(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057329
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 25/00 20060101AFI20240417BHJP
A47B 88/00 20170101ALI20240417BHJP
B65D 21/024 20060101ALN20240417BHJP
【FI】
F25D25/00 E
A47B88/00
F25D25/00 F
B65D21/024
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163992
(22)【出願日】2022-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】岩上 栄生
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 英彦
(72)【発明者】
【氏名】柴田 美香
【テーマコード(参考)】
3B160
3E006
【Fターム(参考)】
3B160AA11
3B160AB01
3B160AB41
3B160CA15
3B160CA22
3B160DA22
3B160DA26
3B160DA27
3B160DA63
3B160EA13
3B160EA23
3B160EA32
3B160EA36
3E006AA10
3E006BA01
3E006CA01
3E006GA01
3E006GA10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】収納物の大きさに応じて適切な幅の引き出し式の収納容器を利用可能な冷蔵庫を提供する。
【解決手段】幅方向(X軸方向)において、中央の領域に配置された中央容器部12と、中央容器部12の両側に配置された外側容器部14A,14Bと、から構成された引き出し式の収納容器10と、庫内に位置するときの収納容器10の幅方向において両側の位置で前後方向(Y軸方向)に延びる外側レール部と、庫内に位置するときの収納容器10の中央容器部12の下側に配置された中央支持部と、中央容器部12の両側部に前後方向に延びるように設けられた容器側レール部と、を備え、中央容器部12と外側容器部14A,14Bとが連結されていない状態では、外側容器部14A,14Bが個々に外側レール部及び容器側レール部に支持されて前後に移動し、連結された状態では、収納容器10が一体的に外側レール部及び中央支持部に支持されて前後に移動する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向で中央に配置された中央容器部と、幅方向で前記中央容器部の両側に配置され、前記中央容器部と連結された状態及び連結されていない状態に切り替え可能な外側容器部と、から構成された引き出し式の収納容器と、
冷蔵庫本体に取り付けられ、幅方向で前記収納容器の両側で前後方向に延在する外側レール部と、
前記冷蔵庫本体に取り付けられ、前記中央容器部の下側に配置された中央支持部と、
幅方向で前記中央容器部の両側部に前後方向に延在するように形成された容器側レール部と、
を備え、
前記中央容器部と前記外側容器部とが連結されていない状態では、前記外側容器部が個々に前記外側レール部及び前記容器側レール部に支持されて前後に移動し、
前記中央容器部と前記外側容器部とが連結された状態では、前記収納容器が一体的に前記外側レール部及び前記中央支持部に支持されて前後に移動することを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記中央容器部と前記外側容器部とが連結されていない状態において、前記中央容器部が前記中央支持部と係合することを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記中央容器部と前記外側容器部とが連結されておらず、前記中央容器部が前記中央支持部と係合した第1の状態と、前記中央容器部と前記外側容器部とが連結され、前記中央容器部が前記中央支持部と係合していない第2の状態とに切り替える切替機構を有することを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記中央容器部及び前記外側容器部は幅方向で重なる領域があり、
該重なる領域で前記中央容器部及び前記外側容器部が当接し、当接する前記中央容器部及び前記外側容器部の面形状が湾曲した略同一な形状であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記中央容器部と前記外側容器部とが連結された状態において、前記中央容器部の底面を覆い、両側の前記外側容器部を連結するように載置される補強板状部材を備え、
前記中央容器部と前記外側容器部とが連結されていない状態において、前記補強板状部材を取り外して前記中央容器部に収納可能なことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引き出し式の収納容器を備えた冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
野菜等の生鮮食料品を収納する引き出し式の収納容器を備えた冷蔵庫が広く用いられている。その中には、観音開きの回転扉を有し、庫内の全幅の半分の巾寸法を有する引き出し式の収納容器を備えた冷蔵庫が提案されている(特許文献1参照)。また、観音開きの回転扉を有し、庫内の全幅に亘る巾寸法を有する引き出し式の収納容器を備えた冷蔵庫も提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-274073号
【特許文献2】特開2005-274073号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の冷蔵庫では、収納容器が庫内の全幅の半分の巾寸法を有するので、観音開きの回転扉の一方の扉を開くだけで、容易に収納容器を手前に引き出すことができる。しかし、例えば、長ネギのような長い食品を、折り曲げずに収納容器に収納することができない。
一方、特許文献2に記載の冷蔵庫では、収納容器が全幅に亘る巾寸法を有するので、長ネギのような長い食品を折り曲げずに収納容器に収納することができる。しかし、小さな収納物の出し入れでも、収納容器を引き出すには、観音開きの回転扉の両方の扉を開く必要がある。よって、収納容器の出し入れに手間がかかり、冷蔵庫の前方で大きなスペースを要する。このように、収納物の大きさに応じて適切な収納容器の幅寸法は異なるため、様々な大きさの収納物に適切に対応できる収納容器を備えた冷蔵庫は実現できていない。
【0005】
従って、本発明の目的は、上記の課題を解決するものであり、収納物の大きさに応じて適切な幅の引き出し式の収納容器を利用可能な冷蔵庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る冷蔵庫は、
幅方向で中央に配置された中央容器部と、幅方向で前記中央容器部の両側に配置され、前記中央容器部と連結された状態及び連結されていない状態に切り替え可能な外側容器部と、から構成された引き出し式の収納容器と、
冷蔵庫本体に取り付けられ、幅方向で前記収納容器の両側で前後方向に延在する外側レール部と、
前記冷蔵庫本体に取り付けられ、前記中央容器部の下側に配置された中央支持部と、
幅方向で前記中央容器部の両側部に前後方向に延在するように形成された容器側レール部と、
を備え、
前記中央容器部と前記外側容器部とが連結されていない状態では、前記外側容器部が個々に前記外側レール部及び前記容器側レール部に支持されて前後に移動し、
前記中央容器部と前記外側容器部とが連結された状態では、前記収納容器が一体的に前記外側レール部及び前記中央支持部に支持されて前後に移動することを特徴とする。
【0007】
本態様によれば、連結された状態及び連結されていない状態に切り替え可能な中央容器部及び外側容器部から構成された引き出し式の収納容器を備える。中央容器部及び外側容器部を連結しない場合には、外側容器部を個々の容器として利用できるので、観音開きの回転扉の一方の扉を開くだけで容易に容器(外側容器部)を手前に引き出すことができる。一方、中央容器部及び外側容器部を連結した場合には、一体的な幅の広い収納容器として利用できるので、長い収納物を折り曲げることなく確実に収納することができる。
【0008】
以上のように、本態様では、収納物の大きさに応じて適切な幅の引き出し式の収納容器を利用可能な冷蔵庫を提供することができる。
【0009】
本発明の第2の態様に係る本発明の冷蔵庫では、第1の態様において、
前記中央容器部と前記外側容器部とが連結されていない状態において、前記中央容器部が前記中央支持部と係合することを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、中央容器部及び外側容器部が連結されていない状態において、中央容器部が中央支持部と係合するようになっている。よって、中央容器部は中央支持部に拘束されて移動しないので、両側の外側容器部を確実にスムーズに前後に移動させることができる。
【0011】
本発明の第3の態様に係る本発明の冷蔵庫では、第2の態様において、
前記中央容器部と前記外側容器部とが連結されておらず、前記中央容器部が前記中央支持部と係合した第1の状態と、前記中央容器部と前記外側容器部とが連結され、前記中央容器部が前記中央支持部と係合していない第2の状態とに切り替える切替機構を有することを特徴とする。
【0012】
本態様によれば、切替機構により、ワンアクションで、中央容器部及び外側容器部の連結/非連結と、中央容器部及び中央支持部の係合/非係合とを同時に切り替えることができる。よって、使用者は簡易な操作で、容易に、個々の外側容器部を用いる場合と、一体的な収納容器を用いる場合とに切り替えを行うことができる。
【0013】
本発明の第4の態様に係る本発明の冷蔵庫では、第1から第3の何れか1つの態様において、
前記中央容器部及び前記外側容器部は幅方向で重なる領域があり、
該重なる領域で前記中央容器部及び前記外側容器部が当接し、当接する前記中央容器部及び前記外側容器部の面形状が湾曲した略同一な形状であることを特徴とする。
【0014】
当接する中央容器部及び外側容器部の面形状が略同一なので、当接したときの隙間の発生を抑制できる。特に、湾曲した形状を有するので、シャープなエッジ形状を有する場合に比べて、より隙間の発生を抑制して、よりシール性を高めることができる。これにより、シール性に優れた一体的な収納容器を実現できる。
【0015】
本発明の第5の態様に係る本発明の冷蔵庫では、第1から第4の何れか1つの態様において、
前記中央容器部と前記外側容器部とが連結された状態において、前記中央容器部の底面を覆い、両側の前記外側容器部を連結するように載置される補強板状部材を備え、
前記中央容器部と前記外側容器部とが連結されていない状態において、前記補強板状部材を取り外して前記中央容器部に収納可能なことを特徴とする。
【0016】
本態様によれば、補強板状部材で中央容器部を覆うことにより、一体的な収納容器の底面に溝部等が開口していても、開口を塞いで、収納物やゴミが溝部等に落ちるのを防ぐことができる。また、補強板状部材で両側の外側容器部を連結することにより、一体的な収納容器の剛性を高めることができる。更に、中央容器部及び外側容器部が連結されていない状態では、補強板状部材を中央容器部に収納可能なので、取り外した補強板状部材が邪魔になることがない。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明では、収納物の大きさに応じて適切な幅の引き出し式の収納容器を利用可能な冷蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫において、中央容器部及び外側容器部が連結されていない状態の収納位置にある収納容器を前側から見た斜視図である。
【
図1B】
図1Aに示す収納容器を後ろ側から見た斜視図である。
【
図1C】
図1Bに示す状態から、外側容器部(右)が前側に移動したところを示す斜視図である。
【
図1D】
図1Bに示す状態から、外側容器部(左)が前側に移動したところを示す斜視図である。
【
図2A】本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫において、中央容器部及び外側容器部が連結されていない状態の収納容器を上方から見た平面断面図であって、外部容器部(右)が前側に移動し、外部容器部(左)が収納位置にあるところを示す図である。
【
図2B】
図1Aに示す収納容器において、外部容器部(左)が前側に移動し、外部容器部(右)が収納位置にあるところを示す図である。
【
図2C】
図1Aに示す収納容器において、外部容器部(右)及び外部容器部(左)が前側に移動したところを示す図である。
【
図3】本発明の1つの実施形態に係る中央容器部及びその下側に配置された中央支持部を前側から見た斜視図である。
【
図4A】本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫において、中央容器部及び外側容器部が連結された状態の収納位置にある収納容器を前側から見た斜視図である。
【
図4B】
図4Aに示す収納容器を後ろ側から見た斜視図である。
【
図4C】
図4Bに示す状態から、中央容器部及び外側容器部が連結されて一体となった収納容器が前側に移動したところを示す斜視図である。
【
図5】本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫において、中央容器部及び外側容器部が連結された状態の収納容器を上方から見た平面断面図であって、中央容器部及び外側容器部が連結されて一体となった収納容器が前側に移動したところを示す図である。
【
図6A】本発明の1つの実施形態に係る切替機構を前側から見た側面図及び斜視図であり、中央容器部及び外側容器部が連結されておらず、中央容器部及び中央支持部が係合している第1の状態を示す図である。
【
図6B】
図6Aに示す切替機構において、中央容器部及び外側容器部が連結され、中央容器部及び中央支持部が係合していない第2の状態を示す図である。
【
図7】本発明の1つの実施形態に係る中央容器部に形成された外側容器部と当接する受面の形状を示す斜視図である。
【
図8A】中央容器部の受面及び外側容器部の当接面の形状を示す平面図であって、中央容器部及び外側容器部が当接していない状態を示す図である。
【
図8B】
図8Aに示す中央容器部及び外側容器部において、中央容器部及び外側容器部が当接した状態を示す図である。
【
図9A】本発明の1つの実施形態に係る中央容器部及び外側容器部において、連結されていた中央容器部及び外側容器部を非連結にして、補強板状部材を取り外すところを示す斜視図である。
【
図9B】
図9Aに示す状態から、取り外した補強板状部材を央容器部に収納する状態を示す図である。
【
図9C】
図9Bに示す状態から、更に、外側容器部に側板を取り付けた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための実施形態を説明する。なお、以下に説明する冷蔵庫は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本発明を以下のものに限定しない。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張して示している場合もある。
【0020】
以下の記載及び図面では、冷蔵庫が平面に設置された場合を想定して、上下方向を示してある。更に、冷蔵庫の扉側を前側とし、その反対側(奥側)を後側として示す。冷蔵庫の幅方向を左右方向で示し、特に、使用者が扉に面したときの、向かって右側を右として示し、左側を左として示す。図面では、幅方向をX軸で示し、前後方向をY軸で示し、高さ方向をZ軸で示す。
【0021】
(本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫)
図1Aは、本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫2において、中央容器部12及び外側容器部14A,14Bが連結されていない状態の収納位置にある収納容器10を前側から見た斜視図である。
図1Bは、
図1Aに示す収納容器10を後ろ側から見た斜視図である。
図1Cは、
図1Bに示す状態から、外側容器部(右)14Aが前側に移動したところを示す斜視図であり、
図1Dは、
図1Bに示す状態から、外側容器部(左)14Bが前側に移動したところを示す斜視図である。
図2Aは、本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫2において、中央容器部12及び外側容器部14A,14Bが連結されていない状態の収納容器10を上方から見た平面断面図であって、外部容器部(右)14Aが前側に移動し、外部容器部(左)14Bが収納位置にあるところを示す図である。
図2Bは、
図1Aに示す収納容器10において、外部容器部(左)14Bが前側に移動し、外部容器部(右)14Aが収納位置にあるところを示す図である。
図2Cは、
図1Aに示す収納容器10において、外部容器部(右)14A及び外部容器部(左)14Bが前側に移動したところを示す図である。
図3は、本発明の1つの実施形態に係る中央容器部及びその下側に配置された中央支持部を前側から見た斜視図である。
【0022】
図1Aから
図3を参照しながら、本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫2を説明する。冷蔵庫2では、圧縮機、凝縮器等から構成される冷却機構により冷却された冷却器のフィンの間を、庫内を循環する気体が通過することにより庫内が冷却される。冷蔵庫2には、冷蔵室及び冷凍室が備えられ、例えば、冷蔵室に野菜等の生鮮食料品が収納される引き出し式の収納容器10が配置されている。収納容器10が配置された領域の前側には、観音開きの回転扉6A,6Bが備えられている。
【0023】
収納容器10は、冷蔵庫2の庫内の全幅に亘る幅寸法を有する。収納容器10は、幅方向(X軸方向)において、中央に配置された中央容器部12と、中央容器部12の両側に配置された外側容器部14A,14Bとから構成される。
図3に示すように、中央容器部12は、主に底板部12Aと、底板部12Aに繋がった前側の側板部12B及び後側の側板部12Cとで構成される。
図1Bに示すように、外側容器部(右)14Aは、底板部14A1と、底板部14A1に繋がった前側の側板部14A2、外側の側板部14A3及び後側の側板部14A4とで構成される。同様に、外側容器部(左)14Bは、底板部14B1と、底板部14B1に繋がった前側の側板部14B2、外側の側板部14B3及び後側の側板部14B4とで構成される。
【0024】
外側容器部14A,14Bは、後述する切替機構30により、中央容器部12と連結された状態及び連結されていない状態に切り替え可能になっている。中央容器12及び両側の外側容器部14A,14Bの高さ寸法及び前後方向の寸法は略同一になっている。中央容器12の幅寸法は、両側の外側容器部14A,14Bの幅寸法より小さく形成されている。中央容器12及び外側容器部14A,14Bは、樹脂材料から形成することができ、透光性を有する場合には、外部から収納物を確認することができる。
【0025】
外側容器部14A,14Bが中央容器部12と連結された場合には、幅方向(X軸方向)において、中央容器部12の両側、外側容器部14A,14Bの内側(中央容器部12側)に側板部が存在しないので、収納容器10は、基本的に、上方だけが開口した一体的な収納空間を有する。一方、外側容器部14A,14Bが中央容器部12と連結されていない場合には、
図1A等に示すように、側板16を取り付けて、外側容器部14A,14Bの内側(中央容器部12側)の開口を覆う。これにより、外側容器部14A,14Bは、上方のみが開口した収納空間を有する個々の容器として使用できる。
【0026】
<第1の状態>
幅方向(X軸方向)において、収納容器10の両側の位置に前後方向(Y軸方向)に延びる外側レール部20A,20Bが配置されている。外側レール部20A,20Bは、冷蔵庫本体4に取り付けられている。収納容器10の両側に位置する外側容器部14A,14Bの外側面には、外側レール部20A、20Bの上面に載る受け部Rが突設されている(
図1A~1D参照)。
【0027】
本実施形態では、外側容器部14A,14Bの外側面に受け部Rが形成されているが、これに限られるものではない。例えば、外側レール部20A,20Bが、外側容器部14A,14Bの下側に配置されて、受け部Rが外側容器部14A,14Bの下面の外端近傍に形成されている場合もあり得る。何れの場合も、外側レール部20A、20Bは、幅方向(X軸方向)で収納容器10の両側で前後方向(Y軸方向)に延在すると表現することができる。
【0028】
更に、幅方向(X軸方向)において、中央容器部12の両側部に前後方向(Y軸方向)に延びるように設けられた容器側レール部22A,22Bが形成されている。外側容器部14A,14Bの内側(中央容器部12側)にも、外側と同様な、容器側レール部22A、22Bの上面に載る受け部が突設されている。
【0029】
つまり、外側容器部(右)14Aは、外側レール部20Aと容器側レール部22Aとで支持され、外側容器部(左)14Bは、外側レール部20Bと容器側レール部22Bとで支持されている。
図3に示すように、中央容器部12は、下側に配置され、冷蔵庫本体4に取り付けられた中央支持部24で支持されている。中央支持部24は、後述する切替機構30によって、中央容器部12と係合した状態及び係合しない状態に切り替えられる。
【0030】
中央容器部12と外側容器部14A,14Bとが連結されておらず、中央容器部12が中央支持部24と係合した状態を、第1の状態と称する。後述する切替機構30により、このような第1の状態を設定することができる。第1の状態では、外側容器部14A,14Bを個々に手前に引き出すことができる。第1の状態では、外側容器部14A,14Bの内側(中央容器部12側)の開口部を側板16で覆って、上部のみが開口した収納領域を有する個々の容器として、外側容器部14A,14Bを用いることができる。
【0031】
図1Bでは、外側容器部14A,14Bが収納位置にある状態を示す。収納位置にあるとき、外側容器部14A,14Bは最も後方に位置している。
図1Bに示す状態から、
図1C,
図2Aに示すように、前方に位置する回転扉6Aを開けて、外側容器部(右)14Aを手前に引き出すことができる。このとき、中央容器部12は冷蔵庫本体4に取り付けられた中央支持部24と係合しているので、収納位置に固定されている。外側容器部(右)14Aが、外側レール部20A及び容器側レール部22Aに支持されて前方に移動する。
【0032】
これにより、観音扉の片側の回転扉6Aを開けるだけで、容易に外側容器部(右)14Aを引き出して、収納物の出し入れを行うことができる。その後、外側容器部(右)14Aを押し戻して、
図1Bに示すような収納位置に戻すことができる。外側容器部(右)14Aは、冷蔵庫2の庫内の全幅の半分未満の巾寸法を有するので、全幅を有する場合に比べて重量が軽く、より容易に出し入れすることができる。扉を開けた時の冷蔵庫2の前の占有スペースも小さくできる。
【0033】
同様に、
図1Bに示す状態から、
図1D,
図2Bに示すように、前方に位置する回転扉6Bを開けて、外側容器部(左)14Bを手前に引き出すことができる。外側容器部(左)14Bが、外側レール部20B及び容器側レール部22Bに支持されて前方に移動する。
【0034】
これにより、観音扉の片側の回転扉6Bを開けるだけで、容易に外側容器部(左)14Bを引き出して、収納物の出し入れを行うことができる。その後、外側容器部(左)14Bを押し戻して、
図1Bに示すような収納位置に戻すことができる。外側容器部(左)14Bについても、冷蔵庫2の庫内の全幅の半分未満の巾寸法を有するので、全幅を有する場合に比べて重量が軽く、より容易に出し入れすることができる。扉を開けた時の冷蔵庫2の前の占有スペースも小さくできる。
【0035】
更に、
図2Cに示すように、観音扉の両方の回転扉6A,6Bを開けて、個々に移動可能な外側容器部(右)14A及び外側容器部(左)14Bをともに手前に引き出すこともできる。
本実施形態では、外側容器部14A,14Bが外側レール部20A,20B及び容器側レール部22A,B上を摺動しながら移動するが、これに限られるものではない。例えば、外側レール部20A,20B及び/または容器側レール部22A,Bが回転するローラ部を備え、外側容器部14A,14Bが回転するローラ部に支持されて前後に移動する場合もあり得る。回転するローラ部を備える場合も、前後方向(Y軸方向)に延在する”外側レール部”、”容器側レール部”と称することができる。
【0036】
回転扉6A,6Bが閉じられているときに磁力等で扉を保持するセンターピラー部は、中央容器部12の幅寸法以内に収まっており、前後に移動する外側容器部14A,14Bと干渉しないようになっている。
【0037】
<第2の状態>
図4Aは、本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫2において、中央容器部12及び外側容器部14A,14Bが連結された状態の収納位置にある収納容器10を前側から見た斜視図である。
図4Bは、
図4Aに示す収納容器10を後ろ側から見た斜視図である。
図4Cは、
図4Bに示す状態から、中央容器部12及び外側容器部14A,14Bが連結されて一体となった収納容器10が前側に移動したところを示す斜視図である。
図5は、本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫2において、中央容器部12及び外側容器部14A,14Bが連結された状態の収納容器10を上方から見た平面断面図であって、中央容器部12及び外側容器部14A,14Bが連結されて一体となった収納容器10が前側に移動したところを示す図である。
【0038】
上記では、中央容器部12と外側容器部14A,14Bとが連結されておらず、中央容器部12が中央支持部24と係合した第1の状態において、外側容器部14A,14Bが個々に前後に移動するところを説明した。次に、
図3及び
図4Aから
図5を参照しながら、中央容器部12と外側容器部14A,14Bとが連結され、中央容器部12が中央支持部24と係合していない第2の状態について説明する。後述する切替機構30により、このような第2の状態を設定することができる。第2の状態では、中央容器部12及び外側容器部14A,14Bが連結されて一体となった収納容器10が前後に移動する。
【0039】
第2の状態では、中央容器部12及び外側容器部14A,14Bが連結されて一体となった収納容器10は、両側の外側レール部20A,20Bで支持され、更に中央において中央支持部24で支持されている。
図3を参照しながら、中央支持部24の支持構造を説明すると、本実施形態に係る中央支持部24は、中央容器部12に沿って前後方向(Y軸方向)に延在し、回転ローラ24Aを有する。中央容器部12の下面が回転ローラ24Aで支持されており、中央容器部12が前後に移動すると回転ローラ24Aが回転するようになっている。これにより、中央容器部12は、中央支持部24で下側から支持されながら前後に移動することができる。つまり、中央容器部12は、容器側レール部22A,22Bで外側容器部14A,14Bを支持するとともに、中央支持部24により支持された構造を有する。
【0040】
ただし、中央支持部24の支持構造はこれに限られるものではなく、外側レール部20A,20Bや容器側レール部22A,22Bと同様に、中央支持部24が前後方向(Y軸方向)に延びたレール形状を有する場合もあり得る。その場合には、中央容器部12は、レール状の中央支持部24上を摺動しながら前後に移動する。回転ローラ24Aで中央容器部12を支持する場合も、レール形状で中央容器部12を支持する場合も、”中央支持部”と称することができる。
【0041】
図4Bでは、一体となった収納容器10が収納位置にある状態を示す。収納位置にあるとき、収納容器10は最も後方に位置している。
図4Bに示す状態から、
図4C,
図5に示すように、前方に位置する回転扉6A、6Bを開けて、収納容器10を手前に引き出すことができる。このとき収納容器10は、両側の外側レール部20A,20Bから支持されるとともに、中央で中央支持部24から支持されて前方に移動する。幅方向(X軸方向)で両端だけでなく中央の位置で中央支持部24により支持されるので、庫内の全幅に亘る巾寸法を有する収納容器10をスムーズに移動させることができる。
【0042】
これにより、収納容器10を手前に引き出して、収納物の出し入れを行うことができる。その後、収納容器10を押し戻して、
図4Bに示すような収納位置に戻すことができる。収納容器10は、冷蔵庫2の庫内の全幅に亘る巾寸法を有するので、例えば、長ネギのような長い収納物であっても、折り曲げることなく収納することができる。
【0043】
以上のように、本実施形態に係る冷蔵庫2は、幅方向(X軸方向)で中央に配置された中央容器部12と、幅方向(X軸方向)で中央容器部12の両側に配置され、中央容器部12と連結された状態及び連結されていない状態に切り替え可能な外側容器部14A,14Bと、から構成された引き出し式の収納容器10と、冷蔵庫本体4に取り付けられ、幅方向(X軸方向)で収納容器10の両側で前後方向(Y軸方向)に延在する外側レール部20A,20Bと、冷蔵庫本体4に取り付けられ、中央容器部12の下側に配置された中央支持部24と、幅方向(X軸方向)で中央容器部12の両側部に前後方向(Y軸方向)に延在するように形成された容器側レール部22A,22Bと、を備え、中央容器部12と外側容器部14A,14Bとが連結されていない状態では、外側容器部14A,14Bが個々に外側レール部20A,20B及び容器側レール部22A,22Bに支持されて前後に移動し、中央容器部12と外側容器部14A,14Bとが連結された状態では、収納容器10が一体的に外側レール部20A,20B及び中央支持部24に支持されて前後に移動する。
【0044】
中央容器部12及び外側容器部14A,14Bを連結しない場合には、外側容器部14A,14Bを個々の容器として利用できるので、観音開きの回転扉6A,6Bの一方の扉を開くだけで容易に容器(外側容器部14A,14B)を手前に引き出すことができる。一方、中央容器部12及び外側容器部14A,14Bを連結した場合には、一体的な幅の広い収納容器10として利用できるので、長い収納物を折り曲げることなく収納することができる。
【0045】
以上のように、本実施形態では、収納物の大きさに応じて適切な幅の引き出し式の収納容器10,14A,14Bを利用可能な冷蔵庫2を提供することができる。
【0046】
更に、中央容器部12及び外側容器部14A,14Bが連結されていない状態において、中央容器部12が中央支持部24と係合するようになっている。よって、中央容器部12は庫内で中央支持部24に拘束されて移動しないので、両側の外側容器部14A,14Bを確実にスムーズに前後に移動させることができる。
【0047】
本実施形態では、収納容器10が冷蔵庫2の庫内の全幅に亘る巾寸法を有しているが、これに限られるものではない。用途に応じては、収納容器10が冷蔵庫2の庫内の全幅よりも小さい巾寸法を有する場合もあり得る。
【0048】
(切替機構)
図6Aは、本発明の1つの実施形態に係る切替機構30を前側から見た側面図及び斜視図であり、中央容器部12及び外側容器部14A,14Bが連結されておらず、中央容器部12及び中央支持部24が係合している第1の状態を示す図である。
図6Bは、
図6Aに示す切替機構30において、中央容器部12及び外側容器部14A,14Bが連結され、中央容器部12及び中央支持部24が係合していない第2の状態を示す図である。
【0049】
次に、
図6A、6Bを参照しながら、第1の状態及び第2の状態を切り替える切替機構30の説明を行う。切替機構30は、中央容器部12の前側に回転自在に取り付けられる。切替機構30は、回転部材32と、回転部材32の外周に取り付けられた板状部材34と、回転部材32の前側に取り付けられた把持部36とを備える。
板状部材34の一端には係合端部(右)34Aが設けられ、他端には係合端部(左)34Bが設けられている。係合端部34A,34Bは、それぞれ外側容器部14A,14Bに設けられた挿入孔Sに挿入されるように形成されている。把持部36を掴んで回すことにより、回転部材32は回転軸Gの回りを回転する。
【0050】
図6Aに示す第1の状態では、板状部材34の長手方向が上下方向に沿っており、板状部材34は、両側の外側容器部14A,14Bから離間した状態にある。よって、外側容器部14A,14Bは、中央容器部12と連結されていない状態にある。一方、板状部材34の下側に位置する係合端部(左)34Bは、中央支持部24の前側に設けられた係合部26と接している。よって、中央容器部12は中央支持部24と係合し、前側に移動できない状態となる。
【0051】
この第1の状態から、把持部36を掴んで図面で時計回りに回転させることにより、
図6Bに示すように、板状部材34の長手方向が左右方向に沿った第2の状態に切り替えることができる。この場合、板状部材34の係合端部(右)34Aが外側容器部(右)14Aの挿入孔Sに挿入され、板状部材34の係合端部(左)34Bが外側容器部(左)14Bの挿入孔Sに挿入される。これにより、外側容器部14A,14Bは、中央容器部12と連結された状態となる。一方、長手方向が左右方向となった板状部材34は、中央支持部24の前側に設けられた係合部26から離間した状態となる。よって、中央容器部12は中央支持部24と係合しておらず、前方へ移動することができる。この第2の状態から、把持部36を掴んで図面で反時計回りに回転させることにより、容易に
図6Aに示す第1の状態に戻すことができる。
【0052】
以上のように、本実施形態に係る切替機構30を用いることにより、中央容器部12と外側容器部14A,14Bとが連結されておらず、中央容器部12が中央支持部24と係合した第1の状態と、中央容器部12と外側容器部14A,14Bとが連結され、中央容器部12が中央支持部24と係合していない第2の状態とに容易に切り替えることができる。
【0053】
つまり、切替機構30により、ワンアクションで、中央容器部及び外側容器部の連結/非連結と、中央容器部及び中央支持部の係合/非係合とを同時に切り替えることができる。よって、使用者は簡易な操作で、容易に、個々の外側容器部14A,14Bを用いる場合と、一体的な収納容器10を用いる場合とに切り替えを行うことができる。
【0054】
本実施形態では、切替機構30を回転させて、第1の状態及び第2の状態に切り替えているが、これに限られるものではない。例えば、レバーを上下させることで、第1の状態及び第2の状態に切り替えることもできる。レバーが下に位置する場合には、レバーが中央支持部24の係合部26と係合するが、両側の外側容器部14A,14Bとは離間しており、レバーが上に位置する場合には、レバーが中央支持部24の係合部26から離間しているが、両側の外側容器部14A,14Bと係合するように構成することができる。
中央容器部12と央支持部24との係合/非係合、及び中央容器部12と両側の外側容器部14A,14Bとの係合/非係合を、1つの動作で行うのが好ましいが、これに限れるものではない。中央容器部12と央支持部24との係合/非係合、及び中央容器部12と両側の外側容器部14A,14Bとの係合/非係合を個別に行う機構を採用することもできる。
【0055】
(中央容器部の受面及び外側容器部の当接面の形状)
図7は、本発明の1つの実施形態に係る中央容器部12に形成された外側容器部14A,14Bと当接する受面40A,40B,42A,42Bの形状を示す斜視図である。
図8Aは、中央容器部の受面40A,40B,42A,42B及び外側容器部14A,14Bの当接面44A,44B,46A,46Bの形状を示す平面図であって、中央容器部12及び外側容器部14A,14Bが当接していない状態を示す図である。
図8Bは、
図8Aに示す中央容器部12及び外側容器部14A,14Bにおいて、中央容器部12及び外側容器部14A,14Bが当接した状態を示す図である。
【0056】
中央容器部12及び外側容器部14A,14Bは幅方向(X軸方向)で重なる領域があり、この重なる領域で中央容器部12及び外側容器部14A,14Bが当接する。前側に位置していた外側容器部(右)14Aが後ろに移動して収納位置に戻るとき、外側容器部(右)14Aの前側に形成された前当接面44Aが、中央容器部12の前側の前受面40Aと当接する。同様に、外側容器部(右)14Aの後側の後当接面46Aが、中央容器部12の後側の後受面42Aと当接する。
【0057】
前側に位置していた外側容器部(左)14Bが後ろに移動して収納位置に戻るとき、外側容器部(左)14Bの前側の前当接面44Bが、中央容器部12の前側の前受面40Bと当接する。同様に、外側容器部(左)14Bの後側の後当接面46Bが、中央容器部12の後側の後受面42Bと当接する。
【0058】
図8A,8Bから明らかなように、外側容器部14A,14Bは、中央容器部12と当接した位置(
図8B参照)から中央容器部12に対して前側に移動できるようになっている。一方、中央容器部12については、外側容器部14A,14Bと当接した状態(
図8B参照)で拘束されるため、外側容器部14A,14Bに対して前側へは移動しないようになっている。このような構造で、中央容器部12が収納位置に停止し、外側容器部14A,14Bが前後に移動する第1の状態、及び中央容器部12と外側容器部14A,14Bとが連結されて収納容器10が一体的に前後に移動する第2の状態を確実に実現することができる。
【0059】
当接する中央容器部12及び外側容器部(右)14Aの面40A,44A及び42A,46Aの形状は、湾曲した略同一な形状である。同様に、当接する中央容器部12及び外側容器部(左)14Bの面40B,44B及び42B,46Bの形状も、湾曲した略同一な形状である。
【0060】
当接する中央容器部12及び外側容器部14A,14Bの面形状が略同一なので、当接したときの隙間の発生を抑制できる。特に、湾曲した形状を有するので、シャープなエッジ形状を有する場合に比べて、より隙間の発生を抑制してよりシール性を高めることができる。
【0061】
以上のように、本実施形態においては、中央容器部12及び外側容器部14A,14Bは幅方向(X軸方向)で重なる領域があり、この重なる領域で中央容器部12及び外側容器部14A,14Bが当接し、当接する中央容器部12及び外側容器部14A,14Bの面形状が湾曲した略同一な形状である。これにより、シール性に優れた一体的な収納容器10を実現できる。
【0062】
更に、中央容器部12及び外側容器部14A,14Bの当接領域の湾曲面に弾性を有するシール層を形成することもできる。その場合には、中央容器部12及び外側容器部14A,14Bの間のシール性を更に高めることができる。
【0063】
(補強板状部材)
図9Aは、本発明の1つの実施形態に係る中央容器部12及び外側容器部14A,14Bにおいて、連結されていた中央容器部12及び外側容器部14A,14Bを非連結にして、補強板状部材50を取り外すところを示す斜視図である。
図9Bは、
図9Aに示す状態から、取り外した補強板状部材50を中央容器部12に収納する状態を示す図である。
図9Cは、
図9Bに示す状態から、更に、外側容器部14A,14Bに側板16を取り付けた状態を示す図である。
【0064】
図3に示すように、中央容器部12の底板部12Aには、幅方向(X軸方向)の中央に前後に延びる溝部Tが形成されている。中央容器部12と外側容器部14A,14Bとが連結されて一体的な収納容器10として利用する場合には、中央容器部12の底面を覆い、両側の外側容器部14A,14Bを連結する補強板状部材50が載置されている。補強板状部材50は、収納容器10に載置された状態において、水平に延びた中央部と、中央部の両端で下側に延びた端部を有する。つまり、補強板状部材50は、コの字形の側面形状を有する。中央部により、溝部Tが開口した中央容器部12の底面を覆い、端部で外側容器部14A,14Bを拘束することができる。
【0065】
補強板状部材50で中央容器部12の底面を覆うことにより、一体的な収納容器10の底面における溝部Tの開口を塞いで、収納物やゴミが溝部Tに落ちるのを防ぐことができる。これともに、端部で外側容器部14A,14Bを拘束するので、補強板状部材50で両側の外側容器部14A,14Bを連結できる。よって、一体的な収納容器10の剛性を高めることができる。
【0066】
一方、中央容器部12と外側容器部14A,14Bとが連結されない場合には、
図9Aに示すように、載置されていた補強板状部材50を取り外して、
図9Bに示すように、補強板状部材50を中央容器部12の溝部Tに収納することができる。更に、
図9Cに示すように、外側容器部14A,14Bに側板16を取り付けことにより、外側容器部14A,14Bを個々の容器として利用することができる。
【0067】
以上のように、本実施形態では、中央容器部12と外側容器部14A,14Bとが連結された状態において、中央容器部12の底面を覆い、両側の外側容器部14A,14Bを連結するように載置される補強板状部材50を備え、中央容器部12と外側容器部14A,14Bとが連結されていない状態において、補強板状部材50を取り外して中央容器部12に収納可能になっている。
【0068】
本実施形態によれば、補強板状部材50で中央容器部12を覆うことにより、一体的な収納容器の底面における溝部Tの開口を塞いで、収納物やゴミが溝部Tに落ちるのを防ぐことができるとともに、補強板状部材50で両側の外側容器部14A,14Bを連結することにより、一体的な収納容器10の剛性を高めることができる。更に、中央容器部12及び外側容器部14A,14Bが連結されていない状態では、補強板状部材50を中央容器部12に収納可能なので、取り外した補強板状部材50が邪魔になることがない。
【0069】
外側容器部14A,14Bを個々に利用する場合に取り付ける側板16は、中央容器部12及び外側容器部14A,14Bが連結されて一体的な収納容器10として利用する場合には、取り外すことになる。その場合、補強板状部材50と同様に、収納容器10内に収納できるのが好ましい。例えば、取り外された側板16を、外側容器部14A,14Bの前側の側板部14A2,14B2の裏面に沿って収納することが考えられる。更に、側板16にジャバラ形状やスライド機構を適用して、不使用時には小さく畳めるようにすることも考えられる。
【0070】
本発明の実施の形態、実施の態様を説明したが、開示内容は構成の細部において変化してもよく、実施の形態、実施の態様における要素の組合せや順序の変化等は請求された本発明の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
【符号の説明】
【0071】
2 冷蔵庫
4 冷蔵庫本体
6A 回転扉(右)
6B 回転扉(左)
10 収納容器
12 中央容器部
12A 底板部
12B,C 側板部
14A 外側容器部(右)
14A1 底板部
14A2~4 側板部
14B 外側容器部(左)
14B1 底板部
14B2~4 側板部
16 側板
20A 外側レール部(右)
20B 外側レール部(左)
22A 容器側レール部(右)
22B 容器側レール部(左)
24 中央支持部
24A 回転ローラ
26 係合部
30 切替機構
32 回転部材
34 板状部材
34A 係合端部(右)
34B 係合端部(左)
36 把持部
40A 前受面(右)
40B 前受面(左)
42A 後受面(右)
42B 後受面(左)
44A 前当接面(右)
44B 前当接面(左)
46A 後当接面(右)
46B 後当接面(左)
50 補強板状部材
G 回転軸
R 受け部
S 挿入孔
T 溝部