギー効率を向上することが可能となる。
【0012】
上記(4)の構成により、熱媒加熱部においては、ホッパー下温調部から温調されてホッパー下部材へと供給される前の熱媒を加熱して、昇温した熱媒をホッパー下部材へと供給することができる。これにより、ホッパー下部材の昇温をヒータからの伝熱のみでおこなう場合に比べて、ホッパー下部材の昇温を迅速におこなうことができる。また、温度制御部での熱媒に対する温度制御の正確性・精密性を維持したまま、加熱効率を向上することが可能となる。
【0013】
上記(5)の構成により、ホッパー下温調部からホッパー下部材と供給される前の熱媒を通液・混液して加熱するかしないかの制御を制御部でおこなうため、ホッパー下部材に対する温度制御の正確性・迅速性・容易性を向上することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、加熱シリンダのヒータにおけるエネルギー効率を向上し、ホッパー下部材に対する温度制御の正確性・迅速性・容易性を向上し、射出成形機におけるエネルギー効率を向上することができるという効果を奏することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る射出成形機の第1実施形態を示す模式断面図である。
図2】本発明に係る射出成形機の第1実施形態における熱媒加熱部を示す下面図である。
図3】本発明に係る射出成形機の第2実施形態における熱媒加熱部を示す斜視図である。
図4】本発明に係る射出成形機の第3実施形態における熱媒加熱部を示す斜視図である。
図5】本発明に係る射出成形機の第4実施形態における熱媒加熱部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る射出成形機の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における射出成形機を示す模式断面図である。図2は、本実施形態における射出成形機における熱媒加熱部を示す模式下面図である。図において、符号10は、射出成形機である。
【0017】
本実施形態に係る射出成形機10は、図1に示すように、加熱シリンダ11と、スクリュー12と、ホッパー13と、ホッパー下部材14と、ヒータ15と、ホッパー下温調部16と、熱媒加熱部17と、制御部19と、を有している。
【0018】
加熱シリンダ11は、円筒状の外径を有する。加熱シリンダ11は、その軸線が略水平方向に沿って配置される。なお、加熱シリンダ11は、その軸線が略鉛直方向など、他の方向に沿って配置されてもよい。加熱シリンダ11は、油圧あるいは電動モータによって駆動されるスクリュー12を内蔵する。加熱シリンダ11とスクリュー12とは、同軸に配置される。加熱シリンダ11は、その先端(前端)11aに射出ノズル11a1を有する。射出ノズル11a1とスクリュー12とは、同軸に配置される。加熱シリンダ11の後端11bには、ホッパー13が配設される。
【0019】
スクリュー12は、回転駆動された回転作用によって、樹脂等の成形材料を、加熱シリンダ11の後端11bから先端(前端)11aの射出ノズル11a1に向けて送る。この過程で、ヒータ15から加えられる熱と、スクリュー12の回転による剪断、摩擦による発熱する熱とにより可塑化混練することも可能とされている。
【0020】
ホッパー13は、樹脂等の成形材料を貯留する。ホッパー13は、樹脂等の成形材料をスクリュー12に下端から供給する。ホッパー13から加熱シリンダ11内のスクリュー12へと樹脂を供給するために、ホッパー13の下端位置には、ホッパー下部材14が配設される。
【0021】
ホッパー下部材14には、スクリュー12へと樹脂等の成形材料を供給する樹脂導入孔としての供給孔14fが形成される。供給孔14fは、ホッパー13の下端から加熱シリンダ11内のスクリュー12までを略鉛直方向に連通するように貫通する。
【0022】
ホッパー下部材14には、供給孔14fの周囲でスクリュー12に近接する位置に、ホッパー下温調配管16aが配設されている。ホッパー下温調配管16aは、ホッパー下温調部16を構成する。ホッパー下温調配管16aは、熱媒を流すことでホッパー下部材14を冷却・加熱して温度調整可能とされる。なお、図において、ホッパー下温調配管16aは模式的に示しており、その配置、特に加熱シリンダ11、スクリュー12や供給孔14fとの位置関係や分岐状態などはこれに限定されるものではない。
【0023】
加熱シリンダ11の外周には、内部の成形材料の温度を制御するためのヒータ15が巻かれている。ヒータ15は、たとえば、抵抗加熱ヒータとされて、図示しない電源から供給された電力に応じて発熱する。ヒータ15は、加熱シリンダ11と同軸の円筒状に配置される。ヒータ15は、加熱シリンダ11の外周に接する。なお、ヒータ15は、加熱シリンダ11の外周から離間していてもよい。加熱シリンダ11の軸方向の全長を覆うことができる。
【0024】
ヒータ15は、加熱シリンダ11の軸方向に複数部分に分割される。ヒータ15は、たとえば、前ヒータ15a、中ヒータ15c、後ヒータ15bのように3つの領域ごとに分割制御可能とされる。前ヒータ15a、中ヒータ15c、後ヒータ15bは、いずれも制御部19に接続される。
【0025】
前ヒータ15aは加熱シリンダ11の先端11aに近接して配置される。後ヒータ15bは加熱シリンダ11の後端11bに近接して配置される。中ヒータ15cは加熱シリンダ11の軸方向中程に位置する。前ヒータ15a、中ヒータ15c、後ヒータ15bは、加熱シリンダ11の軸方向長さが、それぞれほぼ同じ長さの領域を覆うように配置されてもよい。後ヒータ15bは、ホッパー下部材14に隣接して配置されてもよい。
【0026】
ヒータ15は、保温カバー18aによって覆われている。
保温カバー18aは、加熱シリンダ11を少なくとも上方と側方から囲む端面コ字状に配置される。また、保温カバー18aは、加熱シリンダ11の下方に配置されてもよい。保温カバー18aは、加熱シリンダ11の外周から径方向外向きに離間して配置される。保温カバー18aは、加熱シリンダ11の軸方向で先端11aに近接する部分を覆わないこともできる。
【0027】
保温カバー18aは、ヒータ15の外周から径方向外向きに離間して配置される。保温カバー18aは、加熱シリンダ11の軸方向に沿って中ヒータ15cおよび後ヒータ15bの配置される領域を覆っている。保温カバー18aは、加熱シリンダ11の軸方向で中ヒータ15cよりも前端11aに近接した部分は覆っておらず、前ヒータ15aは保温カバー18aからはみ出している。
加熱シリンダ11の径方向で、保温カバー18aと加熱シリンダ11との間には、ヒータ15が配置される。つまり、ヒータ15は、加熱シリンダ11の径方向で、保温カバー18aと加熱シリンダ11とに挟まれている。保温カバー18aとヒータ15とは互いに離間している。これは、保温カバー18aとヒータ15とが接触すると、ヒータ15による加熱シリンダ11の加熱効率が低下する虞があるためである。
【0028】
ホッパー下温調部16は、ホッパー下温調配管16aに熱媒としての水を供給する。ホッパー下温調部16は、ホッパー下部材14を熱媒によって加熱・冷却してその温度を調整する。
ホッパー下温調部16は、ホッパー下温調配管16aと、熱媒供給部16bと、熱媒排出部16cと、供給配管16dと、流量制御バルブ16eと、開閉制御バルブ16fと、排出バルブ16gと、排出配管16hと、供給流量センサ16jと、ホッパー下温度センサ17jと、を有する。
【0029】
熱媒供給部16bは、ホッパー下温調配管16aに熱媒である水を供給する。熱媒供給部16bには、供給配管16dが接続される。供給配管16dは、ホッパー下温調配管16aの一端に接続される。供給配管16dには、熱媒供給部16bから供給された熱媒としての水を流量制御する流量制御バルブ16eと、通水・止水する開閉制御バルブ16fと、がその途中に接続される。流量制御バルブ16eは、制御部19に接続される。流量制御バルブ16eは、制御部19によってその動作を制御される。流量制御バルブ16eの開度調整制御により、供給配管16d内の熱媒を流量制御する。これにより、熱媒供給部16bから供給された熱媒としての水が、供給配管16dを介してホッパー下温調配管16aへ供給される量を制御可能である。熱媒供給部16bは、制御部19に接続される。熱媒供給部16bは、制御部19によってその動作を制御される。
【0030】
開閉制御バルブ16fは、熱媒供給部16bより下流でホッパー下温調配管16aより上流、かつ、流量制御バルブ16eより下流である供給配管16dに設けられる。開閉制御バルブ16fは、電磁開閉弁としてもよい。開閉制御バルブ16fは、制御部19に接続される。開閉制御バルブ16fは、制御部19によってその動作を制御される。開閉制御バルブ16fの開閉により、供給配管16d内の熱媒を流通・停止する。これにより、熱媒供給部16bから供給され熱媒としての水が、供給配管16dを介してホッパー下温調配管16aへ供給されること、および、停止されることを切り替え可能である。
【0031】
開閉制御バルブ16fの下流となる供給配管16dには、ホッパー下温調配管16aへと供給される熱媒としての水の流量を検知する供給流量センサ16jがその途中に接続される。供給流量センサ16jは制御部19に接続される。供給流量センサ16jは、検出した流量データを制御部19に出力する。
【0032】
熱媒排出部16cは、ホッパー下温調配管16aから排出された熱媒である水を送られる。熱媒排出部16cには、排出配管16hが接続される。排出配管16hは、ホッパー下温調配管16aの他端に接続される。排出配管16hに接続されるホッパー下温調配管16aの近傍には、熱媒排出部16cへと排出される熱媒としての水の温度によりホッパー下部材14の温度を検知するホッパー下温度センサ17jがその途中に接続される。ホッパー下温度センサ17jは、制御部19に接続される。ホッパー下温度センサ17jは、ホッパー下温調配管16aの熱媒の温度を検出して、検出結果を制御部19に出力する。
【0033】
排出配管16hには、ホッパー下温調配管16aより下流で熱媒排出部16cより上流に排出バルブ16gが設けられる。排出バルブ16gは、電磁開閉弁としてもよい。排出バルブ16gは、制御部19に接続される。排出バルブ16gは、制御部19によってその動作を制御される。排出バルブ16gの開閉により、排出配管16h内の熱媒を流通・停止する。これにより、ホッパー下温調配管16aから熱媒排出部16cへと排出される熱媒としての水が、排出配管16hを介して熱媒排出部16cへ排出されること、および、停止されることを切り替え可能である。
【0034】
熱媒加熱部17は、ヒータ15から加熱された熱媒をホッパー下温調部16へと供給可能な構成とされる。熱媒加熱部17は、ホッパー下温調部16に供給する熱媒を温度制御(加熱)する。
熱媒加熱部17は、熱媒加熱管(受熱パイプ)17aと、分岐供給配管17dと、分岐供給バルブ17fと、分岐排出配管17hと、フローメータ17kと、を有する。
【0035】
熱媒加熱管(受熱パイプ)17aは、図1図2に示すように、加熱シリンダ11の外周に配置される。熱媒加熱管17aは、ヒータ15よりも加熱シリンダ11の径方向外方に配置される。熱媒加熱管17aは、ヒータ15の外周から加熱シリンダ11の径方向外向きに離間して配置される。熱媒加熱管17aは、ヒータ15の鉛直上方を覆うように配置される。熱媒加熱管17aは、保温カバー18aよりも加熱シリンダ11の径方向内向きに離間して配置される。熱媒加熱管17aは、保温カバー18aの上内面に沿って配置されてもよい。
熱媒加熱管17aの配置・形状はこれに限定されない。なお、熱媒加熱管17aは、加熱シリンダ11と同軸に配置されてもよい。本実施形態では、熱媒加熱管17aが、加熱シリンダ11の外周にらせん状に巻き付く配置とされてもよい。
【0036】
熱媒加熱管17aは、加熱シリンダ11の径方向外側で保温カバー18aの下側に平板状に配置された受熱プレート18と一体である。熱媒加熱管17aは、保温カバー18aの上内面に沿って、配置された平板状の熱伝導部材である受熱プレート18の内部を貫通する管部として形成される。熱媒加熱管17aは、加熱シリンダ11の径方向でヒータ15の外側に配置される。熱媒加熱管17aは、加熱シリンダ11の径方向でヒータ15から離間して配置される。熱媒加熱管17aは、ヒータ15の外周から径方向外向きに離間して配置される。
熱媒加熱管17aは、加熱シリンダ11の軸方向でヒータ15をすべて覆っていない。熱媒加熱管17aは、加熱シリンダ11の軸方向で、少なくとも後ヒータ15bを覆っていればよい。熱媒加熱管17aは、加熱シリンダ11の軸方向で、中ヒータ15cを覆っていてもよい。熱媒加熱管17aは、保温カバー18aの下側でヒータ15を覆っている。本実施形態では、熱媒加熱管17aは、加熱シリンダ11の軸方向で、前ヒータ15aを覆っていなくてもよい。
【0037】
加熱シリンダ11の径方向で、保温カバー18aとヒータ15との間には、熱媒加熱管17aが配置される。つまり、熱媒加熱管17aは、加熱シリンダ11の径方向で、保温カバー18aとヒータ15とに挟まれている。熱媒加熱管17aは、加熱シリンダ11の径方向で、保温カバー18aとヒータ15とから離間している。
熱媒加熱管17aには、加熱シリンダ11の前端11aに近接する一端に分岐供給配管17dが接続される。
【0038】
分岐供給配管17dは、供給配管16dに接続される。分岐供給配管17dは、供給配管16dにおいて、流量制御バルブ16eよりも上流で分岐接続される。分岐供給配管17dは、供給配管16dにおいて、熱媒供給部16bの下流で分岐接続される。分岐供給配管17dは、供給配管16dの分岐部16mにおいて分岐接続される。
分岐部16mは、供給配管16dにおいて、流量制御バルブ16eの上流で熱媒供給部16bの下流に配置される。分岐部16mは、熱媒供給部16bから供給された熱媒としての水を、分岐供給配管17dへと分流する。
【0039】
分岐供給配管17dには、分岐部16mより下流で熱媒加熱管17aより上流に分岐供給バルブ17fが設けられる。分岐供給バルブ17fは、開閉弁としても流量制御弁としてもよい。分岐供給バルブ17fは、制御部19に接続される。分岐供給バルブ17fは、制御部19によってその動作を制御される。分岐供給バルブ17fの開閉により、分岐供給配管17d内の熱媒を流通・停止する。これにより、分岐部16mを介して熱媒供給部16bから供給された熱媒としての水が、分岐供給配管17dを介して熱媒加熱管17aへ供給されること、および、停止されることを切り替え可能である。
【0040】
分岐供給配管17dには、分岐供給バルブ17fより下流で熱媒加熱管17aより上流にフローメータ17kが接続される。フローメータ17kは、制御部19に接続される。フローメータ17kは、分岐供給配管17dを流れる熱媒としての水の流量を測定する。フローメータ17kは、測定結果を制御部19に出力する。
【0041】
熱媒加熱管17aには、加熱シリンダ11の後端11bに近接する他端に分岐排出配管17hが接続される。
分岐排出配管17hは、供給配管16dに接続される。分岐排出配管17hは、供給配管16dにおいて、開閉制御バルブ16fよりも下流で合流接続される。さらに、分岐排出配管17hは、供給流量センサ16jよりも下流で合流接続される。分岐排出配管17hは、供給配管16dにおいて、ホッパー下温調配管16aの上流で合流接続される。分岐排出配管17hは、供給配管16dの合流部16nにおいて合流接続される。
【0042】
合流部16nは、供給配管16dにおいて、ホッパー下温調配管16aの上流で供給流量センサ16jの下流に配置される。合流部16nは、熱媒加熱管17aで加熱された熱媒としての水を、供給配管16dへと合流する。
合流部16nでは、熱媒加熱管17aから流れる熱媒としての水が、分岐供給バルブ17fが開の状態であれば、供給配管16dへと合流し、ホッパー下温調配管16aへと流れる。
【0043】
熱媒加熱管17aは、受熱プレート(Cuプレート)18の内部に形成される。受熱プレート18は、ヒータ15、加熱シリンダ11の上方を覆っている。受熱プレート18は、熱伝導部材として、ヒータ15、加熱シリンダ11等高温の部材から発生している熱エネルギーを対流熱、輻射熱による熱伝導として熱媒加熱管17aへと伝導する。つまり、受熱プレート18は、ヒータ15、加熱シリンダ11から加熱されて、熱媒加熱管17a内部に流通する熱媒としての水を効率的に加熱することを可能とする。受熱プレート18は、熱伝導部材として高い熱伝導材から構成することができる、受熱プレート18は、たとえば、金属製、具体的には、銅などから形成することができる。
【0044】
受熱プレート18は、所定の厚さを有する平板状に形成されることができる。受熱プレート18は、加熱シリンダ11の軸方向において、少なくとも熱媒加熱管17aの配置された範囲よりも長い寸法を有する。受熱プレート18は、その内部に熱媒加熱管17aとなる流路を形成する構造とすることが好ましい。
受熱プレート18は、ヒータ15よりも加熱シリンダ11の径方向外方に配置される。受熱プレート18は、ヒータ15に接していない。受熱プレート18は、保温カバー18aに接していてもよい。
【0045】
受熱プレート18の配置や形状は、上記の構成に限定されるものではなく、熱媒加熱管17aとは別体として、パイプ状の熱媒加熱管17aよりも径方向外側に接する平板とすることができる。受熱プレート18は、熱媒加熱管17aを径方向で同じ位置でこれらの間を埋めるように分割板として配置することもできる。この場合、加熱シリンダ11の軸方向において各熱媒加熱管17aの間に受熱プレート18を配置して、それぞれのパイプ状の熱媒加熱管17aと接続することも可能である。
【0046】
本実施形態の射出成形機10では、ホッパー13に貯留された形成材料を、ホッパー下部材14で温度調節して供給孔14fから加熱シリンダ11に供給する。加熱シリンダ11では、図示しない駆動源によってスクリュー12を回転させて、加熱シリンダ11の後端11bから先端11aへと送り、射出ノズル11a1から図示しない金型等へ射出する。
【0047】
このとき、ヒータ15によって、加熱シリンダ11を加熱する。また、ホッパー下温調部16によって、ホッパー下部材14を所定の温度となるように制御する。ヒータ15による加熱シリンダ11の加熱は、保温カバー18aによって促進される。
【0048】
以下、ホッパー下温調部16によるホッパー下部材14の温度調節を説明する。
【0049】
まず、制御部19は制御信号を発して、この信号により開閉制御バルブ16fを開とする。同様に、分岐供給バルブ17fを閉とする。同時に、この信号により排出バルブ16gを開とする。この状態で、制御部19は制御信号を発して、この信号により熱媒供給部16bから供給配管16dに熱媒である水を供給する。熱媒供給部16bから供給された熱媒である水は、供給配管16dを介して開閉制御バルブ16fおよび流量制御バルブ16eへと流入する。
【0050】
制御部19は制御信号を発して、この信号により開閉制御バルブ16fおよび流量制御バルブ16eを動作させる。開閉制御バルブ16fおよび流量制御バルブ16eは、供給配管16dを流れる熱媒である水を所定の温度となるように流量制御する。所定の温度の熱媒である水は、供給流量センサ16jを通過して供給配管16dを流れ、ホッパー下温調配管16aへと到達する。このとき、分岐供給バルブ17fが閉とされているため、熱媒である水は、分岐供給配管17dおよび分岐排出配管17hに流入しない。
【0051】
ホッパー下温調配管16aでは、内部を流れる熱媒である水と熱交換がおこなわれる。これにより、ホッパー下部材14の温度が、熱媒である水とほぼ同じとなる。これにより、ホッパー下部材14は、開閉制御バルブ16fおよび流量制御バルブ16eでの熱媒流量によって設定された所定の温度となる。
【0052】
ホッパー下温調配管16aを流れた熱媒である水は、排出配管16hへと流れて、熱媒排出部16cへと排出される。ホッパー下温調配管16aは、ホッパー下温度センサ17jによって温度が測定される。ホッパー下温度センサ17jは、測定結果を制御部19へと出力する。制御部19では、ホッパー下温度センサ17jの出力により、ホッパー下温調配管16aの温度が所定値となったかどうかを判断する。
【0053】
ホッパー下温調配管16aの温度が所定値となったと判断した場合には、制御部19は制御信号を発して、この信号により流量制御バルブ16eでの流量を絞る制御をするかまたは、開閉制御バルブ16fを閉とする制御をおこなう。熱媒供給部16bから供給配管16dに対する熱媒である水の供給が停止される。
これにより、ホッパー下温調部16によるホッパー下部材14の温度調節の動作を停止する。なお、ホッパー下温調部16による動作の停止は、供給バルブ16fを閉とする以外に、熱媒供給部16bから、供給配管16dへの熱媒である水の供給を停止してもよい。
【0054】
なお、熱媒排出部16cへと排出された熱媒である水を、熱媒供給部16bへと還流させることもできる。
【0055】
ホッパー下部材14の温度調節においては、ホッパー下部材14を降温する場合には、上記のホッパー下温調部16によるホッパー下部材14の温度調節で充分な機能を呈することができる。
これに対して、ホッパー下部材14の温度調節においては、ホッパー下部材14を昇温する場合には、ヒータ15によるホッパー下部材14の温度調節で充分ではない。このため、さらなるホッパー下部材14への加熱を必要とする。
【0056】
以下、ヒータ15、熱媒加熱部17およびホッパー下温調部16によるホッパー下部材14の昇温を説明する。
【0057】
ホッパー下部材14の昇温においては、制御部19は制御信号を発して、この信号により流量制御バルブ16eでの流量を絞る制御をするかまたは、開閉制御バルブ16fを閉とする制御をおこなう。排出バルブ16gを開とする。同様に、熱媒加熱部17の分岐供給バルブ17fを開とする。この状態で、制御部19は制御信号を発して、この信号により熱媒供給部16bから供給配管16dに熱媒である水を供給している。
【0058】
すると、供給配管16dを流れる熱媒である水は、分岐部16mで分流し、分岐部16mから分岐供給配管17dへと流れる。
分岐供給配管17dへと流れた熱媒である水は、フローメータ17kによって、その流量が測定される。フローメータ17kは、測定結果を制御部19へと出力する。
【0059】
分岐供給配管17dを流れる熱媒である水は、熱媒加熱部17の熱媒加熱管17aへと流入する。熱媒加熱管17aは、ヒータ15からの放射熱、および、加熱シリンダ11からの放射熱、あるいは、ヒータ15および加熱シリンダ11から対流熱で加熱されている。したがって、熱媒加熱管17aを流れる熱媒である水は加熱される。このとき、受熱プレート18によって、ヒータ15および加熱シリンダ11からの熱媒加熱管17aの加熱はより促進される。また、ヒータ15および加熱シリンダ11からの大きな熱量によって加熱された熱媒加熱管17aでは、迅速に昇温する。
【0060】
効果的に加熱された熱媒加熱管17aを流れる熱媒である水は迅速に加熱される。なお、ヒータ15において前ヒータ15aよりも後ヒータ15bおよび中ヒータ15cの温度が高くなるように設定した場合には、熱媒加熱管17aでの熱媒である水の加熱をより効果的におこなうことができる。
【0061】
熱媒加熱管17aを流れ出た熱媒である水は、合流部16nで供給配管16dへと合流する。合流部16nは流量制御バルブ16eよりも下流なので、流量制御バルブ16eから流れた熱媒である水と、熱媒加熱管17aで加熱された熱媒である水と、が合流する。合流部16nで合流した熱媒である水は、供給配管16dからホッパー下温調配管16aへと流入する。あるいは、流量制御バルブ16eの開度、または、開閉制御バルブ16fの開閉状態によっては、熱媒加熱管17aを流れ出た熱媒である水のみが、供給配管16dからホッパー下温調配管16aへと流入する。
【0062】
ホッパー下温調配管16aでは、内部を流れる加熱された熱媒である水と熱交換がおこなわれる。これにより、ホッパー下部材14の温度が、熱媒である水とほぼ同じまで加熱される。これにより、ホッパー下部材14は、制御部19によって設定された所定の温度まで昇温される。
【0063】
ホッパー下温調配管16aを流れた熱媒である水は、排出配管16hへと流れて、熱媒排出部16cへと排出される。ホッパー下温調配管16aを流れ出た熱媒である水によって温調されたホッパー下部材14の温度は、ホッパー下温度センサ17jによって測定される。ホッパー下温度センサ17jは、測定結果を制御部19へと出力する。制御部19では、ホッパー下温度センサ17jの出力により、ホッパー下部材14の温度が所定値まで昇温されたかどうかを判断する。
【0064】
ホッパー下部材14の温度が所定値まで昇温されたと判断した場合には、制御部19は制御信号を発して、この信号により分岐供給バルブ17fを閉とする。分岐供給配管17dから熱媒加熱管17aに対する熱媒である水の供給が停止される。これにより、熱媒加熱部17によるホッパー下部材14の温度調節の動作を停止する。
同時に、制御部19は制御信号を発して、この信号により供給バルブ16fを閉とする。熱媒供給部16bから供給配管16dに対する熱媒である水の供給が停止されることもできる。
【0065】
これらにより、ヒータ15、熱媒加熱部17およびホッパー下温調部16によるホッパー下部材14の昇温の動作を停止する。
なお、熱媒加熱部17およびホッパー下温調部16による動作の停止は、分岐供給バルブ17f、流量制御バルブ16e、または、開閉制御バルブ16fの動作を制御する以外に、熱媒供給部16bから、供給配管16dへの熱媒である水の供給を停止してもよい。
【0066】
同様に、熱媒排出部16cへと排出された熱媒である水を、熱媒供給部16bへと還流させることもできる。
【0067】
ここで、制御部19は、ホッパー下温度センサ17j、供給流量センサ16jおよびフローメータ17kからの入力により、分岐供給配管17dを流れる熱媒である水の流量およびホッパー下部材14の温度によって、分岐供給配管17dから熱媒加熱管17aへと流入する熱媒である水の流量が適正値であるかを判断する。
【0068】
制御部19は、ホッパー下温調配管16aへと流れる熱媒である水流量と、熱媒加熱管17aへと流れる熱媒である水の流量とを調節する。具体的には、供給流量センサ16jからの入力と、ホッパー下温度センサ17jおよびフローメータ17kからの入力と、により、ホッパー下部材14の温度が適正値となるように、熱媒供給部16bからの熱媒である水の供給量、流量制御バルブ16e、または、開閉制御バルブ16f、分岐供給バルブ17f、排出バルブ16gへの状態とを制御する。この場合、流量制御バルブ16e、または、開閉制御バルブ16f、分岐供給バルブ17f、排出バルブ16gを流量制御弁として、それぞれの開度を調節する構成としてもよい。
【0069】
本実施形態の射出成形機10では、ホッパー下部材14を昇温させる際に、ヒータ15によりホッパー下部材14を昇温させることに加えて、ホッパー下部材14に熱媒加熱部17から熱媒となる水を供給してホッパー下部材14を昇温させることができる。これにより、ヒータ15で加熱シリンダ11を加熱して樹脂等の成形材料を可塑化する際に、外部に捨てられていたヒータ15からの熱でホッパー下部材14を昇温させることに利用することが可能となる。したがって、ホッパー下部材14の昇温をヒータ15のみでおこなう場合に比べて、ホッパー下部材14の昇温を迅速におこなうことができる。
【0070】
さらに、無駄に捨てられていたヒータ15の廃熱を利用してホッパー下部材14を加熱することで、射出成形機10のエネルギー効率を向上することが可能となる。同時に、ホッパー下部材14を昇温する際に、ヒータ15に供給する電力を従来構造に比べて削減することが可能となる。さらに、加熱におけるヒータ15からのエネルギー効率を向上することが可能となる。これにより、射出成形機10のエネルギー効率をさらに向上することが可能となる。
【0071】
また、従来からホッパー下部材14の降温をおこなっていたホッパー下温調部16の熱媒となる水を熱媒加熱部17で加熱することをも可能な構成としたことにより、分岐部16mで分岐して合流部16nで合流した分岐供給配管17d、熱媒加熱管17a、分岐排出配管17hを設けるだけで、これらを可能とすることができる。
【0072】
また、熱媒を使用したホッパー下温調部16を温存し熱媒加熱部17を追加した構成としたことで、通媒時の急激な温度降温の緩和を呈することができる。本実施形態では、制御部19により、ホッパー下部材14に対する温度制御の正確性・迅速性・容易性を向上することが可能となる。
なお、本実施形態では、流量制御バルブ16e、または、開閉制御バルブ16f、分岐供給バルブ17f、排出バルブ16gを制御部による制御としたが、作業員がこれらのいずれかを手動で操作する構成とすることも可能である。
また、ホッパー下部材14を降温する際には、制御部19によってホッパー下温調部16から熱媒を熱媒加熱部17には供給しないように制御すること、あるいは、ホッパー下温調部16に供給する熱媒と熱媒加熱部17の熱媒とを混合させること、ができる。
【0073】
以下、本発明に係る射出成形機の第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図3は、本実施形態における射出成形機における熱媒加熱部を示す模式斜視図である。本実施形態において、上述した第1実施形態と異なるのは、熱媒加熱部に関する点であり、これ以外の上述した第1実施形態と対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0074】
本実施形態の熱媒加熱部17は、図3に示すように、熱媒加熱管17aは、加熱シリンダ11と同軸に配置される。本実施形態では、熱媒加熱管17aが、加熱シリンダ11の外周にらせん状に巻き付く配置とされてもよい。
【0075】
本実施形態においては、上述した実施形態と同等の効果を奏することができる。
【0076】
以下、本発明に係る射出成形機の第3実施形態を、図面に基づいて説明する。
図4は、本実施形態における射出成形機における熱媒加熱部を示す模式斜視図である。本実施形態において、上述した第1実施形態と異なるのは、熱媒加熱部に関する点であり、これ以外の上述した第1実施形態と対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0077】
本実施形態の熱媒加熱部17は、図4に示すように、熱媒加熱管17aがらせん状ではなく、C字状に加熱シリンダ11、ヒータ15の周囲に配置されており、C字状の端部が、隣接する熱媒加熱管17aにおいて、加熱シリンダ11の軸線方向に接続された形状とされる。
【0078】
本実施形態においては、上述した実施形態と同等の効果を奏することができる。
【0079】
以下、本発明に係る射出成形機の第4実施形態を、図面に基づいて説明する。
図5は、本実施形態における射出成形機における熱媒加熱部を示す模式斜視図である。本実施形態において、上述した第1実施形態と異なるのは、熱媒加熱部に関する点であり、これ以外の上述した第1実施形態と対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0080】
本実施形態の熱媒加熱部17は、図5に示すように、熱媒加熱管17aがらせん状ではなく、加熱シリンダ11の軸線方向に沿った直線状の複数本が互いに平行となるように、かつ、互いに加熱シリンダ11、ヒータ15の周方向に離間して配置されており、隣接する直線状の熱媒加熱管17aにおいて、加熱シリンダ11の軸方向におけるそれぞれの端部が、加熱シリンダ11の周方向に沿って接続された形状とされる。
【0081】
本実施形態においては、上述した実施形態と同等の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0082】
10…射出成形機
11…加熱シリンダ
12…スクリュー
13…ホッパー
14…ホッパー下部材
15…ヒータ
16…ホッパー下温調部
16a…ホッパー下温調配管
16b…熱媒供給部
16c…熱媒排出部
16d…供給配管
16e…流量制御バルブ
16f…開閉制御バルブ
16g…排出バルブ
16h…排出配管
16j…供給流量センサ
16m…分岐部
16n…合流部
17…熱媒加熱部
17a…熱媒加熱管(受熱パイプ)
17d…分岐供給配管
17f…分岐供給バルブ
17h…分岐排出配管
17j…ホッパー下温度センサ
17k…フローメータ
18…受熱プレート(Cuプレート)
18a…保温カバー
19…制御部
図1
図2
図3
図4
図5