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特開2024-57226不動産情報提案システム及び不動産情報提案プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057226
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】不動産情報提案システム及び不動産情報提案プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20240417BHJP
   G06Q 50/16 20240101ALI20240417BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
G06Q50/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163821
(22)【出願日】2022-10-12
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】521119212
【氏名又は名称】FREEDOM X株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(72)【発明者】
【氏名】衣笠 茂樹
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
5L049CC27
5L050CC27
(57)【要約】
【課題】複数の不動産契約成立者の各々によって不動産契約がされるまでの検索条件を踏まえた提案を行えるようにする。
【解決手段】複数の不動産契約成立者の各々によってユーザ端末100Aを通じて不動産契約がされるまでに、時間的に離隔した複数期間にされた不動産検索の検索条件と、当該各々の検索条件に対応する検索期間を示す情報との組を学習用データとして学習された人工知能装置400と、不動産契約検討者によってユーザ端末100Bを通じて不動産検索がされた場合の検索条件を人工知能装置400に入力し、人工知能装置400から出力される当該不動産契約検討者によってその後の期間に検索される際に選定される可能性が高い検索条件の推定結果に基づく提案情報を提示するサーバ装置300と、を備える不動産情報提案システムとする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の不動産契約成立者の各々によって不動産契約がされるまでに、時間的に離隔した複数期間にされた不動産検索の検索条件と、当該各々の検索条件に対応する検索期間を示す情報との組を学習用データとして学習された人工知能装置と、
不動産契約検討者によって不動産検索がされた場合の検索条件を前記人工知能装置に入力し、当該人工知能装置から出力される当該不動産契約検討者によってその後の期間に検索される際に選定される可能性が高い検索条件の推定結果に基づく提案情報を提示するサーバ装置と、
を備える、不動産情報提案システム。
【請求項2】
前記検索条件には、前記不動産契約成立者又は前記不動産契約検討者によって閲覧された不動産物件及び/又は前記不動産契約成立者又は前記不動産契約検討者によってブックマーク登録された不動産物件が含まれる、請求項1記載の不動産情報提案システム。
【請求項3】
前記サーバ装置は、前記不動産物件の所在地情報を緯度経度情報に変換する変換手段を備える、請求項1記載の不動産情報提案システム。
【請求項4】
前記提案情報は、不動産契約検討者が操作する端末と不動産業者が操作する端末との少なくとも一方に提示される、請求項1記載の不動産情報提案システム。
【請求項5】
不動産契約検討者によって不動産検索がされた場合の検索条件を受け付けるステップと、
前記受け付けた検索条件を、複数の不動産契約成立者によって各々不動産契約がされるまでに、時間的に離隔した複数期間に不動産検索がされた場合の各期間の検索条件と、当該各々の検索条件によって不動産検索がされた際の前記各期間を示す情報との組を学習用データとして学習された人工知能装置に入力することによって推定される、前記不動産契約検討者によってその後の期間に検索される際に選定される可能性が高い検索条件の推定結果に基づく提案情報を提示するステップと、
をユーザ装置に実行させる、不動産情報提案プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不動産情報提案システム及び不動産情報提案プログラムに関し、特に、土地及びその定着物(例えば、建物)を購入又は賃貸しようとしているユーザに対して好適な提案可能な不動産情報提案システム及びプログラムに関する。なお、本明細書における用語「不動産」には、定着物に脱着可能な付帯設備(例えば、太陽光パネル)も含まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、物件情報に精通しないユーザに対して、適切な不動産物件情報を提供できるようにする物件情報配信システムが開示されている。この物件情報配信システムは、管理端末と通信可能に接続された不動産会社用端末、建設会社用端末及びユーザ用端末を有し、不動産会社用端末は土地に関する物件情報を管理端末に登録し、建設会社用端末はユーザの不動産に関する希望条件を管理端末に登録し、管理端末は物件情報と希望条件の少なくとも一部がマッチングした場合にユーザ用端末に向けて物件情報を配信する、という趣旨のものである。
【特許文献1】特開2021-144264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に開示されたシステムは、主として、物件情報に精通しないユーザが自力で最終的に購入する不動産を決定することを念頭に置いたものであり、物件情報に精通しない者に対するサービスとしては限定的であり、改善の余地がある。
【0004】
ユーザは、不動産の購入の検討を開始してから最終的に購入する不動産を決定するまでの間に、何度か不動産物件を検索することが通例であるし、その検索の進捗過程において検索条件が変遷していくこともよくあることであるが、特許文献1に開示されたシステムは、このような実情を考慮していない。
【0005】
そこで、本発明は、物件情報に精通しないユーザ或いは不動産業者に対して、実情に即した不動産情報を提案できるようにすることを課題とする。一例としては、本発明は、複数の不動産契約成立者の各々によって不動産契約がされるまでの検索条件を踏まえた提案を行えるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の不動産情報提案システムは、
複数の不動産契約成立者の各々によって不動産契約がされるまでに、時間的に離隔した複数期間にされた不動産検索の検索条件と、当該各々の検索条件に対応する検索期間を示す情報との組を学習用データとして学習された人工知能装置と、
不動産契約検討者によって不動産検索がされた場合の検索条件を前記人工知能装置に入力し、当該人工知能装置から出力される当該不動産契約検討者によってその後の期間に検索される際に選定される可能性が高い検索条件の推定結果に基づく提案情報を提示するサーバ装置と、
を備える。
【0007】
前記検索条件には、前記不動産契約成立者又は前記不動産契約検討者によって閲覧された不動産物件及び/又は前記不動産契約成立者又は前記不動産契約検討者によってブックマーク登録された不動産物件が含まれてもよい。
【0008】
前記サーバ装置は、前記不動産物件の所在地情報を緯度経度情報に変換する変換手段を備えることもできる。
【0009】
前記提案情報は、不動産契約検討者が操作する端末と不動産業者が操作する端末との少なくとも一方に提示されるようにすることができる。
【0010】
本発明の不動産情報提案プログラムは、
不動産契約検討者によって不動産検索がされた場合の検索条件を受け付けるステップと、
前記受け付けた検索条件を、複数の不動産契約成立者によって各々不動産契約がされるまでに、時間的に離隔した複数期間に不動産検索がされた場合の各期間の検索条件と、当該各々の検索条件によって不動産検索がされた際の前記各期間を示す情報との組を学習用データとして学習された人工知能装置に入力することによって推定される、前記不動産契約検討者によってその後の期間に検索される際に選定される可能性が高い検索条件の推定結果に基づく提案情報を提示するステップと、
をユーザ装置に実行させる。
【発明の実施の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
(概要の説明)
図1は、本発明の実施形態の不動産情報提案システムがなし得る不動産情報の提案例についての説明図である。図1を用いて、不動産である例えば土地を購入しようとしている不動産契約検討者又はその者を担当する不動産業者に対して、不動産購入をするのに役立つ提案を行う場合を例に説明する。なお、便宜上、ここでは、主として検索エリアの変遷に着目して説明する。
【0013】
図1(a)には、例えば、不動産契約検討者が、第1期間にて「青梅市」を選定して不動産物件の検索を行い(検索条件(1))、それによって得られる複数の不動産物件を含む検索結果のうち、例えば8物件について、それらの詳細情報の掲載ページを閲覧し、うち2物件についてはブックマーク登録をしたことを電子地図上にマークした状態を示している。
【0014】
図1(a)には、このことを6つの●印と2つの〇印とによって示しており、●印が閲覧した掲載ページの不動産物件の位置情報を、〇印がブックマーク登録した不動産物件の位置情報を、それぞれ意味している。
【0015】
第1期間での検索時に、不動産契約検討者が、相対的に狭小なエリア(ここでは青梅市のみ)で不動産物件の検索をしていたとしても、その後に、検索エリアを拡張して、その周辺を含む相対的に広大なエリアで不動産物件の検索(検索条件(2))をすることはよく見られることで、このような事象はとりわけ検索初期段階で多く見られる。
【0016】
図1(b)には、検索条件(2)の場合の例を示しており、ここでは、例えば、不動産契約検討者が、第2期間にて「青梅市」のみならず、その近隣の「あきる野市・八王子市」も含めて選定して不動産物件の検索を行い、例えば14物件の紹介ページを閲覧し、うち5物件についてはブックマーク登録をした例を示している。
【0017】
直前期間(第1期間)での検索に比して、ブックマーク登録数が増えた場合、及び/又は、検索エリアが相対的に広大となった場合には、経験上、不動産契約検討者の次なる検索条件としては、当該検索エリア内での不動産物件を絞り込みして検索する場合(検索条件(3))と、別のエリアを検索する場合(検索条件(4))と、に大別される。このような事象は、とりわけ検索初期・中期段階で多く見られる。
【0018】
図1(c)には、検索条件(4)の場合の例を示しており、ここでは、例えば、不動産契約検討者が、第3期間にて「福生市・昭島市・立川市」を選定して不動産物件の検索を行い、例えば5物件の紹介ページを閲覧し、いずれに対してもブックマーク登録をしなかった例を示している。
【0019】
直前期間(第2期間)での検索に比して、ブックマーク登録数が減った(ゼロも含む)場合、とりわけ物件の紹介ページの閲覧数も減った場合には、経験上、当該検索エリア内から最終的に不動産物件を購入する可能性はそれほど高くなく、経験上、不動産契約検討者の次なる検索条件としては、当該直前期間での検索エリアに戻って再検索をする場合(検索条件(5))と、更に別のエリアで検索する場合(検索条件(6))と、に大別される。このような事象は、とりわけ検索中期段階で多く見られる。
【0020】
図1(d)には、検索条件(6)の場合の例を示しており、ここでは、例えば、不動産契約検討者が、第4期間にて「三鷹市・小金井市・小平市」を選定して不動産物件の検索を行い、例えば7物件の紹介ページを閲覧し、うち2物件についてはブックマーク登録をした例を示している。
【0021】
直前期間(第3期間)での検索に比して、ブックマーク登録数が増えた場合には、とりわけ物件の紹介ページの閲覧数も増えた場合には、そのエリア内から最終的に不動産物件を購入する可能性は少なくない。このような事象は、とりわけ検索中期・後期段階で多く見られる。
【0022】
ここで、不動産契約検討者の心理には、例えば、「理想的な建物を建築できるエリアはどこなのであろうか」というもあれば、「色々な土地を見てみたい」というものもあるが、経験上、不動産検索を効率よく行うためには、検索段階に合致する検索指針がある。
【0023】
したがって、検索条件(1)の段階で何らの提案もせずに、検索指針に合致しない不動産検索をした場合には、例えば、検討後期段階になって全く異なるエリアで最初から不動産検索するといった事態が生じ得る。本実施形態の不動産情報提案システムは、このような事態となることを回避するために、当該不動産契約検討者とその者を担当する不動産業者との少なくとも一方に対して、例えば、「検討エリアの拡張」を提案事項に含む提案内容(例:「入力した市町村だけではなく、その周辺エリアについての検索してみましょう。…」。)を提案情報として提示するものである。
【0024】
また、検索条件(2)の段階で何らの提案もせずに、検索指針に合致しない不動産検索をした場合には、例えば、最寄駅までの徒歩圏エリア/バス便利用エリアの条件、都市ガス/プロパンバスの条件が合わずに、最初から不動産検索するといった事態が生じ得る。本実施形態の不動産情報提案システムは、このような事態となることを回避するために、当該不動産契約検討者とその者を担当する不動産業者との少なくとも一方に対して、例えば、「土地の探し方のレクチャー」を提案事項に含む提案内容(例:「まず、購入を希望する土地のエリアと予算を決めましょう。また、土地に求める条件の優先順位を決めましょう。…」。)を提案情報として提示するものである。
【0025】
また、検索条件(3)の段階で何らの提案もせずに、検索指針に合致しない不動産検索をした場合には、例えば、不動産契約検討者が実際に周辺環境を見ずに計画を進めて、最初から不動産検索するといった事態が生じ得る。本実施形態の不動産情報提案システムは、このような事態となることを回避するために、当該不動産契約検討者とその者を担当する不動産業者との少なくとも一方に対して、例えば、「土地の見学」更には気に入った土地があれば当該土地に対する具体的な「プランの作成」を提案事項に含む提案内容(例:「○○さんがこれまでにブックマーク登録した物件には共通性が見られます。一度、実際に、その土地を見学しに行きませんか。…」、「先日見学した土地に好適な建物の建築プランが幾つかあります。ご覧になりますか。…」)を提案情報として提示するものである。
【0026】
また、検索条件(4)の段階で何らの提案もせずに、検索指針に合致しない不動産検索をした場合には、例えば、検討後期になってそれまでの検索対象である「土地」から別の検索対象である「建売住宅」について最初から不動産検索するといった事態が生じ得る。本実施形態の不動産情報提案システムは、このような事態となることを回避するために、当該不動産契約検討者とその者を担当する不動産業者との少なくとも一方に対して、例えば、「従前のエリア又は更に別エリアでの土地の検索」を提案事項に含む提案内容(例:「○○さんが以前検索した土地について再検索してみませんか。…」、又は、「○○さんの検索エリアは、次第に都心に向かっています。××市の周辺エリアについても検索してみてはいかがですか。…」)を提案情報として提示するものである。
【0027】
また、検索条件(5)の段階で何らの提案もせずに、検索指針に合致しない不動産検索をした場合には、例えば、不動産契約検討者にとって購入条件を概ね満たしそうな土地が見つかっていても計画が進まないことがあり得る。そこで、本実施形態の不動産情報提案システムは、当該不動産契約検討者とその者を担当する不動産業者との少なくとも一方に対して、例えば、「詳細なプランの作成」を提案事項に含む提案内容(例:「お好みの間取情報などを入力してみましょう。建築プランを詳細にご提案できますよ。…」)を提案情報として提示するものである。
【0028】
また、検索条件(6)の段階で何らの提案もせずに、検索指針に合致しない不動産検索をした場合には、例えば、不動産契約検討者にとって、選定条件の絞り込みができたこと、不動産物件相互の十分な対比が行えたことが少なくないと考えられることがあり得る。そこで、本実施形態の不動産情報提案システムは、不動産検索が熟したとして、当該不動産契約検討者とその者を担当する不動産業者との少なくとも一方に対して、例えば、「詳細なプランの作成」を提案事項に含む提案内容を提案情報として提示するものである。
【0029】
本実施形態では、以上の各提案事項を不動産契約検討者に提示するために、複数の不動産契約成立者によって各々不動産が購入されるまでに、時間的に離隔した複数期間に不動産検索がされた場合の各期間の検索条件と、当該各々の検索条件によって不動産検索がされた検索期間を示す情報との組を学習用データとして学習された人工知能装置に、不動産契約検討者によって不動産検索がされた場合の検索条件を入力して、当該不動産契約検討者によってその後の期間に検索される際に選定される可能性が高い検索条件の推定結果の出力を当該人工知能装置から受け付け、推定結果に基づく提案情報を、不動産契約検討者とその者を担当する不動産業者との少なくとも一方に対して提示することとしている。
【0030】
具体的な典型例を示すと、不動産契約成立者のうち例えば第1期間での検索条件を「種別;土地、地域;青梅市」とした者の多くが、第2期間の検索条件を「種別;土地、地域;青梅市・あきる野市・八王子市」、第3期間の検索条件を「種別;土地、地域;福生市・昭島市・立川市」、第4期間の検索条件を「種別;土地、地域;三鷹市・小金井市・小平市」とするというケースが多かった場合に、このような検索条件の変遷に基づく提案情報を不動産契約検討者等に提示することができる。
【0031】
この場合、上記の第1~第4期間の検索条件に代えて又はこれらとともに、●印で示す不動産物件を閲覧したこと及び/又は〇印で示す不動産物件をブックマーク登録したことも検索条件とすることができる。すなわち、第1期間での検索条件を例えば「種別;土地、地域;青梅市、閲覧;8件、ブックマーク登録2件」のようにすることができる。
【0032】
なお、検索条件の提示態様は種々のものが含まれ、「土地の探し方のレクチャー」としては、既述の例の他にも例えば「検索地域をもう少し広めてみてはいかがでしょうか」という提案情報とすることが考えられ、「プランの作成」としては、既述の例の他にも例えば「この大きさの土地であれば、大きめの3LDKはいかがでしょうか」という文言と具体的な間取図とを提案情報とすることが考えられる。
【0033】
(構成の説明)
図2は、本発明の実施形態の不動産情報提案システムの模式的な構成を示すブロック図である。図2には、以下説明する、ユーザ端末100A,100Bと、格納媒体200と、サーバ装置300と、人工知能装置(以下、「AI装置」という。)400と、管理者端末500と、業者用端末600と、ネットワーク700と、を示している。
【0034】
ユーザ端末100Aは、不動産契約成立者によって不動産が購入されるまで、時間的に離隔した複数期間に不動産検索がされた場合の各期間の検索条件を、ネットワーク700を介してサーバ装置300に送信したり、その検索条件に基づく検索結果をサーバ装置300から受信したりするために操作されたものである。
【0035】
ユーザ端末100Aは、当該検索結果に含まれる不動産物件のうち、各不動産契約成立者が気に入った不動産物件についてブックマーク登録された場合に、そのことをサーバ装置300に送信したものである。
【0036】
ユーザ端末100Bは、不動産契約検討者によって不動産検索がされた場合の検索条件を、ネットワーク700を介してサーバ装置300に送信したり、その検索条件に基づく検索結果をサーバ装置300から受信したりするものである。
【0037】
ユーザ端末100Bは、当該検索結果に含まれる不動産物件のうち、各不動産契約検討者が気に入った不動産物件についてブックマーク登録された場合に、そのことをサーバ装置300に送信するものである。
【0038】
なお、ユーザ端末100Bは、上記の各処理をインストールされたプログラムによって実行することもできる。具体的には、不動産契約検討者によって不動産検索がされた場合の検索条件を受け付けるステップと、前記受け付けた検索条件を、複数の不動産契約成立者によって各々不動産契約がされるまでに、時間的に離隔した複数期間に不動産検索がされた場合の各期間の検索条件と、当該各々の検索条件によって不動産検索がされた際の前記各期間を示す情報との組を学習用データとして学習されたAI装置400に入力することによって推定される、前記不動産契約検討者によってその後の期間に検索される際に選定される可能性が高い検索条件の推定結果に基づく提案情報を提示するステップと、実行することができる。
【0039】
ユーザ端末100A,100Bは、ハードウェアとして機能的に特別な相違があるというわけではなく、操作者が概念的に異なる立場にあるという理由から区別されるものである。ユーザ端末100Bは、不動産契約契約者が本実施形態の不動産情報提案システムを用いて不動産を購入する前にはユーザ端末100Aであったし、ユーザ端末100Aは、不動産契約検討者が本実施形態の不動産情報提案システムを用いて不動産を購入した後にはユーザ端末100Bになる。以下、ユーザ端末100Aとユーザ端末100Bとを区別する必要がない場合にはユーザ端末100と総称し、それを操作する者をユーザと総称する。
【0040】
また、図2には、ユーザ端末100A,100Bは、それぞれ1台ずつ示しているが、実際には、本実施形態の不動産情報提案システムには通常複数台が存在する。典型的には、ユーザ端末100はユーザの人数分の台数が存在する。
【0041】
もっとも、一人のユーザが複数台のユーザ端末100を用いることもあるし、また、複数人が共用のユーザ端末100を用いることもあるので、その台数とユーザ数とが一致している必要はない。
【0042】
ユーザ端末100は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット装置、PDA、スマートフォン、携帯電話機などによって実現できる。ユーザ端末100は、計算機能及び通信機能を有してさえいれば、これらに限定されるものではないが、通常、ディスプレイを有しているか、ディスプレイが接続されたものである。
【0043】
格納媒体200は、販売可能な不動産物件を示す情報(例えば、その不動産の所在地情報、土地の広さ)が格納されるものである。格納媒体200は、各ユーザによってユーザ端末100を用いて時間的に離隔して複数期間に不動産検索がされた場合の各期間の検索条件と当該各々の検索条件によって不動産検索がされた検索期間を示す情報との組が、ユーザごとに格納されるものである。
【0044】
格納媒体200には、ユーザがユーザ端末100を用いて不動産情報を閲覧表示したり、更にはその後に気に入ったものについてブックマーク登録したりといった操作がされた場合に、そのことも検索条件に含めて格納される。
【0045】
格納媒体200は、例えば、図1を用いて例示したような提案事項(「検討エリアの拡張」・「土地の探し方のレクチャー」など)及び対応する提案内容と、不動産物件の検索期間(「検索初期段階」・「検索初期・中期段階」などの各期間)とが一対で格納されているものである。なお、業者用端末600にのみ提案情報を示す場合には、プロフェッショナルである不動産業者の担当者であれば、事細かに「提案内容」を提示する必要がない場合もあるので「提案事項」のみを「提案情報」として提示するようにしてもよい。
【0046】
ここで、契約に至るまでの検索期間の回数(「第1期間」・「第2期間」など)は、不動産契約成立者ごとに様々であるから、不動産契約成立者ごとに不動産契約成立までの検索回数に応じて、これらのいずれかに分類すればよい。
【0047】
例えば、検索回数が第1期間~第5期間の5回であれば、第1期間は「検索初期段階」、第2期間は「検索初期・中期段階」、第3期間は「検索中期段階」、第4期間は「検索中期・後期段階」、第5期間は「検討後期段階」に分類すればよい。
【0048】
例えば、検索回数が第1期間~第7期間の7回であれば、第1期間は「検索初期段階」、第7期間は「検討後期段階」に分類するとして、第2~第6期間は、例えばそれら相互の時間的間隔に従って、「検索初期・中期段階」・「検索中期段階」・「検索中期・後期段階」のいずれかに分類すればよい。第2期間と第3期間との間が短期間であれば、これらはいずれも「検索初期・中期段階」に分類するといった具合である。
【0049】
格納媒体200は、これに限定されるものではないが、例えばデータベースによって実現することができる。なお、格納媒体200は、物理的に一台に限らず、複数台あってもよい。また、格納媒体200は、例えばサーバ装置300に内蔵されていてもよい。
【0050】
サーバ装置300は、格納媒体200に格納されたユーザによってユーザ端末100を用いて不動産検索がされた場合、既述のブックマーク登録等の操作結果を含む検索条件を、ネットワーク700を介して受け付けて、格納媒体200に格納するものである。
【0051】
また、サーバ装置300は、ユーザによって不動産検索がされた場合の検索条件をAI装置400に入力し、ユーザによってその後の期間に検索される際に選定される可能性が高い検索条件の推定結果の出力をAI装置400から受け付け、その推定結果に基づく提案情報をユーザ端末100Bと業者用端末600との少なくとも一方に対してネットワーク700を介して送信するものである。
【0052】
サーバ装置300は、当該ユーザの検索条件の変遷を踏まえた当該推定結果を得るために、例えば、格納媒体200に格納された当該ユーザによる検索条件を、検索期間を示す情報として「検索期間」でグルーピングし、それらをAI装置400に入力する。
【0053】
サーバ装置300は、サーバ型コンピュータを用いて実現することができる。図2には、1台のサーバ装置300を示しているが、複数台であってもよい。サーバ装置300は、検索条件入力画面及び図1に示した電子地図を含むウェブページの構成データを送信するウェブサービス機能を有していてもよい。換言すると、そのような構成データの送信は、図示しないウェブサーバを用いてもよいし、例えば少なくとも1台のサーバ装置300を当該ウェブサーバとして用いてもよい。
【0054】
AI装置400は、複数の不動産契約成立者によって各々不動産が購入されるまでに、各ユーザ端末100Aを用いて時間的に離隔した複数期間に不動産検索がされた場合の各期間の検索条件と、各々の検索条件によって不動産検索がされた検索期間を示す情報との組を、学習用データとして学習されたものである。
【0055】
AI装置400は、サーバ装置300から入力されるユーザによって不動産検索がされた場合の検索条件に対して、当該ユーザによってその後の期間に検索される際に選定される可能性が高い検索条件を推定結果として出力するものである。
【0056】
管理者端末500は、本実施形態の不動産情報提案システムの管理者などが操作する端末である。管理者端末500は、サーバ装置300又は図示しないウェブサーバに対して、ユーザ端末100に送信する、検索条件入力画面、検索結果反映画面、提案情報記載画面等を含む種々のウェブページの当該各画面を埋込可能なマスターデータを作成して格納媒体200に蓄積したり、図1を用いて例示したような提案情報とAI装置400から出力される推定結果とを一対で格納媒体200に格納したりするなどの処理を含む、本実施形態の不動産情報提案システムの運用に必要な処理をするものである。管理者端末500は、業務用のパーソナルコンピュータ等で実現できる。
【0057】
業者用端末600は、不動産業者の担当者などが操作する、本実施形態の不動産情報提案システムによるサービスを受けるために必要な処理などをするための端末でり、AI装置400から出力される推定結果に基づく提案情報も閲覧できる。業者用端末600は、一般的なパーソナルコンピュータ、業務用のパーソナルコンピュータなどで実現できる。
【0058】
ネットワーク700は、インターネット、携帯電話網などの各種ネットワークの総称である。なお、ネットワーク700には、Wi-Fiやブルートゥースなどの無線ネットワーク、局所的に設けられたローカルエリアネットワーク、本実施形態の不動産情報提案システムによるサービス提供者や不動産業者のオフィス内のイントラネットなども含む。
【0059】
図3は、図2に示すサーバ装置300の模式的な構成を示すブロック図である。図3には、以下説明する、受信手段310と、格納手段320と、読出手段330と、検索手段340と、取得手段350と、変換手段360と、更新手段370と、送信手段380と、学習手段390と、を示している。なお、これらの各手段310~390の幾つかは、サーバ装置300に備えるのではなく、ユーザ端末100を含む別の装置に備えてもよい。
【0060】
受信手段310は、ユーザ端末100からネットワーク700を介して送信される、不動産物件の複数の検索条件を受信するものである。ここでいう検索条件とは、これらに限定されるものではないが、土地のある市区町村エリアの条件(例えば「青梅市」)、路線(例えば「青梅線」)や最寄駅からの徒歩時間(例えば「徒歩5分以内」)の条件、土地面積(例えば「120平米~130平米」)、購入金額(例えば「3000万円台」)などが挙げられる。
【0061】
格納手段320は、受信手段310によって受信された不動産物件の複数の検索条件を、各々の検索条件によって不動産検索がされた検索期間を示す情報と紐付けて、格納媒体200に格納するものである。なお、既述のように、ブックマーク登録等の操作結果も当該検索条件に含まれる。
【0062】
読出手段330は、受信手段310によって受信された、ユーザ端末100Bを用いて送信された検索条件に基づいて、ユーザによる過去の検索条件があれば、それを格納媒体200から読み出すものである。また、読出手段330は、取得手段350によって取得された、AI装置400による推定結果に基づく提案情報を読み出すものである。
【0063】
検索手段340は、受信手段310によって受信されたユーザ端末100Bからの不動産物件の検索条件を格納媒体200に入力して、当該検索条件に合致する不動産物件の検索結果を格納媒体200から取得するものである。
【0064】
取得手段350は、読出手段330によって読み出されたユーザ端末100Bに係る過去の検索条件と受信手段310によって受信された現在の検索条件とをAI装置400に入力して、当該ユーザによってその後の期間に検索される際に選定される可能性が高いと推定される検索条件の推定結果の出力をAI装置400から取得するものである。また、取得手段350は、当該推定結果に基づいて格納媒体200を参照して、対応する提案事項を取得するものである。
【0065】
変換手段360は、格納媒体200に格納されている不動産物件の所在地情報を、緯度経度情報に変換する(ジオコーディングする)ものである。この変換処理は、既知の技術を用いて実行すればよい。
【0066】
更新手段370は、ユーザによって図1に示す●印や〇印のようなマークを電子地図に表示する操作がされた場合に、格納媒体200に格納されているユーザの検索条件を更新するものである。
【0067】
送信手段380は、検索手段340によって検索された不動産物件の検索結果と、その不動産物件の所在地情報をジオコーディングすることによって変換された緯度経度情報と、取得手段350によって取得された推定結果に基づく提案情報とを、それらに対応するウェブページのマスターデータとともにユーザ端末100B又は業務用端末600に送信するものである。なお、検索結果等は、ウェブページに掲載される態様で送信するとともに又はこれに代えて、例えば電子メール、郵送などによって送信することもできる。
【0068】
学習手段390は、ユーザ端末100Aから送信された、複数の不動産契約成立者によって各々不動産が購入されるまでに、時間的に離隔した複数期間に不動産検索がされた場合の各期間の検索条件と、当該各々の検索条件によって不動産検索がされた検索期間を示す情報との組を学習用データとしてAI装置400を学習するものである。なお、この学習処理は、例えば各々の不動産契約が成立した場合に、その不動産契約成立者のものについて行えばよい。
【0069】
図4は、図2に示す不動産情報提案システムにおける不動産情報の提案に関する典型的な動作の一部を抜き出した説明図である。なお、ここでの説明では、既にAI装置400が既述の推定を行うための最低限の学習は済んでいて、格納媒体200には既述の所定のウェブページのマスターデータも格納され、ユーザは図2に示す不動産情報提案システムが提供するサービスを受けるためにユーザ登録をして必要なユーザID・パスワード等を入手しているものとする。
【0070】
また、図4に示す全てのステップが、図示するとおりに実行される必要はなく、例えば、一のステップと他のステップとを実行する順番が相互に入れ替わってもよいし、一のステップと他のステップとの間に別のステップを実行してもよいし、付加的な動作のステップを実行しなくてもよい。
【0071】
また、先に概要を述べておくと、ステップS1~ステップS11に示す処理は、ユーザ端末100Aに関するものを示しており、ステップS12~ステップS22に示す処理は、ユーザ端末100Bに関するものを示している。ステップS1~ステップS11に示す処理は、その後に、ステップS12~ステップS22に示す処理に対するいわばプレ処理であるということができる。
【0072】
ステップS1~ステップS11に示す処理とステップS12~ステップS22に示す処理とは、サーバ装置300のやり取りをするユーザ端末100が、ユーザ端末100Aであるかユーザ端末100Bであるかという点で異なるが、これらの動作内容は実質的に同じである。
【0073】
また、ステップS1~ステップS10及びステップS12~ステップS21は、通常、複数のユーザによって各々不動産が購入されるまでに、時間的に離隔した複数期間に不動産検索がされるたびに繰り返し実行される。ここでは、冗長さを回避するためにそれらのうち1期間分の動作のみ示している。
【0074】
<ユーザ端末100Aに関する動作(ステップS1~ステップS11)>
まず、不動産情報提案システムにログインしていた不動産契約成立者の各々が、不動産を購入するまでにユーザ端末100Aに対して所望の操作を行った場合の不動産情報提案システムの動作について、サーバ装置300を主体として説明する。
【0075】
ステップS1:サーバ装置300が、ユーザ端末100Aのディスプレイに表示された検索条件入力画面を含むウェブページを通じて不動産契約成立者によって入力された検索条件が、当該不動産契約成立者に割り当てられているユーザIDとともにネットワーク700を介して送信されてきたときに、受信手段310によって、それらを受信するという受信処理を実行したことを示している。
【0076】
ステップS2:サーバ装置300が、格納手段320によって、ステップS1の受信処理を実行したことで受信した検索条件及びユーザIDに基づいて、ネットワーク700を介して格納媒体200を参照し、当該検索条件等を受信した当該不動産契約成立者の検索期間に紐付けて、格納媒体200に格納するという格納処理を実行したこととを示している。
【0077】
ステップS3:サーバ装置300が、検索手段340によって、ステップS1の受信処理を実行したことで受信した検索条件に基づいて不動産物件の検索結果を取得するという取得処理を実行し、かつ、読出手段330によって、当該不動産契約成立者による過去の検索条件等が格納されていれば、それらの全検索条件等を格納媒体200から読み出すという読出処理を実行したことを示している。
【0078】
なお、サーバ装置300は、ステップS3の取得処理の実行の際には、検索結果反映画面が埋め込まれることになるウェブページのマスターデータを、格納媒体200から読み出すという処理も実行する。
【0079】
また、念のため付言すると、ステップS3の読出処理というのは、読出対象となる過去の検索条件が格納媒体200に格納済みとなった第2期間以降の検索の場合にのみ実行することができる。換言すると、ステップS3の読出処理は、読出対象となる過去の検索条件が格納媒体200に格納済みとなっていない第1期間の検索の際には実行しないとしてもよい。
【0080】
ステップS4~ステップS5:サーバ装置300が、取得手段350によって、ステップS3の読出処理を実行した場合には、当該読出処理を実行することによって読み出した過去の全検索条件等を、ネットワーク700を介してAI装置400に入力して、当該不動産契約成立者によってその後の期間における検索の際に選定される可能性が高いと推定された検索条件(推定結果)を、AI装置400から取得するという取得処理を実行したことを示している。なお、ステップS3の読出処理を実行しなかった場合には、ステップS4~ステップS7の実行をスキップして、既述の例でいう「検討エリアの拡張」のように第1期間に係る提案情報を、機械的にステップS8における送信対象としてもよい。
【0081】
ステップS6~ステップS7:サーバ装置300が、取得手段350によって、ステップS4~ステップS5の取得処理を実行したことで取得した推定結果に基づいて格納媒体200を参照し、当該推定結果に合致する提案情報を格納媒体200から取得するという取得処理を実行したことを示している。
【0082】
ステップS8:サーバ装置300が、送信手段380によって、ステップS3の読出処理を実行したことで読み出した検索結果と、その不動産物件の所在地情報をジオコーディングすることによって変換された緯度経度情報と、検索結果反映画面が埋め込まれることになるウェブページのマスターデータと、ステップS6~ステップS7の取得処理を実行したことで取得した提案情報とを、当該ユーザIDに従ってネットワーク700を介してユーザ端末100Aに向けて送信するという送信処理を実行したことを示している。
【0083】
ステップ9:サーバ装置300が、受信手段310によって、ステップS8の送信処理を実行したことを受けて、ユーザ端末100Aのディスプレイに表示される検索結果反映画面を通じて、不動産契約成立者によって不動産物件の詳細情報の掲載ページの閲覧やブックマーク登録がされると、ユーザ端末100Aからネットワーク700を介して送信される当該不動産契約成立者に割り当てられているユーザIDとともにその表示処理の実行内容を受信するという受信処理を実行したことを示している。
【0084】
ステップ10:サーバ装置300が、更新手段370によって、ステップS9の受信処理を実行したことで受信した表示処理の実行内容及び当該ユーザIDに基づき、格納媒体200に格納されている当該ユーザIDによって特定される不動産契約成立者の検索条件に、当該表示処理の実行内容を付加して更新するという更新処理を実行したことを示している。
【0085】
ステップS11:その後、最終期間までの検索がされて不動産契約が成立して、サーバ装置300が、学習手段390によって、格納媒体200に格納されている、当該不動産契約成立者の各検索条件とそれらに対応する時間的に離隔した各検索期間とを読み出し、それらを学習用データとしてAI装置400を学習するという学習処理を実行したことを示している。
【0086】
<ユーザ端末100Bに関する動作(ステップS12~ステップS22)>
つぎに、不動産情報提案システムにログインする不動産契約検討者が、不動産検索をするためにユーザ端末100Bに対して所望の操作を行った場合の不動産情報提案システムの動作について、サーバ装置300を主体として説明する。
【0087】
ステップS12:サーバ装置300が、ユーザ端末100Bのディスプレイに表示された検索条件入力画面を含むウェブページを通じて、不動産契約検討者によって入力された、検索条件(例えば、第1期間の検索中のものとして「種別;土地、地域;青梅市」、第2期間の検索中のものとして(「種別;土地、地域;青梅市・あきる野市・八王子市」など。)が当該不動産契約検討者に割り当てられているユーザIDとともにネットワーク700を介して送信されてきたときに、受信手段310によって、それらを受信するという受信処理を実行することを示している。
【0088】
ステップS13:サーバ装置300が、格納手段320によって、ステップS12の受信処理を実行することで受信する検索条件及びユーザIDに基づいて、ネットワーク700を介して格納媒体200を参照し、当該検索条件等を受信した当該不動産契約検討者の検索期間(例えば、第1期間の検索期間として「10月2日」、第2期間の検索期間として「10月9日」。)に紐付けて、格納媒体200に格納するという格納処理を実行することとを示している。
【0089】
ステップS14:サーバ装置300が、検索手段340によって、ステップS12の受信処理を実行することで受信する検索条件に基づいて不動産物件の検索結果を取得するという取得処理を実行し、かつ、読出手段330によって、当該不動産契約検討者による過去の検索条件等が格納されていれば、それらの全検索条件等(例えば、第2期間において本ステップを実行するのであれば、第1期間に係る「10月2日」に「種別;土地、地域;青梅市」、及び、第2期間に係る「10月9日」に「種別;土地、地域;青梅市・あきる野市・八王子市」など)を格納媒体200から読み出すという読出処理を実行することを示している。
【0090】
ステップS15~ステップS16:サーバ装置300が、取得手段350によって、ステップS14の読出処理を実行する場合には、当該読出処理を実行することによって読み出す過去の全検索条件等を、ネットワーク700を介してAI装置400に入力して、当該不動産契約検索者によってその後の期間における検索の際に選定される可能性が高いと推定された検索条件(推定結果)を、AI装置400から取得するという取得処理を実行することを示している。なお、ステップS14の読出処理を実行しなかった場合には、ステップS15~ステップS18の実行をスキップして、既述の例でいう「検討エリアの拡張」のように第1期間に係る提案情報を、機械的にステップS19における送信対象としてもよい。
【0091】
ステップS17~ステップS18:サーバ装置300が、取得手段350によって、ステップS4~ステップS5の取得処理を実行することで取得する推定結果に基づいて格納媒体200を参照し、当該推定結果に合致する提案情報(既述の例でいうと、第1期間では「検討エリアの拡張」という提案事項及び「入力した市町村だけではなく、その周辺エリアについての検索してみましょう。…」などの選択的な提案内容、第2期間では「土地の探し方のレクチャー」という提案事項及び「まず、購入を希望する土地のエリアと予算を決めましょう。また、土地に求める条件の優先順位を決めましょう。…」などの選択的な提案内容。)を格納媒体200から取得するという取得処理を実行することを示している。
【0092】
ステップS19:サーバ装置300が、送信手段380によって、ステップS14の読出処理を実行することで読み出す検索結果と、その不動産物件の所在地情報をジオコーディングすることによって変換された緯度経度情報と、検索結果反映画面が埋め込まれることになるウェブページのマスターデータと、ステップS17~ステップS18の取得処理を実行することで取得する提案情報とを、当該ユーザIDに従ってネットワーク700を介してユーザ端末100Bに向けて送信するという送信処理を実行することを示している。
【0093】
ステップ20:サーバ装置300が、受信手段310によって、ステップS19の送信処理を実行することを受けて、ユーザ端末100Bのディスプレイに表示される検索結果反映画面を通じて、不動産契約検討者によって不動産物件の詳細情報の掲載ページの閲覧やブックマーク登録がされると、ユーザ端末100Bからネットワーク700を介して送信される当該不動産契約検討者に割り当てられているユーザIDとともにその表示処理の実行内容を受信するという受信処理を実行することを示している。
【0094】
ステップ21:サーバ装置300が、更新手段370によって、ステップS20の受信処理を実行することで受信する表示処理の実行内容及び当該ユーザIDに基づき、格納媒体200に格納されている当該ユーザIDによって特定される不動産契約検討者の検索条件(第1期間での検索中であれば、例えば「種別;土地、地域;青梅市」)に、当該表示処理の実行内容を付加して(第1期間での検索中であれば、8つの閲覧された不動産物件に閲覧フラグを立て、うち2つのブックマーク登録された不動産物件に登録フラグを立てるなど。)更新するという更新処理を実行することを示している。
【0095】
ステップS22:その後、最終期間までの検索がされて不動産契約が成立して、サーバ装置300が、学習手段390によって、格納媒体200に格納されている、当該不動産契約検討者の各検索条件とそれらに対応する時間的に離隔した各検索期間とを読み出し、それらを学習用データとしてAI装置400を学習するという学習処理を実行することを示している。
【0096】
以上、本実施形態では、主として、検索エリアが変遷していくという検索条件を例に説明したが、検索条件の変遷は、検索エリアのみならず、不動産物件の価格の高低、不動産物件の延床面積などの、全く異なる事項についても起こり得るが、学習データとなる検索条件としてこれらの事項も含めれば、これらについても反映した提案を行うことができる。
【0097】
本実施形態の不動産情報提案システムによれば、複数の不動産契約成立者の各々によって不動産契約がされるまでの検索条件を踏まえた提案を行うことができるので、効率よく不動産検索を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
図1】本発明の実施形態の不動産情報提案システムがなし得る不動産情報の提案例についての説明図である。
図2】本発明の実施形態の不動産情報提案システムの模式的な構成を示すブロック図である。
図3図2に示すサーバ装置300の模式的な構成を示すブロック図である。
図4図2に示す不動産情報提案システムにおける不動産情報の提案に関する典型的な動作の一部を抜き出した説明図である。
【符号の説明】
【0099】
100,100A,100B ユーザ端末
200 格納媒体
300 サーバ装置
310 受信手段
320 格納手段
330 読出手段
340 検索手段
350 取得手段
360 変換手段
370 更新手段
380 送信手段
390 学習手段
400 人工知能装置(AI装置)
500 管理者端末
600 業者用端末
700 ネットワーク

図1
図2
図3
図4