(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057315
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】徐放性賦香剤
(51)【国際特許分類】
C11B 9/00 20060101AFI20240417BHJP
D21H 21/14 20060101ALI20240417BHJP
D21H 11/18 20060101ALI20240417BHJP
D21H 15/02 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
C11B9/00 Z
D21H21/14 B
D21H11/18
D21H15/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163963
(22)【出願日】2022-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】596134172
【氏名又は名称】丸富製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098936
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100098888
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 明子
(72)【発明者】
【氏名】佐野 武男
(72)【発明者】
【氏名】八木 英一
【テーマコード(参考)】
4H059
4L055
【Fターム(参考)】
4H059BC10
4H059BC45
4H059DA10
4H059DA24
4H059EA11
4H059EA31
4H059EA36
4L055AF09
4L055AF46
4L055AG97
4L055AH50
4L055BE08
4L055BE11
4L055GA29
(57)【要約】
【課題】トイレットペーパーロールでは、実際に使用を開始しようとしたときには、香りが僅かに残っているか抜け切っている場合も少なくない。
【解決手段】セルロースナノファイバー(CNF)に着目し、このセルロースナノファイバーが形成する細かい網目に香料を構成する匂い成分が留置されること、更に、親水性乳化剤を併用することで匂い成分が長期間にわたって安定的に留置される状況が作り出されることを利用して、徐放性賦香剤を作り出した。香料を油性溶剤中に溶解させた香料組成物と、セルロースナノファイバーと、親水性乳化剤とを含み、残部が水及び必要に応じて配合される助剤とからなり、エマルジョン剤形になっている。吹き付け塗装により、徐放性賦香剤を紙製品の表面に塗布した後乾燥させるだけで済むので、特別な設備が必要なく、トイレットペーパーロールのような廉価で販売される紙製品に適用するのに適している。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
香料を油性溶剤中に溶解させた香料組成物と、セルロースナノファイバーと、親水性乳化剤とを含み、残部が水及び必要に応じて配合される助剤とからなり、エマルジョン剤形の、紙製品用の徐放性賦香剤。
【請求項2】
請求項1に記載した徐放性賦香剤において、
セルロースナノファイバーの平均繊維長は55±20μm、平均繊維幅は50±20nmであることを特徴とする徐放性賦香剤。
【請求項3】
請求項1または2に記載した徐放性賦香剤において、
香料組成物の香料はガラクソリドを含むことを特徴とする徐放性賦香剤。
【請求項4】
請求項1に記載した徐放性賦香剤の製造方法において、
香料組成物と親水性乳化剤を混合した後に、セルロースナノファイバーの水分散液と必要に応じて水を加えて混合することを特徴とする製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載した徐放性賦香剤の使用方法において、
吹き付け塗装により、徐放性賦香剤を紙製品の表面に塗布した後乾燥させることを特徴とする使用方法。
【請求項6】
請求項5に記載した徐放性賦香剤の使用方法により、徐放性賦香剤で覆われた紙芯を備えたトイレットペーパーロール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙製品に香りを賦与する徐放性賦香剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トイレットペーパーロール、祝儀袋等の紙製品では、競業他社の商品との差別化を図るために、使用する状況に応じて適切な香りが賦与されることがある。
しかしながら、香りは段々と抜けていくので、比較的長期間にわたって保管されるトイレットペーパーロールでは、トイレのホルダーにセットして実際に使用を開始しようとしたときには、香りが僅かに残っているか抜け切っている場合も少なくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに対して、特許文献1では、香料を樹脂カプセルで内包化することが提案されているが、そのための特別な設備が必要となり、トイレットペーパーロールのような廉価で販売される紙製品に適用するのはコスト的に見合わない。
【0005】
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、本発明者らは、セルロースナノファイバー(CNF)に着目し、このセルロースナノファイバーが形成する細かい網目に香料を構成する匂い成分が留置されること、更に、親水性乳化剤を併用することで匂い成分が長期間にわたって安定的に留置される状況が作り出されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、香料を油性溶剤中に溶解させた香料組成物と、セルロースナノファイバーと、親水性乳化剤とを含み、残部が水及び必要に応じて配合される助剤とからなり、エマルジョン剤形の、紙製品用の徐放性賦香剤である。
好ましくは、セルロースナノファイバーの平均繊維長は55±20μm、平均繊維幅は50±20nmである。
好ましくは、香料組成物の香料はガラクソリドを含む。
【0007】
本発明の徐放性賦香剤の製造方法は、好ましくは、香料組成物と親水性乳化剤を混合した後に、セルロースナノファイバーの水分散液と必要に応じて水を加えて混合する。
【0008】
本発明の徐放性賦香剤の使用方法は、好ましくは、吹き付け塗装により、徐放性賦香剤を紙製品の表面に塗布した後乾燥させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の徐放性賦香剤によれば、吹き付け塗装により紙製品の表面に施すだけで、紙製品に香りを賦与することができる。
芯有りトイレットペーパーロールの製造工程で、紙芯の成形後にその紙芯に本発明の徐放性賦香剤を塗布する工程を加えるだけで済むので、専用の複雑でコストの掛かる設備を必要とせずに、従来の製造設備をそのまま引き続き利用しながら、長期間にわたって香りが持続するトイレットペーパーロールとして製品化できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明で用いるセルロースナノファイバーのフィブリル化を示す比較図である。
【
図2】本発明の徐放性賦香剤による賦香のメカニズムのイメージ図である。
【
図3】実施例で実施した乳化検証(1)で検証した乳化安定性の比較図である。
【
図4】実施例で実施した乳化検証(2)で検証した乳化安定性の比較図である。
【
図5】実施例で実施した乳化検証(3)で検証した乳化安定性の比較図である。
【
図6】実施例で実施した官能評価の比較グラフである。
【
図7】実施例で実施したGC/MC評価の比較グラフである。
【
図8】実施例で実施した製品サンプルの官能評価の比較グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の徐放性賦香剤について、組成と、製造方法と、使用方法に分けて説明する。
【0012】
<徐放性賦香剤の組成>
[香料組成物]
香料には天然香料類、合成香料類があるがいずれも使用できる。但し、天然香料類には、水溶性香料と油溶性香料があり、前者は香料を含水アルコールで抽出または溶解したものであり、揮発性が高く香りが元々抜け易いことから、本発明の紙製品に適用する用途では、後者の天然の精油または油で溶解したものの利用が想定されている。また、香料には、油溶性香料を乳化し、水に分散させた乳化香料もあるが、本発明ではこの利用も想定されている。
【0013】
なお、使い捨ての紙製品に賦香させる用途に用いるので、人の口に入るもの以外も利用可能になっており、コスト面からは寧ろその方の利用が積極的に推奨される。紙製品は殆ど無香なので、所謂着香が目的になっており、その目的に合わせて香料が選択される。
香料を油性溶剤中に溶解させた香料組成物は、香料として既に種々のものが販売されており、それからコスト面や商品イメージに合う香りの種類を考慮しながら購入して、本発明の「香料を油性溶剤中に溶解させた香料組成物」として利用することが可能になっている。
【0014】
トイレ用芳香剤の香りとして、代表的なものに、「エレガントブーケ」、「ジャスミン」があり、これらについては、以下の実施例で本発明の「徐放性賦香剤」として有用であることは確認されている。但し、「エレガントブーケ」、「ジャスミン」は、香りで分類したものであり、それを構成する匂い成分の組成は一義的に決まっているわけではなく、メーカー毎に違いは多少なりともある。
香料を構成する匂い成分のうち、ガラクソリドは、実験の結果、留置され易く、香りの持続性に良い影響をもたらす可能性があることが推測されており、このガラクソリドを含む香料を使用することが推奨される。
【0015】
[セルロースナノファイバー(CNF)]
セルロースナノファイバー(以下、「CNF」と記載)は、セルロース系原料を解繊することにより得られるセルロースのシングルミクロフィブリルであり、匂い成分の留置用に、好ましくは、平均繊維長は55±20μm、平均繊維幅は50±20nmである。なお、CNFの平均繊維長は粒度分布径測定を用いて測定することによって得られたものであり、平均繊維幅は原子間力顕微鏡(AFM、視野:10μm)を用いて各繊維を観察した結果から得られたものである。
実験として、粗解繊(クリアランス:500μm)→微解繊(クリアランス:150μm、3~5pass)を実施して、フィブリル化したものと、市販CNFを測定したところ、以下の表1の通りであった。また、フィブリル化の進展は、
図1の写真に示す通りであった。
【0016】
【0017】
CNFは、徐放性賦香剤の製造段階では、水分散液の形態で利用される。最終的なCNF濃度は加水により調整可能であり、徐放性賦香剤としての有意的な特性の発現だけでなく、香料組成物と混合する際の混合し易さや紙製品に施す際の処理し易さ、例えば、吹き付け塗装する場合には吹き付けに適した粘度を考慮して適宜調整されることになる。
【0018】
[親水性乳化剤]
香料組成物は油相で、CNFは水相であり、これらのエマルジョン化を助けるために、親水性乳化剤(界面活性剤)が併用される。
親水性乳化剤は多種多様なものが市販されており、その中から油相を構成する香料組成物と相性の良いものが適宜選択されて使用される。
親水性乳化剤にはPEG-30水添ヒマシ油がある。このPEG-30水添ヒマシ油は水添ヒマシ油のポリエチレングリコールエーテルで、酸化エチレンの平均付加モル数は30であり、上記した「エレガントブーケ」、「ジャスミン」については相性が良いことは、実験的に確認されている。
なお、必要に応じて本来求められる徐放性賦香剤としての特性を損なわない範囲において、助剤を添加することも許容されている。
【0019】
[配合]
親水性乳化剤を水相側に分類して、好ましくは、油相(香料組成物+必要により助剤):水相(CNF分散液+親水性乳化剤+必要により加水)=30~70wt%:70~30wt%である。
CNF濃度の好ましい範囲は、香料を構成する匂い成分の留置し易さだけでなく、紙製品に施す工程での作業のし易さも重要な判断基準になっている。例えば、スプレーガンを用いてスプレー塗装する場合には、吹き付け可能なように粘度をある程度まで下げる必要がある。市販の香料を用いた場合には、好ましい範囲は0.3~0.5wt%程度になっている。
また、親水性乳化剤の好ましい範囲は、3~5wt%程度になっている。
【0020】
<徐放性賦香剤の製造方法>
エマルジョン剤形にする。
好ましくは、香料組成物と親水性乳化剤を合わせて撹拌して均一に混合した後に、CNF分散液を加えて更に撹拌して乳化させて、エマルジョン剤形にする。撹拌はホモジナイザーで実施する。
全てを合わせて一気に乳化させると、香料の種類によっては乳化が安定しない場合もあるが、先に、香料組成物と親水性乳化剤を混合することで、香料の種類を問わずに乳化を安定化できる。
【0021】
<徐放性賦香剤の使用方法>
紙製品の表面にスプレーガンを用いた吹き付け塗装により、エマルジョン剤形になった徐放性賦香剤を塗布し、室温下で乾燥させる。
トイレットペーパーロールに香りを付けたい場合には、製品の規格の小巻ログ用の紙芯に徐放性賦香剤を施して乾燥した後に、抄紙機で製造したジャンボロールからこの紙芯にペーパーを巻き直すことになる。
【0022】
次に、紙製品の表面に施された徐放性賦香剤による賦香のメカニズムを説明する。
図2のイメージ図に示すように、本発明品の(CNF香料)では、香料を構成する匂い分子(=匂い成分)の周囲を親水性乳化剤が囲んで、更にCNFが網のように被さってCNFネットワークが形成される。
CNFネットワークは匂い分子だけでなく、周囲の親水性乳化剤にも付着しており、複数の箇所で止着されることで網目が歪んで局所的に狭い箇所ができた状態になっている。そのため、匂い分子はこのCNFネットワークの歪んだ網目を抜け出して飛び出すことは容易ではなくなる。すなわち、匂い分子はCNFネットワークに恰も留置されたかのような状態になる。従って、徐放効果は高い。
【0023】
一方、<Blank>の、匂い分子が紙製品の表面に塗布され乾燥されただけの状態では、匂い分子は容易に飛び立つことができるので、匂い分子は時間が経つほど、表面から飛び出し周囲に放散される。従って、徐放効果はない。
また、(香料→CNF)の、匂い分子を塗布し後にCNFネットワークを被せて付着した場合では、匂い分子はCNFネットワークから抜け出し易いので、CNFネットワークによる留置効果は不十分である。従って、徐放効果は低い。
【実施例0024】
<乳化検証(1)(親水性乳化剤無し)>
計量([全量]5,000g(CNF濃度:0.75wt%)、[組成]香料組成物:50wt%、CNF分散液(CNF濃度:1.5wt%):50wt%)を行い、ホモジナイザーで5分間撹拌して乳化させた後に、室温に3日間静置させて、肉眼観察でエマルジョン剤形の分離状況を、○:安定、△:若干分離、×:分離で評価した。なお、CNFは
図1に示した3passと5passを用いた。
この結果を、
図3に写真と共に示す。点線で囲んだ範囲は分離が見られた箇所である。
CNFのフィブリル化が進めば幾分かは乳化の安定期間が延びるが、フィブリル化だけでは実用化に耐え得る程までは延びないことが確認されている。
【0025】
<乳化検証(2)(親水性乳化剤添加)>
計量([全量]5,000g、[組成]香料組成物:50wt%、CNF分散液+親水性乳化剤:50wt%、更に詳細は以下の表2に示す通り)を行い、ホモジナイザーで5分間撹拌して乳化させた後に、40℃環境下で5日間静置(室温換算:約1か月)させて、乳化検証(1)と同様に評価した。
【0026】
【0027】
この結果を、
図4に写真と共に示す。
CNF濃度を0.5wt%程度、親水性乳化剤を4wt%程度配合することで、すなわち、CNF濃度と親水性乳化剤の濃度を適度に調整することで乳化の安定期間が延びるが、香料の種類によっては、実用化に耐え得るまでは更に改善の余地があることが確認されている。
【0028】
<乳化検証(3)(親水性乳化剤添加+撹拌条件変更)>
乳化検証(2)の<ジャスミン>サンプル4を今回はサンプル1とし、更に、撹拌条件を、香料組成物と親水性乳化剤を合わせてホモジナイザーで5分間撹拌し、更に、CNF分散液を合わせてホモジナイザーで5分間撹拌して乳化させたものに変更したものを、サンプル2にして、乳化検証(1)と同様に検証した。
【0029】
この結果を、
図5に写真と共に示す。
この工夫された撹拌条件を採用することで、親水性乳化剤が上手く働いて香料の違いを考慮せずとも、乳化の安定期間が一律に実用的な程度まで延びることが確認されている。
【0030】
<官能評価>
トイレットペーパーロールの紙芯原紙を適当なサイズにカットし、この上に、以下の表3に示すサンプルをピペットで塗布して添加した後、45℃環境下に1週間・4週間(室温換算:1週間→約9か月、4週間→約36か月)静置し、香りの強さを比較・評価した。
評価は、6段階臭気強度表示法(0:無臭、1:やっと感知できるニオイ、2:何のニオイかわかる弱いニオイ、3:楽に感知できるニオイ、4:強いニオイ、5:猛烈なニオイ)によった。
【0031】
【0032】
表3中、<エレガントブーケ>サンプル2、4は、乳化検証(2)に係る表2のサンプル2、4に相当し、サンプル3は表2のサンプル2、4とCNF濃度だけを違えたものである。サンプル1は香料組成物だけで構成されたものであり、サンプル5は香料組成物を添加した後に、CNF分散液を添加したものである。<ジャスミン>サンプルについては、<エレガントブーケ>のサンプルと同様に作製されている。
【0033】
この結果を、
図6に示す。
CNFと親水性乳化剤との協働作用により、
図2のイメージ図に示すようなメカニズムが実現されて、実際に徐放効果が出ていると推測される。
【0034】
<GC/MS評価>
表3の<エレンガントブーケ>サンプル1、4、5で添加量だけをそれぞれ5μL、10μL、10μLにして、45℃環境下に1時間・5時間・4週間(室温換算:4週間→約36か月)静置し、GC/MSで定量分析した。
対象の匂い成分は、測定の前に匂いを嗅ぎ、特に強く感じた以下の3種類にした。
・リナロール (RT:10.9min):フローラル調
・クマリン (RT:16.2min):フローラル調
・ガラクソリド(RT:21.1min):甘い香り
評価として、1→5時間の匂い成分の増減の比較と、4週間経過時における匂い成分の面積値の比較をした。
【0035】
この結果を、
図7に示す。
CNFと親水性乳化剤との協働作用により、匂い成分の放散量、すなわち揮発量が減少したことが確認されている。
また、CNFと親水性乳化剤との協働作用により、面積値が総じて、特にガラクソリドのCNF0.5は有意的に面積値が高くなっていることが確認されている。これから、ガラクソリドにはCNFによる留置効果が良く効いていると推測される。
【0036】
<トイレットペーパーロールとして製品化>
表3の<エレガントブーケ>サンプル4に相当するCNF香料を紙芯に施した。また、比較用に、CNF無しの<Blank>も用意した。
この紙芯からトイレットパーパーロールを実際の製造設備を用いて製造した。
このトイレットパーパーロールを、上記と同様に、<官能評価>した。但し、
45℃環境下に1日・1週間・2週間静置した。
【0037】
この結果を、
図8に示す。
2週間経過後から、表3の<エレガントブーケ>サンプル4に相当するCNF香料では徐放効果が有意的に出てきており、この結果から、製品として好ましい品質になっていることが確認されている。
【0038】
以上、本発明の実施の形態と実施例について詳述してきたが、本発明の範囲はこれらに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。