(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005733
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】治療計画作成システム及び治療計画作成方法
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20240110BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106068
(22)【出願日】2022-06-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】518440833
【氏名又は名称】株式会社BiPSEE
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】松村 雅代
(72)【発明者】
【氏名】上木原 広平
(72)【発明者】
【氏名】小松 尚平
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】ユーザの治療計画を作成できる治療計画作成システムを提供する。
【解決手段】治療計画作成システムは、ユーザの健康状態に関するユーザ情報を取得する取得手段と、ユーザ情報に基づいて、前記健康状態を判定する状態判定手段と、異なる複数の治療用処理のうちの実行対象である治療用処理、及び治療用処理を実行する順番に関する情報を含む治療計画を状態判定手段の判定結果に基づいて作成する作成手段と、治療計画に含まれる治療用処理を実行する順番に関する情報に基づいて、実行する一の治療用処理を特定し、特定した前記一の治療用処理を実行する実行手段と、を備える。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの健康状態に関するユーザ情報を取得する取得手段と、
前記ユーザ情報に基づいて、前記健康状態を判定する状態判定手段と、
異なる複数の治療用処理のうちの実行対象である前記治療用処理、及び前記治療用処理を実行する順番に関する情報を含む治療計画を前記状態判定手段の判定結果に基づいて作成する作成手段と、
前記治療計画に含まれる前記治療用処理を実行する順番に関する情報に基づいて、実行する一の前記治療用処理を特定し、特定した前記一の治療用処理を実行する実行手段と、
を備える治療計画作成システム。
【請求項2】
前記健康状態は、精神障害に関する状態である請求項1に記載の治療計画作成システム。
【請求項3】
前記治療用処理には異なる複数の治療用コンテンツが対応付けられており、
前記作成手段は、前記状態判定手段の前記判定結果に基づいて、前記治療用処理の実行時に実行する一の前記治療用コンテンツを決定する請求項2に記載の治療計画作成システム。
【請求項4】
前記ユーザ情報は、前記ユーザの前記精神障害の症状の程度を示す重症度を含み、
前記状態判定手段は、前記重症度に基づいて、前記健康状態を判定する請求項2に記載の治療計画作成システム。
【請求項5】
前記ユーザ情報は、前記治療用コンテンツに対する前記ユーザの適合の程度を示す適合度を含み、
前記作成手段は、前記適合度に基づいて、前記一の治療用コンテンツを決定する請求項3に記載の治療計画作成システム。
【請求項6】
前記ユーザ情報は、前記ユーザの体調に関する情報を示す体調情報を含み、
前記作成手段は、前記体調情報に基づいて、前記治療用コンテンツの難易度又は実行時間を決定する請求項3に記載の治療計画作成システム。
【請求項7】
前記ユーザ情報は、前記ユーザの体調に関する情報を示す体調情報を含み、
前記作成手段、前記体調情報に基づいて、前記治療用処理を実行する順番を決定する請求項3に記載の治療計画作成システム。
【請求項8】
前記ユーザからの入力を受け付ける入力手段と、
前記一の治療用コンテンツの実行中に、前記一の治療用コンテンツに対応付けられている評価基準に基づいて前記入力手段への前記入力を評価する評価手段と、
をさらに備える請求項3に記載の治療計画作成システム。
【請求項9】
前記評価手段による評価が所定の条件を満たすか否かを判定し、当該判定が肯定判定である場合に前記一の治療用コンテンツの難易度を調整する難易度調整手段、
をさらに備える請求項8に記載の治療計画作成システム。
【請求項10】
前記入力手段は、前記ユーザの視線の動きを前記入力として受け付け、
前記評価手段は、前記視線の動きを前記入力として評価する請求項8に記載の治療計画作成システム。
【請求項11】
ユーザの健康状態に関するユーザ情報を取得することと、
前記ユーザ情報に基づいて、前記健康状態を判定することと、
異なる複数の治療用処理のうちの実行対象である前記治療用処理、及び前記治療用処理を実行する順番に関する情報を含む治療計画を前記判定の結果に基づいて作成することと、
前記治療計画に含まれる前記治療用処理を実行する順番に関する情報に基づいて、実行する一の前記治療用処理を特定し、特定した前記一の治療用処理を実行することと、
を含むことを特徴とする治療計画作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療計画作成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザの症状に適した治療用コンテンツを作成し、作成した治療用コンテンツを実行する技術が知られている。
【0003】
これに関し、特許文献1には、治療用コンテンツに含める複数の治療用画像データそれぞれを識別するための複数の画像識別情報と、複数の治療用画像データを再生する順序を示す順序情報とを含む治療用コンテンツ情報をコンテンツ作成端末が作成し、作成した治療用コンテンツ情報をユーザ端末が出力する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、治療用コンテンツを作成し、作成した治療用コンテンツをユーザ端末に出力するものの、いずれの治療用コンテンツをどの順番で何回実行するかなどといったユーザの健康状態を改善するための治療計画を作成することはできなかった。
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザの治療計画を作成できる治療計画作成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の治療計画作成システムは、ユーザの健康状態に関するユーザ情報を取得する取得手段と、前記ユーザ情報に基づいて、前記健康状態を判定する状態判定手段と、異なる複数の治療用処理のうちの実行対象である前記治療用処理、及び前記治療用処理を実行する順番に関する情報を含む治療計画を前記状態判定手段の判定結果に基づいて作成する作成手段と、前記治療計画に含まれる前記治療用処理を実行する順番に関する情報に基づいて、実行する一の前記治療用処理を特定し、特定した前記一の治療用処理を実行する実行手段と、を備える。
【0008】
また、前記健康状態は、精神障害に関する状態である。
【0009】
また、前記治療用処理には異なる複数の治療用コンテンツが対応付けられており、前記作成手段は、前記状態判定手段の前記判定結果に基づいて、前記治療用処理の実行時に実行する一の前記治療用コンテンツを決定する。
【0010】
また、前記ユーザ情報は、前記ユーザの前記精神障害の症状の程度を示す重症度を含み、前記状態判定手段は、前記重症度に基づいて、前記健康状態を判定する。
【0011】
また、前記ユーザ情報は、前記治療用コンテンツに対する前記ユーザの適合の程度を示す適合度を含み、前記作成手段は、前記適合度に基づいて、前記一の治療用コンテンツを決定する。
【0012】
また、前記ユーザ情報は、前記ユーザの体調に関する情報を示す体調情報を含み、前記作成手段は、前記体調情報に基づいて、前記治療用コンテンツの難易度又は実行時間を決定する。
【0013】
また、前記ユーザ情報は、前記ユーザの体調に関する情報を示す体調情報を含み、前記作成手段、前記体調情報に基づいて、前記治療用処理を実行する順番を決定する。
【0014】
また、本発明の治療計画作成システムは、前記ユーザからの入力を受け付ける入力手段と、前記一の治療用コンテンツの実行中に、前記一の治療用コンテンツに対応付けられている評価基準に基づいて前記入力手段への前記入力を評価する評価手段と、をさらに備える。
【0015】
また、前記評価手段による評価が所定の条件を満たすか否かを判定し、当該判定が肯定判定である場合に前記一の治療用コンテンツの難易度を調整する難易度調整手段をさらに備える。
【0016】
また、前記入力手段は、前記ユーザの視線の動きを前記入力として受け付け、前記評価手段は、前記視線の動きを前記入力として評価する。
【0017】
また、本発明の治療計画作成方法は、ユーザの健康状態に関するユーザ情報を取得することと、前記ユーザ情報に基づいて、前記健康状態を判定することと、異なる複数の治療用処理のうちの実行対象である前記治療用処理、及び前記治療用処理を実行する順番に関する情報を含む治療計画を前記判定の結果に基づいて作成することと、前記治療計画に含まれる前記治療用処理を実行する順番に関する情報に基づいて、実行する一の前記治療用処理を特定し、特定した前記一の治療用処理を実行することと、を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、治療計画作成システムは、ユーザの治療計画を作成できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る治療計画作成システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】
図1に示すサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図1に示すコンテンツ提供端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図1に示すサーバ装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図1に示すコンテンツ提供端末の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図1に示す治療計画作成システムが作成する治療計画の一例を示す図である。
【
図7】
図4及び
図5に示すユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
【
図8】
図4に示す治療用処理テーブルの一例を示す図である。
【
図9】
図1に示す治療計画作成システムにおいて、
図4及び
図5に示す各機能手段が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図9に示すフローチャートにおいて、治療計画を作成する処理の流れの詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0021】
<全体構成>
図1は、本実施形態に係る治療計画作成システム1の構成を概略的に示す図である。
図1に示すように、治療計画作成システム1は、例えば、サーバ装置10と、コンテンツ提供端末20と、管理端末30とを含んで主要部が構成される。
【0022】
サーバ装置10は、例えば、デスクトップパソコンやノートパソコンなどの情報処理装置である。サーバ装置10は、通信ネットワークNTを介して、管理端末30からユーザの健康状態に関する情報を含むユーザ情報を取得し、取得したユーザ情報を記憶する。また、サーバ装置10は、記憶しているユーザ情報に基づいてユーザの治療計画を作成する。さらに、サーバ装置10は。通信ネットワークNTを介して、作成した治療計画をコンテンツ提供端末20に治療計画を送信する。また、サーバ装置10は、通信ネットワークNTを介して、コンテンツ提供端末20から治療計画に基づくユーザへの治療用処理の実行結果を取得し、取得した実行結果を記憶しているユーザ情報に反映する。
【0023】
コンテンツ提供端末20は、例えば、VR(Virtual Reality)ゴーグルであり、ユーザが利用する治療用コンテンツをユーザに提供する装置である。コンテンツ提供端末20は、通信ネットワークNTを介して、サーバ装置10が作成した治療計画をサーバ装置10から取得して記憶し、ユーザの操作に従って、記憶している治療計画を実行することによって、治療計画に基づく治療用処理を実行し、実行する治療用処理に対応する治療用コンテンツをユーザに提供する。また、コンテンツ提供端末20は、治療用処理を実行した後に、治療用コンテンツのスコアやログなどの治療用処理の実行結果を記憶し、通信ネットワークNTを介して、実行結果をサーバ装置10に送信する。また、コンテンツ提供端末20は、ユーザの視線を解析し、解析した結果を視線解析情報として通信ネットワークNTを介して管理端末30に送信する。なお、本例ではコンテンツ提供端末20は、ゴーグルの形状をしているが、これに限られない。コンテンツ提供端末20は、ユーザが治療用コンテンツを視認できるものであれば、VR(Virtual Reality)ゴーグルに限らず、どのようなものであっても良く、例えば、AR(Augmented Reality)用機器、MR(Mixed Reality)用機器、液晶ディスプレイやブラウン管、有機ELディスプレイ、スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなどであっても良い。
【0024】
管理端末30は、例えば、デスクトップパソコンやノートパソコン、スマートフォン、タブレットなどの情報処理装置である。管理端末30は、医者や医療従事者、エンジニアなどから入力さえるユーザに関する種々の情報を取得し記憶する。具体的には、管理端末30は、ユーザの精神障害に関する症状の程度を示す重症度や医者による問診や診察の結果を示す診察情報、コンテンツ提供端末20によって測定されたユーザの視線に関する情報を含む視線解析情報、ユーザの嗜好や画面に対する酔いやすさなどの心身的な性質を示す適合度、チェックリストなどによるユーザの体調に関する体調情報などを取得し、取得した情報を記憶する。管理端末30は、記憶したユーザに関する種々の情報をユーザ情報として、通信ネットワークNTを介してユーザ情報をサーバ装置10に送信する。
【0025】
<ハードウェア構成>
図2は、
図1に示すサーバ装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示すように、サーバ装置10は、例えば、記憶装置11と、制御装置12と、通信装置13とを含んで主要部が構成される。制御装置12は、CPU(Central Processing Unit)121及びメモリ122を主に備えて構成される。
【0026】
記憶装置11は、ハードディスク等で構成される。この記憶装置11は、制御装置12における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0027】
制御装置12では、CPU121がメモリ122或いは記憶装置11等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能手段として機能する。この機能手段の詳細については後述する。
【0028】
通信装置13は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置13は、例えば、コンテンツ提供端末20及び管理端末30との間で各種の情報を送受信する。
【0029】
なお、サーバ装置10は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、サーバ装置10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、
図2は、サーバ装置10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、サーバ装置10は、サーバが一般的に備える他の構成を備えても良い。
【0030】
図3は、
図1に示すコンテンツ提供端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示すように、コンテンツ提供端末20は、例えば、記憶装置21と、制御装置22と、通信装置23と、表示装置24と、カメラ25と、スピーカ26と、操作装置27とを含んで主要部が構成される。制御装置22は、CPU(Central Processing Unit)221及びメモリ222を主に備えて構成される。
【0031】
記憶装置21は、ハードディスク等で構成される。この記憶装置21は、制御装置22における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0032】
制御装置22では、CPU221がメモリ222或いは記憶装置21等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能手段として機能する。この機能手段の詳細については後述する。
【0033】
通信装置23は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置23は、例えば、サーバ装置10及び管理端末30との間で各種の情報を送受信する。
【0034】
表示装置24は、例えばディスプレイであり、情報を表示する機能を有する。
【0035】
カメラ25は、静止画又は/及び動画を撮影し、記憶装置21に保存する機能を有する。
【0036】
スピーカ26は、効果音や音楽等を出力する機能を有する。
【0037】
操作装置27は、例えば、ボタンや十字キー、スティック、ダイヤル、タッチセンサなどであり、ユーザからの操作を受け付ける入力機能の機能を有する。
【0038】
<機能手段>
図4は、
図1に示すサーバ装置10の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、サーバ装置10は、機能的構成として、例えば、記憶手段101と、取得手段102と、状態判定手段103と、作成手段104とを備える。記憶手段101以外の機能手段は、記憶装置11等に格納されたプログラムを制御装置12が実行することにより実現される。なお、上記機能手段の全部又は一部は、サーバ装置10ではなく、コンテンツ提供端末20が備えていてもよい。
【0039】
記憶手段101は、治療用コンテンツ110や治療用処理テーブル111、治療計画112、ユーザ情報テーブル113などを記憶する機能手段である。
【0040】
治療用コンテンツ110は、ユーザの症状を改善させるためにコンテンツ提供端末20によって実行される治療用処理に対応づけられているコンテンツであり、記憶手段101に複数記憶されている。治療用コンテンツ110は、例えば、VR(Virtual Reality)用コンテンツやAR(Augmented Reality)用コンテンツ、MR(Mixed Reality)用コンテンツ、映像、動画、ブラウザ用アプリケーション、スマートフォン用アプリケーション、パソコン用ソフトウェアなどである。治療用コンテンツ110は、1つの治療用処理に対応付けられており、該当する治療用処理を実行する場合に対応する治療用コンテンツ110が実行される。治療用コンテンツ110は、例えば、ユーザの操作を受け付け可能な音楽や効果音を伴う画像や動画などであり、コンテンツ提供端末20によってユーザに提供される。また、治療用コンテンツ110は、実行後に、実行中に受け付けたユーザの操作と評価基準とが比較されることによってスコアが算出される。また、治療用コンテンツ110には、多くのユーザの嗜好に合うように、画像や動画における色彩や表示されるオブジェクトのモチーフ(山や川、海、街並み、雪原など)、画像や動画における動きの頻度やパターン、音楽の曲調や種類(穏やかな音楽や激しい音楽、ロック、クラシック、パンク、バラード、無音など)に関するタイプが対応付けられている。
【0041】
図8を参照して治療用処理テーブル111について説明する。
図8に示すように、治療用処理テーブル111は、治療用処理と治療用コンテンツ110の対応関係を示す情報テーブルである。治療用処理テーブル111は、治療用処理の数だけ記憶手段101に複数記憶される。
【0042】
治療用処理は、上述したように、ユーザの症状を改善させるために実行される処理である。治療用処理には、異なる複数の処理(処理A~処理Z)が存在し、それぞれ異なる3つのタイプ(タイプα、タイプβ及びタイプγ)の治療用コンテンツ110が対応付けられている。具体的には、処理A~処理Zのうち、処理Aには、処理Aのための治療用コンテンツ110であるタイプαの治療用コンテンツa1、タイプβの治療用コンテンツa2及びタイプγの治療用コンテンツa3が対応付けられている。なお、本例では3つのタイプの治療用コンテンツ110が治療用処理に対応付けられているが、これに限られるものではなく、任意の数のタイプの治療用コンテンツ110が対応付けられていても良い。
【0043】
また、治療用処理には、さらに、治療用コンテンツ110の難易度に関するパラメータである難易度情報が対応付けられている。難易度情報は、治療用コンテンツ110のスコアの算出基準や治療用コンテンツ110の動画の動きのパターンの複雑さ及び速さなどである。また、難易度情報は、例えば、「難」、「並」及び「易」など状態を示すフラグである。なお、本例では、難易度情報は、フラグであるが、これに限られるものではない。体調情報は、任意の範囲の数値であっても良い。
【0044】
図6を参照して、治療計画112について説明する。
図6に示すように、治療計画112は、異なる複数の治療用処理のうちの実行対象である治療用処理、及び治療用処理を実行する順番に関する情報を含む情報テーブルである。より、具体的には、治療計画112は、ユーザの症状を改善させるために作成され、ユーザに対して実行される治療が今何回目であるかを示す治療回と、治療回にそれぞれ対応付けられている治療用処理と、実行される治療用処理に対応付けられている治療用コンテンツ110のタイプと、治療用コンテンツ110に対応付けられている難易度情報と、治療用処理を実施する時間を示す治療時間とを含む。治療計画112は、ユーザ毎に記憶手段101に記憶される。
【0045】
図7を参照して、ユーザ情報テーブル113について説明する。
図7に示すように、ユーザ情報テーブル113は、ある日時及び治療回における一のユーザの健康状態に関するユーザ情報を示す情報テーブルであり、ユーザ毎に記憶手段101に記憶される。ユーザ情報は、例えば、ユーザに関する重症度、適合度及び体調情報を含む。
【0046】
重症度は、ユーザの精神障害の症状の程度を示す指標である。重症度は、例えば、0~100までの数値をとり、数値が高い程ユーザの精神障害の症状が重く、数値が低い程ユーザの精神障害の症状が軽いことを示す。なお、本例では、重症度は、0~100までの数値をとるが、これに限られるものではない。重症度は、任意の範囲の値をとって良い。また、重症度は、数値でなく、「良好」、「並」及び「不良」など状態を示すフラグであっても良い。
【0047】
適合度は、治療用コンテンツ110に対するユーザの適合の程度を示す指標である。より具体的には、適合度は、治療用コンテンツ110の各タイプに対してユーザの心身の性質(嗜好や過去のトラウマ、映像に対する酔いやすさ、音や光に対する敏感さなど)がどの程度適合しているかを示す指標である。適合度は、例えば、0~100までの数値をとり、数値が高い程ユーザが治療用コンテンツ110のあるタイプに適合しており、数値が低い程ユーザが治療用コンテンツ110のあるタイプに対して適合していないことを示す。なお、本例では、適合度は、0~100までの数値をとるが、これに限られるものではない。適合度は、任意の範囲の値をとって良い。また、適合度は、数値でなく、「良好」、「並」及び「不良」など状態を示すフラグであっても良い。
【0048】
体調情報は、ユーザの体調に関する情報を示す指標である。体調情報は、重症度とは異なり、ユーザの精神障害の症状だけでなく、寝不足で頭が痛い、風邪をひいて調子が悪いなどの症状を含むある治療回及び日時におけるユーザの総合的な心身のコンディションを示す。体調情報は、例えば、「良好」、「並」及び「不良」など状態を示すフラグである。なお、本例では、体調情報は、フラグであるが、これに限られるものではない。体調情報は、任意の範囲の数値であっても良い。
【0049】
スコア情報は、治療用処理が実行されユーザに治療用コンテンツ110が提供された時に、算出されたスコアの数値やログなどである。
【0050】
取得手段102は、ユーザの健康状態に関するユーザ情報を取得する手段である。具体的には、取得手段102は、通信ネットワークNTを介して管理端末30から送信されるユーザの精神障害に関する症状の程度を示す重症度や医者による問診や診察の結果を示す診察情報、コンテンツ提供端末20によって測定されたユーザの視線に関する情報を含む視線解析情報、ユーザの嗜好や画面に対する酔いやすさなどの心身的な性質を示す適合度、チェックリストなどによるユーザの体調を示す体調情報をユーザ情報として取得する。また、取得手段102は、記憶手段101に記憶されている対応するユーザのユーザ情報テーブル113に取得したユーザ情報の内容を反映させる。
【0051】
状態判定手段103は、ユーザ情報に基づいて、ユーザの健康状態を判定する手段である。具体的には、状態判定手段103は、記憶手段101に記憶されているユーザ情報テーブル113を参照して、ユーザ情報テーブル113に含まれているユーザ情報のうち重症度の値を取得する。状態判定手段103は、取得した重症度の数値が予め定められている複数の範囲のうちいずれの範囲に該当するかを判定し、当該判定結果をユーザの健康状態の判定結果とする。
【0052】
作成手段104は、状態判定手段103の判定結果に基づいて治療計画112を作成する手段である。具体的には、作成手段104は、状態判定手段103によるユーザの重症度の数値がいずれの範囲に該当するかという判定結果を取得し、当該範囲に予め対応付けられている実行対象である治療用処理、及び実行対象である治療用処理を実行する順番に関する情報に基づいて、治療計画112を作成する。作成手段104は、作成した治療計画112を記憶手段101に記憶する。
【0053】
また、作成手段104は、治療計画112の作成にあたって、状態判定手段103の判定結果に基づいて、治療用処理の実行時に実行する一の治療用コンテンツ110を決定する。具体的には、作成手段104は、ユーザの治療用コンテンツ110の各タイプに関する適合度のうち、最も高い適合度に対応する治療用コンテンツを、治療用処理の実行時に実行する一の治療用コンテンツ110として決定する。
【0054】
また、作成手段104は、治療計画112の作成にあたって、ユーザの体調情報に基づいて、治療用コンテンツ110の難易度又は実行時間を決定する。具体的には、作成手段104は、例えば、ユーザの体調情報が「不良」である場合には、治療用コンテンツ110の実行時間を短くしたり、難易度を易しくするために難易度情報を「易」としたりする。
【0055】
さらに、作成手段104は、ユーザの体調情報に基づいて、治療用処理を実行する順番を決定する。具体的には、作成手段104は、例えば、ユーザの体調情報が「不良」である場合には、特定の治療用処理を実行する回数を増減させたり、治療用処理を実行する順番を入れ替えたりする。
【0056】
送信手段105は、作成手段104が作成し記憶手段101に記憶した治療計画112のうち、ユーザに対応する治療計画112を選択し、選択した治療計画112をコンテンツ提供端末20に送信する手段である。
【0057】
図5は、
図1に示すコンテンツ提供端末20の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、コンテンツ提供端末20は、機能的構成として、例えば、記憶手段201と、実行手段202と、入力手段203と、評価手段204と、難易度調整手段205とを備える。記憶手段201以外の機能手段は、記憶装置21等に格納されたプログラムを制御装置22が実行することにより実現される。なお、上記機能手段の全部又は一部は、コンテンツ提供端末20ではなく、サーバ装置10が備えていてもよい。
【0058】
記憶手段201は、治療用コンテンツ110や治療計画112、ユーザ情報テーブル113、評価基準112などを記憶する機能手段である。なお、治療用コンテンツ110、治療計画112及びユーザ情報テーブル113は、サーバ装置10から通信ネットワークNTを介して送信され、記憶手段201に記憶される。
【0059】
評価基準212は、治療用コンテンツ110にそれぞれ対応付けられており、治療用コンテンツ110の実行中に入力手段203に入力されるユーザの操作を評価手段204が評価する際に用いられる基準となる情報である。評価基準212は、例えば、ユーザの操作タイミングを評価するための所定のタイミングやユーザが入力手段203のうちタッチパネルなどに対して操作を行う際におけるタッチパネル上での操作位置を評価するための所定の位置であったり、入力手段203に入力されるユーザの視線の動きの頻度や速さ、方向などを評価するための基準であったりする。
【0060】
解析用コンテンツ213は、ユーザの視線の動き(頻度や速さ、方向など)を解析するためのコンテンツであり、記憶手段201に記憶されている。
【0061】
実行手段202は、治療計画112に含まれる治療用処理を実行する順番に関する情報に基づいて、実行する一の治療用処理を特定し、特定した一の治療用処理を実行する手段である。具体的には、実行手段202は、記憶手段201に記憶されているユーザ情報テーブル113を参照し、ユーザの今回の治療回が何回目であるかを特定する。また、実行手段202は、記憶手段201に記憶されている治療計画112を参照し、ユーザの今回の治療回に対応する治療用処理を特定し、特定した治療用処理に対応する治療用コンテンツ110を難易度情報に対応する難易度で実行時間に対応する時間だけ実行する。また、実行手段202は、治療用コンテンツ110の実行ログをユーザ情報テーブル113に反映する。
【0062】
入力手段203は、ユーザからの入力を受け付ける手段である。具体的には、入力手段203は、ユーザから操作装置27を介して入力される入力と、ユーザからカメラ25を介して入力されるユーザの視線の動きとを受け付ける。
【0063】
評価手段204は、治療用コンテンツ110に対応付けられている評価基準に基づいて入力手段203への入力を評価する手段である。具体的には、評価手段204は、治療用コンテンツ110に対応付けられている評価基準に基づいて、治療用コンテンツ110の実行中に入力手段203が受け付けた入力(操作装置27への入力及びカメラ25に入力されるユーザ視線の動き)を評価する。評価手段204は、当該評価結果を累積(例えば加算)する。評価手段204は、治療用コンテンツ110の実行が終了した後に、当該評価結果の累積をスコア情報として、スコア情報を記憶手段201に記憶されているユーザ情報テーブル113に反映する。
【0064】
難易度調整手段205は、評価手段204による評価が所定の条件を満たすか否かを判定し、当該判定が肯定判定である場合に治療用コンテンツ110の難易度を調整する手段である。具体的には、難易度調整手段205は、評価が所定の値よりも低い場合、治療用コンテンツ110に対応付けられている難易度情報の値を「易」に変更する。なお、難易度調整手段205は、既に難易度情報の値が「易」である場合には、値を維持する。
【0065】
送信手段206は、記憶手段101に記憶されているユーザ情報テーブル113のうち、今回の治療回に対応するスコア情報を選択し、通信ネットワークNTを介してスコア情報をサーバ装置10や管理端末30に送信する手段である。
【0066】
視線解析手段207は、記憶手段101に記憶されている解析用コンテンツ213を実行する。視線解析手段207は、解析用コンテンツ213の実行することによって、ユーザに対して解析用コンテンツ213を提供し、カメラ25に入力されるユーザの視線の動きを入力手段203によって取得し、取得した視線の動き(頻度や速さ、方向など)を解析し、解析した結果を記憶手段201のユーザ情報テーブル113のスコア情報に反映させる。
【0067】
<一連の処理の流れ>
以上、治療計画作成システム1の回路構成について説明した。次に、治療計画作成システム1の一連の処理の流れについて詳しく説明する。
図9は、
図1に示す治療計画作成システム1の一連の処理の流れを示すフローチャートである。
【0068】
(ステップSP10)
治療計画作成システム1は、取得手段102によって、ユーザの健康状態に関するユーザ情報を取得する。具体的には、治療計画作成システム1は、取得手段102によって、通信ネットワークNTを介して管理端末30から送信される○○をユーザ情報として取得する。さらに、治療計画作成システム1は、取得手段102によって、記憶手段101に記憶されている対応するユーザのユーザ情報テーブル113に取得したユーザ情報の内容を反映させる。そして、処理はステップSP12の処理に移行する。
【0069】
(ステップSP12)
治療計画作成システム1は、状態判定手段103によって、ユーザ情報に基づいて、ユーザの健康状態を判定する。具体的には、治療計画作成システム1は、状態判定手段103によって、記憶手段101に記憶されているユーザ情報テーブル113を参照して、ユーザ情報テーブル113に含まれているユーザ情報のうち重症度の値を取得する。さらに、治療計画作成システム1は、状態判定手段103によって、取得した重症度の数値が予め定められている複数の範囲のうちいずれの範囲に該当するかを判定し、当該判定結果をユーザの健康状態の判定結果とする。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0070】
(ステップSP14)
治療計画作成システム1は、作成手段104によって、状態判定手段103の判定結果に基づいて治療計画112を作成する。具体的には、治療計画作成システム1は、作成手段104によって、状態判定手段103によるユーザの重症度の数値がいずれの範囲に該当するかという判定結果を取得し、当該範囲に予め対応付けられている実行対象である治療用処理、及び実行対象である治療用処理を実行する順番に関する情報に基づいて、治療計画112を作成する。続いて、治療計画作成システム1は、作成手段104によって、作成した治療計画112を記憶手段101に記憶する。さらに、治療計画作成システム1は、送信手段105によって、記憶手段101に記憶されている治療計画112をコンテンツ提供端末20に送信する。そして、処理は、ステップSP16の処理に移行する。
【0071】
(ステップSP16)
治療計画作成システム1は、実行手段202によって、治療計画112に含まれる治療用処理を実行する順番に関する情報に基づいて、実行する一の治療用処理を特定する。具体的には、治療計画作成システム1は、実行手段202によって、記憶手段201に記憶されているユーザ情報テーブル113を参照し、ユーザの今回の治療回が何回目であるかを特定する。続いて治療計画作成システム1は、実行手段202によって、記憶手段201に記憶されている治療計画112を参照し、ユーザの今回の治療回に対応する治療用処理を特定する。そして、処理は、ステップSP18の処理に移行する。
【0072】
(ステップSP18)
治療計画作成システム1は、実行手段202によって、特定した一の治療用処理を実行する。具体的には、治療計画作成システム1は、実行手段202によって、特定した治療用処理に対応する治療用コンテンツ110を難易度情報に対応する難易度で実行する。そして、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0073】
(ステップSP20)
治療計画作成システム1は、評価手段204によって、治療用コンテンツ110に対応付けられている評価基準に基づいて入力手段203への入力を評価する。具体的には、治療計画作成システム1は、評価手段204によって、治療用コンテンツ110に対応付けられている評価基準に基づいて、治療用コンテンツ110の実行中に入力手段203が受け付けた入力(カメラ25に入力されるユーザ視線の動き)を評価する。そして、処理は、ステップSP22の処理に移行する。
【0074】
(ステップSP22)
治療計画作成システム1は、難易度調整手段205によって、評価手段204による評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。具体的には、治療計画作成システム1は、難易度調整手段205によって、評価が所定の値よりも低いか否かを評価する。一方、難易度調整手段205による当該評価が所定の条件を満たす場合、処理は、ステップSP24の処理に移行する。他方、難易度調整手段205による当該評価が所定の条件を満たさない場合、処理は、ステップSP26の処理に移行する。
【0075】
(ステップSP24)
治療計画作成システム1は、難易度調整手段205によって、治療用コンテンツ110の難易度を調整する。具体的には、治療計画作成システム1は、難易度調整手段205によって、治療用コンテンツ110に対応付けられている難易度情報の値を「易」に変更する。そして、処理は、ステップSP26の処理に移行する。
【0076】
(ステップSP26)
治療計画作成システム1は、実行手段202によって、治療用コンテンツ110に対応する実行時間分の時間が経過したか否かを判定する。一方、治療計画作成システム1は、実行手段202によって当該実行時間分の時間が経過したと判定する場合、ステップSP20の処理に戻る。他方、治療計画作成システム1は、実行手段202によって当該実行時間分の時間が経過していないと判定する場合、処理は、ステップSP28の処理に移行する。
【0077】
(ステップSP28)
治療計画作成システム1は、実行手段202によって、治療用コンテンツ110の実行ログをユーザ情報テーブル113のスコア情報に反映する。また、治療計画作成システム1は、評価手段204によって、評価手段204による当該評価結果の累積を記憶手段201に記憶されているユーザ情報テーブル113のスコア情報に反映する。さらに、治療計画作成システム1は、送信手段206によって、ユーザ情報テーブル113のスコア情報をサーバ装置10に送信する。そして、
図9に示す一連の処理は、終了する。
【0078】
続いて、治療計画作成システム1の一連の処理の流れについて詳しく説明する。
図10は、
図9に示すフローチャートにおいて、治療計画112を作成するステップSP14の処理の流れの詳細を示すフローチャートである。
【0079】
(ステップSP50)
治療計画作成システム1は、作成手段104によって、状態判定手段103によるユーザの重症度の数値がいずれの範囲に該当するかという判定結果を取得し、当該範囲に予め対応付けられている実行対象である治療用処理、及び実行対象である治療用処理を実行する順番に関する情報に基づいて、治療用処理の種類(処理A~処理Zのいずれであるか)及び順番を決定する。そして、処理は、ステップSP52の処理に移行する。
【0080】
治療計画作成システム1は、作成手段104によって、ユーザ情報テーブル113を参照し、ユーザの治療用コンテンツ110の各タイプに対する適合度を取得する。治療計画作成システム1は、作成手段104によって、治療用処理に対応付けられている治療用コンテンツ110のうち、最も適合度が高いタイプの治療用コンテンツ110を実行する一の治療用コンテンツ110に決定する。そして、処理は、ステップSP54の処理に移行する。
【0081】
治療計画作成システム1は、作成手段104によって、ユーザ情報テーブル113を参照し、ユーザの体調情報を取得する。治療計画作成システム1は、ユーザの体調情報に基づいて、治療用処理の実行時間を決定する。そして、処理は、ステップSP56の処理に移行する。
【0082】
治療計画作成システム1は、作成手段104によって、ユーザ情報テーブル113を参照し、ユーザの体調情報を取得する。治療計画作成システム1は、ユーザの体調情報に基づいて、実行する治療用コンテンツ110の難易度を調整する。そして、
図10に示す一連の処理は、終了する。
【0083】
<効果>
以上、本実施形態では、治療計画作成システム1は、ユーザの健康状態に関するユーザ情報を取得し、ユーザ情報に基づいて、健康状態を判定する。さらに、治療計画作成システム1は、異なる複数の治療用処理のうちの実行対象である治療用処理、及び治療用処理を実行する順番に関する情報を含む治療計画112を当該判定結果に基づいて作成する。そして、治療計画作成システム1は、治療計画112に含まれる治療用処理を実行する順番に関する情報に基づいて、実行する一の前記治療用処理を特定し、特定した前記一の治療用処理を実行する。したがって、治療計画作成システム1は、ユーザの治療計画112を作成できる。
【0084】
また、本実施形態では、治療計画作成システム1は、精神障害に関する状態に基づいて治療計画112を作成する、したがって、治療計画作成システム1は、ユーザの精神障害に関する状態に適した治療計画112を作成できる。
【0085】
また、本実施形態では、治療用処理には異なる複数の治療用コンテンツ110が対応付けられている。さらに、治療計画作成システム1は、状態判定手段103の判定結果に基づいて、治療用処理の実行時に実行する一の治療用コンテンツ110を決定する。したがって、治療計画作成システム1は、ユーザの健康状態に適した治療用コンテンツ110を治療用処理の実行時に実行する一の治療用コンテンツ110として決定できる。
【0086】
また、本実施形態では、ユーザ情報は、ユーザの精神障害の症状の程度を示す重症度を含む。さらに、治療計画作成システム1は、重症度に基づいて健康状態を判定する。したがって、治療計画作成システム1は、重症度に適した治療計画112を作成できる。
【0087】
また、本実施形態では、ユーザ情報は、治療用コンテンツ110に対するユーザの適合の程度を示す適合度を含む。さらに、治療計画作成システム1は、適合度に基づいて、一の治療用コンテンツ110を決定する。したがって、治療計画作成システム1は、ユーザの治療用コンテンツ110に対する適合度に適した治療用コンテンツ110を治療用処理の実行時に実行する一の治療用コンテンツ110として決定できる。
【0088】
また、本実施形態では、ユーザ情報は、ユーザの体調に関する情報を示す体調情報を含む。さらに、治療計画作成システム1は、体調情報に基づいて、治療用コンテンツ110の難易度又は実行時間を決定する。したがって、治療計画作成システム1は、ユーザの体調に適した難易度又は実行時間によって治療用コンテンツ110を実行できる。
【0089】
また、本実施形態では、ユーザ情報は、ユーザの体調に関する情報を示す体調情報を含む。さらに、治療計画作成システム1は、体調情報に基づいて治療用処理を実行する順番を決定する。したがって、治療計画作成システム1は、ユーザの体調に適した治療用処理の順番となるように治療計画112を作成できる。
【0090】
また、本実施形態では、治療計画作成システム1は、ユーザからの入力を受け付け、一の治療用コンテンツ110の実行中に、一の治療用コンテンツ110に対応付けられている評価基準に基づいて当該入力を評価する。したがって、治療計画作成システム1は、治療用コンテンツ110の実行中にユーザによる入力を評価できる。
【0091】
また、本実施形態では、治療計画作成システム1は、評価手段204による評価が所定の条件を満たすか否かを判定し、当該判定が肯定判定である場合に一の治療用コンテンツ110の難易度を調整する。したがって、治療計画作成システム1は、ユーザによる入力に適した難易度の治療用コンテンツ110をユーザに提供できる。
【0092】
また、本実施形態では、治療計画作成システム1は、ユーザの視線の動きを入力として受け付け、視線の動きを入力として評価する。したがって、治療計画作成システム1は、ユーザの視線の動きに適した治療用コンテンツ110をユーザに提供できる。
【0093】
<変形例>
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0094】
例えば、本実施形態では、治療計画作成システム1は、新たなユーザに対する治療計画112を作成する場合に予め記憶手段101に記憶されている治療計画112のテンプレートを元に治療計画112を作成しても良い。この構成によれば、治療計画作成システム1は、治療計画112のテンプレートを元に治療計画112を作成するため、治療計画112をする際の処理を簡素化できる。
【0095】
また、本実施形態では、治療計画作成システム1は、ユーザの重症度の前回に対する変化の度合を統計情報として、記憶手段101のユーザ情報テーブル113に含めても良い。さらに、治療計画作成システム1は、統計情報に基づいて、作成手段104によって治療計画112を作成しても良い。この構成によれば、ユーザの重症度の変化の度合に適した治療計画112を作成できる。
【0096】
また、本実施形態では、治療用処理テーブル111には、治療用処理にそれぞれ重症度の数値がいずれに範囲に該当するかという当該範囲毎に実行回数が対応付けられていても良い。この場合において、作成手段104は、重症度の数値がいずれの範囲に該当するかという判定結果を取得し、当該範囲に予め対応付けられている実行対象である治療用処理を決定する。続いて、作成手段104は、当該範囲に対応する治療用処理の実行回数だけ、決定した各治療用処理を実行するように治療計画112を作成する。なお、実行回数は、高い重症度に対応する範囲であるほど多くなるように、治療用処理に対応付けられる。この構成によれば、ユーザの重症度が高いほど多くの治療用処理を含む一方で、ユーザの重症度が低いほど少ない数の治療用処理を含むように治療計画112を作成するので、ユーザの重症度に適した治療計画112を作成できる。
【0097】
また、本実施形態では、治療計画作成システム1は、状態判定手段103によって、記憶手段101に記憶されているユーザ情報テーブル113のスコア情報に基づいて、ユーザの健康状態を判定しても良い。具体的には、取得手段102は、記憶手段101に記憶されているユーザ情報テーブル113から前回の治療回のスコア情報を取得する。続いて、状態判定手段103は、取得手段102が取得した前回の治療回のスコア情報のスコアの数値がいずれの範囲に該当するかを判定する。そして、作成手段104は、状態判定手段103により判定された範囲に予め対応付けられている実行対象である治療用処理、及び実行対象である治療用処理を実行する順番に関する情報に基づいて、治療計画112を作成する。この構成によれば、治療計画作成システム1は、ユーザが治療用コンテンツ110を実行した際に算出されるユーザの入力に関するスコア情報に基づいて治療計画112を作成できる。
【0098】
また、本実施形態では、治療計画作成システム1は、難易度毎に異なる評価基準212が記憶手段201に記憶されていても良い。この場合において、評価手段204は、治療用コンテンツ110の実行中に治療計画112に含まれている難易度情報に従って、評価基準212を選択し、選択した評価基準212に基づいて入力手段203に入力されるユーザの入力を評価する。この構成によれば、治療計画作成システム1は、難易度に適した評価基準212によってユーザの入力を評価できる。
【0099】
また、本実施形態では、コンテンツ提供端末20は、ユーザの生体情報を取得する生体情報取得デバイスを備えていても良い。生体情報取得デバイスは、例えばユーザの腕に装着する腕時計型であり、ユーザの心拍数や血圧、体温などの生体情報を取得する。この場合において、治療計画作成システム1は、機能ブロックとして、生体情報を計測するための生体情報取得手段をさらに含む。治療計画作成システム1は、生体情報取得手段が取得した生体情報を送信手段206によってサーバ装置10に送信する。さらに、この場合において、状態判定手段103は、送信手段206によって送信された生体情報に基づいて、ユーザの健康状態を判定する。この構成によれば、治療計画作成システム1は、精神障害の症状の程度を示す重症度だけでなく、ユーザの心拍数や血圧、体温などの生体情報に基づいて健康状態を判定するため、より高精度で判定されたユーザの健康状態に基づいて、治療計画112を作成できる。したがって、治療計画作成システム1は、よりユーザの健康状態に適した治療計画112を作成できる。
【符号の説明】
【0100】
1…治療計画作成システム、102…取得手段、103…状態判定手段、104…作成手段、202…実行手段
【手続補正書】
【提出日】2022-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる複数の治療用処理が記憶され、且つ、各治療用処理には異なる複数の治療用コンテンツが対応付けられて記憶される記憶手段と、
ユーザの精神障害に関する状態である健康状態に関し、前記精神障害の症状の程度を示す重症度、及び前記ユーザの体調に関する情報を示す体調情報を含むユーザ情報を取得する取得手段と、
前記重症度の値が予め定められている複数の範囲のうちいずれの範囲に該当するかを判定することによって前記健康状態を判定する状態判定手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記異なる複数の治療用処理の中で前記状態判定手段が判定した範囲に予め対応付けられている治療用処理、及び当該治療用処理を実行する順番に関する情報を含む治療計画を作成し、前記記憶手段に記憶する作成手段と、
を備え、
前記作成手段は、前記範囲に予め対応付けられている治療用処理に対応する複数の治療用コンテンツの中から一の治療用コンテンツを決定し、前記一の治療用コンテンツの難易度を前記体調情報に基づいて調整する、
治療計画作成システム。
【請求項2】
前記ユーザ情報は、前記治療用コンテンツに対する前記ユーザの適合の程度を示す適合度を含み、
前記作成手段は、前記適合度に最も合うように前記一の治療用コンテンツを決定する請求項1に記載の治療計画作成システム。
【請求項3】
前記作成手段は、前記体調情報に基づいて、前記治療用処理を実行する順番を決定する請求項1に記載の治療計画作成システム。
【請求項4】
前記ユーザの視線の動きを受け付ける入力手段と、
前記治療用コンテンツの実行中に、当該治療用コンテンツに対応付けられている評価基準に基づいて前記入力手段が受け付けた前記ユーザの視線の動きを評価する評価手段と、
をさらに備える請求項1に記載の治療計画作成システム。
【請求項5】
前記評価手段による評価が所定の値より低いか否かを判定し、当該判定が肯定判定である場合に前記一の治療用コンテンツの難易度を調整する難易度調整手段、
をさらに備える請求項4に記載の治療計画作成システム。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる複数の治療用処理が記憶され、且つ、各治療用処理には異なる複数の治療用コンテンツが対応付けられて記憶される記憶手段と、
ユーザの精神障害に関する状態である健康状態に関し、前記精神障害の症状の程度を示す重症度、前記ユーザの体調に関する情報を示す体調情報、及び前記複数の治療用コンテンツそれぞれに対する前記ユーザの適合の程度を示す適合度を含むユーザ情報を取得する取得手段と、
前記重症度の値が予め定められている複数の範囲のうちいずれの範囲に該当するかを判定することによって前記健康状態を判定する状態判定手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記異なる複数の治療用処理の中で前記状態判定手段が判定した範囲に予め対応付けられている治療用処理、及び当該治療用処理を実行する順番に関する情報を含む治療計画を作成し、前記記憶手段に記憶する作成手段と、
を備え、
前記作成手段は、前記記憶手段に記憶されている前記複数の治療用処理の中で前記範囲に予め対応付けられている治療用処理に対応し、かつ前記記憶手段に記憶されている前記複数の治療用コンテンツの中から前記適合度が最も高い治療用コンテンツを、当該治療用処理を実行する一の治療用コンテンツとして決定し、当該一の治療用コンテンツの難易度を前記体調情報に基づいて調整する、
治療計画作成システム。
【請求項2】
前記作成手段は、前記体調情報に基づいて、前記治療用処理を実行する順番を決定する請求項1に記載の治療計画作成システム。
【請求項3】
前記ユーザの視線の動きを受け付ける入力手段と、
前記一の治療用コンテンツの実行中に、当該一の治療用コンテンツに予め対応付けられている評価基準に基づいて前記入力手段が受け付けた前記ユーザの視線の動きを評価する評価手段と、
をさらに備える請求項1に記載の治療計画作成システム。
【請求項4】
前記評価手段による評価が所定の値より低いか否かを判定し、当該判定が肯定判定である場合に前記一の治療用コンテンツの難易度を調整する難易度調整手段、
をさらに備える請求項3に記載の治療計画作成システム。