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特開2024-57363空中浮遊画像表示スイッチ、自動ドア制御装置及び自動ドア制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057363
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】空中浮遊画像表示スイッチ、自動ドア制御装置及び自動ドア制御システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0346 20130101AFI20240417BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20240417BHJP
   G06F 3/042 20060101ALI20240417BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240417BHJP
   E06B 7/28 20060101ALI20240417BHJP
   E05F 7/00 20060101ALI20240417BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240417BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240417BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240417BHJP
   G09G 5/38 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
G06F3/0346 421
G06F3/041 580
G06F3/042 473
G06F3/01 510
E06B7/28 A
E05F7/00 Z
G09F9/00 361
G09F9/00 313
G09F9/00 366G
G09F9/30 308A
G09F9/00 362
G09G5/00 550C
G09G5/38
G06F3/0346 422
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164054
(22)【出願日】2022-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】592131560
【氏名又は名称】日本自動ドア株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000148689
【氏名又は名称】株式会社村上開明堂
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】村田 良文
(72)【発明者】
【氏名】浜野 正孝
【テーマコード(参考)】
5B087
5C094
5C182
5E555
5G435
【Fターム(参考)】
5B087AA07
5B087CC09
5B087CC33
5C094BA23
5C094BA27
5C094BA43
5C094BA52
5C094DA05
5C094HA10
5C182AA02
5C182AA03
5C182AA05
5C182AA12
5C182BA14
5C182BA28
5C182BA54
5C182BA55
5C182BA65
5C182CB11
5C182CB41
5C182DA68
5C182DA69
5E555AA64
5E555AA71
5E555BA08
5E555BB08
5E555BC08
5E555BE16
5E555CA13
5E555CA41
5E555CA42
5E555CB14
5E555CB22
5E555CB33
5E555CB65
5E555CB80
5E555CC05
5E555DA11
5E555DB03
5E555DC19
5E555EA22
5E555FA00
5G435BB04
5G435BB05
5G435BB12
5G435CC11
5G435DD11
5G435EE16
5G435EE49
5G435LL18
(57)【要約】
【課題】本発明に係る空中浮遊画像表示スイッチ、空中浮遊画像表示スイッチを備える自動ドア制御装置及び自動ドア制御システムによれば、ユーザーがどの角度から見ても歪みが少なく途切れの無い画像を表示することができ、ユーザーがどの角度から見ても歪みが少なく途切れの無い画像を表示することができる。
【解決手段】本発明に係る空中浮遊画像表示スイッチ10は、変換画像を表示面110に表示して、光を照射する表示部11と、前記表示部11からの光を反射させて、前記変換画像の空中像として表示する空中結合素子12と、訪問人物の顔を撮影する撮影部14と、高さ方向において前記訪問人物の顔の目の位置を検出する高さ検出部と、前記目の位置に基づいて、前記高さ方向における前記変換画像の前記空中像の位置を決定する制御部20と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変換画像を表示面に表示して、光を照射する表示部と、
前記表示部からの光を反射させて、前記変換画像の空中像として表示する空中結合素子と、
訪問人物の顔を撮影する撮影部と、
高さ方向において前記訪問人物の顔の目の位置を検出する高さ検出部と、
前記目の位置に基づいて、前記高さ方向における前記変換画像の前記空中像の位置を決定する制御部と、
を備える
空中浮遊画像表示スイッチ。
【請求項2】
前記制御部は、前記目の位置に加えて、前記目の位置から前記変換画像の前記空中像が表示される空中像面をみる視野方向と前記空中像面とがなす視野角に基づいて、前記変換画像の前記空中像の位置を決定する
請求項1に記載の空中浮遊画像表示スイッチ。
【請求項3】
前記空中像面は、前記高さ方向において異なる位置に配置された第一空中像面と第二空中像面とを有し、
前記制御部は、前記目の位置に基づいて前記変換画像の前記空中像を前記第一空中像面と前記第二空中像面とのいずれかに表示するかを選定する、
請求項2に記載の空中浮遊画像表示スイッチ。
【請求項4】
表示対象画像を変換した前記変換画像を記憶する記憶部をさらに備え、
前記変換画像は、前記表示対象画像を射影変換して形成される
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空中浮遊画像表示スイッチ。
【請求項5】
前記空中浮遊画像表示スイッチは、さらに顔認証部を備え、
前記記憶部は、さらに特定人物の顔を記憶し、
前記顔認証部は、前記訪問人物の顔と前記記憶部に記憶された前記特定人物の顔とを照合して顔認証結果を送信し、
前記表示部は、前記顔認証結果に応じて、前記変換画像を前記表示面に表示する
請求項4に記載の空中浮遊画像表示スイッチ。
【請求項6】
前記表示面は、少なくとも一部が屈曲または湾曲している
請求項1または請求項3のいずれか一項に記載の空中浮遊画像表示スイッチ。
【請求項7】
前記表示面は、上側の上端部が前記空中結合素子を向いている
請求項6に記載の空中浮遊画像表示スイッチ。
【請求項8】
前記空中結合素子は、前記表示部に対向する対向面を有し、
前記対向面は少なくとも一部が湾曲または屈曲している
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空中浮遊画像表示スイッチ。
【請求項9】
前記空中結合素子は、前記表示部に向かって回動して、前記表示部から照射されて前記空中結合素子に入射した光の入射角度を変更可能である
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空中浮遊画像表示スイッチ。
【請求項10】
前記表示部は、前記空中結合素子に向かって回動して、前記表示部から照射されて前記空中結合素子に入射した光の入射角度を変更可能である
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空中浮遊画像表示スイッチ。
【請求項11】
前記空中像の空中像面に接近する対象物の位置を検出するセンサと、
前記センサと前記センサによって検出された前記対象物の位置に基づいて、前記対象物が前記空中像面に到達したか否かを判定し、所定の制御を行うセンサ制御部と、
をさらに備える
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空中浮遊画像表示スイッチ。
【請求項12】
請求項11に記載の空中浮遊画像表示スイッチと、
自動ドア装置と、
自動ドア本体の開閉をロックするロック機構と、
を備え、
前記空中浮遊画像表示スイッチは、スイッチ制御部を有し、
前記自動ドア装置は、
前記自動ドア本体と、前記自動ドア本体を開閉する駆動部と、前記自動ドア本体を開閉可能に制御するドア制御部と、を有しており、
前記スイッチ制御部は、前記対象物が前記空中像面に到達したと判定すると、前記ドア制御部に信号を送信し、
前記ドア制御部は、前記信号に基づいて前記ロック機構を設定または解除する
自動ドア制御装置。
【請求項13】
前記変換画像は、数値を入力するテンキー画像である
請求項12に記載の自動ドア制御装置。
【請求項14】
前記変換画像は、前記ロック機構を設定または解除するスイッチ画像である
請求項12に記載の自動ドア制御装置。
【請求項15】
請求項11に記載の空中浮遊画像表示スイッチと、
自動ドア本体と、前記自動ドア本体を開閉する駆動部と、前記自動ドア本体を開閉可能に制御するドア制御部と、を有する自動ドア装置と、
前記自動ドア本体の開閉をロックするロック機構と、
空中浮遊画像表示スイッチ備えられ、前記対象物が前記空中像面に到達したと判定すると、前記ドア制御部に信号を送信するスイッチ制御部と、
前記信号に基づいて前記ロック機構を設定または解除するロック制御部と、
を備える
自動ドア制御システム。
【請求項16】
前記変換画像は、数値を入力するテンキー画像である
請求項15に記載の自動ドア制御システム。
【請求項17】
前記変換画像は、前記ロック機構を設定または解除するスイッチ画像である
請求項15に記載の自動ドア制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空中浮遊画像表示スイッチ、自動ドア制御装置及び自動ドア制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からモニタ等より照射した光を反射させて、空中に浮かんだ画像(以下、空中像)を空中に表示させる技術が知られている。(例えば特許文献1参照)
【0003】
また、特許文献2には、センサをさらに備え、空中像(虚像)を操作部とする装置が考案されている。特許文献2では、操作部を操作するユーザーの指などを検出することにより、操作部に対して押下判定を行い、機器を動作させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2001-511915号公報
【特許文献2】国際公開第2019/159760号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載のように空中像が結像される装置は、高さ方向にユーザーの目の位置が変わると空中像が視覚的に伸びたり、縮んだりして見えたり、途切れて見えたりしてしまう可能性があった。例えば、図20(a)に示すように、ユーザーの目の位置が高さ方向において空中像よりも低い位置にあると、ユーザーの目から見た空中像は、一部が切れてしまう。また、図20(b)に示すように、ユーザーの目の位置が高さ方向において空中像よりも高い位置にあっても、ユーザーの目から見た空中像は、一部が切れてしまう。
【0006】
また、特許文献1及び特許文献2に記載の装置は、公共のトイレのウォシュレット(登録商標)操作や銀行ATMのテンキー(Automatic Teller Machine)等の表示パネルに使用する検討が進んでいる。中でも、特許文献2に記載のような操作検出装置は、自動ドアの開閉操作をする装置として自動ドアの設置された壁に併設する検討がなされている。しかしながら、自動ドア装置に併設される場合は、トイレでのウォシュレット操作のように、ユーザーが座った状態で操作せず、基本的には立った状態で操作を行う。そのため、ユーザーが立った状態では、ユーザーが大人であるか子供であるかによって目の位置に大きな差が生じてしまい、自動ドアの開閉操作を正確に実施できないおそれがあった。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、ユーザーがどの角度から画像を見ても歪みが少なく途切れの無い画像を表示することができる空中浮遊画像表示スイッチと、空中浮遊画像表示スイッチを備える自動ドア制御装置及び自動ドア制御システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の第一の態様に係る空中浮遊画像表示スイッチは、変換画像を表示面に表示して、光を照射する表示部と、前記表示部からの光を反射させて、前記変換画像の空中像として表示する空中結合素子と、訪問人物の顔を撮影する撮影部と、高さ方向において前記訪問人物の顔の目の位置を検出する高さ検出部と、前記目の位置に基づいて、前記高さ方向における前記変換画像の前記空中像の位置を決定する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る空中浮遊画像表示スイッチ、空中浮遊画像表示スイッチを備える自動ドア制御装置及び自動ドア制御システムによれば、ユーザーがどの角度から見ても歪みが少なく途切れの無い画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第一実施形態に係る自動ドア制御システム(自動ドア制御装置)の一例を模式的に示す正面図である。
図2】同自動ドア制御システムの構成図である。
図3】同自動ドア制御システムの空中浮遊画像表示スイッチが壁部に取り付けられた状態を示す図である。
図4】同自動ドア制御システムの空中浮遊画像表示スイッチを室外側からみた正面図である。
図5】(a)は、同空中浮遊画像表示スイッチの表示部に表示される第一変換画像を示す図である。(b)は、同空中浮遊画像表示スイッチの表示部に表示される第二変換画像を示す図である。(c)は、同空中浮遊画像表示スイッチの表示部に表示される第三変換画像を示す図である。
図6】同空中浮遊画像表示スイッチの表示部に表示された操作部であるテンキー画像が空中結合素子によって空中像Kとして空中に表示された状態を示す図である。
図7】同空中浮遊画像表示スイッチのカメラ(撮影部)がユーザーの顔を撮影する状態を示す図である。
図8】(a)は、同空中浮遊画像表示スイッチの顔認証部において顔画像記憶データのユーザーの顔と、顔画像データのユーザーの顔とが一致する場合を示す図である。(b)は、同空中浮遊画像表示スイッチの顔認証部において顔画像記憶データのユーザーの顔と、顔画像データのユーザーの顔とが一致しない場合を示す図である。
図9】(a)は、同空中浮遊画像表示スイッチの高さ検出部においてユーザーが子供に分類された状態を示す図である。(b)は、同空中浮遊画像表示スイッチの高さ検出部においてユーザーが中人に分類された状態を示す図である。(c)は、同空中浮遊画像表示スイッチの高さ検出部においてユーザーが大人に分類された状態を示す図である。
図10】同自動ドア制御システムの動作及び作用について示すフロー図である。
図11】本発明の第二実施形態に係る自動ドア制御システムの構成図である。
図12】同自動ドア制御システムの空中浮遊画像表示スイッチの記憶部に記憶された特定のユーザーの顔及び目の位置データと、カメラによって撮影されたユーザーUの顔画像データから検出された目の位置を示す図である。
図13】同自動ドア制御システムの動作及び作用について示すフロー図である。
図14】空中浮遊画像表示スイッチを左右方向の開口側からみたときの表示部と空中結合素子との他の変形例を示す図である。
図15】空中浮遊画像表示スイッチを左右方向の開口側からみたときの表示部と空中結合素子との他の変形例を示す図である。
図16】空中浮遊画像表示スイッチを左右方向の開口側からみたときの表示部と空中結合素子との他の変形例を示す図である。
図17】空中浮遊画像表示スイッチを左右方向の開口側からみたときの表示部と空中結合素子との他の変形例を示す図である。
図18】空中浮遊画像表示スイッチを左右方向の開口側からみたときの表示部と空中結合素子との他の変形例を示す図である。
図19】空中浮遊画像表示スイッチを左右方向の開口側からみたときの表示部と空中結合素子との他の変形例を示す図である。
図20】(a)は、従来の発明においてユーザーの目の位置Mが高さ方向において空中像よりも低い位置にある状態で空中に浮かぶ空中像をユーザーの目から見た状態を示す図である。(b)は、従来の発明においてユーザーの目の位置Mが高さ方向において空中像よりも高い位置にある状態で空中に浮かぶ空中像をユーザーの目から見た状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態について、図1から図10を参照して説明する。また、以下で説明する実施形態や変形例において、相互に対応する構成については同一の符号を付し、重複部分については説明を省略する場合がある。さらに、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
【0012】
[自動ドア制御システム(自動ドア制御装置)1]
図1は、本発明の第一実施形態に係る自動ドア制御システム(自動ドア制御装置)1の一例を模式的に示す正面図である。図2は、同自動ドア制御システム1の構成図である。
自動ドア制御システム1は、建物の壁部Hに形成された開口部Tに設けられている。自動ドア制御システム1は、空中浮遊画像表示スイッチ10と、自動ドア装置30と、ロック機構40とを備える。
【0013】
以下の自動ドアシステム1の説明において、自動ドア装置30の設置面側である鉛直方向Aの鉛直下側を下側A2とし、設置面とは反対側である鉛直方向Aの鉛直上側を上側A1とする。また、壁部Hに沿って鉛直方向Aと垂直に交わる水平方向を左右方向Bとし、鉛直方向Aと左右方向Bとに直交する水平方向を室内外方向Cとする。左右方向Bにおいて、後述の自動ドア装置30の自動ドア本体31が出入り口TAを形成する左側を開口側B1とする。また、左右方向Bにおいて、自動ドア装置30において常に閉口されている右側を閉口側B2とする。また、室内外方向Cの一方側を室内側C1とし、室内外方向Cの他方側を室外側C2とする。
【0014】
[空中浮遊画像表示スイッチ10]
図3は、同自動ドア制御システム1の空中浮遊画像表示スイッチ10が壁部Hに取り付けられた状態を示す図である。図4は、同自動ドア制御システム1の空中浮遊画像表示スイッチ10を室外側C2からみた正面図である。図5(a)は、空中浮遊画像表示スイッチ10の表示部11に表示される第一変換画像F1を示す図である。図5(b)は、空中浮遊画像表示スイッチ10の表示部11に表示される第二変換画像F2を示す図である。図5(c)は、空中浮遊画像表示スイッチ10の表示部11に表示される第三変換画像F3を示す図である。図6は、空中浮遊画像表示スイッチ10の表示部11が表示した操作部120であるテンキー画像が空中結合素子12によって空中像Kとして空中に表示された状態を示す図である。
【0015】
空中浮遊画像表示スイッチ10は、自動ドア装置30とユーザー(訪問人物)UとのHMI(Human Machine Interface)を構築する装置である。図1に示すように、空中浮遊画像表示スイッチ10は、自動ドア装置30よりも開口側B1の壁部Hに備えられている。そのため、自動ドア装置30が空中浮遊画像表示スイッチ10によって開口された際に、ユーザーUがすぐに出入り口TAを通り室外側C2から室内側C1に入ることができる。空中浮遊画像表示スイッチ10は、室外側C2に備えられる。また、空中浮遊画像表示スイッチ10は、壁部Hの水平面上から全体が突出しないように壁部Hに埋設されているのが好ましい。壁部Hの水平面上から全体が突出しないことで、空中浮遊画像表示スイッチ10の付近を通行する人物や所持した荷物等が空中浮遊画像表示スイッチ10に当たって破損したり、雨風等にさらされて、故障したりしてしまうことを防止することができる。
【0016】
空中浮遊画像表示スイッチ10は、後述の操作部120であるテンキー画像が高さ方向に沿うように設置されている。ここで、本実施形態では、空中浮遊画像表示スイッチ10の高さ方向は、鉛直方向Aに略一致する。また、空中浮遊画像表示スイッチ10の幅方向は、左右方向Bに略一致する。
【0017】
空中浮遊画像表示スイッチ10は、筐体10aと、表示部11と、空中結合素子12と、センサ13と、カメラ(撮影部)14と、制御部20と、を備える。なお、空中浮遊画像表示スイッチ10は、室内側C1に備えられていてもよいし、閉口側B2の壁部Hに備えられていてもよい。また、空中浮遊画像表示スイッチ10は、壁部Hの水平面上から全体が突出していてもよい。さらに、空中浮遊画像表示スイッチ10は、壁部Hではなくポール等の支持部材によって立設していてもよい。
【0018】
筐体10aは、図3に示すように、室内側C1に底部を備える有底の箱状であり、室外側C2に開口部10bを備える。筐体10aは、開口部10bにセンサ13、カメラ14及び空中結合素子12を備え、内部に表示部11を備えている。センサ13、カメラ14、空中結合素子12及び表示部11のそれぞれは、所定の方法により筐体10aに固定されている。なお、空中浮遊画像表示スイッチ10は、カメラ14、空中結合素子12及び表示部11を直接壁部に取り付けることで筐体10aを有していなくてもよい。
【0019】
[表示部11]
表示部11は、変換画像Fを表示して、空中結合素子12に光を照射する。表示部11は、例えば、OLED(有機ELディスプレイ)、電子ペーパー、マイクロLED、LCD(液晶)、QLED(量子配列液晶)、CLED(Crystal LED Display)等を用いることができる。ただし、表示部11の発光原理は特に限定されない。表示部11は、図3に示すように、筐体10aの内部に備えられる。表示部11は、鉛直方向Aと左右方向Bとに沿う水平面上に備える表示面110を湾曲させて形成する。表示部11は、例えば略板状である。また、表示部11は、後述の制御部20により、表示面110に変換画像Fを表示できる。
【0020】
表示部11は、例えば変形可能なフレキシブルディスプレイを用いる。フレキシブルディスプレイは、少なくとも一部が屈曲または湾曲した表示面110に変換画像Fを表示可能なディスプレイである。表示部11は、表示面110を含む表示部11の全体または表示面110のみが屈曲または湾曲可能であり、少なくとも一部が屈曲または湾曲した状態で筐体10aの内部に固定される。鉛直方向Aにおいて、表示部11の自動ドア装置30の設置面からの高さ位置は、例えば130cm~160cmの間付近の高さに設定されている。
【0021】
表示面110は、図3に示すように、表示部11の室外側C2に備えられ、空中結合素子12に対向する面である。表示面110の上側A1の上端部110aは、本実施形態では、下側A2の下端部110bよりも室外側C2に備えられた空中結合素子12を向いている。具体的には、表示面110は、側面110pを下端部110bから上端部110aまで半弧を描くように湾曲させて形成される。表示面110は、空中結合素子12のある室外側C2に湾曲している。表示面110は、鉛直方向Aにおける光の高さによって異なる照射角度で空中結合素子12に光を照射する。
【0022】
なお、表示部11の表示面110は、全体が鉛直方向A、左右方向Bまたは表示面110の縁部が対角する方向に表示面110してもよいし、波状に湾曲または屈曲してもよい。また、表示部11の表示面110は、一部のみが断面半円弧状等に膨出してしてもよく、表示面110の湾曲または屈曲の形態は特に限定されない。
【0023】
[空中結合素子12]
空中結合素子12は、空中に空中像Kを表示する。空中結合素子12は、例えば、AI(Aerial Imaging)プレートである。AIプレートは、例えば、特許第4865088号に記載された公知の技術を用いて形成される。表示部11から照射され、空中結合素子12に入射した光は、空中結合素子12において2回反射して空中像Kを結像する。空中結合素子12は、平面部分を鉛直方向Aと左右方向Bとに沿う水平面上に沿って形成した板状である。空中結合素子12は、筐体10aの開口部10bに備えられる。鉛直方向Aにおいて、空中結合素子12の自動ドア装置30の設置面からの高さは、表示部11と同様に、例えば130cm~160cmの間付近の高さに設定されている。
【0024】
空中結合素子12に入射する光の入射角度は、表示部11が空中結合素子12に対して照射する光の照射角度によって変更可能である。鉛直方向Aにおいて高さの異なる複数の変換画像Fから照射される光は、空中結合素子12に対して異なる入射角度で入射する。
【0025】
本実施形態では、空中結合素子12は、鉛直方向Aにおいて変換画像Fと略同じ高さに変換画像Fの空中像Kを表示する。空中像Kは、表示部11に対して空中結合素子12を挟んで室外側C2に表示される。表示部11は、制御部20からの指示によって、鉛直方向Aにおいて表示面110の任意の位置に変換画像Fを表示することができる。本実施形態では、表示面110の異なる位置に表示された変換画像Fを、第一変換画像F1と、第二変換画像F2と、第三変換画像F3とする。なお、変換画像Fは、1つ以上であればよく、個数は特に限定されない。
【0026】
表示部11は、図6に示すように、表示面110の下端部110b側に第一変換画像F1を表示する。第一変換画像F1から照射した光は、空中結合素子12において反射して、空中に第一空中像K1を表示する。また、表示部11は、第一変換画像F1よりも上側A1に第二変換画像F2を表示する。第二変換画像F2から照射した光は、空中結合素子12において反射して、空中に第二空中像K2を表示する。また、表示部11は、第二変換画像F2よりも上側A1であって上端部110a側に第三変換画像F3を表示する。第三変換画像F3から照射した光は、空中結合素子12において反射して、空中に第三空中像K3を表示する。以上のように、空中像Kは、変換画像Fの高さに応じて異なる高さに表示される。
【0027】
以降の説明において、変換画像Fの空中像Kが表示される面を空中像面KAという。具体的には、第一変換画像F1の第一空中像K1が表示される面を第一空中像面KA1、第二変換画像F2の第二空中像K2が表示される面を第二空中像面KA2、第三変換画像F3の第三空中像K3が表示される面を第三空中像面KA3という。
【0028】
本実施形態では、第一空中像面KA1と、第二空中像面KA2と、第三空中像面KA3とは、図7に示すように、鉛直方向(高さ方向)Aにおいて異なる位置に備えられる。また、第一空中像面KA1と、第二空中像面KA2と、第三空中像面KA3とは、鉛直方向(高さ方向)Aに対する傾きが異なる。ユーザーUが変換画像Fの空中像面KAを見る視野方向と空中像面KAとがなす角度を「視野角Kp」とする。
【0029】
変換画像Fは、テンキー画像などの表示対象画像を変換した画像である。具体的には、変換画像Fは、ユーザーUの目の位置Mと、視野角Kpと、に基づいて射影変換された画像である。ユーザーUが変換画像Fの空中像面KAを見たときに空中像Kが表示対象画像としてユーザーUに見えるように、表示対象画像を射影変換した画像が変換画像Fである。ここで、表示対象画像とは、図4に示すように、操作部120となるテンキー画像に配置されている数字や文字等が歪みや途切れのない画像のことである。複数のユーザーUの目の位置Mと視野角Kpとを想定した複数の変換画像Fが記憶部15に記録されている。
【0030】
ここで、第一変換画像F1は、上述した位置において、例えば図5(a)に示すように、ユーザーUが第一変換画像F1の第一空中像面KA1を見たときに第一空中像K1が表示対象画像としてユーザーUに見えるように、表示対象画像を射影変換した画像である。また、第二変換画像F2は、上述した位置において、例えば図5(b)に示すように、ユーザーUが第二変換画像F2の第二空中像面KA2を見たときに、第二空中像K2が表示対象画像としてユーザーUに見えるように、表示対象画像を射影変換した画像である。また、第三変換画像F3は、上述した位置において、例えば図5(c)に示すように、ユーザーUが第三変換画像F3の第三空中像面KA3を見たときに、第三空中像K3が表示対象画像としてユーザーUに見えるように、表示対象画像を射影変換した画像である。
【0031】
空中結合素子12によって形成された空中像Kは、操作部120となる。操作部120は、後述の自動ドア装置30を動作させることが可能な仮想的な操作入力部である。操作部120は、図4に示すように、表示部11に表示された変換画像Fであって、数字や記号を入力可能なテンキー画像である。なお、操作部120は特に限定されず、後述のロック機構40を設定または解除したり、自動ドア本体31を開閉したりするボタン等のスイッチ画像等であってもよい。
【0032】
[センサ13]
センサ13は、空中像Kの空中像面KAに接近する対象物Uaの位置を検出する。センサ13は、深度センサ130と、センサ制御部131とを備える。ここで、対象物Uaとは、本実施形態では、ユーザーUの指またはペン等の棒状物である。また、空中像Kは、操作部120であり、空中像Kの空中像面KAは、例えば、操作部120の押下判定面と一致する。なお、空中像面KAは、押下判定面と一致していなくてもよい。
【0033】
[深度センサ130]
深度センサ130は、対象物Uaによる空中像面KAへの操作により、操作部120の操作を検出する。深度センサ130は、操作部120を挟んで対象物Uaとは反対側に設けられる。本実施形態では、深度センサ130は、操作部120と対象物Uaとを結ぶ仮想直線状に設けられる。深度センサ130は、この仮想直線に対して垂直な面における空中像面KAに接近する対象物Uaの位置情報D1を取得する。また、深度センサ130は、深度センサ130から空中像面KAに接近する対象物Uaまでの距離情報D2を取得する。位置情報D1と距離情報D2とを含む距離画像データDを取得する。距離画像データDは、例えば、640×480画素として取得される。深度センサ130は、取得した距離画像データDを所定の周期(例えば1/30秒)でセンサ制御部131に出力する。深度センサ130と対象物Ua上の各点との距離は、例えばLight Coding方式等の公知の技術によって測定される。なお、深度センサ130の読み取り範囲は特に図示しないが、空中に表示された後述の空中像Kの各空中像面KA1~KA3が読み取り範囲に配置されていればよい。
【0034】
[センサ制御部131]
センサ制御部131は、深度センサ130、スイッチ制御部19及び表示部11と通信可能である。センサ制御部131は、例えば、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)等を備えている。センサ制御部131は、スイッチ制御部19から信号を取得すると、深度センサ130に対象物Uaを検出するように制御する。またセンサ制御部131は、公知の技術により深度センサ130から取得した距離画像データDに基づいて、図示しないセンサ13の記憶部に記憶されたプログラムによって操作部120を押下したかどうか判定を行う。具体的には、センサ制御部131は、空中像面KAまでの距離に基づいて所定の閾値を設定する。センサ制御部131は、上述の位置情報D1に基づいて、対象物Uaが閾値以下の位置に達し、押下判定面である空中像面KAに到達したか否かをあるかどうかを判定する。これにより、センサ制御部131は、操作部120を押下したかどうか判定を判定することができる。ここで、操作部120であるテンキー画像には、例えば暗証番号等が設定される。センサ制御部131は、ユーザーUが対象物Uaによって操作部120を暗証番号どおりに押下したかどうかを判定し、押下結果を制御部20のスイッチ制御部19に送信する。具体的には、センサ制御部131は、例えば操作部120を押下した場合はOKとし、操作部120を押下していない場合は、NGとして押下結果を制御部20のスイッチ制御部19に送信する。なお、操作部120が開閉ボタン等のスイッチである場合は、センサ制御部131は、開閉ボタンを押下したかどうかを判定し、押下結果を制御部20のスイッチ制御部19に送信してもよい。なお、センサ制御部131は、表示部11より信号を取得することで、深度センサに対象物Uaを検出するように制御してもよい。
【0035】
[カメラ(撮影部)14]
図7は、空中浮遊画像表示スイッチ10のカメラ(撮影部)14がユーザーUの顔を撮影する状態を示す図である。
カメラ(撮影部)14は、筐体10aの上側A1に設けられる。本実施形態では、カメラ14は、鉛直方向Aにおいて空中に表示される空中像Kよりも上側A1に設置されている。カメラ14は、図7に示すように、ユーザーUの顔を撮影可能な撮影範囲PAが設定されている。カメラ14は、撮影範囲PAに入ったユーザーUの顔を撮影する。カメラ14は、撮影したユーザーUの顔画像データを制御部20へ送信する。
【0036】
カメラ14の起動は、例えばカメラ14に近づいたユーザーUの体温を検知するサーモセンサやユーザーUの移動を検知するモーションセンサ等をトリガーにして起動してもよいし、ユーザーUが手動でカメラ14を起動してもよい。また、カメラ14の撮影タイミングは、カメラ14の起動後にタイマー等で自動撮影してもよいし、ユーザーUが手動でカメラ(撮影部)14を操作して撮影してもよい。なお、カメラ14は、複数設けていてもよい。
【0037】
[制御部20]
図8(a)は、空中浮遊画像表示スイッチ10の顔認証部16において顔画像記憶データのユーザーUAの顔と、顔画像データのユーザーUの顔とが一致する場合を示す図である。図8(b)は、空中浮遊画像表示スイッチ10の顔認証部16において顔画像記憶データのユーザーUAの顔と、顔画像データのユーザーUの顔とが一致しない場合を示す図である。図9(a)は、空中浮遊画像表示スイッチ10の高さ検出部17においてユーザーUが子供U1に分類された状態を示す図である。図9(b)は、空中浮遊画像表示スイッチ10の高さ検出部17においてユーザーUが中人U2に分類された状態を示す図である。図9(c)は、空中浮遊画像表示スイッチ10の高さ検出部17においてユーザーUが大人U3に分類された状態を示す図である。
制御部20は、CPU、ROMまたはRAM等によって形成されている。制御部20は、記憶部15と、顔認証部16と、高さ検出部17と、画像選定部18と、スイッチ制御部19と、を備える。
【0038】
[記憶部15]
記憶部15は、ROM、RAM、HDDなどの記憶手段であり、プログラムやデータを記憶する。記憶部15は、表示部11に表示する複数の変換画像Fを記憶する。本実施形態では、記憶部15は、変換画像Fとして上述の第一変換画像F1と第二変換画像F2と第三変換画像F3とを記憶する。また、記憶部15は、事前に複数のユーザー(特定人物)UAの顔や、目の位置データ等の顔画像記憶データを記憶する。さらに、記憶部15は、カメラ14によって撮影されたユーザーUの顔画像データをデータベース(不図示)として格納する。なお、記憶部15に記憶される変換画像F及び顔画像記憶データは、特に限定されない。例えば、記憶部15に記憶される変換画像Fは、第一変換画像F1のみであってもよいし、第一変換画像F1と第二変換画像F2のみであってもよい。また、記憶部15は、記憶部15に記憶される変換画像Fは、3枚以上備えていてもよい。記憶部15は、任意の数の画像データを記憶することができる。
【0039】
[顔認証部16]
顔認証部16は、記憶部15に記憶された顔画像記憶データのユーザーUAの顔と、カメラ14の顔画像データのユーザーUの顔とを照合して、一致するか否かを判定する。顔認証部16は、図8(a)に示すように、顔画像記憶データのユーザーUAの顔と、顔画像データのユーザーUの顔とが一致する場合はOKとして、顔認証結果をスイッチ制御部19に送信する。顔認証部16は、図8(b)に示すように、顔画像記憶データのユーザーUAの顔と、顔画像データのユーザーUの顔とが一致する場合はNGとして、空中浮遊画像表示スイッチ10の動作を終了するように設定してもよい。なお、顔認証結果は本実施形態に限定されず、OKとNGとが反対であってもよい。顔認証部16は、任意の情報を送信できる。また、顔認証部16は、NGの場合、顔認証結果をスイッチ制御部19に送信してスイッチ制御部19によって空中浮遊画像表示スイッチ10の動作を終了するように設定してもよい。
【0040】
[高さ検出部17]
高さ検出部17は、鉛直方向(高さ方向)AにおいてユーザーUの顔の目の位置Mを検出する。ここで目の位置Mとは、鉛直方向Aにおいて自動ドア装置30の設置面からユーザーUの顔の両目の位置Mを意味するが、特に限定されない。また、目の検出は、片目のみであってもよい。高さ検出部17は、カメラ14によって撮影されたユーザーUの顔画像データから、複数に分類されるユーザーUの目の位置Mを検出する。高さ検出部17は、例えば図9に示すように、カメラ14によって撮影された顔画像データにあらかじめ鉛直方向Aの下側A2から上側A1に高さ基準線h0~h6を設けておく。なお、高さ基準線は、1つ以上であればよく、設定数は特に制限されない。
【0041】
高さ検出部17は、カメラ14と高さ基準線における顔画像データの目の位置Mから、ユーザーUの目の位置Mを検出することができる。本実施形態では、高さ検出部17は、ユーザーUの目の位置Mに応じて、ユーザーUを3つに分類する。例えば、図9(a)に示すように、ユーザーUにおいて空中結合素子12に対する目の位置Mが高さ基準線h0~h2にある(例えば身長が130cmよりも低い人または目)場合は、子供U1と分類とする。図9(b)に示すように、空中結合素子12に対する目の位置Mが高さ基準線h2~h4にある(身長が130cm以上160cm以下の人または目)場合は、中人U2と分類する。また、図9(c)に示すように、空中結合素子12に対する目の位置Mが高さ基準線h4~h6にある(身長が160cm以上の人または目)場合は、大人U3と分類する。なお、本実施形態の分類は特に限定されない。ユーザーUの分類は、1つの分類であってもよいし、2つ以上の複数の分類であってもよい。高さ検出部17は、ユーザーUの分類に応じてユーザーUの分類を含む目の位置データを画像選定部18に送信する。高さ検出部17は本実施形態に限定されず、距離センサ等のセンサを用いて公知の技術により目の位置Mを検出してもよい。
【0042】
高さ検出部17の高さ基準線は、任意に設定できる。また、本実施形態では、高さ基準線に加えて図9に示すように、幅の基準線w0~w5も設けている。これにより、高さ検出部17は、鉛直方向Aにおける目の位置Mだけでなく、左右方向Bにおける目の位置Mも検出できる。この場合は、高さ検出部17は、鉛直方向A及び左右方向Bにおける目の位置Mを含むデータを画像選定部18に送信できる。なお、高さ検出部17は、本実施形態に限定されず、複数のユーザーUの分類を含む目の位置データを画像選定部18に送信してもよい。
【0043】
[画像選定部18]
画像選定部18は、高さ検出部17から取得する目の位置データに基づいて、鉛直方向Aにおいて空中像Kとして表示される変換画像Fの位置を決定し、記憶部15に記憶された複数の変換画像Fからいずれか一つを選定する。本実施形態では、変換画像Fは、第一変換画像F1と第二変換画像F2と第三変換画像F3とを備える。目の位置データにおいてユーザーUの分類が子供U1である場合は、画像選定部18は、変換画像Fの位置を決定し、変換画像Fから第一変換画像F1を選定する。また、目の位置データにおいてユーザーUの分類が中人U2である場合は、画像選定部18は、変換画像Fの位置を決定し、変換画像Fから第二変換画像F2を選定する。さらに、目の位置データにおいてユーザーUの分類が大人U3である場合は、画像選定部18は、変換画像Fの位置を決定し、変換画像Fから第三変換画像F3を選定する。画像選定部18は、選定した画像選定結果をスイッチ制御部19に送信する。なお、ユーザーUの分類、変換画像Fの位置及び変換画像Fの画像選定の組み合わせについては、特に限定されない。また、画像選定部18は、複数の変換画像Fから1つ以上であればよく数は特に限定されない。例えば、画像選定部18は、目の位置データに基づいて、鉛直方向Aにおいて異なる位置に2つ以上の変換画像Fを選定してもよい。
【0044】
ここで、画像選定部18は、変換画像Fの位置を目の位置データに加えて、ユーザーUの目の位置Mから空中像面KAを見る視野方向と空中像面KAとがなす視野角Kpに基づいて決定してもよい。上述のように、空中像面KAは、視野角Kpに応じて第一空中像面KA1と、第二空中像面KA2と、第三空中像面KA3とを備える。例えば、中人のユーザーU2が第一空中像面KA1と、第二空中像面KA2と、第三空中像面KA3とをそれぞれユーザーUの目の位置Mから見た時の視野角Kpはそれぞれ異なる。そのため、画像選定部18は、目の位置データと視野角Kpとに基づいて変換画像Fの位置を決定することができる。この場合、後述のスイッチ制御部19は、空中像面KA1~KA3のいずれかに表示されるような変換画像Fを表示部11に表示する。なお、視野角Kpは、従来公知の技術により算出される。また、空中像面KAの個数は、特に限定されない。
【0045】
[スイッチ制御部19]
スイッチ制御部19は、空中浮遊画像表示スイッチ10全体の動作を制御する。スイッチ制御部19は、画像選定結果と、顔認証結果とを取得する。スイッチ制御部19は、画像選定結果と顔認証結果によって、表示部11に画像選定結果によって鉛直方向Aにおける位置を決定し、選定された変換画像Fを表示する信号を送信することができる。この構成により、スイッチ制御部19は、記憶部15に記憶されたユーザー(特定人物)UAのみが空中浮遊画像表示スイッチ10の操作部120を操作することができる。なお、スイッチ制御部19は、OKとNGのどちらの場合も顔認証結果を取得して、OKのとき表示部11に画像選定結果の変換画像Fを表示する信号を送信して、NGのとき空中浮遊画像表示スイッチ10の動作を終了するように制御してもよい。また、スイッチ制御部19は、画像選定結果に関係なく顔認証結果のみによって、表示部11に画像を表示する信号を送信してもよいし、顔認証結果に関係なく画像選定結果のみによって、表示部11に画像を表示する信号を送信してもよい。
【0046】
また、スイッチ制御部19は、センサ13のセンサ制御部131に対象物の読み取りを指示する信号を送信する。さらに、スイッチ制御部19は、センサ13のセンサ制御部131により、押下結果を取得すると、押下結果に応じて開閉信号を送信するかどうかの判定をする。例えば、スイッチ制御部19は、押下結果がOKの場合は、開信号を自動ドア装置30のドア制御部33に送信する。スイッチ制御部19は、押下結果が、NGの場合は、開信号を自動ドア装置30のドア制御部33に送信せず、空中浮遊画像表示スイッチ10の動作を終了してもよい。また、スイッチ制御部19は、開信号だけでなく閉信号を送信してもよい。スイッチ制御部19は、用途に応じて自動ドア装置30のドア制御部33に送信する信号を設定することができる。
【0047】
[自動ドア装置30]
自動ドア装置30は、図1に示すように、建物の壁部Hに形成された開口部Tに設けられている。自動ドア装置30は、自動ドア本体31と、自動ドア駆動部32と、ドア制御部33と、を備える。
【0048】
自動ドア本体31は、自動ドア装置30において開口側B1に備えられる。自動ドア本体31は、後述の自動ドア駆動部32によって、閉口側B2に移動して開口側B1に出入り口TAを形成する引き戸の形態となっている。自動ドア本体31は、出入り口TAにおいて建物や部屋などの内外を連通させ人や物などが通行可能にする。
【0049】
自動ドア駆動部32は、自動ドア本体31の上部に配置された電気モータ等からなる周知の駆動機構である。自動ドア駆動部32は、ドア制御部(ロック制御部)33から開閉の指示を取得して、自動ドア本体31を左右方向Bに駆動させて開閉する。
【0050】
ドア制御部(ロック制御部)33は、マイクロコントローラなどの情報処理装置を用いて構成される。ドア制御部33は、自動ドア本体31を開閉して制御するとともに、ロック機構40を制御する。ドア制御部33は、空中浮遊画像表示スイッチ10のスイッチ制御部19から、開信号を取得する。ただし、ドア制御部33は、スイッチ制御部19から閉信号を取得してもよいし、その他の情報を取得してもよい。
【0051】
ドア制御部33は、後述のロック機構40に信号を送信してロック機構40を設定または解除する。また、ドア制御部33は、ロックを設定または解除されたのち、ロック機構40から信号を受信すると、信号に応じて自動ドア駆動部32を制御し、自動ドア本体31を開閉する。なおドア制御部33は、スイッチ制御部19から閉信号を取得すると、ロック機構40を介さずに自動ドア駆動部32に信号を送信してもよい。
【0052】
[ロック機構40]
ロック機構40は、自動ドア装置の自動ドア本体31をロックする。ロック機構40は、ドア制御部33によりロックを設定または解除される。ロック機構40は、ロックを設定または解除されると、ドア制御部33に完了の信号を送信する。ロック機構40は、特に限定されず、周知のロック機構を適用することができる。
【0053】
[自動ドア制御システム1の動作及び作用]
ここで、図10を参照して、自動ドア制御システム1の動作及び作用について説明する。図10は、自動ドア制御システム1の動作及び作用について示すフロー図である。
【0054】
まず、ユーザーUが自動ドア制御システム1に近づき、ユーザーUの顔をカメラ14の撮影範囲PA付近に配置させる。撮影範囲PAにユーザーUの顔が入ると、所定の方法でカメラ14及び自動ドア制御システム1が起動し、動作を開始する。なお、カメラ14及び自動ドア制御システム1は常に起動した状態であってもよい。
【0055】
(ステップS1)
始めに、ステップS1において、空中浮遊画像表示スイッチ10のカメラ14は、ユーザーUの顔を撮影する。その後、カメラ14は、顔画像データを制御部20に送信する。次に、ステップS2へ進む。
【0056】
(ステップS2)
ステップS2において、空中浮遊画像表示スイッチ10の制御部20に備えられた高さ検出部17は、カメラ14から取得した顔画像データに基づいて、目の位置Mを検出する。高さ検出部17は、目の位置データを画像選定部18に送信する。次にステップS3へ進む。
【0057】
(ステップS3)
ステップS3おいて、制御部20の画像選定部18は、ステップS2で取得した目の位置データに基づいて、変換画像Fの位置を決定する。また、制御部20の画像選定部18は、記憶部15に記憶された複数の変換画像Fから表示部11に表示する変換画像Fを選定する。ここで、例えば目の位置データにおいてユーザーUの分類が子供U1である場合は、画像選定部18は、第一変換画像F1を選定する。また、目の位置データにおいてユーザーUの分類が中人U2である場合は、画像選定部18は、第二変換画像F2を選定する。さらに、目の位置データにおいてユーザーUの分類が大人U3である場合は、画像選定部18は、第三変換画像F3を選定する。また、制御部20の画像選定部18は、目の位置データに加えて、視野角Kpに基づいて決定してもよい。画像選定部18は、選定した画像選定結果をスイッチ制御部19に送信する。画像選定部18は、画像選定結果をスイッチ制御部19に送信する。次に、ステップS4へ進む。
【0058】
(ステップS4)
また、ステップS4において、制御部20の顔認証部16は、カメラ14から取得した顔画像データから顔認証を行う。顔認証部16は、記憶部15に記憶された顔画像記憶データのユーザーUAの顔と、カメラ14の顔画像データユーザーUの顔とを照合する。次に、ステップS5に進む。
【0059】
(ステップS5)
ステップS5おいて、顔認証部16は、顔画像記憶データのユーザーUAの顔と、顔画像データのユーザーUの顔とが一致するか否かを判定する。顔認証部16は、図8(a)に示すように、顔画像記憶データのユーザーUAの顔と、顔画像データのユーザーUの顔とが一致する場合はOKとして、顔認証結果をスイッチ制御部19に送信し、次にステップS6へ進む。ここで顔認証部16が、図8(b)に示すように、顔画像記憶データのユーザーUAの顔と、顔画像データのユーザーUの顔とが一致しない場合はNGとして、空中浮遊画像表示スイッチ10の動作を終了する。なお、顔認証部16は、OKとNGとをどちらの場合にも顔認証結果として、スイッチ制御部19に送信することでスイッチ制御部19がステップS5を行ってもよい。
【0060】
(ステップS6)
ステップS6おいて、制御部20のスイッチ制御部19は、ステップS3で取得した画像選定結果とステップS5で取得した顔認証部16の顔認証結果とに基づいて、表示部11に選定された変換画像Fを送信する。その後、表示部11は、変換画像Fを表示面110に表示する。次に、ステップS7に進む。
【0061】
(ステップS7)
ステップS7おいて、空中浮遊画像表示スイッチ10の空中結合素子12は、表示部11から照射された光を屈折させて、変換画像Fに応じて空中像Kを形成する。ここで、空中像Kは操作部120であり、操作部120は数字や記号を入力可能なテンキー画像である。制御部20のスイッチ制御部19は、空中結合素子12により空中像Kが形成されると、センサ13のセンサ制御部131に対象物の読み取りを指示する信号を送信する。次に、ステップS8へ進む。
【0062】
(ステップS8)
ステップS8において、センサ13は信号を取得すると、ユーザーUが操作部120を押下したかどうかを判定する。センサ13のセンサ制御部131は、例えば、ユーザーUが操作部120のテンキー画像を暗証番号どおりに押下したかどうかを判定し、押下結果を制御部20のスイッチ制御部19に送信する。次に、ステップS9へ進む。
【0063】
(ステップS9)
ステップS9において、制御部20のスイッチ制御部19は、ステップS8において取得した押下結果がOKの場合は、ステップS10へ進む。スイッチ制御部19は、押下結果がNGの場合は、空中浮遊画像表示スイッチ10の動作を終了する。
【0064】
(ステップS10)
ステップS10において、スイッチ制御部19は、押下結果がOKの場合は、開信号を自動ドア装置30のドア制御部33に送信する。次に、ステップS11へ進む。
【0065】
(ステップS11)
ステップS11において、自動ドア装置30のドア制御部33は、開信号を取得するとロック機構を解除する。次に、ステップS12へ進む。
【0066】
(ステップS12)
ステップS12において、自動ドア装置30のドア制御部33は、ステップS11においてロック機構40が解除されると、自動ドア駆動部32にドア開指示を送信する。自動ドア駆動部32は、本実施形態では、左右方向Bの閉口側B2に自動ドア本体31を駆動させる。すると、自動ドア本体31は、閉口側B2に移動して開口側B1に出入り口TAを形成し、ユーザーUを通行可能にする。次に、ステップS13へ進む。
【0067】
(ステップS13)
ステップS13において、自動ドア装置30のドア制御部33は、例えば図示しないセンサ等によってユーザーUが通行したことを確認するとロック機構40を設定する。以上のステップが終わると、自動ドア制御システム1は動作を終了する。
【0068】
本実施形態では、自動ドア制御システム1の空中浮遊画像表示スイッチ10が、自動ドア装置30よりも開口側B1の壁部Hに備えられている。そのため、自動ドア装置30が空中浮遊画像表示スイッチ10によって開口された際に、ユーザーUがすぐに出入り口TAを通り室外側C2から室内側C1に入ることができる。
【0069】
また、本実施形態では、空中浮遊画像表示スイッチ10は、壁部Hの水平面上から全体が突出しないように壁部Hに埋設されている。そのため、空中浮遊画像表示スイッチ10が空中浮遊画像表示スイッチ10の付近を通行する人物や人物が所持した荷物等が空中浮遊画像表示スイッチ10に当たって破損したり、雨風等にさらされて、故障したりしてしまうことを防止することができる。
【0070】
また、本実施形態では、空中浮遊画像表示スイッチ10の表示部11の表示面110が側面110pを下端部110bから上端部110aまで半弧を描くように湾曲する。また、表示部11は、制御部20の画像選定部18によって選定された変換画像Fを表示する。そのため、自動ドア制御システム1は、ユーザーUの目の位置Mに応じて、空中に歪みが少なく途切れのない空中像Kである操作部120を表示することができる。ユーザーUは歪みが少なく途切れの無い表示対象画像に近い操作部120を見ながら操作することができ、ユーザーUがストレスを感じることを軽減することができる。
【0071】
また、本実施形態では、制御部20の画像選定部18は、目の位置データに基づいて、鉛直方向Aにおいて変換画像Fの位置を決定し、複数の変換画像Fからいずれか一つを選定することができる。この場合も同様に、自動ドア制御システム1は、ユーザーUの目の位置Mに応じて、空中に歪みが少なく途切れの無い空中像Kである操作部120を表示することができる。
【0072】
また、本実施形態では、制御部20の画像選定部18は、変換画像Fの位置を目の位置データに加えて、ユーザーUの目の位置Mから空中像面KAを見る視野方向と空中像面KAとがなす視野角Kpに基づいて決定することができる。そのため、ユーザーUの目の位置Mが変わっても視野角Kpから変換画像Fの位置を決定することができる。
【0073】
また、本実施形態では、制御部20の顔認証部16が、顔画像記憶データのユーザーUAの顔と、顔画像データのユーザーUの顔とが一致するか否かを判定することができる。そのため、自動ドア制御システム1は、特定のユーザーUのみが空中浮遊画像表示スイッチ10の操作部120を操作することで自動ドア本体31を開閉し、自動ドア装置30を制御することができる。この構成により、特定のユーザーU以外ユーザーは操作部120を操作できないため、防犯対策として適用することができる。
【0074】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について、図11及び図13を参照して説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施形態は、いずれも第一実施形態と比較して、空中浮遊画像表示スイッチの制御部が異なっている。従って、以下の説明では、第一実施形態との相違点を中心に説明する。
【0075】
図11は、本発明の第二実施形態に係る自動ドア制御システム1Aの構成図である。図12は、空中浮遊画像表示スイッチ10Aの記憶部15Aに記憶された特定のユーザーUAの顔及び目の位置データと、カメラ14によって撮影されたユーザーUの顔画像データから検出された目の位置Mを示す図である。
自動ドア制御システム1Aの備える空中浮遊画像表示スイッチ10Aの制御部20Aは、記憶部15Aと、顔認証部16と、高さ検出部17と、画像選定部18と、スイッチ制御部19Aと、を備える。ここで、顔認証部16と高さ検出部17と画像選定部18とは、第一実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0076】
記憶部15Aは、図12に示すように、第一実施形態と同様に、事前に複数のユーザー(特定人物)UAの顔や、目の位置データ等の顔画像記憶データを記憶する。ここで、顔画像記憶データには、例えば第一実施形態のカメラ14によって撮影されたユーザーUの顔画像データと同様に、あらかじめ鉛直方向Aの下側A2から上側A1に高さ基準線h0~h6を設けておく。また、記憶部15Aは、第一実施形態の高さ検出部17と同様に顔画像記憶データのユーザーUAの目の位置Mに応じて、ユーザーUAを3つに分類する。なお、分類については、第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0077】
また、記憶部15Aは、目の位置Mによってそれぞれ分類した複数の顔画像記憶データと表示部11に表示する複数の変換画像Fとを紐付けて記憶する。具体的には、記憶部15Aは、目の位置データにおいてユーザーUAの分類が子供U1である場合は、第一変換画像F1を紐付けて記憶する。また、記憶部15Aは、目の位置データにおいてユーザーUAの分類が中人U2である場合は、第二変換画像F2を紐付けて記憶する。さらに、記憶部15Aは、目の位置データにおいてユーザーUAの分類が大人U3である場合は、第三変換画像F3を紐付けて記憶する。なお、ユーザーUAと変換画像Fとは、それぞれ複数組み合わせて紐付けていてもよい。また、ユーザーUAと変換画像Fとは、上述した組み合わせに限定されない。
【0078】
スイッチ制御部19Aは、第一実施形態と同様に、顔認証部16から顔認証結果がOKの場合に、信号を取得する。スイッチ制御部19Aは、第一実施形態に加えて、記憶部15Aから顔画像記憶データ紐付けて記憶された変換画像Fを表示部11に表示するように指示を送信する。
【0079】
また、スイッチ制御部19Aは、顔画像記憶データに紐付けて記憶された変換画像Fを表示部11に表示したのち、続けてカメラ14によって撮影されたユーザーUの顔画像データから目の位置Mの検出を行う。目の位置Mの検出は、あらかじめ、タイマーでカメラ14にて継続して定期的に撮影を続けることで、自動的に目の位置Mの検出を行うように設定していてもよい。スイッチ制御部19Aは、第一実施形態と同様に、高さ検出部17と画像選定部18とによって顔画像データから検出した目の位置データから鉛直方向Aにおける変換画像Fの位置を決定し、変換画像Fを選定する。
【0080】
さらに、スイッチ制御部19Aは、図12に示すように、空中浮遊画像表示スイッチ10Aの記憶部15Aに記憶された特定のユーザーUAの目の位置データと、カメラ14によって撮影されたユーザーUの顔画像データから検出された目の位置Mとが異なる場合に変換画像Fを変更することができる。具体的には、スイッチ制御部19Aは、顔画像記憶データに紐付けて記憶された変換画像Fが高さ検出部17と画像選定部18とによって選定された変換画像Fと異なる場合に選定された変換画像Fを表示部11に表示するように制御する。なお、スイッチ制御部19Aは、高さ検出部17と画像選定部18とによって変換画像Fを選定しなくてもよい。この場合、スイッチ制御部19Aは、表示部11に対して特に変換画像Fの表示を変更する信号を送信しない。
【0081】
[自動ドア制御システム1Aの動作及び作用]
ここで、図13を参照して、第二実施形態に係る自動ドア制御システム1Aの動作及び作用について説明する。図13は、自動ドア制御システム1Aの動作及び作用について示すフロー図である。ここで、ステップS1及びステップS5については、ステップS2及びステップS3がないことを除き第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0082】
(ステップS61)
ステップS61において、制御部20Aのスイッチ制御部19Aは、記憶部15Aから顔認証結果のユーザーUAの目の位置Mに紐付いた変換画像Fを取得し、表示部11に送信する。その後、表示部11は、変換画像Fを表示面110に表示する。次に、ステップS7へ進む。
【0083】
(ステップS7)
ステップS7おいて、第一実施形態と同様に、空中浮遊画像表示スイッチ10Aの空中結合素子12は、表示部11から照射された光を屈折させて、変換画像Fに応じて空中像Kを形成する。次に、ステップS71へ進む。
【0084】
(ステップS71)
ステップS71において、スイッチ制御部19Aは、目の位置Mの検出を行うかどうかをあらかじめ設定される。スイッチ制御部19Aは、カメラ14によって撮影されたユーザーUの顔画像データから目の位置Mの検出を行う場合には、ステップS72及びステップS73に進む。また、スイッチ制御部19Aが目の位置Mの検出を行わない場合は、ステップS8に進む。
【0085】
(ステップS72、ステップS73)
ステップS72及びステップS73において、制御部20Aは、第一実施形態のステップS2及びステップS3と同様に、高さ検出部17と画像選定部18とによって変換画像Fを選定する。次に、ステップS74に進む。
【0086】
(ステップS74)
ステップS74において、制御部20Aのスイッチ制御部19Aは、顔画像記憶データに紐付けて記憶された変換画像Fが目の位置データから選定された変換画像Fと異なる場合に目の位置データから選定された変換画像Fを表示部11に表示するように制御する。次に、ステップS8へ進む。
【0087】
ステップS8~ステップS13は、第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。以上のステップが終わると、自動ドア制御システム1Aは動作を終了する。
【0088】
本実施形態では、記憶部15Aが目の位置Mによってそれぞれ分類した複数の顔画像記憶データと表示部11に表示する複数の変換画像Fとを紐付けて記憶する。つまり、自動ドア制御システム1Aは、第一実施形態のように、カメラ14によって撮影されたユーザーUの顔画像データから目の位置Mを検出する必要がない。そのため、自動ドア制御システム1Aは、目の位置Mの検出と変換画像Fの選定との処理時間を削減することができる。また、自動ドア制御システム1Aは、特定のユーザーUAに対して短時間で紐付いた変換画像Fを表示部11に表示することができる。
【0089】
また、制御部20Aのスイッチ制御部19Aは、高さ検出部17と画像選定部18とによって顔画像データから検出した目の位置データから選定された変換画像Fが異なる場合に目の位置データから選定された変換画像Fを表示部11に表示するように制御する。そのため、特定のユーザーUAがカメラ14によって撮影された顔画像データの目の位置Mが通常とは異なる目の位置Mであったときに変換画像Fを変更して自動的に操作部120となる空中像Kを補正することができる。具体的には、記憶部15Aに大人U3として登録されている特定のユーザーUAが、脚を怪我して車いすを使用していた場合に、カメラ14によって撮影された顔画像データの目の位置Mが大人U3と異なってしまう。このような場合においてもスイッチ制御部19Aが変換画像Fを変更して自動的に操作部120となる空中像Kを補正して見やすく表示することができる。そのため、ユーザーUAは、容易に操作部120を操作することができる。
【0090】
以上、本発明の第二実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の実施形態及び以下で示す変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
【0091】
(変形例)
上述の実施形態では、空中浮遊画像表示スイッチの表示部は、室外側C2に湾曲して形成されていたが、本発明の自動ドア制御システムは特に限定されない。図14は、空中浮遊画像表示スイッチを左右方向Bの開口側B1からみたときの表示部11Bと空中結合素子12との変形例を示す図である。空中浮遊画像表示スイッチ10Bは、例えば、図14に示すように表示部11Bの表示面110Bの少なくとも一部が屈曲して形成される。この場合においても、本発明の自動ドア制御システムは、ユーザーの顔の目の位置Mに応じて複数の変換画像Fを表示部に表示することができる。また、空中浮遊画像表示スイッチの空中結合素子は、表示部から照射された光を反射させてユーザーの顔の目の位置Mに応じた空中像を形成することができる。そのため、本発明の自動ドア制御システムは、ユーザーは歪みが少なく途切れの無い表示対象画像に近い操作部を見ながら操作することができ、ユーザーがストレスを感じることを軽減することができる。
【0092】
また、上述の実施形態では、空中浮遊画像表示スイッチの表示部が、湾曲または屈曲して形成されていたが、本発明の自動ドア制御システムは特に限定されない。図15及び図16は、空中浮遊画像表示スイッチを左右方向Bの開口側B1からみたときの表示部と空中結合素子との変形例を示す図である。空中浮遊画像表示スイッチ10Cの空中結合素子12Cは、図15に示すように、表示部11Cに対向する対向面120Cを有している。対向面120Cの左右方向Bに備えられ、鉛直方向Aに沿う側面120Cpが屈曲している。対向面120Cは、全面が側面120Cpに沿うように屈曲する。側面120Cpの鉛直方向Aの両端部は、室内側C1を向いている。また、空中浮遊画像表示スイッチ10Dの空中結合素子12Dは、図16に示すように、表示部11Dに対向する対向面120Dを有している。対向面120Dの左右方向Bに備えられ、鉛直方向Aに沿う側面120Dpは湾曲している。対向面120Dは、全面が側面120Dpに沿うように湾曲する。側面120Dpの、鉛直方向Aの両端部は、室内側C1を向いている。この場合においても、本発明の自動ドア制御システムは、ユーザーの顔の目の位置Mに応じて複数の変換画像Fを表示部に表示することができる。また、空中浮遊画像表示スイッチの空中結合素子は、表示部から照射された光を反射させてユーザーの顔の目の位置Mに応じた空中像を形成することができる。そのため、本発明の自動ドア制御システムは、ユーザーは歪みが少なく途切れの無い表示対象画像に近い操作部を見ながら操作することができ、ユーザーがストレスを感じることを軽減することができる。
【0093】
また、上述の実施形態では、空中浮遊画像表示スイッチの表示部または空中結合素子が、湾曲または屈曲することで形成されているが、本発明の自動ドア制御システムは特に限定されない。例えば、図17及び図18は、空中浮遊画像表示スイッチを左右方向Bの開口側B1からみたときの表示部と空中結合素子との変形例を示す図である。空中浮遊画像表示スイッチ10Eの空中結合素子12Eは、図17に示すように、表示部11Eに向かって室内外方向Cに回動可能に形成されている。この場合は、表示部11Eから照射されて空中結合素子12Eに入射した光の入射角度は、空中結合素子12Eが回動して停止したときの位置によって変更される。そのため、空中結合素子12Eは、表示部11Eが固定された状態で光が空中結合素子12Eによって反射して形成される空中像Kの位置を変更することができる。空中浮遊画像表示スイッチ10Fの表示部11Fは、図18に示すように、空中結合素子12Fに向かって室内外方向Cに回動可能に形成されている。この場合は、表示部11Fから照射されて空中結合素子12Fに入射した光の入射角度は、表示部11Fが回動して停止したときの位置によって変更される。そのため、表示部11Fは、空中結合素子12Fが固定された状態で光が空中結合素子12Fによって反射して形成される空中像Kの位置を変更することができる。この場合においても、本発明の自動ドア制御システムは、ユーザーの顔の目の位置Mに応じて複数の変換画像Fを表示部に表示することができる。また、空中浮遊画像表示スイッチの空中結合素子は、表示部から照射された光を反射させてユーザーの顔の目の位置Mに応じた空中像を形成することができる。そのため、本発明の自動ドア制御システムは、ユーザーが歪みが少なく途切れの無い表示対象画像に近い操作部を見ながら操作することができ、ユーザーがストレスを感じることを軽減することができる。
【0094】
上述の実施形態では、自動ドア制御システムの表示部は、表示面を含む表示部の全体または表示面のみが、屈曲または湾曲可能なフレキシブルディスプレイを使用しているが、表示面が屈曲または湾曲不能なディスプレイを使用しても良い。
【0095】
また、上述の実施形態に係る自動ドア制御システムの作用について、自動ドア制御システムは、ステップS4及びステップS5の顔認証の工程を実施しなくてもよい。この場合は、図19に示すように、空中浮遊画像表示スイッチの制御部は、顔認証結果を取得せずに目の位置データに基づいて、変換画像Fを表示部に表示することができる。また、取得する目の位置データは、ユーザーの両目でなくてもよく、図19に示すように、片目のみで検出されてもよい。
【0096】
また、上述の実施形態に係る自動ドア制御システムの自動ドア装置は、さらに開閉を検知するセンサ等を備えていてもよい。また、自動ドア本体付近に人がいるかどうかを検知するセンサを備えていてもよい。
【0097】
また、上述の実施形態では、空中浮遊画像表示スイッチは、自動ドア装置とユーザーUとがHMIを構築する装置であるが、自動ドア装置ではなく別の機器(例えば車載カメラ等)とユーザーUとがHMIを構築する装置であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明に係る空中浮遊画像表示スイッチ、空中浮遊画像表示スイッチを備える自動ドア制御装置及び自動ドア制御システムによれば、ユーザーがどの角度から見ても歪みが少なく途切れの無い画像を表示することができるので産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0099】
1、1A 自動ドア制御システム(自動ドア制御装置)
10、10A、10B、10C、10D、10E、10F 空中浮遊画像表示スイッチ
11、11B、11C、11D、11E、11F 表示部
12、12B、12C、12D、12E、12F 空中結合素子
120 操作部
13 センサ
130 深度センサ(センサ)
131 センサ制御部
14 カメラ(撮影部)
15、15A 記憶部
16 顔認証部
17 高さ検出部
18 画像選定部
19、19A スイッチ制御部
20、20A 制御部
30 自動ドア装置
31 自動ドア本体
32 自動ドア駆動部
33 ドア制御部(ロック制御部)
40 ロック機構
110、110B 表示面
110a 上端部
110b 下端部
120、120C、120D 対向面
A 鉛直方向(高さ方向)
B 左右方向
C 室内外方向
F 変換画像
F1 第一変換画像
F2 第二変換画像
F3 第三変換画像
H 壁部
M 目の位置
T 開口部
TA 出入り口
K 空中像
K1 第一空中像
K2 第二空中像
K3 第三空中像
KA 空中像面
KA1 第一空中像面
KA2 第二空中像面
KA3 第三空中像面
Kp 視野角
U ユーザー(訪問人物)
U1 子供
U2 中人
U3 大人
UA ユーザー(特定人物)
Ua 対象物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
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