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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057468
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】坑内地質探査方法
(51)【国際特許分類】
   G01V 8/10 20060101AFI20240417BHJP
【FI】
G01V8/10 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164232
(22)【出願日】2022-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】522400711
【氏名又は名称】佐々木 孝幸
(74)【代理人】
【識別番号】110003421
【氏名又は名称】弁理士法人フィールズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 孝幸
【テーマコード(参考)】
2G105
【Fターム(参考)】
2G105AA02
2G105EE06
2G105LL03
2G105LL04
2G105LL05
2G105LL06
2G105LL08
(57)【要約】
【課題】確実にかつ効率よく地質調査することができる坑内地質探査方法を提供する。
【解決手段】坑内地質探査方法は、自走式の削孔機に搭載されるドリフタに脱着可能に取り付けられる削孔用ドリルにより、抗内壁を削孔してボーリング孔を形成する工程と、削孔用ドリルをドリフタから取り外して、長さ方向に延びる色付き直線が付された透明管をドリフタに付け替える工程と、ドリフタを駆動して、透明管をボーリング孔に挿し込む工程と、ボーリング孔内の透明管内にカメラを挿入する工程と、透明管内に水を注入する工程と、水が充満したボーリング孔内の孔壁面をカメラにより撮影する工程とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走式の削孔機に搭載されるドリフタに脱着可能に取り付けられる削孔用ドリルにより、抗内壁を削孔してボーリング孔を形成する工程と、
削孔用ドリルを前記ドリフタから取り外して、長さ方向に延びる色付き直線が付された透明管を前記ドリフタに付け替える工程と、
前記ドリフタを駆動して、前記透明管を前記ボーリング孔に挿し込む工程と、
前記ボーリング孔内の前記透明管内にカメラを挿入する工程と、
前記透明管内に水を注入する工程と、
水が充満した前記ボーリング孔内の孔壁面を前記カメラにより撮影する工程とを備えることを特徴とする坑内地質探査方法。
【請求項2】
前記削孔機は、作業員が乗り込める移動可能な収容ボックスを搭載し、前記収容ボックスの作業員が、前記削孔用ドリルを取り外し、前記透明管を前記ドリフタに付け替えることを特徴とする請求項1に記載の坑内地質探査方法。
【請求項3】
前記透明管の先端にドリルビットが取り付けられ、前記ドリルビットが取り付けられた前記透明管を回転させながら、前記透明管を前記ボーリング孔内に挿し込むことを特徴とする請求項2に記載の坑内地質探査方法。
【請求項4】
前記収容ボックスの作業員が、前記透明管内に前記カメラを挿入し、さらに撮影作業を実施することを特徴とする請求項3に記載の坑内地質探査方法。
【請求項5】
前記カメラから延びるケーブルを巻き取るためのウインチが前記収容ボックスに配置され、前記収容ボックスの作業員は、当該ウインチを操作して、前記透明管内で前記カメラを移動させ、撮影作業を実施することを特徴とする請求項4に記載の坑内地質探査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル掘削工事などにおける坑内の地質を探査するための坑内地質探査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、地質調査に用いる透明管の発明について開示し、長さ方向に延びる色付き直線が付された透明管を、各透明管の色付き直線が一直線状になるように連結し、その連結した透明管をボーリング孔に挿入し、透明管内に挿入されたカメラを内蔵するプローブを移動させながら孔壁の撮影を行う地質調査方法について記載されている。
【0003】
また、特許文献2は、透明管をボーリング孔に挿入して行われる地質調査に関して、透明管内部を含めたボーリング孔内部全体を水で充満させるための補助具であるジョイント部材についた開示している。
【0004】
特許文献3は、比較的細い径のボーリング孔に挿入可能なカメラを内蔵するプローブの発明に関し、画像データと方位データを対応付けた合成データを生成するデータ処理ユニットをプローブ内に搭載しない構成であっても撮影画像の解析を可能とし、より細いボーリング孔に挿入可能な細い径のプローブについて開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-112175号公報
【特許文献2】特開2020-111875号公報
【特許文献3】特開2022-129456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の発明者は、上記特許文献の発明者であり、今般、上記各特許文献の発明を活用して、掘削されたトンネル坑内に穿たれたボーリング孔にカメラを挿入して撮影を行う地質調査に関して、確実にかつ効率よく地質調査することができる新規な地質探査方法を開発した。
【0007】
そこで、本発明の目的は、坑内に穿たれたボーリング孔の地質調査について、確実にかつ効率よく地質調査することができる坑内地質探査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の坑内地質探査方法は、自走式の削孔機に搭載されるドリフタに脱着可能に取り付けられる削孔用ドリルにより、抗内壁を削孔してボーリング孔を形成する工程と、削孔用ドリルを前記ドリフタから取り外して、長さ方向に延びる色付き直線が付された透明管を前記ドリフタに付け替える工程と、前記ドリフタを駆動して、前記透明管を前記ボーリング孔に挿し込む工程と、前記ボーリング孔内の前記透明管内にカメラを挿入する工程と、前記透明管内に水を注入する工程と、水が充満した前記ボーリング孔内の孔壁面を前記カメラにより撮影する工程とを備えることを特徴とする。
【0009】
好ましくは、前記削孔機は、作業員が乗り込める移動可能な収容ボックスを搭載し、前記収容ボックスの作業員が、前記削孔用ドリルを取り外し、前記透明管を前記ドリフタに付け替える。
【0010】
好ましくは、前記透明管の先端にドリルビットが取り付けられ、前記ドリルビットが取り付けられた前記透明管を回転させながら、前記透明管を前記ボーリング孔内に挿し込む。
【0011】
好ましくは、前記収容ボックスの作業員が、前記透明管内に前記カメラを挿入し、さらに撮影作業を実施する。
【0012】
好ましくは、前記カメラから延びるケーブルを巻き取るためのウインチが前記収容ボックスに配置され、前記収容ボックスの作業員は、当該ウインチを操作して、前記透明管内で前記カメラを移動させ、さらに撮影作業を実施する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の坑内地質探査方法によれば、坑内の地質探査作業を確実にかつ効率よく実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の坑内地質探査方法の実施例を説明する図である。
図2】本発明の実施の形態における坑内地質探査方法のフローチャートである。
図3】本発明の実施の形態における坑内地質探査方法の処理工程を示す図である。
図4】本発明の実施の形態における坑内地質探査方法の処理工程を示す図である。
図5】本発明の実施の形態における坑内地質探査方法の処理工程を示す図である。
図6】本発明の実施の形態における坑内地質探査方法の処理工程を示す図である。
図7】本発明の実施の形態における坑内地質探査方法の処理工程を示す図である。
図8】本発明の実施の形態における坑内地質探査方法の処理工程を示す図である。
図9】本発明の坑内地質探査方法を実施するための透明管の構成例を示す図である。
図10】プローブ11の外観構成例を示す図である。
図11】プローブ11の内部構成を示す模式図である。
図12】透明管10の地表側開口端を塞ぐためのジョイント部材20の構成例を示す図である。
図13】ジョイント部材20の分解斜視図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0016】
図1は、本発明の坑内地質探査方法の実施例を説明する図である。自走式の削孔機100は、坑内の岩盤に孔をあけ(穿孔し)、その孔にダイナマイトを仕掛けて発破によって岩を砕くための自走式の大型穿孔機であり、例えば、通称アロードリルと呼ばれる鉱研工業社製の大型重機や通称ドリルジャンボと呼ばれる古河ロックドリル社製の大型重機が知られている。
【0017】
削孔機100には、本体から延びるアーム101aの先端にドリフタ101が搭載され、ドリフタ101には、削孔用ドリル60が取り付けられる。アーム101aにより回動自在及び移動自在なドリフタ101を駆動して、坑内1の切羽面2a又は周面2b(総称して坑内面2と称する)に当てられた削孔用ドリル60を回転させ、抗内面2を穿孔し、ボーリング孔40があけられる。
【0018】
また、削孔機100には、本体から延びるアーム102aの先端に作業員200が乗り込める収容ボックス102が搭載される。収容ボックス102は、作業員200が乗ることができる箱型の台座である。アーム102aにより回動自在及び移動自在な収容ボックス102を移動させ、収容ボックス102上の作業員200は、抗内面2及び抗内面2に穿孔されたボーリング孔40に接近し、各種作業(削孔ドリルから透明管の付け替え、カメラ挿入、撮影作業など)を行うことができる。
【0019】
図2は、本発明の実施の形態における坑内地質探査方法の処理フローを示す図である。また、図3乃至図8は、処理フローの各工程を示す図であり、図3乃至図8を参照しつつ、図2に沿って、本発明の坑内地質探査方法について説明する。
【0020】
自走式の削孔機100は、トンネルなどの坑内1を掘進し、S101において、ドリフタ101を駆動して、削孔用ドリル60によりボーリング孔40を形成する(図3参照)。
【0021】
S102において、削孔用ドリル60をドリフタ101から取り外し、筒状の透明管10に付け替える(図4参照)。透明管10への付け替えは作業員200によって行われるが、収容ボックス102上の作業員200に限らず、付け替え可能な場所に所在する作業員が行ってもよい。
【0022】
図9は、透明管10の構成を示す図であり、図9(a)は、1本の透明管10を示し、図9(b)は、複数の透明管10が連結された状態を示す。透明管10は、例えばポリカーボネート樹脂などの透明材料で形成され、その両端部は開口している円筒体である。透明管10を通して、孔壁面を撮像するので、透明管10は、無色であり、可視光透過率が高いことが好ましい。透明管10の寸法の一例は、削孔ドリル30によるボーリング孔40の孔径46mm~76mmに対して、例えば、外径約42mm~60mm程度、長さは2m程度である。外径寸法は、ボーリング孔の孔径よりも小さく、ボアホールカメラ(以下、カメラと称する)を内蔵するプローブ(後述)が挿入可能な径に適宜設計される。長さ寸法も、現場までの運搬や、現場での連結作業の容易性を鑑み、適宜設計されるが、2m程度が好ましい。透明管10は、複数が連結可能とするために、その両端にねじ切りされた連結手段10aを備え、一端は雄ねじ、他端は雌ねじにねじ切りされている。
【0023】
プローブの向き(方位)を認識するための基準線として、透明管10の外周側面部には、好ましくは、その両端間の長さ方向に延びる色付き直線標識10bが刻印されて付される。色は、プローブ11で孔壁面を撮影した差異に、孔壁面に重畳されて当該直線標識10bが孔壁面と識別可能な色であり、例えば赤色や青色など、孔壁面の色と重ならない色が好ましい。直線標識10bは、複数の透明管10が連結された場合に、各直線標識10bが一直線状になるように付される。直線標識10bは、インクで描かれてもよいし、色付きテープが貼付されてもよい。
【0024】
また、透明管10には、その長さ方向の長さ(すなわちボーリング孔40の奥行方向の長さ)を表す目盛りが付されてもよい。これにより、深度計を用いず、撮影画像からプローブのボーリング孔40内での位置を把握することができる。
【0025】
さらに、透明管10の両端は開口しており、透明管10の後端側の開口は後述するジョイント部材20によって塞がれ、給水配管が接続される。
【0026】
図2に戻り、S103において、ドリフタ101を駆動し、透明管10をボーリング孔40に挿し込む(図5図6参照)。穿孔されたボーリング孔40から削孔用ドリル60を抜いた後、ボーリング孔40内では、孔壁から崩れた落石、礫状物などがボーリング孔40内を部分的に塞ぐ場合が想定されるが、削岩用ドリル30を駆動するドリフタ101に透明管10を取り付け、ドリフタ101の駆動力により透明管10を回転させながら前方駆動させて透明管10を挿し込むことで、透明管10をボーリング孔40の奥行方向先端まで押し込むことができる。なお、透明管10の先端には、トンネル掘削用の金属製ドリルビットが取り付けられ、透明管10を回転させ、ボーリング孔40内の崩落物をドリルビットで削りながら、透明管10をボーリング孔40内に挿入していく。
【0027】
S104において、カメラを内蔵するプローブ11を透明管10内に挿入する(図7参照)。プローブ11の挿入は、収容ボックス102上の作業員200により実施可能である。プローブの挿入は、例えば、作業員200が押し込み棒によりプローブ11を透明管10内に押し込んで挿入する。プローブ11の後端から延びるケーブル12は、収容ボックス102に配置される小型ウインチ70と接続し、小型ウインチ70によりケーブル12は巻き取られる。収容ボックス102の作業員200は、当該小型ウインチ70を操作して、ケーブル12を巻き取りながら、透明管10内でプローブ11を移動させ、撮影作業を実施する。透明管10に長さ方向の目盛りを付すことで、ウインチ70に深度計などの計測機器を搭載する必要なく、収容ボックス102の狭い限られた空間に配置可能な小型ウインチ70を用いることができる。
【0028】
図10は、プローブ11の外観構成例を示す図である。図10において、プローブ11は、金属製(例えばステンレス鋼製)の円筒体110であって、その後端側の端面(後端部)に、ケーブル12を連結するための連結金具111が取り付けられ、ケーブル12の送り出し及び巻き取りに応じて、プローブ11はボーリング孔40内において透明管10の長さ方向を移動可能である。連結金具111が設けられる後端部は、蓋体113を形成し、円筒体110の後端部は開口可能になっており、蓋体113を開けると、円筒体110の後端部内部には、取り外し可能な記録媒体や電源スイッチなどのスイッチ類及びスイッチランプなどが格納される空間が形成されている。なお、本発明は、細い透明管10内にプローブ11を挿入するため、プローブ11の内部構造は、撮影に必要な最低限の構成(レンズ、カメラ、照明)でよく、より簡素な構成においても、本発明の探査方法は実施可能である。
【0029】
円筒体110の先端側の端面(先端部)には、撮影用の窓となる、例えばアクリルガラスなどで形成される透明円筒部114が設けられ、透明円筒部114からの撮影が可能にボーリング孔40の先端方向に向いて配置されたカメラは、プローブ11を移動させながら、この透明円筒部114を通して孔壁面の画像を撮影する。
【0030】
図11は、プローブ11の内部構成を示す模式図である。カメラ30は、透明円筒部114から孔壁面を撮影可能な位置(例えば、図示されるように、透明円筒部114の縁近辺)に配置され、円筒体110の中心軸上のカメラ30の周囲には照明部32が配置される。照明部32は、カメラ30のレンズ外周部に取り付けられて、透明円筒部114を通じて斜め前方所定範囲の孔壁面を照らす。カメラ30の前方斜め方向の孔壁面を撮影するために、好ましくは、カメラ30には、魚眼レンズのような広角レンズが取り付けられる。照明部32は、好ましくは、LEDライトであり、全周にわたって均等な光量を照射する。
【0031】
プローブ11の円筒体110の内部には、カメラ30、照明部32、制御部50を含む複数の電子部品要素が内蔵される。透明管10の直線標識10bにより、撮影画像の方位を認識可能であるため、プローブ11は、方位センサなどの付属的な電子部品を内蔵する必要はなく、簡素な内部構造とすることができるため、プローブ11を小型かつ細身の形状とし、細い透明管10に挿入可能な寸法で構成することができる。
【0032】
図2に戻り、さらにS105において、透明管10内に水を注入する(図7参照)。透明管10の後端側開口を塞ぐジョイント部材20が透明管10に取り付けられ、給水配管16が、ジョイント部材20の給水配管接続開口部に接続され、透明管10の中を通って、透明管10の先端開口から水がボーリング孔40内に流れ出て、透明管10の内部を含めてボーリング孔40内は水で満たされる。
【0033】
続いてS106において、透明管10内も含めてボーリング孔40内が水で満たされた状態でプローブ11のカメラにてボーリング孔内を撮影する(図8参照)。
【0034】
図12は、透明管10の後端側開口端を塞ぐためのジョイント部材20の構成例を示し、図5はジョイント部材20の分解斜視図を示す。図12(a)は斜視図、図12(b)は上面図、図12(c)は正面図、図12(d)は側面図である。
【0035】
ジョイント部材20は、円管形又は円筒形の本体201と、プローブ11に接続するケーブル12を本体201に通すためのスリット202と、スリット202に埋め込まれるゴム栓203と、本体201の上面側開口を塞ぎ且つプローブ11に接続するケーブル12の通し穴208を有する蓋体204と、給水用配管を接続可能とし且つ本体201の側周面に設けられる開口部205とを備えて構成される。蓋体204は図13にのみ示される。
【0036】
本体201は、両端が開口している鋼鉄製の筒部材であって、本体201に設けられるスリット202は、本体201の長手方向全域にわたって両端まで延び且つ本体201の内面まで貫通した細長状の切れ目を形成する。
【0037】
ゴム栓203は、スリット202に埋め込まれる形状を有した細長状のゴム部材であって、長手方向を軸とする断面がテーパー状に形成され、スリット202に嵌め込みやすく形成されている。また、ゴム栓203を本体201に固定するための押さえ板206が設けられ、押さえ板206はネジ又はボルトにより本体201に固定され、ゴム栓203がスリット202に埋め込まれる。これにより、スリット202が水密に塞がれる。
【0038】
本体201は、その下側の側周面がねじ切りされ、透明管10の連結手段10aとネジ結合可能となっている。
【0039】
また、蓋体204は、円筒状のねじ切り部を有し、本体201の内面に設けられたねじ切り部とネジ結合可能となっている。蓋体204はゴムキャップであって、本体201の上面側開口を水密に塞ぐ。また、蓋体204の通し穴208にケーブル12を通してから蓋体204を本体201にねじ結合し、さらにケーブル12をスリット202から本体201の内部を通してから、ゴム栓203をスリット202に埋め込んで水密に塞ぎ、押さえ板206でゴム栓203を固定する。このように、ケーブル12をジョイント部材20に通してから、ケーブル12をプローブ11に接続し、プローブ11を透明管10内に挿入し、ジョイント部材20により透明管10の後端側開口端を塞ぐ。
【0040】
給水配管16が、ジョイント部材20の給水配管接続開口部205にねじ込まれ、水供給源(図示せず)に接続する給水配管16を介して、水がジョイント部材20の給水配管接続開口部205からジョイント部材20の内部を通して透明管10内に注入される。注入された水は、透明管10の底側の先端開口からボーリング孔40内に溢れ出て、透明管10内部を含めてボーリング孔40内を満たす。ボーリング孔40内が水で充満することで、透明管10が曇ることなく、そして汚れが付着することなく、そして回転時における透明管の傷もクリアになり、プローブ11のカメラにより鮮明な画像を撮影することができる。
【0041】
本発明のジョイント部材20により透明管10の後端側開口端を塞ぐことにより、透明管10に注入された水は、ボーリング孔40の先端側の透明管10の先端開口よりボーリング孔40内に流れ出るので、ボーリング孔40内で先端側から後端側への水の流れにより、ボーリング孔40内のスライム(削屑)を外に排除することができ、水の透明度が高まり、鮮明な画像撮影を可能とする。
【0042】
S106において撮影された画像データは、ケーブル12の信号伝送線によりリアルタイムに画像処理装置(図示せず)に送られ、所定の画像処理プログラムにより解析処理される。画像処理装置は、パーソナルコンピュータ、タブレット装置など画像処理プログラムを実行可能なコンピュータ装置である。また、撮影された画像データは、プローブ11内のメモリ装置に保存される形態でもよく、撮影後に透明管10から抜き出したプローブ11からメモリ装置を取り出し、画像データを取得してもよい。
【0043】
上述のとおり、本発明の実施の形態では、削孔機によってあけられたボーリング孔に、削孔機により透明管を挿し込み、透明管から注入された水によりボーリング孔内を水で充満した状態で、透明管内に挿入されたカメラにより、ボーリング孔の孔壁を撮影する。削孔機に透明管を取り付けて押し込むことで、透明管をボーリング孔に確実に挿し込むことができる。また、削孔機の移動可能な収容ボックスにいる作業員により、カメラの挿入、撮影作業を行うことが可能となる。作業員自体が目視、手作業にて、ボーリング孔の位置にかかわらず、ボーリング孔に接近して細かい作業を行うことができ、遠隔操作にて作業する場合と比較しても格段に作業が効率化される。
【0044】
本発明は、以上の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る各種変形、修正を含む要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0045】
10:透明管、11:プローブ、12:ケーブル、20:ジョイント部材、30:カメラ(ボアホールカメラ)、40:ボーリング孔、50:制御部、60:削孔用ドリル、70:ウインチ、80:ドリルビット、100:削孔機、101:ドリフタ、102:収容ボックス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13