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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057240
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】オゾン処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/02 20060101AFI20240417BHJP
   D06F 39/00 20240101ALI20240417BHJP
   D06F 33/52 20200101ALI20240417BHJP
   D06F 33/54 20200101ALI20240417BHJP
   D06F 33/56 20200101ALI20240417BHJP
   D06F 33/58 20200101ALI20240417BHJP
   D06F 33/60 20200101ALI20240417BHJP
   D06F 33/62 20200101ALI20240417BHJP
   D06F 33/63 20200101ALI20240417BHJP
   D06F 33/68 20200101ALI20240417BHJP
   D06F 33/69 20200101ALI20240417BHJP
   D06F 33/70 20200101ALI20240417BHJP
   D06F 33/72 20200101ALI20240417BHJP
   D06F 33/74 20200101ALI20240417BHJP
   D06F 34/00 20200101ALI20240417BHJP
   D06F 34/06 20200101ALI20240417BHJP
   D06F 34/08 20200101ALI20240417BHJP
   D06F 34/28 20200101ALI20240417BHJP
【FI】
D06F58/02 N
D06F39/00 Z
D06F33/52
D06F33/54
D06F33/56
D06F33/58
D06F33/60
D06F33/62
D06F33/63
D06F33/68
D06F33/69
D06F33/70
D06F33/72
D06F33/74
D06F34/00
D06F34/06
D06F34/08
D06F34/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163845
(22)【出願日】2022-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】大江 克己
(72)【発明者】
【氏名】鳶 幸生
(72)【発明者】
【氏名】小西 良
(72)【発明者】
【氏名】中村 哲
(72)【発明者】
【氏名】村下 典子
【テーマコード(参考)】
3B166
3B167
【Fターム(参考)】
3B166AA02
3B166AA05
3B166AB22
3B166AB23
3B166AB30
3B166AE01
3B166AE04
3B166AE05
3B166AE07
3B166BA43
3B166BA45
3B166BA48
3B166BA78
3B166BA83
3B166CA01
3B166CA02
3B166CA04
3B166CA11
3B166CB02
3B166CB12
3B166CB13
3B166CC02
3B166CD03
3B166CD05
3B166CD15
3B166DA35
3B166DB03
3B166DB18
3B166DC03
3B166DC33
3B166DC43
3B166DC47
3B166DC48
3B166DE01
3B166DE02
3B166DE06
3B166EA03
3B166EA14
3B166EA18
3B166EA21
3B166EA31
3B166EC02
3B166EC05
3B166EC12
3B166EC23
3B166EC37
3B166EC40
3B166EC44
3B166ED01
3B166ED05
3B166FA01
3B166FA06
3B166GA12
3B166JM02
3B166JM03
3B167AA02
3B167AA05
3B167AB22
3B167AB23
3B167AB30
3B167AE01
3B167AE04
3B167AE05
3B167AE07
3B167BA43
3B167BA45
3B167BA48
3B167BA78
3B167BA83
3B167JA01
3B167JA11
3B167JA31
3B167JA41
3B167JA68
3B167JB02
3B167JB03
3B167KA18
3B167KA52
3B167KA71
3B167LA31
3B167LC01
3B167LC08
3B167LC09
3B167LC14
3B167LC17
3B167LC20
3B167LD03
3B167LE06
3B167LF25
3B167LG05
(57)【要約】
【課題】取出し待ち時間の短縮を効果的に図ることができ得るオゾン処理装置を提供する。
【解決手段】ドラム式洗濯乾燥機1は、処理対象物が収容されるドラム23および外槽20に接続された循環路210と、外槽20と循環路210との間で空気を循環させる送風ファン220と、オゾン発生器250と、オゾンの分解に作用する波長帯を含む紫外線を発光して循環路210内に照射する紫外線発光モジュール260と、制御部と、を備える。制御部は、オゾン発生器250が発生させたオゾンを、循環路210を流れる空気に混入させてドラム23および外槽20内へ供給するオゾン供給工程を実行し、その後、ドラム23および外槽20内に残存するオゾンを空気とともに循環路210に排出させ、循環路210に排出されたオゾンに前記紫外線を照射する消オゾン工程を実行する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象物が収容される収容部と、
前記収容部に接続された循環路と、
前記収容部と前記循環路との間で空気を循環させる送風ファンと、
オゾンを発生させるオゾン発生部と、
オゾンの分解に作用する波長帯を含む紫外線を発光して前記循環路内に照射する紫外線発光部と、
前記送風ファン、前記オゾン発生部および前記紫外線発光部の動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記送風ファンおよび前記オゾン発生部を動作させることにより、前記オゾン発生部が発生させたオゾンを、前記循環路を流れる空気に混入させて前記収納部内へ供給するオゾン供給工程を実行し、
前記オゾン供給工程が終了した後、前記送風ファンおよび前記紫外線発光部を動作させることにより、前記収容部内に残存するオゾンを空気とともに前記循環路に排出させ、前記循環路に排出されたオゾンに前記紫外線を照射する消オゾン工程を実行する、
ことを特徴とするオゾン処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のオゾン処理装置において、
前記紫外線は、オゾンの生成に寄与する波長帯を含まない、
ことを特徴とするオゾン処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のオゾン処理装置において、
前記循環路内には、空気が流れる流路の断面が絞られた絞り部が形成され、
前記紫外線発光部は、前記絞り部に前記紫外線を照射する、
ことを特徴とするオゾン処理装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載のオゾン処理装置において、
前記循環路の内壁面には、前記紫外線発光部から照射された前記紫外線を反射する反射面が設けられる、
ことを特徴とするオゾン処理装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載のオゾン処理装置において、
前記循環路内には、金属製のフィンを有する第1熱交換器および第2熱交換器が配置され、
前記第1熱交換器を流れる低温の冷媒との熱交換により前記循環路を流れる空気が冷却されて除湿され、
前記第2熱交換器を流れる高温の冷媒との熱交換により前記第1熱交換器により除湿された空気が加熱され、
前記紫外線発光部は、前記循環路において、前記第1熱交換器および前記第2熱交換器よりも空気の流れの上流に配置される、
ことを特徴とするオゾン処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理対象物にオゾンを接触させることにより、処理対象物の消臭、除菌等を行うオゾン処理装置に関する。かかるオゾン処理装置には、洗濯機能に加えて、オゾンにより衣類の消臭、除菌等を行う機能を有する洗濯機、洗濯および乾燥機能に加えて、オゾンにより衣類の消臭、除菌等を行う機能を有する洗濯乾燥機、乾燥機能に加えて、オゾンにより衣類の消臭、除菌等を行う機能を有する衣類乾燥機などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
オゾン発生装置により生成したオゾンを、処理対象物が収容された収容部内に供給して処理対象物に接触させることにより、処理対象物の消臭、除菌等を行う衣類処理装置が、特許文献1に記載されている。特許文献1のオゾン処理装置は、たとえば、洗濯および乾燥機能に加えて、オゾンにより衣類の消臭、除菌等を行うドラム式洗濯乾燥機である。
【0003】
オゾン処理装置では、比較的高濃度のオゾンにより処理対象物の消臭、除菌等が行われるため、消臭、除菌等が終了し、収容部内へのオゾンの供給が停止した後に、収容部内のオゾン濃度が十分に低下するのを待って、収容部から処理対象物を取り出す必要がある。
【0004】
上記特許文献1のオゾン処理装置では、収容部内へのオゾンの供給が停止すると、収容部内のオゾンの分解を促進させるために、ミスト発生部で発生したミストが収容部内に供給され、収容部内が加湿される。これにより、収容部のオゾン濃度を速やかに低下させることが可能となり、オゾンの供給が停止してから処理対象物の取出しが可能となるまでの待ち時間(以降、「取出し待ち時間」と称する)を短縮することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-202225公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の衣類処理装置では、収容部内の処理対象物、たとえば衣類にミストが接触し、処理対象物が湿りがちになることが懸念される。そこで、湿った処理対象物を乾燥させる工程を付加することが考えられるが、この場合、取出し待ち時間が長くなってしまう。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、取出し待ち時間の短縮を効果的に図ることができ得るオゾン処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の主たる態様に係るオゾン処理装置は、処理対象物が収容される収容部と、前記収容部に接続された循環路と、前記収容部と前記循環路との間で空気を循環させる送風ファンと、オゾンを発生させるオゾン発生部と、オゾンの分解に作用する波長帯を含む紫外線を発光して前記循環路内に照射する紫外線発光部と、前記送風ファン、前記オゾン発生部および前記紫外線発光部の動作を制御する制御部と、を備える。ここで、前記制御部は、前記送風ファンおよび前記オゾン発生部を動作させることにより、前記オゾン発生部が発生させたオゾンを、前記循環路を流れる空気に混入させて前記収納部内へ供給するオゾン供給工程を実行し、前記オゾン供給工程が終了した後、前記送風ファンおよび前記紫外線発光部を動作させることにより、前記収容部内に残存するオゾンを空気とともに前記循環路に排出させ、前記循環路に排出されたオゾンに前記紫外線を照射する消オゾン工程を実行する。
【0009】
オゾン処理装置は、たとえば、洗濯乾燥機とされ得る。この場合、外槽と、外槽内に回転可能に配置された内槽(たとえば、横軸型のドラム)とにより、処理対象物が収容される収容部が構成される。
【0010】
本態様に係るオゾン処理装置によれば、オゾン供給工程において、収容部内へオゾンを供給することにより、収容部に収容された処理対象物の消臭、除菌等を行うことができる。
【0011】
さらに、消オゾン工程において、循環路へ排出させたオゾンに、オゾンの分解に作用する波長帯を含む紫外線を照射して、オゾンを分解することより、収容部内のオゾン濃度を速やかに低下させることができる。しかも、加湿により収容部に残存するオゾンの分解を促進させて、オゾン濃度を速やかに低下させるような構成と違って、処理対象物が湿りがちになることを懸念したり、処理対象物を乾燥させる工程を付加したりしなくてよい。よって、取出し待ち時間の短縮を効果的に図ることができる。
【0012】
本態様に係るオゾン処理装置において、前記紫外線が、オゾンの生成に寄与する波長帯を含まないようにされ得る。
【0013】
上記の構成によれば、循環路をオゾンとともに流れる空気に紫外線が照射されたときに、当該空気からオゾンが生成されてしまうことを防止できる。
【0014】
本態様に係るオゾン処理装置において、前記循環路内には、空気が流れる流路の断面が絞られた絞り部が形成され得る。この場合、前記紫外線発光部は、前記絞り部に前記紫外線を照射し得る。
【0015】
上記の構成によれば、絞り部では、流路が狭くなっているためオゾンが集約され、集約されたオゾンに紫外線が照射される。これにより、循環路を流れるオゾンへの紫外線の接触効率が良くなるので、オゾンを効率よく分解することができる。
【0016】
本態様に係るオゾン処理装置において、前記循環路の内壁面には、前記紫外線発光部から照射された前記紫外線を反射する反射面が設けられ得る。
【0017】
上記の構成によれば、反射面での反射により循環路内に広く紫外線が行き亘りやすくなる。これにより、循環路を流れる多くのオゾンに消オゾン用紫外線が当たりやすくなるので、オゾンを効率よく分解することが可能となる。
【0018】
本態様に係るオゾン処理装置において、前記循環路内には、金属製のフィンを有する第1熱交換器および第2熱交換器が配置され、前記第1熱交換器を流れる低温の冷媒との熱交換により前記循環路を流れる空気が冷却されて除湿され、前記第2熱交換器を流れる高温の冷媒との熱交換により前記第1熱交換器により除湿された空気が加熱されるような構成が採られ得る。この場合、前記紫外線発光部は、前記循環路において、前記第1熱交換器および前記第2熱交換器よりも空気の流れの上流に配置され得る。
【0019】
上記の構成によれば、第1熱交換器により加熱された空気を、第2熱交換器により除湿を行いながら収容部と循環路との間で循環させることにより、洗濯後の衣類など、濡れた処理対象物を収容部内で乾燥することができる。
【0020】
さらに、消オゾン工程において、紫外線発光部からの紫外線によりオゾンが分解されて含有するオゾンが減った空気が、第1熱交換器および第2熱交換器を通過するので、第1熱交換器および第2熱交換器が有する金属製のフィンが酸化されにくくなり、フィンの防錆につながる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、取出し待ち時間の短縮を効果的に図ることができ得るオゾン処理装置を提供できる。
【0022】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明によりさらに明らかとなろう。ただし、以下の実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、実施の形態に係る、ドラム式洗濯乾燥機の構成を示す側面断面図である。
図2図2は、実施の形態に係る、乾燥装置の構成を示すドラム式洗濯乾燥機の要部の側面断面図である。
図3図3(a)、(b)および(c)は、実施の形態に係る、紫外線発光モジュールが装着された第1導出ダクトの背面図、側面断面図および平面図である。
図4図4は、実施の形態に係る、ドラム式洗濯乾燥機の構成を示すブロック図である。
図5図5は、実施の形態に係る、オゾン除菌運転で実行される制御部の制御動作を示すフローチャートである。
図6図6(a)および(b)は、変更例1に係る、紫外線発光モジュールが装着された第1導出ダクトの側面断面図および平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明のオゾン処理装置の一実施形態であるドラム式洗濯乾燥機について、図面を参照して説明する。
【0025】
図1は、ドラム式洗濯乾燥機1の構成を示す側面断面図である。図2は、乾燥装置60の構成を示すドラム式洗濯乾燥機1の要部の側面断面図である。図2では、ドラム式洗濯乾燥機1の上下方向の中央部分が省略されている。さらに、図2では、乾燥装置60において、ファンケーシング213および熱交換器ハウジング214が断面図として描かれている。
【0026】
ドラム式洗濯乾燥機1は、方形状の筐体10を備える。筐体10の前面には、洗濯物が投入される円形の投入口11が形成される。投入口11は、開閉自在なドア12により覆われる。
【0027】
筐体10内には、外槽20が配置される。外槽20は、複数のダンパー21とスプリング22とにより弾性的に支持される。外槽20内には、横軸型のドラム23が回転自在に配置される。ドラム23は、水平軸周りに回転する。ドラム23は、前面に円形の開口部23aを有する。外槽20およびドラム23により、本発明の収容部が構成される。
【0028】
外槽20は、ドラム23の開口部23aの前方に円形の開口部20aを有する。外槽20の開口部20aの周縁部と筐体10の投入口11の周縁部が、弾性材料からなる環状のパッキン24により連結される。閉じられたドア12の周面がパッキン24に接触し、投入口11とドア12との間が水封される。
【0029】
ドラム23の内周面には、多数の脱水孔23bが形成される。また、ドラム23の内周面には、周方向に等しい間隔で、ほぼ三角柱形状を有する3つのバッフル25が設けられる。
【0030】
外槽20の後方には、ドラム23を回転させるためのトルクを発生させる駆動モータ30が配置される。駆動モータ30は、たとえば、アウターロータ型のDCブラシレスモータである。駆動モータ30は、洗い工程およびすすぎ工程時には、ドラム23内の洗濯物に加わる遠心力が重力より小さく、洗濯物がタンブリングする回転数でドラム23を回転させる。一方、駆動モータ30は、脱水工程時には、ドラム23内の洗濯物に加わる遠心力が重力よりはるかに大きく、洗濯物がドラム23の内周面に張り付く回転数でドラム23を回転させる。
【0031】
外槽20の底部には、排水口部20bが形成される。排水口部20bには、外槽20内から排水を行う排水部40が接続される。排水部40は、排水バルブ41、排水ホース42および排水フィルタ43により構成される。排水口部20bに、排水フィルタ43が接続される。排水バルブ41は、排水フィルタ43の下流に設けられ、たとえば、バルブと、バルブを開閉させるトルクモータとを含む。排水バルブ41に、排水ホース42が接続される。排水バルブ41が開放されると、外槽20内に溜められた水が排水口部20b、排水フィルタ43および排水ホース42を通じて機外に排出される。リント等の異物が排水フィルタ43により捕獲される。
【0032】
筐体10内の上部には、左側に給水装置50が配置され、右側に乾燥装置60が配置される。給水装置50は、外槽20内に給水を行う。また、給水装置50は、外槽20内に洗剤および柔軟剤を自動投入する機能を有する。乾燥装置60は、外槽20およびドラム23内に温風を供給し、当該温風によりドラム23内の衣類等の洗濯物を乾燥させる。
【0033】
給水装置50は、給水バルブユニット51と、注水ユニット52と、シャワーノズルユニット53と、を備える。
【0034】
給水バルブユニット51は、第1給水バルブ111と第2給水バルブ112とを有する。これら給水バルブ111,112は、接続ホースを介して水道栓に接続される。第1給水ホース120の入口が第1給水バルブ111に接続され、第2給水ホース130の入口が第2給水バルブ112に接続される。
【0035】
注水ユニット52は、前面が開口する注水口部材140と、注水口部材140に引出可能に収容された液剤タンク150と、注水口部材140の上面に配置された水路形成部材160と、を含む。注水口部材140の底部から延びる注水パイプ141が外槽20に接続される。液剤タンク150には、液体の洗剤および柔軟剤が個別に貯められる。水路形成部材160の内部には、第1給水ホース120の出口が接続される第1水路と第2給水ホース130の出口が接続される第2水路とが形成される。
【0036】
シャワーノズルユニット53は、シャワーノズル170と送水ホース180とを含む。シャワーノズル170は、パッキン24の上部の内側に配置され、その放水口がドラム23の底部の方向に向いている。送水ホース180は、水路形成部材160の第2水路とシャワーノズル170との間を接続する。
【0037】
第1給水バルブ111が開放されると、第1給水ホース120を介して水路形成部材160の第1水路に水が供給される。第1水路を流れた水は、注水口部材140の底部に排出され、注水パイプ141を介して外槽20内に供給される。外槽20内へ洗剤または柔軟剤を自動投入する際には、第1給水バルブ111が開放される前に洗剤または柔軟剤が液剤タンク150から第1水路内に導入される。洗剤または柔軟剤は、第1水路を流れる水と混合されて外槽20内に供給される。
【0038】
第2給水バルブ112が開放されると、第2給水ホース130を介して水路形成部材160の第2水路に水が供給される。第2水路を流れた水は、送水ホース180を通ってシャワーノズル170へと至り、シャワーノズル170からドラム23内に向かってシャワー状に放出される。
【0039】
乾燥装置60は、循環路210と、送風ファン220と、第1熱交換器231と、第2熱交換器232と、を備える。
【0040】
循環路210は、空気、即ち風が流れる風路であり、外槽20に接続される。循環路210は、第1導出ダクト211と、第2導出ダクト212と、ファンケーシング213と、熱交換器ハウジング214と、接続パイプ215と、導入ダクト216とを含む。
【0041】
第1導出ダクト211は、外槽20の後面に設けられた排気口20cに接続されて上方へと延びる。
【0042】
第2導出ダクト212は、第1導出ダクト211に接続されて前方上方へと延びる。第2導出ダクト212内には、乾燥フィルタ240が、空気の流路を塞ぐように配置される。乾燥フィルタ240は、たとえば、メッシュフィルタであり、外槽20から排出された空気に含まれるリント、埃等の異物を捕獲する。
【0043】
ファンケーシング213は、外槽20の後部上方に配置され、その吸気口が第2導出ダクト212に接続される。
【0044】
熱交換器ハウジング214は、前後方向に長い箱状を有し、外槽20の上方であって、ファンケーシング213の前方に配置される。熱交換器ハウジング214は、後端が接続パイプ215を介してファンケーシング213の吐出口に接続される。
【0045】
導入ダクト216は、熱交換器ハウジング214の前端から下方へと延びて、パッキン24の上部に形成された導入口24aに接続される。
【0046】
送風ファン220は、たとえば、遠心ファンであり、ファンケーシング213内に収容されたファン221と、ファン221を回転駆動するためのファンモータ222とを含む。送風ファン220は、外槽20と循環路210との間で空気を循環させる。排気口20cを通じて外槽20内から排出された空気は、第1導出ダクト211、第2導出ダクト212、ファンケーシング213、接続パイプ215、熱交換器ハウジング214、導入ダクト216の順に循環路210内を流れ、導入口24aを通じて外槽20内に戻る。
【0047】
第1熱交換器231および第2熱交換器232は、多数の金属製のフィンを有し、それぞれ、熱交換器ハウジング214内の上流側および下流側に配置される。第1熱交換器231および第2熱交換器232は、それぞれ、蒸発器(冷却器)および凝縮器(加熱器)であり、ヒートポンプ装置230に含まれる。
【0048】
ヒートポンプ装置230は、第1熱交換器231および第2熱交換器232に加え、コンプレッサ233と、冷媒循環路234と、減圧器235とを含む。コンプレッサ233は、冷媒を圧縮する。冷媒循環路234は、第1熱交換器231および第2熱交換器232と、コンプレッサ233との間を接続し、冷媒を循環させる。減圧器235は、たとえば、膨張弁であり、冷媒循環路234の第1熱交換器231と第2熱交換器232との間に配置され、冷媒を減圧する。
【0049】
コンプレッサ233が動作すると、コンプレッサ233で圧縮されて高温高圧となった冷媒が第2熱交換器232へと流れる。第2熱交換器232を流れる高温の冷媒との熱交換により循環路210を流れる空気が加熱される。空気により冷やされた冷媒は、減圧器235を通って減圧され、低温低圧となり、第1熱交換器231へと流れる。第1熱交換器231を流れる低温の冷媒との熱交換により循環路210を流れる空気が冷却され、除湿される。空気により温められた冷媒は、コンプレッサ233へと戻る。
【0050】
乾燥装置60は、オゾン発生器250と、紫外線発光モジュール260と、を備える。オゾン発生器250は、本発明のオゾン発生部に相当し、紫外線発光モジュール260は、本発明の紫外線発光部に相当する。
【0051】
オゾン発生器250は、ファンケーシング213の後方に配置される。オゾン発生器250は、放電方式のオゾン発生器であり、一対の電極間にコロナ放電、無声放電等の放電を生じさせ、一対の電極間に通された空気からオゾンを生成する。オゾン発生器250は、オゾン供給管251を介してファンケーシング213の吸気口の近傍につながる。
【0052】
送風ファン220が回転すると、ファンケーシング213内の吸気口側が負圧となるため、オゾン発生器250で発生したオゾンがファンケーシング213内、即ち循環路210内に吸い込まれる。吸い込まれたオゾンは、循環路210を流れる空気に混入する。
【0053】
オゾン発生器250は、放電方式以外の方式、たとえば、紫外線方式のオゾン発生器であっても良い。
【0054】
紫外線発光モジュール260は、第1導出ダクト211に配置される。
【0055】
図3(a)、(b)および(c)は、紫外線発光モジュール260が装着された第1導出ダクト211の背面図、側面断面図および平面図である。
【0056】
第1導出ダクト211は、樹脂材料により形成され、中央部が括れた有底の円筒状を有する。第1導出ダクト211では、中央部の括れ211aにより、その内部に、空気が流れる流路の断面が絞られた絞り部211bが形成される。第1導出ダクト211の下部には、前方に突出する円筒状の空気入口211cが形成され、当該空気入口211cが外槽20の排気口20cに接続される。
【0057】
なお、第1導出ダクト211を形成する樹脂材料は、紫外線耐性を有することが望ましい。
【0058】
紫外線発光モジュール260は、第1導出ダクト211の括れ211aの後側に配置される。括れ211aの後側には、開口部211dが形成されるとともに、当該開口部211dを囲むようにして、筒状の装着部211eが形成される。紫外線発光モジュール260は、その先端部が開口部211dに挿入されるように装着部211eに装着される。紫外線発光モジュール260と開口部211dとの間は、パッキン270により封止される。
【0059】
紫外線発光モジュール260は、UV-CLED等の発光素子261を有し、オゾンの分解に作用する波長帯、たとえば、254nm付近の波長帯を含むUV-Cの紫外線(以下、「消オゾン用紫外線」と称する)を発光する。254nm付近とは、2229nm~279nmである。消オゾン用紫外線には、オゾンの生成に寄与する波長帯、たとえば、185nm付近の波長帯が含まれない。185nm付近とは、167nm~204nmである。
【0060】
紫外線発光モジュール260の発光面260aが、第1導出ダクト211内の絞り部211bの位置に臨む。当該発光面260aから消オゾン用紫外線が、第1導出ダクト211内の絞り部211bに向けて発光される。
【0061】
図4は、ドラム式洗濯乾燥機1の構成を示すブロック図である。
【0062】
ドラム式洗濯乾燥機1は、上述した構成に加え、制御部301と、記憶部302と、操作部303と、表示部304と、水位検出部305と、ドアロック装置306と、モータ駆動部307と、給水駆動部308と、排水駆動部309と、ファン駆動部310と、コンプレッサ駆動部311と、オゾン発生器駆動部312と、発光モジュール駆動部313と、ロック装置駆動部314と、を備える。
【0063】
操作部303は、機器に対する電源の投入および遮断を行う電源ボタンと、洗濯運転、洗濯乾燥運転等の運転に係る複数のコースの中から任意のコースを選択するためのコース選択ボタンと、運転を開始させるためのスタートボタンと、を含む。操作部303は、ユーザに操作されたボタンに応じた入力信号を制御部301に出力する。
【0064】
表示部304は、LED等の発光素子や液晶パネル等のディスプレイを含み、制御部301からの制御信号に従って、選択されたコースの表示、運転の進行状況の表示、異常の報知などを行う。
【0065】
水位検出部305は、外槽20内の水位を検出し、水位に応じた水位信号を制御部301に出力する。
【0066】
ドアロック装置306は、ドア12が開放しないように、ドア12をロックする。
【0067】
モータ駆動部307は、制御部301からの制御信号に従って、駆動モータ30を駆動する。モータ駆動部307は、駆動モータ30の回転数を検出する回転センサ、インバータ回路等を含み、制御部301により設定された回転数で駆動モータ30が回転するよう、駆動電力を調整する。
【0068】
給水駆動部308は、制御部301からの制御信号に従って、第1給水バルブ111および第2給水バルブ112を駆動する。排水駆動部309は、制御部301からの制御信号に従って、排水バルブ41を駆動する。
【0069】
ファン駆動部310は、制御部301からの制御信号に従って、送風ファン220のファンモータ222を駆動する。コンプレッサ駆動部311は、制御部301からの制御信号に従って、コンプレッサ233を駆動し、第1熱交換器231および第2熱交換器232を動作させる。
【0070】
オゾン発生器駆動部312は、制御部301からの制御信号に従って、オゾン発生器250を駆動する。発光モジュール駆動部313は、制御部301からの制御信号に従って、紫外線発光モジュール260を駆動する。ロック装置駆動部314は、制御部301からの制御信号に従って、ドアロック装置306を駆動する。
【0071】
記憶部302は、EEPROM、RAM等を含む。記憶部302には、各種コースの運転を実行するためのプログラムが記憶される。また、記憶部302には、これらプログラムの実行に用いられる各種パラメータや各種制御フラグが記憶される。
【0072】
制御部301は、CPU等を含み、操作部303、水位検出部305等からの各信号に基づいて、記憶部302に記憶されたプログラムに従い、表示部304、モータ駆動部307、給水駆動部308、排水駆動部309、ファン駆動部310、コンプレッサ駆動部311、オゾン発生器駆動部312、発光モジュール駆動部313、ロック装置駆動部314等を制御する。
【0073】
さて、ドラム式洗濯乾燥機1では、ユーザによる操作部303の操作に基づき、制御部301による制御の下、各種運転コースの洗濯乾燥運転、洗濯運転および乾燥運転が行われる。洗濯乾燥運転では、洗い工程、中間脱水工程、すすぎ工程、最終脱水工程および乾燥工程が順番に行われる。洗濯運転では、洗い工程から最終脱水工程までが行われ、乾燥工程が行われない。乾燥運転では、乾燥工程のみが行われる。運転コースによっては、すすぎ工程と中間脱水工程とが2回以上行われる場合がある。
【0074】
洗い工程では、ドラム23内に収容された洗濯物の負荷量に応じた洗い水位まで、外槽20内に洗剤を含む水が溜められ、その水の中に浸された洗濯物が、ドラム23の正回転および逆回転が繰り返されることにより、ドラム23内でタンブリングする。洗濯物の内部まで洗剤を含む水が浸透し、洗剤の力とタンブリングによる機械力とにより洗濯物の汚れが落とされる。
【0075】
すすぎ工程では、外槽20内にすすぎ水位まで水が溜められた状態でドラム23が正回転および逆回転し、ドラム23内で洗濯物がタンブリングする。これにより、洗濯物に含まれた洗剤が水とともに排出され、洗濯物がすすがれる。
【0076】
洗い工程およびすすぎ工程の給水時には、給水装置50により注水口部材140を通じた外槽20内への給水とシャワーノズル170を通じた外槽20内への給水とが行われる。また、洗い工程では、給水装置50により給水とともに洗剤の自動投入が行われ、すすぎ工程では、給水装置50により給水とともに柔軟剤の自動投入が行われる。すすぎ工程が2回以上行われる場合、最後のすすぎ工程で柔軟剤が投入される。
【0077】
中間脱水工程および最終脱水工程では、駆動モータ30が一方向に高速回転し、ドラム23が、ドラム23内の洗濯物に作用する遠心力が重力よりはるかに大きくなる回転数で一方向に回転する。遠心力の作用により、洗濯物が、ドラム23の内周面に押し付けられ、脱水される。
【0078】
乾燥工程では、送風ファン220の動作により外槽20と循環路210との間で空気が循環し、第2熱交換器232の動作により外槽20に導入される空気が加熱され、温風となる。さらに、ドラム23が正回転および逆回転し、ドラム23内で洗濯物がタンブリングする。
【0079】
導入口24aから外槽20およびドラム23内に導入された温風がタンブリングする洗濯物に当たり、洗濯物が乾燥する。洗濯物から水分を奪った温風は、排気口20cから循環路210へ戻る。循環路210内において、温風は、第2熱交換器232で加熱される前に第1熱交換器231を通過して、第1熱交換器231により除湿される。
【0080】
ドラム式洗濯乾燥機1では、オゾンを用いて、衣類、タオル、ぬいぐるみ等の処理対象物の消臭、除菌等を行うオゾン除菌運転を行うことができる。
【0081】
図5は、オゾン除菌運転で実行される制御部301の制御動作を示すフローチャートである。
【0082】
ドラム式洗濯乾燥機1には、オゾン除菌運転を行うコースが用意される。操作部303において、コース選択ボタンによりオゾン除菌運転のコースが選択され、スタートボタンが押されると、オゾン除菌運転が開始される。
【0083】
図5を参照して、制御部301は、ドアロック装置306によりドア12をロックする(S1)。
【0084】
次に、制御部301は、オゾン供給工程を開始する。
【0085】
即ち、制御部301は、送風ファン220を回転させるとともに(S2)、オゾン発生器250を動作させる(S3)。さらに、制御部301は、駆動モータ30によりドラム23を回転させる(S4)。ドラム23は、一方向のみに回転してもよいし、左右方向に回転してもよい。
【0086】
送風ファン220の回転により、循環路210と外槽20との間で空気が循環する。オゾン発生器250が発生したオゾンが循環路210内に取り込まれ、循環路210内を流れる空気に混入されてドラム23内に供給される。ドラム23の回転により、ドラム23内で処理対象物がタンブリングする。ドラム23内に供給されたオゾンが、タンブリングする処理対象物に接触し、処理対象物が脱臭されたり、除菌されたりする。
【0087】
制御部301は、オゾンの供給開始から所定のオゾン供給時間が経過すると(S4:YES)オゾン発生器250の動作を停止させる(S5)。これにより、オゾン供給工程が終了する。送風ファン220およびドラム23は、回転を継続する。
【0088】
オゾン供給工程では、乾燥装置60から供給されたオゾンにより、ドラム23および外槽20内のオゾン濃度が、たとえば、作業環境基準0.1ppmを超える高濃度に達する。このため、オゾン供給工程の終了時には、外槽20内に高濃度のオゾンが残存する。
【0089】
オゾン供給工程が終了すると、制御部301は、消オゾン工程を開始する。
【0090】
即ち、制御部301は、紫外線発光モジュール260を点灯させる(S6)。図3(b)に示すように、紫外線発光モジュール260から消オゾン用紫外線が第1導出ダクト211内の絞り部211bに照射される。
【0091】
外槽20と循環路210との間の空気の循環により、ドラム23および外槽20内に残存するオゾンが、空気とともに次々と循環路210に排出される。オゾンが含まれた空気は、第1導出ダクト211の絞り部211bを通過する。絞り部211bにおいて、空気に含まれたオゾンに消オゾン用紫外線が照射され、消オゾン用紫外線の作用によりオゾンが分解される。
【0092】
絞り部211bでは、流路が狭くなっているためオゾンが集約され、集約されたオゾンに消オゾン用紫外線が照射される。これにより、循環路210を流れるオゾンへの消オゾン用紫外線の接触効率が良くなるので、オゾンを効率よく分解することができる。
【0093】
オゾンが分解された後の空気は、循環路210内を流れてドラム23および外槽20内に戻る。ここで、循環路210内において、紫外線発光モジュール260は、第1熱交換器231および第2熱交換器232よりも上流に配置されている。このため、含有するオゾンが減った空気が、第1熱交換器231および第2熱交換器232を通過する。よって、第1熱交換器231および第2熱交換器232が有する金属製のフィンが酸化されにくくなり、フィンの防錆につながる。
【0094】
ドラム23および外槽20内に残存するオゾンが、次々と循環路210に排出されて消オゾン用紫外線の照射によって分解されることにより、外槽20内のオゾン濃度が速やかに低下していく。
【0095】
なお、消オゾン用紫外線は、UV-Cであり、除菌の作用を有する。よって、循環路210に排出された空気に処理対象物等から出た菌が含まれている場合は、空気に含まれた菌に紫外線発光モジュール260から消オゾン用紫外線が照射されることにより、菌を死滅させることができる。よって、被理対象物の除菌効果が高まり得る。
【0096】
さらに、ドラム23が回転することにより、ドラム23内で処理対象物が動くので、処理対象物が静止している場合と違って、処理対象物同士や処理対象物とドラム23の内周面との間にオゾンが残りにくい。
【0097】
制御部301は、紫外線発光モジュール260による消オゾン用紫外線の照射を開始してから所定の消オゾン時間が経過したか否かを判定する(S7)。消オゾン時間は、たとえば、ドラム23および外槽20内のオゾン濃度が、0.1ppm以下まで低下する時間であり、実験等により予め決定される。
【0098】
制御部301は、消オゾン時間が経過すると(S7:YES)、紫外線発光モジュール260を消灯させる(S8)。さらに、制御部301は、送風ファン220の回転を停止させるとともに(S9)、ドラム23の回転を停止させる(S10)。こうして、消オゾン工程が終了する。
【0099】
その後、制御部301は、ドアロック装置306によりドア12のロックを解除する(S11)。こうして、オゾン除菌運転が終了する。ユーザにより、ドラム23内から処理対象物が取り出される。
【0100】
<実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、送風ファン220およびオゾン発生器250を動作させることにより、オゾン発生器250が発生させたオゾンを、循環路210を流れる空気に混入させてドラム23および外槽20内へ供給するオゾン供給工程が実行される。さらに、オゾン供給工程が終了した後、送風ファン220および紫外線発光モジュール260を動作させることにより、ドラム23および外槽20内に残存するオゾンを空気とともに循環路210に排出させ、循環路210に排出されたオゾンに消オゾン用紫外線を照射する消オゾン工程が実行される。
【0101】
この構成によれば、オゾン供給工程において、ドラム23および外槽20内へオゾンを供給することにより、ドラム23に収容された処理対象物の消臭、除菌等を行うことができる。
【0102】
さらに、消オゾン工程において、循環路210へ排出させたオゾンに消オゾン用紫外線を照射して、オゾンを分解することより、ドラム23および外槽20内のオゾン濃度を速やかに低下させることができる。しかも、加湿によりドラム23および外槽20内に残存するオゾンの分解を促進させて、オゾン濃度を速やかに低下させるような構成と違って、処理対象物が湿りがちになることを懸念したり、処理対象物を乾燥させる工程を付加したりしなくてよい。よって、取出し待ち時間の短縮を効果的に図ることができる。
【0103】
さらに、本実施の形態によれば、紫外線発光モジュール260が発光する消オゾン用紫外線には、オゾンの生成に寄与する波長帯が含まれない。
【0104】
この構成によれば、循環路210をオゾンとともに流れる空気に消オゾン用紫外線が照射されたときに、当該空気からオゾンが生成されてしまうことを防止できる。
【0105】
さらに、本実施の形態によれば、循環路210内には、空気が流れる流路の断面が絞られた絞り部211bが形成され、紫外線発光モジュール260は、絞り部211bに消オゾン用紫外線を照射する。
【0106】
この構成によれば、絞り部211bでは、流路が狭くなっているためオゾンが集約され、集約されたオゾンに消オゾン用紫外線が照射される。これにより、循環路210を流れるオゾンへの消オゾン用紫外線の接触効率が良くなるので、オゾンを効率よく分解することができる。
【0107】
さらに、本実施の形態によれば、紫外線発光モジュール260が、循環路210において、第1熱交換器231および第2熱交換器232よりも空気の流れの上流に配置される。
【0108】
この構成によれば、消オゾン工程において、消オゾン用紫外線によりオゾンが分解されて含有するオゾンが減った空気が、第1熱交換器231および第2熱交換器232を通過する。よって、第1熱交換器231および第2熱交換器232が有する金属製のフィンが酸化されにくくなり、フィンの防錆につながる。
【0109】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0110】
<変更例1>
図6(a)および(b)は、変更例1に係る、紫外線発光モジュール260が装着された第1導出ダクト211Aの側面断面図および平面図である。
【0111】
上記実施の形態では、循環路210を流れるオゾンに消オゾン用紫外線が効率よく照射されて、オゾンが効率よく分解されるように、循環路210の第1導出ダクト211に絞り部211bが形成され、当該絞り部211bに、紫外線発光モジュール260から消オゾン用紫外線が照射される構成が採られている。
【0112】
循環路210を流れるオゾンが効率よく分解されるように、上記実施の形態の構成に替えて、本変更例の構成を採ることができる。
【0113】
本変更例では、循環路210は、第1導出ダクト211Aを含む。第1導出ダクト211Aは、有底の円筒状を有し、中央部が括れていない。第1導出ダクト211Aには、後側に装着部211eが形成され、当該装着部211eに、紫外線発光モジュール260が、その先端部が開口部211dに挿入されるように装着される。
【0114】
第1導出ダクト211Aの空気入口211cよりも上方の内部には、その内壁面の全周を覆うように、円筒板状あるいは円筒シート状の反射部材280が配置される。反射部材280は、アルミニウム、ステンレス等の光の反射率が高い材料、たとえば、反射率が60%~90%程度の材料により形成される。反射部材280は、その上下方向の中央の位置が、紫外線発光モジュール260の上下方向の位置とほぼ一致する。そして、反射部材280は、上下方向に紫外線発光モジュール260から照射された消オゾン用紫外線がほぼ全て当たるような長さを有する。
【0115】
反射部材280には、紫外線発光モジュール260の発光面260aの前方に、発光面260aよりも大きな開口部281が形成され、当該開口部281を、紫外線発光モジュール260から照射された消オゾン用紫外線が通過する。反射部材280の内壁面は、第1導出ダクト211A、即ち循環路210の内壁面に全周に亘って設けられた反射面282となる。
【0116】
紫外線発光モジュール260から第1導出ダクト211内、即ち循環路210内に照射された消オゾン用紫外線が反射面282で反射することにより、反射面282が設けられた循環路210の部分では、図6(a)の矢印に示すように、消オゾン用紫外線の乱反射が生じる。これにより、循環路210内の流路の断面方向に広く消オゾン用紫外線が行き亘り、循環路210を流れる多くのオゾンに消オゾン用紫外線が当たりやすくなる。よって、循環路210を流れるオゾンを効率よく分解することが可能となる。
【0117】
なお、反射面282は、循環路210の内壁面全周に亘って設けられなくてもよいたとえば、反射面282は、循環路210の内壁面の前側半分に設けられてもよい。
【0118】
さらに、第1導出ダクト211Aの内部に反射部材280を配置するのではなく、第1導出ダクト211A自体を光の反射率が高い材料で形成することにより、循環路210の内壁面に、紫外線発光モジュール260から照射された消オゾン用紫外線を反射する反射面が設けられるようにしてもよい。
【0119】
<その他の変更例>
上記実施の形態では、紫外線発光モジュール260から発光される消オゾン用紫外線が、オゾンの生成に寄与する波長帯を含まない。しかしながら、紫外線発光モジュール260が、発光される紫外線の波長帯が広くなる発光素子261を有する場合、消オゾン用紫外線は、その波長帯の端部にオゾンの生成に寄与する波長帯を含んでいてもよい。
【0120】
さらに、上記実施の形態では、第1導出ダクト211、即ち循環路210が絞り部211bを有する。また、上記変更例1では、第1導出ダクト211、即ち循環路210が、その内壁面に反射面282を有する。しかしながら、循環路210に絞り部211bや反射面282が設けられない構成が採られてもよい。この場合、循環路210に、1つの紫外線発光モジュール260が配置されてもよいが、複数個の紫外線発光モジュール260が周方向に並ぶように配置されると、循環路210内での消オゾン用紫外線の照射領域が広くなり、オゾンが効率よく分解されやすくなる。たとえば、2つの紫外線発光モジュール260を、前後方向や左右方向に互いに対向するように循環路210に配置することができる。
【0121】
なお、循環路210に絞り部211bが設けられた構成において、2つの紫外線発光モジュール260が前後方向や左右方向に互いに対向するように設けられてもよい。
【0122】
さらに、上記実施の形態において、絞り部211bが設けられた第1導出ダクト211の内壁面に、反射部材の設置等により、反射面が設けられてもよい。
【0123】
さらに、上記実施の形態では、消オゾン工程において、制御部301がドラム23を回転させる。しかしながら、消オゾン工程において、制御部301がドラム23を回転させないようにしてもよい。
【0124】
さらに、上記実施の形態では、オゾン供給工程において、制御部301がドラム23を回転させる。しかしながら、オゾン供給工程でドラム23を回転させるか否かを選択できてもよい。この場合、布傷みしやすい衣類等が処理対象物とされてオゾン除菌運転が行われる場合に、ユーザにより、ドラム23を回転させない選択操作が行われる。あるいは、ドラム式洗濯乾燥機1に、オゾン供給工程でドラム23を回転させるオゾン除菌運転のコースと、オゾン供給工程でドラム23を回転させないオゾン除菌運転のコースとが備えられてもよい。
【0125】
さらに、上記実施の形態では、オゾン除菌運転において、オゾン供給工程および消オゾン工程が実行される。しかしながら、洗濯乾燥運転や乾燥運転での乾燥工程に続いて、オゾン供給工程および消オゾン工程が実行されてもよい。
【0126】
さらに、上記実施の形態では、オゾンにより衣類の消臭、除菌等を行う機能を有するドラム式洗濯乾燥機1が例示されたが、本発明は、ドラム式洗濯乾燥機に限らず、オゾンにより衣類の消臭、除菌等を行う機能を有するドラム式洗濯機、全自動洗濯機、全自動洗濯乾燥機、衣類乾燥機等にも適用することができる。さらには、本発明は、洗浄機能に加えて、オゾンにより靴の消臭、除菌等を行う機能を有する靴洗浄機、オゾンによりスーツの消臭、除菌等を行うスーツリフレッシャー等、オゾンにより処理対象物の消臭、除菌等を行う様々なオゾン処理装置に適用することができる。
【0127】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0128】
1 ドラム式洗濯乾燥機(オゾン処理装置)
20 外槽(収容部)
23 ドラム(収容部)
210 循環路
211b 絞り部
220 送風ファン
231 第1熱交換器
232 第2熱交換器
250 オゾン発生器(オゾン発生部)
260 紫外線発光モジュール(紫外線発光部)
282 反射面
301 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6