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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057298
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】開閉装置設置構造及びその施工方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/58 20060101AFI20240417BHJP
   E06B 1/60 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
E06B9/58 Z
E06B1/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163938
(22)【出願日】2022-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 展行
(72)【発明者】
【氏名】猪俣 聡
(72)【発明者】
【氏名】津田 真伸
(72)【発明者】
【氏名】勝俣 陽介
【テーマコード(参考)】
2E011
2E042
【Fターム(参考)】
2E011JA02
2E011KA01
2E011KB02
2E011KC04
2E011KD26
2E011KD28
2E042AA01
2E042BA00
2E042DA05
(57)【要約】
【課題】 開閉装置の止着部分の耐久性を向上する。
【解決手段】 開口部aを開閉する開閉装置10を、開口部aの側方に設けられた木製の柱状基部材21に固定するようにした開閉装置設置構造であって、柱状基部材21は、少なくとも見付け面側の表面が、柱状基部材21より剛性の高い被覆部材40によって覆われ、開閉装置10は、被覆部材40を介して柱状基部材21に固定されている。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を開閉する開閉装置を、前記開口部の側方に設けられた木製の柱状基部材に固定するようにした開閉装置設置構造であって、
前記柱状基部材は、少なくとも見付け面側の表面が、前記柱状基部材より剛性の高い被覆部材によって覆われ、
前記開閉装置は、前記被覆部材を介して前記柱状基部材に固定されていることを特徴とする開閉装置設置構造。
【請求項2】
前記被覆部材は、前記柱状基部材を三方から覆うことを特徴とする請求項1記載の開閉装置設置構造。
【請求項3】
前記被覆部材は、前記柱状基部材の見付け面側の表面を覆う見付け面側被覆片と、前記柱状基部材の見込み面側の表面を覆う見込み面側被覆片と、前記柱状基部材の見付け面側に対する反対面側の表面を覆う反見付け面側被覆片とを有し、
前記見付け面側被覆片、前記柱状基部材、及び前記反見付け面側被覆片には雄状部材が貫通し、前記雄状部材の先端側には雌状部材が締め付けられていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置設置構造。
【請求項4】
前記被覆部材は、前記柱状基部材の見込み面側の表面を覆う見込み面側被覆片と、前記柱状基部材の見付け面側の表面を覆う見付け面側被覆片と、前記柱状基部材の見込み面側に対する反対面側の表面を覆う反見込み面側被覆片とを有し、
前記見込み面側被覆片、前記柱状基部材、及び前記反見込み面側被覆片には雄状部材が貫通し、前記雄状部材の先端側には雌状部材が締め付けられていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置設置構造。
【請求項5】
前記被覆部材には、上下方向にわたる柱状補強部材が接合され、
前記開閉装置は、前記柱状補強部材に接合されていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置設置構造。
【請求項6】
前記見付け面側被覆片には、上下方向へわたる接合片が前記雄状部材及び前記雌状部材によって固定され、
前記接合片には。上下方向へわたる柱状補強部材が接合され、
前記開閉装置は、前記柱状補強部材に接合されていることを特徴とする請求項4記載の開閉装置設置構造。
【請求項7】
前記開閉装置は、前記開口部に沿って上下方向へ開閉動作する開閉体と、この開閉体の横幅方向の端部側を開閉方向へ案内するガイドレールとを備え、
前記ガイドレールが、前記被覆部材を介して前記柱状基部材に固定されていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置設置構造。
【請求項8】
前記柱状基部材に対し前記被覆部材を嵌め合わせる工程を含むことを特徴とする請求項1~7何れか1項記載の開閉装置設置構造の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部に設置される開閉装置の設置構造及びその施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発明には、例えば特許文献1に記載されるように、空間を仕切るようにして下方へ閉鎖動作する開閉体と、この開閉体の横幅方向の両端側をそれぞれ開閉方向へ案内する左右二つのガイドレールと、開閉体をその開放側で収納する収納部とを備えた開閉装置がある。
このような開閉装置では、左右二つのガイドレールをそれぞれ開口部の両側の鉄柱に沿わせ、各ガイドレールにネジ等の止着具を挿通し、この止着具を前記鉄柱に螺合し締め付けることで、各ガイドレールを前記鉄柱に対し不動に固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-178568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術によれば、経年劣化等により前記止着具が緩んだり抜けてしまったりするおそれがある。特に、近年では、建築基準法における大規模建築物の規制の緩和等により、大型の木造建築の開口部に重量シャッターを設置する場合が増えており、このような場合には、高重量なガイドレールやシャッターボックス等を木製の下地材等に止着してしまうと、下地材を構成する木材の経年劣化等に起因して、前記止着具の緩みや抜け落ち等の可能性が高くなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明の一つは、以下の構成を具備するものである。
開口部を開閉する開閉装置を、前記開口部の側方に設けられた木製の柱状基部材に固定するようにした開閉装置設置構造であって、前記柱状基部材は、少なくとも見付け面側の表面が、前記柱状基部材より剛性の高い被覆部材によって覆われ、前記開閉装置は、前記被覆部材を介して前記柱状基部材に固定されていることを特徴とする開閉装置設置構造。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、開閉装置の止着部分の耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る開閉装置設置構造の一例を示す正面図である。
図2】同開閉装置設置構造を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図3】同開閉装置設置構造において、ガイドレールの設置手順を(a)~(c)に順次に示す要部横断面図である。
図4】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図5】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図6】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図7】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図8】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明に係る実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明において、「見付け面」とは、開閉装置10によって開閉される開口部aを正面視した場合に手前側に位置する面を意味する。
また、「見込み面」とは、開閉装置10によって開閉される開口部aを正面視した場合に、開口部aの奥側へ延設される面を意味する。
【0009】
<開閉装置設置構造A>
図1に示す開閉装置設置構造Aは、開口部aを開閉する開閉装置10を、開口部aの左側方と右側方に設けられた木製の柱状基部材21に固定している。各柱状基部材21は、その表面の少なくとも一部が、被覆部材40によって覆われている。
【0010】
開口部aは、大型木造建築物において、壁部20を貫通する正面視矩形状の開口である。
この開口部aの周囲の壁部20は、開口部aの左右両側に立設された柱状基部材21、各柱状基部材21の周囲を覆う壁材22等により構成される。
【0011】
柱状基部材21は、木製の角材等からなる四角柱状の部材であり、開閉装置10の設置対象となる建築物に不動に固定されている。この柱状基部材21は、壁材22をその内側で支持しており、下地材等と呼称される場合がある。
【0012】
壁材22は、例えば石膏ボード等の耐火性の壁材であり、柱状基部材21の周囲部分を適宜に覆っている(図2(a)参照)
この壁材22は、耐火性向上の観点から複層状(図示例によれば二層状)に設けたが、単層とすることも可能である。
なお、表側の壁材22,22と、裏側の壁材22,22の間には、必要に応じて、図示しない下地材や断熱材等が設けられる。
【0013】
開閉装置10は、開口部aに沿って上下方向へ開閉動作する開閉体11と、この開閉体11の横幅方向の端部側を開閉方向へ案内するガイドレール12と、開閉体11を開放方向側で収納する収納部13とを備え(図1参照)、被覆部材40を介して柱状基部材21に固定されている。
【0014】
開閉体11は、横長略矩形状の金属板を曲げ加工してなるスラットを、上下に隣接する該スラット間で回動するように複数連接し、これらスラットの下端に、閉鎖方向の当接対象部位(例えば、床面や地面、枠部材等)に当接させるための座板部材を接続してなる。
【0015】
ガイドレール12は、開閉体11の横幅方向の端部側を開閉方向へ案内するレール本体12aと、このレール本体12aに対し止着具12c(例えば、ネジやボルト等)により接続された別体のベース部材12bとを一体的に具備する(図2参照)。
このガイドレール12は、被覆部材40の見付け面側の表面(見付け面側被覆片41)に沿って上下方向へ延設される。
【0016】
レール本体12aは、硬質金属材料によって開閉体11の横幅方向の端部を囲む横断面略凹状に形成され、上下方向へわたって長尺状に連続している。
【0017】
ベース部材12bは、硬質金属材料によりレール本体12aと略同長さで上下方向へ連続する長尺状に形成される。
図示例のベース部材12bは、横断面凹状に形成され、その底壁部分を被覆部材40に重ね合わせるとともに、両側の側壁部分を手前側へ突出させてレール本体12aに重ね合わせている。
前記底壁部分には、雄状部材31及び雌状部材32を遊挿するための貫通孔12b1(図3(b)参照)が、上下方向に間隔を置いて複数設けられる。また、前記側壁部分には、止着具12cを螺合するための貫通孔(詳細には、雌ネジ孔又はタッピンネジ用の下孔)が設けられる。
このベース部材12bは、雄状部材31及び雌状部材32を貫通孔12b1(図3(b)参照)に挿通した状態で、被覆部材40の見付け面側被覆片41に対し、溶接されている。
【0018】
なお、ベース部材12bを見付け面側被覆片41に固定する手段は、他例としては、雄状部材31及び雌状部材32による接合や、図示しない止着具(ネジやリベット等)による止着等とすることも可能である。
【0019】
そして、このベース部材12bに対し、レール本体12aが、止着具12cによって後付けされている(図3参照)。
また、図中、符号12dは、レール本体12aを補強する補強部材であり、レール本体12a内に適宜な固定手段によって固定されている。前記固定手段は、例えば、溶接や、接着、ねじ止め、リベット止め、嵌合、これらの組み合わせとすることが可能である。
なお。この補強部材12dは省くことが可能である。
【0020】
収納部13は、開閉体11を巻き取ったり繰り出したりする巻取軸13aや、この巻取軸13aを覆う収納ケース13b、巻取軸13aを巻き取り方向へ駆動回転する開閉機(図示せず)等により構成され、巻取軸13aによって開閉体11を下方へ閉鎖動作したり上方へ開放動作したりする。
【0021】
被覆部材40は、柱状基部材21よりも硬質で剛性の高い金属製板材によって、柱状基部材21を、少なくともその見付け面側の表面を覆うように形成される。
図示例の被覆部材40は、柱状基部材21の見付け面側の表面を覆う見付け面側被覆片41と、同柱状基部材21の見込み面側の表面を覆う見込み面側被覆片42と、同柱状基部材21の見付け面側に対する反対面側の表面を覆う反見付け面側被覆片43とから、横断面略コ字状(別表現をすれば、横断面略凹状)に形成され、柱状基部材21を三方から覆うようにして上下へ連続している。
なお、図示例の被覆部材40は、反見付け面側被覆片43の見付け方向(図2(a)の左右方向)の長さを見付け面側被覆片41の同方向の長さよりも短くすることで、柱状基部材21の反見付け面側の露出面により内側の壁材22を受けるようにしている。
【0022】
見付け面側被覆片41と反見付け面側被覆片43には、雄状部材31を挿通するための貫通状の挿通孔41a,43aが、それぞれ設けられている(図3(a)参照)。
【0023】
この被覆部材40の上下方向の長さは、柱状基部材21の全長に対し部分的な長さであって、複数の雄状部材31,31を含むように設定される。なお、他例としては、被覆部材40の長さを、柱状基部材21の長さと略同等にしてもよい。
【0024】
雄状部材31は、後端側に頭部を有するともに先端側に雄ネジ部を有するボルトである。このボルト31は、上下方向に間隔を置いて複数配設される。
また、雌状部材32は、内周面の雌ネジ部を、各ボルト31の先端側の雄ネジ部に螺合している。
なお、雄状部材31と雌状部材32は、雄雌状に嵌りあって締結されるものであればよく、他例としては、リベットと、このリベットに締結されるリベット用ナットとすることも可能である。
【0025】
各雄状部材31は、壁部20の背面側(言い換えれば、見込み方向の奥側)から、反見付け面側被覆片43、柱状基部材21及び見付け面側被覆片41に対し、貫通状に挿通される。そして、この雄状部材31の先端側には、雌状部材32が螺合され締め付けられている。
【0026】
以下、上記開閉装置設置構造Aの施工方法について説明する。
先ず、柱状基部材21に対し、側方(開口部a側)から被覆部材40を嵌め合わせる(図3(b)参照)。
【0027】
次に、見付け面側被覆片41と反見付け面側被覆片43の挿通孔41a,43aに連通するように、柱状基部材21に貫通孔21aが形成される。この貫通孔21aは、例えば、電動ドリル等の汎用工具により穿設することが可能である。
【0028】
次に、ベース部材12bの貫通孔12b1と、見付け面側被覆片41の挿通孔41aとが連通するようにして、ベース部材12bを、被覆部材40の見付け面側被覆片41に溶接する。
【0029】
なお、ベース部材12bの貫通孔12b1は、工場等で予め穿設してもよいし、現場にてガイドレール12を位置合わせする際に、穿設するようにしてもよい。
【0030】
次に、レール本体12aがベース部材12bに嵌め合わせられる。そして。これらレール本体12aとベース部材12bが、止着具12cによって接合される(図3参照)。
【0031】
そして、この後、柱状基部材21及び被覆部材40の周囲の露出部分が、壁材22によって覆われる。
なお、背面側における内側の壁材22には、雄状部材31の頭部を逃がすための貫通部22aが設けられる。
【0032】
よって。上記構成の開閉装置設置構造A及びその施工方法によれば、柱状基部材21を被覆部材40によって補強して、ガイドレール12の止着部分の耐久性を向上することができる。このため、仮に木製の柱状基部材21が劣化して場合でも、止着部分の強度低下を防ぐことができる。
【0033】
<開閉装置設置構造B>
図4に示す開閉装置設置構造Bは、開閉装置10の一部分である収納部13を、被覆部材40を介して柱状基部材21に固定している。
この開閉装置設置構造Bは、上記開閉装置設置構造Aにおいて、ガイドレール12を収納ケース13bに置換した構成になる。
【0034】
収納ケース13bは、開閉体11を巻き取った巻取軸13aを収納する横長矩形状に形成され、その左端側と右端側に、それぞれ、奥行き方向へ突出する取付ブラケット13b1(図4参照)を有する
各取付ブラケット13b1は、突端側が横断面逆L字状に曲げられ、この曲げられた部分には、雄状部材31を挿通するための貫通孔が設けられる。
【0035】
被覆部材40及び柱状基部材21を貫通した雄状部材31は、その先端側が、取付ブラケット13b1に挿通される。そして、雄状部材31の先端側には、雌状部材32が螺合され締め付けられる。
【0036】
よって、開閉装置設置構造Bにおいても、比較的高重量な収納部13の止着部分について、強度低下を防いで、耐久性を向上することができる。
【0037】
<開閉装置設置構造C>
図5に示す開閉装置設置構造Cは、開閉装置設置構造Aにおいて被覆部材40を被覆部材40’に置換し。被覆部材40’に対し上下方向へわたって接する柱状補強部材50を備え、この柱状補強部材50に開閉装置10を接合している。
【0038】
被覆部材40’は、柱状基部材21の見込み面側の表面を覆う見込み面側被覆片41’と、同柱状基部材21の見付け面側の表面を覆う見付け面側被覆片42’と、同柱状基部材21の見込み面側に対する反対面側の表面を覆う反見込み面側被覆片43’とによって、柱状基部材21を手前側から奥側へ向かって覆う横断面略コ字状(別表現をすれば、横断面略凹状)に形成される(図5(a)参照)。
【0039】
この被覆部材40’は、柱状基部材21を上下方向にわたって長尺状に覆っている。この被覆部材40’の上下長さは、好ましくは柱状基部材21の上下長さと略同等に設定される。
【0040】
見込み面側被覆片41’と反見込み面側被覆片43’には、雄状部材31を挿通して柱状基部材21に止着するための貫通状の挿通孔が、それぞれ設けられている。
【0041】
雄状部材31は、見込み面側被覆片41’、柱状基部材21、及び反見込み面側被覆片43’に貫通状に挿通される。雄状部材31の先端側には、雌状部材32が螺合し締め付けられる。
【0042】
柱状補強部材50は、柱状基部材21よりも硬質で剛性を有する材料(例えば、硬質金属材料等)により中空の四角柱状に形成される。
この柱状補強部材50の上下長さは、ガイドレール12の上下長さと同等以上に設定され、好ましくは柱状基部材21と略同じ長さに設定される。
この柱状補強部材50は、被覆部材40’における見付け面側被覆片42’の表面に溶接される。
【0043】
この開閉装置設置構造Cにおいて、ガイドレール12は、位置合わせされた後、柱状補強部材50の見付け面側の表面に溶接される。
【0044】
なお、柱状補強部材50を被覆部材40’に固定する手段、及びガイドレール12を柱状補強部材50に固定する手段は、ねじ止めやリベット止め、嵌合等、溶接以外の手段とすることも可能である。
また、図中、符号22’は、柱状補強部材50の露出部分等を覆う化粧板であり、省くことも可能である。
【0045】
よって、図5に示す開閉装置設置構造Cによれば、柱状基部材21を被覆部材40’及び柱状補強部材50によって上下方向にわたって補強することができ、ひいては、開閉装置10の止着部分の耐久性をいっそう向上することができる。
【0046】
<開閉装置設置構造D>
図6に示す開閉装置設置構造Dは、上記開閉装置設置構造Cにおいて、ガイドレール12を収納ケース13bに置換しものであり、収納部13を、柱状補強部材50及び被覆部材40’を介して柱状基部材21に固定している。
【0047】
収納ケース13bの取付ブラケット13b1は、柱状補強部材50の見付け面側の表面に対し、適宜な固定手段(例えば、溶接や、ねじ止め、リベット止め、嵌合等)によって止着固定される。
【0048】
よって、開閉装置設置構造Dによれば、比較的高重量な収納部13の止着部分について、強度低下を防いで、耐久性を向上することができる。
【0049】
<開閉装置設置構造E>
図7に示す開閉装置設置構造Eは、上記開閉装置設置構造Dにおいて、柱状補強部材50を、接合片60を介して被覆部材40に接合している。
【0050】
接合片60は、一片部61と他片部62を有するアングル状の部材であり、略L字状の横断面を上下方向へわたって連続している。
この接合片60の上下方向の長さは、例えば、柱状補強部材50の上下方向の長さと略同等に設定される。
【0051】
開閉装置設置構造Eにおいて。柱状基部材21には、上記開閉装置設置構造A等と同様にして、被覆部材40、雄状部材31及び雌状部材32等が設けられる。
【0052】
接合片60は、被覆部材40の見付け面側被覆片41に対し、雄状部材31及び雌状部材32によって接合される。
すなわち、雄状部材31は、壁部20の背面側から、被覆部材40及び柱状基部材21を貫通し、さらに、接合片60の一片部61を貫通している。雄状部材31の先端側には、雌状部材32が螺合され締め付けられている。
【0053】
接合片60の他片部62には、上下方向にわたって柱状補強部材50が溶接されている。そして、柱状補強部材50の手前側の表面には、ガイドレール12が位置合わせされ、溶接されている。
【0054】
よって、図7に示す開閉装置設置構造Eによれば、柱状基部材21を被覆部材40、雌状部材32等により補強することができ、ひいては、開閉装置10の止着部分の耐久性を効果的に向上することができる。
【0055】
なお、接合片60を柱状補強部材50に接合する手段、及び接合片60に柱状補強部材50を接合する手段は、例えば、ネジやリベットによる締結や、嵌合等、溶接以外の構成とすることも可能である。
また、図示例以外の他例としては、柱状補強部材50よりも短い短尺の接合片60を、上下方向に間隔を置いて複数設け、これら複数の接合片60に対し柱状補強部材50が接合される構成とすることも可能である。
【0056】
<開閉装置設置構造F>
図8に示す開閉装置設置構造Fは、上記開閉装置設置構造Eにおいて、ガイドレール12を収納ケース13bに置換しものであり、収納部13を、柱状補強部材50、接合片60及び被覆部材40を介して柱状基部材21に固定している。
【0057】
収納ケース13bの取付ブラケット13b1は、接合片60により被覆部材40と一体的な柱状補強部材50に対し、適宜な固定手段(例えば、溶接や、ねじ止め、リベット止め、嵌合等)によって止着固定される。
【0058】
よって、開閉装置設置構造Fによれば、比較的高重量な収納部13の止着部分について、強度低下を防いで、耐久性を向上することができる。
【0059】
<変形例>
上記実施形態によれば、好ましい一例して、柱状基部材21の三方を被覆部材40(又は40’)によって覆ったが、被覆部材40は、柱状基部材21の少なくともその見付け面側の表面を部分的又は全体的に覆う構成とすることが可能である。
すなわ、この被覆部材40の他例としては、柱状基部材21における見付け面側の表面のみを覆う態様や、柱状基部材21における見付け面側の表面を含む二面のみを覆う態様、柱状基部材21における四方の面を全て覆う態様とすることが可能である。
さらに、被覆部材40の他例としては、柱状基部材21における見付け面側の表面において、雄状部材31が貫通する一部分のみを覆う態様とすることも可能である。
【0060】
また、本発明は上述した具体的構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0061】
<総括>
以上のとおり、上記実施形態では以下の発明を開示している。
(1)
開口部を開閉する開閉装置を、前記開口部の側方に設けられた木製の柱状基部材に固定するようにした開閉装置設置構造であって、前記柱状基部材は、少なくとも見付け面側の表面が、前記柱状基部材より剛性の高い被覆部材によって覆われ、前記開閉装置は、前記被覆部材を介して前記柱状基部材に固定されていることを特徴とする開閉装置設置構造。
(2)
前記被覆部材は、前記柱状基部材を三方から覆うことを特徴とする(1)に記載の開閉装置設置構造。
(3)
前記被覆部材は、前記柱状基部材の見付け面側の表面を覆う見付け面側被覆片と、前記柱状基部材の見込み面側の表面を覆う見込み面側被覆片と、前記柱状基部材の見付け面側に対する反対面側の表面を覆う反見付け面側被覆片とを有し、前記見付け面側被覆片、前記柱状基部材、及び前記反見付け面側被覆片には雄状部材が貫通し、前記雄状部材の先端側には雌状部材が締め付けられていることを特徴とする(1)または(2)に記載の開閉装置設置構造(図2図8参照)。
(4)
前記被覆部材は、前記柱状基部材の見込み面側の表面を覆う見込み面側被覆片と、前記柱状基部材の見付け面側の表面を覆う見付け面側被覆片と、前記柱状基部材の見込み面側に対する反対面側の表面を覆う反見込み面側被覆片とを有し、前記見込み面側被覆片、前記柱状基部材、及び前記反見込み面側被覆片には雄状部材が貫通し、前記雄状部材の先端側には雌状部材が締め付けられていることを特徴とする(1)または(2)に記載の開閉装置設置構造(図5図6参照)。
(5)
前記被覆部材には、上下方向にわたる柱状補強部材が接合され、前記開閉装置は、前記柱状補強部材に接合されていることを特徴とする(1)~(4)のいずれかに記載の開閉装置設置構造(図5図8参照)。
(6)
前記見付け面側被覆片には、上下方向へわたる接合片が前記雄状部材及び前記雌状部材によって固定され、前記接合片には。上下方向へわたる柱状補強部材が接合され、前記開閉装置は、前記柱状補強部材に接合されていることを特徴とする(4)に記載の開閉装置設置構造(図7及び図8参照)。
(7)
前記開閉装置は、前記開口部に沿って上下方向へ開閉動作する開閉体と、この開閉体の横幅方向の端部側を開閉方向へ案内するガイドレールとを備え、前記ガイドレールが、前記被覆部材を介して前記柱状基部材に固定されていることを特徴とする(1)~(6)のいずれかに記載の開閉装置設置構造(図1図5参照)。
(8)
前記柱状基部材に対し前記被覆部材を嵌め合わせる工程を含むことを特徴とする(1)~(7)のいずれかに記載の開閉装置設置構造の施工方法(図3参照)。
【符号の説明】
【0062】
10:開閉装置
12:ガイドレール
13:収納部
20:壁部
21:柱状基部材
31:雄状部材
32:雌状部材
40:被覆部材
41:見付け面側被覆片
42:見込み面側被覆片
43:反見付け面側被覆片
40’:被覆部材
41’:見込み面側被覆片
42’:見付け面側被覆片
43’:反見込み面側被覆片
50:柱状補強部材
60:接合片
A~F:開閉装置設置構造
a:開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8