(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057360
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】荷重検出装置および荷重検出システム
(51)【国際特許分類】
G01L 25/00 20060101AFI20240417BHJP
H01H 13/52 20060101ALI20240417BHJP
H01H 13/10 20060101ALI20240417BHJP
H01H 13/00 20060101ALI20240417BHJP
G01L 1/26 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
G01L25/00 A
H01H13/52 F
H01H13/10
H01H13/00 C
G01L1/26 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164050
(22)【出願日】2022-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小原 啓志
【テーマコード(参考)】
5G206
【Fターム(参考)】
5G206AS10N
5G206AS10Z
5G206FS17J
5G206FS17K
5G206HU25
5G206HU35
5G206HU44
5G206HW14
5G206HW34
5G206HW74
5G206KS08
5G206KS12
5G206KS32
5G206KS37
5G206NS02
(57)【要約】
【課題】特別なスイッチ素子を追加せずに荷重検出装置にスイッチ機能を付与すること。
【解決手段】荷重検出装置は、基台と、基台に設置され荷重に応じた電気的変量を出力する感圧素子と、感圧素子を押圧可能に支持された弾性部材と、弾性部材を押圧可能に支持された駆動部材とを備え、基台は、固定接点部を有し、弾性部材は、導電性を有する板バネ部材からなり、板バネ部材は、感圧素子を押圧する押圧部と、基台に常時支持される当接部と、押圧部と当接部の間であって駆動部材により駆動される被駆動部と、駆動部材からの押圧力を受けていないときには固定接点部に接触せず駆動部材からの押圧力を受けたときには固定接点部に接触する可動接点部を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、
前記基台に設置され荷重に応じた電気的変量を出力する感圧素子と、
前記感圧素子を押圧可能に支持された弾性部材と、
前記弾性部材を押圧可能に支持された駆動部材とを備え、
前記基台は、固定接点部を有し、
前記弾性部材は、導電性を有する板バネ部材からなり、
前記板バネ部材は、前記感圧素子を押圧する押圧部と、前記基台に常時支持される当接部と、前記押圧部と前記当接部の間であって前記駆動部材により駆動される被駆動部と、前記駆動部材からの押圧力を受けていないときには前記固定接点部に接触せず前記駆動部材からの押圧力を受けたときには前記固定接点部に接触する可動接点部を有することを特徴とする荷重検出装置。
【請求項2】
前記当接部は、第1当接部および第2当接部を有し、
前記押圧部、前記第1当接部、前記第2当接部を結んで形成される仮想三角形の内側に前記被駆動部の中心が位置することを特徴とする請求項1記載の荷重検出装置。
【請求項3】
前記当接部は、第1当接部および第2当接部を有し、
前記第1当接部は、前記被駆動部を含む領域から外方に延設される第1弾性脚部に設けられ、前記第2当接部は、前記被駆動部を含む領域から外方に延設される第2弾性脚部に設けられたことを特徴とする請求項1記載の荷重検出装置。
【請求項4】
前記可動接点部は、前記第1弾性脚部と前記第2弾性脚部の間において前記被駆動部を含む領域から外方に延設される弾性腕部に設けられたことを特徴とする請求項3記載の荷重検出装置。
【請求項5】
前記基台は、前記当接部が常時接触する支持接点部を有し、
前記可動接点部が前記固定接点部に接触したときに前記固定接点部と前記支持接点部が電気的に導通することを特徴とする請求項1記載の荷重検出装置。
【請求項6】
前記駆動部材は、板バネ部材からなり、前記弾性部材の前記被駆動部と当接することにより前記駆動部材を上方に付勢する弾性部を有することを特徴とする請求項1記載の荷重検出装置。
【請求項7】
前記駆動部材の上部に取り付けられ、操作者から押圧力が加えられるラバーステムを備えることを特徴とする請求項1記載の荷重検出装置。
【請求項8】
基台と、
前記基台に設置され荷重に応じた電気的変量を出力する感圧素子と、
前記感圧素子を押圧可能に支持された弾性部材と、
前記弾性部材を押圧可能に支持された駆動部材とを備え、
前記基台は、固定接点部を有し、
前記弾性部材は、導電性を有する板バネ部材からなり、
前記板バネ部材は、前記感圧素子を押圧する押圧部と、前記基台に常時支持される当接部と、前記押圧部と前記当接部の間であって前記駆動部材により駆動される被駆動部と、前記駆動部材からの押圧力を受けていないときには前記固定接点部に接触せず前記駆動部材からの押圧力を受けたときには前記固定接点部に接触する可動接点部を有し、
前記固定接点部と前記可動接点部を含むスイッチ機構および前記感圧素子と電気的に接続される制御手段を備え、
前記制御手段は、前記スイッチ機構がオンしているときの前記感圧素子の出力が規定範囲外である場合に前記感圧素子が故障していると判断することを特徴とする荷重検出システム。
【請求項9】
基台と、
前記基台に設置され荷重に応じた電気的変量を出力する感圧素子と、
前記感圧素子を押圧可能に支持された弾性部材と、
前記弾性部材を押圧可能に支持された駆動部材とを備え、
前記基台は、固定接点部を有し、
前記弾性部材は、導電性を有する板バネ部材からなり、
前記板バネ部材は、前記感圧素子を押圧する押圧部と、前記基台に常時支持される当接部と、前記押圧部と前記当接部の間であって前記駆動部材により駆動される被駆動部と、前記駆動部材からの押圧力を受けていないときには前記固定接点部に接触せず前記駆動部材からの押圧力を受けたときには前記固定接点部に接触する可動接点部を有し、
前記固定接点部と前記可動接点部を含むスイッチ機構および前記感圧素子と電気的に接続される制御手段を備え、
前記制御手段は、前記感圧素子の出力が規定範囲内であるときに前記スイッチ機構がオフになっている場合に前記スイッチ機構が故障していると判断することを特徴とする荷重検出システム。
【請求項10】
前記規定範囲は、故障していない前記感圧素子の出力範囲であって前記スイッチ機構がオンしているときの出力範囲であることを特徴とする請求項8または9記載の荷重検出システム。
【請求項11】
前記制御手段は、前記スイッチ機構がオンに切り替わるまでの間は、前記感圧素子を駆動せずに前記感圧素子の出力を監視せず、前記スイッチ機構がオンに切り替わった以降は、前記感圧素子を駆動して前記感圧素子の出力を監視することを特徴とする請求項8または9記載の荷重検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷重検出装置および荷重検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、適度なストロークを得るために駆動体と弾性体とを用いて荷重センサを駆動する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術は、荷重センサの異常検出のために常時通電する場合があるが、電力消費量が増加するという問題がある。また、特許文献1の技術は、電力消費量を抑えるためにスイッチ素子を併用することが考えられるが、部品点数増加や大型化等の問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る荷重検出装置は、基台と、基台に設置され荷重に応じた電気的変量を出力する感圧素子と、感圧素子を押圧可能に支持された弾性部材と、弾性部材を押圧可能に支持された駆動部材とを備え、基台は、固定接点部を有し、弾性部材は、導電性を有する板バネ部材からなり、板バネ部材は、感圧素子を押圧する押圧部と、基台に常時支持される当接部と、押圧部と当接部の間であって駆動部材により駆動される被駆動部と、駆動部材からの押圧力を受けていないときには固定接点部に接触せず駆動部材からの押圧力を受けたときには固定接点部に接触する可動接点部を有する。
【発明の効果】
【0006】
一実施形態に係る荷重検出装置によれば、特別なスイッチ素子を追加せずに荷重検出装置にスイッチ機能を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る荷重検出装置の外観斜視図
【
図2】第1実施形態に係る荷重検出装置の分解斜視図
【
図4】第1実施形態に係る荷重検出装置が備えるハウジングの平面図
【
図5】第1実施形態に係る荷重検出装置の動作を説明するための図
【
図6】第1実施形態に係る荷重検出装置の動作を説明するための図
【
図7】第1実施形態に係る荷重検出装置の動作を説明するための図
【
図8】第1実施形態に係る荷重検出装置の操作荷重特性を示す図
【
図9】第2実施形態に係る荷重検出装置の外観斜視図
【
図10】第2実施形態に係る荷重検出装置の分解斜視図
【
図12】第2実施形態に係る荷重検出装置が備えるハウジングの平面図
【
図13】第2実施形態に係る荷重検出装置の操作荷重特性を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。なお、以降の説明では、便宜上、図中Z軸方向を上下方向とし、図中Y軸方向を左右方向とし、図中X軸方向を前後方向とする。但し、Z軸正方向を上方とし、Y軸正方向を右方とし、X軸正方向を前方とする。
【0009】
〔第1実施形態〕
(荷重検出装置100の概要)
図1は、第1実施形態に係る荷重検出装置100の外観斜視図である。
図1に示すように、荷重検出装置100は、全体的に、上下方向(Z軸方向)に薄型の直方体形状を有し、上面視において、概ね前後方向(X軸方向)を長手方向とする長方形状を有する。
【0010】
図1に示すように、荷重検出装置100は、ハウジング110の上面110Aが、フレーム120によって覆われている。ハウジング110には、ステム130等が収容されている。ステム130の中央部には、上方(Z軸正方向)に凸状に突出した、上面視にて矩形状の操作部131が設けられている。
【0011】
ステム130の操作部131は、フレーム120に形成された上面視にて矩形状の開口部120Aを貫通し、フレーム120よりも上方(Z軸正方向)に突出している。これにより、荷重検出装置100は、ステム130の操作部131による下方(Z軸負方向)への押圧操作が可能である。
【0012】
(荷重検出装置100の構成)
図2は、第1実施形態に係る荷重検出装置100の分解斜視図である。
図3は、第1実施形態に係る荷重検出装置100の断面図である。
図2および
図3に示すように、荷重検出装置100は、図中下側(Z軸負側)から順に、ハウジング110、感圧素子140、2つの弾性部材150、ステム130、およびフレーム120を備える。
【0013】
ハウジング110は、「基台」の一例である。ハウジング110は、上下方向(Z軸方向)に薄型の直方体形状を有する、容器状の部材である。ハウジング110は、上面視において、概ね前後方向(X軸方向)を長手方向とする長方形状を有する。ハウジング110は、上面110Aから下方に向かって凹んだ形状の、凹部110Bを有する。凹部110Bは、上面視において、概ね前後方向(X軸方向)を長手方向とする長方形状を有する。凹部110B内には、下側(Z軸負側)から順に、感圧素子140、2つの弾性部材150、およびステム130が収容される。例えば、ハウジング110は、比較的硬質な絶縁性素材(例えば、硬質樹脂等)が用いられて、インサート成形によって形成される。凹部110Bの内部構成については、
図4を用いて後述する。
【0014】
ハウジング110における前後一対の側面の各々には、外側に突出した爪部111が形成されている。爪部111は、ハウジング110の上面110Aにフレーム120が取り付けられたとき、フレーム120のフック120Bの開口部120Ba内に嵌め込まれることによって、フック120Bと係合することにより、ハウジング110に対してフレーム120を固定することができる。
【0015】
感圧素子140は、ハウジング110の凹部110B内の底部110Baに設置される。具体的には、感圧素子140は、底部110Baの後端部(X軸負側の端部)且つ左右方向(Y軸方向)における中央に形成されている、凹状の収容部114内に設置される。感圧素子140の上面の中央部には、上方に凸状の被押圧部141が設けられている。感圧素子140は、被押圧部141が押圧されることにより、当該押圧に係る荷重に応じた電気的変量を出力することができる。
【0016】
なお、収容部114内の底部には、4つの固定接点部115A~115Dが並べて設けられており(
図4参照)、感圧素子140は、4つの固定接点部115A~115D上に設置される。これにより、感圧素子140は、4つの固定接点部115A~115Dの各々に電気的に接続され、4つの固定接点部115A~115Dを介して、電気的変量を出力可能となる。
【0017】
弾性部材150は、金属板が用いられて形成される、弾性を有する部材である。弾性部材150は、導電性を有する板バネ部材からなる。弾性部材150は、ハウジング110の凹部110B内に配置される。弾性部材150は、基部151、第1弾性脚部152、第2弾性脚部153、弾性腕部154、および被駆動部155を有する。
【0018】
被駆動部155は、前後方向(X軸方向)における弾性部材150の中央部に設けられており、ステム130によって駆動される部分(すなわち、上方から押圧される部分)である。被駆動部155は、弾性部材150における左右方向(Y軸方向)の一端部から他端部まで、左右方向(Y軸方向)に直線状に延設されている。
【0019】
基部151は、弾性部材150の後部(X軸負側の部分)に設けられた、平面状の部分である。基部151の左右方向(Y軸方向)の幅は、弾性部材150の左右方向(Y軸方向)の幅と等しい。
【0020】
第1弾性脚部152は、被駆動部155を含む領域の左端部(Y軸負側の端部)から外方(X軸正方向)に延設される、脚状の部分である。
【0021】
第2弾性脚部153は、被駆動部155を含む領域の右端部(Y軸正側の端部)から外方(X軸正方向)に延設される、脚状の部分である。
【0022】
弾性腕部154は、被駆動部155を含む領域の左右方向(Y軸方向)における中央部から、一対の弾性脚部152,153の間を外方(X軸正方向)に延設される、腕状の部分である。
【0023】
なお、本実施形態では、一例として、2枚の弾性部材150を重ねて設けることにより、ステム130の操作荷重が所望のものとなるように調整されている。但し、これに限らず、1枚の弾性部材150を設けてもよく、3枚以上の弾性部材150を重ねて設けてもよい。
【0024】
ステム130は、「駆動部材」の一例であり、操作者によって下方への押圧操作がなされる。ステム130は、ハウジング110の凹部110B内において、弾性部材150の上側に配置される。ステム130は、ハウジング110の凹部110B内において、上下方向(Z軸方向)に移動可能である。例えば、ステム130は、弾性素材(例えば、シリコン、ゴム等)が用いられて形成される。ステム130は、操作部131、基部132、押圧部133、およびお弾性部134を有する。
【0025】
操作部131は、ステム130の中央に設けられており、基部132の上面から上方に突出した角柱形状を有する。操作部131は、フレーム120の開口部120Aを貫通して、操作者による押圧操作がなされる部分である。
【0026】
基部132は、ステム130の基礎となる平板状の部分である。基部132は、操作部131と一体的に設けられており、操作部131を支持する。基部132は、上面視にて、前後方向(X軸方向)を長手方向とする長方形状を有する。
【0027】
押圧部133は、基部132の底面の前後方向(X軸方向)における中央部に設けられている。押圧部133は、操作部131による押圧操作がなされたとき、弾性部材150の被駆動部155を押圧する部分である。
図3に示すように、押圧部133は、左右方向(Y軸方向)からの側方視において、基部132の底面から下方に向かって突出した凸状(台形状)の断面形状を有する。また、押圧部133は、基部132の底面における左右方向(Y軸方向)の一端部から他端部まで、左右方向(Y軸方向)に直線状に延設されている。
【0028】
弾性部134は、金属板が用いられて形成される、弾性を有する部材である。弾性部134は、板バネ部材からなる。弾性部134は、基部132の底面に設置される。弾性部134は、基部132の底面から下方に突出した凸状を有し、且つ、前後方向(X軸方向)における中央部に底部134Aを有する湾曲形状を有する。弾性部134は、前後方向(X軸方向)における両端部が、基部132の底面に固定される。弾性部134は、底部134Aにおいて弾性部材150の被駆動部155に当接することにより、ステム130を上方に付勢する。弾性部134は、操作部131による押圧操作に伴って、上下方向(Z軸方向)に押し潰されるように弾性変形可能である。なお、
図3に示すように、押圧部133は、弾性部134の内側、且つ、弾性部134の底部134Aの上側に位置する。
【0029】
フレーム120は、金属製且つ平板状の部材である。フレーム120は、ハウジング110の上面110Aに固定的に取り付けられることにより、ハウジング110の凹部110B内に各構成部品(感圧素子140、2つの弾性部材150、およびステム130)が収容された状態で、凹部110Bの上部開口を閉塞する。
【0030】
例えば、フレーム120は、金属板がプレス加工等の加工方法によって加工されることにより形成される。上面視にて、フレーム120の中央には、ステム130の操作部131を上方に突出させるための、上面視にて矩形状の開口部120Aが形成されている。また、フレーム120の外周縁部における前後一対の辺の各々には、下方に垂下したフック120Bが設けられている。フック120Bは、開口部120Baを有しており、当該開口部120Ba内にハウジング110の側面に設けられた爪部111が嵌め込まれる。これにより、フック120Bは、ハウジング110に対してフレーム120を固定することができる。
【0031】
(ハウジング110の凹部110B内の構成)
図4は、第1実施形態に係る荷重検出装置100が備えるハウジング110の平面図である。但し、
図4は、凹部110B内に弾性部材150が配置された状態のハウジング110を示す。
【0032】
図4に示すように、ハウジング110の凹部110B内の底部110Baには、インサート成型によって、左右一対の支持接点部112A,112Bと、左右一対の固定接点部113A,113Bとが設けられている。
【0033】
第1支持接点部112Aは、底部110Baの前端部(X軸正側の端部)且つ左端部(Y軸負側の端部)に設けられている。第2支持接点部112Bは、底部110Baの前端部(X軸正側の端部)且つ右端部(Y軸正側の端部)に設けられている。
【0034】
第1固定接点部113Aは、底部110Baの前端部(X軸正側の端部)且つ左右方向における中央部の左側(Y軸負側)に設けられている。第2固定接点部113Bは、底部110Baの前端部(X軸正側の端部)且つ左右方向における中央部の右側(Y軸正側)に設けられている。
【0035】
支持接点部112A,112Bおよび固定接点部113A,113Bは、いずれも、導電性を有する素材(例えば、金属素材)が用いられて形成される。
【0036】
また、
図4に示すように、底部110Baの後端部(X軸負側の端部)且つ左右方向(Y軸方向)における中央には、収容部114が形成されており、当該収容部114内には、感圧素子140が配置されている。
【0037】
一方、弾性部材150は、基部151の後端部(X軸負側の端部)且つ左右方向(Y軸方向)における中央部に、感圧素子140の被押圧部141を押圧する押圧部151Aを有する。
【0038】
また、弾性部材150は、第1弾性脚部152の先端部(X軸正側の端部)に、ハウジング110の第1支持接点部112Aに常時当接する第1当接部152Aを有する。
【0039】
また、弾性部材150は、第2弾性脚部153の先端部(X軸正側の端部)に、ハウジング110の第2支持接点部112Bに常時当接する第2当接部153Aを有する。
【0040】
また、弾性部材150は、弾性腕部154の先端部(X軸正側の端部)に、可動接点部154Aを有する。可動接点部154Aは、固定接点部113A,113Bの上側に位置しており、ステム130からの押圧力を受けていないときには固定接点部113A,113Bに接触せず、ステム130からの押圧力を受けたときには固定接点部113A,113Bに接触する。
【0041】
なお、
図3に示すように、弾性部材150は、左右方向(Y軸方向)からの側方視にて、前後方向(X軸正方向)における中央部に頂部を有する山折り形状を有する。
【0042】
そして、
図4に示すように、ハウジング110の第1支持接点部112Aには、弾性部材150の第1当接部152Aが常時当接する。また、ハウジング110の第2支持接点部112Bには、弾性部材150の第2当接部153Aが常時当接する。また、感圧素子140の被押圧部141には、弾性部材150の押圧部151Aが常時当接する。これにより、弾性部材150は、ハウジング110の凹部110B内で、バランス良く3点支持されるようになっている。
【0043】
また、弾性部材150は、
図3に示すように、ステム130によって被駆動部155が駆動されていないとき、被駆動部155が底部110Baから離間するようになっている。これにより、第1実施形態に係る荷重検出装置100は、ステム130によって被駆動部155が駆動されたとき、被駆動部155の下方への移動を許容することができる。
【0044】
また、第1実施形態に係る荷重検出装置100は、
図4に示すように、押圧部151A、第1当接部152A、第2当接部153Aを結んで形成される仮想三角形の内側に、被駆動部155の中心155Aが位置する。
【0045】
これにより、第1実施形態に係る荷重検出装置100は、3点支持される弾性部材150の中央を駆動することができ、よって、弾性部材150を安定支持することができる。
【0046】
(荷重検出装置100の動作)
図5~
図7は、第1実施形態に係る荷重検出装置100の動作を説明するための図である。
【0047】
第1実施形態に係る荷重検出装置100は、
図5に示すように、ステム130の操作部131による押圧操作がなされていないとき、ステム130の弾性部134が下方に凸状の初期状態であるとともに、弾性部材150が上方に凸状の初期状態である。このため、弾性部材150の可動接点部154Aは、ハウジング110の固定接点部113A,113Bに当接していない。よって、支持接点部112A,112Bと固定接点部113A,113Bとが互いに導通してなく、すなわち、スイッチ機構がオフ状態となっている。このとき、ステム130の弾性部134の反力により、感圧素子140の被押圧部141には、弾性部材150の押圧部151Aによって、僅かな荷重がかけられている。
【0048】
そして、第1実施形態に係る荷重検出装置100は、
図6に示すように、ステム130の操作部131による押圧操作がなされて、ステム130の弾性部134が完全に押し潰されると、ステム130の押圧部133が、弾性部134を間に挟んで、弾性部材150の被駆動部155を押し下げる。これにより、弾性部材150が押し潰されつつ、弾性部材150の弾性腕部154が下方に撓み、弾性腕部154の可動接点部154Aが、固定接点部113A,113Bに接触する。その結果、支持接点部112A,112Bと固定接点部113A,113Bとが、弾性部材150を介して互いに導通し、すなわち、スイッチ機構がオン状態となる。また、このとき、ステム130のストローク量が増加するにつれて、比較的バネ硬度が柔らかいステム130の弾性部134の反力が増加するため、弾性部材150の押圧部151Aによって感圧素子140の被押圧部141にかけられる荷重は、比較的緩やかに増加する。
【0049】
さらに、第1実施形態に係る荷重検出装置100は、
図7に示すように、ステム130の操作部131がさらに押し下げられたとき、ステム130の押圧部133が、弾性部134を間に挟んで、弾性部材150の被駆動部155をさらに押し下げる。これにより、弾性部材150の被駆動部155が、ハウジング110の底部110Baに当接し、弾性部材150が完全に押し潰された状態になる。このとき、スイッチ機構は、オン状態を維持する。また、このとき、ステム130のストローク量が増加するにつれて、比較的バネ硬度が硬い弾性部材150の反力が増加するため、弾性部材150の押圧部151Aによって感圧素子140の被押圧部141にかけられる荷重は、比較的急峻に増加する。
【0050】
なお、第1実施形態に係る荷重検出装置100は、ステム130の操作部131による押圧操作が解除されたとき、ステム130の弾性部134が自身の弾性力によって元の凸状に復帰するとともに、弾性部材150が自身の弾性力によって元の凸状に復帰する。その結果、第1実施形態に係る荷重検出装置100は、
図5に示す状態に復帰し、スイッチ機構がオフ状態になる。
【0051】
(荷重検出装置100の操作荷重特性)
図8は、第1実施形態に係る荷重検出装置100の操作荷重特性を示す図である。
図8(a)は、ステム130のストローク量(横軸)と操作荷重(縦軸)との関係を示すグラフである。
図8(b)は、ステム130のストローク量(横軸)とスイッチ電圧(縦軸)との関係を示すグラフである。
【0052】
図8(a)に示すように、ステム130が下方に押し込まれたときの荷重特性は、ステム130のストローク量が0.4mmとなるまでは、主にステム130の弾性部134の反力が寄与するため、比較的緩やかに増加し、ステム130のストローク量が0.4mmとなった以降は、主に弾性部材150の反力が寄与するため、比較的急峻に増加するものとなっている。
【0053】
同様に、
図8(a)に示すように、ステム130が下方に押し込まれたときの感圧素子140の出力は、ステム130のストローク量が0.4mmとなるまでは、比較的緩やかに増加し、ステム130のストローク量が0.4mmとなった以降は、比較的急峻に増加するものとなっている。
【0054】
このように、第1実施形態に係る荷重検出装置100は、可動接点部154Aが第1弾性脚部152と第2弾性脚部153の間の弾性腕部154に設けられているため、可動接点部154Aが固定接点部113A,113Bと導通した後も、ステム130の下方への移動(すなわち、オーバーストローク)が許容され、感圧素子140によって荷重の変化を検出することができる。
【0055】
また、
図8(a)に示すように、スイッチ機構の電圧は、ステム130のストローク量が0.4mmとなるまでは、可動接点部154Aが固定接点部113A,113Bと導通していないため、0.0V(すなわち、オフ状態)となり、ステム130のストローク量が0.4mmとなった以降は、可動接点部154Aが固定接点部113A,113Bと導通するため、5.0V(すなわち、オフ状態)となる。
【0056】
このように、第1実施形態に係る荷重検出装置100は、スイッチ機構によって、ステム130によるプリセンス操作(極僅かなストローク量の操作)を検出することができる。
【0057】
特に、第1実施形態に係る荷重検出装置100は、スイッチ機構として、可動接点部154Aを固定接点部113A,113Bに接触させることでオン状態に切り替える構成を採用したため、特別なスイッチ素子を追加せずにスイッチ機能を付与することができる。
【0058】
また、第1実施形態に係る荷重検出装置100は、ステム130に弾性部134を設けたことにより、ステム130の操作荷重を比較的緩やかに増加させることができ、よって、ステム130の操作荷重の増加率をスイッチ機構のオンタイミングで変化させることできるため、操作者に対して、スイッチ機構のオンタイミングを触覚的に容易に把握させることができる。
【0059】
(荷重検出装置100の故障検出方法)
以下、第1実施形態に係る荷重検出装置100の故障検出方法について説明する。
【0060】
以下に説明する故障検出方法は、荷重検出装置100と、固定接点部113A,113Bと可動接点部154Aを含むスイッチ機構および感圧素子140と電気的に接続される制御手段と、を備えた荷重検出システムによって実現される。
【0061】
例えば、荷重検出システムの制御手段は、ステム130の操作部131による押圧操作がなされていないとき、感圧素子140の電位差が無い場合、感圧素子140の故障と判断することができる。
【0062】
また、例えば、荷重検出システムの制御手段は、スイッチ機構がオン状態にあるときに、感圧素子140の出力が規定範囲外である場合、感圧素子140の故障と判断することができる。
【0063】
また、例えば、荷重検出システムの制御手段は、感圧素子140の出力が規定範囲内にあるときに、スイッチ機構がオフになっている場合、スイッチ機構が故障していると判断することができる。
【0064】
これらの場合、規定範囲は、故障していない感圧素子140の出力範囲であってスイッチ機構がオンしているときの出力範囲であることが好ましい。
【0065】
なお、荷重検出システムの制御手段は、低消費電力化を目的として、スイッチ機構がオンに切り替わるまでのステム130のストローク量がアプリケーションにおいて不要である場合、スイッチ機構がオンに切り替わるまでの間は、感圧素子140を駆動せずに感圧素子140の出力を監視せず、スイッチ機構がオンに切り替わった以降は、感圧素子140を駆動して感圧素子140の出力を監視するようにしてもよい。
【0066】
〔第2実施形態〕
(荷重検出装置200の概要)
図9は、第2実施形態に係る荷重検出装置200の外観斜視図である。
図9に示すように、荷重検出装置200は、全体的に、上下方向(Z軸方向)に薄型の直方体形状を有し、上面視において、概ね正方形状を有する。
【0067】
図9に示すように、荷重検出装置200は、ハウジング210の上面210Aが、フレーム220によって覆われている。ハウジング210には、ステム230等が収容されている。ステム230の中央部には、上方(Z軸正方向)に凸状に突出した、上面視にて正方形状のラバーステム260が設けられている。
【0068】
ラバーステム260は、フレーム220に形成された上面視にて正方形状の開口部220Aを貫通し、フレーム220よりも上方(Z軸正方向)に突出している。これにより、荷重検出装置200は、ラバーステム260による下方(Z軸負方向)への押圧操作が可能である。
【0069】
(荷重検出装置200の構成)
図10は、第2実施形態に係る荷重検出装置200の分解斜視図である。
図11は、第2実施形態に係る荷重検出装置200の断面図である。
図10および
図11に示すように、荷重検出装置200は、図中下側(Z軸負側)から順に、ハウジング210、感圧素子240、4つの弾性部材250、ステム230、フレーム220、およびラバーステム260を備える。
【0070】
ハウジング210は、「基台」の一例である。ハウジング210は、上下方向(Z軸方向)に薄型の直方体形状を有する、容器状の部材である。ハウジング210は、上面視において、概ね正方形状を有する。ハウジング210は、上面210Aから下方に向かって凹んだ形状の、凹部210Bを有する。凹部210Bは、上面視において、概ね正方形状を有する。凹部210B内には、下側(Z軸負側)から順に、感圧素子240、4つの弾性部材250、およびステム230が収容される。例えば、ハウジング210は、比較的硬質な絶縁性素材(例えば、硬質樹脂等)が用いられて、インサート成形によって形成される。凹部210Bの内部構成については、
図12を用いて後述する。
【0071】
ハウジング210における前後一対の側面の各々には、外側に突出した爪部211が形成されている。爪部211は、ハウジング210の上面210Aにフレーム220が取り付けられたとき、フレーム220のフック220Bの開口部220Ba内に嵌め込まれることによって、フック220Bと係合することにより、ハウジング210に対してフレーム220を固定することができる。
【0072】
感圧素子240は、ハウジング210の凹部210B内の底部210Baに設置される。具体的には、感圧素子240は、底部210Baの後端部(X軸負側の端部)且つ左右方向(Y軸方向)における中央に形成されている、凹状の収容部214内に設置される。感圧素子240の上面の中央部には、上方に凸状の被押圧部241が設けられている。感圧素子240は、被押圧部241が押圧されることにより、当該押圧に係る荷重に応じた電気的変量を出力することができる。
【0073】
なお、収容部214内の底部には、4つの固定接点部215A~215Dが並べて設けられており、感圧素子240は、4つの固定接点部215A~215D上に設置される。これにより、感圧素子240は、4つの固定接点部215A~215Dの各々に電気的に接続され、4つの固定接点部215A~215Dを介して、電気的変量を出力可能となる。
【0074】
弾性部材250は、金属板が用いられて形成される、弾性を有する部材である。弾性部材250は、導電性を有する板バネ部材からなる。弾性部材250は、ハウジング210の凹部210B内に配置される。弾性部材250は、基部251、第1弾性脚部252、第2弾性脚部253、弾性腕部254、および被駆動部255を有する。
【0075】
被駆動部255は、前後方向(X軸方向)における弾性部材250の中央部、且つ、左右方向(Y軸方向)における弾性部材250の中央部に設けられており、ステム230によって駆動される部分(すなわち、上方から押圧される部分)である。被駆動部255は、上面視において、左右方向(Y軸方向)を長手方向とする長方形状を有する。
【0076】
基部251は、弾性部材250の後部(X軸負側の部分)に設けられた、平面状の部分である。基部251の左右方向(Y軸方向)の幅は、弾性部材250の左右方向(Y軸方向)の幅と等しい。
【0077】
第1弾性脚部252は、被駆動部255を含む領域の左端部(Y軸負側の端部)から外方(X軸正方向)に延設される、脚状の部分である。
【0078】
第2弾性脚部253は、被駆動部255を含む領域の右端部(Y軸正側の端部)から外方(X軸正方向)に延設される、脚状の部分である。
【0079】
弾性腕部254は、被駆動部255を含む領域の左右方向(Y軸方向)における中央部から、一対の弾性脚部252,253の間を外方(X軸正方向)に延設される、腕状の部分である。
【0080】
なお、本実施形態では、一例として、4枚の弾性部材250を重ねて設けることにより、ステム230の操作荷重が所望のものとなるように調整されている。但し、これに限らず、3枚以下の弾性部材250を設けてもよく、5枚以上の弾性部材250を重ねて設けてもよい。
【0081】
ステム230は、「駆動部材」の一例であり、操作者によって下方への押圧操作がなされる。ステム230は、ハウジング210の凹部210B内において、弾性部材250の上側に配置される。ステム230は、ハウジング210の凹部210B内において、上下方向(Z軸方向)に移動可能である。例えば、ステム230は、弾性素材(例えば、シリコン、ゴム等)が用いられて形成される。ステム230は、台座部231、基部232、および押圧部233を有する。
【0082】
台座部231は、ステム230の中央に設けられており、基部232の上面から上方に突出した矩形枠状を有する。台座部231は、ラバーステム260が取り付けられる部分である。
【0083】
基部232は、ステム230の基礎となる平板状の部分である。基部232は、台座部231と一体的に設けられており、台座部231に取り付けられたラバーステム260を支持する。基部232は、上面視にて、正方形状を有する。
【0084】
押圧部233は、基部232の底面の中心部に設けられている。押圧部233は、台座部231に取り付けられたラバーステム260による押圧操作がなされたとき、弾性部材250の被駆動部255を押圧する部分である。
図11に示すように、押圧部233は、左右方向(Y軸方向)からの側方視において、基部232の底面から下方に向かって突出した凸状(矩形状)の断面形状を有する。また、押圧部233は、底面視にて、左右方向(Y軸方向)を長手方向とする長方形状を有する。
【0085】
フレーム220は、金属製且つ平板状の部材である。フレーム220は、ハウジング210の上面210Aに固定的に取り付けられることにより、ハウジング210の凹部210B内に各構成部品(感圧素子240、2つの弾性部材250、およびステム230)が収容された状態で、凹部210Bの上部開口を閉塞する。
【0086】
例えば、フレーム220は、金属板がプレス加工等の加工方法によって加工されることにより形成される。上面視にて、フレーム220の中央には、ステム230の台座部231に取り付けられたラバーステム260を上方に突出させるための、上面視にて矩形状の開口部220Aが形成されている。また、フレーム220の外周縁部における前後一対の辺の各々には、下方に垂下したフック220Bが設けられている。フック220Bは、開口部220Baを有しており、当該開口部220Ba内にハウジング210の側面に設けられた爪部211が嵌め込まれる。これにより、フック220Bは、ハウジング210に対してフレーム220を固定することができる。
【0087】
ラバーステム260は、ステム230の台座部231に取り付けられ、フレーム220の開口部220Aを貫通して、フレーム220よりも上方に突出することにより、操作者から押圧力が加えられる部材である。ラバーステム260は、ラバー素材が用いられて形成され、弾性を有する。一例として、本実施形態では、ラバーステム260は、直方体形状を有する。
【0088】
(ハウジング210の凹部210B内の構成)
図12は、第2実施形態に係る荷重検出装置200が備えるハウジング210の平面図である。但し、
図12は、凹部210B内に弾性部材250が配置された状態のハウジング210を示す。
【0089】
図12に示すように、ハウジング210の凹部210B内の底部210Baには、インサート成型によって、左右一対の支持接点部212A,212Bと、左右一対の固定接点部213A,213Bとが設けられている。
【0090】
第1支持接点部212Aは、底部210Baの前端部(X軸正側の端部)且つ左端部(Y軸負側の端部)に設けられている。第2支持接点部212Bは、底部210Baの前端部(X軸正側の端部)且つ右端部(Y軸正側の端部)に設けられている。
【0091】
第1固定接点部213Aは、底部210Baの前端部(X軸正側の端部)且つ左右方向における中央部の左側(Y軸負側)に設けられている。第2固定接点部213Bは、底部210Baの前端部(X軸正側の端部)且つ左右方向における中央部の右側(Y軸正側)に設けられている。
【0092】
支持接点部212A,212Bおよび固定接点部213A,213Bは、いずれも、導電性を有する素材(例えば、金属素材)が用いられて形成される。
【0093】
また、
図12に示すように、底部210Baの後端部(X軸負側の端部)且つ左右方向(Y軸方向)における中央には、収容部214が形成されており、当該収容部214内には、感圧素子240が配置されている。
【0094】
一方、弾性部材250は、基部251の後端部(X軸負側の端部)且つ左右方向(Y軸方向)における中央部に、感圧素子240の被押圧部241を押圧する押圧部251Aを有する。
【0095】
また、弾性部材250は、第1弾性脚部252の先端部(X軸正側の端部)に、ハウジング210の第1支持接点部212Aに常時当接する第1当接部252Aを有する。
【0096】
また、弾性部材250は、第2弾性脚部253の先端部(X軸正側の端部)に、ハウジング210の第2支持接点部212Bに常時当接する第2当接部253Aを有する。
【0097】
また、弾性部材250は、弾性腕部254の先端部(X軸正側の端部)に、可動接点部254Aを有する。可動接点部254Aは、固定接点部213A,213Bの上側に位置しており、ステム230からの押圧力を受けていないときには固定接点部213A,213Bに接触せず、ステム230からの押圧力を受けたときには固定接点部213A,213Bに接触する。
【0098】
なお、
図11に示すように、弾性部材250は、左右方向(Y軸方向)からの側方視にて、前後方向(X軸正方向)における中央部に平坦部を有し、平坦部よりも前側(X軸正側)の部分と、平坦部よりも後側(X軸負側)の部分との各々に、上方に凸状に折り曲げられた凸状部を有する。
【0099】
そして、
図11に示すように、弾性部材250は、後端部(X軸負側の端部)においては、押圧部251Aが感圧素子240の被押圧部241に常時当接することによって支持される。また、弾性部材250は、前端部(X軸正側の端部)においては、第1当接部252Aがハウジング210の第1支持接点部212Aに常時当接し、且つ、第2当接部253Aがハウジング210の第2支持接点部212Bに常時当接することによって支持される。これにより、弾性部材250は、ハウジング210の凹部210B内で、バランス良く3点支持されるようになっている。
【0100】
また、弾性部材250は、
図11に示すように、ステム230によって被駆動部255が駆動されていないとき、中央の平坦部に設けられている被駆動部255が、底部210Baから離間するようになっている。これにより、第2実施形態に係る荷重検出装置200は、ステム230によって被駆動部255が駆動されたとき、被駆動部255の下方への移動を許容することができる。
【0101】
また、第2実施形態に係る荷重検出装置200は、
図12に示すように、押圧部251A、第1当接部252A、第2当接部253Aを結んで形成される仮想三角形の内側に、被駆動部255の中心255Aが位置する。
【0102】
これにより、第2実施形態に係る荷重検出装置200は、3点支持される弾性部材250の中央を駆動することができ、よって、弾性部材250を安定支持することができる。
【0103】
(荷重検出装置200の動作)
第2実施形態に係る荷重検出装置200は、ステム230の台座部231に取り付けられたラバーステム260による押圧操作がなされていないとき、弾性部材250が
図11に示す初期状態である。このため、弾性部材250の可動接点部254Aは、ハウジング210の固定接点部213A,213Bに当接していない。よって、支持接点部212A,212Bと固定接点部213A,213Bとが互いに導通してなく、すなわち、スイッチ機構がオフ状態となっている。このとき、ステム230の押圧部233によって弾性部材250の被駆動部255が僅かに押圧されているため、感圧素子240の被押圧部241には、弾性部材250の押圧部251Aによって、僅かな荷重がかけられている。
【0104】
そして、第2実施形態に係る荷重検出装置200は、ステム230の台座部231に取り付けられたラバーステム260による押圧操作がなされて、ラバーステム260が完全に押し潰されると、ステム230の押圧部233が、弾性部材250の被駆動部255を押し下げる。これにより、弾性部材250の被駆動部255が下方に撓みつつ、弾性部材250の弾性腕部254が下方に撓み、弾性腕部254の可動接点部254Aが、固定接点部213A,213Bに接触する。その結果、支持接点部212A,212Bと固定接点部213A,213Bとが、弾性部材250を介して互いに導通し、すなわち、スイッチ機構がオン状態となる。また、このとき、ステム230のストローク量が増加するにつれて、比較的バネ硬度が柔らかいラバーステム260の反力が増加するため、弾性部材250の押圧部251Aによって感圧素子240の被押圧部241にかけられる荷重は、比較的緩やかに増加する。
【0105】
さらに、第2実施形態に係る荷重検出装置200は、ステム230の台座部231に取り付けられたラバーステム260がさらに押し下げられたとき、ステム230の押圧部233が、弾性部材250の被駆動部255をさらに押し下げる。これにより、弾性部材250の被駆動部255がさらに下方に撓んで、ハウジング210の底部210Baに当接し、弾性部材250が最大に下方に撓んだ状態になる。このとき、スイッチ機構は、オン状態を維持する。また、このとき、ステム230のストローク量が増加するにつれて、比較的バネ硬度が硬い弾性部材250の反力が増加するため、弾性部材250の押圧部251Aによって感圧素子240の被押圧部241にかけられる荷重は、比較的急峻に増加する。
【0106】
なお、第2実施形態に係る荷重検出装置200は、ステム230の台座部231に取り付けられたラバーステム260による押圧操作が解除されたとき、弾性部材250が自身の弾性力によって元の撓んでいない状態に復帰する。その結果、第2実施形態に係る荷重検出装置200は、
図11に示す状態に復帰し、スイッチ機構がオフ状態になる。
【0107】
(荷重検出装置200の操作荷重特性)
図13は、第2実施形態に係る荷重検出装置200の操作荷重特性を示す図である。
図13は、ステム230のストローク量(横軸)と操作荷重(縦軸)との関係を示すグラフである。
【0108】
図13に示すように、ステム230が下方に押し込まれたときの荷重特性は、ステム230のストローク量が0.3mmとなるまでは、主にラバーステム260の反力が寄与するため、比較的緩やかに増加し、ステム230のストローク量が0.3mmとなった以降は、主に弾性部材250の反力が寄与するため、比較的急峻に増加するものとなっている。
【0109】
同様に、
図13に示すように、ステム230が下方に押し込まれたときの感圧素子240の出力は、ステム230のストローク量が0.3mmとなるまでは、比較的緩やかに増加し、ステム230のストローク量が0.3mmとなった以降は、比較的急峻に増加するものとなっている。
【0110】
このように、第2実施形態に係る荷重検出装置200は、可動接点部254Aが第1弾性脚部252と第2弾性脚部253の間の弾性腕部254に設けられているため、可動接点部254Aが固定接点部213A,213Bと導通した後も、ステム230の下方への移動(すなわち、オーバーストローク)が許容され、感圧素子240によって荷重の変化を検出することができる。
【0111】
また、スイッチ機構の電圧は、ステム230のストローク量が0.3mmとなるまでは、可動接点部254Aが固定接点部213A,213Bと導通していないため、0.0V(すなわち、オフ状態)となり、ステム230のストローク量が0.3mmとなった以降は、可動接点部254Aが固定接点部213A,213Bと導通するため、5.0V(すなわち、オフ状態)となる。
【0112】
このように、第2実施形態に係る荷重検出装置200は、スイッチ機構によって、ステム230によるプリセンス操作(極僅かなストローク量の操作)を検出することができる。
【0113】
特に、第2実施形態に係る荷重検出装置200は、スイッチ機構として、可動接点部254Aを固定接点部213A,213Bに接触させることでオン状態に切り替える構成を採用したため、特別なスイッチ素子を追加せずにスイッチ機能を付与することができる。
【0114】
また、第2実施形態に係る荷重検出装置200は、ステム230にラバーステム260を設けたことにより、ステム230の操作荷重を比較的緩やかに増加させることができ、よって、ステム230の操作荷重の増加率をスイッチ機構のオンタイミングで変化させることできるため、操作者に対して、スイッチ機構のオンタイミングを触覚的に容易に把握させることができる。
【0115】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0116】
100,200 荷重検出装置
110,210 ハウジング(基台)
110A,210A 上面
110B,210B 凹部
110Ba,210Ba 底部
111,211 爪部
112A,212A 第1支持接点部
112B,212B 第2支持接点部
113A,213A 第1固定接点部
113B,213B 第2固定接点部
114,214 収容部
115A~115D,215A~215D 固定接点部
120,220 フレーム
120A,220A 開口部
120B,220B フック
120Ba,220Ba 開口部
130,230 ステム(駆動部材)
131 操作部
231 台座部
132,232 基部
133,233 押圧部
134 弾性部
134A 底部
140,240 感圧素子
141,241 被押圧部
150,250 弾性部材
151,251 基部
151A,251A 押圧部
152,252 第1弾性脚部
152A,252A 第1当接部
153,253 第2弾性脚部
153A,253A 第2当接部
154,254 弾性腕部
154A,254A 可動接点部
155,255 被駆動部
155A,255A 中心
260 ラバーステム