(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057430
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】鑑賞用造形物
(51)【国際特許分類】
A63H 33/00 20060101AFI20240417BHJP
A63H 15/06 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
A63H33/00 Q
A63H15/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164166
(22)【出願日】2022-10-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)2021年11月16日~12月12日 長岡造形大学展示館「MaRouの杜」で開催された「第3回企画展 テクノロジー×デザイン系教員展」において公開 (2)2021年11月16日,2022年3月2日,2022年3月6日 ウェブサイトアドレス「(a)https://310lab.com (b)https://310lab.com/works (c)https://310lab.com/delta-t (d)https://310lab.com/project」において公開 (3)2021年11月17日 ウェブサイトアドレス「https://www.youtube.com/watch?v=PTy7y3NlLU0」において公開 (4)2021年12月5日 ウェブサイトアドレス「https://www.youtube.com/watch?v=pXXglxSeRAw」において公開 (5)2021年12月6日 ウェブサイトアドレス「(a)https://www.nagaoka-id.ac.jp/ (b)https://www.nagaoka-id.ac.jp/topics/news/ (c)https://www.nagaoka-id.ac.jp/topics/news/?n_year=&keyword=%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8E%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC%C3%97%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E7%B3%BB%E6%95%99%E5%93%A1%E5%B1%95 (d)https://www.nagaoka-id.ac.jp/about/tenjikan/14739/」において公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (6)2022年3月1日 ウェブサイトアドレス「https://twitter.com/Knym310/status/1498523416089231365」において公開 (7)2022年3月1日 ウェブサイトアドレス「(a)http://www.design-lab.iis.u-tokyo.ac.jp/exhibition/proto2022/index.html (b)http://www.design-lab.iis.u-tokyo.ac.jp/exhibition/proto2022/works.html#works」において公開 (8)2022年3月3日 ウェブサイトアドレス「https://www.facebook.com/PrototypingDesignLab/」において公開 (9)2022年3月4日~3月12日 東京大学 生産技術研究所 S棟1階ギャラリーで開催された「山中研究室プロトタイプ展2022 S展」において公開 (10)2022年3月6日 ウェブサイトアドレス「https://twitter.com/YamLabEx/status/1500425961271136265」において公開 (11)2022年6月8日 ウェブサイトアドレス「(a)http://www.design-lab.iis.u-tokyo.ac.jp/exhibition/proto2022-2/ (b)http://www.design-lab.iis.u-tokyo.ac.jp/exhibition/proto2022-2/works.html#works」において公開 (12)2022年6月10日~6月12日,6月18日,6月19日 東京大学 生産技術研究所 S棟1階ギャラリーで開催された「山中研究室プロトタイプ展2022 S展 第2期」において公開 (13)2022年7月12日 ウェブサイトアドレス「https://www.youtube.com/channel/UCKdaOUFf80EFPCs2pCEWzjg」において公開 (14)2022年7月12日 ウェブサイトアドレス「https://www.youtube.com/watch?v=1DmH5Q1g8rk&t=39s」において公開
(71)【出願人】
【識別番号】514188531
【氏名又は名称】公立大学法人長岡造形大学
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(72)【発明者】
【氏名】金山 正貴
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150BC01
2C150CA22
2C150DA37
(57)【要約】
【課題】見る者に癒し効果(リラックス効果)を与える造形物であり、従来にない動きを呈し、見る者の視覚に作用して、癒しや安らぎなどを与える鑑賞用造形物を提供することを目的とする。
【解決手段】厚み方向に並設された多数枚の揺動板2で構成された集合体1を軸5に揺動自在に設けた鑑賞用造形物であって、前記集合体1は、前記軸5から重心Gまでの距離dが異なる揺動板2を含んで構成されている鑑賞用造形物。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚み方向に並設された多数枚の揺動板で構成された集合体を軸に揺動自在に設けた鑑賞用造形物であって、前記集合体は、前記軸から重心までの距離が異なる揺動板を含んで構成されていることを特徴とする鑑賞用造形物。
【請求項2】
請求項1記載の鑑賞用造形物において、前記集合体は、前記距離が異なる多数の揺動板で構成され、且つ、静止状態において、前記各揺動板の前記重心を結ぶ仮想線が鉛直下方に凸となるように構成されていることを特徴とする鑑賞用造形物。
【請求項3】
請求項1記載の鑑賞用造形物において、前記集合体は、前記距離が異なる多数の揺動板で構成され、且つ、静止状態において、前記各揺動板の前記重心を結ぶ仮想線が鉛直上方に凸となるように構成されていることを特徴とする鑑賞用造形物。
【請求項4】
請求項1記載の鑑賞用造形物において、前記集合体は、前記距離が異なる多数の揺動板で構成され、且つ、静止状態において、前記各揺動板の前記重心を結ぶ仮想線が傾斜直線状となるように構成されていることを特徴とする鑑賞用造形物。
【請求項5】
請求項1~4いずれか1項に記載の鑑賞用造形物において、前記各揺動板は、前記軸に対して左右対称形状であり、さらに、上側中央部に前記軸となる軸体が貫通配設される貫通孔が設けられていることを特徴とする鑑賞用造形物。
【請求項6】
請求項5記載の鑑賞用造形物において、前記各揺動板は、互いに略相似関係の形状に形成されていることを特徴とする鑑賞用造形物。
【請求項7】
請求項1~4いずれか1項に記載の鑑賞用造形物において、前記集合体は、揺動可能に構成された基体に設けられていることを特徴とする鑑賞用造形物。
【請求項8】
請求項5記載の鑑賞用造形物において、前記集合体は、揺動可能に構成された基体に設けられていることを特徴とする鑑賞用造形物。
【請求項9】
請求項6記載の鑑賞用造形物において、前記集合体は、揺動可能に構成された基体に設けられていることを特徴とする鑑賞用造形物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鑑賞用造形物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
川のせせらぎや波の音、ろうそくの炎、水面の揺れ、木漏れ日などの自然現象は、規則的なゆらぎと不規則的なゆらぎが丁度良い具合に調和している「1/fゆらぎ」を含んでおり、人はこの「1/fゆらぎ」を、五感(視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚)を通して感じると、生体のリズムと共鳴し、癒し、和み、くつろぎ、安らぎなどの快適感を感じると言われている。
【0003】
従来、この「1/fゆらぎ」を人工的に作り出し、見る者に癒し効果(リラックス効果)を与える様々な造形物が提案されている(たとえば特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2-415009号公報
【特許文献2】特開2002-343586号公報
【特許文献3】特開2010-76203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記のような見る者に癒し効果(リラックス効果)を与える造形物であり、従来にない動きを呈し、見る者の視覚に作用して、癒しや安らぎなどを与える鑑賞用造形物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
厚み方向に並設された多数枚の揺動板2で構成された集合体1を軸5に揺動自在に設けた鑑賞用造形物であって、前記集合体1は、前記軸5から重心Gまでの距離dが異なる揺動板2を含んで構成されていることを特徴とする鑑賞用造形物に係るものである。
【0008】
また、請求項1記載の鑑賞用造形物において、前記集合体1は、前記距離dが異なる多数の揺動板2で構成され、且つ、静止状態において、前記各揺動板2の前記重心Gを結ぶ仮想線lが鉛直下方に凸となるように構成されていることを特徴とする鑑賞用造形物に係るものである。
【0009】
また、請求項1記載の鑑賞用造形物において、前記集合体1は、前記距離dが異なる多数の揺動板2で構成され、且つ、静止状態において、前記各揺動板2の前記重心Gを結ぶ仮想線lが鉛直上方に凸となるように構成されていることを特徴とする鑑賞用造形物に係るものである。
【0010】
また、請求項1記載の鑑賞用造形物において、前記集合体1は、前記距離dが異なる多数の揺動板2で構成され、且つ、静止状態において、前記各揺動板2の前記重心Gを結ぶ仮想線lが傾斜直線状となるように構成されていることを特徴とする鑑賞用造形物に係るものである。
【0011】
また、請求項1~4いずれか1項に記載の鑑賞用造形物において、前記各揺動板2は、前記軸5に対して左右対称形状であり、さらに、上側中央部に前記軸5となる軸体5aが貫通配設される貫通孔3が設けられていることを特徴とする鑑賞用造形物に係るものである。
【0012】
また、請求項5記載の鑑賞用造形物において、前記各揺動板2は、互いに略相似関係の形状に形成されていることを特徴とする鑑賞用造形物に係るものである。
【0013】
また、請求項1~4いずれか1項に記載の鑑賞用造形物において、前記集合体1は、揺動可能に構成された基体4に設けられていることを特徴とする鑑賞用造形物に係るものである。
【0014】
また、請求項5記載の鑑賞用造形物において、前記集合体1は、揺動可能に構成された基体4に設けられていることを特徴とする鑑賞用造形物に係るものである。
【0015】
また、請求項6記載の鑑賞用造形物において、前記集合体1は、揺動可能に構成された基体4に設けられていることを特徴とする鑑賞用造形物に係るものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上述のように構成したから、従来にない動きを呈し、見る者の視覚に作用して、癒しや安らぎなどを与える鑑賞用造形物となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】(a)は実施例1の集合体を形成する揺動板の重心を結ぶ仮想線を示す説明図であり、(b)は各揺動板の形状及び重心までの距離を示す説明図である。
【
図3】実施例1における揺動板の並設構造を示す説明断面図である。
【
図4】実施例1の集合体の揺動状態を示す説明側面図である。
【
図5】実施例1の集合体の揺動状態を示す説明斜視図である。
【
図6】実施例1の別例(基体内に揺動装置が設けられた構成)を示す説明正面図である。
【
図7】実施例1の別例(基体と別体に設けた台座部内に揺動装置が設けられた構成)を示す説明正面図である。
【
図8】実施例1の集合体の別例を示す説明図であり、(a)は各揺動板の重心を結ぶ仮想線が鉛直上方に凸となるように構成した場合、(b)は各揺動板の重心を結ぶ仮想線が傾斜直線状となるように構成した場合である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0019】
集合体1が揺れた場合、この集合体1を構成している各揺動板2が異なる固有の周期で揺動し、集合体1が全体視において、あたかも水を入れたコップを揺らした際の水面の揺れのような動きを呈する。
【0020】
この水面が揺れるような動きには「1/f」ゆらぎが含まれ、これにより、見る者の視覚に作用して、癒しや安らぎなどのリラックス効果を与えることができる。
【実施例0021】
本発明の具体的な実施例1について
図1~
図7に基づいて説明する。
【0022】
本実施例は、厚み方向に並設された多数枚の揺動板2で構成される集合体1を軸5に揺動自在に設けた鑑賞用造形物であり、具体的には、
図1に示すように、揺動可能に構成された基体4に集合体1を設けたものであり、この基体4に設けた集合体1が基体4の揺動により水面が揺れるような動きを呈し、見る者の視覚に作用して、癒しや安らぎなどのリラックス効果を与えるように構成されているものである。
【0023】
以下、本実施例に係る構成各部について詳述する。
【0024】
集合体1は、揺動周期が異なる多数枚(本実施例は約90枚)の揺動板2が、この揺動板2の厚み方向に規則性をもって連接状態に並設されることにより構成されている。
【0025】
具体的には、集合体1は、重心Gの位置(揺動支点となる軸5から重心Gまでの距離d)が異なる多数枚の揺動板2が、静止状態において、各揺動板2の重心Gを結ぶ仮想線lが
図2(a)に示すような鉛直下方に凸湾曲状となるように並設されることにより構成されている。
【0026】
より具体的には、集合体1は、左右対称な形状にして、互いに略相似関係の形状に形成された大小種々な大きさの揺動板2が、集合体1の両端部に最小形状の揺動板2(揺動支点となる軸5から重心Gまでの距離dが最も短くなる形状に形成される最小揺動板2a)が配され、この最小揺動板2a間の中間部(集合体1の長手方向中央部)に最大形状の揺動板2(揺動支点となる軸5から重心Gまでの距離dが最も長くなる形状に形成される最大揺動板2b)が配され、この最小揺動板2aと最大揺動板2bとの間に、最小揺動板2a側から最大揺動板2bに向かって徐々に形状が大きくなる(揺動支点となる軸5から重心Gまでの距離dが徐々に長くなる)揺動板2が配されることにより構成されている。
【0027】
すなわち、本実施例においては、揺動板2の軸5(揺動支点)から重心Gまでの距離lに関しては、集合体1の長手方向において、
図2に示すように、A(最小)<B<C<D<E<F(最大)となり、これにより、揺動周期もA(最小)<B<C<D<E<F(最大)となって徐々に長くなり、各揺動板2間において揺動動作に規則的なズレが生じるように構成されている。
【0028】
なお、本実施例においては、前記のとおり、集合体1は、各揺動板2の重心Gを結ぶ仮想線lが鉛直下方に凸湾曲状となる構成とされているが、たとえば、仮想線lがV字状となるように構成しても良い。また、
図8(a)に示すような、各揺動板2の重心Gを結ぶ仮想線lが鉛直上方に凸湾曲状(逆V字状でも良い。)や、
図8(b)に示すような、各揺動板2の重心Gを結ぶ仮想線lが傾斜直線状となるように構成しても良い。
【0029】
また、本実施例においては、集合体1を形成する各揺動板2は、薄板状であり、
図2(b)に示すような、上辺部が平坦(水平)に形成された鉛直下方に向かって先細る左右対称の逆山型形状に形成されている。
【0030】
具体的には、本実施例の揺動板2は、厚さ約1mmの透明なアクリル板材を用いて形成され、集合体1の両端部に配される最小揺動板2aは、上辺部の幅が約30mm、高さが約15mmに設定され、集合体1の長手方向中央部に配される最大揺動板2bは、上辺部の幅が約140mm、高さが約55mmに設定されている。また、この最小揺動板2aと最大揺動板2bとの間に配される各揺動板2は、
図2(a),(b)に示すように、最小揺動板2a側に配される揺動板2よりも最大揺動板2bに配される揺動板2の方が、上辺部の幅が長く、且つ、高さが高くなる寸法に設定されている。
【0031】
また、各揺動板2は、上辺部側中央部に、軸5となる金属製の線材(たとえばワイヤ線、ピアノ線)からなる軸体5aが貫通配設される貫通孔3が設けられ、この各揺動板2の貫通孔3に軸体5aが挿通配設され、各揺動板2が軸5(軸体5a)に揺動自在に設けられ、これにより、集合体1が軸5(軸体5a)に揺動自在に設けられた構成となっている。
【0032】
具体的には、貫通孔3は、揺動板2が軸体5aに対してスムーズに揺動できるように、軸体5aの直径よりやや大径の孔径に設定されている。
【0033】
また、本実施例においては、
図3に示すように、揺動板2はスペーサー6を介して並設され、このスペーサー6の介在により揺動板2の面同士が接触することなく、よりスムーズな揺動動作を実現可能としている。
【0034】
なお、揺動板2は、前記構成に限定されるものではなく、厚さ、色、素材は適宜設計変更可能であり、たとえば素材については金属製としても良い。また、本実施例の軸体5aは、硬質で一直線状に形状が固定されているものが採用されているが、軟質でたわみ変形可能なものを採用しても良い。
【0035】
また、集合体1が設けられる基体4は、
図1に示すように、本体部7とフレーム部8とからなり、全体視が略球状となるように構成されている。
【0036】
具体的には、本体部7は、上面が平坦面に形成され、また、底面(接地面)が球状面(半球状面)若しくは湾曲面に形成され、起き上がり小法師のように様々な方向に揺動することができるように構成されている。
【0037】
また、フレーム部8は、
図1に示すように、円弧状に形成される複数の鉛直フレーム部8aと、円環状に形成され、鉛直フレーム部8aに組み付け連結される水平フレーム部8bとからなり、本体部7の上面に設けられている。
【0038】
また、基体4には、前記した集合体1に貫通配設された軸体5aを支持する軸受部9が設けられている。
【0039】
具体的には、本実施例においては、軸受部9は、軸体5aの端部が差し込み可能な筒状に形成され、鉛直フレーム部8aと水平フレーム部8bとが交差する複数の交差部のうちの対向する一対の交差部に設けられている。
【0040】
なお、軸受部9の形状(軸受け構造)や取り付け位置は前記に限定されるものではなく、適宜設計変更可能なものとする。
【0041】
また、本実施例の基体4は、本体部7を起き上がり小法師のように構成して揺動自在な構成にしているが、たとえば、基体4を天井等から紐状の連結部材を介して吊設し、手で揺らしたり風に吹かれることで基体4が揺動するように構成しても良い。
【0042】
また、本実施例の基体4は、揺動動作のための動力源(揺動機構)を備えず、手で触れて揺らしたり、風に吹かれることで揺動するように構成されているが、本体部7を揺動(本実施例では回転揺動)させる揺動装置10を設け、この揺動装置10による本体部7(基体4)の揺動動作により集合体1が揺動する構成としても良い。
【0043】
具体的には、たとえば、
図6に示すように、モータ11と錘12とを備える揺動装置10を本体部7内に設け、モータ11により錘12を回転移動させ、この錘12の回転移動によって生じる遠心力の作用により本体部7を回転揺動させ、集合体1を揺動させるように構成しても良い。
【0044】
また、
図7に示すように、モータ11と磁石13とを備える揺動装置10を基体4と別体の台座部14内に設け、モータ11により磁石13を回転移動させ、この磁石13の回転移動によって本体部7内に設けた吸着部材15を回転させ、この吸着部材15の回転によって本体部7を回転揺動させ、集合体1を揺動させるように構成しても良い。
【0045】
本実施例は上述のように構成されているから、基体4の揺動(回転揺動)により集合体1に揺れが作用した場合、この集合体1を構成している各揺動板2がそれぞれ異なる固有の周期で揺動し、集合体1が全体視において、あたかも水を入れたコップを揺らした際の水面の揺れのような動きを呈する。
【0046】
具体的には、
図4及び
図5に示すように、本実施例は静止状態においては、
図4(a)及び
図5(a)に示すように、各揺動板2が整列し集合体1の上面は平坦面を呈している。
【0047】
集合体1に揺れが作用すると、軸方向に沿って揺動板2の重心G位置が徐々にずれているから揺動周期も少しずつずれ、
図4(b)~(d)及び
図5の(b)~(d)に示すように、集合体1の上面が、水面が揺れているような状態になる。
【0048】
この水面が揺れるような動きには「1/fゆらぎ」が含まれ、この集合体1の揺れ及び基体4の揺れも相俟って、見る者の視覚に作用して、癒しや安らぎなどのリラックス効果を与えることができる。
【0049】
基体4を揺動自在に構成しない場合、たとえば、単に人が手に持って集合体1を揺らしたり、車のダッシュボード上に載置し、走行時の揺れ(振動)により集合体1が揺れるように構成した場合でも、前記と同様の作用効果を得ることができるが、前述のように基体4に揺動機構を設けた場合には永続的に集合体1及び基体4の揺れが現出し、リラックス効果が継続することになる。。
具体的には、本実施例の集合体1は、水マーク形状の相似形に形成された各揺動板2が並設されてなる紡錘形状に構成され、たわみ変形可能な軸体5a(ピアノ線)に揺動自在に設けられている。
また、基体4の側方には軸体5aを回転させる駆動装置16が連設され、本実施例は、この駆動装置16により軸体5aが回転し、この軸体5aの回転により集合体1が、見る人に雨粒が空から降ってくる水の質感をイメージさせるような動きをするように構成されている。
すなわち、実施例1は、本体部7(基体4)が揺動することで集合体1が揺動する構成であるのに対し、本実施例は、基体4が揺動せず(固定状態のまま)軸体5aの回転により集合体1が揺動する構成となっている。
また、基体4の底部には、集合体1を下方側から照らす照明装置17が設けられている。本実施例は、この照明装置17から照射される色光線で集合体1が着色されているように見えるように構成されている(たとえば、青色光線により集合体1を青色に照らすことで、より水をイメージさせることができる。)。