(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057396
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】発電装置
(51)【国際特許分類】
H02N 11/00 20060101AFI20240417BHJP
H10N 10/13 20230101ALI20240417BHJP
【FI】
H02N11/00 A
H01L35/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164102
(22)【出願日】2022-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
(71)【出願人】
【識別番号】000153720
【氏名又は名称】株式会社白山
(74)【代理人】
【識別番号】100131200
【弁理士】
【氏名又は名称】河部 大輔
(72)【発明者】
【氏名】原 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】内田 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】早乙女 剛
(57)【要約】
【課題】発電装置の発電効率を向上させる。
【解決手段】発電装置10は、複数の熱電変換モジュール1と、熱電変換モジュール1を冷却する冷却熱交換器5とを備える。冷却熱交換器5は、冷却液が流通する内部空間50aが形成された本体50を有する。本体50は、内部空間50aを介して互いに対向する第1壁53及び第2壁54を含む。第1壁53のうち内部空間50aとは反対側の外表面53aには、複数の熱電変換モジュール1が互いに間隔をあけて配列される。本体50は、外表面53aと交差する方向に拡がって内部空間50aを仕切り、蛇行する冷却液の流路を形成する仕切壁61をさらに含む。仕切壁61は、第1壁53に沿って延びる端縁である第1端縁62aを有する。第1端縁62aは、隣り合う2つの熱電変換モジュール1の間の隙間13と外表面53aと直交する方向において重なっている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに反対向きの第1面及び第2面を有し、前記第1面と前記第2面との温度差に応じて熱電発電を行う複数の熱電変換モジュールと、
前記第1面を加熱する加熱熱交換器と、
前記第2面を冷却する冷却熱交換器とを備え、
前記冷却熱交換器は、冷却液が流通する内部空間が形成された本体を有し、
前記本体は、前記内部空間を介して互いに対向する第1壁及び第2壁を含み、
前記第1壁のうち前記内部空間とは反対側の外表面には、前記第2面が前記第1壁に接するように、前記複数の熱電変換モジュールが互いに間隔をあけて配列され、
前記本体は、前記外表面と交差する方向に拡がって前記内部空間を仕切り、蛇行する前記冷却液の流路を形成する仕切壁をさらに含み、
前記仕切壁は、前記第1壁に沿って延びる端縁である第1端縁を有し、
前記第1端縁は、隣り合う2つの前記熱電変換モジュールの間の隙間と前記外表面と直交する方向において重なっている発電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発電装置において、
前記隙間は、隣り合う2つの前記熱電変換モジュールの間において前記複数の熱電変換モジュールの配列方向と交差する方向に延び、
前記第1端縁は、前記隙間に沿って延びている発電装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の発電装置において、
前記第1端縁は、前記外表面と直交する方向において前記熱電変換モジュールとは重ならない発電装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の発電装置において、
前記第1壁の前記外表面に配置され、前記複数の熱電変換モジュールを位置決めする位置決め器をさらに備え、
前記位置決め器は、隣り合う2つの前記熱電変換モジュールの間に配置され前記隙間を確保するスペーサを有している発電装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の発電装置において、
前記仕切壁は、前記第2壁に沿って延びる端縁である第2端縁をさらに有し、
前記第1端縁は、前記第1壁に結合されておらず、
前記第2端縁は、前記第2壁に結合されている発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示された技術は、発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、熱電変換素子を用いて熱電発電を行う発電装置が開示されている。この発電装置は、内筒と、内筒の周囲に配置された外筒と、内筒と外筒との間に設けられた熱電変換素子とを備えている。熱電変換素子の高温面は、内筒の内側を流通する排ガスによって加熱される。熱電変換素子の低温面は、外筒の外側を流通する空気によって冷却される。これにより、熱電変換素子の高温面と低温面との間に温度差が生じて熱電発電が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述した発電装置では、外筒が冷却熱交換器として用いられる。このように冷却熱交換器を用いて熱電変換モジュールを冷却する発電装置にあっては、冷却熱交換器によって熱電変換モジュールを冷却する冷却性能を高めることによって、発電装置の発電効率を向上させることができる。
【0005】
ここに開示された技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷却熱交換器の冷却性能を高め、発電装置の発電効率を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示された発電装置は、互いに反対向きの第1面及び第2面を有し、前記第1面と前記第2面との温度差に応じて熱電発電を行う複数の熱電変換モジュールと、前記第1面を加熱する加熱熱交換器と、前記第2面を冷却する冷却熱交換器とを備え、前記冷却熱交換器は、冷却液が流通する内部空間が形成された本体を有し、前記本体は、前記内部空間を介して互いに対向する第1壁及び第2壁を含み、前記第1壁のうち前記内部空間とは反対側の外表面には、前記第2面が前記第1壁に接するように、前記複数の熱電変換モジュールが互いに間隔をあけて配列され、前記本体は、前記外表面と交差する方向に拡がって前記内部空間を仕切り、蛇行する前記冷却液の流路を形成する仕切壁をさらに含み、前記仕切壁は、前記第1壁に沿って延びる端縁である第1端縁を有し、前記第1端縁は、隣り合う2つの前記熱電変換モジュールの間の隙間と前記外表面と直交する方向において重なっている。
【発明の効果】
【0007】
前記発電装置によれば、冷却熱交換器の冷却性能を高め、熱電変換効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】
図4は、冷却熱交換器を斜め下方から見た斜視図である。
【
図6】
図6は、冷却熱交換器及び熱電変換モジュールを示した底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は、発電装置10の分解斜視図である。
図2は、発電装置10の正面図である。
図3は、発電装置10の側面図である。
図4は、組み立てられた冷却熱交換器5、押圧器7及びベース9を、斜め下方から視た斜視図である。
【0011】
発電装置10は、発電を行う熱電発電装置である。発電装置10は、例えば、ドレン回収システムに設けられる。ドレン回収システムは、蒸気が凝縮して発生したドレンを回収すると共に、ドレンから発生するフラッシュ蒸気(湯気を含む)の熱を回収する。発電装置10は、ドレン回収システムにおいて発生した蒸気の熱エネルギを活用して発電を行う。発電装置10は、熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電発電を行う熱電変換モジュール1と、熱電変換モジュール1を加熱する加熱熱交換器3と、熱電変換モジュール1を冷却する冷却熱交換器5とを備えている。熱電変換モジュール1は、加熱熱交換器3と冷却熱交換器5との間に配置されている。発電装置10では、加熱熱交換器3及び冷却熱交換器5が熱電変換モジュール1において温度差を発生させ、熱電変換モジュール1が温度差に応じて発電する。
【0012】
発電装置10は、加熱熱交換器3及び冷却熱交換器5の一方を他方の方へ押圧する押圧器7をさらに備えている。この例では、加熱熱交換器3は、固定的に設置された固定熱交換器であり、冷却熱交換器5は、移動可能に設置された可動熱交換器である。つまり、押圧器7は、冷却熱交換器5を加熱熱交換器3の方へ押圧する。加熱熱交換器3と冷却熱交換器5との間に熱電変換モジュール1が配置されている。そのため、冷却熱交換器5と熱電変換モジュール1との接触が維持され、さらには、熱電変換モジュール1と加熱熱交換器3との接触が維持される。
【0013】
発電装置10は、熱電変換モジュール1の位置決めを行う位置決め器2をさらに備えている。位置決め器2は、加熱熱交換器3と冷却熱交換器5との間における熱電変換モジュール1の位置決めを行う。発電装置10は、位置決め器2を支持する支持器25をさらに備えている。
【0014】
発電装置10は、冷却熱交換器5等を支持するベース9をさらに備えている。ベース9は、加熱熱交換器3に取り付けられている。
【0015】
発電装置10では、加熱熱交換器3、熱電変換モジュール1、冷却熱交換器5、押圧器7及びベース9がこの順で積み重ねられている。加熱熱交換器3及び冷却熱交換器5等が積み重ねられた方向を「積層方向」と称する。この例では、積層方向は、上下方向である。加熱熱交換器3が下方に配置され、ベース9が上方に配置されている。つまり、熱電変換モジュール1の下方に加熱熱交換器3が配置され、熱電変換モジュール1の上方に冷却熱交換器5が配置されている。
【0016】
=熱電変換モジュール=
熱電変換モジュール1は、複数の熱電変換素子を含んでいる。熱電変換素子は、熱エネルギを電気エネルギに変換するデバイスであり、ゼーベック素子とも呼ばれる。熱電変換素子は、p型半導体及びn型半導体の対で形成される。熱電変換モジュール1は、複数の熱電変換素子が熱的に並列に配列され、複数の熱電変換素子の両端に形成された電極を介して複数の熱電変換素子が電気的に直列に接続されている。
【0017】
熱電変換モジュール1は、
図1に示すように、略平板状に、より詳しくは、平面視略方形の略平板状に形成されている。熱電変換モジュール1は、厚さ方向において互いに反対向きの第1面11と第2面12とを有している。複数の熱電変換素子は、高温側の電極が第1面11の方を向き、低温側の電極が第2面12の方を向くように二次元状に配列されている。熱電変換モジュール1は、第1面11と第2面12との温度差に応じて熱電発電を行う。第1面11は高温面であり、第2面12は低温面である。
【0018】
この例では、発電装置10は、複数(具体的には、4個)の熱電変換モジュール1を備えている。複数の熱電変換モジュール1は、全体として平板状に配列されている。この例では、複数の熱電変換モジュール1は、互いに間隔をあけて積層方向と略直交する方向に一列に配列されている。複数の熱電変換モジュール1の第1面11は全て、同じ方向、具体的には下方を向いている。複数の熱電変換モジュール1の第2面12は全て、同じ方向、具体的には上方を向いている。
【0019】
以下、説明の便宜上、積層方向が上下方向に一致している場合を前提に、熱電変換モジュール1の配列方向を「左右方向」と称する。また、上下方向及び左右方向の両方に直交する方向を「前後方向」と称する。
【0020】
=加熱熱交換器=
加熱熱交換器3は、熱電変換モジュール1の第1面11に接し、第1面11を加熱する。加熱熱交換器3には、加熱源として蒸気が供給されている。加熱熱交換器3は、蒸気と第1面11との間で熱交換を実行させる。つまり、加熱熱交換器3は、蒸気によって第1面11を加熱する。
【0021】
具体的に、加熱熱交換器3は、本体30と流入ポート31と流出ポート32とを有している。本体30は、容器状に形成されている。本体30は、所定の長手方向に延びる筒状の側周壁33と、側周壁33の一端を塞ぐ第1端壁34と、側周壁33の他端を塞ぐ第2端壁35とを有している。側周壁33の一部には、
図1に示すように、略平面状の加熱面36が形成されている。加熱面36は、積層方向において熱電変換モジュール1の方を向いている。熱電変換モジュール1に対応して、4つの加熱面36が本体30に形成されている。流入ポート31は、第1端壁34に設けられている。流出ポート32は、第2端壁35に設けられている。本体30は、加熱用本体の一例である。
【0022】
加熱熱交換器3は、加熱面36が熱電変換モジュール1の第1面11に接するように配置される。詳しくは、加熱熱交換器3は、加熱面36が上方を向き且つ長手方向が熱電変換モジュール1の配列方向と一致するように配置される。
【0023】
本体30には、蒸気が流入ポート31から流入する。本体30に流入した蒸気は、熱電変換モジュール1と熱交換することによって凝縮してドレンとなる。本体30内のドレンは、流出ポート32から流出する。詳しくは、本体30の蒸気は、側周壁33の加熱面36を介して、熱電変換モジュール1の第1面11に放熱する。これにより、第1面11が加熱される。本体30内の蒸気は、第1面11と熱交換することで、凝縮してドレンとなる。ドレンは、本体30内に一時的に滞留し、最終的に流出ポート32から流出する。
【0024】
加熱熱交換器3は、ベース9が取り付けられる取付ベース4を有している。取付ベース4は、本体30に設けられている。この例では、取付ベース4は、積層方向と略直交する平板状であって且つ平面視で略長方形の枠状に形成されている。取付ベース4は、本体30の外周を囲むように配置されている。
【0025】
取付ベース4には、4本のスタンド48が設けられている。4本のスタンド48は、取付ベース4の四隅に配置されている。各スタンド48は、取付ベース4から加熱熱交換器3とは反対側へ積層方向に延びている。発電装置10は、4本のスタンド48を介して床等に載置される。
【0026】
=冷却熱交換器=
冷却熱交換器5は、熱電変換モジュール1の第2面12に接し、第2面12を冷却する。冷却熱交換器5には、冷却源として冷却水が供給されている。冷却熱交換器5は、冷却水と第2面12との間で熱交換を実行させる。つまり、冷却熱交換器5は、冷却水によって第2面12を冷却する。冷却水は、冷却液の一例である。
【0027】
具体的に、冷却熱交換器5は、本体50と流入ポート51と流出ポート52とを有している。本体50は、容器状に形成されている。より詳しくは、本体50は、所定の長手方向に延びる略角筒状、即ち、略直方体状に形成されている。本体50は、第1壁53と第2壁54と第3壁55と第4壁56と第5壁57と第6壁58とを有している。第1壁53及び第2壁54は、略長方形状に形成され、互いに対向している。第3壁55は、第1壁53の一方の長辺と第2壁54の一方の長辺とにそれぞれ結合されている。第5壁57は、第3壁55と対向し、第1壁53の他方の長辺と第2壁54の他方の長辺とにそれぞれ結合されている。第4壁56は、第1壁53の一方の短辺と第2壁54の一方の短辺とにそれぞれ結合されている。第6壁58は、第4壁56と対向し、第1壁53の他方の短辺と第2壁54の他方の短辺とにそれぞれ結合されている。第1壁53には、略平面状の冷却面59が形成されている。本体50は、冷却用本体の一例である。
【0028】
流入ポート51は、本体50の長手方向の一端部に設けられ、流出ポート52は、本体50の長手方向の他端部に設けられている。より詳しくは、流入ポート51は、第3壁55のうち第6壁58に近い端部に配置されている。流出ポート52は、第3壁55のうち第4壁56に近い端部に設けられている。
【0029】
冷却熱交換器5は、冷却面59が熱電変換モジュール1の第2面12に接するように配置される。詳しくは、冷却熱交換器5は、冷却面59が下方を向き且つ長手方向が熱電変換モジュール1の配列方向と一致するように配置される。
【0030】
本体50には、冷却水が流入ポート51から流入する。本体50に流入した冷却水は、本体50内を流通して、流出ポート52から流出する。冷却水は、本体50内を流通する間に、熱電変換モジュール1と熱交換する。詳しくは、本体50内の冷却水は、第1壁53の冷却面59を介して熱電変換モジュール1の第2面12から吸熱する。これにより、第2面12が冷却される。
【0031】
=位置決め器=
位置決め器2は、加熱熱交換器3と冷却熱交換器5との間において、第1面11又は第2面12の面内方向の熱電変換モジュール1の位置を決める。位置決め器2は、
図1に示すように、枠状のフレーム20と、フレーム20と結合された取付部21とを有している。位置決め器2は、複数の熱電変換モジュール1の位置を決める機能と、複数の熱電変換モジュール1を互いに断熱させる機能とを有する。つまり、位置決め器2は、隣り合う各2つの熱電変換モジュール1を断熱した状態で、熱電変換モジュール1を加熱面36及び冷却面59に適切に接触する位置に位置決めする。
【0032】
フレーム20は、加熱熱交換器3と冷却熱交換器5との間に配置される。フレーム20の厚さ(即ち、積層方向への寸法)は、熱電変換モジュール1の厚さ(即ち、積層方向への寸法)よりも薄い。加熱熱交換器3と冷却熱交換器5との隙間は、熱電変換モジュール1の厚さによって決まるので、フレーム20の厚さは、加熱熱交換器3と冷却熱交換器5との間隔よりも薄い。
【0033】
フレーム20は、第1面11(又は第2面12)と略平行な面内で熱電変換モジュール1の外形に少なくとも部分的に沿った形状を有している。フレーム20は、配列方向に隣り合う各2つの熱電変換モジュール1の間に配置されるスペーサ23を有している。スペーサ23は、各2つの熱電変換モジュール1を互いに隔離させる。この例では、4つの熱電変換モジュール1が設けられているので、フレーム20は、3つのスペーサ23を有している。スペーサ23は、断熱材によって形成されている。この例では、位置決め器2の全体が、断熱材によって形成されている。
【0034】
位置決め器2は、2つの取付部21を有している。2つの取付部21は、フレーム20から配列方向の両側に突出している。すなわち、2つの取付部21は、加熱熱交換器3と冷却熱交換器5との隙間から、配列方向へはみ出している。取付部21は、支持器25に取り付けられる。
【0035】
詳しくは、支持器25は、第1面11に交差する方向に延びるシャフト25aを有している。この例では、支持器25は、2本のシャフト25aを有している。2本のシャフト25aは、加熱熱交換器3に配置されている。詳しくは、2本のシャフト25aは、本体30の長手方向における本体30の外側に配置されている。シャフト25aは、取付ベース4に設けられている。シャフト25aは、取付ベース4から加熱面36と略直交する方向、即ち、第1面11と略直交する方向へ冷却熱交換器5の側へ延びている。シャフト25aの先端は、自由端である。
【0036】
取付部21は、シャフト25aに取り付けられる。具体的には、取付部21には、シャフト25aが挿通される貫通孔21aが形成されている。位置決め器2は、貫通孔21aにシャフト25aが挿通されるようにして、加熱熱交換器3上に配置される。フレーム20は、4つの加熱面36の周囲を部分的に縁取るように配置される。フレーム20によって区画されたスペースに熱電変換モジュール1が配置される。その結果、熱電変換モジュール1が加熱面36上に位置決めされる。
【0037】
=ベース=
ベース9は、加熱熱交換器3に取り付けられる。ベース9及び加熱熱交換器3は、熱電変換モジュール1、冷却熱交換器5及び押圧器7を支持する。つまり、ベース9と加熱熱交換器3との間に、熱電変換モジュール1、冷却熱交換器5及び押圧器7が配置される。ベース9は、概ね板状に形成されている。ベース9は、本体90と、本体90の端縁部に設けられた屈曲部91とを有している。本体90は、平面視略長方形状に形成されている。本体90は、積層方向と略直交する面内で拡がっている。本体90のうち長方形の長辺に相当する両端縁部に、2つの屈曲部91が設けられている。2つの屈曲部91は、本体90から積層方向における同じ向きへ屈曲している。各屈曲部91は、本体90に対して略直交するように屈曲している。本体90には、2つの取っ手92が設けられている。取っ手92は、本体90のうち長方形の短辺に相当する両端縁部に配置されている。
【0038】
ベース9は、本体90の長手方向が加熱熱交換器3の長手方向と一致し且つ本体90が加熱熱交換器3の加熱面36と略平行になるように配置される。ベース9は、4本のネジ93によって加熱熱交換器3に取り付けられる。本体90の四隅に、ネジ93が挿通される貫通孔が形成されている。加熱熱交換器3の取付ベース4のうち4つの貫通孔と対向する部分に、4つのネジ孔が形成されている。ベース9と取付ベース4の間には、4本のスペーサ94が設けられている。スペーサ94は、ベース9と取付ベース4との間において積層方向へ延びるように配置されている。スペーサ94は、ネジ93が挿通される円筒状に形成されている。
【0039】
各ネジ93は、本体90の貫通孔及びスペーサ94に挿通され、取付ベース4のネジ孔に螺合させられる。4本のネジ93が締め付けられることによって、ベース9が加熱熱交換器3に取り付けられる。このとき、ベース9の本体90と加熱熱交換器3の取付ベース4との間隔は、スペーサ94の長さに維持される。
【0040】
ベース9は、押圧器7を支持するガイド95を有している。ベース9は、2つのガイド95を有している。ガイド95は、本体90に設けられている。本体90のうち長方形の長辺に相当する両端縁部のそれぞれにガイド95が配置されている。一方のガイド95の、本体90の長手方向における位置は、他方のガイド95と異なっている。ガイド95は、本体90から加熱熱交換器3の側へ積層方向に延びている。ガイド95は、略円柱状に形成されている。ガイド95の先端は、自由端である。
【0041】
=押圧器=
押圧器7は、冷却熱交換器5に接触する接触器71と、接触器71を冷却熱交換器5の方へ弾性的に付勢するバネ8とを有している。押圧器7は、バネ8の弾性力によって冷却熱交換器5を加熱熱交換器3の方へ押圧する。接触器71及びバネ8は、冷却熱交換器5とベース9との間に配置されている。接触器71は、冷却熱交換器5に接触するように配置される。バネ8は、接触器71とベース9との間に圧縮変形した状態で配置されている。
【0042】
詳しくは、接触器71は、積層方向と略直交する面内で拡がる平板状に形成されている。接触器71は、冷却熱交換器5と接触する。より詳しくは、接触器71は、冷却熱交換器5の第2壁54と接触している。接触器71には、
図1に示すように、ガイド95が挿通される貫通孔73が2か所に形成されている。接触器71は、ベース9に対して積層方向へ移動可能に、且つ、積層方向に略直交する方向、即ち、第2面12の面内方向へ移動不能にガイド95に支持されている。
【0043】
バネ8は、例えば、板バネである。詳しくは、バネ8は、第1板81と、第2板82と、第1板81と第2板82とを互いに接続する屈曲部83とを有している。第1板81のうち屈曲部83と反対側の端縁、及び、第2板82のうち屈曲部83と反対側の端縁は、それぞれ自由端となっている。第1板81と第2板82との間隔は、第1板81及び第2板82の自由端に向かって拡がっている。つまり、バネ8は、断面略V字状に折れ曲がった形状に形成されている。バネ8は、全体として、第1板81の自由端と第2板82の自由端とが接近又は離間するように弾性変形する。すなわち、第1板81、第2板82及び屈曲部83のそれぞれが弾性変形する。
【0044】
バネ8は、ベース9に取り付けられる。詳しくは、第1板81は、ベース9の本体90に重ね合わせられた状態でベース9にネジ止めされる。その結果、第2板82は、
図3に示すように、積層方向に対して斜めに、ベース9から接触器71の方へ延びる。第2板82の自由端は、接触器71に接触する。第2板82の自由端によって、接触器71が押圧される。
【0045】
押圧器7は、
図1に示すように、2つのバネ8を有している。2つのバネ8は、配列方向(即ち、本体90の長手方向)に並んでいる。各バネ8は、第1板81の自由端と屈曲部83とが前後方向(即ち、本体90の短手方向)に並ぶように配置される。第1板81の自由端と屈曲部83との前後方向における位置は、2つのバネ8において逆になっている。2つのバネ8のこのような配置によって、接触器71のうちバネ8によって押圧される部分を配列方向及び前後方向において広く分布させることができる。つまり、バネ8の弾性力が接触器71の全体に満遍なく作用する。
【0046】
押圧器7は、冷却熱交換器5の変位を規制するストッパ74を有している。詳しくは、押圧器7は、
図4に示すように、4つのストッパ74を有する。ストッパ74は、接触器71に設けられている。ストッパ74は、接触器71のうち冷却熱交換器5の方を向く面に設けられている。ストッパ74は、第2面12と略平行な方向において、冷却熱交換器5と隣接して配置されている。4つのストッパ74は、冷却熱交換器5の周囲、即ち、冷却熱交換器5の四方に配置される。詳しくは、4つのストッパ74はそれぞれ、冷却熱交換器5の第3壁55、第4壁56、第5壁57及び第6壁58に対向して配置されている。4つのストッパ74は、冷却熱交換器5の第3壁55、第4壁56、第5壁57及び第6壁58のそれぞれに接触している。これにより、ストッパ74は、第2面12の面内方向での冷却熱交換器5の変位を規制する。
【0047】
より詳しくは、ストッパ74は、板金を屈曲させて形成されている。ストッパ74は、接触器71に取り付けられる第1プレート74aと、冷却熱交換器5と接触する第2プレート74bとを有している。第2プレート74bは、第1プレート74aから略直角に屈曲している。第1プレート74aは、接触器71にネジによって取り付けられる。第2プレート74bは、第3壁55、第4壁56、第5壁57及び第6壁58のうち対応する壁と略平行に延び且つ接触する。
【0048】
接触器71は、ストッパ74を冷却熱交換器5の方へ向け、冷却熱交換器5の上に配置される。冷却熱交換器5は、4つのストッパ74によって周囲を囲まれる。バネ8は、ベース9に取り付けられる。ベース9は、バネ8を接触器71に接触させるようにして加熱熱交換器3に取り付けられる。このとき、ベース9のガイド95は、接触器71の貫通孔73に挿通される。バネ8は、第1板81の自由端と第2板82との自由端とが接近するように、接触器71及びベース9によって圧縮変形させられる。バネ8は、積層方向において接触器71をベース9から離間する向きへ押圧する弾性力を発揮する。接触器71は、バネ8の弾性力によって、冷却熱交換器5を積層方向において加熱熱交換器3の方へ押圧する。
【0049】
押圧器7による冷却熱交換器5の押圧によって、熱電変換モジュール1と冷却熱交換器5との接触、及び、熱電変換モジュール1と加熱熱交換器3との接触とが確保される。それにより、熱電変換モジュール1と加熱熱交換器3及び冷却熱交換器5との熱交換の効率が向上する。
【0050】
このとき、接触器71は、ガイド95による支持によって、ベース9に対して第2面12の面内方向へ移動不能になっている。冷却熱交換器5は、ストッパ74によって、接触器71に対して第2面12の面内方向へ移動不能になっている。ベース9は、加熱熱交換器3に固定されている。つまり、第2面12の面内方向への変位に関し、冷却熱交換器5は、接触器71のストッパ74に規制され、接触器71は、ベース9のガイド95に規制され、ベース9は、加熱熱交換器3に規制される。結果として、冷却熱交換器5は、加熱熱交換器3に対して第2面12の面内方向へ移動不能になっている。これにより、第2面12の面内方向における熱電変換モジュール1に対する冷却熱交換器5の位置ずれが低減される。
【0051】
=冷却熱交換器の詳細=
続いて、冷却熱交換器5について詳述する。
図5は、冷却熱交換器5の斜視断面図である。冷却熱交換器5の本体50は、例えば、ステンレス等の熱伝導率の高い金属から形成される。本体50の内部には、冷却水が流通する内部空間50aが形成されている。内部空間50aは、第1壁53、第2壁54、第3壁55、第4壁56、第5壁57及び第6壁58によって区画された空間である。内部空間50aは、流入ポート51及び流出ポート52と連通している。
【0052】
第1壁53及び第2壁54、第3壁55及び第5壁57、並びに第4壁56及び第6壁58は、それぞれ、内部空間50aを介して互いに対向している。詳しくは、第1壁53及び第2壁54は、積層方向に間隔をあけて互いに対向している。第3壁55及び第5壁57は、前後方向に間隔をあけて互いに対向している。第4壁56及び第6壁58は、配列方向に間隔をあけて互いに対向している。
【0053】
図6は、冷却熱交換器5及び熱電変換モジュール1を示した底面図である。冷却面59は、第1壁53のうち内部空間50aとは反対側の外表面53aに形成されている。この例では、冷却面59は、第1壁53の外表面53aの全体に形成されている。外表面53aは、積層方向と略直交する平面である。すなわち、外表面53aと直交する方向は、積層方向と略一致している。
【0054】
外表面53aには、複数の熱電変換モジュール1と位置決め器2とが配置される。複数の熱電変換モジュール1は、互いに間隔をあけて外表面53aに配列されている。配列方向に隣り合う各2つの熱電変換モジュール1の間には、隙間13が形成されている。隙間13は、隣り合う2つの熱電変換モジュール1の間において、配列方向と交差する方向、詳しくは、前後方向に延びている。隙間13には、位置決め器2のスペーサ23が配置される。スペーサ23は、隣り合う2つの熱電変換モジュール1の間において、隙間13の延びる方向に延びている。隙間13は、スペーサ23によって確保される。
【0055】
図7は、
図6のVII-VII線断面図である。本体50は、外表面53aと交差する方向に拡がって内部空間50aを仕切る仕切壁61をさらに有している。具体的には、仕切壁61は、積層方向、より具体的には、積層方向及び前後方向に拡がっている。仕切壁61は、内部空間50aを仕切ることによって、本体50内に第1壁53及び第2壁54に沿って蛇行する冷却水の流路を形成する。
【0056】
詳しくは、本体50は、複数の仕切壁61を有している。複数の仕切壁61は、内部空間50aにおいて配列方向に間隔をあけて配置されている。複数の仕切壁61は、内部空間50aにおいて第3壁55の方へ偏って配置された第1仕切壁61aと、内部空間50aにおいて第5壁57の方へ偏って配置された第2仕切壁61bとを有している。すなわち、複数の仕切壁61は、本体50の周壁のうち前後方向に間隔をあけて対向する一対の壁の一方の方へ偏って配置された第1仕切壁61aと、他方の方へ偏って配置された第2仕切壁61bとを有している。
【0057】
この例の本体50は、2つの第1仕切壁61aと1つの第2仕切壁61bとを有している。配列方向において第2仕切壁61bは、2つの第1仕切壁61aの間に位置している。第1仕切壁61aと第2仕切壁61bとは、共通の構成を有する。以下では、特に区別する場合を除き、第1仕切壁61aと第2仕切壁61bとのそれぞれを、単に「仕切壁61」と称する。
【0058】
仕切壁61は、配列方向と略直交する平板状に形成されている。仕切壁61は、配列方向に見て略長方形状に形成されている。仕切壁61は、第1壁53に沿って延びる端縁である第1端縁62aと、第2壁54に沿って延びる端縁である第2端縁62bと、第3壁55に沿って延びる端縁である第3端縁62cと、第5壁57に沿って延びる端縁である第4端縁62dとを有している。尚、本開示において、「沿って延びる」とは、対象に対して接して又は近い距離を保って延びることを意味する。すなわち、「沿って延びる」は、対象に対して平行に延びることだけでなく、対象に対して傾斜して延びる等、対象との距離が変化しながら延びることも含まれる。この例では、第1端縁62a及び第2端縁62bのそれぞれは、前後方向と略一致する方向に延び、第3端縁62c及び第4端縁62dのそれぞれは、積層方向と略一致する方向に延びている。
【0059】
仕切壁61の第2端縁62bは、第2壁54に結合されている。第2端縁62bは、溶接によって第2壁54に結合される。仕切壁61は、第2壁54から第1壁53の方へ拡がっている。第1端縁62aは、第1壁53には結合されていない。すなわち、仕切壁61は、第1壁53及び第2壁54のうち第2壁54にのみ溶接されている。第1端縁62aは、第1壁53に接触しておらず、第1端縁62aと第1壁53との間には、隙間が形成されている。
【0060】
この例では、仕切壁61は、第3壁55又は第5壁57にも結合されている。具体的には、第1仕切壁61aの第3端縁62cは、第3壁55に結合されている。第2仕切壁61bの第4端縁62dは、第5壁57に結合されている。すなわち、第1仕切壁61aは、第3壁55から第5壁57の方へ延び、第2仕切壁61bは、第5壁57から第3壁55の方へ延びている。第1仕切壁61aの第3端縁62c及び第3壁55の結合、並びに第2仕切壁61bの第4端縁62d及び第5壁57の結合は、例えば溶接によって実現される。
【0061】
第1仕切壁61aの第4端縁62dは、第5壁57には結合されておらず、第1仕切壁61aの第4端縁62dと第5壁57との間には、隙間64が形成されている。また、第2仕切壁61bの第3端縁62cは、第3壁55には結合されておらず、第2仕切壁61bの第3端縁62cと第3壁55との間には、隙間65が形成されている。
【0062】
内部空間50aは、第1仕切壁61a及び第2仕切壁61bによって、配列方向に並ぶ複数の空間に仕切られている。ここで、「仕切る」とは、空間を概ね区画することを意味する。つまり、仕切壁61によって仕切られた空間は、閉空間ではなく、開いた空間であってもよい。内部空間50aのうち第1仕切壁61aを介して隣り合う2つの空間は、隙間64を介して互いに連通している。また、内部空間50aのうち第2仕切壁61bを介して隣り合う2つの空間は、隙間65を介して互いに連通している。つまり、内部空間50aは、第1仕切壁61a及び第2仕切壁61bによって、隙間64,65を介して連通する複数の空間に仕切られる。これらの複数の空間によって、本体50内において蛇行する流路が形成される。尚、この例では、流路のうち仕切壁61を介して隣り合う空間は、第1端縁62aと第1壁53との間の隙間を介して連通している。
【0063】
流入ポート51から流路に流入した冷却水は、
図6において破線の矢印で示すように、流路に沿って蛇行しながら流通し、流出ポート52から流出する。すなわち、本体50内における冷却水の流れは、大まかには、本体50のうち流入ポート51の方の端部から流出ポート52の方の端部へ向かう流れとなる。この流れが仕切壁61によって遮られることにより、冷却水は蛇行する。第1壁53は、このように蛇行する冷却水によって冷却される。
【0064】
図8は、冷却熱交換器5の底面図である。尚、
図8中のハッチングは、後述する重なり部分53b及び高冷却部分53cのそれぞれの範囲を示すものであり、断面を示すものではない。本体50の内部空間50aにおいて、仕切壁61の第1端縁62aの近傍では、冷却水があまり流通しない。この例では、第1壁53と第1端縁62aとの間にわずかな隙間がある。しかし、この隙間を流れる冷却水は、わずかである、又はほとんど無い。そのため、第1壁53のうち積層方向において仕切壁61の第1端縁62aと重なる部分53bは、冷却水によって冷却され難い。以下、部分53bを「重なり部分53b」と称する。一方、第1壁53のうち、第1端縁62a、並びに第3壁55、第4壁56、第5壁57及び第6壁58と積層方向において重ならない部分53cは、冷却水によって冷却されやすく、重なり部分53bと比較して冷却性能が高い。以下、部分53cを「高冷却部分53c」と称する。
【0065】
ここで、仕切壁61の第1端縁62aは、
図6に示すように、隣り合う2つの熱電変換モジュールの間の隙間13と積層方向、即ち、外表面53aと直交する方向において重なっている。換言すれば、複数の熱電変換モジュール1は、外表面53aのうち第1端縁62aに対応する部分を避けて、高冷却部分53cの外表面53aに配置されている。尚、本開示において「第1端縁62aが積層方向において隙間13と重なる」とは、第1端縁62aの少なくとも一部が、隙間13の少なくとも一部と積層方向において重なることを意味する。すなわち、第1端縁62aの全部が隙間13の全部と重なってもよいし、第1端縁62aの一部のみが隙間13の全部と重なってもよいし、第1端縁62aの一部のみが隙間13の一部のみと重なってもよい。
【0066】
第1端縁62aは、隣り合う2つの熱電変換モジュールの間の隙間13に沿って延びている。具体的には、第1端縁62aは隙間13が延びる方向に延びている。第1端縁62aの半分以上の部分、詳しくは、第1端縁62aの略全部は、積層方向において隙間13と重なっている。また、隙間13を確保するスペーサ23の幅は、仕切壁61の厚みよりも大きい。さらに、仕切壁61は、積層方向において熱電変換モジュール1と重ならない位置に配置されている。すなわち、複数の熱電変換モジュール1は、第1壁53のうち重なり部分53bには配置されず、高冷却部分53cにのみ配置されている。
【0067】
=発電装置の組み立て=
続いて、発電装置10の組立について説明する。まず、加熱熱交換器3は、スタンド48を介して床等に載置される。加熱熱交換器3には、シャフト25aが取り付けられている。
【0068】
次に、位置決め器2が加熱熱交換器3上に載置される。位置決め器2は、貫通孔21aにシャフト25aが挿通されるようにして、加熱熱交換器3上に配置される。位置決め器2は、4つの加熱面36の周囲を縁取るようにして、加熱面36を露出させている。そして、熱電変換モジュール1は、第1面11を加熱面36と対向させて、加熱面36上に載置される。さらに、冷却熱交換器5は、冷却面59が熱電変換モジュール1の第2面12に接触するようにして熱電変換モジュール1の上に載置される。
【0069】
続いて、押圧器7の接触器71は、冷却熱交換器5上に載置される。バネ8は、ベース9に取り付けられる。ベース9は、バネ8を接触器71に接触させるようにして加熱熱交換器3に取り付けられる。このとき、ベース9に取り付けられたガイド95は、接触器71の貫通孔73に挿通される。ベース9は、スペーサ94を介してネジ93によって加熱熱交換器3に取り付けられる。スペーサ94によって、ベース9と加熱熱交換器3との間隔が決められる。これにより、バネ8が弾性変形させられ、バネ8の弾性力によって接触器71が冷却熱交換器5を加熱熱交換器3の方へ押圧する。
【0070】
このようにベース9が加熱熱交換器3に取り付けられることによって、押圧器7が冷却熱交換器5を加熱熱交換器3の方へ押圧し、加熱熱交換器3と冷却熱交換器5とが熱電変換モジュール1を挟み込む。これにより、熱電変換モジュール1と加熱熱交換器3との接触、及び、熱電変換モジュール1と冷却熱交換器5との接触とが確保される。
【0071】
=発電装置の動作=
次に、発電装置10の動作について説明する。
【0072】
加熱熱交換器3において、本体30には流入ポート31から蒸気が供給される。蒸気は、本体30内で滞留する。一方、冷却熱交換器5において、本体50には流入ポート51から冷却水が供給される。冷却水は、本体50内を流通する。
【0073】
熱電変換モジュール1の第1面11は、加熱熱交換器3の加熱面36に接触しているので、本体30内の蒸気によって加熱される。一方、熱電変換モジュール1の第2面12は、冷却熱交換器5の冷却面59に接触しているので、本体50内の冷却水によって冷却される。これにより、熱電変換モジュール1の第1面11と第2面12との間に温度差が発生し、熱電変換モジュール1は、温度差に応じて発電する。このように、発電装置10は、蒸気の熱エネルギを活用して、発電を行う。
【0074】
ここで、加熱熱交換器3においては、本体30に流入した蒸気は、加熱面36を介して熱電変換モジュール1の第1面11に放熱して凝縮する。ドレンは、本体30内に一時的に滞留し、最終的に流出ポート32から流出する。ここで、加熱面36が本体30の上部に位置するので、本体30内のドレンは、本体30内の底部、即ち、加熱面36から比較的離れた部分に溜まる。そのため、加熱面36を介した第1面11の加熱がドレンによって阻害されることはない。このように、加熱熱交換器3が熱電変換モジュール1の下方に配置されることによって、加熱面36から離れた部分にドレンを溜めることができる。これにより、加熱熱交換器3の加熱効率が向上する。
【0075】
一方、冷却熱交換器5においては、本体50に流入した冷却水は、冷却面59を介して熱電変換モジュール1の第2面12から吸熱する。冷却水は、本体50内を流通する間に加熱され、流出ポート52から流出する。ここで、冷却面59が本体50の下部に位置するので、第2面12によって加熱された冷却水は、本体50の上部へ対流していく。結果として、比較的低温の冷却水が冷却面59の近くに、比較的高温の冷却水が冷却面59から遠くに分布する。このように、冷却熱交換器5が熱電変換モジュール1の上方に配置されることによって、冷却熱交換器5の冷却効率が向上する。
【0076】
また、加熱熱交換器3では、蒸気の熱や圧力によって本体30が膨張する場合がある。ここで、熱電変換モジュール1は、加熱熱交換器3と冷却熱交換器5とで挟持されることによって支持され、冷却熱交換器5は、積層方向へ弾性的に移動可能に支持されている。詳しくは、冷却熱交換器5は、押圧器7によって積層方向において加熱熱交換器3の方へ弾性的に押圧され、押圧器7の接触器71は、ベース9に対して(ひいては、加熱熱交換器3に対して)積層方向へ移動可能にガイド95によって支持されている。そのため、加熱熱交換器3の本体30の膨張変形に応じて、熱電変換モジュール1及び冷却熱交換器5は積層方向へ変位し得る。つまり、加熱熱交換器3の本体30の膨張変形を押圧器7のバネ8が吸収する。その結果、熱電変換モジュール1へのダメージが低減されると共に、熱電変換モジュール1と加熱熱交換器3及び冷却熱交換器5との接触が適切に維持される。ここで、位置決め器2は、貫通孔21aにシャフト25aが挿入されることによって支持器25に支持されているので、位置決め器2は、シャフト25aの長手方向、即ち、積層方向に移動可能に支持されている。位置決め器2も、熱電変換モジュール1及び冷却熱交換器5と共に積層方向へ変位し得る。そのため、位置決め器2は、加熱熱交換器3と冷却熱交換器5との間隔に影響を与えることなく、熱電変換モジュール1の位置決めを継続する。それに加えて、冷却熱交換器5は、ガイド95、接触器71及びストッパ74によって、ベース9に対して積層方向と略直交する方向へ移動不能に支持されている。そのため、第2面12の面内方向における熱電変換モジュール1に対する冷却熱交換器5の位置ずれが低減される。その結果、熱電変換モジュール1と冷却熱交換器5との適切な接触が維持される。
【0077】
以上のように、発電装置10においては、冷却熱交換器5の本体50内に仕切壁61によって蛇行する流路が形成され、本体50内に流入した冷却水は、流路を蛇行しながら流通する。そのため、流路を流通する冷却水には、乱流が発生する。乱流は、層流と比較して熱伝達率が大きい。そのため、冷却水によって、第1壁53を効率良く冷却することができ、ひいては熱電変換モジュール1の第2面12を効率良く冷却することができる。その結果、発電装置10の発電効率を向上させることができる。
【0078】
さらに、仕切壁61の第1端縁62aは、隣り合う2つの熱電変換モジュール1の間の隙間13と積層方向において重なっている。すなわち、熱電変換モジュール1の第2面12は、第1壁53の重なり部分53bを避けて、高冷却部分53cに接触している。そのため、冷却熱交換器5によって熱電変換モジュール1の第2面12を一層効率良く冷却することができ、発電装置10の発電効率を一層向上させることができる。
【0079】
特に、隙間13は、隣り合う2つの熱電変換モジュール1の間において配列方向と交差する方向に延び、仕切壁61の第1端縁62aは、隙間13に沿って延びる。そのため、第1端縁62aのうち積層方向において隙間13と重なる部分の面積を大きくすることができる。言い換えると、熱電変換モジュール1の第2面12のうち積層方向において第1端縁62aと重なる部分の面積を低減できる。したがって、冷却熱交換器5によって熱電変換モジュール1の第2面12を一層効率良く冷却することができる。
【0080】
さらに、第1端縁62aは、積層方向において熱電変換モジュール1とは重ならない。すなわち、熱電変換モジュール1の第2面12は、第1壁53の高冷却部分53cにのみ接触する。したがって、冷却熱交換器5によって熱電変換モジュール1の第2面12を一層効率良く冷却することができる。
【0081】
また、位置決め器2により、熱電変換モジュール1に対する冷却熱交換器5の位置ずれが低減され、スペーサ23によって隣り合う2つの熱電変換モジュール1の間の隙間13が確保される。そのため、第1端縁62aと隙間13とが積層方向において重なる状態を維持することができる。その結果、発電装置10の高い発電効率を維持することができる。
【0082】
また、仕切壁61の第2端縁62bは、第2壁54に結合され、第1端縁62aは、第1壁53に結合されない。そのため、仕切壁61を、例えば溶接のような加熱を伴う結合方法によって結合する場合には、第1端縁62aを第1壁53に溶接することによる第1壁53の変形、即ち第1壁53の溶接歪みを防止することができる。その結果、第1壁53の平面度、ひいては冷却面59の平面度を高め、熱電変換モジュール1の第2面12と冷却面59との密着度を高めることができる。したがって、冷却熱交換器5と熱電変換モジュール1との熱交換効率を高めることができ、発電装置10の発電効率を一層向上させることができる。尚、仕切壁61の第2端縁62bは、第1壁53とは別の第2壁54に溶接される。そのため、第2壁54に溶接歪みが生じたとしても、第1壁53には溶接歪みが生じない。したがって、冷却面59の平面度に影響はない。
【0083】
また、この例では、第1端縁62aが第1壁53に結合されず、第1壁53と第1端縁62aとの間に隙間が形成される。この隙間を流通する冷却水によって、第1壁53のうち第1端縁62aに近い部分、即ち重なり部分53b及びその近傍部分を冷却することができる。そのため、第1壁53のうち第1端縁62aに近い部分の冷却性能を向上させることができ、冷却熱交換器5によって熱電変換モジュール1の第2面12を十分に冷却することができる。尚、第1壁53のうち第1端縁62aに近い部分が冷却水によって比較的低温に冷却されるのであれば、第1壁53と第1端縁62aとの間には、隙間は形成されなくてもよい。すなわち、第1端縁62aは、第1壁53に結合されてもよいし、第1壁53に結合されない状態で第1壁53に接触してもよい。この場合、冷却水は、仕切壁61によってその流れが遮られて第1端縁62aと第1壁53との間を流通しないため、第1端縁62aの近傍において乱流が生じやすくなる。そのため、乱流によって第1壁53の高冷却部分53cを効率良く冷却することができ、ひいては熱電変換モジュール1の第2面12を効率良く冷却することができる。
【0084】
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0085】
例えば、加熱熱交換器3及び冷却熱交換器5等の積層方向は、上下方向でなくてもよい。加熱熱交換器3及び冷却熱交換器5等の積層方向は、水平方向であってもよく、上下方向に対して傾斜する方向であってもよい。さらに、加熱熱交換器3は、冷却熱交換器5よりも上方に配置されていてもよい。
【0086】
冷却熱交換器5が固定的に配置された固定熱交換器であって、加熱熱交換器3が移動可能に配置された可動熱交換器であってもよい。例えば、ベース9が冷却熱交換器5に取り付けられ、ベース9と冷却熱交換器5との間に、熱電変換モジュール1、加熱熱交換器3及び押圧器7が配置されてもよい。すなわち、
図1等の発電装置10において加熱熱交換器3と冷却熱交換器5との位置を入れ替え、熱電変換モジュール1の第1面11及び第2面12を反転させてもよい。その場合、押圧器7は、加熱熱交換器3を積層方向において冷却熱交換器5の方へ押圧し、接触器71のストッパ74は、第1面11の面内方向での加熱熱交換器3の変位を規制する。これにより、第1面11の面内方向での加熱熱交換器3と熱電変換モジュール1との位置ずれが低減される。
【0087】
ベース9は、加熱熱交換器3及び冷却熱交換器5の一方に取り付けられているが、これに限定されない。2つのベース9が、積層方向において加熱熱交換器3及び冷却熱交換器5の両側に設けられ、加熱熱交換器3及び冷却熱交換器5を挟み込むように構成されてもよい。
【0088】
熱電変換モジュール1の個数は、4個に限定されず、4個未満又は4個より多くてもよい。熱電変換モジュール1の形状は、互いに反対向きの第1面11及び第2面12を有する限り、任意の形状としてもよい。例えば、熱電変換モジュール1は、平面視で、略長方形、略三角形又は略六角形等であってもよい。熱電変換モジュール1は、板状ではなく、ブロック状であってもよい。複数の熱電変換モジュール1の配列は、直線状でなくてもよい。複数の熱電変換モジュール1は、二次元的に配置されてもよい。
【0089】
加熱熱交換器3及び冷却熱交換器5の構成は、前述した形状に限られず、第1面11及び第2面12と適切に熱交換を行うことができる構成であれば如何なるものであってもよい。例えば、加熱熱交換器3において、複数の熱電変換モジュール1に対して、1つの加熱面36が設けられていてもよい。すなわち、前述の4つの加熱面36が繋がって、1つの加熱面36を形成してもよい。冷却熱交換器5において、複数の熱電変換モジュール1に対して、1つの冷却面59ではなく、分割された複数の冷却面が設けられていてもよい。
【0090】
加熱熱交換器3に供給される加熱源は、蒸気以外の流体であってもよい。冷却熱交換器5に供給される冷却源は、水以外の液体であってもよい。
【0091】
本体50が有する仕切壁61の数、並びに仕切壁61の形状及び大きさ等は、限定されない。例えば、仕切壁61は、本体50に1つだけ設けられてもよいし、2つ、又は4つ以上設けられてもよい。仕切壁61が外表面53aと交差する方向に拡がるのであれば、仕切壁61が拡がる方向は限定されない。仕切壁61は、例えば、積層方向又は配列方向に対して傾斜する方向に拡がってもよい。仕切壁61の形状は、平板状に限定されず、例えば、屈曲した板状に形成されてもよい。
【0092】
仕切壁61は、冷却水の流れを遮って乱流を生じさせるのであれば、第2壁54だけに結合されてもよい。仕切壁61は、第2壁54に結合されず、第1壁53だけに、第3壁55だけに、第5壁57だけに結合されてもよい。仕切壁61は、第2壁54等に対して、溶接以外の結合方法によって結合されてもよい。溶接以外の結合方法は、例えば、接着である。仕切壁61は、第2壁54等に対して、ねじ止め等によって取り付けられてもよい。仕切壁61は、第2壁54等と一体に形成されてもよい。
【0093】
第1端縁62aが延びる方向は限定されない。第1端縁62aは、例えば、積層方向又は配列方向に対して傾斜する方向に延びてもよい。すなわち、第1端縁62aは、隣り合う2つの熱電変換モジュール1の間の隙間64が延びる方向とは異なる方向に延びてもよい。また、隙間64が延びる方向は、限定されない。隙間64は、例えば、前後方向に対して傾斜する方向に延びてもよい。また、第1端縁62aは、第1壁53に接触又は結合されてもよい。すなわち、第1端縁62aと第1壁53との間には、隙間が形成されなくてもよい。
【0094】
位置決め器2の構成は、前述の構成に限定されない。例えば、位置決め器2のフレーム20は、開いた形状ではなく、閉じた形状をしていてもよい。すなわち、フレーム20は、切欠きが形成されておらず、第1面11(又は第2面12)と略平行な面内で熱電変換モジュール1の外形の全周に沿った形状を有していてもよい。また、取付部21の個数は、1個でも、3個以上であってもよい。貫通孔21aは、円形以外の形状であってもよい。
【0095】
シャフト25aは、円柱に限定されず、円以外の断面形状を有していてもよい。支持器25は、シャフト25aではなく、別の部材によって位置決め器2を支持してもよい。例えば、支持器25は、加熱熱交換器3又は冷却熱交換器5に設けられた突起であってもよい。突起が位置決め器2の貫通孔21aに挿入されるようにして、位置決め器2が支持器25に支持されてもよい。
【0096】
支持器25は、位置決め器2を第2面12の面内方向において所定の範囲で変位可能に支持してもよい。例えば、シャフト25aは、第2面12に交差する方向に延びていてもよい。ただし、第2面12が第1面11と略平行な場合には、位置決め器2を第1面11の面内方向において所定の範囲で変位可能に支持することは、位置決め器2を第2面12の面内方向において所定の範囲で変位可能に支持することに等しい。
【0097】
支持器25、具体的には、シャフト25aは、冷却熱交換器5に設けられていてもよい。つまり、シャフト25aは、冷却熱交換器5から、第1面11又は第2面12に交差する方向、詳しくは、略直交する方向へ延びていてもよい。この場合、位置決め器2は、シャフト25aを介して冷却熱交換器5に支持され、熱電変換モジュール1は、実質的に冷却熱交換器5に対して位置決めされる。
【0098】
押圧器7は、接触器71が省略されてもよい。その場合、バネ8は、加熱熱交換器3及び冷却熱交換器5のうち可動熱交換器に直接に接する。
【0099】
ストッパ74は、板状に形成されていなくてもよい。例えば、ストッパ74は、シャフト又はブロック等によって形成されていてもよい。ストッパ74は、加熱熱交換器3及び冷却熱交換器5のうち可動熱交換器に隣接して配置され、可動熱交換器の変位を規制する限り、任意の形状であり得る。
【0100】
バネ8の個数は、2個に限定されず、1個又は3個以上であってもよい。バネ8は、板バネではなく、例えばコイルバネ等であってもよい。あるいは、押圧器7の弾性部材は、バネではなく、ゴム等であってもよい。
【0101】
発電装置10は、ドレン回収システム以外の蒸気システムに設けられてもよい。その場合、蒸気システムで利用されている蒸気の一部が、加熱熱交換器3に供給され得る。
【0102】
本開示の技術をまとめると、以下のようになる。
【0103】
[1] 発電装置10は、互いに反対向きの第1面11及び第2面12を有し、前記第1面11と前記第2面12との温度差に応じて熱電発電を行う複数の熱電変換モジュール1と、前記第1面11を加熱する加熱熱交換器3と、前記第2面12を冷却する冷却熱交換器5とを備え、前記冷却熱交換器5は、冷却水(冷却液)が流通する内部空間50aが形成された本体50を有し、前記本体50は、前記内部空間50aを介して互いに対向する第1壁53及び第2壁54を含み、前記第1壁53のうち前記内部空間50aとは反対側の外表面53aには、前記第2面12が前記第1壁53に接するように、前記複数の熱電変換モジュール1が互いに間隔をあけて配列され、前記本体50は、前記外表面53aと交差する方向に拡がって前記内部空間50aを仕切り、蛇行する前記冷却水の流路を形成する仕切壁61をさらに含み、前記仕切壁61は、前記第1壁53に沿って延びる端縁である第1端縁62aを有し、前記第1端縁62aは、隣り合う2つの前記熱電変換モジュール1の間の隙間13と前記外表面53aと直交する方向において重なっている。
【0104】
この構成によれば、仕切壁61により、本体50内に蛇行する流路が形成される。そのため、流路を流通する冷却水には、乱流が発生する。乱流は、層流と比較して熱伝達率が大きい。そのため、冷却水によって、第1壁53を効率良く冷却することができる。さらに、仕切壁61の第1端縁62aは、隣り合う2つの熱電変換モジュール1の間の隙間13と積層方向において重なる。すなわち、熱電変換モジュール1を、第1壁53のうち積層方向において第1端縁62aと重なる重なり部分53bを避けて、冷却性能の高い高冷却部分53cに配置することができる。そのため、冷却熱交換器5によって熱電変換モジュール1の第2面12を効率良く冷却することができ、発電装置10の発電効率を向上させることができる。
【0105】
[2] [1]に記載の発電装置10において、前記隙間13は、隣り合う2つの前記熱電変換モジュール1の間において前記複数の熱電変換モジュール1の配列方向と交差する方向に延び、前記第1端縁62aは、前記隙間13に沿って延びている。
【0106】
この構成によれば、第1端縁62aのうち積層方向において隙間13と重なる部分の面積を大きくすることができる。すなわち、熱電変換モジュール1の第2面12のうち積層方向において第1端縁62aと重なる部分の面積を低減できる。したがって、冷却熱交換器5によって熱電変換モジュール1の第2面12を一層効率良く冷却することができる。
【0107】
[3] [1]又は[2]に記載の発電装置10において、前記第1端縁62aは、前記外表面53aと直交する方向において前記熱電変換モジュール1とは重ならない。
【0108】
この構成によれば、熱電変換モジュール1の第2面12を、第1壁53のうち積層方向において第1端縁62aと重ならない部分、即ち高冷却部分53cにのみ接触させることができる。したがって、冷却熱交換器5によって熱電変換モジュール1の第2面12を一層効率良く冷却することができる。
【0109】
[4] [1]乃至[3]のいずれか1つに記載の発電装置10において、前記第1壁53の前記外表面53aに配置され、前記複数の熱電変換モジュール1を位置決めする位置決め器2をさらに備え、前記位置決め器2は、隣り合う2つの前記熱電変換モジュール1の間に配置され前記隙間13を確保するスペーサ23を有している。
【0110】
この構成によれば、位置決め器2によって第1端縁62aと隙間13とが積層方向において重なる状態を維持することができ、発電装置10の高い発電効率を維持することができる。
【0111】
[5] [1]乃至[4]のいずれか1つに記載の発電装置10において、前記仕切壁61は、前記第2壁54に沿って延びる端縁である第2端縁62bをさらに有し、前記第1端縁62aは、前記第1壁53に結合されておらず、前記第2端縁62bは、前記第2壁54に結合されている。
【0112】
この構成によれば、仕切壁61を、例えば溶接のような加熱を伴う結合方法によって結合する場合には、第1壁53の加熱に伴う変形を防止することができる。そのため、第1壁53の外表面53aの平面度を高め、熱電変換モジュール1の第2面12と外表面53aとの密着度を高めることができる。したがって、冷却熱交換器5と熱電変換モジュール1との熱交換効率を高めて、発電装置10の発電効率を一層向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
以上説明したように、本開示の技術は、発電装置について有用である。
【符号の説明】
【0114】
10 発電装置
1 熱電変換モジュール
11 第1面
12 第2面
13 隙間
2 位置決め器
23 スペーサ
3 加熱熱交換器
5 冷却熱交換器
50 本体
50a 内部空間
53 第1壁
53a 外表面
54 第2壁
61 仕切壁
62a 第1端縁
62b 第2端縁