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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057411
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】什器
(51)【国際特許分類】
   A47F 3/00 20060101AFI20240417BHJP
   A47F 11/10 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
A47F3/00 F
A47F11/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164123
(22)【出願日】2022-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】上西 亜弥
(72)【発明者】
【氏名】上田 洋士
【テーマコード(参考)】
3B110
【Fターム(参考)】
3B110FA16
3B110HA10
3B110HA25
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で什器としての体裁が損なわれることを抑えること。
【解決手段】本発明の一態様に係る什器は、物品が載置される載置面を有する載置部と、下方に向けて開口するとともに内部に物品を収容可能な空間部が形成され、載置部により開閉可能に支持されるカバー部材と、を備える。カバー部材は、背面板と、背面板と接続され、背面板とともに空間部を構成する窓部と、を有している。窓部は、透明であり、背面板は、不透明である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が載置される載置面を有する載置部と、
下方に向けて開口するとともに内部に前記物品を収容可能な空間部が形成され、前記載置部により開閉可能に支持されるカバー部材と、
を備え、
前記カバー部材は、背面板と、前記背面板と接続され、前記背面板とともに前記空間部を構成する窓部と、を有しており、
前記窓部は、透明であり、前記背面板は、不透明である、
ことを特徴とする什器。
【請求項2】
前記窓部と、前記背面板とは、同一素材で構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の什器。
【請求項3】
前記窓部は、
上面板と、
前記上面板の左右方向の両端から下方に向かって延びる一対の側面板と、
を有しており、
前記背面板は、前記一対の側面板の間に架設されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の什器。
【請求項4】
前記背面板のうち前記空間部に露呈する面は、反射防止面である、ことを特徴とする請求項1または2に記載の什器。
【請求項5】
前記背面板のうち前記空間部に露呈する面は、反射面である、ことを特徴とする請求項1または2に記載の什器。
【請求項6】
前記空間部に収容される照明装置、をさらに備える、ことを特徴とする請求項1または2に記載の什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、什器に関する。
【背景技術】
【0002】
物品が載置される載置面を備える種々の什器が知られている。このような什器の例としては、博物館、美術館、展示場等の施設や、公共施設に設置され、美術品や貴重品等の展示物を収容する展示ケースが挙げられる。下記特許文献1および特許文献2には、内部に展示物を収容可能な空間部が形成されるカバー部材と、カバー部材を支持する支持部材と、を備える展示ケースが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3702737号公報
【特許文献2】特許第3344375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
展示ケースを、室内空間における壁面に沿って配置する場合がある。特許文献1および特許文献2の構造では、カバー部材が透明な板により構成されている。したがって、展示ケースを室内空間における壁面に沿って配置する場合、カバー部材を介して壁面が見えてしまい、展示ケースとしての体裁が損なわれる。また、壁面を隠すために、カバー部材のうち壁面と対向する背面を覆う閉塞部材を設けると、展示ケースの構造が複雑になる。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で体裁が損なわれることを抑えることができる什器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
(1)本発明の一態様に係る什器は、物品が載置される載置面を有する載置部と、下方に向けて開口するとともに内部に前記物品を収容可能な空間部が形成され、前記載置部により開閉可能に支持されるカバー部材と、を備え、前記カバー部材は、背面板と、前記背面板と接続され、前記背面板とともに前記空間部を構成する窓部と、を有しており、前記窓部は、透明であり、前記背面板は、不透明である。
本態様によれば、不透明な背面板と透明な窓部とにより、カバー部材の空間部が構成される。背面板が不透明であるため、例えば展示ケースを室内空間における壁面に沿って配置する場合に、カバー部材の背面を覆う閉塞部材等を設けることなく、背面板から壁面が見えることが防止できる。したがって、簡単な構成で展示ケースとしての体裁が損なわれることを抑えることができる。
【0007】
(2)上記(1)の態様に係る什器において、前記窓部と、前記背面板とは、同一素材で構成されていてもよい。
本態様によれば、カバー部材を一体的に構成することができ、カバー部材を簡易的に構成することができるとともに、カバー部材の剛性を高めることができる。
【0008】
(3)上記(1)または(2)の態様に係る什器において、前記窓部は、上面板と、前記上面板の左右方向の両端から下方に向かって延びる一対の側面板と、を有しており、前記背面板は、前記一対の側面板の間に架設されていてもよい。
本態様によれば、カバー部材の剛性を高めることができる。
【0009】
(4)上記(1)から(3)のいずれかの態様に係る什器において、前記背面板のうち前記空間部に露呈する面は、反射防止面であってもよい。
本態様によれば、背面板に照明光等が反射することが防止できるため、背面板に照明光等が映り込むことで空間部に収容される物品が見えづらくなることが防止できる。
【0010】
(5)上記(1)から(3)のいずれかの態様に係る什器において、前記背面板のうち前記空間部に露呈する面は、反射面であってもよい。
本態様によれば、照明光等を背面板で反射させることで、物品を間接的に照明できる。
【0011】
(6)上記(1)から(5)のいずれかの態様に係る什器は、前記空間部に収容される照明装置、をさらに備えていてもよい。
本態様によれば、照明装置によって空間部に収容される物品を直接照明できるため、物品をより見栄えよく展示することができる。また、カバー部材の外部の埃等が照明装置に付着するのを防止でき、メンテナンス性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
上記本発明の一態様によれば、簡易な構成で什器としての体裁が損なわれることを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態に係る展示ケースの斜視図である。
図2】一実施形態に係る展示ケースの側面図である。
図3】一実施形態に係る展示ケースの支持部材および照明装置の斜視図である。
図4】一実施形態に係る展示ケースの、天板を取り外した状態における支持部材および照明装置の斜視図である。
図5図4の部分拡大図である。
図6】一実施形態に係る展示ケースのカバー部材の斜視図である。
図7】一実施形態に係る展示ケースのカバー部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
【0015】
図1は、一実施形態に係る展示ケース1(什器)の斜視図である。図2は、展示ケース1の側面図である。
展示ケース1は、例えば博物館、美術館、展示場等の施設や、公共施設に設置される。展示ケース1は、不図示の展示物(物品)を外部から視認可能に収容する。展示ケース1は、展示用スペース等の室内空間の床面F上に載置される。図2に示されるように、展示ケース1は、例えば室内空間における壁面Wに沿って配置される。
【0016】
以下の説明において、展示ケース1が設置された床面Fに直交する方向を上下方向(矢印UPが上側)という。上下方向に直交し、かつ展示ケース1と壁面Wとが対向する方向を前後方向という。前後方向に沿って、壁面Wから展示ケース1に向かう向きを前側(矢印FR)といい、その反対の向きを後側という。上下方向および前後方向に直交する方向を左右方向(矢印LHが左側)という。
【0017】
展示ケース1は、支持部材10(載置部)と、カバー部材11と、照明装置12と、を備える。
図3は、支持部材10および照明装置12の斜視図である。図4は、天板23を取り外した状態における支持部材10および照明装置12の斜視図である。図5は、図4の部分拡大図である。
【0018】
支持部材10は、床面F上に載置される。支持部材10は、カバー部材11を開閉可能に支持する。
図3図5に示されるように、支持部材10は、一対の支持脚フレーム21と、天板フレーム22と、天板23と、幕板24と、一対の施錠装置25と、を有している。
【0019】
一対の支持脚フレーム21は、左右方向に離間して配置されている。各支持脚フレーム21は、左右対称の構成である。そのため、以下の説明では、一の支持脚フレーム21を例にして支持脚フレーム21の構成を説明する。
【0020】
支持脚フレーム21は、一対の支持脚21aと、上部連結材21bと、下部連結材21cと、を有している。
【0021】
一対の支持脚21aは、前後方向に離間して配置されている。支持脚21aは、上下方向に延びている。支持脚21aは、角筒状に形成されている。支持脚21aの下端は、床面Fに当接している。
上部連結材21bは、前後方向に延びている。上部連結材21bは、一対の支持脚21aの上端部同士を連結している。上部連結材21bは、角筒状に形成されている。
下部連結材21cは、前後方向に延びている。下部連結材21cは、一対の支持脚21aの下端部どうしを連結している。下部連結材21cは、角筒状に形成されている。
【0022】
天板フレーム22は、平面視で矩形の枠状に形成されている。天板フレーム22は、一対の支持脚フレーム21によって下方から支持されている。天板フレーム22には、天板23が載置される。
【0023】
図4に示されるように、天板フレーム22は、底壁部22aと、外壁部22bと、を有している。底壁部22aは、矩形の枠状に形成されている板状の部材であり、上下方向を厚さ方向として配置される。外壁部22bは、底壁部22aの外縁端から上方に延びる。天板23は、底壁部22aに載置される。天板23が底壁部22aに載置されるとき、外壁部22bは、天板23を外側から囲む。図3に示されるように、外壁部22bと天板23との間には、隙間Gが形成される。
【0024】
天板フレーム22は、一対の第1枠部材22cと、第2枠部材22dと、第3枠部材22eと、を矩形の枠状に組み立てることにより形成される。
【0025】
一対の第1枠部材22cは、左右方向に離間して配置されている。一対の第1枠部材22cはそれぞれ、前後方向に延びている。一対の第1枠部材22cは、ネジ等により、一対の支持脚フレーム21の上部連結材21bにそれぞれ連結される。図5に示されるように、第1枠部材22cにおける前後方向の中央部には、施錠装置25が収容される収容凹部22c1が形成される。
【0026】
第2枠部材22dは、左右方向に延びている。第2枠部材22dは、一対の第1枠部材22cの前端部同士を連結している。
第3枠部材22eは、左右方向に延びている。第3枠部材22eは、第2枠部材22dよりも後方に配置されている。第3枠部材22eは、一対の第1枠部材22cの後端部同士を連結している。
【0027】
天板23は、上下方向を厚さ方向として配置される。天板23の上面は、展示物が載置可能な載置面23aである。平面視において、天板23は、左右方向を長手方向とし、前後方向を短手方向とする矩形状である。天板23は、天板フレーム22によって下方から支持されている。天板23は、不図示のネジ等により天板フレーム22の底壁部22aに固定されている。
【0028】
幕板24は、天板23の下方に配置されている。幕板24は、前後方向を厚さ方向として配置される。幕板24は、一対の支持脚フレーム21の後側の支持脚21aの間に架設されている。幕板24は、支持部材10の後部を閉塞している。
【0029】
一対の施錠装置25は、一対の第1枠部材22cの収容凹部22c1にそれぞれ取り付けられる。各施錠装置25は、左右対称の構成である。そのため、以下の説明では、一の施錠装置25を例にして施錠装置25の構成を説明する。
【0030】
図5に示されるように、施錠装置25は、係止片25aと、施錠操作部25bと、を有する。係止片25aは、施錠操作部25bから左右方向の外側に向けて延びる板状の部材である。施錠操作部25bは、不図示の鍵による操作によって係止片25aを左右方向に移動させるよう構成される。
【0031】
係止片25aは、施錠操作部25bに鍵が挿入されて施錠方向に回転した際に、左右方向の外側に向けて突出する。係止片25aは、突出した状態においてカバー部材11に形成される後述する係合孔35bに引っ掛かり、カバー部材11の移動を規制する。係止片25aは、施錠操作部25bに鍵が挿入されて開錠方向に回転した際に、左右方向の内側に向けて引っ込む。これにより、係止片25aと係合孔35bとの引っ掛かりが解除される。
【0032】
カバー部材11は、展示物を収容する箱状体である。カバー部材11は、支持部材10に載置される。カバー部材11は、支持部材10により開閉可能に支持される。
図6は、カバー部材11の斜視図であり、カバー部材11を斜め前方から見た図である。図7は、カバー部材11の斜視図であり、カバー部材11を斜め後方から見た図である。
【0033】
図6および図7に示されるように、カバー部材11は、不透明な背面板31と、透明な窓部32と、を有する。窓部32は、正面板33と、上面板34と、一対の側面板35と、を有する。
背面板31と、正面板33と、上面板34と、一対の側面板35とは、接着剤を用いて互いに接着されている。背面板31と、窓部32(正面板33、上面板34、および一対の側面板35)とにより、下方に向けて開口する空間部Sが構成される。空間部Sの内部には、天板23の上面に載置された展示物を収容可能である。
【0034】
背面板31は、空間部Sの後方に位置する。背面板31は、例えば、グレーのマットアクリル等の、不透明なアクリルにより形成される。図2に示されるように、展示ケース1が室内空間における壁面Wに沿って配置されるとき、背面板31は、壁面Wと対向する。背面板31は、前後方向を厚さ方向として配置される。背面板31の上端は、上面板34に接続される。背面板31における左右方向の両端は、一対の側面板35にそれぞれ接続される。すなわち、背面板31は、一対の側面板35の間に架設されている。背面板31の下端は、外壁部22bと天板23との間の隙間Gに差し込まれる。
【0035】
背面板31のうち前方を向く前面は、空間部Sに露呈する面である。背面板31のうち後方を向く後面は、壁面Wと対向する面である。背面板31の前面は、例えばシボ加工が施されることで、照明装置12から照射される照明光の反射を防止する反射防止面とされている。なお、背面板31を、ベース板と、ベース板の前面に貼り付けられる反射防止シートとにより形成することで、背面板31の前面が反射防止面とされていてもよい。
【0036】
正面板33は、空間部Sの前方に位置する。正面板33は、例えば、透明なアクリルにより形成される。正面板33は、前後方向を厚さ方向として配置される。正面板33の上端は、上面板34に接続される。正面板33における左右方向の両端は、一対の側面板35にそれぞれ接続される。正面板33の下端は、外壁部22bと天板23との間の隙間Gに差し込まれる。
【0037】
上面板34は、空間部Sの上方に位置する。上面板34は、例えば、透明なアクリルにより形成される。上面板34は、水平方向に延びる水平部34aと、水平部34aから正面板33に向かうにつれて下方に下がるように傾斜している傾斜部34bと、を有する。上面板34の前端(傾斜部34bの前端)は、正面板33に接続される。上面板34の後端(水平部34aの後端)は、背面板31に接続される。上面板34における左右方向の両端は、一対の側面板35にそれぞれ接続される。
【0038】
一対の側面板35は、左右方向に離間して配置されている。一対の側面板35は、上面板34における左右方向の両端から下方に向かって延びる。一対の側面板35は、例えば、透明なアクリルにより形成される。各側面板35は、左右対称の構成である。そのため、以下の説明では、一の側面板35を例にして側面板35の構成を説明する。
【0039】
側面板35は、左右方向を厚さ方向として配置される。左右方向に沿って見たときに、側面板35は、台形状である。
側面板35の下端は、外壁部22bと天板23との間の隙間Gに差し込まれる。側面板35の下端における前後方向の中央部には、下方に向けて突出する突出片35aが設けられる。突出片35aには、左右方向に貫通する係合孔35bが設けられる。側面板35の係合孔35bに施錠装置25の係止片25aが係合することで、カバー部材11の移動が規制される。
【0040】
背面板31と、窓部32とは、同一素材で構成されることが好ましい。本実施形態において、同一素材で構成されるとは、同一材料を主成分として構成されていることをいう。例えば、背面板31は、顔料を含むことで不透明とされるアクリルにより形成され、窓部32は、透明なアクリルにより形成されてもよい。あるいは、背面板31は、顔料を含むことで不透明とされるガラスにより形成され、窓部32は、透明なガラスにより形成されてもよい。
【0041】
図1に戻り、照明装置12は、カバー部材11の内部(空間部S)に収容される。照明装置12は、支持部材10に固定されている。照明装置12は、天板23の上面(載置面23a)を照明する。
照明装置12は、LED等の照明器具41と、照明器具41を支持する一対の支柱42と、を有する。
【0042】
照明器具41は、左右方向に線状に延びる長尺に形成される。照明器具41は、天板23の上方に配置される。照明器具41は、一対の支柱42の間に架設されている。照明器具41は、天板23の上面に向けて照明光を照射する。
一対の支柱42は、左右方向に離間して配置されている。各支柱42は、上下方向に延びる棒状に形成される。各支柱42の上端は、照明器具41に固定される。各支柱42の下端部は、天板23を貫通し、天板フレーム22の第3枠部材22eに固定されている。
【0043】
このように、本実施形態の展示ケース1は、展示品が載置される載置面23aを有する支持部材10と、下方に向けて開口するとともに内部に展示品を収容可能な空間部Sが形成され、支持部材10により開閉可能に支持されるカバー部材11と、を備える。カバー部材11は、背面板31と、背面板31と接続され、背面板31とともに空間部Sを構成する窓部32と、を有している。窓部32は、透明であり、背面板31は、不透明である。
この構成によれば、不透明な背面板31と透明な窓部32とにより、カバー部材11の空間部Sが構成される。背面板31が不透明であるため、例えば展示ケース1を室内空間における壁面Wに沿って配置する場合に、カバー部材の背面を覆う閉塞部材等を設けることなく、背面板31から壁面Wが見えることが防止できる。したがって、簡単な構成で展示ケース1としての体裁が損なわれることを抑えることができる。
【0044】
また、窓部32と、背面板31とは、同一素材で構成されている。
この構成によれば、カバー部材11を一体的に構成することができ、カバー部材11を簡易的に構成することができるとともに、カバー部材11の剛性を高めることができる。
【0045】
また、窓部32は、上面板34と、上面板34の左右方向の両端から下方に向かって延びる一対の側面板35と、を有している。背面板31は、一対の側面板35の間に架設されている。
この構成によれば、カバー部材11の剛性を高めることができる。
【0046】
また、背面板31のうち空間部Sに露呈する面は、反射防止面である。
この構成によれば、背面板31に照明光等が反射することが防止できるため、背面板31に照明光等が映り込むことで空間部Sに収容される展示品が見えづらくなることが防止できる。
【0047】
また、展示ケース1は、空間部Sに収容される照明装置12、をさらに備える。
照明装置12が空間部Sに収容されることで、照明装置12によって空間部Sに収容される展示品を直接照明できるため、展示品をより見栄えよく展示することができる。また、カバー部材11の外部の埃等が照明装置12に付着するのを防止でき、メンテナンス性を向上させることができる。
【0048】
(その他の変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0049】
例えば、背面板31を、ベース板と、ベース板に貼り付けられる不透明シートとにより形成することで、背面板31が不透明とされていてもよい。
【0050】
背面板31の前面は、照明装置12から照射される照明光を反射させる反射面であってもよい。この場合、背面板31の前面は、例えば研磨加工が施されることで、反射面とされてもよい。背面板31を、ベース板と、ベース板の前面に貼り付けられる反射シートとにより形成することで、背面板31の前面が反射面とされていてもよい。
この構成によれば、照明光等を背面板31で反射させることで、展示品を間接的に照明できる。
【0051】
カバー部材11の形状は、上記の実施形態に限られない。例えば、側面板35が矩形状、四分円状、三角形状等に形成されていてもよい。
側面板35が矩形状の場合、上面板34は、傾斜部34bを有しておらず、上面板34の全体が水平方向に延びる平面状に形成されていてもよい。
側面板35が四分円状の場合、カバー部材11は、正面板33を有しておらず、上面板34は、円弧状に屈曲されて形成されていてもよい。
側面板35が三角形状の場合、カバー部材11は、正面板33を有しておらず、上面板34の全体が前方に向かうにつれて下方に傾斜する平面状に形成されていてもよい。
【0052】
支持部材10の幕板24が、一対の支持脚フレーム21の後側の支持脚21aの間に加えて、一対の支持脚フレーム21の前側の支持脚21aの間、および支持脚フレーム21の前側の支持脚21aと後側の支持脚21aとの間に架設されていてもよい。すなわち、幕板24により、支持部材10の後部に加えて、支持部材10の前部および両側部が閉塞されていてもよい。
【0053】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1:展示ケース(什器)
10:支持部材(載置部)
11:カバー部材
12:照明装置
23a:載置面
31:背面板
32:窓部
33:正面板
34:上面板
35:側面板
S:空間部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7