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特開2024-57403物品投入システム及び物品処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057403
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】物品投入システム及び物品処理システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/68 20060101AFI20240417BHJP
   B65G 47/52 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
B65G47/68 E
B65G47/52 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164112
(22)【出願日】2022-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 弘章
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 哲雄
(72)【発明者】
【氏名】南埜 雄飛
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 聡
【テーマコード(参考)】
3F044
3F070
【Fターム(参考)】
3F044AA01
3F044CD01
3F044CF02
3F070AA06
3F070BA03
3F070BD06
3F070BD07
3F070BE01
3F070EA21
3F070EA24
3F070EC03
(57)【要約】
【課題】ソータのレーン数に依存せずに物品投入量を増やせる物品投入システムを提供すること。
【解決手段】実施形態に係る物品投入システムは、複数の供給レーン、複数の投入レーン、及び調整部を備える。前記複数の供給レーンは、第1の所定数より多い第2の所定数であり、物品ソータシステムの第1の所定数のソータレーンに向けて、物品を供給する。前記複数の投入レーンは、前記第1の所定数であり、前記第2の所定数の供給レーンからの物品を前記第1の所定数のソータレーンへ投入する。前記調整部は、前記第2の所定数の供給レーンから前記第1の所定数の投入レーンへの物品の供給を調整する。前記第1の所定数は、2以上である。また、前記第2の所定数は、前記第1の所定数の倍数を除く自然数である。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品ソータシステムの第1の所定数のソータレーンに向けて、物品を供給する前記第1の所定数より多い第2の所定数の供給レーンと、
前記第2の所定数の供給レーンからの物品を前記第1の所定数のソータレーンへ投入する前記第1の所定数の投入レーンと、
前記第2の所定数の供給レーンから前記第1の所定数の投入レーンへの物品の供給を調整する調整部と、
を備え、
前記第1の所定数は、2以上であり、
前記第2の所定数は、前記第1の所定数の倍数を除く自然数である物品投入システム。
【請求項2】
前記第1の所定数のソータレーンは、第1及び第2のソータレーンを含み、
前記第1の所定数の投入レーンは、第1及び第2の投入レーンを含み、
前記第2の所定数の供給レーンは、第1、第2、及び第3の供給レーンを含む、請求項1の物品投入システム。
【請求項3】
前記調整部は、
前記第1の供給レーンからの物品を前記第1の投入レーンへ送る第1の合流部と、
前記第2の供給レーンからの物品を前記第2の投入レーンへ送る第2の合流部と、
前記第3の供給レーンからの物品を前記第1及び第2の投入レーンの何れかに分岐させる分岐部と、
を備える請求項2の物品投入システム。
【請求項4】
前記第1の投入レーンは、前記第3の供給レーンからの物品の投入タイミングを調整する第1の分岐後バッファを備え、上流の前記第1の分岐後バッファから下流に向けて物品を搬送し、
前記第2の投入レーンは、前記第3の供給レーンからの物品の投入タイミングを調整する第2の分岐後バッファを備え、上流の前記第2の分岐後バッファから下流に向けて物品を搬送する、請求項3の物品投入システム。
【請求項5】
前記分岐部は、前記第3の供給レーンの物品を前記第1及び第2の分岐後バッファの何れかに向けて振分け、
前記第1の合流部は、前記第1の供給レーンの物品を前記第1の分岐後バッファの下流へ合流させ、
前記第2の合流部は、前記第1の供給レーンの物品を前記第2の分岐後バッファの下流へ合流させる、請求項4の物品投入システム。
【請求項6】
前記第1の所定数のソータレーンのトレイの通過検知に基づく同期信号を受信するインタフェースと、
前記同期信号に基づき、前記第1、第2、及び第3の供給レーンの何れかに物品を供給させる制御部と、
を備える請求項3の物品投入システム。
【請求項7】
前記インタフェースは、前記第1の所定数のソータレーンのトレイにより搬送される物品の検知結果を受信し、
前記制御部は、前記同期信号及び前記検知結果に基づき、前記第1、第2、及び第3の供給レーンの何れかにて物品を供給させる請求項6の物品投入システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記同期信号に基づき、単位時間あたりの前記第1及び第3の供給レーンからの物品の投入数と、前記第2及び第3の供給レーンからの物品の投入数を同一に制御する、請求項6の物品投入システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記同期信号に基づき、単位時間あたり、前記第1の供給レーンから二つの物品及び前記第3の供給レーンから一つの物品を投入させ、前記第2の供給レーンから二つの物品及び前記第3の供給レーンから一つの物品を投入させる、請求項6の物品投入システム。
【請求項10】
物品ソータシステム及び物品投入システムを備える物品処理システムにおいて、
前記物品ソータシステムは、
第1の所定数のソータレーンを備え、
前記物品投入システムは、
前記第1の所定数のソータレーンに向けて、物品を供給する前記第1の所定数より多い第2の所定数の供給レーンと、
前記第2の所定数の供給レーンからの物品を前記第1の所定数のソータレーンへ投入する前記第1の所定数の投入レーンと、
前記第2の所定数の供給レーンから前記第1の所定数の投入レーンへの物品の供給を調整する調整部と、
を備え、
前記第1の所定数は、2以上であり、
前記第2の所定数は、前記第1の所定数の倍数を除く自然数である物品処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、物品投入システム及び物品処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
荷物又は紙葉類等の物品のソートを自動化するための物品処理システムが普及している。例えば、物品処理システムは、主搬送レーン及び循環搬送レーンを備え、主搬送レーンにより搬送される物品の画像を読み取り、画像に含まれる宛先情報を認識し、宛先認識結果に応じたソート先を指定する。さらに、物品処理システムは、主搬送レーンから循環搬送レーンへ物品を送り込み、物品の宛先認識結果に応じて、循環搬送レーンにより循環搬送される物品を指定ソート先へ搬送する。
【0003】
循環搬送レーンは、複数のトレイを循環搬送し、主搬送レーンは、循環搬送される各トレイに向けて各物品を送り出す。トレイは、指定ソート先に対応する位置に到達するタイミングで、収容された物品を指定ソート先へ向けて排出する。
【0004】
物品処理システムには高スループット及び省スペース性が求められる。これらを両立する技術に、2個のトレイを並列配置したデュアルソータシステムが知られている。デュアルソータシステムは、比較的低い搬送速度で高スループットを実現できることから、コスト、エネルギー効率、及び騒音などの面で優位である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5-254650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
デュアルソータシステムでは、高スループットを実現する上で、内外のレーンごとに物品が投入される。デュアルソータシステムにおいて、物品投入量を増やそうとした場合に、2の倍数で投入者(または投入機構)を増やすことが考えられる。通常、投入者の作業効率は4,000PPH程度が上限であり、投入スループットはその倍数でしか増やせない。そのため、例えばソータのスループットが1レーン5,500PPH(2×5,500=11,000)の場合、本来は3名の投入者(3×4,000=12,000)で十分なのに、各レーン2名ずつ配置する必要があり、1名分の作業工数が過剰になってしまう。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、ソータのレーン数に依存せずに物品投入量を増やせる物品投入システム及び物品処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る物品投入システムは、複数の供給レーン、複数の投入レーン、及び調整部を備える。前記複数の供給レーンは、第1の所定数より多い第2の所定数であり、物品ソータシステムの第1の所定数のソータレーンに向けて、物品を供給する。前記複数の投入レーンは、前記第1の所定数であり、前記第2の所定数の供給レーンからの物品を前記第1の所定数のソータレーンへ投入する。前記調整部は、前記第2の所定数の供給レーンから前記第1の所定数の投入レーンへの物品の供給を調整する。前記第1の所定数は、2以上である。また、前記第2の所定数は、前記第1の所定数の倍数を除く自然数である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る物品処理システムの概略構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る物品処理システムにおける物品投入システム及び物品ソータシステムの接続部分の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る物品投入システムの分岐部及びその周辺の拡大図である。
図4図4は、実施形態に係る物品投入システムの分岐部及びその周辺の拡大図である。
図5図5は、実施形態に係る物品投入システムの分岐部及びその周辺の拡大図である。
図6図6は、実施形態に係る物品処理システムの制御ブロック図である。
図7図7は、実施形態に係るトレイ状態管理リストの一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る物品ソータシステムのソータシステム制御部による動作制御の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係る物品投入システムの投入システム制御部による動作制御の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、実施形態に係るソータ同期信号の振り分け基準の一例を示す図である。
図11図11は、実施形態に係る物品投入システムにおける3つの供給レーンの接続部分の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して各実施形態について説明する。
[構成]
図1は、実施形態に係る物品処理システムの概略構成の一例を示す図である。図2は、実施形態に係る物品処理システムにおける物品投入システム及び物品ソータシステムの接続部分の一例を示す図である。図3乃至図5は、実施形態に係る物品投入システムの分岐部及びその周辺の拡大図である。図6は、実施形態に係る物品処理システムの制御ブロック図である。
【0011】
図1及び図2に示すように物品処理システムSは、物品投入システム1及び物品ソータシステム2を備える。図2に示すように、物品投入システム1は、ソート対象の物品を物品ソータシステム2へ投入する。例えば、自由落下により、物品投入システム1から物品ソータシステム2へ物品が投入される。物品ソータシステム2は、物品投入システム1から投入される物品の画像を読み取り、画像に含まれる宛先情報を認識し、宛先認識結果に応じたソート先を指定し、指定のソート先へ物品を搬送する。物品ソータシステム2は、物品投入システム1に対してソータ同期信号を送信し、物品投入システム1は、ソータ同期信号に基づくタイミングで、物品ソータシステム2に対して物品を投入する。なお、物品投入システム1と物品ソータシステム2は、同一メーカのシステムであってもよいし、異なるメーカのシステムであってもよい。
【0012】
まず、概略構成について説明する。
物品ソータシステム2は、第1の所定数のソータレーン23を備える。例えば、第1の所定数は、2以上の偶数である。本実施形態では、第1の所定数を2として説明する。第1の所定数のソータレーン23は、循環搬送経路の内周側の第1のソータレーン23i、及び循環配送経路の外周側の第2のソータレーン23oを含む。
【0013】
物品投入システム1は、第1の所定数より多い第2の所定数の供給レーンを備える。第2の所定数の供給レーンは、物品ソータシステム2の第1の所定数のソータレーン23に向けて、物品を供給する。第2の所定数は、第1の所定数の倍数を除く自然数である。本実施形態では、第2の所定数を3として説明する。第2の所定数の供給レーンは、第1の供給レーン11、第2の供給レーン12、及び第3の供給レーン13を含む。
【0014】
また、物品投入システム1は、第1の所定数の投入レーン15を備える。第1の所定数の投入レーン15は、投入部16を介して、第2の所定数の供給レーンからの物品を第1の所定数のソータレーン23へ投入する。第1の所定数の投入レーン15は、内周側の第1のソータレーン23iへ物品を投入する第1の投入レーン15i、及び外周側の第2のソータレーン23oへ物品を投入する第2の投入レーン15oを含む。
【0015】
また、物品投入システム1は、第2の所定数の供給レーンから第1の所定数の投入レーン15への物品の供給を調整する調整部を備える。調整部は、第1の供給レーン11の物品を第1の投入レーン15iへ送る第1の合流部115、第2の供給レーン12の物品を第2の投入レーン15oへ送る第2の合流部125、第3の供給レーン13の物品を第1の投入レーン15i及び第2の投入レーン15oの何れかに振分けて分岐させる分岐部14を備える。
【0016】
第1の投入レーン15i及び第2の投入レーン15oは、上流から下流に向けて物品を搬送する。分岐部14は、第3の供給レーン13の物品を第1の投入レーン15i及び第2の投入レーン15oの何れかの上流に向けて振分ける。第1の合流部115は、第1の供給レーン11の物品を第1の投入レーン15iの下流へ送り込む。第2の合流部125は、第2の供給レーン12の物品を第2の投入レーン15oの下流へ送り込む。
【0017】
なお、物品ソータシステム2のソータレーン23のレーン数が2であるのに対して、物品投入システム1の供給レーンのレーン数を5、7、又は9レーンに増設してもよい。
【0018】
続いて、詳細構成について説明する。
図1及び図2に示すように、物品投入システム1は、第1の供給レーン11、第2の供給レーン12、第3の供給レーン13、分岐部14、投入レーン15、及び投入部16を備える。さらに、図6に示すように、物品投入システム1は、投入システム制御部101、メモリ102、及びインタフェース103を備える。
【0019】
投入システム制御部101は、メモリ102に記憶されるプログラムに基づき動作する。
投入システム制御部101は、物品ソータシステム2からの各種信号(ソータ同期信号SIGを含む)、トレイ状態管理リスト(管理情報)301、及びレーン各所に設けられた複数のセンサからの物品検知信号に基づき、物品投入システム1の動作を制御する。
【0020】
例えば、投入システム制御部101は、1又は複数のプロセッサであり、プロセッサは、CPU(central processing unit)又はMPU(micro processing unit)である。或いは、投入システム制御部101は、PLC(Programmable Logic Controller)である。また、投入システム制御部101、メモリ102、及びインタフェース103を汎用コンピュータ等により実現するようにしてもよい。
【0021】
また、図1及び図2に示すように、物品ソータシステム2は、通過検知部21、物品検知部22、ソータレーン23、トレイ状態切替え部24、及び宛先検出部25を備える。さらに、図6に示すように、物品ソータシステム2は、ソータシステム制御部201、メモリ202、及びインタフェース203を備える。
【0022】
ソータシステム制御部201は、1又は複数のプロセッサにより構成され、メモリ202に記憶されるプログラムに基づき動作する。ソータシステム制御部201は、トレイ状態管理リスト301、及びレーン各所に設けられた複数のセンサからの物品検知信号に基づき、物品ソータシステム2の動作を制御する。
【0023】
例えば、ソータシステム制御部201は、1又は複数のプロセッサであり、プロセッサは、CPU又はMPUである。或いは、ソータシステム制御部201は、PLCである。また、ソータシステム制御部201、メモリ202、インタフェース203を汎用コンピュータ等により実現するようにしてもよい。
なお、投入システム制御部101及びソータシステム制御部201を一つの制御部で実現してもよい。
【0024】
また、物品ソータシステム2は、ソータレーン23の周回軌道上に配置されるn個のトレイT1~Tnを備える。以下、任意のトレイをトレイTと表記する。物品ソータシステム2は、投入部16から落下する物品をトレイTで受け入れ、上流から下流に向けて物品を循環して搬送する。
【0025】
投入レーン15は、内周側の第1のソータレーン23iへ物品を投入する第1の投入レーン15i、及び外周側の第2のソータレーン23oへ物品を投入する第2の投入レーン15oを含む。また、投入部16は、第1の投入レーン15iからの物品を内周側の第1のソータレーン23iへ投入する第1の投入部16i、及び第2の投入レーン15oからの物品を外周側の第2のソータレーン23oへ投入する第2の投入部16oを含む。
【0026】
第1の供給レーン11、第2の供給レーン12、第3の供給レーン13、投入レーン15はコンベア機構、例えばベルトコンベアの組合せである。物品投入システム1において物品は、上流から下流に向かって搬送され、投入レーン15は、分岐部14の下流に配置され、投入部16は投入レーン15の下流に配置される。分岐部14は、第3の供給レーン13から供給される物品を、投入レーン15の第1の投入レーン15i又は第2の投入レーン15oへ振分ける。
【0027】
図3乃至図5に示すように、分岐部14は、分岐機構141、第1のコンベア142i、第2のコンベア142o、第1のサイドコンベア143i、及び第2のサイドコンベア143oを備える。
分岐機構141は、投入システム制御部101により振り分けられるソータ同期信号SIGに基づき、物品を第1のコンベア142i又は第2のコンベア142oへ分岐させる。
【0028】
例えば、分岐機構141は、回転コンベアであり、図4に示すように、逆回転(右回り)により、物品を第2のコンベア142oへ分岐させ、図5に示すように、順回転(左回り)により、物品を第1のコンベア142iへ分岐させる。
【0029】
図2に示すように、投入部16の第1の投入部16iは、第1の投入レーン15iから内周側の第1のソータレーン23iへ物品を落下させて投入する。投入部16の第2の投入部16oは、第2の投入レーン15oから外周側の第2のソータレーン23oへ物品を落下させて投入する。
【0030】
投入部16は、ソータレーン23に向けて物品を落下させるため、水平方向に対して所定角度傾斜したスロープを有する。また、投入部16の下方には、ソータレーン23が配置され、ソータレーン23は、物品を搬送する。ソータレーン23により搬送される物品が、投入部16のスロープに干渉しないように、投入部16(スロープ)が図示しない可動機構により可動するようにしてもよい。例えば、ソータレーン23により搬送される物品は、ソータレーン23に沿って配置されるセンサによりその位置が検知される。センサからの物品検知信号に基づき、投入部16は、ソータ―レーン23を搬送されてくる物品と干渉しないようにスロープを水平方向又は上方向(ソータレーン23から上方に離れる方向)に可動して搬送されてくる物品との干渉を回避する。
【0031】
投入レーン15は、直列接続されたベルトコンベアで構成され、設置レイアウトに応じて任意のカーブ、傾斜を含んでも良い。
【0032】
第1の投入レーン15iは、少なくとも2ヶ所に物品の搬送ピッチ(投入タイミング)を調整するための第1の分岐後バッファ搬送機構151i及び第1の投入前バッファ搬送機構153iを備える。第1の分岐後バッファ搬送機構151iは、第1の投入レーン15iの上流に位置し、第1の投入前バッファ搬送機構153iは、第1の投入レーン15iの下流に位置する。第1の投入レーン15iは、上流の第1の分岐後バッファ搬送機構151iから下流の第1の投入前バッファ搬送機構153iに向けて物品を搬送する。
【0033】
同様に、第2の投入レーン15oは、少なくとも2ヶ所に物品の搬送ピッチ(投入タイミング)を調整するための第2の分岐後バッファ搬送機構151o及び第2の投入前バッファ搬送機構153oを備える。第2の分岐後バッファ搬送機構151oは、第2の投入レーン15oの上流に位置し、第2の投入前バッファ搬送機構153oは、第2の投入レーン15oの下流に位置する。第2の投入レーン15oは、上流の第2の分岐後バッファ搬送機構151oから下流の第2の投入前バッファ搬送機構153oに向けて物品を搬送する。
【0034】
第1の分岐後バッファ搬送機構151i及び第1の投入前バッファ搬送機構153iは、1つ又は複数段の搬送速度を制御可能なコンベアで構成され、搬送速度を任意の波形で加減速することで物品の搬送ピッチを調整する。また、第1の分岐後バッファ搬送機構151i及び第1の投入前バッファ搬送機構153iのコンベアは、入口(始端)に物品の通過を検知する検知部(例えば透過センサなど)を備える。第2の分岐後バッファ搬送機構151o及び第2の投入前バッファ搬送機構153oの構成は、第1の分岐後バッファ搬送機構151i及び第1の投入前バッファ搬送機構153iと同様である。
【0035】
第1の投入レーン15iは、物品が搬送される上流側から下流側に向かって順に、第1の分岐後バッファ搬送機構151i、第1の中間投入レーン152i、第1の投入前バッファ搬送機構153iを備え、この順に直列接続される。
【0036】
同様に、第2の投入レーン15oは、物品が搬送される上流側から下流側に向かって順に、第2の分岐後バッファ搬送機構151o、第2の中間投入レーン152o、第2の投入前バッファ搬送機構153oを備え、この順に直列接続される。本実施形態では、第1の投入レーン15i又は第2の投入レーン15oの2ヶ所にバッファ搬送機構を備えるケースについて説明するが、3ヶ所以上にバッファ搬送機構を備えてもよい。
【0037】
第1の供給レーン11は、物品が搬送される上流側から下流側に向かって順に、第1の供給コンベア111、第1の供給バッファ112、113、114、及び第1の合流部115を備え、この順に直列接続される。第1の供給バッファ112、113、114は、物品の搬送ピッチ(第1の供給レーン11から第1の投入レーン15iへの物品の投入タイミング)を調整する。また、第1の合流部115は、第1の中間投入レーン152iに対して搬送方向が鋭角をなすように斜め側方から接続し、物品を受け渡す。
【0038】
同様に、第2の供給レーン12は、物品が搬送される上流側から下流側に向かって順に、第2の供給コンベア121、第2の供給バッファ122、123、124、及び第2の合流部125を備え、この順に直列接続される。第2の供給バッファ122、123、124は、物品の搬送ピッチ(第2の供給レーン12から第2の投入レーン15oへの物品の投入タイミング)を調整する。また、第2の合流部125は、第2の中間投入レーン152oに対して搬送方向が鋭角をなすように斜め側方から接続し、物品を受け渡す。
【0039】
例えば、第1の合流部115は、長さの異なる細幅ベルトの並列配置による台形の搬送面を有し、搬送面から第1の中間投入レーン152iに向けて物品を搬送する。或いは、第1の合流部115は、台形の搬送面を備える斜めコンベア、又はカーブコンベアである。また、第1の合流部115は、第1の中間投入レーン152iに対して上方に搬送面を有し、搬送面から第1の中間投入レーン152iに向けて物品を落下させてもよい。
【0040】
同様に、第2の合流部125は、長さの異なる細幅ベルトの並列配置による台形の搬送面を有し、搬送面から第2の中間投入レーン152oに向けて物品を搬送する。或いは、第2の合流部125は、台形の搬送面を備える斜めコンベア、又はカーブコンベアである。また、第2の合流部125は、第2の中間投入レーン152oに対して上方に搬送面を有し、搬送面から第2の中間投入レーン152oに向けて物品を落下させてもよい。
【0041】
第3の供給レーン13は、物品が搬送される上流側から下流側に向かって順に、第3の供給コンベア131、第3の供給バッファ132、133、134を備え、この順に直列接続される。第3の供給バッファ132、133、134は、物品の搬送ピッチ(第3の供給レーン13から第1の投入レーン15i又は第2の投入レーン15oへの物品の投入タイミング)を調整する。また、第3の供給バッファ134は、分岐部14の上流に配置され、分岐部14に対して物品を搬送する。
【0042】
例えば、第1の供給レーン11には、少なくとも1名の作業者W1が割り当てられる。第2の供給レーン12には、少なくとも1名の作業者W2が割り当てられる。第3の供給レーン13には、少なくとも1名の作業者W3が割り当てられる。
【0043】
作業者W1は、第1の供給レーン11に対応して設けられる第1の供給補助部110に置かれた容器(ラック又はバケットなど)から物品を取り出し、第1の供給コンベア111に置く。また、作業者W2は、第2の供給レーン12に対応して設けられる第2の供給補助部120に置かれた容器から物品を取り出し、第2の供給コンベア121に置く。また、作業者W3は、第3の供給レーン13に対応して設けられる第3の供給補助部130に置かれた容器から物品を取り出し、第3の供給コンベア131に置く。
【0044】
第3の供給コンベア131に置かれた物品は、第3の供給バッファ132、133、134を介して、分岐部14で第1の分岐後バッファ搬送機構151i又は第2の分岐後バッファ搬送機構151oへ搬送される。第1の供給コンベア111に置かれた物品は、第1の供給バッファ112、113、114、及び第1の合流部115を介して、第1の中間投入レーン152iへ搬送される。第2の供給コンベア121に置かれた物品は、第2の供給バッファ122、123、124、及び第2の合流部125を介して、第2の中間投入レーン152oへ搬送される。
【0045】
第3の供給コンベア131から第1の分岐後バッファ搬送機構151iへ搬送された物品は、第1の中間投入レーン152i及び第1の投入前バッファ搬送機構153iを介して、第1の投入部16iから物品ソータシステム2の第1のソータレーン23iへ投入される。第3の供給コンベア131から第2の分岐後バッファ搬送機構151oへ搬送された物品は、第2の中間投入レーン152o及び第2の投入前バッファ搬送機構153oを介して、第2の投入部16oから物品ソータシステム2の第2のソータレーン23oへ投入される。
【0046】
第1の供給コンベア111から第1の中間投入レーン152iへ搬送された物品は、第1の投入前バッファ搬送機構153iを介して、第1の投入部16iから物品ソータシステム2の第1のソータレーン23iへ投入される。第2の供給コンベア121から第2の中間投入レーン152oへ搬送された物品は、第2の投入前バッファ搬送機構153oを介して、第2の投入部16oから物品ソータシステム2の第2のソータレーン23oへ投入される。
【0047】
物品ソータシステム2は、通過検知部21、物品検知部22、ソータレーン23、トレイ状態切替え部24、及び宛先検出部25を備える。また、物品ソータシステム2は、ソータレーン23の周回軌道上に配置されるn個のトレイT1~Tnを備える。以下、任意のトレイをトレイTと表記する。物品ソータシステム2は、投入部16から落下する物品をトレイTで受け入れ、上流から下流に向けて物品を循環して搬送する。
【0048】
トレイT1~Tnは環状に連結され、トレイTnの次にトレイT1が連結される。トレイTは、周回軌道上の内側トレイTiと外側トレイToに2分割される。即ち、トレイT1~Tnは、内側トレイT1i~Tno及び外側トレイT1o~Tnoで構成される。
【0049】
ソータレーン23は、トレイT1~Tnを循環搬送する搬送手段である。第1のソータレーン23i及び第2のソータレーン23oが、内側トレイT1i~Tno及び外側トレイT1o~Tnoを循環搬送する。これにより、内側トレイT1i~Tno及び外側トレイT1o~Tnoが、周回軌道上を走行する。
【0050】
物品ソータシステム2は、ソータレーン23の下方にシュートC1~Cmを備える。以下、任意のシュートをシュートCと表記する。
【0051】
また、物品ソータシステム2は、ソータレーン23の下方のシュートC1~Cmに対向する位置に、トレイ状態切替え部24を備える。例えば、トレイ状態切替え部24は、トレイ状態切替え動作により、トレイTの所定位置に接触し、トレイTの底面を開放させてトレイT上の物品をシュートCに落下させる。
【0052】
通過検知部21は、物品ソータシステム2の周回軌道上において最後のシュートCmより下流の任意の位置PS1においてトレイTの通過タイミングを検知し、検知した通過タイミングをソータシステム制御部201に送る。ただし、通過検知部21は、物品投入システム1からトレイTへと投入される位置よりも十分上流に配置される。例えば、通過検知部21で検知されたトレイTが投入部16に到達する時間よりも、第1、第2、及び第3の供給バッファ114、124、及び134から搬送される物品が投入部16を通過するまでに要する時間が短くなるよう定める。
【0053】
通過検知部21がトレイTの通過を検知したことに対応し、ソータシステム制御部201はソータ同期信号SIGを投入システム制御部101へ送信する。トレイTの走行速度とトレイTの大きさは原則として一定のため、検出されるトレイTの通過タイミングも一定間隔となり、物品ソータシステム2の実状態に対して物品投入システム1の制御同期を取るための同期信号となりうる。
【0054】
物品検知部22は、物品ソータシステム2の周回軌道上において最後のシュートCmより下流かつ通過検知部21よりも上流の任意の位置PS2においてトレイT上に物品があるか否かを検知し、検知結果をソータシステム制御部201に送信する。ソータシステム制御部201は検知結果に基づき、図7に示すトレイ状態管理リストを更新する。
【0055】
図7は、実施形態に係るトレイ状態管理リストの一例を示す図である。
図7に示すように、トレイ状態管理リスト3は、トレイ番号[T0]~[Tn]と内側トレイ状態(トレイ上の物品有無)及び外側トレイ状態(トレイ上の物品有無)とを管理する。トレイ状態管理リスト3は、外部メモリに記憶されてもよいし、上位システムのメモリに記憶されてもよい。或いは、トレイ状態管理リスト3は、物品投入システム1のメモリ102又は物品ソータシステム2のメモリ202に記憶されてもよい。
【0056】
例えば、ソータシステム制御部201は、物品検知部22による検知結果に基づき、トレイ状態管理リスト3を更新する。上位システムのメモリがトレイ状態管理リスト3を記憶する場合、上位システムが、ソータシステム制御部201から送信される物品検知部22による検知結果に基づき、トレイ状態管理リスト3を更新してもよい。
【0057】
なお、ソータシステム制御部201が、投入部16からトレイTへ物品が投入されたことを検知し、又はトレイ状態切替え部24によってトレイT上の物品がシュートCに放出されたことを検知し、これらの検知結果に基づきトレイ状態を更新しても良い。ただし、トレイTへの物品投入、およびシュートCへの物品放出はいずれも自由落下を伴う物理現象であり、物品の形状や素材によっては摩擦や空気抵抗によって物品投入及び物品放出を失敗し誤検知を伴う可能性がある。よって、ソータシステム制御部201は、この更新を参考情報としてトレイ状態管理リスト3に記録するようにしてもよい。
【0058】
[動作]
以下、図8及び図9を参照し、物品処理システムSの動作について説明する。
図8は、実施形態に係る物品ソータシステムのソータシステム制御部による動作制御の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、ソータシステム制御部201は、ソータレーン23の駆動を制御し、ソータレーン23は、連結されたトレイT1~Tnを駆動して周回搬送させる(S1)。
【0059】
位置PS0にて、物品検知部22が、トレイT上の残留物品の有無を検知し(S2)、ソータシステム制御部201は、トレイ番号と検知結果を関連づけてトレイ状態管理リスト3を更新する(S3)。
【0060】
位置PS1にて、物品検知部22がトレイTの通過を検知し(S4)、ソータシステム制御部201は、トレイTの通過に対応してソータ同期信号SIGを投入システム制御部101に送信する(S5YES、S6)。ソータ同期信号SIGは、通過したトレイの通し番号及び通過時刻を含み、投入システム制御部101は、ソータ同期信号SIGに基づき、通過したトレイの通し番号及び通過時刻を含む通過情報をメモリ102に記憶する。
【0061】
位置PS2にて、投入部16から搬送されるトレイTに物品が投入される(S7)。
位置PS3にて、宛先検出部25は、トレイT上の物品の画像を読み取り、画像から宛先を検出する(S8)。
【0062】
ソータシステム制御部201は、宛先検出結果に基づき、宛先に対応するシュートCの上方のトレイ状態切替え部24を動作させる動作信号を出力し、トレイ状態切替え部24のトレイ状態切替え動作により、トレイTの底面を開放させて、トレイT上の物品をシュートに放出させる(S9)。
【0063】
ソータシステム2は、以上のS1~S9の動作を繰り返し、物品を処理し続ける。なお、位置PS0、PS1、PS2、PS3での処理は基本的に並列処理となるが順番に実行されるようにしてもよい。
【0064】
図9は、実施形態に係る物品投入システムの投入システム制御部による動作制御の一例を示すフローチャートである。
物品投入システム1のインタフェース103は、ソータシステム制御部201からの各種信号を受信する。例えば、ソータシステム制御部201は、通過検知部21によるトレイTの通過検知に基づきソータ同期信号SIGを送信し、投入システム制御部101は、インタフェース103を介してソータ同期信号SIGを受信する。
【0065】
図9に示すように、投入システム制御部101は、インタフェース103を介して受信されるソータ同期信号SIGの有無を確認し(S11)、ソータ同期信号SIGが受信されないタイミングでは、物品を前詰めする前詰め駆動信号を出力する。第1の供給レーン11、第2の供給レーン12、第3の供給レーン13は、前詰め駆動信号に基づき、前詰め駆動を実行する(S12NO、S13)。
【0066】
前詰め駆動のアルゴリズムは任意である。例えば、第1の供給バッファ112、113、及び114は、それぞれ搬送方向の下流から物品が埋まるように(コンベアの搬送面上で物品が停止した状態となるように)搬送速度を加減速制御する。第2の供給バッファ122、123、及び124は、並びに第3の供給バッファ132、133、及び134についても同様である。
【0067】
第1の供給レーン11における前詰め駆動アルゴリズムの一例について説明する。第1の供給バッファ114は、物品が所定の位置、例えばコンベア終端位置に先頭が来るように減速停止させる。また、第1の供給バッファ113は、第1の供給バッファ114の搬送面上に物品が無ければ定常速度で駆動し、第1の供給バッファ112は、第1の供給バッファ113の状態を監視しつつ加減速し、第1の供給コンベア111は、第1の供給バッファ112の状態を監視しつつ加減速する。以上の動作を行うことで、第1の供給バッファ112~114が物品で埋まった状態を作り出すことが可能となる。
【0068】
第2の供給レーン12及び第3の供給レーン13における前詰め駆動アルゴリズムは、第1の供給レーン11における前詰め駆動アルゴリズムと同様である。
【0069】
投入システム制御部101は、ソータ同期信号SIGを受信したタイミングでは、ソータ同期信号SIGに基づき、第1の供給レーン11、第2の供給レーン12、及び第3の供給レーン13の何れかに物品を供給させる。つまり、投入システム制御部101は、ソータレーン23のトレイTの通過検知に基づくソータ同期信号SIG及びソータレーン23のトレイTにより搬送される物品の検知結果(トレイ状態管理リスト3)に基づき、第1の供給レーン11、第2の供給レーン12、及び第3の供給レーン13の何れかに物品を供給させる。
【0070】
即ち、投入システム制御部101は、ソータ同期信号SIGを受信したタイミングでは、トレイ状態管理リスト3に基づく振分け基準に従い、第1の供給レーン11、第2の供給レーン12、及び第3の供給レーン13のうちいずれか2つのレーンにソータ同期信号SIGを振り分け(S12YES、S14)、いずれか2つのレーンで物品を供給させる。
例えば、投入システム制御部101は、ソータ同期信号SIGに基づき、単位時間あたりの第1の供給レーン11及び第3の供給レーン13からの物品の投入数と、第2の供給レーン12及び第3の供給レーン13からの物品の投入数を同一に制御する。投入システム制御部101は、ソータ同期信号SIGに基づき、単位時間あたり、第1の供給レーン11から二つの物品及び第3の供給レーン13から一つの物品を投入させ、第2の供給レーン12から二つの物品及び第3の供給レーン13から一つの物品を投入させる。
上記単位時間あたりの所定数の物品投入を実現するためのソータ同期信号SIGの振り分け基準はいくつか考えられるが、ここでは、その一例について説明する。
【0071】
図10は、実施形態に係るソータ同期信号の振り分け基準の一例を示す図である。
作業者W1、W2、及びW3による物品の供給ペースが同程度だとすれば、第3の供給レーン13に供給された物品は2方向に分岐されるため、第3の供給レーン13から第1の投入レーン15iへの物品の供給量は、第1の供給レーン11から第1の投入レーン15iへの物品の供給量の半分となる。同様に、第3の供給レーン13から第2の投入レーン15oへの物品の供給量は、第2の供給レーン12から第2の投入レーン15oへの物品の供給量の半分となる。
【0072】
よって、図10に示すように、第1の投入レーン15iの内側トレイに対しては、最初に2個連続で物品(第1及び第2の物品)を第1の供給レーン11に、次の1個の物品(第3の物品)を第3の供給レーン13に振り分ける。これにより、例えば、2個連続で物品がトレイ番号[T1]と[T2]で搬送され、次の1個の物品がトレイ番号[T3]で搬送される。
【0073】
また、第2の投入レーン15oの外側トレイに対しては、最初に1個の物品を第3の供給レーン13に、次に2個連続で物品を第2の供給レーン12に振り分ける。これにより、例えば、1個の物品がトレイ番号[T1]で搬送され、次に2個連続で物品がトレイ番号[T2]と[T3]で搬送される。
【0074】
以下、同様の基準で繰り返して、ソータ同期信号を振り分けていくが、トレイ上に残留物品がある場合には、残留物品があるトレイに対応するソータ同期信号SIGは無視する。つまり、残留物品があるトレイは、物品の振り分け対象から除外する。
【0075】
第1の供給レーン11、第2の供給レーン12、及び第3の供給レーン13のうち、ソータ同期信号SIGが割り振られた供給レーンは供給駆動を行う(S15)。例えば、第1の供給レーン11における供給駆動であれば、第1の供給バッファ112、113、114に溜まっている物品が下流に放出される。第2の供給レーン12及び第3の供給レーン13における供給駆動も同様である。
【0076】
投入システム制御部101は、物品が投入部16に到着するまでの所要時間から逆算し、所定の時間待ってから(ディレイ時間を設けてから)コンベアの加速制御を開始しても良い。また、投入システム制御部101は、このディレイ時間の間に次のソータ同期信号SIGを受信した場合、第1の供給レーン11と第2の供給レーン12からは2個連続して物品を放出するように制御しても良い。
【0077】
第1の供給レーン11、第2の供給レーン12、及び第3の供給レーン13のうち、ソータ同期信号SIGが割り振られなかった供給レーンは、ソータ同期信号SIGを受信していないときと同様に前詰め駆動を実行する(S16)。
【0078】
ソータ同期信号SIGを第3の供給レーン13に割り振る場合には、投入システム制御部101は、分岐部14の搬送方向を投入予定のトレイTに向けて切り替えさせる(S17YES、S18)。すなわち、分岐部14は、内側の第1の投入レーン15iのトレイTに投入するときには、内側の第1の分岐後バッファ搬送機構151iに、外側の第2の投入レーン15oのトレイTに投入するときは、外側の第2の分岐後バッファ151oに向けて搬送方向を切り替える。
【0079】
さらに、投入システム制御部101は、投入レーン15に含まれる全てのバッファ搬送機構を構成するコンベアについて、ソータ同期信号SIGに基づき基準通過時刻tを更新する(S19)。投入レーン15に含まれる全てのバッファ搬送機構は、第1の分岐後バッファ搬送機構151i、第1の投入前バッファ搬送機構153i、第2の分岐後バッファ搬送機構151o、及び第2の投入前バッファ搬送機構153oである。投入システム制御部101は、基準通過時刻tに基づき、バッファ搬送機構を構成するコンベアから目標トレイにタイミングを合わせて物品が投入されるように制御する。基準通過時刻tは、ソータ同期信号SIGの到着時刻から事前に定義したパラメータテーブルを参照して決めても良いし、所定の数式に基づいて決定しても良い。
【0080】
例えば、バッファ搬送機構を構成するコンベアを定常速度で通過するのに要する時間t0、当該コンベアを抜けてから投入部16を介してトレイTに投入されるまでの予定時間t1、当該トレイがPS1から投入位置PS2に到達するまでの時間t2、ソータレーンによるトレイの搬送速度v、トレイ間ピッチpを用いて、下記式にて基準通過時刻tを算出しても良い。
【0081】
t=(t2-t0-t1)%(p/v)+t0
続いて、投入システム制御部101は、バッファ搬送機構を構成するコンベアにおいて(S20)、新たな物品の進入を検出した場合(S21YES)、基準通過時刻tまでに物品が当該コンベアを通過するようコンベア搬送速度パターンを更新する(S22)。例えば、投入システム制御部101は、加速度、減速度一定で等加速度直線運動となるように設定される加減速時間に基づき、コンベア搬送速度パターンを決定する。
【0082】
その後、投入システム制御部101は、基準通過時刻tを制御クロック分だけカウントダウンし(S23)、バッファコンベア以外も含めてすべてのコンベアを駆動する(S24)。
【0083】
以上により、実施形態の物品投入システム1によれば、3つのレーン(第1の供給レーン11、第2の供給レーン12、及び第3の供給レーン13)から、2つのレーン(第1のソータレーン23i及び第2のソータレーン23oの)のトレイTに効率よく物品を投入することが可能となる。
【0084】
ここで、縮退モードについて補足する。
投入システム制御部101は、第1の供給レーン11、第2の供給レーン12、及び第3の供給レーン13のいずれかのレーンが何らかの異常(例えば、機器の故障、または物品詰まり(ジャム)など)によって正常に動作できない場合、異常を検知し、縮退モードを実行する。投入システム制御部101は、縮退モードにより、レーンの制御を変更する。
【0085】
例えば、投入システム制御部101は、第1の供給レーン11、第2の供給レーン12、及び第3の供給レーン13の各レーンに沿って配置される複数のセンサにより物品(物品の通過)を監視し、各センサからの検知信号の有無及びタイミングに基づき異常を検知(判定)する。
【0086】
第1の供給レーン11が正常に動作できない場合、投入システム制御部101は、第1の供給レーン11の異常を検知し、分岐部14の分岐機構141を第1の分岐モードに制御し、物品を第1のコンベア142i側へ送る。例えば、投入システム制御部101は、第1の供給レーン11からの異常信号を受けている期間、分岐部14の分岐機構141を第1の分岐モードに制御する。これにより、第3の供給レーン13から供給される物品は、第1のコンベア142iを介して第1の分岐後バッファ搬送機構151iへ送られる。
【0087】
第2の供給レーン12が正常に動作できない場合、投入システム制御部101は、第2の供給レーン12の異常を検知し、分岐部14の分岐機構141を第2の分岐モードに制御し、物品を第2のコンベア142o側へ送る。例えば、投入システム制御部101は、第2の供給レーン12からの異常信号を受けている期間、分岐部14の分岐機構141を第2の分岐モードに制御する。これにより、第3の供給レーン13から供給される物品は、第2のコンベア142oを介して第2の分岐後バッファ搬送機構151oへ送られる。
【0088】
投入システム制御部101は、異常検知に限らず、一時的に縮退モードを実行するようにしても良い。例えば、投入システム制御部101は、ソータ同期信号SIGからのずれを一定量許容し、多少(例えば最大0.5秒程度)タイミングがずれ、物品が過剰供給されても良い。仮に、第1の投入レーン15i及び第2の投入レーン15oに対して、物品が過剰に供給されたとしても、第1の分岐後バッファ搬送機構151i及び第1の投入前バッファ搬送機構153i、並びに第2の分岐後バッファ搬送機構151o及び第2の投入前バッファ搬送機構153oにより、物品投入のタイミングは適宜調整されるため問題はなく、出力スループットの最大化を図ることが可能となる。
【0089】
[変形例]
投入システム制御部101は、第1の供給レーン11、第2の供給レーン12、及び第3の供給レーン13の各レーンに沿って配置される複数のセンサにより物品(物品の通過)を監視する。投入システム制御部101は、各レーンの物品数に基づき、ソータ同期信号SIGを第1の供給レーン11、第2の供給レーン12、第3の供給レーン13の何れかに振り分けるようにしても良い。
【0090】
例えば、投入システム制御部101は、第1の供給バッファ112、113、114、第2の供給バッファ122、123、124、及び第3の供給バッファ132、133、134の物品数を監視し、第1の供給バッファ112、113、114の物品数が最大の場合、ソータ同期信号SIGを優先的に第1の供給レーン11へ振り分ける。また、投入システム制御部101は、第2の供給バッファ122、123、124の物品数が最大の場合、ソータ同期信号SIGを優先的に第2の供給レーン12へ振り分ける。また、投入システム制御部101は、第3の供給バッファ132、133、134の物品数が最大の場合、ソータ同期信号SIGを優先的に第3の供給レーン13へ振り分ける。或いは、投入システム制御部101は、各レーンの物品数を比較して、より多くの物品が存在する二つのレーンにソータ同期信号SIGを振り分けるようにしても良い。この場合、投入システム制御部101は、縮退モードを適用しなくても、縮退モードに相当する動作を行うことが可能となる。
【0091】
図11は、実施形態に係る物品投入システムにおける3つの供給レーンの接続部分の変形例を示す図である。図11に示す物品投入システムの各部に付した参照符号のうち、図1及び図2に示す物品投入システムの各部に付した参照符号と同一の参照符号は、同様の機能を有する。
【0092】
図11に示すように、物品投入システム1は、第1の供給レーン11、第2の供給レーン12、及び第3の供給レーン13を備える。さらに、物品投入システム1は、分岐部14、投入レーン15、及び投入部16を備える。
【0093】
第1の供給レーン11は、物品が搬送される上流側から下流側に向かって順に、第1の供給コンベア111、及び第1の供給バッファ112、113、114を備え、この順に直列接続される。第1の供給レーン11の第1の供給バッファ114の下流には、投入レーン15(第1の投入レーン15i)が接続され、さらに、第1の投入レーン15iの下流には、投入部16(第1の投入部16i)が接続される。
【0094】
第2の供給レーン12は、物品が搬送される上流側から下流側に向かって順に、第2の供給コンベア121、及び第2の供給バッファ122、123、124を備え、この順に直列接続される。第2の供給レーン12の第2の供給バッファ124の下流には、投入レーン15(第2の投入レーン15o)が接続され、さらに、第2の投入レーン15oの下流には、投入部16(第2の投入部16o)が接続される。
【0095】
第3の供給レーン13は、物品が搬送される上流側から下流側に向かって順に、第3の供給コンベア131、及び第3の供給バッファ132、133、134を備え、この順に直列接続される。第3の供給レーン13の第3の供給バッファ134の下流には、分岐部14が接続される。
【0096】
分岐部14は、物品を上流から下流に搬送するコンベア142を備える。さらに、分岐部14は、コンベア142を挟んで対向する上流側に、押し出し機構141o及び第2の分岐後バッファ搬送機構151oを備え、コンベア142を挟んで対向する下流側に、押し出し機構141i及び第1の分岐後バッファ搬送機構151iを備える。
【0097】
押し出し機構141oは、投入システム制御部101により振り分けられるソータ同期信号SIGに基づき、コンベア142の上流側の物品を第2の分岐後バッファ搬送機構151oへ向けて押し出す。押し出された物品は、第2の分岐後バッファ搬送機構151oを介して第2の投入レーン15oへ搬送され、第2の投入レーン15oを介して第2の投入部16oへ搬送され、第2の投入部16oから物品ソータシステム2の第2のソータレーン23oへ投入される。
【0098】
また、押し出し機構141iは、投入システム制御部101により振り分けられるソータ同期信号SIGに基づき、コンベア142の下流側の物品を第1の分岐後バッファ搬送機構151iへ向けて押し出す。押し出された物品は、第1の分岐後バッファ搬送機構151iを介して第1の投入レーン15iへ搬送され、第1の投入レーン15iを介して第1の投入部16iへ搬送され、第1の投入部16iから物品ソータシステム2の第1のソータレーン23iへ投入される。
【0099】
以上により、ソータのレーン数に依存せずに物品投入量を増やせる物品投入システム及び物品処理システムを提供することができる。
本実施形態で説明したデュアルソータに対し、3つの供給レーンを設けることにより、必要十分な投入作業者数で運用可能な物品処理システムを実現することができる。これにより、高スループット且つ省スペースという長所を最小の運用コストで活かすことができる。また、3つの供給レーンを分散して配置することで、投入者の作業時間のばらつきや、物品ごとの搬送時間のばらつきに対してロバストなシステムを実現できる。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0101】
1…物品投入システム
2…物品ソータシステム
11…第1の供給レーン
12…第2の供給レーン
13…第3の供給レーン
14…分岐部
15…投入レーン
15i…第1の投入レーン
15o…第2の投入レーン
16…投入部
16i…第1の投入部
16o…第2の投入部
21…通過検知部
22…物品検知部
23…ソータレーン
23i…第1のソータレーン
23o…第2のソータレーン
24…トレイ状態切替え部
25…宛先検出部
101…投入システム制御部
102…メモリ
103…インタフェース
110…第1の供給補助部
111…第1の供給コンベア
112、113、114…第1の供給バッファ
115…第1の合流部
120…第2の供給補助部
121、122、123…第2の供給コンベア
124…第2の供給バッファ
125…第2の合流部
130…第3の供給補助部
131…第3の供給コンベア
132、133、134…第3の供給バッファ
141…分岐機構
141i…押し出し機構
141o…押し出し機構
142…コンベア
142i…第1のコンベア
142o…第2のコンベア
143i…第1のサイドコンベア
143o…第2のサイドコンベア
151i…第1の分岐後バッファ搬送機構
151o…第2の分岐後バッファ搬送機構
152i…第1の中間投入レーン
152o…第2の中間投入レーン
153i…第1の投入前バッファ搬送機構
153o…第2の投入前バッファ搬送機構
201…ソータシステム制御部
202…メモリ
203…インタフェース
301…トレイ状態管理リスト
C、C1、Cm…シュート
T…トレイ
T1i…内側トレイ
T1o…外側トレイ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11