(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005749
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】シート供給装置
(51)【国際特許分類】
B65B 41/06 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
B65B41/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106100
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000116699
【氏名又は名称】株式会社アイホー
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉村 健
(72)【発明者】
【氏名】門山 茂則
(72)【発明者】
【氏名】大島 久典
(72)【発明者】
【氏名】千葉 茂美
(57)【要約】
【課題】容器の底面外縁部までシートを敷き込み、容器に敷いたシートの余白を容器間で均一にすること。
【解決手段】一方に開口する番重2の内側にシート3aを密着した状態で敷くシート供給装置1において、番重2を挟んで対向する位置に第1ユニット6と第2ユニット7とを配置する。第1ユニット6および前記第2ユニット7は、それぞれ、平面方向に所定の間隔を空けて配置され、シート3aを平面状に保持する第1~第3シート保持部61~63と第4~第6シート保持部71~73を有する。シート保持部61~63,71~73は、第1ユニット6と第2ユニット7との離間方向に対して交差する方向に間隔を狭めることにより、シート3aに弛みSL11,SL12,SL21,SL22を形成する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方に開口する容器の内側にシートを密着した状態で敷くシート供給装置において、
前記容器の開口部に挿入され、前記シートを前記容器に押し込む押し込み部と、
前記容器を挟んで対向する位置に配置され、前記容器と前記押し込み部との間で前記シートを保持する第1ユニットおよび第2ユニットと、
を有し、
前記第1ユニットおよび前記第2ユニットは、それぞれ、
平面方向に所定の間隔を空けて配置され、前記シートを平面状に保持する複数のシート保持部を有し、
前記シートを平面状に保持する前記複数のシート保持部の間隔を、前記第1ユニットと前記第2ユニットとの離間方向に対して交差する方向に狭めることにより、前記シートに弛みを形成する、
ことを特徴とするシート供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載するシート供給装置において、
前記第1ユニットの前記複数のシート保持部、および、前記第2ユニットの前記複数のシート保持部は、前記シートの片面を保持する、
ことを特徴とするシート供給装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載するシート供給装置において、
前記容器は、直方体形状をなし、
前記第1ユニットの前記複数のシート保持部に含まれる第1シート保持部および第2シート保持部と、前記第2ユニットの前記複数のシート保持部に含まれる第3シート保持部および第4シート保持部は、それぞれ、前記容器の角部に対応する位置に配置され、前記シートを平面状に保持する、
ことを特徴とするシート供給装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載するシート供給装置において、
前記容器は、一対の長辺と一対の短辺を備える直方体形状をなし、
前記第1ユニットの前記複数のシート保持部は、一方の短辺の側方に配置され、短辺方向に沿って間隔が狭められ、
前記第2ユニットの前記複数のシート保持部は、他方の短辺の側方に配置され、短辺方向に沿って間隔が狭められる、
ことを特徴とするシート供給装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載するシート供給装置において、
前記第1ユニットの前記複数のシート保持部は、移動不能に配置される第1固定シート保持部と、前記容器に沿って前記第1固定シート保持部の両側に配置され、前記第1固定シート保持部に向かって平面方向に移動可能な第1可動シート保持部と第2可動シート保持部とを含み、
前記第2ユニットの前記複数のシート保持部は、移動不能に配置される第2固定シート保持部と、前記容器に沿って前記第2固定シート保持部の両側に配置され、前記第2固定シート保持部に向かって平面方向に移動可能な第3可動シート保持部と第4可動シート保持部とを含む、
ことを特徴とするシート供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方に開口する容器の内側にシートを敷くシート供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、学校給食や弁当製造工場などでは、米飯がシートを介して番重に入れられた状態で保管されている。米飯が直接番重に入れられると、米飯が番重の内壁にこびりつき、番重の洗浄に手間がかかるからである。また、番重の内壁に傷がついていると、その傷部分に雑菌が繁殖し、番重が米飯を衛生的に保管できないからである。一方に開口する容器の内側にシートを敷く装置は、従来、種々提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、把持手段がシートロールから番重の上方にシートを引き出した後、チェーンに吊り下げられた押さえ金具を、チェーンを弛ませた状態で引き出したシートの上に載置し、その後、シートを切断すると同時に把持手段を開放することによって、チェーンの弛み分だけ押さえ金具を下降させ、番重の内側にシートを押し込む装置が開示されている。
【0004】
例えば特許文献2には、引出しアームがシートロールの端部を吸着してシートを所定の長さ引き出し、シートの後端部を押さえ部材が挟持したら、シートを切断し、その後、引出しアームが切断されたシートを容器の上に載置するように移動してから、シートを開放し、さらにその後、容器に載置されたシートに対して吸着盤を下降させることでシートを容器の内側に敷設する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8-164920号公報
【特許文献2】特開平3-176322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
容器にシートを敷く場合、容器の収容効率を高めるため、容器の底面外縁部までシートを密着させて敷き込むことが望ましい。また、シートの余白は、シートを敷いた容器を搬送するときに引っかかったり、収容物を適切に包み込めなかったりするなどの悪影響を後工程に与えないため、容器間で均一にすることが望ましい。
【0007】
特許文献1に記載される装置は、押さえ金具をシートに載せることによりシートにテンションをかけた状態でシートを切断していた。そのため、押さえ金具が落下してシートを番重の内側に押し込む途中でシートが突っ張ってしまい、シートを番重の四隅まで敷き込めないことがあった。また、特許文献1に記載される装置は、シートにテンションをかける具合や把持手段がシートを開放するタイミングによって、シートと番重との位置関係にばらつきが生じ、シートの余白を番重間で均一にすることが困難であった。
【0008】
特許文献2に記載される装置は、容器に載置した状態のシートを吸着盤で容器に押し込むので、シートが容器に押し込まれる途中で容器に対して位置ずれすることがあった。そのため、シートが容器の底面外縁部まで敷き込めなかったり、容器に敷いたシートの余白が容器間で均一にならなかったりした。
【0009】
よって、容器の内側にシートを敷くシート供給装置は、容器の底面外縁部までシートを敷き込めなかったり、シートの余白を容器間で均一にできなかったりしたことから、改善の余地があった。
【0010】
本明細書において開示する技術は、上記問題点を解決するためになされたものであり、容器の内側にシートを敷くシート供給装置において、容器の底面外縁部までシートを敷き込みやすく、容器に敷いたシートの余白を容器間で均一にすることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書で開示する技術の一態様は、(1)一方に開口する容器の内側にシートを密着した状態で敷くシート供給装置において、前記容器の開口部に挿入され、前記シートを前記容器に押し込む押し込み部と、前記容器を挟んで対向する位置に配置され、前記容器と前記押し込み部との間で前記シートを保持する第1ユニットおよび第2ユニットと、を有し、前記第1ユニットおよび前記第2ユニットは、それぞれ、平面方向に所定の間隔を空けて配置され、前記シートを平面状に保持する複数のシート保持部を有し、前記シートを平面状に保持する前記複数のシート保持部の間隔を、前記第1ユニットと前記第2ユニットとの離間方向に対して交差する方向に狭めることにより、前記シートに弛みを形成する、ことを特徴とする。
【0012】
上記構成を有するシート供給装置は、容器を挟んで対向する位置に第1ユニットと第2ユニットとが配置され、第1ユニットの複数のシート保持部、および、第2ユニットの複数のシート保持部が、それぞれ、シートを平面状に広げた状態で容器と押し込み部との間に配置する。第1ユニットの複数のシート保持部の間隔、および、第2ユニットの複数のシート保持部の間隔が、それぞれ、第1ユニットと第2ユニットとの離間方向に対して交差する方向に狭められることにより、シートは、容器の両側において、第1ユニットと第2ユニットとの離間方向に対して交差する方向に引き寄せられ、弛みを形成される。これに伴い、シートは、容器に対応する部分にも弛みが形成される。押し込み部は、シートの弛みを広げながらシートを容器に押し込まれるため、シートが容器に押し込まれる途中で突っ張らず、容器の底面外縁部までシートを敷き込みやすい。また、例えば、押し込み部がシートを容器に押し込む際に、シートが第1ユニットおよび第2ユニットの複数のシート保持部から離れるタイミングがずれたとしても、そのずれがシートの弛みによって吸収されるため、押し込み部によって容器に押し込まれたシートの余白を容器間で均一にすることができる。
【0013】
(2)(1)に記載するシート供給装置において、前記第1ユニットの前記複数のシート保持部、および、前記第2ユニットの前記複数のシート保持部は、前記シートの片面を保持する、ことが好ましい。
【0014】
上記構成を有するシート供給装置は、シートが第1ユニットの複数のシート保持部や第2ユニットの複数のシート保持部にひっかかりにくく、第1ユニットの複数のシート保持部および第2ユニットの複数のシート部材がシートを安定して保持できる。例えば、複数のシート保持部は、ベルヌーイチャックにより構成されることにより、シートの片面保持が可能になる。
【0015】
(3)(1)または(2)に記載するシート供給装置において、前記容器は、直方体形状をなし、前記第1ユニットの前記複数のシート保持部に含まれる第1シート保持部および第2シート保持部と、前記第2ユニットの前記複数のシート保持部に含まれる第3シート保持部および第4シート保持部は、それぞれ、前記容器の角部に対応する位置に配置され、前記シートを平面状に保持する、ことが好ましい。
【0016】
上記構成を有するシート供給装置は、容器の両側に形成される弛みが、容器の隣設する角部の間に位置するので、シートを容器の四隅まで敷き込むことができる。
【0017】
(4)(1)から(3)の何れか一つに記載するシート供給装置において、前記容器は、一対の長辺と一対の短辺を備える直方体形状をなし、前記第1ユニットの前記複数のシート保持部は、一方の短辺の側方に配置され、短辺方向に沿って間隔が狭められ、前記第2ユニットの前記複数のシート保持部は、他方の短辺の側方に配置され、短辺方向に沿って間隔が狭められる、ことが好ましい。
【0018】
上記構成を有するシート供給装置は、第1ユニットの複数のシート保持部と第2ユニットの複数のシート保持部が容器の長辺方向両側にシートの弛みを形成することにより、容器に対応する部分にも長辺方向に沿ってシートの弛みが形成されるので、押し込み部を用いてシートを容器に押し込む動作がスムーズになる。これにより、押し込み部が番重にシートを押し込む途中でシートの位置がずれにくくなり、押し込み部によって容器に押し込まれたシートの余白を容器間で均一にすることができる。
【0019】
(5)(1)から(4)の何れか一つに記載するシート供給装置において、前記第1ユニットの前記複数のシート保持部は、移動不能に配置される第1固定シート保持部と、前記容器に沿って前記第1固定シート保持部の両側に配置され、前記第1固定シート保持部に向かって平面方向に移動可能な第1可動シート保持部と第2可動シート保持部とを含み、前記第2ユニットの前記複数のシート保持部は、移動不能に配置される第2固定シート保持部と、前記容器に沿って前記第2固定シート保持部の両側に配置され、前記第2固定シート保持部に向かって平面方向に移動可能な第3可動シート保持部と第4可動シート保持部とを含む、ことが好ましい。
【0020】
上記構成を有するシート供給装置は、第1可動シート保持部と第2可動シート保持部とが第1固定シート保持部に向かって移動することにより、第1固定シート保持部を基点として第1固定シート保持部の両側に弛みを形成する。また、第3可動シート保持部と第4可動シート保持部とが第2固定シート保持部に向かって移動することにより、第2固定シート保持部を基点として第2固定シート保持部の両側に弛みを形成する。よって、上記構成のシート供給装置によれば、容器の両側にシートの弛みを安定して形成することができる。
【発明の効果】
【0021】
上記構成によれば、容器の内側にシートを敷くシート供給装置において、容器の底面外縁部までシートを敷き込みやすく、容器に敷いたシートの余白を容器間で均一にできる技術を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】シート供給装置の正面視における概略構成図である。
【
図2】
図1に示すシート供給装置の概略構成図をA-A線にて切断した断面図である。
【
図5】第1および第2ユニットの上面視における概略構成図である。
【
図6】第1および第2ユニットの上面視における概略構成図である。
【
図7】シート供給装置の処理手順を説明する図である。
【
図10】シート供給装置の動作を説明する図である。
【
図11】シート供給装置の動作を説明する図である。
【
図12】シート供給装置の動作を説明する図である。
【
図13】シート供給装置の動作を説明する図である。
【
図14】シート供給装置の動作を説明する図である。
【
図15】複数のシート保持部の変形例を示す図である。
【
図16】複数のシート保持部の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本形態のシート供給装置について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本明細書は、米飯が詰められる番重の内側にシートを敷くシート供給装置を開示する。
【0024】
図1は、シート供給装置1の正面視における概略構成図である。
図2は、
図1のA-A断面図である。なお、図中矢印で示す上下、前後、左右は、シート供給装置1に対する向きを示している。シート供給装置1は、番重2と押し込み枠4との間にシート3aを配置した状態で、番重2を押し込み枠4に対して持ち上げることにより、押し込み枠4によってシート3aを番重2に押し込み、シート3aを番重2の内側に密着して敷設するように構成されている。本実施形態において、押し込み枠4は、押し込み部の一例である。本実施形態において、番重2は、容器の一例である。
【0025】
図3は、番重2の一例を示す外観斜視図である。
図3(a)は、米飯Rをシート3aによって包む前の状態を示し、
図3(b)は、米飯Rをシート3aによって包んだ後の状態を示す。本実施形態の番重2は、長方形状の底部2e(
図1、
図2参照)の外縁部に沿って、一対の長辺側側面部2a,2bと一対の短辺側側面部2c,2dとがそれぞれ対向配置されている。シート供給装置1は、
図3(a)に示すように、一対の長辺側側面部2a,2bと対応する部分に余白3aa,3abを設け、一対の短辺側側面部2c,2dに対応する部分に余白3ac,3adを設けた状態で、番重2にシート3aを敷設する。余白3aa,3ab,3ac,3adは、番重2に敷いたシート3aのうち、番重2の開口端部より外側に位置する部分をいう。
図3(b)に示すように、余白3aa,3ab,3ac,3adは、米飯Rを包むのに利用される。
【0026】
図1および
図2に示すように、シート供給装置1は、コンベヤ11と、押し込み枠4と、引出部5と、第1ユニット6と、第2ユニット7と、リフタ9と、を有する。
【0027】
図1に示すように、コンベヤ11は、従動ローラ12と駆動ローラ13に一対のコンベヤベルト14A,14B(
図2参照)が巻回されており、番重2を後方から前方に搬送する。コンベヤ11は、第1ストッパ15と、第2ストッパ16と、第3ストッパ17と、第4ストッパ18とが番重2の搬送方向D1に沿って配置されている。第1~第4ストッパ15~18は、図中上下方向に変位可能に配置されている。第1~第4ストッパ15~18は、コンベヤ11の搬送面より上方に突出することにより番重2の移動を制限し、コンベヤ11の搬送面より下方に退避することにより番重2の移動を許容する。
【0028】
第1ストッパ15は、番重2をシート供給装置1に投入する投入位置P1に配置されている。第2ストッパ16は、噴霧ノズル10が番重2にアルコールを噴霧する噴霧位置P2に配置されている。第3ストッパ17は、リフタ9に番重2を載せ降ろしするリフト位置P3に配置されている。第4ストッパ18は、シート供給装置1から番重2を搬出する搬出位置P4に配置されている。第1~第4ストッパ15~18の動作は、個別に制御される。
【0029】
リフト位置P3には、番重2を位置決め保持した状態で上下動させるためのリフタ9が配設されている。リフト位置P3の上方には押し込み枠4が配設されている。
図2に示すように、リフタ9は、番重2を持ち上げて、押し込み枠4を番重2の開口部2fに挿入することができる。
【0030】
図4は、押し込み枠4の一例を示す概略構成図である。押し込み枠4は、挿入部41と、折り返し部42と、ファン45とを備えている。挿入部41は、番重2の内部形状に対応する形状に設けられ、番重2の開口部2fに挿入される。本実施形態では、挿入部41は、直方体形状に設けられている。挿入部41は、番重2に挿入された場合に、番重2の長辺側側面部2a,2bおよび短辺側側面部2c,2dとの間に隙間S1を形成し、番重2の底部2eとの間に隙間S2を形成するように、設けられている。
【0031】
折り返し部42は、挿入部41を番重2に挿入して番重2の内側にシート3aを押し込むときに、シート3aの余白3aa,3ab,3ac,3adを番重2の外側面に沿って下向きに折り返すように(
図3(a)参照)、挿入部41の上端部外周に沿って設けられている。折り返し部42は、挿入部41の上端部外周から外向きに延設され、先端部が挿入部41の下端面41d側に屈曲している。つまり、折り返し部42は、押し込み枠4を垂直方向に切断した場合の断面においてL字形に設けられている。押し込み枠4は、折り返し部42と挿入部41との間に形成される空隙により、番重2の開口端部と係合する縁部係合溝43が下向きに開口して形成されている。押し込み枠4は、番重2の開口端部と折り返し部42の内側上端面42bとの間に隙間S3を形成するように、番重2に押し込まれる。
【0032】
押し込み枠4の内部は空洞である。ファン45は、挿入部41の上端面41cに取り付けられ、押し込み枠4の内部に空気を吸い込む(図中矢印F1)。挿入部41の下端面41dには、第1吹出口41bが複数設けられ、押し込み枠4の内部に吸い込まれた空気が第1吹出口41bから吹き出す(図中矢印F2)。第1吹出口41bから吹き出した空気は、番重2と挿入部41との間に形成された隙間S2、隙間S1を介して、番重2の開口端部へ流れる(図中矢印F3)。隙間S1を流れる空気は、隙間S3を介して番重2の外に排出される(矢印F4)。
【0033】
折り返し部42は、縁部係合溝43と連通するように第2吹出口42eが設けられている。押し込み枠4の内部に吸い込まれた空気は、第2吹出口42eから縁部係合溝43へ下向きに吹き出される(図中矢印F5参照)。第2吹出口42eは、縁部係合溝43に係合される番重2の開口端部より外側となる位置に設けられ、空気が隙間S1から番重2の外側へ流れるのを促進する。
【0034】
図2に戻り、リフタ9は、番重2を位置決めして保持する保持部材91を有する。本実施形態では、リフタ9は、保持部材91を下限位置P11と、中間位置P12と、上限位置P13とに配置するように、動作を制御される。下限位置P11は、保持部材91を搬送面より下側に配置し、番重2を保持しない位置である。中間位置P12は、引出部5によって引き出されたシート3aの下面付近まで番重2を持ち上げる位置である。上限位置P13は、番重2への押し込み枠4の押し込みを完了する位置である。
【0035】
図2に示すように、コンベヤ11の右方には、シートロール3が配設されている。シートロール3は、シート3aがロール状に巻き付けられたものである。シート3aは、薄くて軽く、柔軟性のあるプラスチックフィルムである。本実施形態において、シート3aの材質は、例えば、HDPE(高密度ポリエチレン、High Density Polyethylene)である。シートロール3は、番重2のサイズに応じて適宜交換することができる。
【0036】
引出部5は、シートロール3の左方であって、押し込み枠4とコンベヤ11との間に配置され、押し込み枠4と番重2との間にシート3aを引き出すように構成されている。つまり、シート3aは、番重2の搬送方向D1(
図1参照)に対して直交する方向に引き出される。引出部5は、ガイドローラ51と、シート押さえ52と、一対のチャック53A,53B(
図1参照)と、を有する。
【0037】
図2に示すように、ガイドローラ51は、シートロール3の上方に配置され、シートロール3から上方に引き出したシート3aの向きを、図中左方向(押し込み枠4側)へ変更する。ガイドローラ51の左方には、シート押さえ52が配置されている。シート押さえ52は、シート3aを幅方向に沿って保持するON状態と、シート3aの保持を解除するOFF状態とに切り替え可能である。一対のチャック53A,53Bは、シート押さえ52の左方に配置されている。一対のチャック53A,53Bは、シート3aの先端部を上下方向から挟んで保持する把持状態と、シート3aの先端部を解放する解放状態とに切り替え可能である。
【0038】
図5および
図6は、第1および第2ユニット6,7の上面視における概略構成図である。
図5は、弛み形成前の状態を示し、
図6は、弛み形成後の状態を示す。シート3aの幅方向(前後方向)の両側には、一対のガイドレール54A,54Bがシート3aの引き出し方向に沿って平行に配設されている。一対のチャック53A,53Bは、一対のガイドレール54A,54Bにスライド可能に保持されている。
【0039】
図2に示すように、一対のチャック53A,53Bは、番重2あるいは押し込み枠4より左方の前進位置P21と、番重2あるいは押し込み枠4より右方の後退位置P22との間で直線往復運動するように、動作を制御される。切断部55は、後退位置P22の左方に配置され、シート3aを幅方向に沿って切断する。
【0040】
図2に示すように、第1ユニット6と第2ユニット7は、押し込み枠4の左右両側に配設されている。
【0041】
図5および
図6に示すように、番重2は、一対の長辺側側面部2a,2bを搬送方向D1に対して直交させた状態で、シート3aの下方に配置される。第1ユニット6と第2ユニット7は、番重2の長辺方向両側に配設されている。第1ユニット6は、第1シート保持部61と、第2シート保持部62と、第3シート保持部63とを備えている。第1~第3シート保持部61~63が一方の短辺側側面部2cの側方に、番重2の短辺方向に沿って並んで配置されている。第2ユニット7は、第4シート保持部71と、第5シート保持部72と、第6シート保持部73とを備えている。第4~第6シート保持部71~73は、他方の短辺側側面部2dの側方に、番重2の短辺方向に沿って並んで配置されている。
【0042】
第1~第6シート保持部61~63,71~73は、ベルヌーイチャックにより構成されている。ベルヌーイチャックは、吸着面に設けられた圧縮ノズルから圧縮エアを噴出することにより吸着面付近に真空領域を形成し、対象物を吸着保持する装置である。よって、第1~第6シート保持部61~63,71~73はシート3aを衛生的に保持できる。
【0043】
図1および
図2に示すように、第1~第6シート保持部61~63,71~73は、引出部5によって引き出されたシート3aの上面近傍に、吸着面を配置するように、引出部5より上方に配設されている。これにより、第1ユニット6と第2ユニット7は、第1~第6シート保持部61~63,71~73によって、シート3aの上面を吸着して保持することができる。
【0044】
図5に示すように、直方体形状の番重2は、第1~第4角部2g,2h,2i,2jを備えている。第1シート保持部61と第3シート保持部63は、短辺側側面部2cの両端部に位置する第1角部2gと第2角部2hに対応する位置にそれぞれ配置されている。第2シート保持部62は、第1角部2gと第2角部2hとの中間(短辺側側面部2cの短辺方向の中間)に配置されている。
【0045】
図6に示すように、第1シート保持部61および第3シート保持部63は、平面方向に移動可能に配設されている。本実施形態では、第1シート保持部61および第3シート保持部63は、番重2の短辺方向に沿ってスライド可能に配設されている。一方、第2シート保持部62は、移動不能に配置されている。第1シート保持部61および第3シート保持部63が第2シート保持部62側にスライドすることで、第1~第3シート保持部61~63の間隔が、第1ユニット6と第2ユニット7との離間方向(番重2の長辺方向)に対して直交する方向(番重2の短辺方向)に狭められる。
【0046】
図5に示すように 第4シート保持部71と第6シート保持部73は、短辺側側面部2dの両端部に位置する第3角部2iと第4角部2jに対応する位置にそれぞれ配置されている。第5シート保持部72は、第3角部2iと第4角部2jとの中間(短辺側側面部2dの短辺方向の中間)に配置されている。
【0047】
図6に示すように、第4~第6シート保持部71~73は、第1~第3シート保持部61~63と同様、第4シート保持部71と第6シート保持部73が番重2の短辺方向に沿ってスライドすることにより間隔が狭められるように、設けられている。なお、以下の説明において、
図6に点線で示す第1シート保持部61、第2シート保持部62、第4シート保持部71、および、第6シート保持部73の位置は、「非引き寄せ位置」と記載する。
図6に実線で示す第1シート保持部61、第2シート保持部62、第4シート保持部71、および、第6シート保持部73の位置は、「引き寄せ位置」と記載する。
【0048】
本実施形態において、第1ユニット6の第1~第3シート保持部61~63は、第1ユニットの複数のシート保持部の一例である。第1シート保持部61は第1可動シート保持部の一例である。第3シート保持部63は第2可動シート保持部の一例である。第2シート保持部62は第1固定シート保持部に一例である。本実施形態において、第2ユニット7の第4~第6シート保持部71~73は、第2ユニットの複数のシート保持部の一例である。第4シート保持部71は第3可動シート保持部の一例である。第6シート保持部73は第4可動シート保持部の一例である。第5シート保持部72は第2固定シート保持部に一例である。
【0049】
ところで、番重2には、深さや開口部2fの大きさなどが異なるものが存在する。本実施形態のリフタ9の保持部材91は、1個で複数種類の番重2を位置決めできるように構成されていてもよいし、番重2の種類に応じて交換できるようにしてもよい。これに対して、押し込み枠4は、番重2の内側にシート3aを密着して敷くため、番重2の種類に応じて設けることが好ましい。シート供給装置1は、番重2の種類に応じて、押し込み枠4が付け替えられる。押し込み枠4の付け替えは、自動で行われてもよいし、手作業で行われてもよい。
【0050】
続いて、シート供給装置1の動作について説明する。
図7は、シート供給装置1の処理手順を説明する図である。
図7は、1個の番重2についてシート供給装置1が行う動作の手順を示している。
図8~
図14は、シート供給装置1の動作を説明する図である。
図8~
図12、
図14は、シート供給装置1の左方から見た図である。
図13は、シート供給装置1の後方から見た図である。
【0051】
シート供給装置1は、電源が投入されると、コンベヤ11が駆動する。シート供給装置1は、第1ストッパ15が上昇した状態で番重2が第1ストッパ15の後方に投入されると、当該番重2に対して、
図7に示す処理が開始される。シート供給装置1は、タクトタイムを短くするために、第1~第4ストッパ15~18の動作を個別に制御し、アルコールの噴霧やシート3aの押し込みなどの作業を流れ作業的に行っている。しかし、ここでは説明の都合上、第1~第4ストッパ15~18がコンベヤ11の搬送面より上昇していることを前提として説明する。コンベヤ11に投入された番重2は、上昇している第1ストッパ15に突き当てられ、一対の長辺側側面部2a,2bが搬送方向D1に対して直交するように投入位置P1に位置合わせされる。
【0052】
図7に示すように、第1ストッパ15が下降すると(S101)、番重2は、
図1に示すように、投入位置P1から噴霧位置P2へ送り出される。
図7に示すように、第1ストッパ15は、番重2が投入位置P1から送り出された後、上昇する(S102)。番重2が第2ストッパ16に係止されて噴霧位置P2に位置合わせされると、噴霧ノズル10が当該番重2の内面に対してアルコールを噴霧する(S103)。これにより、番重2の内面が消毒されるとともに、シート3aの密着性を高めている。
【0053】
図7に示すように、第2ストッパ16が下降すると(S104)、番重2は、
図1に示すように、噴霧位置P2からリフト位置P3へ送り出される。
図7に示すように、第2ストッパ16は、番重2が噴霧位置P2から送り出された後、上昇する(S105)。
【0054】
図7に示すように、シート供給装置1は、第2ストッパ16の下降と並行して、一対のチャック53A,53Bがシート3aの先端部を把持した状態で後退位置P22から前進位置P21まで前進する(S201)。このとき、
図2に示すシート押さえ52は、ON状態からOFF状態に切り替えられてシート3aの保持を解除しており、
図8に示すように、シートロール3のシート3aが、押し込み枠4と番重2との間に引き出される。
【0055】
図7に示すように、一対のチャック53A,53Bがシート3aを引き出した状態で、第1~第6シート保持部61~63,71~73が、シート3aの上面を吸着して保持する(S202)。このとき、第1~第6シート保持部61~63,71~73は、非引き寄せ位置にある。よって、シート3aは、平面状に広げられた状態で第1~第6シート保持部61~63,71~73に保持される。
【0056】
図7に示すように、第1~第6シート保持部61~63,71~73がシート3aを保持すると、切断部55が駆動し、シート3aを切断する(S203)。シート3aは、第1~第6シート保持部61~63,71~73によって保持されているので、切断後に一対のチャック53A,53Bに垂れ下がらない。シート3aの切断前、シート押さえ52がOFF状態からON状態に切り替えられてシート3aを保持している。そのため、切断時の反動でシート3aがシートロール3に巻き戻されない。
【0057】
図7に示すように、シート3aの切断後、一対のチャック53A,53Bが把持状態から解放状態に切り替えられ、シート3aの先端部を解放する(S204)。シート3aは、非引き寄せ位置に配置されている第1~第6シート保持部61~63,71~73によって保持されている。そのため、一対のチャック53A,53Bがシート3aを解放した後も、シート3aは、
図9に示すように、平面状に広げられたまま、番重2と押し込み枠4との間に配置されている。
【0058】
一対のチャック53A,53Bは、解放状態のまま、前進位置P21から後退位置P22まで後退する(
図7のS205)。後退位置P22まで後退した一対のチャック53A,53Bは、解放状態から把持状態に切り替えられ、シート押さえ52によって保持されたシート3aの先端部を上下方向から挟んで保持する。
【0059】
図7に示すように、一対のチャック53A,53Bの後退と並行して、リフタ9が一次上昇する(S301)。一次上昇では、保持部材91が下限位置P11から中間位置P12まで上昇する。これにより、
図9に示すように、番重2が、第1~第6シート保持部61~63,71~73によって保持されているシート3aの下面付近まで上昇する。
【0060】
図10に示すように、第1シート保持部61と第3シート保持部63、および、第4シート保持部71と第6シート保持部73は、それぞれ幅狭方向に移動する(
図7のS206)。すなわち、第1シート保持部61と第3シート保持部63、および、第4シート保持部71と第6シート保持部73が、番重2の短辺方向に沿って、
図10に点線で示す非引き寄せ位置から
図10に実線で示す引き寄せ位置までスライドする。
【0061】
このとき、第1~第6シート保持部61~63,71~73は、シート3aを吸引した状態で平面方向に移動する。そのため、
図6および
図10に示すように、シート3aは、番重2の短辺側側面部2cの側方において、第1シート保持部61と第2シート保持部62との間に弛みSL11が形成され、第3シート保持部63と第2シート保持部62との間に弛みSL12が形成される。第2シート保持部62が短辺側側面部2cの中間に固定されているので、弛みSL11と弛みSL12が安定して形成される。
【0062】
これと同様に、
図6に示すように、第4~第6シート保持部71~73も、第4シート保持部71と第6シート保持部73が非引き寄せ位置から引き寄せ位置へスライドすることにより、番重2の短辺側側面部2dの側方において、シート3aに弛みSL21と弛みSL22を形成する。よって、シート供給装置1は、シート3aを番重2に押し込む前に、番重2の長辺方向両側に弛みSL11,SL12,SL21,SL22を形成することができる。これに伴い、番重2の開口部2fに対応する位置にも、シート3aの弛みSL31,SL32が形成される。
【0063】
図7に示すように、押し込み枠4は、番重2に押し込まれる前に、ファン45が駆動される(S207)。ファン45の駆動により、押し込み枠4は、
図11に示すように、空気を吸い込んで(図中矢印F1)、第1吹出口41bと第2吹出口42eから吹き出す(図中矢印F2,F5)。
【0064】
図7に示すように、ファン45の駆動と並行して、リフタ9が、二次上昇する。二次上昇では、保持部材91が中間位置P12から上限位置P13まで上昇する(S302)。
図12および
図13に示すように、保持部材91に保持された番重2は、シート3aと一体的に持ち上げられ、押し込み枠4の挿入部41が挿入される。番重2の開口端部は、押し込み枠4の縁部係合溝43に係合される。シート3aは、押し込み枠4によって番重2の内側に押し込められる。シート3aは、番重2に押し込められない余白3aa,3ab,3ac,3adが押し込み枠4の折り返し部42によって番重2の外側で下向きに折り返され、番重2の開口端部に沿って折り目が形成される。
【0065】
押し込み枠4を番重2に挿入するとき、シート3aは、第1~第6シート保持部61~63,71~73に保持されている部分が、番重2側に引っ張られる。しかし、第1~第6シート保持部61~63,71~73は、シート3aの上面との間に真空領域を作ることにより、シート3aの上面を吸着して保持している。そのため、シート3aは、押し込み枠4の挿入に伴って番重2側に引っ張られても、その張力に従って第1~第6シート保持部61~63,71~73からスルリと滑るように離脱することができ、損傷しない。
【0066】
押し込み枠4が番重2に挿入される際に、シート3aは、
図12および
図13に示すように、弛みSL11,SL12,SL21,SL22,SL31,SL32を広げながら番重2に押し込まれる。そのため、シート3aは、番重2の内側で突っ張ることなく、番重2の第1~第4角部2g,2h,2i,2jあるいは底部2eの外縁部まで敷設される。
【0067】
図6に示すように、第1および第2ユニット6,7は、番重2の短辺方向に沿ってシート3aを引き寄せ、番重2の長辺方向両側にシート3aの弛みSL11,SL12,SL21,SL22を形成することにより、番重2に対応する部分にも長手方向に沿って弛みSL31,SL32を形成しているので、
図12および
図13に示すように押し込み枠4を用いてシート3aを番重2に押し込む動作がスムーズになる。これにより、押し込み枠4が番重2にシート3aを押し込む途中でシート3aの位置がずれにくくなり、押し込み枠4によって押し込まれたシート3aの余白3aa,3ab,3ac,3adが番重2間で均一になることを期待できる。
【0068】
押し込み枠4は、第1吹出口41bから空気を吹き出しながら、番重2に挿入される。その空気は、挿入部41の下端面41dと番重2の底部2eとの間に形成される隙間S2から、挿入部41の外側面と番重2の内側面との間に形成される隙間S1へ流れる。隙間S2から隙間S1へ流れる空気の圧力によって、シート3aは第1~第4角部2g,2h,2i,2jまで広がって、番重2の内壁に密着しやすい。
【0069】
番重2は、開口部2fのサイズが同じでも、深さが異なる場合がある。この場合でも、第1吹出口41bから隙間S2に吹き出す空気の圧力によって、シート3aは、深さの異なる番重2の内側に密着して敷設される。
【0070】
押し込み枠4は、シート3aを番重2の内側に押し込むときに、番重2の開口端部が縁部係合溝43に挿入され、シート3aが番重2の外側で下向きに折り返される。これにより、シート3aの番重2への押し込み完了と同時に、シート3aの余白3aa,3ab,3ac,3adを番重2の開口端部で折り返して折り目を形成する作業も完了する。
【0071】
図7に示すように、保持部材91が上限位置P13に到達し、シート3aの押し込みが完了すると(S303)、リフタ9が下降する(S304)。リフタ9の下降により、番重2が押し込み枠4から離間する。この間、押し込み枠4は、第1吹出口41bと第2吹出口42eから番重2の離間方向に空気を吹き出している(図中矢印F2,F5)。そのため、シート3aが押し込み枠4につられて番重2から浮き上がらず、押し込み枠4と番重2とがスムーズに離間する。
【0072】
さらに、番重2は、シート3aを敷設される直前にアルコールを噴霧され、表面が濡れた状態でシート3aを供給される。そのため、押し込み枠4がシート3aを番重2に押し込んだときに、シート3aと番重2との密着性が高くなっている。これにより、番重2に押し込まれたシート3aは、押し込み枠4と番重2とが離間する際に、位置がずれにくい。また、押し込み枠4を番重2に押し込む際に、シート3aと押し込み枠4との間に静電気が発生しても、アルコールの水分によってシート3aが番重2に密着しているので、押し込み枠4がシート3aからスムーズに離間できる。
【0073】
図7に示すように、リフタ9の下降と並行して、ファン45が停止する(S208)。さらに、第1~第6シート保持部61~63,71~73が圧縮エアの噴出を停止する(S209)。
【0074】
第1シート保持部61と、第3シート保持部63と、第4シート保持部71と、第6シート保持部73は、幅広方向に移動する(S210)。すなわち、
図14に示すように、第1シート保持部61と第3シート保持部63、および、第4シート保持部71と第6シート保持部73は、図中点線で示す引き寄せ位置から図中実線で記載する非引き寄せ位置にスライドする。
【0075】
図7に示すように、リフタ9が下限位置P11まで下降すると(S305)、第3ストッパ17が下降する(S106)。これにより、
図1に示すように、番重2は、リフト位置P3から搬出位置P4へ送り出される。番重2がリフト位置P3から送り出された後、第3ストッパ17が上昇する(
図7のS107)。
図1に示すように、第4ストッパ18が上昇している場合、番重2は搬出位置P4で停止する。第4ストッパ18が下降すると(
図7のS108)、番重2は、搬出位置P4から前方に送り出され、シート供給装置1から取り出される。
図7に示すように、第4ストッパ18が上昇すると(S109)、処理が終了する。
【0076】
シート供給装置1によってシート3aが敷かれた番重2は、例えば、ベルトコンベヤなどで、米飯Rを投入する場所に搬送される。
図3(a)に示すように、番重2は、米飯Rがシート3a上に投入される。シート3aは、番重2の四隅まで敷き込まれている。そのため、シート3aは、米飯Rの投入時に番重2内で突っ張って破損しない。また、米飯Rは番重2の隅々まで詰められる。その後、シート3aの余白3aa,3ab,3ac,3adが、
図3(b)に示すように、米飯Rを包むように番重2の内側に折り返される。
【0077】
本実施形態では、
図6に示すように、第1~第6シート保持部61~63,71~73が、番重2の短辺側側面部2c,2dの側方で、番重2の短辺方向に沿ってシート3aを引き寄せ、余白3ac,3adに弛みSL11,SL12,SL21,SL22を形成している。そのため、シート3aの長辺方向の余白3aa,3abは、
図3(a)に示すように折り返された場合に、番重2より下方に垂れ下がらない。よって、シート3aを敷いた番重2をベルトコンベヤなどで搬送する際に、余白3aa,3abがベルトコンベヤに接触したり、巻き込まれたりすることなく、衛生的にシート3aを番重2に敷くことができる。また、シート3aは余白3aa,3ab,3ac,3adを番重2の外側の下向きに折り返すように、番重2の開口端部に沿ってシート3aに折り目が形成されている。そのため、余白3aa,3ab,3ac,3adが番重2の搬送中あるいは米飯Rの投入中に番重2の内側に折り返されず、米飯Rの投入の邪魔にならない。よって、シート供給装置1は、余白3aa,3ab,3ac,3adが後工程の邪魔にならないように、シート3aを番重2に敷くことができる。
【0078】
以上説明したように、本実施形態のシート供給装置1は、番重2を挟んで対向する位置に第1ユニット6と第2ユニット7とが配置され、
図9に示すように、第1ユニット6の第1~第3シート保持部61~63、および、第2ユニット7の第4~第6シート保持部71~73が、それぞれ、シート3aを平面状に広げた状態で番重2と押し込み枠4との間に配置する。
図10に示すように、第1ユニット6の第1~第3シート保持部61~63の間隔、および、第2ユニット7の第4~第6シート保持部71~73の間隔が、それぞれ、第1ユニット6と第2ユニット7との離間方向に対して交差する方向に狭められることにより、シート3aは、番重2の両側において、第1ユニット6と第2ユニット7との離間方向に対して交差する方向に引き寄せられ、弛みSL11,SL12,SL21,SL22を形成される。これに伴い、シート3aは、
図6に示すように、番重2に対応する部分にも弛みSL31,SL32が形成される。押し込み枠4は、
図12および
図13に示すように、シート3aの弛みSL11,SL12,SL21,SL22,SL31,SL32を広げながらシート3aを番重2に押し込まれるため、シート3aが番重2に押し込まれる途中で突っ張らず、番重2の底部2eの外縁部あるいは第1~第4角部2g,2h,2i,2jまでシート3aを敷き込みやすい。また、例えば、押し込み枠4がシート3aを番重2に押し込む際に、シート3aが第1ユニット6および第2ユニット7の第1~第6シート保持部61~63,71~73から離れるタイミングがずれたとしても、そのずれがシート3aの弛みSL11,SL12,SL21,SL22,SL31,SL32によって吸収されるため、押し込み枠4によって番重2に押し込まれたシート3aの余白3aa,3ab,3ac,3adを番重2間で均一にすることができる。
【0079】
本明細書に開示される実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本明細書に開示される技術は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、番重2は、食品以外の物品を保管する容器であってもよい。直方体形状の番重2に代えて、一方に開口する円筒形状の容器が使用されてもよい。
【0080】
第1~第6シート保持部61~63、71~73は、一対のチャック53A,53Bより下方に配置され、シート3aの下面を保持するようにしてもよい。第1~第6シート保持部61~63、71~73は、ベルヌーイチャックではなく、シート3aの上下方向から挟んで保持するエアチャックでもよい。ただし、
図11~
図13に示すように、第1~第6シート保持部61~63、71~73がシート3aの片面を保持することにより、シート3aが第1~第6シート保持部61~63、71~73にひっかかりにくくなり、シート3aを安定して保持できる。また、シート3aの片面を保持する第1~第6シート保持部61~63、71~73は、シート3aの両面あるいは側面を保持するものと比べて配置や動作の制約が少なく、シート3aのどの位置でも短時間で確実に保持できる。特に、シート押さえ52や切断部55の付近では、シート3aの両面や側面の保持が難しく、有益である。
【0081】
第1ユニット6と第2ユニット7に含まれる複数のシート保持部の数は、上記実施形態に限定されない。
図15(a)、
図15(b)、
図16(a)は、シート保持部の数の変形例を示す。白丸で示すシート保持部は平面方向に移動可能なシート保持部を示し、黒丸で示すシート保持部は平面方向に移動不能なシート保持部を示す。
【0082】
例えば、
図15(a)に示す第1ユニット6Aおよび第2ユニット7Aのように、第2シート保持部62と第5シート保持部72は省略されてもよい。ただし、
図6に示す第1ユニット6および第2ユニット7のように、第2シート保持部62と第5シート保持部72を有することにより、第2シート保持部62および第5シート保持部72を基点として番重2の両側にシート3aの弛みSL11,SL12,SL21,SL22を安定して形成することができる。また、
図6に示す第1および第2ユニット6,7は、
図15(a)に示す第1および第2ユニット6A,7Aより、弛みとなるヒダの数を増やし、各ヒダの大きさを小さくできる。そのため、シート3aは、押し込み枠4の挿入に応じて弛みSL11,SL12,SL21,SL22が広がりやすく、番重2の四隅まで敷き込みやすくなる。
【0083】
例えば、
図15(b)に示す第1ユニット6Bおよび第2ユニット7Bに示すように、第2および第5シート保持部62,72を省略し、第3および第6シート保持部63,73が移動不能に配設されてもよい。ただし、
図6あるいは
図15(a)に示すように、第1,第3,第4,第6シート保持部61,63,71,73がそれぞれ平面方向にスライドするようにすれば、シート3aの弛みが番重2の隣設する角部の中間付近に形成される。この場合、シート3aは、押し込み枠4の挿入に応じて番重2の四隅に向かって弛みを均等に広げることができるので、余白3aa,3ab,3ac,3adの大きさを管理しやすい。
【0084】
例えば、
図16(a)に示す第1ユニット6Cおよび第2ユニット7Cに示すように、番重2の両側に4個ずつ、シート保持部61C~64C,71C~74Cが配置されてもよい。この場合、例えば、第1ユニット6Cは、シート保持部61C~64Cが第1角部2gと第2角部2hの中間に向かってそれぞれスライドすることによって間隔を狭め、シート3aに弛みを形成するようにしてもよい。
【0085】
図16(b)の第1ユニット6Eおよび第2ユニット7Eに示すように、番重2の長辺側側面部2a,2bの側方に第1~第6シート保持部61~63,71~73が配置され、番重2の短辺方向両側にシート3aの弛みを形成してもよい。
【0086】
押し込み枠4は、内部が空洞でなく、ファン45を第1吹出口41bおよび第2吹出口42eに連通させる流路を備えていてもよい。
【0087】
シートロール3の代わりに、予めカットされたシート3aが使用されてもよい。この場合、例えば、予めカットされたシート3aをシート収容部に収容し、ピックアップ装置がシート収容部からシート3aをピックアップし、第1~第6シート保持部61~63,71~73に保持させるようにしてもよい。あるいは、第1~第6シート保持部61~63,71~73が、シート収容部でシート3aを保持し、シート3aを番重2と押し込み枠4との間に移動させる機能を有していてもよい。
【0088】
リフタ9を省略し、押し込み枠4が下降してシート3aを番重2に押し込んでもよい。押し込み枠4と番重2とが互いに移動して、押し込み枠4がシート3aを番重2に押し込んでもよい。
【0089】
図7に示す処理手順は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜順序を変更したり、処理を省いたり、別の処理を追加したりしてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 シート供給装置
2 番重(容器の一例)
3a シート
4 押し込み枠(押し込み部の一例)
6 第1ユニット
7 第2ユニット
61 第1シート保持部(第1可動シート保持部の一例)
62 第2シート保持部(第1固定シート保持部の一例)
63 第3シート保持部(第2可動シート保持部の一例)
71 第4シート保持部(第3可動シート保持部の一例)
72 第5シート保持部(第2固定シート保持部の一例)
73 第6シート保持部(第4可動シート保持部の一例)