(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057306
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】カート装置
(51)【国際特許分類】
B62B 5/00 20060101AFI20240417BHJP
A47B 31/00 20060101ALI20240417BHJP
B62B 3/00 20060101ALI20240417BHJP
A61G 12/00 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
B62B5/00 B
A47B31/00 Z
B62B3/00 Z
A61G12/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163950
(22)【出願日】2022-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】松下 寛也
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 直大
(72)【発明者】
【氏名】笹崎 悟
【テーマコード(参考)】
3D050
4C341
【Fターム(参考)】
3D050AA01
3D050BB05
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE15
3D050KK01
3D050KK11
4C341LL07
(57)【要約】
【課題】本発明に係るカート装置によれば、物品を載置可能な載置面を広げつつ、安定性を向上させるカート装置を提供することができる。
【解決手段】本発明に係るカート装置1は、床面上を走行可能なベース部20と、ベース部20から上方に延びる支持体21と、支持体21に接続された載置部保持部と、物品を載置可能な第一載置面41aを備える第一物品載置部41と、平面視して第一物品載置部41と異なる位置に配置され、第一載置面41aに隣接して物品を載置可能な第二載置面42aを備える第二物品載置部42と、第一物品載置部41と第二物品載置部42とを接続する接続部材61と、を備え、第一物品載置部41と第二物品載置部42の少なくとも一方は、載置部保持部に固定される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面上を走行可能なベース部と、
前記ベース部から上方に延びる支持体と、
前記支持体に接続された載置部保持部と、
物品を載置可能な第一載置面を備える第一物品載置部と、
平面視して前記第一物品載置部と異なる位置に配置され、前記第一載置面に隣接して物品を載置可能な第二載置面を備える第二物品載置部と、
前記第一物品載置部と前記第二物品載置部とを接続する接続部材と、
を備え、
前記第一物品載置部と前記第二物品載置部の少なくとも一方は、前記載置部保持部に固定される
カート装置。
【請求項2】
前記支持体は、前記第一載置面及び前記第二載置面によって形成される合成載置面に周囲を囲まれる
請求項1に記載のカート装置。
【請求項3】
前記載置部保持部は、第一載置部保持部と、第二載置部保持部と、を有し、
前記第一物品載置部は、前記第一載置部保持部に固定され、
前記第二物品載置部は、前記第二載置部保持部に固定されている
請求項1または請求項2に記載のカート装置。
【請求項4】
前記第一載置面及び前記第二載置面は、合成載置面を形成し、
前記合成載置面には、外周縁の少なくとも一部において上方に向かって突出した落ち止め部が取り付けられる
請求項1または請求項2に記載のカート装置。
【請求項5】
前記落ち止め部は、前記接続部材に設けられる
請求項4に記載のカート装置。
【請求項6】
前記落ち止め部は、少なくとも前記第一載置面と前記第二載置面との間を覆うように、前記合成載置面の前記外周縁に取り付けられる
請求項5に記載のカート装置。
【請求項7】
前記第一物品載置部及び前記第二物品載置部は、前記支持体に対して上下方向の高さ位置を変更可能である
請求項1または請求項2に記載のカート装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、オフィスや病院等において使用される走行可能なカート装置が開示されている。これらのカート装置は、床面に載置されてカート装置を移動可能にするベース部と、物品が載置可能な板状の物品載置部(棚板)と、ベース部から上方に延びて物品載置部を支持する支持体とを備えている。
【0003】
特許文献1に記載のように、従来のカート装置が備える支持体は、ベース部の中心部付近から上側に延在する。また、物品載置部は、一端を支持体に支持されて、他端を支持体から離れる一方側に向かって載置面を広げることで形成される。物品載置部は、基本的には平面視してベース部の最小包含円の内側に収まるように形成することで、利用者は、カート装置を走行中に物品載置部を壁などにぶつけにくい。
【0004】
また、特許文献2には、支持体を挟んで物品載置部の反対側に他の物品載置部を設けることで、高さ方向において1つの高さ位置に複数の物品載置部を備えたカート装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-19601号公報
【特許文献2】特開2013-17705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のようなカート装置は、支持体がベース部の中央付近から上方に延びるため、ベース部の最小包含円の内側において物品載置部の載置面の面積を広くするのが困難であった。支持体の配置をベース部の一端部付近に変更すると、載置面の面積を広げることができるが、この場合は、物品載置部に物品を載置した際の強度及びバランスを得るために、支持体に対する物品載置部の取り付け強度をより強くする必要があった。この場合は、カート装置自体が重くなり、また、カート装置の製造コストが上がってしまうという問題があった。
【0007】
特許文献2に記載カート装置は、物品載置部を板状の棚板に置き換えることで全体の載置面の面積を大きくすることができるが、棚板同士の高さを合わせることが難しかった。また、棚板間で段差が生じやすく、使い勝手が悪くなっていた。
【0008】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、物品を載置可能な載置面を広げつつ、安定性を向上させるカート装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明における一態様のカート装置は、床面上を走行可能なベース部と、前記ベース部から上方に延びる支持体と、前記支持体に接続された載置部保持部と、物品を載置可能な第一載置面を備える第一物品載置部と、平面視して前記第一物品載置部と異なる位置に配置され、前記第一載置面に隣接して物品を載置可能な第二載置面を備える第二物品載置部と、前記第一物品載置部と前記第二物品載置部とを接続する接続部材と、を備え、前記第一物品載置部と前記第二物品載置部の少なくとも一方は、前記載置部保持部に固定される。
【0010】
このような構成によれば、第一物品載置部の備える第一載置面と、平面視して前記第一物品載置部と異なる位置に配置された第二物品載置部の備える第二載置面とが、隣接してかつ接続部材で接続されている。そのため、カート装置は、載置面を広くしつつ安定して物品を載置させることができる。また、第一物品載置部と第二物品載置部とを接続する接続部材が設けられている。そのため、第一物品載置部または第二物品載置部に重量のある物品を載置した場合であっても、第一物品載置部及び第二物品載置部に段差が生じにくい。
【0011】
本発明における一態様のカート装置において、前記支持体は、前記第一載置面及び前記第二載置面によって形成される合成載置面に周囲を囲まれる。
【0012】
このような構成によれば、第一載置面と第二載置面とが合成載置面を形成するため、載置可能な物品の大きさや形状の自由度が高くなる。例えば、合成載置面は、長大物等の物品を安定して載置可能である。また、支持体は、合成載置面に周囲を囲まれているため、載置する物品の物品載置部へのアクセスが行いやすい。
【0013】
本発明における一態様のカート装置において、前記載置部保持部は、第一載置部保持部と、第二載置部保持部と、を有し、前記第一物品載置部は、前記第一載置部保持部に固定され、前記第二物品載置部は、前記第二載置部保持部に固定されている。
【0014】
このような構成によれば、第一物品載置部及び第二物品載置部がそれぞれ別の載置部保持部に固定されているため、第一物品載置部及び第二物品載置部の強度を高くして安定性を向上させることができる。
【0015】
本発明における一態様のカート装置において、前記第一載置面及び前記第二載置面は、合成載置面を形成し、前記合成載置面には、外周縁の少なくとも一部において上方に向かって突出した落ち止め部が取り付けられる。
【0016】
このような構成によれば、合成載置面に落ち止め部が取り付けられる。そのため、カート装置を移動させたときに、物品載置部から物品が落ちる可能性を低減することができる。また、合成載置面の外周縁に落ち止め部のある部分とない部分を適宜設けることで、落ち止め部が無い部分には、載置面の寸法以上の物品を載置することができる。
【0017】
本発明における一態様のカート装置において、前記落ち止め部は、前記接続部材に設けられる。
【0018】
このような構成によれば、落ち止め部が接続部材に設けられており、落ち止め部のための部材を設ける必要が無くなるため、カート装置の外観が向上する。また、接続部材と落ち止め部材とを別々に取り付ける必要が無くなり、取り付け手間やコストを低減することができる。
【0019】
本発明における一態様のカート装置において、前記落ち止め部は、少なくとも前記第一載置面と前記第二載置面との間を覆うように、前記合成載置面の前記外周縁に取り付けられる。
【0020】
このような構成によれば、接続部材を兼ねつつ、上方に向かって突出した落ち止め部は、第一物品載置部と第二物品載置部との間を覆うように取り付けられている。そのため、第一物品載置部及び第二物品載置部の重量によって接続部材に加えられる曲げ強度に対して高い強度を得ることが出来る。
【0021】
本発明における一態様のカート装置において、前記第一物品載置部及び前記第二物品載置部は、前記支持体に対して上下方向の高さ位置を変更可能である。
【0022】
このような構成によれば、載置する物品の大きさや高さに応じて物品載置部の高さを変更可能となる。そのため、利用者が物品載置部から物品を載置したり取り出したりしやすくなる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、物品を載置可能な載置面を広げつつ、安定性を向上させるカート装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第一実施形態に係るカート装置を模式的に示す斜視図である。
【
図3】同カート装置のカート本体のベース部を拡大した斜視図である。
【
図4】(a)は、同カート装置の支持基体の水平断面図である。
図3(b)は、同カート装置の支持基体の正面図である。
【
図5】(a)は、同カート装置の天板の天板上面を示す平面図である。(b)は、第一棚板部の第一上面を示す平面図である。(c)は、第二棚板部の第二上面を示す平面図である。
【
図6】同カート装置を上から見たときの天板、第一棚板部、及び第二棚板部の大きさの関係を示す図である。
【
図7】同第二棚板部を取り外した状態における載置部保持部を模式的に示す斜視図である。
【
図8】同第二棚板部に載置部保持部が固定された状態を下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態について、
図1から
図8を参照して説明する。また、以下で説明する実施形態や変形例において、相互に対応する構成については同一の符号を付し、重複部分については説明を省略する場合がある。さらに、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的または絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。なお、以下の各図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
【0026】
[カート装置1]
図1は、本発明の一実施形態に係るカート装置1を模式的に示す斜視図である。
図2は、カート装置1を模式的に示す側面図である。
図1及び
図2に示すように、カート装置1は、オフィスや病院において、書類ファイルや薬瓶等の物品を載置して搬送する什器である。カート装置1は、床面に設置されるカート本体2と、棚板3と、載置部保持部7と、バンパー(緩衝材)8と、を備えている。なお、本実施形態においては、カート本体2及び載置部保持部7によって本発明の什器本体が構成されている。
【0027】
なお、以下の説明においては、カート装置1の長手方向は、
図1及び
図2に図示する上下方向Zと同じである。カート装置1は、下側(下方)Z2の下端部であるカート本体2のベース部20を床面に載置されて、移動可能に構成される。また、利用者が後述のハンドル223を把持してカート装置1と対向する側を後側X2とし、ハンドル223を押してカート装置1を進行させる側を前側X1とする。これら後側X2と前側X1とを結ぶ方向は、上下方向Zに交わるカート装置1の進行方向であり、前後方向X(または奥行方向)とする。また、前後方向Xと直交する方向を幅方向Yとする。幅方向Yにおいては、利用者がハンドル223を把持してカート装置1を操作する向きを基準として、一方側を左側Y1とし、左側と反対を右側Y2とする。本実施形態では、上下方向Zは、鉛直方向と同じであり、前後方向及び幅方向Yは、水平な方向である。
【0028】
[カート本体2]
カート本体2は、ベース部20と、支持基体(支持体)21と、天板ユニット22と、昇降操作部23とを備える。
【0029】
[ベース部20]
図3は、カート本体2のベース部20を拡大した斜視図である。
ベース部20は、床面上を走行可能である。ベース部20は、
図3に示すように、脚杆201と、中間部材202と、キャスタ203と、ロック部204とを備える。
【0030】
脚杆201は、2本の前側脚杆201aと、2本の後側脚杆201bとを備える。2本の前側脚杆201aは、直線状であり、後述の支持基体21から見て前側X1に延びる。2本の後側脚杆201bは、直線状であり、支持基体21から見て後側X2に延びる。後側脚杆201bは、本実施形態では、前側脚杆201aよりも長く形成されている。中間部材202は、脚杆201の根元を接続する。キャスタ203は、各々の脚杆201の先端部に取り付けられる。キャスタ203は、前後方向Xの前側X1に向かって前進する。ロック部204は、キャスタ203をロックする。
【0031】
ベース部20は、カート装置1の下端部である。このようなベース部20のキャスタ203が床面に当接した状態で転動することにより、カート装置1が移動(走行)可能とされている。また、ロック部204によりキャスタ203をロックすることによって、カート装置1の移動が規制される。
【0032】
[支持基体(支持体)21]
図4(a)は支持基体21の水平断面図であり、
図4(b)は支持基体21の正面図である。
支持基体21は、
図1及び
図2に示すように、ベース部20から上側(上方)Z1に延びる。支持基体21は、伸縮可能に形成されている。支持基体21は、
図4に示すように、外側支柱ユニット211と、内側支柱ユニット212と、を有している。
【0033】
外側支柱ユニット211は、ベース部20の中間部材202上に立設される中空の柱状部であるアウタ211aと、アウタ211aに固定される棚柱211bとを備えている。アウタ211aには、カート装置1の前側X1と後側X2との各々に2本の溝部211cが形成されている。これらの2本の溝部211cは、互いが平行な状態で各々が上下方向Zに延在して形成されている。棚柱211bは、アウタ211aの溝部211cの各々に嵌合されている。つまり、本実施形態においては、棚柱211bは、カート装置1の前側X1と後側X2との各々に2本ずつで合計4本設けられている。各々の棚柱211bには、上下方向Zに一定ピッチにて係止孔211dが形成されている。これらの係止孔211dは、載置部保持部(ブラケット)7が備える後述の係止爪713aが挿入される箇所である。
【0034】
内側支柱ユニット212は、外側支柱ユニット211のアウタ211aの内部に挿通されると共に上端に天板ユニット22が固定された中空の柱状部212aと、柱状部212aの側部に軸支されると共に外側支柱ユニット211のアウタ211aの内壁面に当接するローラ212bとを有している。このような内側支柱ユニット212は、ローラ212bが転動することによって外側支柱ユニット211のアウタ211aの内部を上下方向Zに移動可能とされている。内側支柱ユニット212が外側支柱ユニット211から上側Z1にZ1大きく突出されている場合には、全体として支持基体21が伸びた状態とされ、天板ユニット22が高い位置に配置される。一方、内側支柱ユニット212多くが外側支柱ユニット211に収容されている場合には、全体として支持基体21が縮んだ状態とされ、天板ユニット22が低い位置に配置される。
【0035】
[天板ユニット22]
天板ユニット22は、
図1及び
図2に示すように、天板221と、落下防止バー222と、ハンドル(取っ手部)223とを備える。
【0036】
[天板221]
天板221は、支持基体21に支持された略矩形状の板部材である。天板221は、具体的には、内側支柱ユニット212の柱状部212aの上端に固定されることによって、支持基体21に支持されている。天板221は、天板221の周縁である外周縁部221mと、上面に物品が載置可能な天板上面221aを有する。
【0037】
落下防止バー222は、天板ユニット22の上方であって天板ユニット22の前側X1に支持されており、天板ユニット22の縁部に沿って屈曲されている。この落下防止バー222は、例えばカート装置1が走行状態から停止したときに天板221上に載置された物品が天板221上を滑って天板221の前側X1から落下することを防止する。
【0038】
ハンドル(取っ手部)223は、略環状に形成され、天板221の外周縁部221mの後端部から、さらに後側X2に向けて突出して設けられている。このハンドル223は、カート装置1を走行させるときに、作業者が把持する部位である。
【0039】
[昇降操作部23]
昇降操作部23は、操作レバー231と、不図示のロック機構とを備えている。操作レバー231は、ハンドル223の下側Z2に配置されており(
図2参照)、操作することによってロック機構による内側支柱ユニット212のロックを解除する。ロック機構は、内側支柱ユニット212を外側支柱ユニット211に対して固定する。ロック機構は、操作レバー231が操作された場合のみ当該ロックを解除する。このような昇降操作部23によって、支持基体21が伸縮可能に形成される。また、おいて支持基体21に支持された天板221は、支持基体21の伸縮に応じて上下方向Zに昇降し、任意の高さに配置される。この構成により、利用者は、自分の身長の高さに合わせた高さに天板221を調整して物品の載置や取り出しを容易に行うことができる。
【0040】
[棚板3]
棚板3は、
図1及び
図2に示すように、第一棚板部4と、第二棚板部5と、を備える。
【0041】
[第一棚板部4]
第一棚板部4は、支持基体21に支持された略矩形状の板部材である。第一棚板部4は、天板221の下側Z2に設けられる。第一棚板部4は、第一棚板部4の周縁である外周縁部4mと、第一前棚板(第一物品載置部)41と、第一後棚板(第二物品載置部)42と、を備える。
【0042】
[第一前棚板(第一物品載置部)41]
第一前棚板(第一物品載置部)41は、支持基体21よりも前側X1に取り付けられた板部材である。第一前棚板41は、上面に物品が載置可能な第一前面(第一載置面)41aを有する。第一前棚板41は、後側X2の端部において支持基体21の側面の形状に合わせて切りかかれた切り欠き部を備える。
【0043】
[第一後棚板(第二物品載置部)42]
第一後棚板(第二物品載置部)42は、支持基体21よりも後側X2であって第一前棚板41よりも後側X2に取り付けられた略矩形状の板部材である。第一後棚板42は、平面視して第一前棚板41と重ならず、第一前棚板41と異なる位置に配置される(
図5参照)。第一後棚板42は、上面に物品が載置可能な第一後面(第二載置面)42aを有する。第一後棚板42は、前側X1の端部において支持基体21の側面の形状に合わせて切りかかれた切り欠き部を備える。
【0044】
第一後面42aは、第一前面41aよりも大きい(広い)。具体的には、第一後面42aは、幅方向Yにおける全体長さは第一前面41aの幅方向Yにおける全体長さと略同じであるが、前後方向Xにおける全体長さが第一前面41aの前後方向Xにおける全体長さよりも長い。また、第一後面42aの面積は、第一前面41aの面積よりも広い。
【0045】
第一前面41aと第一後面42aとは連接しており、前後方向X及び幅方向Yがなす面に沿う合成載置面を形成する。この合成載置面を第一上面4aとする。言い換えると、第一棚板部4は、上面に物品が載置可能な第一上面4aを備える。また、第一棚板部4は、第一前面41aと第一後面42aとが備える切り欠き部によって形成された貫通孔4bを設けている。なお、第一前面41aと第一後面42aとは隙間等を設けて隣接していてもよい。
【0046】
[第二棚板部5]
第二棚板部5は、支持基体21に支持された略矩形状の板部材である。第二棚板部5は、天板221及び第一棚板部4の下側Z2に設けられる。第二棚板部5は、第二棚板部5の周縁である外周縁部5mと、第二前棚板(第一物品載置部)51と、第二後棚板(第二物品載置部)52と、バンパー8とを備える。外周縁部5mは、前後方向Xの前側X1と後側X2とに2つずつ角部を有している。
【0047】
[第二前棚板(第一物品載置部)51]
第二前棚板(第一物品載置部)51は、支持基体21よりも前側X1に取り付けられた略矩形状の板部材である。第二前棚板51は、前側X1の前端に設けられ第二棚板部5の前端部である前端部51mと、上面に物品が載置可能な第二前面(第一載置面)51aを有する。前端部51mは、外周縁部5mの一部である。また、前端部51mは、幅方向Yに延在しており、前端部51mの両端部は、前後方向Xにおいて、外周縁部5mに設けられた前側X1の2つの角部である。第二前棚板51は、後側X2の端部において支持基体21の側面の形状に合わせて切りかかれた切り欠き部を備える。
【0048】
[第二後棚板(第二物品載置部)52]
第二後棚板(第二物品載置部)52は、支持基体21よりも後側X2であって第二前棚板51よりも後側X2に取り付けられた略矩形状の板部材である。第二後棚板52は、平面視して第二前棚板51と重ならず、第二前棚板51と異なる位置に配置される(
図5参照)。第二後棚板52は、後側X2の後端に設けられ第二棚板部5の後端部である後端部52mと、上面に物品が載置可能な第二後面(第二載置面)52aを有する。後端部52mは、外周縁部5mの一部である。また、後端部52mは、幅方向Yに延在しており、後端部52mの両端部は、前後方向Xにおいて、外周縁部5mに設けられた後側X2の2つの角部である。第二後棚板52は、前側X1の端部において支持基体21の側面の形状に合わせて切りかかれた切り欠き部を備える。
【0049】
第二後面52aは、第二前面51aよりも大きい。具体的には、第二後面52aは、幅方向Yにおける全体長さは第二前面51aの幅方向Yにおける全体長さと略同じであるが、前後方向Xにおける全体長さが第二前面51aの前後方向Xにおける全体長さよりも長い。また、第二後面52aの面積は、第二前面51aの面積よりも大きい。
【0050】
第二前面51aと第二後面52aとは連接しており、前後方向X及び幅方向Yがなす面に沿う合成載置面を形成する。この合成載置面を第二上面5aとする。言い換えると、第二棚板部5は、上面に物品が載置可能な第二上面5aを備える。第二上面5aは、第一上面4aに対して略平行に形成される。また、第二棚板部5は、第二前面51aと第二後面52aとが備える切り欠き部によって形成された貫通孔5bを設けている。なお、第二前面51aと第二後面52aとは隙間等を設けて隣接していてもよい。
【0051】
貫通孔4b及び貫通孔5bには、支持基体21が挿通される。すなわち、貫通孔4b及び貫通孔5bを挿通する支持基体21は、第一前面41aと第一後面42aとによって形成される第一上面4a、及び第二前面51aと第二後面52aとによって形成される第二上面5aに周囲を囲まれる。第一棚板部4及び第二棚板部5は、それぞれカート本体2に対して、上下方向Zの位置を変更可能に装着されている。
【0052】
[バンパー(緩衝材)8]
バンパー(緩衝材)8は、
図1及び
図2に示すように、第二棚板部5に取り付けられる。具体的には、バンパー8は、外周縁部5mに設けられた4つの角部である前端部51m及び後端部52mの両端部にそれぞれ中心部を取り付けられる。バンパー8は、前端部51m及び後端部52mの両端部を上下方向Zに通る中心軸線を中心軸に持つ。ただし、バンパー8の配置位置は、特に限定されない。
【0053】
バンパー8は、弾性変形可能であり、従来公知のものが使用される。バンパー8は、例えば、上下方向Zに中心軸線を有する円盤状に形成されており、中心軸線周りに回転する。
【0054】
ここで、天板221、第一棚板部4、及び第二棚板部5は、それぞれ大きさが異なっている。天板221、第一棚板部4、及び第二棚板部5の大きさとそれぞれの関係について説明する。
【0055】
図5(a)は、天板221の天板上面221aを示す平面図であり、
図5(b)は、第一棚板部4の第一上面4aを示す平面図であり、
図5(c)は、第二棚板部5の第二上面5aを示す平面図である。
図6は、カート装置1を上から見たときの天板221、第一棚板部4、及び第二棚板部5の大きさの関係を示す図である。
【0056】
まず、天板221は、
図5(a)に示すように、前後方向Xに対向する二つの短辺を持ち幅方向Yに対向する二つの長辺を持つ長方形形状に形成されている。ここで、前後方向Xに対向する二つの短辺のうち、前側X1の一辺を辺221cとし、後側X2の一辺を辺221dとする。また、幅方向Yに対向する二つの短辺のうち、左側Y1の一辺を辺221eとし、右側Y2の一辺を辺221fとする。この辺221c、辺221d、辺221e、辺221fによって、天板上面221aの外周縁221paが構成されている。外周縁221paは、天板221の外周縁部221mの一部である。
【0057】
前後方向Xにおいて、天板上面221aの辺221cと、辺221dとを結ぶ天板221の全体長さは長さL1とし、幅方向Yにおいて、天板上面221aの辺221eと、辺221fとを結ぶ天板221の全体長さは長さM1とする。また、第一載置面221aの外周縁221paにおける2点を結んだ線の最大長さは、本実施形態では、第一載置面221aの対角線となる。このとき天板上面221aの対角線は、長さN1とする。
【0058】
次に、第一棚板部4は、
図5(b)に示すように、前後方向Xに対向する二つの短辺を持ち幅方向Yに対向する二つの長辺を持つ長方形形状(矩形形状)に形成されている。ここで、前後方向Xに対向する二つの短辺のうち、前側X1の一辺を辺4cとし、後側X2の一辺を辺4dとする。また、幅方向Yに対向する二つの短辺のうち、左側Y1の一辺を辺4eとし、右側Y2の一辺を辺4fとする。この辺4c、辺4d、辺4e、辺4fによって、第一上面4aの第一上面外周縁(外周縁)4paが構成されている。第一上面外周縁4paは、第一棚板部4の外周縁部4mの一部である。
【0059】
前後方向Xにおいて、第一上面4aの辺4cと、辺4dとを結ぶ第一棚板部4の全体長さは長さL2とし、幅方向Yにおいて、第一上面4aの辺4eと、辺4fとを結ぶ第一棚板部4の全体長さは長さM2とする。また、第一上面4aの第一上面外周縁4paにおける2点を結んだ線の最大長さは、本実施形態では、第一上面4aの対角線となる。このとき第一上面4aの対角線は、長さN2とする。
【0060】
次に、第二棚板部5は、
図5(c)に示すように、前後方向Xに対向する二つの短辺を持ち幅方向Yに対向する二つの長辺を持つ長方形形状に形成されている。ここで、前後方向Xに対向する二つの短辺のうち、前側X1の一辺を辺5cとし、後側X2の一辺を辺5dとする。また、幅方向Yに対向する二つの短辺のうち、左側Y1の一辺を辺5eとし、右側Y2の一辺を辺5fとする。この辺5c、辺5d、辺5e、辺5fによって、第二上面5aの第二上面外周縁(外周縁)5paが構成されている。第二上面外周縁5paは、第二棚板部5の外周縁部5mの一部である。
【0061】
前後方向Xにおいて、第二上面5aの辺5cと、辺5dとを結ぶ第二棚板部5の最大長さは長さL3とし、幅方向Yにおいて、第二上面5aの辺5eと、辺5fとを結ぶ第二棚板部5の最大長さは長さM3とする。また、第二上面5aの第二上面外周縁5paにおける2点を結んだ線の最大長さは、本実施形態では、第二上面5aの対角線となる。このとき第二上面5aの対角線は、長さN3とする。
【0062】
前後方向Xにおいて、長さL1は、長さL2及び長さL3よりも短い。長さL2は、長さL3よりも短い。すなわち、前後方向Xにおいては、天板221、第一棚板部4、及び第二棚板部5は、L1<L2<L3の長さの関係なっている。言い換えると、第一棚板部4は、前後方向Xにおいて天板221の全体長さよりも長い全体長さを有する。第二棚板部5は、前後方向Xにおいて第一棚板部4の全体長さよりも長い全体長さを有する。
【0063】
また、幅方向Yにおいて、長さM1は、長さM2及び長さM3よりも短い。長さM2は、長さM3よりも短い。すなわち、幅方向Yにおいては、天板221、第一棚板部4、及び第二棚板部5は、M1<M2<M3の長さの関係なっている。言い換えると、第一棚板部4は、幅方向Yにおいて天板221の全体長さよりも長い全体長さを有する。第二棚板部5は、幅方向Yにおいて第一棚板部4の全体長さよりも長い全体長さを有する。
【0064】
また、天板221、第一棚板部4、及び第二棚板部5のそれぞれの最大長さにおいて、長さN1は、長さN2及び長さN3よりも短い。長さN2は、長さN3よりも短い。すなわち、天板221、第一棚板部4、及び第二棚板部5は、N1<N2<N3の最大長さの関係なっている。
【0065】
以上より、
図5に示すように、天板221の天板上面221aは、第一上面4a及び第二上面5aよりも小さいことがわかる。具体的には、天板上面221aの外周縁221paは、上下方向Zから見てすべてが第一上面4aに重なっている。また、第一棚板部4の第一上面4aは、第二上面5aよりも小さいことがわかる。具体的には、第一上面4aの第一上面外周縁4paは、上下方向Zから見てすべてが第二上面5aに重なっている。
【0066】
また、天板上面221aの外周縁221paで囲われた第一領域面積P1の大きさは、第一上面4aの第一上面外周縁4paで囲われた第二領域面積P2の大きさ及び第二上面5aの第二上面外周縁5paで囲われた第三領域面積P3よりも小さい。第二領域面積P2の大きさは、第三領域面積P3よりも小さい。すなわち、第一領域面積P1、第二領域面積P2及び第三領域面積P3の関係は、P1<P2<P3となる。言い換えると、
図6に示すように、第二上面5aが天板上面221aに重なる部分を除く面積PA2は、第一上面4aが天板上面221aに重なる部分を除く面積PA1よりも大きい。本実施形態では、カート装置1の備える物品が載置可能な載置面は、
図2に示すように、幅方向Yからみて上側Z1から下側Z2に向かうにつれて大きくなる。
【0067】
ここで、
図2及び
図6に示すように、第一上面4aの前側X1の辺4cは、天板上面221aの辺221cよりも、距離S11だけ前側X1に配置されている。言い換えると、辺4cと辺221cとは、距離S11だけ距離の差がある。距離S11は、本実施形態では、
図6に示すように、上下方向Zからみて、第一棚板部4の外周縁部4mにおける前側X1の最前端部から、天板221の外周縁部221mにおける前側X1の最前端部までの距離と同じである。
【0068】
また、第二上面5aの前側X1の辺5cは、第一上面4aの辺4cよりも、距離S12だけ、前側X1に配置されている。言い換えると、辺5cと辺5cとは、距離S12だけ距離の差がある。距離S12は、本実施形態では、
図6に示すように、上下方向Zからみて、第二棚板部5の外周縁部5mにおける前側X1の最前端部から、第一棚板部4の外周縁部4mにおける前側X1の最前端部までの距離と同じである。また、本実施形態では、距離S11の長さと、距離S12の長さとは、同じである。距離S11及び距離S12の長さは特に限定されないが、本実施形態では、3~4cmに設定されている。
【0069】
また、第一上面4aの後側X2の辺4dは、天板上面221aの辺221dよりも、距離S21だけ後側X2に配置されている。言い換えると、辺4dと辺221dとは、上下方向Zからみて距離S21だけ距離の差がある。距離S21は、本実施形態では、
図6に示すように、上下方向Zからみて、第一棚板部4の外周縁部4mにおける後側X2の最後端部から、天板221の外周縁部221mにおける後側X2の最後端部までの距離と同じである。
【0070】
また、第二上面5aの後側X2の辺5dは、第一上面4aの辺4dよりも、距離S22だけ後側X2に配置されている。言い換えると、辺5dと辺4dとは、距離S22だけ距離の差がある。距離S22は、本実施形態では、
図6に示すように、上下方向Zからみて、第二棚板部5の外周縁部5mにおける後側X2の最後端部から、第一棚板部4の外周縁部4mにおける後側X2の最後端部までの距離と同じである。また、本実施形態では、距離S21の長さと、距離S22の長さとは、同じである。距離S21及び距離S22の長さは特に限定されないが、本実施形態では、2~3cmに設定されている。
【0071】
距離S11の長さは、距離S21の長さよりも長い。また、距離S12の長さは、距離S22の長さよりも長い。すなわち、
図2に示すように、幅方向Yから見て、第一棚板部4と第二棚板部5とは、天板221に対して、前後方向Xの後側X2よりも前側X1に大きく突出している。
【0072】
なお、第一上面4aは、支持基体21を囲うように設けられており、支持基体21が挿通する貫通孔4bの分だけ第一上面4aの面積は小さくなる。また、第二上面5aについても支持基体21を囲うように設けられており、支持基体21が挿通する貫通孔5bの分だけ第二上面5aの面積は小さくなる。しかし、本実施形態では、第一上面4aの面積は、天板221の天板上面221aの面積よりも大きく、第二上面5aの面積は、第一上面4aの面積よりもさらに大きくなるように設定される。
【0073】
[接続部材6]
接続部材6は、
図1及び
図2に示すように、棚板3に取り付けられる部材である。接続部材6は、第一接続部材61と、第二接続部材62と、を備える。
【0074】
[第一接続部材61]
第一接続部材61は、前後方向Xに延びる接続部材である。第一接続部材61は、第一棚板部4の外周縁部4mにおいて、幅方向Yの両側に二つ取り付けられる。第一接続部材61は、第一棚板部4の第一前棚板41と、第一後棚板42とを接続する。第一接続部材61は、接続板部610と、落ち止め部611とを備える。
【0075】
接続板部610は、表裏面を上下方向Zに有し、前後方向Xに延びる板状部材である。接続板部610は、上側Z1の表面を下側Z2から第一前棚板41の下面と、第一後棚板42の下面とに当接する。接続板部610は、例えば、裏面からボルト等を取り付けられて、第一前棚板41と、第一後棚板42とに固定される。
【0076】
落ち止め部611は、接続板部610の幅方向Yの側面に連接する。具体的には、落ち止め部611は、第一接続部材61が第一棚板部4の外周縁部4mにおいて幅方向Yの左側Y1に取り付けられる場合は、接続板部610の幅方向Yの左側Y1の側面に連接する。また、落ち止め部611は、第一接続部材61が第一棚板部4の外周縁部4mにおいて幅方向Yの右側Y2に取り付けられる場合は、接続板部610の幅方向Yの右側Y2の側面に連接する。
【0077】
落ち止め部611は、第一棚板部4の第一上面4aの第一上面外周縁4paから上側Z1に向かって突出する。また、落ち止め部611は、第一前面41aと、第一後面42aとの間を覆うように、第一上面4aの第一上面外周縁4paに取り付けられる。言い換えると、本実施形態では、落ち止め部611は、少なくとも第一前面41aと、第一後面42aとの間に設けられたつなぎ目4s(
図5参照)に設けられる。なお、つなぎ目4sは、つなぎ目でなく、隙間であってもよい。
【0078】
第一接続部材61は、外周縁部4mの全周にわたって取り付けられてもよいし、二つの第一接続部材61の間に隙間を設けてもよい。例えば、第一接続部材61は、前後方向Xに隙間61sを設けている。第一接続部材61は、隙間61sを設けることで、長大物の物品を第一棚板部4の第一上面4aに載置する際に、落ち止め部611が干渉せず容易に載置することができる。なお、第一接続部材61は、後述の載置部保持部7に固定されていてもよい。
【0079】
[第二接続部材62]
第二接続部材62は、前後方向Xに延びる接続部材である。第二接続部材62は、第二棚板部5の外周縁部5mにおいて、幅方向Yの両側に二つ取り付けられる。第二接続部材62は、第二棚板部5の第二前棚板51と、第二後棚板52とを接続する。第二接続部材62は、接続板部620と、落ち止め部621とを備える。
【0080】
接続板部620は、表裏面を上下方向Zに有し、前後方向Xに延びる板状部材である。接続板部620は、上側Z1の表面を下側Z2から第二前棚板51の下面と、第二後棚板52の下面とに当接する(
図8参照)。接続板部620は、例えば、裏面からボルト等を取り付けられて、第二前棚板51と、第二後棚板52とに固定される。
【0081】
落ち止め部621は、接続板部620の幅方向Yの側面に連接する。具体的には、落ち止め部621は、第二接続部材62が第二棚板部5の外周縁部5mにおいて幅方向Yの左側Y1に取り付けられる場合は、接続板部620の幅方向Yの左側Y1の側面に連接する。また、落ち止め部611は、第二接続部材62が第二棚板部5の外周縁部5mにおいて幅方向Yの右側Y2に取り付けられる場合は、接続板部620の幅方向Yの右側Y2の側面に連接する。
【0082】
落ち止め部621は、第二棚板部5の第二上面5aの第二上面外周縁5paから上側Z1に向かって突出する。また、落ち止め部621は、第二前面51aと、第二後面52aとの間を覆うように、第二上面5aの第二上面外周縁5paに取り付けられる。言い換えると、本実施形態では、落ち止め部621は、少なくとも第二前面51aと、第二後面52aとの間に設けられたつなぎ目5s(
図5参照)に設けられる。なお、つなぎ目5sは、つなぎ目でなく、隙間であってもよい。
【0083】
第二接続部材62は、外周縁部5mの全周にわたって取り付けられてもよいし、二つの第二接続部材62の間に隙間を設けてもよい。例えば、第二接続部材62は、前後方向Xに隙間62sを設けている。第二接続部材62は、隙間62sを設けることで、長大物の物品を第二棚板部5の第二上面5aに載置する際に、落ち止め部621が干渉せず容易に載置することができる。なお、第二接続部材62は、後述の載置部保持部7に固定されていてもよい。
【0084】
[載置部保持部(ブラケット)7]
図7は、第二棚板部5を取り外した状態における載置部保持部(ブラケット)7を模式的に示す斜視図である。また、
図8は、第二棚板部5に載置部保持部7が固定された状態を下方から見た斜視図である。
載置部保持部(ブラケット)7は、
図2、
図7及び
図8に示すように、棚板3を支持する機構である。載置部保持部7は、本実施形態では、第一棚板部4の下側Z2及び第二棚板部5の下側Z2にそれぞれ設けられ、第一棚板部4及び第二棚板部5を着脱可能に支持(固定)している。
【0085】
本実施形態では、棚板3は、各々の載置部保持部(ブラケット)7によってそれぞれ固定されている。ここで、第一棚板部4を支持する載置部保持部7は、配置される上下方向Zの高さが異なる以外は第二棚板部5を支持する載置部保持部7と同一の構成である。そのため、以下の説明では、第二棚板部5を支持する載置部保持部7についてのみ説明を行う。ただし、第一棚板部4を支持する載置部保持部7の大きさや形状は、第二棚板部5を支持する載置部保持部7と異なっていてもよい。
【0086】
載置部保持部(ブラケット)7は、第一載置部保持部(第一ブラケット)71と、第二載置部保持部(第二ブラケット)72とを備える。
【0087】
[第一載置部保持部(第一ブラケット)71]
第一載置部保持部71は、支持基体21よりも前側X1に配置され、第二棚板部5の第二前棚板(第一物品載置部)51の下側Z2に配置されている。第一載置部保持部71は、支持基体21から第二前棚板51を着脱可能に支持(固定)している。
【0088】
図7に示すように、第一載置部保持部71は、前ベース部710aと、前ブラケット部711aと、を備える。
【0089】
前ベース部710aは、第二前棚板51を取り付ける土台となる。前ベース部710aは、例えば、第二前棚板51にボルト等で取り付けられて固定される。前ベース部710aは、本実施形態では、直線状のチャンネルまたはレール部材を幅方向に複数配列して形成される。前ベース部710aの大きさや形状は特に限定されないが、上側Z1からみて第二前棚板51から見えない(はみ出さない)構成が好ましい。なお、前ベース部710aは、板状であってもよい。
【0090】
前ブラケット部711aは、
図7及び
図8に示すように、前ベース部710aの下側Z2に設けられる。前ブラケット部711aは、前ベース部710aを介して、第二前棚板51に複数取り付けられる。前ブラケット部711aは、本実施形態では2つ設けており、それぞれが支持基体21から第二前棚板51が備える前端部51mのそれぞれの端部に向かって延びている。ここで、以下の説明においては、複数の前ブラケット部711aのうち1つを説明し、その他の前ブラケット部711aの構成は、適宜設定された方向に合わせて同様の構成をもつとして説明を省略する。
【0091】
前ブラケット部711aは、
図8に示すように、カート本体2の支持基体21に固定される差込部713と、差込部713から支持基体21に遠ざかる方向に向かって延出するアーム714とを有している。
【0092】
差込部713は、
図8に示すように、上下方向Z及び前後方向Xに沿う鉛直面に沿って形成された板状の部材である。差込部713は、支持基体21を向く端部に係止爪(係止部)713aを有している。本実施形態では、係止爪713aが、上下方向Zに配列されて3つ形成されている。これらの係止爪713aは、上下方向Zの配列ピッチがカート本体2(
図4参照。以下同じ。)の棚柱211b(
図4参照。以下同じ。)の係止孔211d(
図4参照。以下同じ。)の配列ピッチと同一とされており、係止孔211dに挿入可能とされている。また、係止孔211dに挿入された係止爪713aは、下側Z2に移動させることによって棚柱211bに係止される。これにより、前ブラケット部711a(すなわち第一載置部保持部71)がカート本体2に対して固定される。また、カート本体2に対して固定された前ブラケット部711a(すなわち第一載置部保持部71)は、カート本体2に対して持ち上げることによって係止爪713aが棚柱211bから離間し、カート本体2から取り外すことができる。
【0093】
なお、上述のように、棚柱211bには、上下方向Zに複数の係止孔211dが形成されている。このため、前ブラケット部711a(すなわち第一載置部保持部71)は、前ベース部710aを支持基体21の高さ方向(上下方向Z)の任意位置に固定可能とされている。すなわち、本実施形態では、カート本体2の一部である支持基体21の一定範囲に設けられた棚柱211bの任意位置に第一載置部保持部71を取り付け可能とされている。言い換えると、第一載置部保持部71に固定された第二前棚板51は、支持基体21に対して上下方向Zの高さ位置を変更可能である。
【0094】
アーム714は、
図8に示すように、差込部713から第二前棚板51が備える前端部51mが設ける両端部にそれぞれ延びている。アーム714は、上下方向Z及び支持基体21から見て前端部51mが設ける両端部のそれぞれ角部を向く方向に沿う鉛直面を有する板状に形成されており、上端が前ベース部710aの下面に固定されている。アーム714は、前ベース部710aを下側Z2から支持している。アーム714は、本実施形態では、ボルト等で前ベース部710aに固定される。
【0095】
[第二載置部保持部(第二ブラケット)72]
第二載置部保持部72は、支持基体21よりも後側X2に配置され、第二棚板部5の第二後棚板(第二物品載置部)52の下側Z2に配置されている。第二載置部保持部72は、支持基体21から第二後棚板52を着脱可能に支持(固定)している。
【0096】
図7に示すように、第二載置部保持部72は、後ベース部710bと、後ブラケット部711bと、を備える。
後ベース部710bは、配置位置を除き、前ベース部710aと同様の構成である。また、後ブラケット部711bは、本実施形態では2つ設けており、それぞれが支持基体21から第二後棚板52が備える後端部52mのそれぞれの端部に向かって延びている。後ブラケット部711bは、長手方向の長さが前ブラケット部711aと比較してわずかに長いことを除き、前ブラケット部711aと同様の構造である。第二載置部保持部72に固定された第二後棚板52は、支持基体21に対して上下方向Zの高さ位置を変更可能である。
【0097】
(作用)
次にカート装置1の作用について説明する。
【0098】
カート装置1には、利用者によって物品が載置される。カート装置1は、物品が載置可能な天板221の天板上面221a、第一棚板部4の第一上面4a、及び第二棚板部5の第二上面5aを備える。そのため、利用者は、天板上面221a、第一上面4a、及び第二上面5aのいずれかに物品を載置することができる。
【0099】
また、利用者は、天板ユニット22のハンドル223を握り、カート装置1を進行方向である前後方向Xの前側X1に向かって前進させることができる。このとき、キャスタ203は、各々の脚杆201の先端部よりも後側X2に重心をおいて転動する。また、カート装置1の前側X1の最前端は、
図2に示すように、第二棚板部5の第二前棚板51が備える前端部51mとなる。
【0100】
また、利用者は、カート装置1を前後方向Xの後側X2に向かって後進させることもできる。このとき、キャスタ203は、各々の脚杆201の先端部よりも前側X1に重心をおいて転動する。また、カート装置1の後側X2の最後端は、
図2に示すように、第二棚板部5の第二後棚板52が備える後端部52mとなる。
【0101】
第二棚板部5が備える外周縁部5mの前端部51mの両端部と後端部52mの両端部とには、それぞれ中心部を取り付けられたバンパー8が設けられる。そのため、使用者が進行方向を向くカート装置1の操作を誤り、カート装置1を壁などにぶつけてしまっても、平面視してベース部の最小包含円の外側に配置された第二棚板部5の第二前棚板51が備える前端部51mまたは第二後棚板52が備える後端部52mに取り付けられたバンパー8が始めに当たり、カート装置1のその他の部分の損傷を防ぐことができる。また、バンパー8は、カート装置1にあたった壁側の損傷も防止することできる。さらに、本実施形態では、バンパー8は上下方向Zに沿う軸線周りに回転する。そのため、利用者が、例えば、前後方向Xに動かしていたカート装置1の操作を誤って壁などにぶつけたのち、さらに壁に対して擦るようにカート装置1を移動させても、壁にぶつかったバンパー8が上下方向Zに沿う軸線周りに回転する。そのため、バンパー8が壁に対して引きずられることなく回転して、壁の損傷を削減することができる。
【0102】
本実施形態では、カート装置1は、第一前面(第一載置面)41aを備える第一前棚板(第一物品載置部)41と、平面視して第一前棚板41と異なる位置に配置され、第一前面41aに連接(隣接)して物品を載置可能な第一後面(第二載置面)42aを備える第一後棚板(第二物品載置部)42と、第一前棚板41と第一後棚板42とを接続する第一接続部材(接続部材)61と、を備える。そのため、カート装置1は、載置面を広くしつつ、安定して物品を載置させることができる。また、第一前棚板41と第一後棚板42とを接続する第一接続部材61が設けられているため、第一前棚板41または第一後棚板42に重量のある物品を載置した場合であっても、第一前棚板41及び第一後棚板42に段差が生じにくい。
【0103】
また、本実施形態では、支持基体21は、第一前面41a及び第一後面42aによって形成される第一上面(合成載置面)4aに周囲を囲まれる。そのため、第一上面4aに載置可能な物品の大きさや形状の自由度が高くなる。例えば、第一上面4aは、長大物等の物品を安定して載置可能である。また、支持基体21は、第一上面4aに周囲を囲まれているため、載置する物品の物品載置部へのアクセスが行いやすい。
【0104】
また、本実施形態では、第二棚板部5の第二前棚板(第一物品載置部)51は、第一載置部保持部71に固定され、第二後棚板(第二物品載置部)52は、第二載置部保持部72に固定されている。そのため、第二前棚板51及び第二後棚板52の強度を高くして、安定性を向上させることができる。
【0105】
また、本実施形態では、第一前面(第一載置面)41a及び第一後面(第二載置面)42aは、第一上面(合成載置面)4aを形成し、第一上面4aには、第一上面外周縁4paから上側Z1に向かって突出した落ち止め部611が取り付けられる。そのため、カート装置1を移動させたときに、載置部から物品が落ちる可能性を低減することができる。また、第一上面4aの第一上面外周縁4paに落ち止め部611のある部分とない部分とを適宜設けることで、落ち止め部611が無い部分には、載置面の寸法以上の長さをもつ物品を載置することができる。
【0106】
また、本実施形態では、落ち止め部611は、第一接続部材(接続部材)61に設けられる。そのため、カート装置1は、落ち止め部のための部材を設ける必要が無くなり、カート装置1の外観が向上する。また、接続部材と落ち止め部611とを別々に取り付ける必要が無くなり、取り付け手間やコストを低減することができる。
【0107】
また、本実施形態では、落ち止め部611は、第一前面41aと、第一後面42aとの間を覆うように、第一上面4aの第一上面外周縁4paに取り付けられる。そのため、カート装置1は、第一前棚板41及び第一後棚板42の重量によって第一接続部材61に加えられる曲げ強度に対して高い強度を得ることが出来る。
【0108】
また、本実施形態では、第二前棚板51及び第二後棚板52は、支持基体21に対して上下方向Zの高さ位置を変更可能である。そのため、載置する物品の大きさや高さに応じて物品載置部の高さを変更でき、利用者が物品載置部から物品を載置したり取り出したりしやすくなる。
【0109】
以上、本発明の第一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の実施形態及び以下で示す変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
【0110】
(変形例)
上述した実施形態では、第一前棚板41(第一物品載置部)と第一後棚板42(第一物品載置部)とがそれぞれ載置部保持部7に固定されるが、特に限定されず、第一前棚板41と第一後棚板42の少なくとも一方が載置部保持部7に固定されていればよい。この場合においても、第一接続部材61が第一前棚板41と第一後棚板42とを接続するため、第一前棚板41と第一後棚板42との両方がいずれかの部材を介して支持基体21に支持することができる。第二前棚板51及び第二後棚板52についても同様である。
【0111】
例えば、本発明に係る第一棚板部4は、前後方向Xにおいて天板221の全体長さよりも長い全体長さと、幅方向Yにおいて天板221の全体長さよりも長い全体長さとの少なくとも一方を有していればよい。
【0112】
また、本発明に係る第一棚板部4及び第二棚板部5は、上側Z1に突出した外縁を備えた箱状の収容部であってもよい。
【0113】
また、本発明に係る天板221、第一棚板部4及び第二棚板部5の形状は、矩形形状でなくてもよい。例えば、天板221、第一棚板部4及び第二棚板部5の形状は、円形、三角形、台形、ひし形やその他任意の形状に形成することができる。また、第一棚板部4及び第二棚板部5の形状は、それぞれ異なる形状及び大きさであってもよい。
【0114】
棚板3は、第一棚板部4及び第二棚板部5に限定されない。棚板3は、棚板部を1つのみ備えたものでもよいし、複数備えていてもよい。
【0115】
また、本発明に係るカート装置1は、前後方向Xにおいて、
図2に示すように、天板221、第一棚板部4及び第二棚板部5のそれぞれの全体長さが、この順に長くなっているが、特に限定されない。例えば、前後方向Xにおいて、第一棚板部4の全体長さは第二棚板部5の全体長さよりも長く、天板221の全体長さよりも小さくてもよい。また、第一棚板部4の全体長さは天板221及び第二棚板部5の全体長さよりも長くてもよい。また、幅方向Yにおいても同様である。
【0116】
また、本発明に係るバンパー(緩衝材)8は、必ずしも第二棚板部5が備える外周縁部5mの前端部51mの両端部と後端部52mの両端部とに配置されていなくてもよい。例えば、バンパーは、天板221、第一棚板部4またはベース部20に設けられてもよい。バンパー8の個数は、特に限定されない。
【0117】
いずれの上記形態においても、本発明に係るカート装置によれば、物品を載置可能な載置面を広げつつ、安定性を向上させるカート装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明に係るカート装置によれば、物品を載置可能な載置面を広げつつ、安定性を向上させるので産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0119】
1…カート装置、2…カート本体、20…ベース部、203…キャスタ、21…支持基体(支持体)、22…天板ユニット、221…天板、221a…天板上面、221m…外周縁部、221pa…外周縁、223…ハンドル(取っ手部)、23…昇降操作部、3…棚板、4…第一棚板部、4a…第一上面、4m…外周縁部、41…第一前棚板(第一物品載置部)、41a…第一前面(第一載置面)、42…第一後棚板(第二物品載置部)、42a…第一後面(第二載置面)、4pa…第一上面外周縁(外周縁)、5…第二棚板部、5a…第二上面、5m…外周縁部、51…第二前棚板(第一物品載置部)、51a…第二前面(第一載置面)、52…第二後棚板(第二物品載置部)、52a…第二後面(第二載置面)、5pa…第二上面外周縁(外周縁)、6…接続部材、61…第一接続部材(接続部材)、611…落ち止め部、62…第二接続部材(接続部材)、621…落ち止め部、7…載置部保持部(ブラケット)、71…第一載置部保持部(第一ブラケット)、72…第二載置部保持部(第二ブラケット)、8…バンパー(緩衝材)