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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057233
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】スキンケアシステム
(51)【国際特許分類】
   A45D 44/00 20060101AFI20240417BHJP
   A61H 23/02 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
A45D44/00 A
A61H23/02 330
A61H23/02 360
A61H23/02 386
A45D44/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163832
(22)【出願日】2022-10-12
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】森河 朋彦
【テーマコード(参考)】
4C074
【Fターム(参考)】
4C074AA05
4C074BB01
4C074CC01
4C074GG01
4C074HH03
4C074HH05
(57)【要約】
【課題】美容機器の肌に刺激を与える処置部の動作データをユーザが作成するスキンケアシステムを提供する。
【解決手段】スキンケアシステムは、肌に近接または接触させて用いられて肌に刺激を与える処置部と、データを受信可能な受信部と、受信部で受信したデータに基づき処置部を制御する制御部と、を有する美容機器手段と、処置部によって肌に与える刺激を制御するための動作データをユーザが作成するデータ作成手段と、を備え、制御部は、動作データに基づき処置部を制御することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
肌に近接または接触させて用いられて前記肌に刺激を与える処置部と、
データを受信可能な受信部と、
前記受信部で受信した前記データに基づき前記処置部を制御する制御部と、を有する美容機器手段と、
前記処置部によって前記肌に与える刺激を制御するための動作データをユーザが作成するデータ作成手段と、を備え、
前記制御部は、前記動作データに基づき前記処置部を制御することを特徴とするスキンケアシステム。
【請求項2】
前記動作データを含むデータを記憶する記憶手段を有するサーバー装置と、
ユーザが操作可能な情報処理端末と、をさらに備え、
前記情報処理端末は、
前記ユーザが前記情報処理端末から前記サーバー装置へ前記データを送信する送信手段と、
前記ユーザが前記サーバー装置から前記情報処理端末に前記データを取得する取得手段と、を有することを含むことを特徴とする請求項1に記載のスキンケアシステム。
【請求項3】
ユーザのデータ要求を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記記憶手段は、前記動作データを作成したユーザのユーザ情報、当該ユーザの体調情報、当該ユーザが当該動作データに基づき前記処置部を制御し美容施術を行ったことによる心の状態の変化を示す心情報、当該ユーザが当該動作データに基づき前記処置部を制御し美容施術を行ったことによる睡眠状態を示す睡眠情報、および当該ユーザが当該動作データに基づき前記処置部を制御し美容施術を行ったことによる肌の状態の変化を示す肌情報との少なくとも何れか一つを含むインデックスデータを当該動作データに対応させて記憶し、
前記サーバー装置は、
ユーザからの前記データ要求に基づき、前記記憶したインデックスデータを用いて特定の動作データを検索する検索手段を備え、
前記取得手段は、前記検索手段によって検索された前記特定の動作データを取得することを特徴とする請求項2に記載のスキンケアシステム。
【請求項4】
前記インデックスデータは、
前記取得手段によって前記動作データを取得したユーザが当該動作データに基づき前記処置部を制御し美容施術を行った際の評価を含むことを特徴とする請求項3に記載のスキンケアシステム。
【請求項5】
前記ユーザに対して音声を出力する音声出力手段をさらに備え、
前記データ作成手段は、前記音声出力手段から出力する音声に関するデータをユーザが作成する音声データ作成手段であり、
前記記憶手段は、
前記音声に関するデータと、
前記音声に関するデータを作成したユーザ情報をインデックスデータとして当該音声に関するデータに対応させて記憶することを特徴とする請求項2から4いずれか一項に記載のスキンケアシステム。
【請求項6】
前記記憶手段は、
少なくともメロディとリズムとを含む予め作成された複数の曲のデータを記憶し、
前記音声データ作成手段は、ユーザが前記複数の曲から音声に関するデータ作成に用いる複数の曲を選択した場合、選択された複数の曲のデータをつなぎ合わせる処理を行い、前記音声に関するデータとして作成することを特徴とする請求項5に記載のスキンケアシステム。
【請求項7】
前記記憶手段は、
前記処置部によって前記肌に与える刺激を制御するための動作データに含まれる複数の振動要素を記憶し、前記複数の振動要素は、前記複数の曲それぞれに対応した振動要素が含まれており、
前記データ作成手段は、作成された前記音声に関するデータに対応する振動要素を抽出し、抽出した前記振動要素に基づき動作データを作成することを特徴とする請求項6に記載のスキンケアシステム。
【請求項8】
前記記憶手段は、
曲を構成する要素であるテンポ、拍子、フレーズ、リズム、音源の少なくとも1つを記憶し、各前記要素はそれぞれ複数記憶されており、
前記音声データ作成手段は、ユーザが前記複数の要素から音声に関するデータ作成に用いる複数の要素を選択した場合、選択された複数の要素を組み合わせる処理を行い、前記音声に関するデータとして作成することを特徴とする請求項5に記載のスキンケアシステム。
【請求項9】
前記記憶手段は、
前記処置部によって前記肌に与える刺激を制御するための動作データに含まれる複数の振動要素を記憶し、
前記データ作成手段は、作成された前記音声に関するデータに基づき、前記処置部を振動制御するのに必要な帯域の信号を抽出し、当該信号に基づき動作データを作成することを特徴とする請求項8に記載のスキンケアシステム。
【請求項10】
前記音声出力手段は、前記スキンケアシステム外で作成された所定の音声データを出力することが可能であり、
前記データ作成手段は、
音声出力手段から前記所定の音声データを出力する場合、前記所定の音声データに基づき、前記処置部を振動制御するのに必要な帯域の信号を抽出し、当該信号に基づき動作データを作成することを特徴とする請求項5に記載のスキンケアシステム。
【請求項11】
前記動作データは、前記処置部の温度を制御するデータを含み、
前記データ作成手段は、前記音声に関するデータの所定の変化タイミングに合わせて前記温度を変化させるように前記動作データを作成することを特徴とする請求項5から10のいずれか一項に記載のスキンケアシステム。
【請求項12】
画像を表示する表示手段をさらに備え、
前記データ作成手段は、前記表示手段から出力する画像に関するデータをユーザが作成する画像データ作成手段であり、
前記記憶手段は、
前記画像に関するデータと、
前記画像に関するデータを作成したユーザ情報およびユーザが併用して用いることを推奨する動作データ情報をインデックスデータとして当該画像に関するデータに関連させて記憶することを特徴とする請求項2から11のいずれか一項に記載のスキンケアシステム。
【請求項13】
ユーザが所定の物体を触ったときの触覚情報を取得する触覚情報取得手段をさらに備え、
前記記憶手段は、
振動速度または振動強度の少なくとも何れか1つを含む複数の振動要素が記憶されており、
前記データ作成手段は、前記触覚情報取得手段によって取得した前記触覚情報に基づき、特定の振動要素を抽出し、動作データを作成することを特徴とする請求項2から11のいずれか一項に記載のスキンケアシステム。
【請求項14】
予め決められた複数の触覚情報を記憶する触覚情報記憶手段をさらに備え、
ユーザは、前記触覚情報記憶手段から少なくとも1つ以上の触覚情報を選択し、
前記データ作成手段は、前記ユーザが選択した前記触覚情報に基づき、特定の振動要素を抽出し、動作データを作成することを特徴とする請求項13に記載のスキンケアシステム。
【請求項15】
前記記憶手段は複数の温度要素が記憶されており、
前記データ作成手段は、前記ユーザが選択した前記触覚情報に基づき、特定の温度要素を抽出し、前記動作データに含めて作成することを特徴とする請求項13または14のいずれか一項に記載のスキンケアシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキンケアシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
触覚コンテンツを生成し、マッサージ器に利用する装置がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-29802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、マッサージ器に利用するまでに留まっており、スキンケアの場合どのように用いるか研究の余地があった。近年、スキンケアへの関心は高く、特に、関心の高いユーザは独自のスキンケア方法を試行錯誤したり、他人の評価(いわゆる、口コミサイト)を利用し同様のスキンケアを行うことも多く、このようなユーザの要求を満たすものではなかった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、肌に刺激を与える処置部の動作データをユーザが作成し、作成した動作データに基づき処置部を制御するスキンケアシステムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、肌に近接または接触させて用いられて前記肌に刺激を与える処置部と、データを受信可能な受信部と、前記受信部で受信した前記データに基づき前記処置部を制御する制御部と、を有する美容機器手段と、前記処置部によって前記肌に与える刺激を制御するための動作データをユーザが作成するデータ作成手段と、を備え、前記制御部は、前記動作データに基づき前記処置部を制御することを特徴とするスキンケアシステムに関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によるスキンケアシステムによれば、処置部によって肌に与える刺激を制御するための動作データをユーザが作成し、作成した動作データに基づきスキンケアを行えることができ、その結果、スキンケアに対するユーザの満足度を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】スキンケアシステムの概念図である。
図2】スキンケアシステムのブロック図である。
図3】スキンケアシステムの概念図(全体)である。
図4】サーバー装置の記憶部のデータ格納イメージである。
図5】ユーザがデータを作成する処理フローである。
図6】ユーザが他のユーザの作成データを取得する処理フローである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施形態の例について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態の図面は、いずれも本発明の技術思想、構成及び動作を説明するためのものであり、その構成を具体的に限定するものではない。また、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0010】
<概要>
本実施形態におけるスキンケアシステムの概要について説明する。
本実施形態のスキンケアシステム100(以下、本システムと表示する場合がある)は、美容機器手段に相当する美容機器200、情報処理端末300、およびサーバー装置400(サーバーということもある)を備える。図1に示すように、ユーザは美容機器200を用いてスキンケアを行う。美容機器200の処置部210を動作させるための動作データは、ユーザが情報処理端末300を用いて作成し、作成した動作データにより処置部210を制御するスキンケアシステムである。また、図1に示すように情報処理端末300から心をケアできる画像や音楽を出力することで、スキンケア効果の向上が期待できるスキンケアシステムである。
【0011】
これまで、触覚コンテンツを生成し、マッサージ器に利用する技術(例えば、特許文献1)があった。しかし、スキンケアはマッサージと比べ、肌の状態やユーザの好みなど個々の状態を考慮する必要があり、ユーザにとって最適なスキンケア内容は個人差が生じやすい。しかし、これまでのスキンケアシステムでは、ユーザが作成した動作データを用いるなど、ユーザの肌の状態や好みなど個々の状態を考慮したスキンケア内容は実現されていなかった。そこで、本発明者らは美容機器200の処置部210によって肌に与える刺激を制御するための動作データをユーザが作成し、作成した動作データに基づき処置部210を制御するスキンケアシステムを提案する。
【0012】
図2に、スキンケアシステム100のブロック図を示す。
図2に示すように、スキンケアシステム100は、美容機器200、情報処理端末300、およびサーバー400とから構成される。美容機器200は処置部210、受信部220、および制御部230を備える。情報処理端末300はデータ作成手段に相当するデータ作成部310、送信手段に相当する送信部320、取得手段に相当する取得部330、受付手段に相当する受付部340、音声出力手段に相当する音声出力部350、表示手段に相当する表示部360、触覚情報取得手段に相当する触覚情報取得部370を備える。なお、美容機器200と情報処理端末300は別体でも一体でもどちらでもよい。サーバー400は、検索手段に相当する検索部410と記憶手段に相当する記憶部420を備える。
【0013】
美容機器200は、ユーザの肌に刺激を与えるものであり、肌に接触させることにより肌に温度、振動、湿度、水分、微弱電流、EMS(Electrical Muscle Stimulation)、イオン導入、RF(Radio Frequency)、低周波、超音波、光、風などによる刺激を与えるもの、肌に接触はさせないが、肌の近傍に設けることにより、肌に温度、振動、湿度、水分、微弱電流、EMS(Electrical Muscle Stimulation)、イオン導入、RF(Radio Frequency)、低周波、超音波、光、風などによる刺激を与えるものなどである。ユーザが美容機器200を持って使用するもの、ユーザの所定部位に美容機器200を装着して使用するもの、ユーザの所定位置(例えば、顔面)に美容機器200を載せて使用するもの、美容機器200を載置した状態で使用するもの、ユーザが美容機器200に載って使用するものなど、使用形態は問わない。ユーザの肌に刺激を与えるものに限らず、頭皮や髪に対し刺激を与えるものでもよい。本実施形態では、美容機器200は少なくとも、肌に振動による刺激と温度による刺激を与えるため、振動駆動手段(例えば、振動駆動回路(図示しない))、温度調節手段(例えば、電熱線ヒーター(図示しない)、ペルチェ素子(図示しない)、ピエゾ素子(図示しない))などを備えている。また、制御部230が処置部210の温度制御を行う際に処置部210の温度を検知する必要があるため、処置部210の温度を検知する温度センサ(図示しない)も備えていることが好ましい。
処置部210は、ユーザの肌に近接または接触させて用いられ肌に刺激を与える処理を行う。
「肌」とは、ユーザの皮膚であり、顔、首、手、腕、足など体の部位は問わない。また、頭皮も含むものとする。
「近接」とは、処置部210からの所定の刺激を肌に対し与えられる距離分離れた位置であり、刺激の種類によって異なる距離である。また、肌に所定の剤を塗布した状態で処置部210を用いる場合も近接にあたることとする。これは、肌に所定の剤を塗布した状態で処置部210を用いた場合、ユーザは肌に処置部210を接触させるように操作していても肌と処置部210との間には所定の剤があり、処置部210は肌には接触していないためである。
「接触」とは、肌に対し処置部210と肌が触れる位置であり、処置部210を肌に押し込むように触れることも含まれる。
受信部220は、データを受信する機能を備えており、主に、情報処理端末300から出力される動作データを受信する処理を行う。美容機器200に、情報処理端末300とBluetooth、赤外線通信などの無線通信を用いてデータの授受を行うもの、または、所定のケーブルを用いてデータ授受を行うものなど通信方式は問わない。
制御部230は、受信部220で受信した動作データに基づき処置部210を制御する処理を行う。処置部210が備える機能によって異なるが、制御部230、受信した動作データに基づき処置部210から所定の刺激を肌に与えるように制御する。
美容機器200には上記部位の他、処置部210の動作状態をユーザが確認可能な表示部や操作ボタンなどを設けてもよい。
【0014】
情報処理端末300は、ユーザが操作可能な装置であり、データ作成部310、送信部320、取得部330、受付部340、音声出力部350、表示部360、触覚情報取得部370を備える。情報処理端末300は、このほかに、記憶部380,演算処理装置、入出力部、キーボード、ポインティングデバイスなどの入力装置を備えている、携帯電話、タブレットなどの携帯端末やパーソナルコンピュータなどである。また、情報処理端末300は、音楽や音声を記録できる録音機能(ボイスレコーダなどの録音装置)、撮影機能(カメラなどの撮影装置)を備えていてもよい。
データ作成部310は、処置部210によって肌に与える刺激を制御するための動作データをユーザが作成する処理を行う。
「制御するための動作データ」は、処置部210が備える機能によって異なるが、本実施形態では、処置部210の温度および振動を制御するデータを作成する。詳細は後述するが、動作データに含まれる温度は、美容施術の際の温度(数値)、または、予め決められた所定段階を動作データに含めるようにする。また動作データに含まれる振動は、美容施術の際の振動強度(数値)、振動速度(振動テンポ)(数値)、リズム、周波数(数値)、予め決められた所定段階の振動強度、振動速度(振動テンポ)、リズム、周波数、または、振動強度、振動速度(振動テンポ)、および周波数を含めた振動パターンを動作データに含めるようにする。
「ユーザが作成する」とは、美容機器200を用いたスキンケアを行うユーザが、データ作成部310を用いて動作データ、音声に関するデータ、画像に関するデータなどを作成することである。詳細は後述するが、動作データの場合であれば、例えば、ユーザが情報処理端末300を操作して、処置部210の動作条件を指定すること、具体的には、処置部210の設定温度、振動強度、および振動速度を指定すること、および予め記憶されている動作データを構成する複数の振動要素および複数の温度要素から少なくとも1つの振動要素または温度要素を指定することである。データ作成部310は、ユーザが指定した内容に基づき、動作データを作成する。
データ作成部310は情報処理端末300に備えられている演算処理装置に設けられる。
【0015】
送信部320は、ユーザが情報処理端末300からサーバー400へデータを送信する処理を行う。
「ユーザ」とは、美容機器200を用いたスキンケアを行うユーザであり、データ作成部310を用いて動作データや詳細は後述するが、音声に関するデータ、画像(静止画像および動画像)に関するデータを作成したユーザである。
「データ」とは、ユーザが作成した動作データ、ユーザが作成した音声に関するデータ、画像に関するデータなどである。
「送信する処理」とは、ユーザが情報処理端末300を用いて、サーバー400へデータを送信する処理であり、いわゆる、アップロード処理である。
送信部320は情報処理端末300に備えられている演算処理装置および入出力部に設けられる。
【0016】
取得部330は、ユーザがサーバー400から情報処理端末300にデータを取得する処理を行う。
「ユーザ」とは、美容機器200を用いたスキンケアを行うユーザである。データ作成部310を用いて動作データ、音声に関するデータ、または画像に関するデータを作成したユーザに限らない。
「データ」とは、ユーザ自身および他のユーザが作成した動作データ、音声に関するデータ、画像に関するデータなどである。
「取得する処理」とは、ユーザが情報処理端末300を用いて、サーバー400からデータを取得する処理であり、いわゆる、ダウンロード処理である。
取得部330は情報処理端末300に備えられている演算処理装置および入出力部に設けられる。
【0017】
受付部340は、ユーザのデータ要求を受け付ける処理を行う。本実施形態では情報処理端末300を用いてユーザのデータ要求を受け付ける処理を行う。
「データ要求」とは、詳細は後述するが、ユーザがサーバー400にアクセスし、サーバー400から特定のデータを、取得部330を用いて取得する際に取得するデータを要求(指定)することである。データ要求内容としては、特定のデータを要求すること、取得したいデータの条件を指定すること何れも含まれる。
「受け付ける」とは、ユーザが特定のデータを要求すること(要求する操作)または取得したいデータの条件を指定すること(指定する操作)を情報処理端末300が認識することである。
【0018】
音声出力部350は、ユーザに対し音声を出力する処理を行う。詳細は後述するが、美容機器200によるスキンケアと合わせて聴くことで、スキンケア効果が向上しやすい音声を出力する。音声出力部350は、情報処理端末300に備えられたスピーカーでもよいし、情報処理端末300に接続可能なスピーカーでもよい。
表示部360は、画像を表示する処理を行う。詳細は後述するが、美容機器200によるスキンケアと合わせて観ることで、スキンケア効果が向上しやすい画像を表示する。表示部360は、情報処理端末300に備えられた表示画面でもよいし、情報処理端末300に接続可能な表示装置でもよい。
【0019】
触覚情報取得部370は、ユーザが所定の物体を触ったときの触覚情報を取得する処理を行う。ユーザが所定の物体を触ったときに感じる、ざらざら、すべすべ、なめらか、しっとり、やわらかい、かたい、ふわふわといった触覚を電気信号として取得する処理を行う。取得に用いるセンサの種類は、加速度センサを用いたもの、圧力センサを用いたもの、振動センサを用いたもの、温度センサを用いたものなどどのような種類でもよい。各種センサは、本システム100に含んでもよいし、含まなくてもよい。
「所定の物体」とは、どのような物体でもよいが、本実施形態では、触覚情報をスキンケアに用いることを考慮し、例えば、毛皮、ベルベット、シルク、すべすべの木材、マシュマロなど、触り心地のよい物体が好ましい。
触覚情報取得部370はセンサ(図示しない)および情報処理端末300に備えられている演算処理装置に設けられる。
【0020】
サーバー400は、検索部410と記憶部(サーバー)420とを備える。サーバー400は、このほかに,演算処理装置、入出力部などを備えている、コンピュータシステムである。
検索部410は、ユーザからのデータ要求に基づき、記憶したインデックスデータ(インデックスデータについては後述する)を用いて動作データを含む特定のデータを検索する処理を行う。詳細は後述するが、サーバー400に記憶されている動作データ、音声に関するデータ、画像に関するデータなどのデータは、データ作成者のユーザ情報、ユーザが使用した時の評価などの情報をインデックスデータとして当該データに関連付けて記憶している。検索部410は、インデックスデータを用いて、ユーザからのデータ要求に対応したデータを検索する。
記憶部(サーバー)420は、動作データ、音声に関するデータ、画像データなどのデータをそれぞれのインデックスデータと対応付けて記憶する処理を行う。
【0021】
図3を用いて、本システムについて説明する。
図3に示すように、本システムは、美容機器200と情報処理端末300とを有するユーザ(例えば、ユーザA~F)がそれぞれインターネットを経由してサーバー400にアクセス可能となっている。
各ユーザは、作成した動作データ、音声に関するデータ、および画像に関するデータをサーバー400に送信部320によって送信する。また、サーバー400に記憶されているユーザ自身が作成・送信した動作データ、音声に関するデータ、および画像に関するデータならびに他ユーザが作成・送信した動作データ、音声に関するデータ、および画像データを取得部330によって取得することが可能である。このように、ユーザが作成し、効果のあったスキンケア方法を他のユーザに公開することにより、本システム100を利用することへの興味が高まり、また、ユーザは他のユーザにより効果があったと公開しているスキンケア方法を行うことができるため、本システム100を利用することへの興味が高まる。スキンケアを重視するユーザは、情報に敏感なユーザが多く、他のユーザのコメントを参考に自身のスキンケア方法を模索することが多い。例えば、自身と同じような肌悩みや生活習慣を行っているユーザが作成し、効果があったとされる動作データ、音声に関するデータ、または画像に関するデータを用いてスキンケアを行うことで、肌状態の改善につながる可能性が高くなることも期待できる。なお、自身と同じような肌悩みや生活習慣を行っているユーザの特定は、インデックスデータ(詳細は後述する)を用いて行う。
【0022】
図4に、サーバー400に設けられる記憶部420の概念図を示す。図4は、記憶部420に記憶されるデータのイメージを表したもので、実際のデータベース内容を示したものではない。また、図4に示したデータ以外のデータも記録されていてもよいものとする。
【0023】
図4に示すように、記憶部420にはユーザが作成したデータとユーザがデータを作成するために必要なデータ(データのパーツ)とが記憶されている。
ユーザが作成したデータとして、動作データ、音声に関するデータ、および画像に関するデータが記憶されている。
ユーザがデータを作成する際に用いるデータとして、動作データ関連のデータ、触覚データ関連のデータ、音声データ関連のデータ、および画像データ関連のデータが記憶されている。なお、図2には図示していないが、動作データ関連のデータを記憶する動作情報記憶部、触覚データ関連のデータを記憶する触覚情報記憶部、音声データ関連のデータを記憶する音声情報記憶部、および画像データ関連のデータを記憶する画像情報記憶部を設けるようにしてもよい。
表1に図4に示した各データの概要を示す。
【表1】
【0024】
以下に、各データについて説明する。
【0025】
<動作データについて>
「動作データ」とは、美容機器200の処置部210によって肌に与える刺激を制御するためのデータである。本実施形態では、動作データには、処置部210の振動を制御するデータとして振動速度、振動強度、振動リズム、および周波数の少なくとも1つを含むようにする。また、処置部210の温度を制御するデータも含むようにする。処置部210の制御時間(スキンケア施術時間)、制御時間間隔(インターバルの有無)を含むようにしてもよい。何れのデータも具体的な数値、段階を示す情報(例えば、振動速度が超高速、高速、中速、低速、超低速の5段階あり、その段階情報)など、形式は問わない。
表2に動作データのイメージを示す。
【表2】
【0026】
表2に示すように、各動作データには、施術時間、振動速度、振動強度、振動のリズム、振動周波数、温度などが含まれている。
例えば、動作データ1は、施術時間が3分間であり、3分間のうち、開始から30秒、31秒から60秒、61秒から120秒、121秒から180秒の期間によって、処置部210によって肌に与える刺激内容を異なるように制御することを示している。
また、例えば、動作データ2は、施術時間が4分間であり、開始から終了まで、処置部210によって肌に与える刺激内容は一定であるように制御することを示している。
なお、表2に示した動作データは一例であり、刺激内容が変化するタイミングは他のタイミング(例えば、動作データ1の場合、開始から90秒と91秒から180秒)でもよいし、刺激内容の組合せもこれに限らず、また、表2に示した以外の情報が含まれていてもよい。
【0027】
図5は、ユーザが動作データを作成・美容施術する際の処理フロー(概念)である。なお、フロー中の横線がかかったステップは、情報処理端末300またはサーバー400が行う処理である。
【0028】
ステップS10は、ユーザが動作データに含めたい処置部210の動作条件を指定する処理である。
ユーザは動作データを作成する際に、動作データに含まれる、振動速度、振動強度などの動作情報(動作条件)を、記憶部420に記憶されているデータのパーツを用いて作成する。例えば、動作データ関連のパーツには、振動速度の振動要素として、超高速、高速、中速、低速、超低速の5種類が記憶部420に記憶されている。ユーザは、情報処理端末300を用いて、サーバー400にアクセスする。そして、データ作成部310により振動速度の振動要素から特定のデータを選択し、動作データを作成する。具体的には、情報処理端末300の表示部360に、動作データを作成する画面が表示され、ユーザが各動作情報(各要素)について入力し作成完了を指定する。ユーザが動作データを容易に作成できるように、プルダウンメニューまたはチェックボックスを用いて各動作情報を入力できることが好ましい。なお、振動速度や振動強度の振動要素は段階ではなく、〇〇/秒のように具体的な速度データでもよいし、ユーザが記憶部420に記憶されたデータのパーツから選択せずに、具体的な振動速度を入力するようにしてもよい。
【0029】
ステップS15は、データ作成部310がユーザによって入力された内容の動作データを作成する処理である。データ作成部310によって、処置部210を動作制御するための動作データ(制御データ)の形式に作成する。
作成された動作データは、記憶部380に記憶され、美容施術に用いられる。
【0030】
ステップS20は、ステップ10およびステップS15で作成した動作データに基づく美容施術を行う処理である。
【0031】
ステップS25は、ユーザがインデックスデータを作成する処理である。以下に示すインデックスデータに含める内容を、ユーザが表示部360に表示されるインデックスデータの入力画面を用いて入力する。
インデックスデータについて説明する。
記憶部420は、動作データを作成したユーザのユーザ情報、ユーザが動作データに基づき処置部210を制御し美容施術を行ったことによる心の状態の変化を示す心情報、ユーザが動作データに基づき処置部210を制御し美容施術を行ったことによる睡眠状態を示す睡眠情報、およびユーザが動作データに基づき処置部210を制御し美容施術を行ったことによる肌の状態の変化を示す肌情報との少なくとも何れか一つを含むインデックスデータ(索引データ)を動作データに対応させて記憶している。
「インデックスデータ」とは、ユーザ情報、体調情報、心情報、睡眠情報、肌情報などであり、他のユーザが受付部340を用いて取得したい動作データを選択、または、他のユーザが受付部340を用いて取得したい動作データの条件を入力した際に検索部410が検索に用いるデータである。
「ユーザ情報」とは、動作データを作成したユーザの名前(ニックネームを含む)、年代、性別、ライフスタイル、嗜好、自律神経活動の特性、職業、趣味、生活習慣、肌状態、肌タイプ(肌悩みを含む)などの情報であり、ユーザが公開してもよいと判断した情報のみ入力するようにしてもよい。名前は、継続して情報を発信しているユーザや著名人の場合、「〇〇さんの動作データを使ってみたい」という場合に必要となる情報である。年代は、肌状態と年代は密接な関係があるため、自身と同じ年代のユーザの動作データを使ってみたいという場合に必要となる情報である。肌タイプ(肌悩みを含む)は、自身と同じ肌タイプや肌悩みのユーザが作成した動作データであれば肌状態の改善が期待できると考えるユーザが多いため必要となる情報である、職業、趣味、生活習慣は、自身と同じような生活スタイルの人であれば動作データの参考になる可能性が高いためこれらの情報もインデックスデータに含まれることが好ましい。
「体調情報」とは、動作データを作成したユーザの体調状態を示す情報であり、美容施術時(美容施術前)の体調だけではなく、定常的な体調状態(例えば、よくイライラする、朝やる気がでないなど)も含むものとする。
「心情報」とは、作成した動作データによる美容施術を行ったことによる心の状態の変化を示す情報であり、例えば、ユーザへの問診結果による心の状態の変化を示す情報(美容施術前はふさいだ気分だったが、美容施術後は心が軽い気分となった)、ユーザの心拍データ、顔画像(表情)、脳波、血圧など生理的情報から得られる心の状態の変化を示している。
「睡眠情報」とは、作成した動作データによる美容施術を行ったことにより、睡眠時間、眠りにつくまでの時間、睡眠度合い(ぐっすり眠れたか否か)などである。
「肌情報」は、作成した動作データによる美容施術を行ったことによる肌の状態の変化を示す情報であり、例えば、美容施術前はかさついた状態だったが、美容施術後は潤った状態となったといったような肌の状態の変化を示している。
インデックスデータには、これらの情報の他、作成したユーザのコメント、施術頻度、製剤使用有無および製品名などを含めてもよい。
インデックスデータは、ユーザが動作データを用いた美容施術後に、データ作成部310を用いて入力する。具体的には、情報処理端末300の表示部360に、インデックスデータを入力する画面が表示され、ユーザは各情報について入力し、入力完了を指定する。なお、ユーザがインデックスデータを容易に入力できるように、プルダウンメニューまたはチェックボックスを用いて各情報を入力できることが好ましい。また、作成したユーザのコメントについては所定文字数以内の自由入力とすればよい。
【0032】
ステップS30は、データ作成部310がユーザによって入力された内容のインデックスデータを作成する処理である。データ作成部310によって、ユーザによって入力された内容を所定の形式に作成する。
作成されたインデックスデータを動作データに対応させて記憶部380に記憶する。
【0033】
ステップS35は、ユーザが作成した動作データおよび動作データに対応するインデックスデータを他ユーザに公開したいか否かを判定する処理である。例えば、表示部360に、ユーザに対しアップロードの有無を問う画面を表示し、ユーザがNO(公開しない)を選択した場合は本処理を終了する。また、ユーザがYES(公開したい)を選択した場合は、ステップS35へ移行する。
【0034】
ステップS40は、情報処理端末300の送信部320により、サーバー400へ作成した動作データおよび対応するインデックスデータをアップロードする処理である。
情報処理端末300から動作データを送信されるとサーバー400は、記憶部420に動作データとインデックスデータとを対応付けて記憶させる。このようにすることで、他のユーザが自身の情報処理端末300からサーバー400へアクセスすることで、他のユーザが作成した動作データを取得することが可能となる。
【0035】
図6は、ユーザが他のユーザが作成した動作データを取得し美容施術する際の処理フロー(概念)である。なお、フロー中の横線がかかったステップは、情報処理端末300またはサーバー400が行う処理である。
【0036】
ステップS50は、ユーザが他のユーザが作成した動作データを取得したい際にどのようなデータを取得したいか条件を入力する処理である。
ユーザは、表示部360に表示される、取得したい動作データの条件を入力する画面(受付部340)を用いて入力する。入力内容の例を以下に示す。
・データを作成したユーザ名(ニックネームを含む)
・データを作成した人の年代
・データを作成した人の肌状態(肌悩み)
・データ作成された季節
・他ユーザの評価(詳細は後述する)によるランキング上位のもの
・過去に取得したことのあるユーザのもの
上記した入力内容は1項目でもよいし、複数項目でもよい。
【0037】
ステップS55は、受付部340がステップS50でユーザが入力した内容に基づき、サーバー400へデータ検索(抽出)を要求し、サーバー400の検索部410によって、記憶部420に記憶されているインデックスデータを用いてデータを抽出する。
抽出データは、条件に該当するもののうち、例えば作成日が最も新しいものの1件としてもよいし、複数抽出してもよい。抽出結果は、受付部340を介して、表示部360に表示される。そして、表示部360に表示された抽出結果からユーザは取得するデータを指定する。
【0038】
ステップS60は、ステップS55で特定した動作データを取得部330により、サーバー400からダウンロードする処理である。ダウンロードした動作データは記憶部380に記憶する。
【0039】
ステップS65は、ステップS60でユーザが取得した動作データを取得し、取得した動作データに基づく美容施術を行う処理である。
【0040】
ステップS70は、取得した動作データに基づく美容施術を行ったユーザが、その美容施術に対する感想、評価などのコメントを入力するか否かを判定する処理である。例えば、表示部360に、ユーザに対し評価を入力するか否かを問う画面を表示し、ユーザがNO(入力しない)を選択した場合は本処理を終了する。また、ユーザがYES(入力する)を選択した場合は、ステップS75へ移行する。なお、本実施形態では、ユーザが評価を入力するとした場合は、入力した評価データは記憶部420に記憶された動作データに対応するインデックスデータに登録されるもの(他のユーザに公開されるもの)とする。
【0041】
ステップS75は、ユーザが取得した動作データに基づく美容施術を行った際の評価を示す情報をデータ作成部310を用いて入力する。具体的には、情報処理端末300の表示部360に、評価データを入力する画面が表示され、ユーザは評価項目について入力し、入力完了を指定する。評価項目の一例を以下に示す。
・動作データによる美容施術が良かったと感じたユーザは、例えば「いいね!」を示すボタンをクリック、良くなかったと感じたユーザは「残念!」を示すボタンをクリックする。
・動作データによる美容施術に対し、点数をつける。点数は10点満点/100点満点いずれでもよく、また、「すごくいいね!」、「いいね!」、「普通だね」、「残念」、「がっかり」のように、点数として数値を入力するのではなく、文言に段階を持たせ、点数に換算するようにしてもよい。
・ユーザの感想・評価を書き込む。
・使用したユーザ情報(年代など)も入力できるようにする。
これらの評価項目は、動作データに対応付けた記憶されているインデックスデータに含めて記憶する。したがって、評価項目は、ユーザが取得したデータを指定する際の条件に用いることが可能となる。どのような評価項目とするかは、ユーザの利便性、ユーザがデータを要求する際の判断材料となるかなどを考慮して決定すればよい。
【0042】
ステップS80は、情報処理端末300の送信部320により、サーバー400へ入力したインデックスデータをアップロードする処理である。
情報処理端末300からインデックスデータを送信されるとサーバー400は、記憶部420に対象の動作データのインデックスデータに追加して記憶させる。このようにすることで、他のユーザが動作データを取得する際に受付部340で入力する条件の1つにでき、また、動作データを作成したユーザは自身が作成した動作データについて、他ユーザの評価を把握することができるため、自身の美容施術方法の参考にすることができる。
【0043】
図4に示した動作データ以外のデータについて説明する。
<音声に関するデータについて>
「音声に関するデータ」とは、音声出力部350からユーザへ向けて出力される音声であり、特に、本実施形態では、美容機器200を用いた美容施術をする際に出力される音声である。本実施形態では、情報処理端末300に備えられている音声出力部350(スピーカー)から出力される。
データ作成部310は、音声出力部350から出力する音声に関するデータをユーザが作成する処理を行う音声データ作成手段(音声データ作成部311)が含まれる。
「ユーザが作成する」とは、譜面を書く、コードを書くようないわゆる作曲だけでなく、音声に関するデータ、例えば、音声タイトル(曲名)、音声の種類(例えば、ピアノ、弦楽器、管楽器、声など)、音声のジャンル(例えば、クラッシック、ロック、ジャズ、1/fゆらぎなど)、音声のテンポ、音声のメロディなどを選択または決定することも含まれる。ユーザは、作成したデータ(情報)を表示部360に表示される音声に関するデータ作成画面から入力することにより、音声データ作成部311は音声出力部350から出力する形式として音声に関するデータを作成する。
本実施形態では、「ユーザが作成する」とは、次の1)~3)が含まれる。1)本システム外で作成された音声データをユーザが本システムで使用するために選択すること、具体的には、例えば、ユーザがお気に入りのアーティストの曲を本システム100で使用するために選択すること、2)詳細は後述するが、記憶部420に記憶されている予め作成された少なくともメロディとリズムとを含む複数の曲からユーザが曲を選択し、選択した曲のつなぎ合わせる順を決めること、3)詳細は後述するが、記憶部420に記憶されている曲を構成する要素であるテンポ、拍子、フレーズ、リズム、音源からユーザが複数の要素を選択し、選択された複数の要素をどのように組み合わせるか決めることである。
【0044】
音声データ作成部311は、上記2)、3)の場合、以下の処理を行う。
2)の場合
記憶部420には、予め作成された少なくともメロディとリズムとを含む複数の曲のデータが記憶されている。本実施形態において「曲」とは、少なくともメロディとリズムとを含み、単一の実体として聞こえる音声のことであり、例えば、サビのみ、Aメロディ、Bメロディのように一楽曲の一部分でも、一楽曲の開始から終了まででもよい。複数の曲のデータが記憶されているとは、異なる複数の楽曲のサビのみばかり(複数種類のサビのみ)でもよいし、異なる複数の楽曲のサビのみ、Aメロディ、およびBメロディ(例えば、楽曲Iのサビのみ、楽曲IIのAメロディ、および楽曲IIIのBメロディ)でもよいし、一楽曲に含まれるサビのみ、Aメロディ、およびBメロディ(例えば、楽曲Iのサビのみ、楽曲IのAメロディ、および楽曲IのBメロディ)でもよい。
ユーザが記憶されている複数の曲から音声に関するデータに含めたい曲を選択する。1つの曲を繰り返し使用する、でも、複数の曲を所定の順序で使用するでもよいため、選択した曲をどのように使用するかユーザが決定する。なお、選択した曲を何回繰り返すと繰り返し回数を決定してもよいし、作成したい音声に関するデータの時間を決定し、音声データ作成部311でユーザが決定した時間に合うように選択した曲の繰り返し回数を決定するようにしてもよい。
音声データ作成部311は、ユーザが選択した曲を選択した条件(曲の出力順、繰り返し順、繰り返し回数)に基づき、記憶部420から曲のデータを取得し、音声出力部350から出力されるように音声に関するデータを作成する。作成した音声に関するデータは記憶部380に記憶する。
3)の場合
記憶部420には、曲を構成する要素であるテンポ、拍子、フレーズ、リズム、音源の少なくとも1つが記憶されており、各要素はそれぞれ複数記憶されている。本実施形態では、記憶部420にDAW(Digital Audio Workstation)ソフトウェアなどが記憶されており、ユーザは情報処理端末300の音声データ作成部311を用いてサーバー400にアクセスし、記憶部420に記憶されているDAWソフトウェアを用いてデータを作成する。したがって、音声データ作成部311は、情報処理端末300の演算処理装置とサーバー400に記憶されているDAWソフトウェアおよび当該ソフトウェアを実行するサーバー400の演算処理装置が相当する。なお、情報処理端末300の性能によっては、情報処理端末300にDAWソフトウェアを記憶し、ユーザは情報処理端末300で音声に関するデータを作成してもよい。この場合、音声データ作成部311は、情報処理端末300の演算処理装置が相当する。
作成した音声に関するデータは記憶部380に記憶する。
【0045】
上記1)から3)で作成した音声に関するデータには、動作データに対応して作成したインデックスデータと同様のインデックスデータを作成し、作成した音声に関するデータに対応付けて記憶部380に記憶する。
上述したように作成された音声に関するデータおよび音声に関するデータに対応するインデックスデータを他ユーザに公開したいと判断したユーザは、送信部320を用いて、サーバー400へアップロードする。
情報処理端末300から動作データを送信されるとサーバー400は、記憶部420に音声に関するデータとインデックスデータとを対応付けて記憶させる。このようにすることで、他のユーザが自身の情報処理端末300からサーバー400へアクセスすることで、他のユーザが作成した音声に関するデータを取得することが可能となる。
なお、1)所定の作曲者が作成した音声データについては、サーバー400へのアップロードを禁止するようにすることが好ましい。この場合、所定の作曲者が作成した音声データのタイトルと対応付けたインデックスデータをサーバー400にアップロードするようにすればよい。
【0046】
作成した音声に関するデータは、美容機器200を用いた美容施術をする際に出力される音声である。1)~3)何れの音声に関するデータも所定のリズムを有している。そこで、音声出力部350から音声を出力する場合、処置部210によって肌にあたえる刺激を制御するための動作データの振動を、出力する音声に関するデータに合わせる方が、スキンケア効果が高まる可能性が高いため、作成した音声に関するデータに応じた動作データを作成することが好ましい。
1)および3)で作成した音声に関するデータの場合
作成した音声に関するデータ信号を処置部210の振動駆動回路(図示しない)へ送信することで、処置部210によって肌に与える刺激を音声に関するデータと対応することが可能である。ただし、作成した音声に関するデータによっては、信号を増幅して振動駆動回路へ送信する、所定の帯域についてのみ用いるようにフィルターを介すなどの処理を行う必要がある。そこで、データ作成部310は、作成した音声に関するデータの帯域や振幅などを解析し、処置部210の振動制御に適したデータを動作データとして作成する。このようにして作成した動作データを処置部210の振動駆動回路へ送信すると、動作データに基づき処置部210は振動制御される。動作データは音声に関するデータ(音声信号)を用いて作成しているため、音声に関するデータのリズムや振動と動作データによる処置部210の振動(振動リズム)が同じものである(もしくは近似している)ため、当該音声に関するデータの音声を聴きながら当該動作データによる美容施術を行うと心地よい美容施術を行え、スキンケア効果を高めることが可能となる。なお、データ作成部310によって作成した音声に関するデータの帯域や振幅などを解析し、処置部210の振動制御に適したデータを動作データとして作成するプログラムは、予め情報処理端末300に記憶しておくようにする。
作成した動作データに対応するインデックスデータを上述したインデックスデータと同様に作成する。なお、このインデックスデータには、動作データの基にした音声に関するデータの情報を含めることとすることで、音声に関するデータと動作データとを関連付けて抽出できるため、効果の高い美容施術を行うことが可能となる。
2)で作成した音声に関するデータの場合
2)で作成した音声に関するデータの場合も、上述した1)および3)で作成した音声に関するデータの場合と同様に動作データを作成可能である。2)で作成した音声に関するデータの場合、予め記憶部420に記憶されている曲を組み合わせることで音声に関するデータが作成されている。そこで、記憶されている曲に対応した振動要素を予め記憶部420に記憶しておき、データ作成部310は、作成した音声に関するデータに基づき、対応する振動要素を抽出し、動作データを作成してもよい。具体的には、データ作成部310は、作成した音声に関するデータに用いた記憶部420に記憶されている曲に対応した振動要素を記憶部420から抽出し、作成した音声に関するデータに対応させて振動要素を組み合わせることで動作データを作成する。なお、2)で作成した音声に関するデータに対応した動作データを作成する場合、予め記憶されている曲をユーザが選択すると対応する振動要素を自動的に抽出されるようにすることが好ましい。具体的には、楽曲Iのサビ、楽曲IのAメロディの順に選択することにより、楽曲Iのサビに対応した振動要素、楽曲IのAメロディに対応した振動要素が自動的に抽出される。このようにすることで、予め記憶されている曲データを組合わせてユーザが音声に関するデータを作成した場合でも、作成した音声に関するデータに対応した動作データを容易に作成することができ、ユーザの利便性を高めることが可能となる。
作成した動作データに対応するインデックスデータを上述したインデックスデータと同様に作成する。なお、このインデックスデータには、動作データの基にした音声に関するデータの情報を含めることとすることで、音声に関するデータと動作データとを関連付けて抽出できるため、効果の高い美容施術を行うことが可能となる。
【0047】
処置部210によって肌に与える刺激を制御する動作データには温度を制御するデータを含めることが好ましい。処置部210は肌に直接または近接して美容施術を行うため、処置部210の温度は美容施術に与える影響が大きいからである。
そこで、データ作成部310は、作成した音声に関するデータの、例えば、メロディが変化したタイミング、所定の音域となったタイミング、所定の音量となったタイミングなど、所定のタイミングとなったことにより、温度の制御内容を変更するように動作データを作成することが好ましい。具体的には、制御部230は動作データを読み込み、所定のタイミングとなったときの処置部210の温度を温度センサによって取得し、温度センサによる処置部210と動作データに含まれている(指示されている)温度との差分を算出し、算出結果に基づき、温度調整手段を駆動させ動作データに含まれている温度に処置部210を制御する。なお、所定のタイミングは上記したものに限らず、例えば、ユーザがデータ作成部310を用いて温度の制御内容を変更する条件を指定し、指定された条件に基づきデータ作成部310が、ユーザが指定した条件で制御部230が制御を行えるよう動作データを作成してもよい。
【0048】
<画像に関するデータについて>
「画像に関するデータ」とは、表示部360に表示することでユーザが視聴可能な画像であり、特に、本実施形態では、美容機器200を用いた美容施術をする際に表示部360に表示される画像である。本実施形態では、情報処理端末300に備えられている表示部360に表示される。
データ作成部310は、表示部360に表示する画像をユーザが作成する処理を行う画像データ作成手段(画像データ作成部312)が含まれる。
「ユーザが作成する」とは、画像を撮影する、描画することだけでなく、画像に関するデータ、例えば、画像タイトル、画像の種類(例えば、南の島の風景、城、夜空、山の風景など)、画像のジャンル、画像の質(例えば、明るさ、モノクロ、カラーなど)などを選択または決定することも含まれる。ユーザは、作成したデータ(情報)を表示部360に表示される画像に関するデータ作成画面から入力することにより、画像データ作成部312は表示部360から出力する形式として音声に関するデータを作成する。
本実施形態では、「ユーザが作成する」とは、次の1)、2)が含まれる。1)ユーザが撮影することもしくは描画すること(静止画および動画の何れも含む)、2)記憶部420に予め複数の画像を記憶しておき、ユーザが記憶されている複数の画像から特定の画像を選択し、選択した画像の表示順や表示時間、選択した画像の明るさを決めることである。なお、ユーザが撮影したもしくは描画した静止画像および動画像は、風景画像、人物画像、動物画像、美容施術方法画像(美容施術方法を示した画像)などである。
画像データ作成部312は、ユーザが作成したデータが表示部360に表示されるよう画像に関するデータを作成する。1)の場合、ユーザが撮影もしくは描画した画像を用いて画像に関するデータを作成すると決定した場合、ユーザは記憶部380に当該データを記憶させる。ユーザは表示部360に表示される画像に関するデータを作成する画面を用いて、記憶部380に記憶した画像を指定する。画像データ作成部312は、ユーザからの指示に基づき、表示部360に表示するように画像に関するデータを作成する。ただし、ユーザが撮影もしくは描画した画像によっては、画像データ作成部312でのデータ作成(編集)は不要である。また、2)の場合、ユーザは選択した画像を表示部360に表示される画像に関するデータを作成する画面から指定することにより、画像データ作成部312は、記憶部420から指定されたデータを取得し、その他、ユーザが画像に関するデータを作成する画面から指定した条件(例えば、明るさ、画像の順序など)に基づき取得した画像を編集し、画像に関するデータを作成する。作成した画像に関するデータは記憶部380に記憶する。
作成した画像に関するデータには、動作データに対応して作成したインデックスデータと同様のインデックスデータを作成し、作成した画像に関するデータに対応付けて記憶部380に記憶する。
上述したように作成された画像に関するデータおよび画像に関するデータに対応するインデックスデータを他ユーザに公開したいと判断したユーザは、送信部320を用いて、サーバー400へアップロードする。
情報処理端末300から動作データを送信されるとサーバー400は、記憶部420に画像に関するデータとインデックスデータとを対応付けて記憶させる。このようにすることで、他のユーザが自身の情報処理端末300からサーバー400へアクセスすることで、他のユーザが作成した画像に関するデータを取得することが可能となる。
【0049】
<触覚データ関連について>
本システム100では、ユーザが所定の物体を触ったときの触覚情報を触覚情報取得部370によって取得し、処置部210の動作データを作成する際に用いるようにしてもよい。これは、例えば、ユーザが好みのさわり心地、例えば、毛皮、ベルベットのように滑らかな触感が好みのユーザは、好みのさわり心地に近い触覚による刺激を処置部210から与えられるようにすることで、ユーザにとって心地よい美容施術を行える可能性がある。そこで、触覚情報を用いて動作データを作成してもよい。触覚情報は、例えば、ユーザの指にセンサを設け、指で物体を触ったことにより生じる力学的な物理量(電気信号)を取得することで取得する。「物体」はどのようなものでもよく、例えば、毛皮、ベルベットである。「センサ」は、指で物体を触ることにより生じる加速度や力、振動を取得可能な、例えば、多軸センサや力センサ、振動センサーであり、本発明の触覚情報取得手段に相当する。センサにより取得した力学的な物理量(電気信号)は本発明の触覚情報に相当する。
記憶部420には、振動速度、振動強度、リズム、周波数の少なくとも何れか1つを含む複数の振動要素が記憶されている。データ作成部310は、取得した触覚情報を解析し、記憶部420されている振動要素の中から最も近い振動要素を抽出し、動作データを作成する。具体的には、触覚情報の波形を所定間隔に分割し、分割した範囲ごとに、記憶部420に記憶されている振動要素の波形と最も近い振動要素を対応させて動作データを作成する。このように作成した動作データによる振動は、所定の物体を触ったときの触覚と近似している。作成した動作データを制御部230で読み込むと、制御部230は動作データに示されている振動要素(振動速度、振動強度、リズム、周波数)で処置部210を振動制御するように振動駆動回路を駆動する。作成した動作データに基づき処置部210を制御し、美容施術を行うことで、ユーザの好みの触覚によるスキンケアを行うことが可能となる。
作成した動作データには、上述した動作データに対応して作成したインデックスデータと同様のインデックスデータを作成し、作成した動作データに対応付けて記憶部380に記憶する。
上述したように作成された動作データおよび動作データに対応するインデックスデータを他ユーザに公開したいと判断したユーザは、送信部320を用いて、サーバー400へアップロードする。
所定の物体を触ったときの触覚には、ざらざら、すべすべといった触覚の他に、熱い・冷たいといった触覚もある。そこで、ユーザが指で所定の物体をさわったときの指の温度を例えば、サーモグラフィを用いて取得してもよい。この場合、サーモグラフィが本発明の触覚情報取得手段に相当し、温度が触覚情報に相当する。データ作成部310は、取得した触覚情報を解析し、動作データを作成する。このように作成した動作データを制御部230が読み込むと、制御部230は処置部210の温度を温度センサによって取得し、温度センサによる処置部210と動作データに含まれている(指示されている)温度との差分を算出し、算出結果に基づき、温度調整手段を駆動させ動作データに含まれている温度に処置部210を制御する。このように作成した動作データに基づき処置部210を制御し、美容施術を行うことで、ユーザの好みの触覚によるスキンケアを行うことが可能となる。
【0050】
また、触覚情報を用いて動作データを作成する方法には次のような場合もある。
記憶部420に触覚情報記憶手段(触覚情報記憶部(図示しない))を設け、予め決められた複数の触覚情報を触覚情報記憶手段に記憶しておく。このとき、力学的な物理量や温度を示されたのではユーザはどのような触覚情報か把握できないため、所定の物体を触ったときの触覚バーツとして記憶することが好ましい。例えば、毛皮を触ったときの触覚情報を「触覚パーツ(毛皮)」、ベルベットを触ったときの触覚情報を「触覚パーツ(ベルベット)」といったように記憶する。触覚パーツには所定の物体を触ったときの触覚情報として力学的な物理量や温度が含まれている。
ユーザが記憶されている複数の触覚パーツから動作データに含めたい触覚パーツを選択する。1つの触覚パーツとするか、例えば、ベルベットの触覚パーツの次に毛皮の触覚のパーツとなるといったように、複数の触覚パーツを動作データに含めるかユーザが決定する。
データ作成部310は、ユーザが選択した触覚パーツによって処置部210が制御されるように動作データを作成する。具体的には、選択した触覚パーツに対応した振動や温度により処置部210が制御されるようにデータ作成部310は動作データを作成する。すなわち、制御部230が動作データを読み込むと、ユーザが選択した触覚パーツに対応した振動や温度となるように、振動駆動回路や温度調整手段を制御することで処置部210を制御可能とする。作成した動作データは、上述した動作データに対応して作成したインデックスデータと同様のインデックスデータを作成し、作成した動作データに対応付けて記憶部380に記憶する。
上述したように作成された動作データおよび動作データに対応するインデックスデータを他ユーザに公開したいと判断したユーザは、送信部320を用いて、サーバー400へアップロードする。このように作成した動作データに基づき処置部210を制御し、美容施術を行うことで、ユーザの好みの触覚によるスキンケアを行うことが可能となる。
【0051】
<変形例>
本実施形態では、図5でユーザが動作データを作成した場合について、図6でユーザが他ユーザが作成した動作データを取得する場合について説明したが、動作データに限らない。上述した音声に関するデータ、画像に関するデータ、および触覚情報から作成した動作データの場合も同様である。
【0052】
本実施形態では、ユーザへの刺激として、美容機器200の処置部210による刺激、音声出力部350による音声刺激、表示部360による画像刺激について記載したがこれに限らない。また例えば、アロマシューター(図示しない)を設け、アロマシューターから出力する香りに関するデータをユーザが作成してもよい。香りによりリラックスするユーザは多く、リラックスすることにより肌状態の改善が期待できるからである。
【0053】
本実施形態は、美容機器200の処置部210による刺激、音声出力部350による音声刺激、表示部360による画像刺激、アロマシューターによる香り刺激のうち、1種類の刺激による美容施術、および複数種類の刺激による美容施術の何れでもよい。例えば、美容機器200の処置部210による振動刺激のみ(1種類の刺激、動作データを用いる)、美容機器200の処置部210による振動と温度刺激(2種類の刺激、動作データを用いる)、美容機器200の処置部210による振動、温度、音声出力部350による音声刺激、および表示部360による画像刺激(4種類の刺激、動作データ、音声に関するデータ、画像に関するデータを用いる)、美容機器200の処置部210による振動および音声出力部350による音声刺激(2種類の刺激、音声に関するデータ、画像に関するデータを用いる)、美容機器200の処置部210による振動、温度、音声出力部350による音声刺激、表示部360による画像刺激、およびアロマシューターによる香り刺激(5種類の刺激、動作データ、音声に関するデータ、画像に関するデータ、香りに関するデータを用いる)など、どのような組合せでもよい。組合せ内容は美容施術を行うユーザの好み、美容施術時の気分、心の状態、体調などにより決定すればよい。
【0054】
本実施形態では、音声に関するデータに対応した振動要素を含む動作データを作成する場合、音声信号を処置部210の振動駆動回路へ送信することとしたが、これに限らない。例えば、予め記憶部420に複数の振動要素を記憶し、データ作成部310で最も近い振動要素を抽出して動作データを作成してもよい。具体的には、音声に関するデータ(音声信号)の波形を所定間隔に分割し、分割した範囲ごとに、記憶部420に記憶されている振動要素の波形と最も近い振動要素を対応させて動作データを作成する。このように作成した動作データは、音声に関するデータの振動と近似したデータとなるため、音声と処置部210の振動が近似していることによりリラックス効果が高まる可能性が高い。
【0055】
本実施形態では、画像に関するデータは画像のみとして作成したが、例えば、画像データに音声が含まれてもよい。この場合、例えば、ユーザが撮影した動画像を画像に関するデータとして作成した場合は、データ作成部310は当該動画像の音声信号成分を抽出し、抽出した音声信号を上述したように振動駆動回路へ送信するようにすればよい。また、上述したように、音声信号を増幅して振動駆動回路へ送信する、所定の帯域についてのみ用いるようにフィルターを介すなどの処理を行う必要があるため、データ作成部310は、音声信号の帯域や振幅などを解析し、処置部210の振動制御に適したデータを動作データとして作成すればよい。
【0056】
本実施形態では、受付部340で他ユーザが作成したデータを要求する際に、動作データ、音声に関するデータ、または画像に関するデータそれぞれ独立して要求するようにしたがこれに限らない。例えば、ユーザが動作データ、音声に関するデータ、および画像に関するデータをセットで作成し、他ユーザがセットで取得できるようにしてもよい。この場合、表示部360に表示される取得したい動作データの条件を入力する画面(受付部340)で、セットでの指定ができるようにしてもよいし、セットのうちいずれかのデータ(例えば、動作データ)が抽出されたことにより、音声に関するデータおよび画像に関するデータも抽出されるようにし、要求したユーザへ推奨するようにしてもよい。
【0057】
本実施形態では、音声に関するデータおよび画像に関するデータを作成する場合、それぞれ独立して作成する説明をしたが、これに限らない。例えば、データ作成部310は、表示部360に表示されるデータ作成画面で、音声に関するデータおよび画像に関するデータを作成するようにユーザに指定させてもよい。この場合、「お祭り」、「森林浴」、「夜空」、「動物」のようにイメージを選択させ、選択されたイメージとして記憶部420に記憶されている「曲」および「画像」をデータ作成部310が抽出し、抽出結果からユーザがデータ作成に用いる「曲」および「画像」を決定するようにしてもよい。このようにすることで、ユーザの抽象的なイメージしか持っていない場合でも、ユーザの好みの音声に関するデータおよび画像に関するデータを作成できるため、ユーザの利便性が高まる。
【0058】
本実施形態では、音声に関するデータを作成する場合、1)本システム外で作成された音声データをユーザが本システムで使用するために選択すること、2)記憶部420に記憶されている予め作成された少なくともメロディとリズムとを含む複数の曲からユーザが曲を選択し、選択した曲のつなぎ合わせる順を決めること、3)記憶部420に記憶されている曲を構成する要素であるテンポ、拍子、フレーズ、リズム、音源からユーザが複数の要素を選択し、選択された複数の要素をどのように組み合わせるか決めること、としたがこれに限らない。例えば、ユーザが波の音、子供の笑い声、汽笛の音など、ユーザにとって心地よい音声を録音したデータに基づき作成してもよい。なお、このように作成した音声に関するデータの場合も、上記1)および3)の場合と同様に、作成した音声に関するデータ信号を処置部210の振動駆動回路(図示しない)へ送信することで、処置部210によって肌に与える刺激を音声に関するデータと対応することが可能である。このようにすることで、ユーザが録音したデータに基づき音声に関するデータを作成した場合も作成した音声データのリズムや振動と動作データによる処置部210の振動(振動リズム)が同じもの(もしくは近似している)ため、当該音声に関するデータの音声を聴きながら当該動作データによる美容施術を行うと心地よい美容施術を行え、スキンケア効果を高めることが可能となる。また、ユーザにとって心地よい音声に基づき作成された動作データ(処置部210の振動(振動リズム))は、振動による刺激のみ、すなわち、音声に関するデータがなくても(音声による刺激がなくても)、ユーザにとって心地よい美容施術となるため、動作データのみで(処置部210の振動(振動リズム)のみで)用いてもよく、また、音声に関するデータのみで用いてもよい。また、このように作成した音声に関するデータを他の動作データ、または、このように作成した動作データを他の音声に関するデータと併用して美容施術を行うようにすることも可能である。なお、ユーザが録音した音声によっては音声データ作成部311でのデータ作成(編集)は不要である。
【0059】
上述したユーザが音声を録音する際に、音声だけでなく、音声とともにその場面(景色、風景、被写体など)を撮影するようにしてもよい。撮影された画像(特に、動画像)データから、画像に関するデータ、音声に関するデータ、および動作データを作成してもよい。このようにすることで、画像刺激、音声刺激、および振動刺激を共通のデータ(撮影された画像)から作成できるため、ユーザにとって心地よい美容施術を行え、スキンケア効果を高めることが可能となる。さらに、例えば、ユーザが旅行した時の画像、家族との画像、友人との画像などであれば、美容施術を行いながら思い出に浸れるため、リラックス効果を高める可能性も高い。なお、ユーザが録音および撮影した音声および画像によっては音声データ作成部311および画像データ作成部312でのデータ作成(編集)は不要である。
【0060】
本実施形態では、インデックスデータに含める情報はテキストデータとしていたがこれに限らない。例えば、動作データを作成したユーザが所定期間継続して行ったことによる肌状態の変化を、画像を用いて入力できるようにしてもよい。このようにすることで、他ユーザがデータを取得する際の参考にしやすくなり、最善の美容施術方法を取得しやすくなる。
【0061】
本実施形態では、ステップS25でユーザがインデックスデータを常に作成(入力)するようにしたが、これに限らない。例えば、ステップS35でアップロードすることを選択しないユーザは、ユーザ自身がどのような動作データであるか把握したい項目のみ入力するインデックスデータを作成するようにしてもよい。例えば、ものすごく疲れた状態のときに効果的だった動作データを後に使用したいと考えた際に、その動作データを抽出できる情報がインデックスデータに含まれていればよいため、ユーザのコメントにその旨を入力するだけでもよい。また、作成した動作データを後に抽出する予定がない場合やインデックスデータを入力したくない場合は入力しなくてもよいようにしてもよい。さらに、ステップS35でアップロードすることを選択するユーザでも、全ての項目に対し入力しなくてもインデックスデータをアップロードできるようにしてもよい。このようにインデックスデータの作成内容に柔軟性を持たせることで、ユーザの利便性を高めることが可能となる。
【0062】
本実施形態では、図5の処理フローで動作データを作成し、動作データに基づく美容施術を行い、インデックスデータを作成する流れとしたがこれに限らない。例えば、美容機器200の処置部210による振動刺激、温度刺激、音声出力部350による音声刺激、および表示部360による画像刺激(4種類の刺激)による美容施術を行う場合、図5のステップS10およびステップS15では、動作データ、音声に関するデータ、および画像に関するデータそれぞれを作成し、ステップS20では作成した動作データ、音声に関するデータ、および画像に関するデータを用いた(同時に用いた)美容施術を行う。そして、ステップS25およびステップS30では、美容施術に用いた動作データ、音声に関するデータ、および画像に関するデータに対応付けて記憶するインデックスデータを作成する。このときに、データごとにインデックスデータに含める項目の入力を行ってもよいが、次のようにすることが好ましい。インデックスデータに含める項目に対して入力を行うと、各データに共通する項目(例えば、ユーザ情報)は各データに対応付けて記憶されるインデックスデータに含まれ、データ固有の項目(例えば、画像に関するデータのエピソード(南の島への旅行の際に撮影した画像に基づくなど)は該当するデータに対応付けて記憶されるインデックスデータに含まれるようにする。このようにすることで、ユーザの利便性を高めることが可能となる。
【0063】
美容機器200を用いてスキンケアを行う際に、ユーザによっては所定の剤を併用することもある。インデックスデータに所定の剤の情報を含めるようにしてもよい。このようにすることで、自身と同じ剤を用いているユーザが作成したデータを取得したいと考えるユーザもいるからである。
【0064】
本実施形態では、音声出力部350は情報処理端末300に備えられるスピーカーとしたがこれに限らない。例えば、情報処理端末300にイヤフォンまたはヘッドフォンを接続し、イヤフォンまたはヘッドフォンを介して音声を聴くようにしてもよい。なお、骨伝導を利用したイヤフォン、ヘッドフォン、またはスピーカーでもよい。
【0065】
本実施形態では、音声出力部350を情報処理端末300に備えられるようにしたがこれに限らない。例えば、美容機器200に音声出力部を設け、情報処理端末300からBluetoothや赤外線通信を用いて美容機器200に設けた音声出力部から音声を出力するようにしてもよい。また、美容機器200に骨伝導を利用した音声出力部を設け、音声を出力するようにしてもよい。このようにすることで、美容機器200から音声を出力できるため、小さな音でもユーザは音声を楽しむことが可能となり、特に、骨伝導を利用することで、静かな空間でも音声を楽しむことが可能となる。例えば、エステサロンのような複数のユーザが利用する空間でも、個々のユーザが音声を楽しみながら美容施術を行うことが可能となる。
【0066】
本実施形態では、音声に関するデータを作成する場合、1)本システム外で作成された音声データをユーザが本システムで使用するために選択すること、2)記憶部420に記憶されている予め作成された少なくともメロディとリズムとを含む複数の曲からユーザが曲を選択し、選択した曲のつなぎ合わせる順を決めること、3)記憶部420に記憶されている曲を構成する要素であるテンポ、拍子、フレーズ、リズム、音源からユーザが複数の要素を選択し、選択された複数の要素をどのように組み合わせるか決めること、およびユーザがユーザにとって心地よい音声を録音したデータに基づき作成することとした。ユーザが録音したデータは、情報処理端末300に備えられた録音機能を用いて録音した音声データ、他の録音装置で録音された音声データを情報処理端末300に取り込んだ音声データの何れも含まれる。なお、図2には示していないが、情報処理端末300には、音声データを作成する際に用いるデータを取得する音声情報取得部(図示しない)も備えている。本システム外の装置で録音した音声データや本システム外の装置で作成された音声データを情報処理端末300に取り込む場合は情報処理端末300の入出力部が、情報処理端末300の録音機能を用いる場合は録音機能(録音装置)が、サーバー400の記憶部420に記憶されている音声データ関連のデータを用いる場合は取得部330が、音声情報取得部に相当する。
【0067】
本実施形態に記載したユーザが撮影した画像は、情報処理端末300に備えられた撮影機能を用いて撮影した画像、他の撮影装置で撮影された画像を情報処理端末300に取り込んだ画像の何れも含まれる。なお、図2には示していないが、情報処理端末300には、画像データを作成する際に用いるデータを取得する画像情報取得部(図示しない)も備えている。本システム外の装置で撮影した画像を情報処理端末300に取り込む場合は情報処理端末300の入出力部が、情報処理端末300の撮影機能を用いる場合は撮影機能(撮影装置)が、サーバー400の記憶部420に記憶されている画像データ関連のデータを用いる場合は取得部330が、画像情報取得部に相当する。
【0068】
本実施形態では、ユーザが撮影した画像および録音した音声データは情報処理端末300に取り込み、記憶部380に記憶し、これらのデータを用いて作成した画像に関するデータおよび音声に関するデータをサーバー400の記憶部420に記憶するようにしたが、これに限らない。ユーザが撮影した画像および録音した音声データを記憶部420にデータのパーツとして記憶し、ユーザ自身および他のユーザが画像に関するデータおよび音声に関するデータを作成する際に用いられるようにしてもよい。このようにすることで、ユーザおよび他のユーザが画像に関するデータおよび音声に関するデータを作成する際のパーツの種類が増えるため、ユーザの好みの画像に関するデータおよび音声に関するデータを作成しやすくできる。
【0069】
本実施形態では、ユーザが所定の物体を触った際の触覚情報は情報処理端末300に取り込み、記憶部380に記憶し、これらのデータを用いて作成した動作データをサーバー400の記憶部420に記憶するようにしたが、これに限らない。ユーザが所定の物体を触った際の触覚情報を記憶部420にデータのパーツとして記憶し、ユーザ自身および他のユーザが動作データを作成する際に用いられるようにしてもよい。このようにすることで、ユーザおよび他のユーザが動作データを作成する際のパーツの種類が増えるため、ユーザの好みの動作データを作成しやすくできる。
【符号の説明】
【0070】
100 スキンケアシステム
200 美容機器
210 処置部
220 受信部
230 制御部
300 情報処理端末
310 データ作成部
311 音声データ作成部
312 画像データ作成部
320 送信部
330 取得部
340 受付部
350 音声出力部
360 表示部
370 触覚情報取得部
380 記憶部
400 サーバー装置(サーバー)
410 検索部
420 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6