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特開2024-57318部品収集支援システム、そのプログラム及び入出庫作業制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057318
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】部品収集支援システム、そのプログラム及び入出庫作業制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20240417BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
B65G1/137 G
B65G1/00 501C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163966
(22)【出願日】2022-10-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 展示日 令和3年10月13日 展示会名 国際物流総合展2021 場所 東京ビックサイト 他添付証明書参照ください。
(71)【出願人】
【識別番号】506396951
【氏名又は名称】株式会社メカニカル技研
(74)【代理人】
【識別番号】100199668
【弁理士】
【氏名又は名称】林 郁夫
(72)【発明者】
【氏名】宮本 威信
(72)【発明者】
【氏名】中島 智
【テーマコード(参考)】
3F022
3F522
【Fターム(参考)】
3F022BB01
3F022FF01
3F022LL02
3F022MM62
3F022PP03
3F022QQ06
3F522AA02
3F522AA03
3F522BB01
3F522BB33
3F522CC01
3F522CC08
3F522FF05
3F522FF25
3F522FF28
3F522GG16
3F522GG17
3F522GG18
3F522HH02
3F522HH12
3F522HH13
3F522HH30
3F522JJ02
3F522KK04
3F522LL58
(57)【要約】
【課題】部品収集作業で変位する在庫部品の質量を検出し、収集すべき部品の個数表示を都度更新する表示装置を有することで、作業者自身が収集する部品の収集個数を都度数える必要がなく、同一種類の部品を多数個収集する作業に適し、更に入出庫作業も容易に行える部品収集支援システム、その制御プログラムを提供する。
【解決手段】部品収集作業を管理する部品収集管理装置PC100と、部品を収納する収納棚200と、部品の質量を検出する質量検出装置50と、収集すべき部品を特定するための情報として部品番号や収集作業に使用する収集台車300の番号の表示と、収集すべき部品の収集個数を表示する表示装置60とを備え、部品収集作業者が部品収集作業を行うことで質量が変化する毎に、質量検出装置50で検出した数値を基にして、収集すべき部品の個数表示が更新されるもしくは異常を告知する部品収集作業支援システムの制御プログラム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品収集作業を管理する部品収集管理装置と、部品を収納する収納棚と、部品の質量を検出する質量検出装置と、収集すべき部品を特定するための情報と収集すべき部品の個数を表示する表示装置とを備え、部品収集作業者が収集作業を行うことで質量が変化する毎に前記質量検出装置で検出した数値を基にし、収集すべき部品の個数表示が更新される部品収集作業支援システムであって、部品収集作業者が収集作業を行うことで質量が変化する前記質量検出装置で検出した数値と、予め登録した部品の情報とを比較し、予め設定した範囲を超えた差異が発生した場合には異常が発生している表示を実行させるためのプログラム。
【請求項2】
部品収集作業を管理する部品収集管理装置と、部品を収納する収納棚と、収集すべき部品を特定するための情報と収集すべき部品の個数を表示する表示装置と、前記部品を載置して運搬可能な部品収集台車とを備え、前記部品収集台車は部品を収納する収集トレーと、部品の質量を検出する質量検出装置とを備え、部品収集作業者が収集作業を行うことで質量が変化する毎に前記質量検出装置で検出した数値を基にし、収集すべき部品の個数表示が更新される部品収集作業支援システムであって、部品収集作業者が収集作業を行うことで質量が変化する前記質量検出装置で検出した数値と、予め登録した部品を特定するための情報とを比較し、予め設定した範囲を超えた差異が発生した場合には異常が発生している表示を実行させるためのプログラム。
【請求項3】
部品収集作業を管理する部品収集管理装置と、部品を収納する収納棚と、部品の質量を検出する質量検出装置と、収集すべき部品を特定するための情報と収集すべき部品の個数を表示する表示装置とを備え、部品収集作業者が収集作業を行うことで質量が変化する毎に前記質量検出装置で検出した数値を基にし、収集すべき部品の個数表示が更新される部品収集作業支援システムにおいて、部品の入出庫作業者が前記質量検出装置に入出庫する部品を載せて検出した質量と、予め登録した部品を特定するための情報とを比較することで入出庫数を算出すると共に、前記表示装置に入出庫数を表示し、前記入出庫した部品の在庫数を更新し前記部品収集管理装置に更新された在庫数を送信することを実行させる入出庫作業制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品収集支援システム及びそのプログラムに関し、特に、同一種類の部品を多数個収集する作業に適した部品収集支援システム及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品収集作業は、管理装置などから出力される部品収集リストに基づいて、部品倉庫内や生産ライン付近に設置された、部品棚に蓄積されている様々な部品から、部品収集作業者が必要な部品を収集し部品収集リストにチェックを入れ、次の部品を収集するといった作業を繰り返し、その部品を収集し運搬する作業が行われていた。
【0003】
しかし、従来技術では、この部品収集作業が正しく行われたかどうかの確認は、部品収集作業者の判定に託すことになり、部品収集作業者の能力によりその部品収集作業の正確性が左右される問題があった。
【0004】
このような問題に対して、特許文献1には物品収集台車に設けられた質量検出装置と、収集管理装置と、収集完了ボタンとを備え、部品収集作業者が作業終了時に収集完了ボタン押下時の質量検出装置の検出値と、収集管理装置が発する収集指示質量とを比較して収集作業の正否を判定することができる発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-286508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、収集作業時に収集する部品個数を作業者が数えて収集する必要があり、同一種類の部品を多数個収集する作業には不向きである問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その具体的目的は、部品収集作業で変位する部品の質量を都度検出し、検出した質量データを部品個数に換算して収集すべき部品の収集個数の表示を都度更新する表示装置を有することで、作業者自身が収集する部品の収集個数を都度数える必要がなく、同一種類の部品を多数個収集する作業に適し、更に入出庫作業も容易に行える部品収集支援システム、その制御プログラム及び入出庫作業制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために案出されたものである。詳述するならば、部品収集作業を管理する部品収集管理装置と、部品を収納する収納棚と、部品の質量を検出する質量検出装置と、収集すべき部品を特定するための情報としての部品番号や、収集すべき部品の個数を表示する表示装置とを備え、部品収集作業者が収集作業を行うことで質量が変化する毎に前記質量検出装置で検出した数値を基にし、収集すべき部品の個数表示が更新される部品収集作業支援システムであって、部品収集作業者が収集作業を行うことで質量が変化する前記質量検出装置で検出した数値と、予め登録した部品の情報である単位質量と比較し、その差異が予め設定した適正誤差範囲を超えた場合には、異常が発生している表示を実行するように構成されている。
【0009】
本発明の部品収集作業支援システムのプログラムは、部品収集作業者が部品収集作業を行う毎に収集した部品の質量変化を質量検出装置で検出し、事前に登録した当該部品の単位質量で個数換算し、収集すべき部品の個数表示を更新し、部品収集作業者が収集個数を都度数える必要がないだけではなく、当該部品のロットの違いによる質量のバラツキや、吸湿性を有する部品などの在庫環境特に湿度変化による質量の変化などの異常を判断して警告を表示することで、部品収集作業の精度が向上する。
【0010】
本発明には、部品収集作業を管理する部品収集管理装置と、部品を収納する収納棚と、収集すべき部品を特定するための情報と収集すべき部品の個数を表示する表示装置と、前記部品を載置して運搬可能な部品収集台車とを備え、前記部品収集台車は部品を収納する収集トレーと、部品の質量を検出する質量検出装置とを備え、部品収集作業者が収集作業を行うことで質量が変化する毎に前記質量検出装置で検出した数値を基にし、収集すべき部品の個数表示が更新される部品収集作業支援システムであって、部品収集作業者が収集作業を行うことで質量が変化する前記質量検出装置で検出した数値と、予め登録した部品を特定するための情報である単位質量と比較し、その差異が予め設定した適正誤差範囲を超えた場合には、異常が発生している表示を実行するように構成されている。
【0011】
本発明の部品収集作業支援システムのプログラムは、部品収集作業者が部品収集作業を行う毎に収集した部品の質量変化を質量検出装置で検出し、事前に登録した当該部品の単位質量で個数換算し、収集すべき部品の個数表示を更新し、部品収集作業者が収集個数を都度数える必要がないだけではなく、予め登録した部品を特定するための情報である単位質量と比較し、その差異が予め設定した適正誤差範囲を超えた場合には、部品収集作業を行っている部品を間違えているなどの異常と判断して警告を表示することで、部品収集作業の精度が向上する効果がある。
【0012】
本発明には、部品収集作業を管理する部品収集管理装置と、部品を収納する収納棚と、部品の質量を検出する質量検出装置と、収集すべき部品を特定するための情報と収集すべき部品の個数を表示する表示装置とを備え、部品収集作業者が収集作業を行うことで質量が変化する毎に前記質量検出装置で検出した数値を基にし、収集すべき部品の個数表示が更新される部品収集作業支援システムにおいて、部品入出庫作業者が前記質量検出装置に入出庫する部品を載せて検出した質量と、予め登録した部品を特定するための情報である単位質量と比較し、入出庫数を自動で算出すると共に前記表示装置に入出庫数を表示し、当該表示を部品入出庫作業者が目視した後に前記表示装置のスイッチを操作することで、前記入出庫した部品の在庫数を更新し、前記部品収集管理装置に更新された在庫数を送信する構成が含まれる。
【0013】
本発明の入出庫作業制御プログラムは、部品収集管理装置である所謂パーソナルコンピューターの操作や入出庫リストなどは必要とせず、入出庫作業者は部品の数を数える必要も無く、入出庫する部品を質量検出装置で検出し、表示装置のスイッチを操作するだけで在庫数を更新することができる。
【0014】
また、本発明のプログラムは、前述のような設定条件による自動的または任意操作で取得された収集した部品の質量データを個数換算して、管理するためのプログラムであって、本発明の部品収集作業支援システムの処理を、部品収集管理装置を含む部品収集作業支援システムを使用して容易に実現することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、部品収集作業で変位する部品の質量を検出し、収集すべき部品の個数表示を常に更新する表示装置を有することで、部品収集作業者自身が都度収集部品の収集個数を数える必要がなく、同一種類の部品を多数個収集する作業に特に適した効果が得られると共に、予め登録した部品の情報と比較して異常と判断した場合は警告を表示することで部品収集作業の精度が向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係る部品収集作業支援システムの構成を示す概略図である。
図2】本実施形態に係る収納棚の一例を示す斜視図である。
図3】本実施形態に係る部品収集台車の一例を示す平面図(a)及び、側面図(b)である。
図4】本実施形態に係る表示装置の一例を示す正面図である。
図5】本実施形態に係る部品収集作業支援システムの機能ブロック図である。
図6】部品マスターの編集画面を示す図である。
図7】収集リストの一覧画面を示す図である。
図8】在庫管理の一覧画面を示す図である。
図9】部品マスターを登録する操作の流れを示すフローチャートである。
図10】部品収集作業の流れを示すフローチャートである。
図11】部品入出庫作業の流れを示すフローチャートである。
図12】検出した質量と登録内容との比較内容を説明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る部品収集作業支援システムの構成例を示す概略図である。
【0018】
本実施形態における部品収集作業支援システムは、部品収集管理装置PC100と複数の収納棚200と無線ルーター400とが有線通信、例えば、有線LANケーブルを用いたEthernet(登録商標)に準拠する有線ネットワークで構成されている。さらに、部品収集台車300が無線ルーター400を経由して、無線通信で接続されている。無線通信で接続する規格としてたとえば、Wi-Fi(登録商標)、LTE/5G、LTE Cat.M1、NB-IoT(Narrow Band Internet of Things)などが利用される。
【0019】
部品収集管理装置PC100は、パーソナルコンピューター(PC)などのコンピューター装置であり、入力装置、表示装置、制御部、記憶部、通信インタフェース(通信I/F)などで構成される。入力装置は、ハードキーのキーボードやソフトウェアキーのタッチパネルなどで構成し、表示装置は、液晶表示装置LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)表示装置などで構成される。制御部は、中央処理装置、いわゆるCPU(Central Processing Unit)で構成され、記憶部は、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)などを含んで構成される。
【0020】
図2及び図5に示されるように、収納棚200は、各間口に引き出し可能に配設され質量検出装置50を内設した引出し部201と、引出し部201の前面に付設された表示装置60と、引出し部201の上部に載置され部品が収納される収納容器202と、通信インタフェース(ユニット)とで構成されている。
【0021】
表示装置60は、収集する部品の部品番号、収集に利用する台車番号、収集する部品の個数などを表示する表示部61と、入力モードの選択や数量入力に使用する選択スイッチ63と、各種データを部品収集管理装置PC100と共有することや数量入力に使用する決定スイッチ64と、制御部と、記憶部と、通信ドライバーとで構成され、通信インタフェース(ユニット)に有線LANケーブルを用いたEthernet(登録商標)規格で接続されている。また、制御部は、中央処理装置、いわゆるCPU(Central Processing Unit)で構成され、表示部61は液晶表示装置LCD(Liquid Crystal Display)で構成され、記憶部はRAM(Random Access Memory)などで構成される。
【0022】
質量検出装置50は、質量センサ51と収納容器202を載置する質量センサ用板52と、アナログデジタル変換器とで構成されている。本実施形態の質量センサ51は、例えばロードセルを使用し、部品収集作業による質量変化を感知した質量センサ51からの微弱なアナログ電圧値を増幅し、アナログデジタル変換器でデジタル値に変換する。その値をシリアル通信で、質量の検出データとして表示装置へ送信する。
【0023】
また、図2に示されるように、収納棚200は、全体形状を直方体に組立てられた本体フレーム203と、各段の棚を構成する棚フレーム204と、各間口を構成する引出し部201とで構成されている。また、引出し部201は、棚フレーム204に配設された引出しレール(図示せず)と、引出しレールに当接し滑動する滑動ベアリング(図示せず)又は樹脂若しくは金属製の活動プレート(図示せず)を有し、手前に延出し部品収集作業が可能な構成に形成されている。
【0024】
図3及び図5に示されるように、部品収集台車300は、各機器を積載する台車本体301と、収集した部品を収納する複数の収集トレー302と、収集トレー302を載置して収集した部品の質量変化を検出する質量検出装置50と、特に質量が小さい例えば2g以下の質量を検出する際に使用する微小質量用質量検出装置70と、微小質量の部品を収納する微小収納トレー303と、収集する部品の収集個数などを表示する表示装置60と、無線通信で本システムに接続される携帯情報端末80と、これらの機器に電源を供給するポータブル電源90とで構成されている。
【0025】
ここで、収納棚200に配設されているものと同じ仕様の質量検出装置50と、表示装置60については説明を省略する。携帯情報端末80は、所謂タブレット型などの端末であってもよく、無線LAN機能および短距離無線通信機能を備え、さらに、通信I/F、入力装置、表示装置、制御部、記憶部などで構成され、無線ルーター400を経由して部品収集管理装置PC100と接続される。ポータブル電源90は、所謂バッテリーやリチュウムイオン電池などの二次電池を使用すれば良い。微小質量用質量検出装置70は、質量センサ71と、収集する部品を載置する質量センサ用板72と、アナログデジタル変換器とで構成されている。本実施形態の質量センサ71は、例えばロードセルの定格出力が、前述した微小質量の部品を検出する所用値の製品を選択使用した。また、携帯情報端末80と、質量検出装置50と、微小質量用質量検出装置70と、表示装置60とはシリアル通信で接続されている。
【0026】
図9は、図1に示した部品収集作業支援システムを使用開始するためにまず設定する部品マスター登録の流れを示すフローチャートであり、以下にそのフローチャートに沿った操作内容を説明する。
【0027】
本実施形態の部品収集作業支援システムでは、部品収集管理装置PC100と表示装置60とを操作して部品マスター登録を行う。まず、部品収集管理装置PC100で図6に示す部品マスターの編集画面を呼び出し、部品名、型式、メーカー名、コード、間口番号、適正誤差などを部品収集管理装置PC100で入力する(ステップSYS001)。
【0028】
次に、当該部品を収納する間口の表示装置60を操作する。先ず、選択スイッチ63を押下してモードを切り替え、さらに選択スイッチ63と決定スイッチ64を押下して間口番号を表示装置60の記憶部に登録する(ステップSYS002)。次は部品質量を登録する。選択スイッチ63を押下してモードを切り替え、部品登録(数量校正)モードに移行する(ステップSYS003)。
【0029】
当該部品を収納する間口の質量検出装置50に、部品を収納していない状態の収納容器202を載置した状態で、決定スイッチ64を押下してゼロ点として表示装置60の記憶部に登録する(ステップSYS004)。
【0030】
収納容器202に収納する部品を投入し、投入した部品数量を、選択スイッチ63と決定スイッチ64を押下して表示装置60の記憶部に登録し、決定スイッチ64を押下すると投入した部品の質量を自動で測定して表示装置60の記憶部に登録する(ステップSYS005)。
【0031】
さらに、風袋質量を登録する場合は、収納容器202を一度空の状態に戻し、ステップSYS004に戻り、選択スイッチ63を押下して、風袋登録モードに切替えます(ステップSYS004)。次に、風袋部品を投入し、選択スイッチ63と決定スイッチ64を押下して表示装置60の記憶部に登録し、決定スイッチ64を押下すると、投入した部品の質量を自動で測定して表示装置60の記憶部に登録する(ステップSYS005)。
【0032】
最後に、上述した表示装置60の記憶部に登録した部品マスターのデータを、決定スイッチ64を押下することで、部品収集管理装置PC100と通信開始をして共有する(ステップSYS006)。
【0033】
尚、本実施形態では各間口に質量検出装置50を設置しているため上述した手順で登録したが、各間口に質量検出装置50を設置しない実施形態では、部品収集台車300に配設された質量検出装置50と、表示装置60とを使用して上述した部品マスター登録作業をすることも出来る。また、収納する部品の部品質量、風袋質量、部品在庫数などが事前に判明している時は、部品収集管理装置PC100の部品マスターの編集画面(図6)に直接入力することもできる。
【0034】
次に図10に示す、部品収集作業者が行う部品収集作業の流れをフローチャートに沿って説明する。
【0035】
本実施形態の部品収集作業支援システムでは、部品収集管理装置PC100と携帯情報端末80と表示装置60などを操作して部品収集作業を行います。
まず部品収集管理装置PC100で図7に示す収集する部品の収集リストの一覧画面を呼び出します(ステップDSC001)。この時、部品収集作業に部品収集台車300を使用する場合はその台車番号を入力する。
【0036】
次に、収集する部品項目を部品収集管理装置PC100若しくは携帯情報端末80の画面に表示された収集リストで選択する(ステップDSC002)。この時、部品収集作業者が画面上で収集する部品項目を選択しない場合は、自動で収集する部品項目が指定される。
【0037】
部品収集管理PC100若しくは携帯情報端末80から、選択された部品が収納された間口の表示装置60に収集する部品の収集個数と台車番号などのデータを送信し表示装置60が点灯して(ステップDSC003)、収集個数と台車番号などを表示する(ステップDSC004)。
【0038】
この時、部品収集台車300に積載された表示装置60にも、収集する部品の部品番号、収集個数と当該部品の質量などのデータが送信され、表示装置60に部品の収集個数と部品番号などが表示される。
【0039】
間口の表示装置60が点灯すると、部品収集作業者は当該間口の表示装置60で部品の確認若しくは台車番号を確認した後に、引出し部201を手前に引出して収納容器202から部品を取り出す(ステップDSC005)。ここで、表示装置60に台車番号を表示することで、複数の部品収集台車300を使用して、複数の部品収集作業を同時進行することが可能となる。
【0040】
この時、部品収集作業者は部品の収集個数を都度数える必要が無く、おおよその目安で部品を収集すれば良いことになる。具体的には、例えば、収集リストに表示された収集個数が30個の場合、部品収集作業者はおおよその目安で収納容器202から部品を取り出す。
【0041】
次に、その収集作業で、間口に設置された質量検出装置50が質量の変化を検出する。質量検出装置50が検出した、質量の変化データが表示装置60に送られ、表示装置60はその部品の登録されたマスターデータで質量データを個数に換算すると同時に、その質量の変化が適正誤差内か否かを判断する(ステップDSC006)。
【0042】
この時、表示装置60が質量の変化が適正誤差内か否かを判断する方法としては、図12に示すグラフのように、その部品の登録されたマスターデータの部品質量と部品数量から求められる基準点を示す直線と、収集作業で検出される質量の変化データを示す直線、例えばA点は検出された質量変化をマスターデータに登録された部品質量で算出すると8個と余りa、B点は同じく9個と余りb、C点は同じく10個と余りcとなり、余りの部分が基準点との差異となる。その差異が予め登録された適正誤差内か否かを自動で算出して判断する(請求項1に記載の発明)。
【0043】
ここで、収集作業で検出される質量の変化データが適正誤差内ではなかった場合は、表示装置60を点滅させると共に、部品収集管理PC100の画面上に当該部品のロットの違いによる質量のバラツキや、吸湿性を有する部品などの在庫環境特に湿度変化による質量の変化などのエラー(異常)を表示する(ステップDSC007)。
【0044】
エラー(異常)の表示を確認した部品収集作業者は、その警告内容を確認し、部品収集管理PC100の部品マスターの編集画面(図6)に直接入力するなどしてエラー(異常)の状態を解除するか、エラー(異常)状態を解除しその後も登録されている部品質量で継続するか、若しくは作業を中止する(ステップDSC008)。
【0045】
エラー(異常)の状態を解除された若しくは、質量の変化データが適正誤差内であった場合は、C点の時点で27個収集していることから、表示装置60に表示された収集個数を30個から27個減算した3個と表示を更新して表示する。部品収集作業者は、次の収集作業で、3個数の部品を取り出し、表示装置60の個数表示が0になる。因みに、部品収集作業者が収集リストに表示された収集個数を超えて部品を取り出した場合は、表示装置60の表示はマイナス表示となり、部品収集作業者は超えた個数を収納容器202に戻すことで0表示とする(ステップDSC009)。
【0046】
作業者は、表示装置60の0表示を確認し当該部品の収集完了を認識し、決定スイッチ64を押下する(ステップDSC010)。表示装置60は、当該部品の収集個数を部品収集管理装置PC100に送信し、部品収集管理装置PC100は当該部品の在庫数を更新する(ステップDSC011)。
【0047】
部品収集管理装置PC100は、収集リストに未収集の部品項目があるか確認し、未収集の部品項目がある場合は、その部品項目を自動指定する。尚、複数の未収集の部品項目がある場合は、部品収集作業者は、部品収集管理装置PC100若しくは携帯情報端末80の画面に表示された収集リストで任意の部品項目を選択することも可能(ステップDSC012)。ここで、未収集の部品項目がある場合は、ステップDSC002に戻り、部品収集作業を続け未収集の部品項目が無くなった場合は、収集作業が終了します。
【0048】
尚、本実施形態では各間口に質量検出装置50を設置しているため、上述した手順で部品収集作業をしましたが、確認のため記述すると、上述した手順は各間口に質量検出装置50を設置して、部品収集台車300に質量検出装置50を積載しない実施形態でも同様の手順で部品収集作業ができる。一方、各間口に表示装置60のみ設置して質量検出装置50を設置しない実施形態では、部品収集台車300に積載された質量検出装置50と、表示装置60とを使用して上述した部品収集作業をすることが出来ます。
【0049】
具体的には、ステップDSC004までは上述した手順と同様であり、部品収集作業者が収納容器202から部品を取り出し、部品収集台車300の質量検出装置50上に積載された収集トレー302に投入する(ステップDSC005)。
【0050】
部品収集台車300に積載された質量検出装置50が質量の変化を検出する。質量検出装置50が検出した、質量の変化データが部品収集台車300に積載された表示装置60に送られる。表示装置60は、部品収集管理装置PC100から送信された部品マスターデータを基に質量の変化データを個数に換算すると同時に、その質量の変化が部品収集管理装置PC100から送信された適正誤差内か否かを判断する(ステップDSC006請求項2に記載の発明)。
【0051】
その質量の変化が適正誤差内ではなかった場合は、部品収集台車300に積載された表示装置60を点滅させると共に、部品収集管理PC100の画面上と携帯情報端末80に収集すべき部品を間違えているなどエラー(異常)を表示する(ステップDSC007)。
【0052】
エラー(異常)表示を確認した部品収集作業者は、その警告内容を確認し、部品収集管理PC100の部品マスターの編集画面(図6)に直接入力するか携帯情報端末80で直接入力するなどして、エラー(異常)の状態を解除するか、若しくは作業を中止する(ステップDSC008)。
【0053】
エラー(異常)の状態を解除された若しくは、質量の変化データが適正誤差内であった場合は、同時に、収集個数のデータ更新情報は、携帯情報端末80を経由して各間口に設置された表示装置60に送信され表示が更新される(ステップDSC009)。ステップDSC010の決定スイッチ64押下は各間口に設置の物でも部品収集台車300に積載の物でも可能であり、ステップDSC011は上述した本実施形態と同様の流れとなる。
【0054】
次に、未収集の部品項目があった場合に、ステップDSC002に戻り、部品収集作業者は携帯情報端末80で部品項目を選択し、部品収集台車300に積載された質量検出装置50を使用する選択をします。その時点で収集トレー302には、その前に収集された部品が投入された状態であり、その状態の質量を0点と捉え、質量検出装置50は質量の変化データを検出し個数換算する。後のステップは上述した本実施形態と同様の流れとなる。
【0055】
さらに、部品収集台車300には、質量検出装置50と特に質量が小さい例えば2g以下の質量を検出する際に使用する微小質量用質量検出装置70とが積載されているので収集する部品によって携帯情報端末80で、質量検出装置50か微小質量用質量検出装置70を指定し選択使用することができます。
【0056】
次に図11に示す、部品入出庫作業の流れをフローチャートに沿って説明する。
【0057】
作業員は、入出庫する当該部品を収納する間口の表示装置60の選択スイッチ63を押下する(ステップNS001)。表示装置60に現在の在庫数を約1秒間表示する(ステップNS002)。その後、表示装置60の表示を0表示に変える(ステップNS003)。
【0058】
入庫作業の場合は、収納容器202に入庫する部品を投入し(ステップNS007)、
質量検出装置50で質量を検出し、予め登録した部品を特定するための情報である単位質量と比較し入庫数を自動で算出し(ステップNS008)、入庫数を表示装置60に表示し(ステップNS009)、当該表示を入庫作業者が目視した後に作業終了の場合は決定スイッチ64を押下し、入庫した部品の在庫数を更新し(ステップNS010)、部品収集管理PC100に更新された在庫数を送信する(ステップNS011)。
【0059】
出庫作業の場合は、収納容器202から出庫する部品を取出し(ステップNS004)、質量検出装置50で質量を検出し、予め登録した部品を特定するための情報である単位質量と比較し出庫数を自動で算出し(ステップNS005)、入庫数を表示装置60に表示し(ステップNS006)、当該表示を出庫作業者が目視した後に作業終了の場合は決定スイッチ64を押下し、出庫した部品の在庫数を更新し(ステップNS010)、部品収集管理PC100に更新された在庫数を送信する(ステップNS011)。
【0060】
本発明の部品収集作業支援システムでは、在庫部品の在庫数を登録及び出庫管理していることから、在庫数の管理データを保持している。さらに、各間口や部品収集台車に配設された質量検出装置と部品収集管理装置PC100の各種質量データなどを比較して差異がある場合は警告し作業者が確認し異常を解消し、その結果を在庫数の管理データに反映することで、より正確な在庫管理に使用することができる効果がある。
【0061】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、上記記載で開示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の実施の形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
したがって、本発明は、部品収集作業支援システムの実行方法のみならず、その方法を実行するためのコンピューター可読なプログラムや、そのプログラムが記録された記録媒体も提供することができるものである。
【0062】
また、上記実施形態では、収納棚や部品収集台車の数量を特に記載していない場面もあるが、当然複数の収納棚や部品収集台車を利用することもできる。さらに、上記実施形態では、入出庫作業時に使用する質量検出装置を特に限定していないように、入出庫する部品の各間口に配設された質量検出装置、もしくは部品収集台車に配設された質量検出装置のどちらを使用しても入出庫作業は可能である。
【符号の説明】
【0063】
50 質量検出装置
51,71 質量センサ
52,72 質量センサ用板
60 表示装置
61 表示部
63 選択スイッチ
64 決定スイッチ
70 微小質量用質量検出装置
80 携帯情報端末
90 ポータブル電源
100 部品収集管理装置PC
200 収納棚
201 引出し部
202 収納容器
203 本体フレーム
204 棚フレーム
300 部品収集台車
301 台車本体
302 収集トレー
303 微小収納トレー
400 無線ルーター
図1
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