(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057436
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】バルブ装置
(51)【国際特許分類】
F16K 1/06 20060101AFI20240417BHJP
【FI】
F16K1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164175
(22)【出願日】2022-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浦塚 崇史
【テーマコード(参考)】
3H052
【Fターム(参考)】
3H052AA01
3H052BA34
3H052BA35
3H052CC01
3H052EA16
(57)【要約】
【課題】連通室内に流体が滞留することが抑制されたバルブ装置を提供する。
【解決手段】
バルブ装置は、ハウジングと、ハウジング内に設けられており、外部から流体が導入される一次側通路と、一次側通路の下流側端部に設けられている第一導出部と、ハウジング内に設けられており、第一導出部と連通しているとともに、外部に流体を導出する二次側通路と、第一導出部と連通しているとともに端部が二次側通路と連通している連通室と、第一導出部に形成されている弁座と、弁座に接触可能であり、第一導出部を開閉する弁体を備えている。また、このバルブ装置は、連通室内に、第一導出部の周囲を囲んでいるとともに、二次側通路側に開口が形成されている壁体が設けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体流路の開閉を行うバルブ装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に設けられており、外部から流体が導入される一次側通路と、
前記一次側通路の下流側端部に設けられている第一導出部と、
前記ハウジング内に設けられており、前記第一導出部と連通しているとともに、外部に流体を導出する二次側通路と、
前記第一導出部と連通しているとともに端部が前記二次側通路と連通している連通室と、
前記第一導出部に形成されている弁座と、
前記弁座に接触可能であり、前記第一導出部を開閉する弁体と、
を備えており、
前記連通室内に、前記第一導出部の周囲を囲んでいるとともに、前記二次側通路側に開口が形成されている壁体が設けられている、バルブ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のバルブ装置であって、
前記壁体の前記開口が設けられている側とは反対側に、外側に向けて突出している突出部が設けられている、バルブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、バルブ装置に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、流体流路の開閉を行うバルブ装置が開示されている。特許文献1のバルブ装置は、外部から流体が導入される一次側通路と、一次側通路の下流側端部に設けられている第一導出部と、第一導出部と連通しているとともに、外部に流体を導出する二次側通路と、第一導出部と連通しているとともに端部が二次側通路と連通している連通室と、第一導出部に形成されている弁座と、弁座に接触可能であり、第一導出部を開閉する弁体を備えている。外部から導入された流体は、一次側通路、第一導出部を経て連通室内に導入され、二次側通路を通過して外部に導出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のバルブ装置の場合、連通室に導入された流体は、連通室全体に不規則(乱流を形成して)に移動する。連通室に導入された流体のうち、二次側通路側に移動した流体は、二次側通路を通過してスムーズに外部に導出される。しかしながら、二次側通路と反対側に移動した流体は、連通室からの導出口(すなわち、二次側通路)がなく、また、二次側通路に移動する力も作用しないため、連通室内に滞留してしまうことがある。連通室内に流体が滞留すると、低温環境下で流体が凍結し、弁体が弁座に固着することが起こり得る。弁体が弁座に固着すると、バルブ装置が機能できなくなる。本明細書は、連通室内に流体が滞留することが抑制されたバルブ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で開示する第1技術は、流体流路の開閉を行うバルブ装置である。このバルブ装置は、ハウジングと、ハウジング内に設けられており、外部から流体が導入される一次側通路と、一次側通路の下流側端部に設けられている第一導出部と、ハウジング内に設けられており、第一導出部と連通しているとともに、外部に流体を導出する二次側通路と、第一導出部と連通しているとともに端部が二次側通路と連通している連通室と、第一導出部に形成されている弁座と、弁座に接触可能であり、第一導出部を開閉する弁体を備えていてよい。また、このバルブ装置は、連通室内に、第一導出部の周囲を囲んでいるとともに、二次側通路側に開口が形成されている壁体が設けられていてよい。
【0006】
本明細書で開示する第2技術は、上記第1技術のバルブ装置であって、壁体の開口が設けられている側とは反対側に、外側に向けて突出している突出部が設けられていてよい。
【発明の効果】
【0007】
第1技術によると、連通室内に導入された流体を、二次側通路に誘導することができる。すなわち、連通室内に導入された流体を、一方向に(二次側通路に向かって)移動させることができる。連通室内に流体が滞留することが抑制され、低温環境下において流体の氷結による弁体と弁座の固着を抑制することができる。また、連通室内における流体の流れを整流することができるため、弁座表面(弁体が接触するシール面)に流体が接触することが抑制され、弁座表面に流体が残存することが抑制される。その結果、流体の氷結による弁体と弁座の固着をさらに抑制することができる。
【0008】
第2技術によると、壁体の外側に存在する流体を、二次側通路に誘導することができる。具体的には、突出部が設けられている位置(二次側通路から最も遠い位置)において、壁体と連通路の側壁との隙間が狭くなるので、流体は、突出部が設けられている位置から二次側通路に向けて移動する。その結果、壁体の外側に存在する流体は、連通室から二次側通路に導出され、連通路内への滞留が抑制される。第2技術によると、連通室内に流体が滞留することをより一層抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】バルブ装置を備えた燃料電池システムの概略図を示す。
【
図4】バルブ装置の利点を説明するための簡易図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(バルブ装置を用いた燃料電池システム)
まず、
図1を参照し、本明細書で開示するバルブ装置を用いた燃料電池システム100について説明する。燃料電池システムは、車両(燃料電池車)に好適に搭載される。燃料電池システム100は、燃料電池スタック90と、燃料電池スタック90に水素ガスを供給する水素系60と、燃料電池スタック90にエアガス(外気)を供給するエア系70と、コントローラ75を備えている。燃料電池システム100では、水素系60から供給された水素ガスと、エア系70から供給された酸素ガス(エアガス)を用いて発電を行う。
【0011】
水素系60は、水素ガスタンク62と、水素供給通路64と、水素排出通路68を備えている。減圧バルブ63が、水素供給通路64上に設けられている。水素ガスタンク62から水素供給通路64に供給された水素ガスは、減圧バルブ63によって調圧される。減圧バルブ63の下流にインジェクタ(図示省略)が設けられており、水素ガスタンク62から供給された水素ガスはインジェクタによって燃料電池スタック90に供給される。水素排出通路68上に、気液分離器66、水素排出バルブ69が設けられている。水素排出バルブ69は、バルブ装置の一例である。水素排出バルブ69は、気液分離器66より下流に設けられている。燃料電池スタック90への水素ガスの供給は、コントローラ75によって制御される。すなわち、コントローラ75は、水素供給通路64のオン・オフ、水素供給通路64を通過する水素ガスの流量を制御する。
【0012】
燃料電池スタック90から排出される水素ガス(水素オフガス)は、気液分離器66に供給される。気液分離器66では、水素オフガスに含まれる水素ガスが抽出される。気液分離器66で抽出された水素ガスは、水素循環ポンプ(図示省略)によって水素供給通路64に戻され、燃料電池スタック90に供給される。一方、気液分離器66で水素ガスが抽出された残分は、水素排出通路68に排出され、排出管84を通じて燃料電池システム100の外部に排出される。なお、排出管84は、後述するエア排出通路80にも接続されている。水素排出通路68の流量は水素排出バルブ69によって調整される。水素排出通路68のオン・オフ、及び、水素排出通路68を通過する水素オフガスの流量もコントローラ75によって制御される。なお、気液分離器66によって水素ガスが抽出された残分には、燃料電池システム100で生じた生成水が含まれている。
【0013】
エア系70は、コンプレッサ72と、エア供給通路74と、エア排出通路80と、バイパス通路78と、エア供給バルブ76と、エア排出バルブ50と、バイパスバルブ79を備えている。コンプレッサ72は、エアガスとして外気をエア供給通路74に圧送する。なお、コンプレッサ72の上流にはエアクリーナ(図示省略)が配置されている。そのため、エア供給通路74には、清浄なエアガスが供給される。エア供給通路74は、燃料電池スタック90とコンプレッサ72を接続している。エア供給通路74上には、エア供給バルブ76が配置されている。具体的には、エア供給通路74は、コンプレッサ72とエア供給バルブ76を接続している上流側エア供給通路74aと、エア供給バルブ76と燃料電池スタック90を接続している下流側エア供給通路74bを備えている。コンプレッサ72を駆動し、エア供給バルブ76が上流側エア供給通路74aと下流側エア供給通路74bを導通させると、エアガスとして外気が燃料電池スタック90に供給される。なお、コンプレッサ72とエア供給バルブ76の間に、インタークーラー(図示省略)が配置されている。燃料電池スタック90には、インタークーラーで温度が調整された(冷却された)エアガスが供給される。
【0014】
エア排出通路80は、燃料電池スタック90に接続されており、燃料電池スタック90からエアオフガスを排出する。排出されたエアオフガスは、排出管84を通じて燃料電池システム100の外部に排出される。エア排出通路80上にはエア排出バルブ50が設けられている。エア排出バルブ50は、バタフライ弁であり、コントローラ75によって制御される。エア排出バルブ50の開度を調整することにより、エアオフガス量が調整される。エアオフガスには、燃料電池システム100で生じた生成水が含まれている。
【0015】
バイパス通路78は、エア供給通路74とエア排出通路80を接続している。具体的には、バイパス通路78の一端は上流側エア供給通路74aに接続されており、他端はエア排出バルブ50の下流でエア排出通路80に接続されている。バイパス通路78上にバイパスバルブ79が配置されており、バイパスバルブ79が開弁すると、エア供給通路74内のエアガスがエア排出通路80に供給される。
【0016】
(水素排出バルブ)
図2から
図4を参照し、水素排出バルブ69について説明する。水素排出バルブ69は、気液分離器66によって水素ガスが抽出された残分(生成水)の流量を調整する。
図2に示すように、水素排出バルブ69は、生成水が流通するハウジング30と、ハウジング30内の流路を開閉するバルブ部40を備えている。ハウジング30は、一次側通路38が形成されている流体導入部30aと、二次側通路32が形成されている流体導出部30bを備えている。流体導入部30aは、気液分離器66に固定されている。流体導出部30bには、水素排出通路68を構成する連結ホース(図示省略)が取り付けられる。また、一次側通路38と二次側通路32の間には、連通室20が設けられている。水素排出バルブ69の外部(気液分離器66)から水素排出バルブ69内(ハウジング30内)に導入された生成水は、一次側通路38、連通室20、二次側通路32を通過して水素排出バルブ69の外部(水素排出通路68)に導出される。
【0017】
一次側通路38の下流側端部には、第一導出部36が形成されている。第一導出部36は、一次側通路38の側壁に形成されており、連通室20に開口している。第一導出部36は、連通室20内に突出した形状を有しており、端面は後述する弁体18が着座する弁座34を構成している。第一導出部36は、流路面積が一次側通路38より小さく、オリフィス状である。第一導出部36が伸びる方向と一次側通路38が伸びる方向は異なる。第一導出部36は、一次側通路38が伸びる方向に対し、略直交する方向に伸びている。具体的には、第一導出部36は略鉛直方向に伸びており、一次側通路38は略水平方向に伸びている。そのため、一次側通路38に導入された生成水は、一次側通路38を水平方向に移動し、第一導出部36を上方に移動した後、連通室20に導出される。連通室20内には、第一導出部36の周囲を囲んでいる壁体が設けられている。壁体42は、連通室20の側壁20aから離れた位置で、連通室20の底面20bに設けられている。連通室20内の構造(壁体42の詳細)については後述する。
【0018】
二次側通路32の上流側端部24は、連通室20に連通している。そのため、二次側通路32は、連通室20、第一導出部36を介して、一次側通路38に連通している。連通室20から二次側通路32に導入された生成水は、二次側通路32を下方に移動し、二次側通路32の下流側端部に設けられた第二導出部33から、水素排出バルブ69の外部(水素排出通路68)に導出される。
【0019】
バルブ部40は、ハウジング30の上方に固定されている。バルブ部40は、筒状の固定ベース4と、固定ベース4の外周に設けられている電磁コイル10と、固定ベース4の内側に設けられている吸引子8と、固定ベース4の内側で吸引子8と同軸に設けられているプランジャ14と、固定ベース4に固定されている取付板16と、プランジャ14及び取付板16に固定されている弁体18と、カバー6を備えている。
【0020】
電磁コイル10は、固定ベース4の外周面に設けられた凹部に配置されている。吸引子8の上側端部のサイズは、固定ベース4の筒内の断面サイズ(内径)より大きい。吸引子8の上側端部は、固定ベース4の上端面に接触し、固定ベース4の筒内と外部を隔離している。吸引子8の上側端部と固定ベース4の上端面の間には、Oリング2が設けられており、固定ベース4の筒内をシールしている。吸引子8は磁性体であり、その一部が、電磁コイル10の一部に対向している。
【0021】
吸引子8とプランジャ14の間に、コイルばね12が設けられている。コイルばね12は、吸引子8とプランジャ14の双方に固定されており、両者が接触することを防止している。プランジャ14は、取付板16の中央に設けられている貫通孔を通過している。プランジャ14の先端(吸引子8と反対側の端部)に、弁体18が固定されている。具体的には、弁体18の中央部18aが、プランジャ14の先端に嵌め込まれ、両者が固定されている。また、弁体18の端部18cは取付板16に固定されており、弁体18の中間部18bはプランジャ14の動作に合わせて変形可能である。プランジャ14の動作については後述する。なお、弁体18は、ゴム製であり、ダイヤフラム状である。カバー6は、取付板16の上面に固定されており、固定ベース4及び電磁コイル10を覆い、固定ベース4及び電磁コイル10を外部から隔離している。
【0022】
取付板16は、ハウジング30の上面に固定されている。取付板16をハウジング30に固定すると、弁体18が弁座34に対向する。より具体的には、コイルばね12の付勢力(伸張力)によって弁体18の中央部18aが弁座34に押し付けられ(着座し)、第一導出部36が塞がれる。弁体18(中央部18a)が弁座34に着座している間、一次側通路38と二次側通路32は連通しておらず、生成水が水素排出バルブ69から導出されることはない。
【0023】
電磁コイル10に通電すると、吸引子8が励磁され、プランジャ14が吸引子8に引き付けられる。すなわち、プランジャ14が、吸引子8の励磁力によって吸引子8に引き付けられ、コイルばね12を圧縮しながら上方に移動する。プランジャ14が上方に移動すると、プランジャ14とともに弁体18の中央部18aが上方に移動し、弁体18が弁座34から離れる。弁体18が弁座34から離れると、一次側通路38と二次側通路32が連通し、生成水が水素排出バルブ69から導出される。
【0024】
次に、
図3を参照し、連通室20内の構造を説明する。第一導出部36が、連通室20の中央部分に連通している。第一導出部36は、連通室20の底面20bから、連通室20の上方へ突出している。連通室20の端部には、二次側通路32の上流側端部24が連通している。連通室20は、第一導出部36を中心とする円弧状である。すなわち、連通室20の側壁20aは、二次側通路32の上流側端部24に接続する部分を除き、円形である。
【0025】
壁体42は、第一導出部36と側壁20aの間に設けられている。壁体42は、第一導出部36の周囲を囲っており、第一導出部36を中心とする円弧状である。なお、壁体42は、第一導出部36の全周を囲っておらず、二次側通路32側(上流側端部24が連通している側)に開口44が設けられている。壁体42の形状は、C型形状と捉えることもできる。壁体42と第一導出部36の間、及び、壁体42と側壁20aの間には隙間が設けられている。壁体42と第一導出部36の隙間は周方向において一定であり、壁体42と側壁20aの隙間も周方向において一定である。壁体42の高さ(連通室20の底面20bからの突出高さ)は、第一導出部36の突出高さより低い(
図2を参照)。そのため、壁体42は、弁体18に干渉(接触)することが抑制されている。また、壁体42の外側(側壁20a側)側面の一部には、突出部46が設けられている。突出部46は、略三角形であり、開口44が設けられている側とは反対側に設けられている。すなわち、突出部46は、壁体42の外側側面のうち、上流側端部24から最も遠い位置に設けられている。
【0026】
水素排出バルブ69では、電磁コイル10へ通電すると、弁体18が弁座34から離れ、第一導出部36から連通室20内へ生成水が導入される。連通室20内に導入された生成水は、壁体42によって二次側通路32(上流側端部24)に誘導される。換言すると、壁体42が、連通室20内の生成水の流れを上流側端部24に向かわせ(生成水の流れを整流し)、連通室20内から生成水をスムーズに導出する。すなわち、壁体42によって、連通室20内に導入された生成水が、連通室20内に滞留することを抑制することができる。また、壁体42によって、生成水が上下方向に渦巻くことも抑制される。生成水が上下方向に渦巻くことを抑制することにより、生成水が弁座34に付着することを抑制することもできる。水素排出バルブ69は、連通室20内に生成水が滞留することを抑制し、また、生成水が弁座34に付着することを抑制することにより、低温環境下において氷結による弁体18と弁座34の固着を抑制することができるという利点が得られる。
【0027】
次に、
図4を参照し、水素排出バルブ69の他の利点について説明する。上述したように、壁体42の外側側面には、上流側端部24から最も遠い位置に突出部46が設けられている。突出部46が設けられている位置では、壁体42と側壁20aの隙間が、他の位置(突出部46が設けられていない位置)より狭くなっている。そのため、突出部46が設けられている位置に存在する生成水は、突出部46が設けられていない位置に移動する。その結果、壁体42の外側に残存した生成水は、矢印48のように突出部46から離れる方向、すなわち、二次側通路32の上流側端部24に向かって移動する。壁体42の外側側面に突出部46を設けることにより、壁体42の外側に存在する生成水に、二次側通路32の上流側端部24に向かう流れを形成することができる。
【0028】
(他の実施形態)
上記実施例では、水素排出バルブ69とエア排出バルブ50を備えた燃料電池システム100について説明した。水素排出バルブ69の構造は、エア排出バルブ50に適用することもできる。すなわち、水素排出バルブ69と同様のバルブ装置を、エア排出バルブ50として利用することもできる。
【0029】
上記実施例では、第一導出部は連通室の中央部分に連通しており、連通室の側壁及び壁体が第一導出部を中心とする円弧状である形態について説明した。しかしながら、第一導出部は、必ずしも連通室の中央部分に連通していなくてもよい。また、連通室の側壁及び/又は壁体は、円弧状以外の形状であってよく、例えば部分的に直線を有する形態であってもよい。また、壁体と第一導出部の隙間、及び/又は、壁体と連通室の側壁の隙間は、周方向において一定でなくてもよい。例えば、連通室の側壁が円弧状であり、側壁の形状がU字状であってもよい。
【0030】
また、壁体の高さ(連通室の底面からの突出高さ)は、第一導出部の突出高さと同一、あるいは、第一導出部の突出高さより高くてもよい。壁体が弁体に干渉しないように形成されていれば、壁体の高さは任意に選択することができる。なお、壁体の外側側面に設けられている突出部は、省略することもできる。本明細書で開示するバルブ装置において重要なことは、連通室内に、第一導出部の周囲を囲んでいるとともに、二次側通路の上流側端部側に開口が形成されている壁体を設けることである。
【0031】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0032】
18:弁体
20:連通室
30:ハウジング
32:二次側通路
33:第二導出部
34:弁座
36:第一導出部
38:一次側通路
42:壁体
69:バルブ装置